JP7477760B2 - 電気炉の操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気炉の操業方法に関する。
アーク式電気炉の操業では、スラグをフォーミングさせ、電極先端から溶鋼浴面へ照射されるアークをフォーミングスラグで覆うことによって、アークから発生する輻射熱をスラグへ取り込んで熱効率を高めている。
特開2003-293024号公報には、スラグ層に酸素ガスと同時に炭材を吹き込み、スラグのフォーミングを起こさせる電気炉の操業方法が記載されている。同公報には、酸化鉄を含有するスラグが炉外へ排出されることを抑制するため、還元期の開始から終了の数分前までは、フォーミングするスラグの高さを、最小限でアークが覆われるように、炭材吹き込み量及び/又は電気炉の傾動角を調整することが記載されている。
特開平2-107712号公報には、アーク炉内の電極近傍に、吹込手段によって鉄粉と加炭材とを吹き込み、鉄粉中の鉄分を溶解するようにした吹込溶解法が記載されている。同公報には、鉄粉と同時に吹き込まれた加炭材が鉄粉又はFeOを還元することによってスラグが泡立ち、アークを包み込んで昇温効率を向上させることが記載されている。
特開昭58-73714号公報には、アーク炉を用いた脱リン方法が記載されている。同公報には、塩基度の高いスラグを与える造滓剤を使用し、炉内の溶解物の内部に、不活性ガスの流れにのせて炭素粉末を吹き込むとともに、酸素ガスを吹き込み、それによってスラグ中に泡沫層を形成し流動させ、スラグ除去を容易にすることが記載されている。
特開2017-166022号公報には、アーク式電気炉による金属溶解方法が記載されている。同公報には、泡立ち箇所の偏りと泡立量の不足を解決することを目的として、スラグの塩基度を0.5以上1.5以下、かつスラグのAl濃度を5質量%以上15質量%以下とすることが記載されている。
特開2003-293024号公報 特開平2-107712号公報 特開昭58-73714号公報 特開2017-166022号公報
アークをフォーミングスラグで被覆するため、スラグ量を増加させたり、スラグへ吹き込む炭材や酸素の量を増加させたりすることが一般的に行われている。しかしこの方法では、スラグ全体のフォーミングを助長させるため、多量の副原料(CaO等)や炭材、酸素が必要となり、溶鋼製造コストが大幅に増加する。
そこで、前掲の特開平2-107712号公報には、アーク炉内の電極近傍に鉄粉と加炭材とを吹き込むことが提案されている。しかし同公報には、スラグの特性がフォーミングの挙動に及ぼす影響については言及されていない。そのため、以下に説明するように、アーク近傍のフォーミングが十分に助長されず、アークの被覆が不十分になる可能性がある。
すなわち、スラグの流動性が高い場合、アーク近傍で生成されたフォーミングスラグはすぐにアーク近傍から周囲へ流動するため、アーク近傍のスラグを十分な高さまでフォーミングさせることが困難になる。また、流動性の高いスラグを用いると、炉体耐火物の溶損量が増加するという問題もある。
一方、スラグの流動性が低い場合、アーク近傍に多量の鉄粉と炭材とを吹き込んでCOガスを生成させても、スラグがあまりフォーミングしない段階でCOガスがスラグから抜け出し、十分な高さまでスラグをフォーミングさせることができない。そのため、フォーミングスラグによってアークを十分に被覆することが困難になる。
本発明の目的は、アークを効率的に被覆することができる電気炉の操業方法を提供することである。
本発明の一実施形態による電気炉の操業方法は、浴面上でスラグをフォーミングさせつつ溶鋼を製錬するアーク式電気炉の操業方法であって、CaO、SiO、MgO、及びFeOを含むスラグを形成するスラグ形成工程と、前記スラグ形成工程後、電極近傍にCaO、SiO、及びFeOを含む添加剤、並びに炭材を投入する工程と、を備え、前記添加剤の塩基度が、前記スラグ形成工程で形成されるスラグの塩基度よりも小さい。
本発明によれば、アークを効率的に被覆することができる。
図1は、電気炉の構成の一例を示す模式図である。 図2は、本発明の一実施形態による電気炉の操業方法のフロー図である。
本発明者らは、スラグへの炭材添加によるフォーミング挙動を調査した。その結果、スラグの流動性が高い(固液共存スラグにおいては、スラグの液相率が高いこととほぼ同じ)ほど、フォーミング高さが向上することが分かった。
また、スラグ浴の中央付近へ炭材を投入する実験では、スラグの流動性が低い場合、浴の中央で生成したフォーミングはそれほど高くならず、フォーミングスラグは中央から周囲へゆっくりと広がった。それに対し、スラグの流動性が高い場合、浴の中央で生成したフォーミングスラグはかなり高くなったが、フォーミングスラグは速やかに周囲へ広がり、中央のフォーミングの高さはすぐに低下した。
本発明者らは、上記の結果から、電極近傍以外のスラグの流動性は低くしつつ、電極近傍のスラグの流動性を高くすることによって、電極近傍のスラグのフォーミング高さを向上させて、アークを効率的に被覆できることに着想した。
本発明は、以上の知見に基づいて完成された。以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
図1は、電気炉の一例である電気炉1の模式図である。この電気炉1の構成は、あくまでも説明のための例示であって、本実施形態による電気炉の操業方法で用いる電気炉の構成を限定するものではない。
電気炉1は、炉体10、電極20、並びにノズル30及び35を備えている。炉体10は、炉底部11、側壁部12、及び炉蓋13を含んでる。炉底部11及び側壁部12の少なくとも一部には、定形及び非定形の炉体耐火物(不図示)が配置されている。炉底部11及び側壁部12の一部は水冷されていてもよい。
電極20は、炉底部11に保持されるスクラップや溶鋼との間にアークを発生させる。図1では、電極20が3本である場合を図示しているが、電極20の数は任意である。電気炉1は、交流式であってもよいし、直流式であってもよい。
ノズル30は、炉体10内に酸素を吹き込み、ノズル35は、炉体10内に炭材を吹き込む。炭材は例えば、Ar、CO等の不活性ガスをキャリアーガスとして吹き込まれる。ノズル30及び35の各々は、溶解中、溶鋼M又はスラグSに接触するようにしてもよいし、溶鋼M又はスラグSに接触しないようにしてもよい。図1では、ノズル30及び35が各々1本ずつであるように図示しているが、ノズル30及び35はそれぞれ複数配置されていてもよい。
図2は、本発明の一実施形態による電気炉の操業方法のフロー図である。この操業方法は、スラグを形成する工程(ステップS1)と、電極近傍に添加剤及び炭材を投入する工程(ステップS2)とを備えている。
まず、炉体10内にスラグSを形成する(ステップS1)。この工程は、具体的には例えば、次のように行うことができる。
炉体10内に、スクラップや銑鉄等の鉄原料、及びCaO等の副材を装入する。電極20に電圧を印加し、電極20と鉄原料との間にアークを発生させ、アークの熱によって鉄原料を溶解する。このとき、ノズル30及び35からそれぞれ酸素及び炭材を吹き込み、鉄原料の溶解を促進することが好ましい。
鉄原料が溶解することによって、鉄原料から分離した成分と副材とが混合してスラグSが形成される。以下、この工程で形成されるスラグを「バルクスラグ」と呼ぶ。
バルクスラグは、CaO、SiO、MgO、及びFeOを含んでいる。バルクスラグは、CaO、SiO、MgO、及びFeO以外の成分(例えばAl)を含んでいてもよい。
バルクスラグの塩基度は、好ましくは2.0~4.0である。ここでバルクスラグの塩基度とは、バルクスラグのSiO含有量(単位は質量%)に対するCaO含有量(単位は質量%)の比(CaO/SiO)である。
バルクスラグの塩基度が低すぎると、バルクスラグの流動性が高くなりすぎ、炉壁に設けた廃滓口から横溢する場合がある。また、バルクスラグの塩基度が低すぎると、炉体耐火物の溶損量が増加する場合がある。一方、バルクスラグの塩基度が高すぎると、流動性が低くなりすぎ、アークを被覆することが困難になる場合がある。バルクスラグの塩基度の下限は、より好ましくは2.4であり、さらに好ましくは2.8である。バルクスラグの塩基度の上限は、より好ましくは3.6であり、さらに好ましくは3.2である。
バルクスラグのMgOの含有量は、8~14質量%であることが好ましい。バルクスラグのMgO含有量が低すぎると、炉体耐火物の溶損量が増加する場合がある。一方、バルクスラグのMgO含有量が高すぎると、スラグ中に遊離MgOが残り、スラグを路盤材等に利用する際、雨水との反応により膨張する場合がある。バルクスラグのMgO含有量の下限は、より好ましくは10質量%である。バルクスラグのMgO含有量の上限は、より好ましくは13質量%である。
バルクスラグのFeOの含有量は、20~40質量%であることが好ましい。バルクスラグのFeO含有量が低すぎると、スラグの流動性が低下しすぎてフォーミングし難くなる場合がある。一方、バルクスラグのFeO含有量が高すぎると、鉄歩留まりが低下する。バルクスラグのFeO含有量の下限は、より好ましくは25質量%である。バルクスラグのFeO含有量の上限は、より好ましくは35質量%である。
バルクスラグのCaO、SiO、MgO、及びFeO以外の成分の含有量の合計は、20質量%以下であることが好ましい。CaO、SiO、MgO、及びFeO以外の成分の含有量の合計は、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。
バルクスラグの塩基度及び組成は、例えば炉体10内に装入する鉄原料や副材の成分及びその量によって調整することができる。なお後述するとおり、鉄原料及び副材の溶解性を高めるため、前回のヒートのスラグや溶鋼の一部を炉体10内に残存させたまま鉄原料や副材を装入する場合がある。この場合、炉内に残存させたスラグや溶鋼(種湯)の成分も考慮して、バルクスラグの塩基度が上述した範囲となるように、鉄原料や副材の成分及びその量を決定すればよい。
酸素を吹き込む場合、酸素の供給量は、これに限定されないが、例えば5~50Nm/(溶鋼ton・時間)とすることができる。酸素の供給量の下限は、好ましくは10Nm/(溶鋼ton・時間)である。酸素の供給量の上限は、好ましくは40Nm/(溶鋼ton・時間)である。
炭材は、例えばカーボン粉である。炭材を吹き込む場合、炭材の供給量は、これに限定されないが、例えば10~120kg/分である。炭材の供給量の下限は、好ましくは30kg/分である。炭材の供給量の上限は、好ましくは90kg/分である。
バルクスラグを形成後、電極20の近傍に添加剤及び炭材を投入する(ステップS2)。なお、電極20の近傍に添加剤及び炭材を投入している間、バルクスラグへの酸素及び炭材の吹き込みを行ってもよいし、行わなくてもよい。
添加剤は、CaO、SiO、及びFeOを含んでいる。添加剤は、CaO、SiO、及びFeOを所定の割合で含む組成物であってもよいし、CaO、SiO、及びFeOを所定の割合で混合した混合物であってもよい。添加剤は、CaO、SiO、及びFeO以外の成分(例えばMgOやAl)を含んでいてもよい。添加剤として例えば、電気炉1や他の炉で生成されたスラグを用いてもよい。
本実施形態では、添加剤の塩基度をバルクスラグの塩基度よりも小さくする。ここで、添加剤の塩基度とは、添加剤のSiO含有量(単位は質量%)に対するCaO含有量(単位は質量%)の比(CaO/SiO)である。
すなわち本実施形態では、バルクスラグの塩基度よりも塩基度の低い添加剤を、炭材とともに電極近傍に投入する。これによって電極近傍のスラグの塩基度を低下させ、電極近傍のスラグの流動性を高くする。これによって電極20付近のフォーミングスラグを増加させ、電極20から発生するアークをフォーミングスラグで覆うことができる。
添加剤の塩基度は、好ましくは0.7以上2.0未満である。添加剤の塩基度が高すぎると、電極近傍のスラグの塩基度を低下させることができず、上記の効果が十分に得られない場合がある。一方、添加剤の塩基度が低すぎると、バルクスラグの塩基度が低くなりすぎる場合がある。添加剤の塩基度の下限は、より好ましくは0.8であり、さらに好ましくは0.9である。添加剤の塩基度の上限は、より好ましくは1.9であり、より好ましくは1.5であり、さらに好ましくは1.2である。
添加剤のFeOの含有量は、10~40質量%であることが好ましい。添加剤のFeO含有量が低すぎると、COガス発生量が少なくなり、フォーミングし難い場合がある。一方、添加剤のFeO含有量が高すぎると、電極近傍のスラグを過度に冷却してしまい、フォーミングし難くなる場合がある。FeO含有量の下限は、より好ましくは20質量%である。FeO含有量の上限は、より好ましくは35質量%である。
添加剤のCaO、SiO、及びFeO以外の成分の含有量の合計は、20質量%以下であることが好ましい。CaO、SiO、及びFeO以外の成分の含有量の合計は、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。
添加剤及び炭材の投入は例えば、電極20の近傍に向けたノズル(不図示)によって添加剤及び炭材を吹き込むことで行うことができる。この場合、添加剤及び炭材は、同じノズルで吹き込んでもよいし、別々のノズルで吹き込んでもよい。あるいは、添加剤及び炭材の投入は、添加剤及び炭材をペレット状にして電極20の近傍に投下することで行ってもよい。
添加剤の供給量は、これに限定されないが、例えばバルクスラグの質量の5~20%とすることができる。添加剤の供給量の下限は、好ましくはバルクスラグの質量の8%である。添加剤の供給量の上限は、好ましくはバルクスラグの質量の15%である。
電極近傍に投入する炭材の供給量は、これに限定されないが、例えば0.2~1.0kg/溶鋼tonとすることができる。電極近傍に投入する炭材の供給量の下限は、好ましくは0.3kg/溶鋼tonである。電極近傍に投入する炭材の供給量の上限は、好ましくは0.8kg/溶鋼tonである。
所定の時間製錬を行った後、炉体10内のスラグS(バルクスラグ及びその後の添加剤の投入によって形成されたスラグを含む。)を排出する。必要に応じてさらに還元作業を行った後、製錬した溶鋼Mを取り出す。溶鋼Mの取り出しは例えば、傾動装置によって炉体10を傾動させ、炉底部11の偏芯した位置に設けられたEBT(Eccentric Bottom Tapping)出鋼口から溶鋼を排出することで行うことができる。このとき、前述したとおり、次回のヒートでの鉄原料や副材の溶解性を高めるため、スラグSを排出する工程及び溶鋼Mを取り出す工程において、スラグSや溶鋼Mの一部を炉体10内に残存させておいてもよい。
以上、本発明の一実施形態による電気炉の操業方法を説明した。本実施形態によれば、電極近傍のフォーミングスラグを増加させることによって、アークを効率的に被覆することができる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されない。
[比較例1]
電気炉にスクラップ約100ton、CaO、SiO、及びMgOを装入し、炉壁から酸素とカーボン粉とを吹き込みつつ、炉中央上方に設置した電極からアークを照射してスクラップを溶解させた。生成したスラグは約7.0tonであり、塩基度は3.0、MgO含有量:12質量%、FeO含有量:30質量%であった。その後も、炉壁から酸素(3000Nm/時間)及びカーボン粉(60kg/分)をスラグ中に吹き込んでフォーミングさせながらアーク照射を続け、溶鋼温度を約1650℃とした。
溶鋼浴面上に未溶解スクラップがなくなった後、オペレータが炉内を観察したところ、電極近傍のスラグのフォーミング高さは不安定で、ときにはアークが大幅に露出していた。これは、スラグ(バルクスラグ)の塩基度が高すぎ、スラグの流動性が低かったためと考えられる。
[比較例2]
電気炉にスクラップ約100ton、CaO、SiO、及びMgOを装入し、炉壁から酸素とカーボン粉とを吹き込みつつ、炉中央上方に設置した電極からアークを照射してスクラップを溶解させた。生成したスラグは約7.0tonであり、塩基度は1.0、MgO含有量:12質量%、FeO含有量:30質量%であった。その後も、炉壁から酸素(3000Nm/時間)及びカーボン粉(60kg/分)をスラグ中に吹き込んでフォーミングさせながらアーク照射を続け、溶鋼温度を約1650℃とした。
溶鋼浴面上に未溶解スクラップがなくなった後、オペレータが炉内を観察したところ、スラグは激しくフォーミングしており、アークは十分に被覆されていた。そのため、比較例1と比較して、電力原単位は5%向上した。一方、耐火物溶損量は20%増加した。
[実施例]
電気炉にスクラップ約100ton、CaO、SiO、及びMgOを装入し、炉壁から酸素とカーボン粉とを吹き込みつつ、炉中央上方に設置した電極からアークを照射してスクラップを溶解させた。生成したスラグは約6.3tonであり、塩基度は3.0、MgO含有量:12質量%、FeO含有量:30質量%であった。その後も、炉壁から酸素(3000Nm/時間)及びカーボン粉(60kg/分)をスラグ中に吹き込んでフォーミングさせながらアーク照射を続けた。これと併行して、電極近傍へ、CaO、SiO、及びFeOを含む添加剤(総量約700kg、塩基度は1.0、FeO含有量:30質量%)及びカーボン粒(総量約50kg、粒径5mm以下)の混合物を溶鋼が1650℃になるまでの間、10分間連続的に添加した。
溶鋼浴面上に未溶解スクラップがなくなった後、オペレータが炉内を観察したところ、電極近傍への添加剤の投入の開始後から電極近傍のスラグのフォーミング高さが速やかに増加して、アークを十分に覆い続けていた。その結果、比較例1と比較して、電力原単位は5%向上した。また、耐火物溶損量は比較例1と同等であった。
以上、本発明の実施の形態を説明した。上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
1 電気炉
10 炉体
11 炉底部
12 側壁部
13 炉蓋
20 電極
30、35 ノズル
M 溶鋼
S スラグ

Claims (3)

  1. 浴面上でスラグをフォーミングさせつつ溶鋼を製錬するアーク式電気炉の操業方法であって、
    CaO、SiO 、MgO、及びFeOを含むスラグを形成するスラグ形成工程と、
    前記スラグ形成工程後、電極近傍にCaO、SiO 、及びFeOを含む添加剤、並びに炭材を投入する工程と、を備え、
    前記添加剤の塩基度が、前記スラグ形成工程で形成されるスラグの塩基度よりも小さく、
    前記スラグ形成工程で形成されるスラグの塩基度が2.0~4.0であり、
    前記添加剤の塩基度が0.7以上2.0未満である、電気炉の操業方法。
  2. 請求項1に記載の電気炉の操業方法であって、
    前記スラグ形成工程で形成されるスラグは、MgO:8~14質量%、FeO:20~40質量%を含み、
    前記添加剤は、FeO:10~40質量%を含む、電気炉の操業方法。
  3. 請求項1又は2に記載の電気炉の操業方法であって、
    前記添加剤及び炭材の投入によって前記電極近傍のフォーミングスラグを増加させ、アークを前記フォーミングスラグで覆う、電気炉の操業方法。
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