JP6654812B2 - 乳化組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、乳化組成物に関する。
化粧料には、柔軟性や美白を付与する原料として、N−アミジノ−L−プロリンなどが応用されている。
特許文献1には、N−アミジノ−L−プロリンを含有し、角質層に柔軟性を付与する皮膚化粧料が記載され、特許文献2には、N−アミジノ−L−プロリンを含有するしわ改善剤及び老化防止化粧料が記載されている。これらの化粧料は、角質層の柔軟性、老化防止などに対して効果を発揮するものの、近年の消費者ニーズでは、より高い効果が求められ、また、使用感においても、老化防止を想起するハリ感が求められていると判明した。
特開平8−109120号公報 国際公開第98/15260号パンフレット
本発明は、N−アミジノ−L−プロリンを含有し、老化防止等の効果が高まり、ハリ感を想起させる使用感のある乳化組成物に関する。
本発明者らは、N−アミジノ−L−プロリンとα−ゲル製剤を組み合わせることによって、N−アミジノ−L−プロリンの皮膚への浸透量が格段に高まり、その結果、角質層の柔軟性、老化防止などの効果がより向上すると期待でき、また、ハリ感を想起できる使用感が得られることを見出した。
本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)水酸基を2個以上有する有機化合物であって、無機性値が220〜450、有機性値が300〜1000である有機化合物 0.05〜10質量%、
(B)水酸基を1個有する有機化合物であって、無機性値が100〜200、有機性値が280〜700である有機化合物 0.05〜10質量%、
(C)セラミド類 0.05〜15質量%、
(D)ポリオキシエチレン基を有するHLB10以上の非イオン界面活性剤、イオン性界面活性剤及びスフィンゴシン塩類から選ばれる1種以上の化合物 0.05〜5質量%、
(E)N−アミジノ−L−プロリン 0.1〜9質量%、
(F)水
を含有し、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計含有量が、1.5〜22質量%である乳化組成物に関する。
本発明の乳化組成物は、成分(A)、(B)、(C)及び(D)を主成分とするα−ゲル構造を形成し、N−アミジノ−L−プロリンの皮膚への浸透量が高く、皮膚に塗布したときには、伸びが良く、塗布後の肌がなじんだ化粧料で覆われる感じが得られ、更に指で触った時に指が止まるような感覚の指どまり感を得ることができ、使用感としての肌へのハリ感が得られるものである。
試験例2において、N−アミジノ−L−プロリンの浸透量を評価した結果を示す図である。
本発明で用いる成分(A)は、水酸基を2個以上有する有機化合物であって、無機性値が220〜450、有機性値が300〜1000である有機化合物である。成分(A)は、成分(B)、(C)及び(D)と組合わせてα−ゲル構造を形成させる観点から、無機性値が220〜340、有機性値が380〜840である有機化合物が好ましく、無機性値が250〜340、有機性値が380〜700である有機化合物がより好ましい。
本発明において、無機性値、有機性値とは、有機概念図(藤田穆、有機化合物の予測と有機概念図、化学の領域Vol.11,No.10(1957)719−725)に基づき求められる無機性値及び有機性値の値をいう。
成分(A)としては、次の一般式(1)で表されるものが挙げられる。
(式中、Z1は、グリセリン、ソルビタン、ソルビトール又はショ糖残基で2個以上のヒドロキシル基を有する構造を示し、Y1は、エステル結合基又はエーテル結合基を示し、Rは、炭素数14〜22の炭化水素基を示し、nは1〜2の数を示す)
式中、Rで示される炭素数14〜22の炭化水素基としては、直鎖炭化水素基が好ましく、例えば、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基等の直鎖アルキル基;パルミトイル基、オレイル基等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物としては、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンジ脂肪酸エステル、ソルビトールモノ脂肪酸エステル、ソルビトールジ脂肪酸エステル、ショ糖モノ脂肪酸エステル、グリセリンモノアルキルエーテル等が挙げられる。
成分(A)としては、成分(B)、(C)及び(D)と組合わせてα−ゲル構造を形成させる観点から、グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンモノアルキルエーテル、ソルビタンモノ脂肪酸エステル及びソルビタンジ脂肪酸エステルが好ましく、グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンモノアルキルエーテルがより好ましい。また、グリセリンモノ脂肪酸エステルとしては、モノパルミチン酸グリセリル(無機性値260、有機性値380)、モノステアリン酸グリセリル(無機性値260、有機性値420)、モノベヘン酸グリセリル(無機性値260、有機性値500)から選ばれる少なくとも1種が好ましく、グリセリンモノアルキルエーテルとしては、モノセチルグリセリルエーテル(無機性値220、有機性値380)、モノステアリルグリセリルエーテル(無機性値220、有機性値420)が好ましく、ソルビタンモノ脂肪酸エステルとしては、モノステアリン酸ソルビタン(無機性値445、有機性値480)から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ソルビタンジ脂肪酸エステルとしては、ジステアリン酸ソルビタン(無機性値340、有機性値840)が好ましく、同様の観点から、モノベヘン酸グリセリル又はモノセチルグリセリルエーテルがより好ましい。
成分(A)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、指どまり感及び塗布後の肌がなじんだ化粧料で覆われる感じを向上させる観点から、含有量は、全組成中に0.05質量%以上であり、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.6質量%以上がさらに好ましく、伸ばしやすさを向上させる観点から、10質量%以下であり、6質量%以下が好ましく、3.5質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下がさらに好ましい。また、成分(A)の含有量は、全組成中に0.05〜10質量%であり、0.1〜6質量%が好ましく、0.3〜3.5質量%がより好ましく、0.6〜1.5質量%がさらに好ましい。
本発明で用いる成分(B)は、水酸基を1個有する有機化合物であって、無機性値が100〜200、有機性値が280〜700である有機化合物である。成分(B)は、成分(A)、(C)及び(D)と組合わせてα−ゲル構造を形成させる観点から、無機性値が100〜182、有機性値が300〜520である有機化合物が好ましい。
成分(B)としては、具体的には、炭素数12〜22の高級アルコール及びステロール類から選ばれる1種以上の化合物が挙げられ、α−ゲルを形成させる観点から、炭素数12〜22の高級アルコールが好ましい。
高級アルコールとしては、炭素数14〜22であるのが好ましく、炭素数16〜18がより好ましい。また、高級アルコールを構成する炭素鎖は、直鎖又は分岐鎖のいずれでもよく、直鎖のものが好ましい。高級アルコールとしては、例えば、ミリスチルアルコール(無機性値100、有機性値280)、セタノール(無機性値100、有機性値320)、ステアリルアルコール(無機性値100、有機性値360)、ベヘニルアルコール(無機性値100、有機性値440)、オレイルアルコール(無機性値102、有機性値360)等が挙げられる。
また、ステロール類としては、コレステロール(無機性値182、有機性値520)及びフィトステロールが挙げられる。フィトステロールは、β−シトステロール、カンペステロール、スティグマステロール、ブラシカステロール等の植物ステロールの総称であり、その組成は限定されるものではない。
成分(B)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、指止まり感及び塗布後の肌がなじんだ化粧料で覆われる感じを向上させる観点から、含有量は、全組成中に0.05質量%以上であり、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、伸ばしやすさを向上させる観点から、10質量%以下であり、6質量%以下が好ましく、3.5質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下がさらに好ましい。また、成分(B)の含有量は、全組成中に0.05〜10質量%であり、0.1〜6質量%が好ましく、0.3〜3.5質量%がより好ましく、0.5〜1.5質量%がさらに好ましい。
本発明で用いる成分(C)のセラミド類としては、(I)天然由来のセラミド及び(II
)擬似型セラミドから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、例えば、特開2013−53146号公報記載のセラミドが好ましい。
(I)天然由来のセラミド(以下、天然型セラミドという)の具体例としては、セラミドType1〜7(例えば、J. Lipid Res., 24:759(1983)の図2、及びJ. Lipid. Res.,35:2069(1994)の図4記載のブタ及びヒトのセラミド類)が挙げられる。
更に、これらのN−アルキル体(例えば、N−メチル体)も含まれる。
これらのセラミドは、天然型(D(−)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、更に天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでも良く、また、これらの混合物によるものでもよい。これらのうち、CERAMIDE1、CERAMIDE2、CERAMIDE3、CERAMIDE5、CERAMIDE6IIの化合物(以上、INCI、8th Edition)及び次式で表わされるものが好ましい。
これらは天然からの抽出物及び/又は合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。
このような天然型セラミドの市販のものとしては、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社)、Ceramide TIC-001(高砂香料社)、CERAMIDE II(Quest International社)、DS-Ceramide VI、DS-CLA-Phytoceramide、Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(DOOSAN社)、CERAMIDE2(セダーマ社)が挙げられる。
(II)擬似型セラミドとしては、次式で表されるN−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド、N−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルデカナミド等が挙げられ、N−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド)が好ましい。
成分(C)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、指どまり感及び塗布後の肌がなじんだ化粧料で覆われる感じを向上させる観点から、含有量は、全組成中に0.05質量%以上であり、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、伸ばしやすさを向上させる観点から、15質量%以下であり、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。また、成分(C)の含有量は、全組成中に0.05〜15質量%であり、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜7質量%がより好ましく、1〜3質量%がさらに好ましい。
本発明で用いる成分(D)は、ポリオキシエチレン基を有するHLB10以上の非イオン界面活性剤、イオン性界面活性剤及びスフィンゴシン塩類から選ばれる1種以上の化合物である。
成分(D)の化合物のうち、非イオン界面活性剤は、ポリオキシエチレン基を有するもので、HLB10以上、好ましくはHLB12.5〜15.5の親水性のものである。例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリオキシエチレングリセリル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。
これらのうち、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンが好ましい。
また、成分(D)の化合物のうち、イオン性界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸アルギニン等の炭素数12〜24の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン塩;N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム等の脂肪酸アミドスルホン酸塩;モノステアリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩;ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等の長鎖スルホコハク酸塩;N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸アルギニン、N−ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム等の長鎖N−アシルグルタミン酸塩などが挙げられる。
これらのうち、炭素数12〜24の脂肪酸塩、脂肪酸アミドスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、長鎖N−アシルグルタミン酸塩が好ましく、更に、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸アルギニン、ポリオキシチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウムが好ましい。
また、カチオン界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩が好ましく、例えば、塩化ステアリウムトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩;ジアルキルジメチルアンモニウム、トリアルキルメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩などが挙げられる。
更に、両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン、アミドアミノ酸塩、アルキルアミドプロピルベタインが挙げられ、更にアルキルアミドプロピルベタインが好ましい。
本発明で用いる成分(D)の化合物のうち、スフィンゴシン塩類とは、スフィンゴシン類と酸性物質とから構成されるものである。
スフィンゴシン類としては、天然由来のスフィンゴシン類又は同構造の合成物、及びその誘導体(以下、天然型スフィンゴシンと記載する。)又はスフィンゴシン構造を有する擬似型スフィンゴシン類(以下、擬似型スフィンゴシンと記載する。)が好ましい。
天然型スフィンゴシンとして、具体的には、天然のスフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、スフィンガジエニン、デヒドロスフィンゴシン、デヒドロフィトスフィンゴシン、及びこれらのN−アルキル体(例えばN−メチル体)等が挙げられる。
これらのスフィンゴシンは天然型(D(+)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(−)体)の光学活性体を用いても、更に天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでも良く、また、これらの混合物によるものでもよい。
更に、PHYTOSPHINGOSINE(INCI名;8th Edition)及び次式で表わされるものが好ましい。
これらは、天然からの抽出物及び合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。
天然型スフィンゴシンの市販のものとしては、例えば、D-Sphingosine(4-Sphingenine)(SIGMA-ALDRICH社)、DS-phytosphingosine (DOOSAN社)、phytosphingosine(コスモファーム社)が挙げられる。
擬似型スフィンゴシンの具体例として、次の擬似型スフィンゴシン(i)〜(iv)、及び1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソステアリルオキシ−2−プロパノールが挙げられる。
スフィンゴシン類としては、天然型のスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、擬似型スフィンゴシンが好ましく、擬似型スフィンゴシンがより好ましく、擬似型スフィンゴシン(ii)、1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソステアリルオキシ−2−プロパノールがさらに好ましい。
これらの天然型のスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、擬似型スフィンゴシンと塩を構成する酸性物質としては、グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸;リン酸、塩酸等の無機酸;酢酸等のモノカルボン酸;コハク酸等のジカルボン酸;クエン酸、乳酸、リンゴ酸等のオキシカルボン酸などが挙げられる。これらの中で、天然型のスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、又は擬似型スフィンゴシン(擬似型スフィンゴシン(ii)、1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソステアリルオキシ−2−プロパノール)のコハク酸塩、乳酸塩、グルタミン酸塩が好ましく、更に、天然型のスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、又は擬似型スフィンゴシンのグルタミン酸塩が好ましい。
成分(D)としては、成分(A)、(B)及び(C)と組合わせてα−ゲル構造を形成させる観点からアニオン界面活性剤、スフィンゴシン塩類が好ましく、少ない量で安定な乳化物が得られる観点から、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸アルギニン、フィトスフィンゴシンのグルタミン酸塩、擬似型スフィンゴシンのグルタミン酸塩がより好ましい。
成分(D)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、指どまり感、塗布後の肌がなじんだ化粧料で覆われる感じ及び保存安定性を向上させる観点から、含有量は、全組成中に0.05質量%以上であり、0.1質量%以上が好ましく、0.15質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましく、伸ばしやすさ、保存安定性を向上させる観点から、5質量%以下であり、3質量%以下が好ましく、2.2質量%以下がより好ましく、0.8質量%以下がさらに好ましい。また、成分(D)の含有量は、全組成中に0.05〜5質量%であり、0.1〜3質量%が好ましく、0.15〜2.2質量%がより好ましく、0.3〜0.8質量%がさらに好ましい。なお、成分(D)が、イオン性界面活性剤及びスフィンゴシン塩類の場合、乳化組成物中の含有量は酸換算の質量を示す。以下、成分(D)の質量を示す場合も同様である。
本発明において、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計含有量は、指どまり感、塗布後の肌がなじんだ化粧料で覆われる感じ及びアミジノ−L−プロリンの皮膚への浸透量を向上させる観点から、全組成中に1.5質量%以上であり、2質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、伸ばしやすさ、アミジノ−L−プロリンの皮膚への浸透量を向上させる観点から、22質量%以下であり、16質量%以下が好ましく、6.5質量%以下がより好ましい。また、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計含有量は、全組成中に1.5〜22質量%であり、2〜16質量%が好ましく、3〜6.5質量%がより好ましい。
本発明で用いる成分(E)は、N−アミジノ−L−プロリンである。
成分(E)の含有量は、指止まり感、塗布後の肌がなじんだ化粧料で覆われる感じを向上させる観点から、全組成中に0.1質量%以上であり、0.3質量%以上が好ましく、0.8質量%以上がより好ましく、塗布後の肌がなじませた化粧料で覆われる感じ、指止まり感を向上させる観点から、9質量%以下であり、7質量%以下が好ましく、5.5質量%以下がより好ましく、3.5質量%以下がさらに好ましい。また、成分(E)の含有量は、全組成中に0.1〜9質量%であり、0.3〜7質量%が好ましく、0.8〜5.5質量%がより好ましく、0.8〜3.5質量%がよりさらに好ましい。
本発明において、成分(E)に対する成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計の質量割合[((A)+(B)+(C)+(D))/(E)]は、指止まり感、塗布後の肌がなじんだ化粧料で覆われる感じ及びN−アミジノ−L−プロリンの皮膚への浸透量を向上させる観点から、0.4以上が好ましく、0.65以上がより好ましく、0.9以上がさらに好ましく、1以上がよりさらに好ましく、1.3以上がよりさらに好ましく、伸ばしやすさ、塗布後の肌がなじんだ化粧料で覆われる感じ及びN−アミジノ−L−プロリンの皮膚への浸透量を向上させる観点から、25以下が好ましく、16以下がより好ましく、10以下がさらに好ましく、8以下がよりさらに好ましく、3.8以下がよりさらに好ましい。また、成分(E)に対する成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計の質量割合[((A)+(B)+(C)+(D))/(E)]は、0.4〜25が好ましく、0.65〜16がより好ましく、0.9〜10がさらに好ましく、1〜8がよりさらに好ましく、1.3〜3.8がよりさらに好ましい。
本発明において、成分(F)の水の含有量は、伸びしやすさを向上させる観点から、全組成中に50〜98質量%が好ましく、60〜96質量%がより好ましく、70〜95質量%がさらに好ましい。
また、その他の水性基剤、例えばエタノール、プロパノール等の炭素数1〜4の低級アルコールなどを含有することもできる。
本発明においては、前記成分のそれぞれの好ましい成分、及び好ましい含有量を組み合わせるのが、より好ましい。
更に、成分(A)がモノベヘン酸グリセリル又はモノセチルグリセリルエーテル、成分(B)がセタノール、成分(C)がN−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド)、成分(D)がステアロイルグルタミン酸塩又はスフィンゴシン塩類、成分(E)がN−アミジノ−L−プロリン、成分(F)が水であるものが、より好ましい。
本発明の乳化組成物は、更に、前記以外の油性成分を含有することができる。例えば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン等の炭化水素油;セチルジメチルブチルエーテル、エチレングリコールジオクチルエーテル、グリセロールモノオレイルエーテル等のエーテル油;ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリオクタノイン等のエステル油;ステアリン酸、ベヘン酸、イソミリスチン酸等の高級脂肪酸;ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン油;パーフルオロアルキルエチルリン酸、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンリン酸、パーフルオロポリエーテル、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系油などが挙げられる。これらの油性成分の含有量は、全組成中に0〜20質量%であるのが好ましい。
また、本発明の乳化組成物は、通常の化粧料に用いられる有効成分や添加剤、例えば、アスコルビン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸等の水溶性ビタミン類;オウバクエキス、カンゾウエキス、アロエエキス、スギナエキス、茶エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、ハマメリス抽出液、プラセンタエキス、海藻エキス、マロニエエキス、ユズエキス、アスナロエキス、ローヤルゼリーエキス、ユーカリエキス、アスナロ抽出液等の動・植物抽出液;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム等の塩基;クエン酸、酒石酸、乳酸、リン酸、コハク酸、アジピン酸等の酸;カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、グアーガム、キサンタンガム、カルボキシメチルキトサン、ヒアルロン酸ナトリウム、オキサゾリン変性シリコーン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N−ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体等の増粘剤などを含有することもできる。
本発明の乳化組成物は、通常の方法により製造することができる。例えば、成分(A)〜(D)(油性成分を含む場合は、成分(A)〜(D)及び油性成分)を含む油相成分を加熱撹拌し、溶解させた後、加熱した成分(E)及び(F)を含む水相成分を混合し、その後撹拌しながら冷却することにより、製造することができる。
得られる乳化組成物は、α−ゲル(α型結晶)であり、結晶(γ型結晶)の析出が抑制される。α−ゲルは、X線による構造解析により、確認することができる。α型構造は六方晶系のことであり、親油基が親水基層の面に対して直角に配向しており、Bragg角21〜23°付近に鋭い一本の回折ピークが現れるのが特徴である。
本発明の乳化組成物は、伸びの良さの点から、25℃における粘度が、1000mPa・s〜300000mPa・sであるのが好ましく、2500mPa・s〜100000mPa・sであるのが好ましく、5000mPa・s〜70000mPa・sがより好ましい。
なお、本発明において、粘度は、VISCOMETER TVB−10(東機産業)により測定される。そして、粘度は、低粘度を測定できる条件から測定し、その条件で粘度の上限を超えた場合は、次に高粘度を測定できる条件に変更して測定する。
・粘度250mPa・s以上2500mPa・s未満:ローターNo.M2、回転数12rpm、
・粘度2500mPa・s以上20000mPa・s未満:ローターNo.M3、回転数6rpm、
・粘度20000mPa・s以上160000mPa・s未満:ローターNo.T−B、回転数5rpm
・粘度160000mPa・s以上400000mPa・s未満:ローターNo.T−C、回転数5rpm
また、本発明の乳化組成物は、水中油型乳化組成物であり、例えば、美容液、乳液、クリーム、ジェル等の化粧料や、皮膚外用剤として好適である。
上述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物を開示する。
<1>次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)水酸基を2個以上有する有機化合物であって、無機性値が220〜450、有機性値が300〜1000である有機化合物 0.05〜10質量%、
(B)水酸基を1個有する有機化合物であって、無機性値が100〜200、有機性値が280〜700である有機化合物 0.05〜10質量%、
(C)セラミド類 0.05〜15質量%、
(D)ポリオキシエチレン基を有するHLB10以上の非イオン界面活性剤、イオン性界面活性剤及びスフィンゴシン塩類から選ばれる1種以上の化合物 0.05〜5質量%、
(E)N−アミジノ−L−プロリン 0.1〜9質量%、
(F)水
を含有し、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計含有量が、1.5〜22質量%である乳化組成物。
<2>成分(A)が、好ましくは、無機性値が220〜340、有機性値が380〜840である有機化合物であって、無機性値が250〜340、有機性値が380〜700である有機化合物がより好ましい前記<1>記載の乳化組成物。
<3>成分(A)が、好ましくは、次の一般式(1)
(式中、Z1は、グリセリン、ソルビタン、ソルビトール又はショ糖残基で2個以上のヒドロキシル基を有する構造を示し、Y1は、エステル結合基又はエーテル結合基を示し、Rは、炭素数14〜22の炭化水素基を示し、nは1〜2の数を示す)
で表されるものである前記<1>又は<2>記載の乳化組成物。
<4>成分(A)が、好ましくは、グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンモノアルキルエーテル、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンジ脂肪酸エステルであって、グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンモノアルキルエーテルがより好ましく、モノベヘン酸グリセリル又はモノセチルグリセリルエーテルがさらに好ましい前記<1>〜<3>のいずれか1記載の乳化組成物。
<5>成分(A)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.1質量%以上であって、0.3質量%以上がより好ましく、0.6質量%以上がさらに好ましく、6質量%以下が好ましく、3.5質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下がさらに好ましい前記<1>〜<4>のいずれか1記載の乳化組成物。
<6>成分(B)が、好ましくは、無機性値が100〜182、有機性値が300〜520である有機化合物である前記<1>〜<5>のいずれか1記載の乳化組成物。
<7>成分(B)が、好ましくは、炭素数12〜22の高級アルコール、ステロール類であって、高級アルコールは、炭素数14〜22の高級アルコールより好ましく、炭素数16〜18の高級アルコールがさらに好ましく、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコールがよりさらに好ましく、ステロール類は、コレステロール、フィトステロールがより好ましい前記<1>〜<6>のいずれか1記載の乳化組成物。
<8>成分(B)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.1質量%以上であって、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、6質量%以下が好ましく、3.5質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下がさらに好ましい前記<1>〜<7>のいずれか1記載の乳化組成物。
<9>成分(C)のセラミド類が、好ましくは、天然由来のセラミド及び擬似型セラミドから選ばれる1種又は2種以上である前記<1>〜<8>のいずれか1記載の乳化組成物。
<10>成分(C)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.1質量%以上であって、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい前記<1>〜<9>のいずれか1記載の乳化組成物。
<11>成分(D)が、好ましくは、ポリオキシエチレン基を有するHLB10以上の非イオン界面活性剤であって、HLB12.5〜15.5がより好ましく、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリオキシエチレングリセリル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルがさらに好ましく、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンがよりさらに好ましい前記<1>〜<10>のいずれか1記載の乳化組成物。
<12>成分(D)が、好ましくは、イオン性界面活性剤であって、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤がより好ましく、アニオン界面活性剤としては、炭素数12〜24の脂肪酸塩、脂肪酸アミドスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、長鎖N−アシルグルタミン酸塩が好ましく、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸アルギニン、ポリオキシチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウムがより好ましく、カチオン界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩が好ましく、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム、トリアルキルメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩がより好ましく、両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン、アミドアミノ酸塩、アルキルアミドプロピルベタインが好ましく、アルキルアミドプロピルベタインがより好ましい前記<1>〜<10>のいずれか1記載の乳化組成物。
<13>成分(D)が、好ましくは、スフィンゴシン塩類であって、天然由来のスフィンゴシン類若しくは同構造の合成物、及びその誘導体、又はスフィンゴシン構造を有する擬似型スフィンゴシン類がより好ましい前記<1>〜<10>のいずれか1記載の乳化組成物。
<14>成分(D)が、好ましくは、アニオン界面活性剤、スフィンゴシン塩類であって、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸アルギニン、フィトスフィンゴシンのグルタミン酸塩、擬似型スフィンゴシンのグルタミン酸塩がより好ましい前記<1>〜<13>のいずれか1記載の乳化組成物。
<15>成分(D)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.1質量%以上であって、0.15質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましく、3質量%以下が好ましく、2.2質量%以下がより好ましく、0.8質量%以下がさらに好ましい前記<1>〜<14>のいずれか1記載の乳化組成物。
<16>成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計含有量が、好ましくは、全組成中に2質量%以上であって、3質量%以上がより好ましく、16質量%以下が好ましく、6.5質量%以下がより好ましい前記<1>〜<15>のいずれか1記載の乳化組成物。
<17>成分(E)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.3質量%以上であって、0.8質量%以上がより好ましく、7質量%以下が好ましく、5.5質量%以下がより好ましく3.5質量%以下がさらに好ましい前記<1>〜<16>のいずれか1記載の乳化組成物。
<18>成分(E)に対する成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計の質量割合[((A)+(B)+(C)+(D))/(E)]が、好ましくは、0.4以上であって、0.65以上がより好ましく、0.9以上がさらに好まく、1以上がよりさらに好ましく、1.3以上がよりさらに好ましく、25以下が好ましく、16以下がより好ましく、10以下がさらに好ましく、8以下がよりさらに好ましく、3.8以下がよりさらに好ましい前記<1>〜<17>のいずれか1記載の乳化組成物。
<19>成分(F)の水の含有量が、好ましくは、全組成中に50〜98質量%であって、60〜96質量%がより好ましく、70〜95質量%がさらに好ましい前記<1>〜<18>のいずれか1記載の乳化組成物。
<20>成分(A)がモノベヘン酸グリセリル又はモノセチルグリセリルエーテル、成分(B)がセタノール、成分(C)がN−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド)、成分(D)がステアロイルグルタミン酸塩又はスフィンゴシン塩類、成分(E)がN−アミジノ−L−プロリン、成分(F)が水である前記<1>〜<19>のいずれか1記載の乳化組成物。
<21>25℃における粘度が、好ましくは、1000mPa・s〜300000mPa・sであって、2500mPa・s〜100000mPa・sがより好ましく、5000mPa・s〜70000mPa・sがさらに好ましい前記<1>〜<20>のいずれか1記載の乳化組成物。
実施例1〜10及び比較例1〜5
表1及び表2に示す組成の水中油型乳化組成物を製造し、X線による構造解折、伸ばしやすさ、塗布後の肌がなじんだ化粧料で覆われる感じ及び指止まり感を評価した。結果を表1及び表2に併せて示す。但し、実施例1、2、5、6及び10は参考例である。
なお、実施例で得られた水中油型乳化組成物は、X線による構造解析によりα−ゲル構造を有することを確認した。
(製造方法)
成分(A)〜(D)を含む油相成分を、プロペラ撹拌下(300rpm)で80〜95℃で加熱混合して溶解させる。これに、80℃に加熱した成分(E)及び(F)を含む水相成分を加えて乳化した後、プロペラ撹拌(300rpm)をしながら25℃に冷却して、水中油型乳化組成物を得た。
(評価方法)
(1)X線による構造解折:
得られた水中油型乳化組成物について、2θ=10〜30°の広角X線回折ピークより、WilsonとOttの方法(Wilson,D.A. and Ott,E., J.Chem.Phys., 2, 231-238(1934))に従い、結晶構造を決定した。結晶構造についての評価は以下の基準で示した。
A:α型構造が確認された。
B:α型構造が確認されない。
(2)伸ばしやすさ:
専門パネラーにより、各乳化組成物0.2gを手の甲の直径6cmの円の大きさに塗布したとき、伸ばしやすさを、明らかに伸びがよいと判断したときを5、明らかに伸びが良くないと判断したときを1とした5段階で評価した。
(3)塗布後の肌がなじんだ化粧料で覆われる感じ:
専門パネラーにより、各乳化組成物0.2gを手の甲の直径6cmの円の大きさに20秒間塗布し、塗布5分後の肌を指で触ったとき、なじんだ化粧料が明らかに肌を覆う感じがあると判断したときを5、明らかに肌を覆う感じがないと判断したときを1とした5段階で評価した。
(4)指止まり感:
専門パネラーにより、各乳化組成物0.2gを手の甲の直径6cmの円の大きさに20秒間塗布し、塗布5分後の肌を指で触ったとき、指止まり感について、明らかに指止まり感があると判断したときを5、明らかに指止まり感がないと判断したときを1とした5段階で評価した。
試験例1(浸透実験)
表4示す乳化組成物について、N−アミジノ−L−プロリンの浸透量を評価した。結果を表4に併せて示す。
(評価方法)
皮膚の表面を洗浄した後、乳化組成物を2.67×10-3g/cm2 塗布し、30℃で22時間放置した。皮膚を水で湿らせたコットンで洗浄し、乾燥後、皮膚の表面にテープを1回貼り付け、表面残存物を取り除いた。皮膚をBIOPSY PUNCH(直径8mm:カイ インダストリーズ社)で切り取り、1mLの生理食塩水で浸し、超音波処理(20分)を行い、N−アミジノ−L−プロリンを抽出した。抽出液をろ過し(細孔径0.45μm:ADVANTEC)、水で1000倍希釈後、下記条件でLC−MSにより定量分析を行い、N−アミジノ−L−プロリンの浸透量を算出した。
(LC−MS条件)
HPLC:Shimazu Nexcera
カラム:Imtakt Scherzo SS-C18 100*2mm
温度:40℃
移動相: A;0.1%ぎ酸/H2O、 B;1%ぎ酸/アセトニトリル (表3)
流速:0.5mL/min
注入量:5μL
MS:Sciex Triple Quad4500
検出:ESIポジティブ、158.1/70.1
試験例2(浸透実験)
表5(実施例11)及び表6(比較例6)に示す乳化組成物について、N−アミジノ−L−プロリンの浸透量を評価した。結果を表5及び表6並びに図1に示す。
実施例11で得られた水中油型乳化組成物は、X線による構造解析によりα−ゲル構造を有することを確認し、比較例6はα−ゲル構造を有しないことを確認した。
(評価方法)
皮膚の表面を洗浄した後、その皮膚の上に、直径0.75cmの円柱状の穴が開いた厚さ2cmのプレートを固定した。そして、円柱状の穴の中に乳化組成物を1mL/1.77cm2入れ、30℃で22時間放置した。その後、皮膚を水洗浄後、乾燥させ、皮膚の表面にテープを1回貼り付け、表面残存物を取り除いた。皮膚をBIOPSY PUNCH(直径8mm:カイ インダストリーズ社)で切り取り、1mLの生理食塩水で浸し、超音波処理(20分)を行い、N−アミジノ−L−プロリンを抽出した。抽出液をろ過し(細孔径0.45μm:ADVANTEC)、水で1000倍希釈後、下記条件でLC−MSにより定量分析を行い、N−アミジノ−L−プロリンの浸透量を算出した。
(LC−MS条件)
試験例1と同様な条件で行った。

Claims (10)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
    (A)モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル及びモノベヘン酸グリセリルから選ばれる1種以上の有機化合物 0.3〜3.5質量%、
    (B)ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール及びオレイルアルコールから選ばれる1種以上の有機化合物 0.05〜10質量%、
    (C)セラミド類 0.05〜15質量%、
    (D)ポリオキシエチレン基を有するHLB10以上の非イオン界面活性剤、イオン性界面活性剤及びスフィンゴシン塩類から選ばれる1種以上の化合物 0.05〜5質量%、
    (E)N−アミジノ−L−プロリン 0.8〜4質量%、
    (F)水
    を含有し、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計含有量が、1.5〜22質量%である乳化組成物。
  2. 成分(A)が、モノステアリン酸グリセリル及びモノベヘン酸グリセリルから選ばれる1種以上の有機化合物である請求項1記載の乳化組成物。
  3. 成分(A)の含有量が、0.6〜3.5質量%である請求項1又は2記載の乳化組成物。
  4. 成分(B)が、セタノール、ステアリルアルコール及びオレイルアルコールから選ばれる1種以上の有機化合物である請求項1〜のいずれか1項記載の乳化組成物。
  5. 成分(B)が、セタノール及びステアリルアルコールから選ばれる1種以上の有機化合物である請求項1〜4のいずれか1項記載の乳化組成物。
  6. 成分(B)の含有量が、0.05〜1.5質量%である請求項1〜のいずれか1項記載の乳化組成物。
  7. 成分(C)が、天然由来のセラミド及び擬似型セラミドから選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜のいずれか1項記載の乳化組成物。
  8. 成分(D)が、アニオン界面活性剤及びスフィンゴシン塩類から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜のいずれか1項記載の乳化組成物。
  9. 成分(E)に対する成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計の質量割合[((A)+(B)+(C)+(D))/(E)]が、0.4〜25である請求項1〜のいずれか1項記載の乳化組成物。
  10. 成分(E)に対する成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計の質量割合[((A)+(B)+(C)+(D))/(E)]が、1.3〜25である請求項1〜のいずれか1項記載の乳化組成物。
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