JP3788014B2 - ヤンキードライヤーでの紙ウエブの乾燥方法 - Google Patents

ヤンキードライヤーでの紙ウエブの乾燥方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヤンキードライヤーでの紙ウエブの乾燥方法に関する。更に詳しくは、純白ロール紙、片艶紙として知られる紙ウエブの乾燥方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
純白ロール紙、片艶紙は、ヤンキードライヤーに密着乾燥することにより、紙表面(片側のみ)が光沢を有し、高平滑な仕上がりとなり、かつ、緊張乾燥による効果で寸法安定性(紙水分変化に対する紙寸法の安定性)に優れるなどの特徴を有し、加工原紙や包装用紙などに利用されている。
【0003】
ヤンキードライヤーへの湿紙の密着は、紙水分が5重量%程度まではパルプの鏡面仕上げされた金属ドライヤー表面に対する自然に備わった付着力で維持されるが、水分が5重量%を下回るようになると自然にドライヤー表面から剥離すると言う現象がある。
【0004】
一方、ヤンキードライヤーの表面温度は、ドライヤー全幅にわたって均一ではなく、また、通紙幅そのものがドライヤーの面長より狭く設定されるため、紙ウエブのないドライヤー両端部は乾燥エネルギーの消費がないので高温になり易いと言う特徴がある。(一例を挙げると、抄紙機操作側から駆動側へ向かって、ウエブのない部分150℃、ウエブ耳部接触部分126℃、ウエブ中央部接触部分121℃、ウエブ耳部接触部分131℃、ウエブのない部分150℃となっている例がある。なお、ウエブ耳部とはウエブの端部から幅15〜30cm程度までの部分を言う。)地球温暖化を防止するため、省エネルギーが求められ、例えばドライヤーの鏡面からの放熱を断熱材を用いて押さえるなどの工夫が成されているが、これにより一層ドライヤー両端部の温度が高くなる傾向にある。
【0005】
このため、乾燥中の紙ウエブは、ウエブの両耳部が早く乾燥し、中央部ほど乾燥が遅くなり、紙の幅方向の水分分布が紙の両耳部で5重量%未満となっても、それ以外の部分は5重量%以上となる現象が発生する。すなわち、紙ウエブの両耳部はドライヤー表面から剥離し、それ以外の部分はドライヤーに密着していることになる。
【0006】
この状態では紙の両耳部は自由乾燥となるため紙の縮みが大きくなり、密着している部分との境界線で紙ウエブに皺が発生したり、紙面の光沢度が中央部より低くなると言う問題がある。これを避けるため、剥離ラインを横一線に揃えるべく、一般的に採用されている方法は、ヤンキードライヤーの両端部を冷風もしくは水を吹き付けて冷却する方法や、ヤンキードライヤーに入るウエブの水分を高くすることで、乾燥速度を遅くして対処する方法を採用せざるをえないのが現実であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、乾燥速度を遅くすると言う、生産性を犠牲にする方法や、一部といえども冷却することでエネルギー効率を悪くする方法によることなく、剥離ラインを横一線に保つヤンキードライヤーでの紙ウエブの乾燥方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の粘性を示す物質をウエブの少なくとも両耳部近傍に適用することにより、乾燥が部分的に速くてもヤンキードライヤー表面からの剥離を押さえて、剥離ラインを略一線に制御できることを見出して、本発明を完成させたものである。
【0009】
即ち、本発明は、ヤンキードライヤー表面に密着する粘性物質を、ヤンキードライヤー入口のウエットウエブのヤンキードライヤーに接する面の少なくとも両耳部に塗布して乾燥することを特徴とするヤンキードライヤーでの紙ウエブの乾燥方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明で採用する粘性物質は、ヤンキードライヤーの光沢金属表面に対し、特定水分までは密着性を維持し、その水分を下回るようになると自然に剥離するか抵抗なく剥離できる特性を有する粘性物質である。従って、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、ペーパータオルなどのドライクレープがかかった衛生紙を生産する場合に用いられる、ヤンキードライヤーからクレープドクターによる強制剥離を安定させる目的で、ヤンキードライヤーに対するウエブの接着性を上げるために用いられるクレープ助剤のような物質は適用できない。
【0011】
ちなみに、クレープ助剤として知られる物質は、澱粉、尿素ホルマリン樹脂、にかわ、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、およびその誘導体などが例示され、抄紙時に紙料中に内添したり、ヤンキードライヤー表面にスプレーしたり、ウエブ上にスプレーすることが行われている。本発明ではかかる接着剤に属する粘性物質は採用できず、仮に適用すると、乾燥後のウエブを強制剥離することになり、紙面の光沢が失われるだけでなく、パルプ繊維の毛羽立ちなどがおこり、純白ロール紙、片艶紙として好ましくない状態になる。
【0012】
本発明で用いる粘性物質は、ウエブの耳部が接触するヤンキードライヤーの温度条件に合わせると高温過ぎて測定が安定しないため、80〜100℃に加熱可能な鏡面仕上げしたホットプレート表面に、0.1〜0.5重量%に希釈した粘性物質を、ビュレットもしくはピペット等で一定量を略同一面積に滴下塗布し、乾燥状態を秤量により経時記録して粘性物質の膜の剥離が起こった時点の水分を求めることで、選別することができる。かかる選定試験の対象になりうる粘性物質は、その分子量あるいは分子間結合力、金属に対する親和性などが接着剤とは異なった状態に設計されている増粘剤(流動性調整剤)、保水剤、分散剤として知られる物質の中に含まれることが見出された。
【0013】
具体的に例示すると、増粘剤として用いられるアルギン酸ソーダ、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、金属石鹸(例えばステアリン酸金属塩)、脂肪酸エステル(例えばポリアルキレングリコールとのエステル)、水溶性石鹸(例えばステアリン酸ナトリウム)、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースが上げられ、なかでもポリアクリル酸ソーダが溶解作業がなく希釈のみで使用でき、臭気もなく、幅広い分子量のものが入手できるので最適な素材を選定しやすい点で優れている。具体的な粘性物質として、増粘剤として市販されているタマコート324−5:荒川化学工業社製が好適に使用できる。
【0014】
分散剤として知られるポリアクリルアミドも、分子量20万以下、カルボキシル基含有量25%以上程度に設計されたものであれば好適に用いられる。また、ポリカルボン酸として知られる、アクリル酸−マレイン酸塩、アクリル酸−イタコン酸塩、アクリル酸−メタクリル酸塩、イソブチレン−マレイン酸塩、スチレン−マレイン酸塩などの共重合物で重合体の組成、比率、重合度が分散剤用に設計されていれば、選定の対象になる。保水剤としては、焙焼時の酸の種類、添加量、加熱温度や時間などを制御して粘度などを保水剤に適した状態にしたデキストリンも選定の対象になる。水分が5.0重量%以下、好ましくは4.5重量%以下まで密着している粘性物質を選定することが好ましい。
【0015】
粘性物質の塗布量は、抄造する紙の米坪によって変える必要がある。米坪が重くなるほど、紙の剛性が高くなるためヤンキードライヤーからのウエブ耳部の剥離が起こり易くなるため、多目に設定することになる。目安となる塗布量は、米坪30、50、120g/m2の場合について例示すると、それぞれ0.5〜1.5、1.2〜3.0、2.0〜4.5mg/m2とするのがよい。塗工方法は、ヤンキードライヤー入口付近で、ウエブのヤンキードライヤーに接触する面に直接スプレー装置などで適用してもよく、あるいはペーパーロールを介してロール表面に塗布・付着させた粘性物質をウエブに転移させることもできる。
【0016】
粘性物質は希釈により均一な付着が行われるように注意する必要がある。部分的なムラ、例えば塗りシマがあるとその部分でヤンキードライヤーからの剥離性が悪化し、紙切れや紙むけが発生する。なお、抄紙時に紙料に内添して適用すれば、この付着ムラによる問題は発生しないが粘性物質の必要量が著しく増大すると言う欠点がある。しかし採用できないわけではない。
【0017】
本発明で使用する抄紙機はヤンキードライヤーを乾燥ゾーンの最後に設置されているものであればよく、ワイヤーパートの構造やプレドライヤーの有無などは特段制約されない。ヤンキードライヤー入口でウエブに粘性物質を適用できるスペースがあれば実施可能である。紙料となるパルプ、サイズ剤、紙力増強剤等の原材料も通常純白ロール紙、片艶紙で使用されるものが使用可能である。
【0018】
【実施例】
以下実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中に記載した「部」、「%」はそれぞれ固型分または有効成分の「重量部」、「重量%」である。
【0019】
共通抄紙条件
NBKP/LBKP=50/50、混合叩解により500mlCSFとしたパルプに対し、硫酸アルミニウム1.5%、アルケニルコハク酸無水物0.15%を添加して紙料を調製した。コンバーフローヘッドボックスを備えた長網抄紙機で、プレドライヤーとしてドラムドライヤー10本、4268mmΦのヤンキードライヤー1本からなる乾燥ゾーンを紙ウエブを走行させて乾燥し、米坪50g/m2の純白ロール紙を製造した。
【0020】
実施例1
ヤンキードライヤー入口直前にあるウエブの裏面(ワイヤーサイドでヤンキードライヤーに接する面)に接しているペーパーロールの両サイドにスプレーを用いてウエブの耳端部から150mm幅で転移できるようにタマコート324−5(0.1%溶液に希釈したもの)を固型分合計1.3g/minの供給量で塗布した。
この時の抄速は340m/min、ヤンキードライヤー入口の水分は37.0%、ヤンキードライヤー出口の水分は中央部6.0%、耳部5.0%であった。得られた純白ロール紙は皺や光沢ムラのない良好なものであった。
【0021】
比較例1
タマコート324−5の塗工を行わずに、実施例1の抄紙(乾燥)条件で抄紙したが、純白ロール紙の耳部に皺が発生し、光沢ムラがある品質の劣るもので、両サイドの部分は不良品として損紙処分せざるをえないものあった。
【0022】
比較例2
比較例1において、全幅良品となる純白ロール紙を得るには、ヤンキードライヤー入口水分を39.0%とすることが必要であり、乾燥負荷が大きくなるため抄速を298m/minに低下させなければならなかった。
【0023】
【発明の効果】
本発明の粘性物質を適用することにより、省エネルギー、高生産性を達成したヤンキードライヤーの紙ウエブの乾燥が可能となった。

Claims (1)

  1. ヤンキードライヤー表面に密着する粘性物質を、ヤンキードライヤー入口のウエットウエブのヤンキードライヤーに接する面の少なくとも両耳部に塗布して乾燥することを特徴とするヤンキードライヤーでの紙ウエブの乾燥方法。
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