JP6655558B2 - 生体内留置部材を製造するための型及び該型を用いた生体内留置部材の製造方法 - Google Patents

生体内留置部材を製造するための型及び該型を用いた生体内留置部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、一次コイルに立体形状が付与された生体内留置部材を製造するための型及び該型を用いた生体内留置部材の製造方法に関するものである。
血管にできた動脈瘤等の瘤を治療する方法としては、例えば塞栓物質等の生体内留置部材を瘤内に挿入する方法が挙げられる。このような治療により、瘤内の塞栓物質の周りに血栓を形成させて、瘤が破裂する危険性を低減することができる。塞栓物質を所望の瘤に挿入するには、先ず、マイクロカテーテルと呼ばれる小径で細長いチューブから構成される医療機器を血管内に挿入し動脈瘤等の瘤に誘導する。そして、マイクロカテーテルのチューブ内腔を介して塞栓物質を瘤内に挿入し、留置する。
このような塞栓物質としては、金属素線をコイル状に成形した線状の一次コイルを更に螺旋状に成形した二次コイルから構成されるものが広く用いられている。そして、この塞栓物質を動脈瘤等の瘤まで誘導する際には、マイクロカテーテルの細いチューブ内では直線状とし、瘤内にてチューブ内から放出すると、元の二次コイルの形状に戻り、瘤内に留まることが可能となる。尚、線状の一次コイルを賦形して立体形状の二次形状を付与したものを二次コイルと称する。
ところで、瘤の形状には球形や楕円球形のもの、二瘤状のものや瘤から別の血管が分岐しているもの等がある。中でも、例えば動脈瘤の直径に対して、親血管との境目部が広いワイドネック動脈瘤と呼ばれるタイプの瘤では、二次コイルを瘤内に留置する際に、例えば径が軸方向に一定の螺旋状の二次コイルを用いると、その形状が円筒状で、瘤の内壁面の形状に十分には対応していないうえ、ネック開口部が広いため、瘤内で元のコイル状に復元しても瘤内で留まるための瘤の内壁面に対する押圧力が弱く親血管に二次コイルが飛び出し、そのまま血流によって末梢へ流されることで重篤な危険が発生する可能性がある。
このようなワイドネック動脈瘤に対しては、二次コイルの形状が、前述のような螺旋状ではなく、瘤の内壁面の形状にある程度合致する螺旋状とは異なる複雑な3次元構造を有していると、瘤内で二次コイルがその3次元構造に復元して、瘤の内壁面に対して押圧力を負荷することで、しっかりと固定され、二次コイルが親血管に飛び出す可能性を低減することができることが知られている。
このような螺旋状とは異なる複雑な3次元構造を有する二次コイルは、すでに様々な製造技術が開示されている。例えば、特許文献1には、一次コイルをマンドレル形状(ピン付)、クローバー形状、キュービック形状の芯材に巻き付けて3次元構造を有する二次コイルを製造する方法が開示されている。しかし、このように一次コイルを芯材に巻き付ける場合は、製造工程上、巻き付ける際に一次コイルを損傷する可能性がある、複雑な3次元構造の場合には巻き付ける順番に留意する必要があり、作業が煩雑になる等の問題がある。
また、特許文献2にも、コイルを心棒(棒、立方体、溝あり)に巻き付けて3次元構造を有する二次コイルを製造する方法が記載されているが、特許文献1に記載の方法の場合と同様に、巻き付け時の一次コイルの損傷や作業性の面で問題がある。
一方、特許文献3には、一次コイルを心棒などへ巻き付ける方法以外に、球状の金型に一次コイルを挿入して球形状の3次元構造を有する二次コイルを製造する方法が記載されている。この金型を用いる方法では、対になる半球形状の内部空間を有する金型を合わせることで球形状の内部空間を形成し、この内部空間に一次コイルを挿入することで球形状の3次元構造の二次コイルを成形するものである。しかしながら、この方法では、図27に示すように、一次コイル1の金型200の内部空間201への挿入は容易であるものの、内部空間201での一次コイル1の動きを制御することができず、一次コイル1がランダムに挿入されずに一般的な螺旋形状になり、また、その一般的な螺旋形状は、内部空間201での一次コイルを意図した配置にすることができず、従って同じものを安定して成形することができないといった問題がある。
特表2001−513389号公報 特表2004−511293号公報 特許第3024071号公報
本発明は、従来の技術が有する上記問題点に鑑みてなされたもので、例えば動脈瘤等の瘤内で安定的に配置することが可能な立体形状を有する生体内留置部材を簡便に作製することが可能な型、及び、前記型を用いた生体内留置部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者が鋭意検討した結果、組立状態と展開状態とに変形可能で、組立状態において、外側に配置される外側部と、該外側部と連結されつつその内側に配置される内側部とを有する可変部材を備える型を用いることで、前記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、線状の一次コイルに立体形状が付与された生体内留置部材を製造するための型であって、該型は、組立状態と展開状態とに変形可能な可変部材を備え、該可変部材は、組立状態において、外側に配置される外側部と、該外側部と連結されつつその内側に配置される内側部とを有し、前記外側部及び内側部は、前記一次コイルを保持する保持部を有する型に関する。
本発明に係る型では、前記可変部材は、複数の片材が連結されて構成されていてもよい。また、この複数の片材は、隣接する片材同士の相対的位置関係を変化させ得る連結部により連結されているのが好ましい。また、この複数の片材のうちの少なくとも一部が、環状構造を有するのが好ましい。また、この複数の片材の一部が、展開状態で線状になるように連結されているのが好ましい。
本発明に係る型では、前記外側部には貫通孔が設けられており、組立状態において、前記内側部の一部が前記貫通孔の内部に位置するように構成することができる。
本発明に係る型では、前記保持部が、前記可変部材の周縁部に設けられていてもよい。あるいは、前記保持部が、展開状態において、同じ側に面するように前記可変部材に設けられていてもよい。
本発明に係る型では、前記可変部材のうちの少なくとも一部に、螺旋状又は渦巻き状の保持部が設けられているのが好ましい。
また、本発明は、線状の一次コイルに立体形状が付与された生体内留置部材の製造方法であって、組立状態と展開状態とに変形可能で、組立状態において、外側に配置される外側部と、該外側部と連結されつつその内側に配置される内側部とを有する可変部材を備えた型を用い、展開状態の型に一次コイルを配置する工程と、一次コイルを配置したまま前記型の前記外側部の内側に前記内側部を配置するように変形して型を組立状態にすることで、線状の一次コイルを立体形状に変形する工程と、を含む生体内留置部材の製造方法に関する。
本発明によれば、例えば動脈瘤等の瘤内で安定的に配置することが可能な立体形状を有する生体内留置部材を簡便に作製することができる。
本発明で用いる一次コイルの実施形態の一例の概略を示した側面図である。 本発明で用いる一次コイルの実施形態の他の例の概略を示した側面図である。 本発明で用いる一次コイルの実施形態のさらに他の例の概略を示した側面図である。 本発明に係る型の第1実施形態の展開状態を模式的に示した斜視図である。 図3の紙面上方向から見た第1実施形態の展開状態を模式的に示した平面図である。 本発明に係る型の第1実施形態に用いる片材及び連結部の一部を模式的に示した斜視図である。 図5に示す片材及び連結部の一部を図5の紙面上方向から見た平面図である。 図6Aの正面図である。 図6Bの右側面図である。 本発明に係る型の第1実施形態に用いる中間軸部を模式的に示した斜視図である。 本発明に係る型の第1実施形態の組立状態を模式的に示した斜視図である。 図8の紙面上方向から見た平面図である。 本発明に係る型の第2実施形態の展開状態を模式的に示した斜視図である。 本発明に係る型の第2実施形態に用いる中間軸部を模式的に示した斜視図である。 本発明に係る型の第2実施形態の組立状態を模式的に示した斜視図である。 図12に示す型を図12の紙面上方向から見た平面図である。 本発明に係る型の第3実施形態の展開状態を模式的に示した斜視図である。 図14に示す型を図14の紙面上方向から見た平面図である。 本発明に係る型の第3実施形態に用いる片材及び連結部の一部を模式的に示した斜視図である。 図16に示す片材及び連結部の一部の正面図である。 図17Aの平面図である。 本発明に係る型の第3実施形態の組立状態を模式的に示した斜視図である。 図18に示す型を図18の紙面上方向から見た平面図である。 本発明に係る型の第4実施形態の展開状態を模式的に示した斜視図である。 図20のII−II断面図である。 本発明に係る型の第4実施形態の組立状態を模式的に示した一部切り欠き平面図である。 本発明に係る型の第1実施形態の変形例を用いて生体内留置部材を製造している途中の状態を模式的に示した説明図である。 本発明に係る型の第1実施形態の変形例を用いて製造された生体内留置部材の一例を模式的に示した斜視図である。 本発明に係る型の第1実施形態の変形例を用いて製造された生体内留置部材の他の例を模式的に示した斜視図である。 本発明に係る型の第3実施形態の変形例を用いて生体内留置部材を製造している途中の状態を模式的に示した説明図である。 本発明に係る型の第3実施形態の変形例を用いて製造された生体内留置部材の一例を模式的に示した斜視図である。 従来の金型に一次コイルを挿入している時の状態を模式的に示した斜視図である。 本発明に係る型の第1実施形態において環状部材20(20a)に形成され得る固定部の実施形態の一例を模式的に示した斜視図である。 図28Aに示す固定部の拡大図である。
以下、本発明に係る生体内留置部材を製造するための型(以下、単に「型」と称する場合がある。)、及び、当該型を用いた生体内留置部材の製造方法の実施形態について図面を参照しつつ説明する。尚、図面に示す実施形態として説明する生体内留置部材の各部材の形状、材料、大きさ、長さ等は例示として説明するものであって、適宜変更可能である。また、便宜上、図面において符号を省略する場合もあるが、この場合、他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、便宜上、見やすいように調整されていることもある。
本発明では、一次コイルに立体形状を付与して生体内留置部材(以下、「二次コイル」と称する場合がある。)を製造するに際して、線状の一次コイルを使用する。この一次コイルは素線で形成される。この素線の材料としては、特に限定はなく、金属製の素線を使用することができる。この金属としては、例えば、プラチナ(白金)、タングステン、金、タンタル、イリジウム、チタニウム、若しくは、ステンレス、または、これら材料から任意に選択されたものを含む合金、または、超弾性合金が、挙げられる。また、素線の断面形状は円形に限定されず、楕円、角形など様々な形状が選択可能である。更に、素線の断面形状が円形の場合、その直径(線径)は、瘤の大きさにもよるが、φ0.010mm〜0.200mm程度で任意に選択可能である。素線の断面形状が円形ではない場合は、その最大幅として、0.010mm〜0.200mm程度で任意に選択可能である。
一次コイルは、例えば、上記のような素線を芯線に巻き回して成形することができる。一次コイルの素線間の距離(ピッチ間隔)は特に限定はない。例えば、図1Aに示す一次コイル1のように、隣接する素線2同士が密着していても良いし、図1Bに示す一次コイル1aのように、隣接する素線2同士の間に所定の間隔があいていてもよい。このピッチ間隔は、一次コイルの全体に亘り一定でも良いし、異なっていてもよい。また、素線同士が密着した部分と間隔があいている部分とが組み合わされたものでも良い。一次コイルの全体形状は、線状であれば特に限定はないが、後述する型の賦形溝への挿入の容易さの観点から、例えば図1A、Bに示すように直線状に形成されるのが好ましい。
一次コイルの外径(例えば、図1A中の符号D参照。)は、最終的に得られる生体内留置部材を瘤へ誘導するために使用するマイクロカテーテル等の内腔部の大きさに合わせて適宜選択することができる。例えば、マイクロカテーテルが0.010インチ(0.254mm)〜0.018インチ(0.457mm)用である場合は、φ0.200mm〜φ0.450mmとすればよい。また、一次コイルの外径は全長に亘って均一であっても良いし(例えば、図1A、B参照。)、任意に変化させてもよい。例えば、マイクロカテーテルが0.010インチ〜0.018インチ用である場合、図2に示す一次コイル1bのように部分的に外径がφ0.200mm〜φ0.450mmになるように変化させてもよい。図2に示す例では、素線2を巻き回した時の外径が最も大きい部分A、部分Aより小さい部分B、部分Bより小さい部分Cが、C、B、A、B、C・・・と順次連続した形状である。もっとも、A、B、Cの順序はこれに限られない。また、外径の大きさは、図2のように3種に限られず、2種又は4種以上であっても良い。尚、図2に示すような一次コイルは、例えば、段付やテーパー形状を有する芯線を用いて作製することができる。
本発明では、一次コイルの内部に伸張防止用ワイヤーを設けても良い。伸張防止用ワイヤーは、単線、撚線いずれでもよく、材質も特に限定はなく、樹脂や、白金、タングステン、チタン、金、イリジウム、パラジウム、タンタル及びこれらの合金、ステンレス鋼等の金属などを用いることができる。一次コイルと伸張防止用ワイヤーの連結箇所、連結方法も特に限定はない。
尚、伸張防止用ワイヤーと一次コイルとの連結は、後述するように、生体内留置部材製造用の型に配置する前に行ってもよいし、熱処理後に行ってもよい。
また、本発明では、一次コイルの端部に先端部を設けても良い。先端部の形状は特に限定はないが、血管壁の損傷防止の観点から、例えば、半球状、半楕円球状などの先端に丸みのある形状を有するものが好ましい。先端部を構成する材質としては特に限定はなく、一次コイルや伸張防止用ワイヤーと同様の材質を適宜選択して用いることができる。また、先端部の接合方法も特に限定はなく、従来の方法を採用することができる。
尚、先端部は、後述するように、生体内留置部材製造用の型に配置する前に行ってもよいし、熱処理後に行ってもよい。
本発明では、上記のような線状の一次コイルを更に賦形して螺旋状とは異なる複雑な三次元配置の二次形状を有する生体内留置部材を成形する。そして、このような三次元配置の二次形状に賦形する際に、所定の型を使用する。
本発明に係る型は、組立状態と展開状態とに変形可能な可変部材を備えている。この可変部材は、組立状態において外側に配置される外側部と、この外側部と連結されつつ組立状態において外側部の内側に配置される内側部とを有する。この外側部及び内側部にはそれぞれ一次コイルを保持する保持部を有する。
このように、組立状態と展開状態とに変形可能な可変部材により、展開状態では、一次コイルを可変部材の保持部に容易に配置することができるとともに、保持部に一次コイルを配置した後は、一次コイルを配置したまま組立状態に可変部材を変形することが可能である。そのため、従来のように芯材等に巻き付けることなく、可変部材の組立状態の構造に合わせて三次元配置の二次形状を一次コイルに容易に付与することができる。また、可変部材は組立状態において外側と内側に配置されるように変形可能な構成を有する。そのため、このような特定構造を有する変形可能な可変部材を備えた型により形成される三次元配置は、従来のような一般的な螺旋状とは異なる複雑な三次元配置を形成することが可能となる。また、そのため、例えばワイドネック動脈瘤の瘤内の空間部分を確保しつつ、動脈瘤の内壁面の形状に対応し得る所定の三次元配置の二次形状を一次コイルに容易に付与することが可能となる。さらに、型が変形可能なため、組立状態或いは組立途中において、一次コイルの配置の確認が容易であり、一次コイルの配置に不具合があった場合は、組立状態或いは組立途中から展開状態に戻してその配置の修正も容易である。
図面を参照しつつ、本発明に係る型の実施形態を説明する。
図3〜9は、本発明に係る型の第1実施形態及びその構成部材を模式的に示したものである。図3は、第1実施形態の型10の展開状態を模式的に示した斜視図であり、図4は、図3の紙面上方向から見た平面図である。図8は、型10の組立状態を模式的に示した斜視図であり、図9は、図8の紙面上方向から見た平面図である。
型10は、可変部材が複数の片材11〜18が連結されたものである。このように、複数の片材を連結させて可変部材を構成した場合、後述するように一次コイルを保持しつつ組立状態から展開状態およびその逆の変形を行うことが容易な型を簡便に作製することができる。もっとも、本発明では、複数の片材を用いることなく、変形可能な単一の部材を用いて可変部材を構成することも可能である。片材11〜14及び片材15〜18には、一次コイルを保持する保持部21a及び21が設けられている。
本発明で用いることが可能な片材の構造としては、一次コイルを保持する保持部を有することができ、組立状態において、外側に配置される外側部と、該外側部と連結されつつその内側に配置される内側部とを有するように、組立状態と展開状態とに変形可能であれば特に限定はない。本実施形態では、図3に示すように、片材11〜18は、何れも環状構造を有している。具体的には、内側部19aを構成する片材11〜14は、図5、6A、B、C等に示すように、貫通孔22aを有する環状構造の環状部材20aで構成される。環状部材20aは、その周縁部に保持部21aが設けられており、一次コイルが保持され得る。保持部21aは、環状部材20aの外周側面部の全周に亘る凹部として形成され、この凹部に一次コイルが保持され得るように構成されている。また、この凹部は、環状部材20aの円環の中心23から放射方向外側に向かって開口しており、この開口部分から一次コイルを凹部に配置していく。また、図4、6A、B、Cに示すように、環状部材20aの円環は凹部(保持部21a)が同一平面上に存在するように形成されている。凹部の深さは、一次コイルを凹部に沿って保持可能であれば特に限定はないが、安定して保持する観点から、一次コイルの最大径の半分以上の深さが好ましい。尚、保持部21aには、一次コイルが凹部から脱落するのを防止するための固定部を設けてもよい。このような固定部としては、例えば、(a)保持部21aとしての凹部に形成された開口部分の周方向の少なくとも一部を覆うように設けられた構造体、(b)凹部の周方向に直交する断面方向の開口部分において開口部分自体の幅を狭くする構造、(c)同断面方向の開口部分の端部から延設され開口部分より幅が狭くなるように設けられる構造体などが挙げられる。(a)のような構造体としては、例えば、環状部材の一部を覆う中空管又は環状体や、線状構造と螺旋構造(筒状体)又は環状構造(環状体)とに可逆的に変形可能な部材で形成された筒状体又は環状体、線状構造に弾性変形可能な弧状体などが挙げられる。また、前述の中空管又環状体はとしては、凹部に配置される一次コイルの長さ方向に沿って開閉可能な構造を有していてもよいし、このような開閉可能な構造を有さないものでもよい。開閉可能な構造としては、例えばヒンジ構造などが挙げられる。図28Aは、環状部材20(20a)に設けられた時の固定部の実施形態の一例を模式的に示した斜視図である。図28Bは図28Aに示される固定部25の拡大図である。図28A、Bに示す実施形態に係る固定部25は、環状部材20(20a)の一部を覆う中空管(25)であり、中空管(25)は、凹部に配置される一次コイルの長さ方向に沿って開閉可能な2つの断面円弧状の部材27、28がヒンジ26により連結された構造を有している。中空管(25)の内径は、一次コイルを凹部に配置した時に一次コイルよりやや大きいのが好ましい。(c)の構造体としては、例えば、環状部材に固定され、開口部分の一方の端部から伸びる、線状構造に弾性変形可能な弧状体などが挙げられる。(b)の構造や(c)の構造体は、凹部の周方向の一部に設けるのが好ましい。
また、固定部は、環状部材の一部に1ヶ所設けてもよいし、2ヶ所以上設けてもよい。さらに、固定部は環状部材に固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。
また、外側部19を構成する片材15〜18も、図5、6A、B、Cに示す環状部材20aと同様の構造を有する環状部材20により構成することができる。即ち、環状部材20は、その外周側面部の全周に亘り凹部が形成され、この凹部に一次コイルが保持され得るように構成されている。また、この凹部は、環状部材20の円環の中心から放射方向外側に向かって開口している。本実施形態では、外側部19を構成する環状部材20の径が内側部19aを構成する環状部材20aより大きい点で両者の構造が異なる。これらの径は、一次コイルの三次元配置に応じて適宜決定すればよいが、瘤内でより安定的に生体内留置部材(二次コイル)を配置させる観点から、外側部19の保持部21(凹部)の径(φ1;図4参照。)と内側部19aの保持部21a(凹部)の径(φ2;図4、6A参照。)との差(φ1−φ2)が0.5mm〜3mmとなることが好ましい。
尚、本実施形態では環状部材20a、20は円環形状であるが、多角形状の環状構造であってもよい。
本実施形態で示す片材11〜18は、何れも貫通孔が設けられた環状構造を有するが、本発明では、片材の一部が環状構造を有していてもよい。とりわけ、組立状態において、内側部の一部が貫通孔の内部に位置するようにする観点から、少なくとも外側部を構成する片材が環状構造を有するのが好ましい。組立状態において内側部をこのように配置できると、内側部の内側に形成される空間部(図9、記号Xで示した部分参照。)が大きくなり、得られる二次コイルである生体内留置部材は、例えばワイドネック動脈瘤の瘤内の空間部分をより確実に確保できる。また、内側部を構成する片材の少なくとも一部に、例えば、後述する図16、17A、Bに示す貫通孔の形成されていない円錐台状の部材80を片材として用いてもよい。このような部材80は、傾斜面84上に保持部として螺旋状の凹部82、83が設けられており、一次コイルの三次元配置の一部分に螺旋状の構造を形成する場合に好適である。このような変形例としては、例えば、図3に示す型10の片材12に替えて、図16、17A、Bに示す部材80を用いた図23に示す型10aが挙げられる。尚、後述するように、部材80の周縁部である外周側面部にも、その全周に亘り保持部として凹部81も形成されている。また、一次コイルの三次元配置の一部分に渦巻き状の構造を形成する場合は、例えば、傾斜面を有する円錐台状の部材80に替えて、平板状の部材を片材として用い、その平面上に渦巻き状の凹部を形成したものを部材80と同様にして用いるとよい。
本実施形態では、図8、9に示すように、片材11〜14は、組立状態において、片材15〜18の内側に配置され、内側部19aを構成する。また、片材15〜18は、組立状態において、片材11〜14の外側に配置され、外側部19を構成する。ここで、「内側に配置される」には、内側部の全ての構成が外側部の内側に配置される場合以外に、内側部のうちの一部の構成が外側部の内側に配置される場合を含む。例えば図9に示すように、型10の組立状態では、内側部19aを構成する片材11〜14の一部及びこれらの片材を連結する連結部30の一部が外側部19を構成する片材15〜18の外側に突出している。
本実施形態では、内側部19a及び外側部19を構成する片材11〜18は、図3、4に示すように展開状態において線状になるように連結されている。このように、展開状態において線状になるように連結されている部分を有することで、展開状態において一次コイルを型10に保持させる操作がより簡便になる。本実施形態のように、一直線状に連結されている場合は、この操作が一層簡便になる。もっとも、本発明では、例えば後述する図14に示す第3実施形態のように、複数の片材のうちの一部である内側部79a及び外側部79を構成する片材71〜74及び片材75〜78が、線状になるように連結され、内側部79aと外側部79とは三叉路状(図15参照。)に連結されていてもよい。
片材の少なくとも一部が、展開状態において、線状、より好ましくは一直線状に連結されていることで、上述のように一次コイルを型10に保持させる操作をより簡便にできる。片材の一部を線状に連結するか、全てを線状に連結するかは、一次コイルの三次元配置に応じて決定することができる。ここで、「線状」とは、3つ以上の片材が分岐することなく連結していることを意味する。
内側部19aを構成する片材11〜14及び外側部19を構成する片材15〜18は、展開状態において、各片材の凹部の存在する平面が同一平面上に存在しており、また、全ての片材の凹部の存在する平面が同一平面上に存在している(図4参照。)。展開状態においてこのように片材11〜14及び片材15〜18の凹部が同一平面上に存在することで、一次コイルを型10に保持させる操作をより簡便にでき、全ての片材の凹部が同一平面上に存在することで、さらに簡便にできる。
片材の数は、二次コイルの三次元構造に応じて決定することができる。本実施形態では、内側部19a及び外側部19が、組立状態で四角筒状の構造になるように、片材の数は、内側部19a及び外側部19においてそれぞれ4つであるが、例えば動脈瘤等の瘤の内壁面の形状に概ね対応させることができればよく、三角筒状、五角筒状又は六角以上の筒状の構造になるように、片材の数を調整することができる。また、内側部19a及び外側部19のそれぞれの片材の数は同じでも良いし、異なっていてもよい。
本実施形態では、前述のように片材11〜14は内側部19aを構成し、片材15〜18は外側部19を構成する。片材11〜14および片材15〜18は、隣接する片材同士が両者の相対的位置関係を変化させ得る連結部30により連結されている。また、内側部19aの一方の端部を構成する片材11と外側部19の一方の端部を構成する片材15とは、両者の相対的位置関係を変化させ得る連結部40(以下では、「中間部」とも称する。)により連結されている。このように構成した場合、連結部において隣接する片材同士の位置関係を変化させることができ、片材に形成されている保持部により一次コイルを保持しつつ、可変部材を展開状態と可変状態に変形することがより容易になる。連結部による片材同士の相対的位置関係の変化のさせ方は、二次コイルの構造(一次コイルの三次元配置)に応じて適宜決定することができる。本実施形態では、連結部30は、片材11〜14及び片材15〜18が展開状態では一直線状の構造を形成し、組立状態では環状の構造を形成するように隣接する片材同士の相対的位置関係を変化させ得る。また、連結部40は、展開状態では片材11〜18が一直線状の構造を形成し、組立状態では環状の構造に変形させた内側部19aの外側からこれを囲うように外側部19を環状の構造に変形させ、二重環状の構造になるように、隣接する片材11と片材15とを連結している。本実施形態では、環状部材20、20aの凹部(保持部21、21a)の存在する平面同士の交差角度を概ね0°〜360°の間で変化させることで、隣接する片材同士の相対的位置関係を変化させている。
本発明で用いることが可能な連結部の構造としては、隣接する片材同士を連結するとともに、隣接する片材同士の相対的位置関係を変化させることで、複数の片材が連結されている可変部材を組立状態と展開状態とに変形する機能を有するものであれば特に限定はない。例えば、ヒンジ、リングバインダー、可撓性シート等、あるいは、これらの組合せが挙げられる。また、連結可変部が複数ある場合、それらの構造は同一でも異なっていてもよく、例えば、ヒンジ、リングバインダー及び可撓性シートから選択される少なくとも1種であればよい。
本実施形態では、図3〜6に示すように、連結部30はヒンジにより構成されている。連結部30は、ある片材に設けられた雌部30a、その片材の一方に隣接する片材に設けられた雌部30bと、雌部30a、30bに設けられた貫通孔33に嵌入される雄軸部とで構成される。雄軸部の長手方向の中心軸を回転中心として雌部30a、30bが回動することで、隣接する片材同士の相対的位置関係を変化させることができる。雌部30a、30bは、片材同士を連結するための雄軸部を受け入れる貫通孔33が設けられた嵌合部31と雌部30a、30bを片材に固着するための固着部32を有する。図6Bに示すように、例えば、片材12は環状部材20aで構成され、環状部材20aの中心点23を通る水平軸24の上側と下側で、中心点23に対して対向するように、雌部30aと雌部30bが固着部32により固着されている。このように雌部30aと雌部30bを水平軸24に対して互い違いに固定されることで、隣接する片材同士を各片材11〜14の中心点23が直線状に並ぶように固定することができる。但し、片材11と片材15の連結部分においては、片材11における雌部30bは、図6Aに示す位置と異なり、水平軸24の上側で雌部30aに対応する位置に設けられる。また、片材14では雌部30a、片材18では雌部30bは設けられていないが、内側部及び外側部の組立状態を保持するための構成を設けてもよい。
また、図6Aに示すように、嵌合部31は、保持部21、21aの開口側を覆わないように設けられている。また、片材を雄軸部の中心軸を回転中心として回動させる方向を考慮して環状部材20、20aに対する嵌合部31の位置が決定される。図4に示すように、内側部19aを構成する片材11〜14には、紙面上側に嵌合部31が位置するように連結部30が設けられ、外側部19を構成する片材15〜18にも、紙面上側に嵌合部31が位置するように連結部30が設けられる。即ち、組立状態において、内側部19aおよび外側部19の内側になる側に嵌合部31が位置するように連結部30が設けられる。
本実施形態では、図3、4、7〜9に示すように、内側部19aと外側部19との連結部40(中間部)もヒンジにより構成されている。連結部40は、内側部19aを構成する片材同士及び外側部19を構成する片材同士を連結する連結部30とは異なる構造を有する。連結部40は、(i)片材11、15に固着された雌部30b、30a、(ii)内側部19aと外側部19とを所定間隔で連結する中間軸部41、(iii)雌部30a、3
0b及び中間軸部41に設けられた貫通孔33、44、45に嵌入される2つの雄軸部とで構成される。中間軸部41は、直線状に形成された軸部46と、軸部46の両端に設けられた雌部42、43とを有し、雌部42、43には貫通孔44、45が設けられている。雄軸部の長手方向の中心軸を回転中心として雌部30a、30bを中間軸部41に対して回動させることで、内側部19aと外側部19とを連結させつつ片材11と片材15の相対的位置関係を変化させることができる。図3、4に示すように、連結部40を構成する雌部30a、30bは、片材11には、紙面下側に嵌合部31が位置するように雌部30bが設けられ、片材15には、紙面上側に嵌合部31が位置するように雌部30aが設けられる。即ち、内側部19aを構成する片材11では、組立状態で内側部19aの外側に嵌合部31が位置するように雌部30bが設けられ、外側部19を構成する片材15では、組立状態で外側部19の内側に嵌合部31が位置するように雌部30aが設けられる。
中間軸部41の構造は、可変部材を展開状態から組立状態に変形する際に、内側部と外側部を連結しつつ、外側部の内側に内側部を配置できるような構造であればよく、組立状態への変形のさせ方、組立状態における可変部材の構造を考慮して適宜決定することができる。本実施形態では、中間軸部41は、直線状で細長い平板状の軸部46を有し、軸部46の両端部に雌部42、45が設けられている。雌部42、43は、軸部46の長軸方向の軸線を中心線として、相互に異なる側に面し、その貫通孔44、45の軸方向が軸部46の短軸方向と平行になるように設けられている。もっとも、後述する図11のように、軸部は直線状ではなく、クランク状の構造であってもよいし、雌部42、45は、軸部46の相互に同じ側に面するように設けられてもよい。
片材及び連結部を構成する材質としては、特に限定なく、例えば、金属、樹脂、セラミック、ガラスなどが挙げられる。但し、後述するように一次コイルが配置され組立状態にある型に対して熱処理を行うため、耐熱性を有しているのが好ましい。耐熱温度としては、熱処理の条件により異なるが、700℃以上が好ましく、1000℃以上がより好ましい。
また、片材と連結部を構成する雌部との固着方法は使用する材質等に応じて適宜選択すればよく、例えば、接着、溶着、溶接、かしめ、ネジ止め等を採用することができる
尚、片材及び連結部を構成する材質、片材と連結部を構成する雌部との固着方法は、後述する他の実施形態についても同様である。
以下に、型10を展開状態から組立状態に変形する場合を説明する。
図3、4に示す展開状態の型10では、内側部19aの各雌部30bを回転中心とし、雌部30bが固着されている片材12〜14を図4の矢印の方向(反時計周り)に動かすことで、直線状で展開状態にある内側部19aを4角筒状に変形し、内側部19aを組立状態にする。また、中間部40の雌部30b(雌部43)を中心にして中間軸部41を矢印の方向(反時計回り)に動かすとともに、外側部19の各雌部30aを回転中心とし、雌部30aが固着されている片材15〜18を図4の矢印の方向(反時計周り)に動かすことで、直線状で展開状態にある外側部19を4角筒状に変形し、外側部19を組立状態にする。この時、図9に示すように、片材15の貫通孔22の内部には、片材11の雌部30bが固着されている側及び片材14の雌部30aが固着されていない側の一部が位置し、片材16の貫通孔22の内部には、片材13の雌部30aが固着されている側及び片材14の雌部30bが固着されている側の一部が位置し、片材17の貫通孔22の内部には、片材12の雌部30aが固着されている側及び片材13の雌部30bが固着されている側の一部が位置し、片材18の貫通孔22の内部には、片材11の雌部30aが固着されている側及び片材12の雌部30bが固着されている側の一部が位置している。より詳細には、本実施形態では、組立状態において、外側部19を構成する各片材15〜18の貫通孔22から、内側部19aを構成する各片材11〜14及び連結部30、40の一部が突出するように構成されている。
次に、本発明に係る型の第2実施形態について説明する。
図10〜13は、本発明に係る型の第2実施形態及びその構成部材を模式的に示したものである。図10は、第2実施形態の型60の展開状態を模式的に示した斜視図である。図12は、型60の組立状態を模式的に示した斜視図であり、図13は、図12の紙面上方向から見た平面図である。
本実施形態の型60は、第1実施形態の型10における中間軸部41を、図11に示す中間軸部51に変更し、組立状態の内側部19aに対する外側部19の配置が異なる以外は、第1実施形態の構成と同じである。したがって、同じ構成部材には同じ符号を付し、異なる構成について以下に説明する。
本実施形態の型60で用いる中間軸部51は、クランク状に形成された部分を有する細長い軸部56と、軸部56の両端に設けられた雌部52、53とを有し、雌部52、53には貫通孔54、55が設けられている。雄軸部の長手方向の中心軸を回転中心として雌部30a、30bを中間軸部51に対して回動させることで、内側部19aと外側部19とを連結させつつ片材11と片材15の相対的位置関係を変化させることができる。
軸部56は、図11に示すように、直線状に伸びる平行な2つの細長い平板状部分(長軸部)と、この両者と直交して連続する平板状部分(短軸部)とを有し、短軸部とその近傍の両長軸部とでクランク状に形成されている。このようにクランク状に形成されていることで、組立状態に変形した時に、外側部19と内側部19aと連結しつつ、両者を所望の組立時の構造に変形できる(図13参照。)。したがって、軸部56の形状は、このような機能を発揮できるものであれば、クランク状に限定されず、片材の構造、可変部材の変形のさせ方等に応じて適宜変更可能で、例えば短軸部の長軸部との交差角度を緩やかにしたものや、S字状等の緩やかな曲線で形成したものなどが挙げられる。
雌部52、53は、図11に示すように、軸部56の長軸部の長軸方向軸線を中心線として、相互に異なる側に面し、その貫通孔54、55の軸方向が軸部56の短軸部の短軸方向と平行になるように設けられている。
以下に、型60を展開状態から組立状態に変形する場合を説明する。
本実施形態では、中間部50の回動方向が、第1実施形態と異なるが、それ以外は同じである。即ち、内側部19aの各雌部30bを回転中心とし、雌部30bが固着されている片材12〜14を図10の矢印の方向(反時計周り)に動かすことで、直線状で展開状態にある内側部19aを4角筒状に変形し、内側部19aを組立状態にする。また、中間部50の雌部30b(雌部53)を中心にして中間軸部51を矢印の方向(時計回り)に動かすとともに、外側部19の各雌部30aを回転中心とし、雌部30aが固着されている片材15〜18を図10の矢印の方向(反時計周り)に動かすことで、直線状で展開状態にある外側部19を4角筒状に変形し、外側部19を組立状態にする。この時、図13に示すように、片材15の貫通孔22の内部には、片材14の雌部30bが固着されている側及び片材13の雌部30aが固着されている側の一部が位置し、片材16の貫通孔22の内部には、片材12の雌部30aが固着されている側及び片材13の雌部30bが固着されている側の一部が位置し、片材17の貫通孔22の内部には、片材11の雌部30aが固着されている側及び片材12の雌部30bが固着されている側の一部が位置し、片材18の貫通孔22の内部には、片材11の雌部30aが固着されている側及び片材14の雌部30bが固着されていない側の一部が位置している。より詳細には、本実施形態では、組立状態において、外側部19を構成する各片材15〜18の貫通孔22から、内側部19aを構成する各片材11〜14及び連結部30、50の一部が突出するように構成されている。
次に、本発明に係る型の第3実施形態について説明する。
図14〜19は、本発明に係る型の第3実施形態及びその構成部材を模式的に示したものである。図14は、第3実施形態の型70の展開状態を模式的に示した斜視図であり、図15は、図14の紙面上方向から見た平面図である。図18は、型70の組立状態を模式的に示した斜視図であり、図19は、図18の紙面上方向から見た平面図である。
本実施形態に係る型70は、片材71〜74で構成される内側部79aと、片材75〜78で構成される外側部79とを備える可変部材からなる。片材71〜74は、連結部30、34、35により展開状態で直線状になるように連結され、片材75〜78は連結部30により展開状態で直線状になるように連結されている。また、内側部79aと外側部79は、中間部(連結部)90により展開状態で直線状になるように連結されている。
片材71、73、74は、第1実施形態の場合と同様に、環状構造を有する環状部材20aにより構成されており、片材72は図16、17A、Bに示すように貫通孔の形成されていない部材80により構成されている。本実施形態では部材80は、円錐台状の形状を有する。部材80の傾斜面84上には、保持部として螺旋状に形成された凹部82、83が設けられている。このような構造の凹部により、一次コイルの三次元配置の一部分に螺旋状の構造を形成することができる。また、部材80の周縁部である外周側面部にも、その全周に亘り保持部として凹部81も形成されており、一次コイルを凹部81の少なくとも一部に沿って保持することができる。凹部81は部材80の中心86からから放射方向外側に向かって開口しており、この開口部分から一次コイルを凹部に配置していく。凹部81〜83の深さは、一次コイルを凹部に沿って保持可能であれば特に限定はないが、安定して保持する観点から、一次コイルの最大径の半分以上の深さが好ましい。本実施形態では部材80は、円錐台状の形状を有するが、平板状の平面材の平面上に渦巻き状の凹部を設けて、一次コイルの三次元配置の一部分に渦巻き状の構造を形成することもできる。部材80の凹部81、82、83には、一次コイルが凹部から脱落するのを防止するための固定部を設けてもよい。このような固定部としては、例えば、凹部81、82、83に形成された開口部分の少なくとも一部を覆うように設けられた構造体などが挙げられる。
片材75〜78は、第1実施形態の場合と同様に、環状構造を有する環状部材20により構成されている。
片材73と片材74は、第1実施形態と同様に連結部30により連結されている。片材71、72は連結部34、片材72、73は連結部35により連結されている。連結部34、35はヒンジにより構成されており、その機能は、第1実施形態における連結部30と同様である。連結部34は、片材11と同様にして片材71に固着された雌部30a、片材72に固着された雌部36b、雌部30aに形成された貫通孔33と雌部36bに形成された貫通孔39に嵌入される雄軸部とで構成される。連結部35は片材13と同様にして片材73に固着された雌部30b、片材72に固着された雌部36a、雌部30bに形成された貫通孔33と雌部36aに形成された貫通孔39に嵌入される雄軸部とで構成される。雄軸部の長手方向の中心軸を回転中心として雌部30a、30b、36a、36bが回動することで、隣接する片材同士の相対的位置関係を変化させることができる。
雌部36aと雌部36bは、同じ構造を有し、片材同士を連結するための雄軸部を受け入れる貫通孔39が設けられた嵌合部37と、雌部30a、30bを片材72に固着するための固着部38を有する。雌部36a、36bの部材80への固定位置は、第1実施形態の環状部材20、20aの場合と同様に、図17Aに示すように、例えば、部材80の中心点86を通る水平軸85の上側と下側で、中心点86に対して対向するように、雌部36aと雌部36bが固着部38により固着されている。嵌合部37は、凹部81の開口側を覆わないように設けられている(図15参照。)。また、片材を雄軸部の中心軸を回転中心として回動させる方向を考慮して環状部材20aに対する嵌合部37の位置が決定される。
本実施形態では、図15に示すように、内側部79aを構成する一方の端部の片材71が、中間部90を介して外側部79の片材75と片材76の間に連結されており、内側部79aと外側部79とは三叉路状に連結されている。より詳細には、内側部79a及び外側部79をそれぞれ構成する各片材は各凹部が展開状態で同一平面上に存在するように直線状に連結され、内側部79aと外側部79とは、展開状態において、各部79a、79の長軸方向に直交する短軸方向が平行で各部の存在する平面が交差するように連結されている。中間部90の機能は、第1実施形態における中間部40と同様である。中間部90は、(i)内側部79aと外側部79とを所定間隔で連結する中間軸部41、(ii)片材71に固着されている雌部30b、(iii)片材75に固着されている雌部30a、(iv)片材76に固着されている雌部30b、(v)雌部30a、30b及び中間軸部41に設けられた貫通孔33、44、45に嵌入される2つの雄軸部とで構成される。尚、(iv)片材76に固着されている雌部30b、(iii)片材75に固着されている雌部30a、(v)雌部30a、30bに設けられた貫通孔33、に嵌入される雄軸部により、片材75と片材76とを連結する連結部30が形成される。
中間部90では、図7に示す中間軸部41の上下を反転させた状態で、片材71に固着されている雌部30bと中間軸部41の雌部43とが雄軸部を介して連結され、片材75に固着されている雌部30aと片材76に固着されている雌部30bと中間軸部41の雌部42とが雄軸部を介して連結されている。
以下に、型70を展開状態から組立状態に変形する場合を説明する。
先ず、内側部79aの各雌部30b、36bを回転中心とし、雌部30b、36bが固着されている片材72〜74を図15の矢印の方向(反時計周り)に動かすことで、直線状で展開状態にある内側部79aを4角筒状に変形し、内側部79aを組立状態にする。また、中間部90の雌部30b(雌部42)を中心にして中間軸部41を図15の矢印の方向(反時計回り)に動かすとともに、外側部19の片材75の雌部30aを回転中心として片材75を図15の矢印の方向(時計回り)に動かし、外側部79の片材76〜78の雌部30aを回転中心として片材76〜78を図15の矢印の方向(反時計周り)に動かすことで、直線状で展開状態にある外側部79を4角筒状に変形し、外側部79を組立状態にする。この時、図19に示すように、片材15の貫通孔22の内部には、片材74の雌部30bが固着されていない側及び片材71の雌部30bが固着されている側の一部が位置し、片材76の貫通孔22の内部には、片材71の雌部30aが固着されている側及び片材72の雌部30bが固着されている側の一部が位置し、片材77の貫通孔22の内部には、片材72の雌部36aが固着されている側及び片材73の雌部36bが固着されている側の一部が位置し、片材78の貫通孔22の内部には、片材73の雌部30aが固着されている側及び片材74の雌部30bが固着されている側の一部が位置している。より詳細には、本実施形態では、組立状態において、外側部79を構成する各片材75〜78の貫通孔22から、内側部79aを構成する各片材71〜74及び連結部30、34、35、90の一部が突出するように構成されている。
次に、本発明に係る型の第4実施形態について説明する。
図20〜22は、本発明に係る型の第4実施形態を模式的に示したものである。図20は、第4実施形態の型100の展開状態を模式的に示した正面図であり、図21は、図20のII−II断面図である。図22は、図20の紙面上側から平面視した時の型100の組立状態を模式的に示した一部切り欠き平面図である。
型100は、内側部119a、外側部119、これらを連結する2つの中間部(連結部)140とからなる可変部材を備える。また、内側部119aは、片材111〜114と、隣接する片材同士の相対的位置関係を変化させ得る連結部130とからなる。外側部119は、片材115〜118と、隣接する片材同士の相対的位置関係を変化させ得る連結部130とからなる。
片材112〜114は、何れも平板状の平面材120aの一方の平面上に保持部として円環状の凹部121aを設けたものである。また、平面材120aには、隣接する片材の凹部121a同士が連続するように、平面材120aの外周側面から凹部121aに連続するように側面開口部が設けられている。図20に示すように、この側面開口部は、片材112〜114の中心123を通る水平軸124上に2ヶ所設けられている。この側面開口部を有することで、一次コイルを各片材に安定して配置することができる。平面材120aは円形の平板を水平軸124に直交する面で切り欠いた形状を有している。
片材111は、片材112〜114とほぼ同様の構造を有するが、連結部140を構成する雌部134を凹部121aを設けた側の平面上に固着するための延設部を設けている点で異なる。延設部にも凹部121a、側面開口部が設けられている。
片材111〜114を連結する連結部130は、第1実施形態等と同様にヒンジにより構成されている。連結部130は隣接する平面材120aの間に側面開口部を挟んで2ヶ所設けられている。また、連結部130は、第1雌部130a、第2雌部130b及び両雌部130a、130bに設けられた貫通孔に嵌入される雄軸部とで構成される。第1雌部130aと第2雌部130bは、それぞれ隣接する片材の何れかに固着されていればよい。例えば、片材114に第1雌部130a、片材113に第2雌部130bを設けることができる。
片材112〜114には一次コイルが凹部から脱落するのを防止するための固定部を設けてもよい。このような固定部としては、例えば、凹部121aに形成された開口部分の少なくとも一部を覆うように設けられた構造体などが挙げられる。
片材115〜118は、何れも貫通孔122を有する環状の平面材120の一方の平面上に保持部として円形状の凹部121を設けたものである。片材115及び片材116〜118は、貫通孔122を有する以外は、それぞれ、片材111及び片材112〜114と同様の構造を有しており、また、同様の連結部130により連結されている。尚、本実施形態では、内側部119aを構成する片材111〜114は外側部119を構成する片材115〜118より小さくしている。片材115〜118にも一次コイルが凹部から脱落するのを防止するための固定部を設けてもよい。このような固定部としては、例えば、凹部121に形成された開口部分の少なくとも一部を覆うように設けられた構造体などが挙げられる。
内側部119a及び外側部119を構成する片材の数は、所望の一次コイルの三次元配置に応じて適宜決定することができ、内側部119aの片材の数と外側部119の数は異なっていてもよいし、同じでも良い。内側部119a及び外側部119の組立状態における構造も所望の一次コイルの三次元配置に応じて適宜決定することができ、例えば、3角筒状、4角筒状、5角以上の筒状等の多角筒状等が挙げられる。
保持部である凹部121、121aが、展開状態において、同じ側に面するように可変部材を構成する片材111〜118に設けられている。保持部がこのように設けられることで、展開状態において一次コイルを保持部に容易に配置することができる。また、片材には環状の凹部の他に、螺旋状又は渦巻き状の凹部を設けてもよい。また、螺旋状の凹部を設ける場合は、片材を例えば円錐状、円錐台状等の構造とし、傾斜面に凹部を設けてもよい。
中間部140は、(i)片材111、115に固着された雌部134、135、(ii)内側部119aと外側部119とを所定間隔で連結する中間軸部141、(iii)雌部134、135及び中間軸部141の雌部142、143に設けられた貫通孔に嵌入される雄軸部とで構成される。中間軸部141は、クランク状に形成された部分を有する細長い軸部146と、軸部146の両端に設けられた雌部52、53とを有し、雌部52、53には貫通孔が設けられている。雄軸部の長手方向の中心軸を回転中心として雌部134、135を中間軸部141に対して回動させることで、内側部119aと外側部119とを連結させつつ片材111と片材115の相対的位置関係を変化させることができる。本実施形態では、クランク状に形成した部分を有するが、片材の構造、可変部材の変形のさせ方等に応じて適宜変更可能である。
以下に、型100を展開状態から組立状態に変形する場合を説明する。
先ず、内側部119aの連結部130を回転中心とし、連結部130の雌部130aまたは130bが固着されている片材112〜114を図21の矢印の方向(反時計周り)に動かすことで、直線状で展開状態にある内側部119aを4角筒状に変形し、内側部119aを組立状態にする。また、中間部140の雌部134(雌部143)を中心にして中間軸部141を図21の矢印の方向(反時計回り)に動かすとともに、外側部119の各連結部130を回転中心とし、連結部130の雌部130aまたは130bが固着されている片材115〜118を図21の矢印の方向(反時計周り)に動かすことで、直線状で展開状態にある外側部119を4角筒状に変形し、外側部119を組立状態にする。この時、図22に示すように、片材115の貫通孔122の内部には、片材111と片材112との連結部分の近傍部が位置し、片材116の貫通孔122の内部には、片材112と片材113との連結部分の近傍部が位置し、片材117の貫通孔122の内部には、片材113と片材114との連結部分の近傍部が位置し、片材118の貫通孔122の内部には、片材111の雌部134が固着されている側及び片材114の連結部130が設けられていない側の一部が位置している。このように、本実施形態では、組立状態において、外側部119を構成する各片材115〜118の貫通孔122の内部には、内側部119aを構成する各片材111〜114及び連結部130、140の一部が位置している。
また、本実施形態では、組立状態において、内側部119aを構成する片材111〜114に形成された保持部である凹部121aは、内側部119aの外側に面し、外側部119を構成する片材115〜118に形成された保持部である凹部121は、外側部119の内側に面するように構成されている。
本発明では、以上のような本発明に係る型を用いて、生体内留置部材の製造図を構成することができる。
また、本発明では、例えば前述したような本発明に係る型を用いて、生体内留置部材を製造することができる。以下では、その実施形態につき、第1実施形態の変形例である図23に示す型10a、第3実施形態である型70を用いた場合について説明する。
第1実施形態の変形例である型10aを用いた時の生体内留置部材の製造方法を説明する。
先ず型10aを図23に示すように片材11〜18を直線状の展開状態にする。そして、例えば図1に示すような所定長さの一次コイル1を準備し、それを片材11〜18の保持部である凹部21、21a、81、82、83に配置する。図23に示す例では、一次コイルの一方端側を、片材12aの雌部36b近傍から凹部81の図23の上側部分に沿って配置するか、又は、片材12aの凹部82、83に沿って配置する(図23の破線部分参照。)。その後、片材13の凹部21aの図23の下側部分、片材14の凹部21aの図23の上側部分、同じく下側部分、片材13の凹部21aの図23の上側部分、片材12aの凹部81の図23の下側部分、片材11の凹部21aの図23の上側部分の順に、内側部19aの片材11〜14の保持部である凹部21a、81、82、83に一次コイルを配置する。尚、図23には、片材11、12a、13、14に配置された一次コイルの部分をそれぞれ、符号e、f、g、hとして示した。
続けて、片材15の凹部21の図23の下側部、片材16の凹部21の図23の上側部、片材17の凹部21の図23の下側部、片材18の凹部21の図23の上側部、同じく下側部、片材17の凹部21の図23の上側部、片材16の凹部21の図23の下側部の順に、外側部19の片材15〜18の保持部である凹部21に一次コイルを配置する。一次コイルの他方端は、片材16と片材15との連結部30近傍に位置している。尚、図23には、片材15、16、17、18に配置された一次コイルの部分をそれぞれ、符号E、F、G、Hとして示した。内側部19a(片材11)と外側部19(片材15)との連続部分に対応する一次コイルの部分を符号Iとして示した。
本発明では、このように、各片材の保持部に一次コイルを1回配置させただけで、従来の螺旋状とは異なる複雑な三次元配置の二次形状を有する生体内留置部材を成形することができ、従来のように芯材等に一次コイルを複雑に巻き付ける必要がなく、巻き付け処理による一次コイルの損傷を低減することができる。また、片材に対し、図23の上側と下側とに交互に順次一次コイルを配置していけばよく、従来の芯材等を用いる場合のように巻き付ける順番を間違える可能性を低減でき、作業性がより向上する。また、その結果、付与される二次形状が安定し、品質の安定した生体内留置部材の量産を容易に行うことができ、量産性、品質管理の面で優れている。
以上のようにして一次コイルを展開状態の型10aに配置した後、必要に応じて、固定部で一次コイルを固定し、型10aに一次コイルを配置したまま、図8、9に示したのと同様にして、型10aの外側部19の内側に内側部19aを配置するように変形して組立状態にする。
このように、一次コイルを配置したまま型10aを組立状態に変形することで、一次コイル1を三次元配置の二次形状に変形する。従って、型10aの片材11〜18の組立状態の配置、片材11〜18に設けられた保持部である凹部21、21a、81、82、83への一次コイルの配置に応じた二次形状が付与され得る。
型の展開状態から組立状態への変形は、作業者の手作業で行ってもよいし、上述したような型を有する生体内留置部材製造装置により行ってもよい。
以上のようにして、一次コイルを配置したまま型を組立状態に変形した後、さらにそのまま熱処理を行って、型に配置されている一次コイルに三次元配置の二次形状を記憶させ、固定化する。熱処理は、大気炉、集光炉、真空炉などの加熱炉を用いて行うことができ、加熱温度は、一次コイルの使用材料等を考慮して適宜決定すればよいが、金属材料を用いる場合は、二次形状を効果的に固定させる観点から、好ましくは400〜900℃、より好ましくは550〜750℃である。また、加熱時間は、一次コイルの使用材料等を考慮して適宜決定すればよいが、金属材料を用いる場合は、二次形状を効果的に固定させる観点から、30分以上が好ましい。
熱処理を行った後、冷却した型を展開状態にして、一次コイルを型から取り出すと、記憶させた三次元配置の二次形状を有する生体内留置部材(二次コイル)が得られる。
前述のように、一次コイルの一方端側を、片材12aの雌部36b近傍から凹部81の図23の上側部分に沿って配置する場合は、図23に示すように片材11〜18にそれぞれ配置された一次コイルのe〜h、E〜Hで示された部分が、図24(a)に示すような三次元配置の二次形状を有する生体内留置部材3が得られる。また、一次コイルの一方端側を、片材12aの凹部82、83に沿って配置する場合(図23の破線部分参照。)は、図23に示すように片材11〜18にそれぞれ配置された一次コイルのe〜h、E〜Hで示された部分(eとEで示された部分の連続部分であるIで示された部分を含む)が、図24(b)に示すような三次元配置の二次形状を有する生体内留置部材4が得られる。また、図23に示すように保持部である凹部に沿って、凹部に1回のみ配置するため、型から一次コイルを容易に取り出すことができる。
第3実施形態の型60を用いた時の生体内留置部材の製造方法を説明する。
先ず型70を図25に示すように内側部79aの片材71〜74及び外側部79の片材75〜78をそれぞれ直線状の展開状態にする。この時、内側部79aと外側部79のなす角度は一次コイルを凹部に配置する操作に応じて適宜変更することができる。そして、例えば図1に示すような所定長さの一次コイル1を準備し、それを片材71〜78の保持部である凹部21、21a、81、82、83に配置する。図25に示す例では、一次コイルの一方端側を、片材72の凹部82、83に沿って配置する。その後、片材73の凹部21aの図25の下側部分、片材74の凹部21aの図25の上側部分、同じく下側部分、片材73の凹部21aの図25の上側部分、片材72の凹部81の図25の下側部分、片材71の凹部21aの図25の上側部分の順に、内側部79aの片材71〜74の保持部である凹部21a、81、82、83に一次コイルを配置する。尚、図25には、片材71、72、73、74に配置された一次コイルの部分をそれぞれ、符号e、f、g、hとして示した。
続けて、片材75の凹部21の図25の下側部、同じく上側、片材76の凹部21の図25の下側部、片材77の凹部21の図25の上側部、片材78の凹部21の図25の下側部、同じく上側部、片材77の凹部21の図25の下側部、片材76の凹部21の図25の上側部の順に、外側部分79の片材75〜78の保持部である凹部21に一次コイルを配置する。一次コイルの他方端は、片材76の図25上側の最上部近傍に位置している。尚、図25には、片材75、76、77、78に配置された一次コイルの部分をそれぞれ、符号E、F、G、Hとして示した。内側部79a(片材71)と外側部79(片材75)との連続部分に対応する一次コイルの部分を符号Iとして示した。
このように、第3実施形態の型70を用いた場合でも、各片材の保持部に一次コイルを1回配置させただけで、従来の螺旋状とは異なる複雑な三次元配置の二次形状を有する生体内留置部材を成形することができる。また、片材に対し、図25の上側と下側とに交互に順次一次コイルを配置していけばよい。したがって、第1実施形態の型(変形例を含む)を用いた場合と同様の効果が期待できる。
以上のようにして一次コイルを展開状態の型70に配置した後、必要に応じて、固定部で一次コイルを固定し、型70に一次コイルを配置したまま、図18、19に示したのと同様にして、型70の外側部79の内側に内側部79aを配置するように変形して組立状態にする。
このように、一次コイルを配置したまま型70を組立状態に変形することで、一次コイル1を三次元配置の二次形状に変形する。従って、型70の片材71〜78の組立状態の配置、片材71〜78に設けられた保持部である凹部21、21a、81、82、83への一次コイルの配置に応じた二次形状が付与され得る。
型の展開状態から組立状態への変形は、作業者の手作業で行ってもよいし、上述したような型を有する生体内留置部材製造装置により行ってもよい。
以上のようにして、一次コイルを配置したまま型70を組立状態に変形した後、第1実施形態の変形例の場合と同様にして、さらにそのまま熱処理、冷却処理を行って、型70に配置されている一次コイル1に三次元配置の二次形状を記憶させた生体内留置部材5が得られる(図26参照。)。図25に示すように片材71〜78にそれぞれ配置された一次コイルのe〜h、E〜Hで示された部分(eとEで示された部分の連続部分であるIで示された部分を含む)が、図26に示すような三次元配置の二次形状を有する生体内留置部材5が得られる。
以上のようにして得られた生体内留置部材は、例えば血管にできた動脈瘤等の瘤を治療する際に使用される塞栓物質として好適に用いることができる。特に、内側部と外側部で囲まれる空間部を形成する可変部材を有する型を用いて得られる塞栓物質の場合は、ワイドネック動脈瘤の場合であっても、瘤内の空間部分を確保しつつ、動脈瘤の内壁面の形状に対応し得る三次元配置の二次形状を有するため、瘤の内壁面に対して押圧力を負荷することで、しっかりと安定して瘤内に固定されるとともに、可変部材の空間部に対応する空間部分が形成され得る。その結果、この空間部分を満たすための別のコイルを容易に挿入することが可能になる。このように、内側部と外側部で囲まれる空間部を形成する可変部材を有する型を用いて得られる塞栓物質は、別のコイルを入れるための枠組となる塞栓物質として有用である。
1、1a、1b 一次コイル
2 素線
3、4、5 生体内留置部材
10、10a、60、70、100、200 型
11、12、12a、13、14、15、16、17、18 片材
19、79、119 外側部
19a、79a、119a 内側部
20、20a 環状部材
21、21a、81、82、83、121、121a 保持部(凹部)
22、22a、33、39、44、45、54、55、122 貫通孔
23、86、123 中心
24、85、124 水平軸
25 固定部(中空管)
26 ヒンジ構造
27、28 部材
30、34、35、130 連結部
30a、30b、36a、36b、42、43、52、53、134、135 雌部
31、37 嵌合部
32、38 固着部
40、50、90、140 連結部(中間部)
41、51、141 中間軸部
46、56、146 軸部
71、72、73、74、75、76、77、78 片材
80 部材
84 傾斜面
111、112、113、114、115、116、117、118 片材
120、120a 平面材
130a 第1雌部
130b 第2雌部
142、143 雌部

Claims (9)

  1. 線状の一次コイルに立体形状が付与された生体内留置部材を製造するための型であって、
    該型は、組立状態と展開状態とに変形可能な、複数の片材が連結されてなる可変部材を備え、
    該可変部材は、組立状態において、外側に配置される外側部と、該外側部と連結されつつその内側に配置される内側部とを有し、
    前記外側部及び内側部は、前記一次コイルを保持する保持部を有する型。
  2. 前記複数の片材は、隣接する片材同士の相対的位置関係を変化させ得る連結部により連結されている請求項記載の型。
  3. 前記複数の片材のうちの少なくとも一部が、環状構造を有する請求項又はに記載の型。
  4. 前記複数の片材の少なくとも一部が、展開状態で線状になるように連結されている請求項の何れか1項に記載の型。
  5. 前記外側部には貫通孔が設けられており、組立状態において、前記内側部の一部が前記貫通孔の内部に位置する請求項の何れか1項に記載の型。
  6. 前記保持部が、前記可変部材の周縁部に設けられている請求項1〜の何れか1項に記載の型。
  7. 前記保持部が、展開状態において、同じ側に面するように前記可変部材に設けられている請求項1〜の何れか1項に記載の型。
  8. 前記可変部材のうちの少なくとも一部に、螺旋状又は渦巻き状の保持部が設けられている請求項1〜の何れか1項に記載の型。
  9. 線状の一次コイルに立体形状が付与された生体内留置部材の製造方法であって、
    組立状態と展開状態とに変形可能で、組立状態において、外側に配置される外側部と、該外側部と連結されつつその内側に配置される内側部とを有する可変部材を備えた型を用い、展開状態の型に一次コイルを配置する工程と、
    一次コイルを配置したまま前記型の前記外側部の内側に前記内側部を配置するように変形して型を組立状態にすることで、線状の一次コイルを立体形状に変形する工程と、を含む生体内留置部材の製造方法。
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