JP2005334697A - 振動モータ - Google Patents

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大英 星津
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Abstract

【課題】小型化および低コスト化という要求に応えつつ、1つの振動モータで3次元方向の振動を発生させる。
【解決手段】回転軸40に偏心ウエイト50を取り付ける。軸受部30a,30bにより回転軸を回転可能かつ軸方向に往復移動可能に軸支する。回転軸を軸方向に往復移動させるスライド手段を備える。スライド手段は、回転軸に固定されたスライド用コイル60と、スライド用マグネット70とから構成したり、回転軸から周面外方へ向かって突出するカムピンと、カムピン先端部が嵌り込んで摺動するカム溝とから構成したり、回転軸の一端側に向かって突出する突起体と、突起体の先端部が押し当てられるとともに、回転軸が回転した際に突起体の移動軌跡に沿って傾斜する傾斜面を有する摺動部材と、突起体を摺動部材に押し当てる方向に付勢する付勢部材とから構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、振動モータに関し、さらに詳しくは、携帯電話、ゲーム機、時計等に使用されて、振動をシグナルとして伝達するための振動モータに関する。
従来、携帯電話のマナーモードにおいて着信を振動で報知したり、ゲームの状況に合わせてコントローラを振動させたりする振動モータが種々開発されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
このような従来の振動モータでは、モータの回転軸に偏心ウエイトが取り付けられており、回転軸の軸回りの重量が不釣り合いとなって振動が発生する。この振動はモータの回転軸に対してラジアル方向のものであり、換言すれば2次元方向にのみ振動するものである。
特開2002−291198号公報 特開2000−262969号公報
ところで、携帯電話をマナーモードに設定して携行する際には、着信を報知する振動を感知し易いように、衣服のポケット等に収納することが一般的である。
しかし、従来の振動モータは2次元方向の振動のみを発生するため、ポケットへの収納状態によっては、振動を感知することができない場合もあった。すなわち、ポケット内に収納された携帯電話が、身体に対して略平行方向に振動する状態であった場合には、携帯電話が振動したとしてもその振動が身体に伝わらずに、着信を感知できないことがあった。
このような不都合に対処するためには、携帯電話を3次元方向に振動させればよい。すなわち、図7に示すように、基板140に対して、互いに直交する方向に2つの振動モータ410,510を取り付け、第1の振動モータ410によりX−Z方向に振動を発生させ、第2の振動モータ510によりY−Z方向に振動を発生させることができ、これにより基板140(携帯電話)が3次元方向に振動する。
しかし、近年の携帯電話は、さらなる小型化および薄型化の要求があり、振動モータ自体も小型化を図らなければならない。また、たとえ小型化を図った振動モータを用いたとしても、3次元方向の振動を発生させるために2つの振動モータを用いたのでは、結局、上述した要求に応えることができない。さらに、部品点数が増加するため、低コスト化を図ることも困難であった。
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、小型化および低コスト化という要求に応えつつ、3次元方向の振動を発生させることが可能な振動モータを提供することを目的とする。
本発明の振動モータは、上述した目的を達成するため、回転軸に偏心ウエイトを取り付けた振動モータにおいて、
前記回転軸を回転可能かつ軸方向に往復移動可能に軸支する軸支手段と、
前記回転軸を軸方向に往復移動させるスライド手段とを備えてなることを特徴とするものである。
ここで、前記スライド手段は、
前記回転軸または前記回転軸を軸回り方向に囲む位置のいずれか一方に設けられたスライド用コイルと、
前記回転軸または前記回転軸を軸回り方向に囲む位置のいずれか他方に設けられたスライド用マグネットとを備えて構成することが可能である。
このような構成からなる振動モータは、前記スライド用コイルへの通電を制御することにより、前記スライド用コイルと前記スライド用マグネットとの間に反発力あるいは吸引力を発生させて、前記回転軸を軸方向に往復移動させることができる。
また、前記スライド手段は、
前記回転軸から周面外方へ向かって突出するカムピンと、
前記回転軸を軸回り方向に囲む位置に設けられ、前記カムピンの先端部が嵌り込んで摺動するカム溝とを備えて構成することが可能である。
このような構成からなる振動モータは、前記回転軸の回転に伴って前記カムピンが前記カム溝内を移動することにより、前記回転軸を軸方向に往復移動させることができる。
また、前記スライド手段は、
前記回転軸に固定され、該回転軸の一端側に向かって突出する突起体と、
前記突起体の先端部が押し当てられるとともに、前記回転軸が回転した際に該突起体の移動軌跡に沿って傾斜する傾斜面を有する摺動部材と、
前記突起体を前記摺動部材に押し当てる方向に付勢する付勢部材とを備えて構成することが可能である。
このような構成からなる振動モータは、前記回転軸の回転に伴って前記突起体の先端部が前記摺動部材の傾斜面を倣うことにより、前記回転軸を軸方向に往復移動させることができる。
本発明の振動モータによれば、回転軸に取り付けた偏心ウエイトにより回転軸と直交する平面方向に振動を発生させ、スライド手段により回転軸方向に振動を発生させることができる。すなわち、複数の振動モータを用いることなく1つの振動モータにより3次元方向の振動を発生させることができ、小型化および低コスト化を図ることが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の振動モータの実施形態を説明する。
本発明の実施形態に係る振動モータは、図4に示す円筒型モータおよび図5に示すボタン型モータ等に適用することができる。
図4に示す円筒型モータは、ハウジング20に対して、回転軸40を回転可能かつ軸方向に往復移動可能に軸支し、回転軸40の一端部に偏心ウエイト50を取り付けたものである。
図5に示すボタン型モータは、ハウジング220に対して、回転軸240を回転可能かつ軸方向に往復移動可能に軸支し、回転軸240の一端部に偏心ウエイト250を取り付けたものである。
以下、本発明を円筒型モータに適用した場合の具体的な実施例について説明する。
<実施例1>
図1は、本発明の実施例1に係る振動モータ10の概略構造を示す模式図である。なお、図1では、回転軸40、偏心ウエイト50、回転軸40を回転可能かつ軸方向に往復移動可能に軸支する軸支手段、および回転軸40を軸方向に往復移動させるスライド手段のみを模式的に示し、振動モータ10を構成するコイル、マグネット、および電力供給手段等は図示を省略しているが、コイル、マグネット、および電力供給手段等は、周知の技術手段を用いて構成することができる(実施例2および実施例3においても同様)。
実施例1に係る振動モータ10は、図1に示すように、ハウジング20の両端部に設けた一対の軸受部30a,30bにより、回転軸40が回転可能かつ軸方向に往復移動可能に軸支されており、ハウジング20の一端から突出した回転軸40に偏心ウエイト50が取り付けられている。
また、回転軸40にスライド用コイル60が固定されており、ハウジング20の内面には、スライド用コイル60に対向する位置にスライド用マグネット70が配設されている。
スライド用コイル60は、図示しない電力供給手段から駆動電力の供給を受けており、この駆動電力は周期的に変動するように制御されている。すなわち、電力供給手段はマイクロコンピュータ等からなる制御手段を有しており、所定の周期でスライド用コイル60に供給する電力が変動するような制御を行う。
これにより、スライド用マグネット70の極性とスライド用コイル60の極性が一致する場合には、スライド用マグネット70とスライド用コイル60が互いに反発して、回転軸40が例えば図中右方向に移動し、スライド用マグネット70の極性とスライド用コイル60の極性が相違する場合には、スライド用マグネット70とスライド用コイル60が互いに引き付け合って、回転軸40が例えば図中左方向に移動する。
したがって、偏心ウエイト50が回転することにより発生する振動と、回転軸40が軸方向に往復移動することにより発生する振動とが合成され、振動モータ10全体として3次元方向の振動が発生することになる。
なお、図1に示す例では、スライド用マグネット70およびスライド用コイル60がハウジング20内に収容されているが、これらの部材をハウジング20の外部に配設することもできる。また、回転軸40にスライド用マグネット70を固定し、ハウジング20の内面に、スライド用マグネット70に対向するようにして、スライド用コイル60を配設してもよい。
<実施例2>
図2は、本発明の実施例2に係る振動モータ210の概略構造を示す模式図であり、図2(a)は、回転軸40、偏心ウエイト50、およびカムピン80等の部材を示したものであり、図2(b)は、ハウジング20の内面に設けたカム溝90を示すものである。
実施例2に係る振動モータ210は、図2(a)、(b)に示すように、ハウジング20の両端部に設けた一対の軸受部30a,30bにより、回転軸40が回転可能かつ軸方向に往復移動可能に軸支されており、ハウジング20の一端から突出した回転軸40に偏心ウエイト50が取り付けられている。
また、回転軸40には周面外方に向かって突出するカムピン80が固定されており、ハウジング20の内面にはカムピン80の先端部が嵌り込んで摺動するカム溝90が形成されている。このカム溝90は、回転軸40の回転に伴ってカムピン80が回転すると、カムピン80がカム溝90内を摺動して、回転軸40が軸方向に往復移動するような形状となっている。
実施例2に係る振動モータ210は、回転軸40が回転すると、カムピン80の先端部がカム溝90内を摺動し、回転軸40が図中左右方向に往復移動する。
したがって、偏心ウエイト50が回転することにより発生する振動と、回転軸40が軸方向に往復移動することにより発生する振動とが合成され、振動モータ210全体として3次元方向の振動が発生することになる。
なお、図2に示す例では、カムピン80およびカム溝90がハウジング20内に設けられているが、これらの部材をハウジング20の外部に配設することもできる。
<実施例3>
図3は、本発明の実施例3に係る振動モータ310の概略構造を示す模式図であり、図3(a)は、回転軸40、偏心ウエイト50、突起体100、および摺動円板110等の部材を示したものであり、図3(b)は、図3(a)に示す振動モータ210を図中左側から見た状態において、ハウジング20の内側端面に設けた摺動円板110等を示すものである。
実施例3に係る振動モータ310は、図3(a)、(b)に示すように、ハウジング20の両端部に設けた一対の軸受部30a,30bにより、回転軸40が回転可能かつ軸方向に往復移動可能に軸支されており、ハウジング20の一端から突出した回転軸40に偏心ウエイト50が取り付けられている。
また、回転軸40には、回転軸40の一端側に向かって突出する突起体100が固定されており、ハウジング20の一端側内面には、摺動円板110が配設されている。この摺動円板110は、突起体100の先端部が押し当てられるとともに、回転軸40が回転した際に突起体100の移動軌跡に沿って傾斜する傾斜面111を有している。すなわち、摺動円板110の傾斜面111は、回転軸40の軸方向に対して傾斜している。
さらに、ハウジング20内には、突起体100を摺動円板110の傾斜面111に押し当てる方向に付勢する弦巻バネ120が配設されている。
実施例3に係る振動モータ210は、弦巻バネ120の付勢力により突起体100の先端部が摺動円板110の傾斜面111に押し当てられており、回転軸40が回転すると突起体の先端部が摺動円板110の傾斜面111に倣って回転移動するため、回転軸40が図中左右方向に往復移動する。
したがって、偏心ウエイト50が回転することにより発生する振動と、回転軸40が軸方向に往復移動することにより発生する振動とが合成され、振動モータ310全体として3次元方向の振動が発生することになる。
なお、図3に示す例では、突起体100、摺動円板110、および弦巻バネ120がハウジング20内に設けられているが、これらの部材をハウジング20の外部に配設することもできる。
また、付勢部材は弦巻バネ120に限られず、板バネ等、他の形状のバネ等を用いることができる。
<携帯電話等への取り付け>
前記実施例1〜3に係る振動モータ10(210,310)は、図6に示すように、携帯電話の内部に収容された基板130等に取り付けて使用される。すなわち、図6に示すように、基板130に対して前記実施例1〜3に係る振動モータ10(210,310)を取り付けることにより、1つの振動モータ10(210,310)で3次元方向(図中、X,Y,Z方向)の振動を発生させることができる。
このように、小型の振動モータ10(210,310)を1つのみ使用することにより3次元方向の振動を発生させることができるので、携帯電話の小型化、薄型化、および低コスト化を実現することが可能となる。
<他の実施形態>
前記実施例1〜3では、円筒型モータに、回転軸を軸方向に往復移動させるスライド手段を設けた場合を説明したが、本発明は、回転軸に偏心ウエイトを取り付けたタイプの振動モータであれば、ボタン型モータ等、どのようなタイプの振動モータにも適用することができる。
本発明の実施例1に係る振動モータの概略構造を示す模式図 本発明の実施例2に係る振動モータの概略構造を示す模式図 本発明の実施例3に係る振動モータの概略構造を示す模式図 本発明を適用した円筒型モータの模式図 本発明を適用したボタン型モータの模式図 本発明に係る円筒型振動モータの使用状態の説明図 従来の円筒型振動モータの使用状態の説明図
符号の説明
10,210,310 振動モータ
20,220 ハウジング
30a,30b 軸受部
40,240 回転軸
50,250 偏心ウエイト
60 スライド用コイル
70 スライド用マグネット
80 カムピン
90 カム溝
100 突起体
110 摺動円板
111 傾斜面
120 弦巻バネ
130,140 基板
410,510 従来の円筒型振動モータ

Claims (4)

  1. 回転軸に偏心ウエイトを取り付けた振動モータにおいて、
    前記回転軸を回転可能かつ軸方向に往復移動可能に軸支する軸支手段と、
    前記回転軸を軸方向に往復移動させるスライド手段とを備えてなることを特徴とする振動モータ。
  2. 前記スライド手段は、
    前記回転軸または前記回転軸を軸回り方向に囲む位置のいずれか一方に設けられたスライド用コイルと、
    前記回転軸または前記回転軸を軸回り方向に囲む位置のいずれか他方に設けられたスライド用マグネットとを備えてなり、
    前記スライド用コイルへの通電を制御することにより、前記スライド用コイルと前記スライド用マグネットとの間に反発力あるいは吸引力を発生させて、前記回転軸を軸方向に往復移動させることを特徴とする請求項1記載の振動モータ。
  3. 前記スライド手段は、
    前記回転軸から周面外方へ向かって突出するカムピンと、
    前記回転軸を軸回り方向に囲む位置に設けられ、前記カムピンの先端部が嵌り込んで摺動するカム溝とを備えてなり、
    前記回転軸の回転に伴って前記カムピンが前記カム溝内を移動することにより、前記回転軸を軸方向に往復移動させることを特徴とする請求項1記載の振動モータ。
  4. 前記スライド手段は、
    前記回転軸に固定され、該回転軸の一端側に向かって突出する突起体と、
    前記突起体の先端部が押し当てられるとともに、前記回転軸が回転した際に該突起体の移動軌跡に沿って傾斜する傾斜面を有する摺動部材と、
    前記突起体を前記摺動部材に押し当てる方向に付勢する付勢部材とを備え、
    前記回転軸の回転に伴って前記突起体の先端部が前記摺動部材の傾斜面を倣うことにより、前記回転軸を軸方向に往復移動させることを特徴とする請求項1記載の振動モータ。
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