JP6662350B2 - トルク変動抑制装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入力軸のトルク変動を抑制する装置に関する。
従来から、特許文献1の振子ダンパのように、内燃機関等のトルク変動を抑制させる装置が知られている。
特開2011−208774号公報
ところで、従来のトルク変動抑制装置は、トルク変動を抑制させる弾性体やマス(質量部)等が回転伝達系に備え付けられており、その分、回転伝達系全体の重量が嵩む。そこで本発明は、従来よりも回転伝達系への重量負担を軽減可能な、トルク変動抑制装置を提供することを目的とする。
本発明はトルク変動抑制装置に関する。当該装置は、回転部、外周部、及び付勢部を備える。回転部は、回転駆動源からトルクが伝達されるシャフトに設けられる。外周部は、シャフトの軸心を基準にして回転部と同心円状に設けられるとともにシャフト及び回転部とは離間して設けられる。付勢部は、回転部と外周部に設けられる。さらに付勢部は、回転部と外周部との相対回転位置に応じて、シャフトの回転と順方向の力と逆方向との力とにシャフトへの付勢力が切り替わる。
また上記発明において、付勢部は、回転部の外周面に周回りに設けられた複数の磁石と、外周部の内周面に周回りに、回転部の複数の磁石とは径方向に離間されて設けられた複数の磁石と、を備えてもよい。この場合、回転部と外周部との相対回転位置に応じて、回転部及び外周部の磁石の吸引分布及び反発分布が変化することで、シャフトへの付勢力が、シャフトの回転と順方向の力と逆方向との力とに切り替わる。
また上記発明において、シャフトの延設方向に沿って、回転部及び外周部を含む第一の組と第二の組が設けられてよい。この場合、第一の組及び第二の組の一方の外周部には、他方の外周部に対する相対角度位置を変更可能な角度調整機構が設けられてよい。
また上記発明において、他方の外周部は固定部に固定されてよい。
また上記発明において、他方の外周部にも角度調整機構が設けられてもよい。
また上記発明において、外周部をシャフト周りに回転可能な回転機構を備えてもよい。
また上記発明において、回転部はシャフトとともに回転するカムを含んでもよい。この場合、外周部はカムに当接する当接部材及び当接部材を径方向内側に付勢する弾性体を含んでもよい。
本発明によれば、トルク変動抑制装置の一部を回転系から離間させる。その結果、回転伝達系への重量負担を軽減可能となる。
第1実施形態に係るトルク変動抑制装置の概要を説明する図である。 第1実施形態に係るトルク変動抑制装置を例示する斜視図である。 第1実施形態に係るトルク変動抑制装置の挙動を説明する図である。 第1実施形態に係るトルク変動抑制装置の制振効果について説明する図である。 第2実施形態に係るトルク変動抑制装置の概要を説明する図である。 第2実施形態に係るトルク変動抑制装置を例示する斜視図である。 第一及び第二のトルク発生機構のトルク(同位相)とその合成トルクの変化を例示する図である。 第一及び第二のトルク発生機構のトルク(位相ずれ)とその合成トルクの変化を例示する図である。 第3実施形態に係るトルク変動抑制装置の概要を説明する図である。 第3実施形態に係るトルク変動抑制装置を例示する斜視図である。 第一及び第二のトルク発生機構のトルク(同位相)とその合成トルクの変化を例示する図である。 第一及び第二のトルク発生機構のトルク(位相ずれ)とその合成トルクの変化を例示する図である。 第4実施形態に係るトルク変動抑制装置の概要を説明する図である。 第5実施形態に係るトルク変動抑制装置の概要を説明する図である。 第5実施形態に係るトルク変動抑制装置の挙動を説明する図である。 第1実施形態〜第5実施形態の変形例を示す図である。
<第1実施形態>
図1に、第1実施形態に係るトルク変動抑制装置10を含む回転伝達系の一部を例示する。なお、図1〜図3、図5、図6、図9、図10、図13〜図16において、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸が示される。Z軸は鉛直方向を示し、鉛直上向き方向を正方向とする。またY軸をシャフト16の軸方向とし、X軸をZ−Y平面に対する法線とする。
トルク変動抑制装置10は、回転駆動源(トルク入力源)である内燃機関12を入力側とし、トランスミッション14を出力側とする。内燃機関12及びトランスミッション14とは駆動伝達軸であるシャフト16によって接続されている。内燃機関12からシャフト16を経由してトランスミッション14にトルクが伝達される。
また内燃機関12は、クランクピンの一回転周期内においてトルクが変動する。例えば回転速度の整数倍周期のトルク変動が生じる。本実施形態に係るトルク変動抑制装置10は、この内燃機関12のトルク変動を抑制(制振)する。
図2には、トルク変動抑制装置10の斜視図が例示される。この図に示されているように、トルク変動抑制装置10の一部はシャフト16に設けられ、他の一部はシャフト16及びこれを含んだ回転伝達系から離間する(機械的に連結関係に無い)ようにして設けられる。前者としてトルク変動抑制装置10は回転部18を含み、後者として外周部20を含む。
回転部18は、ボス22及び複数の磁石24を備える。ボス22は、シャフト16に固定結合される。シャフト16とボス22との相対回転を防ぐために、円柱形状のシャフト16の外表面にキー溝を設け、また円筒形状のボス22の内周面にこれに適合するキー溝を設けて両者を結合させるスプライン構造を備えていてもよい。
ボス22の外周面には複数の磁石24が設けられる。複数の磁石24はいずれも永久磁石であってよく、例えばアルニコ磁石やネオジム磁石から構成される。後述するように、磁石24は外周部20の磁石28と協働して、回転部18と外周部20との相対回転位置に応じて、シャフト16の回転と順方向の力と逆方向の力とが切り替わる付勢部として機能する。
図3に例示されるように、磁石24はボス22の周方向に沿って配置される。この配置に当たり、外表面に露出される極が周回りで交互に(N極/S極)切り替わるように磁石24A〜24Dが配置される。なお、図2、図3に示す例では、ボス22の外周面に配置される磁石24として4個の磁石を示したが、この形態に限らず、複数の磁石を設けてよい。
外周部20はケーシング26及び複数の磁石28A〜28Dを備える。ケーシング26は例えば円筒形状であって、シャフト16の軸心を基準にして回転部18と同心円状に設けられる。さらに外周部20は、シャフト16、回転部18、及びその他の回転伝達系から離間して(機械的な連結関係が無いように)設けられる。例えば外周部20の内周面とボス22の外周面との間には所定のギャップ(間隙)が設けられる。ケーシング26は例えば図1に示すベース等の固定部29に(回転不可となるように)固定される。
ケーシング26の内周面には、複数の磁石28A〜28Dが設けられる。回転部の磁石24A〜24Dと同様にして、複数の磁石28A〜28Dはいずれも永久磁石であってよく、例えばアルニコ磁石やネオジム磁石から構成される。後述するように磁石28A〜28Dは、回転部18の磁石24A〜24Dと同様に、付勢部として機能する。
図3に例示されるように、磁石28A〜28Dはケーシング26の周方向に沿って配置される。この配置に当たり、シャフト16側に露出される極が周回りで交互に(N極/S極)切り替わるように磁石28A〜28Dが配置される。外周部20の磁石28A〜28Dと回転部18の磁石24A〜24Dとは所定のギャップ(間隙)が設けられる。また、外周部20の磁石28と回転部18の磁石24は同数であってよい。
図3には、第1実施形態に係るトルク変動抑制装置10の動作例が示されている。なお、図3の下段はトルク変動抑制装置10からシャフト16に加えられるトルクの変化を表している。横軸はシャフト16の位相を示し、縦軸はトルクを示す。縦軸の正方向は内燃機関12の回転と順方向のトルクを示す。なお、図3下段のグラフは、シャフト16が180°回転する際にシャフト16がトルク変動抑制装置10から受けるトルク(付勢力)を例示するものである。
図3に示すように、本実施形態に係るトルク変動抑制装置10は、付勢部である磁石24A〜24D,28A〜28Dの作用によって、回転部18と外周部20との相対回転位置に応じて、シャフト16の回転と順方向と逆方向とに付勢力が切り替わる。言い換えると、シャフト16の回転方向に対してトルク(制振トルク)が正負(正逆)に変化する周期反転構造を備える。
図3に示すように、回転部18側の磁石24A〜24Dは、外周部20側に露出する磁極が、周方向に沿って交互に反転するように配置されている。同様にして、外周部20の磁石28A〜28Dも、シャフト16側に露出する磁極が、周方向に沿って交互に反転するように配置されている。
図3の(1)に示すように、回転部18側の磁石24A〜24Dと外周部20側の磁石28A〜28Dとがいずれも反発しあう。このとき、回転部18側の磁石24A〜24Dと外周部20側の磁石28A〜28Dとにより生じる力はいずれも径方向であることから、トルク変動抑制装置10によるトルクはゼロとなる。
次に図3の(2)に示すように、シャフト16の回転に伴い、回転部18の磁石24Aが外周部20の磁石28Aと反発し、また外周部20の磁石28Dと吸引し合う。同様にして、回転部18の磁石24Bが外周部20の磁石28Bと反発し、また外周部20の磁石28Aと吸引し合う。回転部18の磁石24Cは、外周部20の磁石28Cと反発し、また外周部20の磁石28Bと吸引し合う。回転部18の磁石24Dは、外周部20の磁石28Dと反発し、また外周部20の磁石28Cと吸引し合う。
これらのいずれの反発力、吸引力はシャフト16の回転方向と順方向となる。したがってシャフト16は、回転部18の磁石24A〜24Dと外周部20の磁石28A〜28Dとの反発及び吸引によって回転方向と順方向の力(トルク)を受ける。
次に図3の(3)に示すように、(1)と同様にして、回転部18の磁石24A〜24Dと外周部20の磁石28A〜28Dとが対向し、いずれも反発しあう。このとき、トルク変動抑制装置10によるトルクはゼロとなる。
次に図3の(4)に示すように、シャフト16の回転に伴い、回転部18の磁石24A〜24Dと外周部20の磁石28A〜28Dとの位相がずれる。このとき、回転部18の磁石24Aが外周部20の磁石28Cと反発し、また外周部20の磁石28Dと吸引し合う。同様にして、回転部18の磁石24Bが外周部20の磁石28Dと反発し、また外周部20の磁石28Aと吸引し合う。回転部18の磁石24Cは、外周部20の磁石28Aと反発し、また外周部20の磁石28Bと吸引し合う。回転部18の磁石24Dは、外周部20の磁石28Bと反発し、また外周部20の磁石28Cと吸引し合う。
これらのいずれの反発力、吸引力はシャフト16の回転方向と逆方向となる。したがってシャフト16は、回転部18の磁石24A〜24Dと外周部20の磁石28A〜28Dとの反発及び吸引によって回転方向と逆方向の力(トルク)を受ける。
このように本実施形態に係るトルク変動抑制装置10は、回転部18と外周部20の相対回転位置に応じて、磁石24A〜24D、磁石28A〜28Dの吸引分布及び反発分布が変化することで、シャフト16への付勢力が、シャフト16の回転と順方向の力と逆方向の力とに切り替わる。図3の(4)を経ると再び(1)に戻り、順次(2)から(4)の動作が繰り返される。
図4には、内燃機関12のトルク変動(振動トルク)とトルク変動抑制装置10のトルク変動(制振トルク)とを重ね合わせた例が示されている。横軸は時間を示し、縦軸はトルクを示す。正方向は内燃機関12の回転と順方向のトルクを示す。なお横軸はシャフト16の位相であってもよい。
この図に示されるように、内燃機関12のトルク変動(振動トルク)とトルク変動抑制装置10のシャフト16の回転に伴うトルク変動(制振トルク)とが逆位相になると、両者のトルクが打ち消し合い、破線で示すように出力トルクは振動が抑えられたものとなる。
上記のようなトルク抑制構造を備えるに当たり本実施形態では、上述したように、トルク変動抑制装置の一部(外周部20)を回転系から離間させている。その結果、回転伝達系への重量負担を軽減可能となる。
<第2実施形態>
図5には、第2実施形態に係るトルク変動抑制装置10が例示されている。後述するように、この実施形態に係るトルク変動抑制装置10は、出力するトルクの振幅及び位相を変更可能となっている。
トルク変動抑制装置10は、回転部18及び外周部20を含む第一のトルク発生機構30(第一の組)と、回転部18’及び外周部20’を含む第二のトルク発生機構30’(第二の組)とを含んで構成される。
第一のトルク発生機構30は、図2に示したトルク変動抑制装置10と比較して、外周部20のケーシング26が軸方向に延設されている点が異なる。この延設された円筒内に第二のトルク発生機構30’が収容される。
第二のトルク発生機構30’も、図2に示したトルク変動抑制装置10と基本的には同一の構造を備えているが、相違点として、ケーシング26’が第一のトルク発生機構30のケーシング26に対して相対角度位置が変更可能となっている。例えばケーシング26’の外周面がケーシング26の内周面に対して摺動可能となっている。なお、これに対して第一のトルク発生機構30のケーシング26は、ベース等の固定部29に回転不可となるように固定される。
このような構成を備えることで、第二のトルク発生機構30’の外周部20’は、第一のトルク発生機構30の外周部20に対して相対角度位置が変更可能となる。図6には第2実施形態に係るトルク変動抑制装置10の斜視図が例示されている。なお、回転部18,18’に挿入されるシャフト16は図示を省略している。
例えば第一のトルク発生機構30のケーシング26には切欠き32が設けられ、その切欠き32に対応する位置には、第二のトルク発生機構30’のケーシング26’外周面から、角度調整機構として機能するレバー34が(径方向外側に)突設される。レバー34を周廻りに回動させることで、第二のトルク発生機構30’の外周部20’が第一のトルク発生機構30の外周部20に対して相対移動する。
さらにレバー34と軸方向に対向する、第一のトルク発生機構30のケーシング26の面には目盛り36が設けられており、第二のトルク発生機構30’の外周部20’の、第一のトルク発生機構30の外周部20に対する相対角度位置が判別可能となっている。
このような、第一のトルク発生機構30及び第二のトルク発生機構30’を備えたトルク変動抑制装置10の動作例を、図7,図8を用いて説明する。いずれのグラフも横軸は時間を表し、縦軸はトルクを表す。また図3と同様に、横軸はシャフト16の回転位相であってもよい。
図7上段は、第一のトルク発生機構30がシャフト16に与えるトルク(制振トルク)の変化が示されている。また図7中段は、第二のトルク発生機構30’がシャフト16に与えるトルク(制振トルク)の変化が示されている。ここで、第一のトルク発生機構30と第二のトルク発生機構30’とは、回転部18,18’の磁石24A〜24D,24A’〜24D’の相対角度位置がゼロ(角度一致)であるものとする。また同様に、外周部20,20’の磁石28A〜28D,28A’〜28D’の相対角度位置もゼロ(角度一致)であるものとする。
このような場合、第一及び第二のトルク発生機構30,30’からシャフト16に印加されるトルクの変化は同期する。両者のトルクが足し合わされた合成トルク(図7下段)は、周期は第一及び第二のトルク発生機構30,30’のトルク波形と同一であり、かつ、振幅A3は、第一及び第二のトルク発生機構30,30’のトルク波形の振幅A1,A2の和となる(A3=A1+A2)。
図8は、第一のトルク発生機構30の外周部20に対して、第二のトルク発生機構30’の外周部20’の相対角度位置を90°進み位相側に設定したときの例が示されている。これによると、両者のトルクが足し合わされた合成トルク(図8下段)は、周期は第一及び第二のトルク発生機構30,30’のトルク波形と同一であるものの、位相は両者のトルク波形とは、ずれたものとなる。また振幅については図7の振幅A3と比較して小さい振幅A4となる。
以上説明したように、第2実施形態に係るトルク変動抑制装置10は、その装置の一部を回転系から離間させている。その結果、回転伝達系への重量負担を軽減可能となる。加えて、内燃機関のトルク変動に応じて能動的にトルク変動抑制装置10の振幅及び位相を設定可能となる。
<第3実施形態>
第2実施形態では、第一のトルク発生機構30はケーシング26が固定部29に固定されていたが、第3実施形態では、このケーシング26にも角度調整機構を設ける。例えば図9及び図10に例示するように、第一及び第二のトルク発生機構30,30’のそれぞれに、角度調整機構としてベルトプーリ機構38,38’を設ける。
ベルトプーリ機構38,38’は、無端ベルト40,40’、ローラ42,42’及びモータ44,44’を備える。ローラ42,42’は外周部20,20’の外周面に掛け渡される。モータ44,44’の回動に伴って、無端ベルト40,40’が移動し、これにより第一及び第二のトルク発生機構30,30’が互いに独立に相対角度可変となる。
このような、第一のトルク発生機構30及び第二のトルク発生機構30’を備えたトルク変動抑制装置10の動作例を、図11,図12を用いて説明する。いずれのグラフも横軸は時間を表し、縦軸はトルクを表す。また図3と同様に、横軸はシャフト16の回転位相であってもよい。
図11上段は、第一のトルク発生機構30がシャフト16に与えるトルクの変化が示されている。また図11中段は、第二のトルク発生機構30’がシャフト16に与えるトルクの変化が示されている。図11下段は、これらのトルク発生機構によるトルクが足し合わされた合成トルクが示される。
ここで、図11に示す例では、図7の例と比較して、第一及び第二のトルク発生機構30,30’の外周部20,20’の磁石28A〜28D,28A’〜28D’をともに90°進角側にシフトしている。なお、磁石28A〜28D,28A’〜28D’の相対角度位置はゼロ(角度一致)であるものとする。このような場合、合成トルクは振幅A3を持ち、また位相は図7の例よりも90°進角側にシフトされる。
図12には、第一のトルク発生機構30の磁石28A〜28Dを45°進角側にシフトし、第二のトルク発生機構30’の磁石28A’〜28Dを45°遅角側にシフトした時の例を示す。このような場合、合成トルクの振幅は図8と同様にA4となるが、位相は図7と一致したものとなる。つまり、図7の波形について、振幅のみが調整されたものとなる。
以上説明したように、第3実施形態に係るトルク変動抑制装置10は、その装置の一部を回転系から離間させている。その結果、回転伝達系への重量負担を軽減可能となる。加えて、内燃機関のトルク変動に応じて能動的にトルク変動抑制装置10の振幅及び位相を設定可能となる。さらに位相、周期を固定したまま振幅を変化させることができる。
<第4実施形態>
第4実施形態では、図10で示した第3実施形態を利用して、第一のトルク発生機構30及び第二のトルク発生機構30’の周期を可変とする。図13には第一のトルク発生機構30のY軸方向視平面図が例示されている。なお、第二のトルク発生機構30’もこれと同様の動作を行うことから、以下では適宜説明を省略する。
本実施形態では、ベルトプーリ機構38(図示せず)を、第一及び第二のトルク発生機構30,30’の位相差を調整する角度調整機構として機能させる他に、第一及び第二のトルク発生機構30,30’を回転させる回転機構としても機能させる。
ベルトプーリ機構38により、外周部20が回転させられる。このとき、シャフト16の単位時間当たりの回転数N1と外周部20の単位時間当たりの回転数N2、及び、トルク発生機構30の磁極対数p(図13の例ではp=2)を用いて、トルク変動抑制装置10の、シャフト16に対する周波数fは下記数式(1)のように表される。
数式(1)から理解されるように、例えばシャフト16と同一回転方向に外周部20を回転させると、シャフト16は外周部20の原点に辿り着くのに遅延することから、周波数が低下して周期は増加する。
また、このようなベルトプーリ機構38,38’によって、第一のトルク発生機構30と第二のトルク発生機構30’の相対角度を調整して、制振トルクの振幅及び位相を設定する。さらにその位相差を保った状態で、ベルトプーリ機構38,38’によって第一のトルク発生機構30及び第二のトルク発生機構30’を等速で回転させる。これにより制振トルクの周期が調整可能となる。
以上説明したように、本実施形態では、トルク変動抑制装置の一部を回転系から離間させる。その結果、回転伝達系への重量負担を軽減可能となる。加えて、内燃機関12のトルク変動に応じて能動的にトルク変動抑制装置10の振幅及び位相を設定可能となる。さらに位相、周期を固定したまま振幅を変化させることができる。またこれに加えて、シャフト16に対するトルク変動周期を変化させることができる。
<第5実施形態>
第1実施形態〜第4実施形態では、磁石を用いてトルク変動抑制装置10を構成していたが、その他の部材、例えば図14に示すようなカム機構を用いてトルク変動抑制装置10を構成してもよい。
図14の例では、回転部18は、シャフト16に設けられこれとともに回転するカム46を備える。カム46は径が周廻りで変化するように構成され、例えばカム46は楕円形状または正楕円形状の平板であってよい。
外周部20は、シャフト16及び回転部18を含む回転伝達系から離間される(機械的な連結関係には無い)ように構成される。外周部20は、ケーシング26、ガイド48、弾性体50及びベアリング52を備える。ケーシング26はシャフト16の同心円状に、シャフト16とは径方向に離間して設けられ、例えば円筒形状に構成される。ガイド48はケーシング26の内周からシャフト16に向かって延設される。ガイド48は内部に弾性体50を収容する。
弾性体50は一端がケーシング26の内周面に接続され、多端がベアリング52に接続される。弾性体50はコイルばねやゴム等の弾性材料から構成される。ベアリング52はカム46の外周面に回動可能に当接する。ベアリング52は弾性体50により径方向内側に付勢される。
図15には第5実施形態に係るトルク変動抑制装置10の動作例が示されている。図15の(1)から(2)を経由して(3)に至るまで、シャフト16の回転に伴ってカム46が回転させられる。このとき、シャフト16中心からカム46外周面までの距離は角度が進むにつれて短くなり、弾性体50の展開に沿ったものとなる。このとき、シャフト16には弾性体50から、シャフト16の回転と順方向に付勢力が加えられる。
さらに図15(3)においてシャフト16中心からカム46外周面までの距離が最小となると、それ以降(4)を経て(1)に至るまで、弾性体50の付勢力に抗して、つまり弾性体50を縮める方向にシャフト16及びカム46が回転する。このとき、シャフト16には弾性体50からシャフト16の回転と逆方向に付勢力が加えられる。
このようにして、回転部18(カム46)と外周部20(弾性体50)との相対回転位置に応じて、シャフト16には、シャフト16の回転と順方向の力と逆方向の力が切り替わるようにして加えられる。つまり、図15においてシャフト16がトルク変動抑制装置10から受けるトルクは、図3で示したものと同様となる。
以上説明したように本実施形態では、上記のようなトルク抑制構造を備えるに当たり、トルク変動抑制装置10の一部を回転伝達系から離間させている。その結果、回転伝達系への重量負担を軽減可能となる。
なお、上述した第1〜第5実施形態では、内燃機関12から直接シャフト16を接続し、さらに当該シャフト16にトルク変動抑制装置10を接続していたが、例えば図16に例示するように、ダンパ54等の他の制振機器を介して内燃機関12とシャフト16とを接続してもよい。これによれば、シャフト16からトルク変動抑制装置10に入力されるトルクも小規模なものとなり、トルク変動抑制装置10の小型化が可能となる。
10 トルク変動抑制装置、12 内燃機関(回転駆動源)、16 シャフト、18 回転部、20 外周部、22 ボス、24 磁石(付勢部)、26 ケーシング、28 磁石(付勢部)、29 固定部、30 トルク発生機構、34 レバー、38 ベルトプーリ機構、40 無端ベルト、42 ローラ、44 モータ、46 カム、48 ガイド、50 弾性体、52 ベアリング。

Claims (6)

  1. 回転駆動源からトルクが伝達されるシャフトに設けられる回転部と、
    前記シャフトの軸心を基準にして前記回転部と同心円状に設けられるとともに前記シャフト及び前記回転部とは離間して設けられる外周部と、
    を備え、
    前記回転部と前記外周部には、前記回転部と前記外周部との相対回転位置に応じて、前記シャフトの回転と順方向の力と逆方向の力とに前記シャフトへの付勢力が切り替わる付勢部が設けられ
    前記シャフトの延設方向に沿って、前記回転部及び前記外周部を含む第一の組と第二の組が設けられ、
    前記第一の組及び前記第二の組の一方の前記外周部には、他方の前記外周部に対する相対角度位置を変更可能な角度調整機構が設けられる、
    トルク変動抑制装置。
  2. 請求項1に記載のトルク変動抑制装置であって、
    前記付勢部は、
    前記回転部の外周面に周回りに設けられた複数の磁石と、
    前記外周部の内周面に周回りに、前記回転部の前記複数の磁石とは径方向に離間されて設けられた複数の磁石と、
    を備え、
    前記回転部と前記外周部との相対回転位置に応じて、前記回転部及び前記外周部の前記磁石の吸引分布及び反発分布が変化することで、前記シャフトへの付勢力が、前記シャフトの回転と順方向の力と逆方向との力とに切り替わる、
    トルク変動抑制装置。
  3. 請求項2に記載のトルク変動抑制装置であって、
    前記他方の前記外周部は固定部に固定される、トルク変動抑制装置。
  4. 請求項に記載のトルク変動抑制装置であって、
    前記他方の前記外周部にも前記角度調整機構が設けられた、トルク変動抑制装置。
  5. 回転駆動源からトルクが伝達されるシャフトに設けられる回転部と、
    前記シャフトの軸心を基準にして前記回転部と同心円状に設けられるとともに前記シャフト及び前記回転部とは離間して設けられる外周部と、
    を備え、
    前記回転部と前記外周部には、前記回転部と前記外周部との相対回転位置に応じて、前記シャフトの回転と順方向の力と逆方向の力とに前記シャフトへの付勢力が切り替わる付勢部が設けられ、
    前記外周部を前記シャフト周りに回転可能な回転機構を備える、トルク変動抑制装置。
  6. 請求項1または2に記載のトルク変動抑制装置であって、
    前記回転部は前記シャフトとともに回転するカムを含み、
    前記外周部は前記カムに当接する当接部材及び前記当接部材を径方向内側に付勢する弾性体を含む、
    トルク変動抑制装置。
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