JP6682932B2 - アーク式電気炉における金属溶解方法 - Google Patents
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Description
CaCO3→(CaO)+CO2(g) ・・・(1)
CaCO3+[C]→(CaO)+2CO(g) ・・・(2)
CaCO3+1/2[Si]
→(CaO)+1/2(SiO2)+CO(g) ・・・(3)
アーク式電気炉は、電気によって金属原料を溶解するための設備である。電気炉の炉体は、一般に、溶融金属原料を保持する炉底及び側壁部からなる浴部と、装入原料を保持する上部水冷側壁部と、炉蓋とからなる。なお、以下において、浴部と上部水冷側壁部とを合せて炉本体と表記する場合もある。浴部の内側面には耐火物が施工されている。また、炉本体の開口部を覆う炉蓋には、炉本体内に挿入される電極が設けられている。
アーク式電気炉により金属原料と電極との間にアークを発生させて金属原料を溶解する際、鍋部内には耐火物が施工されているが、アークによる輻射熱を直接受け続けると耐火物が損耗してしまう。そこで、本実施形態では、以下の条件で原料金属を溶解させることで、泡立ち箇所の偏りや泡立ち量の不足が生ずることなく、適切なスラグフォーミングを実現する。
まず、本実施形態では、電気炉内の溶融金属に対して5Nm3/t/h〜15Nm3/t/hの酸素を吹き込む。溶融金属への酸素の吹き込みは、ノズルを介して行われる。溶融金属への酸素の吹き込みは、例えば、ノズルの先端を溶融金属中に挿入した状態で行ってもよく、溶融金属表面に対して上方から強く噴射してもよい。酸素を溶融金属に対して吹き込むことにより、溶融金属中の炭素と吹き込まれた酸素ガスとを反応させて、溶融金属中でCOガスを発生させる。この際、酸素吹き込み量が5Nm3/t/h未満であると、溶融金属中の炭素と反応して発生するCOガスが不足するため、泡立ち量が不足し、耐火物の損耗の抑制効果が小さい。一方、酸素吹き込み量が15Nm3/t/h超であると、スプラッシュが発生し、電極に溶着して通電の安定性を損なうため操業を続行することができなくなる。
次に、電気炉内の溶融金属の炭素濃度を2.3質量%以上とする。一般に、鋼は、鉄を主成分とし、通常固体で要求される形状に成形加工でき、通常2.0質量%以下の炭素とその他の元素とを含有する材料である。また、鋳鋼ロール業界においては炭素濃度が2.2質量%程度のものまでを鋳鋼と称している。本発明は、電気炉内の溶融金属の炭素濃度を以下の理由により2.3質量%以上としており、鋼を溶製する技術は、本発明には含まれない。
本実施形態においては、スラグに関し、スラグ塩基度(質量%CaO/質量%SiO2;以下、「C/S」とする。)を0.5以上1.5以下とし、Al2O3濃度を5質量%以上15質量%以下とする。
本実施形態では、アルミナ源として、アルミナ系耐火物を利用できる。なお、アルミナ系耐火物として、使用済アルミナ系耐火物も利用可能である。使用済アルミナ系耐火物は熱履歴を受けているので滓化しやすい。
以上、本発明の一実施形態に係るアーク式電気炉を用いた金属溶解方法について説明した。本実施形態によれば、電気炉内の溶融金属に対して5Nm3/t/h〜15Nm3/t/hの酸素を吹き込み、電気炉内の溶融金属の炭素濃度を2.3質量%以上とする。これにより、溶融金属中で、拡散した多量の炭素と酸素との反応により、電気炉を平面視してスラグ全面にCOガスが多量に発生する。そして、スラグ全面に発生した多量のCOガスにより、スラグ全面で多量の泡が発生する。これにより、スラグ全面にかつ多量に発生した泡がアークを覆うので、電気炉の側壁部がアークの輻射熱を直接受けなくなり、耐火物の損耗を抑制することができる。
金属原料は、スクラップ、合金鉄、鋳銑(高炉溶銑を凝固させたもの)を用いた。副原料には、石灰石及びアルミナ系耐火物を用いた。電気炉への装入物の配合は以下の通りである。なお、副原料の配合は、スラグのスラグ塩基度C/S及びAl2O3濃度が指定された値となるように下記範囲で調整した。また、石灰石は、平均粒径10〜50mmの者を使用した。
・金属原料・・・100t
・副原料・・・石灰石:3t〜20t、アルミナ系耐火物:4t〜40t(全体質量)
炉本体に装入された金属原料及び副原料に対して、24インチ径のアーク電極3本を挿入し、40MWの電力で合計60分通電した。溶融金属中への酸素吹き込み量は5Nm3/t/hとした。なお、溶融金属中への酸素吹き込みを行わない場合には、溶融金属には酸素が届かないように、スラグ中に酸素を吹き込んだ。この場合にも酸素吹き込み量は5Nm3/t/hとした。
下記表1に示す各実施例及び比較例について、上記の溶解条件にて金属原料を溶解し、溶解完了時点での耐火物の損耗を確認した。表1において、耐火物の損耗評価は、毎チャージ溶解終了後に、ホットスポット(すなわち、電極から最短位置にある浴部の、溶融金属上面(湯面)の直上位置)を円周方向に観察した。損耗の深さ(耐火物の厚みの減少量)と円周方向の長さとを測定し、下記のように評価した。◎、○、△を合格とした。
◎ :深さ0〜5mm/ch、幅(円周方向長さ0.2m未満)
○ :深さ0〜5mm/ch、幅(円周方向長さ0.2m〜0.5m)
△ :深さ0〜5mm/ch、幅(円周方向長さ0.5m超)
× :深さ 5mm超/ch
Claims (2)
- アーク式電気炉により、生石灰または石灰石のうち少なくともいずれか一方とアルミナ源とを配合した金属原料を溶解する金属溶解方法において、
前記金属原料を溶解した前記電気炉内の溶融金属中に対して5Nm3/t/h〜15Nm3/t/hの酸素を吹きこみ、
溶融金属の炭素濃度は2.3質量%以上であり、
スラグの塩基度(質量%CaO/質量%SiO2)を0.5以上1.5以下、かつ、スラグのAl2O3濃度を5質量%以上15質量%以下とする、アーク式電気炉における金属溶解方法。 - 前記アルミナ源としてアルミナ系耐火物を配合し、
前記アルミナ系耐火物は、該アルミナ系耐火物全体に対して、篩目25mm以上の耐火物が5〜30質量%、篩目3.15mm以下の耐火物が3質量%以上含まれる、請求項1に記載のアーク式電気炉における金属溶解方法。
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JP2016052062A JP6682932B2 (ja) | 2016-03-16 | 2016-03-16 | アーク式電気炉における金属溶解方法 |
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