JP6593232B2 - アーク式電気炉における金属溶解方法 - Google Patents
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Description
アーク式電気炉は、電気によって金属原料を溶解するための設備である。電気炉の炉体は、一般に、溶融金属原料を保持する炉底及び下部側壁部からなる浴部と、装入原料を保持する上部水冷側壁部と、炉蓋とからなる。なお、以下において、浴部と上部水冷側壁部とを合せて炉本体と表記する場合もある。浴部の内側面には耐火物が施工されている。また、炉本体の開口部を覆う炉蓋には、炉本体内に挿入される電極が設けられている。
アーク式電気炉により金属原料と電極との間にアークを発生させて金属原料を溶解する際、浴部内には耐火物が施工されているが、アークによる輻射熱を直接受け続けると耐火物が損耗してしまう。そこで、本実施形態では、以下の条件で原料金属を溶解させることで、COガスを早期に発生させ、遅延なくスラグフォーミングさせることを実現する。
まず、本実施形態では、通電開始前に炭材を添加する。炭材としては、例えば無煙炭、粉コークス、電極粉、カーボンブリケット等の、炭素を主要成分とする材料が用いられる。通電開始前に添加された炭材は、通電開始後に金属原料等の温度が上昇して溶解が始まると一部は生成し始めた溶解した金属に溶解して高炭素濃度の溶融金属を生成し、残部は未溶解のままとなるが、溶融金属中へ酸素が吹き込まれると、すぐに高炭素濃度の溶融金属中の炭素や未溶解の炭素と反応して、COガスが発生することを本願発明者は知見した。遅延なく発生したCOガスは遅延なくスラグを発泡させる。これにより、通電開始後、遅滞なくアークを泡に包み込むことができるので、浴部内の耐火物がアークによる輻射熱を直接受ける時間が短縮され、耐火物の損耗を抑制することができる。
本実施形態では、造滓剤として、アルミナ系耐火物と生石灰または石灰石のうち少なくともいずれか一方を配合し、スラグ成分を調整する。本実施形態では、アルミナ源として、アルミナ系耐火物を用いている。なお、アルミナ系耐火物として、使用済アルミナ系耐火物も利用可能である。使用済アルミナ系耐火物は熱履歴を受けているので滓化しやすい。造滓剤の添加時期は、溶解開始前、溶解開始後のどちらでもよいが、溶解開始後に溶融金属上に生成したスラグに早期に添加することが望ましい。
造滓剤として配合するアルミナ系耐火物は、生石灰や石灰石に比べ、融点が高く溶解しにくい。石灰石は加熱による二酸化炭素離脱によって微粉化しやすく、生石灰は一般に石灰石の加熱によって製造されるため一般に微粉が多く、いずれも溶解しやすい。ここで、アルミナ系耐火物の溶解が遅延すると、スラグ溶融化が遅れ、スラグの泡立ちも遅延する。その結果、アークを泡に包み込むまでに時間がかかり、浴部内の耐火物がアークによる輻射熱を直接受ける時間が長くなるため、耐火物の損耗が発生する。このため、スラグフォーミングを促進させるためには、アルミナ系耐火物の迅速な溶解が重要となる。
また、本実施形態では、電気炉内の溶融金属に対して5Nm3/t/h〜15Nm3/t/hの酸素を吹き込む。溶融金属への酸素の吹き込みは、ノズルを介して行われる。溶融金属への酸素の吹き込みは、例えば、ノズルの先端を溶融金属中に挿入した状態で行ってもよく、溶融金属表面に対して上方から強く噴射してもよい。酸素を溶融金属に対して吹き込むことにより、溶融金属中の炭素と吹き込まれた酸素ガスとを反応させて、溶融金属中でCOガスを発生させる。この際、酸素吹き込み量が5Nm3/t/h未満であると、溶融金属中の炭素と反応して発生するCOガスが不足するため、泡立ち量が不足し、耐火物の損耗の抑制効果が小さい。一方、酸素吹き込み量が15Nm3/t/h超であると、スプラッシュが発生し、電極に溶着して通電の安定性を損なうため操業を続行することができなくなる。
本実施形態においては、スラグに関し、スラグ塩基度(質量%CaO/質量%SiO2;以下、「C/S」とする。)を0.5以上1.5以下とし、Al2O3濃度を5質量%以上15質量%以下とする。
以上、本発明の一実施形態に係るアーク式電気炉を用いた金属溶解方法について説明した。本実施形態によれば、通電開始から遅延なくスラグを泡立たせることができ、耐火物の損耗を抑制することができる。すなわち、炭材を溶解開始前に添加することにより、炭材は溶解開始に高炭素濃度の溶融金属を生成するか、未溶解のまま残り、酸素が溶融金属中に吹き込まれるとすぐに高炭素濃度の溶融金属中の炭素や未溶解の炭素と反応して、COガスを発生させる。このCOガスは遅延なく泡を発生させる。
金属原料は、スクラップ、合金鉄を用いた。副原料には、炭材、石灰石、及びアルミナ系耐火物を用いた。電気炉への装入物の配合は以下の通りである。なお、副原料の配合は、スラグのスラグ塩基度C/S及びAl2O3濃度が指定された値となるように下記範囲で調整した。また、石灰石は、平均粒径10〜50mmのものを使用した。
・金属原料・・・100t
・副原料・・・炭材:0.5t、石灰石:3t〜20t、アルミナ系耐火物:4t〜40t(全体質量)
炉本体に装入された金属原料及び副原料に対して、24インチ径のアーク電極3本を挿入し、40MWの電力で合計60分通電した。また、通電開始から10分経過後に、酸素の吹き込みを開始した。溶融金属中への酸素吹き込み量は5Nm3/t/hとした。なお、溶融金属中への酸素吹き込みを行わない場合には、溶融金属には酸素が届かないように、スラグ中に酸素を吹き込んだ。この場合にも酸素吹き込み量は5Nm3/t/hとした。
下記表1に示す各実施例及び比較例について、上記の溶解条件にて金属原料を溶解し、溶解完了時点での耐火物の損耗を確認した。表1において、耐火物の損耗評価は、毎チャージ溶解終了後に、ホットスポット(すなわち、電極から最短位置にある浴部の、溶融金属上面(湯面)の直上位置)を円周方向に観察した。損耗の深さ(耐火物の厚みの減少量)と円周方向の長さとを測定し、下記のように評価した。○、△を合格とした。また、炭材の添加時期は、Aは通電開始前、Bは通電開始10分後(酸素吹き込みと同時に溶融金属中へ吹き込む)を示している。
○ :深さ0〜5mm/ch、幅(円周方向長さ0.5m以下)
△ :深さ0〜5mm/ch、幅(円周方向長さ0.5m超)
× :深さ 5mm超/ch
Claims (1)
- アーク式電気炉により金属原料を溶解する金属溶解方法において、
通電開始前に炭材を添加し、
通電開始前または通電開始後の少なくともいずれかにおいて、アルミナ系耐火物全体に対して、篩目25mm以上の耐火物が5〜30質量%、篩目3.15mm以下の耐火物が3質量%以上含まれるようにした該アルミナ系耐火物と、生石灰または石灰石のうち少なくともいずれか一方とを、前記金属原料に対して配合し、
前記金属原料を溶解した前記電気炉内の溶融金属中に対して5Nm3/t/h〜15Nm3/t/hの酸素を吹き込み、
スラグの塩基度(質量%CaO/質量%SiO2)を0.5以上1.5以下、かつ、スラグのAl2O3濃度を5質量%以上15質量%以下とする、アーク式電気炉における金属溶解方法。
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