JP6655510B2 - 半導体装置、電子制御ユニットおよび車両装置 - Google Patents

半導体装置、電子制御ユニットおよび車両装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置、電子制御ユニットおよび車両装置に関し、例えば、車両内の各負荷をワイヤーハーネスを介して駆動すると共に各種異常を検出する技術に関する。
例えば、特許文献1には、車両用ヘッドライト点灯制御装置において、マイクロコンピュータが半導体リレーを介してヘッドライトを制御する構成が示されている。
特開2006−131048号公報
例えば、車両装置等は、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)と呼ばれる部品を搭載している。電子制御ユニットは、電力供給用トランジスタ等を含む各種半導体装置を備え、ヘッドライト等を代表とする様々な負荷にワイヤーハーネスを介して電力を供給する。ワイヤーハーネスは、必要とされる電力に応じた十分な耐久性を持つ必要があり、また、車両装置内の様々な箇所に多く搭載されるため、車両の総重量を増加させる要因となり得る。
一方、電子制御ユニットの中には、負荷ショート等の各種異常を検出し、適切な保護動作を実行するような保護機能を備えるものが存在する。ここで、例えば、各種異常を検出するのに時間を要すると、その分だけワイヤーハーネスの耐久性にマージンを持たせる必要がある。そうすると、車両の総重量は、さらに増大する恐れがある。
後述する実施の形態は、このようなことを鑑みてなされたものであり、その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態による半導体装置は、1個のパッケージに搭載される第1の半導体チップおよび第2の半導体チップと、負荷駆動端子とを備える。第1の半導体チップは、負荷駆動端子を介して負荷に電力を供給する電力供給用トランジスタと、電力供給用トランジスタを駆動するドライバ回路と、流れる電流に応じた電圧を第1の端子に出力する電流検出用抵抗と、各種異常を検出する異常検出回路と、電流生成回路とを有する。電流生成回路は、負荷駆動端子に流れる電流を反映したセンス電流と、異常検出回路が異常を検出したことを表すフォルト電流とを生成し、異常の検出有無に応じてセンス電流かフォルト電流の一方を電流検出用抵抗に流す。第2の半導体チップは、第1の端子に結合するための第2の端子に入力されるアナログ信号を第1のディジタル信号に変換する第1のアナログディジタル変換回路と、記憶回路と、演算処理回路とを有する。記憶回路は、半導体装置の検査工程で得られるフォルト電流の電流値を判定基準値として保持する。演算処理回路は、判定基準値に基づき規格範囲を定め、第1のディジタル信号が表す電流値が規格範囲内に含まれるか否かで異常検出回路における異常の検出有無を判定する。
前記一実施の形態によれば、各種異常を早期に検出することが可能になる。
本発明の実施の形態1による車両装置において、主要部の構成例を示す概略図である。 (a)および(b)は、図1の構成例を含んだ車両装置の外形例を示す図である。 本発明の実施の形態1による電子制御ユニットにおいて、主要部の概略構成例を示す回路ブロック図である。 図3における電流生成回路の構成例を示す回路図である。 (a)は、図3の半導体装置に対する検査工程の一例を示すフロー図であり、(b)は、(a)の補足図である。 (a)は、図3の半導体装置において、演算処理回路が異常判定を実行する際の処理内容の一例を示すフロー図であり、(b)は、(a)の補足図である。 図3における半導体装置の主要部の概略的な外形例を示す平面図である。 図7の半導体装置を備えた電子制御ユニットの主要部の概略構成例を示す回路ブロック図である。 (a)および(b)は、本発明の実施の形態1による半導体装置、電子制御ユニットおよび車両装置を用いた場合の効果の一例を示す説明図である。 (a)は、本発明の実施の形態2による電子制御ユニットにおいて、主要部の概略構成例を示す回路ブロック図であり、(b)は、(a)における温度センサ回路の構成例を示す回路図である。 図10(a)の半導体装置に対する検査工程の一例を示すフロー図である。 (a)および(b)は、図11の補足図である。 本発明の実施の形態3による電子制御ユニットにおいて、主要部の概略構成例を示す回路ブロック図である。 図13における電流生成回路の構成例を示す回路図である。 図13の電子制御ユニットにおいて、演算処理回路が異常の検出有無を判定する際の処理内容の一例を示す説明図である。 本発明の比較例として検討した電子制御ユニットにおいて、主要部の概略構成例を示す回路ブロック図である。 (a)、(b)および(c)は、図16の電子制御ユニットの主要な動作例を示す概略図である。 (a)は、図3における異常検出回路の構成例を示す概略図であり、(b)は、(a)の動作例を示す波形図である。 図18(a)における過電流検出回路の構成例を示す回路図である。 図18(a)における過温度検出回路および温度差検出回路の構成例を示す回路図である。 図20におけるホットセンサおよびコールドセンサの配置構成例を示す図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態の各機能ブロックを構成する回路素子は、特に制限されないが、公知のCMOS(相補型MOSトランジスタ)等の集積回路技術によって、単結晶シリコンのような半導体基板上に形成される。なお、実施の形態では、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)の一例としてMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)(MOSトランジスタと略す)を用いるが、ゲート絶縁膜として非酸化膜を除外するものではない。図面にはMOSトランジスタの基板電位の接続は特に明記していないが、MOSトランジスタが正常動作可能な範囲であれば、その接続方法は特に限定しない。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
《車両装置の概略構成》
図1は、本発明の実施の形態1による車両装置において、主要部の構成例を示す概略図である。図1に示す車両装置は、シャーシCHSと、バッテリBATと、電子制御ユニットECUと、負荷LODとを備える。バッテリBATは、電源を生成し、ワイヤハーネスWHg1を介して結合されるシャーシCHSを接地電源電圧GNDとして所定(代表的には12V)のバッテリ電圧Vbatを生成する。負荷LODは、この例では、並列接続される3個のフラッシャーFLSで構成される。当該3個のフラッシャーFLSの一端は、ワイヤハーネスWHg2を介して接地電源電圧GNDに結合される。当該3個のフラッシャーFLSは、例えば、車両装置の左前方部、左後方部、左側面部等にそれぞれ取り付けられる。
電子制御ユニットECUは、電源用のコネクタ端子Pv,Pgと、負荷駆動用のコネクタ端子Pldとを備える。コネクタ端子Pvは、ワイヤハーネスWHvを介してバッテリ電圧Vbatに結合され、コネクタ端子Pgは、ワイヤハーネスWHg3を介して接地電源電圧GNDに結合される。電子制御ユニットECUは、詳細は後述するが、1個のパッケージで構成される半導体装置SIPを備え、コネクタ端子Pldと、当該コネクタ端子Pldに結合されるワイヤハーネスWHpとを介して負荷LOD(3個のフラッシャーFLSの他端)に電力を供給する。具体的には、電子制御ユニットECUは、例えば、車両装置が左折する際に3個のフラッシャーFLSに電力を供給し、これに応じて、3個のフラッシャーFLSは共に点滅する。
ここで、例えば、ワイヤハーネスWHg1,WHv,WHp,WHg2には、負荷LODで必要とされる大きな電流が流れる。このため、ワイヤハーネスWHg1,WHv,WHp,WHg2の径は、当該大電流を十分に流せる程度の太い径である必要がある。一方、ワイヤハーネスWHg3には、電子制御ユニットECU(主に半導体装置SIP)で必要とされる小さな電流が流れる。このため、ワイヤハーネスWHg3の径は、当該小電流を流せる程度の細い径であってもよい。
図2(a)および図2(b)は、図1の構成例を含んだ車両装置の外形例を示す図である。図2(a)には、自動車の外形例が示され、図2(b)には、バイクの外形例が示される。このような車両装置(特に自動車)は、図1に示したようなフラッシャーFLSに加え、例えば、各種照明機器や各種空調機器等を含めた数多くの負荷LODを搭載する。この負荷LODの数に応じて、車両装置は、図2(a)および図2(b)に示すように、数多くのワイヤハーネスWHも搭載する。その結果、ワイヤハーネスWH(特に、太い径を持つワイヤハーネス)は、車両装置の総重量を増加させる要因となっている。
《電子制御ユニット(比較例)の概略および問題点》
図16は、本発明の比較例として検討した電子制御ユニットにおいて、主要部の概略構成例を示す回路ブロック図である。図16に示す電子制御ユニットECU’は、図1に示した電源用のコネクタ端子Pv,Pg(Pvの図示は省略)および負荷駆動用のコネクタ端子Pldを備える配線基板で構成される。当該配線基板は、2個の半導体装置(パッケージ部品)DEV1,DEV2と、電流検出用抵抗Rcsと、LPF用コンデンサCfおよびLPF用抵抗Rfで構成されるロウパスフィルタ回路LPFとを搭載する。
半導体装置DEV1は、外部端子PNvc,PNg,PNld,PNm1’を備え、半導体チップCHP1’を搭載する。半導体チップCHP1’は、電力供給用トランジスタ(ここではnMOSトランジスタ)Qdと、電力供給用トランジスタQdを駆動するドライバ回路DRVと、電流生成回路IGEN’と、異常検出回路FDETとを備える。外部端子PNvcおよび外部端子PNgには、それぞれ、電源電圧VCCおよび接地電源電圧GNDが供給される。電源電圧VCCは、例えば、図1に示したバッテリ電圧Vbat等である。
電力供給用トランジスタQdは、ドレインに電源電圧VCCが供給され、ソースが外部端子(負荷駆動端子)PNldに結合される。外部端子PNldは、配線基板上で図1に示したコネクタ端子Pldに結合される。異常検出回路FDETは、過電流(負荷ショート)、過温度、負荷オープン等を代表とする各種異常を検出し、各種異常のいずれかを検出した場合(異常有りの場合)にフォルトイネーブル信号FENを出力する。また、異常検出回路FDETは、各種異常が検出されない場合(異常無しの場合)にはセンスイネーブル信号SENを出力する。
電流検出用抵抗Rcsは、外部端子PNm1’に結合され、流れる電流に応じた電圧を有する電流モニタ信号VISを外部端子PNm1’に出力する。電流生成回路IGEN’は、可変電流源ISvおよびセンススイッチSWsと、定電流源IS1およびフォルトスイッチSWfとを備える。可変電流源ISvは、センススイッチSWsおよび外部端子PNm1’を介して電流検出用抵抗Rcsに電流を流し、定電流源IS1は、フォルトスイッチSWfおよび外部端子PNm1’を介して電流検出用抵抗Rcsに電流を流す。
可変電流源ISvは、負荷駆動端子PNldに流れる負荷電流ILを反映したセンス電流ILsを生成する。センス電流ILsの電流値は、例えば、負荷電流ILに、1/1000〜1/10000の範囲内で定めた係数(k)を乗算した値に定められる。定電流源IS1は、固定の電流値を持つフォルト電流Iftを生成する。センススイッチSWsは、異常検出回路FDETがセンスイネーブル信号SENを出力している期間でオンとなり、フォルトスイッチSWfは、異常検出回路FDETがフォルトイネーブル信号FENを出力している期間でオンとなる。
その結果、電流生成回路IGEN’は、異常検出回路FDETで異常が検出されない場合には、センス電流ILsを電流検出用抵抗Rcsに流し、異常検出回路FDETが異常を検出した場合には、フォルト電流Iftを電流検出用抵抗Rcsに流す。すなわち、フォルト電流Iftは、異常検出回路FDETが異常を検出したことを表す電流となる。このように、センス電流ILsまたはフォルト電流Iftを共通の外部端子PNm1’に流す構成を用いることで、外部端子の数を削減することが可能になる。ただし、そのためには、両者の電流を区別できるようにする必要がある。そこで、フォルト電流Iftの電流値は、例えば、定常状態のセンス電流ILsよりも十分に高い値に定められる。
半導体装置DEV2は、外部端子PNvd,PNg,PNm2を備え、半導体チップCHP2を搭載する。外部端子PNvdおよび外部端子PNgには、それぞれ、電源電圧VDDおよび接地電源電圧GNDが供給される。電源電圧VDDは、例えば、3.3Vや5.0V等であり、図1に示したバッテリ電圧Vbatを降圧すること等で生成される。
半導体チップCHP2は、例えば、マイクロコントローラ(MCU:Micro Control Unit)チップ等であり、演算処理回路MPU、記憶回路MEM、およびアナログディジタル変換回路ADC等の各回路ブロックと、これらの各回路ブロックを相互に結合するバスBSとを備える。アナログディジタル変換回路ADCは、外部端子PNm1’からロウパスフィルタ回路LPFを介して外部端子PNm2に入力される電流モニタ信号(アナログ信号)VISをディジタル信号に変換する。
演算処理回路MPUは、例えば、記憶回路MEMに保持される所定の制御プログラムに基づき半導体装置DEV1を制御する。その制御機能の一つとして、演算処理回路MPUは、異常検出回路FDETにおける異常の検出有無を判定する。具体的には、当該制御プログラムでは、例えば、予め設計段階で判明するフォルト電流Iftの規格範囲が定められている。演算処理回路MPUは、アナログディジタル変換回路ADCからのディジタル信号が表す電流値が当該規格範囲内に含まれるか否かで異常検出回路FDETにおける異常の検出有無を判定する。また、演算処理回路MPUは、異常の検出有りと判定した場合には、制御プログラムに基づく適切な保護動作(例えば、電力供給用トランジスタQdをオフに制御する等)を実行する。
図17(a)、図17(b)および図17(c)は、図16の電子制御ユニットの主要な動作例を示す概略図である。図17(a)には、負荷LODへの電力供給を開始したのち、特に異常が無い場合の動作が示される。例えば、図1に示したフラッシャーFLSやヘッドライト等を代表とする負荷LODでは、電力供給が開始された初期段階で、図17(a)に示されるように、フィラメントの特性等に応じた突入電流が流れる。負荷電流ILは、当該突入電流に伴い例えば数十A〜百A程度となる場合がある。この場合、センス電流ILsは、例えば数mA〜十mA程度となる。その後、負荷電流ILは、例えば数A程度の定常電流に収束していき、センス電流ILsも1mA以下程度に収束していく。
一方、例えば、負荷ショート等の異常が発生した場合、過大な負荷電流ILが流れる。図17(b)の例では、半導体装置DEV1は、異常検出回路FDETを用いてこのような過電流を検出した場合、例えば、電力供給用トランジスタQdを間欠的にオンに制御すること等で負荷電流ILを制限するような保護動作を実行している。さらに、半導体装置DEV1は、異常検出回路FDETを用いてフォルトスイッチSWfをオン(センススイッチSWsをオフ)に制御する。これにより、半導体装置DEV1は、フォルト電流Iftに応じた電圧を有する電流モニタ信号VISを出力し、異常検出回路FDETで異常が検出されたことを半導体装置DEV2に通知する。
図17(c)は、図17(a)と図17(b)を重ね合わせたものである。前述したように、フォルト電流Iftの電流値は、定常時のセンス電流(例えば、1mA以下)と重複しないように、当該定常電流よりも十分に大きい値(例えば、数mA程度)に定められる。一方、図17(c)に示されるように、演算処理回路MPUがフォルト電流Iftを判定する際の規格範囲ΔIft’は、フォルト電流Iftの設計値を基準にマージンを加えた範囲に定められる。このマージンは、各半導体チップCHP1’毎の定電流源IS1の製造ばらつきや、各定電流源IS1の温度依存性や、各電子制御ユニットECU’毎の電流検出用抵抗Rcsのばらつき等を考慮して定められ、ある程度の大きさが必要となる。
ここで、図17(c)に示されるように、突入電流の発生時には、数mA等のセンス電流ILsが流れる場合があるため、センス電流ILsがフォルト電流Iftの規格範囲ΔIft’と重複する期間が生じ得る。演算処理回路MPUは、この突入電流が規格範囲ΔIft’の下限値Ift_min’よりも小さくなるまでは、異常の有無を正しく判定することができない。このため、演算処理回路MPUは、図17(c)のように、フォルト判定マスク期間Tmを経たのちに異常の有無を判定する必要があり、判定を開始するまでに時間を要する。その結果、演算処理回路MPUが保護動作を開始するタイミングも遅延するため、各種部品の破損等を招く恐れがある。
一方、実際に負荷ショートが生じた場合、負荷ショートの状態は、少なくともフォルト判定マスク期間Tmの間は継続することになり、ワイヤハーネスWHは、このような状態でも発煙等の破損を防止できる程度の耐久性を有する必要がある。その結果、フォルト判定マスク期間Tmが増大するほどワイヤハーネスWHの径を太くする必要があり、ワイヤハーネスWHの重量が増加する。特に、自動車等への電子部品(すなわち負荷LOD)の搭載点数は、増加の一途をたどっており、これに伴い、電子部品に結合されるワイヤハーネスWHの総重量は、普及車でも数十kgに及ぶ場合がある。ワイヤハーネスWHの総重量が増加することは、燃費やコスト面でデメリットとなる。そこで、以下に示す本実施の形態1の方式を用いることが有益となる。
《電子制御ユニット(実施の形態1)の構成》
図3は、本発明の実施の形態1による電子制御ユニットにおいて、主要部の概略構成例を示す回路ブロック図である。図4は、図3における電流生成回路の構成例を示す回路図である。図3に示す電子制御ユニットECUは、例えば、図1に示した電源用のコネクタ端子Pv,Pg(Pvの図示は省略)および負荷駆動用のコネクタ端子Pldを備える配線基板で構成される。当該配線基板は、図16の場合と異なり、1個の半導体装置(パッケージ部品)SIPと、LPF用コンデンサCfとを搭載する。
半導体装置SIPは、外部端子PNvc,PNvd,PNg,PNld,PNm1,PNm2を備え、2個の半導体チップCHP1,CHP2を搭載する。外部端子PNvc,PNvdおよび外部端子PNgには、図16の場合と同様に、それぞれ、電源電圧VCC,VDDおよび接地電源電圧GNDが供給される。半導体チップCHP1は、図16の半導体チップCHP1’と同様の電力供給用トランジスタQd、ドライバ回路DRVおよび異常検出回路FDETに加えて、電極パッド(端子)PDm1と、図16とは異なる電流生成回路IGENとを備える。電極パッドPDm1は、外部端子PNm1に結合される。
電流生成回路IGENは、図16の場合と同様の可変電流源ISv、センススイッチSWs、定電流源IS1およびフォルトスイッチSWfに加えて、電流検出用抵抗RcsおよびLPF用抵抗Rfを備える。すなわち、電流検出用抵抗RcsおよびLPF用抵抗Rfは、図16では、半導体装置の外部に設けられるのに対して、図3では、半導体装置SIP内の半導体チップCHP1に設けられる。電流検出用抵抗Rcsは、一端が外部端子PNgに結合され、他端がセンススイッチSWsおよびフォルトスイッチSWfに結合されると共に、LPF用抵抗Rfを介して電極パッドPDm1に結合される。
電流生成回路IGENは、より詳細には、例えば図4に示すような回路構成を備える。図4において、センス用トランジスタ(例えばnMOSトランジスタ)Qcs、pMOSトランジスタMP1およびアンプ回路AMP1は、図3の可変電流源ISvを構成し、pMOSトランジスタMPsは、図3のセンススイッチSWsを構成する。センス用トランジスタQcsは、電力供給用トランジスタQdの所定倍(例えば1/1000〜1/10000倍等)のトランジスタサイズで構成され、ゲートおよびドレインが電力供給用トランジスタQdのゲートおよびドレインと共通に結合される。
pMOSトランジスタMP1は、ソースがセンス用トランジスタQcsのソースに結合され、ドレインが電流検出用抵抗Rcsを介して接地電源電圧GNDに結合される。アンプ回路AMP1は、センス用トランジスタQcsのソースと、電力供給用トランジスタQdのソースとを入力とし、両ソース電圧が等しくなるようにpMOSトランジスタMP1のゲートを制御する。その結果、センス用トランジスタQcsは、ドライバ回路DRVによって、電力供給用トランジスタQdと同等のゲート・ソース間電圧で並列に駆動される。pMOSトランジスタMPsは、ソースおよびドレインが、それぞれ、電源電圧VCCおよびpMOSトランジスタMP1のゲートに結合される。
pMOSトランジスタMPsは、センスイネーブル信号SENが出力されていない期間(ここでは‘L’レベル期間)ではオンに制御され、pMOSトランジスタMP1をオフに固定する。一方、pMOSトランジスタMPsは、センスイネーブル信号SENが出力されている期間(ここでは‘H’レベル期間)ではオフに制御される。この場合、センス用トランジスタQcsは、電力供給用トランジスタQdに流れる負荷電流ILを反映したセンス電流(すなわちトランジスタサイズ比に基づく電流)ILsを、pMOSトランジスタMP1を介して電流検出用抵抗Rcsに流す。その結果、電極パッド(端子)PDm1および外部端子PNm1には、電流モニタ信号VISとして、外部端子(負荷駆動端子)PNldに流れる負荷電流ILを反映した電圧が出力される。
また、図4において、定電流源ISr1およびカレントミラー回路CMp,CMnは、図3の定電流源IS1を構成し、pMOSトランジスタMPf1は、図3のフォルトスイッチSWfを構成する。カレントミラー回路CMpは、pMOSトランジスタMP2a,MP2bを備え、pMOSトランジスタMP2aに入力された定電流源ISr1からの電流を、トランジスタサイズ比に基づきpMOSトランジスタMP2bに流す。カレントミラー回路CMnは、nMOSトランジスタMN1a,MN1bを備え、nMOSトランジスタMN1aに入力された電流を、トランジスタサイズ比に基づきnMOSトランジスタMN1bに流す。nMOSトランジスタMN1bは、当該電流をフォルト電流Iftとして電流検出用抵抗Rcsに流す。
pMOSトランジスタMPf1は、ソースおよびドレインが、それぞれ、pMOSトランジスタMP2bのドレインおよびnMOSトランジスタMN1aのドレインに結合される。pMOSトランジスタMPf1は、フォルトイネーブル信号FENが出力されている期間(ここでは‘L’レベル期間)ではオンに制御される。その結果、電流検出用抵抗Rcsにはフォルト電流Iftが流れる。一方、pMOSトランジスタMPf1は、フォルトイネーブル信号FENが出力されていない期間(ここでは‘H’レベル期間)ではオフに制御される。その結果、nMOSトランジスタMN1bは電流を流さない。
電流検出用抵抗Rcsは、センスイネーブル信号SENおよびフォルトイネーブル信号FENに応じて、センス電流ILsかフォルト電流Iftの一方に比例する電圧を生成し、当該電圧(すなわち電流モニタ信号VIS)をLPF用抵抗Rfを介して電極パッドPDm1に出力する。電流検出用抵抗RcsおよびLPF用抵抗Rfは、特に限定はされないが、シリコン基板上のポリシリコン層や拡散層等によって形成される。
図3に戻り、外部端子PNm1は、例えば、半導体装置SIPの外部で、電子制御ユニットECUの配線基板上の配線を介して外部端子PNm2に結合される。外部端子PNm1および外部端子PNm2には、配線基板上でLPF用コンデンサCfが結合される。その結果、外部端子PNm2には、半導体チップCHP1内のLPF用抵抗RfとLPF用コンデンサCfとで構成されるロウパスフィルタ回路(LPF)によって平滑化された電流モニタ信号VISが入力される。
半導体チップCHP2は、例えば、マイクロコントローラ(MCU)チップ等であり、図16の場合と同様に、演算処理回路MPU、記憶回路MEM、およびアナログディジタル変換回路ADC等の各回路ブロックと、これらの各回路ブロックを相互に結合するバスBSとを備える。また、ここでは、半導体チップCHP2は、電極パッド(端子)PDm2を備える。電極パッドPDm2は、外部端子PNm2に結合される。
電極パッドPDm2は、半導体チップCHP1の電極パッド(端子)PDm1に結合するための端子である。図3の例では、外部端子PNm1と外部端子PNm2とが結合されることで、電極パッドPDm2は、これらの外部端子を介して電極パッドPDm1に結合される。ただし、場合によっては、電極パッドPDm2と電極パッドPDm1とを、半導体装置SIP内で直接結合してもよい。アナログディジタル変換回路ADCは、電極パッドPDm2に入力される電流モニタ信号VIS(アナログ信号)をディジタル信号に変換する。
ここで、詳細は後述するが、本実施の形態1では、半導体チップCHP2の記憶回路MEMは、半導体装置SIPの検査工程で得られるフォルト電流Iftの電流値を判定基準値として保持する。そして、演算処理回路MPUは、当該判定基準値に基づき規格範囲を定め、アナログディジタル変換回路ADCからのディジタル信号が表す電流値が当該規格範囲内に含まれるか否かで、半導体チップCHP1内の異常検出回路FDETにおける異常の検出有無を判定する。
《半導体装置の検査方法》
図5(a)は、図3の半導体装置に対する検査工程の一例を示すフロー図であり、図5(b)は、図5(a)の補足図である。図5(a)において、所定の検査装置は、まず、半導体装置SIPを所定の温度下に設置する(ステップS101)。次いで、検査装置は、フォルトイネーブル信号FENをアサートする(ステップS102)。具体的には、例えば、半導体チップCHP1にテスト用の回路を設け、検査装置に、外部端子を介して当該テスト用の回路に向けてフォルトイネーブル信号FENをアサートする命令を発行させるような方式が挙げられる。また、場合によっては、検査装置が半導体装置SIPの外部端子PNldに過剰の電流等を印加することで、異常検出回路FDETにフォルトイネーブル信号FENをアサートさせるような方式であってもよい。
続いて、フォルトイネーブル信号FENがアサートされた状態で、検査装置は、電流モニタ端子となる外部端子PNm1に出力される電流モニタ信号VISの電圧Vnを測定する(ステップS103)。そして、検査装置は、予め定めた全温度環境下でステップS101〜ステップS103の測定を繰り返す(ステップS104)。全温度環境下での測定が完了すると、検査装置は、最低温度時の電圧Vn(V1とする)と、最高温度時の電圧Vn(V2とする)とを半導体チップCHP2の記憶回路MEMに書き込む(ステップS105)。
図5(b)を例とすると、記憶回路MEMには、−40℃での電圧V1と、150℃での電圧V2とが書き込まれる。電圧V1は、フォルト電流Iftの上限値Ift_maxに対応する電圧であり、電圧V2は、フォルト電流Iftの下限値Ift_minに対応する電圧である。演算処理回路MPUは、例えば、電圧V1(上限値Ift_max)と電圧V2(下限値Ift_min)のそれぞれを判定基準値として、当該2個の判定基準値の間の範囲を規格範囲ΔIftとして定めることができる。
ここで、例えば図16の構成を用いた場合の規格範囲ΔIft’は、言うなれば、本来必要とされる最小範囲にマージンを加えたような範囲となる。すなわち、図16の構成を用いた場合、各種ばらつき量が不明であるため、本来必要とされる最小範囲を明確にすることができず、規格範囲ΔIft’には、この各種ばらつき量を最大に見積もったマージンを盛り込む必要がある。
具体的には、図3の定電流源IS1では、各半導体チップCHP1毎の製造ばらつきや、温度依存性に伴う電流ばらつき等が生じ、電流検出用抵抗Rcsでも、各半導体チップCHP1毎の製造ばらつきや温度依存性に伴う電流ばらつき等が生じる。定電流源IS1のばらつきは、図4の構成の場合、定電流源ISr1の製造ばらつきや、カレントミラー回路CMp,CMnの製造ばらつき(トランジスタサイズ比のばらつき)や、これらの素子の温度依存性に伴う電流ばらつきに該当する。図16の構成では、これらの各種ばらつき毎の最大量を設計段階で見積もり、見積もった各最大量を全て加算したようなマージンを規格範囲ΔIft’に盛り込む必要がある。
一方、本実施の形態1の方式を用いると、実際の測定結果(言い換えれば各種ばらつき量)が判明しているため、本来必要とされる最小範囲を明確にすることができ、マージンを含まない規格範囲ΔIftを定めることができる。この際に、図3の構成では、図16の構成と異なり、電流検出用抵抗Rcsが半導体装置SIPに搭載されているため、実際の測定結果には、定電流源IS1のばらつきのみならず、電流検出用抵抗Rcsのばらつきも反映されている。その結果、規格範囲ΔIftの幅は、規格範囲ΔIft’と比べて大幅に狭めることができる。なお、ここでは、演算処理回路MPUは、実際の測定結果をそのまま用いて規格範囲ΔIftを定めたが、測定誤差に該当する微小なマージンを加えて規格範囲ΔIftを定めてもよい。
《演算処理回路による異常判定方法》
図6(a)は、図3の半導体装置において、演算処理回路が異常判定を実行する際の処理内容の一例を示すフロー図であり、図6(b)は、図6(a)の補足図である。図6(a)において、演算処理回路MPUは、まず、記憶回路MEMに保持される電圧V1,V2を取得する(ステップS201)。次いで、演算処理回路MPUは、回数Nを0としたのち(ステップS202)、アナログディジタル変換回路ADCで測定された電流モニタ信号VISの電圧値(ディジタル信号)を取得する(ステップS203)。アナログディジタル変換回路ADCは、例えば、所定のサンプリング周波数で定期的に測定を行っているものとする。
続いて、演算処理回路MPUは、電流モニタ信号VISの電圧値が、電圧V1と電圧V2の範囲内(すなわち規格範囲ΔIft内)に含まれるか否かを判定する(ステップS204)。規格範囲ΔIft内に含まれない場合、演算処理回路MPUは、異常の検出無しと判定する(ステップS208)。一方、規格範囲ΔIft内に含まれる場合、演算処理回路MPUは、回数Nをインクリメントしたのち(ステップS205)、回路Nが予め定めたしきい値回数Nthに達したか否かを判定する(ステップS206)。
回数Nがしきい値回数Nthに達していない場合、演算処理回路MPUは、ステップS203〜ステップS205の処理を繰り返す。一方、回数Nがしきい値回数Nthに達した場合、演算処理回路MPUは、異常の検出有りと判定する(ステップS207)。このような処理により、演算処理回路MPUは、アナログディジタル変換回路ADCからのディジタル信号が表す電流値が規格範囲ΔIft内に所定の期間(すなわちしきい値回数Nthに基づく期間)継続して含まれるか否かで異常の検出有無を判定する。
図6(b)の例では、演算処理回路MPUは、センス電流ILsに基づく電流モニタ信号VISの電圧が、電圧(判定基準値)V1および電圧(判定基準値)V2からなる規格範囲ΔIft内に期間Tth以上含まれるか否かを判定する。電流モニタ信号VISの電圧は、異常の検出無しの場合、図6(b)のように期間Tthよりも短い期間T1しか含まれず、異常の検出有りの場合、期間Tthよりも長い期間含まれる。このような処理を用いた場合、図17(c)で述べたフォルト判定マスク期間Tmは、規格範囲ΔIftに応じて最短の時間に自ずと定まることになる。
なお、演算処理回路MPUの処理内容は、特に、このような方式に限定されるものではなく、様々な方式を用いることができる。例えば、ユーザに、使用する負荷LODに応じた突入電流の特性情報と、記憶回路MEMに保持されるフォルト電流Iftの下限値(ここでは電圧V2)の情報とに基づいて必要最小限のフォルト判定マスク期間Tmを定めさせ、それを所定の制御プログラムに反映させるような方式等が挙げられる。この場合、演算処理回路MPUは、負荷駆動の初期段階で、当該制御プログラムに基づき、電力供給用トランジスタQdをオンに制御したのちフォルト判定マスク期間Tmを経過後に異常判定を行うような処理を実行する。
《半導体装置のパッケージ構成》
図7は、図3における半導体装置の主要部の概略的な外形例を示す平面図である。図7に示す半導体装置SIPは、2個の半導体チップCHP1,CHP2が1個のパッケージに搭載されるパッケージ部品となっている。図7において、パッケージ(パッケージ樹脂)PKGの内部には、ダイパッドDPが設けられ、パッケージPKGの外周部には、外部端子となる複数のリードLDが設けられる。そして、ダイパッドDP上には、2個の半導体チップCHP1,CHP2が実装される。
ここで、図7の半導体装置SIPでは、図3に示した半導体装置SIPと異なり、半導体チップCHP1の電極パッドPDm1と半導体チップCHP2の電極パッドPDm2とを接続する配線が、パッケージPKGの内部に設けられる。この例では、電極パッドPDm1,PDm2は、それぞれ、ボンディングワイヤBWを介して同一のリードLD(ここでは電流モニタ端子となる外部端子PNm)に結合される。当該外部端子PNmには、LPF用コンデンサCfが接続可能となっている。
《電子制御ユニットの配線基板構成》
図8は、図7の半導体装置を備えた電子制御ユニットの主要部の概略構成例を示す回路ブロック図である。図8に示す電子制御ユニットECUは、コネクタCNを搭載した配線基板PCBで構成される。コネクタCNは、図1に示した電源用のコネクタ端子Pv,Pgと、負荷駆動用のコネクタ端子Pldとを備える。配線基板PCBは、図3の場合と同様に、1個の半導体装置(パッケージ部品)SIPと、LPF用コンデンサCfとを搭載し、加えて電源レギュレータ装置VREGを搭載する。
配線基板PCBには、バッテリ電圧Vbat用の配線LNv1と、電源電圧VDD用の配線LNv2と、負荷駆動用の配線LNldと、接地電源電圧GND用の配線LNgと、LPF用コンデンサCf用の配線LNcとが形成される。配線LNv1は、一端がコネクタ端子Pvに結合され、他端が、半導体装置SIPの外部端子PNvcと、電源レギュレータ装置VREGとに結合される。電源レギュレータ装置VREGは、配線LNv1からのバッテリ電圧Vbat(例えば12V等)を3.3V等の電源電圧VDDに降圧する。そして、電源レギュレータ装置VREGは、電源電圧VDDを配線LNv2を介して半導体装置SIPの外部端子PNvdに供給する。
配線LNldは、一端が負荷駆動用のコネクタ端子Pldに結合され、他端が半導体装置SIPの外部端子(負荷駆動端子)PNldに結合される。配線LNgは、一端がコネクタ端子Pgに結合され、他端が、半導体装置SIPの外部端子PNgと、LPF用コンデンサCfの一端とに結合される。LPF用コンデンサCfの他端は、配線LNcを介して半導体装置SIPの外部端子(電流モニタ端子)PNmに結合される。
図7のような半導体装置SIPおよび図8のような電子制御ユニットECUを用いた場合、電極パッドPDm1,PDm2は、図3では、半導体装置SIPの外部で結合されるのに対して、図7では、半導体装置SIPの内部で結合される。これによって、図3における2個の外部端子PNm1,PNm2を図7における1個の外部端子PNmに集約することができ、外部端子の削減が可能になる。さらに、これに伴い、図8の電子制御ユニットECUにおいて、2個の外部端子PNm1,PNm2間を結合する配線が不要となるため、例えば、部品組み立てメーカの組み立てコスト等を低減することができる。
ただし、図7の場合、電流検出を行う半導体チップCHP2内のアナログディジタル変換回路ADCが常に特定されることになる。すなわち、半導体チップ(例えば、マイクロコントローラチップ)CHP2は、通常、複数のアナログディジタル変換回路を備えており、部品組み立てメーカは、その複数の中から電流検出を行わせるアナログディジタル変換回路を任意に定めることが困難となる。したがって、場合によっては、図3の構成の方が望ましい場合もある。また、ここでは、LPF用コンデンサCfは、一般的にサイズが大きくなることから半導体装置SIPの外付け部品としたが、場合によっては、半導体装置SIP内に搭載することも可能である。この場合、図7および図8における外部端子PNmを削除することができる。
《異常検出回路の詳細》
図18(a)は、図3における異常検出回路の構成例を示す概略図であり、図18(b)は、図18(a)の動作例を示す波形図である。図18(a)に示す異常検出回路FDETは、過電流検出回路OCDETと、過温度検出回路OTDETと、温度差検出回路DTDETと、アンド演算回路ADと、SRラッチ回路SRLTとを備える。過電流検出回路OCDETは、電力供給用トランジスタQdに過剰な電流が流れたことを検出した場合に、過電流検出信号OCDをアサートする。過温度検出回路OTDETは、電力供給用トランジスタQdの絶対温度が所定の温度を超えたことを検出した場合に過温度検出信号OTDをアサートする。温度差検出回路DTDETは、電力供給用トランジスタQdの温度が急激に上昇したことを検出した場合に温度差検出信号DTDをアサートする。
アンド演算回路ADは、過電流検出信号OCD、過温度検出信号OTDおよび温度差検出信号DTDの中のいずれか一つでもアサート(この例では、‘L’レベル)された場合に、SRラッチ回路SRLTへセット信号を出力する。SRラッチ回路SRLTは、セット信号に応じてフォルトイネーブル信号FENを‘L’レベルに制御し、リセット信号RSTに応じてフォルトイネーブル信号FENを‘H’レベルに制御する。図4の例では、フォルトイネーブル信号FENは、‘L’レベル時にアサートされ、センスイネーブル信号SENは、‘H’レベル時にアサートされ、両信号は排他的にアサートされる。そこで、この例では、SRラッチ回路SRLTは、フォルトイネーブル信号FENとセンスイネーブル信号SENを1本の共通信号で出力している。
図18(b)において、リセット信号RSTが出力されると、センスイネーブル信号SENはアサートされ、フォルトイネーブル信号FENはネゲートされる。この状態で、例えば、過電流検出信号OCDがアサートされると、アンド演算回路ADからセット信号が出力され、これに応じて、フォルトイネーブル信号FENはアサートされ、センスイネーブル信号SENはネゲートされる。過温度検出信号OTDや温度差検出信号DTDがアサートされた場合も同様の動作となる。なお、前述したように、フォルトイネーブル信号FENがアサートされた場合、演算処理回路MPUは、フォルト電流Iftの検出によって異常を検出し、例えば、電力供給用トランジスタQdをオフに制御する。
図19は、図18(a)における過電流検出回路の構成例を示す回路図である。図19に示す過電流検出回路OCDETは、モニタ用トランジスタ(例えば、nMOSトランジスタ)Qcmと、モニタ用抵抗Rcmと、コンパレータ回路CMP1とを備える。モニタ用トランジスタQcmのドレインおよびゲートは、図3に示した電力供給用トランジスタQdのドレインおよびゲートにそれぞれ結合される。モニタ用トランジスタQcmのソースは、モニタ用抵抗Rcmを介して電力供給用トランジスタQdのソース(外部端子PNld)に結合される。
電力供給用トランジスタQdに電流が流れると、それにほぼ比例する電流がモニタ用トランジスタQcmにも流れる。負荷電流ILは、この2つのトランジスタに流れる電流の合算電流となる。ただし、モニタ用トランジスタQcmは、電力供給用トランジスタQdの例えば1/1000〜1/10000等のトランジスタサイズで構成されるため、負荷電流ILは、実質的に、電力供給用トランジスタQd側から供給される。モニタ用抵抗Rcmは、モニタ用トランジスタQcmに流れる電流を電圧に変換することで過電流モニタ信号VIMを生成する。コンパレータ回路CMP1は、過電流モニタ信号VIMの電圧レベルが予め定められる判定基準電圧VR1を超えた場合(すなわち、電力供給用トランジスタQdに過剰な電流が流れた場合)に、過電流検出信号OCDをアサートする。
図20は、図18(a)における過温度検出回路および温度差検出回路の構成例を示す回路図である。図21は、図20におけるホットセンサおよびコールドセンサの配置構成例を示す図である。図21に示すように、半導体チップCHP1は、例えば、チップの全体領域の中の偏った領域となる電力供給用トランジスタQdの形成領域AR_Qdと、その残りの領域となる制御回路の形成領域AR_CTLとを備える。
電力供給用トランジスタQdの形成領域AR_Qdには、中心部にホットセンサ(具体的にはダイオードDht)が配置される。制御回路の形成領域AR_CTLには、電力供給用トランジスタQdの形成領域AR_Qdから十分に離れた箇所にコールドセンサ(具体的にはダイオードDcd)が配置される。電力供給用トランジスタQdに流れる電流が大きくなるにつれて、ホットセンサの温度も上昇する。この際に、ホットセンサの配置箇所となる中心部は、特に電力供給用トランジスタQdの発熱が集中し易い箇所となる。一方、コールドセンサは、電力供給用トランジスタQdから離れた位置に配置されるため、電力供給用トランジスタQdの発熱が伝達されるのにある程度の時間を要する。
電力供給用トランジスタQdは、並列に結合される複数の単位MOSトランジスタQd’によって構成される。この例では、8個の単位MOSトランジスタQd’が示されるが、実際には、更に多数の単位MOSトランジスタQd’が設けられる。また、実際には、この多数の単位MOSトランジスタQd’のごく一部が図4のセンス用トランジスタQcsや図19のモニタ用トランジスタQcmに割り当てられる。
単位MOSトランジスタQd’は、ここでは、主面側をソース、裏面側をドレインとする縦型のnMOSトランジスタで構成される。裏面側には、n型のドレイン拡散層DR(n)が配置され、その上部にn型のドリフト層DRF(n)が配置される。ドレイン拡散層DR(n)は、電源電圧VCCに結合される。一方、主面側には、チャネル形成領域となるp型のウェルPWL(p)が配置され、その中にn型のソース拡散層SO(n)が形成される。また、ウェルPWL(p)には、ウェル給電用となるp型の拡散層DF(p)が形成される。当該拡散層DF(p)およびソース拡散層SO(n)は、共に、外部端子PNldに結合される。
主面側において、ソース拡散層SO(n)およびウェルPWL(p)に隣接する箇所には、ゲート絶縁膜GOXおよびゲート層GTを含んだトレンチ溝が形成される。ゲート層GTに所定の正電圧を印加すると、ウェルPWL(p)にnチャネルが形成され、ソース拡散層SO(n)は、nチャネルを介してドリフト層DRF(n)およびドレイン拡散層DR(n)と導通する。
ホットセンサ(ダイオードDht)は、主面側に配置されるpn接合ダイオードで構成される。具体的には、主面側において、絶縁用のウェルPWL(p)が配置され、その中にn型のウェルNWL(n)が配置される。ウェルNWL(n)の中には、p型の拡散層DF(p)とn型の拡散層DF(n)とが形成される。当該拡散層DF(p)は、アノード配線Lad1に結合され、当該拡散層DF(n)は、カソード配線Lcd1に結合される。
一方、制御回路の形成領域AR_CTLには、適宜、pMOSトランジスタMPおよびnMOSトランジスタMNが配置される。pMOSトランジスタMPは、主面側にソースおよびドレインとなる2個の拡散層DF(p)を設け、その間にゲート絶縁膜GOXを介してゲート層GTを設けたような構成となる。nMOSトランジスタMNは、主面側にp型のウェルPWL(p)を設け、その中に、ソースおよびドレインとなる2個の拡散層DF(n)を設け、その間にゲート絶縁膜GOXを介してゲート層GTを設けたような構成となる。さらに、制御回路の形成領域AR_CTLには、ホットセンサと同様の構造を備えるコールドセンサ(ダイオードDcd)が配置される。ダイオードDcdの拡散層DF(p)は、アノード配線Lad2に結合され、ダイオードDcdの拡散層DF(n)は、カソード配線Lcd2に結合される。
なお、図示は省略されているが、より詳細には、主面側において、電力供給用トランジスタQdの形成領域AR_Qdには、当該領域の全面に広がるソース電極が配置され、当該ソース電極に外部端子PNldが結合される。また、アノード配線Lad1およびカソード配線Lcd1は、このソース電極の一部に隙間を設けることで、制御回路の形成領域AR_CTLに向けて引き出される。
図20に示す過温度検出回路OTDETおよび温度差検出回路DTDETは、定電流源ISr2a,ISr2b,ISr3と、ホットセンサ(ダイオードDht)およびコールドセンサ(ダイオードDcd)と、コンパレータ回路CMP2,CMP3と、抵抗Rd,Rrfとを備える。定電流源ISr2aは、ダイオードDcdへ電流を流し、定電流源ISr2bは、定電流源ISr2aと同じ大きさの電流を抵抗Rdを介してダイオードDhtへ流す。コンパレータ回路CMP2は、ダイオードDcdの両端に生じるコールド電圧VCDと、抵抗RdおよびダイオードDhtからなる直列回路の両端に生じるオフセット付きホット電圧VHT2とを比較する。
ダイオードDht,Dcdは、温度上昇に伴って両端電圧が減少する負の温度特性を有する。ダイオードDht,Dcdが共に同じ温度であった場合、オフセット付きホット電圧VHT2は、コールド電圧VCDに比べて抵抗Rdの電圧降下分だけ高くなる。この状態で、電力供給用トランジスタQdの温度が急激に上昇した場合、ダイオードDhtは、この温度変化に即座に追従するが、ダイオードDcdは即座に追従できないような事態が生じる。そうすると、オフセット付きホット電圧VHT2のみが低下していき、やがてコールド電圧VCDよりも低くなる。この時点で、コンパレータ回路CMP2は、温度差検出信号DTDをアサートする。
また、定電流源ISr3は、抵抗Rrfに電流を流すことで、判定基準電圧VR2を生成する。コンパレータ回路CMP3は、ダイオードDhtの両端に生じるホット電圧VHT1と、判定基準電圧VR2とを比較する。電力供給用トランジスタQdの絶対温度が上昇するにつれて、ホット電圧VHT1は低下し、絶対温度が過剰に上昇すると、ホット電圧VHT1は、判定基準電圧VR2よりも低くなる。この時点で、コンパレータ回路CMP3は、過温度検出信号OTDをアサートする。
《実施の形態1の主要な効果》
図9(a)および図9(b)は、本発明の実施の形態1による半導体装置、電子制御ユニットおよび車両装置を用いた場合の効果の一例を示す説明図である。図9(a)には、負荷LODに電力供給が開始された初期段階でのセンス電流ILsの特性と、フォルト電流Iftの規格範囲の下限値との関係が示されている。本実施の形態1の方式を用いることで、図16のような比較例の方式と比べて、規格範囲を大幅に狭めることができる。
これに伴い、本実施の形態1の方式を用いた場合の規格範囲の下限値Ift_minは、比較例の方式を用いた場合の下限値Ift_min’よりも上昇する。その結果、演算処理回路MPUは、比較例の方式では時刻t2以降でしか異常の検出有無を判定できなかったが、本実施の形態1の方式ではそれよりも早い時刻t1以降で異常の検出有無を判定することができる。このように、各種異常を早期に検出できるようになることで、演算処理回路MPUは、異常に応じた保護動作を早期に実行でき、各種部品の破損等をより確実に防止できるようになる。言い換えれば、電子制御ユニットや車両装置等の信頼性を高めることが可能になる。
図9(b)には、異常時(例えば負荷ショート時)における負荷電流ILの平均値と、ワイヤハーネスWHの発煙特性との関係が示される。横軸は時間であり、縦軸は負荷電流ILである。発煙特性を表すラインを境界として、左側の領域は安全領域であり、右側の領域は禁止領域となる。ある負荷電流ILをある時間流した時点での座標が禁止領域に入ると、ワイヤハーネスWHは焼損する恐れがある。ワイヤハーネスWHの径(φ)が太いほど、安全領域は広がり、長時間の負荷ショートに耐えられる。ただし、その一方で、重量は増大する。
比較例の方式では、演算処理回路MPUが時刻t2以降でしか異常の検出有無を判定できないため、この時刻t2に達するまでの期間では、異常時の平均負荷電流が流れ続ける事態が生じ得る。そこで、平均負荷電流を時刻t0から時刻t2までの期間流した時点での座標AX’が安全領域に入るように、特性SP1に示されるような太い径(φ)を持つワイヤハーネスWHを用いる必要がある。一方、本実施の形態1の方式では、平均負荷電流を、時刻t0から時刻t2よりも早い時刻t1までの期間流した時点での座標AXが安全領域に入ればよいため、特性SP2に示されるように、比較例の方式よりも細い径(φ)を持つワイヤハーネスWHを用いることができる。
その結果、車両装置の軽量化が図れ、これに伴う燃費向上やコスト削減等が図れる。実使用上、例えば、ユーザは、記憶回路MEMに保持される規格範囲の下限値Ift_minの情報と、使用する負荷LODに応じた突入電流の特性情報とに基づいて時刻t1を見積もることができ、当該時刻t1に応じて必要最小限のワイヤハーネスWHの径(φ)を定めることができる。ユーザは、当該定めた径(φ)を、例えば、図1のワイヤハーネスWHp等に適用する。
なお、本実施の形態1では、複数の温度下での測定結果に基づきフォルト電流Iftの規格範囲ΔIftを定めたが、場合によっては、1個の温度下での測定結果(言い換えれば判定基準値)に基づき規格範囲ΔIftを定めることも可能である。この場合、規格範囲ΔIftは、例えば、当該1個の測定結果に温度依存性に基づくマージンを加えることで定められる。このような場合であっても、図16の方式と比較して、製造ばらつきに伴うマージンが不要となるため、各種異常を早期に検出できるようになる。
(実施の形態2)
《電子制御ユニット(実施の形態2)の構成》
図10(a)は、本発明の実施の形態2による電子制御ユニットにおいて、主要部の概略構成例を示す回路ブロック図であり、図10(b)は、図10(a)における温度センサ回路の構成例を示す回路図である。図10(a)に示す電子制御ユニットECUは、図3の構成例と比較して、主に、半導体装置SIPaの構成と、LPF用コンデンサCf2を新たに備える点とが異なっている。
図10(a)の半導体装置SIPaは、図3に示した外部端子PNvc,PNvd,PNg,PNld,PNm1,PNm2に加えて外部端子PNt1,PNt2を備える。外部端子PNt1は、電子制御ユニットECUの配線基板を介して外部端子PNt2に結合される。LPF用コンデンサCf2は、外部端子PNt1,PNt2と接地電源電圧GNDとの間に結合される。
また、図10(a)の半導体チップCHP1aは、図3の半導体チップCHP1に対して、さらに、温度センサ回路TSENを備える。図10(a)の半導体チップCHP2aは、図3の半導体チップCHP2に対して、さらに、バスBSに結合されるアナログディジタル変換回路ADC2を備える。
温度センサ回路TSENは、温度を検出し、温度を表す値を持つ温度モニタ信号VFを出力する。具体的には、温度センサ回路TSENは、図10(b)に示されるように、定電流源ISr2と、ダイオードD1と、差動アンプ回路DAMPと、LPF用抵抗Rf2とを備える。定電流源ISr2は、ダイオードD1に定電流を供給する。ダイオードD1は、当該定電流の大きさに応じた順方向電圧を生成する。この順方向電圧は、負の温度依存性を持ち、温度が高くなるほど小さくなる。
差動アンプ回路DAMPは、当該ダイオードD1の順方向電圧を増幅し、当該増幅した電圧を温度モニタ信号VFとして、LPF用抵抗Rf2を介して外部端子PNt1へ出力する。LPF用抵抗Rf2は、図3の場合と同様に、LPF用コンデンサCf2と共にロウパスフィルタ回路を構成する。その結果、外部端子PNt2には、平滑化された温度モニタ信号VFが入力される。アナログディジタル変換回路ADC2は、当該外部端子PNt2に入力される温度モニタ信号VF(アナログ信号)をディジタル信号に変換する。なお、温度センサ回路TSENは、温度を表す値を持つ温度モニタ信号VFを出力する何らかの回路であればよく、特に図10(b)の構成に限定されない。
《半導体装置の検査方法》
図11は、図10(a)の半導体装置に対する検査工程の一例を示すフロー図である。図12(a)および図12(b)は、図11の補足図である。図11に示すフローは、図5(a)に示したフローと比較して、図5(a)のステップS103とステップS104の間にステップS301が追加された点と、図5(a)のステップS105が図11のステップS302に置き換わった点とが異なっている。
ステップS301において、検査装置は、各温度下で、温度モニタ端子となる外部端子PNt1に出力される温度モニタ信号VFの信号レベル(ここでは電圧VVn)を測定する。そして、全温度下での測定が完了したのち(ステップS104)、検査装置は、各温度毎の電流モニタ信号VISの電圧Vnに加えて、ステップS301で測定した温度モニタ信号VFの信号レベル(電圧VVn)を半導体チップCHP2の記憶回路MEMに書き込む(ステップS302)。
図12(a)および図12(b)を例とすると、記憶回路MEMには、−40℃、25℃、85℃、150℃で測定した電流モニタ信号VISの各電圧V1,V2,V3,V4と、温度モニタ信号VFの各電圧VV1,VV2,VV3,VV4とが書き込まれる。演算処理回路MPUは、当該記憶回路MEMに保持される各電圧V1〜V4,VV1〜VV4と、アナログディジタル変換回路ADC2からのディジタル信号(すなわち外部端子PNt2に入力される温度モニタ信号VF)とに基づきフォルト電流Iftの規格範囲ΔIftを定める。
当該規格範囲ΔIftを定める際には、様々な方法を用いることができる。例えば、アナログディジタル変換回路ADC2によって得られる温度モニタ信号VFの電圧値が、図12(b)の電圧VV2と電圧VV3の間の値であった場合を想定する。この場合、演算処理回路MPUは、電圧VV2に対応する電圧V2を上限値とし、電圧VV3に対応する電圧V3を下限値として規格範囲ΔIftを定めることができる。
または、別の方法として、演算処理回路MPUは、例えば、記憶回路MEMの保持情報に基づき、温度モニタ信号VFの電圧VVnと電流モニタ信号VISの電圧Vnとの関係式を定める。当該関係式は、例えば、(電圧VV1,電圧V1)の座標と(電圧VV4,電圧V4)の座標とを通過する一次関数等に定められる。演算処理回路MPUは、アナログディジタル変換回路ADC2によって得られる温度モニタ信号VFの電圧値を受け、当該電圧値を当該関係式に代入することで判定基準値となる電流モニタ信号VISの電圧値を算出する。そして、演算処理回路MPUは、この算出した判定基準値を中心として、電圧V1〜電圧V4の幅よりも十分に狭い幅のマージンを加えることで規格範囲ΔIftを定める。
このような方法を代表に、温度モニタ信号VFを反映して規格範囲ΔIftを定める方法を用いることで、規格範囲ΔIftを、実施の形態1の場合の範囲(例えば図12(a)における電圧V1〜電圧V4の範囲)よりも更に狭めることが可能になる。これにより、実施の形態1の場合と比べて、各種異常をより早く検出することが可能になり、その結果として得られる各種効果(例えば、前述した各種部品の破損防止効果やワイヤハーネスの軽量化等)をより顕著に得ることが可能になる。
(実施の形態3)
《電子制御ユニットの構成(応用例)》
図13は、本発明の実施の形態3による電子制御ユニットにおいて、主要部の概略構成例を示す回路ブロック図である。図13に示す電子制御ユニットは、図3の構成例と比較して、異常検出回路FDET2と電流生成回路IGEN2の構成が異なっている。異常検出回路FDET2は、図3の場合には各種異常のいずれかを検出した場合に共通のフォルトイネーブル信号を出力したが、ここでは、各種異常の種類に応じて異なるフォルトイネーブル信号FEN1,FEN2を出力する。
電流生成回路IGEN2は、図3の場合には、1系統の定電流源IS1およびフォルトスイッチSWf(図13ではSWf1)を備えたが、ここでは、更にもう1系統の定電流源IS2およびフォルトスイッチSWf2を備える。フォルトスイッチSWf1は、フォルトイネーブル信号FEN1が出力された場合にオンとなり、フォルトスイッチSWf2は、フォルトイネーブル信号FEN2が出力された場合にオンとなる。
これに応じて、電流生成回路IGEN2は、フォルトイネーブル信号FEN1が出力された場合には、定電流源IS1からのフォルト電流Ift1を電流検出用抵抗Rcsに流し、フォルトイネーブル信号FEN2が出力された場合には、定電流源IS2からのフォルト電流Ift2を電流検出用抵抗Rcsに流す。すなわち、フォルト電流Ift1は、異常検出回路FDET2が第1の異常を検出したことを表し、フォルト電流Ift2は、異常検出回路FDET2が第1の異常とは異なる第2の異常を検出したことを表す。また、フォルト電流Ift1の電流値は、フォルト電流Ift2の電流値とは異なる。
図14は、図13における電流生成回路の構成例を示す回路図である。図13に示す電流生成回路IGEN2は、図4に示した電流生成回路IGENに対して、更に、pMOSトランジスタMPf2およびnMOSトランジスタMN1cを備えた構成となっている。nMOSトランジスタMN1cは、図13の定電流源IS2を構成し、pMOSトランジスタMPf2は、図13のフォルトスイッチSWf2を構成する。
nMOSトランジスタMN1cは、カレントミラー回路CMn内のnMOSトランジスタMN1aとの間で、nMOSトランジスタMN1bとは別のカレントミラー回路を構成する。pMOSトランジスタMPf2は、電源電圧VCCとnMOSトランジスタMN1cのドレインとの間をソース・ドレイン経路とし、フォルトイネーブル信号FEN2’によってオン・オフが制御される。また、ここでは、pMOSトランジスタMPf1は、フォルトイネーブル信号FEN1によってオン・オフが制御される。
ここで、図14の例では、図13におけるフォルト電流Ift1は、nMOSトランジスタMN1bに流れる電流に相当する。一方、図13におけるフォルト電流Ift2は、nMOSトランジスタMN1bに流れる電流と、nMOSトランジスタMN1cに流れる電流との加算電流に相当する。したがって、図14の例では、異常検出回路FDET2は、第1の異常を検出した場合にはフォルトイネーブル信号FEN1をアサートし、第2の異常を検出した場合にはフォルトイネーブル信号FEN1,FEN2’の両方をアサートする。
《演算処理回路による異常判定方法》
図15は、図13の電子制御ユニットにおいて、演算処理回路が異常の検出有無を判定する際の処理内容の一例を示す説明図である。まず、図13における記憶回路MEMは、実施の形態1の場合と同様にして、半導体装置の検査工程で得られるフォルト電流Ift1,Ift2の各電流値を、それぞれ、別の判定基準値として保持する。演算処理回路MPUは、当該複数の判定基準値に基づき、互いに重複しない複数の規格範囲を定める。
図15の例では、演算処理回路MPUは、フォルト電流Ift1の判定基準値に基づく規格範囲ΔIft1と、フォルト電流Ift2の判定基準値に基づく規格範囲ΔIft2と、フォルト電流(Ift3とする)の判定基準値に基づく規格範囲ΔIft3とを定める。フォルト電流Ift3は、図13の構成に対して、定電流源およびフォルトスイッチを更にもう1系統加えることで生成される。
例えば、フォルト電流Ift1は、異常検出回路FDET2(例えば、図19に示したような過電流検出回路OCDET)が過電流を検出したことを表す電流であり、規格範囲ΔIft1は、5.0mA〜5.5mA等である。フォルト電流Ift2は、異常検出回路FDET2(例えば、図20に示したような温度差検出回路DTDET)が温度差異常を検出したことを表す電流であり、規格範囲ΔIft2は、6.0mA〜6.5mA等である。フォルト電流Ift3は、異常検出回路FDET2(例えば、図20に示したような過温度検出回路OTDET)が過温度を検出したことを表す電流であり、規格範囲ΔIft3は、7.0mA〜7.5mA等である。
なお、温度差異常とは、前述したように、過温度(すなわち電力供給用トランジスタQdの絶対温度が異常)の場合と異なり、電力供給用トランジスタQdの絶対温度の上昇速度が異常であることを表す。具体的には、異常検出回路FDET2は、例えば、半導体チップCHP1上の電力供給用トランジスタQdに搭載した温度センサと、同一半導体チップCHP1上で電力供給用トランジスタQdを除く箇所に搭載した温度センサとの温度差を検出することで、温度差異常を検出する。
演算処理回路MPUは、アナログディジタル変換回路ADCからのディジタル信号が表す電流値が各規格範囲ΔIft1,ΔIft2,ΔIft3内のいずれかに含まれるか否かで、異常検出回路FDET2における異常の検出有無を、その異常の種類を含めて判定する。また、この際には、フォルト電流の電流値が高いほど、異常の検出有無をより早く判定することが可能である。
図15の例では、例えば、異常検出回路FDET2による過温度検出を演算処理回路MPUが認識するのに要する時間は、異常検出回路FDET2による温度差異常検出を演算処理回路MPUが認識するのに要する時間よりも短い。したがって、より優先度が高い(例えば、危険リスクが高い)異常を、より電流値が高いフォルト電流に割り当てることが望ましい。これにより、例えば、各種部品の破壊をより確実に防止することが可能になる。
以上、本実施の形態3の電子制御ユニットを用いることで、1個の外部端子(電流モニタ端子)PNm1で、複数の異常に加えてその種類を演算処理回路MPUに認識させることが可能になる。演算処理回路MPUは、例えば、異常の種類に応じて保護動作の動作内容を変えることができる。アナログディジタル変換回路ADCの入力レンジが限られる中でのこのような多重化は、実施の形態1等で述べたように、各規格範囲の幅を大幅に狭められることによって可能となる。なお、実施の形態2の場合のような温度の情報を組み合わせれば、各規格範囲の幅を更に狭めることができ、更なる多重化等も実現可能になる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、前述した実施の形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、前述した各実施の形態では、検査装置を用いて電流モニタ信号VISや温度モニタ信号VFの測定と記憶回路MEMへの書き込みを行ったが、場合によっては、半導体チップCHP2にテスト回路を実装し、半導体チップCHP2自身が電流モニタ信号VISや温度モニタ信号VFの測定と記憶回路MEMへの書き込みを行ってもよい。具体的には、例えば、半導体チップCHP2の記憶回路MEMに予めテストプログラムを実装し、図5(a)のステップS103およびステップS105において、検査装置は、演算処理回路MPUに所定の命令を発行し、当該テストプログラムを実行させる。演算処理回路MPUは、当該テストプログラムに基づいて、アナログディジタル変換回路ADCで測定した電流モニタ信号VISのディジタル信号等を記憶回路MEMに書き込む。
ECU 電子制御ユニット
BAT バッテリ
WH ワイヤハーネス
SIP 半導体装置
CHP1,CHP2 半導体チップ
IGEN 電流生成回路
Qd 電力供給用トランジスタ
Rcs 電流検出用抵抗
FDET 異常検出回路
DRV ドライバ回路
ILs センス電流
Ift フォルト電流
VIS 電流モニタ信号
Qcs センス用トランジスタ
SEN センスイネーブル信号
FEN フォルトイネーブル信号
MEM 記憶回路
MPU 演算処理回路
ADC アナログディジタル変換回路
TSEN 温度センサ回路
VF 温度モニタ信号
CN コネクタ
PCB 配線基板

Claims (18)

  1. 1個のパッケージに搭載される第1の半導体チップおよび第2の半導体チップと、負荷駆動端子とを備える半導体装置であって、
    前記第1の半導体チップは、
    前記負荷駆動端子を介して負荷に電力を供給する電力供給用トランジスタと、
    前記電力供給用トランジスタを駆動するドライバ回路と、
    第1の端子と、
    前記第1の端子に結合され、流れる電流に応じた電圧を前記第1の端子に出力する電流検出用抵抗と、
    異常を検出する異常検出回路と、
    前記負荷駆動端子に流れる電流を反映したセンス電流と、前記異常検出回路が前記異常を検出したことを表すフォルト電流とを生成し、前記異常の検出有無に応じて前記センス電流か前記フォルト電流の一方を前記電流検出用抵抗に流す電流生成回路と、
    を有し、
    前記第2の半導体チップは、
    前記第1の端子に結合するための第2の端子と、
    前記第2の端子に入力されるアナログ信号を第1のディジタル信号に変換する第1のアナログディジタル変換回路と、
    前記半導体装置の検査工程で得られる前記フォルト電流の電流値を判定基準値として保持する記憶回路と、
    前記判定基準値に基づき規格範囲を定め、前記第1のディジタル信号が表す電流値が前記規格範囲内に含まれるか否かで前記異常検出回路における前記異常の検出有無を判定する演算処理回路と、
    を有する、
    半導体装置。
  2. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記記憶回路は、第1の温度での前記判定基準値である第1の判定基準値と、第1の温度と異なる第2の温度での前記判定基準値である第2の判定基準値とを保持し、
    前記演算処理回路は、前記第1の判定基準値と前記第2の判定基準値の間の範囲を前記規格範囲として定める、
    半導体装置。
  3. 請求項2記載の半導体装置において、
    前記演算処理回路は、前記第1のディジタル信号が表す電流値が前記規格範囲内に所定の期間継続して含まれるか否かで前記異常の検出有無を判定する、
    半導体装置。
  4. 請求項2記載の半導体装置において、
    前記第1の半導体チップは、さらに、
    温度を検出する温度センサ回路と、
    前記温度センサ回路からの温度モニタ信号を出力する第3の端子と、
    を有し、
    前記第2の半導体チップは、さらに、
    前記第3の端子に結合するための第4の端子と、
    前記第4の端子に入力されるアナログ信号を第2のディジタル信号に変換する第2のアナログディジタル変換回路と、
    を有し、
    前記記憶回路は、さらに、前記半導体装置の検査工程で得られる、前記第1の温度での前記温度モニタ信号のレベルを表す第1の信号レベルと、前記第2の温度での前記温度モニタ信号のレベルを表す第2の信号レベルとを保持し、
    前記演算処理回路は、前記第2のディジタル信号と、前記記憶回路に保持される前記第1の判定基準値、前記第1の信号レベル、前記第2の判定基準値および前記第2の信号レベルとに基づき前記規格範囲を定める、
    半導体装置。
  5. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記負荷には、電力供給が開始された初期段階で突入電流が流れ、
    前記演算処理回路は、前記初期段階で前記異常の検出有無を判定する、
    半導体装置。
  6. 請求項5記載の半導体装置において、
    前記電流生成回路は、前記異常検出回路が第1の異常を検出したことを表す第1のフォルト電流と、前記第1の異常とは異なる種類の第2の異常を検出したことを表し、前記第1のフォルト電流とは電流値が異なる第2のフォルト電流とを生成し、前記異常の種類に応じて前記第1のフォルト電流か前記第2のフォルト電流を前記電流検出用抵抗に流し、
    前記記憶回路は、前記半導体装置の検査工程で得られる前記第1のフォルト電流の電流値と前記第2のフォルト電流の電流値とを、それぞれ、第1の異常の判定基準値および第2の異常の判定基準値として保持し、
    前記演算処理回路は、前記第1の異常の判定基準値に基づく第1の規格範囲と、前記第2の異常の判定基準値に基づく第2の規格範囲とを定め、前記第1のディジタル信号が表す電流値が前記第1の規格範囲内または前記第2の規格範囲内に含まれるか否かで前記異常検出回路における前記第1の異常または前記第2の異常の検出有無を判定する、
    半導体装置。
  7. 請求項6記載の半導体装置において、
    前記第1の異常は、前記第2の異常よりも優先度が高く、
    前記電流生成回路が生成する前記第1のフォルト電流は、前記第2のフォルト電流よりも大きい、
    半導体装置。
  8. 1個のパッケージで構成される半導体装置と前記半導体装置に結合されるコネクタとを搭載した配線基板を備える電子制御ユニットであって、
    前記半導体装置は、前記1個のパッケージに搭載される第1の半導体チップおよび第2の半導体チップと、負荷駆動端子とを備え、
    前記コネクタは、前記負荷駆動端子に前記配線基板上の配線を介して結合され、負荷に電力を供給する負荷駆動用のコネクタ端子を備え、
    前記第1の半導体チップは、
    前記負荷駆動端子および前記負荷駆動用のコネクタ端子を介して前記負荷に電力を供給する電力供給用トランジスタと、
    前記電力供給用トランジスタを駆動するドライバ回路と、
    第1の端子と、
    前記第1の端子に結合され、流れる電流に応じた電圧を前記第1の端子に出力する電流検出用抵抗と、
    異常を検出する異常検出回路と、
    前記負荷駆動端子に流れる電流を反映したセンス電流と、前記異常検出回路が前記異常を検出したことを表すフォルト電流とを生成し、前記異常の検出有無に応じて前記センス電流か前記フォルト電流の一方を前記電流検出用抵抗に流す電流生成回路と、
    を有し、
    前記第2の半導体チップは、
    前記第1の端子に結合するための第2の端子と、
    前記第2の端子に入力されるアナログ信号を第1のディジタル信号に変換する第1のアナログディジタル変換回路と、
    前記半導体装置の検査工程で得られる前記フォルト電流の電流値を判定基準値として保持する記憶回路と、
    前記判定基準値に基づき規格範囲を定め、前記第1のディジタル信号が表す電流値が前記規格範囲内に含まれるか否かで前記異常検出回路における前記異常の検出有無を判定する演算処理回路と、
    を有する、
    電子制御ユニット。
  9. 請求項8記載の電子制御ユニットにおいて、
    前記記憶回路は、第1の温度での前記判定基準値である第1の判定基準値と、第1の温度と異なる第2の温度での前記判定基準値である第2の判定基準値とを保持し、
    前記演算処理回路は、前記第1の判定基準値と前記第2の判定基準値の間の範囲を前記規格範囲として定める、
    電子制御ユニット。
  10. 請求項9記載の電子制御ユニットにおいて、
    前記第1の半導体チップは、さらに、
    温度を検出する温度センサ回路と、
    前記温度センサ回路からの温度モニタ信号を出力する第3の端子と、
    を有し、
    前記第2の半導体チップは、さらに、
    前記第3の端子に結合するための第4の端子と、
    前記第4の端子に入力されるアナログ信号を第2のディジタル信号に変換する第2のアナログディジタル変換回路と、
    を有し、
    前記記憶回路は、さらに、前記半導体装置の検査工程で得られる、前記第1の温度での前記温度モニタ信号のレベルを表す第1の信号レベルと、前記第2の温度での前記温度モニタ信号のレベルを表す第2の信号レベルとを保持し、
    前記演算処理回路は、前記第2のディジタル信号と、前記記憶回路に保持される前記第1の判定基準値、前記第1の信号レベル、前記第2の判定基準値および前記第2の信号レベルとに基づき前記規格範囲を定める、
    電子制御ユニット。
  11. 請求項8記載の電子制御ユニットにおいて、
    前記負荷には、電力供給が開始された初期段階で突入電流が流れ、
    前記演算処理回路は、前記初期段階で前記異常の検出有無を判定する、
    電子制御ユニット。
  12. 請求項11記載の電子制御ユニットにおいて、
    前記電流生成回路は、前記異常検出回路が第1の異常を検出したことを表す第1のフォルト電流と、前記第1の異常とは異なる種類の第2の異常を検出したことを表し、前記第1のフォルト電流とは電流値が異なる第2のフォルト電流とを生成し、前記異常の種類に応じて前記第1のフォルト電流か前記第2のフォルト電流を前記電流検出用抵抗に流し、
    前記記憶回路は、前記半導体装置の検査工程で得られる前記第1のフォルト電流の電流値と前記第2のフォルト電流の電流値とを、それぞれ、第1の異常の判定基準値および第2の異常の判定基準値として保持し、
    前記演算処理回路は、前記第1の異常の判定基準値に基づく第1の規格範囲と、前記第2の異常の判定基準値に基づく第2の規格範囲とを定め、前記第1のディジタル信号が表す電流値が前記第1の規格範囲内または前記第2の規格範囲内に含まれるか否かで前記異常検出回路における前記第1の異常または前記第2の異常の検出有無を判定する、
    電子制御ユニット。
  13. 電源を生成するバッテリと、
    負荷と、
    前記バッテリに第1のワイヤハーネスを介して結合され、前記負荷に第2のワイヤハーネスを介して結合される電子制御ユニットと、
    を有する車両装置であって、
    前記電子制御ユニットは、1個のパッケージで構成される半導体装置と前記半導体装置に結合されるコネクタとを搭載した配線基板を備え、
    前記半導体装置は、前記1個のパッケージに搭載される第1の半導体チップおよび第2の半導体チップと、負荷駆動端子とを備え、
    前記コネクタは、前記第1のワイヤハーネスに結合される電源用のコネクタ端子と、前記負荷駆動端子に前記配線基板上の配線を介して結合され、前記負荷に前記第2のワイヤハーネスを介して電力を供給する負荷駆動用のコネクタ端子とを備え、
    前記第1の半導体チップは、
    前記負荷駆動端子および前記負荷駆動用のコネクタ端子を介して前記負荷に電力を供給する電力供給用トランジスタと、
    前記電力供給用トランジスタを駆動するドライバ回路と、
    第1の端子と、
    前記第1の端子に結合され、流れる電流に応じた電圧を前記第1の端子に出力する電流検出用抵抗と、
    異常を検出する異常検出回路と、
    前記負荷駆動端子に流れる電流を反映したセンス電流と、前記異常検出回路が前記異常を検出したことを表すフォルト電流とを生成し、前記異常の検出有無に応じて前記センス電流か前記フォルト電流の一方を前記電流検出用抵抗に流す電流生成回路と、
    を有し、
    前記第2の半導体チップは、
    前記第1の端子に結合するための第2の端子と、
    前記第2の端子に入力されるアナログ信号を第1のディジタル信号に変換する第1のアナログディジタル変換回路と、
    前記半導体装置の検査工程で得られる前記フォルト電流の電流値を判定基準値として保持する記憶回路と、
    前記判定基準値に基づき規格範囲を定め、前記第1のディジタル信号が表す電流値が前記規格範囲内に含まれるか否かで前記異常検出回路における前記異常の検出有無を判定する演算処理回路と、
    を有する、
    車両装置。
  14. 請求項13記載の車両装置において、
    前記記憶回路は、第1の温度での前記判定基準値である第1の判定基準値と、第1の温度と異なる第2の温度での前記判定基準値である第2の判定基準値とを保持し、
    前記演算処理回路は、前記第1の判定基準値と前記第2の判定基準値の間の範囲を前記規格範囲として定める、
    車両装置。
  15. 請求項14記載の車両装置において、
    前記第1の半導体チップは、さらに、
    温度を検出する温度センサ回路と、
    前記温度センサ回路からの温度モニタ信号を出力する第3の端子と、
    を有し、
    前記第2の半導体チップは、さらに、
    前記第3の端子に結合するための第4の端子と、
    前記第4の端子に入力されるアナログ信号を第2のディジタル信号に変換する第2のアナログディジタル変換回路と、
    を有し、
    前記記憶回路は、さらに、前記半導体装置の検査工程で得られる、前記第1の温度での前記温度モニタ信号のレベルを表す第1の信号レベルと、前記第2の温度での前記温度モニタ信号のレベルを表す第2の信号レベルとを保持し、
    前記演算処理回路は、前記第2のディジタル信号と、前記記憶回路に保持される前記第1の判定基準値、前記第1の信号レベル、前記第2の判定基準値および前記第2の信号レベルとに基づき前記規格範囲を定める、
    車両装置。
  16. 請求項13記載の車両装置において、
    前記負荷には、電力供給が開始された初期段階で突入電流が流れ、
    前記演算処理回路は、前記初期段階で前記異常の検出有無を判定する、
    車両装置。
  17. 請求項16記載の車両装置において、
    前記第2のワイヤハーネスは、前記記憶回路に保持される前記判定基準値を反映した径を有する、
    車両装置。
  18. 請求項16記載の車両装置において、
    前記電流生成回路は、前記異常検出回路が第1の異常を検出したことを表す第1のフォルト電流と、前記第1の異常とは異なる種類の第2の異常を検出したことを表し、前記第1のフォルト電流とは電流値が異なる第2のフォルト電流とを生成し、前記異常の種類に応じて前記第1のフォルト電流か前記第2のフォルト電流を前記電流検出用抵抗に流し、
    前記記憶回路は、前記半導体装置の検査工程で得られる前記第1のフォルト電流の電流値と前記第2のフォルト電流の電流値とを、それぞれ、第1の異常の判定基準値および第2の異常の判定基準値として保持し、
    前記演算処理回路は、前記第1の異常の判定基準値に基づく第1の規格範囲と、前記第2の異常の判定基準値に基づく第2の規格範囲とを定め、前記第1のディジタル信号が表す電流値が前記第1の規格範囲内または前記第2の規格範囲内に含まれるか否かで前記異常検出回路における前記第1の異常または前記第2の異常の検出有無を判定する、
    車両装置。
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