本願で開示する第1の飲料抽出装置は、貯水タンクと、前記貯水タンクから送られた水を加熱して湯とする加熱手段と、前記貯水タンク内の水を前記加熱手段に送水する送水手段と、抽出原料を収容する原料容器と、前記原料容器を保持する容器保持部と、前記原料容器の上方を開閉可能に覆うとともに前記湯を吐出する吐出口を備えた蓋体とを有し、前記加熱手段で生成された湯を用いて前記抽出原料から飲料を抽出する飲料抽出部と、前記加熱手段と前記送水手段とを制御して、所定のプログラムにしたがって飲料の抽出を行う抽出工程を実行する制御部とを備え、前記原料容器は、抽出原料としてポッドタイプの容器内に収容された原料を用いるものであり、前記ポッドタイプの容器を保持する原料保持部材が、前記原料保持部材を保持する容器ホルダ内に配置される構成となっていて、前記飲料抽出部を構成したときに、前記原料保持部材に形成された前記飲料が透過する貫通口の配置位置が、前記容器ホルダに形成された前記飲料が透過する貫通口の配置位置の鉛直上方に位置していない。
本開示にかかる第1の飲料抽出装置は上記の構成を備えることで、ポッドタイプの容器から抽出された飲料が、原料保持部材の貫通口と容器ホルダとの貫通口とを一気に通過して、抽出装置に設置されたカップなどの飲料容器に落下することを防止することができる。このため、特に、抽出初期の段階において、抽出された飲料の飛び散りを効果的に防止することができる。
本開示にかかる飲料抽出装置において、前記ポッドタイプの容器の中心位置と前記容器ホルダに形成された前記貫通口とが、前記飲料抽出部の中心軸上に位置し、前記原料保持部材の前記貫通口が前記飲料抽出部の前記中心軸上に対して偏心して配置されていることが好ましい。このようにすることで、抽出原料が収容されたポットタイプの容器を飲料中心部と同軸に配置でき、さらに、飲料容器に対向する容器ホルダの貫通口を飲料抽出部の中心に配置することができる。
また、前記原料保持部材に貫通孔が形成され、前記原料保持部材が前記容器ホルダ内に保持された状態で、前記容器ホルダ内部の空間と飲料抽出装置の外部の空間とが連通していることが好ましい。このようにすることで、容器ホルダ内部の空間が外部に対して密閉されることを回避でき、内部圧力の関係で飲料の抽出が遅くなってしまう事態や、押し出された飲料が周囲に飛び散ってしまう事態を効果的に回避することができる。
さらに、前記原料保持部材に形成された前記貫通孔の総面積が、前記原料保持部材の前記貫通口の面積よりも小さいことが好ましい。このようにすることで、貫通孔を介して多くの蒸気が外部へと流出してしまい、飲料の抽出のために必要な蒸気量が確保できないという不所望な事態を回避することができる。
さらにまた、前記抽出原料として複数種類の形態で提供される原料を使用可能であり、前記原料容器は、前記抽出原料の提供形態に対応して適宜選択される複数の構成部材を積層して構成され、いずれの提供形態の原料を用いた場合でも積層された際の前記原料容器の外観形状が同じとなることが好ましい。このようにすることで、幅広い抽出原料の提供形態に対応した飲料抽出装置を実現することができる。
また、前記抽出原料がコーヒー粉であり、前記制御部がカップ一杯分のコーヒーの抽出を行うことが好ましい。このようにすることで、一杯分のコーヒーを抽出可能なコーヒーメーカーを実現することができる。
本願で開示する第2の飲料抽出装置は、貯水タンクと、前記貯水タンクから送られた水を加熱して湯とする加熱手段と、前記貯水タンク内の水を前記加熱手段に送水する送水手段と、抽出原料を収容する原料容器と、前記原料容器を保持する容器保持部と、前記原料容器の上方を開閉可能に覆うとともに前記湯を吐出する吐出口を備えた蓋体とを有し、前記加熱手段で生成された湯を用いて前記抽出原料から飲料を抽出する飲料抽出部と、前記加熱手段と前記送水手段とを制御して、所定のプログラムにしたがって飲料の抽出を行う抽出工程を実行する制御部とを備え、前記原料容器は、抽出原料が内部に配置される原料保持部材と、前記原料保持部材を保持する容器ホルダとが積層される構成となっていて、前記原料容器が前記飲料抽出部に装着された状態で、前記容器ホルダの内部の空間と装置外部の空間とが連通している。
このように構成することで、本願に係る第2の飲料抽出装置では、飲料抽出部に装着された状態の原料容器の内部と外部とが、空間的に連通し、原料容器の内部の空間の圧力が高くなることを回避することができる。このため、連通部分が吸気口や排気口として機能して、飲料のスムーズな抽出が妨げられる事態や、飲料が周囲に飛び散ってしまう事態を防止することができる。
以下、本願で開示する飲料抽出装置について図面を参照して説明する。
(実施の形態)
以下では、本願で開示する飲料抽出装置の実施の形態として、抽出原料としてコーヒー粉末を用いるコーヒーメーカーを例示して説明する。
本実施形態で例示するコーヒーメーカーは、レギュラーコーヒー用のポッドタイプのコーヒー原料を用いて一杯分のコーヒーを抽出可能であるとともに、挽かれたコーヒー粉末をそのまま用いても一杯分のコーヒーを抽出可能な、抽出原料であるコーヒー粉の複数の提供形態に対応することができるコーヒーメーカーである。
図1に、本実施形態にかかるコーヒーメーカーの外観構成を示す。
本実施形態にかかるコーヒーメーカー100は、本体部1と本体部1の側方に配置された貯水タンク2とを備えている。
本体部1は、全体として嵩高の略直方体形状をしており、本体部1の内部には、貯水タンク2からの水を送水する送水手段である送水ポンプや、送水された水を加熱する加熱手段であるボイラー部など、貯水タンク2内の水を加熱して湯として供給する給湯機構が配置されている。本体部1の幅狭の側面である手前側側面(一側面)の上部には、本体部1から手前側に突出するようにして全体の平面視形状が円形の飲料抽出部であるドリップ部11が配置されている。また、本体部1の手前側側面の下部には、ドリップ部11と本体部1の高さ方向を介して対向するように、手前側に突出して平面視形状が円形のトレイ12が配置されている。本体部1の手前側側面は、ドリップ部11とトレイ12との間の部分が、ドリップ部11とトレイ部12の形状に合わせて円筒形状に湾曲した湾曲凹面13となっている。
なお、図1において、トレイ12はその底部が本体部1の底部と同じ高さとなるように、最も下側の位置に配置された状態が示されているが、載置されるコーヒーカップ等の高さに応じてトレイ12の上下方向位置を可変して固定できる構造とすることができる。このようにすることで、ドリップ部11の下端に位置する吐出口とコーヒーカップ等との距離が大きくなりすぎて、ドリップ部11から供給されるコーヒーが撥ねてコーヒーカップからこぼれ、コーヒーメーカーが載置されている周囲の部分を汚してしまうことを回避することができる。
本実施形態のコーヒーメーカー100では、本体部1の上面に操作部14が配置されている。操作部14には、ユーザーが抽出されるコーヒーの濃さを好みに応じて選択するなど、各種の抽出メニューを選択して抽出動作を開始させるスイッチボタン15が配置されている。なお、詳細な説明は省略するが、操作部14にはスイッチボタン15の他に、抽出プログラムの開始と終了などのコーヒーメーカー100の動作状態や、ドリップ部11にコーヒー粉末を収容した原料容器が正しく装着されていないこと、貯水タンクに所定量の水が入っていないことなどの各種の異常状態を表示するランプ、さらには、異常状態を含むコーヒーメーカー100の動作状態を表示する表示素子などを配置することができる。
本実施形態のコーヒーメーカー100では、貯水タンク2は、本体部1の幅広側の側面、すなわち、図1において向かって右側の側面に本体部1に並立する円筒形状として形成されている。貯水タンク2は、着脱可能で内部に水を溜めることができるタンク部2aと、本体部1の底部部分と接続されるとともに上部にタンク部2aが載置されるベース部2bとから構成されていて、タンク部2aをベース部2bに正しく載置すると、ベース部2b内に配置された図示しない給水管を介して、タンク部2aの内部の貯水空間と本体部1内の給湯機構とが接続されるようになっている。
なお、本実施形態のコーヒーメーカー100では、デザイン上の観点から貯水タンク2を本体部1の側方に並立する円筒形状としているが、貯水タンク2の形状には制約はない。また、貯水タンクの配置位置としても、本体部1の上部または側面の一部を切り欠いて貯水タンクを配置する部分を形成した構成や、本体部1の内部に貯水タンクを配置する構成など、各種の構成を採用することができる。さらに、貯水タンク2をベース部2bとベース部2bに対して着脱可能なタンク部2aとの2つの部材で構成するのではなく、1つの部材もしくは3つ以上の部材からなる貯水タンク2を使用することができる。さらに、貯水タンク2を構成する部材にも制限はなく、貯水タンク2の側面に透明な窓部を設けてタンク部2a内の水の量を容易に確認することができる構成とするなど、所定量もしくは所定量以上の水を収容することができるものであれば、貯水タンク2として従来周知の各種形状、各種構成のものを使用することができる。
次に、図2を用いて、本実施形態のコーヒーメーカー100の本体部1の内部の構成と、ドリップ部11の構成を説明する。
図2は、本体部とドリップ部との断面構成を示す側断面図であり、貯水タンクが配置されている側面側から見た状態を示している。
図2に示すように、本体部1の内部には、電源配置部21、流量センサ22、送水ポンプ24、ボイラー部26、給湯管27、操作基板28が配置されている。
電源配置部21は、本体部1内部の底面側に形成されていて、その内部には、商用電源に接続される電源ケーブル16(図3参照)に接続された電源回路基板21aが配置されている。電源回路基板21aには、商用電圧を所定の駆動電圧に変換し、本体部1内部に配置された送水ポンプ24やボイラー部26の加熱ヒータ26bなどを駆動するための電源とする電気回路部品が搭載されている。
流量センサ22は、電源配置部21の上部に配置されていて、図2では現れない配管を介して貯水タンク2と接続されていて、貯水タンク2のタンク部2aに貯水されている水は、流量センサ22で流量を計測された後に図2では一部のみが現れている配管23を介して送水ポンプ24に供給される。
送水ポンプ24は、電源配置部21の上部に流量センサ22と並ぶように配置されていて、貯水タンク2のタンク部2a内の水を、流量センサ22と流路を形成する配管23を介して吸引し、図2において一部が現れている配管25を介してボイラー部26へと送水する。
ボイラー部26は、流量センサ22のさらに上部の本体部1内部のやや上方よりの部分に配置されていて、送水ポンプ24より圧送されてきた水が流れる流路26aと、流路26aを取り巻くように配置されて流路26a内の水を加熱する加熱ヒータ26bとを備えている。ボイラー部26で流路26a内の水が加熱ヒータ26bにより加熱されて生成された蒸気や湯は、本体部1内部の上端部分に向かって配置された給湯管27を通って、ドリップ部11へと送られる。
本体部1の上面に形成された操作部14の下側には、操作部14に配置されたスイッチボタン15に接続されたスイッチング素子などが搭載された操作基板28が配置されている。
本実施形態にかかるコーヒーメーカー100では、送水ポンプ24やボイラー部26を制御して所定の条件でコーヒーの抽出を行う、制御部を構成する制御回路29が、電源配置部21の電源回路基板21aに搭載されている。制御回路29は、流量センサ22の出力である流量信号や、ボイラー部26内における蒸気や湯の温度を検知する温度センサからの信号などを受信して、送水ポンプ24の送水量や送水タイミング、ボイラー部26における加熱度合いなどを制御する。また、操作基板28に搭載されたスイッチング素子からの信号は、図示しないコネクタ素子などを介して制御回路29に伝達される。さらに、制御回路29は、操作機板上に搭載されたランプや表示デバイスなどを動作させて、ユーザーにコーヒーメーカー100の動作状態などを報知する。
このような制御回路29を備えることで、本実施形態にかかるコーヒーメーカー100では、操作部14の操作ボタン15を介して行われるユーザーからの指示に応じて、例えば、湯を供給するドリップ工程の前に所定時間蒸気のみをコーヒー粉末に供給するむらし工程を行うなど、抽出量や指示された抽出濃さに応じたプログラムにしたがっておいしいコーヒーを抽出する抽出工程を自動的に実行することができる。
また、本実施形態にかかるコーヒーメーカー100において、制御回路29は、所定の抽出工程の終了後に、ドリップ部11内に残存するコーヒーを積極的に押し出してコーヒーカップへと注ぐ押し出し工程や、押し出し工程の終了後に、ボイラー部26や給湯管27内に残存していた湯や蒸気などが不所望に吹き出すことがないように冷却する冷却工程などの抽出終了工程を実行する。
さらに、制御回路29は、ドリップ部11においてコーヒー原料が正しくセッティングされていない場合や、給水タンク2内に所定量の水が収容されていない場合など、コーヒーを抽出する抽出工程を開始することができない状態である場合には、これを検出してユーザーに警告音などで知らせるエラー表示機能を備えることもできる。また、制御回路29は、抽出終了工程の終了後に、ユーザーにコーヒーの抽出が完了したことを知らせる抽出完了信号を電子音やランプの点灯などとして発信することができる。
このような制御回路29は、マイクロコンピュータや各種の論理回路、さらには抽出プログラムが記憶された記憶媒体などによって構成でき、制御ICとしてチップ化されて構成することができる。
なお、制御回路29は、比較的熱に弱い電子回路で構成されるため、発熱部材であるボイラー部26から隔離されるとともに、水漏れや高温となる畏れがある給水機構に対して隔離された、本体部1内部の上方に配置することが好ましい場合がある。このため、例えばスイッチング素子などが搭載された操作基板28上に、制御回路29を配置することができる。また、適切な熱遮蔽処置や防水処置を採ることで、本体部1内部の所望する場所に、電気回路基板を配置して制御回路29を搭載することができる。
本体部1の上端側の、図2における左側端部(図1における手前側の端部である一側面)には、ドリップ部11を構成する蓋体30がヒンジ機構33によって、回動可能に取り付けられている。蓋体30は、本体部1の上端側の手前側端部から後退する方向である、図2中に矢印Aとして示す方向に回動してドリップ部11の上部を開放するとともに、矢印Bとして示す方向に回動してドリップ部11の上部を閉塞する。
蓋体30の内部には、給湯管27に接続されたドリップ配管34が形成され、ドリップ配管34の先端は蓋体30の内側面の中央に配置された吐出口35に接続されている。なお、本実施形態のコーヒーメーカー100では、蓋体30は平面視円形状に形成されていて、中央の内側面に吐出口35を備えた中心部32と、中心部32を取り巻くように同軸状に形成されて、中心部32に対して所定の角度回動可能な外周部31とから形成されている。
蓋体30は、図中矢印B方向に回動した状態、すなわち図2に示すようにその上面が水平となっている状態で、容器保持部であるホルダ受け部50との間に配置された原料容器40を保持する。原料容器40は、容器ホルダ41、容器ホルダ41の内部に配置される原料保持部材(図2ではポッドタイプに対応したポッド用アダプタ42が記載されている)とから構成され、蓋体30とホルダ受け部50とによって挟み込まれた状態となる。このように蓋体30とホルダ受け部50とで原料容器40を挟み込んだ状態で固着させ、吐出口35から所定のタイミングで所定量の蒸気や湯が吐出されることで、原料保持部材に収容されたコーヒー粉末からコーヒーが抽出される。
なお、本実施形態のコーヒーメーカー30に用いられる蓋体30は、例示した平面視円形状のものに限られず、例えば平面視したときに全体として矩形や正方形のものなど、コーヒーメーカーのデザイン性と原料容器を開閉可能に覆う機能性との観点から、その平面形状を適宜選択することができる。
図3は、本実施形態にかかるコーヒーメーカーにおける、ドリップ部の構成を説明するための分解図である。
図3に示すように、ドリップ部11には、ヒンジ機構33(図2参照)により図中後方側へと回動してドリップ部11の上方を開閉可能に覆うことができる蓋体30と、本体部1の手前側側面の底部に配置されたトレイ12と所定の間隔を有してこれと対向するように配置されたホルダ受け部50との間に、抽出原料を収容する原料容器40(40a、40b)が配置されて構成される。
本実施形態のコーヒーメーカー100では、ホルダ受け部50に搭載される容器ホルダ41と、容器ホルダ41と重ね合わせることで容器ホルダ41の内側の所定位置に保持される原料保持部材とが、蓋体30とホルダ受け部50との間に挟み込まれる原料容器40を構成する。ポッドタイプの収容体に収容されたコーヒー粉末を用いてドリップする場合には、ポッド用アダプタ42が原料保持部材として使用され、原料容器40aを構成する。また、ミルなどによって挽かれたコーヒー粉末を用いてドリップする場合には、散水板43とフィルタケース44とが積層されて原料保持部材となり、容器ホルダ41内に配置されて原料容器40bを構成する。
なお、蓋体30の内側面、すなわち、原料容器40に対向する面には、中央部に形成された吐出口35の周囲に中央パッキン36が、さらに、中央パッキン36の周囲には中央パッキン36と同心円状の環状パッキン37が配置されている。また、蓋体30の回動可能な外周部31(図2参照)の内側面には、係持ピン38が原料容器40(40a、40b)に向かって突出形成されている。この係持ピン38が原料容器40に形成された第1の係持部材41h(図4、図5参照)とホルダ受け部50に形成された第2の係持部材56(図6参照)とに嵌合することで、蓋体30は、原料容器40とホルダ受け部50とにしっかりと固着される。蓋体30が原料容器40とホルダ受け部50とに一体的に固着されることで、中央パッキン36と環状パッキン37とが原料容器40の上面部分に密着して、吐出口35と抽出原料が収容されたポッド容器の上面もしくは原料保持部材の上面との間を、外部の空間に対して密閉することができる。
なお、図3に示すように、本体部1の貯水タンク2が隣接して配置されていない側(図3における向かって左側)の下部から、商用電源に接続される電源プラグ16が延出している。電源プラグ16は、一端が本体部1内部の電源配置部21の電源回路基板21aに接続されていて、コーヒーメーカー100に電源を供給する。なお、コーヒーメーカーを収納する時の便宜を図るために、電源プラグ16の特にコード部分を本体部1の内部に収容可能な構成とされる場合がある。
次に、原料容器40(40a、40b)の構成について説明する。
図4は、抽出原料としてポッドタイプの容器内に封入されたコーヒー粉を用いる場合に使用される原料保持部材を備えた、原料容器の構成を説明する分解斜視図である。
図4に示すように、抽出原料としてポッドタイプの容器に収容されたものを使用する場合は、容器ホルダ41内に、ポッド用アダプタ42を装着して原料容器40aを形成する。
容器ホルダ41は、底面側にいくにつれて少しずつ径小となる側面を有する有底略円筒状の容器である。容器ホルダ41の内側に形成される空間41aの上部には、外側に広がる円環状のつば部41bが形成され、さらに、つば部41bの外周には上方へ向かう壁部41cが形成されている。壁部41cの一部には、上端から外側方向に延在する幅広の把持部41dが形成されていて、ユーザーが容器ホルダ41を容易に持つことができるようになっている。また、把持部41dが形成されている側に対向する側面部分上端部では、壁部41cに切り欠き部41eが形成されていて、切り欠き部41eが形成されている部分では壁部41cは形成されていない。
なお、容器ホルダ41の底面41gの中央には貫通口41j(図7参照)が形成されていて、抽出されたコーヒーは、この貫通口41jを通ってトレイ12上のコーヒーカップに注がれる。
ポッド用アダプタ42は、有底略円筒状の容器である。ポッド用アダプタ42は、内側に形成される空間42aの上部に外側に向かって張り出す円環状のつば部42bが形成され、つば部42bの外周部分は、上方に向かって延出する壁部42cとなっている。つば部42cの一部分から外方に向けて、把持部42dが形成されていて、ユーザーは、把持部42dを用いてポッド用アダプタ42を容易に把持することができる。
なお、つば部42bの内側部分には、つば部42bよりも一段下がった状態の環状部分42jが形成されていて、ポッド用アダプタ42内にポッドが装着された場合に、ポッドの容器60の上面に形成されたつば状部分が載置される(図7参照)。
また、つば部42bには、一例として直径が1mmの貫通孔42kが形成されている。本実施形態のコーヒーメーカー100では、貫通孔42kはいずれも同じ直径を有するものであり、それぞれ中心に対して90°の間隔を保って全部で4つ形成されている。
なお、貫通孔42kの大きさや個数、つば部42bでの配置位置は上記例示したものに限られない。例えば、貫通孔42kの個数を1個から3個または5個以上とすることができ、複数個の貫通孔42kの配置間隔も均等とする必要はない。また、複数個の貫通孔42kを設ける場合に、それぞれの貫通孔42kの大きさを異ならせることもできる。ただし、貫通孔42kは、後述のように容器ホルダ41とポッド用アダプタ42との間の空間41aと外部空間との間に配置された吸気口や排気口として機能するものであるため、つば部42b上になるべく均等に配置されることが好ましい。
また、貫通孔42kの大きさはつば部42bの幅に最大値が制限されるが、つば部42bの形状や強度を損なわない限りにおいて大きめに形成することが好ましい。ただし、ポッド用アダプタ42内の空間42aの吸気口/排気口として機能することから、つば部42bに形成された貫通孔42kの面積の総和が、ポッド用アダプタ42の底面42gに形成された貫通口42iの面積よりも小さくすることが好ましい。貫通孔42kの開口径が大きくなりすぎると、貫通孔42kを介しての外部への蒸気の漏れが多くなり過ぎて、例えばむらし工程におけるコーヒー粉への蒸気の供給量が減って、むらし工程としての所望の効果が低減してしまうからである。
ポッド用アダプタ42の底面42gにも貫通口42i(図7参照)が形成されているため、ポッド用アダプタ42に載置された状態のポッドから抽出されたコーヒーは、この底面42gの貫通口42iを通過して容器ホルダ41の内部の空間41a内に流れ、容器ホルダ41の底面41gの貫通口41jを介してコーヒーカップに注がれる。
ポッド用アダプタ42の壁部42cの外径は、容器ホルダ41の壁部41cの内径に対してわずかに小さく形成されている。このため、容器ホルダ41の内側にポッド用アダプタ42を配置すると、ポッド用アダプタ42のつば部42bの裏側(下面側)が容器ホルダ41のつば部41b上に載置されることとなり、ポッド用アダプタ42を容器ホルダ41の内側に配置することができる。
ポッド用アダプタ42の壁部42cの上端部と容器ホルダ41の壁部41cの上端部とは、両者が重ね合わせられた際にほぼ同一の高さとなるように形成されているため、ポッド用アダプタ42と容器ホルダ41とを重ね交わせた際に、両者をより一体のものに近い状態で取り扱うことができる。
また、容器ホルダ41の壁部41cに形成された切り欠き部41eの幅がポッド用アダプタ42の把持部42dの幅とほぼ同じとなっており、さらに、容器ホルダ41のつば部41bに形成された切り欠き41fと、ポッド用アダプタ42の把持部42dの根本部分に形成された下側への突起部42fとが嵌合するようになっている。このため、容器ホルダ41内に載置した際には、ポッド用アダプタ42の把持部42dが容器ホルダ41の把持部41dと互いに対向する方向になるよう、両者の向きが整えられる。
このようにして、容器ホルダ41とポッド用アダプタ42とを重ね合わせた際には、両者の位置関係が正確に定まることとなる。
なお、容器ホルダ41の上部側面には、蓋体30の係持ピン38と係合することが可能な第1の係持部材41hが形成されている。また、ポッド用アダプタ42のつば部42bの外側には、壁部42cよりも高く形成された一対の位置規制衝立42hが形成されている。位置規制衝立42hは、蓋体30が原料容器40aを覆った際に、蓋体30の内面側に形成された位置決め溝と嵌合して、蓋体30と原料容器40aと間の位置関係をより正確に規制することができる。また、ポッド用アダプタ42の把持部42dの上面側部分は、所定の広さを有する平坦面42eが形成されている。蓋体30が原料容器40aを覆った際に、蓋体30のヒンジ機構33近傍に配置された押圧部材が、この平坦面42eを押圧することで、蓋体30と原料容器40aの密着性をより向上することができる。
図5は、抽出原料としてコーヒー粉末を直接用いる場合の、原料保持部材を備えた原料容器の構成を説明する分解斜視図である。
本実施形態のコーヒーメーカー100では、挽かれた状態のコーヒー粉末を直接用いてドリップする場合には、ポッド用ホルダ42とこれに載置されるポッド部材に替えて、散水板43とコーヒー粉末を収容するフィルタケース44とが用いられる。この場合には、散水板43と内部に所定量のコーヒー粉末を収容したフィルタケース44とを重ね合わせて容器ホルダ41内に収容することで原料容器40bが構成され、原料容器40bが、蓋体30とホルダ受け部50との間に保持されることでドリップ部11が構成される。
容器ホルダ41は、図4に示したポッドタイプの容器に収容されたコーヒー粉末を用いる場合と同じ部材であるため、説明は省略する。
散水板43は、全体が円板形状として形成されていて、上面43aの外周部分に上方に向かう壁部43bが形成されている。上面43aは所定幅の円環状に形成されていて、上面43aの内側部分には下方側に突出した下方突出部43cが形成されている。下方突出部43cの中央には、小径の上方突出部43dが形成されていて、上方突出部43dの中央には円形の凹面43eが形成され、凹面43eには開口43fが複数個形成されている。
上面43aの一部分からは、外方に伸びる把持部43gが形成され、ユーザーは把持部43gを利用することで容易に散水板43を持つことができる。把持部43gの上面側部分には、所定の広さを有する平坦面43hが形成されている。この平坦面43hは、図4で説明したポッド用アダプタ42の把持部42d上面の平坦面42eと同様に、蓋体30が原料容器40aを覆った際に、蓋体30のヒンジ機構33近傍に配置された押圧部材がこの平坦面43hを押圧することで、蓋体30と原料容器40bの密着性をより向上することができる。
また、散水板43の把持部43gとは反対側の壁部43dには壁部43dよりもさらに高く形成されたつまみ部43iが形成されていて、ユーザーが散水板43を持つときに、把持部43gに加えてつまみ部43iを補助的に利用することができる。
フィルタ部材44は、上方に向かって経大となる略カップ形状の部材である。
フィルタ部材44の上部には環状のつば部44aが外方に向かって形成され、つば部44aの外周には上方に向かう壁部44bが形成されている。フィルタ部材44の側面は、所定の間隔で配置された柱状部材44cと柱状部材44cの間に配置されたメッシュ部材44dで構成されていて、フィルタ部材44の内部に所定量のコーヒー粉末を入れて1杯分のコーヒーを抽出することができる。
メッシュ部材44dとしては、一例として、ステンレス製で200番手のメッシュを用いることができる。なお、フィルタ部材44dとしては、ステンレスメッシュの他にもナイロンメッシュなどのメッシュ部材を用いることができる。さらに、メッシュの番手としても、抽出される飲料の好適な抽出速度を考慮して、100番程度から300番程度の所定の粗さのメッシュを用いることができる。
つば部44aの一部分には、つば部44aより外方へ延出する把持部44eが形成され、把持部44eの形成部分では、壁部44bが形成されずに切り欠き部44fとなっている。
壁部44bの内径は、散水板43の壁部43bの外径よりもわずかに大きく形成されているため、フィルタ部材44の上部に散水板43を載置することができる。また、フィルタ部材44の把持部44eの幅は、容器ホルダ41の切り欠き41fの幅よりもわずかに小さく形成され、さらに、散水板43の把持部43gの裏面内部に収容可能な大きさとなっている。また、フィルタ部材44の切り欠き部44fの幅が、散水板43の把持部43gの幅よりもわずかに大きく形成されている。このため、容器ホルダ41とフィルタ部材44と散水板43とを、回転方向における互いの位置合わせを行った状態で、この順に積層することができる。
なお、フィルタ部材44のつば部44aの外側には、壁部44bよりも高く形成された一対の位置規制衝立44gが形成されている。位置規制衝立44gは、ポッド用アダプタ42の位置規制衝立42hと同様に、蓋体30が原料容器40bを覆った際に、蓋体30の内面側に形成された位置決め溝と嵌合して、蓋体30と原料容器40bと間の位置関係をより正確に規制することができる。
本実施形態にかかるコーヒーメーカー100では、抽出原料としてポッドを用いる場合には、図4に示したポッド用アダプタ42にポッドを装着し容器ホルダ41に載置することで原料容器40aを構成してドリップ部11に配置する。抽出原料としてコーヒー粉末を直接用いる場合には、図5に示した散水板43と内部にコーヒー粉を収容したフィルタ部材44とを積層して容器ホルダ41に載置して原料容器40bを構成してドリップ部11に配置する。このようにして、いずれの抽出原料を用いた場合でも同様に簡易にコーヒーを抽出することができる。このとき、本実施形態にかかるコーヒーメーカー100においては、抽出原料としてポッドを用いる場合とコーヒー粉末を直接用いる場合とのいずれの場合でも、ユーザーは、内部にコーヒー粉末を収容した状態の原料容器40(40a、40b)を容器ホルダ41の把持部41dを用いて一体的に取り扱うことができる。
図6は、原料容器が取り外された状態のコーヒーメーカーを示す斜視図である。
本実施形態のコーヒーメーカー100では、本体部1の幅狭側面(一側面)側に配置されたドリップ部11の蓋体30がヒンジ機構33により回動可能となっていて、蓋体30はドリップ部11の原料容器40の上方を覆った閉塞状態(図2の状態)から、図6に示す、一側面から後退する方向に所定の角度(一例として約50度)開いた開放状態へと移行できるようになっている。
ドリップ部11において、原料容器40が装着されるホルダ受け部50は、円板状の底面51と上方に行くにつれて経大となる傾斜面として形成された側面52と、側面52の上端部に形成された外方へ広がる円環状のつば部53と、つば部53の外周部分から上方へと延出された壁部54とで構成されている。
ホルダ受け部50の底面51には、中央に底面51と同心円状に開口55が形成されている。また、図6に示すように、ホルダ受け部50の側面52、つば部53、壁部54は、いずれも本体部1側のみに形成されていて、ホルダ受け部50の側面52、つば部53、壁部54は、いずれも底面51の中心を通る中心線に沿った切断線で、本体部1の一側面の側に位置する約半分が切断されて開放された形状となっている。
本実施形態のコーヒーメーカーにおける原料容器として、図4および図5を用いて詳細に説明したとおり、ポッドを用いる場合の原料容器40aとコーヒー粉末をそのまま用いる場合の原料容器40bとは、それぞれを構成する部材は異なるものの、いずれも同じ容器ホルダ41に載置され、原料容器40として組み立てられた状態で同じ外観形状となるように構成されている。
また、本実施形態のコーヒーメーカー100における容器ホルダ41は、底面側にいくにつれて少しずつ径小となる側面を有する略円筒状に形成されており、原料容器40として組み立てられた場合において、ユーザーが把持する把持部41dの反対側には側面から平板状に伸延する部材として把持部42dと43gのみが形成された形状となっている。このため、本体部1の一側面である幅狭側の側面(図6における左手前側側面)に対峙した状態のユーザーが、ホルダ保持部50上に原料容器40を差し込むように載置しようとした場合に、ホルダ保持部50と干渉する部分が無くユーザーは、原料容器40を真っ直ぐに押し込むようにして、ホルダ受け部50上に位置させることができる。
一方、容器ホルダ41の底面41gには、底面41gに形成された貫通口41jを取り巻くように筒状突起部41iが形成されていて(図7参照)、この筒状突起部41iは、ホルダ受け部50の底面51に形成された開口55に嵌合する大きさとなっている。このため、ユーザーは、筒状突起部41iがホルダ受け部50の底面51を超えて開口55に嵌合するように、少しだけ原料容器40を持ち上げるだけで、原料容器40をホルダ受け部50上の正しい位置に載置することができる。したがって、本実施形態にかかるコーヒーメーカー100では、ドリップ部11に原料容器を載置するに当たって原料容器40の上方を覆う蓋体30が完全に開く必要はなく、図6に示すように所定角度(一例として約50度)の回動が行われれば、ドリップ部11の所定位置に本体部1の側方から原料容器40を載置することができる。
一方、上述のように、ホルダ受け部50の底面51は円環状に形成されると共に、底面51の開口55には、容器ホルダ41の底面の筒状突起部41iが嵌合するようになっている。また、原料容器40においてドリップ部11に装着された状態での奥側である、本体部1の内部側に向かって伸延する把持部42dと43gの上面には、平坦面42eと43hとがそれぞれ形成されている。この平坦面42eと43hとは、蓋体30が閉塞した際には蓋体30のヒンジ機構33近傍に形成された押圧部材となる抑えリブ39(図6参照)によって押圧されるため、蓋体30が原料容器40を覆った状態でロックされれば、原料容器40をドリップ部11内でしっかりと保持することができ、手前側に外れてしまうことはない。このため、本実施形態のコーヒーメーカー100では、従来のコーヒーメーカーと比べて本体部内部への原料容器40の装着が格段に容易であり、また、ユーザーにとっては手前側である本体部の側方(一側面側)から原料容器40を着脱できるので、コーヒーメーカー100の載置場所として低い位置を選ばなくてはならないという不都合が生じない。
なお、本実施形態のコーヒーメーカー100では、平面視円形状の蓋体30の中心部32を取り巻くように同軸状に形成された外周部31が、中心部32に対して所定の角度回動可能に配置されている。そして、外周部31には、原料容器40と対向する側である内側面に突出形成された係持ピン38(図3参照)が形成されている。一方で、ホルダ受け部50に載置された状態で原料容器40の外殻をなす容器ホルダ41の上部側面には、蓋体30の径方向外側に向かって突出形成された第1の係持部材41h(図4、図5参照)が形成されている。また、ホルダ受け部50の上部には、第1の保持部材41hに対向するように配置され、蓋体30の径方向内側に向かって突出形成された第2の係持部材56(図6参照)が形成されている。
蓋体30の係持ピン38は、その断面形状が先端部である下端側が広がった逆T字状となっているため、第1の係合部材41hと第2の係合部材56とが対向している間隙部に入り込むことで、両係持部材41h、56と係合して、蓋体30を原料容器40とホルダ受け部50とに対して同時に、かつ、一体的に固着することができる。
また、ユーザーが蓋体30の外周部31を中心部32に対して回動することで、蓋体30と原料容器40およびホルダ部材50との係合を解除することができる。なお、このとき、バネなどの弾性部材を用いた付勢手段によって、蓋体30の外周部31が係合状態を維持できる位置に留まるように付勢することで、ユーザーが蓋体30のロックとロック解除とをより容易に行うことができるようにすることができる。また、蓋体30のヒンジ機構部33に、蓋体30が開いた状態となる方向に維持する付勢手段を設けることで、ユーザーが蓋体30のロックを解除した際の蓋体30の開放を容易に行うことができるようにすることができる。
なお、本実施形態のコーヒーメーカー100において、蓋体30の内側面における環状パッキン37の外側部分には、吐出口35を中心とする環状に形成された溝状の凹部71が配置されている。
図7は、本実施形態のコーヒーメーカーにおけるドリップ部の構成を示す要部拡大断面図である。図7は、図2と同様にコーヒーメーカーを貯水タンクの配置側から見た側断面図であり、ドリップ部にポッドタイプの容器が装着され、蓋体がロックされてコーヒーの抽出が可能な状態を示している。
ポッドタイプの容器を抽出原料として用いてコーヒーの抽出を行う場合には、図7に示すように、ポッドタイプの容器60が内部に収容されたポッド用アダプタ42が、容器ホルダ41と重ね合わされた状態でホルダ受け部50の底面51と蓋体30とに挟まれ、蓋体30がロックされる。
ポッドタイプの容器60は、直径に対して深さ方向がやや大きな略半球状のカップ部61と、カップ部61の上面を覆うとともにカップ部61よりも外側に張り出したつば部を持つ平面部62とから形成されていて、カップ部61内に所定量のコーヒー粉末63が収容されている。
容器60のカップ部61の直径となる上端部分の外径は、ポッド用アダプタ42の円筒状部分の上端部分の内径よりもやや小さく形成され、容器60の平面部62の外側に張り出した部分がポッド用アダプタ42のつば部42b内側の一段下がった環状部分42j上に載置されることで、ポッド用アダプタ42の円筒状部分内に容器60のカップ部61が位置するようになる。
図3に示したように、蓋体30の底面に形成された中央パッキン36は、蓋体30の底面周辺部に配置された環状パッキン37よりもさらに突出するように形成されているため、容器ホルダ41a内に収容された容器60が収容された状態で蓋体30がロックされると、容器60上面の平面部62の中央パッキン36が当接する中央部分62a(ポッドを上方から平面視した場合の中心部分で、図7における奥行き方向における中央部分)は、ポッド用アダプタ42の環状部分42jと蓋体30の環状パッキン37とに挟まれている平面部62の周辺部分62b(ポッドを上面から平面視した場合の周辺部分で、図7では最も奥側に位置する部分)と比較して、下側に押し下げられた状態となる。このようにして、蓋体30がロックされたコーヒー抽出時の状態では、蓋体30の底面中央に形成された吐出口35が容器60の上面の平面部62の中央部分に確実に密着する。
ポッドタイプの容器60のカップ部61は、抽出されたコーヒーやカップ部61内に供給された蒸気が通り抜けられるように紙製また樹脂製のフィルタ部材として形成されている。また、ポッドタイプの容器60の平面部62は、樹脂製のフィルム素材により形成されていて、中央部分には微細な開口が形成されている。このため、平面部62は、中央部分では吐出口から吐出された蒸気や湯を良好に透過させることができるとともに、中央部分以外では、蒸気や湯をほとんど、もしくは、全く透過させない構成となっている。
このため、ポッドタイプの容器60が装着された状態でコーヒーメーカー100の抽出工程が開始された場合には、ドリップ配管34を介してポッドタイプの容器60に供給された蒸気や湯が、吐出口35から容器60の平面部62の中央部分の開口を経てカップ部61内に供給され、コーヒー粉末63を蒸したり、コーヒーを抽出したりする。抽出されたコーヒーは、カップ部61の側面からポッド用アダプタ42内部の空間42aへと滲み出して、ポッド用アダプタ42の底面42gに形成された貫通口42iを経てポッド用アダプタ42と容器ホルダ41との間の空間41aに到達する。さらに、抽出されたコーヒーは、容器ホルダ41の底面41gの中央部に形成された貫通口41jを通って、下方に位置するトレイ12(図1参照)上に配置された図示しないコーヒーカップに注がれる。
なお、本実施形態のコーヒーメーカー100では、図7に示すように、容器ホルダ41の貫通口41jは、平面視円形状に形成されているドリップ部11の中心に位置し、蓋体30の中央部分に形成された吐出口35の真下に位置するように形成されているのに対し、ポッド用アダプタ42の貫通口42iは、ドリップ部11の中心位置から本体部1側(図7における右側)に偏心した位置に形成されている。すなわち、本実施形態のコーヒーメーカーでは、ポッドを保持するポッド用アダプタ42の貫通口42iが、ポッド用アダプタ42をその内側に保持する容器ホルダ41の貫通口41jの鉛直上方に位置しない構成となっている。この結果、本実施形態にかかるコーヒーメーカーでは、ポッドタイプの容器60の底面と容器ホルダ41の貫通口41jとを結ぶ線上にはポッド用アダプタ42の底面42gが介在して、容器60のカップ部61の底部と貫通口41jとが直線状には結ばれないようになっている。
仮に、貫通口42iが貫通口41jの鉛直上方に位置し、カップ部61の底面中央と貫通口41jとが直線状に結ばれていた場合には、コーヒー抽出時の特に抽出開始時に、カップ部61の底部中央から滲み出したコーヒーが、そのまま貫通口42iと貫通口41jとを通り抜けて、貫通口41jの下方に配置されたコーヒーカップに落下する。この場合、コーヒーカップを貫通口41jに近づけておいた場合でも、コーヒーカップと容器60のカップ部61底面との間には一定以上の高度差が生じているため、落下したコーヒーが大きく撥ねる場合がある。このような不所望な事態は、例えば抽出途中にコーヒーの流れが途切れた場合など、抽出開始時点から抽出が完全に終了するまだのいずれのタイミングでも生じうる。しかし、本実施形態のコーヒーメーカー100の場合には、ポッドの容器60カップ部61底面から抽出されたコーヒーが、そのまま容器ホルダ41の貫通口41jを通過して落下することがないため、このような事態は生じない。このため、本実施形態のコーヒーメーカー100では、撥ねたコーヒーによってコーヒーメーカー周囲のテープル面などが汚れるなどの不所望な事態の発生を、効果的に回避することができる。
なお、本実施形態のコーヒーメーカーにおいて、原料容器40としてポッドタイプの容器内に収容されたコーヒー粉を用いずに、挽かれた状態のコーヒー粉をそのまま用いる図5で示した原料容器40bを用いる場合には、コーヒー粉を収容するフィルタ部材44はメッシュ部材44dが側面に配置され、フィルタ部材44の底面から抽出されたコーヒーが下方に落下する構成ではないため、抽出開始直後のコーヒーが、そのまま容器ホルダ41の貫通口41jを通過してコーヒーカップ内に落下するという事態が生じない。しかし、コーヒー粉を直接用いる形態の原料容器40bの場合に、例えば抽出初期のコーヒーがフィルタ部材44の中心部分からのみ滴下する構成の場合には、滴下部分をドリップ部11の中心軸に対して偏心させるか、フィルタ部材44と容器ホルダ41の貫通口41jとの間を遮断する部材を配置することが好ましい。
なお、本実施形態にかかるコーヒーメーカーの場合には、原料容器40aにおいて、ポッド用アダプタ42の貫通口42iと、容器ホルダ41の貫通口41jとが、いずれも中心軸が鉛直方向に配置された円筒状の部材として構成されている。これに対し、貫通口42iおよび貫通口41jの一方または両方が、鉛直方向に対して傾斜して配置された円筒状の部材として構成されていた場合には、ポッド用アダプタ42の貫通口42iの下端部に位置する先端の開口が、容器ホルダ41の貫通口41jの下端部に位置する先端の開口と鉛直方向において重複する部分を有さない位置にあることが、ポッド用アダプタ42の貫通口42iが容器ホルダ41の貫通口41jの鉛直上方に位置しない構成となる。
また、さらに、ポッド用アダプタ42の貫通口42iおよび容器ホルダ41の貫通口41jの一方または両方が、厚みを有する円筒形状ではなく厚み方向の大きさを有さない平面状の開口として形成されていた場合には、ポッド用アダプタ42の貫通口42iである開口が、容器ホルダ41の貫通口41jである開口と鉛直方向において重複する部分を有さない位置にあることが、ポッド用アダプタ42の貫通口42iが容器ホルダ41の貫通口41jの鉛直上方に位置しない構成となる。すなわち、本願において原料保持部材の貫通口の配置位置が、容器ホルダの貫通口の配置位置の鉛直上方に位置しない構成とは、原料保持部の貫通口から落下した飲料が、そのまま、容器ホルダの貫通口を通り抜けてしまわない構成を意味する。
また、本実施形態のコーヒーメーカー100では、ポット用アダプタ42の貫通口42iの開口径d1と、容器ホルダ41の貫通口41jの開口径d2との間に、d1>d2という関係が成り立つように構成されている。
上述したように、本実施形態のコーヒーメーカー100では、ポッド用アダプタ42の貫通口42iが容器ホルダ41の貫通口41jに対して偏心して配置されている。このため、ポッドの容器60からコーヒーが連続して抽出されている状態では、ポッド用アダプタ42の内部42aに溜まったコーヒーが、容器ホルダ41の底面41gに当たり、底面41g上を流れた後に貫通口41jからコーヒーカップに注がれる。このように、抽出されたコーヒーに容器ホルダ41内の空間41aで横方向に向かう動きが加わるため、貫通口41jからコーヒーカップへと注がれるコーヒーに、図7中の左右方向に向かう「流れ」が生じやすくなる。また、容器60からのコーヒーが不連続に抽出されている状態では、最終的に容器ホルダ41の貫通口41jからコーヒーカップへと供給されるコーヒーがそのまま不連続なものとなるが、容器ホルダ41の貫通口41jから注がれるコーヒーに、このような「流れ」や不連続が生じると、貫通口41jからコーヒーカップに注がれるコーヒーに乱れが生じて、コーヒー撥ねの原因となりやすい。
これに対し、本実施形態にかかるコーヒーメーカー100では、ポッド用アダプタ42の貫通口42iの開口径d1を容器ホルダ41の貫通口41jの開口径d2よりも大きくすることで、ポッド用アダプタ42から容器ホルダ41内の空間41aへと単位時間内に供給されるコーヒーの量が、容器ホルダ41内の空間41aから単位時間内にコーヒーカップへと注がれるコーヒーの量よりも大きくなる。この結果、必然的に容器ホルダ41内の空間41aに抽出されたコーヒーが溜まるため、ポッド用アダプタ42の貫通口42iが偏心していることに起因する貫通口41jから注がれるコーヒーに生じる「流れ」の影響を解消することができ、容器ホルダ41の貫通口41jからは、真下の方向へとコーヒーが注がれるようになる。
また、特に、コーヒー抽出の終了前でコーヒーの抽出量が低減してきた状況において、容器ホルダ41内の空間41aにコーヒーが残っていることにより、貫通口41jから注がれるコーヒーが不連続となることも解消される。よって、本実施形態のコーヒーメーカー100では、貫通口41jからコーヒーカップに注がれるコーヒーがまとまらなかったり間欠的に注がれたりすることに起因する、コーヒー撥ねを効果的に防止することができる。
本実施形態のコーヒーメーカー100では、ポッド用アダプタ42のつば部42bに貫通孔42kが形成されているため、蓋体30がロックされた状態において、容器ホルダ41とポッド用アダプタ42との間の空間41aと蓋体30の内側面に形成された溝状の凹部71とが空間的に連通している。凹部71は、蓋体30の回動する外周部31の下端部と容器ホルダ40aとの間に形成された隙間部72を介してコーヒーメーカー100の外部と連通している。このため、容器ホルダ41とポッド用アダプタ42との間の空間41aは、コーヒーメーカー100の外部と空間として繋がり、貫通孔42kが、空間41aにおける吸気口と排気口としての機能を果たすことができる。
図8は、本実施形態のコーヒーメーカーにおける、抽出工程中における抽出されるコーヒーの状態と空気の流れとを模式的に示す図である。
上述したように、本実施形態のコーヒーメーカー100では、ドリップ用アダプタ42に形成された貫通口42iの径d1が、容器ホルダ41に形成された貫通口41jの径d2よりも大きいため、ドリップ用アダプタ42内の空間42aに抽出されたコーヒー81は、容器ホルダ41内の空間41b内に一旦は留まる82こととなる。抽出工程においては、蓋体30内のドリップ配管34から吐出口35を介して、コーヒーを抽出するための湯や蒸気が図8中白矢印83として示すように供給され続けるが、貫通口41jをコーヒー82が塞いだ状態であると、容器ホルダ41の内部41aが密閉状態となってコーヒーの抽出量が低下する。
本実施形態のコーヒーメーカー100では、ポッド用アダプタ42のつば部42bに貫通孔42kが形成されているため、容器ホルダ41内の空間41aとコーヒーメーカー100の外部の空間とが連通し、貫通孔42kが外部の空気を白矢印84として示すように取り込む吸気口の機能を果たすので、コーヒーの出(白矢印85)が悪くなるという現象を効果的に回避することができる。
結果として、本実施形態のコーヒーメーカー100では、コーヒーの抽出時間が短くなり、おいしいコーヒーをユーザーに提供することができるという効果を奏することができる。
また、本実施形態にかかるコーヒーメーカー100では、抽出工程の終了後に、ボイラー部26から吐出口35までの間に残っている湯や蒸気を押し出すとともに、抽出途中のコーヒーを押し出してコーヒーの抽出を早く完了させるための押し出し工程を備えることができる。
押し出し工程は、抽出工程の終了後所定の間隔を置いた後に、送水ポンプ24やボイラー部26の加熱ヒータ26bを所定期間だけ動作させて、少量の湯や蒸気を吐出口35から供給することで行われる。
このような押し出し工程を行った場合には、容器ホルダ41内の空間41a内に残存していたコーヒー91が、ドリップ配管34から吐出口35を介して供給される湯や蒸気(図9中の白矢印92)に押し出される。このとき、本実施形態のコーヒーメーカー100では、ポッド用アダプタ42のつば部42bに形成されている貫通孔42kを介して容器ホルダ41内の空間41aとコーヒーメーカー100の外部の空間とが連通しているため、貫通孔42kが排気口として働いて空間41aの空気が外部に放出され(白矢印93)、空間41aの圧力を効果的に低下させることができる。この結果、貫通口41jから供給されるコーヒーが白矢印94として示すように飛び散ることを、効果的に防止することができる。
なお、容器ホルダ41の空間41aから排気された空気は、貫通孔42kを経て一旦蓋体30の内側面に形成された環状の凹部71内に留まる。このため、容器ホルダ42の空間41a内の高温の蒸気が、間隙部72を介して蓋体30の外部へと吹き出される事態を回避することができる。また、凹部71内に一旦留まった蒸気は、冷却された後に容器ホルダ42のつば部42b上に戻り、一部は貫通孔42kを介して容器ホルダ41内の空間41aに戻ることとなる。このため、コーヒーの抽出完了時にユーザーが蓋体30を上方に回動した場合でも、凹部71内の蒸気が冷えた水がこぼれるなどの不所望な事態を回避することができる。
以上説明したように、本実施形態にかかるコーヒーメーカー100では、ポッド60を用いてコーヒーの抽出を行う際に、ポッド60を保持して原料容器40を構成するポッド用アダプタ42の上面に形成されたつば部42bに貫通孔42kが形成され、貫通孔42kを介して容器ホルダ41内の空間41aとコーヒーメーカー100の外部の空間とが連通している。この貫通孔42kが、コーヒーの抽出時にはコーヒーの抽出を促進する吸気口となり、押し出し工程ではコーヒーの不所望な飛び散りを防止する排気口となって、安全に、かつ、コーヒーの飛び散りが生じるなどの不所望な事態を回避しておいしいコーヒーを煎れることができるコーヒーメーカーを実現することができる。
なお、上記で説明したコーヒーメーカーでは、ポッド用アダプタの貫通口42iの位置を偏心させた構成を示した。これは、蓋体30に形成される吐出口35と、コーヒーカップへとコーヒーを注ぐ容器ホルダ41の貫通口41jとをドリップ部11の中心軸に沿って配置することで、蓋体30の構成やトレイ12を含めたコーヒーカップ載置部分を容易に構成することができるからである。これとは逆に、ポッド用アダプタ42の貫通口42iをドリップ部11の中心軸上に配置して、容器ホルダ41の貫通口41jをドリップ部11の中心軸上から偏心させるなど、2つの貫通口42i、41jが鉛直方向に一直線に並ばないさまざまな形態を採用することができる。もちろん、ポッドの容器60の中心と、2つの貫通口42i、41jとがいずれも鉛直方向において重ならない位置となるように、ドリップ部11を構成することもできる。
また、上記例示のコーヒーメーカーでは、抽出工程の終了後に押し出し工程を備えたものを例示したが、本開示にかかるコーヒーメーカーでは、押し出し工程を備えることは必須ではない。この場合、貫通孔42kは、コーヒー抽出時の吸気口としてコーヒーの抽出を促進するという効果を果たすことができる。
さらに、上記実施形態では、ポッド用アダプタ42のつば部42bに貫通孔42kを備えた構成を示したが、吸気口や排気口として機能する貫通孔として、容器ホルダ41内の空間41aとコーヒーメーカー100の外部とを空間的に連通する開口であれば、貫通孔の配置場所はつば部42bのみに限られない。ポッド用ホルダ42のつば部42b以外の上面部分に貫通孔を形成することができ、また、つば部42bとともにその外側に位置する壁部42cに渡って貫通孔を形成して、横方向に外部空間との連通孔を形成することもできる。
また、上記説明において、挽いた状態のコーヒー粉をそのまま用いる際に原料容器40を構成する散水板43やフィルタ部材44には、ポッド用アダプタ42のつば部42bに設けたような貫通孔42kを設けないものとして説明した。原料であるコーヒーを供給する原料容器40として、フィルタ部材44を用いた場合には、ポッド用アダプタ42を用いた場合と比較して組み合わされた状態の原料容器40bに隙間が多く、ポッド用アダプタ42を用いた原料容器40aの場合のように、容器ホルダ41内部の空間41aがコーヒーメーカー100の外部の空間から遮蔽されて密閉状態なることは少ない。このため、コーヒーの抽出速度の低下や不所望なコーヒーの飛び散りなどの問題が生じにくいからである。もちろん、挽いたコーヒー粉をそのまま用いる原料容器40bの場合にも、容器ホルダ41内の空間41aが密閉状態となって問題が発生する場合には、散水板43やフィルタ部材44に適宜貫通孔を設けて、容器ホルダ41内の空間41aと外部とを連通させることが好ましい場合がある。
なお、上記実施形態では、ポッドタイプのコーヒーを用いる場合とコーヒー粉をそのまま用いる場合との両方を可能とする構成として、原料容器の外形を同一に保った状態で異なる抽出原料を保持できるように異なる部材を積層して用いる例を示した。しかし、本実施形態のコーヒーメーカーにおいて、異なる抽出原料を使用可能とすることは必須ではない。
また、上記詳細に例示した原料容器40a、40bの具体的な形状は例示に過ぎない。蓋体30とホルダ受け部50との間に載置されて内部に抽出原料を保持でき、蓋体30に形成された吐出口35から供給される湯を用いて飲料を抽出することができる各種形態の原料容器40を使用することができる。なお、本実施形態のコーヒーメーカー100のように、抽出原料として異なる形態で供給される原料を用いる場合には、原料容器40を複数部品の組立体として、一部または全部の部材を交換可能に組み立てて、原料容器として求められる外形形状と、内部に配置される原料を保持する原料保持部として求められる形状とが両立できるように設計することが好ましい。
また、図4および図5に示したように、本実施形態のコーヒーメーカー100では、異なる原料を用いた場合の原料容器40(40a、40b)の外形をほぼ同じとすることで、いずれの原料容器40を用いた場合でも、蓋体30とホルダ受け部50との間に同じ状態で配置固着されるようになっている。なお、原料容器40の上部または側部などの外形部分に突起や凹所などの指標部を設け、本体部1に設けた検知手段によってこの指標部の形状を読み取ることで、ドリップ部11に載置されている原料容器40の種類を判別可能とすることができる。この場合には、制御部が判別結果に応じて、それぞれの原料によって異なる抽出工程を自動的に実行可能とすることができる。
また、上記実施形態では、飲料抽出装置であるコーヒーメーカーの一側面に対して側方から原料容器を容器保持部に直接載置可能な構成の例について説明したが、原料容器の容器保持部への載置は、側方からのものに限られず、また、直接的にではなく、例えば容器収容部を覆う扉状の保護部材を開いて原料容器を載置する構成とすることができる。
さらに、上記実施形態では、飲料抽出装置としてコーヒー粉末からレギュラーコーヒーを抽出するコーヒーメーカーを例示して説明したが、本願で開示する飲料抽出装置としては、紅茶や日本茶、ウーロン茶などの茶葉を用いていわゆるお茶を抽出する飲料抽出装置としても実現することができる。また、ココアなどの粉体を用いて飲料を抽出するもの、味噌などのペースト状の部材を用いて味噌汁を抽出するもの、その他、各種の汁物やスープを抽出するものなど、各種の飲料を抽出する飲料抽出装置を実現することができる。
さらにまた、抽出できる飲料の容量も、一杯の飲料を抽出するものには限られず、数杯程度まで複数杯分の飲料を抽出可能な飲料抽出装置として実現することができる。