JP6658241B2 - 金属原料の溶解方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アーク式電気炉による金属原料の溶解方法に関する。
アーク式電気炉に、スクラップ、溶銑、鋳銑、還元鉄等の金属原料と、石灰、石灰石、アルミナ、硅石等の副原料とを装入原料として装入し、金属原料と電極との間にアークを発生させて、金属原料(溶銑を除く。)を溶解することが一般的に行われている。金属原料の溶解時には突沸が発生する場合がある。突沸が発生すると、大量の溶融金属が炉外に吹き出し、電気炉の操業を一時停止する等の対応が必要となり、能率上問題となる。特に、C量の高い金属原料、例えば、溶銑、凝固した鋳銑(以下、「冷銑」ともいう。)、還元鉄等を装入して溶解する場合に突沸が生じやすいため、その対策が必要となる。
例えば、アーク式電気炉に溶銑を装入し、スクラップを溶解させると、溶融金属中(以下、「溶湯」ともいう。)のCとスラグ中のO(FeO)とが反応して突沸が発生する原因となる。特許文献1には、この突沸を防止するため、スラグのT.Fe(%)(すなわち、スラグ中のFeO(%))が所定の値以上であるときは、スラグ中にコークス粉を添加してスラグ中のT.Fe(%)を低下させる技術が開示されている。
また、C量が少なく、かつ、金属化率の小さい(すなわち、FeO量が大きい)直接還元鉄ペレットを溶解させた際に、直接還元鉄ペレットのFeOの分解で生じたOが直接還元鉄ペレットのCと反応できずに溶湯中のCと反応してCOが生成され、突沸が生じることに対して、特許文献2には、直接還元鉄ペレット中のC量を2.0質量%以上とし、かつ、金属化率を90%以上とすることで突沸の発生を防止できることが記載されている。
特開平11-293324号公報 特開平2−185913号公報
しかし、上記特許文献1では、溶けた溶銑でなく、凝固した鋳銑を装入してもよいことが記載されている。凝固した鋳銑を装入した場合には、凝固した鋳銑のCと溶融金属のOが反応するため、突沸が発生する。また、上記特許文献2では、直接還元鉄ペレット中のCが2.0質量%以上と高いため、直接還元鉄ペレット中のCが溶湯中のOと反応し、結果として突沸が発生すると考えられる。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、C量の高い金属原料を用いた場合にも、突沸の発生を防止することが可能な、新規かつ改良された金属原料の溶解方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、アーク式電気炉に、金属原料と副原料とからなる装入原料を装入し、金属原料は、2.0質量%以上のCを含有する高炭素冷鉄源を含み、副原料は、溶融金属の酸化抑制、脱P処理、脱S処理、およびスラグの流動性実現のうち1以上の目的のために装入される原料であって、CaO源、Al源、SiO源のうち少なくとも1つを含み、装入原料は、高炭素冷鉄源を、当該装入原料の10質量%以上50質量%以下、篩目25mm以上の副原料を、当該装入原料の5質量%以上30質量%以下、篩目3.15mm以下の副原料を、当該装入原料の3質量%以上を含む、金属原料の溶解方法が提供される。
高炭素冷鉄源は、例えば凝固した鋳銑であってもよい。
以上説明したように本発明によれば、C量の高い金属原料を用いた場合にも、突沸の発生を防止することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
<1.アーク式電気炉による金属溶解>
アーク式電気炉は、電気によって金属原料を溶解するための設備である。電気炉の炉体は、一般に、溶融金属原料を保持する炉底及び側壁部からなる浴部と、装入原料を保持する上部水冷側壁部と、炉蓋とからなる。なお、以下において、浴部と上部水冷側壁部とを合せて炉本体と表記する場合もある。浴部の内側面には耐火物が施工されている。また、炉本体の開口部を覆う炉蓋には、炉本体内に挿入される電極が設けられている。
このような炉本体に、スクラップ、合金鉄、鋳銑、粒鉄等の金属原料と、使用済アルミナ系耐火物、アルミ灰等のアルミナ源と、生石灰または石灰石のうち少なくともいずれか一方とを装入した後、炉蓋をかぶせ、電極を金属原料に向け近接させる。そして、電極に電圧を印加すると、炉本体内で金属原料と電極との間にアークが発生し、この際に生じるアーク熱によって金属原料が溶解される。さらに、ノズルを介して酸素を吹き込み、リン、珪素等の不純物の除去や炭素濃度の調整を行うとともに、溶融金属の温度を上昇させて金属原料の溶解を促進させる。
<2.金属原料の溶解方法>
[2−1.高炭素冷鉄源装入時の突沸発生のメカニズム]
まず、2.0質量%以上のCを含有する高炭素冷鉄源(以下、「高炭素冷鉄源」とする。)を含む金属原料の溶解時の突沸発生のメカニズムについて説明する。本願発明者らは、高炭素冷鉄源を含む金属原料の溶解時の突沸は、上記特許文献1、2とは異なるメカニズムで発生することを知見した。
アーク式電気炉により金属原料を溶解するにあたり、まず、アーク式電気炉に、金属原料として高炭素冷鉄源及び副原料が装入される。高炭素冷鉄源としては、例えば、凝固した鋳銑、凝固した鋳鋼等である。このとき装入された副原料は、高炭素冷鉄源の一部に付着する。
アーク式電気炉の通電を開始すると、アークにより、高炭素冷鉄源は溶解され、溶湯となる。ここで、高炭素冷鉄源の表面に副原料が付着しているが、副原料の大きさに応じて高炭素冷鉄源の溶解速度が異なる。
高炭素冷鉄源の表面に付着している副原料が塊状である場合、この塊状副原料は溶湯と接触しても迅速には溶解しない。このため、未溶解の塊状副原料に覆われている高炭素冷鉄源の表面部分は溶湯と接触することができず、溶解しにくい。なお、「塊状」とは、例えば、JIS Z8801−2:2000の公称目開き25mmの板ふるいの篩上に残留する大きさのものをいい、以下、本発明では「篩目25mm以上」のものを「塊状」という。
一方、副原料が付着していない高炭素冷鉄源の表面部分は、溶湯と接触し、溶解する。また、高炭素冷鉄源の表面に付着している副原料が微粉である場合も、微粉副原料は溶湯と接触して迅速に溶解するので、微粉副原料に覆われていた高炭素冷鉄源の表面部分も溶湯と接触し、溶解する。なお、「微粉」とは、JIS Z8801−2:2000の公称目開き3.15mmの板ふるいの篩下にある大きさのものをいい、以下、本発明では「篩目3.15mm以下」のものを「微粉」という。これらの高炭素冷鉄源の表面部分の溶解により、溶湯面は徐々に上昇する。
微粉副原料が付着している高炭素冷鉄源の表面部分では、微粉副原料は、徐々に上昇する溶湯面と接触して迅速に溶解する。このため、高炭素冷鉄源に含まれるC(炭素)と溶湯中に含まれるO(酸素)との反応により、COが発生する。この表面部分では、徐々に上昇する溶湯面の上昇に応じてCOが発生するため、発生するCOは突沸状態にはならない。また、副原料が付着していない高炭素冷鉄源の表面部分も同様に、徐々に上昇する溶湯面の上昇に応じてCOが発生するため、発生するCOは突沸状態にはならない。
一方、高炭素冷鉄源の表面に付着した塊状副原料は、溶湯と接触しても、溶け残ったまま、溶湯面は上昇していく。
また、アーク式電気炉には溶湯流動が生じている。例えば、アーク式電気炉が、3つの電極と溶融金属との間に三相交流アークを発生させる三相交流アーク式電気炉である場合、電気炉を平面視すると、略円形の側壁部の中心部分に3つの電極が略等角度で配置されている。このとき各電極から発生するアークには、電磁力によって平面視して半径方向外向きに力が働くため、アークは垂直でなく側壁部に向かうように傾けられる。このため、アークは、電気炉を平面視して炉中心から電極中心を通って側壁部方向に延長した仮想線に沿って、高温ガスのジェット流(以下、「アークジェット流」ともいう。)を側壁部に吹きつける。この溶融金属の湯面表層部を流れるアークジェット流は高速であり、湯面にせん断力を与え、アークジェット流に沿った溶湯流動を生じさせる。
このような溶湯流動等の影響により、高炭素冷鉄源に付着していた塊状副原料が突然高炭素冷鉄源から剥がれると、塊状副原料に覆われていた高炭素冷鉄源の表面部分が露出する。塊状副原料はそのサイズが大きいため、高炭素冷鉄源に接していた面積も大きい。このため、塊状副原料が高炭素冷鉄源から剥がれることにより、高炭素冷鉄源と溶湯との接触面積も大きくなる。ここで、高炭素冷鉄源はC量が2.0質量%以上と大きいため、溶湯との接触面積が大きいと、高炭素冷鉄源から一気に大量のCが溶けだして、瞬時に多量のCOガスが生成する。これが高炭素冷鉄源を含む金属原料の溶解時の突沸発生要因である。
[2−2.金属溶解条件]
上記の高炭素冷鉄源を含む金属原料の溶解時の突沸発生のメカニズムを踏まえ、本実施形態では、以下の条件で金属原料を溶解させることで、高炭素冷鉄源を含む金属原料の溶解時にも突沸を発生させないようにする。
(A)金属原料
溶解する金属原料は、C量が2.0質量%以上の冷鉄源である高炭素冷鉄源を含むものとする。上述したように、突沸は、高炭素冷鉄源はC量が2.0質量%以上と大きく、溶湯との接触面積が大きくなると高炭素冷鉄源から一気に大量のCが溶けだして、瞬時に多量のCOガスが生成するために発生する。したがって、C量が2.0質量%未満の冷鉄源では、冷鉄源に付着した塊状副原料が溶湯流動により剥がれた場合でも、塊状副原料に覆われていた冷鉄源の面積部分から溶出するC量が小さいので、急激なCOガス発生の反応は起こりにくい。
高炭素冷鉄源には、例えば、凝固した鋳銑、凝固した鋳鋼、還元鉄等がある。例えば、凝固した鋳銑は、高炭素冷鉄源としてはC量が高く、これに含まれるC量は4.4質量%程度である。なお、高炭素冷鉄源に含まれるC量の上限は特に限定されないが、高炭素冷鉄源としてC量の高い凝固した鋳銑を用いた場合は、高炭素冷鉄源に含まれるC量の上限は、溶銑飽和溶解度の4.4質量%程度である。また、高炭素冷鉄源として高炭素の合金鉄(例えばフェロクロム)を用いた場合は、C量の上限は約8質量%程度である。
また、装入原料に対する高炭素冷鉄源の割合は、装入原料の10質量%以上50質量%以下とする。高炭素冷鉄源は、溶解し始めの状態では粘度が高く、炉壁に付着しやすい。このため、高炭素冷鉄源が装入原料の50質量%超となると、炉壁(例えば、コールドスポット)周辺への高炭素冷鉄源の付着量が過大になり、溶解処理の進行を阻害してしまう。このため、高炭素冷鉄源は、装入原料の50質量%以下とする。一方、装入原料に対する高炭素冷鉄源の割合の下限は特に限定されないが、装入原料の10質量%未満となると上述の突沸現象は発生しない。本実施形態に係る金属溶解方法は、装入原料に対する高炭素冷鉄源の割合が装入原料の10質量%以上であるときに有効である。なお、金属原料に、高炭素冷鉄源以外に含まれるものとしては、例えばC量が2.0質量%未満の金属原料を含んでもよい。
(B)副原料
副原料は、CaO源、Al源、SiO源のうち少なくともいずれか1つを含む。副原料は、電気炉中の鉄(溶融金属)の酸化抑制や、脱P処理、脱S処理、効果的なスラグの流動性の実現等のために用いられる。CaO源は、例えば生石灰、石灰石、転炉脱炭スラグ等である。Al源は、例えばアルミナ系耐火物等である。SiO源は、例えば珪石等である。
装入原料に対する副原料の割合は、塊状副原料を装入原料の5質量%以上30質量%以下とし、微粉副原料を装入原料の3質量%以上とする。上述したように、塊状副原料は篩目25mm以上の副原料であり、微粉副原料は篩目3.15mm以下の副原料である。
塊状副原料は、電気炉に装入されたものの一部は、高炭素冷鉄源に付着する。高炭素冷鉄源に付着した塊状副原料は、通電開始後も溶解は進まず、高炭素冷鉄源に付着した状態を維持しているが、溶湯流動等により高炭素冷鉄源から剥がれることがある。高炭素冷鉄源に付着した塊状副原料が突然高炭素冷鉄源から剥がれると、塊状副原料が覆っていた高炭素冷鉄源の表面部分が溶湯に接触する。溶湯と高炭素冷鉄源との接触面積は大きく、高炭素冷鉄源から溶湯へ溶けだした大量のCと溶湯のOとが反応して一気にCOを生成し、突沸の発生につながる。装入原料に対する塊状副原料の割合が多いほど突沸発生の可能性が高まり、塊状副原料が装入原料の5質量%以上あると突沸の発生につながる。
このような課題に対し、本願発明者らは鋭意検討した結果、塊状副原料が装入原料の5質量%以上あっても、篩目3.15mm以下の微粉副原料が装入原料の3質量%以上あれば、以下の理由により、突沸の発生が防止できることを知見した。
アーク式電気炉への通電を開始し、金属原料が溶解するにつれ、溶湯面は徐々に上昇する。このとき、微粉副原料は、溶湯との接触により迅速に溶解する。特に、微粉副原料を装入原料の3質量%以上含むようにすると、スラグの溶融化が促進される。この溶融化が促進されたスラグ(以下、「溶融スラグ」という。)は、溶湯に比べ比重が軽いので溶湯上に浮上する。金属原料の溶解に伴い溶湯面は徐々に上昇し、溶湯面の上昇に伴い溶融スラグ面も徐々に上昇する。そして、高炭素冷鉄源に付着した塊状副原料が、徐々に上昇する溶融スラグと接触する。その結果、塊状副原料の溶解が促進され、高炭素冷鉄源の露出が進み、著しい場合は塊状副原料が溶けてなくなる。このように、微粉副原料によるスラグの溶融化の促進により、高炭素冷鉄源に付着した塊状副原料が高炭素冷鉄源から剥がされるのではなく、徐々に溶解させることができる。その結果、急激なCOガスの発生がなく、突沸の発生を抑制することができる。
微粉副原料を活用した、高炭素冷鉄源に付着した塊状副原料の溶解の促進は、塊状原料の装入原料に対する割合が30質量%までが限界である。また、装入原料に対する微粉副原料の割合の上限は特に限定されないが、通常、微粉副原料は、装入原料の25質量%程度とされる。
(C)溶湯中への酸素吹き込み
本実施形態に係る金属溶解方法では、溶湯中に酸素を吹き込み、スラグフォーミングを行ってもよい。溶湯中に酸素を吹き込むと、酸素が溶湯中の炭素と反応し、COガスが発生する。溶湯中に発生したCOガスはスラグ下面まで上昇して、スラグ中に侵入し、スラグフォーミング(スラグの泡立ち)を起こす。このように、スラグフォーミングを行い、電極をスラグの泡で覆った状態で通電することで、炉壁の耐火物の損耗を低減できる。
溶融金属への酸素の吹き込みは、ノズルを介して行われる。溶融金属への酸素の吹き込みは、例えば、ノズルの先端を溶融金属中に挿入した状態で行ってもよく、溶融金属表面に対して上方から強く噴射してもよい。酸素を溶融金属に対して吹き込むことにより、溶融金属中の炭素と吹き込まれた酸素ガスとを反応させて、溶融金属中でCOガスを発生させる。
ここで、電気炉内の溶融金属に対する酸素吹き込み量は、5Nm/t/h以上15Nm/t/h以下が望ましい。酸素吹き込み量が5Nm/t/h未満であると、溶融金属中の炭素と反応して発生するCOガスが不足するため、泡立ち量が不足し、耐火物の損耗の抑制効果が小さい。一方、酸素吹き込み量が15Nm/t/h超であると、スプラッシュが発生し、電極に溶着して通電の安定性を損なうため操業を続行することができなくなる。したがって、電気炉内の溶融金属に対する酸素吹き込み量は、5Nm/t/h以上15Nm/t/h以下とするのがよい。
<3.まとめ>
以上、本発明の一実施形態に係るアーク式電気炉を用いた金属原料の溶解方法について説明した。本実施形態によれば、アーク式電気炉に、金属原料と副原料とからなる装入原料を装入し、金属原料は、2.0質量%以上のCを含有する高炭素冷鉄源を含み、副原料は、溶融金属の酸化抑制、脱P処理、脱S処理、およびスラグの流動性実現のうち1以上の目的のために装入される原料であって、CaO源、Al源、SiO源のうち少なくとも1つを含む。そして、装入原料は、高炭素冷鉄源を、当該装入原料の10質量%以上50質量%以下、篩目25mm以上の副原料を、当該装入原料の5質量%以上30質量%以下、篩目3.15mm以下の副原料を、当該装入原料の3質量%以上を含むようにする。
これにより、装入原料に3質量%以上含まれる微粉副原料が迅速に溶解して、スラグの溶融化を促進する。金属原料の溶解に伴い溶融スラグ面も徐々に上昇して、高炭素冷鉄源に付着した塊状副原料と接触していき、塊状副原料の溶解を促進する。塊状副原料は、迅速に溶けてなくなるため、急激なCOガスの発生がなく、突沸の発生を抑制することができる。
また、本実施形態に係る金属原料の溶解方法によれば、高炭素冷鉄源として、高炭素冷鉄源としてC量の高い凝固した鋳銑を用いることも可能となる。
以下、本発明のアーク式電気炉を用いた金属原料の溶解方法の有効性について検証した結果を示す。本実施例では、平面視したとき円形形状である、100tの溶湯が溶製できるアーク式電気炉を用い、金属原料及び副原料を電気炉に装入し、溶解した。
(1)電気炉装入物配合
本実施例では、金属原料100.0t、副原料80.0tからなる合計180.0tの装入原料を電気炉に装入した。
(金属原料)
金属原料として、高炭素冷鉄源とスクラップとを合計100.0tとなるように装入した。高炭素冷鉄源の装入割合は、装入原料180.0tの50質量%(90.0t)、10質量%(18.0t)、0質量%(0t)の3水準とした。そして、その他の金属原料として、スクラップを高炭素冷鉄源との合計が100.0tとなるように装入した。高炭素冷鉄源のC量は、4.4質量%(凝固した鋳銑)、2.0質量%(還元鉄ペレット)の2水準とした。スクラップのC量は、0.5質量%である。
(副原料)
副原料は、塊状副原料として篩目25mm以上の塊状転炉脱炭スラグと、微粉副原料として篩目3.15mm以下の微粉転炉脱炭スラグとを、合計80.0tとなるように装入した。塊状転炉脱炭スラグの装入割合は、装入原料180.0tの35質量%(63.0t)、30質量%(54.0t)、5質量%(9.0t)の3水準とした。微粉転炉脱炭スラグの装入割合は、装入原料180.0tの3質量%(5.4t)、0質量%(0t)の2水準とした。また、その他副原料として、篩目3.15mm超、篩目25mm未満のその他転炉副原料を、塊状転炉脱炭スラグ及び微粉転炉脱炭スラグとの合計が80.0tとなるように装入した。
(2)溶解条件
炉本体に装入された金属原料及び副原料に対して、24インチ径のアーク電極3本を挿入し、40MWの電力で合計60分通電した。溶融金属中への酸素吹き込み量は15Nm/t/hとした。なお、溶融金属中への酸素吹き込みを行わない場合には、溶融金属には酸素が届かないように、スラグ中に酸素を吹き込んだ。この場合にも酸素吹き込み量は15Nm/t/hとした。
(3)溶解結果
下記表1に示す各実施例、比較例及び参考例について、上記の溶解条件にて金属原料を溶解し、突沸評価を行った。突沸評価は、目視により、溶湯の炉外への急激な噴出の兆候がみられたか否かにより行った。溶湯の炉外への急激な噴出の兆候が見られなかった場合には評価を○とし、溶湯の炉外への急激な噴出の兆候が見られた場合には評価を×とした。
Figure 0006658241
表1に示すように、実施例1、2は、本発明に係る金属材料の溶解方法を用いて、高炭素冷鉄源を上限の装入原料の50質量%、塊状副原料を上限の装入原料の30質量%、微粉副原料を下限の装入原料の3質量%装入し、金属原料の溶解を行った。高炭素冷鉄源として、実施例1ではC量が4.4質量%の凝固した鋳銑を用いており、実施例2ではC量が2.0質量%の還元鉄ペレットを用いた。実施例1、2のいずれの場合にも、溶湯の炉外への急激な噴出の兆候が見られなかった。
比較例1は、実施例1と比較して、装入原料に対する塊状副原料の割合を上昇させた場合であり、比較例2は、実施例1と比較して、微粉副原料を配合しなかった場合である。いずれの場合にも、溶湯の炉外への急激な噴出の兆候が見られた。これは、塊状副原料の溶解が促進される状態とならず、溶湯流動等により塊状副原料が高炭素冷鉄源から剥がれて急激にCOガスが発生してしまったためと考える。
比較例3、4では、実施例1、2と比較して、装入原料に含まれる高炭素冷鉄源の割合を減らし、C量が2.0質量%の還元鉄ペレットを用いた。また、比較例3では、装入原料に対する塊状副原料の割合を上昇させ、比較例4では、装入原料に対する塊状副原料の割合を減少させるとともに、微粉副原料を配合しなかった。比較例3、4のいずれの場合にも溶湯の炉外への急激な噴出の兆候が見られた。比較例1、2と同様、塊状副原料の溶解が促進される状態とならず、溶湯流動等により塊状副原料が高炭素冷鉄源から剥がれて急激にCOガスが発生してしまったためと考える。
参考例1として、金属原料に高炭素冷鉄源を含まない場合を示す。参考例1では、実施例1、2よりも副原料のうち塊状副原料の割合を高くしたが、溶湯の炉外への急激な噴出の兆候は見られなかった。これは、金属原料に含まれるC量が2.0質量%未満であるため、溶湯流動等の影響により、金属原料に付着していた塊状副原料が突然金属原料から剥がれ、溶湯と接触しても、金属原料から一気に大量のCが溶けだすことがないためである。
なお、いずれの実施例、比較例及び参考例においても、電気炉の耐火物の損耗はなかった。また、溶湯中への酸素吹き込み量を5Nm/t/hと弱めた場合も、突沸及び耐火物の損耗は、上述の同様な傾向であった。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (2)

  1. アーク式電気炉に、金属原料と副原料とからなる装入原料を装入し、
    前記金属原料は、2.0質量%以上のCを含有する高炭素冷鉄源を含み、
    前記副原料は、溶融金属の酸化抑制、脱P処理、脱S処理、およびスラグの流動性実現のうち1以上の目的のために装入される原料であって、CaO源、Al源、SiO源のうち少なくとも1つを含み、
    前記装入原料は、
    前記高炭素冷鉄源を、当該装入原料の10質量%以上50質量%以下、
    篩目25mm以上の前記副原料を、当該装入原料の5質量%以上30質量%以下、
    篩目3.15mm以下の前記副原料を、当該装入原料の3質量%以上を含む、金属原料の溶解方法。
  2. 前記高炭素冷鉄源は、凝固した鋳銑である、請求項1に記載の金属原料の溶解方法。
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