以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.駐車管理システムの第1実施の形態の構成例
2.駐車管理システムの機能ブロック図
3.ユーザ登録処理および駐輪場登録処理
4.空き情報照会処理、利用登録処理、および、利用情報検索処理
5.駐車管理システムの第2実施の形態の構成例
6.駐車管理システムの機能ブロック図
7.利用登録処理
8.駐車管理システムの第3実施の形態の構成例
9.利用登録処理
10.サーバ装置のハードウエア構成例
11.端末装置のハードウエア構成例
<1.駐車管理システムの第1実施の形態の構成例>
図1は、本技術を適用した駐車管理システムの第1実施の形態の構成例を示している。
図1の駐車管理システム1は、自宅の駐車場や空きスペースを、登録したユーザに必要な時間だけ貸し出す駐車場・駐輪場シェアリングサービス(以下、シェアリングサービスと称する。)のシステムであり、貸し出された場所を利用する正規のユーザが簡単に利用することができ、かつ、不正なユーザによる利用を防止するシステムである。
駐車管理システム1は、提供される場所(の広さ)によって、利用者である正規ユーザの車両が自動車である場合と自転車である場合のいずれにも適用することができるが、以下では、車両として、自転車を駐車(駐輪)する場合の例について説明する。
駐車管理システム1は、シェアリングサービスのシステム全体を管理するサーバ装置である管理サーバ11、駐車場などの場所を提供するオーナが操作する端末装置12、および、提供された場所を駐輪場として利用するユーザが操作する端末装置13を含んで構成される。また、駐車管理システム1には、駐輪場所の提供者であるオーナと、利用者であるユーザ以外に、第三者もアクセスすることができ、第三者が操作する端末装置14も駐車管理システム1の一部となり得る。
端末装置12乃至14は、所定のネットワークを介したネットワーク通信によって、管理サーバ11と所定のデータをやりとりする。ネットワークは、そこに接続されている装置から送信される情報を伝送する伝送路であり、ネットワーク通信には、例えば、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などを介した通信が挙げられる。また、ネットワーク通信は、IP−VPN(Internet Protocol−Virtual Private Network)などの専用回線網を介した通信でもよい。さらに、ネットワーク通信は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(商標)等を用いた無線通信網を介した通信でもよい。ネットワーク通信は、無線通信および有線通信は勿論、無線通信と有線通信とが混在した通信でもよい。
本実施の形態において、端末装置12乃至14は、スマートフォンであるとして説明するが、その他、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、PDA (Personal Digital Assistant)、携帯型ゲーム機などでもよい。端末装置12乃至14は、管理サーバ11と接続して所定の情報をやり取りし、取得した情報をディスプレイに表示したり、管理サーバ11に送信するための情報を入力するユーザインターフェースなどを備える。
以下では、理解を容易にするため、オーナが操作する端末装置12、ユーザが操作する端末装置13、および、第三者が操作する端末装置14を、それぞれ、オーナ端末12、ユーザ端末13、および、第三者端末14と称して説明する。
シェアリングサービスの利用者であるユーザは、ユーザ端末13を操作して管理サーバ11にアクセスし、シェアリングサービスのユーザ登録を行った後、シェアリングサービスによって提供される複数の駐輪場所の空き情報を照会したり、駐輪を希望する場所および時間の予約(利用登録)を行うことができる。ユーザ登録には、駐輪料金の支払いに使用される決済情報や、自転車を固有に識別する識別情報として防犯登録番号の入力が必要とされる。決済情報は、例えば、クレジットカードの氏名、カード番号、有効期限などのクレジットカード情報である。また、決済情報は、例えば、現金と同様に駐輪料金の支払いに利用可能な電子マネー、ポイント、仮想通貨等に関する氏名、カード番号などの電子マネーカード情報でもよい。決済情報は、駐輪料金の支払いが可能となる情報であればよい。
また、駐車管理システム1が提供するシェアリングサービスでは、ユーザが駐輪場を利用する度に、ユーザに報酬としてポイントが付与され、ユーザはポイントを蓄積して、蓄えたポイントを現金や電子マネーに交換したり、蓄えたポイントでネット上から所望の商品(例えば、アプリなど)を購入したりすることができる。また、報酬として、ポイント以外の、電子マネーや仮想通貨等を付与してもよい。
駐輪場の提供者であるオーナは、オーナ端末12を操作して管理サーバ11にアクセスし、貸し出し可能な駐輪場を登録する。駐輪場の登録時には、単位時間(例えば、1日または1時間)当たりの利用料金や、利用に応じてユーザに付与するポイントを設定することができる。
また、オーナは、オーナ端末12を操作して管理サーバ11にアクセスし、シェアリングサービスが提供する各駐輪場(オーナ自身の駐輪場も含む)の利用情報を検索することができる。利用情報の検索では、指定された所定の駐輪場および時間に停められているはずの自転車(以下、利用登録の自転車という。)の防犯登録番号を表示させることができ、利用登録の自転車の防犯登録番号と、実際に停められている自転車(以下、駐輪済みの自転車という。)の防犯登録番号が一致しない場合には、不一致を示す照合結果を管理サーバ11に通知することができる。
第三者は、第三者端末14を操作して管理サーバ11にアクセスし、駐輪場を登録する処理を除いて、オーナと同じ処理を行うことができる。すなわち、第三者は、シェアリングサービスが提供する各駐輪場の利用情報を検索して、利用登録の自転車の防犯登録番号を表示させ、利用登録の自転車の防犯登録番号と駐輪済みの自転車の防犯登録番号が一致しない場合には、不一致を示す照合結果を管理サーバ11に通知することができる。
第三者とは、例えば、シェアリングサービスを運営する運営会社の社員や、駐輪場を巡回する監視員、駐輪場付近の住民、通行人などである。したがって、駐車管理システム1では、第三者が、駐輪場の不正な利用をしている不正ユーザを監視することができるように構成されている。
管理サーバ11は、ユーザ端末13との間で、ユーザ登録を行うユーザ登録処理、シェアリングサービスによって提供される複数の駐輪場所の空き情報を照会する空き情報照会処理、駐輪場所の利用登録を行う利用登録処理、ユーザの利用状況に応じてポイントを付与するポイント付与処理などを行う。また、管理サーバ11は、登録されたクレジットカード情報や電子マネーカード情報から、ユーザの駐輪場の利用に応じた利用料金(駐車料金)を精算する決済処理も行う。
また、管理サーバ11は、オーナ端末12との間で、オーナが提供する駐輪場を登録する駐輪場登録処理、シェアリングサービスが提供する各駐輪場の利用情報を検索し、不正ユーザが発見されたときに通知する利用情報検索処理などを行う。
さらに、管理サーバ11は、第三者端末14との間で、シェアリングサービスが提供する各駐輪場の利用情報を検索し、不正ユーザが発見されたときに通知する利用情報検索処理などを行う。
<2.駐車管理システムの機能ブロック図>
図2は、図1の駐車管理システム1の機能ブロック図である。
管理サーバ11は、システム管理部31、ユーザDB32、および利用DB33を少なくとも備える。
システム管理部31は、オーナ端末12、ユーザ端末13、および第三者端末14それぞれから送信されてくる情報に応じた所定の処理を行い、システム全体を制御する。
例えば、システム管理部31は、ユーザ端末13との間で、ユーザ登録を行うユーザ登録処理を実行する。ユーザ登録処理では、システム管理部31は、ユーザ端末13から送信されてくるユーザの自転車の防犯登録番号と決済情報を取得すると、ユーザを固有に識別するユーザID(ユーザ識別情報)を発行し、ユーザIDに対応付けて防犯登録番号と決済情報をユーザDB32に記憶(登録)させる。自転車の防犯登録番号は、自転車を固有に識別する自転車識別情報である。なお、ユーザの自転車の防犯登録番号を、ユーザIDとして利用してもよい。この場合、ユーザの防犯登録番号と決済情報が、ユーザごとにユーザDB32に記憶される。
また、システム管理部31は、ユーザ端末13との間で、空き情報照会処理、駐輪場所の利用登録を行う利用登録処理、ユーザの利用状況に応じてポイントを付与するポイント付与処理なども実行する。システム管理部31は、空き情報照会処理では、複数の駐輪場所の空き情報をユーザ端末13に送信し、利用登録処理では、ユーザ端末13から送信されてくる利用登録情報に基づいて、利用DB33に、利用登録された駐輪場を識別する駐輪場ID(駐輪場識別情報)と日付および時間に対して、利用登録したユーザの防犯登録番号を対応付けて記憶(登録)させる。
さらに、システム管理部31は、オーナ端末12との間で、オーナが提供する駐輪場を登録する駐輪場登録処理を実行する。駐輪場登録処理では、システム管理部31は、オーナ端末12から送信されてくる、サービス提供可能な駐輪場に関する駐輪場情報を、利用DB33に記憶(登録)させる。駐輪場情報には、例えば、駐輪場の場所(緯度経度の情報や住所情報)、駐輪可能な台数、時間帯および日にち(または曜日)、料金、付与ポイントなどの情報が含まれる。料金および付与ポイントは、1時間当たりや1日当たり、など、複数かつ任意の設定が可能である。
システム管理部31は、オーナ端末12との間で、シェアリングサービスが提供する各駐輪場の利用情報を検索可能とする利用情報検索処理を実行する。利用情報検索処理では、駐輪場を識別する駐輪場IDと日付および時間を指定すると、指定された日付および時間における、駐輪場IDで特定される駐輪場の利用状況、すなわち、利用登録の有り無し、および、利用登録された自転車の防犯登録番号が、オーナ端末12のディスプレイに表示される。また、システム管理部31は、第三者端末14との間でも、利用情報検索処理を実行する。
ユーザDB32は、ユーザIDに対応付けて、ユーザの防犯登録番号と決済情報を記憶するユーザ情報記憶部である。
利用DB33は、駐輪場を識別する駐輪場IDと、日付および時間に応じて、ユーザの利用状況を記憶する利用情報記憶部である。ユーザの利用が登録された場合には、ユーザの防犯登録番号が、利用登録された駐輪場を識別する駐輪場IDの、利用登録された日付および時間に対応付けて、利用DB33に記憶される。
オーナ端末12は、駐輪場登録部41、および、利用検索部42を備える。
駐輪場登録部41は、管理サーバ11との間で、オーナが提供する駐輪場を登録する駐輪場登録処理を実行する。駐輪場登録処理では、駐輪場登録部41は、オーナの操作入力に基づいて、貸出可能な駐輪場に関する駐輪場情報を取得し、システム管理部31に送信する。駐輪場情報を入力する入力画面では、例えば、駐輪場の場所(緯度経度の情報や住所情報)、駐輪可能な台数、時間帯および日にち(または曜日)、料金、付与ポイントなどの情報が入力可能である。料金および付与ポイントは、1時間当たりや1日当たり、など、複数の入力方法が可能である。
利用検索部42は、管理サーバ11との間で、シェアリングサービスが提供する各駐輪場の利用情報を検索可能とする利用情報検索処理を実行する。利用情報検索処理において、利用検索部42は、利用情報検索画面をディスプレイ上に表示し、駐輪場を識別する駐輪場IDと日付および時間をオーナに入力(指定)させる。そして、入力された日付および時間における、駐輪場IDで特定される駐輪場の利用状況、すなわち、利用登録の有り無し、および、利用登録された自転車の防犯登録番号が、ディスプレイに表示される。これにより、指定した駐輪場および時間帯における駐輪場の利用状況を確認することができる。なお、駐輪場を識別する駐輪場IDを直接入力するのではなく、画面に表示された地図上や駐輪場一覧リストから、利用情報を検索したい駐輪場を選択し、画面上で選択した駐輪場に対応する駐輪場IDが利用検索部42内で決定されるようにしてもよい。
ユーザ端末13は、ユーザ登録部51、利用登録部52、および、ポイント記憶部53を備える。
ユーザ登録部51は、管理サーバ11との間で、ユーザ登録を行うユーザ登録処理を実行する。ユーザ登録処理では、ユーザ登録部51は、ユーザ登録画面をディスプレイ上に表示し、ユーザの自転車の防犯登録番号と決済情報を入力させ、入力されたユーザの自転車の防犯登録番号と決済情報を、管理サーバ11に送信する。そして、ユーザ登録部51は、防犯登録番号と決済情報の送信に応じて、管理サーバ11から返信されてくるユーザIDを受信し、内部メモリに記憶する。ユーザIDは、例えば、利用登録処理で使用される。
利用登録部52は、管理サーバ11との間で、空き情報照会処理、駐輪場所の利用登録を行う利用登録処理を実行する。例えば、空き情報照会処理では、利用登録部52は、ユーザによって入力された、駐輪を希望する駐輪場の駐輪場IDを送信して、駐輪場IDを送信した駐輪場の空き情報を受信し、受信した空き情報を表示した空き情報表示画面を作成してディスプレイに表示する。そして、希望の駐輪場および時間帯に、空きがある場合には、そのまま、空き情報表示画面から、利用登録を行うことができる。利用登録を行う場合には、ユーザID、駐輪場ID、および、利用時間情報(日付を含む)が、利用登録部52から、管理サーバ11に送信される。利用登録または実際の駐輪場の利用が終了したタイミングにおいて、管理サーバ11からユーザ端末13へ、ポイントが供給される。利用登録部52は、管理サーバ11から取得したポイントをポイント記憶部53に記憶させる。なお、駐輪を希望する駐輪場の駐輪場IDを直接入力するのではなく、画面に表示された地図上や駐輪場一覧リストから、駐輪を希望する駐輪場を選択し、画面上で選択した駐輪場に対応する駐輪場IDが利用登録部52内で決定されるようにしてもよい。
第三者端末14は、利用検索部61を備える。利用検索部61は、オーナ端末12の利用検索部42と同じ利用情報検索処理を実行する。
オーナ端末12、ユーザ端末13、および第三者端末14のそれぞれは、端末内にインストールされたブラウザやアプリ(アプリケーションプログラム)から、システム管理部31の所定のアクセス先に接続することで、上述した各種の処理を実行することができる。
<3.ユーザ登録処理および駐輪場登録処理>
次に、図3のフローチャートを参照して、ユーザ登録処理および駐輪場登録処理について説明する。
(ユーザ登録処理)
初めに、ユーザ端末13と管理サーバ11との間で実行される、ユーザ登録処理について説明する。
ユーザ登録処理では、ステップS11において、ユーザ端末13のユーザ登録部51は、ユーザ登録画面をディスプレイ上に表示し、ユーザの自転車の防犯登録番号と決済情報を入力させる。そして、ユーザ登録部51は、入力されたユーザの自転車の防犯登録番号と決済情報を、利用者登録通知とともに、管理サーバ11に送信する。
ステップS12において、管理サーバ11のシステム管理部31は、利用者登録通知、ユーザの自転車の防犯登録番号、および、決済情報を受信し、新たにユーザIDを発行して、受信した防犯登録番号と決済情報をユーザIDに紐付けて、ユーザDB32に記憶させる。そして、システム管理部31は、利用者登録通知に対する返信として、新規に作成したユーザIDをユーザ端末13に送信する。ユーザIDは、ユーザ端末13の内部メモリに記憶される。
以上で、ユーザ登録処理が終了する。
(駐輪場登録処理)
次に、オーナ端末12と管理サーバ11との間で実行される、駐輪場登録処理について説明する。
駐輪場登録処理では、ステップS21において、オーナ端末12の駐輪場登録部41は、オーナの操作入力に基づいて、貸出可能な駐輪場に関する駐輪場情報を取得し、管理サーバ11に送信する。駐輪場情報を入力する入力画面では、例えば、駐輪場の場所(緯度経度の情報や住所情報)、駐輪可能な台数、時間帯および日付、料金、付与ポイントなどの情報が入力可能である。料金および付与ポイントは、1時間当たりや1日当たり、など、複数の入力方法が可能である。
ステップS22において、管理サーバ11のシステム管理部31は、オーナ端末12からの駐輪場情報を受信し、駐輪場IDを生成して、利用DB33に、サービス提供可能な駐輪場として記憶(登録)させる。また、システム管理部31は、生成した駐輪場IDを、オーナ端末12に送信する。したがって、初回の駐輪場登録処理では、駐輪場IDは未定であるのでオーナ端末12から送信されず、2回目以降、料金やポイントを変更する場合に、オーナ端末12からの駐輪場IDに基づいて、変更対象の駐輪場を指定して、料金やポイントを再設定することができる。
以上で、駐輪場登録処理が終了する。
図3では、説明の便宜上、上述したユーザ登録処理と駐輪場登録処理が連続する処理のように示されているが、ユーザ登録処理と駐輪場登録処理は、独立して実行される。
<4.空き情報照会処理、利用登録処理、および、利用情報検索処理>
次に、図4のフローチャートを参照して、空き情報照会処理、利用登録処理、および、利用情報検索処理について説明する。
初めに、ユーザ端末13と管理サーバ11との間で実行される、空き情報照会処理と利用登録処理について説明する。
(空き情報照会処理)
空き情報照会処理では、ユーザが駐輪を希望する駐輪場をディスプレイ上で指定すると、ステップS41において、ユーザ端末13の利用登録部52が、指定された駐輪場の駐輪場IDを、空き情報照会通知とともに、管理サーバ11に送信する。ユーザが駐輪を希望する駐輪場の指定は、駐輪場名や駐輪場IDを直接入力してもよいし、ユーザ端末13内のGPS受信機等から取得した現在位置情報に基づいて、近隣の駐輪場を複数提示し、ユーザに指定させてもよい。1回の操作で、複数の駐輪場を指定することもできる。
ステップS42において、管理サーバ11のシステム管理部31は、ユーザ端末13から指定された駐輪場の空き情報を利用DB33から取得し、ユーザ端末13に送信する。
ステップS43において、ユーザ端末13の利用登録部52は、駐輪場の空き情報を受信し、ディスプレイに表示する。
(利用登録処理)
次に、ユーザが、ディスプレイに表示された空きのある駐輪場のなかから、所定の時間帯で所定の駐輪場を指定する操作を行うと、利用登録処理として、ステップS44において、利用登録部52は、利用申請通知を、利用登録情報とともに、管理サーバ11に送信する。利用登録情報には、ユーザID、駐輪場ID、および、利用時間情報(日付を含む)が含まれる。
ステップS45において、管理サーバ11のシステム管理部31は、ユーザ端末13から送信されてきた利用登録情報に基づいて、利用DB33に利用登録を行う。すなわち、システム管理部31は、利用申請された駐輪場を識別する駐輪場IDと、日付および時間に、ユーザの防犯登録番号を対応付けて、利用DB33に記憶させる。ユーザの防犯登録番号は、利用登録情報に含まれるユーザIDに基づいて、ユーザDB32から取得される。
ステップS46において、システム管理部31は、登録されたクレジットカード情報や電子マネーカード情報に基づいて、利用申請された駐輪場の利用料金を徴収する決済処理を行う。
ステップS47において、管理サーバ11のシステム管理部31は、利用登録および料金の精算が完了したことを示す利用登録完了通知を、利用登録に応じて付与したポイントとともにユーザ端末13に送信する。ユーザ端末13の利用登録部52は、管理サーバ11から供給されたポイントをポイント記憶部53に記憶させる。
以上の処理は、空き情報照会処理で空き情報を事前に確認した上で、利用を登録する利用登録処理を実行したが、例えば、ユーザが駐輪を希望する現場の駐輪場に直行し、その場で利用登録処理を行って、駐輪してもよい。この場合、空き情報照会処理は不要となり、ユーザが現場の駐輪場で自転車を駐輪する直前または直後に、利用登録処理のみが行われる。
(利用情報検索処理)
次に、第三者端末14と管理サーバ11との間で実行される、利用情報検索処理について説明する。この処理では、第三者が、駐輪場を巡回する監視員であるとして説明する。
初めに、ステップS51において、第三者端末14の利用検索部61は、利用情報検索画面をディスプレイ上に表示し、駐輪場を識別する駐輪場IDと日付および時間を監視員に入力(指定)させる。そして、利用検索部61は、入力された駐輪場IDと日付および時間を、利用検索通知とともに、管理サーバ11に送信する。日付および時間は、デフォルトで現在の日時が入力されるようにすることができる。また、一定の幅(帯)をもって日付および時間が指定された場合には、指定された期間全体の利用状況を検索することもできる。
ステップS52において、管理サーバ11のシステム管理部31は、第三者端末14から指定された駐輪場および日時の利用状況を利用DB33から検索し、検索結果を第三者端末14に送信する。利用登録がされていた場合には、検索結果として、利用登録された自転車の防犯登録番号が、第三者端末14に供給される。
ステップS53において、第三者端末14の利用検索部61は、管理サーバ11からの検索結果を利用情報検索画面としてディスプレイに表示する。利用登録がされていた場合には、利用検索部61は、検索結果として、利用登録された自転車の防犯登録番号を、利用情報検索画面に表示する。
監視員は、利用情報検索画面に表示された利用登録の自転車の防犯登録番号と、駐輪済みの自転車の防犯登録番号を目視で照合し、“一致”または“不一致”のいずれかを照合結果として入力する。ステップS54において、第三者端末14の利用検索部61は、入力された照合結果を取得する。
ステップS55において、第三者端末14の利用検索部61は、取得した照合結果を、管理サーバ11に送信する。
なお、防犯登録番号の照合は、例えば、第三者端末14のカメラで駐輪済みの自転車の防犯登録番号を撮像し、画像認識によって駐輪済みの自転車の防犯登録番号を認識して、利用登録の自転車の防犯登録番号と比較してもよい。この場合、監視員の判断によらず、第三者端末14による自動判断が可能である。
ステップS56において、管理サーバ11のシステム管理部31は、第三者端末14から送信されてきた照合結果を受信し、照合結果が“一致”であるかを判定する。
ステップS56で、照合結果が“一致”であると判定された場合、利用情報検索処理は終了する。
一方、ステップS56で、照合結果が“不一致”であると判定された場合、処理はステップS57に進み、管理サーバ11のシステム管理部31は、不正な駐輪があることを通知する不正駐輪通知を、オーナ端末12に送信する。
ステップS58において、オーナ端末12の利用検索部42は、管理サーバ11からの不正駐輪通知を受信し、ディスプレイに表示する。これにより、オーナは、不正駐輪の存在を知ることができる。
なお、上述した例では、利用登録の自転車の防犯登録番号と、駐輪済みの自転車の防犯登録番号との照合は、第三者端末14側で行うようにしたが、管理サーバ11が行うようにしてもよい。例えば、第三者端末14において、第三者が、駐輪場IDと、その駐輪場に駐輪されている自転車の防犯登録番号を管理サーバ11に送信し、管理サーバ11が両者の照合を行い、照合結果を第三者端末14に送信するとともに、“不一致”である場合に、不正駐輪通知を、オーナ端末12に送信することができる。
図4では、説明の便宜上、空き情報照会処理および利用登録処理と、利用情報検索処理とが連続する処理のように示されているが、空き情報照会処理および利用登録処理と、利用情報検索処理とは、独立して実行される。
また、上述した例では、第三者としての監視員が利用情報検索処理を実行する例について説明したが、オーナも同様に、オーナ端末12を用いて、利用情報検索処理を実行することができる。これにより、第三者およびオーナによる不正駐輪の監視機能が働き、ユーザの不正な利用を抑止することができる。また、オーナは、随時、自分の駐輪場の利用状況を確認することができる。
<5.駐車管理システムの第2実施の形態の構成例>
図5は、本技術を適用した駐車管理システムの第2実施の形態の構成例を示している。
図5においては、上述した第1実施の形態と対応する部分については同一の符号を付してあり、その部分の説明は省略する。
図5に示される第2実施の形態では、オーナが貸し出す駐輪場に、その駐輪場の駐輪場IDの情報が埋め込まれた2次元コード71が配置されている。2次元コード71は、いわゆるQRコード(QR(Quick Response)(登録商標)コード)と呼ばれるものである。
なお、2次元コード71の代わりに、バーコードや、駐輪場IDに対応する英数字文字列などでもよく、ユーザが携帯するユーザ端末13に内蔵されたカメラ等の光学読取手段で、駐輪場IDを示す情報が読取可能な形態であればよい。
駐輪場IDを示す情報をユーザが取得可能に提示する手段として、2次元コード71や、バーコード、英数字文字列は、それらを紙媒体に印刷するだけでよいので、オーナにとってコストを掛けずに準備することができ、好適である。
しかしながら、駐輪場IDを示す情報を提示する手段としては、その他の方法でもよく、例えば、RFID(Radio Frequency ID)やBluetooth(登録商標)、赤外線通信等の近距離無線通信機能を備えた端末装置を駐輪場に配置し、端末装置とユーザ端末13が近距離無線通信を行うことにより、ユーザ端末13が、駐輪場IDを示す情報を取得する方法を採用してもよい。
<6.駐車管理システムの機能ブロック図>
図6は、図5の駐車管理システム1の機能ブロック図である。
図6においても、第1実施の形態の図2と対応する部分については同一の符号を付してあり、その部分の説明は省略する。
第2実施の形態においては、オーナ端末12、ユーザ端末13、および第三者端末14それぞれが、2次元コード71を読み取るための2次元コード読取部(駐車場識別情報検出部)をさらに備える点が、第1実施の形態と異なり、その他の構成は同様である。
オーナ端末12は、2次元コード読取部43をさらに備える。ユーザ端末13は、2次元コード読取部54をさらに備える。第三者端末14は、2次元コード読取部62をさらに備える。
オーナ端末12の2次元コード読取部43は、オーナの読取指示操作に応じて、2次元コード71を読み取り、取得した情報を利用検索部42に供給する。2次元コード読取部43は、利用検索部42の一機能として含まれてもよい。
ユーザ端末13の2次元コード読取部54は、ユーザの読取指示操作に応じて、2次元コード71を読み取り、取得した情報を利用登録部52に供給する。2次元コード読取部54は、利用登録部52の一機能として含まれてもよい。
第三者端末14の2次元コード読取部62は、第三者の読取指示操作に応じて、2次元コード71を読み取り、取得した情報を利用検索部61に供給する。2次元コード読取部54は、利用検索部61の一機能として含まれてもよい。
2次元コード71の代わりに、近距離無線通信機能を備えた端末装置が駐輪場に配置されている場合には、オーナ端末12、ユーザ端末13、および第三者端末14それぞれは、2次元コード読取部に代えて、近距離無線通信部を備える。2次元コード読取部および近距離無線通信部の機能は、スマートフォンやタブレット端末等においては、予め備えているか、または、アプリをインストールすることで簡単に実現することができる。
<7.利用登録処理>
次に、図7のフローチャートを参照して、第2実施の形態における利用登録処理について説明する。
ユーザは、駐輪を希望する駐輪場に到着すると、その駐輪場に配置された2次元コード71をユーザ端末13で読み取る操作を行う。ユーザ端末13の2次元コード読取部54は、ステップS101において、ユーザの読取操作に応じて、2次元コード71を読み取り、そこに含まれる駐輪場IDを利用登録部52に供給する。
なお、2次元コード71を読み取る代わりに、ユーザが駐輪場IDを手入力してもよい。また、上述したように、近距離無線通信機能を備えた端末装置を駐輪場に配置し、ユーザ端末13が、端末装置と近距離無線通信を行うことにより、駐輪場IDを取得してもよい。
ステップS102において、ユーザ端末13の利用登録部52は、2次元コード読取部54から供給された駐輪場IDを取得すると、ユーザIDおよび駐輪場IDとともに、駐輪場の利用開始を通知する利用開始通知を、管理サーバ11に送信する。
ステップS103において、管理サーバ11のシステム管理部31は、ユーザ端末13からの利用開始通知を受信し、利用DB33内の、受信した駐輪場IDの領域に、利用開始時刻と、ユーザIDおよび防犯登録番号を記憶させる。ユーザIDに対応する防犯登録番号は、ユーザDB32に記憶されている。
そして、ステップS104において、システム管理部31は、オーナ端末13に利用開始通知のメッセージを送信する。オーナ端末13への利用開始通知のメッセージは、アプリ上の通知でもよいし、電子メール等でもよい。これにより、オーナは、駐輪場の利用が開始されたことを認識することができる。
ステップS105において、システム管理部31は、利用開始通知を受信した旨の利用開始受信通知を、ユーザ端末13に返信する。これにより、ユーザは、駐輪場の利用開始通知が受理されたことを認識することができる。ステップS104とステップS105の処理は、順番が逆でもよいし、同時でもよい。
そして、ユーザが駐輪の利用を終了する場合、ユーザが、ユーザ端末13において利用を終了する操作を行うと、ステップS106において、ユーザ端末13の利用登録部52は、利用を終了する操作を受け付け、ステップS107において、ユーザIDおよび駐輪場IDとともに、駐輪場の利用終了を通知する利用終了通知を、管理サーバ11に送信する。
なお、ユーザが、ユーザ端末13で利用を終了する操作を行う代わりに、2次元コード71をユーザ端末13に読み取らせ、2次元コード71に基づく駐輪場IDを取得した利用登録部52が、駐輪場IDが示す駐輪場にユーザが駐輪中(ステップS102の利用開始手続が行われた後の状態)であることを認識して、利用を終了するか否かを確認する画面をディスプレイに表示し、ユーザ操作に基づいて、ステップS107の利用終了通知を送信する処理を行ってもよい。
ステップS108において、管理サーバ11のシステム管理部31は、ユーザ端末13からの利用終了通知を受信し、利用DB33内の、受信した駐輪場IDのユーザIDおよび防犯登録番号が記憶された領域に、利用開始時刻と対応させて利用終了時刻を記憶させる。あるいはまた、利用終了通知を受信したユーザについては、利用DB33内の、受信した駐輪場IDのユーザID、防犯登録番号、利用開始時刻の情報を削除してもよい。
次に、ステップS109において、システム管理部31は、ユーザDB32に登録されたクレジットカード情報や電子マネーカード情報に基づいて、利用時間に応じた駐輪場の利用料金を精算する決済処理を行う。上述した第1実施の形態では、利用申請したときに駐車料金を支払う事前精算であったが、第2実施の形態は、利用終了後に駐車料金を支払う事後精算の例である。
そして、ステップS110において、システム管理部31は、オーナ端末13に利用終了通知のメッセージを送信する。オーナ端末13への利用終了通知は、例えば、アプリ上の通知やメール等で送信される。これにより、オーナは、駐輪場の利用が終了したことを認識することができる。
ステップS111において、システム管理部31は、利用終了通知を受信した旨の利用終了受信通知を、ユーザ端末13に返信する。これにより、ユーザは、駐輪場の利用終了通知が受理されたことを認識することができる。なお、ステップS110とステップS111の処理は、順番が逆でもよいし、同時でもよい。
また、ステップS111の利用終了受信通知の返信では、システム管理部31は、利用実績に応じたポイントをユーザ端末13に送信する。これにより、ユーザは、駐輪場の使用や使用した時間等に応じて報酬としてのポイントを獲得することができる。ここで獲得できるポイントは、図3のステップS21における駐車場情報の一部として設定された値に基づく。オーナは、休日や平日、時間帯等に応じて異なるポイントを設定することができ、ユーザの利用を促進することが可能となる。ユーザは、ポイントの高い駐輪場を使用することで多くのポイントを獲得することができる。
以上の例は、ユーザが、予約(利用申請)なしに、駐輪を希望する駐輪場に移動して、駐輪場を利用する場合の例であるが、予め予約して利用することも勿論可能である。その場合には、図4のステップS41乃至S43の空き情報照会処理や、ステップS44乃至47の利用登録処理が実行される。ただし、利用の予約としてステップS44乃至47の利用登録処理が実行される場合には、ステップS47におけるポイント付与は省略される。
また、第2実施の形態においても同様に、図4で説明した利用情報検索処理が実行可能である。これにより、第三者としての監視員、通行人、運営会社の社員等による不正駐輪の監視機能が働き、ユーザの不正な利用を抑止することができる。
上述した例では、ユーザ端末13が、2次元コード71や近距離無線通信を用いて、駐輪場IDを取得し、利用開始通知を管理サーバ11に送信する方法について説明したが、駐輪場に配置された端末装置が、利用開始通知を管理サーバ11に送信してもよい。
例えば、ユーザ端末13が、ユーザIDを示す情報が埋め込まれた2次元コード等をユーザ端末13のディスプレイに表示して、駐輪場に配置された端末装置が、ユーザ端末13に表示されたユーザIDを取得する。あるいは、近距離無線通信を用いて、ユーザ端末13から駐輪場の端末装置に、ユーザIDを示す情報が送信される。そして、駐輪場の端末装置が、取得したユーザIDと自身の駐輪場IDを、利用開始通知とともに、管理サーバ11に送信する。利用終了通知についても同様に、駐輪場に配置された端末装置から、管理サーバ11に送信させるようにすることができる。この場合、管理サーバ11のシステム管理部31は、ユーザ端末13からの利用終了通知を受信したタイミングで、ユーザ端末13に利用実績に応じたポイントを送信すればよい。
<8.駐車管理システムの第3実施の形態の構成例>
次に、本技術を適用した駐車管理システムの第3実施の形態について説明する。
上述した第1および第2実施の形態では、利用を開始する場合に、ユーザが、利用する駐輪場を指定する操作を行ったり、2次元コード71を読み取る操作を行うなどすることで、利用を開始する通知が、ユーザ端末13から管理サーバ11へ送信された。
これに対して、第3実施の形態では、ユーザが特段の操作をすることなく、ユーザ端末13内のGPS受信機等から取得した端末位置情報に基づいて、駐輪場の利用を検出(自動検出)する方法が採用される。
図8は、第3実施の形態に係る駐車管理システム1の機能ブロック図である。
図8においては、上述した第1実施の形態と対応する部分については同一の符号を付してあり、その部分の説明は適宜省略する。
第3実施の形態では、ユーザ端末13が、ユーザ登録部51、利用登録部52、および、ポイント記憶部53に加えて、位置情報検出部55をさらに備える。
位置情報検出部55は、例えば、GPS (Global Positioning System)等の測位衛星が放送する測位信号を受信して測位を行うGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を含み、ユーザ端末13の現在位置の位置情報を高精度に検出して、利用登録部52に供給する。一般に、GPS受信機等から検出できる位置情報は、数mないし数十mの誤差をもつことが知られているが、近年では、例えば、準天頂衛星みちびき(QZSS)のセンチメートル級測位補強情報であるL6信号によるRTK-PPP(Real Time Kinematic - Precise Point Positioning)等を用いれば、センチメートル級の高精細な位置情報を取得することができる。位置情報検出部55は、センチメートルオーダでユーザ端末13の位置情報を検出する。これにより、ユーザが自転車を停めた駐輪場の正確な位置や、駐車場に自動車を駐車した際の車室までをも特定することができる。なお、高精度な位置情報を検出する方法は、RTK-PPPに限定されず、その他の方法でもよい。また、位置情報検出部55は、ユーザ端末13の端末内に設けられている、加速度センサ等の慣性センサで構成され、慣性センサの検出情報に基づいて、ユーザ端末13の現在位置の位置情報を高精度に検出してもよい。さらには、位置情報検出部55は、GNSS受信機と慣性センサの両方を用いるものでもよい。
利用登録部52は、位置情報検出部55により検出されたユーザ端末13の位置情報に基づいて、登録された駐輪場に、ユーザが自転車を駐輪したか否かを判定する。そして、登録された駐輪場に自転車を駐輪したと判定された場合、利用登録部52は、利用登録処理を開始する。また、利用登録部52は、第1および第2実施の形態と同様の空き情報照会処理、管理サーバ11から取得したポイントをポイント記憶部53に記憶させるポイント処理も行う。
<9.利用登録処理>
次に、図9のフローチャートを参照して、第3実施の形態における第1の利用登録処理について説明する。
ユーザは、駐輪を希望する駐輪場に移動し、自転車を駐輪させる。ステップS141において、ユーザ端末13の位置情報検出部55は、現在の位置情報を取得して、利用登録部52に供給する。
ステップS142において、ユーザ端末13の利用登録部52は、位置情報検出部55から供給された位置情報を取得し、ユーザがシェアリングサービスに登録されている所定の駐輪場に自転車を駐輪させたかを判定する。利用登録部52は、シェアリングサービス(管理サーバ11の利用DB32)に登録されている駐輪場の位置を予め取得して記憶しており、位置情報検出部55から供給されたユーザの現在位置と、記憶している駐輪場の位置を比較し、ユーザの現在位置が駐輪場の位置の所定の範囲内である場合に、シェアリングサービスに登録されている所定の駐輪場にユーザが自転車を駐輪させたと判定する。なお、ユーザ端末13内に駐輪場の位置を記憶せずに、管理サーバ11に問い合わせることにより、ユーザが登録された駐輪場に自転車を駐輪させたか否かを判定してもよい。ユーザが登録された駐輪場に自転車を駐輪させたか否かを判定するに当たり、通りすがりによる誤判定を防止するため、ユーザ(ユーザ端末13)の位置が、一定時間以上、登録済みの駐輪場の所定の範囲内に存在する場合に、ユーザが登録された駐輪場に自転車を駐輪させたと判定することができる。
ステップS142で、ユーザが所定の駐輪場に自転車を駐輪させていないと判定された場合、処理はステップS141に戻り、ステップS141およびS142の処理が繰り返される。すなわち、ユーザが所定の駐輪場に自転車を駐輪させたと判定されるまで、ユーザが所定の駐輪場に自転車を駐輪させたか否かが継続的に検出される。
ステップS142で、ユーザが所定の駐輪場に自転車を駐輪させたと判定された場合、処理はステップS143に進み、利用登録部52は、ユーザIDおよび駐輪場IDとともに、駐輪場の利用開始を通知する利用開始通知を、管理サーバ11に送信する。駐輪場IDは、駐輪場の位置情報とともにユーザ端末13内に記憶されているか、管理サーバ11から取得される。
ステップS144において、管理サーバ11のシステム管理部31は、ユーザ端末13からの利用開始通知を受信し、利用DB33内の、受信した駐輪場IDの領域に、利用開始時刻と、ユーザIDおよび防犯登録番号を記憶させる。ユーザIDに対応する防犯登録番号は、ユーザDB32に記憶されている。
そして、ステップS145において、システム管理部31は、オーナ端末13に利用開始通知のメッセージを送信する。オーナ端末13への利用開始通知のメッセージは、アプリ上の通知でもよいし、電子メール等でもよい。これにより、オーナは、駐輪場の利用が開始されたことを認識することができる。
ステップS146において、システム管理部31は、利用開始通知を受信した旨の利用開始受信通知を、ユーザ端末13に返信する。ステップS145とステップS146の処理は、順番が逆でもよいし、同時でもよい。
ステップS147において、ユーザ端末13は、管理サーバ11から送信されてきた駐輪場の利用開始受信通知を受信し、ユーザに駐輪場の利用開始を通知する。例えば、「駐輪場の利用を開始しました。」等のメッセージが、ユーザ端末13のディスプレイに表示されたり、メール通知される。ユーザは、駐輪場の利用開始処理が行われたことを認識することができる。
ユーザは、駐輪場に自転車を駐輪させた後、駐輪場を離れる。そして、ユーザは、所定の用事を済ませた後、駐輪場へ停めた自転車を出庫させるために、駐輪場へ再び戻る。
ステップS148において、ユーザ端末13の位置情報検出部55は、現在の位置情報を取得して、利用登録部52に供給する。
ステップS149において、ユーザ端末13の利用登録部52は、位置情報検出部55から供給された位置情報を取得し、ユーザが自転車を駐輪場から出庫させたかを判定する。例えば、利用登録部52は、位置情報検出部55から供給された現在の位置情報に基づいて、ユーザが、駐輪後に駐輪場から離れた後、再び、駐輪場内に入り、一定時間経過後に、駐輪場から離れる位置情報が検出された場合、ユーザが自転車を駐輪場から出庫させたと判定する。
ステップS149で、ユーザが自転車を駐輪場から出庫させていないと判定された場合、処理はステップS148に戻り、ステップS148およびS149の処理が繰り返される。すなわち、ステップS147の処理後、ユーザが自転車を駐輪場から出庫させたと判定されるまで、ユーザが自転車を駐輪場から出庫させたか否かが継続的に検出される。
ステップS149で、ユーザが自転車を駐輪場から出庫させたと判定された場合、処理はステップS150に進み、利用登録部52は、ユーザIDとともに、駐輪場の利用終了を通知する利用終了通知を、管理サーバ11に送信する。
なお、利用登録部52は、上述したように位置情報のみに基づいて出庫したか否かを判定するのではなく、第2実施の形態と同様に、ユーザ端末13の画面上で利用を終了する操作をユーザに行わせ、終了操作が検出された場合に、利用終了通知を管理サーバ11に送信するようにしてもよい。
ステップS151において、管理サーバ11のシステム管理部31は、ユーザ端末13からの利用終了通知を受信し、利用DB33内の、受信した駐輪場IDのユーザIDおよび防犯登録番号が記憶された領域に、利用開始時刻と対応させて利用終了時刻を記憶させる。あるいはまた、利用終了通知を受信したユーザについては、利用DB33内の、受信した駐輪場IDのユーザID、防犯登録番号、利用開始時刻の情報を削除してもよい。
次に、ステップS152において、システム管理部31は、登録されたクレジットカード情報や電子マネーカード情報に基づいて、利用時間に応じた駐輪場の利用料金を精算する決済処理を行う。
そして、ステップS153において、システム管理部31は、オーナ端末13に利用終了通知のメッセージを送信する。オーナ端末13への利用終了通知は、例えば、アプリ上の通知やメール等で送信される。これにより、オーナは、駐輪場の利用が終了したことを認識することができる。
ステップS154において、システム管理部31は、利用終了通知を受信した旨の利用終了受信通知を、ユーザ端末13に返信する。なお、ステップS153とステップS154の処理は、順番が逆でもよいし、同時でもよい。
また、ステップS154の利用終了受信通知の返信では、システム管理部31は、利用実績に応じたポイントをユーザ端末13に送信する。これにより、ユーザは、駐輪場の使用や使用した時間等に応じて報酬としてのポイントを獲得することができる。ここで獲得できるポイントは、図3のステップS21における駐車場情報の一部として設定された値に基づく。オーナは、休日や平日、時間帯等に応じて異なるポイントを設定することができ、ユーザの利用を促進することが可能となる。ユーザは、ポイントの高い駐輪場を使用することで多くのポイントを獲得することができる。
ステップS155において、ユーザ端末13は、管理サーバ11から送信されてきた駐輪場の利用終了受信通知を受信し、ユーザに駐輪場の利用終了を通知する。例えば、「駐輪場の利用を終了しました。」等のメッセージが、ユーザ端末13のディスプレイに表示されたり、メール通知される。これにより、ユーザは、駐輪場の利用終了処理および決済処理が行われたことを認識することができる。
以上の第3実施の形態における第1の利用登録処理によれば、ユーザ端末13が、ユーザが駐輪場に自転車を駐輪させたこと、および、駐輪させた自転車を出庫させたことを、端末内の位置情報検出部55から取得される位置情報に基づいて自動で(ユーザの操作なしで)検出し、利用終了後に、予め登録されたクレジットカード情報や電子マネーカード情報に基づいて決済(利用料金の精算)が行われる。したがって、ユーザは、シェアリングサービスに登録済みの駐輪場を簡単に利用することができる。
また、第3実施の形態においても同様に、図4で説明した利用情報検索処理が実行可能である。これにより、第三者としての監視員、通行人、運営会社の社員等による不正駐輪の監視機能が働き、ユーザの不正な利用を抑止することができる。
(その他の利用登録処理)
自転車を駐輪させる駐輪場には、図10のAに示されるように、ロックバー81A等で自転車を個別に(1台ずつ)ロックできるロック装置81を設置している場合がある。
また、自動車を駐車する駐車場においても、図10のBに示されるように、自動車を個別に(1台ずつ)ロックできるロック装置82を設置している場合がある。図10のBのロック装置82は、車両の有無を検出する車両センサが車室内の地面に埋め込まれており、車室に車両が駐車された場合に、フラップ83が上昇することにより車両の出庫を制限し、フラップ83が下降すると車両が出庫可能となるフラップタイプのロック装置であるが、ロック装置82は、このタイプに限らず、様々なロックの方式が存在する。
以下では、第3実施の形態における第2の利用登録処理として、図10に示したように、自転車または自動車の出庫をロックするロック装置(出庫制限装置)を有する場合の利用登録処理について説明する。また、以下の第2の利用登録処理では、車両が自動車であって、駐車場に自動車を駐車する場合の例について説明する。車両が自動車である場合、上述した自転車の防犯登録番号に相当する、自動車を固有に識別する識別情報には、例えば、車両ナンバを採用することができる。
図11のフローチャートを参照して、第3実施の形態における第2の利用登録処理について説明する。
ユーザは、駐車を希望する駐車場の空いている車室に自動車を駐車させる。ステップS171において、ロック装置82は、自分の車室に自動車が駐車されたかを判定し、駐車されたと判定されるまで、ステップS171の処理を繰り返す。
ステップS171で、自動車が駐車されたと判定された場合、処理はステップS172に進み、自動車が出庫できないように自動車をロックする。ロック装置82が、例えば、図10のBに示したように、フラップ83が上昇するタイプのロック装置である場合、ロック装置82は、フラップ83を上昇させる。
ステップS173において、ロック装置82は、駐車場を識別する駐車場IDと、車室を識別する車室IDともに、駐車場の利用開始を通知する利用開始通知を、管理サーバ11に送信する。
一方、ユーザは、駐車場の車室に自動車を駐車させた後、ユーザ端末13を操作して、駐車場の利用開始操作を行う。具体的には、ユーザは、ユーザ端末13のアプリまたはブラウザから管理サーバ11にアクセスし、駐車の利用開始画面をディスプレイに表示させ、例えば、「駐車場の利用開始」ボタンを押下する。
ユーザ端末13の利用登録部52は、ステップS181において、ユーザの利用開始操作を受け付け、位置情報検出部55に現在の位置情報を取得させる。
ステップS182において、位置情報検出部55は、現在の位置情報を取得して、利用登録部52に供給する。
利用登録部52は、ステップS183において、位置情報検出部55から、高精度な現在の位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて、ユーザが自動車を駐車した駐車場と、車室を特定する。利用登録部52は、利用DB33に登録されている駐車場の位置を車室単位で予め取得して記憶しており、位置情報検出部55から供給されたユーザの現在位置と、記憶している駐車場の各車室の位置を比較することで、ユーザが駐車した駐車場および車室を特定することができる。
そして、利用登録部52は、特定した駐車場および車室をディスプレイに表示し、駐車場の利用開始をユーザに確認する。例えば、「駐車場○○の車室○番の利用を開始します。よろしいですか?」のメッセージがディスプレイに表示される。ユーザは、表示された駐車場および車室が正しい場合は、「はい」を押下し、車室番号等が異なる場合は、訂正する操作を行う。
例えば、上記の「駐車場○○の車室○番の利用を開始します。よろしいですか?」のメッセージにおいて「はい」が押下され、ユーザが駐車した正しい駐車場および車室が特定されると、ステップS184において、利用登録部52は、ユーザID、駐車場ID、および、車室IDとともに、駐車場の利用開始を通知する利用開始通知を、管理サーバ11に送信する。駐車場IDおよび車室IDは、駐車場の位置とともに、ユーザ端末13内に記憶されている。
ステップS185において、管理サーバ11のシステム管理部31は、ロック装置82から送信されてくる利用開始通知、駐車場ID、および、車室IDを受信する。また、ステップS185において、システム管理部31は、ユーザ端末13から送信されてくる、利用開始通知、ユーザID、駐車場ID、および、車室IDを受信する。さらに、システム管理部31は、ユーザ端末13から受信した利用開始通知のなかから、ロック装置82から受信した利用開始通知に含まれる駐車場IDおよび車室IDと同一の駐車場IDおよび車室IDを検索して、対応付ける。そして、システム管理部31は、対応付けたユーザ端末13の利用開始通知に含まれるユーザIDと、そのユーザの車両ナンバを、利用開始時刻ととともに、利用DB33内の、受信した駐車場IDおよび車室IDの領域に記憶させる。ユーザIDに対応する車両ナンバは、ユーザDB32に記憶されている。
ステップS186において、システム管理部31は、利用開始通知を受信した旨の利用開始受信通知を、駐車場IDおよび車室IDとともに、ユーザ端末13に返信する。この駐車場IDおよび車室IDは省略してもよい。
ステップS187において、ユーザ端末13は、管理サーバ11から送信されてきた駐車場の利用開始受信通知を受信し、ユーザに駐車場の利用開始を通知する。例えば、「駐車場○○の車室○番の利用を開始しました。」等のメッセージが、ユーザ端末13のディスプレイに表示されたり、メール通知される。ユーザは、駐車場の利用開始処理が行われたことを認識することができる。
以上のように、利用開始処理では、ユーザが駐車場の利用開始操作を行うと、駐車した駐車場および車室が位置情報に基づいて自動で特定される。そして、特定された駐車位置情報を確認する操作が行われると、利用開始通知が管理サーバ11へ送信され、利用DB33に記録される。
ユーザは、駐車場に自動車を駐車させた後、駐車場を離れる。そして、ユーザは、所定の用事を済ませた後、駐車場へ停めた自動車を出庫させるために、駐車場へ再び戻る。
そして、ユーザは、ユーザ端末13を操作して、駐車場の利用終了操作を行う。例えば、ユーザは、ユーザ端末13のアプリまたはブラウザから管理サーバ11にアクセスし、駐車の利用終了画面をディスプレイに表示させ、「駐車場の利用終了」ボタンを押下する。
ステップS188において、ユーザ端末13の利用登録部52は、ユーザの利用終了操作を受け付け、ステップS189において、ユーザIDとともに、駐車場からの出庫を通知する出庫通知を、管理サーバ11に送信する。利用登録部52がユーザの利用終了操作を受け付けた際、利用開始操作の場合と同様に、例えば、「駐車場○○の車室○番の利用を終了します。よろしいですか?」のように、位置情報に基づいて特定した駐車場および車室をディスプレイに表示し、駐車場の利用終了をユーザに確認してもよい。駐車場および車室は、改めて位置情報に基づいて検出しなくても、利用開始操作時に記憶したものでもよい。
ステップS190において、管理サーバ11のシステム管理部31は、ユーザ端末13からの出庫通知を受信し、出庫通知を受信したユーザIDに対応する駐車場IDおよび車室IDのロック装置82に、ロックを解除する解錠指示を送信する。
ロック装置82は、ステップS191において、システム管理部31からの解錠指示を受信し、解錠する。ロック装置82が、例えば、フラップ83が上昇するタイプのロック装置である場合、ロック装置82は、フラップ83を下降させる。
ユーザは、自分が駐車している車室のロック装置82が解錠されたことを確認すると、自動車を移動させ、出庫する。
ステップS201において、ユーザ端末13の位置情報検出部55は、現在の位置情報を取得して、利用登録部52に供給する。
ステップS202において、利用登録部52は、位置情報検出部55から供給された位置情報を取得し、ユーザが駐車させた駐車場の車室から自動車を出庫させたかを判定する。自動車を駐車場の車室から出庫させたか否かの判定方法は、位置情報検出部55で検出された位置情報が、車室の位置から一定の範囲だけ離れた場合に、車室から出庫させたと判定することができる。
ステップS202で、ユーザが駐車場の車室から自動車を出庫させていないと判定された場合、処理はステップS201に戻り、ステップS201およびS202の処理が繰り返される。すなわち、ユーザが駐車場の車室から自動車を出庫させたと判定されるまで、ユーザが駐車場の車室から自動車を出庫させたか否かが継続的に検出される。
ステップS202で、ユーザが駐車場の車室から自動車を出庫させたと判定された場合、処理はステップS203に進み、利用登録部52は、ユーザID、駐車場ID、および車室IDとともに、駐車場の利用終了を通知する利用終了通知を、管理サーバ11に送信する。なお、駐車場ID、および車室IDは、ユーザIDが分かれば利用DB33で確認できるので、省略してもよい。
ステップS204において、管理サーバ11のシステム管理部31は、ユーザ端末13からの利用終了通知を受信し、利用DB33内の、受信したユーザIDが記憶された駐車場IDの利用開始時刻と対応させて利用終了時刻を記憶させる。あるいはまた、利用終了通知を受信したユーザについては、利用DB33内の駐車した駐車場IDおよび車室IDに記憶されている、ユーザIDおよび車両ナンバの情報を削除してもよい。
ステップS205において、システム管理部31は、出庫したユーザが登録したクレジットカード情報や電子マネーカード情報に基づいて、利用時間に応じた駐車場の利用料金を精算する決済処理を行う。なお、上述した出庫通知の受信により、出庫された車室に駐車したユーザが特定できる場合には、利用終了通知のパラメータであるユーザIDを省略してもよい。
ステップS206において、システム管理部31は、利用終了通知を受信した旨の利用終了受信通知を、ユーザ端末13に返信する。
また、ステップS205の利用終了受信通知の返信では、システム管理部31は、利用実績に応じたポイントをユーザ端末13に送信する。これにより、ユーザは、駐車場の使用や使用した時間等に応じて報酬としてのポイントを獲得することができる。ここで獲得できるポイントは、図3のステップS21における駐車場情報の一部として設定された値に基づく。オーナは、休日や平日、時間帯等に応じて異なるポイントを設定することができ、ユーザの利用を促進することが可能となる。ユーザは、ポイントの高い駐車場を使用することで多くのポイントを獲得することができる。
ステップS207において、ユーザ端末13は、管理サーバ11から送信されてきた駐車場の利用終了受信通知を受信し、ユーザに駐車場の利用終了を通知する。例えば、「駐車場○○の車室○番の利用を終了しました。」等のメッセージが、ユーザ端末13のディスプレイに表示されたり、メール通知される。これにより、ユーザは、駐車場の利用終了処理および決済処理が行われたことを認識することができる。
以上の第3実施の形態における第2の利用登録処理によれば、ユーザがユーザ端末13において駐車場の利用開始操作を行うと、端末内の位置情報検出部55から取得される位置情報に基づいて自動で、駐車した駐車場および車室が特定されて表示される。そして、駐車させた車室を出庫すると、自動で(ユーザの操作なしで)、予め登録されたクレジットカード情報や電子マネーカード情報に基づいて決済処理(利用料金の精算)が行われる。したがって、ユーザは、シェアリングサービスに登録済みの駐車場を簡単に利用することができ、かつ、不正利用を防止することができる。
なお、図11のフローチャートでは処理を省略したが、図9のステップS145およびS153と同様に、利用開始通知および利用終了通知のメッセージをオーナ端末13に送信することができる。これにより、オーナは、駐車場の利用の開始および終了を認識することができる。
また、第3実施の形態においても同様に、図4で説明した利用情報検索処理が実行可能である。これにより、第三者としての監視員、通行人、運営会社の社員等による不正駐輪または不正駐車の監視機能が働き、ユーザの不正な利用を抑止することができる。
上述した第2の利用登録処理では、管理サーバ11のシステム管理部31が、ユーザ端末13から出庫通知を受信した場合に、利用終了する車室のロック装置82に、解錠指示を送信した。しかしながら、上述したステップS188で、ユーザ端末13の利用登録部52がユーザの利用終了操作を受け付けた場合、利用登録部52が、直接、利用終了する車室のロック装置82に、解錠指示を送信してもよい。すなわち、ロック装置82への解錠指示は、管理サーバ11が送ってもよいし、ユーザ端末13が送ってもよい。
上述した第2の利用登録処理では、ユーザが、利用開始時の利用開始操作と、利用終了時の利用終了操作の両方を行う例について説明したが、利用開始操作は省略することができる。この場合、ステップS181乃至S184、S186、および、S187が省略される。
より具体的には、例えば、ユーザが所定の駐車場の車室に自動車を駐車させた場合、ステップS173におけるロック装置82からの利用開始通知によって、自動車の駐車が開始された利用開始時刻が、利用DB33内の、受信した駐車場IDおよび車室IDの領域に記憶される。そして、ユーザ端末13において駐車場の利用終了操作が行われたときに、ステップS189において、位置情報検出部55で検出された位置情報に基づいて駐車場および車室が特定され、ユーザIDの他、駐車場IDおよび車室IDとともに、出庫通知が管理サーバ11に送信される。その後の処理は上述した処理と同様である。出庫通知とともに送信されてきた駐車場IDおよび車室IDに基づいて、利用DB33内の駐車場IDおよび車室IDの領域を確認することで利用開始時刻が確認できるので、ステップS205の決済処理も行うことができる。
また、ステップS172においてロック装置82が自動車をロックした後、ステップS173において利用開始通知を管理サーバ11に送信せずに、ロック装置82自身が利用開始時刻を記憶してもよい。この場合、ステップS173およびS185がさらに省略される。
ロック装置82自身が利用開始時刻を記憶した場合には、例えば、ロック装置82が、ステップS190において、管理サーバ11から送信されてきた解錠指示を受信し、解錠動作を行った後、解除動作を行った駐車場IDおよび車室IDの利用開始時刻を管理サーバ11に返信する。これにより、管理サーバ11は、出庫させる駐車場IDおよび車室IDに駐車されていた自動車の利用開始時刻が確認できるので、ステップS205の決済処理を行うことができる。
上述した第2の利用登録処理では、駐車場を識別する駐車場識別情報としての駐車場IDと、駐車場内の車室を識別する車室識別情報としての車室IDを分けて考えたが、駐車場IDと車室IDを組み合わせた情報を、駐車場識別情報と考えてもよい。また、駐車場の車室単位で、ユーザが自動車を駐車させたか否かを判定したが、本技術は、車室単位で入出庫を制限するタイプの駐車場ではなく、駐車場の入口および出口にゲートが設置され、駐車場単位で入出庫を制限するタイプの駐車場にも適用できる。この場合、車室を識別する車室IDが省略される。
上述した第2の利用登録処理では、ユーザが駐車場の車室から自動車を出庫させたと判定され、利用終了通知を管理サーバ11が受信した場合に、決済処理を行うようにしたが、決済処理を行うタイミングは別のタイミングでもよい。例えば、管理サーバ11がユーザ端末13からの出庫通知を受信した場合、ロック装置82に解錠指示を送信した場合、または、ロック装置82から解錠が行われたことが返信された場合などに、決済処理を行うようにしてもよい。
上述した第3実施の形態では、車両である自動車または自転車の位置情報として、ユーザ端末13の位置情報検出部55で検出される位置情報を用いたが、例えば、自動車または自転車等の車両に内蔵されるGPSチップ等で検出された位置情報を通信により取得して、車両自身の位置情報を用いてもよい。車両自身の位置情報は、ユーザ端末13が車両と直接通信を行って取得してもよいし、管理サーバ11またはその他のサーバ装置を介して取得してもよい。
<10.サーバ装置のハードウエア構成例>
図12は、管理サーバ11として利用されるサーバ装置のハードウエアの構成例を示すブロック図である。
サーバ装置においては、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、入力部106、出力部107、記憶部108、通信部109、及びドライブ110が接続されている。
入力部106は、キーボード、マウス、マイクロホン、タッチパネル、入力端子などよりなる。出力部107は、ディスプレイ、スピーカ、出力端子などよりなる。記憶部108は、ハードディスク、RAMディスク、不揮発性のメモリなどよりなる。通信部109は、所定のネットワークを介したネットワーク通信を行うネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ110は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体111を駆動する。
以上のように構成されるサーバ装置では、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105及びバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。RAM103にはまた、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
サーバ装置では、プログラムは、リムーバブル記録媒体111をドライブ110に装着することにより、入出力インタフェース105を介して、記憶部108にインストールすることができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部109で受信し、記憶部108にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM102や記憶部108に、あらかじめインストールしておくことができる。
<11.端末装置のハードウエア構成例>
図13は、端末装置12乃至14として利用される端末装置のハードウエア構成例を示すブロック図である。
図13において、CPU(Central Processing Unit)131は、各種の処理を実行する演算処理部であり、OS(Operating System)などの基本プログラムや、各種のアプリ(アプリケーション)を必要に応じて実行する。CPU131は、バス135を介してROM(Read Only Memory)132、RAM(Random Access Memory)133、およびNVRAM(Non Volatile RAM)134と相互に接続される。このバス135にはまた、入出力インタフェース136も接続され、入出力インタフェース136には、記憶部137およびドライブ138が接続される。
ROM132には予めOSなどの基本プログラムやデータが格納される。RAM133およびNVRAM134には、ROM132や記憶部137に格納されているアプリやデータがロードされる。RAM133およびNVRAM134にはまた、CPU131が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。記憶部137は、フラッシュメモリなどにより構成され、上述した一連の処理を実行するアプリや、電源オフ時においても記憶しておくことが必要なデータを記憶する。
ドライブ138は、必要に応じて装着される、半導体メモリなどのリムーバブルメディア139からのデータを読み出し、入出力インタフェース136等を介してCPU131に供給したり、CPU131から供給されるデータをリムーバブルメディア139に書き込む。読み書きされるデータには、インストールされるアプリのデータが含まれていてもよい。
入出力インタフェース136には、入力部140、音声入出力部141、タッチスクリーン142、無線通信部143、電話回線網通信部144、撮影部145、GNSS受信部146、および、センサ群147が接続される。
入力部140は、ホームボタン、電源ボタン等の各種のボタンにより構成され、ユーザの操作による入力を受け付けて、CPU131等に供給する。音声入出力部141は、スピーカ、マイクロホン等により構成され、通話のための音声を入出力する。
タッチスクリーン142は、表示部142Aと位置検出部142Bとを有し、各種の画面表示と、指等を近接、又は、接触(タッチ)することによる操作入力とが可能になっている。
表示部142Aは、液晶パネルやOLED(Organic Light Emitting Diode)等のデバイス(表示装置)で構成され、入出力インタフェース136を介して供給されるデータに応じて、所定の画面(画像)を表示する。
位置検出部142Bは、例えば、静電式等のタッチパネル等の、外部からの入力(近接・接触)を受け付ける(検知する)機能を有するデバイスで構成される。
タッチスクリーン142は、以上のような表示部142Aと位置検出部142Bとが一体的になっており、表示部142Aにおいて画面を表示し、位置検出部142Bにおいて、表示部142Aに表示された画面に対する外部からの操作入力(タッチや近接)を受け付けることができる。
位置検出部142Bが出力する位置信号は、入出力インタフェース136を介して、CPU131に供給され、CPU131では、位置検出部142Bからの位置信号に基づき、どのような操作入力があったかが認識され、その操作入力に応じて、各種の処理が行われる。
無線通信部143は、RFID、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信、Wi-Fi(商標)方式等による無線通信を行う。電話回線網通信部144は、移動体電話通信網を介して他の装置と音声通信、または、パケット通信を行う。撮影部145は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の撮像素子などにより構成される。撮影部145は、被写体を撮影し、撮影した被写体の画像データを、入出力インタフェース136を介してCPU131等に供給する。
GNSS受信部146は、GNSS(Global Navigation Satellite System)の測位衛星が放送する測位信号を受信して測位を行う。GNSS受信部146は、例えば、GPS(USA)、GLONASS(ロシア)、BeiDou(中国)、Galileo(EU)、準天頂衛星みちびき(日本)等の測位衛星からの電波を複数受信する受信機で構成される。
センサ群147は、端末装置の状態を検出するための1以上のセンサで構成される。センサ群147に含まれるセンサの一例としては、例えば、ジャイロセンサ、傾きセンサ、加速度センサ、方位センサ、温度センサ、湿度センサ、照度センサなどが挙げられる。
端末装置は以上のように構成される。
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
上述した実施の形態では、ユーザの所定の駐車場の利用料金を精算するための決済情報として、クレジットカード情報や電子マネーカード情報をユーザ登録処理において事前に登録しておくようにしたが、事前に登録していないユーザが、上記のシェアリングサービスを利用することも可能である。この場合、駐車場を利用したユーザの決済処理を行う前に(例えば、利用終了操作が行われたタイミングで)、ユーザ端末13上でユーザに決済情報を入力させ、管理サーバ11に送信すればよい。
上述した駐車管理システム1の各実施の形態は、駐車場・駐輪場シェアリングサービスを前提としていた。すなわち、駐車管理システム1でユーザに提供される駐車場・駐輪場は、オーナが所有する駐車場や空きスペースであって、オーナが管理サーバ11に登録した駐車場であった。
しかしながら、本技術は、駐車場・駐輪場シェアリングサービスを前提としない駐車場・駐輪場の提供サービスにも適用することができる。この場合、ユーザが利用する駐車場・駐輪場は、例えば、所定の法人等が保有する駐車場・駐輪場であって、法人所属の社員や駐車場管理会社の社員等によって、管理サーバ11に登録される。また、上述した駐車管理システム1における端末装置12(オーナ端末12)は、法人所属の社員や駐車場管理会社の社員等が操作する端末装置12となる。
上述した実施の形態では、自転車を停める駐輪場を利用するシステムの例について主に説明したが、本技術は、例えば、自動二輪車(バイク)、自動車等の、自転車以外の車両を駐車する場所を、時間単位または日単位で利用するシステム全般に適用することができる。自動二輪車および自動車の駐車を管理する駐車管理システム1では、車両を識別する車両識別情報としては、いわゆる車両ナンバと呼ばれる、自動車登録番号や車両番号を用いることができる。本明細書において、車両には、自転車、自動二輪車(バイク)、自動車等を含み、駐車場には、自転車および自動二輪車用の駐輪場、自動車用の駐車場を含む。
例えば、上述した複数の実施の形態の全てまたは一部を組み合わせた形態を採用することができる。
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、本明細書に記載されたもの以外の効果があってもよい。
本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる場合はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで実行されてもよい。
なお、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。