JP6647499B1 - 管継手 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、継手本体と筒状体とを、高周波(超音波)融着や熱融着にて固着していた。或いは、継手本体にラジアル外方突出状の環状低凸条部を設けると共に、筒状体の内周面に凹周小溝部を設けて、凹凸の嵌め殺しによる機械的強制嵌着にて固着し、その後、高周波融着にて接続(固着)していた。
このように、残留応力が残っている管継手に、その後の壁面塗装作業によって、塗料が付着すると、塗料に含まれる溶剤(ソルベント)によって、ソルベントクラック(亀裂)が発生して、水漏れ事故が起こる虞れがある。
さらに、台所内の配管等において、強アルカリ性の液体として、例えば、台所のレンジフード用アルカリ性クリーナ(洗剤)が、管継手に付着すると、継手本体のみならず筒状体にも、上記残留応力に起因する、クラック(亀裂)が発生し、水漏れ事故が起こる虞れもある。
本発明に係る管継手は、図1と図2に示すように、差込まれたパイプPの内部Pbと連通する流路部(孔)30を有する合成樹脂製(樹脂成型品)の継手本体1と、継手本体1の端部1aに外嵌状に取着される合成樹脂製の筒状体2と、を備えた管継手であって、図2に示すように、継手本体1と筒状体2によって、Oリング等のシール材61や抜止めリング62等の継手内装部品(部材)を配設するための収容空間部60を内周凹溝状に形成している。
なお、図例においては、継手本体1の両端部1a,1a夫々に筒状体2が取着されるソケット型の管継手である。図1と図2は、左半部がパイプ未接続状態、右半部がパイプ挿入(接続)完了状態を示している。
一対の係止爪片部51,51は、弾性変形にて(継手軸心Laへ近づく方向へ)傾倒可能に設けている。
また、一対の係止爪片部51,51は、継手軸心Laを中心として180度回転対称として配設されている(継手軸心Laに対して180度回転対称位置にある)。
係止歯部52は、基端側開口部2bの内周面からラジアル内方へ(突出状に)形成され螺着完了状態で係止爪片部51の先端部に係止する係止面52eと、上記開口端縁内周面から螺退回転方向Nbに倒れた傾斜状として(突出状に)形成され螺着完了直前で係止爪片部51をラジアル内方へ傾倒させるガイド傾斜面52dと、を有している。
ピッチ角度θは、6度以上36度以下に設定するのが好ましい。言い換えると、係止歯部52は10個以上60個以下の偶数個とするのが好ましい。6度未満であると(60個を越えると)間隔が狭く製造が困難になる。36度を越えると(10個未満であると)間隔が大きすぎて、所定の螺進完了位置で係止爪片部51と係止歯部52を係止させるために各部の寸法を高精度にする必要があり成形(製造)が困難になる。
言い換えると、螺着完了状態では、筒状体2は、継手本体1のストッパ面17によって螺進が阻止された状態、或いは、所定寸法以上螺進するとストッパ面17に当接する状態(所定寸法以上の螺進が阻止された状態)となっている。
また、第1分割金型81と第2分割金型82の各成型面や分割面(パーティングライン)の形状も簡素となり一対の分割金型81,82の製造も容易となる。
なお、図面を見やすくするために、図9に於て、第1・第2分割金型81,82とコアー金型83を端面図で図示し、継手本体1を断面図で図示している。
筒状体2は、PC(ポリカーボネート)等の耐ソルベント性に優れた不透明樹脂で成型している。
パイプPの材質は、PEXやPB等の比較的に軟らかい樹脂が好適である。(なお、PE,架橋PE等の比較的に軟らかい樹脂でも良い。)
さらに、透明な上記パイプ挿入完了確認領域Gにまで、パイプPの先端面Pcが押し込まれてきたことを、継手本体1の外部Eから、配管作業者又は検査員が、目視確認可能なように、閉円環状の目印環体20が設けられている。
パイプPを矢印A方向に挿入する際に、目印環体20の勾配面10がシール材61を弾性的に拡径させてパイプPの先端面Pcの通過がスムーズとなるように誘導するガイド機能を発揮する。
目印環体20は、金属製の薄肉の円筒体69の端部(先端縁部)に外嵌状に取着される。
なお、64はシール材61のバックアップリングであり、筒状体2の内鍔状の段差部2dと、継手本体1の外端面(先端面)との間に介装されている。また、抜止めリング62の歯部62aの傾斜に沿うように、バックアップリング64の内周と外端面との角部は面取りされている(逃がしている)。
そして、2種類の樹脂をもって、2色射出成形にて相互に積層一体化して、構成される。
しかしながら、「透明」でなければならないという条件下では、給湯に耐える(95℃程度に耐える)耐熱性、及び、接着剤や塗料中の溶剤に耐える耐ソルベント性を、同時に充足する実用性のある樹脂は、現実には存在しない。
条件 (i) :給湯用に耐える耐熱性(約95℃)を備えていること。
条件 (ii) :接着剤・塗料が外部から付着した場合に、接着剤や塗料に含まれた溶剤によって亀裂を発生しない耐ソルベント性を、備えていること。
条件(iii) :目印環体20が挿入完了確認領域Gに到達したことを外部Eから目視確認できる透明性を、備えていること。
図2の右半部に示したように、抜止めリング62の歯部62aが、パイプP の外周面に食い込んだパイプ引抜阻止状態で、パイプPと一体状に回転しつつ、アキシャル外方向へのパイプ引抜けを防止するよう構成されている。
また、目印環体20は、外周に勾配面10を有する閉円環状リングから成るので、パイプPの先端面Pcの角部がシール材61を傷付けないように、パイプ挿入時のガイド(誘導)の機能を発揮する役目も兼ね、かつ、部品としてはシンプルで安価である。
また、上記継手本体1における上記挿入完了確認領域G以外の軸心方向位置に、パイプPの外周面に密接するシール材61を配設したので、目印環体20を目視で確認する際の邪魔とならず、しかも、パイプ挿入完了確認領域Gにおける内外二重構造の壁部を、目印環体20に極めて接近させて配置できることとなって、目視点検を、さらに、容易かつ確実に行い得る。
1a 端部
2 筒状体
31 雄ネジ部
32 雌ネジ部
51 係止爪片部
52 係止歯部
F 軸心方向
La 継手軸心
Na 螺進回転方向
Nb 螺退回転方向
Claims (1)
- 合成樹脂製の継手本体(1)と、該継手本体(1)の端部に取付けられる合成樹脂製の筒状体(2)とを、備え、パイプ未挿入状態で、上記継手本体(1)と筒状体(2)とを組立てて一体化された管継手に於て、
上記継手本体(1)の端部(1a)に雄ネジ部(31)を設け、かつ、上記筒状体(2)は上記雄ネジ部(31)に螺合する雌ネジ部(32)が形成され、
上記継手本体(1)は、上記雄ネジ部(31)の基端近傍に、一対の係止爪片部(51)(51)が一体成型され、しかも、上記係止爪片部(51)は軸心方向(F)から見て、上記筒状体(2)の螺進回転方向(Na)に倒れた傾斜状として突設された長方形薄板片から成り、該係止爪片部(51)は弾性変形にて継手軸心(La)へ近づく方向へ傾倒可能に設けられ、
上記筒状体(2)は、基端側開口部(2b)の内周面に、多数かつ偶数個の係止歯部(52)を周方向360°に渡って有し、かつ、該係止歯部(52)は上記軸心方向(F)から見て、上記筒状体(2)の螺退回転方向(Nb)に倒れた不等辺三角状として突設され、
上記雄ネジ部(31)と上記雌ネジ部(32)の螺着完了以前に、上記係止歯部(52)が順次上記係止爪片部(51)を弾性変形させつつ乗り越えて、上記筒状体(2)の螺進方向への回転が可能となるように構成し、
螺着完了状態で、上記係止爪片部(51)と上記係止歯部(52)が係止して、上記筒状体(2)の螺退方向への回転が阻止されるように構成し、
さらに、一対の上記係止爪片部(51)(51)は、継手軸心(La)を中心として180度回転対称として配設され、上記筒状体(2)の螺退方向への回転が阻止された状態で、一対の上記係止爪片部(51)(51)が、同時に上記係止歯部(52)に係止していることを特徴とする管継手。
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