JP6661824B1 - 機能性編地 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、大きな摩擦力を有する素材及び高弾性の素材に着目し、接地面を増加させつつ、体に密着することが可能な編み方を用いて、靴下や手袋などに用いた際に、肌触りが良く、使用部全体にフィットし、滑り止め効果を有する編地を提供する。【解決手段】上記課題を解決するため、本発明に係る機能性編地は、滑りを抑制する構成を備える機能性編地であって、表糸を割繊糸としたパイル編み構造に、弾性糸を鹿の子調に挿入した構造であり、滑り止めを行う対象物に対し起毛したループを備えない面を接触させることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、摩擦力の大きい素材、弾性糸(高弾性糸を含む)、及び、接触の程度を最大とする編成方法を用いて、高いフィット感及び滑り止め効果を備えた機能性編地に関する。編地とは、本明細書においては毛糸やその他の糸でループを連続的につづり合わせて布(生地)にしたものをいう。
従来から、スポーツ用途や作業用途などにおいて、体への高いフィット感や接触面において滑り止め効果を有する生地への需要があり、多くの研究及び開発がなされてきた。例えば、従来の滑り止め効果を有する手袋や靴下として、手の平や足裏部分の物品や靴内底面との接触面に合成樹脂を塗布したり、合成樹脂からなる滑り止め体を貼付することにより、合成樹脂や滑り止め体が対象物と接触し、摩擦力で滑りを軽減するものがある。
手袋の手の平側に弾性糸を編み込むことで滑り止め編地とし、滑り止め効果を持たせる手袋(特許文献3)がある。
靴下のつま先と土踏まずの間部分に摩擦糸を編み込むことで摩擦領域を設け、滑り止め効果を持たせるもの(特許文献1)がある。
また、部位によって編成方法を変えることで、接地部分にはクッション性、非接地部分にはフィット感、つま先と踵部分には滑り止めの効果、というように部位ごとに異なる効果を有する靴下も存在する。(特許文献2)
特許第4488932号公報 特許第3314071号公報 実用新案登録第3173272号公報
しかし、滑り止め対象物との接触面に合成樹脂を塗布したり、合成樹脂からなる滑り止め体を貼付した従来の滑り止め効果を有する手袋や靴下は、合成樹脂や滑り止め体によって生地が厚くなることで、手指又は足裏の感覚が鈍る。また、合成樹脂による強い摩擦力は、滑り止め対象物と生地との間の滑りの抑制力を高める一方で、合成樹脂を塗布していない面及び滑り止め体を貼付していない手の平側又は足裏側面ではずれを発生させるという問題があった。
特許文献3には、滑り止め機能を有する滑り止め編地を一部に含む繊維製の手袋であって、滑り止め編地は、平編みされた基部と、該基部の外側の面において1〜3コース間かつ1〜5ウェール間に跨って弾性糸が突き出る滑り止め部とを備えている手袋が開示されている。しかしながら、当該文献においては、弾性糸が直接滑り止め効果を発揮しており、滑り止め対象物に対する編地の接触の程度が滑り止め効果へ与える影響については言及されていない。また、当該文献における手袋は平編みで編成されているが、編成方法によっても滑り止め対象物に対する接触の程度が変化し、摩擦力へ影響を与えることについても言及されていない。
特許文献1には、少なくとも編地の片面の分割された編地部分の一つが、他の編地部分よりも摩擦係数が大きな摩擦領域に構成されているとともに、この摩擦領域に隣接する編地部分が、他の編地部分よりも隣接方向での伸縮率が小さな緩衝領域に構成されている滑り止め補償部を備えることで、滑り止め機能を有しながらも使用感の向上を図ることができる靴下が開示されている。しかしながら、当該文献においては、靴下の摩擦領域は平編みで編成されていることが記載されているが、当該編成方法によって得られる滑り止め対象物に対する接触の程度が、摩擦力へ与える影響については言及されていない。摩擦力を向上させるための素材としてゴム系又は発泡ウレタン系の素材を用いた摩擦糸を挙げているが、その他の素材に対する言及はない。また、摩擦が作用する一方で、引っ掛かりのない使用感を形成できる旨の記載はあるが、靴下と足のフィット感の向上についての検討はなされていない。
特許文献2には、接地部分ではパイル編みの面積が平編み部分の面積より大きく、非接地部分では平編み部分の面積がパイル編み部分の面積より大きくすることで、接地部分ではクッション性や足への負担軽減、汗の吸収効果を有し、非接地部分では足の裏の刺激感やフィット感、通気性の良さというように、足裏の部位により異なる効果を持たせることを特徴としている靴下が開示されている。また、つま先側部、かかと側部では、パイル編みによる滑り止め機能が大きい旨の記載や、土踏まず部分に環状にゴムが編み込まれることでずれを防止する旨の記載がある。しかしながら、当該文献における靴下はパイル編み及び平編みで編成されているものの、編成方法によって滑り止め対象物に対する接触の程度が異なり摩擦力へ影響を与えることには言及されていない。また、滑り止め効果はつま先とかかと部分のみであり、足裏全体の滑り止め効果については言及されていない。
上記特許文献1、特許文献2及び特許文献3をはじめとして、滑り止め効果や身体への高いフィット感を有する手袋や靴下に関する多くの先行技術が開示されてきた。しかし、滑り止め効果に関して記載はされているものの、滑り止め効果を有するのは特に滑り止め対象物と接触する一部分に限定されている。また、特許文献1、特許文献2及び特許文献3の全てにおいて、接触の程度を制御することによる滑り止め効果に与える影響に関する記載は無い。また、滑り止め効果を有しつつ、身体への高いフィット感を有する手袋や靴下に関するものは見当たらない。
本発明は、大きな摩擦力を有する素材及び高弾性の素材に着目し、滑り止め対象物との接触の程度を最大とすることが可能な編み方を用いて編成することによって、滑り止めを要求される部位に配置した際に高い滑り止め効果を有する機能性編地を提供することを目的とする。さらには、特に肌が直接接触する靴下や手袋などに用いた際には、滑り止め対象物と接触する面の反対面が、身体の接触部分全体にフィットして、ソフトな滑り止め効果を有しつつ、肌触りが良い機能性編地を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る機能性編地は、滑りを抑制する構成を備える機能性編地であって、表糸を割繊糸としたパイル編み構造に、弾性糸を鹿の子調に挿入した構造であり、滑り止めを行う対象物に対し起毛したループを備えない面を接触させることを特徴とする。
本発明に係る複合機能性編地は、本発明に係る機能性編地とそれ以外の編成方法による編地とを組み合わせることを特徴とする。
また、本発明に係る機能性靴下は、本発明に係る機能性編地又は本発明に係る複合機能性編地を足裏面に備えることを特徴とする。
また、本発明に係る機能性手袋は、本発明に係る機能性編地又は本発明に係る複合機能性編地を手指腹面に備えることを特徴とする。
また、本発明に係る機能性バッグ用肩掛けパッドは、本発明に係る機能性編地又は本発明に係る複合機能性編地を肩当て部に備えることを特徴とする。
本発明の機能性編地によれば、表糸に割繊糸を用いることで、起毛したループを備えない面が滑り止め対象物との間で高い摩擦力を備える。また、起毛したループを備える面は身体との間においても摩擦力による滑り止め効果を有する。また、パイル編みにすることで、起毛したループが身体と接触し、肌触りが良い効果を奏する。
パイル編み構造に対して鹿の子調に弾性糸を挿入することで、起毛したループを備えない滑り止め対象物との接触面が平坦になるとともに、当該接触面が、編成時の糸の行程、すなわちコース(コースに関しては後に詳述する)に対して垂直方向に形成される細い畦に複合して、斜め方向にも編み目が形成された構造になることによって生じる微細な凹凸が高い摩擦力を生み出し滑り止め効果を奏する。また、弾性糸を使用したことにより、身体に接触する部分へのフィット感も向上する。
本発明に係る機能性編地は、複数回の洗濯によっても滑り止め効果を維持する効果を奏する。
また、本発明に係る機能性編地は、それ以外の編成方法による編地と組み合わせて複合機能性編地とすることによって、起毛したループを備えない面、すなわち滑り止め対象物との接触面の摩擦力を制御することが可能になる効果を奏する。
また、本発明に係る機能性靴下は、機能性編地又は複合機能性編地を足裏面に備えることによって、靴内底面に対しては、高い摩擦力を発揮し、足に対しては適度な摩擦力、フィット感及び肌触りの良さを発揮する効果を奏する。また、合成樹脂などを貼付する場合と比較して足裏の靴内底面又は地面と接触する感覚が、裸足に近い状態を確保することができる効果を奏する。したがって、足裏が地面を捉える感覚が重要なスポーツ用途として採用可能な効果を奏する。
また、本発明に係る機能性手袋は、機能性編地又は複合機能性編地を手指腹面に備えることによって、握った物に対しては高い摩擦力を発揮し、手肌に対しては適度な摩擦力、フィット感及び肌触りの良さを発揮する効果を奏する。また、合成樹脂などを貼付する場合と比較して、握った物に対する手指の接触する感覚が、素肌に近い状態を確保することができる効果を奏する。したがって、指先の感覚が重要な作業用の手袋に採用できる効果を奏する。
また、本発明に係る機能性バッグ用肩掛けバンドは、機能性編地又は複合機能性編地を肩当て部に備えることによって、強い摩擦力を得たいときは、起毛したループを備えない面を肩に当て、適度な摩擦力と肌触りの良さを得たいときには、起毛したループを備える面を肩に当てることができ、機能性編地の両面の効果の違いを選択することができる。
本発明に係る機能性編地の編成形態を示した模式図である。 機能性編地を足裏部に適用した第一の機能性靴下を示した側面図である。 複合機能性編地を足裏部に適用した第二の機能性靴下を示した側面図である。 機能性編地を適用した第一の機能性手袋を示した正面図である。 機能性編地を適用した第二の機能性手袋を示した正面図である。
以下、本発明に係る機能性編地及び複合機能性編地を実施するための形態について、図に基づいて説明する。
図1は、機能性編地1を示した模式図であり、割繊糸を表糸3として、化学繊維糸、例えばナイロン又はまたはポリエステル糸を裏糸5としたパイル編地をベースとしている。図1の繰り返しループを形成した表糸3の段を「コース」と呼ぶ。図において上から1段目のコースを1コース、2段目のコースを2コース、(中略)、l(エル)段目のコースをl(エル)コース(l(エル)は整数)とする。通常、各コースにおいて表糸3で形成された上向きに湾曲し起毛した箇所を「ループ」と呼び、表糸3が下向きに湾曲し裏糸などと編んでパイル編み構造の土台となる箇所を「ウェール」と呼ぶ。また、各糸の編み行程は図左から右とする。ループは、各コースにおいて図左から順に第1ループ81、第2ループ82、(中略)、第nループ(nは整数)とし、ウェールは、各コースにおいて第1ループ81右隣から順に第1ウェール83、第2ウェール84、(中略)、第mウェール(mは整数)とする。機能性編地1は、1コースにおいて、裏糸5が裏側から表糸3の第1ループ81両側の根元を跨いで、第1ウェール83の表糸3湾曲部内側を表側から裏側に移り、2コース第1ループ81両側の根元を跨いだ裏糸5と、2コース第2ループ82両側の根元を跨いだ裏糸5とが、隣接する点(2コース第1ウェール83)において、当該両裏糸5湾曲部を裏側から編んで、1コースへと戻って、第1ウェール83の湾曲部内側を裏側から表側に移り、第2ループ82の両側の根元を跨ぐ。以下、同様に繰り返す。コースが変わっても同様である。
上記に加えて、パイル編み構造に弾性糸7、例えばゴム糸(以下、ゴム糸7とする。)を挿入する。具体的には、ゴム糸7は、1コース表糸3の第1ループ81両側の根元を跨ぎ、第1ウェール83の表糸3湾曲部内側を通る裏糸5の間で表糸3に対して表側から一周巻き付けて表側に戻り、第2ループ82及び第3ループを跨ぎ、第3ウェールの湾曲部内側を通る裏糸5の間で表糸3に対して表側から一周巻き付けて表側に戻り、以下、奇数のウェールにおいて巻き付けを繰り返す。2コースでは、ゴム糸7を表糸3に巻き付けるウェールを第2ウェール84、第4ウェールとして、以下、偶数のウェールにおいて繰り返す。3コースでは、奇数のウェールにおいてゴム糸7を表糸3に巻き付ける。4コースでは、偶数のウェールにおいてゴム糸7を表糸3に巻き付ける。すなわち、ゴム糸7を巻き付けるウェールを、コースごとに一つずつずらして編成していく。ゴム糸7をパイル編地に対して、いわゆる鹿の子調に挿入するのである。編成工程においては、表糸、裏糸及びゴム糸を同時に編んで機能性編地1とする。弾性糸7は、天然ゴムやポリウレタンの材質から成る高弾性糸の他に、ポリエステルの材質も使用可能である。
表糸3に割繊糸を用いることで、ウェール側の面と滑り止め対象物との間で高い摩擦力を備え、滑り止め効果を有する。また、ループを備えた面と身体に接触する部分との間においても摩擦力による滑り止め効果を有する。また、パイル編み構造にすることで、ループを備えた面が身体に接触し、肌触りが良い。
さらに、上記のように割繊糸を表糸3として、ポリエステル糸を裏糸5としてパイル編みにし、パイル編み構造に対して鹿の子調にゴム糸7を挿入することで、ウェール側の滑り止め対象物との接触面が平坦になる。加えて、当該接触面が、コースに対して垂直方向に形成される細い畦に複合して、斜め方向にも編み目が形成された構造になるため、通常のパイル編み構造と比較して、平坦な部分に、ゴム糸を1×1畦調に挿入した最も細い畦の溝よりも微細な凹凸が生じる。すなわち、滑り止め対象物との接触面は、通常のパイル編み構造と比較して、単位面積当たりの接触点が増加することになる。また、通常靴下や手袋を編んで着用した際に身体にフィットさせるためには、着用部の形状より小さい形状である必要があり編地は伸びて編み目が広がるが、本発明に係る機能性編地1においては、鹿の子調に挿入したゴム糸7により、複合した編み目が形成され編み目が広がりにくく、単位面積当たりの接触点の減少を抑えることができる。本実施の形態において、裏糸5の素材に関して、化学繊維糸であるナイロン又はまたはポリエステル糸を例示したが、特に限定しない。
割繊糸を表糸3として、化学繊維糸を裏糸5としてパイル編みにし、ゴム糸7を鹿の子調に挿入した本発明に係る機能性編地1において、表1に示した試験方法によって定速伸長形引張試験を行い、静摩擦係数を測定した。また、綿100%の編地(以下、綿100%編地)及び粒状のシリコン樹脂を足裏に貼付した編地(以下、シリコン貼付編地)に対して同様に試験を行った試験結果と比較した。
Figure 0006661824
表2に比較結果を示す。機能性編地1の静摩擦係数の平均を、綿100%編地の静摩擦係数の平均と比較すると、2倍近く高い値を示し、大きな滑り止め効果を有することが分かった。
Figure 0006661824

また、シリコン貼付編地は、機能性編地1に対して2倍以上高い静摩擦係数の数値を示し、大きな滑り止め効果を有する。しかしながら、シリコン貼付編地においては、シリコンを貼付していない面においては、滑り止め効果が得られないため、例えば、靴下に採用した際には、靴内底面と靴下のシリコン貼付面との間では高い摩擦力によって滑りが生じない反面、靴下内面と足との間では滑り又はずれが生じる問題がある。一方、本発明に係る機能性編地1においては、滑り止め対象物と接触しない面、すなわちループを備える面においても割繊糸による滑り止め効果を発揮することが可能である。よって、例えば靴下や手袋などに適用した際に、機能性編地1と滑り止め対象物との間だけでなく、機能性編地1と肌の間でも滑り止め効果を発揮することが可能である。したがって、激しい動作が伴うスポーツ用途や指先の感覚が重要な作業用手袋に使用することが可能となる。
機能性編地1と他の編成方法を組み合わせて、滑り止め効果を得ようとする全面に対して施したものを複合機能性編地2と呼ぶ。本発明を実施する形態においては、機能性編地1と他の編成方法を交互に挿入したボーダー状の構成を複合機能性編地2(図3参照)として取り扱うが、これに限定されるものではない。複合機能性編地2に対して、表1に示した試験方法によって定速伸長形引張試験を行い、静摩擦係数を測定した。そして、滑り止め効果を得ようとする全面に対して本発明に係る機能性編地1を適用した場合の試験結果と比較した。表3に比較結果を示す。本発明に係る機能性編地1と比較して、静摩擦係数の平均は小さく滑り止め効果は低下するが、綿100%編地の静摩擦係数の平均と比較すると高く、ソフトな滑り止め効果を発揮することが分かる。したがって、本発明に係る機能性編地1とそれ以外の編成方法との面積の配分を変更することによって、使用状況に応じた適度な滑り止め効果を発揮させることが可能である。複合機能性編地2における他の編成方法は、平編み、サポート編み、メッシュ編み、タック編み、フロート編み又はリブ編みなど、デザイン性を考慮して採用することができる。
Figure 0006661824
(洗濯後の滑り止め効果確認試験)
機能性編地1、複合機能性編地2、及び、割繊糸を表糸3としてパイル編みにし、ゴム糸を1×1畦調(編成方法において一番細かい畦が形成される)に挿入した編地(以下、ゴム1×1編地)に対して、洗濯を10回行った後の滑り止め効果について、定速伸長形引張試験を表1に示した試験方法によって行い、静摩擦係数を測定した。
表4に未洗濯の新品と洗濯10回後の静摩擦係数の結果を示した。ゴム1×1編地においては洗濯により静摩擦係数の平均が0.1程度低下するのに対し、本発明に係る機能性編地1及び複合機能性編地2では、ゴム1×1編地と異なり洗濯前後での静摩擦係数の平均は、ほぼ変化はない。したがって、本発明に係る機能性編地1及び複合機能性編地2によれば、パイル編みをした割繊糸の表糸3に対して、ゴム糸7を鹿の子調に挿入することで、ウェール側の滑り止め対象物との接触面が平坦になるとともに、当該接触面が、コースに対して垂直方向に形成される細い畦に複合して、斜め方向にも編み目が形成された構造になることによって生じる微細な凹凸が、複数回の洗濯によっても滑り止め効果を低下させず、洗濯に対する耐久性を備える効果を奏する。
Figure 0006661824
以下、本発明に係る機能性編地1又は複合機能性編地2を適用した実施例を図に基づいて説明する。
実施例1においては、本発明に係る機能性編地1を靴下に適用した実施例について説明する。
図2は、第一の機能性靴下10の側面図である。つま先部30及びかかと部32に対応する編地部分は、表糸3に割繊糸が使用される弾性糸未挿入領域20であり、足裏部31及びかかと上部33においては機能性編地1からなる靴下を示している。
本発明に係る機能性編地1を使用した第一の機能性靴下10の弾性糸未挿入領域20においては、表糸3である割繊糸と裏糸5によりパイル編みにし、足裏部31及びかかと上部33においては、表糸3である割繊糸と裏糸5によりパイル編みにし、さらにゴム糸7が鹿の子調に挿入されている。
上記の構成にすることにより、つま先部30からかかと上部33にかけての足裏全体に対して割繊糸による滑り止め効果が得られる。パイル編み構造に対して鹿の子調にゴム糸7を挿入した部分は、着用時にウェール側の滑り止め対象物(本実施例においては、靴内底面又は床面)との接触面が平坦になるとともに、当該接触面が、コースに対して垂直方向に形成される細い畦に複合して、斜め方向にも網目が形成された構造になることによって生じる微細な凹凸が高い摩擦力を生み出し、割繊糸の滑り止め効果を最大限に発揮する。また、ゴム糸7を使用したことにより、機能性編地1の足に接触する部分のフィット感も向上する。さらに、足に接触する側は、パイル編地のループ側であり、肌触りが良いことに加えて、ループが割繊糸であるため、肌に対しても適度な滑り止め効果を備える。したがって、合成樹脂などを貼付する場合と比較して、地面や床面などと接触する際の足裏の感覚が、裸足に近い状態を確保することができるので、足裏が地面等を捉える感覚が重要なスポーツ用途として採用できる効果を奏する。
つま先部30及びかかと部32の弾性糸未挿入領域20は、他の部位と比較して最小の編み目となるようにパイル編みを編成し、滑り止め対象物との接触面が減少しないようにして割繊糸の性質である摩擦力によって滑り止め効果を備える。
足の甲側については、指の付け根から足の甲の前側の一部分及び足首から足の甲の後側一部分は、表糸に化学繊維糸、例えばナイロン又はポリエステル糸を使用してメッシュ編みにし、足の曲げ伸ばし時に編地が有する伸縮性によって足の形状に沿わせて編地のだぶつきを解消する。メッシュ編みに挟まれた足の甲部分は表糸に化学繊維糸、例えば、ナイロン又はポリエステル糸を使用してサポート編みにし、さらに裏糸に沿うようにゴム糸が挿入される。また、足首上部は表糸に化学繊維糸、例えばナイロンまたはポリエステル糸を使用して環状にサポート編みにし、さらにゴム糸を挿入して、足に対するフィット感を向上させている。下腿部を表糸に例えば化学繊維糸であるナイロン又はポリエステル糸を環状に平編みにし、下腿部上部の履き口部では、ゴム糸が畦リブ状に挿入されて伸縮性を備え、靴下がずれて下がることを防止する。上記は、機能性編地1以外の部分の編成方法の一例であって、これに限定されるものではない。
また、図3に示すように、足裏部31において本発明に係る機能性編地1と他の編成方法を組み合わせて、本実施例においては、例えば平編みと組み合わせてボーダー状に編成した本発明に係る複合機能性編地2を採用して第二の機能性靴下12を構成することも可能である。滑り止めの効果に関しては、表3の説明の段落において前述した。
特に、屋内を靴下で歩行する際に滑り止め効果が強すぎることによって、足が床に引っ掛かって転倒する恐れのある幼児や高齢者に対しては、足裏部31に本発明に係る複合機能性編地2を例えばボーダー状に採用することにより滑り止め効果をソフトに抑えることも可能である。また、ボーダーの幅や本数を変えることにより、滑り止め効果の強度を用途や使用対象に応じて意図的に変えることも可能である。本実施例では、一例としてボーダーデザインを適用し試験を行ったが、ドット柄や市松模様、ストライプなど異なるデザインにおいても、同様の制御が可能であり、同等の効果を得ることができる。
実施例3においては、本発明に係る機能性編地1を手袋に適用した実施例について説明する。
図4は、本発明に係る機能性編地1を手袋に適用した例を示した。
本発明に係る機能性編地1を使用した第一の機能性手袋50は、手の平部70及び指部71が、機能性編地1(網掛け箇所)の適用部位となっている。指先については、皮膚から爪が離れる位置近傍から先端側の部分を表糸3に割繊糸を使用し、裏糸5に例えば化学繊維糸を使用したパイル編みを施した弾性糸未挿入領域60としている。すなわち、指の先端には、ゴム糸7を挿入していない。握る際に指の最先端は直接関与することがないことに加えて、当該位置に強い滑り止めを施すと、握る対象物と当該対象物を置いた面との間に指を挿入させる場合に、指の最先端が引っ掛かる。そのため、割繊糸の性質である摩擦力のみを補助的に利用することによって、摩擦力を緩和している。本実施例に係る第一の機能性手袋50は、指と手の平とを使って全体で握り込んで物品を持つ場合に有効である。また、合成樹脂などを貼付する場合と比較して、握った物と接触する際の手指の感覚が、素肌で握る場合と近い状態を確保することができるので、指先の感覚が重要な作業用の手袋にも採用した場合にも有効である。
上記の構成にすることにより、手の平部70から先端を除く指部71にかけて割繊糸による滑り止め効果が得られる。機能性編地1においては、パイル編み構造に対して鹿の子調にゴム糸7を挿入することで、着用時にウェール側の滑り止め対象物との接触面が平坦になるとともに、当該接触面が、コースに対して垂直方向に形成される細い畦に複合して、斜め方向にも網目が形成された構造になることによって生じる微細な凹凸が高い摩擦力を生み出し、割繊糸の滑り止め効果を最大限に発揮する。また、ゴム糸7を使用したことにより、機能性編地1が手の平及び指に接触する部分のフィット感も向上する。さらに、手の平及び指と直接接触する側は、パイル編地のループ側であり、肌触りが良いことに加えて、ループが割繊糸であるため、手の平及び指に対しても適度な滑り止め効果を備える。
実施例4においては、本発明に係る機能性編地1を手袋に適用した他の実施例について説明する。
図5は、本発明に係る機能性編地1を手袋に適用した他の例を示した。
本発明に係る機能性編地1(網掛け箇所)を使用した第二の機能性手袋52は指部71のみにおいて、表糸3である割繊糸をパイル編みにし、さらにゴム糸7が鹿の子調に挿入されている。第2の機能性手袋では、指の先端まで機能性編地1を採用する。通常、指の先端のように編み目が減少する部分にゴム糸を挿入すると引きつれて変形し、設計した形状を維持することが難しい。そこで、第2の機能性手袋では、指先の編み目を減少させず編んで、指先端部分は縫製によって綴じることによって、指先先端まで機能性編地1を採用することができる。靴下においても、指先先端まで機能性編地1を採用する場合には同じ手法を用いる。また、手の平部70には滑り止めを施さず、手の平部分における意に反した引っ掛かりを防止した。本実施例に係る第二の機能性手袋52は、指先を使って物品を繊細に掴む場合に有効である。
上記の構成にすることにより、指先先端までの指部71において大きな滑り止め効果が得られる。実施例1と同様にゴム糸7を使用したことにより、指に接触する機能性編地1のフィット感も向上する。さらに、指に接触する側は、パイル編地のループ側であり、肌触りが良いことに加えて、ループが割繊糸であるため、指に対しても適度な滑り止め効果を備える。
実施例5においては、本発明に係る機能性編地1を肩当て部に備える実施例を説明する。強い摩擦力を得るためにはウェール側の面を肩掛けバンドの一面に、適度な摩擦力と肌触りの良さを得るためにはループを備える面を肩掛けバンドの他の一面に配設する。これにより、本発明に係る機能性バッグ用肩掛けバンドの使用者は、摩擦力又は肌触りを選択して使用することができる。
本発明に係る機能性編地1は、リュックサックやショルダーバッグの肩掛けバンドの肩当てパッドの滑り止めとしても適用することが可能である。また、肩掛けパッドのカバーとして適用することも可能である。
滑り止めが必要な場合において、編地が適用可能な箇所に利用することが可能である。
1 機能性編地
2 複合機能性編地
3 表糸
5 裏糸
7 弾性糸(ゴム糸)
10 第一の機能性靴下
12 第二の機能性靴下
20 弾性糸未挿入領域
30 つま先部
31 足裏部
32 かかと部
33 かかと上部
50 第一の機能性手袋
52 第二の機能性手袋
60 弾性糸未挿入領域
70 手の平部
71 指部
81 第1ループ
82 第2ループ
83 第1ウェール
84 第2ウェール

Claims (5)

  1. 滑りを抑制する構成を備える機能性編地であって、
    表糸を割繊糸としたパイル編み構造に、弾性糸を鹿の子調に挿入した構造であり、
    滑り止めを行う対象物に対し起毛したループを備えない面を接触させること、
    を特徴とする機能性編地。
  2. 請求項1に記載する機能性編地とそれ以外の編成方法による編地とを組み合わせること、
    を特徴とする複合機能性編地。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する機能性編地又は複合機能性編地を足裏面に備えること、
    を特徴とする機能性靴下。
  4. 請求項1又は請求項2に記載する機能性編地又は複合機能性編地を手指腹面に備えること、
    を特徴とする機能性手袋。
  5. 請求項1又は請求項2に記載する機能性編地又は複合機能性編地を肩当て部に備えること、
    を特徴とする機能性バッグ用肩掛けパッド。
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