JP7374251B2 - 編み紐製造方法、編み紐並びにそれを用いた布草履及び布草履製造方法 - Google Patents

編み紐製造方法、編み紐並びにそれを用いた布草履及び布草履製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、布草履等の編み物に使用される編み紐の製造等に関する。
布で作製された草履である布草履は、その快適性や健康面でのメリット等から、スリッパの代わりの室内履きとして普及している。
布草履は、藁を用いた藁草履と同様な方法で作製されるが、藁の代わりに、布から作製される編み紐を使用する。編み芯としてポリプロピレン(PP)ロープ等を使用して、これに編み紐を編み込んでいくことにより、布草履を作製する。布草履は、市販品として販売されているものもあるが、手作りすることも可能であり、布草履の作り方がインターネット上のホームページに公開されていたり、布草履作製の講習会が開催されていたりする。布草履を手作りする際には、古布より作製された編み紐を使用することが多い。古布を使用することにより、コストを抑えることができると共に、リサイクルという観点からSDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)に貢献することができる。
編み紐の材料となる古布として、Tシャツ、浴衣、タオル、シーツ等の古布が使用され、素材としては綿が好まれる。特許文献1では、ジーンズ布を使用した布草履が提案されている。ジーンズ布で外径1.2~2.0cmの筒状の筒紐(編み紐)を作製し、繊維ロープを芯材(編み芯)として筒紐を編み込んで、布草履を作製している。
登録実用新案第3055476号公報
一方、SDGsへの貢献という観点から、布製品の製造過程で発生する、新品であっても廃棄処分される部分、例えば端切れ等の有効活用法の一案として、布草履の編み紐及び布草履を作製することが考えられる。
しかしながら、端切れには糸が解けた箇所が存在することがあるので、その場合、端切れをそのまま編み紐として使用して布草履を作製するのは容易ではない。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、端切れ等のように糸が解けた状態となっている箇所を有する布を使用して作製され、布草履等の編み物の作製に適切に使用することができる編み紐製造方法、編み紐並びにそれを用いた布草履及び布草履製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 布から作製され、編み物を作製するために使用される編み紐の製造方法であって、任意の長さを有し、製織されている箇所である製織部及び製織されていない箇所である非製織部が短手方向に連接して長手方向に並列している基本布に対して、短手方向での向きを同じにして、当接する前記製織部の一部が重なるように短手方向の同じ向きにずらした状態で、複数の前記基本布を重合し、前記重なる製織部を縫合して縫合布を作製する第1縫製工程と、前記縫合布において、前記非製織部の範囲が狭い方の面である少起毛面を内側にして前記非製織部が露出するように前記縫合布を短手方向に折り畳んで、長手方向に縫合して作製される毛羽部、及び、前記非製織部の範囲が広い方の面である多起毛面を内側にして前記非製織部が露出しないように前記縫合布を短手方向に折り畳んで、長手方向に縫合して作製される非毛羽部のうち、少なくとも1つを備える前記編み紐を作製する第2縫製工程と、を有する編み紐製造方法。
<2> 前記第2縫製工程において、前記毛羽部及び前記非毛羽部が長手方向に連接する前記編み紐を作製する<1>に記載の編み紐製造方法。
<3> 前記基本布がタオルの端切れである<1>又は<2>に記載の編み紐製造方法。
<4> <1>から<3>のいずれかに記載の編み紐製造方法により作製されている編み紐。
<5> 製織されている箇所及び製織されていない箇所を有する布から作製され、編み物を作製するために使用される編み紐であって、前記製織されていない箇所が露出するように短手方向に折り畳まれて長手方向に縫合されている毛羽部と、前記製織されていない箇所が露出しないように短手方向に折り畳まれて長手方向に縫合されている非毛羽部と、のうち少なくとも1つを備える編み紐。
<6> 前記毛羽部及び前記非毛羽部を備える<5>に記載の編み紐。
<7> <4>から<6>のいずれかに記載の編み紐を使用して作製されている布草履。
<8> <4>から<6>のいずれかに記載の編み紐を使用して布草履を作製する布草履製造方法。
本発明の編み紐製造方法及び編み紐では、製織部及び非製織部を備える基本布を短手方向に折り畳んで編み紐を作製しているので、編み物を作製するのに適切な編み紐とすることができる。また、本発明の編み紐を用いることにより、効率的に布草履を作製することができる。
端切れの例の一部を示す平面図である。 端切れの一部が重合した状態を示す平面図である。 非毛羽部の作製手順の例を示す斜視図である。 毛羽部の作製手順の例を示す斜視図である。 毛羽部及び非毛羽部を備える編み紐を使用して作製された布草履の例を示す平面図である。 図5に示される布草履の土台の作製手順の例を説明するための図である。 図5に示される布草履の土台の作製手順の例を説明するための図である。 非毛羽部のみからなる編み紐並びにそれを使用して作製された土台及び布草履の例を示す図である。 毛羽部のみからなる編み紐並びにそれを使用して作製された土台及び布草履の例を示す図である。 編み紐を使用して作製された猫用カゴの例を示す斜視図である。
本発明は、布草履等の編み物を作製するために使用される編み紐に関連する発明である。本発明では、編み紐は布(基本布)から作製される。基本布は、本発明の目的を損なわないものであれば特に制限されず、例えば、古くなった布、衣服をほどいて布に戻したもの、再利用可能な使用済みの布等である古布の他に、タオル、ジーンズ、カットクロス等の製造過程において、裁断した後に残る布である端切れ等が含まれる。
本発明では、編み紐の基となる基本布は、製織されている箇所(製織部)と製織されていない箇所(非製織部)を有する。製織とは機械で織物(布)を織ることで、基本的には経糸と緯糸を組み合わせて織物を作ることを意味し、製織されているとは、経糸と緯糸が交錯して織られていることを指し、製織されていないとは、経糸と緯糸の交錯が解ける等によって一方の糸だけの状態になっていることを指す。
本発明に係る編み紐は、基本布を縫合して、非製織部が毛羽立つように露出している部分(毛羽部)と非製織部が露出していない部分(非毛羽部)の少なくとも1つを備えるように作製されている。毛羽部及び非毛羽部は、例えば、複数の基本布をずらした状態で重合して縫合することにより作製される、非製織部が多い面(多起毛面)と少ない面(少起毛面)を有する布(縫合布)から作製される。即ち、縫合布を短手方向に折り畳んで長手方向に縫合することにより編み紐を作製する際に、非製織部が露出するように折り畳むことにより毛羽部を作製し、非製織部が露出しないように折り畳むことにより非毛羽部を作製する。
毛羽部及び非毛羽部を共に備える編み紐を使用する場合、形状が異なる箇所を有する布草履等の編み物を作製することができる。つまり、編み物を作製するために編み紐を編み込む際に、毛羽部で構成される箇所と非毛羽部で構成される箇所を作製することにより、感触等が異なる箇所を構築することができる。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付し、説明を省略することがある。また、以下の説明における形状等は例示であり、本発明はこれらに限定されるものではない。更に、本実施形態は編み紐からの布草履の作製を例としているが、本発明は、布草履以外の編み物、例えば猫等のペット用のカゴ等の作製にも適用可能である。
まず、本発明に係る編み紐の製造方法の例について説明する。
本実施形態では、基本布としてタオルの端切れを使用し、タオルの端切れから編み紐を作製する。タオルの端切れは、タオルの製造過程でのタオルを織る時に発生する両端部分で、通常、この部分はタオルにならず廃棄されるが、編み紐として、更にそれから布草履の作製へと再利用することにより、SDGsに貢献することができる。
本実施形態では、端切れの基となるタオルの素材として綿を使用しているので、端切れの素材も綿である。なお、基本布として綿以外の素材を使用しても良いし、基本布としてタオル以外の端切れを使用しても良い。また、本実施形態では、基本布に白地のタオルの素材を使用しているが、着色(染色)された素材を使用してもよい。
図1は、端切れの例の一部を示す平面図である。端切れ10は、タオルが1枚ずつ裁断される前の製織工程で発生し、生地の両端(ミミ)部分である。よって、端切れ10はメートル単位の長さ(例えば25m)を有し、幅は約1.5~2cmである。また、図1に示されるように、製織されていない非製織部11及び製織されている製織部12を有する。非製織部11と製織部12は、短手方向に連接し、長手方向に並列している。
端切れ10から編み紐30の作製は、端切れ10から縫合布20を作製する第1縫製工程と、縫合布20から編み紐30を作製する第2縫製工程により行われる。
第1縫製工程では、複数の端切れ10を縫合して縫合布20を作製する。本実施形態では、3本の端切れ10a、10b及び10cを使用する。
3本の端切れ10a、10b及び10cを、この順番で、短手方向での向きを同じにして、即ち非製織部と製織部の位置関係を同じにして、短手方向にずれた状態で重合する。この際、当接する端切れ、即ち端切れ10a及び10b並びに端切れ10b及び10cでは、製織部の一部が重なるようにする。図2は、端切れ10a、10b及び10cが重合した状態を示しており、端切れ10aの上に端切れ10bが短手方向にずれて重合し、端切れ10bの上に端切れ10cが短手方向にずれて重合している。そして、端切れ10aの製織部の一部と端切れ10bの製織部の一部が重なっており、端切れ10bの製織部の一部と端切れ10cの製織部の一部が重なっている。なお、図2では、重合した状態をわかりやすく示すために、各端切れを長手方向にずらして表示している。
端切れ10a、10b及び10cを重合した状態で、重なっている製織部を長手方向に縫合して縫合布20を作製する。
このように端切れ10a、10b及び10cを短手方向にずらして縫合することにより、端切れ10b及び10cの非製織部はそれぞれ端切れ10a及び10bの製織部と重なるので、縫合布20に、非製織部の範囲が広い多起毛面と非製織部の範囲が狭い少起毛面が形成される。図2では、見えている面が多起毛面である。
第2縫製工程では、縫合布20を折り畳んで縫合することにより、編み紐30を作製する。本実施形態では、非毛羽部31及び毛羽部32を備える編み紐30を作製する。図3に非毛羽部31の作製手順の例を、図4に毛羽部32の作製手順の例をそれぞれ示す。図3(A)は縫合布20を多起毛面から見た斜視図、図3(B)は同じ向きから見た編み紐30の非毛羽部31の斜視図である。図4(A)は縫合布20を少起毛面から見た斜視図、図4(B)は同じ向きから見た編み紐30の毛羽部32の斜視図である。
非毛羽部31は、多起毛面が内側になるように縫合布20を短手方向に折り畳んで長手方向に縫合することにより作製される。まず、図3(A)に示されるように、縫合布20の多起毛面を上にして、縫合布20を短手方向に3つ折りにする。この際、矢印A1で示されるように、非製織部の長手方向の外縁が内側にくるように先に折り、その後、矢印A2に示されるように、製織部の長手方向の外縁が被さるように折ることにより、図3(B)に示されるように、非製織部が製織部に被覆されるようにする。そして、この状態で縫合布20を長手方向に縫合することにより、非毛羽部31を作製する。
毛羽部32は、少起毛面が内側になるように縫合布20を短手方向に折り畳んで長手方向に縫合することにより作製される。まず、図4(A)に示されるように、縫合布20の少起毛面を上にして、縫合布20を短手方向に3つ折りにする。この際、矢印B1で示されるように、製織部の長手方向の外縁が内側にくるように先に折り、その後、矢印B2に示されるように、非製織部の長手方向の外縁が被さるように折ることにより、図4(B)に示されるように、非製織部が長手方向の両側に露出した形になる。そして、この状態で縫合布20を長手方向に縫合することにより、毛羽部32を作製する。
本実施形態では、後述の図5に示される布草履40を作製するために、編み紐30は、非毛羽部31を2箇所、毛羽部32を1箇所備える。即ち、縫合布20の長手方向の一方の端から非毛羽部31を作製し、所定の長さの非毛羽部31を作製したところで折り畳む向きを逆にして毛羽部32を作製し、所定の長さの毛羽部32を作製したところで再度折り畳む向きを逆にして非毛羽部31をもう一方の端まで作製する。
なお、編み紐30は3本の端切れ10a、10b及び10cから作製されているが、編み紐が非毛羽部及び毛羽部を備えるようにできるのであれば、使用する端切れの数は3本以外でも良い。例えば、端切れが縫合布20と同程度の幅を有しているならば、端切れ1本から編み紐を作製しても良い。つまり、端切れの非製織部の方から先に折ることにより非製織部が製織部に被覆されるようにして非毛羽部を作製し、製織部の方から先に折ることにより毛羽部を作製する。この場合、毛羽部は、非製織部が編み紐の長手方向の片側だけに露出した形になる。
また、本実施形態では、上述の通り、基本布に白地のタオルの素材を使用しているが、これに代えて着色(染色)された素材を使用してもよいし、白地のタオルの素材からなる編み紐を作製した後に着色(染色)してもよい。
次に、編み紐30を使用して作製する布草履40について説明する。
編み紐30を使用して作製された布草履40の例を図5に示す。
図5は布草履40の平面図で、布草履40は、通常の布草履と同様に、土台41並びに鼻緒を構成する前緒42及び横緒43を備えており、土台41が編み紐30より作製される。布草履には、土台を作製する過程で鼻緒を編み込むタイプと、土台を作製した後で鼻緒を取り付けるタイプがあるが、本実施形態での布草履40は後者のタイプである。なお、前者のタイプの布草履も、編み紐30から作製可能である。
なお、本実施形態の布草履40の土台41は、白地のタオルの素材からなる編み紐30からなるため白色であるが、着色(染色)した編み紐を使用することで着色した土台とすることもできる。
土台41は足を載せる部分であり、上述のように、編み紐30より作製される。土台41において鼻緒と対向する範囲、具体的には前緒42を貫通させる前坪の近傍を通り土台41の短手方向に伸びる線(図5において破線C1)と、横緒43を貫通させる左右の貫通部44を結ぶ線(図5において破線C2)に挟まれた範囲(以下、「中央領域」とする)は、編み紐30の毛羽部32で作製されており、中央領域以外の足の爪先が位置する範囲(以下、「爪先領域」とする)及び足の踵が位置する範囲(以下、「踵領域」とする)は、編み紐30の非毛羽部31で作製されている。歩行時等で力が加わり摩耗し易い爪先領域及び踵領域を、毛羽部32より堅固な非毛羽部31で作製し、肌に触れる面積が広い中央領域を、肌触りや吸湿性が良い非製織部を有する毛羽部32で作製しているので、歩行し易く、履き心地が良く、長持ち可能な布草履となっている。なお、前緒のことを前坪と呼ぶことがあるが、本実施形態では、前緒42を貫通させる土台41の箇所を前坪と呼び、前緒と前坪を区別する。また、以下では、土台41において、爪先領域の方を前方、踵領域の方を後方とし、鼻緒と対向する側(図5において見えている側)を表側、反対側を裏側とする。
前緒42は、横緒43の中央に結着され、土台41の前方で短手方向の中央近辺に設けられた前坪を通して土台41の表側から裏側へ貫通されて土台41に結着される。これにより、横緒43を土台41に固着する。前坪は土台41の編み目の間に設けられる。布草履40を履く際には前緒42を足の親指と人差し指で挟むことになるので、土台41と横緒43の間に適度な間隙(例えば0.5~1cm)ができるように、土台41の表側に露出する前緒42の長さが調節されている。土台41の前方における前坪の位置も、前緒42を足の親指と人差し指で挟んだ状態での爪先の位置を考慮した適切な位置となっている(例えば土台41の前方端から4~5cmの位置)。前緒42として、綿を素材とした布を使用する。なお、綿素材の布以外のものを前緒42として使用しても良く、端切れ10、縫合布20又は編み紐30を使用しても良い。
横緒43は、中央に結着される前緒42の使用と、土台41の後方で短手方向にて対称的に並んで設けられた貫通部44に両端部がそれぞれ貫通されて土台41に結着されることにより、土台41に固着される。横緒43は、前緒42が結着される箇所を境に、土台41の表側から見て右側に配置される横緒43aと左側に配置される横緒43bで構成されている。貫通部44は土台41の編み目の間に4つ(貫通部44a、44b、44c及び44d)設けられており、横緒43aの端部を土台41に結着するために貫通部44a及び44cが使用され、横緒43bの端部を土台41に結着するために貫通部44b及び44dが使用される。貫通部44aと44bは土台41の短手方向において対称的な位置に設けられている。貫通部44c及び44dは、短手方向では、土台41の外縁からの距離が貫通部44a及び44bとそれぞれ同じ距離で、長手方向では、貫通部44a及び44bよりそれぞれ2目ほど中央寄りに設けられている。土台41の後方における貫通部44a及び44bの位置は、布草履40を履いた状態での安定性や感触等を考慮した適切な位置となっている(例えば土台41の後方端から5~6cmの位置)。なお、貫通部44aと44cを共用して1つの貫通部としても良く、貫通部44bと44dも共用して1つの貫通部としても良い。
横緒43aの端部は、貫通部44aを通して土台41の裏側へ貫通され、貫通部44aに近接する土台41の外縁を巻き込むようにして外周側から土台41の表側に回り込み、貫通部44cを通して再度土台41の表側から裏側へ貫通されている。横緒43bの端部も、同様の構造により、貫通部44b及び44dを通して土台41の表側から裏側へ貫通されている。そして、横緒43a及び43bの端部を、土台41と共に結着している。
横緒43において貫通部44a及び44bから土台41の表側に露出している部分(以下、「露出部」とする)は、布草履40を履いた時に足の甲に接触するので、弾力性や快適性等を考慮して、クッション材が使用されている。即ち、横緒43の露出部は、筒状に形成された布材の内部にクッション材を入れて作製されている。クッション材として、ポリエステルや綿等を素材とした手芸わた等を使用する。コスト等を考慮して、クッション材ではなく、クッション材より安価なPPロープ等を使用しても良い。露出部以外の横緒43の部分は、上述のように貫通部44から土台41に貫通させられたり、結着させられたりするので、クッション材等は使用せず、布材のみから作製されている。布材として、前緒42と同様に、綿を素材とした布を使用する。また、本実施形態では、デザイン性を考慮して、横緒43aと43bとで柄が異なる布材を使用しているが、同じ柄の布材を使用しても良い。なお、横緒43の布材として綿素材の布以外のものを使用しても良く、編み紐30と同様に古布等を使用しても良い。
このような構造の布草履40において、編み紐30を使用して作製される土台41の作製手順について説明する。
図6及び図7は土台41の作製手順の例を説明するための図であり、土台41は編み芯45に編み紐30を編み込むことにより作製される。なお、土台41は既知の手順に基づいて作製されるので、以下では、作製手順の概略を説明する。
本実施形態では、編み芯45として非毛羽部31のみからなる編み紐を使用する。また、図5に示されるように、土台41は非毛羽部31で作製される爪先領域及び踵領域と毛羽部32で作製される中央領域で構成されるので、編み紐30は各領域で必要な長さの非毛羽部31を2箇所と毛羽部32を1箇所備えるように作製されている。なお、編み芯45として、PPロープ等を使用しても良い。
まず、土台41の芯となるように編み芯45を組む。図6(A)に示されるように、布草履用の編み台50を机等の端に万力60で固定する。そして、1本の編み芯45を、外側に一重の輪(以下、「外側編み芯45a」とする)、内側に二重の輪(以下、「内側編み芯45b」とする)を作って、編み台50に掛かるようにする。内側編み芯45bの手前部分(図6(A)での下側)の4本を洗濯バサミ73で留め、奥側の左右端の2本ずつを洗濯バサミ71及び72で留める。外側編み芯45aが土台41の両端に、内側編み芯45bが土台41の内側の芯になる。なお、洗濯バサミの代わりに、編み芯を挟持できるものであれば使用可能で、例えばクリップ等を使用しても良い。
編み芯45を組んだら、図6(B)に示されるように、外側編み芯45aを持ち上げ、外側編み芯45aの手前部分に、編み紐30の端部を15cmほど残して1周巻き付ける。この部分は土台41の爪先領域となる箇所であり、土台41は爪先領域、中央領域、踵領域の順番で編み上げられていく。
図6(C)に示されるように、内側編み芯45bを持ち上げ、洗濯バサミ73で留められて小さな輪となっている中に編み紐30の編み始めで15cmほど残した部分を上から通す。そして、図6(B)において外側編み芯45aの左下に位置する編み紐30の束を内側編み芯45bの左下から上側に通し、外側編み芯45aとの間を通して右下にもっていく。
外側編み芯45aの右下にきた編み紐30を、図6(D)に示されるように、外側編み芯45aに1周巻き付け、内側編み芯45bの下を通して、反対側の外側編み芯45aに巻き付ける。
その後は、図6(E)に示されるように、外側編み芯45aと内側編み芯45bの間を波打つように上下に移動させながら、編み紐30を編み上げていく。この際、図6(F)に示されるように、編み込まれた編み紐30を手前に引くことにより、形や編み込みの強さを適宜調節する。
編み紐30を踵領域まで編み込んだら、編み込まれた編み紐30を編み台50から外す。本実施形態では長手方向の長さが約24.5cmの土台41を作製している。編み台50から外した状態では、図7(A)に示されるように、余分な編み紐30及び編み芯45が残っているので、形を整えながら、余分な部分を切り落としたり、端部を編み目に挟入したり等して、処置する。土台41の厚みは約1.5cmとなっており、クッション性に優れたものとなる。
以上の手順を2回行うことにより、図7(B)に示されるように、爪先領域及び踵領域が非毛羽部31で、中央領域が毛羽部32である1組の土台41を作製する。図7(B)では、爪先領域が上側で、見えている側が表側になっている。
なお、土台41の作製は、上述以外の手順で行っても良い。また、非毛羽部31及び毛羽部32とする範囲の数及び位置は任意に設定可能である。土台41の長さも任意に設定可能である。土台41の長さを変える場合、編み紐30における非毛羽部31と毛羽部32の長さの比率を変えなければ、爪先領域及び踵領域を非毛羽部31、中央領域を毛羽部32にすることができる。
上述の実施形態では、非毛羽部31及び毛羽部32を備える編み紐30を作製し、その編み紐30を使用して布草履40を作製しているが、非毛羽部のみからなる編み紐又は毛羽部のみからなる編み紐を作製し、それを使用して布草履を作製することも可能である。
非毛羽部のみからなる編み紐及びそれを使用して作製された布草履の例を図8に示す。図8(A)に非毛羽部のみからなる編み紐130の一部を示し、図8(B)に編み紐130を使用して作製された土台141(片方のみ)及びそれを用いた布草履140(片方のみ)を示す。非毛羽部のみからなる編み紐130を使用することより、全体として堅固な布草履を作製することができる。
毛羽部のみからなる編み紐及びそれを使用して作製された布草履の例を図9に示す。図9(A)に毛羽部のみからなる編み紐230の一部を示し、図9(B)に編み紐230を使用して作製された土台241(片方のみ)及びそれを用いた布草履240(片方のみ)を示す。毛羽部のみからなる編み紐230を使用することにより、全体として肌触りや吸湿性が良い布草履を作製することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、前述のように、上記の編み紐を使用してペット用のカゴを作製することが可能である。図10は、編み紐を使用して作製した猫用カゴの例を示す斜視図である。図10に示される猫用カゴ80は、猫の胴体が収まる形状となっている。
上記形態において明示的に開示されていない事項、例えば編み芯の長さ等は、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用することができる。
10、10a、10b、10c 端切れ
11 非製織部
12 製織部
20 縫合布
30、130、230 編み紐
31 非毛羽部
32 毛羽部
40、140、240 布草履
41、141、241 土台
42 前緒
43、43a、43b 横緒
44、44a、44b、44c、44d 貫通部
45 編み芯
45a 外側編み芯
45b 内側編み芯
50 編み台
60 万力
71、72、73 洗濯バサミ
80 猫用カゴ

Claims (7)

  1. 布から作製され、編み物を作製するために使用される編み紐の製造方法であって、
    任意の長さを有し、製織されている箇所である製織部及び製織されていない箇所である非製織部が短手方向に連接して長手方向に並列している基本布に対して、短手方向での向きを同じにして、当接する前記製織部の一部が重なるように短手方向の同じ向きにずらした状態で、複数の前記基本布を重合し、前記重なる製織部を縫合して縫合布を作製する第1縫製工程と、
    前記縫合布において、前記非製織部の範囲が狭い方の面である少起毛面を内側にして前記非製織部が露出するように前記縫合布を短手方向に折り畳んで、長手方向に縫合して作製される毛羽部、及び、前記非製織部の範囲が広い方の面である多起毛面を内側にして前記非製織部が露出しないように前記縫合布を短手方向に折り畳んで、長手方向に縫合して作製される非毛羽部が、前記縫合布を折り畳む向きを逆にすることにより、長手方向に連接する形状となる前記編み紐を作製する第2縫製工程と、を有することを特徴とする編み紐製造方法。
  2. 前記基本布がタオルの端切れである請求項1に記載の編み紐製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の編み紐製造方法により作製されていることを特徴とする編み紐。
  4. 請求項に記載の編み紐を使用して作製されていることを特徴とする布草履。
  5. 請求項に記載の編み紐を使用して布草履を作製することを特徴とする布草履製造方法。
  6. 請求項に記載の編み紐を使用して作製されていることを特徴とするペット用カゴ。
  7. 請求項に記載の編み紐を使用してペット用カゴを作製することを特徴とするペット用カゴの製造方法。
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捨てみみの再利用 | 株式会社丸山タオル|今治タオルメーカー,[online],2021年11月30日,<URL:https://web.archive.org/web/20211130185913/https://maruyamatowel.co.jp/company/ecology/mimi/>,[2023年5月30日検索]

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