JP6649919B2 - 塗工装置及び塗工膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、塗工装置及び塗工膜の製造方法に関する。
従来、塗工装置として、例えば、シート部材等の被塗工物に塗工液を塗工する塗工ローラを備えたグラビア塗工装置が知られている。
この種のグラビア塗工装置は、外周面に凹部を有する円柱状の塗工ローラと、塗工ローラの外周面に塗工液を供給する供給部とを備える。該グラビア塗工装置は、塗工ローラの外周面に供給された塗工液を被塗工物に接触させつつ、塗工ローラを回転させることによって、塗工液を被塗工物に連続的に塗工するように構成されている。
かかるグラビア塗工装置では、供給された塗工液が塗工ローラの外周面の凹部に入り込み、外周面の一部が被塗工物と接触しつつ塗工ローラが回転する。これにより、被塗工物と接触した外周部の塗工液が被塗工物に塗工される。また、かかるグラビア塗工装置では、塗工ローラの外周面から塗工液が被塗工物に転写されて塗工され、さらに塗工ローラが回転する。そして、凹部内に空隙ができた外周面へ、供給部から塗工液が供給される。
このような塗工装置として、塗工ローラと、該塗工ローラの凹部に塗工液を供給する供給部とを備え、該供給部が、塗工ローラの回転方向下流側でシールしつつ塗工ローラに付着した余分な塗工液を擦り切って除去するドクターブレード(第1のブレード部材)と、塗工ローラの回転方向上流側で塗工液をシールするシールプレート(第2のブレード部材)とを有して構成されたものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2002−186888号公報
しかし、特許文献1に記載された塗工装置では、塗工液に空気が混入した状態で該塗工液が被塗工物に転写され、気泡の混入という塗工不良が発生するおそれがあり、十分に安定して塗工を行い得るとはいい難い。
本発明は、上記事情に鑑み、塗工不良を抑制しながら塗工液を被塗工物に塗工することを可能とする塗工装置及び塗工膜の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく本発明者から鋭意研究したところ、下記の知見を見出した。
すなわち、供給部から塗工液が漏れることを防止する第2のブレード部材と塗工ローラとが接触している位置で、塗工液に空気が気泡として混入することを見出した。また、このように塗工液に気泡が混入する原因として、供給部のチャンバーから第2のブレード部材が突出している部分の長さが関係していることを見出した。
さらに、この原因について鋭意研究を行ったところ、塗工ローラの軸方向に沿って視たとき、塗工ローラに圧接されていない状態(すなわち、自然な状態)での第2のブレード部材の突出方向に沿った第2のブレード部材の基端と塗工ローラとの間の距離よりも、第2のブレード部材の基端から先端までの長さの方が、0.1〜5mm長く設定されることによって、供給部における塗工ローラの回転方向上流側にて、第2のブレード部材と塗工ローラとの間から塗工液に気泡が混入することを抑制し得ることを見出した。
そして、このように設定することによって、塗工ローラの回転方向上流側で塗工液に気泡が混入することを抑制し、これによって塗工後の塗工膜の不良を抑制し得ることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る塗工装置は、
相対的に移動する被塗工物に塗工液を塗工する塗工ローラであって、外周面に凹部を有する塗工ローラと、
チャンバーを有し前記塗工ローラの外周面の少なくとも前記凹部に前記チャンバー内の前記塗工液を供給する供給部とを備え、
前記塗工ローラを回転させつつ、前記凹部に供給された塗工液を前記被塗工物に接触させることにより、前記塗工液を前記被塗工物に塗工して塗工膜を形成するように構成され、
前記供給部は、前記塗工液を擦り切るように前記チャンバーから前記塗工ローラの外周面に向けて突出し、且つ、前記塗工ローラに圧接されている第1のブレード部材と、該第1のブレード部材よりも前記塗工ローラの回転方向上流側にて前記塗工液の漏出を抑制するように前記チャンバーから前記塗工ローラの外周面に向けて突出し、且つ、前記塗工ローラに圧接されている第2のブレード部材とを備え、
前記塗工ローラの軸方向に沿って視たとき、前記塗工ローラに圧接されていない状態での前記第2のブレード部材の突出方向における前記第2のブレード部材の基端と前記塗工ローラとの距離よりも、前記第2のブレード部材の前記基端から先端までの長さの方が、0.1〜5mm長く構成されている。
かかる構成によれば、上記第2のブレードの基端と塗工ローラとの間の距離よりも上記第2のブレード部材の基端から先端までの長さの方が0.1〜5mm長いことによって、供給部における塗工ローラの回転方向上流側にて、第2のブレードと塗工ローラとの間から塗工液に気泡が混入することを抑制し得る。
このように、供給部に対して塗工ローラが入る側において、塗工液に気泡が混入することを抑制し得る。
従って、塗工不良を抑制しながら塗工液を被塗工物に塗工することが可能となる。
上記構成の塗工装置においては、
前記第1のブレード部材と前記塗工ローラとの接触部分よりも、前記チャンバー内の前記塗工液の最上部の方が高く位置するように構成されていてもよい。
ここで、本発明者らは、前述した知見に加えて、第1のブレード部材と塗工ローラとが接触している位置から、該第1のブレード部材を通過した後の塗工ローラ上の塗工液に空気が気泡として混入することも見出した。また、このように第1のブレード部材を通過した後の塗工ローラ上の塗工液に気泡が混入する原因として、第1のブレード部材と塗工ローラとの接触部分に対するチャンバー内の塗工液の表面の高さが関係していることも見出した。
そして、第1のブレード部材と塗工ローラとの接触部分よりもチャンバー内の塗工液の最上部が高くなるように設定することによって、塗工ローラの回転方向下流側にて、第1のブレード部材と塗工ローラとの間から第1のブレード部材を通過した後の塗工ローラ上の塗工液(被塗工物に転写される直前の塗工液)に気泡が混入することを抑制し得ることも見出した。
このように、上記最短で結ぶ距離よりも上記第2のブレード部材の突出長さの方が0.1〜5mm長いことに加えて、さらに、第1のブレード部材と塗工ローラとの接触部分よりもチャンバー内の塗工液の表面を高く設定することによって、塗工ローラの回転方向上流側だけでなく、下流側でも塗工液に気泡が混入することを抑制し得ることも見出した。
すなわち、かかる構成によれば、第1のブレード部材と塗工ローラとの接触部分よりも、チャンバー内の塗工液の表面の方が高く位置することよって、供給部における塗工ローラの回転方向下流側で第1のブレード部材を通過した後の塗工ローラ上の塗工液に気泡が混入することを抑制し得る。
これにより、供給部に対して塗工ローラが出る側において、塗工液に気泡が混入することを抑制し得る。
すなわち、供給部に対して塗工ローラが入る側及び出る側の双方において、塗工液に気泡が混入することを抑制し得る。
従って、塗工不良をより抑制しながら塗工液を被塗工物に塗工することが可能となる。
本発明の塗工膜の製造方法は、
相対的に移動する被塗工物に塗工液を塗工する塗工ローラであって、外周面に凹部を有する塗工ローラを回転させつつ、前記凹部に供給された塗工液を前記被塗工物に接触させることにより、前記塗工液を前記被塗工物に塗工して塗工膜を形成する塗工工程を備え、
前記塗工工程は、
チャンバーを有し前記塗工ローラの外周面の少なくとも前記凹部に前記チャンバー内の前記塗工液を供給する供給部を用い、前記塗工ローラの外周面の少なくとも前記凹部に、前記チャンバー内の前記塗工液を供給する供給工程を有し、
前記供給部は、前記塗工液を擦り切るように前記チャンバーから前記塗工ローラの外周面に向けて突出し、且つ、前記塗工ローラに圧接されている第1のブレード部材と、該第1のブレード部材よりも前記塗工ローラの回転方向上流側にて前記塗工液の漏出を抑制するように前記チャンバーから前記塗工ローラの外周面に向けて突出し、且つ、前記塗工ローラに圧接されている第2のブレード部材とを備え、
前記塗工ローラの軸方向に沿って視たとき、前記塗工ローラに圧接されていない状態での前記第2のブレード部材の突出方向に沿った前記第2のブレード部材の基端と前記塗工ローラとの距離よりも、前記第2のブレード部材の前記基端から先端までの長さの方を、0.1〜5mm長くする方法である。
かかる構成によれば、前述のとおり、供給部に対して塗工ローラが入る側において、チャンバー内の塗工液に気泡が混入することを抑制し得る。
従って、塗工不良を抑制しながら塗工液を被塗工物に塗工することが可能となる。
以上の通り、本発明によれば、塗工不良を抑制しながら塗工液を被塗工物に塗工することを可能とする塗工装置、及び、塗工膜の製造方法が提供される。
本発明の一実施形態の塗工装置を塗工ローラの回転軸に垂直な方向に切断した断面を概略的に示す断面図 本実施形態で用いられる塗工ローラの凹部を部分的に拡大して概略的に示す断面図 本実施形態で用いられる第1のブレード部材と、チャンバー内の塗工液の液面との関係を概略的に示す断面図 本実施形態で用いられる第2のブレード部材と塗工ローラとの位置関係を概略的に示す断面図 本実施形態で用いられる第2のブレード部材が塗工ローラに圧接されていない状態を概略的に示す断面図 試験例1の結果を示すグラフ 試験例2の結果を示すグラフ
以下、本発明の実施形態に係る塗工装置について、図面を参照しながら説明する。本実施形態では、被塗工物50としてシート部材50を採用した例について説明するが、被塗工物50は、シート部材50に限定されるものではない。
本実施形態の塗工装置1は、図1〜図5に示すように、相対的に移動する被塗工物50に塗工液30を塗工する塗工ローラ2であって、外周面に凹部2aを有する塗工ローラ2と、チャンバーを有し塗工ローラ2の外周面の少なくとも凹部2aにチャンバー内の塗工液30を供給する供給部3とを備える。
本実施形態の塗工装置1は、塗工ローラ2を回転させつつ、凹部2aに供給された塗工液30を被塗工物50に接触させることにより、塗工液30を被塗工物50に塗工するように構成されている。上記のような塗工ローラ2を備えた塗工装置1は、一般的に、グラビア塗工装置と称される。
本実施形態の塗工装置1においては、供給部3は、塗工液30を擦り切るようにチャンバー3aから塗工ローラ2の外周面に向けて突出し、且つ、塗工ローラ2に圧接されている第1のブレード部材6と、該第1のブレード部材6よりも塗工ローラ2の回転方向上流側にて塗工液30の漏出を抑制するようにチャンバー3aから塗工ローラ2の外周面に向けて突出し、且つ、塗工ローラ2に圧接されている第2のブレード部材8とを備える。
本実施形態の塗工装置1は、塗工ローラ2の軸方向に沿って視たとき、塗工ローラ2に圧接されていない状態での第2のブレード部材8の突出方向に沿った第2のブレード部材8の基端8aと塗工ローラ2との間の距離よりも、第2のブレード部材8の基端8aから先端8bまでの長さの方が、0.1〜5mm長く構成されている。
本実施形態の塗工装置1は、供給部3にて塗工液30を塗工ローラ2の外周面に供給し、外周面に供給された塗工液30のうち凹部2a外の塗工液30を第1のブレード部材6によって除去するように構成されている。また、本実施形態の塗工装置1は、供給部3に対してシート部材50を相対的に所定方向に移動させるように構成されている。また、本実施形態の塗工装置1は、塗工ローラ2を一方向に回転させながら、塗工ローラ2の外周面に供給された塗工液30の一部を、被塗工物50としてのシート部材50に接触させつつ、凹部2a内の塗工液30をシート部材50に連続的に塗工するように構成されている。また、塗工ローラ2の回転方向と、シート部材50の移動方向とが、塗工部分にて反対方向となるように構成されている。
前記塗工液30は、通常、シート部材50に塗工された後に、該シート部材50上で固化して塗工膜40となるものである。塗工液30としては、例えば硬化するポリマー材料を含む溶液が挙げられる。硬化するポリマー材料としては、熱硬化性材料、紫外線硬化性材料、電子線硬化性材料等が挙げられる。これらのうち、上記ポリマー材料は、紫外線硬化性材料が好ましい。
なお、塗工とは、印刷やコーティングを含むものである。
前記塗工液30の粘度は、特に限定されないが、0.5〜100mPa・sが好ましく、10〜50mPa・sがより好ましい。
なお、塗工液30の粘度は、レオメータ(型式RS1、HAAKE社製)を用い、20℃にて、せん断速度1(1/s)の条件で測定した値である。
シート部材50は、通常、帯状に形成されている。シート部材50としては、例えば、樹脂フィルムが挙げられる。
前記シート部材50の幅は、通常、塗工ローラ2の回転軸方向の長さよりも短い。
シート部材50の厚みは、特に限定されないが、例えば、5〜80μm程度であり、10〜70μmが好ましい。
前記塗工ローラ2は、円柱状に形成されている。塗工ローラ2は、円柱軸を回転軸として回転するように構成されている。
前記塗工ローラ2は、外周面に供給された塗工液30の一部がシート部材50の一部と接触するように配置されている。そして、塗工ローラ2は、少なくとも1回転することによって、外周面上の塗工液が周方向に沿ってシート部材50と接触するように構成されている。
図2に示すように、前記塗工ローラ2の外周面は、円柱状の塗工ローラ2の円柱軸方向の一方側から見て円周に沿って配された周囲面部2bと、周囲面部2bよりも内側に窪んだ凹部2aとを有する。
前記凹部2aは、塗工ローラ2の外周面に複数形成されている。また、凹部2aは、塗工ローラ2の外周面の全体にわたって多数形成されている。
本実施形態の塗工装置1においては、凹部2aの形状は、特に限定されず、例えば、線状に形成されていてもよい。線状に形成された凹部2aとしては、互いに交差する複数の線状の溝によって形成されたハニカム状の凹部2aや、互いに交差しない(例えば平行の)複数の線状の溝によって形成された凹部2a等が挙げられる。
また、かかる線状の凹部2aが、100〜2500線/インチであるように形成されていてもよい。
塗工ローラ2の外径は、特に限定されないが、例えば、60〜120mmである。なお、かかる外径は、塗工ローラ2の最外周の直径である。
塗工ローラ2の外径の回転速度は、特に限定されないが、例えば、10〜150m/分である。なお、かかる回転速度は、塗工ローラ2の外周面の移動速度である。
塗工ローラ2の長手方向の長さ(幅)は、特に限定されるものではないが、例えば、500mm〜2500mmである。
シート部材50の移動速度は、特に限定されないが、例えば、5〜100m/分である。
本実施形態の塗工装置1は、シート部材50が塗工ローラ2の外周面に押圧されるように構成されている。
本実施形態の塗工装置1においては、シート部材50の張力は、特に限定されるものではない。例えば、シート部材50の移動方向における塗工液30が塗工される位置よりも下流側のシート部材の張力が、50〜1000N/mであることが好ましく、100〜500N/mであることが好ましい。
前記供給部3は、内部に貯めた塗工液30を塗工ローラ2の外周面に供給するチャンバー3aと、チャンバー3aに塗工液30を流入させる流入経路3bと、チャンバー3aから塗工液30を流出させる流出経路3cと、流出経路3cを経て流出した塗工液30を流入経路3bに送って循環させるための循環用タンク3dとを有する。
前記チャンバー3aは、塗工ローラ2の外周面に、塗工液30を供給するように構成されている。
前記チャンバー3aは、塗工液30の供給先側が開口した中空形状に形成されている。前記チャンバー3aは、内部空間を塗工液30で充たしつつ、上記開口から塗工ローラ2の外周面に塗工液30を供給するように構成されている。即ち、前記チャンバー3aは、一般的にクローズドチャンバーと称されるものである。
前記チャンバー3aは、塗工液30がシート部材50に塗工される部分よりも前方側に配置されている。また、チャンバー3aは、上記の開口が塗工ローラ2の外周面に沿うように配置されている。
前記チャンバー3aは、流入経路3bから流入した塗工液30を貯めるように構成されている。また、チャンバー3aは、塗工液30が漏れ出ないように、塗工ローラ2の外周面と近接する部分に、第2のブレード部材8を有する。チャンバー3aは、第2のブレード部材8により、塗工液30が漏れ出すことを抑えつつ、内部に貯めた塗工液30の一部を塗工ローラ2の外周面に供給するように構成されている。
前記流入経路3bは、一方側が循環用タンク3dとつながり、他方側がチャンバー3aとつながっている。流入経路3bは、塗工液30を送るためのポンプ4を有する。流入経路3bは、ポンプ4によって送液された塗工液30を循環用タンク3dからチャンバー3aに送るように構成されている。
前記ポンプ4としては、例えば、ギアポンプ、ダイアフラムポンプ、プランジャーポンプ、スネークポンプ、といった従来公知のポンプが挙げられる。
前記流出経路3cは、一方側がチャンバー3aとつながり、他方側が循環用タンク3dとつながっている。流出経路3cは、チャンバー3aから循環用タンク3dへ塗工液30を送るように構成されている。
前記循環用タンク3dは、流出経路3cを経て送られてきた塗工液30を一時的に貯めるように構成されている。
前記供給部3は、流入経路3bから流入した塗工液30をチャンバー3aに貯め、貯めた塗工液30の一部を塗工ローラ2の外周面に供給するように構成されている。また、前記供給部3は、チャンバー3aにて塗工ローラ2の外周面に供給されなかった塗工液30を流出経路3cを経て循環用タンク3dへ送るように構成されている。このように、供給部3は、塗工液30を循環させつつ、循環させている塗工液30の一部を塗工ローラ2の外周面に供給するように構成されている。
前記第1のブレード部材6は、供給部3における塗工ローラ2の回転方向下流側をシールしつつ、塗工ローラ2の外周面に供給された塗工液30のうち凹部2a外の塗工液30を除去するように構成されている。
第1のブレード部材6は、塗工ローラ2の回転方向におけるチャンバー3aの最も下流側に配置され、塗工ローラ2に圧接されている。第1のブレード部材6は、通常、板状に形成されている。第1のブレード部材6は、少なくとも一部が、塗工ローラ2の外周面の周囲面部2bに接触するように配置されている。
第1のブレード部材6は、上記の接触部分Pで、塗工ローラ2の外周面の周囲面部2bに付着した塗工液30を取り除き、凹部2a内の塗工液30を残すように構成されている。
第1のブレード部材6としては、例えば、ドクターブレードが挙げられる。
第1のブレード部材6は、例えば、ステンレス等の金属材料によって形成される。
第1のブレード部材6は、ビス等の固定部材61によってチャンバー3aに固定されている。
図3に示すように、第1のブレード部材6は、塗工ローラ2との接触部分Pにおける該塗工ローラ2に対する接線が延びている方向に対する傾斜角度θ1が0〜45°となるように、塗工ローラ2に対して圧接されている。
本実施形態では、第1のブレード部材6と塗工ローラ2との接触部分Pよりも、チャンバー3a内の塗工液30の最上部(ここでは塗工液30の液面)30aの方が高く位置するように構成されている。すなわち、第1のブレード部材6と塗工ローラ2との接触部分Pよりも、チャンバー3a内の塗工液30の最上部30aの高さdの方が上方に位置するように構成されている。
第1のブレード部材6の配置は、第1のブレード部材6と塗工ローラ2との接触部分Pよりも塗工液30の最上部30aが高い位置に配されるような配置であれば、特に限定されない。例えば、第1のブレード部材6は、上記接触部分Pに対する塗工液30の最上部30aの高さdが、0mmを超えて10mm以下であるように配されることが好ましい。
第1のブレード部材6の厚みは、0.1〜1mmが好ましく、0.1〜0.5mmがより好ましい。
第2のブレード部材8は、供給部3から塗工液30が漏れないようにシールするように構成されている。
第2のブレード部材8は、塗工ローラ2の回転方向におけるチャンバー3aの最も上流側に配置され、塗工ローラ2に圧接されている。すなわち、第1のブレード部材6よりも塗工ローラ2の回転方向上流側に配されている。また、第2のブレード部材8は、第1のブレード部材6の下方に配されている。すなわち、チャンバー3a内において塗工液30が下方から上方に移動するように構成されている。
第2のブレード部材8は、ビス等の固定部材81によってチャンバー3aに固定されている。
第2のブレード部材8は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル(PEs)等の樹脂材料によって形成される。
本実施形態の塗工装置1においては、図4及び図5に示すように、第2のブレード部材8は、塗工ローラ2に圧接されていない状態での第2のブレード部材8の突出方向(図4の白抜き矢印参照)に沿った仮想直線Nと、該仮想直線Nと塗工ローラ2の外周面との交点を通る該外周面に対する仮想接線Sとのなす傾斜角度θ2が0〜90°となるように、塗工ローラ2に対して圧接されている。
第2のブレード部材8の厚みは、0.1〜1mmが好ましく、0.1〜0.5mmがより好ましい。
図4及び図5に示すように、塗工ローラ2の軸方向に沿って視たとき、塗工ローラ2に圧接されていない状態での第2のブレード部材8の突出方向に沿った第2のブレード部材8の基端8aと塗工ローラ2との距離L(mm)よりも、第2のブレード部材8の基端8aから先端8bまでの長さW(mm)の方が、0.1〜5mm長く構成されている。すなわち、上記距離Lに対する上記長さWの差Eが、0.1〜5mmであるように構成されている(W−L=E)。
距離Lは、例えば、10〜50mmとされ得る。
図4及び図5に示すように、上記距離Lは、塗工ローラ2に圧接されていない状態での第2のブレード部材8の突出方向に沿って、第2のブレード部材8の基端8a(すなわち、第2のブレード部材の根元)と塗工ローラ2とを結ぶ最短距離に相当する。さらに換言すれば、上記距離Lは、塗工ローラ2に圧接されていない状態での第2のブレード部材8の突出方向に沿って、第2のブレード部材8の基端8aから塗工ローラ2に向けて仮想直線Nを延ばしたとき、該仮想直線Nが基端8aから塗工ローラ2に到達するまでの距離に相当する。
図5に示すように、上記長さWは、第2のブレード部材8が塗工ローラに圧接されていない状態での、第2のブレード部材8のチャンバー3aから突出している部分の長さに相当する。
本実施形態では、上記距離Lよりも、上記長さWの方が、0.1〜5mm長く構成されており、0.1〜3mm長く構成されていることが好ましい。
本実施形態の塗工装置1は、第1のブレード部材6によって塗工ローラ2の外周面の凹部2aに残存した塗工液30を、シート部材50に転写することにより、塗工を行って塗工膜40を形成するように構成されている。
本実施形態の塗工装置1においては、シート部材50に塗工された塗工液30の厚みが、0.1〜10μmであってもよい。
次に、本発明の塗工膜の製造方法の一実施形態について説明する。本実施形態の塗工膜40の製造方法は、上記の塗工装置1を用いることによって行うことができる。
本実施形態の塗工膜40の製造方法は、
相対的に移動する被塗工物50に塗工液30を塗工する塗工ローラ2であって、外周面に凹部2aを有する塗工ローラ2を回転させつつ、前記凹部2aに供給された塗工液30を前記被塗工物50に接触させることにより、前記塗工液30を前記被塗工物50に塗工して塗工膜40を形成する塗工工程を備える。
前記塗工工程は、チャンバー3aを有し前記塗工ローラ2の外周面の少なくとも前記凹部2aに前記チャンバー3a内の前記塗工液30を供給する供給部3を用い、前記塗工ローラ2の外周面の少なくとも前記凹部2aに、前記チャンバー3a内の前記塗工液30を供給する供給工程を有する。
前記供給部3は、前記塗工液30を擦り切るように前記チャンバー3aから前記塗工ローラ2の外周面に向けて突出し、且つ、前記塗工ローラ2に圧接されている第1のブレード部材6と、該第1のブレード部材6よりも前記塗工ローラ2の回転方向上流側にて前記塗工液30の漏出を抑制するように前記チャンバー3aから前記塗工ローラ2の外周面に向けて突出し、且つ、前記塗工ローラ2に圧接されている第2のブレード部材8とを備えている。
本実施形態の塗工膜40の製造方法においては、塗工ローラ2の軸方向に沿って視たとき、塗工ローラ2に圧接されていない状態での第2のブレード部材8の突出方向に沿った第2のブレード部材8の基端8aと塗工ローラ2との間の距離よりも、第2のブレード部材8の基端8aから先端8bまでの長さの方を、0.1〜5mm長くする。
また、本実施形態の塗工膜40の製造方法では、前記第1のブレード部材6と前記塗工ローラ2との接触部分Pよりも、前記チャンバー3a内の前記塗工液30の最上部30aの方が高く位置するように構成されている。
前記塗工工程では、例えば上記の供給部3によって、上述したように、塗工液30を循環させつつ塗工ローラ2の外周面の凹部2aに塗工液30を供給する。
このように塗工液30が供給されつつ、塗工ローラ2が回転することにより、塗工ローラ2の外周面の凹部2aに供給された塗工液30が被塗工物50に塗工される。即ち、凹部2a内の塗工液30が被塗工物50に接触して転写されて、塗工膜40が形成される。
上記の通り、本実施形態の塗工装置1は、
相対的に移動する被塗工物50に塗工液30を塗工する塗工ローラ2であって、外周面に凹部2aを有する塗工ローラ2と、チャンバーを有し塗工ローラ2の外周面の少なくとも凹部2aにチャンバー内の塗工液30を供給する供給部3とを備え、
供給部3は、塗工液30を擦り切るようにチャンバー3aから塗工ローラ2の外周面に向けて突出し、且つ、塗工ローラ2に圧接されている第1のブレード部材6と、該第1のブレード部材6よりも塗工ローラ2の回転方向上流側にて塗工液30の漏出を抑制するようにチャンバー3aから塗工ローラ2の外周面に向けて突出し、且つ、塗工ローラ2に圧接されている第2のブレード部材8とを備え、
塗工ローラ2の軸方向に沿って視たとき、塗工ローラ2に圧接されていない状態での第2のブレード部材8の突出方向に沿った第2のブレード部材8の基端8aと塗工ローラ2との間の距離よりも、第2のブレード部材8の基端8aから先端8bまでの長さの方が、0.1〜5mm長く構成されている。
かかる構成によれば、上記第2のブレード部材8の基端8aと塗工ローラ2との間の距離Lよりも上記第2のブレード部材8の基端8aから先端8bまでの長さWの方が0.1〜5mm長いことによって、供給部3における塗工ローラ2の回転方向上流側にて、第2のブレード部材8と塗工ローラ2との間から塗工液30に気泡が混入することを抑制し得る。
このように、供給部3に対して塗工ローラ2が入る側において、塗工液30に気泡が混入することを抑制し得る。
従って、塗工不良を抑制しながら塗工液30を被塗工物50に塗工することが可能となる。
本実施形態の塗工装置においては、
前記第1のブレード部材6と前記塗工ローラ2とが接触している領域よりも、前記チャンバー3a内の前記塗工液30の最上部30aの方が高く位置するように構成されている。
ここで、本発明者らは、前述した知見に加えて、第1のブレード部材6と塗工ローラ2とが接触している位置で、塗工液30に空気が気泡として混入することも見出した。また、このように塗工液30に気泡が混入する原因として、第1のブレード部材6と塗工ローラ2との接触部分Pに対する塗工液30の最上部(例えば液面)30aの高さが関係していることも見出した。
そして、第1のブレード部材6と塗工ローラ2との接触部分Pよりも塗工液30の最上部30aが高くなるように設定することによって、塗工ローラ2の回転方向下流側にて、第1のブレード部材6と塗工ローラ2との間から塗工液30に気泡が混入することを抑制し得ることも見出した。
このように、上記最短で結ぶ距離Lよりも上記第2のブレード部材8の突出長さWの方が0.1〜5mm長いことに加えて、さらに、第1のブレード部材6と塗工ローラ2との接触部分Pよりも塗工液30の最上部30aを高く設定することによって、塗工ローラ2の回転方向上流側だけでなく、下流側でも塗工液30に気泡が混入することを抑制し得ることも見出した。
すなわち、かかる構成によれば、第1のブレード部材6と塗工ローラ2との接触部分Pよりも、チャンバー3a内の塗工液30の最上部30aの方が高く位置することよって、供給部3における塗工ローラ2の回転方向下流側で塗工液30に気泡が混入することを抑制し得る。
これにより、供給部3に対して塗工ローラ2が出る側において、塗工液30に気泡が混入することを抑制し得る。
すなわち、供給部3に対して塗工ローラ2が入る側及び出る側の双方において、塗工液30に気泡が混入することを抑制し得る。
従って、塗工不良をより抑制しながら塗工液30を被塗工物50に塗工することが可能となる。
本実施形態成の塗工装置においては、
前記塗工液の粘度が、0.5〜100mPa・sであってもよい。
本実施形態成の塗工装置においては、
前記塗工液が、紫外線硬化樹脂を含んでいてもよい。
本実施形態の塗工膜40の製造方法は、
相対的に移動する被塗工物50に塗工液30を塗工する塗工ローラ2であって、外周面に凹部2aを有する塗工ローラ2を回転させつつ、前記凹部2aに供給された塗工液30を前記被塗工物50に接触させることにより、前記塗工液30を前記被塗工物50に塗工して塗工膜40を形成する塗工工程を備え、
前記塗工工程は、
チャンバー3aを有し前記塗工ローラ2の外周面の少なくとも前記凹部2aに前記チャンバー3a内の前記塗工液30を供給する供給部3を用い、前記塗工ローラ2の外周面の少なくとも前記凹部2aに、前記チャンバー3a内の前記塗工液30を供給する供給工程を有し、
前記供給部3は、前記塗工液30を擦り切るように前記チャンバー3aから前記塗工ローラ2の外周面に向けて突出し、且つ、前記塗工ローラ2に圧接されている第1のブレード部材6と、該第1のブレード部材6よりも前記塗工ローラ2の回転方向上流側にて塗工液30の漏出を抑制するようにチャンバー3aから塗工ローラ2の外周面に向けて突出し、且つ、塗工ローラ2に圧接されている第2のブレード部材8とを備え、
塗工ローラ2の軸方向に沿って視たとき、塗工ローラ2に圧接されていない状態での第2のブレード部材8の突出方向に沿った第2のブレード部材8の基端8aと塗工ローラ2との間の距離よりも、第2のブレード部材8の基端8aから先端8bまでの長さの方を、0.1〜5mm長くする方法である。
かかる構成によれば、前述のとおり、供給部3に対して塗工ローラ2が入る側において、塗工液30に気泡が混入することを抑制し得る。
従って、塗工不良を抑制しながら塗工液30を被塗工物50に塗工することが可能となる。
以上の通り、本実施形態によれば、塗工不良を抑制しながら塗工液30を被塗工物50に塗工することを可能とする塗工装置1、及び、塗工膜40の製造方法が提供される。
本実施形態の塗工装置1及び塗工膜40の製造方法は、上記の通りであるが、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の意図する範囲内において適宜設計変更されることが可能である。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に示す条件下にて、試験例1の塗工装置を稼働させ、塗工膜の製造方法を行った。
(試験例1)
上記実施形態の塗工装置を稼働させ、シート上に塗工された塗工液(塗工膜)中の欠点数を計測することによって塗工性能を調べた。なお、稼働時の詳細な稼働条件は、下記の通りである。
シート部材の移動速度:20m/分
シート部材の移動方向と塗工ローラの回転方向:反対方向
塗工ローラの外周面の回転速度比(対シート部材移動速度):1.6
塗工ローラの凹部:ハニカム状、1500線/インチ、2mL/m
塗工液:アルフォン(40wt%)
塗工液の粘度:40mPa
供給部にて塗工液を循環
第1のブレード部材(材質:ステンレス、厚み:0.2mm)
第2のブレード部材(材質:樹脂(プラスチック)、厚み:0.2mm)
第2のブレード部材についての上記距離Lに対する上記長さWの差(W−L):0mm、0.1mm、0.3mm、1mm、3mm、5mm、8mm、L=20mm
第1のブレード部材と塗工ローラとの接触部分に対する液面の位置(高さ)d:−2、0mm、2mm、10mm
(粘度の測定)
レオメータ(型式RS1、HAAKE社製)を用い、20℃にて、せん断速度1(1/s)の条件で塗工液の粘度を測定した。
(塗工性能)
シート部材に塗布された塗工液の外観を分解能35μmのカメラにて観察し、幅30mm×長さ100mの領域の範囲でスジやムラの数量を計数することよって、塗工性能を評価した。結果を表1、図6に示す。
表1、図6に示すように、上記距離Lに対する上記長さWの差(W−L)が、0.1〜5mmである場合には、この範囲を外れる場合よりも、欠点数が少なくなった。一方、上記差(W−L)が0mmの場合には、塗工液が漏れて、塗工することができなかった。
この傾向は、第1のブレード部材と塗工ローラとの接触部分に対するチャンバー内の塗工液の最上部(ここでは液面)の高さdによらず、伺えることがわかった。
また、上記高さdが0mmの場合(両者の高さが一致する場合)及び−2mmの場合(塗工液の最上部の方が低い場合)よりも、上記高さdが2mmの場合(塗工液の最上部の方が高い)の方が、欠点数が少なくなることがわかった。
(試験例2)
第2のブレード部材の材質を試験例1と同様とし、液面の高さdを−2mmに設定しつつ厚みを0.4mmに変更すること、及び、第2のブレード部材の厚みを0.2mmとし、液面の高さを−2mmに設定しつつ材質をステンレスに変更すること以外は試験例1と同様にして、塗工性能を評価した。結果を表2、図7に示す。
なお、表2、図7には、試験例1において、液面の高さdを−2mmに設定し、厚みを0.2mmに設定した場合の結果(表1)を、併せて示す。
表2、図7に示すように、第2のブレード部材の材質が樹脂(プラスチック)である場合には、厚みの違いによる欠点数の違いは見られなかった。
一方、第2のブレード部材の材質がステンレスである場合には、該第2のブレード部材が十分に撓らないことから、塗工ローラに十分に圧接されないため、チャンバー内に気泡が入り、塗工液(塗工膜)の欠点数は増加した。
以上のように本発明の実施の形態及び実施例について説明を行なったが、各実施の形態及び実施例の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態及び実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1:塗工装置、
2:塗工ローラ、2a:凹部、2b:周囲面部、
3:供給部、3a:チャンバー、3b:流入経路、3c:流出経路、3d:循環用タンク、
6:第1のブレード部材(ドクターブレード)、
8:第2のブレード部材、
30:塗工液、30a:最上部、
50:被塗工物(シート部材)

Claims (3)

  1. 相対的に移動する被塗工物に塗工液を塗工する塗工ローラであって、外周面に凹部を有する塗工ローラと、
    チャンバーを有し前記塗工ローラの外周面の少なくとも前記凹部に前記チャンバー内の前記塗工液を供給する供給部とを備え、
    前記塗工ローラを回転させつつ、前記凹部に供給された塗工液を前記被塗工物に接触させることにより、前記塗工液を前記被塗工物に塗工して塗工膜を形成するように構成され、
    前記供給部は、前記塗工液を擦り切るように前記チャンバーから前記塗工ローラの外周面に向けて突出し、且つ、前記塗工ローラに圧接されている第1のブレード部材と、該第1のブレード部材よりも前記塗工ローラの回転方向上流側にて前記塗工液の漏出を抑制するように前記チャンバーから前記塗工ローラの外周面に向けて突出し、且つ、前記塗工ローラに圧接されている第2のブレード部材とを備え、
    前記塗工ローラの軸方向に沿って視たとき、前記塗工ローラに圧接されていない状態での前記第2のブレード部材の突出方向に沿った前記第2のブレード部材の基端と前記塗工ローラとの間の距離よりも、前記第2のブレード部材の前記基端から先端までの長さの方が、0.1〜5mm長く構成された、塗工装置。
  2. 前記第1のブレード部材と前記塗工ローラとの接触部分よりも、前記チャンバー内の前記塗工液の最上部の方が高く位置するように構成された、請求項1に記載の塗工装置。
  3. 相対的に移動する被塗工物に塗工液を塗工する塗工ローラであって、外周面に凹部を有する塗工ローラを回転させつつ、前記凹部に供給された塗工液を前記被塗工物に接触させることにより、前記塗工液を前記被塗工物に塗工して塗工膜を形成する塗工工程を備え、
    前記塗工工程は、
    チャンバーを有し前記塗工ローラの外周面の少なくとも前記凹部に前記チャンバー内の前記塗工液を供給する供給部を用い、前記塗工ローラの外周面の少なくとも前記凹部に、前記チャンバー内の前記塗工液を供給する供給工程を有し、
    前記供給部は、前記塗工液を擦り切るように前記チャンバーから前記塗工ローラの外周面に向けて突出し、且つ、前記塗工ローラに圧接されている第1のブレード部材と、該第1のブレード部材よりも前記塗工ローラの回転方向上流側にて前記塗工液の漏出を抑制するように前記チャンバーから前記塗工ローラの外周面に向けて突出し、且つ、前記塗工ローラに圧接されている第2のブレード部材とを備え、
    前記塗工ローラの軸方向に沿って視たとき、前記塗工ローラに圧接されていない状態での前記第2のブレード部材の突出方向に沿った前記第2のブレード部材の基端と前記塗工ローラとの間の距離よりも、前記第2のブレード部材の前記基端から先端までの長さの方を、0.1〜5mm長くする、塗工膜の製造方法。
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