JP2018013176A - タンクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧タンクにおけるライナと口金との間のシール性を高める。
【解決手段】口金は、内部空間に連通する筒状部と、径方向外側に張り出すフランジと、フランジの筒状部側の端部にて内部空間側に突出する筒状の突出部とを備え、突出部の外表面は、外周面を含み、フランジの外表面は、内部空間側の下面を含み、下面は、下面において最も径方向外側に位置する外周部と、段差部と、を含む。製造方法は、ライナの一部を構成し、外周面におけるフランジとは反対側の端部から外周部までの範囲を覆う端部側壁として、段差部の形状に沿った折れ曲がり形状を有する端部側壁を形成しつつ、ライナを口金と一体形成する第1工程と、第1工程の後、ライナの収縮により、ライナが外周部と接する状態で、段差部と端部側壁との間に空間を生じさせる第2工程とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、タンクの製造方法に関する。
高圧の流体を貯蔵・密封するためのタンクとして、流体を貯蔵する空間を形成するライナと、ライナに取り付けられた口金と、を備えるタンクが知られている。このようなタンクでは、流体の密閉性を確保するために、ライナと口金との間の接続部において十分なシール性が確保されることが望まれる。従来、ライナと口金との間のシール性を確保するための構造として、口金の表面に設けた環状溝の内部にライナを嵌入させる構造であって、上記環状溝の形状を、ライナにおける嵌入部分が拡径方向にスライド可能になる形状にする構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような構造を採用することで、ライナが収縮膨張する場合であっても、ライナの嵌入部分が環状溝内でスライドすることによってライナの収縮膨張を吸収して、ライナと口金とが係合する状態を維持し、ライナと口金との間のシール性の確保を図っている。
特開2000−291888号公報
しかしながら、上記のように環状溝内でライナの嵌入部分をスライドさせる場合には、ライナの嵌入部分のスライドに伴って環状溝内に空間が生じるため、この空間内に高圧の流体が入り込む可能性がある。上記空間内に流体が入り込むと、入り込んだ流体に起因して、ライナと口金との間の接触圧を低下させる力が生じるため、ライナと口金との間のシール性の低下を引き起こし得る。そのため、ライナと口金との間のシール性をさらに向上させる技術が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の形態によれば、流体を密閉するための内部空間を形成するライナと、該ライナに取り付けられた口金と、を備えるタンクの製造方法が提供される。このタンクの製造方法において、前記口金は、前記内部空間に連通する筒状部と、該筒状部から該筒状部の径方向外側に張り出すフランジと、前記フランジの前記筒状部側の端部にて前記内部空間側に突出する筒状の突出部と、を備え;前記突出部の外表面は、径方向外側の外周面を含み;前記フランジの外表面は、前記内部空間側の下面を含み;前記下面は、前記下面において最も前記径方向外側に位置する外周部と、前記下面に垂直な方向において位置が変化する段差部と、を含み;前記ライナは、冷却されて硬化する際に収縮する樹脂製である。前記製造方法は;前記ライナの一部を構成し、前記外周面における前記フランジとは反対の側の端部から前記外周部までの範囲を覆う端部側壁として、前記段差部の形状に沿った折れ曲がり形状を有する端部側壁を形成しつつ、前記ライナを前記口金と一体形成する第1のライナ形成工程と;前記第1のライナ形成工程の後、前記ライナの収縮により、前記ライナが前記外周部と接する状態で、前記段差部と前記端部側壁との間に空間を生じさせる第2のライナ形成工程と;を備える。この製造方法によれば、第1のライナ形成工程の後にライナが収縮する際に、段差部と端部側壁との間に空間が生じて、段差部から剥離した端部側壁が伸びることにより、ライナの収縮を吸収することができる。また、口金は内部空間側に向かって突出する突出部を有し、突出部の外周面にライナが接することから、この部分に、ライナの収縮による大きな面圧が発生する。そのため、突出部の周面に接するライナが引っ張られるのを抑制することができ、その結果、ライナの先端部分(突出部の外周面におけるフランジとは反対の側の端部)において、面圧を確実に発生させることができる。したがって、ライナと口金との間のシール性を向上させることができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、高圧タンク等の形態で実現することができる。
本発明の第1実施形態としての高圧タンクの概略構成を表わす説明図である。 本実施形態の高圧タンクの製造方法を示すフローチャートである。 口金とライナとの接合部の様子を表わす断面図である。 口金と一体成形したライナが、収縮して変形した様子を示す説明図である。 第1の参考例の高圧タンクの構成を示す断面図である。 第1の参考例において、口金と一体成形したライナが収縮して変形した様子を示す説明図である。 第2の参考例の高圧タンクの構成を示す断面図である。 変形の様子を分かり易く示した説明図である。 本発明の第2実施形態としての高圧タンクにおける口金と第3ライナとの接合部の様子を示す断面図である。 本発明の第3実施形態としての高圧タンクにおける口金と第3ライナとの接合部の様子を示す断面図である。
A.第1実施形態:
A−1.高圧タンクの構成:
図1は、本発明の第1実施形態としての高圧タンク10の概略構成を表わす説明図である。図1では、高圧タンク10の中心軸を軸線Oとして示しており、軸線Oの左半分に外観を示し、右半分に断面を示す。
高圧タンク10は、本実施形態では圧縮水素を貯蔵し、例えば燃料電池車に搭載される。高圧タンク10は、ライナ20と、補強層30と、一対の口金40と、を備える。ライナ20、補強層30、および口金40のそれぞれは、概ね、軸線Oを中心とする回転対称に形成されている。以下、軸線Oを通過して軸線Oに直交する方向を径方向と呼ぶ。
ライナ20は、ナイロン(ポリアミド系合成繊維)等の樹脂製部材であり、流体を密封するための空間を、口金40と共に形成する。ライナ20と口金40とによって形成された水素を充填するための空間を、以下「内部空間」と呼ぶ。ライナ20は、円筒状の第1ライナ21と第2ライナ22とを溶着すると共に、その両端に、略半球状の第3ライナ23および第4ライナ24を溶着することによって形成されている。第3ライナ23および第4ライナ24は、それぞれ、後述するように口金40と一体成形される。
補強層30は、ライナ20の外表面を覆うように形成されている。この補強層30は、ライナ20を補強して高圧タンク10の強度を向上させるためのものであり、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)によって形成されている。補強層30は、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた炭素繊維をライナ20の外周に巻き付けた後に、上記含浸させた樹脂を硬化させることにより形成することができる。
口金40は、アルミニウム等の金属製部材であり、ライナ20の両端に配置される第3ライナ23および第4ライナ24の各々に取り付けられる。一方の口金40は、高圧タンク10への水素の供給および高圧タンク10からの水素の放出に係る配管が接続され、他方の口金40は、高圧タンク10の内部空間を密閉する。双方の口金40とライナ20との接続に係る構造は同様であるため、以下では、上記配管が接続される口金40と、この口金40と一体形成される第3ライナ23と、に係る構造について説明する。
A−2.高圧タンクの製造方法:
図2は、本実施形態の高圧タンク10の製造方法を示すフローチャートである。高圧タンク10を製造する際には、まず、一対の口金40と、第1ライナ21および第2ライナ22とを用意する(ステップS100)。口金40は、鍛造および切削により作製する。第1ライナ21および第2ライナ22は、射出成形により形成する。
その後、口金40と第3ライナ23あるいは第4ライナ24とを一体成形する(ステップS110)。すなわち、一方の口金40をインサートとして第3ライナ23を射出成形すると共に、他方の口金40をインサートとして第4ライナ24を射出成形する。
その後、第1ライナ21〜第4ライナ24を溶着して、ライナ20を完成する(ステップS120)。そして、ライナ20の外周に補強層30を構成する樹脂含浸炭素繊維を巻き付けた後(ステップS130)、上記樹脂を硬化させて(ステップS140)、高圧タンク10を完成する。
本実施形態では、ステップS100で用意する口金40の形状、および、ステップS110において口金40と第3ライナ23および第4ライナ24とを一体形成する工程に特徴があるため、以下に詳しく説明する。
図3は、口金40と第3ライナ23との接合部の様子を表わす断面図である。図3は、ステップS110において第3ライナ23を口金40と共に金型内でインサート成形したときの様子を表わす。ただし、図3では、金型の図示は省略している。また、図3では、高圧タンク10の軸線Oを含む図1と同様の断面における、軸線Oよりも右側の部分であって、口金40および第3ライナ23の断面のみを示している。図3中のX方向は径方向であり、Y方向は軸線Oに平行な方向である。なお、図中のX方向、Y方向において、矢印の側は+(プラス)という符号を付けて、矢印と反対の側は−(マイナス)という符号を付けて、それぞれ呼ぶこととする。
図3に示すように、口金40は、筒状部50と、フランジ52と、突出部54と、を有する。筒状部50は、貫通孔51を有する中空の部位である。貫通孔51は、高圧タンク10の外部と高圧タンク10の内部空間とを連通させる流路を形成し、高圧タンク10の内部空間に対して開口部53で開口する。貫通孔51の内周面には、配管用バルブを取り付けるための雌ねじが形成されている。
フランジ52は、筒状部50から径方向外側(+X方向)に張り出して形成された部位である。具体的には、フランジ52は、筒状部50の径方向外側の外周面における−Y方向側の端部を含む所定範囲にて、径方向外側に向いて張り出している部位である。フランジ52の外表面は、内部空間側(−Y方向)の下面47と、内部空間と反対の側(+Y方向)の上面48と、を含む。下面47において最も径方向外側であって、上面48との境界となる部位を、以下、外周部46と呼ぶ。フランジ52は、Y方向の厚みが、+X方向に向かって次第に薄くなっている。
突出部54は、フランジ52の下面47から内部空間側(−Y方向)に向かって突出する筒状の部位である。具体的には、突出部54は、下面47における径方向内側(−X方向)の端部、すなわち下面47における筒状部50側の端部から突出している。突出部54の外表面は、径方向内側(−X方向)の内周面56と、径方向外側(+X方向)の外周面57と、−Y方向の先端に位置する平らな先端面58と、を含む。
突出部54の外周面57には、貫通孔51の開口部53を囲んで形成された溝である第1の環状溝41が形成されている。すなわち、突出部54の外周面57は、周方向に沿って形成された第1の環状溝41を含む。第1の環状溝41の深さ方向は、径方向内側(−X方向)である。
フランジ52の下面47には、第2の環状溝42と、第3の環状溝43と、第1平面部44と、第2平面部45と、が形成されている。第2の環状溝42は、下面47における−X方向側の端部、すなわち、筒状部50側の端部、すなわち、突出部54側の端部に設けられている。第3の環状溝43は、下面47における+X方向寄りに設けられている。第1平面部44は、第2の環状溝42と第3の環状溝43との間を結ぶ平面である。第2平面部45は、第3の環状溝43と外周部46との間を結ぶ平面である。第2の環状溝42および第3の環状溝43は、貫通孔51の開口部53を囲んで形成された溝である。第2の環状溝42および第3の環状溝43の深さ方向は、+Y方向である。第3の環状溝43と、突出部54に設けられた第1の環状溝41とは、口金40にライナ20が密着する力を強めるための構造である。第1平面部44および第2平面部45は、軸線O(Y方向)に対して直交する平面であり、Y方向において同一の位置に配置される。
ステップS110では、ライナ20(第3ライナ23)は、突出部54の外周面57、フランジ52の下面47、および上面48を覆うように金型内で口金40と一体成形される。外周面57および下面47では、ライナ20は、外周面57における内部空間側(−Y方向)の端部59からフランジ52の外周部46まで、連続して形成される。この部分、すなわち、ライナ20において、外周面57のフランジ52とは反対の側の端部(以下、「先端部」とも呼ぶ)59からフランジ52の外周部46までの範囲を覆う部分が、本願の「課題を解決するための手段」における「端部側壁」に相当する。以下では、ライナ20において、突出部54の外周面57を覆う部分を突出部覆い部25とも呼び、フランジ52の下面47を覆う部分を下面覆い部26とも呼び、フランジ52の上面48を覆う部分を上面覆い部27とも呼ぶ。突出部覆い部25と下面覆い部26とを合わせた部分が、端部側壁である。
突出部覆い部25は、第1の環状溝41を中実な状態で完全に塞いでおり、突出部覆い部25における径方向外側(+X方向)の表面は、第1の環状溝41に対応する溝形状を有さず、平らである。下面覆い部26は、第3の環状溝43を中実な状態で完全に塞いでおり、下面覆い部26における内部空間側(−Y方向)の表面は、第3の環状溝43に対応する溝形状を有さず、平らである。具体的には、下面覆い部26おける−Y方向側の表面において、第3の環状溝43を覆う部分は、第1平面部44および第2平面部45と同一平面を構成する。
一方、下面覆い部26における第2の環状溝42を覆う部分は、溝を覆い第2の環状溝42に沿った形状に形成される。すなわち、下面覆い部26における−Y方向側の表面の、第2の環状溝42を覆う部分には、第2の環状溝42と同様の溝が形成される。そのため、端部側壁の一部を構成する下面覆い部26は、第1平面部44より径方向内側(−X方向)において、第2の環状溝42に沿った折れ曲がり形状を有している。なお、本実施形態では、第2の環状溝42から第1平面部44までの範囲、および第2平面部45において、下面覆い部26は、ほぼ均一の厚みに形成されている。
第2の環状溝42は、前述したように折れ曲がり形状であるが、下面47に垂直なY方向において位置が変化する段差と捉えることができる。このため、第2の環状溝42は、本願の「課題を解決するための手段」における「段差部」に相当する。
図4は、口金と一体成形したライナが、収縮して変形した様子を示す説明図である。ステップS110では、口金をインサートとして配置した金型内に溶融樹脂を射出することによりライナを成形するが、ライナを構成する樹脂は、冷却されて硬化する際に収縮する。なお、上記冷却の際には金属製の口金も収縮するが、収縮率は、口金よりも硬化時の上記樹脂の方が大きい。そのため、金型内ではライナにおいて収縮応力が発生する。
射出成形の後、口金と一体成形したライナを金型から取り出すと、上記収縮応力によってライナが変形する。図4は、このように、口金と一体成形したライナを金型から取り出した後に変形した様子を表わす。なお、図4および、後述する図6、図8は、解析結果から得られたライナの変形量を5倍にして、変形の様子を分かり易く示した模式図である。本実施形態のステップS110において、金型内で口金をインサートとしてフランジおよび突出部を射出成形する工程が、「課題を解決するための手段」における「第1のライナ形成工程」に相当し、金型から取り出すことによって収縮したフランジと突出部と口金とが一体形成された構造を得る工程が、「課題を解決するための手段」における「第2のライナ形成工程」に相当する。
A−3.実施形態の作用効果:
図4に示すように、本実施形態の高圧タンク10では、成形収縮が終わった後のライナ20の突出部覆い部25は、突出部54と密着する状態を維持し、下面覆い部26における第2の環状溝42と重なる部分は、フランジ52から離間する結果となった。その理由は、以下のように考えられる。
ライナ20は筒状であるため、ライナ20が収縮するときには、軸線O側(−X方向)に向かって収縮する力が働く。特に、−Y方向に延びる突出部54の外周面57にライナ20の突出部覆い部25が形成されていることから、この部分には、収縮による大きな面圧(突出部54とライナ20との間の接触圧)が発生する。また、突出部覆い部25には、突出部54の第1の環状溝41に係合する凸構造が設けられているため、突出部覆い部25と突出部54との密着性が高められている。これらのことから、ライナ20の突出部覆い部25は、突出部54と密着する状態を維持することができる。
ライナ20の下面覆い部26においては、軸線O側(−X方向)に向かって収縮力が働く。一方、ライナ20は、フランジ52の下面47および上面48の双方に沿って設けられているため、外周部46の近傍においてライナ20は、フランジ52に対して強く拘束されている。したがって、外周部46の近傍では、下面覆い部26において径方向外側(+X方向)に向かって収縮力が働く。そのため、第2の環状溝42近傍において、下面覆い部26は、−X方向と+X方向の両方に向かって引っ張られることによりフランジ52から離間する。その結果、第2の環状溝42から離間した下面覆い部26の折れ曲がり形状が引き延ばされて収縮力を吸収する。そして、下面覆い部26は、−X方向と+X方向の各端部においてフランジ52に密着しつつ、第2の環状溝42を含む領域上が開いた(フランジ52との間に空間が形成された)状態で安定する。
したがって、本実施形態の高圧タンク10では、ライナ20の突出部覆い部25は突出部54と密着する状態を維持できることと、ライナ20の下面覆い部26は収縮によっても安定した状態であること、とを理由として、ライナ20の先端部59において、面圧を確実に発生させることができる。したがって、ライナ20と口金40との間のシール性を向上させることができる。
本実施形態の高圧タンク10について、シミュレーション・ツールを用いて解析を行なった結果、ライナ20の先端部59における面圧P1と、第1の環状溝41の開口付近における面圧P2とが、後述する参考例の面圧と比較して大きなものとなった。このことからも、ライナ20の先端部において、面圧が確実に発生していることが判る。
A−4.参考例との比較:
図5は、第1の参考例の高圧タンクの構成を、図3と同様に示した断面図である。第1の参考例の高圧タンクは、口金40に代えて、フランジ852の下面847の形状が異なる口金840を備えると共に、ライナ20に代えてライナ820を備えること以外は、各部の構成材料および寸法を含めて、第1実施形態と同様の構成を有する。そのため、第1実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
図5に示すように、第1の参考例の高圧タンクの口金840の下面847には、第1の環状溝841と、第1実施形態の第3の環状溝43と同一の第2の環状溝843が形成されているが、突出部54(図3)は形成されていない。第1の環状溝841および第2の環状溝843は、第1実施形態における第1の環状溝41および第3の環状溝43と同様に、ライナ220によって忠実な状態で完全に塞がれている。そして、下面847において、第1の環状溝841と第2の環状溝843との間の領域は、軸線Oに対して直交する平面を構成し、ライナ820によって覆われている。
図6は、第1の参考例において、口金と一体成形したライナが収縮して変形した様子を示す説明図である。第1の参考例の高圧タンクでは、図6に示すように、ライナ820の軸線O側の端部である内周端825を含む端部領域において、ライナ820の下面覆い部826はフランジ852から離間して脱落する。その理由は、以下のように考えられる。第1の参考例の高圧タンクでは、フランジ852の下面847を覆う下面覆い部826に、環状溝に沿った折れ曲がり形状を有していない。そのため、外周部846近傍で拘束される下面覆い部826において、径方向内側(−X方向)に向かって収縮する力は、特別な構造によって途中で吸収されることなく内周端825まで働く。内周端825近傍において下面覆い部826は第1の環状溝841に係合しようとするが、外周部846近傍で拘束された状態で径方向外側に向かって収縮する力が強いために、下面覆い部826における内周端825を含む端部領域は、フランジ52の下面847から剥がれることになる。
これに対して、本実施形態の高圧タンクによれば、前述したように、フランジ52の下面47において、段差部としての第2の環状溝42を設け、この第2の環状溝42に沿う形状にライナ20を形成することによって、ライナ20の下面覆い部26に折れ曲がり形状を設けている。そのため、ライナ20の作製時にライナ20が収縮する際に、下面覆い部26の収縮を、上記折れ曲がり形状がフランジ52から剥離して伸びることにより吸収可能となる。そして、ライナ20の先端部側は、突出部54の外周面57を覆う突出部覆い部25によって、口金40に対する密着性を確保することができる。したがって、ライナ20と口金40との間のシール性を高めることができ、ライナ20が口金40のフランジ52から剥がれることはない。
図7は、第2の参考例の高圧タンクの構成を、図3と同様に示した断面図である。第2の参考例の高圧タンクは、口金40に代えて、突出部54を有しない口金940を備えると共に、ライナ20に代えてライナ920を備えること以外は、各部の構成材料および寸法を含めて、第1実施形態と同様の構成を有する。そのため、第1実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
図7に示すように、第2の参考例の高圧タンクの口金940の下面947には、第1の環状溝941と、第2の環状溝942と、第3の環状溝943とが形成されている。下面847において、第1の環状溝941は径方向内側(−X方向)に設けられ、第3の環状溝942は径方向外側(+X方向)に設けられ、第2の環状溝942は第1の環状溝941と第2の環状溝942との中間に設けられている。第1の環状溝941および第3の環状溝943は、第1実施形態における第1の環状溝41および第3の環状溝43と同様に、ライナ920によって忠実な状態で完全に塞がれている。第2の環状溝942は、第1実施形態における第2の環状溝42と同様に、ライナ920によって第2の環状溝942に沿った形状に形成されている。すなわち、ライナ920における第2の環状溝942を覆う部分は、第2の環状溝942に沿った折れ曲がり形状を有している。
図8は、第2の参考例において、口金と一体成形したライナが、収縮して変形した様子を示す。図8に示すように、第2の参考例の高圧タンクは、成形収縮後において、ライナ920の軸線O側(−X方向)の端部である内周端925の近傍、および外周部946の近傍では、上面覆い部926とフランジ952との間の密着状態を維持する。上面覆い部926において第2の環状溝942と接していた領域は、フランジ952から離間して、折れ曲がり形状が伸びることによって収縮を吸収する。したがって、ライナ20の内周端925において、面圧を発生させることができる。
第2の参考例の高圧タンクは、上述したように、ライナ20の内周端925において、面圧をある程度、発生させることができることから、第1の参考例に比べて、ライナ20と口金40との間のシール性が優れている。しかしながら、第2の参考例の高圧タンクでは、ライナの成形条件(圧力、冷却温度等)のばらつきにより、収縮の程度が変化し、引張荷重にばらつきが発生することがあった。これによって、ライナ20の内周端925で面圧が発生しなくなり、第1の環状溝941からライナ920が抜ける虞があった。これに対して、第1実施形態の高圧タンクでは、突出部54が設けられ、突出部54の先端部59までライナが形成され、しかも、突出部54に第1の環状溝41が形成され、第1の環状溝41に係合するライナ20の凸構造が設けられていることから、ライナ20の先端部において、面圧を確実に発生させることができる。したがって、第1実施形態の高圧タンクは、第2の参考例の高圧タンクに比べて、ライナ20と口金40との間のシール性を高めることができ、ライナ20が口金40のフランジ52から剥がれることを確実に防止できる。
B.第2実施形態:
図9は、本発明の第2実施形態としての高圧タンクにおける口金と第3ライナとの接合部の様子を、図3と同様に示す断面図である。第2実施形態の高圧タンクは、口金40に代えて、フランジ252の下面247の形状が異なる口金240を備えると共に、ライナ20に代えて、ライナ220を備えること以外は、各部の構成材料および寸法を含めて、第1実施形態と同様の構成を有する。そのため、第1実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
図9に示すように、第2実施形態の高圧タンクの口金240の下面247において、第3の環状溝43と突出部54との間に段差部242が形成されている。段差部242は、第1実施形態における第2の環状溝42に代えるものである。段差部242は、径方向外側(+X方向)に向かってフランジ252の厚みが急激に薄くなる部分、換言すれば、下面47に垂直なY方向において位置が変化する部分である。段差部242の+X方向側の平面、すなわち下面247に、第3の環状溝43が形成されている。段差部242の−X方向側の平面245は、+X方向側の平面(下面247)よりも内部空間側(−Y方向)に位置し、−Y方向に延びる突出部54の外周面57と直交する。
ライナ220は、第1実施形態と同様に、突出部54の先端部59から外周部46までの範囲を塞いでおり、第1の環状溝41および第3の環状溝43を中実な状態で完全に塞いでいる。これに対して、ライナ220における段差部242を覆う部分は、段差部242を塞ぐことなく、段差部242に沿った形状に形成される。すなわち、段差部242を覆う部分には、段差部242と同様の段差が形成される。そのため、突出部54の外周面57と平面245とが交差する部位から第3の環状溝43までの範囲において、段差部242に沿った折れ曲がり形状を有している。
以上のように構成された第2の実施形態の高圧タンクでは、ライナ220の作製時にライナ220が収縮する際に、ライナ220の収縮を、段差部242に沿った部分がフランジ52から剥離して伸びることにより吸収可能となる。したがって、第2の実施形態の高圧タンクでは、第1の実施形態の高圧タンクと同様に、ライナ220の先端部59において、面圧を確実に発生させることができる。したがって、第2の実施形態の高圧タンクでは、第1の実施形態の高圧タンクと同様に、ライナ220と口金40との間のシール性を向上させることができる。
C.第3実施形態:
図10は、本発明の第3実施形態としての高圧タンクにおける口金と第3ライナとの接合部の様子を、図3と同様に示す断面図である。第3実施形態の高圧タンクは、口金40に代えて、フランジ352の下面347の形状および突出部354の外周面357の形状が異なる口金340を備えると共に、ライナ20に代えて、ライナ320を備えること以外は、各部の構成材料および寸法を含めて、第1実施形態と同様の構成を有する。そのため、第1実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
図10に示すように、第3実施形態の高圧タンクの口金340の突出部354の外周面357において、第1実施形態において設けられた第1の環状溝41(図3)が形成されておらず、代わりに、第1の環状溝341は、フランジ352の下面347の突出部354側に形成されている。フランジ352の下面347において、第1実施形態において設けられた第2の環状溝42(図3)が、第2の環状溝342として、外周部46近傍に設けられている。第2の環状溝342は、第1実施形態において設けられた第3の環状溝43(図3)と同一の位置に設けられている。
ライナ320は、第1実施形態と同様に、突出部354の先端部359から外周部46までの範囲を塞いでおり、第1の環状溝341を中実な状態で完全に塞いでいる。第2の環状溝342については、第1実施形態において設けられた第2の環状溝42(図3)と同様に、第2の環状溝342に沿った折れ曲がり形状を有している。第2の環状溝342は、本願の「課題を解決するための手段」における「段差部」に相当する。
以上のように構成された第3の実施形態の高圧タンクでは、ライナ320の作製時にライナ320が収縮する際に、ライナ320の収縮を、第2の環状溝342に沿った部分がフランジ52から剥離して伸びることにより吸収可能となる。また、口金340は−Y方向に延びる突出部354を有し、突出部354の外周面357にライナ320の一部分が形成されていることから、この部分に、収縮による大きな面圧が発生する。したがって、第3の実施形態の高圧タンクでは、第1の実施形態の高圧タンクと同様に、ライナ320の先端部359において、面圧を確実に発生させることができる。
D.変形例:
・変形例1:
上記各実施形態では、ライナは、フランジの上面48を覆う上面覆い部27を備えることとしたが、上面覆い部27は設けないこととしてもよい。このような場合であっても、ライナの底面層が、フランジの外周部46近傍で拘束されていれば、各実施形態と同様の効果が得られる。
・変形例2:
上記各実施形態では、高圧タンクは加圧水素の貯蔵に用いたが、水素以外の他の加圧流体の貯蔵に用いてもよい。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…高圧タンク
20…ライナ
21…第1ライナ
22…第2ライナ
23…第3ライナ
24…第4ライナ
25…突出部覆い部
26…下面覆い部26
27…上面覆い部
30…補強層
40…口金
41…第1の環状溝
42…第2の環状溝
43…第3の環状溝
44…第1平面部
45…第2平面部
46…外周部
47…下面
48…上面
50…筒状部
51…貫通孔
52…フランジ
53…開口部
54…突出部
56…内周面
57…外周面
58…先端面
59…先端部
220…ライナ
240…口金
242…段差部
245…平面
247…下面
252…フランジ
320…ライナ
340…口金
341…第1の環状溝
342…第2の環状溝
347…下面
352…フランジ
354…突出部
357…外周面
359…端部

Claims (1)

  1. 流体を密閉するための内部空間を形成するライナと、該ライナに取り付けられた口金と、を備えるタンクの製造方法であって、
    前記口金は、前記内部空間に連通する筒状部と、該筒状部から該筒状部の径方向外側に張り出すフランジと、前記フランジの前記筒状部側の端部にて前記内部空間側に突出する筒状の突出部と、を備え、
    前記突出部の外表面は、径方向外側の外周面を含み、
    前記フランジの外表面は、前記内部空間側の下面を含み、
    前記下面は、前記下面において最も前記径方向外側に位置する外周部と、前記下面に垂直な方向において位置が変化する段差部と、を含み、
    前記ライナは、冷却されて硬化する際に収縮する樹脂製であり、
    前記製造方法は、
    前記ライナの一部を構成し、前記外周面における前記フランジとは反対の側の端部から前記外周部までの範囲を覆う端部側壁として、前記段差部の形状に沿った折れ曲がり形状を有する端部側壁を形成しつつ、前記ライナを前記口金と一体形成する第1のライナ形成工程と、
    前記第1のライナ形成工程の後、前記ライナの収縮により、前記ライナが前記外周部と接する状態で、前記段差部と前記端部側壁との間に空間を生じさせる第2のライナ形成工程と、
    を備えるタンクの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109114414A (zh) * 2018-10-30 2019-01-01 亚普汽车部件股份有限公司 高压复合容器的密封结构及高压复合容器

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