JP6650149B2 - 建具の建込み装置及び建具の建込み方法 - Google Patents

建具の建込み装置及び建具の建込み方法 Download PDF

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Description

本発明は、建具の建込み装置及び建込み方法に関する。
従来、建具枠の上レールに、転倒対策がなされた状態で建込まれた建具を備える建込み構造がある。
ところが、従来の構造の場合、建具の建込みは必ずしも容易でない。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、建具の建込みに優れた建具の建込み及び転倒対策を同時に達成した建具の建込み装置及び建込み方法を提供することを目的とする。
本出願に係る発明である請求項1に記載の建具の建込み装置は、建具枠に移動可能に建込まれた建具と、建具の上部を建具の移動方向に案内する上ガイド部材とを備えており、前記上ガイド部材は、前記建具の移動方向に延在する上ガイド溝と、当該上ガイド溝の途中又は端部の位置に形成された拡幅部とを備えており、前記上ガイド溝は、前記上ガイド部材の下端面に、対向配置された一対のリブの間に形成され、前記拡幅部は、前記上ガイド部材の下端面に、前記上ガイド溝を形成する一対のリブの先端縁に切欠きを設けることによって形成され、前記建具は、前記上ガイド溝に移動可能に係合される係合部材を備えており、当該係合部材は、前記建具の前記移動方向への移動時に前記上ガイド溝に案内される係合軸部と、前記上ガイド溝の下端面よりも上方の内側領域に配置される係合笠部とを備えており、前記係合笠部は、前記上ガイド溝の溝幅よりも幅広であると共に、前記拡幅部を介して前記上ガイド溝の下側から前記内側領域に挿入可能であり、後退位置と進出位置とに進退移動可能であると共に前記進出位置に向く付勢力を付与されている、ことを特徴とする。
上述したように、従来の建込み構造においては建具の建込みが難しかった。また、従来の構造の場合、天井等に設置された建具枠のレール部の両端は、通常、壁や柱に当接又は隣接しており、しかもレール部の最終的な設置状態は両端が閉塞された状態である。したがって、レール部が設置された状態で、スライド部材のレール部に係合部材等を挿入する工程を伴うような建具の建込みは容易でなかった。
この点、本発明に係る請求項1の建具の建込み装置であれば、上ガイド部材が設置された状態であっても、極めて容易に建具を建込むことができ、建具の建込みに極めて優れている。また、転倒防止機能も優れている。
ところで、近年の建具は、高さ寸法が高くなる傾向にある。
例えば、20年〜30年前や、それ以前の建具の高さは、1750mm(約5.8尺〜1800mm(約6尺)程度が主流であったが、徐々に建具高さは高くなり、昨今では2000mm、2200mmあるいは2400mmが主流になっている。
このような高さの建具において、従来の建具の建込み構造が用いられている場合、天井等にレールが設置された後にスライド部をレール部に挿入しようとすると、脚立を用意する必要が生じ、脚立に登って作業を行う必要が生じるなど、建具の建込みは煩雑である。また建込み後、建具の建込み状態を確認する際、確認しにくい。
この点、本出願に係る発明では、構成が簡素であり(部品点数が少なく)、視認性に優れた構造であるので、建具の建込みに優れている。また、構成が簡素で(部品点数が少なく)視認性に優れているので、建具の建込み状態の確認も極めて容易である。
本出願に係る発明である請求項2に記載の建具の建込み装置は、さらに、前記建具が、前記上ガイド溝に沿って、一端側限度位置と他端側限度位置との間でスライド移動可能であると共に前記係合部材を1つ以上備えており、前記拡幅部は、前記上ガイド部材に1つ以上形成されており、前記上ガイド部材の少なくともいずれか一つの拡幅部の位置は、前記一端側限度位置に位置する前記建具の1つ以上の前記係合部材の係合笠部のうちの少なくともいずれか一つの係合笠部の位置とは異なる位置に形成されており、且つ、前記他端側限度位置に位置する前記建具の1つ以上の前記係合部材の係合笠部のうちの少なくともいずれか一つの係合笠部の位置とは異なる位置に形成されていることを特徴する。
本出願に係る発明である請求項3に記載の建具の建込み装置は、さらに、前記上ガイド溝が、その両端が閉塞されており、前記建具の各係合部材の係合笠部は、前記建具が一端側限度位置に位置する際の一端側位置と、前記建具が他端側限度位置に位置する際の他端側位置との間で移動可能であり、各係合部材の係合笠部の前記一端側位置と前記他端側位置との間に、前記拡幅部が少なくとも1つ以上形成されていることを特徴とする。
なお、本出願に係る発明の建具の建込み装置では、前記建具の係合部材の数が2以上であり、当該建具が建込まれる前記上ガイド溝に形成された拡幅部の数は、建込まれる建具の係合部材の数と同じである構造を採用することができる。
また、本出願に係る発明の建具の建込み装置では、さらに、前記建具の係合部材の数が2以上であり、当該建具が建込まれる前記上ガイド溝に形成された拡幅部の数は、建込まれる建具の係合部材の数より少ない構造を採用することができる。
本出願に係る発明である請求項4に記載の建具の建込み装置は、さらに、前記係合部材が、建具が建込まれた状態で前記上ガイド溝の下端面よりも上方の内側領域に配置される係合先部をさらに備えており、当該係合先部は、前記係合笠部が前記上ガイド溝の下端面に当接する状態で、前記上ガイド溝内に挿通可能であり、当該係合先部を前記上ガイド溝に沿って前記拡幅部の位置に向けて移動させると、前記係合笠部の位置が前記拡幅部の位置に一致する、ことを特徴とする。
また、本出願に係る発明の建具の建込み装置は、前記係合部材の係合笠部が、後退位置と進出位置とに進退移動可能であると共に前記進出位置に向けて付勢する付勢力が付与されたものであり、前記建具の本体は、前記係合笠部が前記上ガイド部材の内側領域に挿通された状態で、前記上ガイド部材に対して上下方向に移動させることが可能な構造であってもよい。
また、本出願に係る発明の建具の建込み装置は、さらに、建具の下部を前記移動方向に案内する下ガイド部材を備え、前記建具は、さらに、前記下ガイド部材に案内される下係合体を備え、前記係合笠部が前記上ガイド溝の下端面に当接していると共に前記係合先部が前記上ガイド溝に挿通された状態で、前記建具の本体の前記下係合体を前記下ガイド部材に係合可能な構造であってもよい。
上述したように、近年の建具は、高さ寸法が高くなる傾向にある。
この点に関して、本出願に係る発明は、上ガイド溝の下端面に係合笠部が当接し、上ガイド溝に係合先部が挿通された状態で、建具を移動方向にスライドさせると、係合笠部を上ガイド溝の内側領域に移動させることができ、建具を転倒防止機能が発揮される状態に建込むことができる。このように、本発明に係る建具の建込み装置は、建具の高さが高い場合でもワンタッチで建込みをすることができるものであり、建具の建込みに極めて優れており、高さが高い建具における建具の建込み装置として好適である。
本出願に係る発明である請求項5に記載の建具の建込み方法は、建具の移動方向に延在する上ガイド溝及び当該上ガイド溝の途中又は端部の位置に形成された拡幅部を備える上ガイド部材を有し、前記上ガイド溝は、前記上ガイド部材の下端面に、対向配置された一対のリブの間に形成され、前記拡幅部は、前記上ガイド部材の下端面に、前記上ガイド溝を形成する一対のリブの先端縁に切欠きを設けることによって形成する建具枠に対して、前記上ガイド溝に案内される係合軸部と、当該係合軸部に一体に形成された係合笠部とを建具上部に備え、前記係合部材の係合笠部は、後退位置と進出位置とに進退移動可能であると共に前記進出位置に向く付勢力を付与された建具を建込む方法であって、前記建具の係合笠部の位置を、前記上ガイド溝の外側から前記拡幅部の位置に一致させる工程を含む位置合わせ工程と、前記上ガイド溝の溝幅よりも幅広の前記係合笠部を、前記拡幅部を介して前記上ガイド溝の外側から内側に移動させる挿入工程と、前記上ガイド溝の内側に移動された前記係合笠部の位置を、前記拡幅部の位置から前記移動方向に移動させるスライド工程(前記係合軸部を前記上ガイド溝に挿通させる)と、を含むことを特徴とする。
例えば、従来の建具の建込み構造では、転倒防止機能を向上させようとしてレール部とスライド部材とのクリアランスを小さくすると、建具の建込みが難しくなる。
この点、本発明に係る請求項9の建具の建込み方法であれば、上ガイド部材の設置後であっても、極めて容易に建具を建込むことができ、建具の建込みに極めて優れている。また、転倒防止機能も優れている。
本出願に係る発明である請求項6に記載の建具の建込み方法は、さらに、前記位置合わせ工程は各係合部材について行われる工程であり、当該位置合わせ工程のうちの少なくとも1回は、前記上ガイド溝の下端面に隣接又は当接させた前記係合笠部を、当該上ガイド溝に沿って移動方向に移動させて前記拡幅部の位置に一致させる一致工程を含む、ことを特徴とする。
なお、本出願に係る建具の建込み方法は、前記建具が、前記係合軸部に一体に形成された係合先部を備える場合、各係合部材について行われる位置合わせ工程のうちの少なくとも1回は、前記係合笠部を前記上ガイド溝の外側に隣接又は当接させて前記係合先部を前記上ガイド溝内に挿通させる位置合わせ準備工程と、前記係合先部を前記拡幅部に向けて前記上ガイド溝に沿って移動させて、前記係合笠部を前記拡幅部の位置に一致させる一致工程とを含む方法であってもよい。
また、本出願に係る建具の建込み方法の前記挿入工程は、前記拡幅部の位置に一致した前記係合笠部が前記付勢力によって前記進出位置に移動する工程であってもよい。
上述したように、近年の建具は、高さ寸法が高くなる傾向にある。
この点に関して、本出願に係る発明は、上ガイド溝の下端面に係合笠部が当接し、上ガイド溝に係合先部が挿通された状態で、建具を移動方向にスライドさせると、係合笠部を上ガイド溝の内側領域に移動させることができ、建具を転倒防止機能が発揮される状態に建込むことができる。このように、本発明に係る建具の建込み方法は、建具の高さが高い場合でもワンタッチで建込みをすることができるものであり、建具の建込みに極めて優れており、高さが高い建具における建具の建込み装置として好適である。
本出願に係る発明によれば、建込みに優れた建具の建込み装置を提供することができ、建具の建込みに優れた建込み方法を提供することができる。
さらに、優れた転倒防止機能を有する建具の建込み装置および建込み方法を提供することができる。
本実施形態の建具の建込み装置の要部を示す説明名斜視図である。 (A)は、図1に示される建具の建込み装置の要部を示す正面図であり、図2(B)は、図2(A)の建具の上面構造を説明するための説明平面図である。 (A)は、図1に示される建具の構造を示す断面図であり、(B)は別実施形態の建具の構造を示す断面図である。 (A)は、建具の上部に取り付けられたピポットピン(係合部材)の取付け構造を示す分解斜視図であり、(B)は図4(A)の要部の構造を示す説明側面図である。 (A)は、図1に示される上レール(上ガイド部材)の下端面及び下端面に形成された上ガイド溝を示す平面図であり、(B)は、図5(A)の上レールの構造を説明する説明斜視図である。 (A)は、本発明に係る建具の建込み装置の上レールの別の実施形態を示す斜視図であり、(B)は、本発明に係る建具の建込み装置の上レールの、さらに別の実施形態を示す斜視図である。 (A)は、上ガイド溝の拡幅部に位置させたピポットピンの笠部を、上ガイド溝の上側の通路部に対して着脱する工程を説明するための説明側面図であり、(B)は、建込まれた建具の状態を示す説明側面図であり、(C)は、外力Fを受けた建具の下部の戸車が脱輪した状態を示す説明側面図である。 (A)は、本発明に係る建具の建込み装置の別実施形態を示す斜視図であり、(B)は、図8(A)に示される建具の要部を説明するための拡大分解斜視図である。
10…建具、11…建具本体、11a…上桟、11b…下桟、
12…戸車(下係合体)、12a…スライダ、12b…係合ピン、
20…ピポットピン(係合部材)、20a…移動体、20d…間隔寸法、
21…本体部、22…軸部(係合軸部)、23…笠部(係合笠部)、
24…先部(係合先部)、25…バネ(付勢部材)、
30…折り戸、30a,30b…折り戸建具本体、31,32…縦枠、
50,50a…フレーム(建具枠)、51…下レール(下ガイド部材)、51a…ガイドレール、
52,53…左右一対の縦枠、
60…上レール(上ガイド部材)、61…上ガイド溝、61a,61a…一対のリブ、
62…拡幅部、62d…間隔寸法、63…通路部(内側領域)、64…先部ガイド溝、
D…移動方向、Y…上下方向、Z…幅方向、P…区間(移動可能区間)。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本発明に係る建具の建込み装置(間仕切り構造)は、図1に示されるように、建具10と、建具10が建込まれるフレーム(建具枠)50とを有する。
フレーム50は、建具10の移動方向Dに延在する下レール51と、建具10の移動方向Dに延在する上レール(上ガイド部材)60と、フレーム50の両端を構成する上下方向Yに延びる左右一対の縦枠52,53とを備えている。
下レール51は、建具10の下部に設置された戸車12を移動方向Dに案内するものであり、上レール60は建具上部に設置されたピポットピン(係合部材)20を移動方向Dに案内するものである。
上レール60は、図5(B)に示されるように、建具枠50が建物に設置された状態で下側に配置される下端面60aに形成された上ガイド溝61及び拡幅部62と、上ガイド溝61の内側に形成された通路部(内側領域)63とを備えている。
上ガイド溝61は、建具10の移動方向Dに延在するものであり、対向配置された一対のリブ61a,61aの間に(リブ61a,61aの先端縁に挟まれた状態で)形成されている。したがって、上レール60は、その外側に配置された下端面60aや上ガイド溝61が下側に向いた状態で設置され、上レール60の内側に形成される通路部63が上ガイド溝61の上側に位置する状態に設置される(図3参照)。
拡幅部62は、図5及び図1に示されるように、上ガイド溝61の途中位置に形成されている(図1に示される各上レール60には2か所ずつ形成されている)。
より具体的には、拡幅部62は、一対のリブ61a,61aの先端縁に切り欠き(凹部)を設けることによって形成されている。
通路部63は、図5に示されるように、上ガイド溝61に連通する断面形状が矩形の空間であり、建込まれた建具10の後述の笠部23(図3参照)が配置される領域である。通路部63の幅寸法(幅方向Zの寸法)は、上ガイド溝61の幅寸法よりも長い。ここで幅方向Zとは、建具10の移動方向D(上ガイド溝61の延在方向と直交する水平の方向である。
通路部63の高さ寸法(上下方向Yの寸法)は、後述の笠部23の高さ寸法より長い。拡幅部62の幅寸法は上ガイド溝61の幅寸法よりも長い。拡幅部62の最大幅寸法は、通路部63の幅寸法よりも短いが、同じでもよい。
建具10は、図2(A)に示されるように、建具本体11と、フレーム50の下レール51上を移動する戸車(下係合体)12と、上レール60に沿って移動するピポットピン(係合部材)20とを備えている。
建具本体11は、上桟11aと、下桟11bと、上桟11aと下桟11bの間に上下方向Yに延びる左右一対の框(かまち)11c,11cとを有する。
戸車12は下桟11bに設置されており(本実施形態では2つ)、ピポットピン20は上桟11aに設置されている(本実施形態では2つ)。
ピポットピン(係合部材)20は、図4に示されるように、ピポットピン20の本体部21と、建具が建込まれた状態で上ガイド溝61に案内される軸部(係合軸部)22と、建具が建込まれた状態で通路部63に配置される笠部(係合笠部)23(図3参照)と、笠部23よりも先端側(図4(A)における上方)に位置する凸形状の先部(係合先部)24とを備えている。
これらのうち、軸部22、笠部23及び先部24は一体の移動体を構成しており、本体部21に対して進退移動可能に設置されている。
軸部22は上ガイド溝61に挿通可能であり、建込まれた建具10の移動時、上ガイド溝61によって移動方向Dに案内される。軸部22の幅寸法は上ガイド溝61の溝幅よりも短い(幅狭)。
笠部23は、拡幅部62を介して上ガイド溝61の内外に挿通可能である。笠部23の幅寸法は、上ガイド溝61の溝幅より長く(幅広)、拡幅部62の幅寸法より短く、通路部63の幅寸法よりも短い。
先部24は、上ガイド溝61に挿通可能であり、先部24の幅寸法は上ガイド溝61の溝幅よりも短い。
軸部22、笠部23及び先部24が一体に構成されている移動体20aは、本体部21に対して、後退位置(図4(B)の二点鎖線の位置参照)と進出位置(図4(B)の実線の位置参照)とに進退移動可能に設置されている。
ピポットピン20は、さらに、図3及び図4に示されるように、軸部22を進出方向(建込まれた建具における上方向)に向けて付勢する付勢力を付与するバネ(付勢部材)25を備えている。
例えば、建具10のピポットピン20の笠部23や先部24を、設置済みの上ガイド溝61に下側(外側)から当接された状態で、建具10に上向きの力を付与してピポットピン20を上レール60に押し付けると、軸部22、笠部23及び先部24を後退位置に移動させることができる。
なお、ピポットピン20は、ネジ留め等の周知の方法で建具本体11の上桟11aに固定されているので、取り付け構造については詳細な説明を省略する。
ところで、建込まれた建具10(図7(B)参照)は、上レール60及び下レール51に沿って移動するものであり、一方の縦枠52に当接する一端側限度位置(図2(B)の右側の建具10参照)と、他方の縦枠53に当接する他端側限度位置(不図示)との間でスライド移動可能である。
そして、各ピポットピン20の笠部23及び先部24は、建具10が一端側限度位置に位置する際の一端側位置と、建具10が他端側限度位置に位置する際の他端側位置との間で移動可能である。つまり、上ガイド溝61(上レール60)に対して各ピポットピン20の移動体20a(つまり、軸部22、笠部23及び先部24)が移動する区間(以下、移動可能区間と称する)は、一端側位置から他端側位置までの間である。
具体例として、図2(B)において右側に配置された建具10の右側の笠部23の移動可能区間Pを示す。
図2(A)に示されるように、各笠部23(ピポットピン20)の移動可能区間には、少なくとも1つ以上の拡幅部62が形成されている。このような構成であると、建具10の建込みが良い。
各拡幅部62は、図2に示されるように、一端側限度位置に位置する建具10のピポットピン20の笠部23の位置とは異なる位置に形成されており、しかも、他端側限度位置に位置する建具10の係合部材の笠部23の位置とは異なる位置に形成されている。
建具10は、図2に示されるように、いずれか一方の縦枠52,53に接する閉位置又は開位置(一端側限度位置又は他端側限度位置)に位置されることが多いものであるので、拡幅部62の位置が、閉位置(又は開位置)に位置する建具10のピポットピン20の位置からズレた位置であることは、建具転倒対策の観点で好ましい。
次に、上述した建具の建込み方法について説明する。
建込み手順は、概略を説明すると、ピポットピン20の笠部23の位置を上ガイド溝61の拡幅部62の位置に一致させる位置合わせ工程(図1参照)と、拡幅部62を介して笠部23を通路部63に移動させる挿入工程(図7(A)参照)と、通路部63に挿入された笠部23を拡幅部62の位置から移動方向Dに移動させるスライド工程とを含む。
位置合わせ工程では、例えば、上レール60の下端面60aの拡幅部62に向けてピポットピン20の笠部23を、上レール60の下側から上方に移動させて(図1の矢印S1参照)、笠部23の位置を拡幅部62の位置に一致させる(一致工程)。
次に、拡幅部62の位置に一致された笠部23を上ガイド溝61の内側(上方)の通路部63に移動させる(挿入工程、図7(A)参照)。
笠部23は、拡幅部62よりも幅狭であり、バネ25によって進出方向(建込み時における上向き)に付勢されている。
したがって、建具10を上レール60に押し付けるようにしてさらに上向きに移動させると、拡幅部62の位置に一致された笠部23は、拡幅部62を介して上ガイド溝61の上側(内側)の通路部63に移動する。
笠部23はバネ25によって進出方向に付勢されているので、建具を上レール60に押し付けるようにして上向きに移動させたとき、笠部23を、より容易に拡幅部62を介して通路部63に挿入することができる。
そして、戸車12を下レール51に係合させる。
なお、上述した位置合わせ工程において、既に戸車12を下レール51に係合している場合は、ここで行う必要がない。
また、戸車12を浮かせた状態(建具10を持ち上げた保持状態)を維持しつつ、次に説明するスライド工程を行うことも可能である。
次に、通路部63の笠部23を移動方向Dに移動させ、拡幅部62の位置から離間させる離間工程(スライド工程)を行う。
この段階の段階で、未だ戸車12を下レール51に係合していない場合は、スライド工程と同時、あるいはスライド工程の後に、戸車12を下レール51に係合させる工程を行ってもよい。
これにより、建具10の建込みが完了する。
このように、本実施例の建具の建込み方法によれば、簡単に建具を建込むことができる。
なお、建具の建込み完了後、建込みが正常に行われていることを確認する工程(建込み確認工程)を行うことが好ましい。
なお、笠部23の位置が拡幅部62の位置から離間した位置(ズレた位置)に位置するとき、笠部23は、上ガイド溝61を構成する一対のリブ61a,61aに係合している状態である(図7(B)参照)。つまり、ピポットピン20は上レール60に係合している。したがって、この状態で建具10に外力F(図7(C)参照)が加わって、仮に戸車12が下レール51から脱輪したとしても、建具10の上レール60からの脱落や建具10の転倒は防止される。
ところで、上レール60の上ガイド溝61は、通常、その両端が閉塞された状態である(図1参照)。したがって、先に説明した従来の間仕切り装置のように上レール部材の一端開口からスライド部材を挿入するような構造の場合、上レール60を一旦取り外す必要が生じるなど、建具の建込みは容易でない。
この点、本実施形態の建具の建込み装置は、上レール60の設置が完了した状態であっても、フレーム50(上レール60)に対して建具10を容易に建込むことができる構造であり、建込みに優れており、しかも、転倒対策性能にも極めて優れている。
また、建込まれた建具10は、上述した建込み手順の逆の手順を行うことによって簡単に取り外すことができる。
つまり、本実施形態の建具の建込み装置は、建具10の建込みだけでなく、取外し時の作業性にも優れており、しかも、転倒対策性能が損なわることがない。
以上に示した実施の形態および実施例は本発明の例示であり、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、本実施例の下レール51は、戸車12を係合させるものであるが、下レール51の構造としては、これ以外にも、例えば、スライダ12aを摺動させるガイドレール51a(図3(B)参照)など、種々の構成を採用し得る。
拡幅部62の形状としては、上述の実施形態の矩形形状の他に、係合笠部23を挿通可能な種々の形状を挙げることができる。例えば、一対のリブ61a,61aの先端縁に相対向する円弧形状の切り欠き(凹部)を設けた略円形の形状を挙げることができる。
上述の実施形態では、拡幅部62の位置は、上ガイド溝61の途中位置であるが、上ガイド溝61の端部の位置とすることも可能である。例えば、上ガイド溝61の一方の端部だけに拡幅部62が形成されている場合と、上ガイド溝61の両方の端部に拡幅部62が形成されている場合を挙げることができる。
端部に拡幅部62を備える上ガイド溝61は、拡幅部を形成する際の作業性(上レール製造時の加工性)に優れている場合がある。
上記実施形態では、各上ガイド溝61に形成されている拡幅部62の数は2つであり、各建具10に設置された笠部23(ピポットピン20)の数は2つである(図1参照)。つまり、拡幅部62の数は、笠部23(ピポットピン20)の数と同じである。
そして、図5に示されるように、拡幅部62の間隔寸法62dと、ピポットピン20の間隔寸法20dとが一致している。
この場合、建具10の2つの(すべての)笠部23を、対応する拡幅部62に同時に一致させ、通路部63に移動させることができる。
つまり、ここでいう間隔寸法20d,62dの一致とは、例えば、2つの笠部23を、同時に、対応する拡幅部62を介して通路部63に挿入することができる状態の構成であるということができる。
この構造は、ワンステップで建具10の笠部23を通路部63に挿入して建込みを完了することができるという利点がある。
つまり、建具の建込みの観点からすれば、拡幅部62の数は、ピポットピン20の笠部23の数と同じであるか、ピポットピン20の数より多いことが好ましいということができる。
また、上記実施形態の構造とは異なり、拡幅部62の数がピポットピン20の笠部23の数よりも少ない構成でもよい。
つまり、拡幅部62の数の要件は、各上ガイド溝61について1つ以上(1つ又は複数)であるということができる。
例えば、図6(A)に示されるように、各上レール60の上ガイド溝61に、1つの拡幅部62が形成されたフレーム50を挙げることができる。
つまり、この場合、上ガイド溝61に形成されている拡幅部62の数は1つであり、各建具10に設置された笠部23(ピポットピン20)の数は2つである。
この構成の建具の建込み装置において、建具10を建込む場合は、まず、1つ目(いずれか一方)のピポットピン20(笠部23)について、上述した位置合わせ工程、挿入工程及びスライド工程を行い、その後、残る(2つ目以降の他方の)ピポットピン20(笠部23)について、同様に一連の工程を行う。
この場合、建込みのステップ数は増加するが、各工程はいずれも建込みやすい工程であり、建込みに優れていることに変わりはない。
この構成は、拡幅部62の数が笠部23(ピポットピン20)の数より少ない構成であるので、全てのピポットピン20の位置が、同時に、対応する拡幅部62の位置に一致することがない。
上述したように、ピポットピン20は、バネ25によって進出方向に付勢されているので、拡幅部62の位置に位置する状態になっても上レール60から脱落することはないが、このように、全てのピポットピン20の位置が、同時に、いずれかの拡幅部62の位置に一致することが確実に排除された構造は、転倒対策の観点では好ましい。
ところで、建具転倒防止の観点からすれば、建込まれた建具10のピポットピン20の位置が、上レール60の拡幅部62の位置に一致する状態になることは、できるだけ少ない方が好ましい。
そこで、上述の実施形態では、拡幅部62の位置は、いずれか一方の縦枠52,53に接する閉位置又は開位置(一端側限度位置又は他端側限度位置)に建具10が位置する際のピポットピン20の位置からズレた位置に配置されている(図2参照)。
つまり、拡幅部62は、笠部23の一端側位置や他端側位置とは異なる位置(ズレた位置)であることが好ましい。
このような好ましい構成としては、例えば、上レール60の少なくともいずれか一つの拡幅部62の位置が、一端側限度位置に位置する建具10の1つ以上の係合部材の笠部23のうちの少なくともいずれか一つの笠部23の位置とは異なる位置に形成されており、且つ、他端側限度位置に位置する建具10の1つ以上の係合部材の笠部23のうちの少なくともいずれか一つの笠部23の位置とは異なる位置に形成されている構成を挙げることができる。
また、上レール60の拡幅部62の数と、建具10の笠部23の数とが同数の構造においても、全てのピポットピン20の位置が、同時に、いずれかの拡幅部62の位置に一致する状態になることがない構成を採用することができる。つまり、少なくともいずれか1つのピポットピン20(笠部23)が常に上レール60の通路部63に係合している状態が維持される構成である。
この構成は、上述したように建具転倒対策の観点で好ましい構成と考えられる。
このような構成としては、例えば、上レール60に形成された拡幅部62の数が複数であり、建具10が有する笠部23の数が複数である構造のとき、任意に選択された1つの笠部23の位置を、前記複数の拡幅部62のうちのいずれかの拡幅部62の位置に一致させたとき、いずれの拡幅部62の位置にも一致しない笠部23が少なくとも1つ存在するように、各笠部23及び/又は拡幅部62が配置された構成を挙げることができる。
ピポットピン(移動体)としては、先部24を有するものと、先部24を有していないものを挙げることができる。
ピポットピン20が先部24を有している場合、その先部24の幅寸法(又は先部24の先端部の幅寸法)が上ガイド溝61の幅寸法より短ければ、位置合わせ準備工程を行う際に、先部24を上ガイド溝61に挿通させることができ、位置合わせ準備工程をスムーズに行うことができる。
先部24の先端側(建込まれた建具における上方)が先細の先端部(先細部)を有する形状であると、位置合わせ準備工程の際、先部24をスムーズに上ガイド溝61に挿通することができ好ましい。
ピポットピン20が先部24を有する場合、建具が建込まれた状態で、先部24が挿通される先部ガイド溝64(図7(A)参照)を有する構成と、そのような先部ガイド溝64を有していない構成とがある。先部ガイド溝64としては、上ガイド溝61と同様に貫通している構造の溝(図7(A)参照)と、貫通しておらず先部24の先端部のみが係合する断面凹形状の溝とを挙げることができる。
そして、先部ガイド溝64を有する構成の場合、先部ガイド溝64に先部24が挿通されている状態(図7(B)参照)で、笠部23の上側面が上レール60の何らかの部材に当接している構成と、当接しておらず隙間が形成されている構成とがある。
また、建具10の移動体20aの構成としては、建具が建込まれた状態で、通路部63内の笠部23が進出位置まで進出していない構成(以下、この段落では「前者の建込み構造」と称する)と、笠部23が進出位置まで進出している構成(以下、この段落では「後者の建込み構造」と称する)とを挙げることができる。
前者の建込み構造としては、例えば、笠部23の上側面や先部24など、移動体20aの上側面が上レール60の何らかの部材(例えば、通路部63の上面、あるいは先部ガイド64の下面など)に当接している場合を挙げることができる。
前者の建込み構造の場合、建込まれた建具10を下レール51に沿って移動させたとき、笠部23の上側面(又は先部24)が上レール60に摺動しつつ移動方向Dにスライド移動される。
後者の建込み構造の場合、建具10を移動させたとき、笠部23の上側面(及び先部24)が上レール60と摺動しない状態で、移動方向Dにスライド移動される。
また、建込み構造(建具の高さ寸法)としては、次のようなことが考えられる。
ピポットピン20(移動体20a)が先部24を有していない場合でも、同様に考えられるが、先部24を有している場合に特に適合する。
例えば、ピポットピン20の先部24を上ガイド溝61の下側(外側)から、当該上ガイド溝61内に挿通させた状態で、笠部23を上ガイド溝61の下端面60aに当接させたときに、建具10の戸車12を下レール51に係合できる建具の建込み構造(以下、この段落では「前者の建込み構造」と称する)と、戸車12が下レール51を構成する部材やその周辺の部材と干渉して係合できない建具の建込み構造(以下、この段落では「後者の建込み構造」と称する)である。
別言すれば、前者の建込み構造は、建具10を建込んだ状態で、仮に笠部23を後退位置に移動させることができたとき、笠部23の後退位置が、上ガイド溝61よりも下方の位置である構造である。なお、上ガイド溝61よりも下方の位置とは、例えば、上ガイド溝61(リブ61a)の下端面60aよりも下方である場合や、上ガイド溝61(リブ61a)の上端面よりも下方である場合を挙げることができる。
そして、後者の建込み構造は、建具10を建込んだ状態で、仮に笠部23を後退位置に移動させることができたとき、笠部23の後退位置が、上ガイド溝61(上ガイド溝61の下端面60a)よりも上方の位置である構造である。
前者の建込み構造においては、建込みの初期段階(例えば、位置合わせ工程の段階や、挿入工程の段階)で、建具10の戸車12を下レール51に係合できるので、その後の建込みが極めて容易であるという特徴を有する。
他方、後者の建込み構造は、建具の建込み後の戸車12の脱輪が極めてより確実に防止されており、建具の転倒対策として優れている。
建具の建込み構造としては、建具が建込まれた状態で、上ガイド溝61(リブ61a)の上面と笠部23(笠部の下側面)とが接する構成と、両者の間に隙間が形成されている構成がある。
そして、上ガイド溝61(リブ61a)の上面と笠部23との間に隙間が形成される構成の場合、その隙間距離は短い方が好ましい。
例えば、隙間距離が笠部23の厚さより短い構成や、リブ61aの厚さより短い構成を挙げることができる。
また、建具の建込み構造としては、建具が建込まれた状態で、上レール60の通路部63内の笠部23が進出位置に進出している構成と、進出していない構成とがある。
建具が建込まれた状態で上レール60の通路部63内の笠部23が進出位置に位置する建込み構造においては、建具10に外力F(図7(C)参照)が加わって仮に建具10の戸車12が下レール51から脱輪したとしても、ピポットピン20の軸部22が本体部21からさらに伸び出すようなことがないので、戸車12の下レール51からの逸脱距離は最小限に抑制される。
建具が建込まれた状態で上レール60の通路部63内の笠部23が進出位置に位置しており、しかも上ガイド溝61(リブ61a)の上面と笠部23との間に隙間が形成されている構成であると、建具10を移動方向Dにスムーズにスライド移動させることができる。
ピポットピン(係合部材)としては、笠部23が進退移動しない構成(建具本体11に固定された構造)も考えられるが、上述したように、本実施形態で用いられているピポットピン20は、軸部22、笠部23及び先部24が本体部21に対して上下方向に進退移動可能に設置されたものである。なお、ピポットピン20としては、笠部23及び先部24が軸部22(本体部)21に対して進進退移動可能に取り付けられた構成でもよい。
また、建具の建込み方法も種々改変可能である。
例えば、一致工程には、上述した、笠部23を上向きに移動させつつ拡幅部62の位置に直接一致させる方法の他の方法がある。
上述した方法すなわち、笠部23を上向きに移動させる方法を用いる場合、ピポットピン20は、先部24を備えていないものでもよい。
これに対して、先部24を有するピポットピン20を用いる場合は、上述の動作とは別の動作で、笠部23を拡幅部62の位置に一致させることができる。
その動作としては、例えば、笠部23を上ガイド溝61に沿って移動させる動作を挙げることができる。
なお、上ガイド溝61に沿って笠部23を移動させて両者の位置を一致させる場合は、一致工程の前に、位置合わせ準備工程が行われる。
位置合わせ準備工程とは、ピポットピン20の先部24を上ガイド溝61に挿通させつつ笠部23を上ガイド溝61の下端面60aに隣接又は当接させる工程である。
ここで、位置合わせ準備工程における具体的な動作を説明する。
位置合わせ準備工程では、まず、建具10のピポットピン20の先部24を、上ガイド溝61に下側(外側)から挿通させ、建具10に上向きの力を付与してピポットピン20を上レール60に押し付け、笠部23が上ガイド溝61の下端面60aに隣接又は当接させる。また、必要に応じて、建具10をさらに上向きに押し付けて笠部23を後退位置に位置させてもよい。
この状態であると、その後に行うスライド工程のとき、上ガイド溝61に挿通されたピポットピン20の先部24を上ガイド溝61に沿ってスムーズに移動させることができる。
つまり、上ガイド溝61の下端面60aに当接しているピポットピン20の笠部23を、上ガイド溝61に沿って、スムーズに拡幅部62の位置に向けて移動させることができる。
ところで、先部24を上ガイド溝61に下側から挿通させた後、スライド工程の前やスライド動作中に、戸車を下レールに係合できる場合がある。この場合は、スライド工程前またはスライド動作中に、必要に応じて、戸車を下レールに係合させる戸車係合工程(建具仮建込み工程)を行うことができる。
ここでは、先部24が上ガイド溝61に挿通された状態で笠部63が上ガイド溝61の下面に当接しており、しかも、戸車12が下レール51に係合された状態を、建具仮建込み状態と称することとする。
なお、スライド工程の前あるいはスライド動作中に戸車係合工程を行うことができる建具の建込み構造とは、上述したように、建具が建込まれた状態で、仮に笠部23を後退位置に移動させることができたとすると、笠部23の後退位置が、上ガイド溝61よりも下方の位置である構造である。
スライド工程前またはスライド動作中に戸車12を下レール51に係合させると、建具10は、ピポットピン20の先部24が上ガイド溝61に挿通され、戸車12が下レール51に係合された状態になり、この状態で一致工程を行うことができる状態になる。
この状態であれば、仮建込み状態の建具10を移動方向Dに移動させるだけで、簡単、迅速かつ確実に、笠部23の位置を拡幅部62の位置に一致させることができる。
なお、戸車12の下レール51への係合が挿入工程の前に既に行われている場合は、笠部23の位置が拡幅部62の位置に一致したとき、バネ25の付勢力によって笠部23が通路部63に挿入され、挿入工程が完了する。
なお、本発明に係る構成は上レールに吊り下げ状態に建込まれる建具10など、戸車12を備えていない建具にも採用可能である。このような建具の建込みでは、通常、建具10の下端が床面から浮いた状態で建具10を建込むことになる。このような建具における位置合わせ工程や挿入工程は、戸車12が下レール51に係合していない状態で建込まれる建具10と同様であるということができる。
ところで、建具10としては、建込む者が片手で保持できないほどの重量が用いられる場合も少なくなく、このような重量物を床から浮かせた状態で保持しつつ位置合わせ工程や挿入工程を行うことは容易でない。近年、建具の長大化が進んでおり、建具の建込みは益々困難になるおそれがある。
この点、位置合わせ工程において、上述したような位置合わせ準備工程を用いることができれば、高さ寸法が長い長大な建具や重量の重い建具であっても、簡単、迅速かつ確実に建込むことができる。
建具10に設置するピポットピン(係合部材)20は1つ以上であればよい。例えば、笠部23が上ガイド溝61の延在方向に延びる長尺形状であれば、1つのピポットピン20で建具10を移動方向Dに案内できる場合がある。ただし、建具10のスライド安定性等の観点では、係合部材は、2つ以上が好ましい。
また、上記実施形態の建具10は、いわゆる引き戸であり、建具本体11は一枚の板状の構造であるが、本発明に係る建具としては、畳み可能な構造の建具であってもよい。
折り畳み可能な建具としては、例えば、複数の板状の建具本体が折り畳み可能に連結された、いわゆる折り戸(図8参照)と称される建具を挙げることができる。
折り戸を構成する複数の建具本体のうち、両端に配置された建具本体は、隣接する建具本体と連結されている一方の縦枠部と、折り戸の端部を構成する他方の縦枠部とを有する。
例えば、図8に示される建具の建込み装置の折り戸30は、2枚の板状の折り戸建具本体30a,30bが折り畳み可能に連結されたものである。そして、各建具本体30a.30bは、一方の縦枠31で折り畳み可能に相互に連結されており、他方の縦枠32が折り戸30の両端部を構成している。
つまり、図8に示される折り戸30を構成する2つの建具本体30a,30bは、いずれも、折り戸30の両端に配置された建具本体である。
なお、図8に示される建具の建込み装置のフレーム50aについては、先に説明した建具の建込み装置のフレーム50と共通する構成については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図8に示される折り戸30をフレーム50aに建込む工程は、上述の建具と同様、位置合わせ工程と、挿入工程と、スライド工程を含む。
したがって、各工程の内容のうち、上述した内容と共通する事項については、その詳細な説明を省略することがある。
折り戸30の建込み方法としては、折り戸30を構成する建具本体30a,30bを相互に固定して行う方法と、回動可能な状態のまま建込む方法と、建込みの途中(例えば挿入工程の途中など)に、固定状態から回動可能状態にする方法などを挙げることができる。
そして、上述の建具10と同様、複数のピポットピン20を同時に通路部63に挿入する方法と、複数回に分けて(例えば、1つずつ)挿入する方法とを挙げることができる。
図8に示される折り戸30の建込みでは、まず、2つの建具本体30a,30bを完全に折り畳んだ状態にする。この状態は折り戸30を安定した状態で取り扱うことができ好ましい。固定具などを用いて両建具本体30a,30bを固定するとより取扱性が向上する。
そして、両建具本体30a,30bの上部のピポットピン20,20を上レール60の上ガイド溝61の拡幅部62に一致させる(位置合わせ工程)。
図8は、折り畳まれた状態の一方の建具本体30aのピポットピン20と他方の建具本体30bのピポットピン20の間隔寸法と、上レール60の2つの拡幅部62の間隔寸法が一致していない構成を示すものであり、この場合は、まず一方のピポットピン20を対応する拡幅部62の位置に一致させ、次に、折り畳んだ状態の折り戸30を開きつつ他方のピポットピン20を対応する拡幅部62の位置に一致させる。
なお、折り戸30を折り畳んだ状態で両ピポットピン20の間隔と2つの拡幅部62の間隔が一致している構成の場合は、2つのピポットピン20を同時に、対応する拡幅部62の位置に一致させることができる。
そして、両ピポットピン20の位置を対応する拡幅部62の位置に一致させると、次に、拡幅部62の位置に一致された両ピポットピン20を上レール60の通路部63に挿通する(挿入工程)。
なお、挿入工程前、挿入工程と同時あるいは挿入工程に続けて、一方の建具本体30aの下側の係合ピン12bを、下レール51にスライド可能に設置されたスライダ55の係合穴に係合させる。同様に、他方の建具本体30bの下側の係合ピン12cを、下レール51にスライド可能に係合させる。
さらに、一方の建具本体30aの他方の縦枠32の上端に取り付けられたピポットピン20を、所定の位置(図8においては、フレーム50の一方の縦枠52側の端部の位置)に移動させる(スライド工程)。
同時に、一方の建具本体30aの係合ピン12bが係合されたスライダ55を、所定の位置(図8においては、フレーム50の一方の縦枠52側の端部の位置)に移動させてネジ留め等によって固定する。なお、建込み時の建具の安定性の観点では、同時に、一方の建具本体30aの上端のピポットピン20についても、上レール60等に固定することが好ましい。
そして、続けて、他方の建具本体30bの上端のピポットピン20を、上ガイド溝61に沿って移動させる(スライド工程)。
これにより、折り戸30の建込みが完了する。
本発明に係る建具の建込み構造及び建込み方法は、種々の建具の建込み構造及び建込み方法として適しているということができる。

Claims (6)

  1. 建具枠50に移動可能に建込まれた建具10と、建具10の上部を建具10の移動方向Dに案内する上ガイド部材60とを備える建具10の建込み装置であり、
    前記上ガイド部材60は、前記建具10の移動方向Dに延在する上ガイド溝61と、当該上ガイド溝61の途中又は端部の位置に形成された拡幅部62とを備えており、
    前記上ガイド溝61は、前記上ガイド部材60の下端面60aに、対向配置された一対のリブ61a,61aの間に形成され、
    前記拡幅部62は、前記上ガイド部材60の下端面60aに、前記上ガイド溝61を形成する一対のリブ61a,61aの先端縁に切欠きを設けることによって形成され、
    前記建具10は、前記上ガイド溝61に移動可能に係合される係合部材20を備えており、
    当該係合部材20は、前記建具10の前記移動方向Dへの移動時に前記上ガイド溝61に案内される係合軸部22と、前記上ガイド溝61の下端面よりも上方の内側領域63に配置される係合笠部23とを備えており、
    前記係合笠部23は、前記上ガイド溝61の溝幅よりも幅広であると共に、前記拡幅部62を介して前記上ガイド溝61の下側から前記内側領域63に挿入可能であり、後退位置と進出位置とに進退移動可能であると共に前記進出位置に向く付勢力を付与されている、ことを特徴とする建具の建込み装置。
  2. 前記建具10は、前記上ガイド溝61に沿って、一端側限度位置と他端側限度位置との間でスライド移動可能であると共に前記係合部材20を1つ以上備えており、
    前記拡幅部62は、前記上ガイド部材60に1つ以上形成されており、
    前記上ガイド部材60の少なくともいずれか一つの拡幅部62の位置は、前記一端側限度位置に位置する前記建具10の1つ以上の前記係合部材20の係合笠部23のうちの少なくともいずれか一つの係合笠部23の位置とは異なる位置に形成されており、且つ、前記他端側限度位置に位置する前記建具10の1つ以上の前記係合部材20の係合笠部23のうちの少なくともいずれか一つの係合笠部23の位置とは異なる位置に形成されている、請求項1に記載の建具の建込み装置。
  3. 前記上ガイド溝61は、その両端が閉塞されており、
    前記建具10の各係合部材20の係合笠部23は、前記建具10が一端側限度位置に位置する際の一端側位置と、前記建具10が他端側限度位置に位置する際の他端側位置との間で移動可能であり、
    各係合部材20の係合笠部23の前記一端側位置と前記他端側位置との間に、前記拡幅部62が少なくとも1つ以上形成されている、請求項2に記載の建具の建込み装置。
  4. 前記係合部材20は、建具10が建込まれた状態で前記上ガイド溝61の下端面よりも上方の内側領域63に配置される係合先部24をさらに備えており、
    当該係合先部24は、前記係合笠部23が前記上ガイド溝61の下端面に当接する状態で、前記上ガイド溝61内に挿通可能であり、
    当該係合先部24を前記上ガイド溝61に沿って前記拡幅部62の位置に向けて移動させると、前記係合笠部23の位置が前記拡幅部62の位置に一致する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の建具の建込み装置。
  5. 建具10の移動方向Dに延在する上ガイド溝61及び当該上ガイド溝61の途中又は端部の位置に形成された拡幅部62を備える上ガイド部材60を有し、前記上ガイド溝61は、前記上ガイド部材60の下端面60aに、対向配置された一対のリブ61a,61aの間に形成され、前記拡幅部62は、前記上ガイド部材60の下端面60aに、前記上ガイド溝61を形成する一対のリブ61a,61aの先端縁に切欠きを設けることによって形成する建具枠50に対して、前記上ガイド溝61に案内される係合軸部22と、当該係合軸部22に一体に形成された係合笠部23とを建具上部に備え、前記係合部材20の係合笠部23は、後退位置と進出位置とに進退移動可能であると共に前記進出位置に向く付勢力を付与された建具の建込み方法であって、
    前記建具10の係合笠部23の位置を、前記上ガイド溝61の外側から前記拡幅部62の位置に一致させる工程を含む位置合わせ工程と、
    前記上ガイド溝61の溝幅よりも幅広の前記係合笠部23を、前記拡幅部62を介して前記上ガイド溝61の外側から内側に移動させる挿入工程と、
    前記上ガイド溝61の内側に移動された前記係合笠部23の位置を、前記拡幅部62の位置から前記移動方向Dに移動させるスライド工程と、を含む建具の建込み方法。
  6. 記位置合わせ工程は各係合部材20について行われる工程であり、
    当該位置合わせ工程のうちの少なくとも1回は、前記上ガイド溝61の下端面に隣接又は当接させた前記係合笠部23を、当該上ガイド溝61に沿って移動方向Dに移動させて前記拡幅部62の位置に一致させる一致工程を含む、請求項5に記載の建具の建込み方法。
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