JP2003268658A - 編織物 - Google Patents

編織物

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JP2003268658A
JP2003268658A JP2002116841A JP2002116841A JP2003268658A JP 2003268658 A JP2003268658 A JP 2003268658A JP 2002116841 A JP2002116841 A JP 2002116841A JP 2002116841 A JP2002116841 A JP 2002116841A JP 2003268658 A JP2003268658 A JP 2003268658A
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Hisatake Hasegawa
久剛 長谷川
Tetsuo Hasegawa
哲男 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 靴下やサポーターやズボンのずり落ちやマッ
ト等の滑り止めを防止するために、滑り止め用原糸とし
て糸ゴムを使用した編織物を提供する。 【解決手段】 糸ゴムがカバードヤーンからなり、該カ
バードヤーンはゴム糸等の伸張を少なく又は伸張しない
でカバリング糸をルーズに捲回さしたもので、該糸ゴム
を滑り止め用とした編織物と、そして糸ゴム201bを
使用した編織物であって、糸ゴム201bがカバードヤ
ーンからなり、ゴム糸207aの伸張を少なく又は伸張
しないでカバリング糸209を巻回・編織後に熱湯もし
くは薬液で溶融しうるようにし、該糸ゴム207bを滑
り止め用とした編織物と、そしてまた糸ゴムを使用した
編織物であって、糸ゴムがカバードヤーンからなり、該
カバードヤーンは各種芯糸の表面にゴム糸を捲回さした
もので、該糸ゴムを滑り止め用とした編織物を構成する
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、滑り止め用の原糸とし
て糸ゴムを使用した編織物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明は、発明者と出願人の一人が、平
成14年3月5日に特許出願した「糸ゴム」を使用した
編織物に関する周辺特許である。
【0003】例えば靴下・サポーター等の最大の欠点
は、ずり落ちやすいことである。これに対する解決策は
難しいので、抜本的な対策は未だ提案されることなく現
在に至っている。
【0004】従来、靴下やサポーター等のずり落ち防止
に、滑り止め用の原糸を使用するという試みは、あって
も効果がなく、殆どみられない現状であった。
【0005】編物の場合、スパンデックスを含めたゴム
糸は、現在広く利用されている。然しそのゴム糸は、ゴ
ムの伸縮性を利用したものであって、滑り止めを目的と
したゴム糸の使用は到底考えられなかった。また織物の
場合にも、ズボン等の被服からシーツ等や組紐の用途で
も、滑り止めを必要とするものがある。
【0006】然し、ゴムの中には、シリコンやテフロン
(登録商標)のように滑りやすいものだけではなく、生
ゴムのように摩擦抵抗の大きなものもあるので、使い方
如何によっては、滑り止め用の原糸として考えられるも
のが存在する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】叙上の事情に鑑み、本
発明は、靴下やサポーターやズボンのずり落ちやマット
等の滑り止めを防止するために、滑り止め用原糸として
糸ゴムを使用した編織物の提供を課題とするるものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、糸ゴムを使用
した編織物であって、糸ゴムが各種芯糸の表面に摩擦抵
抗の大きなゴムまたは合成樹脂を溶着させたものからな
り、該糸ゴムを滑り止め用とした編織物にして上記の課
題を解決した。
【0009】また本発明は、糸ゴムを使用した編織物で
あって、糸ゴムがカバードヤーンからなり、該カバード
ヤーンはゴム糸等の伸張を少なく又は伸張しないでカバ
リング糸をルーズに捲回さしたもので、該糸ゴムを滑り
止め用とした編織物にして上記の課題を解決した。
【0010】そして本発明は、糸ゴムを使用した編織物
であって、糸ゴムがカバードヤーンからなり、ゴム糸の
伸張を少なく又は伸張しないでカバリング糸を巻回・編
織後に熱湯もしくは薬液で溶融しうるようにし、該糸ゴ
ムを滑り止め用とした編織物にして上記の課題を解決し
た。
【0011】そしてまた、本発明は、糸ゴムを使用した
編織物であって、糸ゴムがカバードヤーンからなり、該
カバードヤーンは各種芯糸の表面にゴム糸を捲回さした
もので、該糸ゴムを滑り止め用とした編織物にして上記
の課題を解決した。
【0012】
【発明の実施の態様】本発明の編織物は、糸ゴムを使用
したものであるが、ここで糸ゴムと称しているのは、新
たな滑り止め用原糸で従来のゴム糸と区別するためであ
る。又本発明の糸ゴムは、サポーターや靴下用の編物
や、ズボンのバンドや敷布等の織物に、広く利用しうる
ものである。各種芯糸とは、あらゆる繊維を含むもので
ある。なおカバードヤーンは、ダブルカバリングを含ん
でいる。
【0013】即ち、編物の場合に使用されるスパンデッ
クス糸は、伸びを制御するようにカバリングされたカバ
ードヤーンを使用する。一方、口ゴムの締付組織に使用
されるゴム糸は、カバードヤーンではないが、挿入して
組織化するものではない。このように編成に際しては、
ゴム糸の伸びを制御することによって、始めて普通の編
糸と同じ条件で引き出して編成し、組織化することがで
きる。
【0014】結局、従来のカバードヤーンやゴム糸は、
ゴムの伸縮性を利用するための使用である。これに対し
本発明の糸ゴムは、ゴムの伸縮性を利用するものでは全
くない。本発明の糸ゴムは、ゴムの摩擦抵抗を利用した
滑り止め用として利用するものだからである。
【0015】本発明の糸ゴムは、縫糸として使用するこ
ともできる。即ちオーバロックの縁かがり縫いの縫糸に
使用して、生地の滑り止め効果に寄与させることもでき
る。本発明の編織物は、新規な糸ゴムを使用したもので
あるため、その適用範囲が問題となる。そのため、敢え
て実施態様項にその適用範囲を羅列しておくようにし
た。
【0016】また本発明の糸ゴムは、織物の場合、縦糸
あるいは横糸の何れに使用することもできる。そして本
発明の糸ゴムは、一本の単糸で編成することも、細番手
から太番手まで複数本の引き揃えることも、普通糸と杢
撚りして撚糸にして、また添え糸編の表糸あるいは裏糸
として、さらに挿入編のゴム糸と併用して使用すること
もできる。
【0017】さらに本発明の糸ゴムは、全コースや全て
の組織目に入れることもできるし、あるいは1コースお
きの組織に入れることもできるし、または不規則に必要
な箇所だけに入れることもできる。さらに生地の中にス
ポット的に、丸や角形や花柄等の柄模様をちりばめた、
編織物にして入れることができる。この柄模様の場合
は、足の裏の滑り止めに使えば、樹脂製の突起と違って
組織化されているので、伸縮性に支障のないものとする
ことができる。
【0018】本発明の編織物は、編物の場合、横編機や
丸編機や縦編機の全て、要するに全ての編機で編成する
ことができる。その組織は、平編・ゴム編・パール編か
らなる基本組織を始め、タック編・浮き編・レース編・
ペレリン編・添え糸編・パイル編・挿入編・インターシ
ャ編等からなる変化組織にすることもできるし、メッシ
ュ柄・ヘーマン柄・亀甲柄・ジャカード柄等からなる柄
編組織にすることもでき、またリブ編組織にすること
も、要するに組織に対する制約は全くない。
【0019】また、本発明の編織物の商品は、滑り止め
を必要とする編織物に適用され、自動車のシート等の各
種シートや、マットやカペット類や、敷布の滑り止め
や、着物の形崩れ防止の和服用や、下着、腹巻や、パン
スト・タイツ・ストッキング・オーバーニー・ハイソッ
クス・短靴下・アンクレット・フートカバー・五本指等
の指割れソックス等からなる靴下を始め、サポーター
や、手袋や、ズボン内の腹ベルトや、さらに組紐等の各
種用途にも広く利用しうるものである。
【0020】即ち本発明でいう編織物とは、編物と織物
だけではなく、組紐をも含むものである。布帛としなか
ったのは、不織布を除くからであり、本発明の編織物は
編成・織成・縫製・組成を必要とするものに限るからで
ある。
【0021】本発明の第一は、糸ゴムを使用した編織物
であって、糸ゴムが各種芯糸の表面に摩擦抵抗の大きな
ゴムまたは合成樹脂を溶着させたものからなり、この糸
ゴムを滑り止め用にした編織物に関するものである。こ
こで云う芯糸とは、ナイロンや、ポリエステル、綿等で
あるが、芯糸は表面を溶着さしてしまうので、あらゆる
種類の糸を使用することができる。
【0022】また本発明でいう摩擦抵抗が大きいとは、
接触面に生じる摩擦力と垂直抗力との比である摩擦係数
が大きいという意味である。このような摩擦抵抗が大き
い糸ゴムを原糸として使用した編織物について、果たし
て滑り止めの効果が出ているか否かを判断するのに、動
き始めの摩擦角を測定して比較することもできる。
【0023】次に、ゴムまたは合成樹脂とは、好ましく
は粘着性を有する生ゴムまたはポリウレタン等の合成樹
脂を差している。然し、天然のラテックスに酸を加えて
凝固後、燻煙室で乾燥させる生ゴムや、架橋させるため
に140℃前後の熱処理を必要とする加硫ゴムは、溶着
加工に難点がある。その点、熱可塑性エラストマーなら
溶着しやすく、特に滑り止め用の塩ビ系や、スリップ止
め用のウレタン系が望ましい。また靴や手袋の加工や、
カーペットの滑り止めに使用されている、ブタジエン系
の合成ゴムラテックスも加工が楽である。
【0024】本発明の糸ゴムは、編織物用の原糸として
使用されるものであるから、衣料としての耐洗濯性も堅
牢なものでなければならない。次の表1は、各種ゴムの
性能を比較した表である。表中、Aは優であることを、
Bは良であることを、Cは可であることを、Dは不可で
あることを示している。
【0025】
【表1】
【0026】表1では、比較のためにフツ素ゴムをあげ
たが、耐洗濯性に問題がある。これに対して、生ゴム
や、塩ビ系熱可塑性エラストマーや、ブタジエン系合成
ゴムララテックスは、B以上なので耐洗濯性に支障はな
い。なお耐候性は、衣料の場合それ程要求されることは
ない。
【0027】また、熱可塑性エラストマーや合成ゴムラ
テックスの場合には、特に摩擦抵抗を大きくして滑りに
くくする必要があるので、メッシュの大きい充填材を入
れるのが望ましい。充填材としては、通常天然ゴムに充
填される亜鉛華やチタンホワイトでもよいが、もっと安
価なものでも差し支えない。またその充填材は、表面に
だけ付着させればよいのであるから、溶着直後に充填材
粉末による流動層内を通して、表面に付着させるように
するのも効果的である。
【0028】そのようなことを含めて、本発明の芯糸表
面へ溶着するゴム等の層表面は、粗面構造にすることが
望ましい。表面に突状部を形成さして粗面構造にするこ
とは滑脱抵抗を与え、滑り止めの効果が付与されるから
である。
【0029】そして熱可塑性エラストマーの場合には、
芯糸の太さと押出機のノズル径の大きさによって、皮膜
の厚みを調節することができる。またノズルを異形にし
て、凹凸を付与させるのもよい。さらに合成ゴムラテッ
クスの場合には、含浸後に異形ノズルで絞るようにして
もよい。
【0030】実施例1 図1は、本発明の編織物に使用される糸ゴムの、一実施
例を示す縦断面図である。糸ゴム1は、芯糸2の全表面
を、摩擦抵抗の大きなゴムまたは合成樹脂3で溶着した
二層からなり、全面被覆の状態になっている。然し、本
発明の芯糸表面への溶着は、この全面被覆に限定される
ものではない。
【0031】また図示してないが、本発明の編織物に使
用される糸ゴムは、芯糸の表面に断続して、摩擦抵抗の
大きなゴムまたは合成樹脂が溶着し、断続被覆の状態に
することもできる。さらに糸ゴムは、芯糸の片面に、摩
擦抵抗の大きなゴムまたは合成樹脂が溶着し、片面被覆
の状態にすることもできる。
【0032】次の図2は、図1の糸ゴムを使用した、本
発明の編織物の一実施例を示すサポーターの平面図であ
る。また図3は、図2の口ゴム部の一実施例を示す、組
織図である。サポーターからなる編織物4の、両端口ゴ
ム部5,5には、本発明の糸ゴム1が使用されている。
【0033】サポーター4はリブニッタを使用し、その
口ゴム部5は、表糸6にアクリル混紡糸を、そして裏糸
には本発明の糸ゴム1を添えてプレーティングすると共
に、ゴム糸7を挿入して締付組織にした。即ちゴム糸7
で伸縮性を有するようにし、糸ゴム1は裏面に現出させ
て、滑り止め効果を付与させるようにした。なお本糸ゴ
ム1は、裏糸の添え糸に限定されるものではなく、表糸
へ使用して折り返して肌に接触させるようにしてもよ
い。また、ゴム糸7だけで伸縮性に問題がある場合に
は、スパンデックス糸をもう一本包み込むようにしても
よい。なお、本サポーター4の編地8には、リンクス柄
の格子柄模様が入れている。
【0034】本発明の第二は、糸ゴムを使用した編織物
であって、糸ゴムがカバードヤーンで、これはゴム糸等
の伸張を少なく又は伸張しないでカバリング糸をルーズ
に捲回さしたもので、この糸ゴムによって滑り止め用と
した編織物に関するものである。
【0035】ここでカバードヤーンとは、一般には通称
カバリング糸と云われている、ゴムあるいはスパンデッ
クスフィラメントに、他の紡績糸あるいはフィラメント
を巻き付けた糸のことである。本発明では、芯糸に対し
て、巻き付ける糸のことだけをカバリング糸と称するこ
とにした。
【0036】けれども通常のカバードヤーンは、ゴム糸
等の伸張を制限することを目的としているので、芯とな
るゴム糸等を300〜450%程度伸張した状態で、カ
バリング糸を巻き付けるのが常である。然し本実施例の
糸ゴムは、ゴム糸等の伸張性能を目的とはせず、先ず編
織物の編成に支障のない原糸、即ち伸びない性能を付与
させるのが目的である。そのため編物の場合で云えば、
伸張性能を必要とするゴム糸は、別に挿入している。
【0037】従って、本実施例のカバードヤーンは、ゴ
ム糸等の伸張を少なく又は伸張しないで、カバリング糸
をルーズに捲回さしている。図4は、従来のカバードヤ
ーンが収縮した状態を示す拡大平面図である。カバード
ヤーンYは、収縮状態ではカバリング糸Cのみが表面に
出ており、芯となるゴム糸等Gは中に埋没している。
【0038】実施例2 これに対し図5は、本実施例のカバードヤーンからなる
糸ゴムの拡大平面図である。糸ゴム101は、ゴム糸等
107を伸張しないで、カバリング糸109をルーズに
捲回さしているので、ゴム糸等107も表面に表れるの
で、これを原紙とした編織物は、ゴム糸等107が肌に
接触して作用することになる。
【0039】図6は、図5の糸ゴムを使用した、本発明
の編織物の別な実施例を示すサポーターの平面図であ
る。本実施例のサポーターからなる編織物104には、
糸ゴム101が使用されている。
【0040】サポーター104は、大丸編機を使用し、
その編地108には表糸に糸ゴム101を、裏糸に毛混
紡糸を使用してプレーティングするとともに、ゴム糸を
挿入して締付組織にしている。編地108は、編成後に
裏返して二重にし、上部で縫製110している。そのた
め表糸の糸ゴム101は、肌に接触し、サポーター10
4は二重構造で保温性に優れている。このように本発明
の編織物は、糸ゴムの使用が、口ゴム部に限定されるも
のではない。
【0041】本発明の第三は、糸ゴムを使用した編織物
であって、糸ゴムがカバードヤーンで、ゴム糸等の伸張
を少なく又は伸張しないでカバリング糸を巻回・編織後
に熱湯もしくは薬液で溶融しうるようにし、この糸ゴム
で滑り止め用にした編織物に関するものである。熱湯で
溶融しうるカバリング糸としては、水溶性ポリビニール
アルコール繊維等が望ましい。水溶性ポリビニールアル
コール繊維とは、防糸後に軽度の熱処理を施し、アセタ
ール化を省略することにより、温水に可溶性のPVA繊
維を製造することができる。
【0042】なお溶融するカバリング糸としては、薬液
で溶融しうるものも使用することもできる。例えば、苛
性ソーダで分解する共重合ポリエステル繊維を使用する
ことができるからである。
【0043】実施例3 図7は、また別の例を示す本発明の編織物に使用される
糸ゴムで、(イ)は溶融前の平面図、(ロ)は溶融後の
平面図である。溶融前の糸ゴム201aの原糸は、表面
が熱湯で溶融しうるカバリング糸209で被覆され、芯
となるゴム糸207aは内部に埋没している。そのため
溶融前の糸ゴム201aは、伸びない状態に保たれてい
るので、編織物の編織成には支障がない。然し編織成後
の糸ゴム201bは、熱湯でカバリング糸209を溶融
させてしまうので、芯となるゴム糸207bが表面に出
て、肌に接触することになる。
【0044】図8は、図7の糸ゴムを使用した、本発明
の編織物のまた別な実施例を示す靴下の平面図である。
本実施例の靴下からなる編織物204には、糸ゴム20
1a,bが使用されている。
【0045】芯となるゴム糸207aは、伸張すること
なくその表面にカバリング糸209を捲回しているが、
このカバリング糸209には、熱湯で溶融しうる東レ
(株)のエルダー(商標)糸を使用した。従って溶融前
の糸ゴム207aは、カバリング糸209で伸びない状
態に保たれているので、編成に支障がない。
【0046】靴下204は、靴下用丸編機を使用して編
成し、足底部211と口ゴム部205の、プレーティン
グの表糸にその糸ゴム201aを原糸として使用した。
その際、編地208の方にはスパンデックス糸も包み込
み、また口ゴム部205の方には、締付組織形成の伸縮
性を有するゴム糸も挿通した。
【0047】足底部211の糸ゴム201aは、飛び柄
模様にして表面に浮かせ、足甲部は裏面で切断して、ぶ
っ切り編みにした。また口ゴム部205の方は、糸ゴム
201aを肌に接触させるため、折り返えし縫製した。
この靴下を編成後に、熱湯処理し、カバリング糸209
を溶融して、糸ゴム201bの状態にした。足底部21
1の糸ゴム201bはスリッパの滑り止めに、口ゴム部
205の糸ゴム201bはずり落ち防止に寄与させるも
のである。
【0048】本発明の第四は、糸ゴムを使用した編織物
であって、糸ゴムがカバードヤーンで、このカバードヤ
ーンは各種芯糸の表面にゴム糸を捲回さしたもので、糸
ゴムを滑り止め用とした編織物に関するものである。従
来のカバードヤーンは、芯糸となるゴム糸が一定長さ以
上には伸びないように、カバリング糸を巻回させるもの
であった。然し、本実施例の糸ゴムは、カバリング糸に
伸びるゴム糸を使うという発想の転換によるものであ
る。
【0049】実施例4 図9は、本発明の編織物に使用されるさらにまた別の例
を示す本発明のカバードヤーンからなる糸ゴムの平面図
である。図10は、図9の糸ゴムを使用した、本発明の
編織物のさらにまた別な実施例を示す、ズボンの内側に
縫着する滑り止めバンドの平面図である。図11は、図
10のバンドの組織図である。
【0050】糸ゴム301の芯糸302は、あらゆる伸
びない糸が使用される。その上のカバリング糸309
は、逆に伸びるゴム糸を使用して、ゴム糸からなるカバ
リング糸309が、直接肌に触れ合うようにするもので
ある。なお、芯糸にゴム糸をカバリングする場合には、
S撚り、Z撚り、S・Zの両撚りの3種がある。
【0051】芯糸302の表面に、丸断面の生ゴム製ゴ
ム糸をカバリング糸309として巻回して、糸ゴム30
1を作った。バンドからなる編織物304は、この糸ゴ
ム301を横糸に使用し、横糸が長く浮く朱子組織31
2にしてバンドを製織した。このバンド304を、横糸
が長く浮く表面をズボン裏側の腹部内面に、滑り止めと
して使用した。
【0052】実施例5 図12は、本発明の編織物のそしてまた別な実施例を示
す、トイレ用マットの平面図である。マット404の生
地408は、パイル編であるが、周縁部はオーバーロッ
クミシンで縁かがりしている。その縁かがりの縫い糸
に、実施例1の糸ゴム401が使用されている。なお実
施に際し、ゴム糸がスムースに縫製されない場合には、
縫製に際して、ゴム糸の表面に界面活性剤等の潤滑剤を
塗布し、後加工の水洗で落とすようにしてもよい。この
ように本発明の編織物は、普通の布地に対して、縫い糸
として糸ゴムを使用した編織物を含むものである。
【0053】実施例6 図13は、本発明の編織物のさらに別な実施例を示す、
湯上がり用足拭きマットの平面図である。このマット5
04は、吸水性のスラブ表面を実施例1の糸ゴム501
で、ルーズに組み上げた2糎程度の太さの組紐縄513
を、巻回綴じしたマットである。実施例1の糸ゴム50
1は、伸びることがないので、組み上げるのに支障はな
い。従来、滑りやすいことだけが欠点となっていた、こ
の吸水性のよい高級湯上がり足拭きマット504は、吸
水性に支障なく、滑りやすさは解消された。組紐は、和
服用の帯紐やバンド類の滑り止めに広く利用することが
できる。
【0054】以上の実施例1,2,3,4,5,6の糸
ゴムを使用した編織物と、性能を比較するための生地と
して、丸編機の表糸に普通のスパンデックス糸を添え、
ゴム糸を挿通した編地を編成して、比較品とした。
【0055】そこで実施例1,2のサポーターは膝用と
して、また実施例3は靴下として、片方の足に比較品
を、もう一方の足に各実施例品を履き、実施例4のバン
ドはズボン裏側の腹部に取り付けて、ずれ落ちるか否か
の着用試験をした。また実施例5のマットはタイルの上
に敷き、実施例6のマットは板の間の上に敷いて、滑ら
ないかの試験をした。次の表2は、それ等の結果を示し
ている。
【0056】
【表2】
【0057】表2では、着用ないし実用試験の結果、従
来の比較品がずり落ちる×のに対して、各実施例の糸ゴ
ムを使用した品は、ずり落ちない乃至滑らない○で、従
来の欠点が解消されている。
【0058】
【発明の効果】本発明の糸ゴムを使用した編織物は、着
用すると挿入したゴム糸が肌に密着するので、滑り止め
の効果があり、靴下やサポーター他で従来欠点となって
いた、極端な締め付けも必要がなくなり、緩やかな締め
付けでも、ずり落ちや滑りを完全に防止することができ
るようになった。
【0059】本発明の編織物に特殊な糸ゴムを使用した
のは、従来のゴム糸では伸縮性があり、糸道での抵抗も
あってスムースに挿入できず、編み立てに向かないから
である。仮に編成されても、従来のゴム糸は縮んで内部
に入り込み、肌に接触させることはできない。本発明の
糸ゴムは、ゴム糸の伸縮性を利用したものではなく、ゴ
ム糸表面の摩擦抵抗の大きさによる、滑り止めの作用を
応用したものである。
【0060】本発明の編織物は、糸ゴムを組織内に編成
しているので、従来の編織物の滑り止めに使用されてい
た、塗布や貼り付け方式とは違って、生地の伸縮性に対
応することができ、脱落の恐れもない。
【0061】本発明の編織物に使用の糸ゴムは、編成に
支障のない使い方をしているので、編地や口ゴム部に使
用できる。また縫糸やミシン糸としても使用できるの
で、編織物の縫製で同様の効果を期待することもでき
る。
【0062】本発明の編織物は、この糸ゴムの利用によ
り、ずり落ちや滑り止め防止の効果は何倍にも増大する
もので、この点従来にない斬新な発想に起因する発明品
で、これを原糸として利用したマットやカーペットやス
リッパの生地を始めとする各種の編織物品や紐やバンド
へと非常に広く利用しうる大変有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の編織物に使用される糸ゴムの一実施例
を示す縦断面図である。
【図2】図1の糸ゴムを使用した、本発明の編織物の一
実施例を示すサポーターの平面図である。
【図3】図2の口ゴム部の一実施例を示す組織図であ
る。
【図4】従来のカバードヤーンが収縮した状態を示す拡
大平面図である。
【図5】本発明の編織物に使用されるカバードヤーンか
らなる糸ゴムの拡大平面図である。
【図6】図5の糸ゴムを使用した、本発明の編織物の別
な実施例を示すサポーターの平面図である。
【図7】本発明の編織物に使用されるまた別の例を示す
本発明の糸ゴムで、(イ)は溶融前の平面図、(ロ)は
溶融後の平面図である。
【図8】図7の糸ゴムを使用した、本発明の編織物のま
た別な実施例を示す靴下の平面図である。
【図9】本発明の編織物に使用されるさらにまた別の例
を示す本発明のカバードヤーンからなる糸ゴムの平面図
である。
【図10】図9の糸ゴムを使用した、本発明の編織物の
さらにまた別な実施例を示す、ズボンの内側に縫着する
滑り止めバンドの平面図である。
【図11】図10のバンドの組織図である。
【図12】本発明の編織物のそしてまた別な実施例を示
す、トイレ用マットの平面図である。
【図13】本発明の編織物のさらに別な実施例を示す、
湯上がり用足拭きマットの平面図である。
【符号の説明】
1,101,301,401,501 本発明の編織物
に使用される糸ゴム 201a 本発明の溶融前
の糸ゴム 201b 本発明の溶融後
の糸ゴム 2,302 芯糸 3 摩擦抵抗の大き
なゴムまたは合成樹脂 4,104,204,304,404,504 本発明
の編織物 5,205 編織物の口ゴム
部 6 表糸 7,107,207a,207b ゴム糸等 8,108,208,408 編織物の生地 109,209,309 カバリング糸 110,210 縫製箇所 211 靴下の足底部 312 織物の組織図 513 組紐 C 従来のカバード
ヤーンのカバリング糸 G 従来のカバード
ヤーンのゴム糸 Y 従来のカバード
ヤーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D03D 15/10 D03D 15/10 D04B 21/00 D04B 21/00 B Fターム(参考) 3B018 AC01 AD02 HB01 3B028 AB04 HA00 3B030 BA01 BB04 4L002 AA05 AB02 AB04 AC01 BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BB02 BB03 BB04 CA04 CB03 EA00 FA01 FA02 FA05 FA06 4L048 AA00 AA16 AA26 AB05 AB07 AB17 AC12 AC19 CA04 DA01 DA13 DA15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸ゴムを使用した編織物であって、糸ゴ
    ムが各種芯糸の表面に摩擦抵抗の大きなゴムまたは合成
    樹脂を溶着させたものからなり、該糸ゴムを滑り止め用
    としたことを特徴とする編織物。
  2. 【請求項2】 糸ゴムを使用した編織物であって、糸ゴ
    ムがカバードヤーンからなり、該カバードヤーンはゴム
    糸等の伸張を少なく又は伸張しないでカバリング糸をル
    ーズに捲回さしたもので、該糸ゴムを滑り止め用とした
    ことを特徴とする編織物。
  3. 【請求項3】 糸ゴムを使用した編織物であって、糸ゴ
    ムがカバードヤーンからなり、ゴム糸等の伸張を少なく
    又は伸張しないでカバリング糸を巻回・編織後に熱湯も
    しくは薬液で溶融しうるようにし、該糸ゴムを滑り止め
    用としたことを特徴とする編織物。
  4. 【請求項4】 糸ゴムを使用した編織物であって、糸ゴ
    ムがカバードヤーンからなり、該カバードヤーンは各種
    芯糸の表面にゴム糸を捲回さしたもので、該糸ゴムを滑
    り止め用としたことを特徴とする編織物。
  5. 【請求項5】 糸ゴムが、縫糸、縦糸または横糸、単糸
    ・複数本の引き揃え・撚糸・添え糸・ゴム糸と併用にし
    たもので、全コース・1コースおき・不規則・柄として
    編織した請求項1または2、3または4記載の編織物。
  6. 【請求項6】 編物が、横編機・丸編機・縦編機で編成
    したものからなり、組織が平編・ゴム編・パール編から
    なる基本組織、タック編・浮き編・レース編・ペレリン
    編・添え糸編・パイル編・挿入編・インターシャ編等か
    らなる変化組織、メッシュ柄・ヘーマン柄・亀甲柄・ジ
    ャカード柄等からなる柄編組織、リブ編組織とした請求
    項1または2、3または4記載の編織物。
  7. 【請求項7】 編織物が、各種シート、マットやカーペ
    ット、敷布、和服、下着、腹巻、パンスト・タイツ・ス
    トッキング・オーバーニー・ハイソックス・短靴下・ア
    ンクレット・フートカバー・指割れソックスからなる靴
    下、サポーター、手袋、ベルト、組紐等とした請求項1
    または2、3または4記載の編織物。
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