関連出願への相互参照
本出願は、2016年10月21日付で出願された米国仮特許出願第62/411,129号、2016年11月14日付で出願された米国仮特許出願第62/421,929号、2017年2月21日付で出願された米国仮特許出願第62/461,675号、および2017年5月3日付で出願された米国仮特許出願第62/500,932の35U.S.C.§119(c)に基づく利益を主張し、37C.F.R.§1.57に基づき、これらのそれぞれの全体が参照により本明細書に援用される。本出願とともに提出された出願データシートにおいて特定される外国または国内優先権主張のための任意および全ての出願が、37C.F.R.§1.57に基づき、参照により本明細書に援用される。
本出願は、眼球内への挿入のための人工水晶体デバイス、システム、および方法に関する。
[説明]
白内障手術は、米国において、最も成功実績があり、最も頻繁に実行される外科手術処置の1つである。毎年、数百万の人々が、本処置のおかげで、彼らの視覚機能の劇的な改善を達成している。米国においてリタイア年齢に達した人口の割合の増加に伴い、これから20年に渡り白内障手術に対する需要が、毎年3百3十万人から6百万人超と、約2倍となることが予想されている。増加する需要に応え、より多くの眼科医が訓練され、白内障手術を実行する資格を得ることになるであろうし、訓練され資格を得た眼科医は、毎年より多くの白内障手術を実行するであろう。
本明細書で記述される様々な実施形態は、眼球内への挿入のための人工水晶体デバイス、システム、および方法に関する。いくつかの実施形態において、人工水晶体デバイスは、水晶体を除去した後に眼球内に挿入されるよう構成され、眼球内デバイスを収納可能なハウジング構造を含んでいる。特定の実施形態において、前記ハウジング構造は、前方部分であって、前記前方部分は、前記眼球内デバイスの挿入、除去、または交換の少なくとも1つを可能にすることができる前方開口を含み、さらに、前記前方開口は、前記前方開口を覆う屈折面と接合するよう、さらに構成されている、前記前方部分と、後方部分であって、前記後方部分は、前記眼球内デバイスの挿入、除去、または交換の少なくとも1つを可能とすることができる後方開口を含み、さらに、前記後方開口は、前記後方開口を覆う屈折面と接合するよう、さらに構成されている、前記後方部分と、前記前方部分と前記後方部分との間に位置する連続側面部分であって、前記連続側面部分は、前記前方部分および前記後方部分を越えて放射状に突出しており、前記連続側面部分は、前記ハウジング構造の側面を完全に取り囲んでおり、さらに、前記連続側面部分の内部空洞は、前記眼球内デバイスを収納するための溝を形成している、前記連続側面部分と、を含み、前記ハウジング構造は、前記前側部分と前記後側部分との間の前記連続側面部分の中点の面に関して対称である。
特定の実施形態において、人工水晶体デバイスは、屈折面および少なくとも1つの追加的な眼球内デバイスを保持することができる。特定の実施形態において、前記溝は、前記眼球内デバイスのハプティックまたは他の眼球内デバイスに取り付けられる可能性がある水晶体テンションリングを収納するよう構成されている。特定の実施形態において、前記眼球内デバイスは、眼球内レンズ、眼球内圧力センサー、電子眼球内圧力センサー、光電池、太陽電池、バッテリー、コンピューター、アンテナ、センサー、固定デバイス、水晶体テンションリング、電子デバイス、電子遠近調整眼球内レンズ、液晶ディスプレイオプティック、入力/出力デバイス、またはこれらの1つ以上のコンポーネントの少なくとも1つである。特定の実施形態において、人工水晶体デバイスは、シリコーン、ヒドロゲル、コラマー、アクリル、またはアクリル誘導体の少なくとも1つを含む。特定の実施形態において、前記人工水晶体デバイスは、前記ナチュラル水晶体嚢内に挿入された際に自己拡張可能である。特定の実施形態において、前記人工水晶体デバイスは、前記ナチュラル水晶体嚢内への挿入のために変形可能である。
特定の実施形態において、前記連続側面部分は、直線壁部分と、第1の湾曲部分と、第2の湾曲部分と、を含む。特定の実施形態において、前記直線壁は、前記前方開口および前記後方開口に対して略直交する。特定の実施形態において、前記第1の湾曲部分は、前記前方部分から延伸しており、前記第2の湾曲部分は、前記後方部分から延伸している。特定の実施形態において、前記眼球内デバイスは、ガリレオ望遠鏡または顕微鏡の少なくとも1つを含む。特定の実施形態において、前記眼球内デバイスは、電子遠近調整眼球内レンズを含む。
特定の実施形態において、前記人工水晶体デバイスは、等凸屈折面を含み、前記屈折面は、前記屈折面を、前記円形の前方開口または前記円形の後方開口の少なくとも1つに固定するための複数のタブを含み、前記複数のタブは、前後方向において交互に、前記屈折面から突出している。特定の実施形態において、前記複数のタブは、前記デバイスの内部および前記デバイスの外部に交互に固定されるよう構成されている。特定の実施形態において、前記複数のタブのそれぞれは、前記タブを前記デバイスに固定する、または、強膜固定のための縫合を保持するためのアイレット開口を含む。特定の実施形態において、前記屈折面は、前記ハウジング構造に取り付けられることなく、前記ハウジング構造とは別々に、前記ナチュラル水晶体嚢内に挿入可能である。
特定の実施形態において、前記屈折面は、−35Dから+35Dの間の屈折力を含む。特定の実施形態において、前記屈折面は、摩擦係合により、前記円形の前方開口または前記円形の後方開口の少なくとも1つに固定されている。特定の実施形態において、前記屈折面は、縫合により、前記円形の前方開口または前記円形の後方開口の少なくとも1つに固定されている。特定の実施形態において、前記屈折面は、前記連続側面部分の前記内部空洞内における配置のための眼球内のレンズの選択のための参照点として利用可能である。特定の実施形態において、前記屈折面は、−35Dより小さい屈折力を含む。特定の実施形態において、前記屈折面は、+35Dよりも大きな屈折力を含む。
上において要約され、さらに以下において詳細に説明される方法は、1人の実施者によって行われる特定のアクションを記述するが、これらの工程は、第三者によるこれらのアクションの指示をも含み得ることは理解されるべきである。よって、「眼球内レンズを人工水晶体デバイス内に挿入する」とのようなアクションは、「人工水晶体デバイス内への眼球内レンズの挿入を指示する」ことを含み得る。
添付の素面と共に以下の詳細な説明を参照することにより、以下に記述されるデバイスおよび方法のより良い理解が適切になされるであろう。
図1Aは、例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図1Bは、図1Aの例示的な人工水晶体デバイスの別の前方側の斜視図である。
図1Cは、図1Aの例示的な人工水晶体デバイスの後方側の斜視図である。
図1Dは、図1Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図である。
図1Eは、図1Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図1Fは、図1Eの1F−1F線に沿った、図1Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図1Gは、図1Eの1G−1G線に沿った、図1Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図2Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図2Bは、図2Aの例示的な人工水晶体デバイスの別の前方側の斜視図である。
図2Cは、図2Aの例示的な人工水晶体デバイスの後方側の斜視図である。
図2Dは、図2Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図である。
図2Eは、図2Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図2Fは、図2Eの2F−2F線に沿った、図2Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図2Gは、図2Eの2G−2G線に沿った、図2Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図3Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図3Bは、図3Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図3Cは、図3Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図である。
図3Dは、図3Bの3D−3D線に沿った、図3Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図4Aは、互いに接合された図3Aの2つの(2)例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図4Bは、互いに接合された図3Aの2つの(2)例示的な人工水晶体デバイスの後方側の斜視図である。
図4Cは、互いに接合された図3Aの2つの(2)例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図4Dは、互いに接合された図3Aの2つの(2)例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図である。
図4Eは、図4Cの4E−4E線に沿った、互いに接合された図3Aの2つの(2)例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図5Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図5Bは、図5Aの例示的な人工水晶体デバイスの後方側の斜視図である。
図5Cは、図5Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図5Dは、図5Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図である。
図5Eは、図5Cの5E−5E線に沿った、図5Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図5Fは、図5Aの例示的な人工水晶体デバイスの別の側面側の平面図である。
図5Gは、図5Fの5G−5G線に沿った、図5Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図6Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図6Bは、図6Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図6Cは、図6Bの6C−6C線に沿った、図6Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図6Dは、図6Bの6D−6D線に沿った、図6Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図7Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図7Bは、図7Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図7Cは、図7Bの7C−7C線に沿った、図7Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図7Dは、図7Bの7D−7D線に沿った、図7Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図8Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図8Bは、図8Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図8Cは、図8Bの8C−8C線に沿った、図8Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図8Dは、図8Bの8D−8D線に沿った、図8Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図9Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図9Bは、図9Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図9Cは、図9Bの9C−9C線に沿った、図9Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図9Dは、図9Bの9D−9D線に沿った、図9Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図10Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図10Bは、図10Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図10Cは、図10Bの10C−10C線に沿った、図10Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図10Dは、図10Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図である。
図11Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図11Bは、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図11Cは、図11Bの11C−11C線に沿った、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図11Dは、図11Bの11D−11D線に沿った、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図12Aは、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの別の前方側の平面図である。
図12Bは、図12Aの12B−12B線に沿った、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図12Cは、図12Aの12C−12C線に沿った、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図12Dは、図12Aの12D−12D線に沿った、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図12Eは、図12Aの12E−12E線に沿った、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図12Fは、図12Aの12F−12F線に沿った、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図12Gは、図12Aの12G−12G線に沿った、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図13Aは、二次的なデバイスが内部に挿入された図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図13Bは、二次的なデバイスが内部に挿入された図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図13Cは、図13Bの13C−13C線に沿った、二次的なデバイスが内部に挿入された図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図13Dは、図13Bの13D−13D線に沿った、二次的なデバイスが内部に挿入された図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図14Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図14Bは、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図14Cは、図14Bの14C−14C線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図14Dは、図14Bの14D−14D線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図15Aは、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの別の前方側の斜視図である。
図15Bは、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの別の前方側の平面図である。
図15Cは、図15Bの15C−15C線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの別の断面図である。
図15Dは、図15Bの15D−15D線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの別の断面図である。
図16Aは、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの別の前方側の平面図である。
図16Bは、図16Aの16B−16B線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図16Cは、図16Aの16C−16C線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図16Dは、図16Aの16D−16D線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図16Eは、図16Aの16E−16E線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図16Fは、図16Aの16F−16F線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図16Gは、図16Aの16G−16G線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図16Hは、図16Aの16G−16G線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図17Aは、人工水晶体デバイスと共に用いられるよう構成された例示的なハプティックの前方側の斜視図である。
図17Bは、図17Aの例示的なハプティックの前方側の平面図である。
図17Cは、図17Aの例示的なハプティックの側面図である。
図18Aは、二次的なデバイスが内部に挿入された図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図18Bは、二次的なデバイスが内部に挿入された図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図18Cは、図18Bの18C−18C線に沿った、二次的なデバイスが内部に挿入された図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図18Dは、図18Bの18D−18D線に沿った、二次的なデバイスが内部に挿入された図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図18Eは、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの一部分の前方側の平面図である。
図19Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図19Bは、図19Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図19Cは、図19Bの19C−19C線に沿った、図19Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図19Dは、図19Bの19D−19D線に沿った、図19Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図19Eは、図19Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図である。
図19Fは、図19Dの19F−19F線に沿った、図19Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図20Aは、人工水晶体デバイスと共に用いられるよう構成された例示的なオプティックの前方側の斜視図である。
図20Bは、図20Aの例示的なオプティックの前方側の平面図である。
図20Cは、図20Bに示された前方側の平面図の長軸に沿った、図20Aの例示的なオプティックの側面側の平面図である。
図20Dは、図20Bに示された前方側の平面図の短軸に沿った、図20Aの例示的なオプティックの側面側の平面図である。
図21Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図21Bは、図21Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図21Cは、図21Bの21C−21C線に沿った、図21Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図21Dは、図21Bの21D−21D線に沿った、図21Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図22Aは、人工水晶体デバイスと共に用いられるよう構成され得る例示的な屈折面または眼球内レンズの前方側の斜視図である。
図22Bは、図22Aの例示的な屈折面または眼球内レンズの前方側の平面図である。
図22Cは、図22Aの例示的な屈折面または眼球内レンズの側面側の平面図である。
図22Dは、図22Aの例示的な屈折面または眼球内レンズの別の側面側の平面図である。
図23Aは、人工水晶体デバイスと共に用いられるよう構成された例示的な遠近調整オプティックデバイスの前方側の平面図である。
図23Bは、人工水晶体デバイスと共に用いられる図23Aの例示的な遠近調整オプティックデバイスを含む例示的な遠近調整オプティックシステムの前方側の平面図である。
図23Cは、人工水晶体デバイスの短軸に沿った、図23Bの例示的な遠近調整オプティックシステムの断面図である。
図23Dは、遠近調整オプティックシステムの例示的な制御プロセスを示すブロック図である。
図23Eは、遠近調整オプティックシステムの別の例示的な制御プロセスを示すブロック図である。
図24Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図24Bは、図24Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図24Cは、図24Bの24C−24C線に沿った、図24Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図24Dは、図24Bの24D−24D線に沿った、図24Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図24Eは、図24Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図である。
図24Fは、図24Dの24F−24F線に沿った、図24Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図25Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図25Bは、図25Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図25Cは、図25Bの25C−25C線に沿った、図25Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図25Dは、図25Bの25D−25D線に沿った、図25Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図26Aは、人工水晶体デバイスと共に用いられるよう構成された別の例示的な屈折面または眼球内レンズの前方側の斜視図である。
図26Bは、図26Aの例示的な屈折面または眼球内レンズの前方側の平面図である。
図26Cは、図26Bの26C−26C線に沿った、図26Aの例示的な屈折面または眼球内レンズの断面図である。
図26Dは、図26Aの例示的な屈折面または眼球内レンズの側面側の平面図である。
図27Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図27Bは、図25Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図27Cは、図27Bの27C−27C線に沿った、図27Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図27Dは、図27Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図である。
図28Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図28Bは、図28Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図28Cは、図28Bの28C−28C線に沿った、図28Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図28Dは、図28Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図である。
図29Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図29Bは、図29Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図29Cは、図29Bの29C−29C線に沿った、図29Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図29Dは、図29Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図である。
図30Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図30Bは、図30Aの30B−30B線に沿った、図30Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図31Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図31Bは、図31Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図31Cは、図31Bの31C−31C線に沿った、図31Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図31Dは、図31Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図である。
図32Aは、人工水晶体デバイスと共に用いられるよう構成された別の例示的な屈折面または眼球内レンズの前方側の斜視図である。
図32Bは、図32Aの例示的な屈折面または眼球内レンズの前方側の平面図である。
図32Cは、図32Bの32C−32C線に沿った、図32Aの例示的な屈折面または眼球内レンズの断面図である。
図32Dは、図32Aの例示的な屈折面または眼球内レンズの側面側の平面図である。
図33Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図33Bは、図33Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図である。
図33Cは、図33Bの33C−33C線に沿った、図33Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図である。
図34は、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。
図35Aは、例示的なチューブ状デバイスの側面側の斜視図である。
図35Bは、別の例示的なチューブ状デバイスの側面側の斜視図である。
図35Cは、別の例示的なチューブ状デバイスの側面側の斜視図である。
図35Dは、別の例示的なチューブ状デバイスの側面側の斜視図である。
図35Eは、別の例示的なチューブ状デバイスの側面側の斜視図である。
図36は、例示的な人工水晶体デバイスと、例示的なチューブ状デバイスと、を含む例示的な人工水晶体システムの前方側の斜視図である。
図37は、眼球内における図36の例示的な人工水晶体システムの前方側の斜視図である。
図38Aは、例示的な人工水晶体デバイスと、例示的なチューブ状デバイスと、例示的な閉じ込め構造と、を含む例示的な人工水晶体システムの前方側の斜視−部分解図である。
図38Bは、図38Aの例示的な人工水晶体システムの前方側の斜視図である。
図39は、眼球内における別の例示的な人工水晶体システムの前方側の斜視図である。
図40は、チューブ状デバイスを含む人工水晶体システムの例示的な制御プロセスを示すブロック図である。
図41は、チューブ状デバイスを含む人工水晶体システムの別の例示的な制御プロセスを示すブロック図である。
図42は、眼球内におけるチューブ状デバイスを含む別の例示的な人工水晶体システムの前方側の斜視図である。
図43は、ユーザーの鼻梁を覆うように配置されるよう構成された例示的なAR/VR投影デバイスまたはシステムの斜視図である。
図44は、プリズムまたはプリズムバーを含む例示的な人工水晶体デバイスの斜視図である。
図45は、人工水晶体デバイス、および/または、AR/VR投影デバイスまたはシステムと共に用いられるよう構成された例示的なプリズムまたはプリズムバーの斜視図である。
図46は、人工水晶体デバイスシステムの1つ以上の実施形態を実施するためのソフトウェアを実行するよう構成されたコンピューターハードウェアシステムの例を示すブロック図である。
図47は、人工水晶体デバイスシステムの1つ以上の実施形態を実施するためのソフトウェアを実行するよう構成されたコンピューターハードウェアシステムの別の例を示すブロック図である。
図48は、人工水晶体デバイスシステムの1つ以上の実施形態を実施するためのソフトウェアを実行するよう構成されたコンピューターハードウェアシステムの別の例を示すブロック図である。
発明の詳細な説明
白内障手術の需要の増加に加え、技術的進歩は、手術についての患者の期待を高めている。短時間で処置を実行できるようになり、さらに、患者は、視覚機能の迅速な回復を期待する。また、患者は、彼ら/彼女らの眼科医に対し、いくつか例を挙げると、多焦点眼球内レンズ、老眼修正レンズ、円環体レンズ、および単眼視野等のような眼鏡を使用することなく、より若々しい頃の視覚の解像度を、彼ら/彼女らに与えてくれるよう求める。手術前の正確な測定や素晴らしい手術テクニックにも関わらず、手術には多くの制御不能な変数が含まれ、望まれているような屈折力の結果は、多くの幸運を必要とするものである。過去の手術された白内障患者の20−50%は、眼鏡または後追いの屈折力強化手術の恩恵を受け、彼ら/彼女らの望む屈折力のエンドポイントを達成する。この多くの屈折率の予測不可能性の主たる理由の1つは、エフェクティブレンズポジション(ELP:Effective Lens Position)として数学的に表現され、白内障手術の現状では、大きく変化し得、さらに、予測不能な、眼球内でのレンズインプラントの最終的な静止位置にあるものと信じられている。近年、何億ドルもの資金が、外科嚢切開術および角膜切開術のサイズや形状をより正確に制御可能で、ELPの変動性を低減させるという所定の目標を持ち、より良い屈折率の結果を補助することができる、より高度に洗練されたフェムト秒レーザーシステムの開発に投じられている。残念ながら、フェムト秒レーザーシステムの向上された正確さは、いまだ、白内障、ナチュラル水晶体嚢、および眼球内レンズインプラント(IOL: Intraocular Lens Implant)間の体積差である、ELPの変動性を悪化させる主たる課題に対応できていない。
米国特許第8,900,300号、米国特許第9,414,907号、および米国特許第9,358,103号において、白内障手術における所望の屈折率のエンドポイントを提供することを支援するデバイスおよび方法が記述されており、これらのそれぞれの全体が、参照によりここに援用される。本出願において参照される全ての特許、特許出願、および他の書類の全体が、参照によりここに援用される。
図1Aは、人工水晶体デバイス100の1例の前方側の斜視図を示している。図1Bは、図1Aの例示的な人工水晶体デバイス100の別の前方側の斜視図を示している。
いくつかの実施形態において、デバイス100は、参照により全体またはその変形がここに援用される米国特許第9,358,103号に記述されたデバイスに対して記述された複数の特徴を備えている。例えば、デバイス100は、前方面102と、後方面104と、前方面102と後方面104との間で延伸する1つ以上の側壁106と、前方面102、後方面104、および1つ以上の側壁106によって規定される空洞または開口108と、を含み得、さらに、後方面104は、選択的に、屈折面110を含む。したがって、デバイス100は、屈折面110と、空洞108内において保持される二次的または追加的な眼球内レンズ、電子デバイス、または他の眼球内デバイスとの双方を含むよう構成され得る。
後方面104の少なくとも一部分は、例えば、既に眼球内にある既知のレンズと共に手術中において偽水晶体屈折が実行されることを可能とし得る屈折面を含み得る。屈折面110は、約+1ジオプターの屈折力を含み得る。他の実施形態において、屈折面110は、球面、非球面、波面、凸、凹、多焦点(回折、屈折、帯状)、円環、遠近調整可能、紫外線(UV)フィルター、回折色収差低減レンズ、光量調整可能レンズ(紫外線光調整可能、フェムト秒レーザーラッピング)、および任意の正のジオプター値(例えば、+35D以上を含む)から任意の負のジオプター値(例えば、−35D以下を含む)までの範囲の光学パワーを含むが、これに限定されない、眼球内レンズの分野において現在既知の任意および全てのレンズパワーおよびデザインを含み得る。
屈折面110は、デバイス100内に配置されるIOLの屈折力を有利に低減してもよい。例えば、デバイスが屈折面110を備えていない場合(例えば、シンプルな、または、変形されたリングから構成される場合)、1つ以上のIOLデバイスが屈折力の全てを提供する必要があり、これはIOLの体積を増加させることになり得、より大きな切り口および関連する合併症を引き起こす。眼球内に埋め込まれた屈折面110を含むデバイス100は、屈折面110に接合される(例えば、内部に位置する、隣接して位置する、および/またはその上面に位置する)第2の屈折デバイスまたはIOLの有効な使用を可能とすることができる。後方屈折面110は、眼球のELPが、任意の残存屈折率エラーと共に判別されることを可能とし得る。任意の更なる屈折エラーが発見された場合、第2の屈折デバイスまたはIOLを、屈折面110に(例えば、直ちに)追加することができ、これにより、欠陥を無効化し、所望の結果が達成されることを確実にすることを支援することができる。後方屈折面110は、正確に配置および固定され、および/または、視覚の劣化に繋がり得る後方屈折面110の側方へのズレ、および/または、前後方向への位置ズレ、回転、傾き等を抑制または防止し得る。
さらに、特定の実施形態において、デバイス100は、1つ以上の追加的な特徴を備えている。例えば、デバイス100は、箱型形状とは対照的な、全体として水晶体状またはレンズ状の形状を含み得る。換言すれば、デバイス100の全体的な形状は、むしろナチュラル水晶体の形状に近いものであってもよい。デバイス100の全体的な水晶体状の形状により、負および正の異常光視症のリスクを低減し得る。負の異常光視症は、白内障手術における一般的な問題であり、一般的に、視覚内に一時的な暗い三日月状物が患者により観測されるものであり、全内部反射として既知の光学的現象または光のケラレのいずれかによって引き起こされるものであると信じられている。これは、光学的エッジと、比較的平坦な面を形成する、中身がなく、折り畳まれ、取り囲んでいる水晶体との接点において発生し得、または、オプティックの一部分と重なる水晶体によって発生し得、最も一般的には鼻の側面で発生し得る。インプラント可能なデバイス100が全体としてレンズ状の構成を備えている実施形態では、水晶体は、開かれたまま保持され、比較的平坦な面が、後方および前方の水晶体の融合によって形成されないようになっている。より具体的には、光がデバイス100の曲線スライス(例えば、シリコーンから形成可能である)に当たったとき、光は、反射の代わりに、曲線スライスを通過してしまい、一般的に平坦面で生じるように、負の影を生じさせてしまう。これは、180度平面における水平経線において特に当てはまる。したがって、いくつかの実施形態において、デバイス100は、如何なる平坦エッジまたは平坦面も含まない。換言すれば、デバイス100の全ての面は、曲面であり得る。平坦な光学面は、全内部反射を促進させ得るものであり、自然状態のナチュラルな人間の水晶体、または、水晶体皮膜には、存在しないものである。本明細書に記述される実施形態のいくつかの1つの目的は、如何なる平坦光学面も有さないようにすることにより、負の異常光視症を低減することにある。
特定の実施形態において、デバイス100の1つ以上の側壁106は、後方面104および/または前方面102の周面全体から延伸する代わりに、後方面104および/または前方面102の一部分のみから延伸し得る。側壁106の外周面は、円の円弧を含み得る。例えば、図示の実施形態では、デバイス100は、それぞれ後方面104および/または屈折面110の周面の一部分のみから延伸する2つの側壁106A、106Bを含んでいる。換言すれば、前方面102および後方面104の複数の特定の部分は、側壁によって接続されていない。
デバイス100の側面全体を取り囲む側壁を有する代わりに、側壁の一部分のみの存在を有することによる数多くの利点が存在する。例えば、いくつかの箇所において側壁を有さないようにすることにより、屈折面110の後方の領域に対してよりアクセスしやすくなる。これは、デバイス100のインプラント手術の際に、デバイス100を埋め込んだ直後またはすぐ後のレンズまたは屈折面100の後方からの粘弾性物質の除去を容易にすることができるので、重要となり得る。側壁がデバイス100の全体を取り囲んでいるデバイスでは、ナチュラル水晶体のスペースと、側壁水晶体嚢との間での操作を実行し、レンズまたは屈折面110の後方に到達し、粘弾性物質を吸い取ることが困難となり得る。後方面104のいくつかの部分に少なくとも沿って存在する側壁を有していない場合、粘弾性物質を除去するためにレンズまたは屈折面110の後方の領域に到達することが実質的に容易となり、さらに、粘弾性物質の残留による後方水晶体膨張症のリスクを実質的に低減することができる。
さらに、後方面104のいくつかの部分に少なくとも沿って存在する側壁を有さないようにすることにより、デバイス100の全体体積を減少させることができる。したがって、デバイス100は、デバイス全体を取り囲む側壁を有するデバイスと比較して、より小さなインジェクターおよび眼球内の切り口内に押し入れられることができる。換言すれば、デバイス100は折り畳み、巻き取り、また、図1Eの1G−1G線またはデバイスの長軸が圧縮されるよう変形可能であり、これにより、デバイス100の1F−1F線が圧縮され、埋め込みのために、デバイス100が小さなインジェクターおよび/または眼球内の小さな切り口内に挿入されることを可能としている。例えば、いくつかの実施形態において、デバイス100は、約2.2mmの切り口を介して、眼球内に挿入され得る。他の実施形態では、デバイス100は、約1.5mm、約1.6mm、約1.7mm、約1.8mm、約1.9mm、約2.0mm、約2.1mm、約2.2mm、約2.3mm、約2.4mm、約2.5mm、約2.6mm、約2.7mm、約2.8mm、約2.9mm、約3.0mm、約3.1mm、約3.2mm、約3.3mm、約3.4mm、約3.5mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の切り口を介して眼球内に挿入され得る。
また、デバイス100のサイズを小さくすることにより、より大きなオプティックまたはレンズの使用、例えば、前方面104上での使用および/または空洞108内に配置を可能とすることができる。より具体的には、側壁のいくつかを除去することにより、デバイス100自身の体積が減少するので、より大きなレンズまたは屈折面110をデバイス100において用いることができる。より大きなレンズまたは屈折面110の使用は、手術後のハローおよび/またはグレアの低減に有利となり得る。例えば、夜間時のように、瞳が5mmより大きく拡張する際に、屈折面110の外側部分に到達する光は、集光されないであろう。より大きなレンズまたは屈折面110は、一般的に、このような問題に対処、特に、瞳が、例えば、6mmまたは7mmに拡張する際の夜間の症状を防止するのにより適している。
いくつかの実施形態において、レンズまたは屈折面110および/または1つ以上のハプティック112以外のデバイス100の全体は、実質的に、シリコーンおよび/または軟質のシリコーンポリマーを含み得る。さらに、特定の実施形態において、レンズまたは屈折面110および/または1つ以上のハプティック112以外のデバイス100の全体は、実質的に、可撓性および/または弾性材料を含み得る。したがって、デバイス100は、小さな切り口を介した眼球内への埋め込みのために、折り畳み式または折り畳み可能である。眼球内に挿入されると、デバイス100は、ナチュラル水晶体嚢内において、自然と折り畳みが解除され、図1Aに示されているような自身の拡張構成となるよう自己拡張する。特定の実施形態において、デバイス100全体を取り囲む側壁を有さないデバイス100は、オプティックまたは屈折面110のサイズが、デバイスのインプラント手術における切り口に対する制限要素となるレベルにまで折り畳み可能である。
デバイス100は、1つ以上の水晶体領域を含み得る。1つ以上の水晶体領域は、後方側の屈折面110に加え、レンズまたは二次的なレンズを受ける、および/または、保持するよう構成され得る。二次的なレンズ、IOL、または他の光学デバイスをデバイス100内に挿入することにより、ガリレオおよび/または逆ガリレオ望遠鏡を提供することができる。例えば、後方面104の一部分、前方面102の一部分、および側壁106A、106Bの一部分は、水晶体領域を規定することができる。図1A−1Gに示された実施形態において、デバイス100は、2つの水晶体領域を含んでいる。第1の水晶体領域は、後方面104の一部分と、前方面102の一部分と、側壁106Aの一部分と、によって規定されている。同様に、第2の水晶体領域は、後方面104の別の一部分と、前方面102の別の一部分と、側壁106Bの別の一部分とによって規定されている。他の実施形態において、デバイス100は、1、3、4、5、6、7、8、9、または10個の分離された水晶体領域を含み得る。
同様に、デバイス100は、後方面104および/または屈折面110の周面の一部分のみからそれぞれ延伸する1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の側壁106を含み得る。いくつかの実施形態において、デバイス100の1つ以上の側壁106は、後方面104および/または屈折面110の周面の約120°から延伸し得る。他の実施形態において、デバイス100の1つ以上の側壁106は、後方面104および/または屈折面110の周面の約15°、約30°、約45°、約60°、約75°、約90°、約105°、約135°、約150°、約165°、約180°、約195°、約210°、約225°、約240°、約255°、約270°、約285°、約300°、約315°、約330°、約345°、および/または約360°から延伸し得る。特定の実施形態において、デバイス100の1つ以上の側壁106は、上述の値の2つによって規定される周面範囲内で、後方面104および/または屈折面の周面の一部分から延伸し得る。
いくつかの実施形態において、1つ以上の側壁106は、凹形状を含み得る。例えば、1つ以上の側壁106の内面、および/または、屈折面110または後方面104の内面は、空洞108を形成し得る。空洞は、例えば、IOLを保持するよう構成され得る。
いくつかの実施形態において、デバイス100は、1つ以上のハプティック112を含む。1つ以上のハプティック112は、ポリイミド、PMMA、ポリプロピレン、およびナイロンのような硬質または半硬質材料から形成され得る。また、1つ以上のハプティック112は、代替的に、シリコーン、シリコーンポリマー、SIBS(ポリ(スチレン−ブロック−イソブチレン−ブロック−スチレン))、アクリル、アクリルポリマー、ポリプロピレン、ポリカーボネート、およびゴアテックスのような生体適合性材料から形成することができる。デバイス100の1つ以上のハプティック112は、ナチュラル水晶体嚢内においてデバイス100のためのサポートを提供するために成長および係止する上皮細胞を取り囲むための場所を提供することができる。
図示の実施形態において、デバイス100は、例えば、ポリイミドから形成された2つのハプティック112を含む。他の実施形態において、デバイス100は、1、3、4、5、6、7、8、9、または10個のハプティック112を含み得る。さらに、図示の形態において、1つ以上のハプティック112は、側壁延伸の前方面に取り付け可能な四角形または実質的に四角形の形状の外周の全体形状を含んでいる。図示のように、1つ以上のハプティック112は、デバイス100の後方面102と全体的に平行および/または近くに位置し得、さらに、デバイス100の外側に放射状に延伸しない。放射状に延伸するハプティックは瞳やナチュラル水晶体嚢の前方部分に引っかかる可能性があるので、これにより、インプラント手術の際の複雑性を防止することができ、インプラント手術の際の利点を提供し得る。他の実施形態において、1つ以上のハプティック112は、デバイス100の後方面102および/または前方面104に対して全体的に平行および/または近くに位置する異なる形状、例えば、円形、楕円形、輪状、四角形、三角形等の形状を含み得る。
いくつかの実施形態において、ハプティック112の一部分は、ハプティック112の位置を保ち、ハプティック112の一部分が露出しないようにするために、デバイス100内においてオーバーモールドされ得る。ハプティック112の別の一部分は、前方ナチュラル水晶体嚢の下方に露出され得る。例えば、ハプティックの周辺部分は、オーバーモールドされており、一方、中央部分は露出されている。ハプティック112の中央部分の下方の、例えば、シリコーンから形成されているデバイス100の一部分は、いくつかの実施形態において、窪みをつけられ、または、凹状とされていてもよい。したがって、時間と共に繊維バンドが形成され得、例えば、Yag嚢切開術が実行される際に、接合(アンカー)点として機能し、所定の場所で、デバイス100を保持する。より具体的には、前方および/または後方ナチュラル水晶体嚢を覆う上皮細胞が、ハプティック112の下方のシリコーンデバイス100の凹状領域内において複製および成長し、ハプティック112の周囲で成長する。
特定の実施形態において、デバイス100の1つ以上のハプティック112は、「モンキーバー(雲梯)」タイプの構成を含み得る。より具体的には、デバイス100の一部分、例えば、側壁の一部分が、凹状または窪みがつけられ得る。ハプティックは、凹状または窪んだ部分を越えて延伸し得る。例えば、ハプティックの一方の端部は、凹状または窪んだ部分の一方の端部において、シリコーンまたはデバイス100の他の材料によってオーバーモールドされ得、ハプティックの他方の端部は、凹状または窪んだ部分の他方の端部において、シリコーンまたはデバイス100の他の材料によってオーバーモールドされ得る。したがって、例えば、ポリイミドから形成されたハプティックは、デバイス100の外側面の外に放射状に延伸することなく、ハプティックの周りの全てに中身がない空間が存在するよう形成され得る。これにより、いくつかの実施形態において、露出したハプティックまたはポリイミドのより線を提供することができ、一方、ハプティックがデバイス全体の一部として安定化される。上皮細胞は、ハプティックの周りで成長し、さらに、モンキーバータイプの部分に沿った側面のサポートを提供するよう係止する。1つ以上のこのようなハプティックは、対称的な様態で、デバイス100の各面上に設けられ得る。
いくつかの実施形態において、デバイス100は、シングルモールドデザインを含む。換言すれば、デバイス100全体、または、レンズまたは屈折面110および/または1つ以上のハプティック112を除くデバイス100の実質的に全体が、材料の単一のピースから成形され得る。例えば、いくつかの実施形態において、デバイス100の実質的に全体が、シリコーン圧縮成形を用いたシリコーンの成形物であってもよい。特定の実施形態において、例えばポリイミドから形成された1つ以上のハプティック112は、シリコーンまたはデバイス100の他の材料が金型内に流し込まれ、圧縮される前に、金型内に配置される。他の実施形態において、デバイス100またはその任意の部分が、3Dレーザーカッティング、二光子リソグラフィー、積層造形、3Dプリンティング、圧縮成形、および/または、上述の製造プロセス等の組み合わせによって製造され得る。
図1Cは、図1Aの例示的な人工水晶体デバイスの後方側の斜視図を示している。図1Dは、図1Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図を示している。
デバイス100は、選択的に、1つ以上の後方フィン114を含む。図示のデバイス100は、2つの後方フィン114A、114Bを備えている。後方フィン114は、屈折面110の径と直線状になるよう配置されている。いくつかの実施形態において、複数の後方フィン114(例えば、2、3、4、5、6、またはそれ以上のフィン124)は、(例えば、約180°、約120°、約90°、約72°、約60°等)で周方向にオフセットされていてもよい。いくつかの実施形態において、複数の後方フィン114(例えば、2、3、4、5、6、またはそれ以上のフィン114)の少なくともいくつか、または、全てが整列されていなくてもよい。
図示の形態において、2つの後方フィン114間の線は、デバイス100の長軸に対して角度を形成する。例えば、2つの後方フィン114を接続する線と、デバイス100の長軸との間の角度は、約10°、約20°、約30°、約40°、約50°、約60°、約70°、約80°、約90°、約100°、約110°、約120°、約130°、約140°、約150°、約160°、約170°、約180°、および/または上述の値の2つの間の範囲内であってもよい。特定の実施形態において、複数の後方フィン114は、デバイス100の長軸に沿って配置されている。他の実施形態において、複数の後方フィン114は、デバイス100の短軸に沿って配置されていてもよい。
後方フィン114は、デバイス100と同じ材料またはデバイス100とは異なる材料を含んでいてもよい。後方フィン114は、ナチュラル水晶体嚢の後方面を、デバイス100の後方端104から、屈折面110の外側に放射状に離間させることを支援することができる。ナチュラル水晶体嚢の後方面を、デバイス100の後方端104から、屈折面110の外側に放射状に離間させることは、液体が、屈折面110の外側に放射状に流れることを可能とし、これにより、混濁の低減を支援することができる。ナチュラル水晶体嚢の後方面を、デバイス100の後方端104から、屈折面110の外側に放射状に離間させることは、いくつかの残留ト捕捉フィブリンまたは炎症沈殿物が内部に含まれる粘弾物質が残留する機会を減らすことができる。いくつかの実施形態において、後方フィン114は、デバイス100の後方から前方へ、デバイス100の空洞内へ向けて延伸していてもよい。いくつかの実施形態において、後方フィンは、デバイス100の粗いまたは不透明化された内面および/または外面を含む(例えば、屈折面110の外側に放射状に延伸する後方壁と同じ厚さおよび材料を有しているが、線列マークを提供するよう処置されている)。
デバイス100は、フィン114の使用と共に、眼球内において戦略的に配列され得る。例えば、眼球が乱視を有している場合、屈折面110が円環体レンズを含んでいるデバイス100は、デバイス100が適切に傾けられていた場合(例えば、角膜の傾き軸に合わせて傾けられている場合)に、乱視を少なくとも部分的に修正するために使用され得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのフィン114は、デバイス100の上端または底を示すよう、異なっていてもよい(例えば、異なった形状、寸法等)。内部に挿入されたIOLの任意の回転傾きを許容するデバイスにおいて、円環IOLは回転し得る。デバイス100内に収納された円環屈折面110および/または円環IOLの配置のためにデバイス100を配置することは、IOL回転を制限し、体積を減らし、乱視を修正するという利点を有利に提供し得る。例えば、二次的なIOLのオプティックハプティック接合は、1つ以上のフィン114に対して一列または他の関連付けとなるように配置され、配置される二次的な円環IOLの最適な位置にデバイス100を配置する手術を可能とすることができる。いくつかの実施形態において、デバイスの後方の外側または前方に放射状に延伸する1つ以上のフィン114は、例えば、デバイス100の後方の透明および/または半透明な自然物によって、屈折面110の内側から視認可能とされており、二次的なIOLまたはデバイスの整列を容易にすることができる。いくつかの実施形態において、1つ以上のフィン114は、二次的なIOLまたはデバイスの整列を容易とするためにフィン114が視認可能となるよう、デバイス100の後方の内側または前側に放射状に延伸している。
図1Eは、図1Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図1Fは、図1Eの1F−1F線に沿った、図1Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図1Gは、図1Eの1G−1G線に沿った、図1Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。
図示の実施形態において、デバイス100は、約5.5mmの直径を有する屈折面110を含む。他の実施形態において、デバイス100は、約5.0mmの直径を有する屈折面110を含み得る。屈折面110、110は、約4mmから約9mm(例えば、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、およびこのような値の間の幅等)の間の直径を有していてもよい。
このような実施形態において、デバイス100は、約2.2mmまたは約2.4mmの小さな切り口を介して挿入されるよう構成され得る。特定の実施形態において、デバイス100は、約1.5mmから約3mm(例えば、約1.6mm、約1.7mm、約1.8mm、約1.9mm、約2.0mm、約2.1mm、約2.2mm、約2.3mm、約2.4mm、約2.5mm、約2.6mm、約2.7mm、約2.8mm、約2.9mm、約3.0mm、およびこれらの値の間の幅等)の間の切り口を介して挿入可能である。
さらに、図示の実施形態において、デバイス100の長軸の長さまたは1つの側壁106Aの最も外側の端部から別の側壁106Bの最も外側の端部まで、デバイス100の長軸に沿って測った長さは、約10.00mmであってもよい。他の実施形態において、デバイス100の長軸の長さは、約5.00mm、約6.00mm、約7.00mm、約8.00mm、約9.00mm、約10.00mm、約11.00mm、約12.00mm、約13.00mm、約14.00mm、約15.00mm、および上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。
さらに、図示の実施形態において、デバイス100の短軸の長さ、または、側壁106の一方の端部から同じ側壁106の他方の端部までデバイス100の短軸に沿って測った長さは、約6.57mmであってもよい。他の実施形態において、デバイス100の短軸の長さは、約4.0mm、約4.5mm、約5.0mm、約5.5mm、約6.0mm、約6.5mm、約7.0mm、約7.5mm、約8.0mm、約8.5mm、約9.0mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。
図1Gに示されているように、いくつかの実施形態において、例えば、ポリイミドから形成されるハプティック112の厚さは、約0.13mmであってもよい。他の実施形態において、ハプティック112の厚さは、約0.05mm、約0.06mm、約0.07mm、約0.08mm、約0.09mm、約0.10mm、約0.11mm、約0.12mm、約0.13mm、約0.14mm、約0.15mm、約0.16mm、約0.17mm、約0.18mm、約0.19mm、約0.20mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。
特定の実施形態において、1G−1G線またはデバイス100の長軸によって形成される横断面を横切るハプティック112の長さ、または、デバイス100の長軸に沿ったハプティック112の長さは、約1.4mmであってもよい。他の実施形態において、デバイス100の長軸に沿った横断面において見られるハプティックの長さは、約0.05mm、約0.06mm、約0.07mm、約0.08mm、約0.09mm、約0.10mm、約0.11mm、約0.12mm、約0.13mm、約0.14mm、約0.15mm、約0.16mm、約0.17mm、約0.18mm、約0.19mm、約0.20mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。
いくつかの実施形態において、シリコーンまたはデバイス100の他の材料の厚さは、約0.2mmであってもよい。特定の実施形態において、シリコーンまたはデバイス100の他の材料の厚さは、約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.6mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1.0mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。
いくつかの実施形態において、シリコーンまたはデバイス100の他の材料の厚さは、デバイス100の部分に応じて変化する。換言すれば、デバイス100のいくつかの部分は、より薄い材料から形成され得、一方、デバイス100の他の部分は、より厚い材料から形成され得る。例えば、デバイス100の前方部分に対するサポートを提供するデバイスの特定の部分は、追加的なサポートのために、より厚い材料から形成されていてもよい。
いくつかの実施形態において、ハプティック112を覆うように成形されたシリコーンまたはデバイス100の他の材料の厚さは、約0.01mm、約0.02mm、約0.03mm、約0.04mm、約0.05mm、約0.06mm、約0.07mm、約0.08mm、約0.09mm、約0.10mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。
特定の実施形態において、2つの側壁106の各端部によって形成される空洞の開口の幅は、約5.8mmであってもよい。いくつかの実施形態において、2つの側壁の各端部によって形成される空洞の開口の幅は、約4.0mm、約4.2mm、約4.4mm、約4.6mm、約4.8mm、約5.0mm、約5.2mm、約5.4mm、約5.6mm、約5.8mm、約6.0mm、約6.2mm、約6.4mm、約6.6mm、約6.8mm、約7.0mm、約7.2mm、約7.4mm、約7.6mm、約7.8mm、約8.0mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。
また、いくつかの実施形態において、後方屈折面110の中点から、開口している側壁106の上端まで測った空洞の高さは、約3.21mmであってもよい。特定の実施形態において、後方屈折面110の中点から、開口している側壁106の上端まで測った空洞の高さは、約2.0mm、約2.2mm、約2.4mm、約2.6mm、約2.8mm、約3.0mm、約3.2mm、約3.4mm、約3.6mm、約3.8mm、約4.0mm、約4.2mm、約4.4mm、約4.6mm、約4.8mm、約5.0mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。
図2Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図2Bは、図2Aの例示的な人工水晶体デバイスの別の前方側の斜視図を示している。図2Aの人工水晶体デバイスは、図1Aの人工水晶体デバイスの特徴のいくつかまたは全てを備えており、同様の参照番号は、同様の特徴を備える。特に、いくつかの実施形態において、図2Aの人工水晶体デバイスは、ハプティック202の構成を除き、図1Aの人工水晶体デバイスと同様であってもよい。デバイス200またはハプティック202の全ての他の特徴、例えば、材料、可撓性、機能等は、図1A−1Gを参照して記述されたデバイス100またはハプティック112のそのような特徴と同様であってもよい。
いくつかの実施形態において、デバイス200は、図1A−1Gに示されているようなナンバープレート構成または四角形構成のハプティックを含んでいない。むしろ、デバイス200は、側壁106を接続し、放射状に延伸し、全体として円形形状を形成する1つ以上のハプティックを含み得る。例えば、図示の実施形態において、ハプティック202Aの一方の端部は、一方の側壁106A上に固定またはオーバーモールドされ得、さらに、同じハプティック202Aの他方の端部は、他方の側壁106B上に固定またはオーバーモールドされ得る。同様に、ハプティック202Bの一方の端部は、一方の側壁106A上に固定またはオーバーモールドされ得、さらに、同じハプティック202Bの他方の端部は、他の方の側壁106B上に固定またはオーバーモールドされ得る。ハプティック202は、放射状に外側に広がる形状、実質的に外側に広がる円形形状、またはループを形成し得る。ハプティック202、202は、2つ以上の側壁106A、106Bの間の空洞から放射状に外側に延伸し得る。ハプティック202のこのような構成は、ナチュラル水晶体嚢内におけるデバイス200の安定性を提供することができる。
図2Cは、図2Aの例示的な人工水晶体デバイスの後方側の斜視図を示している。図2Dは、図2Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図を示している。図2Eは、図2Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図2Fは、図2Eの2F−2F線に沿った、図2Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図2Gは、図2Eの2G−2G線に沿った、図2Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。
図2Eに示されているように、いくつかの実施形態において、デバイス200の外径または特定の状況における最大直径、例えば、ハプティック202の拡張を考慮した直径は、約10mmであってもよい。特定の実施形態において、デバイス200の外径または最大径は、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。
図2Fに示されているように、いくつかの実施形態において、デバイス200の外径または特定の状況における最大直径、例えば、屈折面110の厚さを考慮した直径は、約3.65mmであってもよい。特定の実施形態において、デバイス200の外径または最大径は、約3.0mm、約3.1mm、約3.2mm、約3.3mm、約3.4mm、約3.5mm、約3.6mm、約3.7mm、約3.8mm、約3.9mm、約4.0mm、約4.1mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。
図3Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図3Bは、図3Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図3Cは、図3Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図を示している。図3Dは、図3Bの3D−3D線に沿った、図3Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している
図3Aの人工水晶体デバイスは、図1Aおよび/または2Aの人工水晶体デバイスの特徴のいくつかまたは全てを備えており、同様の参照番号は同様の特徴を備えている。特に、いくつかの実施形態において、図3Aの人工水晶体デバイスは、ハプティック112、202および側壁302を除き、図1Aおよび/または図2Aの人工水晶体デバイスと同様であってもよい。
より具体的には、図示の実施形態において、デバイス300は、図1Aおよび2Aを参照して上述したハプティック112、202のような如何なるハプティックをも含まない。他の実施形態において、デバイス300は、図1Aおよび2Aを参照して上述した1つ以上のハプティック112、202を含み得る。
さらに、特定の実施形態において、デバイス300の1つ以上の側壁302は、後方面104および/または屈折面110の周面の約90°のみから延伸し得る。換言すれば、前方面102の一部分、後方面104の一部分、および側壁302A、302Bによって規定される単一の水晶体領域は、デバイス300の周面の約90°を覆い得る。
側壁302は、図1A−1Gを参照して上述した側壁106の特徴の任意または全ての他の特徴を含み得る。いくつかの実施形態において、側壁302A、302Bの全ては、それぞれ後方面104および/または屈折面110の周面の実質的に等しい部分、例えばそれぞれの約90度から、延伸している。別の実施形態において、側壁302のいくつかは、後方面104および/または屈折面110の周面の異なる量の部分から延伸し得る。例えば、複数の側壁302の1つは、後方面104および/または屈折面110の周面の約45°から延伸し得、一方、複数の側壁302の異なる1つは、後方面104および/または屈折面110の周面の約90°から延伸する。
いくつかの実施形態において、単一のデバイス300は、空洞108内に配置される第2のレンズと共に、または、第2のレンズを用いずに、眼球内に埋め込まれるよう構成され得る。特定の実施形態において、2つのデバイス300は、インプラント手術の前および/またはインプラント手術の最中に互いに接合されるよう構成されている。より具体的には、第1のデバイス300は、それ自身がレンズ部品を形成するように上下逆で配置された第2のデバイス300と接合され得る。特定の実施形態において、レンズのこの組み合わせは、互いに相対的に移動することにより、レンズシステムの可変有効パワーを実現し、提供される視覚の範囲を強化してもよい。レンズは、2つのデバイス300によって形成された中身がない空洞内に配置され得る。
図4Aは、互いに接合された図3Aの2つの(2)例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図4Bは、互いに接合された図3Aの2つの(2)例示的な人工水晶体デバイスの後方側の斜視図を示している。図4Cは、互いに接合された図3Aの2つの(2)例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図4Dは、互いに接合された図3Aの2つの(2)例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図を示している。図4Eは、図4Cの4E−4E線に沿った、互いに接合された図3Aの2つの(2)例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。
いくつかの実施形態において、一方のデバイス300は、他方のデバイス300と接合され、2つのデバイス300の部品400の内部の閉じられた空洞108を形成し得る。このようにして、一方のデバイス300は、上下逆に配置された他方のデバイス300と接合され得る。特定の実施形態において、各デバイス300は、後方面104および/または屈折面110の周面の凡そ90°からそれぞれ延伸する2つの側壁を含み得る。したがって、互いに接合された際、2つのデバイス300の側壁が組み合わさって、実質的に360°全てを覆う側壁を形成する。
特定の実施形態において、一方のデバイス300の側壁302の端部と、第2のデバイス300の屈折面110との間に間隙が存在していてもよい。完全な封止を形成する代わりに、部品400を形成するために互いに接合されたときの2つのデバイス300の間の間隙は、液体が、空洞を通過または空洞から出ていくことを可能とする。
いくつかの実施形態において、部品400を形成するために互いに接合されたときの2つのデバイス300の間の間隙(または、より具体的には、第1のデバイス300および第2のデバイス300が互いに接合されたときの、第1のデバイス300の側壁302の端部と、第2のデバイス300の屈折面110との間の間隙)は、約0.25mmであってもよい。特定の実施形態において、この間隙は、約0.05mm、約0.10mm、約0.15mm、約0.20mm、約0.25mm、約0.30mm、約0.35mm、約0.40mm、約0.45mm、約0.50mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。いくつかの実施形態において、間隙の正確な厚さは、ナチュラル水晶体嚢の形状および/または体積に依存してもよい。
特定の実施形態において、一方のデバイス300は、最初に眼球内に埋め込まれ、その後、空洞108内への屈折レンズの選択的な埋め込みおよび位置決めが実行され、その後、第2のデバイス300が眼球内に埋め込まれ、部品400の閉塞を形成する。いくつかの実施形態において、2つのデバイス300は、眼球内に埋め込まれる前に、最初に互いに接合される。
図5Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図5Bは、図5Aの例示的な人工水晶体デバイスの後方側の斜視図を示している。図5Aの人工水晶体デバイスは、図1A−4Aの人工水晶体デバイスの特徴のいくつかまたは全てを備えており、同様の参照番号は、同様の特徴を備える。
より具体的には、いくつかの実施形態において、デバイス500は、デバイス300の側壁302の特徴のいくつかまたは全てを備え得る1つ以上の側壁302を含み得る。例えば、特定の実施形態において、デバイス500の1つ以上の側壁302は、後方面104および/または屈折面110の周面の約90°のみから延伸し得る。また、側壁302は、図1A−4Aを参照して上述した側壁106の任意および全ての他の特徴を備え得る。
同様に、デバイス500は、デバイス200のハプティック202の特徴のいくつかまたは全てを備え得る1つ以上のハプティック502を含み得る。例えば、デバイス500の1つ以上のハプティック502は、2つの側壁302A、302Bを接続し得る。さらに、ハプティック502の一方または双方の端部は、デバイス500の側壁302A、302B上に固定またはオーバーモールドされていてもよい。
図5Cは、図5Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図5Dは、図5Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図を示している。図5Eは、図5Cの5E−5E線に沿った、図5Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図5Fは、図5Aの例示的な人工水晶体デバイスの別の側面側の平面図を示している。図5Gは、図5Fの5G−5G線に沿った、図5Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。
特定の実施形態において、ハプティック502の一方の端部のみが、デバイス500の側壁302A、302B上に固定またはオーバーモールドされている。例えば、図5Aに示されている実施形態では、ハプティック502Aの一方の端部が側壁302Aにオーバーモールドされており、一方、ハプティック502Aの他方の端部は、他方の側壁302Bにモールドまたは強固に固定されていない。同様に、ハプティック502Bの一方の端部が、ハプティック502Aが固定されている同じ側壁302Aにモールドまたは強固に固定されており、一方、ハプティック502Aの他方の端部は、他方の側壁302Bにモールドまたは強固に固定されていない。ハプティック502Bの他方の端部は、安全ピンのような構成と同様に、他の側壁302Bの内部内にしまい込まれるよう構成され得る。
いくつかの実施形態において、デバイス500は、ハプティック502を強固に固定することなく、ハプティック502を受けるおよび/または組み込むための1つ以上の側壁302A、302B上のリッジ(隆起部)504を含む。例えば、特定の実施形態において、2つの側壁の一方302Bのみがリッジ504を含む。いくつかの実施形態においては、他の側壁302Aは、リッジ504を含まない。リッジ504内において、ハプティック502A、502Bは、リッジ504に沿って自由に動き得る。例えば、ハプティック502の端部は、リッジ504の長さに沿って上下に移動可能であり、ハプティック502の露出している部分は、圧縮されているか拡張可能となっている。
特定の実施形態において、2つの側壁の一方302B上にのみリッジ504を含むデバイス500は、リッジ504を有する側壁302Bに向かうリッジなしに、眼球内において、他の側壁302Aから一般的な方向へ注入されるよう構成され得る。この一般的な方向での眼球内への挿入は、ハプティック502の露出している部分が、屈折面110に向かってより近くなるように圧縮され、ハプティック502の端部がリッジ504内にさらに移動されることを可能とする。
眼球内へ埋め込まれると、デバイス500は、自然と折り畳みが解除可能となるようになっていてもよい。ハプティック502は、同様に、自然に展開され得、ハプティック502の端部がリッジ504の開口に向かってさらに移動する。したがって、デバイス500は、手術処置に複雑さを加えるハプティック502の端部を用いず、ナチュラル水晶体嚢の形状および/またはサイズを保持する放射状に延伸するハプティック502を含み得る。いくつかの実施形態において、拡張または緩んだ状態において、ハプティック502A、502Bおよび側壁302A、302Bの最も外側の周長または部分は、一定の半径または直径を有する完全または実質的に完全な円を形成し得る。例えば、いくつかの実施形態において、デバイス500の外径または最大径は、ハプティック502を考慮に入れると、約10mmであってもよい。特定の実施形態において、デバイス500の外径または最大径は、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。
特定の実施形態において、ハプティック502の複数の部分は、インプラント手術の間、圧迫および/または隠されているので、デバイス500は、図1Aに示されたデバイス100のように、放射状に延伸するハプティックを用いないデバイスの使用と実質的に同様の態様で注入され得る。同時に、ハプティック502は、デバイス500が埋め込まれると、放射状に延伸可能であるので、例えば、ポリイミドから形成されたハプティック502は、デバイス500を固定するための上皮細胞の取り付けのための十分な点を提供し得る。
図6Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図6Bは、図6Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図6Cは、図6Bの6C−6C線に沿った、図6Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図6Dは、図6Bの6D−6D線に沿った、図6Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。
図6Aの人工水晶体デバイス600は、図1A−5Aの人工水晶体デバイスの特徴のいくつかまたは全てを備えており、同様の参照番号は、同様の特徴を備えている。特に、図6Aの人工水晶体デバイス600は、ハプティック112、202および/または他の追加的な特徴を除き、図1Aおよび2Aの人工水晶体デバイスと同様であり得る。
より具体的には、デバイス600は、単一または同じ側壁106から外側に放射状に延伸する1つ以上のハプティック602を含み得る。例えば、ハプティック602の一方の端部は、一方の側壁106の一部分にオーバーモールドまたは固定され得、同じハプティック602の他方の端部は、同じ側壁106の別の部分にオーバーモールドまたは固定され得、2つの端部の間のハプティック602の部分が側壁106の外側で延伸するループを形成している。ハプティック602のそれぞれは、閉ループを形成し得る。その結果、ハプティック602の周囲での上皮細胞
の成長が促され、眼球内においてデバイス600を実質的に固定することができる。
特定の実施形態において、1つ以上のハプティック602は、ゴアテックスまたは他の軟性材料から形成可能であり、デバイス600の他の部分は、シリコーンから形成可能である。いくつかの実施形態において、デバイス600全体は、軟性材料だけで形成可能であり、これは、埋め込みの際の鋭利な材料または硬質材料についての懸念を解消することができる。また、いくつかの実施形態において、例えば、ゴアテックスの高い生体適合性により、細胞の内部成長が促進され得る。したがって、いくつかの実施形態において、ハプティックは、例えば、側壁の外側でのループ状の構成で延伸する単一のゴアテックスストリングまたはテザーを含む。このようなゴアテックスストリングまたはテザーは、取り付けのための繊維性固定のための自然な場所を提供することができ、さらに、デバイス600が滑ることを防止することができる。したがって、特定の実施形態において、ナチュラル水晶体嚢は、ポリイミドのように、鋭利な材料または硬質材料の必要性がないゴアテックスおよびデバイス600の構造的な完全性によりオープン位置において保持され得る。
デバイス600は、例えば、一方のハプティック602Aの水平方向の最も外側の部分から他方のハプティック602Bの水平方向の最も外側の部分までの長軸を含み得る。いくつかの実施形態において、2つのハプティック602A、602Bの水平方向の最も外側の部分の間の距離は、約11.15mmであってもよい。他の実施形態において、2つのハプティック602A、602Bの水平方向の最も外側の部分の間の距離は、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。
デバイス600は、例えばハプティック602A、602Bの一方の垂直方向の最も外側の部分から同じハプティック602A、602Bの他方の垂直方向の最も外側の部分までの短軸を含み得る。いくつかの実施形態において、ハプティック602A、602Bの垂直方向の最も外側の部分の間の距離は、約7.95mmであってもよい。他の実施形態において、単一のハプティック602A、602Bの垂直方向の最も外側の部分の間の距離は、約5mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、約7.5mm、約8mm、約8.5mm、約9mm、約9.5mm、約10mm、約10.5mm、約11mm、約11.5mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。[0246]また、デバイス600は、1つ以上のノッチ604を含み得る。例えば、図示の実施形態において、各水晶体領域は、側壁106A、106Bに沿ったノッチ604A、604Bを含む。ノッチ604は、1つ以上の追加的なデバイスの挿入のための1つ以上の凹状領域またはスロットを含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、ノッチ604は、二次的なIOL、電子デバイス、および/または二次的なIOL電子デバイスまたは他の二次デバイスのハプティックの挿入のために構成された1つ以上のスロットを含み得る。スロットまたは凹状領域を設けることにより、二次的なデバイスを、デバイス600内の正確な場所において、デバイス600内に挿入することができ、デバイス600内における側方、前方、および/または後方への二次的なデバイスの動きを防止することにより、その場所で二次的なデバイスを安定させることができる。例えば、二次的なデバイスは、二次的なIOLと屈折面110との間の距離が既知および/または所定の値となるように、デバイス600内に挿入され得る。したがって、屈折面110の既知の屈折力、および、二次的なIOLと屈折面110との間の既知の距離に基づいて、二次的なIOLの最適または特定のパワーを判別することができる。また、デバイス600内に挿入される電子デバイスの1つ以上の機能的態様は、デバイス600内の電子デバイスの特定の位置および/または屈折面110からの特定の距離に依存してもよく、これにより、1つ以上のノッチ604を用いた所定の動作または制御が可能となる。
デバイス600は、側壁106A、106Bまたは各水晶体領域の内面上の複数のノッチまたはスロット604を含み得る。例えば、図6Dに示されているように6D−6D線に沿った断面図を参照すると、複数の垂直方向のノッチまたはスロット604が、全体として互いに平行となるように形成され得る。換言すれば、図6Dに示されている垂直方向のノッチまたはスロット604に加えて、1つ以上の追加的な垂直方向のノッチまたはスロットが、図示のノッチまたはスロット604の左側および/または右側に設けられ得る。これにより、デバイス600内に挿入される1つ以上の二次的なIOL、電子デバイス、または他のデバイスの屈折面110からの場所または距離を変更可能とすることができる。このようにして、二次的なデバイスを保持するための複数のノッチまたはスロットの1つを選択することにより、デバイス600内の二次的なデバイスの挿入の特定の場所を制御することができる。換言すれば、二次的なデバイスは、挿入時に、デバイス600内において前方および/または後方に調整され得る。
いくつかの実施形態において、ノッチまたはスロット604の幅は、約0.142mm幅であってもよい。特定の実施形態において、ノッチまたはスロット604の幅は、約0.05mm、約0.1mm、約0.11mm、約0.12mm、約0.13mm、約0.14mm、約0.15mm、約0.16mm、約0.17mm、約0.18mm、約0.19mm、約0.2mm、約0.21mm、約0.22mm、約0.23mm、約0.24mm、約0.25mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。
いくつかの実施形態において、ノッチまたはスロット604の長さは、約3.77mmであってもよい。特定の実施形態において、ノッチまたはスロット604の長さは、約0.5mm、約1mm、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約4.5mm、約5mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。
いくつかの実施形態において、図6Cに示されている方向から見た側壁106A、106Bは、約42°互いに離れ得る。特定の実施形態において、図6Cに示されている方向から見た側壁106A、106B間で形成される角度は、約36°、約37°、約38°、約39°、約40°、約41°、約42°、約43°、約44°、約45°、約46°、約47°、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。
図7Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図7Bは、図7Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図7Cは、図7Bの7C−7C線に沿った、図7Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図7Dは、図7Bの7D−7D線に沿った、図7Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。
図7Aの人工水晶体デバイス700は、図1A−6Aの人工水晶体デバイスの特徴のいくつかまたは全てを備えており、同様の参照番号は、同様の特徴を備えている。特に、図7Aの人工水晶体デバイス700は、ハプティック112、202、602を除き、図1A、2A、および6Aの人工水晶体デバイスと同様であり得る。
図6Aのデバイス600と同様に、デバイス700は、単一または同じ側壁106から、および、単一または同じ側壁106へ向かって外側へ、放射状に延伸する1つ以上のハプティック702を含み得る。しかしながら、図6Aのデバイス600と異なり、デバイス700の各側壁106は、そのようなハプティック702を2つ以上含み得る。例えば、図示の実施形態において、各側壁106または水晶体領域は、閉ループ構成の2つのハプティック702を含んでいる。各側壁106または水晶体領域から延伸する2つ以上のハプティックを備えることにより、上皮細胞が2つ以上のハプティックに取り付くことが可能となり、図6Aのデバイス600のより高いリスクとなり得る、デバイス700が不利な位置へスライドすることを、防止または実質的に防止することができる。
より具体的には、側壁106Aは、側壁106Aの一方の端部から側壁の中心に向かって外側へ放射状に延伸する第1のハプティック702Aを含み得る。また、同じ側壁106Aは、側壁106Aの他方の端部から側壁の中心に向かって外側へ放射状に延伸する第2のハプティック702Bを含み得る。同様に、第2の側壁106Bは、側壁106Bの一方の端部から側壁の中心に向かって外側へ放射状に延伸する第3のハプティック702Cを含み得る。また、側壁106Bは、側壁106Bの他方の端部から側壁の中心に向かって外側へ放射状に延伸する第4のハプティック702Dを含み得る。他の実施形態において、単一の側壁106は、3、4、5、6、7、8、9、または10個のハプティック702を含み得る。ハプティック702の1つ以上の任意の特徴、例えば、材料、可撓性、剛性、デバイス700への取り付け等は、図6Aのデバイス600のハプティック602と同様であり得る。
図7Bに示されている方向から見たとき、1つのハプティック702A、702Dの底側端部と、他のハプティック702B、702Cの他方の上側端部との間の距離は、約1mmであってもよい。特定の実施形態において、図7Bに示されている方向から見たとき、1つのハプティック702A、702Dの一方の底側端部と、他のハプティック702B、702Cの他方の上側端部との間の距離は、約0.5mm、約0.6mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1mm、約1.1mm、約1.2mm、約1.3mm、約1.4mm、約1.5mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。
図8Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図8Bは、図8Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図8Cは、図8Bの8C−8C線に沿った、図8Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図8Dは、図8Bの8D−8D線に沿った、図8Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。
図8Aの人工水晶体デバイス800は、図1A−7Aの人工水晶体デバイスの特徴のいくつかまたは全てを備えており、同様の参照番号は、同様の特徴を備えている。特に、図8Aの人工水晶体デバイス800は、ハプティック202および1つ以上の側壁106の形状または構成を除き、図2Aの人工水晶体デバイスと同様であり得る。
より具体的には、デバイス800の1つ以上の側壁802は、図2Aのデバイス200の側壁よりも大きくてもよい。例えば、1つ以上の側壁802は、図8Bに示されているような前方側の平面図で見たときに、垂直方向上側および/または下側に延伸し得る。その結果、1つ以上の側壁802の外周の湾曲は、例えば、図2Aのデバイス200の側壁106よりも大きくなり得る。デバイス800の外周の全体形状は、例えば、図1Aを参照して上述した他のデバイスのいくつかのレンズ状の形状と比較して、前方側または後方側の平面図で見たときに、実質的な円であってもよい。
他の実施形態において示された側壁106A、106Bと同様に、いくつかの実施形態において、側壁802A、802Bは、図8Cに示されている方向から見たときに、約41°互いに離れ得る。特定の実施形態において、図8Cに示されている方向から見たときに、側壁802A、802Bの間で形成される角度は、約36°、約37°、約38°、約39°、約40°、約41°、約42°、約43°、約44°、約45°、約46°、約47°、約48°、約49°、約50°、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。
いくつかの実施形態において、デバイス800の実質的な円形の最も外側の周面は、約9.68mmの直径を含み得る。特定の実施形態において、デバイス800の最も外側の周面は、約6mm、約6.5mm、約7mm、約7.5mm、約8mm、約8.5mm、約9mm、約9.5mm、約10mm、約10.5mm、約11mm、約11.5mm、約12mm、約12.5mm、約13mm、約13.5mm、約14mm、約14.5mm、約15mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の直径を有する実施的に円形の形状を含み得る。
デバイス800は、図8Dに示されているような側面図で見たときに、前方面102と後方面104との間の約3.707mmの厚さを含み得る。特定の実施形態において、デバイス800は、約2.5mm、約2.6mm、約2.7mm、約2.8mm、約2.9mm、約3.0mm、約3.1mm、約3.2mm、約3.3mm、約3.4mm、約3.5mm、約3.6mm、約3.7mm、約3.8mm、約3.9mm、約4mm、約4.1mm、約4.2mm、約4.3mm、約4.4mm、約4.5mm、約4.6mm、約4.7mm、約4.8mm、約4.9mm、約5mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の前方面102と後方面104との間の厚さを含み得る。
さらに、1つ以上の側壁802の大きな湾曲によって、1つ以上のハプティック804は、一方の端部から他方の端部への実質的に円形の構成の円弧を含み得る。対照的に、図2Aのデバイス200の1つ以上のハプティック202は、ハプティック202に沿った異なる湾曲を含み得る。より具体的には、ハプティック202の湾曲は、ハプティック202の中央部分の湾曲と比較して、側壁106または水晶体領域の内部または後方に位置するハプティック202の一方または双方の端部上において比較的平坦であり得る。
図5Aのデバイス500と同様に、1つ以上のハプティック804は、一方の側壁にのみオーバーモールドまたは固定され得る。例えば、図示の実施形態において、ハプティック804A、804Bの第1の端部は、一方の側壁802Bにオーバーモールドまたは固定され得る。ハプティック804A、804Bの第2の端部は、他方の側壁802Aに強固に固定されることなく、側壁802Aの内部にしまい込まれるよう構成され得る。したがって、ハプティック804A、804Bの第2の端部は、ハプティック804A、804Bの露出している中央部分が圧縮または拡張可能となっているため、他方の側壁802A内に多かれ少なかれ自由に挿入され得る。
また、図5Aのデバイス500と同様に、デバイス800は、ハプティック804が内部にしまい込まれるよう構成された他方の側壁802Bに向かって、ハプティック804が固定されている側壁802Bから、一般的な方向で、眼球内に注入されるよう構成され得る。この一般的な方向での眼球内への挿入は、ハプティック804の露出している部分が、挿入の間に、屈折面110に向かってより近づくよう押し込まれることを可能とする。
眼球内へ埋め込まれると、デバイス800は、自然と折り畳み解除されるようになっており、ハプティック804が自然と展開することを可能としている。ハプティック804の複数の部分は、インプラント手術の間、圧縮および/または隠されているため、デバイス500は、図1Aに示されたデバイス100のように、放射状に延伸するハプティックを用いないデバイスと実質的に同様の態様で注入され得る。同時に、ハプティック804は、デバイス800が埋め込まれると、放射状に延伸可能とされているので、例えば、ポリイミドから形成されたハプティック804は、デバイス800を固定するための上皮細胞の取り付きのための十分な点を提供し得る。ハプティック804の1つ以上の任意の他の特徴、例えば、材料、可撓性、剛性等は、図6Aのデバイス600のハプティック602と同様であり得る。
図9Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図9Bは、図9Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図9Cは、図9Bの9C−9C線に沿った、図9Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図9Dは、図9Bの9D−9D線に沿った、図9Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。
図9Aの人工水晶体デバイス900は、図1A−8Aの人工水晶体デバイスの特徴のいくつかまたは全てを備えており、同様の参照番号は、同様の特徴を備えている。特に、図9Aの人工水晶体デバイス900は、ハプティック804を除き、図8Aの人工水晶体デバイスと同様であり得る。より具体的には、デバイス900のハプティック902は、露出しているハプティック902の2つの端部の間の中点または部分から屈折面110に向かって内側へ放射状に延伸する実質的に垂直なアームを含み得る。垂直アームの第1の端部は、ハプティック902の露出している部分に接続され得、一方、垂直アームの第2の端部は、1つ以上の孔または開口904に接続され得る。
1つ以上の孔または開口904は、Sinskeyフック、Lesterフック等のようなデバイス900をフックで引っ掛け、係合する手術器具の使用を可能とし得る。例えば、手術器具は、眼球内におけるデバイス900の位置を調整するために、1つ以上の孔904と接合され得る。これにより、例えば、約5−6mmであり得る制限された視覚のため、手術中の利点となり得る。手術器具を1つ以上の孔904に接合させることにより、水晶体の破損や破断のリスクなく目視できるように、デバイス900の位置が調整され得る。デバイス900および/またはハプティック902の1つ以上の任意の他の特徴、例えば、サイズ、材料、可撓性、剛性、デバイス900への取り付け等は、図8Aのデバイス800のデバイス800および/またはハプティック804と同様であり得る。
図10Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図10Bは、図10Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図10Cは、図10Bの10C−10C線に沿った、図10Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図10Dは、図10Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図を示している。図10Aの人工水晶体デバイス1000は、図1A−9Aの人工水晶体デバイスの特徴のいくつかまたは全てを備えており、同様の参照番号は、同様の特徴を備えている。
図1A−9Aのデバイスのいくつかと異なり、デバイス1000は、デバイス1000の側面側の周面の実質的に全体または大部分を覆う側壁1002を含み得る。側壁1000は、小さな開口または間隙1010を除き、デバイス1000の側面全体の大部分を連続的に覆い得る。図示の実施形態において、小さな開口または間隙1010は、約1.00mmの幅を有し得る。他の実施形態において、側壁1002内のこの間隙1010は、約0.50mm、約1.50mm、約2.00mm、約2.50mm、約3.00mm、約3.50mm、約4.00mm、約4.50mm、約5.00mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値であってもよい。側壁の1つ以上の他の特徴、例えば、材料、可撓性、剛性等は、図1A−9Aの1つ以上のデバイスのものと同様であってもよい。他の実施形態において、側壁1002は、間隙1010を含んでいなくともよい。例えば、図示の実施形態において、シリコーンの追加的な部分が、間隙1010を覆うように延伸していてもよい。
デバイス1000は、側壁に接合された水晶体テンションリング1004を含み得る。例えば、水晶体テンションリング1004は、側壁1002内にオーバーモールドされ得る。水晶体テンションリング1004は、ポリイミド、PMMA、ポリプロピレン、および/またはナイロンのような硬質または半硬質材料を含み得る。水晶体テンションリング1004は、埋め込まれた後に、眼球内においてデバイス1000の構造および/または位置を固定的に提供し、保持し得る。水晶体テンションリング1004は、図示の実施形態のような側壁1002の周面の形状に全体として従い得る。水晶体テンションリング1004の各端部は、側壁1002内の間隙1010が存在する側壁1002の各端部から延伸し得る。水晶体テンションリング1004の各端部または一方の端部は、図9Aのデバイス900における孔904と同様であり、眼球内へ埋め込まれた後にデバイス1000の位置合わせを行うために同様な態様で用いられる、開口または孔1008を含み得る。
デバイス1000は、側壁1002の外側部分に沿った1つ以上の凹状領域1006を含み得る。1つ以上の凹状領域は、水晶体テンションリング1004の複数の部分を露出させ得る。水晶体テンションリング1004の複数の露出している部分は、上皮細胞が取り付くための領域を提供し得る。したがって、露出している水晶体テンションリング1004の周囲での上皮細胞の取り付きまたは成長により、デバイス1000は、眼球内における特定の位置において実質的に固定され、安定化され得る。また、凹状領域1006は、必要に応じて、デバイスを縫合するために用いられ得る。図示の実施形態において、デバイス1000またはその外側の側壁1002は、7つの凹状領域1006を含んでいる。他の実施形態において、デバイス1000は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の凹状領域1006を含み得る。また、デバイス1000内における凹状領域1006の数は、上述の値の2つによって規定される範囲内であってもよい。
図10Bの図面に示されているように、側壁1002の周面に沿った各凹状領域1006の長さ、または、水晶体テンションリング1004の各露出している部分1006の長さは、約1.00mmであってもよい。特定の実施形態において、側壁1002の周面に沿った各凹状領域1006の長さ、または、水晶体テンションリング1004の各露出している部分1006の長さは、約0.50mm、約1.50mm、約2.00mm、約2.50mm、約3.00mm、約3.50mm、約4.00mm、約4.50mm、約5.00mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値であってもよい。
図10Dの図面に示されているような側面側の平面図で見たときに、各凹状領域1006の幅は、約0.49mmであってもよい。特定の実施形態において、側面側の平面図で見たときに、各凹状領域1006の幅は、約0.35mm、約0.40mm、約0.45mm、約0.50mm、約0.55mm、約0.60mm、約0.65mm、約0.70mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値であってもよい。
屈折面110は、側壁の一部分のみにおいて、側壁1002に接続され得る。例えば、図示の実施形態において、屈折面100は、側壁1002に接続されたヒンジ部分1010を含む。間隙1012は、ヒンジ部分1010および側壁1002以外の屈折面110の他の全ての部分の間に存在し得る。したがって、デバイス1000全体は、複数片部品というよりは、単一片部品を含み得る。代替的に、他の実施形態において、デバイス1000は、初期製造の後に互いに接合された複数の片を含む複数片部品であってもよい。
側壁1002および水晶体テンションリング1004は、破損することなく捻られるよう構成され得る。また、側壁1002は、よりコンパクトな構成に、折り畳み可能または巻き取り可能であり得る。また、屈折面1010およびヒンジ部分1010は、よりコンパクトな構成に、折り畳み可能または巻き取り可能であり得る。
上述のように、例えば、図1Aのデバイス100のように、側壁の複数の部分を除去する利点は、手術の間に小さな切り口を介して挿入するために、デバイスをよりコンパクトな構成に折り畳みまたは巻き取ることを可能としている。図10Aのデバイス1000が略連続した側壁を含んでいるとしても、側壁1002の複数の部分を除去することなく、上述の挿入構造および方法により、たとえば、図1Aのデバイス100の挿入のために必要とされるものを超えない小さな切り口から挿入されるよう構成され得る。
より具体的には、挿入のためにデバイス100をしまい込む代わりに、デバイス1000または側壁1002、および/または、デバイス1000の水晶体テンションリング1004は、標準的なインジェクターを介して、セグメント毎に、回転可能な態様で眼球内に挿入され得る。例えば、側壁1002は、チューブ状構成に、水晶体テンションリング1004の長さ回りに折り畳みまたは巻き取られ得る。側壁1002および水晶体テンションリング1004は、選択的に、捻られ、または、部分的に直線状にされ得る。水晶体テンションリング1004および/または側壁1002の一部分は、眼球内の小さな切り口内へ供給され得、一方の部分を時間回転で前進し、例えば、各部分が挿入点で実質的に直線状にさせられ、水晶体テンションリング1004が挿入される際に、自身の記憶している形状および湾曲を保つ。
ヒンジ部分1010から離間した水晶体テンションリング1004および側壁1002の端部は、最初に、ヒンジ部分1010が取り付けられる他方の端部に向かって挿入され得る。水晶体テンションリング1004および側壁1002の一部分が、ヒンジ部分1010が取り付けられる部分に到達すると、屈折面110が、直線的な態様でインジェクター内および眼球内にスライドされ得る。換言すれば、側壁1002および水晶体テンションリング1004は、最初に、小さな切り口を介して回転的な様態で眼球内に挿入され得、さらに、レンズまたは屈折面110が長尺方向の様態で続いて挿入され得る。
眼球内に完全に挿入されると、デバイス1000は、自身の実質的に円形な構成に戻り得る。このようにして、デバイス1000が小さな切り口を介して挿入され得る一方、かなりの期間、デバイス100が眼球内において無損傷かつ中心におかれた状態を維持するための必要な構造的な完全性を維持することができる。
デバイス1000は、水晶体全体を保護し、かつ、水晶体空間全体を保存するよう構成され得る。より具体的には、円形または実質的に円形の側壁1002またはデバイス1000の外周の全てまたは実施的に全体は、硝子体液内での折り畳まれることなく、ナチュラル水晶体嚢に接触し、さらに、ナチュラル水晶体嚢の全体空間を保持するよう構成され得る。また、デバイス1000は、デバイス内に埋め込まれる水晶体テンションリング1004によって、ハプティックにおける痕跡を除去する。また、デバイス1000の全体として円形の形状は、水晶体の生理学的形状に従い得、さらに、埋め込み後の内部での開口体積を減少させる特定のデバイスと異なり、水晶体の体積を維持し得る。また、デバイス1000内に配置されるデバイスおよび/または二次的なレンズは、特定のデバイスはそうではないが、自由に回転可能であってもよい。
また、屈折面110は、屈折面110の外周から外側へ放射状に延伸する1つ以上のタブを含み得る。1つ以上のタブは、挿入後に、屈折面110が傾いてしまうことを防止するよう、側壁1002の下方に配置またはしまい込まれるよう構成され得る。1つ以上のタブは、例えば、シリコーンのような、側壁1002と同様の材料を含み得る。
代替的に、屈折面110は、シリコーンのような軟性材料のフランジによって、周方向で囲まれ得る。フランジの幅は、約0.25mm、約0.50mm、約0.75mm、約1.00mm、または上述の値の2つによって規定される範囲内の値であってもよい。屈折面110の外側フランジまたはそれのいくつかの部分は、眼球内への挿入の際に、側壁1002の底部の下方にしまい込まれるよう構成され得る。
屈折面110およびフランジの双方は、シリコーンのような同じ材料で形成され得る。他の実施形態において、屈折面110は、アクリルである一方、フランジは、シリコーンから形成されていてもよい。アクリルは、より高い屈折値を提供可能であり、シリコーンから形成される場合と比較して、屈折面110をより薄くすることができる。また、アクリルレンズまたは屈折面110の光学特性および光学パワーは、アクリルの親水性または疎水性を変更し、レンズの膨張およびパワー増大または縮小および減少を引き起こすフェーズラッピングのような1つ以上のレーザー処置を用いることにより変更可能である。また、レンズまたは屈折面110は、本分野において既知の任意の他の生体適合性および選択的に透明な材料から形成され得る。屈折面110は、−35Dと+35Dとの間の屈折力を有していてもよい。
図11Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図11Bは、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図11Cは、図11Bの11C−11C線に沿った、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図11Dは、図11Bの11D−11D線に沿った、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。
図11Aの人工水晶体デバイスは、図1A−10Aの人工水晶体デバイスの特徴のいくつかまたは全てを備えており、同様の参照番号は、同様の特徴を備えている。特に、図11Aの人工水晶体デバイスは、ノッチ1104および/または側壁1106A、1106Bの構成を除き、図1Aおよび図6Aの人工水晶体デバイスと同様であり得る。デバイス1100、ノッチ1104、および/または側壁1106A、1106Bの他の特徴の全てまたはいくつか、例えば、材料、可撓性、機能等は、図1A−10Aを参照して上述した特徴と同様であり得る。
より具体的には、デバイス1100は、ノッチ604と同様に、側壁1106A、1106Bまたは各水晶体領域の内側に沿った1つ以上のノッチ1104を含み得る。ノッチ1104は、二次的なIOL、電子デバイス、および/またはそれらのハプティックのような1つ以上の追加的なデバイスの挿入を容易とするための1つ以上の凹状領域またはスロットを含み得る。図6Aのデバイス600およびノッチ604と同様に、二次的なデバイスは、デバイス1100内の正確な場所においてデバイス1100内に挿入され得、ノッチ1104内への二次的なデバイスまたはその部分の挿入により、その場所において安定させられ得る。このようにして、二次的なデバイスが、デバイス1100内において、側方、前方、および/または後方に自由に動くことが防止され得る。ノッチ1104は、単一片部品として、デバイス1100と共に、同時に成形され得る。他の実施形態において、ノッチ1104は、デバイス1100とは別々に形成され、その後、デバイス1100に取り付けられ得る。
図11Dに示されている断面図を見ると、1つ以上のノッチ1104は、短軸または図11Bの11F−11F線に平行な軸に沿った、全体として長尺な形状を含み得る。1つ以上のノッチ1104は、デバイス110の前方から所定および/または既知の距離だけ離れて位置し得る。例えば、図11Cに示す実施形態において、例えば、20Dレンズの場合、1つ以上のノッチ1104の中心と、内部前方または屈折面110の上端との間の距離は、約1.23mmであってもよい。この距離は、レンズまたは屈折面110のパワーおよび/または厚さに応じて異なっていてもよい。例えば、レンズまたは屈折面110のパワーに応じて、この距離は、約0.50mm、約0.60mm、約0.70mm、約0.80mm、約0.90mm、約1.00mm、約1.10mm、約1.20mm、約1.30mm、約1.40mm、約1.50mm、約1.60mm、約1.70mm、約1.80mm、約1.90mm、約2.00mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値であってもよい。
また、デバイス1100全体に対する1つ以上のノッチ1104の特定の場所は、1つ以上のノッチ1104の中心とオプティック110の分割点との間の距離の観点から、測定され得る。例えば、特定の実施形態において、オプティック110のパワーの3分の2は、デバイス1100内に配置されるよう構成され得、一方、オプティック110のパワーの3分の1は、デバイス1100の外部に配置されるよう構成され得る。例えば、1/3、2/3分割点のような分割点は、レンズ110のパワーに関わらず、デバイス1100内において一定となるよう構成され得る。他の実施形態において、オプティック110の分割点は、1/4、3/4または1/2、1/2であってもよい。換言すれば、オプティック110の屈折力の1/4、1/2、または3/4は、デバイス1100の外部に位置するよう構成され得、一方、オプティック110の屈折力の3/4、1/2、または1/4は、デバイス1100の内部に位置するよう構成され得る。
ノッチ1104の中心からオプティック110の分割点までの測定された距離は、図11Cに示されている断面図で見たとき、約1.38mmであってもよい。ノッチ1104の中心からオプティック110の分割点までの測定されたこの距離は、屈折面110のパワーまたは厚さに関わらず、一定であってもよい。特定の実施形態において、この距離は、約0.50mm、約0.60mm、約0.70mm、約0.80mm、約0.90mm、約1.00mm、約1.10mm、約1.20mm、約1.30mm、約1.40mm、約1.50mm、約1.60mm、約1.70mm、約1.80mm、約1.90mm、約2.00mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値であってもよい。
いくつかの実施形態において、ノッチ1104A、1104Bのそれぞれは、図11Cの方向から見たとき、約0.15mmの垂直方向の幅を含み得る。特定の実施形態において、図11Cの方向から見たとき、ノッチ1104A、1106Bのそれぞれは、約0.05mm、約0.1mm、約0.11mm、約0.12mm、約0.13mm、約0.14mm、約0.15mm、約0.16mm、約0.17mm、約0.18mm、約0.19mm、約0.2mm、約0.21mm、約0.22mm、約0.23mm、約0.24mm、約0.25mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の幅を含み得る。
いくつかの実施形態において、ノッチ1104のそれぞれは、図11Bに示されているような前方側の平面図において、屈折110の中心から測ったとき、約60°の角度長を含み得る。特定の実施形態において、図11Bに示されているような前方側の平面図において、屈折110の中心から測ったとき、ノッチ1104のそれぞれの角度長は、約10°、約20°、約30°、約40°、約50°、約60°、約70°、約80°、約90°、約100°、約110°、約120°、約130°、約140°、約150°、約160°、約170°、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値であってもよい。
いくつかの実施形態において、図11Cに示されている方向から見たとき、側壁1106A、1106Bは、約25°で離間し得る。特定の実施形態において、図11Cに示されている方向から見たとき、側壁1106A、1106Bの間で形成されている角度は、約10°、約15°、約20°、約25°、約30°、約35°、約40°、約45°、約50°、約55°、約60°、約65°、約70°、約75°、約80°、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値であってもよい。
デバイス1100は、折り畳み、巻き取り、または圧縮され、さらに、図1Aを参照して上述したデバイス100のように、小さな切り口および/または小さなインジェクターを介して、眼球内に注入されるよう構成され得る。例えば、いくつかの実施形態において、デバイス1100は、約2.75mm以下の切り口を介して挿入され得る。他の実施形態において、デバイス1100は、約1.5mm、約1.6mm、約1.7mm、約1.8mm、約1.9mm、約2.0mm、約2.1mm、約2.2mm、約2.3mm、約2.4mm、約2.5mm、約2.6mm、約2.7mm、約2.8mm、約2.9mm、約3.0mm、約3.1mm、約3.2mm、約3.3mm、約3.4mm、約3.5mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の切り口を介して眼球内に挿入され得る。
図12Aは、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの別の前方側の平面図を示している。図12Bは、図12Aの12B−12B線に沿った、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図12Cは、図12Aの12C−12C線に沿った、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図12Dは、図12Aの12D−12D線に沿った、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図12Eは、図12Aの12E−12E線に沿った、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図12Fは、図12Aの12F−12F線に沿った、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図12Gは、図12Aの12G−12G線に沿った、図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。
いくつかの実施形態において、12B−12B線に沿ったデバイス1100の断面積は、約2.67mm2であってもよい。同様に、いくつかの実施形態において、12C−12C線に沿ったデバイス1100の断面積は、約4.83mm2であってもよい。いくつかの実施形態において、12D−12D線に沿ったデバイス1100の断面積は、約4.24mm2であってもよい。いくつかの実施形態において、12E−12E線に沿ったデバイス1100の断面積は、約3.65mm2であってもよい。いくつかの実施形態において、12F−12F線に沿ったデバイス1100の断面積は、約2.42mm2であってもよい。いくつかの実施形態において、12G−12G線に沿ったデバイス1100の断面積は、約4.34mm2であってもよい。したがって、デバイス1100の材料の量は、必ずしも、デバイス1100の断面の最も外側の側面の合計のサイズに依存しなくともよい。
図13Aは、二次的なデバイスが内部に挿入された図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図13Bは、二次的なデバイスが内部に挿入された図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図13Cは、図13Bの13C−13C線に沿った、二次的なデバイスが内部に挿入された図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図13Dは、図13Bの13D−13D線に沿った、二次的なデバイスが内部に挿入された図11Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。二次的なデバイスは、1つ以上のノッチ1104内に挿入されるよう構成されたアクリルまたは他のハプティックを含み得る。
いくつかの実施形態において、デバイス1100は、二次的なIOL、電子デバイス、および/または他のデバイスのような、二次的なデバイス1302と共に用いられるよう構成され得る。二次的なデバイス1302は、ノッチ1104を活用するよう構成された任意のデバイスであり得る。例えば、二次的なデバイス1302は、ノッチ1104内へ挿入されるよう構成された1つ以上のハプティックおよび/または他の機構を含み得る。二次的なデバイス1302は、デバイス1100への埋め込みの前に、デバイス1100内に挿入され得る。代替的に、二次的なデバイス1302は、デバイス1100が眼球内に埋め込まれた後に、デバイス1100内に挿入され得る。図示し、上述したように、二次的なデバイス1302またはその機構を、1つ以上のノッチ1104内に取り付け、挿入し、または固定することによって、デバイス1100内の特定の場所において二次的なデバイス1302を挿入および安定化させ得る。
図14Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図14Bは、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図14Cは、図14Bの14C−14C線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図14Dは、図14Bの14D−14D線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図15Aは、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの別の前方側の斜視図を示している。図15Bは、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの別の前方側の平面図を示している。図15Cは、図15Bの15C−15C線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの別の断面図を示している。図15Dは、図15Bの15D−15D線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの別の断面図を示している。
図14Aの人工水晶体デバイスは、図1A−11Aの人工水晶体デバイスの特徴のいくつかまたは全てを備えており、同様の参照番号は、同様の特徴を備えている。特に、図14Aの人工水晶体デバイスは、ノッチ1104および/またはハプティック1402の構成を除き、図1Aおよび図11Aの人工水晶体デバイスと同様であり得る。ノッチ1404の他の特徴の全てまたはいくつか、例えば、材料、可撓性、機能等は、図6A−6Dを参照して上述したノッチ604の特徴および/または図11A−11Dを参照して上述したノッチ1104の特徴と同様であり得る。ハプティック1402の他の特徴の全てまたはいくつか、例えば、材料、可撓性、機能等は、図1A−1Gを参照して上述したハプティック112の特徴および/または図11A−11Dを参照して上述したハプティック1102の特徴と同様であり得る。
特に、デバイス1400は、図11A−11Dを参照して上述した連続的なノッチ1104の代わりに、交互タブを有するノッチ1404を含み得る。例えば、各水晶体領域または側壁106A、106Bの内部に位置するノッチ1404のそれぞれは、前方リッジおよび後方リッジを提供するための大タブ1404Bのセットと、小タブ1404Aのセットと、を含み得る。図14Cに示されているように、小タブ1404Aのセットは、大タブ1404Bのセットと比較して、屈折面110からより離れて位置し得る。換言すれば、小タブ1404Aのセットは、大タブ1404Bのセットよりも、デバイス1400の後方102に近い場所に位置し得る。デバイス1400に対する小タブ1404Aのセットおよび/または大タブ1404Bのセットの特定の場所は、図11A−11Dを参照して上述したデバイス1100のノッチ1104の場所と同様であり得る。小タブ1404Aのセットおよび/または大タブ1404Bのセットは、デバイス1400内での二次的なデバイスの側方、前方、および/または後方への動きを防止し得る。小タブ1404Aのセットおよび/または大タブ1404Bのセットは、単一片部品として、デバイス1400と共に同時に成形され得る。他の実施形態において、小タブ1404Aのセットおよび/または大タブ1404Bのセットは、デバイス1400と別々に形成され得、その後、デバイス1400に取り付けられ得る。
タブ1404A、1404Bの2つのセットは、前方リッジおよび後方リッジのような、二次的なデバイスまたはその部分(例えば、二次的なデバイスのハプティック)の挿入および位置決めを支援するための2つの別々の棚を提供し得る。例えば、図14Dに示されている実施形態において、第1の棚またはリッジは、デバイスの後方104により近い小タブ1404Aのセットの下端と、デバイスの前方102により近い大タブ1404Bのセットの上端との間に形成され得る。この第1の棚またはリッジは、デバイス1400の前後軸に沿った0.16mmの幅であってもよい。この第1の棚またはリッジは、例えば、BaushおよびLomb Li61A0のような、3片の二次的なIOLから、プロリンハプティックとフィットするよう構成され得る。特定の実施形態において、第1の棚またはリッジは、約0.10mm、約0.11mm、約0.12mm、約0.13mm、約0.14mm、約0.15mm、約0.16mm、約0.17mm、約0.18mm、約0.19mm、約0.20mm、約0.21mm、約0.22mm、約0.23mm、約0.24mm、約0.25mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の幅を含み得る。
さらに、図14Dに示されている実施形態において、第2の棚またはリッジは、小タブ1404Aのセットの内側部分と、大タブ104Bのセットの内側部分との間に形成され得る。この第2の棚またはリッジは、デバイス1400の前後方向に沿った約0.50mmの幅であってもよい。この第2の棚またはリッジは、例えば、二次的なデバイスのアクリルまたは他のハプティックとフィットするよう構成され得る。特定の実施形態において、この第2の棚またはリッジは、約0.10mm、約0.15mm、約0.20mm、約0.25mm、約0.30mm、約0.35mm、約0.40mm、約0.45mm、約0.50mm、約0.55mm、約0.60mm、約0.65mm、約0.70mm、約0.75mm、約0.80mm、約0.85mm、約0.90mm、約0.95mm、約1.00mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の幅を含み得る。
交互タブ1404A、1404Bを有するノッチ1404は、図11A−11Dを参照して上述した連続ノッチ1104と比較して、より少ない材料を含み得る。例えば、交互タブ1404A、1404Bを有するノッチ1404は、連続ノッチ1104が必要とする材料の50パーセントしか必要としない。特定の実施形態において、交互タブ1404A、1404Bを有するノッチ1404を提供するために必要とされる材料の量は、連続ノッチ1104を提供するのに必要とされる材料の量と比較して、約10パーセント、約15パーセント、約20パーセント、約25パーセント、約30パーセント、約35パーセント、約40パーセント、約45パーセント、約50パーセント、約55パーセント、約60パーセント、約65パーセント、約70パーセント、約75パーセント、約80パーセント、約85パーセント、約90パーセント、約95パーセント、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値のパーセントであってもよい。
したがって、交互タブ1404A、1404Bを有するノッチ1404を含むデバイス1400は、連続ノッチ1104を含むデバイス1100と同じまたは同様の機能を提供しつつも、連続ノッチ1104を含むデバイス1100と比較して、より少ない質量および体積を含み得る。デバイス1400が挿入のために圧縮された際、交互タブ1404A、1404Bは、2つのタブの間の中身のない空間内で折り畳まれ得、これにより、体積を減らすことができる。したがって、交互タブ1404A、1404Bを有するノッチ1404を含むデバイス1400は、連続ノッチ1104を含むデバイス1100と比較して、より小さいインジェクターおよび切り口を介して、眼球内に挿入され得る。例えば、いくつかの実施形態において、デバイス1400は、約2.20mm以下の切り口を介して、眼球内に挿入され得る。特定の実施形態において、デバイス1400は、約1.0mm、約1.1mm、約1.2mm、約1.3mm、約1.4mm、約1.5mm、約1.6mm、約1.7mm、約1.8mm、約1.9mm、約2.0mm、約2.1mm、約2.2mm、約2.3mm、約2.4mm、約2.5mm、約2.6mm、約2.7mm、約2.8mm、約2.9mm、約3.0mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の切り口を介して眼球内に挿入され得る。
また、デバイス1400は、1つ以上のハプティック1402を含み得る。1つ以上のハプティック1402は、ギリシャ文字のオメガまたはΩに似た全体形状を含み得る。ハプティック1402の他の特徴の全てまたはいくつかは、図1A−1Gを参照して上述したハプティック112のものと同様であり得る。
図14A−14Dに示されている実施形態において、デバイス1400は、各水晶体領域または側壁106A、106Bの外面にそれぞれ取り付けられた2つのハプティック1402A、1402Bを含んでいる。オメガ状のハプティック1402A、1402Bのそれぞれの両端は、各水晶体領域または側壁106A、106Bの外面にオーバーモールドまたは固定され得る。オメガ状のハプティック1402A、1402Bのそれぞれの中央部分は、中身のない空間、例えば、中央部分の下方のデバイス1400の凹状領域によって囲まれ得、上述のように細胞の成長を促進する。
図1のハプティック112A、112Bと比較すると、ハプティック1402A、1402Bの連続的に湾曲している構成は、よじれを低減することができ、また、デバイス1400が眼球内への埋め込みのために、注入カートリッジを介して圧縮された際に起こり得る伸長に対してより良く適応することができる。対照的に、全体として直線的なセグメントを有するハプティック112A、112Bは、伸長されたときに、レンズの本体からより容易に引き離されやすい。また、ハプティック1402A、1402Bの湾曲している構成は、ハプティックの長さを、全体として四角形状のハプティック112の長さよりも長いものとすることができる一方、同様または実質的な同様の量の空間を覆うことを可能とし得る。換言すれば、オメガ状のハプティック1402のようなデバイスの湾曲したハプティックは、ハプティックの材料における重複性を提供することができる。したがって、ハプティック1402A、1402Bの追加的な長さによって、細胞の成長が、より良く促進され得る。
図16Aは、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの別の前方側の平面図を示している。図16Bは、図16Aの16B−16B線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図16Cは、図16Aの16C−16C線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図16Dは、図16Aの16D−16D線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図16Eは、図16Aの16E−16E線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図16Fは、図16Aの16F−16F線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図16Gは、図16Aの16G−16G線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図16Hは、図16Aの16G−16G線に沿った、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。
いくつかの実施形態において、16B−16B線に沿った、デバイス1400の断面積は、約3.39mm2であってもよい。同様に、いくつかの実施形態において、16C−16C線に沿った、デバイスの断面積は、約4.03mm2であってもよい。いくつかの実施形態において、16D−16D線に沿った、デバイスの断面積は、約4.26mm2であってもよい。いくつかの実施形態において、16E−16E線に沿った、デバイスの断面積は、約4.10mm2であってもよい。いくつかの実施形態において、16F−16F線に沿った、デバイスの断面積は、約3.50mm2であってもよい。いくつかの実施形態において、16G−16G線に沿った、デバイスの断面積は、約2.42mm2であってもよい。いくつかの実施形態において、16H−16H線に沿った、デバイスの断面積は、約4.43mm2であってもよい。したがって、デバイス1400の材料の量は、デバイス1400の断面の最も外側の周面の合計のサイズに必ずしも依存しなくともよい。
図17Aは、例えば、図14Aの例示的な人工水晶体デバイス1400のような、人工水晶体デバイスと共に用いられるよう構成された例示的なハプティックの前方側の斜視図を示している。図17Bは、図17Aの例示的なハプティックの前方側の平面図を示している。図17Cは、図17Aの例示的なハプティックの側面図を示している。
図17A−17Cに示されているように、全体としてオメガ形状のハプティック1402は、連続的に湾曲した構成を含み得る。細胞の内部成長のために構成されたハプティック1402の中央部分および/または実質的に大きな部分は、第1の一般的な方法への湾曲を含み得る。中央部分は、ハプティック1402の2つの端部において終点する第1の一般的な方向を反転した、または、それとは反対方向の第2の一般的な方向における湾曲に沿った両端において全体として延伸し得る。ハプティック1402の2つの端部は、デバイス1400にオーバーモールドまたは取り付けられ、密閉され得る。
いくつかの実施形態において、ハプティック1402は、図17Cにおいて示されているような側面図で見たとき、約0.08mmの厚さを含み得る。特定の実施形態において、側面側から見たとき、ハプティック1402は、約0.03mm、約0.04mm、約0.05mm、約0.06mm、約0.07mm、約0.08mm、約0.09mm、約0.10mm、約0.11mm、約0.12mm、約0.13mm、約0.14mm、約0.15mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の厚さを含み得る。
特定の実施形態において、図17Bに示されているような前方側の平面図で見たとき、ハプティック1402は、ハプティック1402のトップから底まで計測した際、約2.41mmの全高を含み得る。いくつかの実施形態において、前方側の平面図で見たとき、ハプティック1402の全高は、約1.50mm、約1.60mm、約1.70mm、約1.80mm、約1.90mm、約2.00mm、約2.10mm、約2.20mm、約2.30mm、約2.40mm、約2.50mm、約2.60mm、約2.70mm、約2.80mm、約2.90mm、約3.00mm、3.10mm、3.20mm、3.30mm、3.40mm、3.50mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値であってもよい。
さらに、前方側の平面図を見たとき、ハプティック1402は、約1.65mmの全幅を含み得る。特定の実施形態において、前方側の平面図で見たときに、ハプティック1402の全幅は、約1.00mm、約1.10mm、約1.20mm、約1.30mm、約1.40mm、約1.50mm、約1.60mm、約1.70mm、約1.80mm、約1.90mm、約2.00mm、約2.10mm、約2.20mm、約2.30mm、約2.40mm、約2.50mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値であってもよい。
さらに、前方側の平面図で見たとき、ハプティック1402の2つの末端の間の垂直方向の距離は、約1.66mmであってもよい。特定の実施形態において、前方側の平面図で見たとき、ハプティック1402の2つの末端の間の垂直方向の距離は、約1.00mm、約1.10mm、約1.20mm、約1.30mm、約1.40mm、約1.50mm、約1.60mm、約1.70mm、約1.80mm、約1.90mm、約2.00mm、約2.10mm、約2.20mm、約2.30mm、約2.40mm、約2.50mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値であってもよい。
さらに、前方側の平面図を見たとき、ハプティック1402の厚さは、約0.12mmであってもよい。特定の実施形態において、上側から見たとき、または、前方側の平面図を見たとき、ハプティック1402は、約0.03mm、約0.04mm、約0.05mm、約0.06mm、約0.07mm、約0.08mm、約0.09mm、約0.10mm、約0.11mm、約0.12mm、約0.13mm、約0.14mm、約0.15mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の厚さを含み得る。
図18Aは、二次的なデバイスが内部に挿入された図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図18Bは、二次的なデバイスが内部に挿入された図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図18Cは、図18Bの18C−18C線に沿った、二次的なデバイスが内部に挿入された図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図18Dは、図18Bの18D−18D線に沿った、二次的なデバイスが内部に挿入された図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図18Eは、図14Aの例示的な人工水晶体デバイスの一部分の前方側の平面図を示している。
上述のように、デバイス1400は、二次的なIOL、電子デバイス、および/または他のデバイスのような二次的なデバイス1802と共に用いられるよう構成され得る。二次的なデバイス1802は、ノッチ1404の小タブ1404Aのセットおよび/または大タブ1404Bのセットの利点を生かすよう構成された任意のデバイスであり得る。例えば、二次的なデバイス1802は、ノッチ1404の小タブ1404Aのセットおよび/または大タブ1404Bのセットによって形成された1つ以上のリッジまたは棚内に挿入されるよう構成された1つ以上のハプティックおよび/または他の機構を含み得る。二次的なデバイス1802は、デバイス1400の眼球内への埋め込みの前および/または後に、デバイス1400内に挿入され得る。
図19Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図19Bは、図19Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図19Cは、図19Bの19C−19C線に沿った、図19Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図19Dは、図19Bの19D−19D線に沿った、図19Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図19Eは、図19Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図を示している。図19Fは、図19Dの19F−19F線に沿った、図19Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。
図19Aの人工水晶体デバイス1900は、図10Aおよび/または14Aの人工水晶体デバイスの特徴のいくつかまたは全てを備えており、同様の参照番号は、同様の特徴を備えている。人工水晶体デバイス1900のいくつかまたは全ての特徴は、本明細書で開示された他の人工水晶体デバイスのものと同様であり得る。例えば、人工水晶体デバイス1900は、交互タブを有する1つ以上のノッチ1404を含み得る。ノッチ1404のいくつかまたは全ての特徴、交互タブ、および/または機能、特性、および/またはそれらの材料は、図14Aを参照して上述したものと同様であり得る。特定の実施形態において、1つ以上の交互タブ1404は、同じまたは同様のサイズおよび/または形状を全て含み得る。
人工水晶体デバイス1900は、デバイス1900の外周全体を囲む連続側壁部分1902を含み得る。人工水晶体デバイス1900の全体一般形状または構成は、図10Aの人工水晶体デバイス1000の全体一般形状と同様であり得る。しかしながら、図10Aの人工水晶体デバイスと対照的に、図19Aの人工水晶体デバイス1900の側壁1902は、分割空間または中身のない空間を含まないでもよい。
連続側壁1902を設けることにより、人工水晶体デバイス1900は、特定の他の実施形態よりも、挿入の際に、眼球のナチュラル水晶体嚢を開いた状態に保つために、より効果的であり得る。すなわち、側壁に沿って中身のない空間が存在しないので、ナチュラル水晶体嚢内での収納または折り畳みのための人工水晶体デバイス1900の動作が特定の他の実施形態よりも少なくなり得る。しかしながら、同時に、側壁1902の連続的な構成は、小さな切り口を介してデバイス1900を挿入する際の技術的な困難さをもたらし得る。
したがって、この潜在的な欠点に対応するため、例示的な人工水晶体デバイス1900のいくつの実施形態は、事前に存在する後方面を含まない。むしろ、例示的な人工水晶体デバイス1900のいくつかの実施形態は、空または中身のない後方および/または前方面を含み得る。したがって、デバイス1900は、眼球内への挿入の後、後方および/または前方の屈折面、または、オプティックと接合するよう構成され得る。換言すれば、フレームワークおよび後方屈折面の双方を備える単一片部品を含むというよりも、人工水晶体デバイス1900は、フレームワークと後方屈折面が、ナチュラル水晶体嚢または眼球内に別々に設けられ、および/または、挿入される二片部品を含んでいてもよい。
より具体的には、埋め込みの際に、フレームワークまたは人工水晶体デバイス1900が、最初に、眼球内に挿入され得、ナチュラル水晶体全体が制限開放された状態を維持することができる。続いて、オプティックまたは屈折面が眼球内に挿入され、例えば、デバイスの前方面および/または後方面、またはこれの近くにおいて、配置またはフレームワークまたは人工水晶体デバイス1900と接合され得る。フレームワーク1900を後方屈折面から離間させることにより、単一挿入の量、例えば、フレームワークまたはデバイス1900の挿入量をより少なくすることができる。
さらに、後方オプティックが別々に挿入されるので、後方オプティックは、未来においてより容易に取り換え可能となる。同時に、このオプティックを人工水晶体デバイス1900の後方端部またはその近くに配置することにより、追加的なレンズ、技術デバイス、および/または他のコンポーネントを、同様に、デバイス1900の内側および/または前方側に配置することが可能となる
オプティックは、多数の方法で、デバイス1900に取り付けまたは接合され得る。例えば、オプティックは、デバイス1900の後方面または他の部分に縫合され得、または、摩擦係合、化学的接着、機械的ロック、および/またはこれらの組み合わせにより、取り付けまたは接合され得る。特に、いくつかの実施形態において、デバイス1900の中身のない後方および/または前方端、または、開口は、縁1904を含み得る。換言すれば、デバイス1900の後方開口、前方開口、または端部は、延伸材1904の2つの層を含み得、2つの層の間に溝が形成される。延伸材1904によって形成されるこの溝は、デバイス1900の後方および/または前方開口を通過して延伸し得、例えば、円形の環帯を形成する。延伸材1904のそれぞれは、オプティックの位置を維持するよう構成された1つ以上の三角形状の固定具を含み得る。オプティクス、または、これの周面または部分(例えば、舌状部分)は、例えば、シリコーンによって形成された延伸材料1904の2つの層によって形成された溝内に挿入されるよう構成され得る。
図19Fに示されているように、いくつかの実施形態において、デバイス1900の後方および/または前方開口は、いくつかの実施形態で、約6.150mmまたは約6.250mmの直径を含み得る。特定の実施形態において、デバイス1900の後方および/または前方開口は、約5mm、約5.1mm、約5.2mm、約5.3mm、約5.4mm、約5.5mm、約5.6mm、約5.7mm、約5.8mm、約5.9mm、約6.0mm、約6.1mm、約6.2mm、約6.3mm、約6.4mm、約6.5mm、約6.6mm、約6.7mm、約6.8mm、約6.9mm、約7.0mm、約7.1mm、約7.2mm、約7.3mm、約7.4mm、約7.5mm、約8.0mm、約8.5mm、約9.0mm、約9.5mm、約10mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の直径を含み得る。
特定の実施形態において、後方および/または前方開口を囲む縁部分1904は、図19Fに示されているような前方側の平面図で見たときに、特定の厚さを含み得る。したがって、縁部分1904を除いた、デバイス1900の前方および/または後方開口の内周面の周りに形成された円形部分の直径は、約7.00mmおよび/または後方および/または前方開口よりも大きくてもよい。特定の実施形態において、縁部分1904を除いた、デバイス1900の前方および/または後方開口の内周面の周りに形成された円形部分の直径は、約5.5mm、約5.6mm、約5.7mm、約5.8mm、約5.9mm、約6.0mm、約6.1mm、約6.2mm、約6.3mm、約6.4mm、約6.5mm、約6.6mm、約6.7mm、約6.8mm、約6.9mm、約7.0mm、約7.1mm、約7.2mm、約7.3mm、約7.4mm、約7.5mm、約8.0mm、約8.1mm、約8.2mm、約8.3mm、約8.4mm、約8.5mm、約9.0mm、約9.5mm、約10.0mm、約10.5mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値であってもよい。
いくつかの実施形態において、デバイス1900は、側壁1092の内部全体に渡って円周方向に配置された複数のノッチ1404を含み得る。複数のノッチ1404のそれぞれまたはいくつかは、図19Bにおいて示されているような前方側の平面図で見たときに、約8°の角度幅を含み得る。特定の実施形態において、図19Bにおいて示されているような前方側の平面図で見たときに、複数のノッチ1404のそれぞれまたはいくつかは、約1°、約2°、約3°、約4°、約5°、約6°、約7°、約8°、約9°、約10°、約11°、約12°、約13°、約14°、約15°、約20°、約25°、約30°、約40°、約45°、約60°、約75°、約90°、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の角度幅を含み得る。[0331]図20Aは、図19Aの例示的な人工水晶体デバイスまたは本明細書で記述された任意の他の例示的な人工水晶体デバイスのような人工水晶体デバイスと共に用いられるよう構成された例示的なオプティックの前方側の斜視図を示している。図20Bは、図20Aの例示的なオプティックの前方側の平面図を示している。図20Cは、図20Bに示された前方側の平面図の長軸に沿った、図20Aの例示的なオプティックの側面側の平面図を示している。図20Dは、図20Bに示された前方側の平面図の短軸に沿った、図20Aの例示的なオプティックの側面側の平面図を示している。
いくつかの実施形態において、オプティックまたは屈折面2000は、約6.00mmの直径を含み得る。特定の実施形態において、オプティックまたは屈折面2000は、約5.00mm、約5.50mm、約6.00mm、約6.50mm、約7.00mm、約7.50mm、約8.00mm、約8.50mm、約9.00mm、約9.50mm、約10.00mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の直径を含み得る。
オプティックまたは屈折面2000は、1つ以上の舌状部2002を含み得る。1つ以上の舌状部2002は、オプティック2000の屈折部分から外側に延伸し得る。1つ以上の舌状部2002は、人工水晶体デバイスの溝内に挿入されるよう構成され得る。例えば、1つ以上の舌状部2002は、デバイス1900内の延伸材1904の2つの層によって形成された溝内に挿入され得る。
オプティック2000は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の舌状部2002を含み得る。オプティック2000の1つ以上の舌状部2002のそれぞれは、オプティック2000の屈折部分の周面の約20°、約40°、約60°、約80°、約100°、約120°、約140°、約160°、約180°、約200°、約220°、約240°、約260°、約280°、約300°、約320°、約340°、約360°、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の周面から放射状に延伸し得る。
オプティック2000の舌状部2002は、1つ以上のアイレット2004を含み得る。1つ以上のアイレット2004は、デバイス1900のような人工水晶体デバイス内において特定の場所または構成において、オプティック2000を留めるまたは固定するために用いられ得る。いくつかの実施形態において、アイレット2004のそれぞれは、約0.25mmの直径および/または厚さを含み得る。特定の実施形態において、アイレット2004のそれぞれは、約0.05mm、約0.10mm、約0.15mm、約0.20mm、約0.25mm、約0.30mm、約0.35mm、約0.40mm、約0.45mm、約0.50mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の直径および/または厚さを含み得る。
図21Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図21Bは、図21Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図21Cは、図21Bの21C−21C線に沿った、図21Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図21Dは、図21Bの21D−21D線に沿った、図21Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。
図21Aの例示的な人工デバイスは、図19Aの例示的な人工デバイスと同様の1つ以上の特徴を含み得る。図21Aの例示的な人工デバイスは、図21Aに示されているように、屈折面またはIOL2200と共に用いられるよう構成され得る。例えば、例示的な人工デバイス2100は、本明細書において記述された1つ以上の他の実施形態と同様に、後方屈折面2200を含み得る。後方屈折面2200は、人工デバイス2100から選択的に着脱可能に構成され得る。
いくつかの実施形態において、デバイス2100は、図21Bに示されているような前方側からの平面図で見たときに、約9.650mmの全径を含み得る。特定の実施形態において、前方側の平面図で見たときに、デバイス2100は、約7.0mm、約7.5mm、約8.0mm、約8.5mm、約9.0mm、約9.5mm、約10.0mm、約10.5mm、約11.5mm、約12.0mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の全径を含み得る。
いくつかの実施形態において、デバイス2100は、図21Dに示されている21D−21D線に沿った断面図において、屈折面2200を除き、約3.5mmの厚さを含み得る。屈折面2200の厚さにもよるが、屈折面2200を備えるデバイス2100の全厚は、約3.980mmであってもよい。特定の実施形態において、21D−21D線に沿った断面図および/または側面図において、屈折面2200を含みおよび/または含まずに、デバイス2100の厚さは、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約4.5mm、約5mm、約5.5mm、約6mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値であってもよい。
図21Cに示されているように、いくつかの実施形態において、デバイス2100の後方および/または前方開口は、約6.250mm、約6.250mm、および/または約6.350mmの直径を含み得る。特定の実施形態において、デバイス2100の後方および/または前方開口は、約5mm、約5.1mm、約5.2mm、約5.3mm、約5.4mm、約5.5mm、約5.6mm、約5.7mm、約5.8mm、約5.9mm、約6.0mm、約6.1mm、約6.2mm、約6.3mm、約6.4mm、約6.5mm、約6.6mm、約6.7mm、約6.8mm、約6.9mm、約7.0mm、約7.1mm、約7.2mm、約7.3mm、約7.4mm、約7.5mm、約8.0mm、約8.5mm、約9.0mm、約9.5mm、約10mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の直径を含み得る。
特定の実施形態において、縁部分は、図21Bに示されているような前方側の平面図で見たときに、特定の厚さを有し、後方および/または前方開口を囲み得る。デバイス2100の前方および/または後方開口の内周面の回りに形成された円形部分の直径は、縁部を除き、約7.00mmおよび/または後方および/または前方開口よりも大きくてもよい。特定の実施形態において、デバイス2100の前方および/または後方開口の内周面の回りに形成された円形部分の直径は、縁部を除き、約5.5mm、約5.6mm、約5.7mm、約5.8mm、約5.9mm、約6.0mm、約6.1mm、約6.2mm、約6.3mm、約6.4mm、約6.5mm、約6.6mm、約6.7mm、約6.8mm、約6.9mm、約7.0mm、約7.1mm、約7.2mm、約7.3mm、約7.4mm、約7.5mm、約8.0mm、約8.1mm、約8.2mm、約8.3mm、約8.4mm、約8.5mm、約9.0mm、約9.5mm、約10mm、約10.5mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値であってもよい。
いくつかの実施形態において、デバイス2100は、側壁1902の内部全体に渡って周方向に配置された複数のノッチ1404を含み得る。複数のノッチ1404のそれぞれまたはいくつかは、図21Bに示されているような前方側の平面図で見たときに、約8°の角度幅を含み得る。特定の実施形態において、前方側の平面図で見たときに、複数のノッチ1404のそれぞれまたはいくつかは、約1°、約2°、約3°、約4°、約5°、約6°、約7°、約8°、約9°、約10°、約11°、約12°、約13°、約14°、約15°、約20°、約25°、約30°、約40°、約45°、約60°、約75°、約90°、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の角度幅を含み得る。
図22Aは、図21Aの人工水晶体デバイスまたは本明細書に記述された任意の他の例示的な人工水晶体デバイスのような、人工水晶体デバイスと共に用いられるよう構成され得る例示的な屈折面または眼球内レンズの前方側の斜視図を示している。図22Bは、図22Aの例示的な屈折面または眼球内レンズの前方側の平面図を示している。図22Cは、図22Aの例示的な屈折面または眼球内レンズの側面側の平面図を示している。図22Dは、図22Aの例示的な屈折面または眼球内レンズの別の側面側の平面図を示している。
図22Aの例示的な屈折面または眼球内レンズ2200は、本明細書で開示された1つ以上の例示的な人工デバイスと共に用いられるよう構成され得る。例えば、図22Aの例示的な屈折面または眼球内レンズ2200は、図21Aの人工水晶体デバイスに取り付けおよび/または図21Aの人工水晶体デバイスから選択的に取り外しされ得る。
いくつかの実施形態において、オプティックまたは屈折面2200は、約6.250mmの直径を含み得る。特定の実施形態において、オプティックまたは屈折面2200は、約5.00mm、約5.50mm、約6.00mm、約6.50mm、約7.00mm、約7.50mm、約8.00mm、約8.50mm、約9.00mm、約9.50mm、約10.00mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の直径を含み得る。
例示的な屈折面または眼球内レンズ2200は、屈折面または眼球内レンズ2200の人工水晶体デバイスへの取り付け、および/または、これら2つの固定を容易とするための1つ以上のタブ2206を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、屈折面または眼球内レンズ2200は、4つのタブ2206を含み得る。タブ2206のそれぞれは、図22Dにおいて示されているような側面側の平面図で見たときに、湾曲を含む。例えば、特定の実施形態において、屈折面または眼球内レンズ2200は、2つの上方へ湾曲しているタブ2206Aと、2つの下方に湾曲しているタブ2206Bと、を含み得る。したがって、4つのタブ2206の2つは、人工水晶体デバイスの後方または前方の端部の内部に配置されるよう構成され得、さらに、他の2つのタブ2206は、人工水晶体デバイスの後方または前方の端部の外側に配置されるよう構成され得る。このようにして、屈折面または眼球内レンズ2200は、人工水晶体デバイスの後方の端部に対して所定の位置において実質的に保持され得る。
複数のタブ2206のそれぞれは、図22Dに示されているような側面側の平面図で見たときに、所定の角度で屈折面2200から延伸し得る。例えば、いくつかの実施形態において、複数のタブ2206のそれぞれまたはいくつかは、屈折面2200から、いずれかの方向へ、約45°で延伸し得る。特定の実施形態において、複数のタブ2206のそれぞれまたはいくつかは、約+/−10°、約+/−20°、約+/−25°、約+/−30°、約+/−35°、約+/−40°、約+/−45°、約+/−50°、約+/−55°、約+/−60°、約+/−70°、約+/−80°、約+/−90°、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の角度で、初めに延伸し得る。
いくつかの実施形態において、タブ2206のそれぞれまたはいくつかは、図22Dに示されているような側面側の平面図で見たときに、約0.50mmの高さを含み得る。特定の実施形態において、タブ2206のそれぞれまたはいくつかは、図22Dに示されているような側面側の平面図で見たときに、約0.10mm、約0.20mm、約0.30mm、約0.40mm、約0.50mm、約0.60mm、約0.70mm、約0.80mm、約0.90mm、約1.0mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の高さを含み得る。
いくつかの実施形態において、オプティック2200は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のタブ2206を含み得る。特定の実施形態において、1つ以上のタブ2206のそれぞれまたはいくつかは、オプティック2200の屈折部分の周面の約30°から放射状に延伸し得る。いくつかの実施形態において、オプティック2000の1つ以上のタブ2206のそれぞれまたはいくつかは、オプティック2200の屈折部分の周面の約20°、約40°、約60°、約80°、約100°、約120°、約140°、約160°、約180°、約200°、約220°、約240°、約260°、約280°、約300°、約320°、約340°、約360°、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の角度から、放射状に延伸し得る。
いくつかの実施形態において、タブ2206のそれぞれまたはいくつかは、図22Bに示されているような前方側の平面図で見たときに、約2.0mmの幅を含み得る。特定の実施形態において、図22Bに示されているような前方側の平面図で見たときに、タブ2206のそれぞれまたはいくつかは、約0.5mm、約1.0mm、約1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、約5.0mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の幅を含み得る。
屈折面または眼球内レンズ2200は、2つの凸部2200A、2200Bを含み得る。人工水晶体デバイスに取り付けられる際に、2つの凸部の一方2200Aは、人工水晶体デバイスの内部に配置されるよう構成され得、他方の凸部2200Bは、人工水晶体デバイスの外側に配置されるよう構成され得る。いくつかの実施形態において、2つの凸部2200A、2200Bは、実質的に、同じ形状、面積、および/または屈折力を含み得る。このようにして、屈折面または眼球内レンズ2200は、人工水晶体デバイスに取り付けられる際に、自身の後方および前方構成が問題とならないように、構成され得る。換言すれば、屈折面または眼球内レンズ2200は、人工水晶体デバイスに取り付けられる際に反転され得、さらに、その場合であっても実質的に同じ機能を得ることができる。
本明細書で述べられたいくつかの実施形態は、遠近調整オプティックシステム、デバイス、および/またはこれらの制御方法に関し、および/または、これらと共に用いられ得る。遠近調整オプティックまたはレンズは、一般的に、ユーザーが様々な距離で視界をクリアにすることを支援するオプティクスまたはレンズを意味し得る。換言すれば、遠近調整オプティックまたはレンズは、ユーザーの視界的な必要性の変化に応じて、ユーザーの視界を修正する度合いが変化するように、屈折力または光学的パワーを変化させることを提供し得る。遠近調整オプティクまたはレンズは、多数の異なる形態および/またはデザインを含み得る。1つの例は、電気活性遠近調整レンズとして知られている電子または電気遠近調整レンズ、電気活性レンズ、または電気活性眼球内レンズである。電気活性遠近調整レンズ、例えば、電気信号または入力に応じて、レンズの光学パワーまたは集光力を変更する構成に変化するよう構成された液晶を含み得る。電気活性遠近調整レンズは、眼球内レンズ(IOL)として、眼球内に埋め込まれるよう構成され得る。
電気活性遠近調整IOLと共に生じる一般的な問題の1つは、電気活性遠近調整IOLのサイズおよび全体構成に関するものである。例えば、電気活性遠近調整レンズまたはLCDパワー可変レンズは、一般的に、折り畳み出来ないプレクシガラスの2つのウェハー間に配置された液晶を含む。同時に、IOLは、一般的に、大部分の環境下において機能するレンズを提供するため、例えば、暗所または他の環境において瞳がオプティックよりも大きくなった際のハロー効果および/またはミスマッチを防ぐために、少なくとも5mmの直径または幅を含むオプティックを必要とする。さらに、例えば、3mmよりも小さな、小さい切り口を介してIOLを挿入することは一般的に利点がある。したがって、このような基準に対処および調和させるため、特定の電気活性遠近調整IOLは、全体として四角形状または長尺棒状の形状を含み、これにより、5mm以上または少なくとも3mm以上の長さまたは幅を有する硬質または半硬質電気活性遠近調整IOLが、切り口を介して、眼球内に挿入されることを可能としている。これは、一般的に丸いまたは円形の形状を含む大部分のIOLと対照的である。
特定の遠近調整オプティック、デバイス、および方法は、これらの欠点に対処する。図23Aは、人工水晶体デバイスと共に用いられるよう構成された例示的な遠近調整オプティックデバイスの前方側の平面図を示している。図23Bは、人工水晶体デバイスと共に用いられる図23Aの例示的な遠近調整オプティックデバイスを含む例示的な遠近調整オプティックシステムの前方側の平面図を示している。図23Cは、人工水晶体デバイスの短軸に沿った、図23Bの例示的な遠近調整オプティックシステムの断面図を示している。
特に、例示的な遠近調整オプティック2300は、本明細書で記述された人工水晶体デバイスの任意のものと共に用いられるよう構成されている。たとえば、遠近調整オプティック2300は、人工水晶体デバイス1400の内部に配置または挿入されるよう構成され得る。遠近調整オプティック2300は、人工水晶体デバイスの後方屈折面の前方に配置されるよう構成され得、後方屈折面は、遠近調整オプティック2300によって補助され得るベースレンズとして機能することができ、人間の光学システムの焦点を効果的に変更することができる。
遠近調整オプティック2300は、電気活性遠近調整レンズと同様の方法で、屈折力または光学パワーの変更を提供するよう構成され得る。重要な違いは、遠近調整オプティック2300は、後方屈折面を含む、本明細書で記述された、後方屈折面を含む人工水晶体デバイスの1つ以上と共に用いられるよう構成されていることである。換言すれば、遠近調整オプティック2300は、別々の屈折面またはレンズと共に用いられるよう構成されており、遠近調整オプティック2300は、特定の電気活性遠近調整オプティックのように、約5mm以上の直径または幅のオプティックを含む必要がない。
遠近調整オプティック2300は、約3mm以下の直径しかないオプティック2302を含み得、一方、別々のレンズまたは後方屈折面を用いることにより、瞳がオプティックよりも大きくなったときのハロー効果やミスマッチを軽減することができる。したがって、遠近調整オプティック2300は、その小さなサイズによって、全体として丸いまたは円形のオプティック2302を含み得る。特定の実施形態において、遠近調整オプティック2300のオプティックまたは屈折部分2302は、約4.5mm、約4.0mm、約3.5mm、約3.0mm、約2.5mm、約2.0mm、約1.5mm、約1.0mm、約0.5mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の直径を含み得る。
より小さなサイズによって、実質的に円形または丸い遠近調整オプティック2300は、オプティック部分2302の直径と等しいまたはわずかに大きい小さな切り口を介して挿入され得る。例えば、約3mmの直径のオプティック2302を有する遠近調整オプティック2300は、約3mmの切り口を介して、眼球内に挿入され得る。別の例において、約1mmの直径のオプティック2302を有する遠近調整オプティック2300は、約1mmの切り口を介して、眼球内に挿入され得る。
上述のように、遠近調整オプティック2300は、人工水晶体デバイスの後方屈折面の前方に配置されるよう構成され得る。換言すれば、人工水晶体デバイスの後方屈折面は、遠近調整オプティック2300によって補助され得るベースレンズとして機能し得る。遠近調整オプティック2300は、様々な光学パワーまたは屈折力を提供することができる。例えば、遠近調整オプティック2300は、約0ジオプター、約0.25ジオプター、約0.50ジオプター、約0.75ジオプター、約1.00ジオプター、約1.25ジオプター、約1.50ジオプター、約1.75ジオプター、約2.00ジオプター、約2.25ジオプター、約2.50ジオプター、約2.75ジオプター、約3.00ジオプター、約3.25ジオプター、約3.50ジオプター、約3.75ジオプター、約4.00ジオプター、約4.25ジオプター、約4.50ジオプター、約4.75ジオプター、約5.00ジオプター、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の光学パワーまたは屈折力を提供するよう構成され得る。また、遠近調整オプティック2300は、波面高次収差を修正および/または非点収差を修正または誘導するよう構成され得る。
図示の実施例のように、遠近調整オプティック2300は、自身のパワーを有さないまたは待機状態、つまり、0ジオプターの有効パワーを有する状態において透明であり得る。しかしながら、例えば、入力に基づいて、遠近調整オプティック2300の屈折力は、0ジオプターから、約1、約2、約3、約4、または約5ジオプターまで変化し、遠近調整シフトを提供してもよい。遠近調整オプティック2300はベースオプティックの後方屈折面の前方に配置されているので、ユーザーの視覚は、遠近調整オプティック2300のパワーに従って、効果的に修正されるであろう。
いくつかの実施形態において、遠近調整オプティック2300の屈折力または光学パワーは、ユーザー入力に基づいて変化され得る。例えば、遠近調整オプティック2300は、スマートフォンまたは他の電子デバイスから受信したユーザー入力に基づいて自身のパワーを変化または変更するよう構成され得る。ユーザー入力は、光学パワーの特定の値または範囲であり得る。ユーザー入力は、ダイアルまたはダイアルの表示を介して受信され、ユーザーは、低いパワーから高いパワーまで、またはその逆で、漸次的な区分を作成し得る。ユーザーが各眼球内に1つ埋め込まれた2つの遠近調整オプティック2300を有している場合、ユーザーは、一度に遠近調整オプティック2300の一方のみまたは双方のパワーを制御し得る。例えば、ユーザーは遠方の視覚に適合するために一方の眼の遠近調整オプティック2300を制御し、一方、他方の眼の遠近調整オプティック2300は、近くの視覚に適合するために遠近調整され、モノビジョン効果を生成してもよい。
さらに、特定の実施形態において、遠近調整オプティック2300は、1つ以上のセンサー、眼球追跡ソフトウェア、および/または人工知能共に用いられるよう構成されていてもよい。例えば、1つ以上のセンサーまたは電極が、筋肉収縮、瞳引き込み、頭部傾き、または位置追跡等を検出し、遠近調整オプティック2300の集光力を制御または自動制御のために貢献してもよい。しかしながら、1つ以上のセンサーが不完全であり、および/または、ユーザーが遠近調整レンズ2300の自動的に決定されるパワーに満足しないという一般的なリスクが存在する。このような状況では、ユーザーは、ユーザー入力デバイスを用いて遠近調整オプティック2300の屈折力または集光力を制御することにより、手動で自動システムを無効とし、ユーザーの視界を微調整してもよい。ユーザー入力デバイスは、スマートフォン、スマートウォッチ、電子リング、電子ブレスレット等、または、例えば、無線通信を介して遠近調整オプティック2300と通信可能な他のデバイスであってもよい。
また、分離されたベースレンズと共に遠近調整レンズを用いることにより、遠近調整レンズ2300のオプティック部分2302のより小さなサイズであっても、ハロー効果が低減され得る。一般的に言って、自然の明るい状況における人間の瞳のサイズは、約3mm以下であると言える。多くの機能状態において、人間の瞳は、3mmより小さいであろう。しかしながら、暗所環境下においては、瞳は、3mmより大きくなるであろう。遠近調整オプティック2300のオプティック部分2302が3mmの直径を有する実施形態において、いくつらの集光されていない光が遠近調整オプティック2300のオプティック2302の周面の周りに入ってくるであろう。この光は、人工水晶体デバイスのベースレンズまたは後方屈折面によって集光されるであろう。したがて、多焦点レンズと同様に、遠近調整レンズ2300を介して中央部分に入射する光は、遠近調整レンズ2300の周辺で入射し、後方屈折面またはベースレンズを通過するだけの光とは異なる点に集光されるであろう。より暗い環境下であって、ユーザーが近距離に焦点を合わせることを必要としない場合、例えば、夜間での運転やコンサートを鑑賞している間、ユーザーは、遠近調整レンズの屈折力を調整し、自身の必要性に適応させ得る。換言すれば、ユーザーは、待機状態にある遠近調整レンズ2300を調整することにより、容易にハローを除去することができ、これにより、単焦点距離レンズを機能的に得ることができる。
遠近調整レンズ2300を人工水晶体デバイスに取り付けまたは接合させるために、遠近調整レンズ2300は、人工水晶体デバイスに取り付けられるよう構成されたハプティック2306および/または1つ以上のアーム部分2304を含み得る。例えば、1つ以上のアーム部分2304は、遠近調整レンズ2300のオプティック部分2302から外側へ放射状に延伸し得る。また、アーム部分2304のそれぞれは、端部において1つ以上のハプティック2306を含み得、人工水晶体デバイスの溝、他のロック機構、または機構に挿入または取り付けられるよう構成され得る。
図23A−23Cに示されている実施形態において、遠近調整レンズ2300は、オプティック部分2302から延伸する2つのアーム部分2304を含み得、2つのアーム部分2304のそれぞれは、人工水晶体デバイスの側壁の内側に沿って位置するスロットまたは溝内に挿入可能に構成された湾曲したアンカー状のハプティック2306を含む。オプティック部分2302は、ハプティック2306の固定の際に、人工水晶体デバイスの後方屈折面の前方の中心に配置されるよう構成され得る。例えば、3mmのオプティック部分2302は、5.5mmの後方屈折面の前方で、実質的に中心に配置され得る。遠近調整レンズ2300は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアーム部分2304を含み得る。アーム部分2304のそれぞれは、例えば、同じ角度で互いに離間して、オプティック部分2302から外側へ放射状に延伸し得る。アーム部分2304のそれぞれは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のハプティック2306を含み得る。
長軸に沿った遠近調整レンズ2300の長さは、例えば、3mmの直径のオプティック部分2302を含み、約9.5mmであってもよい。特定の実施形態において、長軸に沿った遠近調整レンズ2300の長さは、約8.0mm、約8.5mm、約9.0mm、約10.0mm、約10.5mm、約11.0mm、約11.5mm、約12.0mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値であってもよい。
電子コンポーネントのような1つ以上の他のコンポーネントは、ハプティック内に配置され得る。例えば、オプティック部分2302に加えて、遠近調整レンズ2300も、1つ以上のバッテリー、1つ以上の電源、1つ以上の誘導コイル、1つ以上のキャパシター、1つ以上の無線アンテナ、無線受信機、および/または1つ以上のマイクロプロセッサーを含み得る。1つ以上の無線アンテナおよび/または受信機は、ユーザー入力デバイスまたは他の電子デバイスと無線通信するよう構成された1つ以上の無線周波数アンテナ、ブルートゥースアンテナ、Wi−Fiアンテナ等であってもよい。
無線アンテナおよび/または受信機によってユーザー入力または他の塩基信号が受信されると、マイクロプロセッサーまたはマイクロチップは、入力を受信し、さらに、集光力を制御するためにLCDオプティック部分の状態を制御するための入力/出力決定を判別するよう構成され得る。判別された出力は、オプティック部分の屈折値を、所望の値へ、適切に変化させるために電荷を出力するよう構成されたキャパシターに伝達され得る。
図23Dは、遠近調整オプティックシステムの例示的な制御プロセスを示すブロック図である。図23Dに示されているように、いくつかの実施形態において、システムは、ブロック2312において、1つ以上の入力を受信するよう構成され得る。入力は、ユーザー入力または自動入力であってもよい。例えば、システムによって受信された入力は、ユーザーアクセスポイントシステムを介したユーザー始動入力であってもよい。追加的に、または、代替的に、システムによって受信された入力は、特定の時間および/または状況において遠近調整レンズの所望の屈折力を自動的に判別する眼球内センサーおよび/または外部光センサーのような1つ以上のセンサーからのものであってもよい。
入力が受信されると、システムは、ブロック2314において、入力をさらに処理するよう構成され得る。特定の実施形態において、システムは、複数の入力、例えば、自動入力やユーザー入力を、組み合わせるか、他の処理を施すよう構成され得る。いくつかの実施形態において、システムは、単一の入力(ユーザー入力または自動入力)を処理するよう構成され得る。
システムによる1つ以上の入力の処理は、1つ以上の処理を含み得る。いくつかの実施形態において、システムは、1つ以上の入力を処理し、遠近調整オプティックシステムまたはデバイスの屈折力または他の特性を増加および/または減少させるよう構成された1つ以上の追加的な処理を開始するか否かを判別するよう構成され得る。例えば、屈折力を増加させる必要があるとの指示および/または判断に対応するデータを含む入力がシステムによって受信されると、システムは、屈折力を増加させることを期待されている1つ以上の処理を開始するよう構成され得る。逆に、屈折力を減少させる必要があるとの指示および/または判断に対応するデータを含む入力がシステムによって受信されると、システムは、屈折力を減少させることを期待されている1つ以上の処理を開始するよう構成され得る。
遠近調整オプティックシステムまたはデバイスの現在の屈折力および/または他の特性が最適または操作可能であることを示すデータを含む入力がシステムによって受信されると、システムは、遠近調整オプティックシステムまたはデバイスの屈折力および/または他の特性を変更する任意の処理を開始しないよう構成され得る。
このような判別に基づいて、システムは、ブロック2316において、眼球内に埋め込まれたシステムの1つ以上の電子デバイスコンポーネントへの送信のための1つ以上の指示コマンドを生成するようさらに構成され得る。指示コマンドを受信した各電子デバイスコンポーネントは、受信された指示コマンドに従って、1つ以上の処理を実行するようさらに構成され得る。選択的に、いくつかの実施形態において、システムは、ブロック2318において、指示コマンドを受信した1つ以上の電子デバイスコンポーネントが、対応する1つ以上の処理を実際に実行したか否かを判別するようさらに構成され得る。いくつかの実施形態において、1つ以上の対応する処理が実行されたとの確認および/または現在のステータス入力がシステムによって受信されると、処理は、ブロック2320において終了し得る。しかしながら、そのような確認および/または現在のステータス入力が受信されなかった場合、システムは、ブロック2312から2318までの1つ以上の処理を繰り返すよう構成され得る。
さらに、いくつかの実施形態において、システムは、図8を参照して上述した1つ以上の処理を、リアルタイム、略リアルタイム、または周期的に、繰り返すよう構成され得る。例えば、システムは、処理2312から2316および/または処理2312から2318を、リアルタイム、略リアルタイム、または周期的に、繰り返すよう構成され得る。1つ以上の処理は、約1秒、約2秒、約3秒、約4秒、約5秒、約7秒、約8秒、約9秒、約10秒、約20秒、約30秒、約40秒、約50秒、約1分、約2分、約3分、約4分、約5分、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値毎に繰り返され得る。
図23Eは、遠近調整オプティックシステムの別の例示的な制御プロセスを示すブロック図である。いくつかの実施形態において、遠近調整レンズシステムの電子システムコンポーネント、例えば、制御ユニットは、ブロック2324において、1つ以上の入力を受信し得る。1つ以上の入力は、眼球上の汚れに関するユーザー入力またはデータ、外部光状況、筋肉収縮、または遠近調整オプティックシステムまたはデバイスの屈折力を増加または減少させる必要性または希望を示す任意の他のデータを含み得る。ユーザー入力は、ユーザーによって、スマートフォンや他の携帯型電子デバイスのようなユーザーアクセスポイントを介して入力され得る。他のデータは、遠近調整オプティックシステムと共に用いるために、1つ以上の眼球内および/または外部センサーから収集および/または受信され得る。
システムコンポーネントは、ブロック2326において、受信された入力をさらに処理するよう構成され得る。システムは、受信された入力が、遠近調整オプティックシステムまたはデバイスの屈折力および/または他の特性を増加、減少、および/または維持のどれに対応するかを判別してもよい。システムが、受信された入力が遠近調整オプティックシステムまたはデバイスの状態および/またはパワーを変更するよう要求またはこれに対応していると判別した場合、システムは、ブロック2328Aにおいて、遠近調整オプティックシステムまたはデバイスの状態および/またはパワーを適切に変更するための指示コマンドを生成するよう構成され得る。システムが、受信された入力が遠近調整オプティックシステムまたはデバイスの状態および/またはパワーを維持するよう要求またはこれに対応していると判別した場合、システムは、ブロック2328Bにおいて、遠近調整オプティックシステムまたはデバイスの状態および/またはパワーを維持するための指示コマンドを生成するよう構成され得る。
システムコンポーネントは、ブロック2330において、遠近調整レンズまたはオプティックシステムの同じまたは異なる電子デバイスコンポーネントへ、生成された指示コマンドを電気的に送信するようさらに構成され得る。いくつかの実施形態において、生成された指示コマンドは、有線接続を介して送信され得る。特定の実施形態において、生成された指示コマンドは、無線接続を介して送信され得る。
いくつかの実施形態において、システムコンポーネントは、ブロック2332において、遠近調整オプティックシステムから、確認および/または現在のステータス入力を受信するようさらに構成され得る。ブロック2334において、遠近調整レンズ、または、オプティックシステム若しくはデバイスは、システム指示に基づいて、システムの屈折力および/または他の特性を増加、減少、および/または維持し得る。
図24Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図24Bは、図24Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図24Cは、図24Bの24C−24C線に沿った、図24Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図24Dは、図24Bの24D−24D線に沿った、図24Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図24Eは、図24Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図を示している。図24Fは、図24Dの24F−24F線に沿った、図24Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。
図24Aの例示的な人工水晶体デバイス2400は、図1A−21Aに示された例示的な人工水晶体デバイスの特徴のいくつかまたは全てを備えており、同様の参照番号は、同様の特徴を備える。例えば、図6Aの例示的な人工水晶体デバイス600と同様、図24Aの例示的な人工水晶体デバイス2400は、1つ以上のリッジ2404を備え得る。また、図10Aの例示的な人工水晶体デバイス1000と同様に、図24Aの例示的な人工水晶体デバイス2400は、単一の連続的な側壁2402を備え得る。
特に、例示的な人工水晶体デバイス2400は、如何なる切れ目や中身のない空間も有さない、単一の連続的な側壁2402を含み得る。側壁2402は、シリコーンから形成され得る。デバイス2400は、前方開口および後方開口を含み得る。中身のない空間または空洞108は、前方開口と後方開口とを接続するデバイス2400を介して形成され得る。したがって、デバイス2400は、略タイヤ状または略ドーナツ状の形状または構成を含み得る。
デバイス2400は、前方面102および後方面104が実質的に同じとなるよう、構成され得る。したがって、前方面102および後方面104が反転しているかどうかは問題とならないであろう。換言すれば、デバイス2400の前方側の半分は、実質的に、デバイス2400の後方側の半分の鏡像であり得る。デバイス2400は、1つ以上の屈折面またはIOLと共に用いられるよう構成され得る。例えば、屈折面またはIOLは、前方開口102および/または後方開口104を覆うよう配置されるよう構成され得る。また、前方開口102および/または後方開口104に対して固定されるよう構成された屈折面またはIOLは、前後軸に沿って対称であり得る。換言すれば、いくつかの実施形態において、前方開口102および/または後方開口104に対して固定されるよう構成された屈折面またはIOLは、レンズまたは屈折面の両側で同じパワーを含み得る。したがって、屈折面またはIOLおよびデバイス2400の双方は、例えば、手術中での使用を容易にし、デバイスおよび/またはレンズの構成に関するリスクを低減するために、デバイスおよびレンズの前方部分および後方部分を分ける面に対して完全に反転可能であり得る。また、屈折面、IOL、電子デバイス、および/または他の眼球内デバイスは、前方開口102と後方開口104との間のデバイスの空洞108内に配置され得る。
さらに、デバイス2400は、1つ以上のリッジ2404を含み得る。1つ以上のリッジ2404は、デバイス2400内に配置される追加的なIOL、電子デバイス等に対する機械的なサポートまたは固定を提供するよう構成され得る。例えば、IOL、電子デバイス等のハプティックまたは他の固定メカニズムは、1つ以上のリッジ2404内にスライドされるよう構成され得る。1つ以上のリッジ2404は、前方開口102と後方開口104との間に位置され得る。例えば、1つ以上のリッジ2404は、前方開口1202と後方開口104との間の略中間位置に位置され得る。
したがって、デバイス2400は、IOL、電子デバイス等のような眼球内デバイスを固定または配置するために、デバイス2400内において3つ以上の面または位置を含み得る。例えば、第1の眼球内デバイスは、前方端または開口102に配置または固定され、第2の眼球内デバイスは、後方端または開口104に配置または固定され、第3の眼球内デバイスは、デバイスの1つ以上のリッジ2404に、および/または、空洞108内に配置または固定され得る。特定の実施形態において、デバイス2400は、例えば、1つ以上のリッジ2404を設けることによって、デバイスの空洞108内で1つ以上の眼球内デバイスを、保持するよう構成され得る。したがって、いくつかの実施形態において、デバイス2400は、単一のデバイス2400内において、3つ以上のIOL、屈折面、他の眼球内デバイス、および/またはこれらの組み合わせを保持するよう構成され得る。
いくつかの実施形態において、前方端102および/または後方端104は、屈折面110、眼球内レンズ、またはデバイス2400内において用いられるよう特別に設計された他の眼球内デバイスを固定するよう構成され得る。対照的に、デバイス2400の空洞108は、任意の一般的および/または第三者によって設計または製造された眼球内デバイスおよび/またはIOLを保持するよう構成され得る。
いくつかの実施形態において、デバイス2400は、図24Bに示されているような前方側の平面図で見たときに、約9.650mmの外径を有する全体として円形形状を含み得る。特定の実施形態において、デバイス2400は、前方側の平面図で見たときに、約6.0mm、約6.5mm、約7.0mm、約7.5mm、約8.0mm、約8.5mm、約9.0mm、約9.5mm、約10.0mm、約10.5mm、約11.0mm、約11.5mm、約12.0mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の外径を有する実質的に円形の形状を含み得る。
特定の実施形態において、デバイス2400は、側面図で見たときに、取り付けられた任意の屈折面またはIOLを除き、約3.50mmの厚さを含み得る。いくつかの実施形態において、デバイス2400は、側面図で見たときに、取り付けられた任意の屈折面またはIOLを除き、約0.50mm、約1.00mm、約1.50mm、約2.00mm、約2.50mm、約3.00mm、約3.50mm、約4.00mm、約4.50mm、約5.00mm、約5.50mm、約6.00mm、約6.50mm、約7.00mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の厚さを含み得る。
いくつかの実施形態において、デバイス2400は、例えば、約6.350mmの直径を含む屈折面またはIOLを受けるための前方開口102および/または後方開口を含み得る。特定の実施形態において、デバイス2400は、例えば、約3.00mm、約3.50mm、約4.00mm、約4.50mm、約5.00mm、約5.50mm、約6.00mm、約6.50mm、約7.00mm、約7.50mm、約8.00mm、約8.50mm、約9.00mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の直径を含む屈折面またはIOLを受けるための前方開口102および/または後方開口を含み得る。
いくつかの実施形態において、1つ以上のリッジ2404は、図24Bに示されているような前方側の平面図で見たときに、約9.150mmの外径と、約8.60mmの内径を含み得る。特定の実施形態において、1つ以上のリッジ2404は、前方側の平面図で見たときに、約6.0mm、約6.5mm、約7.0mm、約7.5mm、約8.0mm、約8.5mm、約9.0mm、約9.5mm、約10.0mm、約10.5mm、約11.0mm、約11.5mm、約12.0mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の外径および/または内径を含み得る。特定の実施形態において、1つ以上のリッジ2404は、側面図で見たときに、約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.6mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1.0mm、約1.1mm、約1.2mm、約1.3mm、約1.4mm、約1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、約5.0mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の厚さを含み得る。
図19Aに示されたデバイスと同様に、デバイス2400も、屈折面またはIOLの1つ以上の舌状部分、1つ以上のタブ、および/または1つ以上のハプティックを受けるために、後方および/または前方開口102、104を囲う縁部分2406を含み得る。縁部分2406は、図24Fに示されているような前方側の平面図で見たときに、特定の厚さを含み得る。したがって、デバイス2400の前方および後方開口102、104の内面回りに形成された円形部分の直径は、縁部分2406を除いて、約7.00mm、および/または、後方および/または前方開口よりも大きくてもよい。特定の実施形態において、デバイス2400の前方および後方開口102、104の内面回りに形成された円形部分の直径は、縁部分2406を除いて、約5.5mm、約5.6mm、約5.7mm、約5.8mm、約5.9mm、約6.0mm、約6.1mm、約6.2mm、約6.3mm、約6.4mm、約6.5mm、約6.6mm、約6.7mm、約6.8mm、約6.9mm、約7.0mm、約7.1mm、約7.2mm、約7.3mm、約7.4mm、約7.5mm、約8.0mm、約8.1mm、約8.2mm、約8.3mm、約8.4mm、約8.5mm、約9.0mm、約9.5mm、約10mm、約10.5mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値であってもよい。
図25Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図25Bは、図25Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図25Cは、図25Bの25C−25C線に沿った、図25Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図25Dは、図25Bの25D−25D線に沿った、図25Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。
図25Aの例示的な人工水晶体デバイス2500は、図24Aに示された例示的な人工水晶体デバイス2400の特徴のいくつかまたは全てを備えており、同様の参照番号は、同様の特徴を備える。例えば、図24Aの例示的な人工水晶体デバイス2400と同様、図25Aの例示的な人工水晶体デバイス2500は、1つ以上のリッジ2404と、単一の連続的な側壁2402と、後方開口または後方端104と、前方開口または前方端102と、を備え得る。
図25Aに示された例示的な人工水晶体デバイス2500は、自身に取り付けられた屈折面またはIOL2600をさらに含む。屈折面またはIOL2600は、後方端104に取り付けられ得、および/または、後方開口104を実質的に覆い得る。同様に、屈折面またはIOL2600は、前方端102に取り付けられ得、および/または、前方開口102を実質的に覆い得る。デバイス2600が、屈折面またはIOL2600から分離されたときに、後方側の半分と実質的に等しい前方側の半分を含むことから、屈折面またはIOL2600が前方端104または後方端102のいずれに取り付けられているかは、機能的に問題とならない。換言すれば、デバイス2500は、後方屈折面または前方屈折面を含んでいると言うことができる。図24Aを参照して上述したように、1つ以上の追加的な屈折面またはIOL、電子デバイス、または他の眼球内デバイスが、デバイス、例えば、前方または後方端、若しくは、1つ以上のリッジに沿って、さらに取り付けられ得る。
図26Aは、図25Aの人工水晶体デバイスおよび/または本明細書に記述された任意の他の例示的な人工水晶体デバイスのような人工水晶体デバイスと共に用いられるよう構成さ得る例示的な屈折面または眼球内レンズの前方側の斜視図を示している。図26Bは、図26Aの例示的な屈折面または眼球内レンズの前方側の平面図を示している。図26Cは、図26Bの26C−26C線に沿った、図26Aの例示的な屈折面または眼球内レンズの断面図を示している。図26Dは、図26Aの例示的な屈折面または眼球内レンズの側面側の平面図を示している。
屈折面またはIOL2600は、図22Aおよび屈折面2200を参照して上述したものと同様の1つ以上の特徴を含み得る。屈折面またはIOL2600は、本明細書において開示されている例示的な人工水晶体デバイスの任意の1つに取り付けられるよう構成され得る。特に、屈折面またはIOL2600は、人工水晶体デバイス2400、2500の前方および/または後方端に取り付けられるよう構成され得る。
いくつかの実施形態において、オプティックまたは屈折面2600は、約6.250mmの直径を含み得る。特定の実施形態において、オプティックまたは屈折面2600は、約5.00mm、約5.50mm、約6.00mm、約6.50mm、約7.00mm、約7.50mm、約8.00mm、約8.50mm、約9.00mm、約9.50mm、約10.00mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の直径を含み得る。
屈折面またはIOL2600は、前方面または前方端2602と、後方面または後方端2604と、を含み得る。いくつかの実施形態において、前方面2602は、後方面2604と実質的に等しくあり得、そのため、屈折面またはIOL2600の前後構成は、人工水晶体デバイスに固定されたときに、操作的または機能的に影響しない。他の実施形態において、前方面2602および後方面2604は、厚さ、湾曲、屈折面等のような1つ以上の異なる特徴を有し得る。
屈折面または眼球内レンズ2600は、2つの凸部2600A、2600Bを含み得る。取り付けられたときに、2つの凸部の一方2600Aは、人工水晶体デバイスの内側に配置されるよう構成され得、他方の凸部2600Bは、人工水晶体デバイスの外側に配置されるよう構成され得る。いくつかの実施形態において、2つの凸部2600A、2600Bは、実質的に同じ形状、面積、および/または屈折力を含み得る。このようにして、屈折面または眼球内レンズ2600は、人工水晶体デバイスに取り付けられたときに、前後構成が問題とならないように構成され得る。換言すれば、屈折面または眼球内レンズ2600は、人工水晶体デバイスに取り付けられる際に反転可能であり、その場合であっても、実質的に同じ機能を得ることができる。
いくつかの実施形態において、屈折面またはIOL2600は、屈折面またはIOL2600を人工水晶体デバイスに取り付けることを容易にするための1つ以上のタブ2600を含む。例えば、図26Aに示されている実施形態において、屈折面またはIOL2600は、4つのタブ2606を含む。他の実施形態において、屈折面またはIOL2600は、1、2、3、5、6、7、8、9、または10個のタブ2606を含み得る。
タブ2606のそれぞれは、湾曲しているフラップを含み得る。タブ2606のそれぞれは、同じ方向に湾曲しているフラップを含み得る。代替的に、タブ2606のいくつかが1つの方向に湾曲し得、特定の他のタブ2606が他の方向に湾曲し得る。たとえば、図示の実施形態において、2つのタブ2606Aは、後方端2604に向かって湾曲し、前方端2602に向かって延伸し得、さらに、他の2つの端部2606Bは、前方端2602に向かって湾曲し、後方端2604に向かって延伸し得る。他の実施形態において、タブ2606は、実質的に平坦または平面状であってもよい。
屈折面またはIOL2600を人工水晶体デバイスに取り付ける際に、1つ以上のタブは、デバイスの前方端102または後方端104を介して配置されるよう構成され得る。したがって、図25Aに示されているように、4つのタブ2606のうちの2つがデバイス2500の内部に配置され得る一方、他の2つのタブ2606がデバイスの後方端104の外側に配置される。同様に、1つのタブ2606がデバイス2500の内部に配置され得る一方、他のタブ2606がデバイスの外側に配置される。
複数のタブ2606のそれぞれは、図26Dに示されているような側面側の平面図で見たときに、屈折面2600から所定の角度で延伸し得る。例えば、いくつかの実施形態において、複数のタブ2606のそれぞれまたはいくつかは、屈折面2600から、いずれかの方向に、約45°の角度で最初に延伸し得る。特定の実施形態において、複数のタブ2606のそれぞれまたはいくつかは、屈折面2600から、約+/−10°、約+/−20°、約+/−25°、約+/−30°、約+/−35°、約+/−40°、約+/−45°、約+/−50°、約+/−55°、約+/−60°、約+/−70°、約+/−80°、約+/−90°、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の角度で最初に延伸し得る。
いくつかの実施形態において、複数のタブ2606のそれぞれまたはいくつかは、図26Dに示されているような側面側の平面図で見たときに、約0.50mmの高さを含み得る。特定の実施形態において、複数のタブ2606のそれぞれまたはいくつかは、図22Dに示されているような側面側の平面図で見たときに、約0.10mm、約0.20mm、約0.30mm、約0.40mm、約0.50mm、約0.60mm、約0.70mm、約0.80mm、約0.90mm、約1.0mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の高さを含み得る。
特定の実施形態において、1つ以上のタブ2606のそれぞれまたはいくつかは、オプティック2600の屈折部分の周面の約30°から放射状に延伸し得る。いくつかの実施形態において、オプティック2600の1つ以上のタブ2606のそれぞれは、オプティック2600の屈折部分の周面の約20°、約40°、約60°、約80°、約100°、約120°、約140°、約160°、約180°、約200°、約220°、約240°、約260°、約280°、約300°、約320°、約340°、約360°、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の角度から延伸し得る。
いくつかの実施形態において、複数のタブ2606のそれぞれまたはいくつかは、図26Bに示されているような前方側の平面図で見たときに、約2.0mmの幅を含み得る。特定の実施形態において、複数のタブ2606のそれぞれまたはいくつかは、図26Bに示されているような前方側の平面図で見たときに、約0.5mm、約1.0mm、約1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、約5.0mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の幅を含み得る。
屈折面またはIOL2600は、前方半分および後方半分のそれぞれ側で等しい屈折力を含み得る。換言すれば、屈折面またはIOL2600は、等凸レンズであってもよい。したがって、レンズは前後軸に沿って反転可能で対称となっているので、レンズ2600がデバイス内に挿入される向きまたは方向は無視することができる。
図27Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図27Bは、図25Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図27Cは、図27Bの27C−27C線に沿った、図27Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図27Dは、図27Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図を示している。
図28Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図28Bは、図28Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図28Cは、図28Bの28C−28C線に沿った、図28Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図28Dは、図28Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図を示している。
デバイス2700、2800は、図24Aに示された例示的な人工水晶体デバイス2400の特徴のいくつかまたは全てを備えており、同様の参照番号は、同様の特徴を備える。デバイス2700、2800は、自己拡張可能であり、水晶体を完全に開いた状態で維持することができる。デバイス2700、2800は、3つの異なる面を含み得る。例えば、第1の面は、屈折面またはIOLが取り付け可能なデバイスの後方端104に対応する。第2の面は、別の屈折面またはIOLが取り付け可能なデバイスの前方端102に対応し得る。第3の面は、例えば、リッジ2704、2804に沿って、後方端と前方端との間に配置され得る。
リッジ2704、2804は、デバイス2700、2800の形状または湾曲によって形成され得る。換言すれば、リッジを形成するために材料を追加する代わりに、リッジ2704、2804を形成するために、デバイス2700、2800から材料が除去され得る。例えば、デバイス2700、2800の中央部分は、図27Dの視点から見たときに、前方および後方部分と実質的に直交するよう延伸する垂直部分を含み得る。垂直部分の厚さは、厚さが異なるスロットまたはリッジを提供するために制御され得る。
いくつかの実施形態において、水晶体を除去した後に眼球のナチュラル水晶体嚢内に挿入されるよう構成された人工水晶体デバイスは、眼球内デバイスおよび/または等凸屈折面を収納可能なハウジング構造2700、2800を含み得る。特に、ハウジング構造は、前方部分を含み得、前方部分は、円形前方開口を含み、円形前方開口は、眼球内デバイスの挿入、除去、または取り換えの少なくとも1つを可能とすることができ、前方開口は、円形前方開口を覆うように屈折面と接合されるようさらに構成されている。また、ハウジング構造は、後方部分を含み得、後方部分は、円形後方開口を含み得、円形後方開口は、眼球内デバイスの挿入、除去または取り換えの少なくとも1つを可能とすることができ、後方開口は、円形後方開口を覆うように屈折面と結合されるようさらに構成されている。また、ハウジング構造は、前方部分と後方部分との間に位置する連続側面部分を含み得、連続側面部分は、前方部分および後方部分を越えて放射状に突出し、連続側面部分は、ハウジング構造の側面部分を完全に囲み、連続側面部分の内側空洞は、眼球内デバイスを収納するための溝を形成する。いくつかの実施形態において、連続側面部分は、例えば、デバイスの側面部分に沿った如何なる開口も有していなくともよい。ハウジング構造27700、2800は、前方部分と後方部分との間の連続側面部分の中点の面に関して対称である。特定の実施形態において、等凸屈折面は、屈折面を、円形前方開口または円形後方開口の少なくとも1つに固定するための複数のタブを含み得、複数のタブは、前方および後方に交互に屈折面から突出する。
上述のように、1つ以上の屈折面、IOL、レンズ、オプティック、および/または眼球内デバイスは、後方開口104および/または後方開口102において、デバイス2700、2800内に配置され得る。例えば、執刀医は、最初に、後方屈折面を有するデバイスを、患者の眼球内に挿入してもよい。結果に応じて、執刀医は、より良い結果を得るために、二次的なIOLをデバイス2700の前方開口上に挿入してもよい。換言すれば、二次的なIOLは、微調整のために、前方開口上に配置され得る。さらに、径方向のセンサーおよび/または他のIOLが、例えば、第3の面上のリッジに沿って、デバイス2700、2800の内部に配置され得る。
デバイス2700、2800は、前後軸に沿って、同じ表を上にして、上下逆さまとなるように、対称および/または反転可能であってもよい。これにより、デバイス2700、2800が挿入されている最中に反転可能な向きを有し得、さらに、執刀医がデバイスの反転方向等を心配する必要がないという利点になり得る。換言すれば、デバイス2700、2800の前方側の半分と後方側の半分は、互いに鏡像であってもよい。デバイス2700、2800は、シリコーンから形成され得、一方、屈折面またはIOLは、アクリルから形成され得、例えば、CNCラッチングのような旋盤を用いて切断され得る。破断することなく引き延ばせるだけでなく、眼球内において十分な剛性および硬さを保てるような材料で形成することがデバイス2700、2800にとって有利である。例えば、いくつかの実施形態において、Med6210シリコーンを用いることができる。いくつかの実施形態において、デバイス2700、2800は、実質的に透明である。他の実施形態において、デバイス2700、2800は、不透明のシリコーンから形成され得、および/または、例えば、デバイス2700、2800の角度および/またはリッジによる異常光視症に対応するために、複数の異なる色を含んでいてもよい。特定の実施形態において、デバイス2700、2800のための金型は、デバイス2700、2800を形成するためのシリコーンがいくつかのテクスチャを有し得るよう、サンドブラストされ得る。テクスチャ化された面を含むことは、グレアや拡散光を低減することができるというデバイスの利点を提供し得る。他の実施形態において、デバイス2700、2800は、平滑な面を含み得る。
図26Aの屈折面またはIOLは、例えば、デバイス2700、2800に取り付けられ得る。例えば、屈折面またはIOLは、4つのタブを有し得、そのうちの2つは、デバイスの内部に配置され得、そのうちの残り2つは、デバイスの外側に配置され得、屈折面またはIOLを所定の場所においてロックする。屈折面またはIOLを、デバイス2700、2800に対して固定するために、例えば、潅注−吸引(IA:Irrigation-Aspiration)デバイスの先端を用いて、2つのタブがデバイス2700、2800の外側で下方に押され得る一方、他の2つのタブがデバイス2700、2800の内部に留まる。いくつかの実施形態において、図26Aに示されているように、屈折面またはIOLのタブは、湾曲され得る。屈折面またはIOLの屈折面の湾曲、および/または、デバイス2700、2800およびタブの剛性は、デバイス2700、2800に対して、所定の位置でレンズを実質的に保持し得る。
いくつかの実施形態において、タブは、1つ以上のアイレット開口を含み得る。各タブの1つ以上のアイレット開口は、レンズを特定の子午線で回すまたは回転させるために用いられ得る。さらに、または代替的に、執刀医は、必要に応じて、1つ以上のアイレット開口を用いて、オプティックをデバイスに縫合してもよい。
上述のように、デバイス内への挿入のためのレンズおよびデバイス2700、2800は、前後軸に沿って対称かつ反転可能であり得る。レンズまたは屈折面は、例えば、図26Aに示されているように、前方部分と後方部分とで等しい屈折力を含み得、屈折力の予想外の変化はない。したがって、いくつかの実施形態において、デバイス2700、2800および/またはレンズ2600が挿入される向きまたは方向は、問題とならない。いずれの向きであっても、前後または後前に関わらず、同じであるので、執刀医は、正確な向きを得るために、デバイス2700、2800またはレンズ2600を反転させる必要がなくなるであろう。
いくつかの実施形態において、デバイス2700、2800は、異なる患者の生体計測に適応するために、多数のサイズまたはスケールで製造され得る。例えば、それぞれ異なるサイズの白内障を有する複数の患者に適応するために大、中、小のサイズ(または、他の任意のサイズの組み合わせ)のデバイス2700、2800が存在し得る。サイズが異なる多数のデバイス2700、2800を提供することにより、執刀医は、特定のデバイスおよび/またはオプティックを選択し、特定の患者に挿入することができる。
いくつかの実施形態において、デバイス2700、2800は、前方部分2750と、中央部分2760と、後方部分2770と、を含み得る。前方部分2750および中央部分2760は、互いに鏡像であってもよい。中央部分2760は、中線を含み得、中線に沿って、中央部分2760の一方の半分が、中央部分2760の他方の半分の鏡像となり得る。中央部分2760は、前方部分2750および/または後方部分2770の外側へ放射状に延伸し得る。中央部分2760は、例えば、処置後水晶体不透明化(PCO:Post-operative Capsular Opacification)を防止または実質的に防止するために、前方部分2750および/または後方部分2770から約90°の角度で延伸し得る。特定の実施形態において、中央部分2760は、前方部分2750および/または後方部分2770から、約10°、約20°、約30°、約40°、約50°、約60°、約70°、約80°、約90°、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の角度で延伸し得る。
前方部分2750および後方部分2770は、屈折面、IOL、または他の眼球内デバイスを保持するよう構成され得る。例えば、屈折面および/またはIOLは、前方部分2750および/または後方部分2770内に、および/または、これらに渡って配置されるよう構成され得る。中央部分2760は、例えば、1つ以上の溝を用いて、IOL、屈折面、眼球内圧力センサー、電子デバイス、および/または任意の他の眼球内デバイスのような1つ以上の眼球内デバイスを保持するよう構成され得る。したがって、デバイス2700、2800は、眼球内デバイスを保持するために、1つ以上の棚、例えば、3つ以上の棚を含み得る。前方部分2750および/または後方部分2770は、例えば、後方部分2770および/または前方部分2750における眼球内デバイスの固定を可能とする1つ以上の機構を含む、デバイス2700、2800と共に用いられるよう特別に設計された眼球内デバイスを保持するよう構成され得る。中央部分2760は、任意の一般的な眼球内デバイス、屈折面、IOL等を保持するよう構成され得る。
したがって、非限定的な例として、デバイス2700、2800は、最適な屈折力および/または所望の屈折力を得るために、3つ以上のレンズの埋め込みを可能とし得る。また、水平線をまたいで対称なデバイスの特徴および/または構成によって、執刀医は、デバイス2700、2800が誤った前後の向きで挿入されてしまうリスクを負うことなく、容易にデバイス2700、2800を埋め込むことができる。さらに、デバイス2700、2800と共に用いられるオプティックまたはレンズも、上述のように埋め込みを容易とすることを可能とする対称な構成を含み得る。さらに、レンズまたはIOL上のタブもまた、完全に反転可能であり得る。
上述のように、1つ以上の溝または中央部分2760を設けることによって、中央部分2760またはデバイス2700、2800の他の部分内において配置されるIOLまたは他の眼球内デバイスの位置を、正確にピンポイントのものとすることができる。さらに、デバイス2700、2800は、例えば、眼球内において薬を放出するために、デバイス2700、2800内に配置され得る薬放出デバイスと共に用いられ得る。上述のように、デバイス2700、2800は、レンズを収納し、さらに、レンズおよび/または他の眼球内デバイスの除去および/または挿入を容易にするための安定デバイスを提供し得る。さらに、例えば、+35Dを超える、および/または、−35Dを下回る、正および/または負の屈折力を有するレンズの使用により、デバイス2700、2800内のレンズ間の空間を利用して、眼球内において、ガリレオおよび/または逆ガリレオ望遠鏡が提供され得る。換言すれば、高パワーのプラスおよび/またはマイナスレンズを用いることにより、例えば、物体拡大および/または縮小の目的のために、ガリレオ望遠鏡および/または顕微鏡が生成され得る。非限定的な例として、このような実施形態は、中央の視覚の損失をもたらす黄斑変性症および/または他の症状のような特定の症状のための応用を有し得る。特定の実施形態において、デバイスの水晶体内のレンズオプティックを分離するデバイスの能力を利用し、このような複合光学システムを得ることができる。また、このような複合光学システムは、デバイス内に配置された1つ以上のオプティックの交換することにより調整して、長い時間をかけて、さらに微調整され得る。
いくつかの実施形態において、前方部分2750および/または後方部分2770は、約8mmの外径と、デバイス2700、2800内における約7.50mmの内径と、を含み得る。前方部分2750および/または後方部分2770の開口は、約6.35mmの直径を含み得る。いくつかの実施形態において、中央部分2760は、約10.0mmの外径と、デバイス2700、2800の内部における約9.50mmの内径と、を含み得る。特定の実施形態において、前方部分2750および/または後方部分2770の外径、デバイス2700、2800内部における前方部分2750および/または後方部分2770の内径、前方部分2750および/または後方部分2770の開口、中央部分2760の外径、および/またはデバイス2700、2800の内部における中央部分2760の内径は、約3.00mm、約4.00mm、約5.00mm、約5.50mm、約6.00mm、約6.50mm、約7.00mm、約7.50mm、約8.00mm、約8.50mm、約9.00mm、約9.50mm、約10.00mm、約10.50mm、約11.00mm、約11.50mm、約12.00mm、約12.50mm、約13.00mm、約14.00mm、約15.00mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値であってもよい。
いくつかの実施形態において、側面図で見て、前方部分2750の外側端から後方部分2770の外側端まで測ったときのデバイス2700、2800の厚さは、約3.50mmであってもよい。他の実施形態において、側面図で見て、前方部分2750の外側端から後方部分2770の外側端まで測ったときのデバイス2700、2800の厚さは、約3.00mmであってもよい。特定の実施形態において、側面図で見て、前方部分2750の外側端から後方部分2770の外側端まで測ったときのデバイス2700、2800の厚さは、約0.50mm、約1.00mm、約1.50mm、約2.00mm、約2.50mm、約3.00mm、約3.50mm、約4.00mm、約4.50mm、約5.00mm、約5.50mm、約6.00mm、約6.50mm、約7.00mm、約8.00mm、約9.00mm、約10.00mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値であってもよい。
いくつかの実施形態において、側面図で見たときに、前方部分1750、中央部分2760、および/または後方部分1770は、デバイス2700、2800の2つの内面の間で測定したとき、約1.25mmの内側厚さを含み得る。特定の実施形態において、前方部分1750、中央部分2760、および/または後方部分1770は、側面図で見たときに、デバイス2700、2800の2つの内面の間で測定したとき、約0.25mm、約0.50mm、約0.75mm、約1.00mm、約1.25mm、約1.50mm、約1.75mm、約2.00mm、約2.25mm、約2.50mm、約2.75mm、約3.00mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の内側厚さを含み得る。
図29Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図29Bは、図29Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図29Cは、図29Bの29C−29C線に沿った、図29Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図29Dは、図29Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図を示している。
デバイス2900は、図27Aおよび28Aに示された例示的な人工水晶体デバイス2700、2800の特徴のいくつかまたは全てを備えており、同様の参照番号は、同様の特徴を備える。デバイス2900は、デバイス2900および/またはその中央部分の内部に、例えば、内部のリッジに沿って配置されたIOL2901と共に示されている。図示のように、IOL2901の1つ以上のハプティックは、デバイス2900のリッジ内に配置されるよう構成され得る。
図30Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図30Bは、図30Aの30B−30B線に沿った、図30Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。
図31Aは、別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図31Bは、図31Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図31Cは、図31Bの31C−31C線に沿った、図31Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。図31Dは、図31Aの例示的な人工水晶体デバイスの側面側の平面図を示している。
デバイス3100は、図27Aおよび28Aに示された例示的な人工水晶体デバイス2700、2800の特徴のいくつかまたは全てを備えており、同様の参照番号は、同様の特徴を備える。デバイス2700、2800とは対照的に、図31Dの向きで見たときに、上方および下方に延伸するデバイス3100の中央部分は、後方部分および/または前方部分に垂直でなくともよい。むしろ、この外側面のこの中央部分は、例えば、70度で傾いていてもよい。これにより、追加的な剛性および構造をデバイスに設けることができるという利点を得られるが、この構成は、デバイスの材料の量を追加することになる。デバイス3100の全ての他の特徴は、デバイス2700、2800と共に記述されたものと同様であり得る。
図32Aは、人工水晶体デバイスと共に用いられるよう構成された別の例示的な屈折面または眼球内レンズの前方側の斜視図を示している。図32Bは、図32Aの例示的な屈折面または眼球内レンズの前方側の平面図を示している。図32Cは、図32Bの32C−32C線に沿った、図32Aの例示的な屈折面または眼球内レンズの断面図を示している。図32Dは、図32Aの例示的な屈折面または眼球内レンズの側面側の平面図を示している。
図32は、別の例示的な屈折面または眼球内レンズの前方側の平面図を示している。図32に示された屈折面、IOL、レンズ、またはオプティック3200は、特に、図24、25、27、28および31に示されたデバイス2400、2500、2700、2800、3100のような本明細書において記述された任意の人工水晶体デバイスに取り付けられるよう構成され得る。特に、屈折面またはIOL3200は、人工水晶体デバイス2400、2500、2700、2800、3100の前方および/または後方端に取り付けられるよう構成され得る。
オプティック3200は、図26Aのオプティック2600のように、1つ以上の特徴を備え得る。例えば、いくつかの実施形態において、オプティック3200の屈折部分は、約6.250mmの直径を含み得る。特定の実施形態において、オプティック3200の屈折部分は、約5.00mm、約5.50mm、約6.00mm、約6.50mm、約7.00mm、約7.50mm、約8.00mm、約8.50mm、約9.00mm、約9.50mm、約10.00mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の直径を含み得る。
オプティック2600と同様に、屈折面またはIOL3200は、前方面または前方端3202と、後方面または後方端3204と、を含み得る。いくつかの実施形態において、前方面3202は、後方面3204と実質的に等しくあり得、これにより、IOL3200の屈折面の前後構成が、人工水晶体デバイスに固定する際に、操作的または機能的に影響を与えない。他の実施形態において、前方面3202および後方面3204は、厚さ、湾曲、屈折率等の1つ以上の異なる特徴を有し得る。
屈折面または眼球内レンズ3200は、2つの凸部3200A、3200Bを含み得る。人工水晶体デバイスに取り付けられたときに、2つの凸部の一方3200Aは、人工水晶体デバイスの内部に配置されるよう構成され得、他方の凸部3200Bは、人工水晶体デバイスの外部に配置されるよう構成され得る。いくつかの実施形態において、2つの凸部3200A、3200Bは、実質的に同じ形状、面積、および/または屈折力を含み得る。換言すれば、オプティック3200は、等凸レンズおよび/または前後軸に沿って対称であり得る。これにより、屈折面または眼球内レンズ3200は、人工水晶体デバイスに取り付けられる際に、自身の前後構成が問題とならないように、構成され得る。換言すれば、屈折面または眼球内レンズ3200は、人工水晶体デバイスに取り付ける際に反転可能であり、その場合であっても、実質的に同じ機能を得ることができる。
図26Aのオプティック2600とは対照的に、いくつかの実施形態において、オプティック3200は、6つのタブ3206を備え得る。例えば、6つのタブのうちの3つのタブ3206Aは、レンズの後方端に向かって湾曲され得、残りの3つのタブ3206Bは、レンズの前方端に向かって湾曲され得る。1つ以上のタブ3206は、人工水晶体デバイスへの、屈折面またはIOL3200の取り付けを容易にすることができる。特定の実施形態において、屈折面またはIOL3200は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のタブ2606を含み得る。
複数のタブ3206のそれぞれは、同じまたは交互方向に湾曲しているフラップを含み得る。例えば、図示の形態では、3つのタブ3206Bは、前方面3202から延伸し得、他の3つのタブ3606Aは後方面3204から延伸し得る。他の実施形態において、タブ2606は、実質的に平坦または平面であってもよい。
屈折面またはIOL3200を人工水晶体デバイスに取り付ける際、複数のタブの1つ以上は、デバイスの前方端102または後方端104を介して配置されるよう構成され得る。例えば、6つのタブ3206のうちの3つはデバイスの内部に配置され得、一方、他のタブは、デバイスの外部に配置され得る。
特定の実施形態において、1つ以上のタブ3206のそれぞれまたはいくつかは、オプティック3200の屈折部分の周面の約30°から放射状に延伸し得る。いくつかの実施形態において、オプティック3200の1つ以上のタブ3206のそれぞれまたはいくつかは、オプティック3200の屈折部分の周面の約20°、約40°、約60°、約80°、約100°、約120°、約140°、約160°、約180°、約200°、約220°、約240°、約260°、約280°、約300°、約320°、約340°、約360°、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の角度から放射状に延伸し得る。
いくつかの実施形態において、複数のタブ3206のそれぞれまたはいくつかは、前方側の平面図で見たときに、約2.0mmの幅を含み得る。特定の実施形態において、複数のタブ3206のそれぞれまたはいくつかは、前方側の平面図で見たときに、約0.5mm、約1.0mm、約1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、約5.0mm、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の幅を含み得る。
複数のタブ3206のそれぞれは、1つ以上のアイレット開口3204を含み得る。1つ以上のアイレット3204は、人工水晶体デバイスに対して特定の位置または構成で、オプティック3200を留めるまたは固定するために使用され得る。いくつかの実施形態において、2つのアイレット開口3204の中心点間の角度は、約60°であってもよい。特定の実施形態において、2つのアイレット開口3204の中心点間の角度は、約10°、約20°、約30°、約40°、約50°、約60°、約70°、約80°、約90°、約100°、約110°、約120°、約130°、約140°、約150°、約160°、約170°、約180°、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値であってもよい。
チューブ状デバイス、システム、および方法
図33Aは、例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図を示している。図33Bは、図33Aの例示的な人工水晶体デバイスの前方側の平面図を示している。図33Cは、図33Bの33C−33C線に沿った、図33Aの例示的な人工水晶体デバイスの断面図を示している。
いくつかの実施形態において、デバイス3300は、米国特許第9,358,103号に記載されたデバイスに対して記述された複数の特徴を含み、該米国特許の開示の全ておよびその変形は、参照によりここに援用される。例えば、デバイス3300は、前方面3302と、後方面3304と、前方面3302と後方面3304との間で延伸する側壁3306と、を含み得、前方面3302は、開口3308を含み、後方面3304は、選択的に、屈折面3310を含み、人工デバイス3300は、前方面3302、後方面3304、および側壁3306を含むハウジング構造3312に接合されたリング構造3320(例えば、リング構造部分3320A、3320B、3320C、3320Dを含む)を含み、リング部分3320A、3320B、3320C、3320Dは、開口3328(代替的に、スリットであってもよい)を含む開口セクション3327を含む。
デバイス3300は、ハウジング構造3312の後方面3304において開口3326A、3326Bを含む。開口3326A、3326Bのそれぞれは、開口3326A、3326Bの他方と同じであってもよい。開口3326A、3326Bの少なくとも1つは、開口3326A、3326Bの他方と異なっていてもよい。開口3326A、3326Bは、例えば、前方開口に沿った前後方向への液体の流れを可能とすることにより、デバイス3300の埋め込み後の液体や残留する可能性のある粘弾性物質が捕捉されてしまうことを抑制または防止することができる。
開口3326A、3326Bは、ハウジング構造3312の形成中(例えば、成形プロセスの一部として)および/またはハウジング構造3312の形成後(例えば、レーザー、化学的、または機械的除去プロセスによって)に形成され得る。いくつかの実施形態において、ハウジング構造3312は、開口3326A、3326Bの周囲において異なる材料を含んでいてもよい(例えば、ハウジング3312は、シリコーンを含み、開口周辺材料はポリイミドを含む)。いくつかの実施形態において、ハウジング構造3312は、開口3326A、3326Bの周辺においてより厚い材料を含んでいてもよい(例えば、別のデバイスが開口3326A、3326Bに固定されるような場合に、開口3326A、3326Bを補強するため)。いくつかの実施形態において、ハウジング構造3312は、開口3326A、3326Bの周辺においてより薄い材料を含んでいてもよい(例えば、より容易な材料の除去および/または開口の形成のため)。
開口3326A、3326Bは、屈折面3310および/またはハウジング構造3312の後方壁の後方からの人工水晶体デバイス3300の粘弾性物質の排出を可能とし得る。開口3326A、3326Bは、人工水晶体へのアクセスを提供し得る。例えば、一次後方水晶体嚢切開が為された場合(例えば、デバイス3300の埋め込み後にフェムト秒レーザーを用いて)、開口3326A、3326Bは、眼球内での切断された後方水晶体嚢切開物を把持および除去のための鉗子の使用を可能とし得る。屈折面3310の各面の開口3326A、3326Bは、屈折面3310が傾くことを可能とし(例えば、開口3326A、3326Bが長軸を挟んで互いに別の側にある場合に、長軸に沿って傾く)、これにより、屈折面3310の後方の領域へのより良いアクセスを可能とし得る。
開口3326A、3326Bは、薬溶出デバイスを保持、または、薬溶出デバイスと相互作用し得る。開口3326A、3326Bは、(例えば、網膜および/またはブドウ膜疾患の治療のために)後方水晶体に対する薬剤のアクセスを可能とし得る。開口33226A、3326Bは、デバイス3300内に収納された薬が、眼球の後方セグメント(例えば、硝子体液、網膜、脈絡膜)に到達することを可能とし得る。開口3326A、3326Bは、例えば、黄斑変性症の治療のために、低速放出anti−VEGF注入物質(例えば、ラニビズマブ(例えば、Genentechのルセンティス(登録商標)、アフリベルセプト(Regerneron Pharmacueticalsのアイリーア(登録商標))、または、デバイス3300内に収納された細胞から製造されたanti−VEGF(例えば、Neurotechのもの)が、眼球内の後方セグメント(例えば、硝子体液、網膜、脈絡膜)に到達することを可能としてもよい。
屈折面3310は、約4mmから約9mmの間の範囲の直径を有していてもよい(例えば、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、またはこれらの間の範囲の値の直径)。いくつかの実施形態において、開口3326A、3326Bは、屈折面3310の外周から、約0.2mmから1mmの間の範囲の値だけ、離間している(たとえば、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.6mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1mm、またはこれら値の間の範囲だけ離間している)。いくつかの実施形態において、開口3326A、3326Bは、約4.5mmから約9.5mmの間の範囲の直径3330を有する円の円弧を含む(例えば、約4.5mm、約5.5mm、約4.5mm、約4.5mm、約4.5mm、約9.5mm、またはこれら値の間の範囲の直径)。例えば、屈折面3310が5mmの直径を有し、開口3326A、3326Bが屈折面3310の外周から0.5mm離れている場合、開口33226A、3326Bは、5.5mmの直径3330を有することになるであろう。
デバイス3300の外側または特定の状況での周面の最大径3332は、例えば、リング構造3320の拡張を考慮に入れると、約9mmから約12mmの間の範囲であってもよい(例えば、約9mm、約9.5mm、約10mm、約10.3mm、約10.5mm、約11mm、約12mm、またはこれら値の間の範囲の最大径)。
開口3326A、3326Bは、約0mm(例えば、図33Fを参照して上述したようなスリット)から約0.5mmの厚さまたは幅3334を有していてもよい(例えば、約0mm、約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、またはこれら値の間の範囲の厚さまたは幅)。いくつかの実施形態において、開口3326A、3326Bは、例えば、前方が圧力をかけられた状態から戻っている間、後方から前方への圧力がほとんど存在しないよう、または、存在しないように、サイズが決定される。開口3326A、3326Bのサイズは、開口3326A、3326Bを介した硝子体脱出の可能性が低くなるように、十分小さくともよい。
いくつかの実施形態において、開口3326A、3326Bは、円の円弧を含む。開口3326A、3326Bは、約30°から約120°の間の円周角を含んでいてもよい(例えば、約30°、約45°、約60°、約75°、約90°、約105°、約120°、またはこれら値の間の範囲の円周角)。開口3326A、3326Bは、鏡像円形円弧開口として図示されているが、他の形状も可能である(例えば、多角形(例えば、三角形)、アーチ形状(例えば、円形、楕円形、卵形)、スリット、これらの組み合わせ等)。開口3326A、3326Bは、互いに長軸の異なる側にあるものとして図示されているが、開口は、代替的に、短軸の異なる側、軸の一方の側、1つ以上の軸をまたいでいてもよい。
いくつかの実施形態において、デバイス3300は、隆起部3316を含む。いくつかの実施形態において、隆起部3316は、(例えば、図33Aおよび33Bに示されているように)側壁3306の外側へ放射状に延伸する。いくつかの実施形態において、隆起部3316は、側壁3306の内側へ放射状に延伸する。いくつかの実施形態において、隆起部3316は、側壁3306の内側および外側に放射状に延伸する。デバイス3300は、各端部上に隆起部3316を備えている。いくつかの実施形態において、隆起部3316は、リング構造部分固定具の周辺の部分に限定され得る。ハウジング構造3312は、隆起部3316(例えば、ハウジング構造3312と一定化された隆起部3316)を含んでいてもよい。いくつかの実施において、リング構造3320は、金型内に配置され、ハウジング構造3312が、リング構造3320の周囲にオーバーモールドされる。隆起部3316は、ハウジング構造3312と接合されていてもよい。隆起部3316は、ハウジング構造3312と同じ材料を含んでいてもよいし、ハウジング構造3312とは異なる材料を含んでいてもよい。隆起部3316は、固定具が、側壁3306に対して実質的に放射状に一列に配置、側壁3306の外側へ放射状に一列に配置、または側壁3306の内側へ放射状に一列に配置されることを可能としてもよい。隆起部3316は、リング構造3320が、例えば、プライマーを使用して、または、プライマーを使用せずに、リング構造3320の一方または双方の面上での壁の厚さ(例えば、約0.2mm)を維持するために、リング構造3320が固定される追加材を提供してもよい。隆起部3316は、ハウジング構造3312の材料がリング構造部分3320の固定部分を囲む(例えば、完全に囲むこと)ことを可能とし、これにより、ハウジング構造3312の脆弱および/または非連続的な領域の発生を避けることができる。デバイス3300は、ハウジング構造3312のエッジ部分全体(固定部分の末端を越えて部分も含む)に沿って延伸する隆起部を備えている。いくつかの実施形態において、デバイスは、固定部分の終端をわずかに越えて延伸する隆起部3316を備えている。
デバイス3300は、選択的に、後方フィン3324を含む。図示のデバイス3300は、2つの後方フィン3324を備えている。後方フィン3324は、屈折面3310の径に沿って配置されており、人工デバイス3300の長軸と直線状に並んでいる。いくつかの実施形態において、複数の後方フィン3324(例えば、2、3、4、5、6、またはこれ以上の個数のフィン3324)は、円周方向にオフセットされていてもよい(例えば、約180°、約120°、約90°、約72°、約60°等でオフセットされていてもよい)。いくつかの実施形態において、複数の後方フィン3324(例えば、2、3、4、5、6、またはこれ以上の個数のフィン3324)の少なくともいくつかまたは全ては、整列されていなくともよい。複数のフィン3324は、デバイス3300の短軸に沿って配置されている。いくつかの実施形態において、複数の後方フィン3324は、デバイス3300の軸に沿って配置されていなくともよい(例えば、長軸および/または短軸に対して所定の角度で傾いている)。ハウジング構造3312は、後方フィン3324(例えば、ハウジング構造3312と一体化された後方フィン3324)を含んでいてもよい。後方フィン3324は、ハウジング構造3312に接合されていてもよい。後方フィン3324は、ハウジング構造3312と同じ材料を含んでいてもよいし、ハウジング構造3312と異なる材料を含んでいてもよい。後方フィン3324は、ナチュラル水晶体嚢の後方面を、屈折面3310の外側へ放射状に延伸するハウジング構造3312の後方端3304から、離間することを補助する。ナチュラル水晶体嚢の後方面を、屈折面3310の外側へ放射状に延伸するハウジング構造3312の後方端3304から、離間させることにより、液体が、屈折面3310の外側へ放射状に流れることを可能とすることができ、これにより、混濁の低減を補助することができる。ナチュラル水晶体嚢の後方面を、屈折面3310の外側へ放射状に延伸するハウジング構造3312の後方端3304から、離間させることにより、内部のいくらかの残留捕捉フィブリンまたは炎症沈殿物を有する粘弾性物質が残留してしまう機会を低減することができる。いくつかの実施形態において、後方フィン3324は、ハウジング構造3312の後方から前方であって、ハウジング構造3312の空洞内部へ延伸していてもよい。いくつかの実施形態において、後方フィンは、ハウジング構造3312の粗いまたは不透明化された内面および/または外面を含む(例えば、屈折面3310の外側に放射状に延伸する後方壁と同じ厚さおよび材料を有しているが、線列マークを提供するよう処置されたもの)。
複数のフィン3324がデバイス3300の長軸に沿って配置された実施形態において、デバイス3300は、戦略的に、眼球内に配置され得る。例えば、眼球が乱視を有する場合、屈折面3310が円環体レンズを有しているデバイス3300は、デバイス3300が適切に配向されたのであれば(例えば、角膜の傾斜軸の向き)、乱視を少なくとも部分的に修正するために用いられ得る。いくつかの実施形態において、複数のフィン3324の少なくとも1つは、デバイス3300のトップまたは底部を示すために、異なり得る(例えば、異なる形状、寸法等)。内部に挿入されたIOLの任意の回転配向を許容するデバイスにおいて、円環体IOLが回転され得る。デバイス3300は、先端が切り取られた面を備え、容積を低減すると共に、いくつかのケースにおいて、内部に挿入されたIOLの回転を有利に制限する。デバイス3300内に収納されている円環体屈折面3310および/または円環体IOLの配置のためにデバイス3300を配置することは、IOLの回転の制限、容積の低減、および乱視の修正を有利に提供し得る。
図34は、別の例示的な人工水晶体デバイス3400の前方側の斜視図を示している。デバイス3400は、デバイス3300のいくつかまたは全ての特徴を備え、同様の参照番号は同様の特徴を備えている。デバイス3400は、追加的に、第1の側面開口3330Aと、第2の側面開口3330Bと、を含んでいる。側面開口3330A、3330Bは、チューブ状デバイスを、水晶体デバイス3400のハウジング構造3312に接合するよう構成されている。
いくつかの実施形態において、デバイス3400は、単一の側面開口3330を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、デバイス3400は、2つを超える側面開口3330を含んでいてもよい。側面開口3330A、3330Bは、ハウジング構造3312の平坦な側面上に示されているが、他の場所(例えば、平坦な側面の端部に向かう場所、アーチ状の側壁上、前方面3302上、後方面3304上、およびこれらの組み合わせを含む)であっても可能である。側面開口3330A、3330Bは、貫通孔として示されている。また、いくつかの実施形態において、側面開口3330A、3330Bは、代替的に、スリットを含み得る。
本明細書において記述されたデバイスおよびシステムの任意のもの、例えば、図1A、2A、3A、4A、5A、6A、7A、8A、9A、10A、11A、12A、13A、14A、15A、16A、18A、19A、21A、23B、24A、25A、27A、28A、29A、31A、33A、に示されたデバイスおよびシステム、並びに、これらの変形および組み合わせは、側面開口3330A、3330Bのようなチューブ状デバイスに接合されるよう形成された側面開口を含み得る。さらに、米国特許第9,358,103号に記述されたデバイスおよびシステムの任意のものは、本開示に従って変形され得、該米国特許の開示の全てが参照によりここに援用される。例えば、図2、4H、6、8、9A、10A、11D、12A、13、14、16、17、18、19、20、21、22A、22B、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37A、38A、39、40、41、42、43A、43E、57A、58A、58E、58F、58G、58H、58I、58J、58K、58L、59A、61A、61D、62A、63A、64A、65A、66A、67A、68A、69A、70A、72A、73A、74B、74C、74D、74E、75A、75E、76A、76B、76C、76D、76E、76F、77C、77D、77Iに示されたデバイスおよびシステム、並びに、これらの変形および組み合わせは、側面開口230A、230Bのようなチューブ状デバイスに接合されるよう構成された側面開口を含み得る。他の人工水晶体デバイスまたはシステムのこれらに従った変形もまた、可能である。
図35Aは、例示的なチューブ状デバイス3500の側面側の斜視図である。チューブ状デバイス3500は、デバイス3400の側面開口3330に接合されるよう構成されている。チューブ状デバイス3500は、デバイス3400の空洞3306の内部から、第2の場所への液体の流路を提供する。いくつかの実施形態において、第2の場所は、毛様体扁平部を通過し、さらに、強膜のトップ上であり、テノン水晶体および結膜の下方である。
チューブ状デバイス3500は、チューブ状部分3532を含む。チューブ状部分3532は、曲げるのに十分な可撓性、並びに、折り畳みおよび捩れに抵抗するのに十分な剛性を有する全体として円筒状の形状を有している。チューブ状部分3532は、シリコーン、シリコーンポリマー、SIBS(ポリ(スチレン−ブロック−イソブチレン−ブロック−スチレン))、アクリル、アクリルポリマー、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ゴアテックスを含むが、これに限定されない生体適合性材料で形成され得る。
チューブ状部分3532は、液体の流れを可能とするよう構成された管腔3536を少なくとも部分的に規定する。管腔3536および/またはチューブ状部分3532は、約30から約100ミクロンの間の範囲の内径を有していてもよい。特定の実施形態において、管腔3536および/またはチューブ状部分3532は、約1ミクロンから約200ミクロンの間の範囲の内径を有していてもよい。また、管腔3536および/またはチューブ状部分3532は、3mmから10mmの間の範囲の長さを有していてもよい。特定の実施形態において、管腔3536および/またはチューブ状部分3532は、約1mmから約20mmの間の範囲の長さを有していてもよい。また、管腔3536および/またはチューブ状部分3532は、インプラント手術を行う執刀医が、長さを、所与の患者のための適切なサイズに変更することを可能とする機能のために、より長くてもよい。
いくつかの実施形態において、チューブ状デバイス3500は、管腔3536が規制されず、さらに、どんな時でも管腔3536を介して液体が流れることを可能とする「ダンプ」またはパッシブチューブ状デバイスである。チューブ状部分3532は、流入端と、流出端と、を含み得る。流入端は、デバイス3400またはその近くに配置され得、デバイス3400または眼球内への液体の流入を可能とする。流出端は、第2の場所またはその近くに配置され得、第2の場所への液体の流出を可能とする。
また、チューブ状デバイス3500は、選択的なフランジ3534を含むものとして示されている。選択的なフランジ3534は、チューブ状部分3532の直径よりも大きな直径を有する全体として円筒状の形状を有し得る。フランジ3534は、チューブ状デバイス3500を、水晶体デバイス3400のハウジング構造3312に接合するために、側面開口3330内に挿入されるよう構成されている。フランジ3534の周面は、ハウジング構造3312の側面開口3330の周面と実質的に同じかわずかに小さくてもよい。
いくつかの実施形態において、フランジ3534は、チューブ状部分3532と同じ材料で形成されている。また、特定の実施形態において、フランジ3534は、代替的に、シリコーン、シリコーンポリマー、SIBS(ポリ(スチレン−ブロック−イソブチレン−ブロック−スチレン))、アクリル、アクリルポリマー、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ゴアテックスを含むが、これに限定されない生体適合性材料の組み合わせから形成されている。フランジ3534の直径は、約1mmから3mmの間の範囲であってもよい。特定の実施形態において、フランジ3534の直径は、約0.1mmから約10mmの間の範囲であってもよい。
フランジ3534は、チューブ状デバイス3500を実質的に固定するための摩擦または化学接着によって、側面開口3330内の所定の位置に実質的に固定されるよう構成され得る。いくつかの実施形態において、フランジ3534は、フランジ3534を側面開口3330内に圧入可能な変形可能材料を含み得る。側面開口3330内に圧入されると、フランジは、側面開口3330内の所定の位置でフランジ3534を実質的に固定するために拡張し得る。
特定の実施形態において、フランジ3534の周面は、ハウジング構造312の側面開口3330の周面よりも大きくてもよい。したがって、チューブ状部分3532のみが側面開口3330内に挿入されるよう構成され得、一方、フランジ3534は、ハウジング構造3312の空洞内に残る。側面開口3330の周面よりも大きい周面を有するフランジ3534は、チューブ状デバイス3500が、ハウジング構造3312の空洞から離れる一般的な方向へ、側面開口3330の外側に押し出されてしまうことを実質的に防止し得る。フランジ3534のより大きな周面は、チューブ状デバイス3500が、より小さな周面を有する側面開口3330の外側に落下してしまうことを防止するための係止メカニズムを提供し得る。
図35Bは、別の例示的なチューブ状デバイス3502の側面側の斜視図である。図35Aに示されたチューブ状デバイス3500と同様に、チューブ状デバイス3502は、デバイス3400の側面開口3330に接合されるよう構成されている。チューブ状デバイス3502は、チューブ状デバイス3500のいくつかまたは全ての特徴を備え、同様の参照番号は、同様の特徴を備えている。チューブ状デバイス3502は、フランジ3538および液体制御部3540を除き、チューブ状デバイス3500と同様である。
いくつかの実施形態において、フランジ3538の形状は、台形円筒形状を含み得る。例えば、フランジ3538は、上面と、底面と、を含み得、上面および/または上面の周面または直径は、底面および/または底面の周面または直径よりも大きい。他の実施形態において、上面および/または上面の周面または直径は、底面および/または底面の周面または直径よりも小さくてもよい。上面および底面の双方および/またはそれらの周面または直径は、チューブ状部分3532および/またはチューブ状部分3532の周面または直径よりも、大きくてもよい。
フランジ3538は、チューブ状デバイス3500を、水晶体デバイス3400のハウジング構造3312に接合するために、側面開口3330内に挿入されるよう構成され得る。側面開口3330および/または側面開口3330の周面または直径は、フランジ3538の底面および/または底面の周面または直径よりも大きく、かつ、フランジ3538の上面および/または上面の周面または直径よりも小さくてもよい。同様に、他の実施形態では、側面開口3330は、フランジ3538の底面および/または底面の周面または直径よりも小さく、かつ、フランジ3538の上面および/または上面の周面または直径よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態において、側面開口3330のサイズおよび/または側面開口3330の周面または直径は、フランジ3538の上面および底面、並びに、これらの直径または周面の平均と実質的に等しくてもよい。
フランジ3538の上面がフランジ3538の底面よりも大きい実施形態において、チューブ状デバイス3502は、フランジ3538の底面から始まり、上面に向かって、側面開口3330内に挿入されるよう構成され得る。チューブ状デバイス3502が側面開口3538内に挿入されている間、フランジ3538は、フランジ3538の底面と上面との間の点、例えば、側面開口3330の直径または周面がフランジ3538の直径または周面と実質的に等しくなる点において、側面開口3330内でスタックする。したがって、チューブ状デバイス3502は、摩擦および/または機械的な係合により、側面開口3330内の所定の場所において実質的に支持または固定され得る。
いくつかの実施形態において、チューブ状デバイス3502は、液体制御部3540を含む「スマート」チューブ状デバイスである。液体制御部3540は、液体が管腔3536を流れることを可能または不可能とするために、開放構成と、規制構成とに管腔3536の間で管腔3536を変更するよう構成され得る。加えて、または、代替的に、液体制御部3540は、管腔3536を介して液体が流れることを能動的に促す構成と、そうではない構成との間で変更するよう構成され得る。
より具体的には、液体制御部3540は、管腔3536を介して液体が流れることを可能または不可能とするために、開放または閉塞するよう構成されたバルブであってもよい。バルブは、管腔3536に沿った任意の場所に配置され得る。例えば、バルブは、管腔3536の流入端またはその近く、管腔3536の流出端またはその近く、管腔3536の流入端と流出端との間、または、管腔3536の流入端と流出端との間の管腔3536の実質的な中点に配置され得る。
バルブは、眼球内圧力設定に基づいて、開放または閉塞するよう構成され得る。例えば、眼球内圧力が高すぎる、または、所定のレベルを超える場合、バルブは、眼球内から眼球外への液体の流れを可能とし、眼球内圧力を減少させるために、開放するよう構成され得る。逆に、眼球内圧力が低すぎる、または、所定のレベルを下回る場合、バルブは、液体の流れを防止するために、閉塞するよう構成され得る。いくつかの実施形態において、デバイス3400および/またはチューブ状デバイス3500の1つ以上の眼球内圧力センサーは、眼球内圧力を検知し、検出された圧力を、バルブを開放および/または閉塞するよう構成されたプロセッサーに電気的に送信するよう構成され得る。
いくつかの実施形態において、バルブは、眼球内生理圧力が、約20mmHg以上となった際に、開放するよう構成され得る。特定の実施形態において、バルブは、眼球内生理圧力が、約10mmHg、約11mmHg、約12mmHg、約13mmHg、約14mmHg、約15mmHg、約16mmHg、約17mmHg、約18mmHg、約19mmHg、約20mmHg、約21mmHg、約22mmHg、約23mmHg、約24mmHg、約25mmHg、約26mmHg、約27mmHg、約28mmHg、約29mmHg、約30mmHg、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値以上となった際に、開放するよう構成され得る。
いくつかの実施形態において、バルブは、眼球内生理圧力が、約6mmHg以下となった際に、閉塞するよう構成され得る。特定の実施形態において、バルブは、眼球内生理圧力が、約1mmHg、約2mmHg、約3mmHg、約4mmHg、約5mmHg、約6mmHg、約7mmHg、約8mmHg、約9mmHg、約10mmHg、約11mmHg、約12mmHg、約13mmHg、約14mmHg、約15mmHg、約16mmHg、約17mmHg、約18mmHg、約19mmHg、約20mmHg、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値以下となった際に、閉塞するよう構成され得る。[0473]また、液体制御部3540は、代替的に、ポンプまたはマイクロポンプであってもよい。ポンプまたはマイクロポンプは、管腔3536の流入端またはその近く、管腔3536の流出端またはその近く、管腔3536の流入端と流出端との間、または、管腔3536の流入端と流出端との間の管腔3536の実質的な中点に配置され得る。ポンプまたはマイクロポンプは、眼球内から眼球外へ液体を能動的に押し出すよう構成され得る。例えば、眼球内圧力が高すぎる、または、所定のレベルを超えている場合、ポンプまたはマイクロポンプは、液体が、眼球内から眼球外へ流れるよう能動的に強制し、眼球内圧力を減少させるよう構成され得る。逆に、眼球内圧力が低すぎる、または、所定のレベルを下回っている場合、ポンプまたはマイクロポンプは、停止するよう構成され得る。いくつかの実施形態において、デバイス3400および/またはチューブ状デバイス3500の1つ以上の眼球内圧力センサーは、眼球内圧力を検出し、検出された圧力を、ポンプまたはマイクロポンプをオンまたはオフするよう構成されたプロセッサーに電気的に送信するよう構成され得る。
いくつかの実施形態において、ポンプまたはマイクロポンプは、眼球内生理圧力が約20mmHg以上となった際に、液体の除去を能動的に促進するよう構成され得る。特定の実施形態において、ポンプまたはマイクロポンプは、眼球内生理圧力が約10mmHg、約11mmHg、約12mmHg、約13mmHg、約14mmHg、約15mmHg、約16mmHg、約17mmHg、約18mmHg、約19mmHg、約20mmHg、約21mmHg、約22mmHg、約23mmHg、約24mmHg、約25mmHg、約26mmHg、約27mmHg、約28mmHg、約29mmHg、約30mmHg、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値以上となった際に、液体の除去を能動的に促進するよう構成され得る。
いくつかの実施形態において、ポンプまたはマイクロポンプは、眼球内生理圧力が約6mmHg以下となった際に、液体の除去の促進を停止するよう構成され得る。特定の実施形態において、ポンプまたはマイクロポンプは、眼球内生理圧力が約1mmHg、約2mmHg、約3mmHg、約4mmHg、約5mmHg、約6mmHg、約7mmHg、約8mmHg、約9mmHg、約10mmHg、約11mmHg、約12mmHg、約13mmHg、約14mmHg、約15mmHg、約16mmHg、約17mmHg、約18mmHg、約19mmHg、約20mmHg、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値以下となった際に、液体の除去の促進を停止するよう構成され得る。
図35Cは、別の例示的なチューブ状デバイス3504の側面側の斜視図である。図35Aおよび35Bに示されたチューブ状デバイス3500、3502と同様に、チューブ状デバイス3504は、デバイス3400の側面開口3330と接合されるよう構成されている。チューブ状デバイス3504は、チューブ状デバイス3500、3502の特徴のいくつかまたは全てを備え、同様の参照番号は、同様の特徴を備えている。チューブ状デバイス3504は、チューブ状部分3540、貫通孔3544、およびタブまたはプレート3546を除き、チューブ状部分3500、3502と同様であり得る。
いくつかの実施形態において、チューブ状部分3540および/または管腔3536は、例えば、結膜浸食を防止するために、流出端に向かってテーパー状とされている。また、チューブ状デバイス3504は、1つ以上のタブまたはプレート3544を含み得る。1つ以上のタブ3544は、チューブ状部分3532の流出端に接合され得る。1つ以上のタブ3544は、例えば、毛様体扁平部内において、チューブ状部分3532の流出端の封止を防止するよう構成され得る。いくつかの実施形態において、チューブ状デバイス3504は、1つだけタブ3544を含み得る。特定の実施形態において、チューブ状デバイス3504は、実質的に平坦または平面構成の2つのタブ3544を含み得る。該構成において、2つのタブ3544の間の角度は、約180°である。他の実施形態において、チューブ状デバイス3504は、3つのタブ3544を含み得、3つのタブのうちの2つの間の角度は、約120°であってもよい。特定の実施形態において、チューブ状デバイス3504は、4、5、6、7、8、9、または10個のタブを含み得、これらの任意の2つのタブの間の角度は、実質的に等しいまたは異なっていてもよい。
1つ以上のタブ3544は、1つ以上のアイレット3548を含んでいてもよい。例えば、1つのタブ3544は、1、2、3、4、または5個のアイレット3548を含み得る。いくつかの実施形態において、各タブ3544は、1つのアイレット3548を含み得る。アイレット3548は、チューブ状部分3532の流出端を固定するよう構成され得る。例えば、アイレット3548は、結膜下チューブの流出端を強膜に固定するよう構成され得る。1つ以上のアイレット3548は、チューブ状部分3532の流出端を固定するための縫合を可能とし得る。
フランジ3542は、1つ以上の貫通孔3544を含み得る。例えば、フランジ3542は、1、2、3、4、または5つの貫通孔3544を含み得る。1つ以上の貫通孔3544は、チューブ状デバイス3504の流入端を固定するよう構成され得る。例えば、1つ以上のネジ、ナット、縫合等が、チューブ状デバイス3504をハウジング構造3312に固定するために、1つ以上の貫通孔3544を介して挿入され得る。
図35Dは、別の例示的なチューブ状デバイス3506の側面側の斜視図である。図35A、35B、および35Cに示されているチューブ状デバイス3500、3502、3504と同様に、チューブ状デバイス3506は、デバイス3400の側面開口3330に接合されるよう構成されている。チューブ状デバイス3506は、チューブ状デバイス3500、3502、3504の特徴のいくつかまたは全てを備え、同様の参照番号は、同様の特徴を備えている。チューブ状デバイス3506は、複数のフランジ3543、3538を含む点を除き、チューブ状デバイス3500、3502、3504と同様であり得る。
いくつかの実施形態において、チューブ状デバイス3506は、複数のフランジ3534、3538を含む。例えば、チューブ状デバイス3506は、2、3、4、または5個のフランジを含み得る。いくつかの実施形態において、複数のフランジは、同じまたは実質的に同じ形状を有し得る。他の実施形態において、複数のフランジの1つ以上は、異なった形状を有し得る。
図示の実施形態において、チューブ状デバイス3506は、第1のフランジ3534と、第2のフランジ3538と、を含む。第1のフランジ3534は、図35Aを参照して上述したフランジと同様であり得る。第2のフランジ3538は、図35Bを参照して上述したフランジと同様であり得る。
チューブ状デバイス3506は、第2のフランジ3538から第1のフランジ3534に向かう一般的な方向で、デバイス3400の側面開口3330を介して挿入され得る。第1のフランジ3534、第のフランジ3538、および/または双方は、変形可能または圧縮可能材料で形成され得る。例えば、チューブ状デバイス3506が側面開口3330を介して挿入されている間、第2のフランジ3538は、圧縮されるよう構成され得る。第2のフランジ3538のテーパー状構成または台形円筒形状は、第2のフランジ3538が、側面開口3330を介して完全に挿入されることを可能とすることができる。しかしながら、第1のフランジ3354は、自身の円筒形状および/または圧縮不可能な材料のために、側面開口3330を介して挿入されないように構成され得る。したがって、側面開口3330の周縁部は、チューブ状デバイス3536がハウジング構成3312に接合される際に、第1のフランジ3534と第2のフランジ3538との間に配置されるよう構成され得、これにより、チューブ状デバイス3506がいずれかの方向に動くことを防止することができる。
図35Eは、別の例示的なチューブ状デバイス3508の側面側の斜視図である。図35A、35B、35C、および35Dに示されたチューブ状デバイス3500、3502、3504、3506と同様に、チューブ状デバイス3508は、デバイス3400の側面開口3330に接合されるよう構成されている。チューブ状デバイス3508は、チューブ状デバイス3500、3502、3504、3506の特徴のいくつかまたは全てを備え、同様の参照番号は同様の特徴を備えている。チューブ状デバイス3508は、チューブ状デバイス3508がフランジを含まない点、および、チューブ状デバイス3508がチューブ状デバイス3508の各端部において1つ以上のタブ3546a、3546bを含む点を除き、チューブ状デバイス3500、3502、3504、3506と同様であり得る。
いくつかの実施形態において、チューブ状デバイス3508は、フランジを含まない。代わりに、チューブ状デバイス3508は、ハウジング構造3312および/または眼球に対してチューブ状デバイス3508を固定するための1つ以上の他の構造を含み得る。例えば、チューブ状デバイス3508は、1つ以上のタブまたはプレート3546a、3546bを含み得る。
図示の実施形態において、チューブ状デバイス3508は、チューブ状部分3536の各端部において1つ以上のタブまたはプレート3546a、3546bを含み得る。換言すれば、チューブ状部分の流入端は、タブまたはプレート3546aを含み得、チューブ状部分の流出端は、タブまたはプレート3456bを含み得る。特定の実施形態において、チューブ状部分の流入端および/または流出端は、それぞれ、1、2、3、4、または5個のタブまたはプレートを含み得る。
各タブまたはプレート3546a、3546bは、1つ以上のアイレット3548を含み得る。例えば、1つのタブは、1、2、3、4、または5個のアイレット3548を含み得る。図示の実施形態において、各タブ3546a、3546bは、1つのアイレット3548を含む。アイレット3548は、チューブ状部分3532の流入端および/または流出端を固定するよう構成され得る。例えば、1つ以上のネジ、ナット、縫合等が、ハウジング構造3312、側面開口3330、および/またはナチュラル水晶体嚢に流入端を固定するために、流入端またはこれに近くに設けられたタブ3546aのアイレット3548を介して挿入され得る。同様に、1つ以上のネジ、ナット、縫合等が、流出端を第2の場所、例えば、サブ−テノン空間に固定するために、流出端またはこれの近くに配置されたタブ3546bのアイレット3548を介して挿入され得る。
図36は、図34Aのデバイス3400および図35Aのチューブ状デバイス3500を備える例示的な人工水晶体デバイスシステム3600の前方側の斜視図である。図示のように、チューブ状デバイス3500は、デバイス3400の側面開口3330Bを介して、デバイス3400に接合される。より具体的には、チューブ状デバイス3500のフランジ3534は、側面開口3300B内に固定され得、デバイス3400の内部に液体連通するチューブ状部分3532の第1の開口を提供し、さらに、第2の場所においてチューブ状部分3532の第2の開口を提供する。
図37は、眼球内における、図36の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。図示のように、チューブ状デバイス3500のフランジ3534は、側面開口3330B内に固定され得、デバイス3400の内部に液体連通するチューブ状部分3532の第1の開口を提供する。チューブ状部分3532は、眼球のナチュラル水晶体嚢内に埋め込まれたデバイス3400から離れて延伸するよう構成され得る。チューブ状部分3532は、ナチュラル水晶体嚢3700の側壁内の刺し孔を介して延伸し得、さらに、毛様体扁平部を介して挿入され得る。したがって、チューブ状部分3532の第2の開口または端部は、サブ−テノン空間内、例えば、縁の後方2−4mmであるが、結膜に到達しない場所に配置され得る。第1および第2の開口を介して、液体が、管腔3536を介して、デバイス3400の内部から、サブ−テノン空間に流れるようになっている。
白内障手術および人工デバイスのナチュラル水晶体嚢内への埋め込み後、円蓋ベースの角膜結膜間の結膜角膜周囲切開が、チューブ状デバイス3500を受けるよう予定された四半部内で実行され得る。テノン水晶体は、強膜から切断され得、限定された焼灼が止血のために実行され得る。様々な濃度のマイトマイシンが、例えば、液浸されたスポンジを用いて、様々な時間(10秒から5分の間の範囲)、強膜上に配置され得、その後、平衡塩類溶液(BSS)を用いて、多量に洗い落とされ得る。毛様体扁平部強膜切開が、鼓膜−硝子体−網膜(MVR)ブレードのような鋭利なデバイスを用いて生成され得る。いくつかのケースにおいて、套管針が強膜を介して挿入され得る。
他の強膜切開は、光および/またはBSS浸出液のための他の四半部内において結膜を介して為され得る。典型的には、強膜切開側から離れた硝子体を透明にするために、限定された毛様体扁平部硝子体切除が実行され得、外科的処置中の牽引性網膜剥離を防止することができる。いくつかのケースでは、硝子体切除は、実行される必要がない。上部に搭載されたチューブ状デバイス3500を有する鋭利な器具、例えば、MVRタイプのブレードおよびダウンシャフトは、強膜切開を介して挿入され得、ナチュラル水晶体を鋭利に切開し得、人工デバイスとドッキングする。把持鉗子を用いて、チューブ状デバイス3500の端部が、人工デバイス内の所定の場所で保持され得、一方、鋭利な器具が、変形セルジンガー技術を用いて除去され得る。チューブ状部分の内側端部は、人工デバイス3400内に固定され得、チューブ状部分の外側端部は、縫合(例えば、8−0バイクリル)または接着剤(例えば、ティシール)を用いて、切断および/または強膜に固定され得る。テノン水晶体および結膜は縫合(例えば、8−0バイクリル)または接着剤(例えば、ティシール)を用いて、縁の後方に縫合され得る。
図38Aは、図34Aのデバイス3400と、図35Aのチューブ状デバイス3500と、閉じ込め構造3802と、を備える例示的な人工水晶体デバイスシステム3800の前方側の斜視−部分分解図である。図38Bは、図38Aの例示的な人工水晶体デバイスシステム3800の前方側の斜視図である。
閉じ込め構造3802は、デバイス3400に接合または取り付けられるよう構成され得る。いくつかの実施形態において、閉じ込め構造3802は、開口を介して、デバイス3400の内部に挿入可能な折り畳み可能または変形可能構造を含み得る。例えば、閉じ込め構造3802またはその部分は、デバイス3400の開口を介した、閉じ込め構造3802の容易な挿入を可能とする折り畳み可能または組み立て式のワイヤー構造を含み得る。挿入されると、閉じ込め構造3802は、拡張状態に拡張し得る。閉じ込め構造3802の拡張状態は、デバイス3400の内部において閉じ込め構造3802を固定または保持するよう構成され得る。例えば、いくつかの実施形態において、閉じ込め構造3802のワイヤーフレームは、デバイス3400の内部の形状と実質的に一致する構成に拡張され得る。特定の実施形態において、拡張状態にある閉じ込め構造3802は、2つの実質的に直線状の部分と、2つのアーチ状の部分とを含み得、デバイス3400の内部の形状と一致する。閉じ込め構造3802は、PMMA,ポリイミド、ポリププピレン、およびナイロンのような半硬質材料で形成され得る。また、閉じ込め構造は、代替的に、シリコーン、シリコーンポリマー、SIBS(ポリ(スチレン−ブロック−イソブチレン−ブロック−スチレン))、アクリル、アクリルポリマー、ポリプロピレン、ポリカーボネート、およびゴアテックスのような生体適合性材料で形成され得る。
閉じ込め構造3802は、1つ以上の液体制御部3804を含み得る。1つ以上の液体制御部3804は、閉じ込め構造3802の1つ以上の側面上に配置され得る。1つ以上の液体制御部3804は、閉じ込め構造3802がデバイス3400に接合されると、チューブ状デバイス3500に接合されるよう構成され得る。例えば、閉じ込め構造3804の液体制御部3804が、デバイス3400の側面開口3330A、3330Bを覆うように、閉じ込め構造3804上に配置され得、これにより、閉じ込め構造3804が挿入された際に、チューブ状デバイス3500に接合され得る。閉じ込め構造3804上の液体制御部3804の数は、側面開口3330A、3330Bの数および/またはデバイス3400に接合されたチューブ状デバイス3500の数と等しくてもよい。例えば、1つのチューブ状デバイス3500がデバイス3400に接合されている場合、閉じ込め構造3802は、1つの液体制御部3802を含む。デバイス3400が2つのチューブ状デバイス3500に接合されている場合、2つの液体制御部3804を有する閉じ込め構造が、例えば2つの側面開口3330A、3330Bのそれぞれに、埋め込まれ得る。
閉じ込め構造3802の埋め込みを介して、システム3800の液体制御部3804を設けることにより、チューブ状デバイス3500自身が、管腔3536が規制されておらず、さらに、常時自身を介した液体の流れが可能となっている「ダンプ」またはパッシブチューブ状デバイスであったとしても、チューブ状デバイス3500を介した液体の流れが制御され得る。
液体制御部3804は、チューブ状デバイス3500を介した液体の流れを可能または不可能とするために開放または閉塞するよう構成されたバルブであってもよい。バルブは、眼球内圧力設定に基づいて、開放または閉塞するよう構成され得る。例えば、眼球内圧力が高すぎる、または、所定のレベルを超える場合、バルブは、眼球内から眼球外へ液体が流れることを可能とし、眼球内圧力を減少させるために、開放するよう構成され得る。逆に、眼球内圧力が低すぎる、または、所定のレベルを下回る場合、バルブは、液体の流れを防止するために、閉塞するよう構成され得る。また、液体制御部3804は、眼球内圧力を検出し、検出された圧力を、バルブを開放または閉塞するよう構成されたプロセッサーに電気的に送信するよう構成された眼球内圧力センサーを含み得る。
いくつかの実施形態において、バルブは、眼球内生理圧力が、約20mmHg以上となった際に、開放するよう構成され得る。特定の実施形態において、バルブは、眼球内生理圧力が、約10mmHg、約11mmHg、約12mmHg、約13mmHg、約14mmHg、約15mmHg、約16mmHg、約17mmHg、約18mmHg、約19mmHg、約20mmHg、約21mmHg、約22mmHg、約23mmHg、約24mmHg、約25mmHg、約26mmHg、約27mmHg、約28mmHg、約29mmHg、約30mmHg、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値以上となった際に、開放するよう構成され得る。
いくつかの実施形態において、バルブは、眼球内生理圧力が、約6mmHg以下となった際に、閉塞するよう構成され得る。特定の実施形態において、バルブは、眼球内生理圧力が、約1mmHg、約2mmHg、約3mmHg、約4mmHg、約5mmHg、約6mmHg、約7mmHg、約8mmHg、約9mmHg、約10mmHg、約11mmHg、約12mmHg、約13mmHg、約14mmHg、約15mmHg、約16mmHg、約17mmHg、約18mmHg、約19mmHg、約20mmHg、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値以下となった際に、閉塞するよう構成され得る。
また、液体制御部3804は、代替的に、ポンプまたはマイクロポンプであってもよい。ポンプまたはマイクロポンプは、眼球内から眼球外へ液体を能動的に押し出すよう構成され得る。例えば、眼球内圧力が高すぎる、または、所定のレベルを超えている場合、ポンプまたはマイクロポンプは、液体が、眼球内から眼球外へ流れるよう能動的に強制し、眼球内圧力を減少させるよう構成され得る。逆に、眼球内圧力が低すぎる、または、所定のレベルを下回っている場合、ポンプまたはマイクロポンプは、停止するよう構成され得る。また、液体制御部3804は、眼球内圧力を検出し、検出された圧力を、ポンプまたはマイクロポンプをオンまたはオフするよう構成されたプロセッサーに電気的に送信するよう構成された眼球内圧力センサーを含み得る。
いくつかの実施形態において、ポンプまたはマイクロポンプは、眼球内生理圧力が約20mmHg以上となった際に、液体の除去を能動的に促進するよう構成され得る。特定の実施形態において、ポンプまたはマイクロポンプは、眼球内生理圧力が約10mmHg、約11mmHg、約12mmHg、約13mmHg、約14mmHg、約15mmHg、約16mmHg、約17mmHg、約18mmHg、約19mmHg、約20mmHg、約21mmHg、約22mmHg、約23mmHg、約24mmHg、約25mmHg、約26mmHg、約27mmHg、約28mmHg、約29mmHg、約30mmHg、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値以上となった際に、液体の除去を能動的に促進するよう構成され得る。
いくつかの実施形態において、ポンプまたはマイクロポンプは、眼球内生理圧力が約6mmHg以下となった際に、液体の除去の促進を停止するよう構成され得る。特定の実施形態において、ポンプまたはマイクロポンプは、眼球内生理圧力が約1mmHg、約2mmHg、約3mmHg、約4mmHg、約5mmHg、約6mmHg、約7mmHg、約8mmHg、約9mmHg、約10mmHg、約11mmHg、約12mmHg、約13mmHg、約14mmHg、約15mmHg、約16mmHg、約17mmHg、約18mmHg、約19mmHg、約20mmHg、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値以下となった際に、液体の除去の促進を停止するよう構成され得る。
図39は、眼球内における、別の例示的な人工水晶体デバイスシステムの前方側の斜視図である。図39に示された人工水晶体デバイスシステムは、図37に示された人工水晶体デバイスシステムの特徴のいくつかまたは全てを備え、同様の参照番号は同様の特徴を備えている。図39の人工水晶体デバイスシステムは、制御ユニット3902、眼球内圧力センサー3904、および液体制御部3540を含む点を除き、図37のものと同様であり得る。
いくつかの実施形態において、人工水晶体デバイスシステムは、制御ユニット3902を含み得る。制御ユニット3902は、1つ以上の入力を受信し、液体制御部3540を制御するよう構成され得る。また、システムは、眼球内圧力を検出するよう構成された1つ以上の眼球内圧力センサー3904を含み得る。1つ以上の眼球内圧力センサー3904は、ハウジング構造3312および/またはハウジング構造3312に接合された閉じ込め構造3802に内蔵され得る。
1つ以上の眼球内圧力センサー3904は、眼球内圧力を検出し、検出された眼球内圧力を、制御ユニット3902に、繰り返し、周期的に、および/または、リアルタイムまたは略リアルタイムで、電気的に送信するよう構成され得る。例えば、1つ以上の眼球内圧力センサー3904は、約1秒、約2秒、約3秒、約4秒、約5秒、約6秒、約7秒、約8秒、約9秒、約10秒、約20秒、約30秒、約40秒、約50秒、約1分、約2分、約3分、約4分、約5分、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値の時間毎に、眼球内圧力を検出し、検出された眼球内圧力を、制御ユニット3902に電気的に送信するよう構成され得る。
1つ以上のセンサー3904によって検出された眼球内圧力は、有線接続3906および/または無線接続を介して、制御ユニット3902に電気的に送信され得る。例えば、いくつかの実施形態において、1つ以上の圧力センサー3904は、検出された圧力データを制御ユニット3902に無線送信するよう構成された無線送受信器を含み得る。同様に、制御ユニット3902は、圧力センサー3904から検出された圧力データを受信するよう構成された無線受信器を含み得る。
また、制御ユニット3902は、代替的に、例えば、無線通信を介して、ユーザー入力を受信するよう構成され得る。いくつかの実施形態において、ユーザーは、眼球内から液体を除去するための指示を、例えば、スマートフォンや他のユーザーアクセスポイントシステムを介して、入力し得る。理論だけではなく実際に、緑内障、長期にわたって視覚の損失を引き起こす症状が、眼球圧力を低下させることにより治療され得る。したがって、いくつかの実施形態において、緑内障に苦しむ患者は、眼球から液体を除去することを促進するために、ユーザーアクセスポイントシステムへ指示を入力することにより、眼球内圧力を制御および/または低下させ、緑内障による視覚の損失を防止してもよい。また、制御ユニット3902は、代替的に、1つ以上の他の生理センサーから、例えば、無線通信を介して、入力を受信するよう構成され得る。
受信されたユーザー入力および/または検出された眼球内圧力データに基づいて、制御ユニット3902は、チューブ状デバイス3500を介した液体の除去を可能とし、不可能とし、能動的に促進、および/または能動的に促進しないために、液体制御部3540に指示するよう構成され得る。例えば、眼球内圧力が所定のレベル以上および/または制御ユニット3902が対応するユーザー入力を受信した場合、制御ユニットは、液体の除去を可能とする、および/または、能動的に促進するよう、液体制御部3540に指示するよう構成され得る。逆に、眼球内圧力が所定のレベル以下および/または制御ユニット3902がユーザー入力を受信しない場合、制御ユニットは、液体の除去を不可能とする、および/または、能動的に促進しないよう、液体制御部3540に指示するよう構成され得る。
制御ユニット3902は、有線接続3908および/または無線接続を介して、液体の除去を可能とする、および/または、不可能とするための指示を、液体制御部3540に電気的に送信するよう構成され得る。例えば、いくつかの実施形態において、制御ユニット3902は、液体制御部3540に指示を送信するよう構成された無線送受信器を含み得る。同様に、液体制御部3540は、制御ユニット3902から指示を受信するよう構成された無線受信器を含み得る。液体制御部3540は、上述のようなバルブ、および/または、ポンプまたはマイクロポンプであってもよい。
図40は、人工水晶体デバイスシステムの例示的な制御プロセスを示すブロック図である。図40に示されているように、いくつかの実施形態において、システムは、ブロック4004において、1つ以上の入力を受信するよう構成され得る。入力は、ユーザー入力または自動入力であり得る。例えば、システムによって受信された入力は、ユーザーアクセスポイントシステムを介したユーザー始動入力であってもよい。さらに、または、代替的に、システムによって受信された入力は、眼球内圧力を検出するよう構成された眼球内圧力センサーおよび/または他の生理センサーのような1つ以上のセンサーからのものであってもよい。
システムは、入力が受信されると、ブロック4004において、入力をさらに処理するよう構成され得る。特定の実施形態において、システムは、複数の入力、例えば、自動入力またはユーザー入力を、組み合わせ、または、処理するよう構成され得る。いくつかの実施形態において、システムは、単一の入力(ユーザー入力または自動入力)を処理するよう構成され得る。
システムによる1つ以上の入力の処理は、ブロック4006における1つ以上の処理を含み得る。いくつかの実施形態において、システムは、眼球内圧力を低下させるよう構成された1つ以上の追加的な処理を開始するか否かを判別するために、1つ以上の入力を処理するよう構成され得る。例えば、システムによって受信された入力が、所定のレベル以上の眼球内圧力に対応するデータを含む場合、システムは、眼球内から液体を除去するよう構成された1つ以上の追加的なプロセスを開始するよう構成され得、これにより、眼球内圧力を低下させることができる。同様に、システムによって受信された入力が、眼球内からの液体の除去および/または眼球内圧力を低下させることに対応するユーザー入力を含む場合、システムは、眼球内から液体を除去するよう構成された1つ以上の追加的なプロセスを開始するよう構成され得、これにより、眼球内圧力を低下させることができる。
逆に、システムによって受信された入力が、所定のレベル以下の眼球内圧力に対応するデータを含む場合、システムは、眼球内から液体を除去および/また眼球内圧力を低下させるよう構成された1つ以上の追加的なプロセスを開始しないおよび/または1つ以上の現在の動作プロセスを停止するよう構成され得る。同様に、システムによって受信された入力が、眼球内からの液体の除去および/または眼球内圧力を低下させることを停止することに対応するユーザー入力を含む場合、システムは、眼球内から液体を除去および/また眼球内圧力を低下させるよう構成された1つ以上の現在の動作プロセスを停止するよう構成され得る。
システムは、ブロック4008において、眼球内に埋め込まれたシステムの1つ以上の電子デバイスコンポーネントに送信される1つ以上の指示コマンドを生成するようさらに構成され得る。システムが、処理された信号に基づいて、眼球内圧力を低下させるための1つ以上のプロセスが開始されるべきと判別した場合、システムは、1つ以上の特定の指示コマンドを生成し、さらに、生成された1つ以上の特定の指示コマンドを、眼球内に埋め込まれた1つ以上の電子デバイスコンポーネントに送信するようさらに構成され得る。このような状況において、システムは、チューブ状デバイスを介した眼球からの液体除去を開始および/または液体除去の速度を増加させるために、指示を生成し、生成した指示を、電子的に制御されたポンプまたはマイクロポンプに送信するよう構成され得る。さらに、または、代替的に、このような状況下において、システムは、バルブを開放および/またはバルブの開放を広げ、チューブ状デバイスを介した眼球からの液体除去の速度を増加させるために、指示を生成し、生成した指示を電気的に制御されたポンプまたはマイクロポンプに送信するよう構成され得る。
逆に、システムが、処理された入力に基づいて、眼球内圧力を低下させるための1つ以上のプロセスを開始すべきではないと判断、または、眼球内圧力を低下させるための1つ以上の現在の動作プロセスが停止されるべきと判断した場合、システムは、1つ以上の特定の指示コマンドを生成し、生成された指示コマンドを、眼球内に埋め込まれた1つ以上の電子デバイスコンポーネントに送信するようさらに構成され得る。このような状況において、システムは、チューブ状デバイスを介した眼球からの液体除去を停止および/または液体除去の速度を減少させるために、指示を生成し、生成された指示を電気的に制御されたポンプまたはマイクロポンプに送信するよう構成され得る。さらに、または、代替的に、このような状況において、システムは、チューブ状デバイスを介した眼球からの液体除去の速度を減少させるために、バルブを閉塞および/またはバルブの開放を狭めるために、指示を生成し、生成された指示を電子的に制御されたバルブに送信するよう構成され得る。
指示コマンドを受信した各電子デバイスコンポーネントは、受信した指示コマンドに従って、1つ以上のプロセスを実行するようさらに構成され得る。選択的に、いくつかの実施形態において、システムは、ブロック4010において、指示コマンドを受信した1つ以上の電子デバイスコンポーネントが、実際に、対応する1つ以上のプロセスを実行したか否かを判別するようさらに構成され得る。いくつかの実施形態において、1つ以上の対応するプロセスが実行されたとの確認および/または現在のステータス入力がシステムによって受信されると、プロセスは、ブロック4012において、終了する。しかしながら、そのような確認および/または現在のステータス入力が受信されない場合には、システムは、ブロック4004からブロック4010までの1つ以上のプロセスを繰り返すよう構成され得る。
さらに、いくつかの実施形態において、システムは、図40を参照して上述した1つ以上のプロセスを、リアルタイムまたは略リアルタイムで、繰り返すよう構成され得る。例えば、システムは、プロセス4004から4008および/またはプロセス4004から4010を、周期的、リアルタイム、または略リアルタイムで、繰り返すよう構成され得る。1つ以上のプロセスは、約1秒、約2秒、約3秒、約4秒、約5秒、約7秒、約8秒、約9秒、約10秒、約20秒、約30秒、約40秒、約50秒、約1分、約2分、約3分、約4分、約5分、および/または上述の値の2つによって規定される範囲内の値毎に繰り返され得る。
図41は、人工水晶体デバイスシステムの別の例示的な制御プロセスを示すブロック図である。いくつかの実施形態において、水晶体デバイス内の電子デバイス、例えば、制御ユニットは、ブロック4104において、1つ以上の入力を受信し得る。1つ以上の入力は、眼球内圧力(IOP)に関連するデータまたはユーザー入力を含み得る。ユーザー入力は、スマートフォンや他の携帯型電子デバイスのような、ユーザーアクセスポイントシステムを介して、ユーザーから入力され得る。IOP関連データは、眼球内に埋め込まれた1つ以上の圧力センサーによって検出および/または眼球内に埋め込まれた1つ以上の圧力センサーから受信され得る。
水晶体デバイス内の電子デバイスは、ブロック4106において、受信された入力をさらに判別するよう構成され得る。電子デバイスは、受信された入力が、IOPを低下させることおよび/または眼球からの液体の除去に対応すると判別してもよい。例えば、受信された入力は、眼球内の不快症状を示すユーザー入力またはIOPを低下させることおよび/または眼球からの液体の除去に対応する他の入力であってもよい。また、受信された入力は、特定のレベル以上のIOPデータであってもよい。
逆に、水晶体デバイス内の電子デバイスは、受信された入力が、IOPを維持することおよび/または眼球からの液体の除去を防止または停止することに対応していると判別してもよい。例えば、受信された入力は、眼球内の不快症状の緩和を示すユーザー入力、または、現在のIOPを維持する、および/または、眼球からの液体の除去を停止することに対応する他の入力であってもよい。また、受信された入力は、特定のレベル以下のIOPデータであってもよい。
水晶体デバイス内の電子デバイスは、受信された入力が、IOPを低下させることおよび/または眼球からの液体の除去に対応すると判別すると、電子デバイスは、ブロック4108aにおいて、液体が、チューブ状デバイスを介して流れることを可能とするための指示コマンドを生成するようさらに構成され得る。逆に、水晶体デバイス内の電子デバイスが、IOPを維持することおよび/または眼球からの液体の除去を防止または停止することに対応すると判別した場合、電子デバイスは、ブロック4108bにおいて、チューブ状デバイスを介した液体の流れを防止および/または停止するために、指示コマンドを生成するようさらに構成され得る。
水晶体デバイス内の電子デバイスは、ブロック4110において、チューブ状デバイスの電子デバイスコンポーネントに、生成された指示コマンドを、電気的に送信するようさらに構成され得る。いくつかの実施形態において、生成された指示コマンドは、水晶体デバイス内の電子デバイスとチューブ状デバイス内の電子デバイスとの間の有線接続を介して、送信され得る。特定の実施形態において、生成された指示コマンドは、水晶体デバイス内の電子デバイスの無線送受信器とチューブ状デバイス内の電子デバイスの無線受信器および/または無線送受信器との間の無線接続を介して、送信され得る。
いくつかの実施形態において、水晶体デバイス内の電子デバイスは、ブロック4112において、チューブ状デバイスの電子デバイスから、確認および/または現在のステータス入力を受信するようされに構成され得る。ブロック4114において、チューブ状デバイスの電子デバイスは、指示に従って、チューブ状デバイスの状態の変更を開始するようさらに構成され得る。例えば、チューブ状デバイスの電子デバイスは、バルブが開放または閉塞するようにし、および/または、ポンプが眼球内から第2の場所への液体の流れを発生させるまたは防止するようにし得る。
図42は、眼球内における別の例示的な人工水晶体デバイスの前方側の斜視図である。図42に示されているように、人工水晶体デバイス4200は、眼球内に埋め込まれ得る。人工水晶体デバイス4200は、ハウジング構造4202と、1つ以上のリングまたはハプティック4204と、を含み得る。1つ以上のリングまたはハプティック4204は、眼球のナチュラル水晶体嚢と接触するよう構成され得る。
人工水晶体デバイス4200は、ハウジング構造4202の内部と外部との間での液体接続を可能とするよう構成された開口4206をさらに含み得る。チューブ状デバイスは、開口4206に接合され得る。より具体的には、チューブ状デバイスのチューブ状部分3532は、ハウジング構造4202の内部と第2の場所との間の液体接続を提供するよう構成され得る。例えば、チューブ状部分3532の第1の開口は、液体接続を提供するため、ハウジング構造4202の内部に接続され得る。チューブ状部分3532の第2の開口は、第2の場所に位置し得る。チューブ状部分3532は、眼球3710のナチュラル水晶体嚢内に埋め込まれたデバイス4200から離れるよう延伸するよう構成され得る。
いくつかの実施形態において、第1の刺し孔または切り口3712は、眼球のナチュラル水晶体嚢3712の側面において形成され得、さらに、チューブ状部分3532は、第1の刺し孔3712を介して挿入され得る。また、第2の刺し孔または切り口3704は、眼球内の強膜3700に形成され得る。チューブ状部分3532は、第2の刺し孔または切り口3704を介してさらに挿入され得る。第1の刺し孔または切り口3712および第2の刺し孔または切り口3704を介して、チューブ状部分を挿入することにより、チューブ状部分3532の第2の開口は、サブテノン空間内に配置され得、これにより、眼球内に埋め込まれたデバイス4200のハウジング構造4202の内部とサブ−テノン空間との間の液体接続がなされている。例えば、チューブ状部分3532の第2の開口は、縁の後方2−4mmであるが、結膜には到達しないよう位置され得る。したがって、眼球内からの液体は、ハウジング構造4202内に、チューブ状部分3532の第1の開口を介して進入し、チューブ状部分3532内を流れ、チューブ状部分3532の第2の開口を介して排出され、サブ−テノン空間内に流れる。
AR/VRシステム、方法、およびデバイス
技術の進歩によって、拡張現実(AR)および仮想現実(VR)デバイスは、ユーザーにARおよびVRを提供することができるようになっている。例えば、ARデバイスは、ユーザーの現在の位置およびユーザーの視覚範囲に基づいて、ユーザーに、多数の情報、例えば、方向、興味対象である特定の領域の場所、データ、指示、メッセージ、エンターテインメント、画像、ビデオ、コンテンツ等を提供することができる。いくつかのARデバイスは、ユーザーが、方向、コンビニエンスストア、レストラン、ガソリンスタンドの場所等を視認することができるような、ユーザーの通常の視野内に組み入れられた眼鏡の形態である。ARデバイスのいくつかの他の用途は、方向、GPS、電子メール、ノート、プレゼンテーション、ビデオ、画像、テキストメッセージ等のような任意の情報のヘッドアップディスプレイ(HUD)を提供することを備え得る。
しかしながら、既存の技術は、ユーザーの眼球と興味対象の場所との間に位置するディスプレイまたは表示手段を介して、または、それらから、ARが視認されなければならないという1つの欠点を有している。特定の既存のARデバイスにおいて、情報または他の画像は、ユーザーの眼球とユーザーが視認している場所または対象物との間に位置していなければならない中間ディスプレイ上、または、ユーザーが視認している対象物上に、投影または表示される。例えば、いくつかのARデバイスは、ユーザーに装着される眼鏡またはゴーグル上にAR画像を表示する。同様に、特定のARデバイスでは、ユーザーは、情報または他の画像を視認するために、スマートフォンまたは他のデバイスを保持又は視認するよう要求され得る。また、AR情報および/または画像は、ユーザーの斑点上に直接投影されなければならないが、これは、プロジェクターが、全体としてユーザーの中央視野内に位置することを一般的に要求するものであり、これにより、デバイスが、ユーザーの網膜上に画像を直接投影し、鮮明な画像を提供する。既存のVRデバイスは、同様の欠点を共有している。いずれの場合であっても、このようなARまたはVRデバイスによって、何らかの様態で、ユーザーの視野は、部分的または全体的に塞がれまたはブロックされる。
ユーザーが鮮明に視認可能な画像を表示または投影するためのデバイスにおいて、いくつかのデバイスはユーザーの視野の中央部分に直接配置されなければならないという、技術的制限が存在している。プロジェクターまたはディスプレイの他のソースは、全体として、ユーザーの中央視野内に位置されなければならず、これにより、ユーザーの視野が必然的に塞がれることになる。その結果、ARおよびVRデバイスについての多くの技術的またはデザイン的な制限が存在し、ユーザーの視野を塞ぐことと同様に、特定の安全面での懸念が発生し得る。したがって、ユーザーの直接的な視野を塞ぐまたは妨害するデバイスを使用することなく、ユーザーが、ARおよび/またはVRを視認可能とすることは、利点となり得る。したがって、本明細書に記述されたデバイス、システム、および方法のいくつかの実施形態は、ユーザーの直接視野または中央視野を塞ぐまたは妨害することなく、ユーザーにARおよび/またはVRを提供するよう構成されている。
いくつかの実施形態において、投影または表示される情報または他の画像は、ユーザーの直接視野を塞ぐまたは妨害することなく、ユーザーによって視認可能でなければならない。換言すれば、いくつかの実施形態において、情報または他の画像を投影するプロジェクターは、ARであろうとVRであろうと、全体として、ユーザーの視野の直行線(ダイレクトライン)に沿っていない。むしろ、プロジェクターは、他の場所、例えば、ユーザーの周辺視野の近くに配置され得る。しかしながら、プロジェクターがユーザーの視野の直行線に沿って位置せず、ユーザーの周辺視野の近くに位置している場合、投影される情報は、周辺網膜に到達し、ユーザーの斑点に到達しないであろう。その結果、ユーザーは、鮮明な画像を視認することはできないであろう。
このような技術的課題を解決するため、本明細書で開示されたデバイス、方法、およびシステムのいくつかの実施形態は、ユーザーの眼球内に埋め込まれるよう構成された1つ以上のプリズムまたはプリズムバーを含む。埋め込まれた1つ以上のプリズムまたはプリズムバーは、ユーザーの視野内の略中央部分に配置されていない周辺配置プロジェクター、プロジェクター、または他の表示手段から投影された情報または他の画像を曲げまたは方向変換するために、ユーザーの眼球内に戦略的に位置され得る。曲げられたまたは方向変換された情報または他の画像は、その後、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーを介して伝達した後、ユーザーの斑点に到達し得る。このようにして、ユーザーの視野内の中央位置またはユーザーの視界の直行線に沿って配置されたデバイスを用いる必要なしに、拡張または仮想情報の鮮明な画像、テキスト、画像、または他の表示が、ユーザーによって視認可能となり得る。
図1A、2A、3A、4A、5A、6A、7A、8A、9A、10A、11A、12A、13A、14A、15A、16A、18A、19A、21A、23B、24A、25A、27A、28A、29A、31A、33Aに示されたデバイスおよびシステム、並びに、これらの変形および組み合わせのような、本明細書に記述されたデバイスおよびシステムの任意のもの、並びに、これらの変形および組み合わせは、本明細書で記述されたようなAR/VRシステム、デバイス、または方法と共に用いられる1つ以上のプリズムを保持するよう構成され得る。さらに、米国特許第9,358,103号に記述されたデバイスおよびシステムの任意のものは、本開示に従って変更され得る。該米国特許の開示の全ては、参照によりここに援用される。図2、4H、6、8、9A、10A、11A、11D、12A、13、14、16、17、18、19、20、21、22A、22B、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37A、38A、39、40、41、42、43A、43E、57A、58A、58E、58F、58G、58H、58I、58J、58K、58L、59A、61A、61D、62A、63A、64A、65A、66A、67A、68A、69A、70A、72A、73A、74B、74C、74D、74E、75A、75E、76A、76B、76C、76D、76E、76F、77C、77D、77Iに示されたデバイスおよびシステム、並びに、これらの変形および組み合わせは、本明細書において開示されたようなAR/VRシステム、デバイス、または方法と共に用いられる1つ以上のプリズムを保持するよう構成され得る。これらに従った、他の人工水晶体デバイスまたはシステムへの変形も可能である。
いくつかの実施形態において、システムは、ユーザーの周辺視野の近くに位置または配置された1つの投影デバイスと、ユーザーの眼球内に埋め込まれた1つのプリズムデバイスまたはプリズムバーと、を含む。埋め込まれたプリズムデバイスまたはプリズムバーは、ユーザーの中央視野を塞ぐことなく鮮明な画像を提供するために、投影デバイスによって投影された光または画像を、ユーザーの斑点上に、効果的に曲げまたは方向変換させ得る。特定の実施形態において、システムは、1つ以上の投影デバイスおよび/または1つ以上のプリズムデバイスまたはプリズムバーを含む。例えば、システムは、ユーザーの両眼球内に埋め込まれた1つ以上のプリズムデバイスまたはプリズムバーと、ユーザーの両眼球の斑点上に、1つ以上のプリズムデバイスまたはプリズムバーを介して光または画像を投影するよう構成された1つ以上の投影デバイスと、を含み得る。このような実施形態において、システムは、ユーザーによって視認可能な3次元効果を生成するよう、両眼球に光および/または画像を両方の眼球内に写すよう構成され得る。
システム/デバイスコンポーネント
いくつかの実施形態において、本明細書において開示されたシステムまたはデバイスは、1つ以上の投影デバイスと、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーを含み得る。1つ以上のプリズムまたはプリズムバーは、ユーザーの眼球内に埋め込まれるよう構成され得る。1つ以上の投影デバイスは、ユーザーの視界の直行線に沿っておらず、または、ユーザーの視野の中央部分以外に位置するよう構成され得る。むしろ、1つ以上の投影デバイスは、ユーザーの周辺視野の近くまたはユーザーの周辺視野に沿った場所に位置するよう構成され得る。
1つ以上の投影デバイスは、デバイスハウジングを備え得る。デバイスハウジングは、ユーザーに表示される情報または他の画像を処理し、さらに、そのような情報または他の画像を、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーを介して、ユーザーの眼球内に投影し、情報または他の画像が、ユーザーの斑点またはユーザーの斑点の略近くに到達することを可能とする1つ以上の電子および/またはコンピューターコンポーネントを含むよう構成され得る。
いくつかの実施形態において、デバイスハウジングは、1つ以上の異なる材料を含み得る。例えば、デバイスハウジングまたはその一部分は、ワイヤー、プラスティック、変形可能ゴム、変形可能発泡体、シリコーン、シリコーンエラストマー、ポリマー、ポリプロピレン、発泡スチレン、アクリル、熱変形可能ラミネート、熱可塑性物質、プラスティックの1つ以上の波形形状、ポリイミド、プロピレン、形状記憶合金(SMA)等から形成され得る。いくつかの実施形態において、デバイスハウジングが、成形可能または可撓性材料を含むことは利点となり得る。例えば、成形可能または可撓性材料は、デバイスハウジングが、ユーザーの鼻梁、頬骨、眉、前額部等に渡るような湾曲または可動面に沿って適応および配置されることを可能とし得る。また、成形可能または可撓性材料は、形状または構成がユーザーごとに異なり得る場所上または場所にデバイスハウジングを配置することができるという利点になり得る。特定の実施形態において、デバイスハウジングまたはこれの一部分は、熱絶縁性および/または電気絶縁性を提供する材料を含み得る。いくつかの実施形態において、デバイスハウジングは、1つ以上のフレキシブル回路を含み得る。
特定の実施形態において、デバイスハウジングまたはこれの一部分は、硬質材料を含み得る。例えば、デバイスハウジングは、硬質プラスティック、金属、合金、木、ポリマー、アクリル、樹脂、ポリシロキサン、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)等を含み得る。いくつかの実施形態において、デバイスハウジングまたはこれの一部分は、酸素透過性、硬質ガス透過性、および/または化学的に不活性な1つ以上の材料を含み得る。このような硬質材料は、デバイスハウジングが全体として自身の構成を保ち得る場所上または場所に配置されるよう構成された実施形態において、利点となり得る。例えば、デバイスハウジングが、眼鏡の両レンズの間のつなぎ部分上のような、眼鏡の周辺領域に配置に配置される実施形態において、デバイスハウジングは、硬質材料を含み得る。
特定の実施形態において、デバイスハウジングは、システムの1つ以上のコンポーネントを含み得る。例えば、システムは、1つ以上のプロジェクター、カメラ、電源または電池電源、CPU、通信モジュール、センサー、ジャイロスコープ、GPSモジュール、加速度計等を含み得る。1つ以上のプロジェクターは、DLPタイププロジェクター、LEDタイププロジェクター、LCDタイププロジェクター、レーザープロジェクター、および/またはプロジェクターの任意の他のタイプであり得る。1つ以上のプロジェクターは、光源を含み得、光源は、LEDまたは標準的なランプであり得る。電源または電池電源は、フレキシブル回路のための伸縮可能電池を含み得る。また、システムは、本明細書で記述されたような1つ以上のコンピューターコンポーネントを含み得る。また、システムは、1つ以上の実施形態を実施するために、他のコンピューターシステムの1つ以上のコンピューターコンポーネントと通信するよう構成され得る。いくつかの実施形態において、デバイスハウジングは、システムのコンポーネントのサブセットを含む。特定の実施形態において、システムのコンポーネントのサブセットは、例えば、スマートフォン、コンピューター、ラップトップコンピューター、パーソナル電子デバイス等のような別のデバイスまたはスタンドアローンデバイスの一部分として、任意の場所に配置され得る。
図43は、投影デバイス4300が1つ以上の電池電源4038、CPU4304、Wi−Fiやブルートゥース受信器のような通信モジュール4306、カメラ4302、および/またはARプロジェクター4310を含んでいる実施形態を示している。
いくつかの実施形態において、システムまたは投影デバイス4300は、1つ以上のカメラ4302を含み得る。1つ以上のカメラ4302は、ユーザーの周囲をスキャンおよび/または見るよう構成され得る。例えば、1つ以上のカメラ4302は、ユーザーの視野内に存在し、かつ、ユーザーによって全体として視認可能な対象物および/または参照点を見るよう構成され得る。特定の実施形態において、1つ以上のカメラ4302は、ユーザーの希望に従い、異なる方向へ向き得る。例えば、いくつかの実施形態において、1つ以上カメラ4302は、1つ以上のモーターまたはアクチュエーターを含み得、および/または、1つ以上のモーターまたはアクチュエーターによって動かされ、ユーザーデバイスを介してユーザーによって入力された入力に応答して、異なる方向へ向けられるよう構成され得る。他の実施形態において、1つ以上のカメラ4302は、1つ以上のカメラ4302が向いている方向を物理的に変化させるような、ユーザーからの機械的入力によって、動かされ得る。
1つ以上のカメラ4302によって取得された対象物、場所、および参照点は、1つ以上のCPU4304によって特定され得る。1つ以上のCPU4304は、1つ以上のカメラ4302によって取得された対象物、場所、および/または、参照点またはそれらの一部分を処理するよう構成され得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のCPU4304は、本明細書において記述された1つ以上の他の電子および/またはコンピューターコンポーネントによって提供される追加的な情報を処理するよう構成され得る。
特定の実施形態において、システムまたは投影デバイス4300は、1つ以上のGPSモジュールを含み得る。1つ以上のGPSモジュールは、実質的にリアルタイムで、略リアルタイムで、および/または周期的に、ユーザーの現在地を検出するよう構成され得る。いくつかの実施形態において、システムまたは投影デバイス4300は、1つ以上のジャイロスコープおよび/または加速度計を含み得る。1つ以上のジャイロスコープおよび/または加速度計は、実質的にリアルタイムで、略リアルタイムで、および/または周期的に、ユーザーの現在の姿勢を検出するよう構成され得る。
いくつかの実施形態において、1つ以上のカメラ4302、GPSモジュール、ジャイロスコープ、および/または加速度計によって収集された情報またはデータは、正確性を増すために、システム4300によって組み合わせられ得る。例えば、特定の実施形態において、システムまたは投影デバイス4300の1つ以上のCPU4304は、1つ以上のカメラ4302、GPSモジュール、ジャイロスコープ、および/または加速度計によって収集された情報またはデータを受信および/または組み合わせ、ユーザーの視野上に表示または提供される、より正確なデータを判別および/または提供するよう構成され得る。
特定の実施形態において、システムまたは投影デバイス4300は、1つ以上の通信モジュール4306を含み得る。例えば、1つ以上の通信モジュール4306は、ブルートゥース、Wi−Fi、LTE、NFC、または、電気通信のための他の受信器、および/または、送受信器を含み得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のカメラ4302、GPSモジュール、ジャイロスコープ、および/または加速度計によって取得された情報またはデータは、1つ以上の通信手段4306によって、1つ以上のCPU4304に、電気的に通信され得る。例えば、GPSモジュールが投影デバイス4300内にないが、スマートフォンのような他のデバイスの一部として配置されている実施形態において、GPSモジュールによって検出される位置は、投影デバイス4300の通信モジュール4306によって、電気的に受信され得る。次に、位置情報は、投影デバイス4300内のCPUモジュール4304に送信され得る。
1つ以上のカメラ4302、GPSモジュール、ジャイロスコープ、および/または加速度計によって収集された情報またはデータに基づいて、システム、投影デバイス4300、および/またはCPUモジュール4304は、ユーザーに表示される特定の情報または画像を判別するよう構成され得る。判別されると、判別された情報または画像に関するデータが、1つ以上のプロジェクター4310に送信され得、その後、ユーザーの眼球内に投影を行う。
いくつかの実施形態において、システムおよび/またはデバイス4300は、1つ以上の赤外光源、レーダー/ソナー送受信器、および/または1つ以上の暗視用カメラを含み得る。1つ以上の赤外光源および/またはレーダー/ソナー送受信器を用いることにより、システム4300は、例えば、1つ以上のカメラから集められた情報と組み合わせて、よりロバストな環境マッピングシステムを処理するよう構成され得る。例えば、システム4300は、1つ以上の赤外光源、レーダー/ソナー送受信器、および/または1つ以上の暗視用カメラを用いることにより、真っ暗な状態であっても、周辺をマッピングし、物理的な周辺状況の3次元ARを生成するよう構成され得る。
より具体的には、いくつかの実施形態において、レーダー/ソナー送受信器は、応答として、様々な周波数の信号を送信し、および/または、信号を受信するよう構成され得る。その後、応答信号は、CPUに送信され得、CPUは、その後、マップを生成するためにデータを処理し得る。特定の実施形態において、生成されたマップは、GPS、ジャイロスコープ、および/または加速度データと共に重ねて表示され、よりロバストなマップを生成する。いくつかの実施形態において、生成されたマップは、未知の屋内または屋外環境において用いられたとき、GPSデータを用いることなく、重ねて表示され得る。
また、本明細書において記述された1つ以上のシステムおよび/またはデバイスは、距離の測定および/または推定、他人、動物、車等のような動く対象物および/または動かない対象物、マップ障害物の特定、および/または、真っ暗または真っ暗に近い環境での秘密作業の支援に用いられ得る。特定の実施形態において、本明細書において記述された1つ以上のシステムおよび/またはデバイスは、ターゲットへの武器の狙い付けを支援するために用いられ得る。例えば、いくつかの実施形態は、武器の軌道、タイプ、および位置、武器の銃弾のタイプ、および/または目標の対象物までの距離およびスピードを判別し、ユーザーによって視認可能な1つ以上のこのような情報を、中継して伝えるよう構成されている。
位置決め
いくつかの実施形態において、システムは、1つ以上の非閉塞投影デバイスと、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーを含み得る。1つ以上の投影デバイスおよび1つ以上のプリズムまたはプリズムバーの特定の位置または場所は、互いの相対的な位置と同様、ユーザーによって視認可能な鮮明な画像または投影を提供するのに重要である一方、1つ以上の投影デバイス自身が、ユーザーの直接または中央視野を塞がないことを保証する。したがって、ユーザーは、本明細書に開示された1つ以上のARまたはVRデバイス、方法、またはシステムを利用している間であっても、彼または彼女の視野を維持可能にされ得る。
特定の実施形態において、1つ以上の投影デバイスは、ユーザーの周辺視野の近くまたはそれに沿っているが、ユーザーの視野の中央部分の近くまたはユーザーの視野の一般的な直行線に沿っていないよう、配置され得る。例えば、特定の実施形態において、1つ以上の投影デバイスは、ユーザーの鼻、鼻梁、頬骨、前額部、眉、唇等の上またはこの近くに配置または位置されるよう構成され得る。
特定の実施形態において、システムは、ユーザーの視野の鼻周辺の近くまたはこれに沿って配置された1つ以上の投影デバイスを含み得る。例えば、1つ以上の投影デバイスは、ユーザーの鼻および/または鼻の一方または両方の面上に配置または位置されるよう構成され得る。同様に、1つ以上の投影デバイスは、ユーザーの鼻またはユーザーの鼻梁を覆うように配置されるよう構成され得る。そのような実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーは、ユーザーの眼球内に垂直に配置され得る。例えば、1つ以上の投影デバイスが、全体として、ユーザーの鼻上またはユーザーの視野の鼻周辺に沿って配置されるよう構成された実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーは、ユーザーの一方または双方の眼球内において、縦方向の置き方で一時的に配置されるよう構成され得る。より具体的には、特定の実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーは、ユーザーの右目内の右端において垂直に、および/または、ユーザーの左目内の左端において垂直に配置され得る。
図43は、投影デバイス4300がユーザーの鼻梁を覆うよう配置されるよう構成された実施形態を示している。図43に示されているように、いくつかの実施形態において、投影デバイス4300は、鼻の位置からユーザーの眼球へ光または画像を投影するよう構成された2つのプロジェクター4310またはARプロジェクターを含む。
他の実施形態において、システムは、ユーザーの視野の一時的な周辺部の近くまたは全体としてその内部に配置された1つ以上の投影デバイスを含み得る。例えば、1つ以上の投影デバイスは、一時的に配置または位置されるよう構成され得る。1つ以上の投影デバイスは、汎用または特注の眼鏡の一対のレンズの1つ以上の脚のような、ユーザーの一時的な視野の近くまたは全体として近くに配置されるよう構成され得る。このような実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーは、ユーザーの眼球内に縦方向の置き方で、鼻側に配置され得る。特定の実施形態において、システムは、ユーザーの右目内の左端において垂直に、および/または、ユーザーの左目内の右端において垂直に配置された1つ以上のプリズムまたはプリズムバーを含み得る。
いくつかの実施形態において、システムは、ユーザーの視野の下方周辺部の近く、または、全体としてそれに沿って配置された1つ以上の投影デバイスを含み得る。例えば、1つ以上の投影デバイスは、ユーザーの頬骨上または全体としてこれの近く、および/または、眼鏡のフレームの底部に沿った場所のような、ユーザーの視野の下方の近くまたは全体としてこの近くに配置されるよう構成され得る。このような実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーは、ユーザーの眼球内において水平に配置され得る。特定の実施形態において、システムは、ユーザーの眼球内の上端またはその近くに水平に配置された1つ以上のプリズムまたはプリズムバーを含み得る。
特定の実施形態において、システムは、ユーザーの視野の上側周辺部の近くまたはこれに全体として沿って配置された1つ以上の投影デバイスを含み得る。換言すれば、1つ以上の投影デバイスは、全体として、ユーザーの眼球の上側に配置または位置されるよう構成され得る。例えば、1つ以上の投影デバイスは、ユーザーの眉毛または前額部上または全体としてその近く、または、眼鏡のフレームの上側に沿った場所のような、ユーザーの視野の上側周辺部の近くまたは全体としてその近くに配置されるよう構成され得る。このような実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーは、ユーザーの眼球内の下端またはその近くで、ユーザーの眼球内において水平に配置され得る。
しかしながら、いくつかの実施形態において、複視の問題が生じ得る。複視に関する恐れおよび/またはリスクは、1つ以上の投影デバイスおよび1つ以上のプリズムまたはプリズムバーの相対的な位置や配置のようなものによって、他の実施形態よりも特定の実施形態においてより高くなり得る。例えば、1つ以上の投影デバイスが、ユーザーの視野の一時的な周辺部上またはその近くに配置された実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーは、全体として、鼻の端部の近くに、縦方向の構成で、ユーザーの眼球内部に配置され得る。このようなケースにおいて、1つ以上の投影デバイスは、如何なる光も投影せず、および/または、1つ以上の投影デバイスが、例えば、眼鏡のレンズのペアのつなぎ部分上に、備え付けられていない場合、プリズムまたはプリズムバーは、ユーザーの視野の一時的な周辺部から進入する自然光を曲げるであろう。このような光は、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーを介して出て行った後に、斑点に到達し、ユーザーに複視効果をもたらすことになる。また、1つ以上の投影デバイスがユーザーの視野の周辺部のトップ若しくは底、または、その近くに配置される実施形態において、複視に関する同様の効果またはリスクが存在またはより低減され得る。
対照的に、1つ以上の投影デバイスが、ユーザーの視野の鼻周辺部またはその近くで鼻側に配置される実施形態において、複視に関するそのようなリスクが軽減され得る。より具体的には、そのような実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーは、全体として、ユーザーの眼球内の一時的な端部またはこれの近くに、縦方向の構成で、位置または配置され得る。そのような様態で位置された1つ以上のプリズムは、ユーザーの視野の鼻周辺部から進入する光を実質的に曲げるだけである。しかしながら、このようなケースにおいて、ユーザーの鼻は、ユーザーの鼻周辺の視野の大部分または実質的に多くの部分を効果的にブロックし得る。したがって、複視を引き起こす恐れまたはリスクが低減され得る。
投影デバイスおよび/またはプリズムの動き
上述のように、いくつかの実施形態において、投影デバイスおよびプリズムまたはプリズムバーは、ユーザーの斑点上またはユーザーの斑点近くに、プロジェクターによって投影される光および/または画像を効果的に方向変換するために、戦略的に互いに所定の場所に配置され得る。このようにして、システムは、ユーザーの視野を塞ぐ投影デバイスを必要とすることなく、ユーザーの視野への情報の重ね表示を提供するよう構成され得る。しかしながら、特定の状況において、1つ以上の投影デバイスによって、ユーザーの斑点またはその実質的に中央において、投影される光および/または画像が切れてしまうことは好ましくない。また、いくつかの実施形態において、投影される光および/または画像の角度は、例えば、ユーザーの動きおよび/または投影デバイスの動き、または、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーの位置に対する投影デバイスの一部分の動きによって、予測不能に変化し得る。このような状況において、投影された画像および/または光は、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーを介して理想的な角度で方向変更または曲げられはせず、ユーザーに鮮明に視認可能とならない。したがって、1つ以上の投影デバイスおよび/または1つ以上のプリズムまたはプリズムバー、および/または、これらの角度が、ユーザーの希望に応じて、可動または変更されるようになることは利点となり得る。
したがって、いくつかの実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーおよび/または1つ以上の投影デバイスの特定の位置および/または角度は、ユーザーによって操作され得る。特定の実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーおよび/または1つ以上の投影デバイスは、モーターおよび/またはアクチュエーターを含む。モーターおよび/またはアクチュエーターは、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーおよび/または1つ以上の投影デバイスの位置および/または角度を、ユーザーの希望に応じて、変更するよう構成され得る。したがって、モーターおよび/またはアクチュエーターは、ユーザーが、ユーザーの視野内へ表示された画像または光の位置を変更すること、および/または、ユーザーが、ユーザーによって視認可能な投影された画像または光の鮮明度を変更することを可能とし得る。
特定の実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーおよび/または1つ以上の投影デバイスを動かすためのモーターおよび/またはアクチュエーターは、例えば、ユーザーデバイスへ特定の指示を入力することによって、ユーザーによって電気的に操作されるよう構成され得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーおよび/または1つ以上の投影デバイスの角度および/または位置は、例えば、手動スライダーによって、ユーザーによって機械的に変更され得る。
特定の実施形態において、1つ以上の投影デバイスおよび/または1つ以上のプリズムまたはプリズムバーは、互いの相対的な自身の位置および/または角度を自動的に変更するよう構成され得る。換言すれば、1つ以上の投影デバイスおよび/または1つ以上のプリズムまたはプリズムバーは、位置、角度、または他のものの構成、および/または他のものに対する自身の位置、角度、および他の構成を自動的に追跡し、適切に、自身の位置、角度または他の構成を自動的に変更するよう構成され得る。
プリズム/プリズムバー
いくつかの実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーは、ユーザーの眼球内に埋め込まれるよう構成され得る。例えば、特定の実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーは、ユーザーの眼球のナチュラル水晶体嚢内に直接埋め込まれるよう構成され得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーは、例えば、インプラントハウジング構造またはデバイス内に位置されることにより、ユーザーの眼球の水晶体嚢内に、間接的に埋め込まれるよう構成され得る。インプラントハウジング構造またはデバイスは、ユーザーの水晶体嚢内に埋め込まれ、さらに、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーを所定の場所で実質的に保持するよう構成され得る。インプラントハウジング構造は、1つ以上のプリズムの配置の安定性を提供し得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバーは、インプラントハウジング構造またはデバイスが最初に埋め込まれた後に、ユーザーの眼球内に埋め込まれるよう構成され得る。
図44は、埋め込み可能ハウジング4402内に配置されたプリズムまたはプリズムバー4400と共に、ユーザーの眼球内に埋め込まれる埋め込み可能ハウジング4402の実施形態を示している。図示のように、プリズムバー4400は、それ自身がユーザーの水晶体嚢内に埋め込まれるよう構成されている埋め込み可能デバイスハウジング4402内に垂直に配置されるよう構成され得る。1つ以上のプロジェクターによって投影された光または画像は、埋め込み可能ハウジング4402内のプリズムまたはプリズムバー4400によって曲げまたは方向変更させられ、ユーザーの網膜または斑点に到達し得る。
いくつかの実施形態において、プリズムまたはプリズムバー4400自身が、ユーザーの眼球内にプリズムまたはプリズムバー4400を埋め込むために、折り畳み可能である。特定の実施形態において、プリズムまたはプリズムバー4400は硬質である。プリズムまたはプリズムバー4400は、1つ以上のハプティックまたは閉ループを含み得る。例えば、1つ以上のハプティックまたは閉ループは、プリズムまたはプリズムバー4400がナチュラル水晶体嚢内に埋め込まれた際に自己拡張可能または拡張であり、プリズムおよび/またはプリズムバー4400を水晶体嚢内の所定の場所で固定および/または保持するよう構成され得る。1つ以上のハプティックまたは閉ループは折り畳み可能である。
特定の実施形態において、プリズムまたはプリズムバー4400は、インジェクターを介して、ユーザーの眼球内に注入されるよう構成され得る。インジェクターは、汎用の眼球内レンズインジェクターと同様の1つ以上の様態を含み得る。いくつかの実施形態において、人工デバイスまたは埋め込み可能ハウジング4402は、1つ以上の開口を含む。例えば、人工デバイスまたは埋め込み可能ハウジング4402は、人工デバイスまたは埋め込み可能ハウジング4402の側壁上において開口を含み得る。いくつかの実施形態において、プリズムまたはプリズムバー4400は、人工デバイスまたは埋め込み可能ハウジング4402の開口内に注入されるよう構成され得る。人工デバイスまたは埋め込み可能ハウジング4402の開口のサイズおよび/または構成およびプリズムまたはプリズムバー4400のサイズおよび/または構成は、ハプティックを用いる必要なしに、所定の場所でプリズムまたはプリズムバー4400を保持または固定するようなものと実質的に同じであってもよい。換言すれば、特定の実施形態において、プリズムまたはプリズムバー4400は、人工デバイス4402の側壁上の開口内に挿入またはスライドされ、ナチュラル水晶体嚢の凹部内へ延伸するよう構成され得る。
いくつかの実施形態において、プリズムまたはプリズムバー4400は、如何なるハプティックまたは閉ループをも含まない。例えば、プリズムまたはプリズムバー4400は、人工デバイス4402の開口内に挿入されるよう構成され得、プリズムまたはプリズムバー4400を所定の場所で固定または保持するよう構成される。特定の実施形態において、プリズムまたはプリズムバー4400は、ハプティックシステムの使用または開口内への係合のいずれかによって、自己拡張および/または自己留置可能であってもよい。
1つ以上のプリズムまたはプリズムバー4400は、フレネルプリズムまたは通常のプリズムであり得る。1つ以上のプリズムまたはプリズムバー4400がユーザーの眼球またはインプラントデバイス内に空間の使用を少なくするために、フレネルプリズムを含むことは、利点となり得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のフレネルプリズムが、1つ以上の通常のプリズムと共に用いられ得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のプリズム4400は、ユーザーの眼球内への埋め込みの前または後で、積み重ねられ得る。例えば、1つ以上のプリズム4400は、プリズムバーまたは他の構成を形成するよう、重ねられ得る。特定の実施形態において、1つ以上のプリズム4400は、双眼、単眼、またはこの双方となるよう構成され得る。
いくつかの実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバー4400は、約10°、約20°、約30°、約40°、約50°、約60°、約70°、約80°、約90°、約100°、約110°、約120°、約130°、約140°、約150°、約160°、および/または約170°、投影された画像を曲げまたは方向変換するよう構成され得る。特定の実施形態において、1つ以上のプリズム4400は、上述の2つの角度によって規定される範囲内の角度で、投影された画像を曲げまたは方向変換するよう構成され得る。
特定の実施形態において、1つ以上のプリズム4400は、一般的な棒構成、立方体構成、四角形構成、正方形構成等を含み得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバー4400は、約1mm、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約4.5mm、約5mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、約7.5mm、約8mm、約8.5mm、約9mm、約9.5mm、および/または約10mmの幅を含み得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のプリズム4400の幅は、上述の2つの値によって規定される範囲内であってもよい。
いくつかの実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバー4400は、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、約19mm、約20mm、約21mm、約22mm、約23mm、約24mm、約25mm、約26mm、約27mm、約28mm、約29mm、および/または約30mの長さを含み得る。特定の実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバー4400の長さは、上述の2つの値によって規定される範囲内であってもよい。
いくつかの実施形態において、ユーザーの眼球内に埋め込まれる1つ以上のプリズムまたはプリズムバー4400の特定のサイズおよび/または形状は、変化し得る。例えば、ユーザーの眼球内に埋め込まれる1つ以上のプリズムまたはプリズムバー4400の特定のサイズおよび/または形状は、ユーザーのナチュラル水晶体嚢のサイズ、埋め込み可能ハウジング4402のサイズ等のような、ユーザーの眼球の特徴に応じたものであってもよい。
いくつかの実施形態において、1つ以上のプロジェクターからの投影された画像は、1つ以上のプリズムまたはプリズムバー4400の斜辺の1つに進入し、プリズムまたはプリズムバー4400の他の斜面を介して外に出るよう構成され得る。図45は、ユーザーの眼球内に埋め込まれるよう構成されたプリズムまたはプリズムバー4400の実施形態を示している。図45に示されているように、特定の実施形態において、自己留置プリズムレンズまたはバーインプラント4400は、プロジェクターから投影された画像または光を受信し、ユーザーの網膜上へ画像または光を曲げるまたは方向変換するよう構成されている。
プリズム性能特性
上述のように、ユーザーの水晶体嚢内に埋め込まれている1つ以上のプリズム4400によって、ユーザーは、いくつかの状況において、1つ以上のプロジェクターがプリズム4400内に画像を投影していない場合でも、複視に直面し得る。例えば、1つ以上のプロジェクターが、現在、画像を生成または投影していないとしても、1つ以上のプリズムまたはプリズムバー4400は、プリズムまたはプリズムバー4400内に進入する光を曲げるまたは方向変換するよう機能し続け得る。その結果、ユーザーは、1つ以上のプリズム4400の位置または配置に応じた様々な度合いの複視に直面し得る。したがって、1つ以上のプロジェクターが動作していないときに光を曲げないまたは方向変換させない1つ以上のプリズムまたはプリズムバー4400のための方法を提供することは利点となり得る。
したがって、いくつかの実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバー4400は、特定の光のみが、プリズムまたはプリズムバー4400を介して進入し、さらに、ユーザーの斑点上に曲げられまたは方向変換されることを可能とするよう構成された特定の色および/またはコーティングを含み得る。換言すれば、特定の実施形態において、1つ以上のプリズムまたはプリズムバー4400は、1つ以上の投影デバイスによって生成された光のみが、プリズム4400内へ進入および/またはユーザーの斑点上に方向変換させられることを可能とするよう構成され得る。例えば、1つ以上のプリズム4400の角度、色、不透明度、極性、特定のフォトグレー特性が、1つ以上の投影デバイスが画像または光を投影していないときに、1つ以上のプリズムが、光を曲げるまたは方向変換させることを防止するために利用され得る。
安全性特性
投影デバイスが、破壊レベルで、ユーザーの斑点上に光を連続的に投影する場合、いくつかの安全性懸念が存在し得る。したがって、いくつかの実施形態において、1つ以上の投影デバイスは、連続的に光を投影せず、網膜への連続的なダメージから保護するための明滅レートで光を投影する。例えば、明滅レートは、約10Hz、約20Hz、約30Hz、約40Hz、約50Hz、約60Hz、約70Hz、約80Hz、約90Hz、約100Hz、約110Hz、約120Hz、および/または上述の2つの値によって規定される範囲内の値であってもよい。投影される光または画像は、特定の明滅レートであるが、ユーザーによって知覚されないものである。
特定の実施形態において、明滅レートは、ユーザーによって選択可能であってもよい。いくつかの実施形態において、投影される光または画像の明るさはユーザーによって選択可能である。例えば、特定の実施形態において、投影デバイスおよび/または他のユーザーデバイスは、ユーザーが、投影デバイスによって光および/または画像が投影されている様態および/または時間を制御することを可能とする明滅レート、調光スイッチ、タイマー、および/またはオン/オフスイッチを含み得る。
投影画像
いくつかの実施形態において、投影された光または画像は、ARまたはVR効果を生成するために、ユーザーの視野上に重ねられ得る。特定の実施形態において、投影された光または画像は、単一色または光であってもよい。いくつかの実施形態において、プリズムまたはプリズムバー内へ投影される画像のタイプおよび/または色は、ユーザー選択可能であってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ユーザーは、ユーザー入力デバイスを介して、モード、投影される特定光または画像を選択可能である。CPUは、ユーザーの選択を処理し、1つ以上のプロジェクターに電気的に送信するよう構成され得る。特定の実施形態において、ユーザー入力デバイスは、別のデバイス、携帯型デバイスまたは他のものであってもよい。ユーザーによってなされた選択は、Wi−Fi、ブルートゥース、または、投影デバイスによって受信可能な通信手段を介した他の通信手段を介して、通信され得る。
特定の実施形態において、投影デバイスは、1つ以上のプリズムを介してユーザーの網膜上に描画または可視化される単一色、光、または他の画像を投影するよう構成され得る。例えば、いくつかの実施形態において、投影デバイスは、可視スペクトルの範囲での単一色の光または任意の他の色の光を投影するよう構成され得る。特定の実施形態において、プロジェクターは、ストライプパターン、チェックパターン、同心円、および/または任意の他の形状を投影するよう構成され得る。他の実施形態において、プロジェクターは、絵、テキスト、図、またはデータの任意の他の画像表示のような画像を投影するよう構成され得る。
投影された画像または色は、ユーザーの虹彩上に描画され、さらに、第三者からも視認可能であってもよい。例えば、特定の色がユーザーの虹彩上に直接投影され、投影された色が、他人によって視認可能であり、化粧的な効果を有していてもよい。したがって、特定の実施形態において、ユーザーは、例えば、化粧的な目的のために、他人から視認可能に、彼または彼女の虹彩の色を変更することができる。
医療信号
いくつかの実施形態において、システムは、ユーザーの医療または健康状態を検出し、ユーザーの眼球上にそれを表示するよう構成され得る。例えば、特定の実施形態において、システムは、1つ以上のセンサーを含み得、および/または、ユーザーの医療、健康、および/または不安状態を検出する1つ以上のセンサーと通信するよう構成され得る。いくつかのセンサーは、眼球内圧力センサー、薬配達センサー、SpO2センサー、心泊数モニター、血圧モニター、グルコースセンサー、血中アルコール濃度センサー、温度センサー(温度計)等を備え得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のセンサーは、ユーザーに装着されるコンタクトレンズ内に埋め込まれ得、グルコースレベル等を検出するよう構成され得る。
特定の実施形態において、ユーザーの医療または健康状態は、1つ以上のセンサーによって検出され、投影デバイスのCPUへ電気的に送信され得る。例えば、投影デバイスの通信モジュールは、検出された医療または健康状態信号を受信し、CPUへ送信し得る。
特定の実施形態において、CPUは、検出されたユーザーの健康または医療状態を処理し、1つ以上の色または他の視覚信号を割り当てるよう構成され得る。例えば、マッピングテーブルまたはプロセスは、ユーザーの医療または健康状態が、ユーザーの深刻な健康リスクに対応する特定の所定の範囲内にある場合、赤色を割り当て得る。同様に、ユーザーの医療または健康状態が、中間状態に対応する特定の所定の範囲内にある場合、黄色またはオレンジ色が割り当てられ得る。ユーザーの医療または健康状態が、正常状態に対応する所定の範囲内にある場合、色は割り当てられなくともよい。
割り当てられた色または他の視覚信号は、1つ以上のプロジェクターによって、1つ以上の埋め込まれたプリズムを介して、ユーザーの網膜または斑点上に投影され得る。その結果、割り当てられた色または他の視覚信号は、第三者がユーザーの眼球を視認することにより、直ちに認識可能となり得る。ユーザーの眼球上に投影され、視認可能な特定の色または他の視覚信号から、医療関係者または他の人は、ユーザーの健康または医療状態を容易かつ直ちに評価することができ得る。例えば、システムは、ユーザーの体温が所定のレベルを超えた、または、ユーザーが発熱している場合に、ユーザーの眼球が赤色を示すようにさせるよう構成され得る。同様に、システムは、ユーザーが低血中酸素濃度を示している場合に、ユーザーの眼球が青色を示すようにさせるよう構成され得る。また、システムは、ユーザーの血糖度レベルが所定のレベルを超えている場合に、ユーザーの眼球が黄色を示すようにさせるよう構成され得る。
コンピューターシステム
いくつかの実施形態において、本明細書において記述されたシステム、プロセス、および方法は、図46、47、および48に記載されたもののような、コンピューターシステムを用いて実施される。図46、47、および48に示されたコンピューターシステムは、特定の同様の特徴を備え、同様の参照番号は、同様の特徴を含む。
例示的なコンピューターシステム4602、4702、4802のそれぞれは、1つ以上のネットワーク4618を介して、1つ以上のコンピューターシステム4620および/または1つ以上のデータソース4622と通信する。図46−48は、コンピューターシステム4602、4702、4802の実施形態を示しているが、コンピューターシステムのコンポーネントおよびモジュールにおいて提供される機能は、より少ないコンポーネントおよびモジュールにおいて組み合わせられてもよいし、追加的なコンポーネントおよびモジュール内にさらに分離されてもよいことが、認識される。
コンピューターシステム4602は、例えば、図33A−42を参照して上述された、チューブ状デバイス、システム、および方法に関する、本明細書において記述された1つ以上の機能、方法、アクション、および/またはプロセスを実行するチューブ状デバイス制御モジュール4614を備えている。コンピューターシステム4702は、例えば、図23A−23Eを参照して記述された、レンズデバイス、システム、および方法の調整に関連する、本明細書において記述された1つ以上の機能、方法、アクション、および/またはプロセスを実行する遠近調整レンズ制御モジュール4714を備えている。コンピューターシステム4802は、例えば、図43−45を参照して上述されたAR/VRデバイス、システム、および方法に関する、本明細書において記述された1つ以上の機能、方法、アクション、および/またはプロセスを実行するAR/VR制御モジュール4814を備えている。チューブ状デバイス制御モジュール4614、遠近調整レンズ制御モジュール4714、および/またはAR/VR制御モジュール4610のそれぞれは、以下にさらに記述される中央制御ユニット4610によって、コンピューターシステム4602、4702、4802上において実行される。
一般的に、本明細書で用いられているような用語「モジュール」は、ハードウェアまたはファームウェア内に組み込まれたロジック、または、エントリーポイントおよびエグジットポイントを有するソフトウェア指示の集合を指す。モジュールは、JAVA、C、またはC++のようなプログラム言語によって書かれる。ソフトウェアモジュールは、動的リンクライブラリー内にインストールされている実行可能ファイル内にコンパイルまたはリンクされていてもよいし、BASIC、PERL、LUA、またはPythonのようなインタープリタ型言語で書かれていてもよい。ソフトウェアモジュールは、他のモジュールまたはそれら自身によって呼び出されてもよいし、および/または、検出されたイベントまたは割り込みに応答して呼び出されてもよい。ハードウェア内に実施されたモジュールは、ゲートおよびフリップフロップのような接続論理ユニットを備えており、および/または、プログラム可能ゲートアレイまたはプロセッサーのようなプログラム可能ユニットを含んでいてもよい。
一般的に、本明細書において記述されたモジュールは、自身の物理機構またはストレージに関わらず、互いに組み合わされ、または、サブモジュールに分割され得る論理モジュールを指す。モジュールは、1つ以上の演算システムによって実行され、さらに、任意の適切なコンピューター可読媒体上またはその内部に保存されてもよいし、全体として、または、部分的に、特注のハードウェアまたはファームウェア内で実施されてもよい。全ての計算、分析、および/または最適化がコンピューターシステムの使用を必要とするわけではないが、上述の方法、計算、プロセス、または分析の任意のものは、コンピューターの使用により容易となり得る。さらに、いくつかの実施形態において、本明細書において記述されたプロセスブロックは、変更、再配置、組み合わせ、および/または省略されてもよい。
コンピューターシステム4602、4702、4802のそれぞれは、マイクロプロセッサーを備え得る1つ以上の処理ユニット(CPU)4606を備えている。コンピューターシステム4602、4702、4802のそれぞれは、情報の一時的記憶のためのランダムアクセスメモリー(RAM)、情報の永続的記憶のためのリードオンリーメモリー(ROM)、および、補助記憶、ハードドライブ、回転磁気ディスク、固形状ディスク(SD)、フラッシュメモリー、相変化メモリー(PCM)、3DXポイントメモリー、ディスケット、または光学メディアストレージデバイスのような大容量ストレージデバイス4604のような、物理メモリー4610、をさらに備えている。代替的に、大容量ストレージデバイスは、サーバーアレイ内に実施されていてもよい。典型的には、コンピューターシステム4602、4702、4802のコンポーネントは、標準的なバスシステムを用いて、コンピューターに接続されている。バスシステムは、周辺構成要素相互接続(PCI)、ミクロチャンネル、SCSI、工業規格アーキテクチャ(ISA)、および拡張ISA(EISA)アーキテクチャのような様々なプロトコルを用いて実施され得る。
コンピューターシステム4602、4702、4802は、と、キーボード、マウス、タッチパッド、およびプリンターのような、1つ以上の入力/出力(I/O)デバイスおよびインターフェース4612を備え得る。I/Oデバイスおよびインターフェース4612は、ユーザーにデータの視覚的表示を可能とするモニターのような1つ以上の表示デバイスを備え得る。より具体的には、例えば、表示デバイスは、アプリケーションソフトウェアデータやマルチメディアプレゼンテーションのようなGUIの表現を提供する。また、I/Oデバイスおよびインターフェース4612は、様々な外部デバイスへの通信インターフェースを提供し得る。コンピューターシステム4602、4702、4802は、例えば、スピーカー、ビデオカード、グラフィックアクセレーター、およびマイクのような1つ以上のマルチメディアデバイス4608を備えていてもよい。
コンピューターシステム4602、4702、4802は、サーバー、ウィンドウズサーバー、構造クエリー言語サーバー、ユニックスサーバー、パーソナルコンピューター、ラップトップコンピューター等のような様々な演算デバイス上において実行され得る。一般的に、演算システム4602、4702、4802は、z/OS、ウィンドウズ、リナックス、ユニックス、BSD、SunOS、ソラリス、MacOS、または他のオペレーティングシステムのような、所有オペレーティングシステムを備えるオペレーティングシステムによって制御および連動される。オペレーティングシステムは、特に、コンピュータープロセスを制御およびスケジューリングし、メモリー管理を実行し、ファイルシステム、ネットワーキング、およびI/Oサービスを提供し、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)のようなユーザーインターフェースを提供する。
コンピューターシステム4602、4702、4802のそれぞれは、通信リンク4616(有線、無線、またはこれらの組み合わせ)4618を介して、LAN、WAN、またはインターネットのようなネットワーク4618に接続されている。ネットワーク4618は、様々な演算デバイスおよび/または他の電子デバイスと通信する。ネットワーク4618は、1つ以上の演算システム4620および1つ以上のデータソース4622と通信する。チューブ状デバイス制御モジュール4614、遠近調整レンズ制御モジュール4714、および/またはAR/VR制御モジュール4814のそれぞれは、ウェブ対応ユーザーアクセスポイントを介して、演算システム4620および/またはデータソース4622にアクセス、または、これらによってアクセスされてもよい。接続は、直接物理接続、仮想接続、および他の接続タイプであってもよい。ウェブ対応ユーザーアクセスポイントは、ネットワーク4618を介したデータの提供およびデータの相互通信を可能とするために、テキスト、画像、音声、ビデオ、を用いるブラウザーモジュール、および他のメディアを備えていてもよい。
出力モジュールは、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、またはディスプレイの他のタイプおよび/または組み合わせのような全てのポイントアドレス可能ディスプレイの組み合わせとして実施されてもよい。出力モジュールは、入力デバイス4612と通信するよう実施されており、これらは、ユーザーが、メニュー、窓、ダイアログボックス、ツールバー、およびコントロール(例えば、ラジオボタン、チェックボックス、スライドスケール等のような)特定のスタイルのスクリーンエレメントの使用を介して、データにアクセスすることを可能とする適切なインターフェースを有するソフトウェアを含む。さらに、出力モジュールは、ユーザーから信号を受信するために、入力および出力デバイスのセットと通信してもよい。
演算システム4602、4702、4802は、1つ以上の内部および/または外部データソース(例えば、データソース4622)を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、上述の1つ以上のデータレポジトリーおよびデータソースは、DB2、Sybase、Oracle、CodeBase、およびマイクロソフト(登録商標)SQLサーバーのような関係型データベースや、フラット−ファイルデータベース、エンティティー関係データベース、およびオブジェクト指向データベースのような他のタイプのデータベース、および/または記録ベースデータベースを用いて、実施されてもよい。
また、コンピューターシステム4602、4702、4802は、1つ以上のデータベース4622にアクセスしてもよい。データベース4622は、データベースまたはデータレポジトリー内に保存されていてもよい。コンピューターシステム4602、4702、4802は、ネットワーク4618を介して、1つ以上のデータベース4622にアクセスしてもよいし、I/Oデバイスおよびインターフェース4612を介して、データベースまたはデータレポジトリーに直接アクセスしてもよい。1つ以上のデータベース4622を保存しているデータレポジトリーは、コンピューターシステム4602、4702、4802内に常駐していてもよい。
本発明が特定の実施形態および実施例の文脈において開示されたが、本分野における当業者であれば、特に開示された実施形態を超えて、本実施形態の他の実施形態への本発明の拡張および/または本発明の使用が可能であり、およびそれらの変形および均等物も自明であろう。さらに、本発明の実施形態のいくつかの変形が詳細に示され、記述される一方、本分野における当業者にとって、本発明の範囲内の他の変形も、本開示に基づき、直ちに明らかであろう。また、実施形態の特定の特徴および態様の様々な組み合わせまたはサブ組み合わせが本発明の範囲内であり、さらに、本発明の範囲内において為され得ることは、予期される。開示された実施形態の様々な特徴および態様は、開示の発明の実施形態の変更モードを形成するために、互いに組み合わされ、または、構成され得ることは理解されるべきである。本明細書に開示された任意の方法は、記載された順番で実行されなくてもよい。したがって、本明細書に開示された本発明の範囲は、上述の特定の実施形態によって限定されるべきではない。
特に、「し得る(can)」、「あり得る(could)」、「であってもよい(mighgt)」、または「でもよい(may)」等の条件文言は、特に述べている場合、または、使用されている文脈において理解される場合を除き、一般的に、特定の実施形態が含むが、他の実施形態は含まない、特定の特徴、要素、および/または工程を導くための意図である。よって、そのような条件文言は、一般的に、特徴、要素、および/または工程が、1つ以上の実施形態で要求されているような態様であること、または、ユーザーインプットまたは指示を用いて、または、用いることなく、これら特徴、要素、および/または工程が含まれること、または、任意の特定の実施形態において実行されるか否かを、1つ以上の実施形態が判断するためのロジックを必然的に含むことを、暗示するよう意図されたものではない。本明細書で使用された見出しは、読み手の利便性の目的のみのものであって、本発明または特許請求の範囲の範囲を限定する意図はない。
本明細書において記述された方法およびデバイスは、様々な変形および代替的な形態を許容するものである一方、それらの特定の実施例が、図面に示され、本明細書において詳細に記述された。しかしながら、本発明は、開示された特定の形態または方法に限定されず、対照的に、本発明は、記述された様々な実子形態および添付の特許請求の範囲の原理および範囲内の全ての変形、均等物、および代替物をカバーするものであることは理解されるべきである。さらに、実施または実施形態と共に本明細書において開示されたものの任意の特定の特徴、態様、方法、設定、特性、質、属性、要素等を、本明細書で説明された、全ての他の実施または実施形態において用いることができる。本明細書に開示された任意の方法は、記載された順番で実行される必要はない。しかしながら、本明細書に開示された方法は、実施者によって行われる特定のアクションを含み得、また、方法は、明示的または暗示的に、これらのアクションの任意の第三者指示を含み得る。例えば、「眼球内レンズを人工水晶体デバイス内に挿入する」等のアクションは、「眼球内レンズを人工水晶体デバイス内に挿入することを指示する」ことを含む。また、本明細書に開示された範囲は、これらの全ての任意の重複、サブ範囲、および組み合わせを意味する。「最大」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」、「間の」等の文言は、記載された数を含む。「約」または「略」等の文言が前に置かれた数字は、記載された数字を含み、状況に応じて解釈されるべきである(例えば、その状況において合理的な可能な数字の細かさ、例えば、±5%、±15%等)。例えば、「約3.5mm」は、「3.5mm」を含む。「実質的に」のような用語が前に置かれた文言は、記載された文言を含み、状況に応じて解釈されるべきである(たとえば、状況下において可能な限り合理的に可能に解釈される)。例えば、「実質的に一定」との文言は、「一定」を含む。その他述べられている場合を除き、全ての計測値は、温度および圧力を含む標準的な条件におけるものである。