JP6173020B2 - インクジェット装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット装置に関し、好ましくはインクを誘電加熱法で加熱するインクジェット装置に関する。
インクジェット記録方法によれば、高解像度及び高品位の画像を高速で記録することができる。インクジェット用インクには、高い吐出安定性、記録物の光沢性、耐擦過性、カールの抑制、ブリードの抑制といった、様々な特性が求められており、近年ではそれらを満足すべく多岐に渡るインクジェット用インクの製造方法が提案されている。
さらに、印刷速度高速化のニーズに伴い、インク中の水分を高速に減少させるために、インクを加熱し乾燥する技術が知られており、温風乾燥、ホットプレート乾燥、赤外光乾燥、マイクロ波乾燥、誘電加熱乾燥など、様々な方式が開発されている。それらの中でも、誘電加熱乾燥は温風乾燥やホットプレート乾燥などの伝熱方式とは異なり、被加熱体の内部から加熱されるため、高効率、高速で乾燥することができる。
また、インクを塗布した画像形成時の問題として、被印刷体がインク中の液体分を過剰に吸収することによるカール、コックリングといった問題があった。前記問題の解決のために、中間転写体上にインクをインクジェットヘッドにより付与した後に、溶媒を中間転写体上で除去して中間画像を形成する中間画像形成工程と、前記中間画像が形成された中間転写体を被印刷体に圧着して前記中間画像を前記被印刷体へ転写する転写工程とを有する転写型インクジェット印刷方法が考案されている(特許文献1)。
特開昭62−92849号公報
しかしながら、上述したような誘電加熱方式をインクジェット用インクに使用する場合、以下のような課題がある。
第一に、インクジェット用インクにおける黒色インクはカーボンブラックを含むため、黒色インクで所謂ベタ画像を形成した場合、乾燥後、カーボンブラックが炭素で形成された導電体として作用し、電圧によってはスパークが発生してしまう場合がある。
第二に、誘電加熱は高効率かつ高速にインク内部から加熱するため、沸騰現象が発生し、表面が粗くなり光沢性が落ちる場合がある。
そこで、本発明の目的は、誘電加熱方式でインクを加熱するインクジェット装置であって、カーボンブラックを含むインクで印字面積が大きい画像を形成しても、スパークの発生が抑制されたインクジェット装置を提供することにある。また、好ましくは、スパークの発生及びインク光沢性の劣化が抑制されたインクジェット装置を提供することにある。
そこで、本発明の一形態は、
インクを被印字媒体に吐出するインクジェットヘッドと、該インクジェットヘッドにより前記被印字媒体に付与されたインクを該被印字媒体上で誘電加熱により加熱する誘電加熱手段と、を有するインクジェット装置であって、
前記インクはカーボンブラック及び絶縁性樹脂微粒子を含み、
前記絶縁性樹脂微粒子の前記インク中の体積割合は、前記カーボンブラックの前記インク中の体積割合に対し1.2倍以上であり、
前記誘電加熱手段は、高周波電圧を発生する誘電加熱発振機と、前記高周波電圧が印可され、並行して配置される複数の電極と、を有し、
前記電極が平行して配置される電極並び方向と交差する各電極の延在方向の幅をLとし、前記誘電加熱発振機の出力をAとし、それぞれ隣接する各前記電極間の平均距離をLとした場合、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とするインクジェット装置である。
(A/L)/L≦1.7W/mm・・・(1)
また、本発明の一形態は、
インクを被印字媒体に吐出するインクジェットヘッドと、前記インクを誘電加熱により加熱する誘電加熱手段と、を有する上記構成のインクジェット装置において
前記インクは、カーボンブラックを絶縁性樹脂中に内包する内包型絶縁性樹脂微粒子を含むことを特徴とするインクジェット装置である。
本発明によれば、誘電加熱方式でインクを加熱するインクジェット装置であって、カーボンブラックを含むインクで印字面積が大きい画像を形成しても、スパークの発生が抑制されたインクジェット装置を提供することができる。また、好ましい形態によれば、スパークの発生及びインク光沢性の劣化が抑制されたインクジェット装置を提供することができる。その結果、本発明によれば、安全性が高く、かつ乾燥良く効率可能なインクジェット装置を提供することができる。
本実施形態における転写型インクジェット記録装置の構成例を示す模式図である。 本実施形態における内包型絶縁性樹脂微粒子を被印字媒体上に配置する工程(図2(a))と、配置後乾燥する工程(図2(b)と、を示す模式図である。 本実施形態における転写型インクジェット記録装置の制御システムの構成例を示すブロック図である。
(実施形態)
本発明の実施形態は、インクを被印字媒体に吐出するインクジェットヘッドと、前記インクを誘電加熱により加熱する誘電加熱手段と、を有するインクジェット装置である。
また、本実施形態の第一の形態において、インクはカーボンブラック及び絶縁性樹脂微粒子を含み、絶縁性樹脂微粒子の前記インク中の体積割合は、カーボンブラックのインク中の体積割合に対し1.2倍以上である。
また、本実施形態の第一の形態における誘電加熱手段は、高周波電圧を発生する誘電加熱発振機と、高周波電圧が印可され、並行して配置される複数の電極と、を有する。また、電極の幅をL1とし、誘電加熱発振機の出力をAとし、それぞれ隣接する各電極間の平均距離をL2とした場合、下記式(1)の関係を満たす。
(A/L1)/L2 ≦ 1.7W/mm2 ・・・・(1)
また、本実施形態の第二の形態において、インクは、カーボンブラックを絶縁性樹脂中に内包する内包型絶縁性樹脂微粒子を含む。
以下、本実施形態に係るインクジェット装置の構成について説明する。
<被印字媒体>
被印字媒体としては、特に制限されるものではないが、例えば、中間転写体や被印刷体等が挙げられる。例えば、本実施形態におけるインクを用いることで、被印刷体に直接インクを描画した後に、誘電加熱をして乾燥することも可能である。直接被印刷体に画像を形成する場合、中間転写体を用いないため、装置全体のコストダウンを図ることができる。一方、紙などの被印刷体に水分が吸収されることによって発生するカール、コックリング等を防止したい場合は、中間転写体を用いることが好ましい。
被印字媒体として中間転写体が使用される場合、例えば、以下の工程により画像を被印刷体に転写することができる。まず、本実施形態におけるインクをインクジェットヘッドにより中間転写体に付与し、中間画像を形成する。次に、中間画像を誘電加熱手段により加熱して乾燥させる。そして、中間画像が形成された中間転写体に被印刷体を圧着して、中間画像を被印刷体へ転写する。
図1は、中間転写体を有するインクジェット装置の構成例を示す模式図である。
図1において、インクジェット装置は、回転可能な2つのドラム状の支持部材12と、それに沿って回転するベルトからなる中間転写体11と、を有する。中間転写体11の外面には、表層部材が形成されている。支持部材12は軸を中心として矢印方向に回転駆動し、その回転と同期して、周辺に配置された各デバイスが作動するように構成されている。
本実施形態における中間転写体は、インクを保持し、画像が形成される基材となる。本実施形態における中間転写体は、上述のように、例えば、表層部材を有する中間転写体ベルトにより構成され、支持部材12により必要な力が伝達され、回転搬送される。中間画像が形成される表層部材と中間転写体ベルトは、同じ材料から構成されていてもよいし、各々独立した複数の材料から構成されていてもよい。中間転写体の形状としては、例えば、シート形状、ローラー形状、ドラム形状、ベルト形状、無端ウエブ形状等が挙げられる。中間転写体のサイズは、目的の印刷画像サイズに合わせて任意に選択する事ができる。
図1に示される形態では、中間転写体ベルトを搬送するドラムが支持部材として用いられている。支持部材は、その搬送精度や耐久性の観点から、高い構造強度が求められる。支持部材の材質としては、例えば、金属、セラミック、樹脂などが挙げられる。これらの中でも、転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度のほか、動作時のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上するために要求される特性から、アルミニウム、鉄、ステンレス、アセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン、シリカセラミクス、アルミナセラミクスが好適に用いられる。また、支持部材は、1種の材料で構成されていてもよく、2種以上の材料を組み合わせて構成されていてもよい。
本実施形態では、誘電加熱によりインクを乾燥するため、中間転写体は導電性が低い材質で形成されることが望ましい。また、中間転写体が過剰に加熱されることを防ぐため、その材質には誘電損失が低いものが望ましい。このような観点から、中間転写体の材質としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン樹脂などが挙げられる。
画像が形成される表層部材は、例えば、ベルト部材上に接着剤により固定することができるが、特にこれに限定されるものではない。また、ベルト部材の表面をプラズマ処理等により改質して表層部材を形成してもよい。
また、誘電加熱は高効率かつ高速にインク内部から加熱するため、インクに沸騰現象が発生し、表面が粗くなって光沢性が低下する場合がある。しかし、中間転写体を用いて被印刷体に画像を形成した場合、インクのうち中間転写体側に形成された面が、被印刷体上では表面になり、表面状態の問題を低減することができる。そのため、本実施形態では誘電加熱方式を用いるため、中間転写体を用いた転写方式を採用することが好ましい。
<インクジェットヘッド>
画像を被印字媒体上に形成するには、インクジェットヘッド13が使用される。例えば、インクジェットヘッド13からインクが吐出され、中間転写体上に中間画像が形成される。インクジェットヘッドとしては、例えば、電気熱変換素子を用いてオンデマンド方式にてインク吐出を行うタイプのものを使用することができる。
<インク>
本実施形態の第一の形態において、インクは、カーボンブラック及び絶縁性樹脂微粒子を含み、絶縁性樹脂微粒子のインク中の体積割合は、カーボンブラックのインク中の体積割合に対し1.2倍以上である。カーボンブラック及び絶縁性樹脂微粒子はインク中にそれぞれ分散している。また、絶縁性樹脂微粒子のインク中の体積割合は、カーボンブラックのインク中の体積割合に対し20倍以下であることが好ましい。体積割合はインク中の各材料の質量に対し、各材料の密度の逆数をかけることにより算出することができる。
カーボンブラックとしては、特に制限されるものではなく、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックなどが挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、以下の市販品などを用いることができる。なお、本実施形態で用いることができるカーボンブラックは、これらに限定されるものではなく、公知のカーボンブラックを用いることができる。
レイヴァン:7000、5750、5250、5000、3500、2000、1500、1250、1200、1190ULTRA−II、1170、1255(以上コロンビア製)。ブラックパールズ:L、リーガル:400R、330R、660R、モウグル:L、モナク:700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、ヴァルカン:XC−72R(以上キャボット製)。カラーブラック:FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリンテックス:35、U、V、140U、140V、スペシャルブラック:6、5、4A、4(以上デグッサ製)。No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学製)。
絶縁性樹脂微粒子の材質としては、絶縁性を有する樹脂であれば特に制限されないが、例えば、疎水性モノマーを挙げることができる。疎水性モノマーとしては、例えば、スチレン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、i−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート等を挙げることができる。
また、絶縁性樹脂微粒子の材料としては、例えば、アクリル樹脂微粒子、塩化ビニル系脂微粒子、酢酸ビニル系脂微粒子、エポキシ樹脂脂微粒子、アミノ樹脂微粒子等を用いることができる。絶縁性樹脂微粒子の平均粒径(体積平均、D50)は、200nm以下であることが好ましい。平均粒径が200nm以下であると、画像の光沢性や画像濃度の低下を抑制することができる。また、絶縁性樹脂微粒子の平均粒径(体積平均、D50)は、50以上200nm以下であることが好ましく、80以上170nm以下であることがより好ましい。
また、本実施形態の第二の形態において、インクは、カーボンブラックを絶縁性樹脂中に内包する内包型絶縁性樹脂微粒子を含む。すなわち、本実施形態におけるインクにおいて、絶縁性樹脂微粒子とカーボンブラックが溶媒中に別個の材料としてそれぞれ分散している形態であってもよく、また、絶縁性樹脂微粒子の中にカーボンブラックが内包されている内包型絶縁性樹脂微粒子の形態であってもよい。
内包型絶縁性樹脂微粒子は、例えば、疎水性モノマーにカーボンブラックを溶解させて重合する方法や、カーボンブラック表面に疎水性モノマーを吸着させて重合させる方法等で製造できる。カーボンブラック表面に疎水性モノマーを吸着させる方法としては、カーボンブラックとモノマーを混合して乳化する製法が挙げられる。この製法については、以下の文献に詳細な検討が報告されている。
Encapsulation of carbon black by miniemulsion polymerization (Maoromol. Chem. Phys.2001.202.51−60)
内包型絶縁性樹脂微粒子を用いることによって、インクが乾燥した際にその成分が凝集する際に、カーボンブラック粒子同士が直接接することがより効果的に防止される。そのため、乾燥したインクが導電体として作用することがなくなる。これを図2の模式図を用いて説明する。図2(a)は、中間転写体11上に形成された中間画像の状態を示している。符号18は内包型絶縁性樹脂微粒子のうち絶縁性樹脂部分を示し、符号19は溶媒としての水を示し、符号17は内包型絶縁性樹脂微粒子に内包されるカーボンブラックを示す。なお、それ以外の成分については図示していない。この状態から、誘電加熱によって水19が加熱されることによって図2(b)に示す状態となる。図2(b)に示すように、内包型絶縁性樹脂微粒子の形態の場合、インク乾燥後、カーボンブラック17の間に確実に絶縁性樹脂18が配置される。これにより、図2(b)の状態に対し誘電加熱してもカーボンブラックが導電体として作用することを防止し、スパークの発生を防止することが可能となる。
また、内包型絶縁性樹脂微粒子を用いることで、比重差などによるインク中における絶縁性樹脂とカーボンブラックの偏在を防止し、カーボンブラックの偏在による導電体の形成を防止することができる。
本実施形態では、カーボンブラックが絶縁性樹脂に内包される形態である内包型絶縁性樹脂微粒子を含むインクを用いることができるが、特にこの形態に限定されるものではない。インクは、カーボンブラック及び絶縁性樹脂微粒子を別個の分散体として含むことができる。この形態でも、スパークの発生を抑制することができる。
内包型絶縁性樹脂微粒子では、カーボンブラックの粒子表面に絶縁性樹脂が配置されるため、より効果的にカーボンブラック粒子間の接触を防止することができる。
それに対し、カーボンブラック及び絶縁性樹脂微粒子を別個の分散体としてインク中に含有させる場合でも、カーボンブラック粒子間に絶縁性樹脂微粒子によってスペースを作ることができ、スパークの発生を防止することができる。また、内包型絶縁性樹脂微粒子に使用可能な樹脂材料に比べ、使用できる樹脂材料が多いため、画質に対する要望に合わせた樹脂を選択し易くなる。
インクに含まれる溶媒は、水であることが好ましい。また、環境に対する負荷や誘電加熱時の誘電損失、使用時の臭気等の観点から、溶媒の主成分が水であることが好ましい。
誘電加熱方式を用いた装置を利用する際、国際電気通信連合によって定められたISM(Industrial scientific and medical use)バンドに指定されている周波数帯が用いられる。具体的な周波数帯は、13.56±0.007MHz、27.12±0.163MHz、40.68±0.02MHzである。それゆえ、水を主溶媒として含むインクを用い、かつISMバンドにおいて最も高い周波数である40.68±0.02MHzの周波数帯を用いることが好ましい。主溶媒とは、インクに含まれる液体分の中で最も多く含まれる液体のことを意味する。また、吐出性能や加熱性の観点より、インクは主溶媒として水を含み、水の含有量が溶媒全体中で50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。
溶媒は、有機溶剤を含むことも好ましい。特に、中間転写体を用いる方式においては、被印刷体に転写するときのインクにはほぼカーボンブラックと有機溶剤が含まれることになり、転写性向上の観点からも適量の有機溶剤を含有することが有効である。
有機溶剤は、高沸点で蒸気圧の低い水溶性の溶剤であることが好ましい。有機溶剤としては、具体的には、例えば、以下のものが挙げられる。1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのアルカンジオール類。ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテルなどのグリコールエーテル類。エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第2ブタノール、第3ブタノールなどの炭素数1乃至4のアルキルアルコール類。N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのカルボン酸アミド類。アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オンなどのケトン、又は、ケトアルコール。テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類。グリセリン。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのアルキレングリコール類。チオジグリコール、1,2,6−ヘキサントリオールなどの多価アルコール類。2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルモルホリンなどの複素環類、ジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物等が好適に用いられる。有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
インクには、最終的に形成される画像の堅牢性を向上させるために、水溶性樹脂や水溶性架橋剤を添加することもできる。このような水溶性樹脂や水溶性架橋剤として用いられる材料は、インク成分と共存できかつ絶縁性を持つものであれば、特に制限されるものではない。水溶性樹脂としては、重量平均分子量が1000〜15000の樹脂が好ましい。水溶性樹脂としては、例えば、ビニル系樹脂が挙げられ、具体的には、スチレンおよびその誘導体、ビニルナフタレンおよびその誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル、アクリル酸およびその誘導体、マレイン酸およびその誘導体、イタコン酸およびその誘導体、フマル酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いて形成されるブロック共重合体又はランダム共重合体等が挙げられる。水溶性架橋剤としては、インク安定性の観点から、例えば、オキザゾリンやカルボジイミドが好適に用いられる。また、ポリエチレングリコールジアクリレートやアクリロイルモルフォリンのような反応性オリゴマーも好適に用いることができる。
インクは、上記成分以外にも、必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、水溶性樹脂の中和剤、塩などの添加剤を含有してもよい。
また、インクは、必要に応じて、界面活性剤を加えてインクの表面張力を適宜調整して用いることが好ましい。界面活性剤としては、インクの保存安定性に悪影響を及ぼさないものが好ましく、例えば、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレンアルコール類、アセチレングリコール類等のノニオン性界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<誘電加熱手段>
本実施形態における誘電加熱手段は、高周波電圧を発生する誘電加熱発振機と、高周波電圧が印可される複数の電極と、を有する。複数の電極は、並行して配置される。
誘電加熱手段は、被印字媒体に対向する位置に配置することができ、中間転写体の表層部材に対向する位置に配置されることが好ましい。また、誘電加熱手段において、例えば、位相の異なる高周波電圧が印加される複数の平行電極が櫛歯状に交互に配置され、被印字媒体の搬送方向と直角をなす方向に電極が交互に並行して配置される。また、電極に印可する高周波電圧は誘電加熱発振機により発生される。
また、誘電加熱手段には、平行平板電極を向かい合わせた形態も存在するが、中間転写体の裏面側(画像が形成される面と反対側の面側)には金属等の剛性体が配置されることから、インクジェットヘッド側に並行に配置された電極形状が好ましい。さらに、電極と被加熱物との距離が、電極間距離より大きくなると、加熱の効率が下がるため、電極間距離よりも電極と被加熱物との距離の方が短いことが好ましい。すなわち、被印字媒体から電極までの距離(例えば最短距離)が電極間距離よりも短いことが好ましい。
ここで、本実施形態の第一形態において、電極が平行して配置される電極並び方向と交差する各電極の延在方向の幅をLとし、誘電加熱発振機の出力をAとし、それぞれ隣接する各電極間の平均距離をLとした場合、下記式(1)の関係を満たす。
(A/L1)/L2 ≦ 1.7W/mm2 ・・・・(1)
本実施形態の第一形態では、カーボンブラックを含む印字物において、インク内に一定量の絶縁性樹脂微粒子を含ませることによって、カーボンブラックを含む印字物が導電体として作用しないようにしている。そのため、カーボンブラックを含む印字物を過剰に誘電加熱した場合においても、スパークの発生が効果的に抑制される。また、本実施形態では、電極幅あたりの発振出力A/L1を電極間距離L2で割った値(A/L1)/L2が1.7W/mm2以下となるように条件を設定することにより、インクの急激な膜沸騰に起因する表面粗さの低下を防止することができる。そのため、インク光沢性の劣化を抑制することができる。
(実施例)
以下、本発明について実施例を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例では、カーボンブラックと絶縁性樹脂微粒子を含有するインクを、中間転写体にインクジェットヘッドを用いて付与することにより中間画像を形成する中間画像形成工程を行う。続いて、誘電加熱による乾燥工程と、前記中間画像が形成された前記中間転写体に被印刷体を圧着して前記中間画像を前記被印刷体へ転写する転写工程と、を行う。
以下に、本実施例における印刷方法の概略について説明する。また、以下、本実施例における転写型画像形成装置について説明する。
まず、図1を参照して、本実施例における中間転写体上での中間画像形成工程と、該画像を乾燥、転写する工程について説明する。
図1において、インクジェット装置は、回転可能な2つのドラム状の支持部材12と、それに沿って回転する中間転写体ベルトからなる中間転写体11と、を有する。中間転写体11の外面には、表層部材が形成されている。支持部材12は軸を中心として矢印方向に回転駆動し、その回転と同期して、周辺に配置された各デバイスが作動するように構成されている。
中間転写体は、インクを保持し、画像を形成する基材となる。中間転写体は、表層部材を有する中間転写体ベルトにより構成され、支持部材12により必要な力を伝達され、回転搬送される。
中間転写体ベルトを搬送するドラムが支持部材として用いられている。支持部材は、その搬送精度や耐久性の観点から、高い構造強度が求められる。本実施例ではステンレスからなる支持部材を用いた。
中間転写体の材質としては、シリコーン樹脂を用いた。また、シリコーン樹脂からなるベルト部材に以下のように表層部材を形成し、中間転写体を作製した。表層部材は、まず、シリコーン樹脂からなるベルト部材に対し、大気圧プラズマ処理装置を用いて表面改質を施した。さらに、この表面を界面活性剤水溶液に浸漬させた後、水洗いして乾燥させることにより、表層部材を形成した。
中間転写体の表層部材の上方には、インクジェットヘッド13が配置されている。該インクジェットヘッド13からインクが表層部材上に吐出され、中間画像が形成される。本実施例では、電気熱変換素子を用いたオンデマンド方式にてインク吐出を行うタイプのインクジェットヘッドを使用した。
本実施例において、インクとしては、主溶媒として水を含む樹脂分散型インクを用いた。使用したインクジェットヘッドは最大1200dpiのドット密度で、各1滴の吐出量が4plでインクを塗布することができる。前記インクジェットヘッドを2個用いることで最大1200dpiのドット密度で2滴のドット密度にて画像を形成した。インクの詳細については後述する。
本実施例では、中間画像を中間転写体上に形成した後に、中間転写体表面から10mmの位置に設置されている誘電加熱用電極14によって発生する電界の中を、インクが通過することによって乾燥される。具体的には、並んでいる各電極に対して電圧をかけることで各電極間に電界が発生し、その電界の中にインク中の誘電体である水が存在することによって、水内部において分子の双極子が形成される。そして、電界の向きを高周波数で変化させることで、双極子が激しい内部摩擦を起こし発熱し、水が蒸発する。このときの発熱量Pは下記式(2)で表され、物質特有の値である誘電損失角tanδ、比誘電率εrと、装置固有の値である周波数f、電界強度Eに影響を受ける。
P=5/9×10-10×εr・tanδ・f・E2 ・・・(2)
誘電加熱を用いた乾燥方式は、上述したように被加熱物の内部より加熱することで、高速かつ高効率に乾燥できる。しかしながら、電極間に導電体が存在した場合、電極から導電体に対しスパークが発生する場合がある。そのため、一般的な装置には、スパークを感知した瞬間に安全装置が働き、電源が落ちるように設計されている。
本実施例における構成では、各電極間の距離は20mmとなっており、電極から中間転写体までの距離は前述したように10mmとなっている。また、電極から電極間の距離以内の位置に導電体からなる支持部材が存在するとスパークが発生するため、電極から20mm内に導電体が存在しないように、本実施例では中間転写体の厚みを25mmとした。これにより、電極から35mm離れた位置に、ステンレス製の支持部材が配置されるようにした。本実施例では、10kWの出力、300mm幅の平板電極を用いて、搬送速度200mm/sで搬送した。
ここで、上述の実施形態で説明したように、色材としてカーボンブラックを用いる場合、炭素の存在によりスパークが発生する場合がある。より具体的に説明すると、印字画像には塗布量の多少が存在するため、塗布量の少ない箇所から早く乾燥される。さらに、塗布される塗布面積が大きい印字部は、色材としてカーボンブラックを含む場合、乾燥状態においては導電体である炭素が繋がって存在していることになる。誘電加熱による加熱量、加熱時間は一般的に最も塗布量の多い箇所に合わせて設定されるため、塗布量の少ない領域は乾燥後も加熱される。そのため、その領域にカーボンブラックが含まれる場合、上述したように導電体である炭素の存在によりスパークが発生する懸念がある。そこで、本実施例では、カーボンブラックを含む乾燥されたインクが導電体として作用しないように、インク内に一定量の絶縁性樹脂微粒子を含有させる。これにより、カーボンブラックを含むインクが過剰に誘電加熱された場合においても、スパークの発生が抑制される。
絶縁性樹脂微粒子の絶縁性は絶縁抵抗で定義される。絶縁抵抗とは、二つの電極間に印加した直流電圧を電極間に流れる全電流で除した数値であり、本実施例では、絶縁性樹脂微粒子を構成する絶縁性樹脂からなる試験片の体積抵抗を測定して判断した。具体的には、直流電圧500Vで20℃、65%RHのもとで測定し、二つの電極間に印加した直流電圧を、電極間に挟んだ試験片の単位体積を通る電流で除した数値を体積抵抗値とした。試験サンプルは、樹脂微粒子を乾燥させることにより一辺の長さが20mmの直方体を作製し、電極間距離20mmにて評価した。得られた体積抵抗値が1011Ω・cmより大きい場合、絶縁性を持つと定義した。
本実施例では、下記に示す組成でインクNo.1を調合した。分散樹脂の製法については後述する。「部」は体積部を表す。
カーボンブラック:カラーブラックFW18 2.0部
絶縁性樹脂微粒子 2.7部
非水溶剤1 :グリセリン 8.0部
非水溶剤2 :エチレングリコール 4.0部
界面活性剤 :アセチレノールE100(商品名) 0.5部
イオン交換水 : 82.8部
本実施例では絶縁性樹脂微粒子としてスチレン(平均粒径D50;200nm)を用いた。
上記インクを中間転写体に吐出してサンプルを形成し、表2に示す条件にて誘電加熱し、インクを乾燥させた。
乾燥工程の後、中間転写体上に形成されている中間画像に被印刷体15を接触させ、画像を転写形成した。本実施例では加圧ローラー16を用いて中間画像を被印刷体15に圧着させた。また、被印刷体は日本製紙製オーロラコート(坪量127.9g/m2)を用いた。
ここで、制御回路について図3を用いて説明する。
図3は制御系のブロック図である。各部材の駆動制御信号を送出する制御部20はCPU20a、ROM20b、RAM20c、カウンタ20dより構成されている。
CPU20aは中央演算処理装置であり、ROM20b等からプログラムや各種データを読み出し、必要な演算や判断を行い、各種制御を行うものである。
ROM20bは読み出し専用のメモリーであり、CPU20aが動作するための各種プログラムや文字コード、ドットパターン記録等に必要な各種データを格納している。
RAM20cはリードライトメモリであり、CPU20aが命令中のデータや演算結果を一時貯えておくワーキングエリア、或いは外部機器21等から入力された各種データを格納しておくバッファエリア等からなっている。
カウンタ20dは支持部材12を動かすモータ24の駆動パルス数等をカウントし、その情報をCPU20aに伝達するものである。
制御インタフェース22を介して外部機器21から画像信号、記録媒体検知センサ25から記録媒体検出信号を入力する。
また、制御部はプログラムに基づいてモータ24を駆動するためのモータドライバ23に駆動信号を出力し、且つ各インクジェットヘッド13を駆動するためのヘッドドライバ27、誘電加熱用電極14に電圧をかけるための誘電加熱ドライバ26に駆動信号を出力する。
なお、本発明は上述した構成に限られるものではない。例えば、本実施例においてはクリーニングユニットを持たない構成となっているが、必要に応じて適宜設けることができる。
また、本実施例では反応液を用いることなく凝集するインクを用いたが、反応液と凝集させて画像を形成するインクであってもよい。その場合は、反応液においても本実施例におけるインクと同様に、絶縁性樹脂微粒子を含むことが好ましい。
また、その他の実施例及び比較例として、表1に示す組成のインクで誘電加熱する試験を行った。実施例及び比較例において、4plのインク液滴を1200dpiの密度に2滴づつ打ち込んで形成したサンプルにて試験を行った。表1に上記No.1も含め、No.1〜36のインク組成を示す。なお、表1におけるインク組成において、数値はインクに含まれる材料の体積割合を示している。なお、それぞれの材料の体積は質量から算出した。評価結果を表2に示した。
なお、各材料の密度は以下の通りである。
カーボンブラック:カラーブラックFW18 1.8g/cm3
絶縁性樹脂微粒子 1.2g/cm3
非水溶剤1 :グリセリン 1.3g/cm3
非水溶剤2 :エチレングリコール 1.1g/cm3
界面活性剤 :アセチレノールE100(商品名) 1.0g/cm3
イオン交換水 : 1.0g/cm3
Figure 0006173020
Figure 0006173020
本試験では、上述したインクと同じ材料を用いた。
その結果、表2に示すように、カーボンブラックに対する絶縁性樹脂微粒子の体積比率が少なくとも1.2倍以上であれば、スパークが発生しないことを確認された。
インクジェットによる印字物が電子写真方式による印字物と比較して好ましい点の一つとして、印字物における色材以外の体積比が低いことによって、印字部の厚みが薄く、紙の風合いが残る点にある。具体的には電子写真技術において印字物を形成するトナーでは、顔料に対しバインダーが約20倍程度含まれている。しかし、インクジェットにおいては、一般的に、バインダーは必須材料ではなく、色材以外の材料の含有量は印字物の耐久性向上等を目的として顔料と同量程度である。本実施例によれば、絶縁性樹脂微粒子を多く含めば含むほど、絶縁性の観点より安全性が高くなるが、一方でインクジェット技術の有利な特徴である風合いの良さも失う傾向にある。そのような観点より、カーボンブラックに対する絶縁性樹脂微粒子の体積割合は20倍以下であることが好ましい。
また、前述したように誘電加熱は高効率に、かつ高速に内部から加熱するため、沸騰現象が発生し、表面が粗くなり光沢性が落ちる問題がある。そこで、各装置構成において必要な絶縁性樹脂量の確認と、光沢性への影響とを確認するために、表3に示す条件で誘電加熱する試験を行った。表3に示したインクNoの組成は何れも表1に準じる。電極とインクとの距離は10mmであり、その距離が均一な状態で試験を行った。図5における表面粗さの良否判定は常温乾燥における表面粗さRaと比較し同等なものを良とし、同等未満のものを否と評価した。
誘電加熱電極に対して、電極幅あたりの電圧がかかるため、発振出力Aを電極幅L1で割った値を変化させて影響を確認した。また、一般的に電界強度は電極間にかかる電位を電極表面積と電極間距離で割って算出される。本発明における電極構成においては表面積の影響が無いため、上記の値をさらに電極間距離L2で割った値を変化させてA/L1/L2の影響を確認した。評価結果を表3に示す。
Figure 0006173020
表3に示すように、スパークが起きることがあるインクを用いたとしても、電極幅あたりの発振出力A/Lを電極間距離Lで割った値A/L/Lが1.7W/mm以下であれば、急激な沸騰による表面粗さの低下を防止できることが確認された。
本実施例では、形成された画像の表面光沢性を鑑み転写型画像形成装置を用いたが、上述したようなインクを用いることで、非印刷体に直接インクを描画した後に、誘電加熱をして乾燥することも可能である。直接描画することによって、中間転写体11や支持部材12を用いる必要がなくなるため、装置全体のコストダウンを図ることが出来る。それに対し、紙に水分を吸収させてしまうことによって発生するカール、コックリング等を防止したい場合は、転写型である方が好ましい。さらに、誘電加熱方式には平行平板電極を向かい合わせた形状もあるが、転写体の裏面に金属等の剛性体が必要であることより、転写体を挟みこむ形状は好ましくない。そのため、転写体上のインクジェットヘッド側において、並行に配置された電極形状が好ましい。さらに、電極から被加熱物の距離が、電極間距離より大き過ぎてしまうと、加熱されなくなってしまうため、電極間距離よりも電極から被加熱物の距離が短いほうが好ましい。
上述のように、本発明の形態を取ることで、カーボンブラックを含んだインクを誘電加熱する方式において、スパークを防止できることを確認した。
上記の結果から明らかなように、本発明の形態を用いることで、誘電加熱時の炭素の存在によるスパークの発生を防止した、誘電加熱方式を用いた画像形成装置を提供することができる。
また、内包型絶縁性樹脂微粒子を用いた実施例について説明する。転写装置の構成、誘電加熱の装置構成は上述の実施例と同じであるため省略する。内包型絶縁性樹脂微粒子は以下手法で作製した。
先ず、カーボンブラック10部、グリセリン6部、スチレン−アクリル酸系樹脂分散剤10部、及び水74部からなる組成の混合液を、金田理化工業社製のサンドミルにて、1,500rpm で5時間分散し、顔料分散液を得た。サンドミルでは0.6mm径のジルコニアビーズを使用し、ポット内の充填率は70%とした。本実施例で使用したカーボンブラックは、カーボンブラックFW18であり、スチレン−アクリル酸系樹脂分散剤には、共重合比70:30、Mw=8000、酸価170のものを使用した。かかるスチレン− アクリル酸系樹脂分散剤は、予め、水及び、上記の酸価と当量の水酸化カリウムを加えて80℃にて攪拌し、水溶液としたものを使用した。得られた顔料分散液は、平均分散粒径98nmで安定に分散されていた。
次に、上記で得た顔料分散液を100部として、窒素雰囲気下、70℃ に加熱した状態で、モータで攪拌しながら下記の混合液を徐々に滴下して加え、5時間重合を行った。該混合液は、メタクリル酸メチル5.5部、アクリル酸0.5部、水酸化カリウム0.12部、過硫酸カリウム0 .05部と水20部からなる。得られた分散液を水にて10倍に希釈し、5000rpmにて10分間遠心分離を行って凝集成分を除去した。その後、更に125 00rpm、2時間の条件で遠心分離することにより精製して、沈降物である内包型絶縁性樹脂微粒子を得た。
この内包型絶縁性樹脂微粒子を電子顕微鏡で観察すると、絶縁性樹脂がカーボンブラック表面に固着しており、カーボンブラックを内包している状態であることが観察された。
上記で得た内包型絶縁性樹脂微粒子が、インク中の含有量が4体積%となるように、下記の成分組成を混合して記録用インクを調製した。該記録用インクは、更に、ポアサイズが2.5ミクロンのメンブレンフィルターにて加圧ろ過しされた。下記の「部」は体積部を表す。
・内包型絶縁性樹脂微粒子 4部
・グリセリン 8部
・エチレングリコール 4部
・アセチレノールE100(商品名) 0.5部
・イオン交換水 83.5部
また、上述したインクを用いて誘電加熱する試験を行った。インクの吐出量としては、4plのインク液滴を1200dpiのドット密度で2滴打ち込んだサンプルにて試験を行った。
発振出力は10000W、最大印字幅300mm、電極間距離20mmで加熱した結果、スパークが発生せずに乾燥が可能であることが確認された。
上述のように、本発明の形態を取ることで、カーボンブラックを含んだインクを誘電加熱する方式において、スパークを防止できることを確認した。
11・・・中間転写体
12・・・支持部材
13・・・インクジェットヘッド
14・・・誘電加熱用電極
15・・・被印刷体
16・・・加圧ローラー
17・・・色材
18・・・樹脂微粒子
19・・・水
20・・・制御部
21・・・外部機器
22・・・インタフェース
23・・・モータドライバ
24・・・モータ
25・・・記録媒体検知センサ
26・・・誘電加熱ドライバ
27・・・ヘッドドライバ

Claims (5)

  1. インクを被印字媒体に吐出するインクジェットヘッドと、該インクジェットヘッドにより前記被印字媒体に付与されたインクを該被印字媒体上で誘電加熱により加熱する誘電加熱手段と、を有するインクジェット装置であって、
    前記インクはカーボンブラック及び絶縁性樹脂微粒子を含み、
    前記絶縁性樹脂微粒子の前記インク中の体積割合は、前記カーボンブラックの前記インク中の体積割合に対し1.2倍以上であり、
    前記誘電加熱手段は、高周波電圧を発生する誘電加熱発振機と、前記高周波電圧が印可され、並行して配置される複数の電極と、を有し、
    前記電極が平行して配置される電極並び方向と交差する各電極の延在方向の幅をLとし、前記誘電加熱発振機の出力をAとし、それぞれ隣接する各前記電極間の平均距離をLとした場合、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とするインクジェット装置。
    (A/L)/L≦1.7W/mm・・・(1)
  2. 前記絶縁性樹脂微粒子の前記インク中の体積割合は、前記カーボンブラックの前記インク中の体積割合に対し20倍以下である請求項1に記載のインクジェット装置。
  3. 前記インクは主溶媒として水を含み、かつ前記誘電加熱の周波数が40.68±0.02MHzの発振機を用いる請求項1又は2に記載のインクジェット装置。
  4. 前記被印字媒体が中間転写体であり、該中間転写体上に形成された画像を記録媒体に転写する手段を有し、前記電極は前記中間転写体に対向して配置される請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット装置。
  5. 前記インクは、カーボンブラックを絶縁性樹脂中に内包する内包型絶縁性樹脂微粒子を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット装置。
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