JP6646499B2 - 脱気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体中に溶存している気体や気泡を除去するための脱気装置に関する。より詳細には、液体クロマトグラフィーに用いられる溶離液等から溶存気体や気泡を除去するための、気体透過性材料を用いた減圧脱気方式によるオンライン脱気装置に関する。
液体クロマトグラフ装置においては、注入された試料はカラムによって分離され、溶離液とともに検出器へと移送される。分離された成分は、検出器において紫外線吸収や屈折率の変化などの方法により検出され、検出器からの信号が経時的変化をする波形としてデータ処理装置に収集される。溶離液の流量の制御は、クロマトグラフの精度にとって重要である。一般的な液体クロマトグラフ装置においては、高圧で送液される溶離液の流量の精度や安定性を保つため、試料や溶離液の送液には往復プランジャ型のポンプが使用されている。
しかし、プランジャポンプの上流側は、ポンプによる吸引のため負圧となるために、溶離液中の溶存気体が気泡となることがある。別の気泡発生のメカニズムとして、一般に溶媒の温度が上昇すると溶媒に対する気体の飽和溶解量は減少するため、環境温度の変動により溶離液の温度が上昇すると、過剰に溶解している気体が気泡となって出てくることがある。また別の気泡発生のメカニズムとして、異なる種類の溶媒を混同する場合や、同種の溶媒であっても塩濃度が異なる溶液を混合する場合、溶媒に対する気体の飽和溶解量が変化するため、気泡が発生することがある。これらの気泡は、分析結果に様々な悪影響を及ぼす原因となる。例えば、ポンプに流入すると送液不良を起こし、検出されるピークの保持時間の変動を起こすことがある。また、カラムに流入すると検出ピークの変形を引き起こすことがある。さらにまた、検出器に流入するとベースラインの変動やノイズを発生させることがある。このような分析結果に影響を及ぼす気泡の発生を抑制・防止するために、溶離液中の溶存気体の除去操作が行われる。
溶存気体の除去方法にはいくつかの方式があるが、代表的にはオフライン脱気方式とオンライン脱気方式とが例示できる。オフライン脱気方式とは、溶離液等の貯蔵容器をポンプ吸引側(プランジャポンプの上流側)にセットする前に、あらかじめ溶存気体を除去しておく方式である。しかしながら、この方式では、液体に空気が再溶解するため、時間経過とともに液中の溶存気体は徐々に増加する。言い換えると、オフライン脱気方式の溶存気体除去の効果は長期間持続しない。
オンライン脱気方式とは、プランジャポンプより上流側の流路に気体透過性材料を用いた減圧脱気装置を設置し、送液中、常時溶存気体を除去し続ける方式である。減圧脱気装置によるオンライン脱気方式は、オフライン脱気方式と比較して、液体の貯蔵容器の形状や栓に制限がない、液体の組成が変化しにくい、ランニングコストが安い、扱いが容易、という理由から、汎用されている。溶存気体の除去装置は、通常プランジャポンプの上流側に設置され、ポンプに流入する液から連続的に溶存気体を除去する。
特許文献1、2、非特許文献1には、真空ポンプにより減圧される減圧チャンバー内に、気体を通過させるが液体を通過させない気体透過性材料からなる脱気チューブを備えた脱気装置が記載されている。貯蔵容器から吸引した液が該脱気チューブ内を流通すると、溶離液中の溶存気体は該脱気チューブの壁面を通過して、減圧チャンバー内の減圧空間へ取り出される。
しかし、上記の従来の溶存気体除去装置は、当該装置よりも上流で発生した気泡を除去することができず、分析結果に悪影響を及ぼすことがあった。言い換えると、従来の溶存気体除去装置は、溶存気体の除去には適しているものの、その性質上、気泡の除去には不適であった。そのため、従来の液体クロマトグラフィーでは、溶存気体の除去とは別の手段を用いて、気泡の除去が行われている。
液体から気泡を除去する装置としては、気泡除去装置がある。特許文献3、4、非特許文献2に記載されている装置では、金属又は樹脂製の輸液管の途中に気−液分離槽又は脱泡室(いわゆる気泡トラップ)を接続し、気泡が液体中で浮き上がる性質を利用して、液体中の気泡を該気泡トラップ内に捕捉及び貯留する。貯留された気泡は、注射器や真空ポンプなどの排気手段により、気泡トラップから取り除かれる。
特許文献5には、脱気チューブに気泡を含む液を通過させるときに、管内圧力を管外圧力よりも高めることにより、該気泡を該脱気チューブの管外に除去する脱泡装置が開示されている。特許文献5では、流入側輸液管よりも流出側輸液管の内径を小さくするか、又は流出側輸液管を絞り装置で絞ることにより、管内圧力の上昇を達成している。しかしこの手法は、微小でない気泡を除去するには不向きである。
特開2001−87601号公報 特開2012−161723号公報 特開昭62−42708号公報 特開2001−314701号公報 特開昭60−48104号公報
「移動相の脱気 5.脱気方法 5−4)気‐液分離膜を用いた減圧脱気」、株式会社島津製作所、[2016年3月17日検索]、インターネット<URL : http://www.an.shimadzu.co.jp/hplc/support/lib/lctalk/s5/054.htm> 「移動相の脱気 5.脱気方法 5−6)脱気方法以外」、株式会社島津製作所、[2016年3月17日検索]、インターネット<URL : http://www.an.shimadzu.co.jp/hplc/support/lib/lctalk/s5/056.htm>
上述した従来の溶存気体除去装置では、液中の気泡をより多く除去するためには、脱気チューブを長く及び/又は細くして液の脱気チューブ通過時間を延長していた。しかしこの手法では、気泡を除去するのに10〜20mに及ぶ脱気チューブが必要とされ、実際的でなかった。一方で、従来の気泡除去装置では、捕捉した気泡を除去するための排気手段が気泡トラップに具備される必要があり、装置が複雑になっていた。また、溶存気体除去装置と気泡除去装置を両方設置すると、装置が大型化し高価になるという問題があった。
本発明は、簡易な構成で、液中の溶存気体と気泡の除去を可能にする脱気装置の提供を課題とする。
すなわち、本発明は、
減圧チャンバーと、該減圧チャンバーに収納された脱気チューブとを備え、
該脱気チューブは、気泡トラップを備え、
該気泡トラップは、気体透過性材料からなる壁を備える、
脱気装置を提供する。
また本発明は、上記脱気装置を用いた脱気方法を提供する。
本発明の脱気装置によれば、一つの減圧チャンバー内に、脱気チューブと気泡トラップとを備えるため、一つの機構にて液中の溶存気体の除去と気泡の捕捉及び除去の両方をまとめて行うことが可能になる。従って本発明の脱気装置は、簡易な構成で効率よく液中の溶存気体と気泡の除去を行うことができるという利点を有する。
本発明の脱気装置の例示的実施形態。 本発明の脱気装置における、気泡トラップの接続部分の断面図。
本発明は、脱気装置、好適には液体クロマトグラフなどで使用するためのオンライン脱気装置を提供する。
本発明の脱気装置は、減圧チャンバーと、該減圧チャンバー内に収納された脱気チューブとを備える。該脱気チューブは気泡トラップを備え、したがって、該減圧チャンバーには、該脱気チューブと該気泡トラップが収納されている。該減圧チャンバー内で、該脱気チューブと気泡トラップは流体連絡されている。
上記減圧チャンバーに導入された液は上記脱気チューブを通過する。該液が該脱気チューブ通過する間に、該液に溶存した気体は該脱気チューブを透過して該チャンバーへと除去される一方、該液中の気泡は、該脱気チューブに接続された気泡トラップに捕捉される。該気泡トラップは気体透過性材料からなる壁を備えるため、減圧されたチャンバー内では、捕捉され気泡は次第に該気体透過性材料を透過して該チャンバーへと除去される。
上記減圧チャンバーは、気体透過性が実質的にない材料、例えばステンレスや気密性の高い合成樹脂などから構成される。本発明の脱気装置において、液の脱気中における減圧チャンバー内の圧力は10〜200Torrが好ましく、30〜100Torrがより好ましい。好ましい実施形態において、上記減圧チャンバーは、該チャンバー内の圧力を上記範囲に減圧するためのポンプ(真空ポンプ等)に接続されている。
上記減圧チャンバーには、収納する脱気チューブに外部の流路を接続するための流路入口及び流路出口が設けられている。好ましくは、該チャンバー内の各脱気チューブに対して流路入口及び出口は1つずつ設けられている。脱気すべき液は、該チャンバー外部から流路入口を通って該脱気チューブに導入され、該脱気チューブを通過した後、流路出口を通って該チャンバー外部に出ていく。
上記脱気チューブは、気体を通過させる一方、液体を通過させない気体透過性材料により構成される。該気体透過性材料は高い気体透過性を有することが好ましい。該気体透過性材料としては、有機高分子多孔質体、例えば、Polystyrene、Poly(isobutylene-isoprene)98 2、Polyethylene、Poly(vinylidene fluoride-hexafluoropropylene)、Polypropylene、Fluorinated ethylene-propylene copolymer、Silicone rubber等のポリマーが例示できる。このうち、Polyethylene、Poly(vinylidene fluoride-hexafluoropropylene)、Polypropylene、Fluorinated ethylene-propylene copolymer、及びSilicone rubberが好ましく、Polypropylene、Fluorinated ethylene-propylene copolymer、及びSilicone rubberがより好ましい。
上記脱気チューブの形状は特に限定されないが、円形チューブ状であることが好ましい。該脱気チューブの長さは特に制限されず、脱気すべき液の流速や送液の圧力に合わせて、該液中の溶存気体が除去できるよう適宜調整すればよいが、好ましくは20cm〜1m程度、より好ましくは20〜60cm程度である。本発明の脱気装置において、上記減圧チャンバー内に収納される脱気チューブは1つであってもよく、又は複数個であってもよい。
気泡トラップは、気−液分離槽又は脱泡室とも呼ばれるが、気泡が液体中で浮き上がる性質を利用して、液体中の気泡を捕捉し、又はさらに貯留するための部品である。本発明の脱気装置において、気泡トラップは、上記減圧チャンバー内における上記脱気チューブの流路に接続される。例えば、上記気泡トラップは、該チャンバー内の脱気チューブの上流、下流、又はその間の任意の位置に接続することができる。
上記気泡トラップは、気体透過性材料からなる壁を備える。好ましくは、該気泡トラップは気体透過性材料より構成される。該気体透過性材料は高い気体透過性を有することが好ましい。該気体透過性材料としては、有機高分子多孔質体、例えば、Polystyrene、Poly(isobutylene-isoprene)98 2、Polyethylene、Poly(vinylidene fluoride-hexafluoropropylene)、Polypropylene、Fluorinated ethylene-propylene copolymer、Silicone rubber等のポリマーが例示できる。このうち、Polyethylene、Poly(vinylidene fluoride-hexafluoropropylene)、Polypropylene、Fluorinated ethylene-propylene copolymer、及びSilicone rubberが好ましく、Polypropylene、Fluorinated ethylene-propylene copolymer、及びSilicone rubberがより好ましい。該気泡トラップ及び脱気チューブを構成する気体透過性材料は、同じ材料であってもよく、又は異なる材料であってもよい。
気泡トラップの形状は、特に限定されないが、円形チューブ状であることが好ましい。気泡トラップが円形チューブ状であり、かつその接続対象(例えば、脱気チューブ、又は後述する液導入流路等)も円形チューブ状であると、気泡トラップを方向や角度を調節する必要なく接続対象と容易に接続することができるため、好適である。例えば、水平方向に送液される向きに気泡トラップを設置すれば気泡を捕捉できる。
本発明の脱気装置の好ましい実施形態において、上記脱気チューブ及び気泡トラップは円形チューブ状である。該脱気チューブ及び気泡トラップのチューブの内径及び厚さは、一般的な液体クロマトグラフィー用のオンライン脱気装置に使用できる範囲であることが好ましく、より好ましくは、内径0.5mm〜4.0mm、厚さ0.25mm〜2.0mmが例示できる。
上記気泡トラップに接続され液を導入する流路を、本明細書において液導入流路という。また該気泡トラップに接続され液を流出させる流路を、本明細書において液流出流路という。該液導入流路及び液流出流路の形態は、上述した減圧チャンバーの流路入口もしくは出口、又は上記脱気チューブの形態であってもよいが、別の部材であってもよい。例えば、気泡トラップは、上記流路入口の下流もしくは上記流路出口の上流に直接接続されてもよく、上記脱気チューブに直接接続されてもよく、又は上記流路入口、流路出口又は脱気チューブと気泡トラップとを流体連絡する流路接続部材に接続されてもよい。好ましくは、該液導入流路及び液流出流路は該流路接続部材である。
上記流路入口、流路出口及び流路接続部材としては、金属性チューブ、合成樹脂製チューブ、気体透過性材料からなるチューブなどが例示でき、具体的にはステンレス製チューブ、PEEKチューブ、PTFE(例えばテフロン(登録商標)AF等)チューブ、及びシリコンゴムチューブが例示できる。接続の容易さの観点からは、ステンレス製チューブ、PEEKチューブ、テフロン(登録商標)AFチューブが好ましい。
液の圧力変動を抑制する観点からは、上記液導入流路と液流出流路の内径は、実質的に同じであることが好ましい。液の種類や流速にもよるが、流路内の圧力が高く、液導入流路又は液流出流路と気泡トラップとの接続がはずれる場合には、さらに脱離防止用の係合部材を使用してもよい。
上記気泡トラップと液導入流路及び/又は液流出流路との間には、スペーサーを挟んでもよい。スペーサーを挟むことにより、後述する気泡トラップ内での流路の高低差(例えば段差部)を拡大することができる。該スペーサーは円形チューブ形状であることが好ましい。該スペーサーの材質は、液体を通さない材質であればよく、例えばPTFE系の合成樹脂(例えばテフロン(登録商標)AF等)が好ましい。
本発明において、気泡トラップを水平面に置いた場合の長手方向では、上記気泡トラップの内壁上面の位置は、上記液導入流路及び液流出流路のそれよりも高い。そのため、該液導入流路及び液流出流路と気泡トラップとの接続により、該気泡トラップ内外で流路の上部に高低差が形成される。該高低差は、徐々に高さが変わって形成されてもよいが、急激に高さが変わる段差部が形成されることが好ましい。該高低差がある結果、該気泡トラップ内に液の線速度差が生じ、液中の気泡が効率的に捕捉される。具体的に段階を追って説明すると、まず、該気泡トラップに気泡を含む液が入ると、気泡が液中を浮き上がる性質により、流路上部(例えば段差部)に気泡が移動する。次いで、気泡トラップの内壁付近の液の線速度は気泡トラップの中心軸付近の液の線速度より遅いことにより、該段差部の気泡は、該気泡トラップから流出することなく該段差部に捕捉される。気泡トラップが気体透過性材料の壁を有することにより、捕捉された気泡は徐々に壁面を透過して減圧チャンバー内の減圧空間へ取りだされ、真空流路を経て排気される。これにより、液から気泡が除去される。
一実施形態において、上記液導入流路、液流出流路及び気泡トラップは別々のチューブである。このとき、該液導入流路及び/又は液流出流路のチューブの内径Aと比べて、該気泡トラップのチューブの内径Bはより大きい。好ましくは、内径Bは、該液導入流路及び液流出流路のチューブの外径より大きい。これらのチューブを接続すると、該気泡トラップ内に上記段差部が形成される。
上記液導入流路及び/又は液流出流路の内径Aと気泡トラップの内径Bの比は、好ましくは1.1≦B/A≦10.0であり、より好ましくは1.5≦B/A≦8.0であり、さらに好ましくは2.0≦B/A≦6.0である。内径比B/Aが1.1より小さいと、液導入流路と気泡トラップとの段差が小さいため気泡を捕捉できない場合がある。一方、内径比B/Aが10.0より大きいと、気泡トラップの容量が大きくなることにより、液が過度に濃縮され、液体クロマトグラフィー等の測定結果に影響を及ぼす恐れが生じる。また、内径比B/Aが大きい場合、液体クロマトグラフィーによる測定を開始する前に流路に溶離液を満たす操作(初期プライミング)等、本発明の装置の流路に液を満たす操作の際に、気泡トラップに液が満たされない(気泡が混入する)恐れが生じる。
あるいは、上記気泡トラップは、上記脱気チューブと一体的に成型されたチューブであってもよい。一実施形態においては、該気泡トラップに当たる部分の内径は該脱気チューブの内径より大きく、該気泡トラップは上記高低差(例えば段差部)を有する。例えば、該気泡トラップ部分は、該脱気チューブの外壁より上部に突出した領域である。また例えば、該気泡トラップ部分は、該脱気チューブの内壁上部に設けられた窪み領域である。別の一実施形態においては、該気泡トラップに当たる部分と脱気チューブの内径は実質的に同じであるが、内壁上面の位置は該気泡トラップ部分の方が高く、上記段差部が形成されている。例えば、該気泡トラップ部分ではチューブ内壁上部が窪んでいるが、一方チューブ内壁下部は突出しているため、その内径は脱気チューブと実質的に同じである。
本発明の脱気装置において、上記高低差(例えば段差部)の高さ(気泡トラップの内壁上面の位置と液導入流路及び/又は液流出流路の内壁上面の位置との差)は、好ましくは、液導入流路及び/又は液流出流路の内径の5〜450%、より好ましくは25〜350%、さらに好ましくは150〜250%である。
本発明の脱気装置において、上記気泡トラップの長さ(液と接触する距離)は、脱気すべき液の流速や送液の圧力に合わせて、該液中の気泡がトラップできるよう適宜調整すればよい。例えば、液の流速が0.01〜10mL/minの範囲の場合、気泡トラップの長さは10mm〜70mmが好ましく、15mm〜60mmがより好ましく、20mm〜50mmがさらに好ましい。また、1個の脱気チューブに接続される気泡トラップの数は1つに限定されることはなく、気泡の大きさや量に合わせて複数個を設置してもよい。
好ましい実施形態において、本発明の脱気装置は、液体クロマトグラフィー用のオンライン脱気装置として用いられる。好ましくは、本発明の脱気装置で脱気される液は、液体クロマトグラフィー用の溶離液である。
以下に図面を参照しながら本発明の態様を更に詳しく説明するが、図面に示された本発明の実施形態は、あくまで本発明を例示するものであり、本発明はこれら実施形態にのみ限定されるものではない。本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
図1は、本発明の脱気装置の例示的実施形態の模式図を示す。本実施形態の脱気装置1は、密閉可能な箱状の減圧チャンバー2と、該減圧チャンバー2に一端が接続された真空流路10と、該真空流路10上に設けられた真空ポンプ11と、減圧チャンバー2と真空ポンプ11との間の真空流路10に接続された圧力センサ12と、を備える。減圧チャンバー2の一つの壁面を構成するチャンバー蓋部20は、該減圧チャンバー2の内部の流路と外部の流路とを接続するための流路入口21と流路出口22を備える。気体透過性材料からなる気泡トラップ3と気体透過性材料からなる脱気チューブ4は、共に該減圧チャンバー2に収納される。該減圧チャンバー2の内部で、脱気チューブと気泡トラップは流路接続部23により接続されている。気泡トラップ3の液流入側において、流路の上流から下流に向けて、流路入口21、気泡トラップ3の順になるよう接続されている。一方、気泡トラップ3の液流出側においては、流路の上流から下流に向けて、気泡トラップ3、流路接続部23の順になるよう接続されている。該流路接続部23には該脱気チューブ4の一端が接続される。該脱気チューブ4のもう一端は流路出口22に接続される。該減圧チャンバー2内における脱気チューブ4の状態は、図1に示すようにループ状に複数周巻かれた状態であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
減圧チャンバー2の外側において、流路入口21には、流路配管5を介して、液が貯留されている液貯留容器30が接続される。一方、流路出口22には、流路配管6を介して、送液ポンプ31が接続される。言い換えると、流路入口21、流路出口22、流路接続部23を介して、流路配管5、気泡トラップ3、脱気チューブ4、流路配管6が接続される。
図2は、図1における気泡トラップ3の接続部分の例示的実施形態を示す。スペーサーチューブ7は、流路入口21と気泡トラップ3の間に配置される。言い換えると、気泡トラップ3の液流入側において、流路の上流から下流に向けて、流路入口21、スペーサーチューブ7、気泡トラップ3の順になるよう、流路入口21、スペーサーチューブ7、及び気泡トラップ3は接続されている。流路入口21の内径Aと気泡トラップ3の内径Bとの差により、両者の境界部には段差部24が設けられる。一方、気泡トラップ3の液流出側においては、スペーサーチューブ8は、気泡トラップ3と流路接続部23の間に配置される。言い換えると、流路の下流から上流に向けて、流路接続部23、スペーサーチューブ8、気泡トラップ3の順になるよう、流路接続部23、スペーサーチューブ8、及び気泡トラップ3は接続されている。
本実施例においては、気泡トラップ3は気体透過性材料であるシリコーンゴム製であり、外径3.0mm、内径2.0mm、長さ30mmである。脱気チューブ4は気体透過性材料であるシリコーンゴム製であり、外径2.0mm、内径1.0mmである。流路入口21、流路出口22はステンレス製であり、外径2.58mm(1/16インチ)、内径0.8mmである。流路接続部23はステンレス製であり、外径2.58mm(1/16インチ)、内径0.8mm、長さ15mmである。スペーサーチューブ7及び8はテフロン(登録商標)チューブであり、外径2.5mm、内径1.5mm、長さ10mmである。
測定実行時に、送液ポンプ31が駆動されると、液貯留容器30中の液が流路配管5を経て、脱気装置1の減圧チャンバー2内の気泡トラップ3、脱気チューブ4を流れ、流路配管6を経て送液ポンプ31に流入する。減圧チャンバー2内の空間は真空ポンプ11によって減圧されている。そのため、気泡トラップ3、脱気チューブ4中を通る液中の溶存気体は、主として脱気チューブ4の壁面を透過して減圧チャンバー2内の減圧空間へ取りだされ、真空流路10を経て排気される。これにより、液から溶存気体が除去される。
液中の気泡は、気泡トラップ3に捕捉される。気泡トラップ3が気体透過性材料の壁を有することにより、捕捉された気泡は徐々に壁面を透過して減圧チャンバー2内の減圧空間へ取りだされ、真空流路10を経て排気される。これにより、溶離液から気泡が除去される。
本実施例では、気泡トラップ3を脱気チューブ4の上流に配置しているが、減圧チャンバー2に収納される範囲で気泡トラップ3を脱気チューブ4の下流又は途中に配置してもよい。さらに、減圧チャンバー2内には気泡トラップ3及び脱気チューブ4を複数配置してもよい。本実施例の変形として、例えば、脱気チューブ4の上流に気泡トラップ3aを配置し、さらに脱気チューブ4の下流に気泡トラップ3bを配置してもよい。
また、減圧チャンバー2に収納される範囲で気泡トラップ3を脱気チューブ4の中間に配置してもよい。変形例として、例えば脱気チューブ4aと脱気チューブ4bの間に気泡トラップ3を配置してもよい。
1 脱気装置
2 減圧チャンバー
3 気泡トラップ
4 脱気チューブ
5 流路配管
6 流路配管
7 スペーサーチューブ
8 スペーサーチューブ
10 真空流路
11 真空ポンプ
12 圧力センサ
20 チャンバー蓋部
21 流路入口
22 流路出口
23 流路接続部
24 段差部
30 液貯留容器
31 送液ポンプ

Claims (5)

  1. 減圧チャンバーと、該減圧チャンバー内に収納された脱気チューブを備え、
    該脱気チューブは、該減圧チャンバー内における該脱気チューブの流路の上流、下流、又はその間に接続された気泡トラップを備え、
    該気泡トラップは、該気泡トラップへの液導入流路及び液流出流路に接続された、気体透過性材料からなる壁を備えるチューブであり、
    該液導入流路は、該減圧チャンバーの流路入口であるか、該脱気チューブであるか、又は該流路入口もしくは該脱気チューブと該気泡トラップとを流体連絡する流路接続部材であり、
    該液流出流路は、該減圧チャンバーの流路出口であるか、該脱気チューブであるか、又は該流路出口もしくは該脱気チューブと該気泡トラップとを流体連絡する流路接続部材であり、
    該気泡トラップのチューブの内径は該液導入流路及び液流出流路の内径よりも大きく、かつ該気泡トラップのチューブと該液導入流路及び/又は液流出流路との間にスペーサーが挟まれており、該スペーサーを挟むことによって、該気泡トラップ内外で流路の上部に高低差が形成されている
    脱気装置。
  2. 前記気泡トラップ、液導入流路及び液流出流路が円形チューブである、請求項1記載の脱気装置。
  3. 前記液導入流路及び液流出流路の内径をA、前記気泡トラップのチューブの内径をBとするとき、1.1≦B/A≦10.0である、請求項1又は2記載の脱気装置。
  4. 液体クロマトグラフィー用の溶離液の脱気に用いられる、請求項1〜3のいずれか1項記載の脱気装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の脱気装置を用いた脱気方法。
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