JP6657946B2 - 乾燥システム、乾燥方法および個体付着物製造方法 - Google Patents

乾燥システム、乾燥方法および個体付着物製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、乾燥システム、乾燥方法および個体付着物製造方法に関する。
色材としてインクを使用するインクジェットプリンタは、ラインヘッドの開発などにより高速印刷が可能となり、個人用途にとどまらず、大量印刷を行うプロダクション用プリンタとしても製品化されてきている。インクジェット方式のプロダクション用プリンタは、デジタル技術を利用することで、従来の刷版を使用した印刷機よりも多品種少量生産に対応し易いというメリットがある。
インクジェットプリンタで主に使用される水性インクは、溶剤系のインクと比較して安全性が高い反面、乾燥しづらいという欠点がある。個人用途のインクジェットプリンタであれば印刷速度が遅いため、このような欠点は特に問題とならない。しかし、プロダクション用プリンタのような高速印刷機では、インクが乾ききらないうちに次の記録紙が重なって、インクが剥がれたり裏写りしたりするといった不具合が発生する懸念がある。そこで、インクジェット方式の高速印刷機は、インクを乾燥させる機能を備えることが求められる。
水などを効率よく加熱する方法として、高周波誘電加熱という技術がある。これは4〜80MHzの高周波を誘電体にかけることで誘電体内部の双極子を運動させ、その摩擦熱により加熱するものである。この方法は、誘電体の誘電率と誘電損失の値で加熱され度合いが異なるため、材料の選択的加熱が可能である。中でも水は誘電率、誘電正接共に飛び抜けて大きく、非常に加熱され易い。また、高周波誘電加熱は、材料自体の自己発熱であるため、加熱効率が高いことが知られている。このため、水性インクを効率よく乾燥させる方法として、高周波誘電加熱を利用することが検討されている。
例えば特許文献1には、担持体に担持される画像を記録媒体に転写するインクジェット記録装置において、画像を劣化させることなくインクの乾燥および画像の転写を可能にすることを目的として、担持体に担持される画像を構成するインクを高周波誘電加熱により加熱する技術が開示されている。
しかし、高周波誘電加熱をインクジェットプリンタに適用した場合、黒インクのみが異常加熱状態となり、スパークの発生などを引き起こす懸念がある。これは、黒インクに顔料として含まれるカーボンブラックが導電体であるため、電流が流れすぎることによる。一方で、黒インクが異常加熱状態とならないように印加電力を調整したり、黒インクが異常加熱状態となる前に乾燥を停止させたりすると、黒インク以外のインク(以下、「他色インク」とよぶ)の乾燥が不十分となる。このような問題は、カーボンブラックを含む黒インクを他色インクとともに乾燥させる場合に限られる問題ではなく、高周波誘電加熱を利用して導電体を含む液体を他の液体とともに乾燥させる様々な状況において生じ得る問題である。
上述した課題を解決するため、本発明は、被付着物に付着した第1の液体を乾燥させる第1の乾燥装置と、前記第1の乾燥装置が前記第1の液体を乾燥させた後に前記被付着物に付着した、導電体を含有する第2の液体を乾燥させる第2の乾燥装置と、を備え、前記第1の乾燥装置は、誘電加熱装置であり、前記第2の液体は前記導電体としてカーボンブラックを含有する黒インクであり、前記第1の液体は前記黒インク以外の他色インクであることを特徴とする。
本発明によれば、導電体を含有する液体のみが異常加熱状態となる不都合を有効に抑制しながら、導電体を有する液体と他の液体とを効率よく乾燥させることができるという効果を奏する。
図1は、高周波誘電加熱によるインクの加熱特性を示す図である。 図2は、第1実施形態のインクジェットプリンタの構成例を示す概略構成図である。 図3は、高周波誘電加熱装置の基本的な構成例を模式的に示す斜視図である。 図4は、棒状電極間に発生する電界の状態を模式的に示す側面図である。 図5は、第1実施形態のインクジェットプリンタの動作手順を示すフローチャートである。 図6は、第2実施形態のインクジェットプリンタの構成例を示す概略構成図である。 図7は、第3実施形態のインクジェットプリンタの構成例を示す概略構成図である。 図8は、第4実施形態のインクジェットプリンタの構成例を示す概略構成図である。 図9は、第5実施形態のインクジェットプリンタの構成例を示す概略構成図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る乾燥システム、乾燥方法および個体付着物製造方法の具体的な実施形態について詳細に説明する。本発明は、例えば、「液体を吐出する装置」により吐出され、「被付着物」に付着した「液体」を乾燥させる用途に適用できる。なお、「個体付着物」とは、「被付着物」に付着した「液体」が乾燥して個体となったものをいう。
「液体を吐出する装置」は、「液体吐出ヘッド」または「液体吐出ユニット」を備え、「液体吐出ヘッド」を駆動させて、「液体」を吐出させる装置である。この「液体を吐出する装置」は、「被付着物」の給送、搬送、および、排紙に係わる手段、その他、前処理装置および後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、画像形成装置および立体造形装置(三次元造形装置)がある。画像形成装置は、インクを吐出させて用紙などの記録媒体に画像を形成する装置である。立体造形装置は、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる装置である。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された「液体」によって文字および図形などの有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば「液体を吐出する装置」は、それ自体意味を持たないパターンなどを形成する装置、および、三次元像を造形する装置も含む。
「被付着物」とは、「液体」が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、および、検査用セルなどの媒体である。「被付着物」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、および、セラミックスなど、「液体」が一時的でも付着可能であればよい。このように「被付着物」は、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
また、「液体」は、「液体吐出ヘッド」から吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されない。「液体」は、常温および常圧下において、加熱により、または、冷却により、粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、「液体」は、以下のものを含む。
・水や有機溶媒などの溶媒
・染料や顔料などの着色剤
・重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料を含む溶液
・DNA、アミノ酸、たんぱく質、カルシウムなどの生体適合材料を含む溶液
・天然色素などの可食材料を含む溶液
・懸濁液
・エマルジョン
これらの「液体」は、例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、および、3次元造形用材料液などの用途で用いることができる。
また、「液体を吐出する装置」は、「液体吐出ヘッド」と「被付着物」とが相対的に移動する装置を含むが、これに限定するものではない。具体例としては、「液体吐出ヘッド」を移動させるシリアル型装置、「液体吐出ヘッド」を移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」は、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液をノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などを含む。
「液体吐出ヘッド」は、使用する圧力発生手段が限定されるものではない。例えば、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子を使用するものでもよい)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、および、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどが圧力発生手段として使用できる。
「液体吐出ユニット」は、「液体吐出ヘッド」に機能部品および機構が一体化したものであり、「液体」の吐出に関連する部品の集合体である。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを「液体吐出ヘッド」と組み合わせたものなどを含む。ここで、一体化とは、例えば、「液体吐出ヘッド」と機能部品および機構が、締結、接着、または、係合などで互いに固定されているもの、並びに、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、「液体吐出ヘッド」と、機能部品および機構が互いに着脱可能に構成されていてもよい。
例えば、「液体吐出ヘッド」とヘッドタンクが一体化されている液体吐出ユニットがある。また、チューブなどで互いに接続されることにより、「液体吐出ヘッド」とヘッドタンクが一体化されている「液体吐出ユニット」がある。ここで、これらの「液体吐出ユニット」のヘッドタンクと「液体吐出ヘッド」との間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、「液体吐出ヘッド」とキャリッジが一体化されている「液体吐出ユニット」がある。
また、「液体吐出ヘッド」を走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、「液体吐出ヘッド」と走査移動機構が一体化されている「液体吐出ユニット」がある。また、「液体吐出ヘッド」とキャリッジと主走査移動機構が一体化されている「液体吐出ユニット」がある。
また、「液体吐出ヘッド」が取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、「液体吐出ヘッド」とキャリッジと維持回復機構が一体化されている「液体吐出ユニット」がある。
また、ヘッドタンクまたは流路部品が取付けられた「液体吐出ヘッド」にチューブが接続されて、「液体吐出ヘッド」と供給機構が一体化されている「液体吐出ユニット」がある。このチューブを介して、液体貯留源の液体が液体吐出ヘッドに供給される。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
なお本明細書では、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形、および個体付着物製造などは、いずれも同義語とする。
以下では、「液体を吐出する装置」の一例として、黒インク(「第2の液体」の一態様)と黒インク以外の他色インク(「第1の液体」の一態様)とを用いて高速印刷を行うインクジェットプリンタを例示し、このインクジェットプリンタにより吐出されて記録紙(「被付着物」の一態様)に付着した水性インクを乾燥させる用途に本発明を適用した例を説明する。ただし、本発明の適用対象はこの例に限らない。本発明は、導電体を含有する液体を他の液体とともに乾燥させることが求められる様々な用途において有効に適用可能である。
上述した通り、インクジェットプリンタで使用される水性インクを効率よく乾燥させる方法として、高周波誘電加熱が有効である。しかし、記録紙にカラーの画像形成を行う場合など、記録紙に黒インクと他色インクとを付着させて、これらを高周波誘電加熱により一律に乾燥させようとすると、他色インクが十分に乾燥する前に黒インクのみが異常加熱状態となり、スパークの発生などを引き起こす懸念がある。黒インクは顔料として導電体であるカーボンブラックを含有しており、他色インクの乾燥に十分な熱量を与えようとすると、乾燥の進行に伴ってカーボンブラックが高い導電性を示し、電流が流れすぎるためである。カーボンブラックは、濃度、質感、および、発色性の面から顔料の成分として優れているため、黒インクの顔料として一般的に使用されている。
図1は、高周波誘電加熱によるインクの加熱特性を示す図であり、インクをベタ画像として記録紙に付着させ、高周波誘電加熱により乾燥させたときの印加電力とインクの到達温度との関係を示している。図中の黒丸マークが黒インクの加熱特性、三角マークが黒以外の他色インクの加熱特性をそれぞれ示している。
他色インクは、印加電力の増加とともに温度が徐々に上昇し、約260W辺りで温度が120℃に達して水分が蒸発し、乾燥する。これに対して、黒インクは、印加電力が低いときは他色インクと同様な加熱特性を示しているが、約140W辺りで温度が急激に上昇し、異常加熱状態となる。
この現象は、約140Wまではインク内の水分が蒸発中であるためエネルギが奪われて異常加熱は起こらないが、水分が蒸発し切るとカーボンブラックの影響が支配的になり、急激に温度が上がるためと考えられる。ちなみに、黒インクはこの140Wで十分に乾燥しており、人の手や他の記録紙にインクが付着するような不具合は起きない。このことはすなわち、他色インクの乾燥には約260Wの印加電力が必要であるが、黒インクに対しては約140Wの印加電力しか掛けられないため、記録紙に黒インクと他色インクとを付着させてカラーの画像形成を行う場合に、これらのインクを同じ条件で一律に乾燥させることができないことを示している。
そこで、本実施形態では、記録紙に付着した他色インクを乾燥させる第1の乾燥装置と、第1の乾燥装置が他色インクを乾燥させた後に記録紙に付着した、カーボンブラックを含有する黒インクを乾燥させる第2の乾燥装置とを備える乾燥システムをインクジェットプリンタに組み込む構成とする。そして、少なくとも、他色インクを乾燥させる第1の乾燥装置として、高周波誘電加熱装置を用いる。これにより、インクジェットプリンタでカラーの画像形成を行う場合であっても、黒インクのみが異常加熱状態となる不都合を有効に抑制しながら、黒インクと他色インクとを効率よく乾燥させることができる。
なお、本実施形態では、少なくとも第1の乾燥装置として高周波誘電加熱装置を用いるが、高周波誘電加熱装置に代えてマイクロ波による誘電加熱装置を用いてもよい。高周波誘電加熱装置が使用する周波数は4〜80MHzであるのに対し、マイクロ波による誘電加熱装置が使用する周波数は2450MHz(マイクロ波)であるが、加熱の原理は同様である。
以下では、このような乾燥システムを組み込んだインクジェットプリンタの具体的な構成例について説明する。
<第1実施形態>
図2は、第1実施形態のインクジェットプリンタ1−1の構成例を示す概略構成図である。
図2に示すように、第1実施形態のインクジェットプリンタ1−1は、記録紙5を搬送する手段として、モータを動力として回転する駆動ローラ2と、駆動ローラ2と対をなす従動ローラ3と、これら駆動ローラ2と従動ローラ3との間に所定張力をもって架け渡された搬送ベルト4とを備える。モータの駆動により駆動ローラ2および従動ローラ3が一定速度で回転すると、これらの間に架け渡された搬送ベルト4が図中矢印A方向に一定速度で循環移動する。給紙された記録紙5は、この循環移動する搬送ベルト4上に置かれ、搬送ベルト4の移動に伴って図中矢印B方向に一定速度で搬送される。
記録紙5の搬送経路には、その上流側に、シアン、マゼンタ、イエローのインク(他色インク)をそれぞれ吐出するインクジェットヘッド6C,6M,6Yが設けられている。また、これらのインクジェットヘッド6C,6M,6Yよりも下流側に、黒インクを吐出するインクジェットヘッド6Bkが設けられている。この搬送経路に沿って記録紙5が搬送されると、まず、インクジェットヘッド6C,6M,6Yが設けられた位置を記録紙5が通過する間に、インクジェットヘッド6C,6M,6Yから吐出されたシアン、マゼンタ、イエローのインク(他色インク)が記録紙5に付着する。その後、インクジェットヘッド6Bkが設けられた位置を記録紙5が通過する間に、インクジェットヘッド6Bkから吐出された黒インクが記録紙5に付着する。これにより、記録紙5にカラーの画像が形成される。
記録紙5の搬送経路において、インクジェットヘッド6C,6M,6Yが設けられた位置と、インクジェットヘッド6Bkが設けられた位置との間には、記録紙5に付着した他色インクを乾燥させる第1の乾燥装置10が設けられている。また、インクジェットヘッド6Bkが設けられた位置よりもさらに下流側には、記録紙5に付着した黒インクを乾燥させる第2の乾燥装置20−1が設けられている。本実施形態では、第1の乾燥装置10として高周波誘電加熱装置を用い、第2の乾燥装置20−1として、温風によりインクを乾燥させる温風乾燥装置を用いる。
ここで、高周波誘電加熱装置の具体例を説明する。図3は、高周波誘電加熱装置の基本的な構成例を模式的に示す斜視図であり、図4は、棒状電極間に発生する電界の状態を模式的に示す側面図である。
図3に示すように、高周波誘電加熱装置は、電源11と、整合器12と、複数の棒状電極13,14(「電極」の一態様)とを備える。棒状電極13は陽極の棒状電極であり、棒状電極14は陰極の棒状電極である。これら陽極の棒状電極13と陰極の棒状電極14は、図3および図4に示すように、記録紙5の搬送方向Bに沿って交互に配置される。
電源11は、記録紙5の搬送方向Bにおいて隣り合う一対の棒状電極13,14間に、4〜80MHzの高周波の交流電圧を印加する。電源11が一対の棒状電極13,14間に印加する交流電圧の周波数や電圧値は、例えば、高周波誘電加熱装置の動作制御を司るコントローラによって制御可能である。一対の棒状電極13,14間に印加する交流電圧の周波数や電圧値を制御することで、高周波誘電加熱装置がインクに与える熱量を調整できる。
整合器12は、電源11側の出力インピーダンスと棒状電極13,14側の負荷インピーダンスとを整合させる回路である。例えば出力インピーダンスが50Ωである場合、棒状電極13,14を含む負荷側の負荷インピーダンスが50Ωとなるように整合される。負荷インピーダンスはインクの乾燥状態などに応じて変化するため、整合器12は、例えば可変コンデンサなどにより負荷インピーダンスを調整可能に構成されている。この整合器12の作用により、印加電力の周波数が安定化する。
一対の棒状電極13,14間に高周波の交流電圧を印加することにより、図4中に破線の電気力線で表す電界15が、一対の棒状電極13,14間に形成される。そして、この電界15が記録紙5や記録紙5に付着したインク16に作用して、加熱作用が起きる。この加熱作用は、加熱される物体の材質に依存する。一般に高周波中に誘電体を置いたとき、誘電体ロスδ(誘電損失角)、電圧E、電流Icとすると、Ic・tan・E分の熱が発生することが知られている。ここでtanδを誘電正接と呼び、この値が大きい物質ほど強く加熱される。
表1に、周波数1MHzでの一般的な材質の誘電正接tanδの値を示す。この表1に示すように、水は突出してtanδ値が高く、高周波誘電によって加熱されやすいことが分かる。インクジェットプリンタ1−1で使用するインク16は水分を多く含むため、この水分のみを選択的に、しかも自己発熱により加熱することで、高効率の乾燥を実現することができる。
Figure 0006657946
一対の棒状電極13,14間に形成される電界15の強度は、これら棒状電極13,14の中間位置が最も強く、棒状電極13の直下の位置または棒状電極14の直下の位置が最も弱い。これは、電気力線の密度により電界15の強度が異なるからである。このため、仮に記録紙5が停止している状態で加熱を行うと、記録紙5に付着したインク16に位置に応じた加熱ムラが生じる。しかし、記録紙5を一定速度で搬送しながら加熱する構成とすることで、記録紙5に付着したインク16をムラなく均一に加熱することができる。
ここで、本実施形態のインクジェットプリンタ1−1の説明に戻る。本実施形態のインクジェットプリンタ1−1では、上述したように、記録紙5に付着した他色インク(シアン、マゼンタ、イエローのインク)を乾燥させる第1の乾燥装置10として、高周波誘電加熱装置を用いる。
第1の乾燥装置10は、記録紙5の搬送経路において、黒インクを吐出するインクジェットヘッド6Bkよりも上流側に設けられている。このため、第1の乾燥装置10が設けられた位置を通過する記録紙5は、他色インクが付着しているが、黒インクは付着していない状態である。したがって、第1の乾燥装置10として用いる高周波誘電加熱装置は、他色インクの乾燥に適した印加電力(図1の例では約260W)を出力する構成とすればよく、このように構成された高周波誘電加熱装置により、他色インクを効率よく乾燥させることができる。なお、他色インクであるシアン、マゼンタ、イエローの各色のインクは、含有成分の誘電損失にあまり差がなく、高周波誘電加熱による発熱度合いにも差がないため、同じ条件で一律に乾燥させることができる。
本実施形態のインクジェットプリンタ1−1では、記録紙5の搬送経路において、第1の乾燥装置10の下流側に、黒インクを吐出するインクジェットヘッド6Bkが設けられている。したがって、記録紙5に付着した他色インクが第1の乾燥装置10によって乾燥された後に、この記録紙5がインクジェットヘッド6Bkの位置を通過して、インクジェットヘッド6Bkから吐出された黒インクが記録紙5に付着することになる。そして、記録紙5に付着した黒インクは、インクジェットヘッド6Bkよりもさらに下流側に設けられた第2の乾燥装置20−1によって乾燥される。
本実施形態のインクジェットプリンタ1−1では、黒インクを乾燥させる第2の乾燥装置20−1として、インクに温風を吹き付けることでインクを乾燥させる温風乾燥装置を用いる。温風乾燥装置を用いてインクを乾燥させる技術はよく知られているが、これまでは、温風の吹き付けによってすべてのインクを十分に乾燥させるために多大なエネルギが必要とされ、消費電力が増大する問題があった。これに対して、本実施形態のインクジェットプリンタ1−1では、温風の吹き付けにより乾燥させるのは黒インクのみとなるため、消費電力を削減できる。
なお、記録紙5に付着した他色インクは第1の乾燥装置10により乾燥されるが、乾燥が不十分な場合も生じうる。このような場合であっても、本実施形態のインクジェットプリンタ1−1では、第1の乾燥装置10の下流側に第2の乾燥装置20−1が設けられているため、第2の乾燥装置20−1によって乾燥が不十分な他色インクを補助的に乾燥させることができる。つまり、記録紙5に付着した他色インクは、記録紙5が第2の乾燥装置20−1が設けられた位置を通過する際に第2の乾燥装置20−1によっても熱量が与えられるため、仮に第1の乾燥装置10による乾燥が不十分だったとしても、記録紙5が排紙されるまでの間に十分に乾燥する。また、第2の乾燥装置20−1が他色インクに与える熱量を考慮して、その分、第1の乾燥装置10の印加電力を低く設定することもできる。これにより、乾燥システム全体のエネルギ効率を高めて、消費電力のさらなる削減を図ることができる。
次に、本実施形態のインクジェットプリンタ1−1の動作概要を説明する。図5は、本実施形態のインクジェットプリンタ1−1の動作手順を示すフローチャートである。なお、第1の乾燥装置10および第2の乾燥装置20−1は、インクジェットプリンタ1−1の起動とともに起動されるものとする。
本実施形態のインクジェットプリンタ1−1は、カラーの画像形成を行うにあたり、まず、記録紙5を給紙して、搬送ベルト4による記録紙5の搬送を開始する(ステップS1)。
次に、インクジェットプリンタ1−1は、記録紙5がインクジェットヘッド6C,6M,6Yの位置を通過するタイミングに合わせてこれらインクジェットヘッド6C,6M,6Yを画像データに応じて駆動し、記録紙5に向けて他色インクを吐出させる(ステップS2)。これにより、インクジェットヘッド6C,6M,6Yから吐出した他色インクが記録紙5に付着する。
次に、インクジェットプリンタ1−1は、記録紙5が第1の乾燥装置10の位置を通過する間に、記録紙5に付着した他色インクを、高周波誘電加熱装置として構成された第1の乾燥装置10により乾燥させる(ステップS3)。これにより、記録紙5に付着した他色インクが乾燥して個体付着物となる。
次に、インクジェットプリンタ1−1は、記録紙5がインクジェットヘッド6Bkの位置を通過するタイミングに合わせてインクジェットヘッド6Bkを画像データに応じて駆動し、記録紙5に向けて黒インクを吐出させる(ステップS4)。これにより、インクジェットヘッド6Bkから吐出した黒インクが記録紙5に付着する。
次に、インクジェットプリンタ1−1は、記録紙5が第2の乾燥装置20−1の位置を通過する間に、記録紙5に付着した黒インクを、温風乾燥装置として構成された第2の乾燥装置20−1により乾燥させる(ステップS5)。これにより、記録紙5に付着した黒インクが乾燥して個体付着物となる。以上の工程を経て他色インクによる固体付着物と黒インクによる固体付着物とが製造された記録紙5が、印刷物としてインクジェットプリンタ1−1から排紙される。
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施形態では、記録紙5に付着した他色インクを、高周波誘電加熱装置として構成された第1の乾燥装置10により乾燥させる。そして、第1の乾燥装置10が他色インクを乾燥させた後に記録紙5に黒インクを付着させ、この記録紙5に付着した黒インクを第2の乾燥装置20−1により乾燥させる。したがって、本実施形態によれば、黒インクのみが異常加熱状態となる不都合を有効に抑制しながら、黒インクと他色インクとを効率よく乾燥させることができる。
また、本実施形態によれば、黒インクを乾燥させる第2の乾燥装置20−1として、温風の吹き付けによりインクを乾燥させる温風乾燥装置を用いるため、高周波誘電加熱によって黒インクが異常加熱状態となることを確実に防止することができる。
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態のインクジェットプリンタ1−2の構成例を示す概略構成図である。本実施形態のインクジェットプリンタ1−2は、第1実施形態の第2の乾燥装置20−1に代えて、高周波誘電加熱装置として構成された第2の乾燥装置20−2を備える。本実施形態のインクジェットプリンタ1−2における他の構成や動作は第1実施形態と同様であるため、以下では、第1実施形態との差分である第2の乾燥装置20−2についてのみ説明する。
第1実施形態の第2の乾燥装置20−1として用いた温風乾燥装置は、黒インクのみを乾燥させる構成であるため、すべてのインクを乾燥させる従来の装置に比べると消費電力を削減できる。しかし、温風乾燥装置はエネルギ損失が大きく、高周波誘電加熱装置に比べると効率に劣るため、省エネルギの観点から改善の余地がある。そこで、本実施形態では、他色インクを乾燥させる第1の乾燥装置10だけでなく、黒インクを乾燥させる第2の乾燥装置20−2にも高周波誘電加熱装置を用いる。ただし、第2の乾燥装置20−2としては、第1の乾燥装置10に用いる高周波誘電加熱装置よりも加熱能力が低い高周波誘電加熱装置を用いる。つまり、第2の乾燥装置20−2として用いる高周波誘電加熱装置は、黒インクを異常加熱状態としない程度の加熱能力を持つように、その加熱能力が調整される。
高周波誘電加熱装置の加熱能力は、高周波誘電加熱による発熱量として表すことができる。つまり、高周波誘電加熱による発熱量が大きいほど、加熱能力が高いといえる。一般に、高周波誘電加熱による発熱量W[W]は、下記式(1)で表される。ここで、fは電極に印加する交流電圧の周波数[Hz]、ε0は真空の誘電率(0.0886×10−12)、εrは材料の誘電率、Sは電極面積、dは電極距離、Vは電極に印加する交流電圧の電圧値、tanδは材料の誘電正接である。
W=2πf×ε0×εr×(S/d)×V×2tanδ ・・・(1)
式(1)から分かるように、電極に印加する交流電圧の周波数fまたは電圧値Vを低くすることで、高周波誘電加熱による発熱量Wを小さくすることができる。第2の乾燥装置20−2に用いる高周波誘電加熱装置は、図3に示した電源11から棒状電極13,14間に印加される交流電圧の周波数fまたは電圧値Vが、第1の乾燥装置10に用いる高周波誘電加熱装置よりも低い値に設定される。これにより、第2の乾燥装置20−2に用いる高周波誘電加熱装置の加熱能力を第1の乾燥装置10よりも低くすることができる。このような周波数fや電圧値Vの制御は、例えば2つの高周波誘電加熱装置をコントローラによって個別に制御することで実現できる。なお、交流電圧の周波数fは法律的な規制があり調整が難しいため、電圧値Vを調整することが現実的である。
以上説明したように、本実施形態によれば、黒インクを乾燥させる第2の乾燥装置20−2として、第1の乾燥装置10よりも加熱能力が低い高周波誘電加熱装置を用いるので、第1実施形態と同様に、黒インクのみが異常加熱状態となる不都合を有効に抑制しながら、黒インクと他色インクとを効率よく乾燥させることができる。
さらに、本実施形態では、他色インクを乾燥させる第1の乾燥装置10だけでなく、黒インクを乾燥させる第2の乾燥装置20−2にも高周波誘電加熱装置を用いるため、第1実施形態よりもさらに消費電力を削減することができ、省エネルギ効果を高めることができる。
なお、本実施形態の構成によれば、第1の乾燥装置10による高周波誘電加熱によってすでに乾燥が終了した他色インクが、第2の乾燥装置20−2によって再度加熱されるが、誘電正接tanδが高い水分はすでに蒸発が完了しているので加熱されず、また、第2の乾燥装置20−2の加熱能力は第1の乾燥装置10よりも低いため、画像品質に影響を及ぼすことはない。
<第3実施形態>
図7は、第3実施形態のインクジェットプリンタ1−3の構成例を示す概略構成図である。本実施形態のインクジェットプリンタ1−3は、第2実施形態のインクジェットプリンタ1−2と同様に、第1の乾燥装置10よりも加熱能力が低い高周波誘電加熱装置として構成された第2の乾燥装置20−3を備える。ただし、第2の乾燥装置20−3の加熱能力を第1の乾燥装置10よりも低くする方法が、第2実施形態とは異なる。
すなわち、第2実施形態の第2の乾燥装置20−2は、電源11から棒状電極13,14間に印加される交流電圧の周波数fまたは電圧値Vを第1の乾燥装置10よりも低い値にすることで加熱能力を低くする構成である。これに対して、本実施形態のインクジェットプリンタ1−3では、図7に示すように、第2の乾燥装置20−3における棒状電極13,14(図3および図4参照)から搬送ベルト4上の記録紙5までの距離d2を、第1の乾燥装置10の距離d1よりも大きくすることで、第2の乾燥装置20−3の加熱能力を第1の乾燥装置10よりも低く抑える構成としている。
高周波誘電加熱では、棒状電極13,14からの距離が近いほど電界15の強度が強いため、加熱効率がよい。したがって、棒状電極13,14から記録紙5までの距離を調整することで、高周波誘電加熱装置の加熱能力を調整することができる。本実施形態のインクジェットプリンタ1−3では、第1の乾燥装置10として用いる高周波誘電加熱装置は、棒状電極13,14から記録紙5までの距離がd1に設定されている。これに対し、第2の乾燥装置20−3として用いる高周波誘電加熱装置は、棒状電極13,14から記録紙5までの距離が、d1よりも大きいd2となるように、棒状電極13,14の位置が調整されている。
以上説明したように、本実施形態によれば、黒インクを乾燥させる第2の乾燥装置20−3として、第1の乾燥装置10よりも加熱能力が低い高周波誘電加熱装置を用いるので、第1実施形態と同様に、黒インクのみが異常加熱状態となる不都合を有効に抑制しながら、黒インクと他色インクとを効率よく乾燥させることができる。
また、本実施形態では、他色インクを乾燥させる第1の乾燥装置10だけでなく、黒インクを乾燥させる第2の乾燥装置20−3にも高周波誘電加熱装置を用いるため、第2実施形態と同様に、第1実施形態よりもさらに消費電力を削減することができ、省エネルギ効果を高めることができる。
さらに、本実施形態では、棒状電極13,14から記録紙5までの距離d2を第1の乾燥装置10の距離d1よりも大きくすることで、第2の乾燥装置20−3の加熱能力を第1の乾燥装置10よりも低くする構成としているので、2つの高周波誘電加熱装置の制御系統を第1の乾燥装置10と第2の乾燥装置20−3とで分ける必要がない。このため、第1の乾燥装置10と第2の乾燥装置20−3とで、例えば電源11、整合器12、コントローラなどを共通化することができ、コストを低く抑えることができる。
<第4実施形態>
図8は、第4実施形態のインクジェットプリンタ1−4の構成例を示す概略構成図である。本実施形態のインクジェットプリンタ1−4は、第2実施形態のインクジェットプリンタ1−2や第3実施形態のインクジェットプリンタ1−3と同様に、第1の乾燥装置10よりも加熱能力が低い高周波誘電加熱装置として構成された第2の乾燥装置20−4を備える。ただし、第2の乾燥装置20−4の加熱能力を第1の乾燥装置10よりも低くする方法が、第2実施形態や第3実施形態とは異なる。
すなわち、本実施形態のインクジェットプリンタ1−4では、図8に示すように、第2の乾燥装置20−4の隣り合う棒状電極13,14間の距離a2を、第1の乾燥装置10の距離a1よりも大きくすることで、第2の乾燥装置20−4の加熱能力を第1の乾燥装置10よりも低く抑える構成としている。つまり、本実施形態では、第1の乾燥装置10と第2の乾燥装置20−4とで、記録紙5の搬送方向Bにおける装置サイズを同等としながら、第2の乾燥装置20−4の隣り合う棒状電極13,14間の距離a2を、第1の乾燥装置10の距離a1よりも大きくして、棒状電極13,14の本数を減らしている。
高周波誘電加熱では、棒状電極13,14の密度が高いほど電界15の強度が強く、加熱能力が高い。したがって、本実施形態のように、第2の乾燥装置20−4の隣り合う棒状電極13,14間の距離a2を、第1の乾燥装置10の距離a1よりも大きくし、第2の乾燥装置20−4の棒状電極13,14の本数を第1の乾燥装置10よりも少なくすることで、第2の乾燥装置20−4の加熱能力を第1の乾燥装置10よりも低く抑えることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、黒インクを乾燥させる第2の乾燥装置20−4として、第1の乾燥装置10よりも加熱能力が低い高周波誘電加熱装置を用いるので、第1実施形態と同様に、黒インクのみが異常加熱状態となる不都合を有効に抑制しながら、黒インクと他色インクとを効率よく乾燥させることができる。
また、本実施形態では、他色インクを乾燥させる第1の乾燥装置10だけでなく、黒インクを乾燥させる第2の乾燥装置20−4にも高周波誘電加熱装置を用いるため、第2実施形態や第3実施形態と同様に、第1実施形態よりもさらに消費電力を削減することができ、省エネルギ効果を高めることができる。
さらに、本実施形態では、隣り合う棒状電極13,14間の距離a2を第1の乾燥装置10の距離a1よりも大きくすることで、第2の乾燥装置20−4の加熱能力を第1の乾燥装置10よりも低くする構成としているので、2つの高周波誘電加熱装置の制御系統を第1の乾燥装置10と第2の乾燥装置20−4とで分ける必要がない。このため、第3実施形態と同様に、第1の乾燥装置10と第2の乾燥装置20−4とで、例えば電源11、整合器12、コントローラなどを共通化することができ、コストを低く抑えることができる。
<第5実施形態>
図9は、第5実施形態のインクジェットプリンタ1−5の構成例を示す概略構成図である。本実施形態のインクジェットプリンタ1−5は、第2実施形態のインクジェットプリンタ1−2、第3実施形態のインクジェットプリンタ1−3および第4実施形態のインクジェットプリンタ1−4と同様に、第1の乾燥装置10よりも加熱能力が低い高周波誘電加熱装置として構成された第2の乾燥装置20−5を備える。ただし、第2の乾燥装置20−5の加熱能力を第1の乾燥装置10よりも低くする方法が、第2実施形態、第3実施形態および第4実施形態とは異なる。
すなわち、本実施形態のインクジェットプリンタ1−5では、図9に示すように、記録紙5の搬送方向Bにおける第2の乾燥装置20−5の装置サイズb2を、第1の乾燥装置10の装置サイズb1よりも小さくすることで、第2の乾燥装置20−5の加熱能力を第1の乾燥装置10よりも低く抑える構成としている。つまり、第2の乾燥装置20−5が電界15を発生させる領域の大きさを、第1の乾燥装置10よりも小さくしている。
記録紙5は搬送ベルト4上を一定速度で搬送されるため、電界15を発生させる領域の大きさが小さいほど加熱時間が短い。したがって、第2の乾燥装置20−5の装置サイズb2を第1の乾燥装置10の装置サイズb1よりも小さくし、第2の乾燥装置20−5が電界15を発生させる領域の大きさを第1の乾燥装置10よりも小さくすることで、第2の乾燥装置20−5の加熱能力を第1の乾燥装置10よりも低く抑えることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、黒インクを乾燥させる第2の乾燥装置20−5として、第1の乾燥装置10よりも加熱能力が低い高周波誘電加熱装置を用いるので、第1実施形態と同様に、黒インクのみが異常加熱状態となる不都合を有効に抑制しながら、黒インクと他色インクとを効率よく乾燥させることができる。
また、本実施形態では、他色インクを乾燥させる第1の乾燥装置10だけでなく、黒インクを乾燥させる第2の乾燥装置20−5にも高周波誘電加熱装置を用いるため、第2実施形態、第3実施形態および第4実施形態と同様に、第1実施形態よりもさらに消費電力を削減することができ、省エネルギ効果を高めることができる。
さらに、本実施形態では、電界15を発生させる領域の大きさを第1の乾燥装置10よりも小さくすることで、第2の乾燥装置20−5の加熱能力を第1の乾燥装置10よりも低くする構成としているので、2つの高周波誘電加熱装置の制御系統を第1の乾燥装置10と第2の乾燥装置20−5とで分ける必要がない。このため、第3実施形態や第4実施形態と同様に、第1の乾燥装置10と第2の乾燥装置20−5とで、例えば電源11、整合器12、コントローラなどを共通化することができ、コストを低く抑えることができる。
以上、本発明の具体的な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明の一適用例を示したものである。本発明は、上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で様々な変形や変更を加えて具体化することができる。
1−1,1−2,1−3,1−4,1−5 インクジェットプリンタ
5 記録紙
6C,6M,6Y,6Bk インクジェットヘッド
10 第1の乾燥装置
11 電源
12 整合器
13,14 棒状電極
15 電界
20−1,20−2,20−3,20−4,20−5 第2の乾燥装置
特開2015−074136号公報

Claims (9)

  1. 被付着物に付着した第1の液体を乾燥させる第1の乾燥装置と、
    前記第1の乾燥装置が前記第1の液体を乾燥させた後に前記被付着物に付着した、導電体を含有する第2の液体を乾燥させる第2の乾燥装置と、を備え、
    前記第1の乾燥装置は、誘電加熱装置であり、
    前記第2の液体は前記導電体としてカーボンブラックを含有する黒インクであり、前記第1の液体は前記黒インク以外の他色インクであることを特徴とする乾燥システム。
  2. 前記第2の乾燥装置は、前記第1の乾燥装置よりも加熱能力が低い誘電加熱装置であることを特徴とする請求項1に記載の乾燥システム。
  3. 前記第2の乾燥装置は、電極に印加する交流電圧の周波数または電圧値が、前記第1の乾燥装置よりも低いことを特徴とする請求項2に記載の乾燥システム。
  4. 前記第2の乾燥装置は、電極から前記被付着物までの距離が、前記第1の乾燥装置よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の乾燥システム。
  5. 前記第2の乾燥装置は、隣り合う電極間の距離が、前記第1の乾燥装置よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の乾燥システム。
  6. 前記第2の乾燥装置は、電界を発生させる領域の大きさが、前記第1の乾燥装置よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の乾燥システム。
  7. 前記第2の乾燥装置は、温風により前記第2の液体を乾燥させる温風乾燥装置であることを特徴とする請求項1に記載の乾燥システム。
  8. 被付着物に付着した第1の液体を、第1の乾燥装置により乾燥させる第1の工程と、
    前記第1の工程の後に前記被付着物に付着した、導電体を含有する第2の液体を、第2の乾燥装置により乾燥させる第2の工程と、を含み、
    前記第1の乾燥装置は、誘電加熱装置であり、
    前記第2の液体は前記導電体としてカーボンブラックを含有する黒インクであり、前記第1の液体は前記黒インク以外の他色インクであることを特徴とする乾燥方法。
  9. 被付着物上に複数種類の体付着物を製造する体付着物製造方法であって、
    前記被付着物に第1の液体を付着させ、該第1の液体を第1の乾燥装置により乾燥させて体付着物とする第1の工程と、
    前記第1の工程の後に、前記被付着物に導電体を含有する第2の液体を付着させ、該第2の液体を第2の乾燥装置により乾燥させて体付着物とする第2の工程と、を含み、
    前記第1の乾燥装置は、誘電加熱装置であり、
    前記第2の液体は前記導電体としてカーボンブラックを含有する黒インクであり、前記第1の液体は前記黒インク以外の他色インクであることを特徴とする体付着物製造方法。
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