JP2024042635A - 金型構造、インコアの製造方法、インコア、及び管継手 - Google Patents

金型構造、インコアの製造方法、インコア、及び管継手 Download PDF

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翔太 宮本
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Abstract

【課題】材料費や加工費を低く抑えることができ、かつ、成形の際にインコアの変形を抑えることができる金型構造、インコアの製造方法、インコア、及び管継手を提供する。【解決手段】金型構造50は、射出成形によって管継手のインコア10を成形するために用いられる。金型構造50は、金型51と、コアピン52と、を備える。金型51は、インコア10の外周部19を成形する。コアピン52は、インコア10の内周面15を成形する。コアピン52は、管継手の軸方向に分割された第1のコアピン57と第2のコアピン58とからなる。【選択図】図4

Description

本発明は、金型構造、インコアの製造方法、インコア、及び管継手に関する。
従来、戸建住宅、マンション、商業施設等の建物内において、給水、給湯、あるいは空調機器用の管の接続には、内面止水式と外面止水式の管継手が多く用いられている。これらの方式の管継手では、管継手内に管(パイプ)を挿入するだけで、管継手に管を簡単に接続できる。外面止水式の管継手は、管の内周面にインコアを接触させて管の外側と継手の内周面がパッキンを挟み込む。
インコアに関連して、例えば特許文献1に示すインコアの製造方法により、ステンレス等の金属材料の板材をプレス絞り加工することにより筒部を形成し、その基端部を折曲げることによって鍔部(すなわち、羽部分)を形成するものが知られている。
また、例えば特許文献2に示すインコアの製造方法により、成形型のキャビティに溶融樹脂を充填してインコアを成形した後、成形型を型開きしてインコアの内周面からコアピンを抜き出してインコアの製造方法が開示されている。
特開2008-267549号公報 特開2016-223469号公報
しかし、特許文献1のインコアは、ステンレス等の金属材料をプレス絞り加工するため材料費や加工費が高いという問題がある。なお、インコアを真鍮等から削り出しにより形成することも考えられるが、真鍮には微量の鉛が含まれているため、長期間の使用により水あるいはお湯の中に鉛が溶出することが考えられる。
また、特許文献2のインコアは、管(パイプ)の内周面に接触させて支持する必要があり、比較的長く形成されている。よって、型開きの際にインコアの内周面から抜き出すコアピンが長い。このため、インコアの内周面からコアピンを抜き出す際に、インコアが変形する可能性がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、材料費や加工費を低く抑えることができ、かつ、成形の際にインコアの変形を抑えることができる金型構造、インコアの製造方法、インコア、及び管継手を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
<1>本発明の一態様に係る金型構造は、射出成形によって継手のインコアを成形するために用いられる金型構造であって、前記インコアの円筒の外周部を成形する金型と、内周面を成形するコアピンと、を備える、前記コアピンは、継手の軸方向に分割された第1のコアピンと第2のコアピンとからなる。
インコアは、金型構造を用いて合成樹脂材料の射出成形により形成される。これにより、インコアをステンレス等の金属材料をプレス絞り加工して形成する場合に比べて材料費や加工費を低く抑えることができる。
また、コアピンを第1のコアピンと第2のコアピンとに分割することにより、第1のコアピン及び第2のコアピンの軸方向の長さを短く抑えることができる。これにより、インコアの内周面から第1のコアピンと第2のコアピンとを抜き出す際に、インコアが変形することを抑えることができる。
<2>上記<1>に係る金型構造では、前記第1のコアピンと前記第2のコアピンとの分割面は、引抜方向に対してピン径が大きくなるように傾斜していてもよい。
第1のコアピンと第2のコアピンとの分割面を傾斜させることにより、第1のコアピンと第2のコアピンとの分割面に抜き勾配を形成できる。これにより、インコアの内周面から第1のコアピンと第2のコアピンとを抜き出す際に、インコアが変形することを一層良好に抑えることができる。
ここで、コアピンを分割しないで一体に形成した場合、コアピンが比較的長くなる。よって、一体のコアピンの分割面に抜き勾配を形成した場合、コアピンの先端部のピン径が小さくなりすぎて、基端部のピン径が大きくなりすぎる。すなわち、インコアにおいて、コアピンの先端部に相当する厚肉部が厚くなりすぎて、コアピンの基端部に相当する薄肉部が薄くなりすぎることが考えられる。
このため、厚肉部において内周面の内径が小さくなり、内周面の流路径が小さくなる。内周面の流路径が小さくなることにより、マンションの配管の改修工事等、管継手の使用個数が多くなる場合、流量低下による圧力損失が懸念される。また、薄肉部において成形性が悪くなりショートショットになることが考えられ、薄肉部の形状を保つことが難しい。
そこで、この構成において、コアピンを第1のコアピンと第2のコアピンとに分割して、第1のコアピン及び第2のコアピンの軸方向の長さを短く抑えるようにした。よって、第1のコアピンにおいて先端部と基端部とのピン径差を比較的小さく抑えることができる。すなわち、第1のコアピンにおいて先端部のピン径を大きく確保して、基端部のピン径を小さく抑えることができる。同様に、第2のコアピンにおいて先端部と基端部とのピン径差を比較的小さく抑えることができる。すなわち、第2のコアピンにおいて先端部のピン径を大きく確保して、第2基端部のピン径を小さく抑えることができる。
よって、インコアにおいて、第1のコアピン及び第2のコアピンの先端部が突き合わされた部位に相当する厚肉部の内径を大きく確保できる。肉厚部の内径は、インコアの内周面において最小径となる部位である。これにより、インコアの流路径を大きく確保できる。
加えて、インコアにおいて、第1のコアピンの基端部に相当する薄肉部の内径を小さく抑えることできる。この薄肉部は、インコアの一端部に相当する部位である。インコアの一端部は、第1のコアピンで成形される内周面において内径が最大径となる部位である。 また、インコアにおいて、第2のコアピンの基端部に相当する薄肉部の内径を小さく抑えることできる。この薄肉部は、インコアの他端部に相当する部位である。インコアの他端部は、第2のコアピンで成形される内周面において内径が最大径となる部位である。
よって、インコアの一端部及び他端部の内径を小さく抑えることにより、インコアの一端部及び他端部の肉厚を好適な厚さに確保できる。これにより、インコアの一端部及び他端部の成形性を高めることができ、インコアの成形性を確保できる。
<3>上記<2>に係る金型構造では、前記第1のコアピンと前記第2のコアピンとの分割面のテーパー角度が0°より大きく、3°以下であってもよい。
ここで、分割面のテーパー角度を0°にした場合、インコアの内周面から第1のコアピンと第2のコアピンとを抜き出す際に、インコアの内周面を分割面により平滑に成形することが難しい。このため、内周面が成形不良になることが考えられる。
また、分割面のテーパー角度を3°より大きくした場合、インコアの内周面を分割面により平滑に成形することができる。しかし、内周面の中間位置において開口径(すなわち、流路径)が小さくなりすぎる。さらに、インコアにおいて、一端部及び他端部の開口径(流路径)が大きくなりすぎ、一端部及び他端部の肉厚が薄くなりすぎることが考えられる。このため、一端部及び他端部の成形性を確保することが難しい。
そこで、分割面のテーパー角度を0°より大きく、3°以下の範囲に設定した。分割面のテーパー角度を0°より大きく確保することにより、第1のコアピン及び第2のコアピンの抜き勾配を好適に確保できる。よって、インコアの内周面から第1のコアピンと第2のコアピンとを抜き出す際に、インコアの内周面を分割面により平滑に成形することができる。これにより、インコアが変形することを良好に抑えることができる。
また、分割面のテーパー角度を3°以下に抑えることにより、インコアにおいて中間位置の開口径(流路径)を大きく確保できる。さらに、テーパー角度を3°以下に抑えることにより、インコアにおいて、一端部及び他端部の肉厚を好適に確保できる。これにより、一端部及び他端部の成形性を高めることができ、インコアの成形性を確保できる。
これにより、分割面のテーパー角度を0°より大きく、3°以下の範囲に設定することが望ましい。さらに、分割面のテーパー角度を0.5°以上で、3°以下の範囲に設定することが特に望ましい。
<4>上記<2>に係る金型構造では、前記第1のコアピン及び前記第2のコアピンの長さは、前記インコアの全長に対して0.1倍~0.9倍であってもよい。
ここで、例えば、第1のコアピンのピン長さをインコアの全長に対して0倍以上で、0.1倍より小さくした場合、第2のコアピンのピン長さがインコアの全長に対して0.9倍より大きくなる。第1のコアピンの第1分割面は抜き勾配が形成されている。第2のコアピンの第2分割面は抜き勾配が形成されている。このため、第2のコアピンのピン長さがインコアの全長に対して0.9倍より大きくなる場合、第2のコアピンの先端部のピン径が小さくなりすぎて、流路径を好適な大きさに確保することが難しい。
なお、第2のコアピンのピン長さをインコアの全長に対して0倍以上で、0.1倍より小さくした場合においても、第1のコアピンの第1先端ピン径が小さくなりすぎて、流路径を好適な大きさに確保することが難しい。
また、例えば、第1のコアピンのピン長さをインコアの全長に対して0.9倍より大きく、1倍以下にした場合、第1のコアピンの先端部のピン径が小さくなりすぎて、流路径を好適な大きさに確保することが難しい。
なお、第2のコアピンのピン長さをインコアの全長に対して0.9倍より大きく、1倍以下にした場合においても、第2のコアピン58の第1先端ピン径が小さくなりすぎて、流路径を好適な大きさに確保することが難しい。
そこで、第1のコアピンのピン長さ及び第2のコアピンのピン長さをインコアの全長に対して0.1倍~0.9倍に設定した。よって、第1のコアピンのピン長さ及び第2のコアピンのピン長さを比較的短く抑えることができる。これにより、流路径を最大の流路径に実現することが可能になる。すなわち、インコアにおいて中間位置の流路径を大きく確保できる。
これにより、第1のコアピンのピン長さ及び第2のコアピンのピン長さをインコアの全長に対して0.1倍~0.9倍に設定することが望ましい。さらに、第1のコアピンのピン長さ及び第2のコアピンのピン長さをインコアの全長に対して0.3倍~0.7倍の範囲に設定することが特に望ましい。
<5>本発明の一態様に係るインコアの製造方法は、<1>乃至<4>のいずれか1つに記載の金型構造を用いるインコアの製造方法であって、前記第1のコアピンを先に引き抜いた後、前記第2のコアピンを反対方向に引き抜く工程を有する。
第1のコアピンを先に引き抜いた後、第2のコアピンを反対方向に抜くことにより、第1のコアピンを引き抜く際に、インコアを第2のコアピンで支えることができる。これにより、インコアを安定させた状態において、インコアの内周面から第1のコアピンを抜き出すことができる。したがって、インコアが変形することを一層良好に抑えることができる。
なお、第2のコアピンを第2内周面から先に引き抜いた後、第1のコアピンを第1内周面から反対方向に引き抜くようにした場合においても、同様にインコアが変形することを一層良好に抑えることができる。
<6>本発明の一態様に係るインコアは、内周面が一端部と他端部との中間位置で最小径に形成されている。
インコアの内周面において一端部と他端部との中間位置を最小径に形成するようにした。よって、例えば、抜き勾配を有する第1のコアピンで一端部から中間位置までの内周面を形成でき、抜き勾配を有する第2のコアピンで他端部から中間位置までの内周面を形成できる。これにより、第1のコアピン及び第2のコアピンの軸方向のピン長さを短く抑えることができる。したがって、インコアの内周面から第1のコアピンと第2のコアピンとを抜き出す際に、インコアが変形することを抑えることができる。
ここで、内周面の最小径は、例えば、コアピンのピン長さと抜き勾配とにより寸法が決められる。すなわち、コアピンの抜き勾配が同じ場合には、コアピンのピン長さを短くすることにより、最小径の寸法を大きく確保できる。よって、インコアの内周面を第1のコアピンと第2のコアピンとで成形することにより、中間位置の最小径を大きく確保できる。これにより、インコアの流路径を大きく確保できる。
言い換えると、インコアの最大流路径を実現するために、金型構造のコアピンを2つ分割した。それによって、インコアの最小径は第1のコアピンと第2のコアピンの間に形成された。
さらに、コアピンの抜き勾配が同じ場合には、コアピンのピン長さを短くすることにより、コアピン(具体的には、基端部)の最大径を小さく抑えることができる。すなわち、インコアの内周面を第1のコアピンと第2のコアピンとで成形することにより、インコアの一端部及び他端部において最大径を小さく抑えることができる。一端部及び他端部は、薄肉部となる部位である。よって、一端部及び他端部の肉厚を好適な厚さに確保できる。これにより、一端部及び他端部の成形性を高めることができ、インコアの成形性を確保できる。
<7>上記<6>に係るインコアは、前記最小径が、軸方向において、前記インコアの中間より、外周面に突部を有する前記一端部側の位置にあってもよい。
前記最小径が、軸方向において、前記インコアの中間と外周面に突部を有する前記一端部側の間にあるので、成形時、樹脂が厚肉から薄肉まで流れやすくなる。
<8>上記<6>に係るインコアは、複数のゲート痕が、内周面にあり、かつ、軸方向において、前記インコアの中間より、外周面に突部を有する前記一端部側の位置にあってもよい。
複数のゲート痕がインコアの内周面にある場合、サブマリンゲート(トンネルゲート)が好適である。サブマリンゲートの場合、成形後のゲート残りが少なく、ゲート径が小さいのでランナーを取り除きやすい。複数のゲート痕がインコアの中間から一端部の位置にあるので、保圧が高くない場合でもインコアの端部の成形性を高めることができる。
<9>上記<6>に係るインコアは、複数のゲート痕が外周面に突部を有する前記一端部の端面にあってもよい。
複数のゲート痕が一端部の端面にある場合、ピンゲートが好適である。ピンゲートの場合、成形後のゲート跡を小さくできるのでゲート残りが目立ちにくい。また、インコアの端部を設計通りに成形するためにある程度の保圧を与える必要があるが、ピンゲートを採用することで、保圧を与えやすくなる。
<10>本発明の一態様に係る管継手は、継手本体と、前記継手本体の内周面に配置されたインコアと、を備え、前記インコアの内周面が一端部と他端部との中間位置で最小径に形成されている。
管継手が、内周面が一端部と他端部との中間位置で最小径に形成されるインコアを備えるので、例えば、抜き勾配を有する第1のコアピンで一端部から中間位置までの内周面を形成でき、抜き勾配を有する第2のコアピンで他端部から中間位置までの内周面を形成できる。これにより、インコアの一端部及び他端部において最大径を小さく抑えることができる。よって、インコアの一端部及び他端部の肉厚を好適な厚さに確保できる。したがって、インコアを備える管継手は、一端部及び他端部の成形性を確保できる。
<11>上記<10>に係る管継手は、前記最小径が、軸方向において、前記インコアの中間より、外周面に突部を有する前記一端部側の位置にあってもよい。
前記最小径が、軸方向において、前記インコアの中間と外周面に突部を有する前記一端部側の間にあるので、成形時、樹脂が厚肉から薄肉まで流れやすくなる。
本発明によれば、材料費や加工費を低く抑えることができ、かつ、成形の際にインコアの変形を抑えることができる。
本発明の第1実施形態に係るインコアを備えた管継手を示す図であって、一部断面を含む斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るインコアを備えた管継手の部品構成を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るインコアを示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る金型構造の型締め状態を示す断面図である。
[第1実施形態]
以下、図1から図6を参照し、本発明の一実施形態に係る金型構造、インコアの製造方法、インコア、及び管継手について説明する。
図1、図2に示すように、第1実施形態に係るインコア10は、管継手(継手)100に備えられている。管継手100は、建物内の吸水、給湯又は空調機器用の複数のパイプ(配管)を接続するための部材である。管継手100と、この管継手100に接続されるパイプPと、は配管構造を構成する。
管継手100は、筒状の継手本体101と、継手本体101の内周面に配置されたインコア10と、継手本体101の端部に設けられたキャップ102と、を備えている。
以下では、継手本体101(すなわち、管継手100)の中心軸線に沿う方向を軸方向といい、継手本体101を軸方向から見た平面視で、前記中心軸線と交差する方向を径方向という。また、前記平面視で前期中心軸線回りに周回する方向を周方向という。
継手本体101の軸方向の端部における内周面には、段113が形成されている。段113は、継手本体101の内周面から径方向の内側に向けて突出している。段113は、周方向の全周にわたって設けられている。段113において、継手本体101の内径は、軸方向の外側から内側に向けて段階的に(段状に)縮径している。段113には、継手本体101とは別体で形成されたインコア10が突き当たる。
以下では、継手本体101のうち、継手本体101の端面から段113に至るまでの部分を、継手本体101の開口端という。
継手本体101の軸方向の両端部それぞれにおける外周面には、外フランジ部101bと、雄ねじ部101cと、が形成されている。
外フランジ部101bは、継手本体101から径方向の外側に向けて突出する。外フランジ部101bは、継手本体101の外周面に、全周にわたって延びている。
雄ねじ部101cは、継手本体101の外周面のうち、外フランジ部101bよりも軸方向の外側(即ち、継手本体101の端部寄り)に位置する部分に形成されている。
キャップ102は、軸方向に段階的に外径が小さくなっている筒状である。キャップ102は、内周面に雌ねじが形成された第1筒102aと、第1筒102aよりも軸方向に沿って外側に位置する第2筒102bと、を備えている。
第1筒102aは、雄ねじ部101cに螺着する。キャップ102の内周の第1筒102aと第2筒102bとの境界に相当する部分には段差102dが設けられている。段差102dは、周方向の全周にわたって延びている。段差102dは、継手本体101において軸方向の外側を向く端面に接触又は近接する。
第2筒102bは、第1筒102aよりも小径である。第2筒102bは、第1筒102aから軸方向の外側に延びる。
管継手100において、継手本体101とキャップ102との間には、止水部103及び固定部104を収容するための収容凹部106が形成されている。収容凹部106は、段差102dと、継手本体101において軸方向の外側を向く端面と、の間に形成されている。収容凹部106は、周方向の全周にわたって延びている。
継手本体101は、例えば、合成樹脂材料の射出成形又は金属材料の切削加工、鋳造若しくは鍛造により形成されている。
キャップ102は、例えば、合成樹脂材料の射出成形又は金属材料の切削加工、鋳造若しくは鍛造により形成されている。
前記合成樹脂材料としては、例えば、架橋ポリエチレン、ポリブデン、塩化ビニル(PVC)、ポリサルフォン樹脂(PSU)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリフェニルスルホン樹脂(PPSU)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ガラス繊維強化PPS、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等、用途に応じた品質設計に基づき、任意に選択することができる。また、切削加工や融着等の他の加工方法を用いてもよい。
前記金属材料としては、ステンレス鋼、低合金鋼、炭素鋼、低温用炭素鋼、低温用合金鋼、真鍮、砲金、アルミニウム合金、マグネシウム合金等、用途に応じた品質設計に基づき、任意に選択することができる。
管継手100における軸方向の各端部には、継手本体101の端部に向かって順に、パッキン103a(シール部材)と、ベース103bと、抜け止めリング104a(第1の抜け止めリング)と、スペーサー104cと、抜け止めリング104b(第2の抜け止めリング)と、が設けられている。即ち、固定部104は止水部103よりも端部寄りに位置している。
パッキン103a及びベース103bは止水部103を構成する。止水部103によって、パイプPの内容物が管継手100から漏れ出ることを防ぐ。
抜け止めリング104a、スペーサー104c及び抜け止めリング104bは固定部104を構成する。管継手100に挿入したパイプPは、固定部104によって管継手100に固定される。
パッキン103a(シール部材)は、継手本体101の内周面に配置されている。パッキン103aは、図示の例では1つだが、軸方向に間隔をあけて複数設けられてもよい。パッキン103aは、断面円形の環状である。パッキン103aは、周方向の全周にわたって延びている。図示の例では、パッキン103aとしてOリングが採用されている。パッキン103aの材質としては、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、フッ素ゴム(FKM)、ビニルメチルシリコンゴム(VMQ)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)等のゴム材料を採用することができる。
ベース103bは、パッキン103aと抜け止めリング104aとの間に配置されている。ベース103bは、パッキン103aと抜け止めリング104aとが接触することを規制する。ベース103bは、環状に形成されている。ベース103bは、周方向の全周にわたって延びている。ベース103bは、継手本体101の開口端内に嵌め込まれている。ベース103bは、継手本体101の第1段において軸方向の外側を向く端に接触している。ベース103bは、継手本体101の前記第1段に対して軸方向の外側から引っ掛けられている。ベース103bの内径は、パッキン103aの内径よりも大きい。ベース103bは、例えば、合成樹脂材料の射出成形又は金属材料の切削加工、鋳造若しくは鍛造により形成されている。
前記合成樹脂材料としては、例えば、架橋ポリエチレン、ポリブデン、塩化ビニル(PVC)、ポリサルフォン樹脂(PSU)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリフェニルスルホン樹脂(PPSU)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ガラス繊維強化PPS、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等、用途に応じた品質設計に基づき、任意に選択することができる。また、切削加工や融着等の他の加工方法を用いてもよい。
前記金属材料としては、ステンレス鋼、低合金鋼、炭素鋼、低温用炭素鋼、低温用合金鋼、真鍮、砲金、アルミニウム合金、マグネシウム合金等、用途に応じた品質設計に基づき、任意に選択することができる。
抜け止めリング104a,104b及びスペーサー104cは、ベース103bに対して軸方向の外側に配置されている。抜け止めリング104a,104b及びスペーサー104cは、継手本体101の収容凹部106に配置されている。抜け止めリング104a,104b及びスペーサー104cは、収容凹部106に対して、軸方向に若干の遊びをもった状態で移動可能に配置されている。抜け止めリング104a,スペーサー104c及び抜け止めリング104bは、軸方向の外側から内側に向けてこの順に並べられて配置されている。スペーサー104cは、収容凹部106において、抜け止めリング104a及び抜け止めリング104bの間に軸方向に挟まれて配置されている。
ベース103bの軸方向内側には段が形成されており、これに対応する段が継手本体101に設けられている。この段によりベース103bは継手本体101の奥側に移動しないように固定される。この結果、パッキン103aがベース103bと継手本体101とに挟まれて軸方向に押し潰されることが防止される。
抜け止めリング104a,104bは、パイプPの抜けを抑制する。抜け止めリング104a,104bは、円環状の平面部1104a及び係止環部1104bを有し、平面部1104aにおける径方向の内側に、径方向の内側に向かうに従い漸次、軸方向の内側に向けて延びる係止環部1104bが形成されている。即ち、抜け止めリング104aの係止環部1104bは、平面部1104aに対して止水部103の方向に屈曲し、抜け止めリング104bの係止環部は、平面部に対してスペーサー104cの方向に屈曲している。両抜け止めリング104a,104bの形状や厚みを含めた寸法は、同一である。
平面部1104aと係止環部1104bのなす角は、例えば130~140°である。係止環部1104bにおける内周縁は、キャップ102及びスペーサー104cそれぞれの内周面よりも径方向の内側に位置している。係止環部1104bの内径は、パッキン103aの内径と同等である。
係止環部1104bの内径は、パイプPの外径よりも小さい。パイプPが継手本体101に挿入されたとき、係止環部1104bの内周縁が、パイプPの外周面に食い込むことで、抜け止めリング104a,104bが、管継手100からパイプPが軸方向に抜けることを抑止する。なお、係止環部1104bは、周方向に複数の環部片(歯部)に分割されていることが好ましい。
抜け止めリング104a,104bは、例えば、金属材料のプレス加工等により形成されている。
前記金属材料としては、ステンレス鋼、低合金鋼、炭素鋼、低温用炭素鋼、低温用合金鋼、真鍮、砲金、アルミニウム合金、マグネシウム合金等、用途に応じた品質設計に基づき、任意に選択することができる。
スペーサー104cは、厚みより軸方向に長い断面長方形の環状に形成されている。スペーサー104cは、周方向の全周にわたって延びている。スペーサー104cの内径は、継手本体101の開口端の内径よりも小径である。スペーサー104cの内径は、抜け止めリング104a,104bの内径(係止環部の内径)よりも大径である。スペーサー104cは、キャップ102との間に抜け止めリング104bを挟む。スペーサー104cは継手本体101の収容凹部106に固定されている。抜け止めリング104a及び抜け止めリング104bは、それぞれ、ベース103bとスペーサー104cとの間、スペーサー104cとキャップ102の内側との間で、軸方向に移動可能なように、継手本体101の収容凹部106に納められている。
スペーサー104cは、例えば、合成樹脂材料の射出成形等により形成されている。前記合成樹脂材料としては、例えば、架橋ポリエチレン、ポリブデン、塩化ビニル(PVC)、ポリサルフォン樹脂(PSU)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリフェニルスルホン樹脂(PPSU)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ガラス繊維強化PPS、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等、用途に応じた品質設計に基づき、任意に選択することができる。
抜け止めリングの枚数は2枚に限定されず、3枚以上であってもよい。この場合も、2枚の抜け止めリングの間にスペーサーが挟まれる。
抜け止めリングの枚数を増加させた方がパイプPとの引っ掛かり面積が増えるため抜け止めの観点からは好ましいが、抜け止めリングの枚数が多すぎると応力集中して、引抜強度が低下したり、固定部の長さが長くなるため、継手全長も長くなってしまいコンパクト性が低下したりするため、抜け止めリングは2枚が特に好ましい。
ベース103b、抜け止めリング104a、スペーサー104c、抜け止めリング104bは、この順に、継手本体101の内面の拡径部とキャップ102の内面の縮径部との間である収容凹部106に納められている。収容凹部106の軸方向の長さは、抜け止めリング104bとキャップ102の縮径部に十分な空間ができるほどである。
図1、図3に示すように、インコア10は円筒に形成されている。インコア10は、継手本体101に対して、離脱可能な状態で収容される。インコア10は、円筒に形成され、継手本体101と同軸に配置される。インコア10の軸方向の両端部それぞれをインコア第1端(一端部)10a、インコア第2端(他端部)10bとする。インコア10が継手本体101に収容された状態で、インコア第1端10aは、インコア第2端10bに対して軸方向の外側に位置する。インコア第1端10aは、キャップ102(第2筒)内に位置する。インコア第2端10bは、継手本体101内に位置する。インコア第2端10bは、パッキン103aよりも軸方向の内側に位置する。インコア10は、パッキン103a、ベース103b、抜け止めリング104a、スペーサー104c、抜け止めリング104bそれぞれの内部に位置している。
インコア10は、パイプPの端部に差し込まれ、その端部の径方向内側への変形を抑制するための部品である。インコア10は、パイプPの端部に入り込むインコア円筒部12と、パイプPの端部に入り込まず露出するインコア基端部13とからなる。インコア基端部13の外周面には、羽部分(突部)14が形成されている。羽部分14は、インコア10において、軸方向の中央よりもインコア第1端10a寄りに配置されている。具体的には、羽部分14は、インコア第1端10aに配置されている。羽部分14は、インコア10のうちインコア第1端10aから径方向外側に張り出されて環状に形成されている。羽部分14は、周方向の全周にわたって延びている。羽部分14の外径(最大外径)は、継手本体101の内径(最小内径)よりも大きい。第1実施形態では、羽部分14の外径は、羽部分14の軸方向の全長にわたって、継手本体101の内径(最小内径)よりも大きい。インコア円筒部12は、軸方向において外径が一定に形成されている。なお、インコア10については後で詳しく説明する。
インコア10は、継手本体101から取り出され、パイプPの端部に挿入される。このとき、パイプPの端面にインコア10の羽部分14が突き合わされた状態で、パイプP内にインコア10が配置される。またこのときインコア10は、パイプPの径方向の内側への変形を抑制する。よって、パイプPを管継手100に差し込み終えたとき、抜け止めリング104a,104bは、しっかりパイプPに食い込む。インコア10は、パイプPを形成する材料よりも剛性の高い、例えば合成樹脂材料等の射出成形により形成されている。
前記合成樹脂材料としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニルスルホン樹脂(PPSU)、ポリエーテルサルフォン樹脂(PES)、ポリサルフォン樹脂(PSU)等のスーパーエンジニアリングプラスチック(熱可塑性樹脂)を用途に応じた品質設計に基づき、任意に選択することができる。
なお、上記スーパーエンジニアリングプラスチックをガラス繊維で強化したガラス繊維強化樹脂を用途に応じた品質設計に基づき、任意に選択してもよい。
パイプPは、例えば合成樹脂材料の押出成形等により形成されている。
前記合成樹脂材料としては、例えば、架橋ポリエチレン、ポリブデン、塩化ビニル(PVC)、ポリサルフォン樹脂(PSU)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリフェニルスルホン樹脂(PPSU)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ガラス繊維強化PPS、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等、用途に応じた品質設計に基づき、任意に選択することができる。パイプPは、架橋ポリエチレン製が好ましい。
なお、インコア10を継手本体101に収容しておくことで、省スペース化やインコア10の紛失を防止することができる。そのため、例えば管継手100の梱包時等には、インコア10を継手本体101に収容しておくことが好ましい。
管継手100は、軸方向の中央部を基準として、軸方向の両側に対称な形状をなしている。管継手100には、軸方向の両側それぞれからパイプPが差し込まれる。管継手100は、2つのパイプPを接続する。
次に、管継手100を用いたパイプPの接続方法について説明する。この接続方法は、2つのパイプPを、管継手100を用いて接続する方法である。この接続方法では、2つのパイプPのそれぞれを、管継手100において互いに異なる端部に差し込み、管継手100とパイプPとを接続する。
パイプPの外径は、インコア10の羽部分14の外径と同等、又はインコア10の羽部分14の外径以下である。
管継手100とパイプPとの接続に際し、まず、前述のようにインコア10を継手本体101から抜き出す。その後、パイプP内にインコア10を挿入し、パイプPの端面にインコア10の羽部分14を突き合てる。このとき、パイプPの端面(小口)に、インコア10の羽部分14が突き当たり、インコア10のパイプP内への更なる進入が規制される。その結果、インコア10の羽部分14は、パイプPから外部に露出している。言い換えると、パイプP内にインコア10が挿入された状態では、インコア10の羽部分14、パイプPの端面が、軸方向に沿ってパイプPの外側からこの順に並んでいる。
その後、インコア10が挿入されたパイプPを、インコア10の羽部分14をパイプPに対して先行させた状態で継手本体101内に挿入する。このとき、インコア10の羽部分14が、抜け止めリング104b、スペーサー104c、抜け止めリング104aを軸方向に順に乗り越える。そして、抜け止めリング104aはベース103bに突き当たり、抜け止めリング104bはスペーサー104cに突き当たる。
上記のようにして接続された管継手100及びパイプPでは、パッキン103aがパイプPの外周面に密に接触(圧接)している。このような状態で、継手本体101内にパイプPが配置されている。
以上説明したように、第1実施形態に係る管継手100によれば、止水部103は継手本体101奥の係止め段差に当接するパッキン103a、ベース103bで構成され、パイプPが挿入された際に発生する圧縮力と管内部に内圧がかかった際にパイプPが膨らむことで発生する圧縮力(自己止水)で面圧を得て、パイプPの外面で止水される(外面止水)。
なお、インコア10をパイプP内に挿入する場合、インコア10によりパイプPの変形が抑制される。
<インコア>
以下、インコア10について詳しく説明する。なお、インコア10の中心軸線は管継手100の中心軸線に対して同軸上に配置される。よって、インコア10の中心軸線に沿う軸方向は、管継手100の軸方向と同じ方向である。
図3に示すように、インコア10は、軸方向においてインコア第1端10aからインコア第2端10bまで内周面15が貫通され、内周面15により形成された開口が流路となる。以下、内周面15の内径(開口径)を流路径ということがある。また、内周面15の一端部は、インコア10のインコア第1端10aと同じである。内周面15の他端部は、インコア10のインコア第2端10bと同じである。内周面15は、第1内周面16と、第2内周面17と、中間位置18と、を有する。中間位置18は、第1内周面16と第2内周面17とが突き合わされた部位である。
第1内周面16は、軸方向においてインコア第1端10aから中間位置18までの部位である。第1内周面16は、例えば、インコア第1端10aから中間位置18に向かうに従って流路径が縮径するようにテーパー角度(傾斜角度)θ1のテーパー面(傾斜面)に形成されている。第2内周面17は、軸方向においてインコア第2端10bから中間位置18までの部位である。第2内周面17は、例えば、インコア第2端10bから中間位置18に向かうに従って縮径するようにテーパー角度(傾斜角度)θ2のテーパー面(傾斜面)に形成されている。
テーパー角度θ1及びテーパー角度θ2は、中間位置18において第1内周面16の最小径(最小流路径)と第2内周面17の最小径(最小流路径)とが同一になるように決められる。テーパー角度θ1及びテーパー角度θ2は、例えば、0°より大きく3°以下の範囲から選択されることが望ましい。
なお、テーパー角度θ1及びテーパー角度θ2を0°より大きく3°以下の範囲から選択することが望ましい理由については後で詳しく説明する。
中間位置18は、軸方向においてインコア第1端10aとインコア第2端10bとの中間に位置する。中間位置18は、第1内周面16が最小径となる端部と、第2内周面17が最小径となる端部とが突き合わされた部位である。すなわち、中間位置18は、内周面15において流路径が最小径となる部位である。換言すれば、インコア10は、内周面15が中間位置18で最小径の流路径となるように形成されている。
最小径は、図3に示すように、インコア10の軸方向において、インコア10の中間より、外周面に突部(羽部分)14を有する一端部(インコア第1端)10a側の位置にある。すなわち、最小径は、インコア10の軸方向において、インコア10の中間と一端部10aとの間にある。最小径は、インコア10の軸方向においてインコア10の中間より他端部(インコア第2端)10b側の位置にあってもよい。例えば、インコア第1端10aが段113に突き当たった状態で、最小径は、パッキン103aよりも、軸方向においてインコア第1端10a側にある。これにより、成形時、樹脂が厚肉から薄肉まで流れやすくなる。
複数のゲート痕は、インコア10の内周面15、または一端部10aの端面21にある。本実施形態では、図3に示すように、2つのゲート痕20が一端部10aの端面21にある。複数のゲート痕20が一端部10aの端面21にある場合、ピンゲートが好ましい。ピンゲートを採用することで、成形後のゲート跡を小さくできるのでゲート残りが目立ちにくい。また、インコア10の端部を設計通りに成形するためにある程度の保圧を与える必要があるが、ピンゲートを採用することで、保圧を与えやすくなる。また、継手出荷時、インコア10の端面21にシールを貼り付ける等する場合においても、ゲート跡を小さくすることで、好適に貼り付けることができる。
複数のゲート痕がインコア10の内周面15にある場合は、複数のゲート痕は、インコア10の軸方向において、インコア10の中間より一端部10a側の位置にある。すなわち、複数のゲート痕は、インコア10の軸方向において、インコア10の中間と一端部10aとの間にある。複数のゲート痕が内周面15にある場合、サブマリンゲート(トンネルゲート)が好ましい。サブマリンゲートを採用することで、成形後のゲート残りが少なく、ゲート径が小さいのでランナーを取り除きやすい。
複数のゲート痕がインコア10の内周面15にある場合、複数のゲート痕は、インコア10の軸方向において、インコア10の端面(一端部10aの端面)21からインコア10の全長L3の1/2の間にあることが好ましい。すなわち、図3に示すように、複数のゲート痕は、インコア10の軸方向において、インコア10の内周面15のゲート痕範囲GA1にある。ゲート痕範囲GA1は、インコア10の端面(一端部10aの端面)21からインコア10の全長L3の1/2の範囲である。この場合、保圧が高くない場合でもインコア10の端部の成形性を高めることができる。
<金型構造>
図3、図4に示すように、インコア10は、例えば、金型構造50を用いて射出成形によって成形される。金型構造50は、金型51と、コアピン52と、を備える。金型51及びコアピン52は、鋼材全般から用途に応じた品質設計に基づき、任意に選択することができる。
金型51は、インコア10の外周部19(具体的には、インコア円筒部12及び羽部分14の外周部)を成形する。金型51は、例えば、第1金型55と、第2金型56と、を備える。第1金型55及び第2金型56は、型開き、型締め可能に構成されている。第1金型55は第1金型成形面55aを有する。第2金型56は第2金型成形面56aを有する。第1金型成形面55a及び第2金型成形面56aは、インコア10の外周部19を成形する成形面である。
コアピン52は、例えば、放電加工、旋盤加工等により形成されている。コアピン52は、インコア10の内周面15を成形する。コアピン52は、軸方向に分割された第1のコアピン57と第2のコアピン58とからなる。第1のコアピン57及び第2のコアピン58は、軸方向において型開き、型締め可能に構成されている。
第1のコアピン57は、インコア10の第1内周面16を成形する第1分割面(分割面)61を有する。すなわち、第1分割面61は、先端部57aから基端部57bの範囲において、第1内周面16に対応するように形成されている。基端部57bは、インコア第1端10aに対応する部位である。第1分割面61は、第1内周面16から矢印Aで示す引抜方向(すなわち、型開き方向)に対してピン径が大きくなるように傾斜している。具体的には、第1分割面61は、例えば、テーパー角度(傾斜角度)θ3が0°より大きく、3°以下の範囲で形成されることが望ましい。第1分割面61のテーパー角度θ3は、第1内周面16のテーパー角度θ1と同一である。
第1のコアピン57は、先端部57aのピン径が最小径に形成され、基端部57bのピン径が最大径に形成されている。以下、先端部57aのピン径を第1先端ピン径ということがある。基端部57bのピン径を第1基端ピン径ということがある。
ここで、コアピン52は第1のコアピン57と第2のコアピン58とに2分割されている。よって、第1のコアピン57は、軸方向において第1分割面61のピン長さ(第1のコアピンの長さ)L1が短く抑えられている。以下、第1分割面61のピン長さL1を「第1のコアピン57のピン長さL1」ということがある。第1のコアピン57は、例えば、ピン長さL1がインコア10の全長L3に対して0.1倍~0.9倍の範囲で形成されることが望ましい。
第2のコアピン58は、インコア10の第2内周面17を成形する第2分割面(分割面)62を有する。すなわち、第2分割面62は、先端部58aから基端部58bの範囲において、第2内周面17に対応するように形成されている。基端部58bは、インコア第2端10bに対応する部位である。第2分割面62は、第2内周面17から矢印Bで示す引抜方向(すなわち、型開き方向)に対してピン径が大きくなるように傾斜している。第2分割面62は、例えば、テーパー角度(傾斜角度)θ4が0°より大きく、3°以下の範囲で形成されることが望ましい。第2分割面62のテーパー角度θ4は、第2内周面17のテーパー角度θ2と同一である。
第2のコアピン58は、先端部58aのピン径が最小径に形成され、基端部58bのピン径が最大径に形成されている。以下、先端部58aのピン径を第2先端ピン径ということがある。基端部58bのピン径を第2基端ピン径ということがある。なお、第1分割面61のテーパー角度θ3及び第2分割面62のテーパー角度θ4は、第1先端ピン径と第2先端ピン径とが同一になるように決められている。
ここで、コアピン52は第1のコアピン57と第2のコアピン58とに2分割されている。よって、第2のコアピン58は、軸方向において第2分割面62のピン長さ(第2のコアピンの長さ)L2が短く抑えられている。以下、第2分割面62のピン長さL2を「第2のコアピン58のピン長さL2」ということがある。第2のコアピン58は、例えば、ピン長さL2がインコア10の全長L3に対して0.1倍~0.9倍の範囲で形成されることが望ましい。
金型構造50は、複数のゲート(不図示)を有する。複数のゲートは、インコア10の軸方向において、インコア10の端面(インコア第1端10aの端面)21に相当する位置からインコア10の全長L3の1/2の間にある。すなわち、図4に示すように、複数のゲートは、インコア10の軸方向において、ゲート範囲GA2にある。ゲート範囲GA2は、インコア10の端面(一端部10aの端面)21に相当する位置からインコア10の全長L3の1/2の範囲である。インコア10のゲート痕範囲GA1は、インコア10に相当する金型構造50のゲート範囲GA2と同じ範囲である。
ゲート(不図示)は、例えば、金型構造50が型締めの状態において、キャビティ67のうちインコア10の内周面15に相当する位置に連通可能に形成される。また、ゲートは、金型構造50が型締めの状態においてランナー(不図示)に連通可能に形成される。ゲートは、金型構造50が型締めの状態においてランナーをキャビティ67に連通可能に形成されている。
キャビティ67は、金型構造50を型締めした際に、第1金型成形面55a、第2金型成形面56a、第1分割面61、及び第2分割面62等により形成される。
なお、例えば、ゲートを第1金型55に形成してもよい。この場合、例えば、金型構造50が型締めの状態において、ゲートをキャビティ67のうちインコア10の羽部分14に相当する位置に連通可能に形成する。さらに、ゲート方式は、サイドゲート、ピンゲート等を用途に応じた設計に基づき、任意に選択することができる。
なお、テーパー角度θ3及びテーパー角度θ4を0°より大きく3°以下の範囲から選択することが望ましい理由については後で詳しく説明する。また、ピン長さL1及びピン長さL2をインコア10の全長L3に対して0.1倍~0.9倍の範囲から選択することが望ましい理由については後で詳しく説明する。
<インコアの製造方法>
つぎに、金型構造50を用いてインコア10を射出成形により形成するインコアの製造方法を図3、図4に基づいて説明する。第1実施形態においては、一例として、インコア10を樹脂材料の射出成形により形成する例について説明するが、金属材料等の他の材料により同様に射出成形することも可能である。
図3、図4に示すように、まず、型締め工程において、金型構造50の第1金型55、第2金型56、第1のコアピン57、及び第2のコアピン58を型締めする。金型構造50を型締めすることにより、第1のコアピン57の先端部57a及び第2のコアピン58の先端部58aが軸方向において突き合わされた状態に配置される。
この状態において、第1金型成形面55a、第2金型成形面56a、第1分割面61、及び第2分割面62により金型構造50の内部にキャビティ67が形成される。また、キャビティ67がゲートを介してランナーに連通される。
つぎに、注入工程において、溶融樹脂をランナーからゲートを介してキャビティ67に射出注入する。キャビティ67に注入した溶融樹脂を凝固させることにより、第1金型成形面55a、第2金型成形面56a、第1分割面61、及び第2分割面62等によりインコア10が成形される。特に、第1分割面61により第1内周面16が成形される。第2分割面62により第2内周面17が成形される。
ついで、型開き工程において、キャビティ67にインコア10が成形された後、金型構造50の第1金型55、第2金型56、第1のコアピン57、及び第2のコアピン58を型開きする。ここで、金型構造50を型開きする際に、第1のコアピン57及び第2のコアピンを引き抜く工程において、例えば、第1のコアピン57を第1内周面16から先に引き抜いた後、第2のコアピン58を第2内周面17から反対方向に引き抜く。なお、第1のコアピン57を第1内周面16から先に引き抜いた後、第2のコアピン58を第2内周面17から反対方向に引き抜く理由については後で詳しく説明する。
金型構造50を型開きすることにより、第1金型55、第2金型56、第1のコアピン57、及び第2のコアピン58からインコア10を離型する。これにより、インコア10を射出成形により金型構造50を用いて形成する工程が完了する。
以上説明した金型構造50、インコアの製造方法、インコア10、及び管継手100によれば、図3、図4に示すように、コアピン52は、第1のコアピン57と第2のコアピン58とに分割されることにより、第1のコアピン57の長さL1が短く抑えられている。第2のコアピン58の長さL2が短く抑えられている。これにより、第1のコアピン57を第1内周面16から引き抜き、第2のコアピン58を第2内周面17から反対方向に引き抜く際に、インコア10が変形することを抑えることができる。
また、第1のコアピン57の第1分割面61を傾斜させることにより、第1分割面61に第1内周面16に対して抜き勾配を形成できる。第2のコアピン58の第2分割面62を傾斜させることにより、第2分割面62に第2内周面17に対して抜き勾配を形成できる。これにより、第1内周面16から第1のコアピンを抜き出し、第2内周面17から第2のコアピンを抜き出す際に、インコア10が変形することを一層良好に抑えることができる。
ここで、コアピンを分割しないで一体に形成した場合、コアピンが比較的長くなる。よって、一体のコアピンの分割面に抜き勾配を形成した場合、コアピンの先端部のピン径が小さくなりすぎて、基端部のピン径が大きくなりすぎる。すなわち、インコアにおいて、コアピンの先端部に相当する厚肉部が厚くなりすぎて、コアピンの基端部に相当する薄肉部が薄くなりすぎることが考えられる。
このため、厚肉部において内周面の内径が小さくなり、内周面の流路径が小さくなる。内周面の流路径が小さくなることにより、例えば、マンションの配管の改修工事等、管継手の使用個数が多くなる場合、流量低下による圧力損失が懸念される。また、薄肉部において成形性が悪くなりショートショットになることが考えられ、薄肉部の形状を保つことが難しい。
そこで、コアピン52を第1のコアピン57と第2のコアピン58とに分割して、第1のコアピン57及び第2のコアピン58の軸方向の長さを短く抑えた。よって、第1のコアピン57において第1先端ピン径と第1基端ピン径とのピン径差を比較的小さく抑えることができる。すなわち、第1のコアピン57において第1先端ピン径を大きく確保して、第1基端ピン径を小さく抑えることができる。同様に、第2のコアピンにおいて第2先端ピン径と第2基端ピン径とのピン径差を比較的小さく抑えることができる。すなわち、第2のコアピン58において第2先端ピン径を大きく確保して、第2基端ピン径を小さく抑えることができる。
よって、インコア10において、第1のコアピン57の先端部57a及び第2のコアピン58の先端部58aが突き合わされた部位に相当する厚肉部の内径を大きく確保できる。厚肉部は、内周面15の中間位置18に相当する部位である。中間位置18の内径は、インコア10の内周面15において最小径となる部位である。これにより、厚肉部(すなわち、中間位置18)の内径を大きく確保することにより、インコア10の流路径を大きく確保できる。
言い換えると、インコア10の最大流路径を実現するために、コアピン52を2つ分割した。それによって、インコア10の最小径は第1のコアピン57と第2のコアピン58の間に形成された。
加えて、インコア10において、第1のコアピン57の基端部57bに相当する薄肉部の内径を小さく抑えることできる。この薄肉部は、インコア10のインコア第1端10aに相当する部位である。インコア第1端10aは、第1内周面16において内径が最大径となる部位である。
また、インコア10において、第2のコアピン58の基端部58bに相当する薄肉部の内径を小さく抑えることできる。この薄肉部は、インコア10のインコア第2端10bに相当する部位である。インコア第2端10bは、第2内周面17において内径が最大径となる部位である。
よって、インコア第1端10a及びインコア第2端10bの内径を小さく抑えることにより、インコア第1端10a及びインコア第2端10bの肉厚を好適な厚さに確保できる。これにより、インコア第1端10a及びインコア第2端10bの成形性を高めることができ、インコア10の成形性を確保できる。
また、第1のコアピン57の第1分割面61を、テーパー角度θ3が0°より大きく、3°以下の範囲となるように形成することが望ましい。第2のコアピン58の第2分割面62を、テーパー角度θ4が0°より大きく、3°以下の範囲となるように形成することが望ましい。第1分割面61のテーパー角度θ3及び第2分割面62のテーパー角度θ4を0°より大きく、3°以下の範囲に設定した理由を表1に基づいて説明する。
Figure 2024042635000002
表1に示すように、第1分割面61のテーパー角度θ3を0°にした場合、インコア10の第1内周面16から第1のコアピン57を抜き出す際に、第1内周面16を第1分割面61により平滑に成形することが難しい。同様に、第2分割面62のテーパー角度θ4を0°にした場合、インコア10の第2内周面17から第2のコアピン58を抜き出す際に、第2内周面17を第2分割面62により平滑に成形することが難しい。このため、第1内周面16及び第2内周面17が成形不良になることが考えられる。
また、第1分割面61のテーパー角度θ3を3°より大きくした場合、インコア10の第1内周面16を第1分割面61により平滑に成形することができる。同様に、第2分割面62のテーパー角度θ4を3°より大きくした場合、インコア10の第2内周面17を第2分割面62により平滑に成形することができる。しかし、テーパー角度θ3及びテーパー角度θ4を3°より大きくした場合、内周面15の中間位置18において流路径が小さくなりすぎる。
さらに、テーパー角度θ3及びテーパー角度θ4を3°より大きくした場合、インコア10において、インコア第1端10a及びインコア第2端10bの流路径が大きくなりすぎる。よって、インコア第1端10a及びインコア第2端10bの肉厚が薄くなりすぎることが考えられる。このため、インコア第1端10a及びインコア第2端10bの成形性を確保することが難しい。
そこで、第1分割面61のテーパー角度θ3及び第2分割面62のテーパー角度θ4を0°より大きく、3°以下の範囲に設定した。第1テーパー角度θ3及び第2テーパー角度θ4を0°より大きく確保することにより、第1のコアピン57及び第2のコアピンの抜き勾配を好適に確保できる。よって、インコア10の第1内周面16から第1のコアピン57を抜き出す際に、第1内周面16を第1分割面61により平滑に成形することができる。同様に、インコア10の第2内周面17から第2のコアピン58を抜き出す際に、第2内周面17を第2分割面62により平滑に成形することができる。これにより、インコア10が変形することを良好に抑えることができる。
また、第1テーパー角度θ3及び第2テーパー角度θ4を3°以下に抑えることにより、インコア10において中間位置18の流路径を大きく確保できる。さらに、第1テーパー角度θ3及び第2テーパー角度θ4を3°以下に抑えることにより、インコア10において、インコア第1端10a及びインコア第2端10bの肉厚を好適に確保できる。これにより、インコア第1端10a及びインコア第2端10bの成形性を高めることができ、インコア10の成形性を確保できる。
したがって、第1分割面61のテーパー角度θ3及び第2分割面62のテーパー角度θ4を0°より大きく、3°以下の範囲に設定することが望ましい。さらに、第1分割面61のテーパー角度θ3及び第2分割面62のテーパー角度θ4を0.5°以上で、3°以下の範囲に設定することが特に望ましい。
さらに、第1のコアピン57を、ピン長さL1がインコア10の全長L3に対して0.1倍~0.9倍の範囲になるように形成することが望ましい。第2のコアピン58を、ピン長さL2がインコア10の全長L3に対して0.1倍~0.9倍の範囲になるように形成することが望ましい。第1のコアピン57のピン長さL1及び第2のコアピン58のピン長さL2をインコア10の全長L3に対して0.1倍~0.9倍の範囲に設定した理由を表2に基づいて説明する。
Figure 2024042635000003
表2に示すように、例えば、第1のコアピン57のピン長さL1をインコア10の全長L3に対して0倍以上で、0.1倍より小さくした場合、第2のコアピン58のピン長さL2がインコア10の全長L3に対して0.9倍より大きくなる。ここで、第1のコアピン57の第1分割面61は、テーパー角度θ3の抜き勾配が形成されている。第2のコアピン58の第2分割面62は、テーパー角度θ4の抜き勾配が形成されている。このため、第2のコアピン58のピン長さL3がインコア10の全長L3に対して0.9倍より大きくなる場合、第2のコアピン58の第2先端ピン径が小さくなりすぎて、流路径を好適な大きさに確保することが難しい。
なお、第2のコアピン58のピン長さL2をインコア10の全長L3に対して0倍以上で、0.1倍より小さくした場合においても、第1のコアピン57の第1先端ピン径が小さくなりすぎて、流路径を好適な大きさに確保することが難しい。
また、例えば、第1のコアピン57のピン長さL1をインコア10の全長L3に対して0.9倍より大きく、1倍以下にした場合、第1のコアピン57の第1先端ピン径が小さくなりすぎて、流路径を好適な大きさに確保することが難しい。
なお、第2のコアピン58のピン長さL2をインコア10の全長L3に対して0.9倍より大きく、1倍以下にした場合においても、第2のコアピン58の第2先端ピン径が小さくなりすぎて、流路径を好適な大きさに確保することが難しい。
そこで、第1のコアピン57のピン長さL1及び第2のコアピン58のピン長さL2をインコア10の全長L3に対して0.1倍~0.9倍に設定した。よって、第1のコアピン57のピン長さL1及び第2のコアピン58のピン長さL2を比較的短く抑えることができる。これにより、インコア10の内周面15において流路径を最大の流路径に実現することが可能になる。すなわち、内周面15において中間位置18の流路径を大きく確保できる。
これにより、第1のコアピン57のピン長さL1及び第2のコアピン58のピン長さL2をインコア10の全長L3に対して0.1倍~0.9倍に設定することが望ましい。さらに、第1のコアピン57のピン長さL1及び第2のコアピン58のピン長さL2をインコア10の全長L3に対して0.3倍~0.7倍の範囲に設定することが特に望ましい。
さらに、インコアの製造方法によれば、第1のコアピン57及び第2のコアピンを引き抜く工程において、第1のコアピン57を第1内周面16から先に引き抜いた後、第2のコアピン58を第2内周面17から反対方向に引き抜くようにした。
よって、第1のコアピン57を引き抜く際に、インコア10を第2のコアピン58で支えることができる。これにより、インコア10を安定させた状態において、インコア10の第1内周面16から第1のコアピン57を抜き出すことができる。したがって、インコア10が変形することを一層良好に抑えることができる。
なお、第2のコアピン58を第2内周面17から先に引き抜いた後、第1のコアピン57を第1内周面16から反対方向に引き抜くようにした場合においても、インコア10が変形することを一層良好に抑えることができる。
また、インコア10を、金型構造50を用いて合成樹脂材料の射出成形により形成するようにした。これにより、インコア10をステンレス等の金属材料をプレス絞り加工して形成する場合に比べて材料費や加工費を低く抑えることができる。
さらに、インコア10の内周面15において、第1内周面16のテーパー角度θ1は、第1分割面61のテーパー角度θ3と同一である。第2内周面17のテーパー角度θ2は、第2分割面62のテーパー角度θ4と同一である。よって、第1内周面16のテーパー角度θ1及び第2内周面17のテーパー角度θ2を、第1分割面61のテーパー角度θ3及び第2分割面62のテーパー角度θ4と同様に決めることが好ましい。
すなわち、第1内周面16のテーパー角度θ1及び第2内周面17のテーパー角度θ2を0°より大きく3°以下の範囲から選択することが望ましい。さらに、テーパー角度θ1及びテーパー角度θ2を0.5°以上で、3°以下の範囲に設定することが特に望ましい。
また、インコア10の内周面15においてインコア第1端10aとインコア第2端10bとの中間位置18を最小径に形成するようにした。よって、インコア10によれば、軸方向において内周面15を中間位置18で第1内周面16と第2内周面17とに分けることにより、第1内周面16を第1のコアピン57の第1分割面61により成形できる。第2内周面17を第2のコアピン58の第2分割面62により成形できる。
これにより、第1のコアピン57のピン長さL1及び第2のコアピン58のピン長さL2を短く抑えることができる。したがって、インコア10の第1内周面16から第1のコアピン57を抜き出して、インコア10の第2内周面17から第2のコアピン58を抜き出す際に、インコア10が変形することを抑えることができる。
ここで、インコアの内周面の最小径は、例えば、コアピンのピン長さと抜き勾配とにより寸法が決められる。すなわち、コアピンの抜き勾配が同じ場合には、コアピンのピン長さを短くすることにより、最小径の寸法を大きく確保できる。よって、第1実施形態において、インコア10の内周面15を第1のコアピン57と第2のコアピン58とで成形することにより、中間位置18の最小径を大きく確保できる。これにより、インコア10の流路径を大きく確保できる。
さらに、コアピンの抜き勾配が同じ場合には、コアピンのピン長さを短くすることにより、コアピン(具体的には、基端部)の最大径を小さく抑えることができる。そこで、第1実施形態において、インコア10の内周面15を第1のコアピン57と第2のコアピン58とで成形するようにして、第1のコアピン57のピン長さL1と第2のコアピン58のピン長さL2とを短くした。
よって、インコア10のインコア第1端10a及びインコア第2端10bにおいて最大径を小さく抑えることができる。インコア第1端10a及びインコア第1端10aは、薄肉部となる部位である。よって、インコア第1端10a及びインコア第2端10bの最大径を小さく抑えることにより、インコア第1端10a及びインコア第1端10aの肉厚を好適な厚さに確保できる。これにより、インコア第1端10a及びインコア第1端10aの成形性を高めることができ、インコア10の成形性を確保できる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、管継手100は、上記実施形態に示した構成に限られない。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、本実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
10…インコア、10a…インコア第1端(一端部)、10b…インコア第2端(他端部)、14…羽部分、15…内周面、16…第1内周面、17…第2内周面、18…中間位置、19…外周部、20…ゲート痕、21…端面、50,70…金型構造、51…金型、52…コアピン、57…第1のコアピン、58…第2のコアピン、61…第1分割面(分割面)、62…第2分割面(分割面)、100…管継手(継手)、L1…第1のコアピンのピン長さ(第1のコアピンの長さ)、L2…第2のコアピンのピン長さ(第2のコアピンの長さ)、L3…インコアの全長、θ3…第1分割面のテーパー角度、θ4…第2分割面のテーパー角度。

Claims (11)

  1. 射出成形によって継手のインコアを成形するために用いられる金型構造であって、
    前記インコアの円筒の外周部を成形する金型と、内周面を成形するコアピンと、を備える、
    前記コアピンは、継手の軸方向に分割された第1のコアピンと第2のコアピンとからなる、金型構造。
  2. 前記第1のコアピンと前記第2のコアピンとの分割面は、引抜方向に対してピン径が大きくなるように傾斜している、請求項1に記載の金型構造。
  3. 前記第1のコアピンと前記第2のコアピンとの分割面のテーパー角度が0°より大きく、3°以下である、請求項2に記載の金型構造。
  4. 前記第1のコアピン及び前記第2のコアピンの長さは、前記インコアの全長に対して0.1倍~0.9倍である、請求項2に記載の金型構造。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の金型構造を用いるインコアの製造方法であって、前記第1のコアピンを先に引き抜いた後、前記第2のコアピンを反対方向に引き抜く工程を有する、インコアの製造方法。
  6. 内周面が一端部と他端部との中間位置で最小径に形成されている、インコア。
  7. 前記最小径は、軸方向において、前記インコアの中間より、外周面に突部を有する前記一端部側の位置にある、請求項6に記載のインコア。
  8. 複数のゲート痕が、内周面にあり、かつ、軸方向において、前記インコアの中間より、外周面に突部を有する前記一端部側の位置にある、請求項6に記載のインコア。
  9. 複数のゲート痕が外周面に突部を有する前記一端部の端面にある、請求項6に記載のインコア。
  10. 継手本体と、
    前記継手本体の内周面に配置されたインコアと、
    を備え、
    前記インコアの内周面が一端部と他端部との中間位置で最小径に形成されている、
    管継手。
  11. 前記最小径は、軸方向において、前記インコアの中間より、外周面に突部を有する前記一端部側の位置にある、請求項10に記載の管継手。
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