以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る送出装置1の構成について説明する。図1は、送出装置1の正面概略図であり、図2は、送出装置1によって蓄積および送出する扁平状物品XA1を示す外観図であり、送出装置1の上面概略図であり、図3〜図5は、送出装置1の上面図であり、図6は、背面概略図である。なお、各図においては、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。また各図において、部材の大きさ、形状、厚みなどを適宜誇張して表現する。
<全体構成>
図1を参照して、本実施形態の送出装置1は、搬送手段2と、送出手段3と、移動手段4を有し、扁平状物品XA1を複数保持しつつ下流工程に送出する装置である。
図2を参照して本実施形態における扁平状物品XA1について説明する。図2(a)、同図(c)は、扁平状物品XA1の平面図であり、同図(b)、(d)は起立させた状態の側面概要図である。本実施形態の扁平状物品XA1は、一例として組立てると箱体となる紙又は樹脂等の折り畳まれた箱体であり、折り畳んだ状態では略扁平状となっているものをいう。より具体的には、本実施形態の扁平状物品XA1は、図2(a)および同図(b)に示す組立て前のワンタッチ箱または、同図(c)および同図(d)に示す組立て前のサック箱であり、カートンと言われる場合もある。
同図(a)、(b)に示すように、ワンタッチ箱は、4枚の組み合わせにした底面の2か所を貼り合わせ、箱を起こすと自動的に底部Bが組み合わされるものであり、組立て前の扁平状物品XA1の状態では、蓋部Fはその材料(例えば、紙)の一枚分の厚さであるが、底部Bにおいては最大で5枚分の厚さとなっており、両者に大きな厚みの差が生じる(同図(b)参照)。
一方、同図(c)、(d)に示すように、筒状の胴体を有して上下をそれぞれ差込式の蓋部Fと底部Bとしたサック箱は、例えば、同図(c)に示す状態であれば中央部分およびその付近における厚みの差は均一(材料の3枚分の厚み)となる。
本実施形態の送出装置1は、起立状態で扁平状物品XA1、XA1´を蓄積し、送出する。ここで「起立状態」とは、走行方向に沿って上流側または下流側から見た場合には、例えば同図(a)あるいは同図(c)に示す状態で、また、図1に示す正面視においては同図(b)あるいは同図(d)に示す状態であることをいう。すなわち、一例としてワンタッチ箱の場合には、厚みが厚い底部B部を下方に、蓋部Fを上方に配置する。また、サック箱の場合には、蓋部Fおよび底部Bを左右方向に配置する。なお押送時の扁平状物品XA1の状態は同図に示すものに限らず、例えば、同図(a)、(c)における左右(表裏)は逆であってもよく、同図(c)においては底部Bと蓋部Fが上下になるように配置してもよい。
また、本実施形態の扁平状物品XA1は、折り畳まれた(組立て前の)箱体に限らず、台紙(紙片)、又は能書等の添付書類等の略扁平な形状を有する物品であっても良い。
以下の実施形態では、扁平状物品XA1が同図(a)、(b)に示すワンタッチ箱である場合を例に説明するが、扁平状物品XA1は同図(c)、(d)に示すサック箱であってもよい。また、以下の説明においてワンタッチ箱とサック箱を区別する必要がある場合には、ワンタッチ箱を扁平状物品XA1、サック箱を扁平状物品XA1´と別称する。
本実施形態では一例として、送出装置1は、折り畳まれた箱体を組立てて、当該箱体に収容物品(図示省略)を箱詰めするラインで使用される。すなわち送出装置1は、図1に示すように、送出方向(図示の左から右へ向かう搬送方向)に沿って所定数の扁平状物品XA1を起立状態で並べて一時的に蓄積(ストック、集積)しておき、下流工程となる印字装置や製函装置(いずれも図示省略)などに供給するものであり、カートンストッカやカートンホッパなどと言われる場合もある。
搬送手段2は、例えば、搬送面22とそれを挟むように平行に配置された複数のエンドレスベルト(ここでは不図示)を備えたベルトコンベアであり、平滑な搬送面22上に起立状態で載置された扁平状物品XA1を複数保持するとともに、エンドレスベルトの回転により、上流側から下流側(図示の左から右)に向かって扁平状物品XA1を搬送する。搬送手段2は、下流側(搬送方向の前方側)が上流側(搬送方向の後方側)よりも下方に位置するように、すなわち、搬送面22が搬送方向の前方に向かって下向きに傾斜するように配設される。
搬送手段2の搬送方向に沿う両側部のうち一方の上流側側部(図示の手前側の側部)は開放状態となっており、手前側から複数の扁平状物品XA1が搬送面22上に供給される供給領域となっている。また、他方の側部(図示の奥側の側部)、及び一方の下流側側部(図示の手前の下流側側部)には、扁平状物品XA1の脱落を防止するガイド部材23が設けられている。
送出手段3は、ベルトコンベア2の上方に配設され、複数の押送保持部材33を循環移動可能に支持するコヤグラコンベア(オーバーヘッドコンベア)である。コヤグラコンベア3は、前後に配置された複数のスプロケット31と、その複数のスプロケット31に掛け渡されたタイミングベルト36と、タイミングベルト36に所定ピッチ毎に取り付けられた複数のブロック37と、ブロック37に対して回転可能に構成された押送保持部材33と、動力源となる駆動モータ(図1では不図示)などを備えている。駆動モータの出力はスプロケット31に連係され、駆動モータの出力を受けてスプロケット31が回転駆動すると、タイミングベルト36が走行し、これと一体となって複数の押送保持部材33が走行する。コヤグラコンベア3は、ベルトコンベア2の搬送面22と平行となるように、下流側(搬送方向の前方側)が上流側(搬送方向の後方側)よりも下方に位置するように傾斜して配置される。また、扁平状物品XA1を保持して押送する押送保持部材33は、搬送面22に対して水平に走行する。
押送保持部材33は板状部材であり、ベルトコンベア2の搬送面22に対して垂直となるように、コヤグラコンベア3の進行方向に沿って複数並んで取り付けられ、進行方向の前後に位置する一組の押送保持部材33の間には複数の扁平状物品XA1を供給可能である。つまり、この一組の押送保持部材33によって、複数の扁平状物品XA1が束状に保持(ストック)される。より詳細には、一組の押送保持部材33の前方の押送保持部材33によって、束状の扁平状物品XA1のうち最も下流側の扁平状物品XA1の上方(例えば、蓋部F)が支持され、後方の押送保持部材33によって、束状の扁平状物品XA1のうち最も上流側の一枚の扁平状物品XA1の上方(例えば、蓋部F)が支持される。そしてこれらの間の扁平状物品XA1は、前倒しあるいは後倒しが規制された起立状態で、搬送面22上に保持(ストック)される。また、押送保持部材33を所定のタイミングで循環移動することによって、複数の扁平状物品XA1が進行方向に押送される。
なお、押送保持部材33はローラー取り付け部材34Bおよびブロック37を介してタイミングベルト36に取り付けられ、下流側のスプロケット31部分で回転する際、少なくとも扁平状物品XA1を押送している間は、搬送面22に対する垂直が(略)維持されるように構成されている。これにより、下流端部において押送保持部材33による扁平状物品XA1の突き飛ばしが回避される(これについては後述する)。
ベルトコンベア2の下流端部には、扁平状物品XA1の有無を検知する検知手段5が設けられている。送出装置1は、検知手段5によって扁平状物品XA1が無いことが検知された場合、ベルトコンベア2とコヤグラコンベア3とを同期して駆動し、扁平状物品XA1を前進させる。この検知手段5については、後述する。
これら送出装置1の各部は、制御ユニットによって統括的に制御される。制御ユニットは、CPU、RAM、及びROMなどから構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
移動手段4は、ベルトコンベア2のガイド部材23の外側に設けられ、コヤグラコンベア3がベルトコンベア2の搬送面22に対して垂直方向(図示の上下(Y)方向)および水平方向(手前、奥行き(Z)方向)に移動可能となるようにこれを支持する。これにより、保持・押送される扁平状物品XA1の形状およびサイズに応じて、コヤグラコンベア3を適切な位置に配置することができる。
送出装置1の下流側端部には、取り出し装置7が設けられる。取り出し装置7は、一例として、支持杆71と移動杆72と吸着パッド73などを有する。吸着パッド73は、支持杵71を介して移動杵7に固定されている。吸着パッド73は、扁平状物品XA1の保持及び保持を開放するための減圧及び開放手段(不図示)に接続されている。
押圧杆74は回動軸75を軸として回動し、移動杆72を送出装置1の方向に押圧する。これにより、移動杆72に固定されている吸着パッド73が送出装置1の下流端部に保持されている(最下流の)扁平状物品XA1を押圧し、吸引してこれを保持する。また、押圧杆74は、図示の右方向に回転して待機する。そして回動軸76、77等の関節を有するアーム78、79等によって移動杆72を移動して扁平状物品XA1を取出し、不図示の下流工程(例えば印字装置や製函装置)に供給する。
<移動手段>
次に、移動手段4について更に説明する。図3から図5は、送出装置1の上面図である。図3は全体構成を示す上面図であり、図4は、移動手段4のうち水平方向移動機構43を実線で示し、上下方向移動機構41を破線で示した上面図であり、図5は、移動手段4のうち水平方向移動機構43を破線で示し、上下方向移動機構41を実線で示した上面図である。また図6は、送出装置1の背面概要図である。
図3〜図5に示すように、ベルトコンベア2は、平滑な搬送面22を挟んで設けられた複数の搬送ベルト(エンドレスベルト)21を有する。各搬送ベルト21には、当該搬送ベルト21の幅方向に沿って不図示の凹凸部(溝)が形成されており、その凹凸部(溝)の凹部底面は、搬送面22よりも高く設定されている。起立状態の扁平状物品XA1は下端部が搬送ベルト21の凹凸部に係止して保持され、搬送ベルト21の循環に伴って上流側から下流側(図示の左から右)に向かって搬送される。
搬送ベルト21は、扁平状物品XA1の形状の変化(搬送面22の幅方向におけるサイズの変化)に柔軟に対応するために、複数本(この例では5本)配置されるが、扁平状物品XA1の搬送時には、搬送時には、全ての搬送ベルト21が駆動されるが、当該扁平状物品XA1の形状に合わせて少なくともいずれか1本の搬送ベルト21を駆動するようにしてもよい。
ベルトコンベア2の搬送方向に沿う両側部のうち一方の側部(この例では、搬送方向下流に向かって右側部、図3では下方側)は開放された供給領域Iとなっている。扁平状物品XA1は供給領域Iからベルトコンベア2の搬送面22上に供給され、複数枚が纏めて、コヤグラコンベア3の押送保持部材32で保持される。また、他方の側部(この例では、搬送方向下流に向かって左側部、図3では上方側)には、扁平状物品XA1の脱落を防止するガイド部材23が設けられ、開放部分から供給される、あるいは、保持または搬送中の扁平状物品XA1の離脱を防止する。
そしてそのガイド部材23の更に外側に、コヤグラコンベア3を上下および水平(前後)方向に移動可能に、片持ち状態で支持する移動手段4が設けられている。移動手段4は、上下方向移動機構41と水平方向移動機構43を有する。
図3、図4および図6に示すように、水平方向移動機構43は、移動用ハンドル431と、移動用ハンドル431に連結する不図示の回転伝動手段(例えば、ウォームおよびウォームホイールなど)と、コヤグラコンベア3の走行方向における中央付近に設けられてその一端が回転伝動手段に連結する直線駆動機構434と、コヤグラコンベア3の走行方向に対して直交する方向(ベルトコンベア2の搬送面22の幅方向)に延在する2本のガイド軸435などを有する。なお、以下、コヤグラコンベア3の走行方向に対して直交する方向(ベルトコンベア2の搬送面22の幅方向)を、「コヤグラコンベア3の幅方向」という。
なお、水平方向移動機構43は、図3および図4において直線駆動機構434を中心として左右対称な構成であるので、一方側(例えば右方側)のみについて説明する。
直線駆動機構434は、例えば、コヤグラコンベア3の幅方向に延在して回転軸となる送りねじ(ねじ軸)432と、ナット433と、送りねじ432とナット433の間を転動するボール(不図示)を有するボールねじにより構成される。送りねじ432はその一端側が回転伝動手段を介して移動用ハンドル431に連結され、他端側においてコヤグラコンベア3の一方の側方(例えば、搬送方向下流に向かって左側方)に固定されている。
ナット433は、コヤグラコンベア3を側方から支持する昇降支持部材422を貫通するように設けられて当該昇降支持部材422に固定される。昇降支持部材422の詳細は後述するが、コヤグラコンベア3の側方に、走行方向に沿う所定の長さに亘って設けられており、水平方向(図2に示す上下方向)においては移動不可となるように、機枠Fに取り付けられている。
ガイド軸435も、昇降支持部材422を貫通するように設けられ、その一端側がコヤグラコンベア3の側方に固定されて、コヤグラコンベア3の幅方向に水平な方向に進退可能(伸縮可能)に構成されている。
水平方向移動機構43は、移動用ハンドル431を回転させると、回転伝動手段(不図示)を介して回転する送りねじ432の回転運動が、ナット433の直線運動に変換される。すなわち、機枠Fおよび水平方向においては機枠Fに対して固定された状態となっている昇降支持部材422に対して送りねじ432が進退し、これによりコヤグラコンベア3が駆動モータ35と共に、2本のガイド軸435に沿って水平方向にスライド移動する。
一方、図3、図5および図6に示すように上下方向移動機構41は、移動用ハンドル411と、移動用ハンドル411に連結する不図示の回転伝動手段(例えば、ウォームおよびウォームホイールなど)と、コヤグラコンベア3の走行方向の略中央付近に設けられてコヤグラコンベア3の幅方向に延びる回転軸412と、コヤグラコンベア3の走行方向に延びる回転軸415と、回転軸412の回転を回転軸415に伝動する傘歯車413、414と、直線駆動機構418と、回転軸415の回転を直線駆動機構418に伝動する傘歯車416、417と、機枠Fに固定されてコヤグラコンベア3を上下方向に移動可能に支持する支持部材423と、支持部材423に設けられたレール425(図6参照)に係合するスライダー424と、スライダー424が固定されるとともにコヤグラコンベア3を側方から片持ち状態で支持する昇降支持部材422などを有する。
なお、上下方向移動機構41は、図3および図5において回転軸412を中心として左右対称な構成であるので、一方側(例えば右方側)のみについて説明する。
直線駆動機構418は、図6に示すように、例えば、ベルトコンベア2の搬送面22に対して垂直な方向に延在して回転軸となる送りねじ(ねじ軸)419と、ナット420と、送りねじ419とナット420の間を転動するボール(不図示)を有するボールねじにより構成される。送りねじ419はその下端が傘歯車417と連結し、上端は支持部材423に固定されている。ナット420は、コヤグラコンベア3を側方から支持する昇降支持部材422に固定される。
昇降支持部材422は、コヤグラコンベア3の走行方向の下流に向かって例えば左側の側方に固定され、コヤグラコンベア3の走行方向における中央付近を含む所定の長さ(例えば、コヤグラコンベア3の搬送方向の2分の1以上の長さ)に亘って設けられる。
また、昇降支持部材422の両端にはそれぞれスライダー424が固定されている。スライダー424は、支持部材423に設けられたレール425に係合する。つまり、昇降支持部材422は、水平方向には移動不可であるが、上下方向には移動可能に構成されている。
上下方向移動機構41は、移動用ハンドル411を回転させると、回転伝動手段(不図示)を介して回転軸412が回転し、その回転が傘歯車413、414によって伝動されて回転軸415が回転する(図5参照)。さらにその回転が傘歯車416、417によって伝動されて送りねじ419が回転し、その送りねじ419の回転運動がナット420の直線運動に変換される。すなわち、支持部材423に固定されて機枠Fに対して上下に進退不可となっている送りねじ419に対して、ナット420が上下方向に移動する。ナット420は昇降支持部材422に固定され、また昇降支持部材422はスライダー424によって支持部材423のレール425に沿って上下移動可能に構成されている。これにより、コヤグラコンベア3が上下方向に移動する。
つまり、移動手段4は、水平方向移動機構43が、昇降支持部材422に対して近接又は離間するようにコヤグラコンベア3とその駆動モータ35を一体的に水平方向に移動させる。また、上下方向移動機構41が、コヤグラコンベア3とその駆動モータ35を一体的に支持する昇降支持部材422を、上下方向に移動させる。
このような構成により、ベルトコンベア2およびコヤグラコンベア3によって保持・押送する扁平状物品XA1の形状(起立状態での高さおよび搬送面22に沿う幅)が変化する(異なる)場合であっても、コヤグラコンベア3の押送保持部材33を、確実な保持が行える位置に調整できる。
例えば、ワンタッチ箱(図2(a)、(b))は組立て前の扁平状物品XA1の状態では、蓋部Fと底部Bの厚みに大きな差が生じる。このようなワンタッチ箱(扁平状物品XA1)を送出装置1で押送する場合、一般的には厚みが厚い底部Bを下方に、蓋部Fを上方に配置して起立状態で押送することが一般的であり、コヤグラコンベア3の押送保持部材33は進行方向の前後に倒れることを防止できるように、扁平状物品XA1の上方から確実に保持可能にする必要がある。
すなわち、この場合の押送保持部材33の位置は、押送する扁平状物品XA1の形状に応じて適切な位置を選択する必要があり、押送保持部材33(コヤグラコンベア3)の位置が変更できない場合には、押送できる扁平状物品XA1の形状が限定されてしまう。また、扁平状物品XA1の形状に応じて、その都度、押送保持部材33(コヤグラコンベア3)を交換するのでは、作業工数やそれに係る労力が増大してしまう。
これに対し、本実施形態の送出装置1では、移動手段4によって、コヤグラコンベア3の水平方向および上下方向の移動が容易に行えるため、扁平状物品XA1の形状に応じて、板状の押送保持部材33の位置を調整できる。したがって、扁平状物品XA1の形状によらず(扁平状物品XA1の形状(起立状態での高さや搬送面22に沿う幅)が変化する(異なる)場合であっても)、上方から所定の高さ(例えば高さ方向の半分程度まで)を押送保持部材33によって確実に抑えることができ、前倒しあるいは後倒しを防いで確実に保持・押送することができる。
<押送保持部材>
次に、図7を参照して、本実施形態の押送保持部材33について更に説明する。図7(a)はコヤグラコンベア3の下流端部付近を上方から見た外観斜視図であり、同図(b)は同図(a)の押送保持部材33を抜き出して示す斜視図であり、同図(c)は同図(b)の正面図、同図(d)は同図(a)の正面図である。
同図(b)、(c)に示すように、本実施形態の押送保持部材33は、コヤグラコンベア3の幅方向の一方側に突出部33Bが設けられた板状部材である。より詳細には、本実施形態の押送保持部材33は、コヤグラコンベア3の幅と同等の幅を有する本体部33Aと、本体部33Aからベルトコンベア2の供給領域I側に向かって突出する突出部33Bを有する。この例では押送保持部材33は、コの字状の本体部33Aと、コの字の一方(ベルトコンベア2の供給領域I側)の角部分から搬送面22に対して水平に延在する突出部33Bを有する略F字状に構成されている。
このように、片側のみに突出部33Bを設けることにより、移動手段4によってコヤグラコンベア3を移動させることなく、ある程度の扁平状物品XA1の幅方向の変更に対応可能となる。例えば、図2(a)に示すようなワンタッチ箱を扁平状物品XA1として起立状態で押送する場合、押送保持部材33で押さえるべき蓋部Fの位置は、コヤグラコンベア3の幅方向の左右一方(図2(a)の場合は左方向)に偏ることになる。つまり、図2(a)に示すワンタッチ箱の表裏(前後)を入れ替えて押送したい場合には、押送保持部材33で押さえるべき蓋部Fの位置も左右が入れ替わってしまう(蓋部Fが右に偏る)ことになる。本実施形態では、コヤグラコンベア3の幅方向に突出する突出部33Bによって、コヤグラコンベア3の幅よりも長い幅を保持することができるので、押送時の表裏(前後)の入れ替えがあった場合でも、押送保持部材33やコヤグラコンベア3の交換をすることなく、対応できる。これに加えて、移動手段4によってコヤグラコンベア3の水平方向の移動も可能であるので、押送時の表裏(前後)の入れ替えを含めて、扁平状物品XA1の幅方向のサイズ(押送保持部材33で保持すべき位置)が多種多様に変化した場合でも柔軟に対応できる。
なお、押送保持部材33の幅方向のサイズ(本実施形態の突出部33Bに相当する部分の長さ)および搬送面22の幅を十分に大きくしておくことで、コヤグラコンベア3を移動手段4で移動可能な構成としなくても、或る程度の扁平状物品XA1の形状の変化には対応できる。しかしながら、押送保持部材33を十分に大きい幅(例えば、本実施形態の搬送面22と同程度の幅とした場合)、小さい扁平状物品XA1を押送する際は、ベルトコンベア2の供給領域Iからガイド部材23までの距離(奥行き)が長くなり、供給時に扁平状物品XA1を奥(ガイド部材23方向)まで差し込み(供給)にくくなったり、供給が不完全なことによって供給位置にばらつきが出たりするなどして、押送中に扁平状物品XA1の引っかかりが生じるなど、確実な供給が困難となる場合がある。
本実施形態では、移動手段4の移動によっても、扁平状物品XA1の幅方向の形状の変化に対応できるため、突出部33Bは、供給に支障が生じない程度の形状(長さ)にでき、汎用性を高めつつ、確実な供給も可能となる。
また、押送保持部材33の突出部33Bは、コヤグラコンベア3の幅よりも突出しているが、本実施形態のコヤグラコンベア3は、片持ち状態で支持するため、コヤグラコンベア3の重心が機枠F(昇降支持部材422)になるべく近接していることが望ましい。つまり、突出部33Bを、供給領域I側、すなわち、コヤグラコンベア3が支持される昇降支持部材422とは逆方向に向かって突出させることによって、コヤグラコンベア3を機枠F(昇降支持部材422)に可能な限り近接させることができ、片持ち状態であっても良好なバランスで、且つ扁平状物品XA1形状の変化に柔軟に対応させることが可能となる。
また、押送保持部材33は、ローラー取り付け部材34Bおよびブロック37を介してタイミングベルト36に取り付けられている。タイミングベルト36は、駆動用のスプロケット31の回転によって循環するように走行する。複数の押送保持部材33はそれぞれ、タイミングベルト36の走行に伴って走行する。
ブロック37は等間隔のピッチでタイミングベルト36に取り付けられ、それぞれ、搬送面22の幅方向に貫通する貫通孔37Aを有する。貫通孔37Aには回転軸38が挿通され、その両端にはそれぞれ略Lの字状のローラー取り付け部材34Bが固定される。それぞれのローラー取り付け部材34Bは、回転軸38の取り付け面とは逆側に押送保持部材33Bが取り付けられ、取り付け面から(略)垂直に延在する面の先端部分にはローラー34Aが取り付けられている。ローラー34Aは、タイミングベルト36の幅方向の両外側に配置されたローラー走行路32上を走行する。ローラー取り付け部材34Bは、ローラー34Aに対して回転自在となっており、ブロック37は、ローラー取り付け部34に固定されている回転軸38に対して回動自在となっている。
押送保持部材33は、タイミングベルト36の走行に伴って走行する。そして、搬送面22に平行な走行期間中においては、ローラー34Aが押送保持部材33の押送面の後方(走行方向の後方)に位置するように下流側へ、または上流側へ走行する。
同図(d)に示すように、コヤグラコンベア3の下流側端部にはローラ―走行路32と連続するカム39が設けられている。
カム39は、同図(d)では下流側のスプロケット31の上方側(搬送面22とは逆側)に段差39Aを有している。この段差39Aは、同図(d)では下流側のスプロケット31の上側半周面の上流側の端部付近(コヤグラコンベア3の上側の走行路32の下流端部)に配置される。
ローラー34Aは、下側(搬送面22に対向する側)のローラー走行路32上を下流に向かって走行し、下流側のスプロケット31部分ではスプロケット31と共に回転(周回)する。そして、スプロケット31の上側半周面の上流側の端部付近で段差39Aに係合し、上側のローラー走行路32の上に再び載置されて、上流に向かって走行する。
同図(a)に示すように、上流端に配置されたスプロケット31と下流端に配置されたスプロケット31との間において、ベルトコンベア2の搬送面22上の扁平状物品XA1を押送する押送保持部材33は、搬送ベルト21の走行面(ベルトコンベア2の搬送面22)に対して垂直な姿勢で移動する。そして、搬送面22上の扁平状物品XA1の搬送を終えた押送保持部材33は、下流側のスプロケット31とカム39によってその姿勢を変えながら反転し、上流側に戻る。
すなわち、下流端に配置されたスプロケット31で折り返す際に、ローラー34Aがスプロケット31の下側半周面(下流側端部を含む)に沿って移動している間は、そのローラー34Aが押送保持部材33の押送面より後方に位置し、押送面はタイミングベルト36の走行面(搬送面22)に対して略垂直な姿勢が維持される。そしてスプロケット31の上側半周面を移動する際には、ローラー34Aは押送保持部材33に先行することになり、押送保持部材33はタイミングベルト36の走行面に対して垂直な姿勢から徐々に傾斜するように姿勢を変える。そして、ローラー34Aは、スプロケット31の上側において、段差39Aと係合して反転される。つまり、再び、ローラー34Aは走行方向において押送保持部材33の押送面の後方側に位置する姿勢に戻り、タイミングベルト36の走行面に対して垂直な姿勢で、上流端のスプロケット31に向かって走行する。
このような構成により押送保持部材33は、直接タイミングベルト36に固定されている場合と比較して、下流端に配置されたスプロケット31で折り返す際に周回移動する押送保持部材33の下端部の軌跡の曲率を小さくすることができる。また、押送保持部材33は、一番厚みの厚い扁平状物品XA1を取り出し装置7が連続して取り出しても間に合う範囲内で、できる限り低速で扁平状物品XA1を搬送する。これにより、搬送面22の下流端において、押送保持部材33によって扁平状物品XA1が突き飛ばされることを防止できる。
<検知手段>
次に、図8から図10を参照して、送出装置1の検知手段5について説明する。図8は、送出装置1を搬送方向の下流側から見た側面図であり、図9は、第1検知手段51による検知の状態を示す図であって図9(a)が上面概要図、同図(b)が同図(a)の左方の第1検知手段51を扁平状物品XA1側から見た図、同図(c)〜同図(e)が上面概要図である。また、図10は、第2検知手段52による検知の状態を示す図であり、同図(a)が搬送面22の下端部付近を抜き出して示す上面図であり、同図(b)、(c)が側面図である。
本実施形態の送出装置1は、搬送面22の下流端部において扁平状物品XA1の有無を検知する検知手段5を備えている。送出装置1は、検知手段5によって扁平状物品XA1が存在しないことが検知されると、ベルトコンベア2とコヤグラコンベア3とを同期させて駆動し、検知手段5で検知可能となるまで扁平状物品XA1を前進させる。
図8を参照して、本実施形態の検知手段5は、搬送面22の幅方向に沿って複数設けられ最下流の扁平状物品XA1を検知する。一例として検知手段5は、起立状態の最下流の扁平状物品XA1の前側の左右両端部を検知する第1検知手段(第1検知ユニット)51と、当該最下流の扁平状物品XA1の前側下端部を検知する第2検知手段(第2検知ユニット)52を含んで構成される。
<検知手段/第1検知ユニット>
第1検知ユニット51は、搬送面22の幅方向の左右両端部(ベルトコンベア2の供給領域I側と、ガイド部材23側端部)に設けられているが、左右対称に配置されている以外は同様の構成であるので、ここではベルトコンベア2の供給側の第1検知ユニット51について説明する。
図9(a)、(b)に示すように、第1検知ユニット51は、例えば、爪部512と検知片513とが一体的に設けられた本体部511と、回転軸514と、付勢手段515と、検知部516と、ストッパー517(517A、517B)を有している。回転軸514は、搬送面22に対して垂直(上下)方向に延在し、本体部511は回転軸514を中心に回転可能に取り付けられている。爪部512は、最下流の扁平状物品XA1の前側(同図(a)の下側)の左右両側部と当接可能となるように、回転軸514近傍の本体部511から搬送面22の方向に突出して設けられる。なお、図8においては、供給領域I側の第1検知ユニット51が後方に待避した状態を示しているが、扁平状物品XA1の押送時には、図9に示す当接可能な位置まで前進する。
検知片513は、本体部511の例えば上流側の端部に設けられる。爪部512と検知片513は、本体部511の回転に伴って、回転軸514を中心に回転可能に構成されている。
検知部516は、この例では、受光部と発光部を対向配置させ、両者の間に検知片513が存在するか否かを検知するフォトセンサであり、検知部516によって検知片513の存在が検知された場合(検知片513が検知部516の間に存在する場合)は、一又は複数の扁平状物品XA1が搬送面22の下流端部に存在し、検知部516によって検知片513の存在が検知されない場合(検知片513が検知部516から離脱した場合)は、扁平状物品XA1が搬送面22の下流端部に存在しない(扁平状物品XA1の押送が必要である)と判断される。
付勢手段515は、例えばコイルばね等の弾性部材であり、常時、検知片513が検知部516から離脱するように、この例では回転軸514を中心として本体部511が反時計回りに回転するようにこれを付勢する。
次に、第1検知ユニット51による扁平状物品XA1の検知方法について説明する。
第1検知ユニット51は、搬送面22の下流端部において、取り出し装置7で取り出し可能な所定数(一又は複数(例えば1枚〜10枚など))の扁平状物品XA1が存在しているか否かを検知する。
例えば、図9(a)、(b)に示すように、搬送面22の下流端部において、第1検知ユニット51の爪部512に扁平状物品XA1が当接している場合、当該扁平状物品XA1によって爪部512が付勢手段515の不勢力に抗って取り出し方向(下流側)に押圧される。これにより、本体部511が回転軸514を中心として時計回りに回転し、検知片513が検知部516の間に侵入して停止する。第1検知ユニット51は、この状態を扁平状物品XA1が「存在する」状態と検出する。
なお、ストッパー517Aは、爪部512が扁平状物品XA1によって押圧され、検知片513が検知部516を超えて時計回りに移動することを規制するために設けられている。ストッパー517Aの構成およびその配置は同図に示すものに限らず、本体部511の回転が図9(a)の状態で停止する位置(それ以上の時計回りの回転を規制する位置)であればよい。
ここで、取り出し装置7は、押圧杆74と移動杆72によって、或る程度の取り出し位置の変化に対応可能に構成されている(図1参照)。つまり、図9(c)に示すように、扁平状物品XA1の最下流側の一枚が必ずしも搬送面22の下流端部の所定位置Pに存在しない場合であっても(最下流側の1枚が所定位置Pより上流側に位置していても)、押圧杆74と移動杆72を所定量移動させることによって搬送面22の上流方向に吸着パッド73を進出させて扁平状物品XA1の最下流側の一枚を保持することが可能となっている。
そして、取り出し装置7によって扁平状物品XA1の最下流側の一枚を保持することができる場合は、取り出し時に図9(c)に示すように爪部512が押圧されて扁平状物品XA1の存在が検知される。
一例を挙げてより具体的に説明すると、取り出し装置7は扁平状物品XA1が搬送面22の下流端部の所定位置Pから例えば、数枚分程度上流側に後退した位置存在していたとしても、当該下流側の一枚を保持することが可能となっている。換言すると、取り出し装置7は、送出装置1によって扁平状物品XA1を下流側に随時移動させることなく、下流端部の所定位置Pから数枚分を取り出し可能となっている(図9(a)、図9(c))。
この場合において、搬送面22の下流端部の所定位置Pから上流側に向かって数枚分の扁平状物品XA1を取り出し装置7によって取り出している間は、取り出しの都度、扁平状物品XA1によって爪部512が取り出し方向(下流側)に押圧される。つまり、本体部511が回転軸514を中心として時計回りに回転して、検知片513が検知部516の間に侵入する状態が維持される。そして第1検知ユニット51によって扁平状物品XA1が「存在する」状態が検出される。
つまり、第1検知ユニット51は、取り出し装置7によって扁平状物品XA1が取り出し可能な状態であるか否かを検知する。そしてこの検知結果に基づいて、つまり第1検知ユニット51によって取り出し可能と検知されている間は、送出装置1は取り出すべき扁平状物品XA1が「存在する」と判定し、ベルトコンベア2およびコヤグラコンベア3の走行を停止(停止を維持)する。
一方、図9(d)に示すように、第1検知ユニット51の爪部512に扁平状物品XA1が当接していない場合には、本体部511が付勢手段515によって反時計回りの方向に付勢され、検知片513が検知部516から離脱する。第1検知ユニット51は、この状態を扁平状物品XA1が「存在しない」状態と検出する。
具体的には、取り出し装置7は、搬送面22の下流端部の所定位置Pから上流側に向かって、数枚分の扁平状物品XA1の取り出しが完了すると、最下流の扁平状物品XA1を保持することができなくなる(図9(d))。これにより、扁平状物品XA1による爪部512の押圧が無くなり、付勢手段515の付勢力によって、本体部511が回転軸514を中心として反時計回りに回転し、検知片513が検知部516から離脱する。そして第1検知ユニット51によって扁平状物品XA1が「存在しない」状態が検出される。
第1検知ユニット51によって取り出し不可と検知された場合は、送出装置1は取り出すべき扁平状物品XA1が「存在しない」と判定し、ベルトコンベア2およびコヤグラコンベア3を同期させて駆動する。これにより、図9(e)に示すように、所定数の扁平状物品XA1が取り出し可能位置まで送り出される。そして、送り出された扁平状物品XA1によって爪部512が取り出し方向(下流側)に押圧され、検知片513が検知部516に進入して扁平状物品XA1が「存在する」状態が検出される。
なお、ストッパー517Bは、爪部512が必要以上に反時計回りに移動することを規制するために設けられている。つまり、爪部512は、取り出せる扁平状物品XA1が無くなった場合には、送出装置1によって送り出される扁平状物品XA1と再び当接し、時計回りの方向に押し戻すことが可能な位置(例えば図9(d)に示す位置)に停止する必要がある。ストッパー517Bは、爪部512がこの位置を超えて回転することを防止する。ストッパー517Bの構成およびその配置は同図に示すものに限らず、本体部511の回転が図9(d)の状態で停止する位置(それ以上の反時計回りの回転を規制する位置)であればよい。
上記の第1検知ユニット51(供給領域I側に設けられた第1検知ユニット51)と、搬送面22を挟んだ対向位置に設けられた他方の第1検知ユニット51(ガイド部材23側に設けられた第1検知ユニット51)は同様の構成であり、検知方法も同様であるが、供給領域I側に設けられた第1検知ユニット51は搬送面22上を移動可能である点で異なっている。
つまり、供給領域I側に設けられた第1検知ユニット51は、図8に示すように移動ベース54に固定され、搬送面22の幅方向にスライド移動可能に構成されている。図3に示すように、移動ベース54には、搬送面22の幅方向に延びる長穴55が設けられ、第1検知ユニット51はこの長孔55に沿った任意の位置に調整可能である。また、搬送面22上には移動ベース54を固定するための複数の固定部56が設けられており、この固定部56を適宜選択することにより、移動ベース54自身の搬送面22上の取り付け位置も変更可能に構成されている。
したがって、扁平状物品XA1の搬送面22の幅方向の形状(サイズ)が変化した場合であっても、扁平状物品XA1の検出が可能となる位置に、第1検知ユニット51を移動させることができる。なお、本実施形態では、他方の第1検知ユニット51(ガイド部材23側に設けられた第1検知ユニット51)は、搬送面22の幅方向への移動が不可に固定されているが、供給領域I側に設けられた第1検知ユニット51と同様に移動可能に構成してもよい。
また、図示は省略するが、搬送面22に対して垂直方向(上下方向)については、いずれの第1検知ユニット51も高さの調整が可能に構成されている。これにより、扁平状物品XA1の起立状態の高さ方向の形状(サイズ)が変化した場合であっても、扁平状物品XA1の適切な検出が可能となる位置に、第1検知ユニット51を移動させることができる。
<検知手段/第2検知ユニット>
次に、図8および図10を参照して、第2検知ユニット52について説明する。本実施形態では、搬送面22の下流端部において、搬送面22の幅方向に沿って複数(この例では4個)の第2検知ユニット52が設けられている。
第2検知ユニット52は、例えば、爪部522を先端に有する本体部521と、本体部521から例えば、搬送面22の上流方向に向かって突出する検知片524と、回転軸523と、付勢手段525と、検知部526とを有している。回転軸523は、搬送面22の幅方向に延在し、本体部521は回転軸523を中心に回転可能に取り付けられている。爪部522は、最下流の扁平状物品XA1の前面側の下端部と当接可能となるように、搬送面22の下端部に設けた切り欠き22Aの下方から搬送面22よりも上方に突出して設けられるとともに、本体部521の回転に伴って、回転軸523を中心に回転可能に構成されている。
図10(b)に示すように、検知部526は、検知片524を受け入れ可能となる受光部と発光部を設けたフォトセンサであり、例えば搬送面22の下流端部の下方に配置されてる。
付勢手段525は、例えばコイルばね等の弾性部材であり、常時、爪部522が切り欠き22Aの内側に存在するよう(検知片524が検知部526から離脱するよう)に、すなわち、図10(b)では本体部521が回転軸523を中心として反時計回りの方向に回転するように、これを付勢する。
そして、検知部526および検知片524は、爪部522が扁平状物品XA1に押されて切り欠き22Aから離脱した状態では、検知片524が検知部526の間に進入し (同図(b))、爪部522が、切り欠き22Aの内側に収まった状態では、検知片524が検知部526から離脱する (同図(c))ように構成されている。
つまり、同図(b)に示すように、検知部26によって検知片524の存在が検知された場合は、一又は複数の扁平状物品XA1が搬送面22の下流端部に存在していると判断され、同図(c)に示すように検知部526によって検知片524の存在が検知さない場合は、扁平状物品XA1が搬送面22の下流端部に存在しない(扁平状物品XA1の押送が必要である)と判断される。
第2検知ユニット52による扁平状物品XA1の検知方法は以下のとおりである。
第2検知ユニット52は、搬送面22の下流端部において、取り出し装置7で取り出し可能な所定数(一又は複数)の扁平状物品XA1が存在しているか否かを検知する。
具体的には、第1検知ユニット51の場合と同様に、取り出し装置7によって取り出し可能な扁平状物品XA1が存在する場合(同図(b)には、取り出し操作によって、第2検知ユニット52の爪部522に扁平状物品XA1が当接する。これにより、本体部521が回転軸523を中心として時計回りに回転し、爪部522が付勢手段525の不勢力に抗って取り出し方向(下流側)に移動し、検知片524が検知部526の間に進入した状態となる。第2検知ユニット52は、この状態を扁平状物品XA1が「存在する」状態と検出する。
既述のとおり、取り出し装置7は、搬送面22の下流端部の所定位置Pに扁平状物品XA1が存在していなくても、所定位置Pから上流側に向かって数枚分の扁平状物品XA1を取り出すことができる。つまり、取り出し装置7によって扁平状物品XA1の取り出しが継続している間は、検知片524が検知部526の間に存在するため、送出装置1は取り出すべき扁平状物品XA1が「存在する」と判定し、ベルトコンベア2およびコヤグラコンベア3の走行を停止(停止を継続)する。
一方、同図(c)に示すように、搬送面22の下流端部の所定位置Pから上流側に向かって例えば数枚分の扁平状物品XA1の取り出しが完了すると、取り出し装置7は、最下流の扁平状物品XA1を保持することができなくなる。これにより、第2検知ユニット52の爪部522が扁平状物品XA1に当接しなくなり(押圧されなくなり)、本体部521が付勢手段の付勢力によって反時計回りの方向に付勢され、爪部522が切り欠き22Aの内側に進入し、検知片524は検知部526から離脱する。第2検知ユニット52は、この状態を扁平状物品XA1が「存在しない」状態と検出する。そして、送出装置1はこの検知結果に基づき、ベルトコンベア2およびコヤグラコンベア3を同期させて駆動する。これにより、所定数の扁平状物品XA1が取り出し可能位置まで送り出される(同図(b))。
4個の第2検知ユニット52はいずれも同様の構成であるが、ハンドル528(図8参照)の操作によって、それぞれに搬送面22に対して垂直方向(上下方向)に移動が可能となっており、搬送面22から爪部522が突出しないように降下させた場合には、当該第2検知ユニット52による検知は無効となる。つまり、搬送する扁平状物品XA1の形状(搬送面22の幅方向の形状(サイズ))に応じて、検知操作を有効とする(機能させる)第2検知ユニット52を適宜選択可能となっている。この場合、タッチパネル等のボタン操作によって、使用していない第2検知ユニット52の検知を無効にする。
送出装置1は、上記の検出手段5(2つの第1検知ユニット51と4つの第2検知ユニット52)のうち、使用しているすべての検知手段5が、扁平状物品XA1が「存在する」状態と検出された場合は、ベルトコンベア2およびコヤグラコンベア3の走行を停止(停止を維持)し、検出手段5(2つの第1検知ユニット51と4つの第2検知ユニット52)のうち、少なくともいずれか1つによって、扁平状物品XA1が「存在しない」状態と検出された場合は、ベルトコンベア2およびコヤグラコンベア3を同期させて駆動する。
このように、検知手段5を複数備え、少なくともいずれか1つの検知手段5によって、扁平状物品XA1が「存在しない」状態と検出された場合は、ベルトコンベア2およびコヤグラコンベア3を同期させて駆動することにより、検知手段5の検知漏れを防ぐことができる。
また、検知手段5は、搬送面22の幅方向に沿って複数設けられ、扁平状物品XA1の幅に応じて、機能させる検知手段5を切り替え可能に構成されているため、扁平状物品XA1の幅が変化した場合(移動手段4によってコヤグラコンベア3を移動させた場合)であっても、確実且つ無駄の無い検知が可能となる。
また、検知手段5は、搬送面22の幅方向に沿って移動可能に構成されているため、扁平状物品XA1の幅が変化した場合(移動手段4によってコヤグラコンベア3を移動させた場合)であっても、確実な検知が可能となる。
なお、図8から図10に示した第1検知ユニット51および第2検知ユニット51の構成は一例であり、付勢手段によって爪部(検知片)を付勢するとともに、爪部(検知片)の移動を検知部で検知する構成であれば、図示の構成に限らない。また、取り出し装置7で取り出すことができなくなった状態を検知するといった上記の機能を有するものであれば、図示の構成に限らない。更に、第1検知ユニット51および第2検知ユニット52の数も、上記の例に限らない。
<係止手段>
図11を参照して、本実施形態の係止手段8について説明する。同図(a)は、搬送面22付近を、下流側端部から見た側面図であり、同図(b)は、正面図である。
係止手段8は、送出装置1の下流側端部において扁平状物品XA1(XA1´)を係止する手段であり、扁平状物品XA1(XA1´)の形状に応じて使用および未使用の切替が可能である。具体的には、例えば図2(c)、(d)に示すサック箱のように、押送時の上下(高さ)方向の厚みが略均一で自立させやすい扁平状物品XA1´の場合には、前倒しや後倒しを防止するために扁平状物品XA1´を所定枚数ごとに纏めて保持する押送保持部材33(すなわち、コヤグラコンベア3)が不要となる場合もある。
つまり、このような自立させやすい扁平状物品XA1´の場合は、送出装置1の下流側端部においてのみ、飛び出し(落下)を防止する係止手段8を設ければよい。本実施形態では一例として、コヤグラコンベア3の下流端部に係止手段8としてアタッチメントを取り付ける。アタッチメント8は、例えば、最下流の扁平状物品XA1´の前側上端部を係止する係止部81と、係止部81に連続し、下流側の複数枚の扁平状物品XA1´の上端部に当接してこれらを纏めて保持可能な保持部82とを有する。これによって、最下流の扁平状物品XA1´を含む下流側から複数枚の扁平状物品XA1´を保持することができる。
また、アタッチメント8は、コヤグラコンベア3の下流側に設けられた取り付け部83に、ねじ8A等の固定手段によって着脱自在に取り付けられる。つまり、扁平状物品XA1(XA1´)の形状に応じて、使用および未使用の切替が可能となっている。このような構成によれば、例えばサック箱の場合にはアタッチメント8を取り付け、ワンタッチ箱の場合にはアタッチメント8を取り外すことができ、多種多様な扁平状物品XA1の送出が可能となる。
なお、アタッチメント8を取り付けた場合には、コヤグラコンベア3は駆動させず、ベルトコンベア2のみで扁平状物品XA1´を押送、送出する。この場合、扁平状物品XA1´の後倒しを防止するために、ベルトコンベア2の上流側において最上流の扁平状物品XA1´の後方を保持する仕切り(不図示)が設けられる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。すなわち、上記実施形態において、各構成の位置、大きさ、長さ、形状、材質、向きなどは適宜変更できる。
例えば、上記実施形態では、ハンドル操作によって手動で移動手段4が移動可能である場合を例に説明したが、移動手段4を移動させる駆動手段(モータなど)を設け、製品切り替え時に、又はボタン操作などによって移動手段4が移動可能であるように構成してもよい。
また、移動手段4の直線駆動機構418は、動力変換機構に限らず、リニアモータを用いた駆動であってもよい。
また、タイミングベルト36は、エンドレスチェーンでもよい。
また、第2検知ユニット52をそれぞれ、搬送面22の幅方向に移動可能に構成してもよい。
また、本実施形態では、第2検知ユニット52の切替として、ハンドル操作によって機械的に上下移動させることにより有効/無効の切替を行う例を示したが、搬送面22から爪部522が突出しないように降下した際に、第2検知ユニット52の爪部(検知片)522が検知部526に留まり、常時検知された状態になるように構成してもよい。これにより、タッチパネル等のボタン操作が不要になる。また、第2検知ユニット52の物理的な移動で有効/無効を切り替える構成に限らず、検知部526からの検知信号の出力を制御する(例えば、信号受信の可否を切り替える)ことによって、回路上、複数の第2検知ユニット52を有効/無効の切替を選択的に行うものであってもよい。
また、第2検知ユニット52は、爪部522の先端に扁平状物品XA1の取り出し方向に回転するローラーを取り付けてもよい。これにより、取り出し装置7によって、扁平状物品XA1の取り出すときの抵抗を軽減できる。
また、第1検知ユニット51の有効/無効の切替を行えるようにしてもよい。
また、第1検知ユニット51および第2検知ユニット52に加えて、例えば扁平状物品XA1の前側上端部を検知する検知手段等、他の検知手段を有していても良い。
また、係止手段8は、送出装置1の下流側端部において扁平状物品XA1を係止する手段であり、扁平状物品XA1の形状に応じて使用および未使用の切替が可能であるものであれば、上記の例に限らない。例えば、コヤグラコンベア3の下流側に揺動自在(あるいは昇降自在)に常時取り付けられ、使用時には扁平状物品XA1を係止可能な位置に移動し、未使用時には扁平状物品XA1との干渉を回避する位置に待避する構成などであってもよい。