JP6649101B2 - タッチローラー、紙乾燥装置及び紙の製造方法 - Google Patents

タッチローラー、紙乾燥装置及び紙の製造方法 Download PDF

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本発明は、湿式抄紙機のヤンキードライヤーパートにおいて、湿紙をヤンキードライヤーローラーの表面に圧接して乾燥する、いわゆる熱圧乾燥の実施に使用するタッチローラーに関する。
従来、タオルペーパー等の比較的高坪量の家庭紙を製造する場合、そのような厚物の紙専用の湿式抄紙機と呼べるようなものが一般には普及していないため、ティッシュペーパー等の比較的低坪量で厚みの薄い紙の製造に使用される湿式抄紙機が転用されているのが実情である。図2には、タオルペーパーの製造に従来使用されている湿式抄紙機、即ちティッシュペーパーの如き薄物の紙の製造用の湿式抄紙機の一例が示されている。
図2に示す湿式抄紙機90は、紙料調整パート90Aと、フォーミングパート90Bと、第1ドライパート90Cと、第2ドライパート90Dと、ワインダーパート90Eとを含んで構成されている。湿式抄紙機90においては、先ず紙料調整パート90Aにおいて、調製装置91から供給された紙料を所定の濃度に調節してフォーミングパート90Bに供給し、次いでフォーミングパート90Bにおいて、供給された紙料から抄き網(図示の形態では円網)92により連続帯状の湿紙WPを形成し、形成された湿紙WPをワイヤー93上に転移させてサクションボックス94による吸引により湿紙WPから水分を所定量除去し、さらに、その湿紙WPに無端フェルトFを合流させて第1ドライパート90Cに導入する。そして、第1ドライパート90Cにおいて、湿紙WPと無端フェルトFとの積層体を、対向配置された一対のプレスローラー95,95間を通過させることで、湿紙WPを圧搾脱水した後、第2ドライパート90Dの入口において、該積層体を無端フェルトF側からタッチローラー96で押圧することで、所定温度に加熱されたヤンキードライヤーローラー97の表面に湿紙WPを転移・圧接させて乾燥させて、製造目的物である紙DPを得る。第2ドライパート90Dの出口には、ヤンキードライヤーローラー97の表面に張り付いている紙DPを該表面から剥離すると共に、紙DPにいわゆるドライクレープを形成するドクターブレード98が配置されている。ドクターブレード98によってヤンキードライヤーローラー97の表面から剥離された連続帯状の紙DPは、ワインダーパート90Eによってロール状に巻き取られる。
湿式抄紙機90を用いて紙を製造する場合に、抄速を上げて製造効率の向上を高めるためには、ドライパートにおける湿紙の乾燥効率の向上が不可欠であり、特に、第2ドライパート90Dの如きヤンキードライヤーパートにおける湿紙の熱圧乾燥効率の向上が不可欠である。そして、この熱圧乾燥を制御する重要な要素の1つとなり得るのが湿式抄紙機90におけるタッチローラー96、即ち、ヤンキードライヤーパートの入口において湿紙をヤンキードライヤーローラーの表面に圧接させるローラーである。タッチローラーによる湿紙の熱圧乾燥の態様如何によっては、乾燥不十分となる、紙の幅方向での水分分布が不均一となって紙に皺が入る等の不都合が生じるおそれがある。
タッチローラーに関し、例えば特許文献1には、坪量50〜140g/m2、密度0.55〜0.70g/cm3の片艶クラフト紙の製造において、ヤンキードライヤーパートの入口で湿紙をヤンキードライヤーローラーの表面に圧接する際のタッチローラーの線圧について、従来70〜90kg/cmであったのを、特許文献1記載発明においては40〜50kg/cmとするのが好ましい旨記載されている。特許文献1によれば、斯かる線圧の制御によって、機械パルプの使用によって得た嵩高さや手肉感を失わずに、湿紙表面の平滑度を上げることができるとされている(特許文献1の〔0009〕、〔0010〕、〔0033〕及び〔0036〕等参照)。
また特許文献2には、坪量30〜100g/m2の電池用セパレータ用不織布の製造において、湿式抄紙法により形成した繊維ウェブをヤンキードライヤーによって熱圧乾燥する際に、製造安定性の確保等の観点から、タッチローラーにヤンキードライヤーローラーとの間隙を調整するジャッキを取り付けること、タッチローラーの内部構造を水冷式構造とすること等が記載され、加えて、タッチローラーのJIS K6253に準じて測定される硬度を50以上85以下とすること、タッチローラーの表面温度を110℃以下にすること等も記載されている(特許文献2の〔0026〕及び〔0027〕等参照)。
特開2009−299208号公報 特開2014−173192号公報
タオルペーパー等の比較的高坪量で嵩高即ち低密度な家庭紙を製造する場合に、製造効率の向上等の観点から湿式抄紙機における抄速(湿紙の搬送速度)を上げると、乾燥対象の湿紙が高坪量故に本来的に乾燥しにくいものであるため、ヤンキードライヤーパートでの乾燥がその抄速アップに追い付かず、乾燥不良となるおそれがあり、また、湿紙の幅方向即ち搬送方向と直交する方向における水分の分布が不均一となるため、製品となる紙に皺が入り品質の低下を招くおそれがある。高坪量且つ低密度の嵩高な紙を、皺を発生させずに効率良く製造し得る技術、特に斯かる観点に基づくヤンキードライヤーパートにおけるタッチローラーの改良技術は未だ提供されていない。
本発明の課題は、タオルペーパーのような高坪量且つ低密度の紙を湿式抄紙法によって製造する場合に、皺の発生を抑制しつつ湿紙を効率良く乾燥することができ、高品質の紙を効率良く製造し得る技術を提供することに関する。
本発明は、坪量32g/m2以上、密度0.7g/cm3以下の紙の湿式抄紙法による製造時において、搬送中の湿紙に接触しながら中心軸周りに回転しつつ、該湿紙をヤンキードライヤーローラーの表面に圧接するタッチローラーであって、圧接対象と接触する外周面を有する本体部を備え、該本体部は、軸長方向中央部の直径が軸長方向端部の直径に比して大きいクラウン形状をなし、該軸長方向中央部の直径が570〜850mm、該軸長方向中央部の直径と該軸長方向端部の直径との差が0.5〜1.5mmであるタッチローラーである。
また本発明は、坪量32g/m2以上、密度0.7g/cm3以下の紙の湿式抄紙法による製造時において湿紙を加熱乾燥する紙乾燥装置であって、ヤンキードライヤーローラーと、該ヤンキードライヤーローラーの近傍に配置され、搬送中の湿紙に接触しながら中心軸周りに回転しつつ、該湿紙を該ヤンキードライヤーローラーの表面に圧接するタッチローラーとを備え、前記タッチローラーは、圧接対象と接触する外周面を有する本体部を備え、該本体部は、軸長方向中央部の直径が軸長方向端部の直径に比して大きいクラウン形状をなし、該軸長方向中央部の直径が570〜850mm、該軸長方向中央部の直径と該軸長方向端部の直径との差が0.5〜1.5mmである紙乾燥装置である。
また本発明は、搬送中の湿紙の片面にタッチローラーを押し当てることで、該湿紙をヤンキードライヤーローラーの表面に圧接して該湿紙を乾燥する工程を有し、坪量32g/m2以上、密度0.7g/cm3以下の紙を製造する方法であって、前記タッチローラーは、圧接対象と接触する外周面を有する本体部を備え、該本体部は、軸長方向中央部の直径が軸長方向端部の直径に比して大きいクラウン形状をなし、該軸長方向中央部の直径が570〜850mm、該軸長方向中央部の直径と該軸長方向端部の直径との差が0.5〜1.5mmである紙の製造方法である。
本発明によれば、タオルペーパーのような高坪量且つ低密度の紙を湿式抄紙法によって製造する場合に、皺の発生を抑制しつつ湿紙を効率良く乾燥することができ、高品質の紙を効率良く製造し得るタッチローラー、紙乾燥装置及び紙の製造方法が提供される。
図1は、本発明のタッチローラーの一実施形態の全体の概略図である。 図2は、従来の湿式抄紙機の概略構成図である。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき、図面を参照しながら説明する。図1には、本発明のタッチローラーの一実施形態が示されている。図1に示すタッチローラー1は、紙の湿式抄紙法による製造時において、搬送中の湿紙に接触しながら中心軸周りに回転しつつ、該湿紙をヤンキードライヤーローラーの表面に圧接するもので、その用途は、図2に示す従来の湿式抄紙機90におけるタッチローラー96と同じである。つまり、湿式抄紙機90において、タッチローラー96に代えて本実施形態のタッチローラー1を使用することができる。
タッチローラー1は、図1に示すように、本体部2と、本体部2における軸長方向Xの両端部から同方向外方に延出する部分を有する回転中心軸3とを有している。本体部2は、タッチローラー1の圧接対象(紙)と接触する外周面を有する部位であり、芯金(図示せず)と、該芯金の外周面を被覆し、本体部2の外周面を形成する弾性層20とを含んで構成されている。芯金の材質は特に制限されず、通常は金属製である。タッチローラー1は、軸長方向Xの中央部の直径RCが軸長方向Xの端部の直径RSに比して大きいクラウン形状をなしている。軸長方向Xは、回転中心軸3の延びる方向である。直径RCは、本体部2の軸長方向Xの中央位置での直径であり、直径RSは、本体部2の軸長方向Xの端位置での直径である。タッチローラー1(本体部2)は、軸長方向Xの中央を通って軸長方向Xと直交する方向(法線方向)に延びる仮想直線VLを基準として左右対称に形成されている。
タッチローラー1は、「坪量32g/m2以上、密度0.7g/cm3以下の紙」(以下、「特定紙」ともいう)の製造に使用されるものであり、このような比較的高坪量且つ低密度の特定紙の製造に使用されて初めて所定の効果が発現される。前記特定紙の代表的な用途は、タオルペーパー(ペーパータオルとも呼ばれる)である。タオルペーパーは周知の通り、手などに付着した水分や汚れなどを拭い取るのに使用される使い捨てのタオルであり、強度、吸水性及び柔軟性に優れ、手触りが良好であることなどが要望される。タッチローラー1は、斯かる要望に応え得るタオルペーパー、具体的には例えば、引張強さ、吸水度、保水量が下記特定範囲内にあるタオルペーパーを、従来に比して効率良く製造することができる。
前記特定紙の坪量は、好ましくは32〜100g/m2、さらに好ましくは32〜70g/m2、より好ましくは32〜49g/m2である。
前記特定紙の密度は、好ましくは0.2〜0.6g/cm3、さらに好ましくは0.22〜0.5g/cm3、より好ましくは0.25〜0.4g/cm3である。
前記特定紙の無荷重下における厚みは、好ましくは0.095〜0.140mm、さらに好ましくは0.100〜0.135mmである。
前記特定紙がタオルペーパー用途である場合、そのJIS P8113に準じて測定される乾燥引張強さは、縦方向(機械方向:Machine Direction)においては、好ましくは0.55〜1.30kN/m、さらに好ましくは0.60〜1.15kN/mであり、横方向(機械方向と直交する方向:Cross Direction)においては、好ましくは0.28〜0.60kN/m、さらに好ましくは0.32〜0.50kN/mである。
また、前記特定紙がタオルペーパー用途である場合、そのJIS P8135に準じて測定される湿潤引張強さは、縦方向(機械方向:Machine Direction)においては、好ましくは0.10〜0.50kN/m、さらに好ましくは0.15〜0.40kN/mである。
また、前記特定紙がタオルペーパー用途である場合、その吸水度は、好ましくは25〜60秒/10mm、さらに好ましくは25〜45秒/10mmである。この吸水度は、JIS P8141に準じて測定されるクレム法において、浸漬した水が上昇した高さが10mmになるまでの時間を測定したものである。
また、前記特定紙がタオルペーパー用途である場合、その保水量は、好ましくは75〜120g/m2、さらに好ましくは80〜115g/m2である。この保水量は次の方法によって測定される。即ち、評価対象(前記特定紙)について100mm×100mmの平面視正方形形状の試験片を用意し、該試験片を23℃の水に10分間浸した後に取り出し、常温常圧の環境下で該試験片の面に沿う方向を垂直方向に沿うようにして該試験片を吊るして乾燥し、その吊るされた状態の該試験片から水が90秒以上滴下しなくなった時点で試験片の重量を測定し、その測定した重量と水に浸す前の重量との差を算出して1m2あたりに換算し、その換算値を当該評価対象の保水量とする。
前記特定紙は、高坪量であること等により本来的に乾燥しにくいものであるため、図2に示す如き湿式抄紙機90において製造効率の向上等を目的として抄速(湿紙の搬送速度)を上げると、ヤンキードライヤーパートでの乾燥がその抄速アップに追い付かず、乾燥不良を起こすという課題があった。また、従来のタッチローラーを用いて製造された前記特定紙は、製造時における水分の分布が不均一であること等に起因して、意図しない皺が入ったものとなる場合があり、品質の点においても課題があった。
前記特定紙に固有の前記課題を解決するために、本実施形態のタッチローラー1においては、圧接対象である紙(湿紙)と接触する外周面を有する本体部2について、その軸長方向Xの中央部の直径RCが軸長方向Xの端部の直径RSに比して大きいクラウン形状を採用すると共に、直径RCを570〜850mm、直径RCと直径RSとの差(即ちクラウン量)rを0.5〜1.5mmにそれぞれ設定した。斯かる構成を具備する本実施形態のタッチローラー1によれば、タオルペーパーに代表される前記特定紙を湿式抄紙法によって製造する場合に、皺の発生を抑制しつつ湿紙を効率良く乾燥することができ、高品質の前記特定紙を効率良く製造することができる。
タオルペーパーの製造に従来使用されてきたタッチローラーの本来の用途は、ティッシュペーパー等の、タオルペーパーに比して低坪量で厚みの薄い紙の製造であり、斯かる従来のタッチローラーの軸長方向中央部の直径は、通常560mm程度かそれよりも短いというのが本発明者らの認識である。これに対し、本実施形態のタッチローラー1の軸長方向中央部の直径RCは570〜850mm、好ましくは600〜800mm、さらに好ましくは650〜710mmであり、従来品より大径化している。直径RCが斯かる特定範囲にあるタッチローラー1は、大径化によって従来品より強度が向上しているため、湿紙の乾燥効率の向上を目的として、タッチローラー1によって湿紙をヤンキードライヤーローラーの表面に圧接する際の線圧を高めてニップ幅(圧接時のタッチローラー1の接触幅)を増加させた場合でも、その高い線圧に強度的に耐え得る。従ってタッチローラー1によれば、前記特定紙を湿式抄紙法によって製造する際の乾燥効率が大幅に改善し得る。直径RCが570mm未満では、タッチローラー1の強度向上効果延いては乾燥効率向上効果に乏しく、直径RCが850mm超では、ヤンキードライヤーローラーの表面に湿紙を圧接した際にその湿紙における被圧接部にエアーが混入し、それに起因する皺の発生のおそれがある。
尤も、単に、湿紙をヤンキードライヤーローラーの表面に圧接する際の線圧を高めただけでは、その高い線圧によって湿紙が厚み方向に過剰に圧縮されてしまう結果、製造目的物である前記特定紙の高坪量且つ低密度という特徴が損なわれるおそれがある。これに対し、本実施形態のタッチローラー1は、軸長方向Xの中央部の直径RCが軸長方向Xの端部の直径RSに比して大きいクラウン形状をなし、且つそのクラウン量rが0.5〜1.5mm、好ましくは0.6〜1.2mm、さらに好ましくは0.7〜1.1mmであることにより、湿式抄紙機における抄速を上げた場合でも、前記特定紙の特徴を損なうことなく、且つ意図しない皺の発生を抑制しつつ前記特定紙を効率良く製造し得る。タッチローラーのクラウン量が0.5〜1.5mmであることと紙の皺の発生抑制効果の発現との関係は定かではないが、クラウン量が斯かる特定範囲にあることによって、タッチローラーによってヤンキードライヤーローラーの表面に湿紙を圧接した際の、湿紙とヤンキードライヤーローラーの表面との接触状態が改善され、それによって、湿紙の幅方向即ち搬送方向と直交する方向における乾燥のばらつきが低減することに起因するものと推察される。クラウン量rが0.5mm未満では、湿紙の端部が過乾燥となるおそれがあり、クラウン量rが1.5mm超では、湿紙の端部が乾燥不良となるおそれがある。
また、高坪量且つ低密度の嵩高な前記特定紙の製造をより一層安定的に効率良く実施可能にする観点から、本体部2において、軸長方向Xの中央部の直径RCと軸長方向Xの全長Lとの比率は、前者RC/後者Lとして、好ましくは0.22〜0.28、さらに好ましくは0.25〜0.28である。
また、同様の観点から、本体部2の外周面のJIS K6253に準じて測定される硬度は、好ましくは70〜75、さらに好ましくは71〜73である。本体部2の外周面の硬度、即ち該外周面を形成する弾性層20の硬度が斯かる範囲にあると、タッチローラー1(本体部2)によってヤンキードライヤーローラーの表面に湿紙を圧接した際に、弾性層20が、前記特定紙を厚み方向に過剰に圧縮しない程度に適度に変形するようになるため、前記特定紙の高坪量且つ低密度という特徴を損なわずに、湿紙の乾燥効率を向上させることがより一層確実になされるようになる。弾性層20の材質としては、例えば天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコーンゴム等、従来この種の弾性ローラーに使用されている弾性材料の中から、前記硬度が70〜75となるように適宜選択することが好ましい。
本発明には、前述したタッチローラーに加えて、紙乾燥装置が含まれる。本発明の紙乾燥装置は、前記特定紙の湿式抄紙法による製造時において湿紙を加熱乾燥する装置であり、ヤンキードライヤーローラー(回転シリンダー式抄紙乾燥機)と、該ヤンキードライヤーローラーの近傍に配置され、搬送中の湿紙に接触しながら中心軸周りに回転しつつ、該湿紙を該ヤンキードライヤーローラーの表面に圧接するタッチローラーとを備え、該タッチローラーとして、前述したタッチローラー1の如き本発明のタッチローラーを用いるものである。本発明の紙乾燥装置の主たる特徴部分はタッチローラーにあり、ヤンキードライヤーローラー等のタッチローラー以外の構成は、タッチローラーの配置も含めて、公知のヤンキードライヤーと同様に構成することができる。本発明の紙乾燥装置の一実施形態として、図2に示す湿式抄紙機90における第2ドライパート90D、即ち、「フェルトFに載せて搬送中の湿紙WPを、タッチローラー96によってフェルトF側からヤンキードライヤーローラー97に押し当てるようになされている紙乾燥装置」において、タッチローラー96に代えて図1に示すタッチローラー1を用いたものが挙げられる。
本発明のタッチローラー及び紙乾燥装置は、前記特定紙の湿式抄紙法による製造において、この種のタッチローラー及びヤンキードライヤーと同様に使用することができる。本発明には、搬送中の湿紙の片面にタッチローラーを押し当てることで、該湿紙をヤンキードライヤーローラーの表面に圧接して該湿紙を乾燥する工程を有し、前記特定紙を製造する方法が含まれるところ、斯かる本発明の紙の製造方法の一実施態様においては、該タッチローラーとして図1に示すタッチローラー1を用い、タッチローラー以外は公知の湿式抄紙法と同様にすることができる。
本発明の紙の製造方法においては、乾燥効率の向上の観点から、タッチローラーによって湿紙をヤンキードライヤーローラーの表面に圧接する際の線圧は、好ましくは60〜100kN/m、さらに好ましくは80〜100kN/mである。この60〜100kN/mという線圧は、この種のタッチローラーの線圧としては比較的高いものであるが、前述した通り、図1に示すタッチローラー1の如き本発明のタッチローラーであれば、このような高い線圧であっても特に問題なく使用でき、前記特定紙を効率良く製造し得る。
また同様の観点から、タッチローラーによって湿紙をヤンキードライヤーローラーの表面に圧接させたときの該タッチローラーのニップ幅は、好ましくは22〜30mm、さらに好ましくは24〜29mmである。斯かるタッチローラーのニップ幅は、圧接対象と接触する本体部の外周面のJIS K6253に準じて測定される硬度を前記の通り70〜75に設定することで達成し得る。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により制限されるものではない。
〔実施例1〜4及び比較例1〜4〕
本体部が図1に示す本体部2と同様のクラウン形状、即ち、軸長方向中央部の直径が軸長方向端部の直径に比して大きいクラウン形状を有するタッチローラーにおいて、各部の寸法等が異なるものを種々用意した。そして、図2に示す湿式抄紙機90において、タッチローラー96に代えてその用意したタッチローラーを用い、湿紙の抄速を適宜変更して、坪量35.0g/m2、密度0.38g/cm3のタオルペーパーを製造した。
タオルペーパーの製造においては、木材パルプとしてLBKP100質量%を使用し、ダブルディスクリファイナーでカナディアンスタンダードフリーネスによる叩解度が400mlの原料パルプスラリーを調製した。この原料パルプスラリーに、ロジンサイズ剤を対パルプ質量当たり固形分濃度で0.5質量%、硫酸アルミニウムを4質量%それぞれ添加して原料スラリーを調製し、この原料スラリーを常法に従って湿式抄紙した。
〔性能評価〕
各実施例及び比較例で製造したタオルペーパーについて、皺の発生状況を目視で観察し、下記基準で評価した。下記基準において、〇又は△であれば実用上問題無いと言える。
○:得られたタオルペーパーの抄紙方向5000mについて、全く皺が発生しなかった。
△:得られたタオルペーパーの抄紙方向5000mあたり1〜3箇所皺が発生した。
×:得られたタオルペーパーの抄紙方向5000mあたり4カ所以上皺が発生したか、又は抄紙工程中で皺の影響とみられる断紙が発生した。
Figure 0006649101
表1に示す通り、各実施例及び比較例の何れにおいても、抄速が上がるにつれて皺の発生が顕著となる傾向は共通であるが、各実施例は各比較例に比して皺の発生が抑制されている。比較例1及び2は、タッチローラーの本体部の直径RCが570〜850mmの範囲から外れている点で各実施例と相違し、比較例3及び4は、クラウン量が0.5〜1.5mmの範囲から外れている点で各実施例と相違し、斯かる相違点が皺の発生状況の違いとなって現出したものと推察される。また、実施例1が最も高評価であり、これに対して実施例2がやや劣る評価結果となったのは、主として、タッチローラーの本体部の外周面の硬度に起因するものと推察される。実施例1と実施例2との対比から、本体部の外周面の硬度のより適切な範囲は実施例1における範囲及びその近傍であることがわかる。また、実施例1と実施例3及び4との対比から、タッチローラーの本体部の直径RC及びクラウン量については、それぞれ、実施例1における範囲及びその近傍の方がより適切であることがわかる。
1,96 タッチローラー
2 本体部
20 弾性層
3 回転中心軸
90 湿式抄紙機
90A 紙料調整パート
91 調製装置
90B フォーミングパート
92 抄き網
93 ワイヤー
94 サクションボックス
90C 第1ドライパート
95 プレスローラー
90D 第2ドライパート
97 ヤンキードライヤーローラー
98 ドクターブレード
90E ワインダーパート
F フェルト
WP 湿紙
DP 紙(湿紙の乾燥物)

Claims (6)

  1. 坪量32g/m2以上、密度0.7g/cm3以下の紙の湿式抄紙法による製造時において、搬送中の湿紙に接触しながら中心軸周りに回転しつつ、該湿紙をヤンキードライヤーローラーの表面に圧接するタッチローラーであって、
    圧接対象と接触する外周面を有する本体部を備え、該本体部は、軸長方向中央部の直径が軸長方向端部の直径に比して大きいクラウン形状をなし、該軸長方向中央部の直径が570〜850mm、該軸長方向中央部の直径と該軸長方向端部の直径との差が0.5〜1.5mmであるタッチローラー。
  2. 前記軸長方向中央部の直径と前記本体部の軸長方向の全長との比率が、前者/後者として0.22〜0.28である請求項1に記載のタッチローラー。
  3. 前記本体部の外周面のJIS K6253に準じて測定される硬度が70〜75である請求項1又は2に記載のタッチローラー。
  4. 坪量32g/m2以上、密度0.7g/cm3以下の紙の湿式抄紙法による製造時において湿紙を加熱乾燥する紙乾燥装置であって、
    ヤンキードライヤーローラーと、該ヤンキードライヤーローラーの近傍に配置され、搬送中の湿紙に接触しながら中心軸周りに回転しつつ、該湿紙を該ヤンキードライヤーローラーの表面に圧接するタッチローラーとを備え、
    前記タッチローラーは、圧接対象と接触する外周面を有する本体部を備え、該本体部は、軸長方向中央部の直径が軸長方向端部の直径に比して大きいクラウン形状をなし、該軸長方向中央部の直径が570〜850mm、該軸長方向中央部の直径と該軸長方向端部の直径との差が0.5〜1.5mmである紙乾燥装置。
  5. 搬送中の湿紙の片面にタッチローラーを押し当てることで、該湿紙をヤンキードライヤーローラーの表面に圧接して該湿紙を乾燥する工程を有し、坪量32g/m2以上、密度0.7g/cm3以下の紙を製造する方法であって、
    前記タッチローラーは、圧接対象と接触する外周面を有する本体部を備え、該本体部は、軸長方向中央部の直径が軸長方向端部の直径に比して大きいクラウン形状をなし、該軸長方向中央部の直径が570〜850mm、該軸長方向中央部の直径と該軸長方向端部の直径との差が0.5〜1.5mmである紙の製造方法。
  6. 前記タッチローラーの線圧が60〜100kN/mである請求項5に記載の紙の製造方法。
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