ところで、近年におけるMFP(Multifunction Peripherals)などの画像処理装置は、スマートフォンやタブレット端末などの情報処理端末と通信可能であり、同時に複数の情報処理端末と通信を行うこともできる。複数の情報処理端末が画像処理装置と通信しているとき、それら複数の情報処理端末によって画像処理装置のコピー機能やスキャン機能、プリント機能などの基本機能が同時に利用されると、1つの機能に対して各情報処理端末から矛盾した設定コマンドなどが送信されることがあり、不具合が発生する。
これを防止するため、例えば上述した従来技術のように、画像処理装置が一の情報処理端末と通信を行っているときには、他の情報処理端末からの通信要求を排他制御することにより、画像処理装置を使用可能な情報処理端末を1つに限定するようにすることが考えられる。
しかしながら、画像処理装置には、コピー機能やスキャン機能、プリント機能などの基本機能の他にも、Webブラウザや電子メールアプリケーションなどの拡張機能が搭載されることもある。これら拡張機能は、基本的には画像処理装置の基本機能を利用するものではない。そのため、画像処理装置が一の情報処理端末と通信を行っているときに、他の情報処理端末からの通信要求を排他制御によって拒否してしまうと、他の情報処理端末のユーザーが画像処理装置の拡張機能を利用したい場合であっても拡張機能を利用することができず、利便性が悪いという問題がある。
そこで本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、情報処理端末のユーザーが拡張機能を利用するときの利便性を改善した画像処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、画像処理装置であって、基本機能と拡張機能とを有し、複数の情報処理端末と通信可能な画像処理装置であって、前記基本機能を利用するための基本画面を生成する基本画面生成手段と、前記拡張機能を利用するための拡張画面を生成する拡張画面生成手段と、前記基本画面に操作制限を課した制約基本画面を生成する制約基本画面生成手段と、前記複数の情報処理端末のうちの一の情報処理端末が前記基本機能を利用しているとき、前記一の情報処理端末に対して前記基本画面を提供すると共に、前記複数の情報処理端末のうちの他の情報処理端末に対して前記制約基本画面を提供し、前記他の情報処理端末が前記拡張機能を利用するときには前記他の情報処理端末に対して前記拡張画面を提供する画面提供手段とを備え、前記基本画面には前記拡張機能の利用を開始するための拡張機能ボタンが含まれており、前記制約基本画面生成手段は、前記制約基本画面を生成するとき、前記拡張機能ボタンに対する操作制限を課さないようにして前記拡張機能ボタンを他の部分とは異なる表示態様で表示させることを特徴とする構成である。
請求項2の発明は、基本機能と拡張機能とを有し、複数の情報処理端末と通信可能な画像処理装置であって、前記基本機能を利用するための基本画面を生成する基本画面生成手段と、前記拡張機能を利用するための拡張画面を生成する拡張画面生成手段と、前記基本画面に操作制限を課した制約基本画面を生成する制約基本画面生成手段と、前記複数の情報処理端末のうちの一の情報処理端末が前記基本機能を利用しているとき、前記一の情報処理端末に対して前記基本画面を提供すると共に、前記複数の情報処理端末のうちの他の情報処理端末に対して前記制約基本画面を提供し、前記他の情報処理端末が前記拡張機能を利用するときには前記他の情報処理端末に対して前記拡張画面を提供する画面提供手段とを備え、前記画面提供手段は、前記複数の情報処理端末のそれぞれから受信する操作情報に基づき、前記複数の情報処理端末のそれぞれが利用する機能が前記基本機能と前記拡張機能とのいずれであるかを判別する機能判別手段を更に備え、前記機能判別手段は、前記基本画面又は前記制約基本画面において前記操作情報が示すコンテンツに予め定義された動作命令を解析することにより、前記基本機能と前記拡張機能とのいずれであるかを判別することを特徴とする構成である。
請求項3の発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記基本画面には前記拡張機能の利用を開始するための拡張機能ボタンが含まれており、前記制約基本画面生成手段は、前記制約基本画面を生成するとき、前記拡張機能ボタンに対する操作制限を課さないことを特徴とする構成である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の画像処理装置において、前記制約基本画面生成手段は、前記制約基本画面において前記拡張機能ボタンを他の部分とは異なる表示態様で表示させることを特徴とする構成である。
請求項5の発明は、請求項2乃至4のいずれかに記載の画像処理装置において、前記機能判別手段は、前記動作命令がWebブラウザの起動命令である場合、前記拡張機能が利用されると判別することを特徴とする構成である。
請求項6の発明は、請求項2乃至5のいずれかに記載の画像処理装置において、前記機能判別手段によって前記動作命令が前記拡張機能を介して前記基本機能を利用する命令であると判別された場合に、前記拡張画面に操作制限を課した制約拡張画面を生成する制約拡張画面生成手段をさらに備え、前記画面提供手段は、前記他の情報処理端末によって前記拡張機能を介して前記基本機能が利用されるとき、前記他の情報処理端末に対して前記制約拡張画面を提供することを特徴とする構成である。
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の画像処理装置において、前記基本画面はさらに内部情報を閲覧するための閲覧画面を含んでおり、前記画面提供手段は、前記一の情報処理端末に対して前記基本画面に含まれる前記閲覧画面を提供しており、且つ、前記他の情報処理端末が前記拡張機能を利用していないときには前記他の情報処理端末に対して前記基本画面を提供することを特徴とする構成である。
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の画像処理装置において、前記画面提供手段は、前記一の情報処理端末から所定時間が経過するまでに前記基本画面に対する操作情報を受信しないとき、前記他の情報処理端末が前記拡張機能を利用していないことを条件として前記他の情報処理端末に前記基本画面を提供することを特徴とする構成である。
請求項9の発明は、請求項8に記載の画像処理装置において、前記画面提供手段は、前記他の情報処理端末から前記基本画面に対する操作情報を受信した場合、前記一の情報処理端末に対して前記制約基本画面を提供することを特徴とする構成である。
請求項10の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の画像処理装置において、前記画面提供手段は、前記一の情報処理端末がログオフしたとき、前記他の情報処理端末が前記拡張機能を利用していないことを条件として前記他の情報処理端末に前記基本画面を提供することを特徴とする構成である。
請求項11の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の画像処理装置において、前記画面提供手段は、前記一の情報処理端末が前記拡張機能を利用するとき、前記他の情報処理端末が前記拡張機能を利用していないことを条件として前記他の情報処理端末に前記基本画面を提供することを特徴とする構成である。
請求項12の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の画像処理装置において、前記基本機能を利用したジョブの実行を制御するジョブ制御手段をさらに備え、前記画面提供手段は、前記ジョブ制御手段によって実行されるジョブが所定の段階まで進行したとき、前記他の情報処理端末が前記拡張機能を利用していないことを条件として前記他の情報処理端末に前記基本画面を提供することを特徴とする構成である。
請求項13の発明は、請求項1乃至12のいずれかに記載の画像処理装置において、各種情報を表示する表示手段をさらに備え、前記画面提供手段は、前記一の情報処理端末に対して前記基本画面を提供しているとき、前記表示手段に前記制約基本画面を表示させることを特徴とする構成である。
請求項14の発明は、基本機能と拡張機能とを有し、複数の情報処理端末と通信可能な画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記画像処理装置に、前記基本機能を利用するための基本画面を生成する第1ステップと、前記拡張機能を利用するための拡張画面を生成する第2ステップと、前記基本画面に操作制限を課した制約基本画面を生成する第3ステップと、前記複数の情報処理端末のうちの一の情報処理端末が前記基本機能を利用しているとき、前記一の情報処理端末に対して前記基本画面を提供すると共に、前記複数の情報処理端末のうちの他の情報処理端末に対して前記制約基本画面を提供する第4ステップと、前記他の情報処理端末が前記拡張機能を利用するとき、前記他の情報処理端末に対して前記拡張画面を提供する第5ステップとを実行させ、前記基本画面には前記拡張機能の利用を開始するための拡張機能ボタンが含まれており、前記第3ステップは、前記制約基本画面を生成するとき、前記拡張機能ボタンに対する操作制限を課さないようにして前記拡張機能ボタンを他の部分とは異なる表示態様で表示させることを特徴とする構成である。
請求項15の発明は、基本機能と拡張機能とを有し、複数の情報処理端末と通信可能な画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記画像処理装置に、前記基本機能を利用するための基本画面を生成する第1ステップと、前記拡張機能を利用するための拡張画面を生成する第2ステップと、前記基本画面に操作制限を課した制約基本画面を生成する第3ステップと、前記複数の情報処理端末のうちの一の情報処理端末が前記基本機能を利用しているとき、前記一の情報処理端末に対して前記基本画面を提供すると共に、前記複数の情報処理端末のうちの他の情報処理端末に対して前記制約基本画面を提供する第4ステップと、前記他の情報処理端末が前記拡張機能を利用するとき、前記他の情報処理端末に対して前記拡張画面を提供する第5ステップと、前記複数の情報処理端末のそれぞれから受信する操作情報に基づき、前記複数の情報処理端末のそれぞれが利用する機能が前記基本機能と前記拡張機能とのいずれであるかを判別する第6ステップとを実行させ、前記第4ステップは、前記第6ステップにおいて前記他の情報処理端末の利用する機能が前記基本機能であると判別された場合に、前記他の情報処理端末に対して前記制約基本画面を提供し、前記第5ステップは、前記第6ステップにおいて前記他の情報処理端末の利用する機能が前記拡張機能であると判別された場合に、前記他の情報処理端末に対して前記拡張画面を提供し、前記第6ステップは、前記基本画面又は前記制約基本画面において前記操作情報が示すコンテンツに予め定義された動作命令を解析することにより、前記基本機能と前記拡張機能とのいずれであるかを判別することを特徴とする構成である。
請求項16の発明は、請求項15に記載のプログラムにおいて、前記基本画面には前記拡張機能の利用を開始するための拡張機能ボタンが含まれており、前記第3ステップは、前記制約基本画面を生成するとき、前記拡張機能ボタンに対する操作制限を課さないことを特徴とする構成である。
請求項17の発明は、請求項16に記載のプログラムにおいて、前記第3ステップは、前記制約基本画面において前記拡張機能ボタンを他の部分とは異なる表示態様で表示させることを特徴とする構成である。
請求項18の発明は、請求項15乃至17のいずれかに記載のプログラムにおいて、前記第6ステップは、前記動作命令がWebブラウザの起動命令である場合、前記拡張機能が利用されると判別することを特徴とする構成である。
請求項19の発明は、請求項15乃至18のいずれかに記載のプログラムにおいて、前記第6ステップにおいて前記動作命令が前記拡張機能を介して前記基本機能を利用する命令であると判別された場合に、前記拡張画面に操作制限を課した制約拡張画面を生成する第7ステップをさらに有し、前記第5ステップは、前記他の情報処理端末によって前記拡張機能を介して前記基本機能が利用されるとき、前記他の情報処理端末に対して前記制約拡張画面を提供することを特徴とする構成である。
請求項20の発明は、請求項14乃至19のいずれかに記載のプログラムにおいて、前記基本画面はさらに内部情報を閲覧するための閲覧画面を含んでおり、前記第4ステップは、前記一の情報処理端末に対して前記基本画面に含まれる前記閲覧画面を提供しており、且つ、前記他の情報処理端末が前記拡張機能を利用していないときには前記他の情報処理端末に対して前記基本画面を提供することを特徴とする構成である。
請求項21の発明は、請求項14乃至20のいずれかに記載のプログラムにおいて、前記第4ステップは、前記一の情報処理端末から所定時間が経過するまでに前記基本画面に対する操作情報を受信しないとき、前記他の情報処理端末が前記拡張機能を利用していないことを条件として前記他の情報処理端末に前記基本画面を提供することを特徴とする構成である。
請求項22の発明は、請求項21に記載のプログラムにおいて、前記第4ステップは、前記他の情報処理端末から前記基本画面に対する操作情報を受信した場合、前記一の情報処理端末に対して前記制約基本画面を提供することを特徴とする構成である。
請求項23の発明は、請求項14乃至20のいずれかに記載のプログラムにおいて、前記第4ステップは、前記一の情報処理端末がログオフしたとき、前記他の情報処理端末が前記拡張機能を利用していないことを条件として前記他の情報処理端末に前記基本画面を提供することを特徴とする構成である。
請求項24の発明は、請求項14乃至20のいずれかに記載のプログラムにおいて、前記第4ステップは、前記一の情報処理端末が前記拡張機能を利用するとき、前記他の情報処理端末が前記拡張機能を利用していないことを条件として前記他の情報処理端末に前記基本画面を提供することを特徴とする構成である。
請求項25の発明は、請求項14乃至20のいずれかに記載のプログラムにおいて、前記基本機能を利用したジョブの実行を制御する第8ステップをさらに有し、前記第4ステップは、前記第8ステップによって実行されるジョブが所定の段階まで進行したとき、前記他の情報処理端末が前記拡張機能を利用していないことを条件として前記他の情報処理端末に前記基本画面を提供することを特徴とする構成である。
本発明によれば、一の情報処理端末によって基本機能が利用されているときに、他の情報処理端末により拡張機能が利用されるときには、他の情報処理端末に対して拡張画面が提供されることにより、他の情報勝利端末によって拡張機能を利用可能となる。これにより、一の情報処理端末により基本機能が利用されている場合であっても、他の情報処理端末から拡張機能を利用する利便性が向上するのである。
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態である画像処理システム1の構成例を示す図である。この画像処理システム1は、MFPなどで構成される画像処理装置2と、画像処理装置2と通信可能な情報処理端末5と、画像処理装置2を図示しないアプリケーションサーバーやメールサーバーなどと通信可能に接続するLAN(Local Area Network)やインターネットワークを含むネットワーク3を備える。画像処理装置2は、bluetooth(登録商標)やWiFiなどの電波を利用した無線通信機能を備え、情報処理端末5との間で無線通信を行うことが可能である。また、ネットワーク3には、アクセスポイント6も接続可能であり、画像処理装置2と情報処理端末5とは、アクセスポイント6を介したLANやインターネットを含むネットワーク通信により通信を行ってもよい。画像処理装置2は、図示するように複数の情報処理端末5a、5b、5cと同時に通信可能である。
画像処理装置2は、無線通信又はネットワーク通信を行うためのインタフェースとなる通信インタフェース12と、ユーザーが使用する際のユーザーインタフェースとなる操作パネル8と、画像データに基づいて印刷用紙などの印刷媒体に画像形成を行って印刷出力するプリンタ部20と、原稿の画像を光学的に読み取って画像データを生成するスキャナ部21と、FAXデータを受信し、画像データをFAXデータとして外部宛先に送信可能なFAX部22とを備えている。また、画像処理装置2は、画像処理装置2の内部においてウェブサーバーとして機能するインターナルウェブサーバー(以下、「IWS」という)25を備え、例えば、操作パネル8の表示部9に表示するための画面をHTML(HyperText Markup Language)などで表現されたウェブコンテンツとして出力する。
情報処理端末5は、図1に示すようなタブレット端末やスマートフォンなどの通信端末、或いは一般的なパーソナルコンピュータなどで構成される。情報処理端末5は、無線通信又はアクセスポイント6を介したネットワーク通信により画像処理装置2と通信を行うことにより、ユーザーが情報処理端末5を用いて画像処理装置2の遠隔操作(リモート操作)を行うことができるようになっている。
上記のような画像処理システム1において、情報処理端末5が画像処理装置2に対して接続要求を送信して、接続要求を受信した画像処理装置2が情報処理端末5との接続状態を確立すると、画像処理装置2は、情報処理端末5に画像処理装置2の遠隔操作を行わせるための画面情報を生成する。画面情報は、操作パネル8の表示部9に表示される画面と同じ画面を構成し、例えばビットマップにより構成される画像データである。画像処理装置2によって画面情報が生成されると、生成された画像情報が情報処理端末5に送信され、情報処理端末5の表示部7において画面を閲覧できる。
図2は、初期画面の一構成例を示す図である。画像処理装置2の操作パネル8又は情報処理端末5による操作が未だ行われていない場合、画像処理装置2の操作パネル8の表示部9には、図2に示す初期画面GAが表示される。初期画面GAは、コピー機能やスキャン機能、ファックス機能などの基本機能に対応するアイコン画像を表示する基本機能表示領域R1と、ウェブブラウザや電子メールアプリケーションなどの拡張機能に対応するアイコン画像を表示する拡張機能表示領域R2とを備える。図例では、基本機能表示領域R1は、コピー機能を選択可能なコピーボタンB1、スキャン機能を選択可能なスキャンボタンB2やファックス機能を選択可能なファックスボタンB3、その他、基本機能に関する設定メニューを選択可能な各種設定ボタンを有する。また、拡張機能表示領域R2は、ウェブブラウザに対応するブラウザボタンB5と、電子メールアプリケーションに対応する電子メールボタンB6を有する。本実施形態において基本機能とは、画像処理装置2により実行可能な機能のうち、画像処理に関わる機能を示し、拡張機能とは、画像処理装置2により実行可能な機能のうち、画像処理に関わる機能以外の機能を示すものとする。
画像処理装置2と情報処理端末5aとの接続状態が確立される際に、他の情報処理端末5bや5cと画像処理装置2との接続状態が未確立であり、また、画像処理装置2の操作パネル8がユーザーによる操作が行われていない場合、画像処理装置2は、初期画面GAに対応する初期画面情報を生成して情報処理端末5aに送信する。情報処理端末5aは、初期画面情報を受信すると表示部7aに初期画面GAを表示させる。情報処理端末5aを利用するユーザーが表示部7aに表示されている初期画面GAのアイコン画像を押下操作すると、初期画面GA内における操作位置情報が画像処理装置2に送信される。画像処理装置2は、受信した操作位置情報に基づいて、いずれの機能が選択されたのか判別し、選択された機能に対応する画面情報を生成して情報処理端末5aに送信する。例えば、コピーボタンB1が押下操作されると、画像処理装置2は、コピー機能に関する設定を行うコピー画面G1を生成し、情報処理端末5aに送信に送信する。また、ブラウザボタンB5が押下操作されると、画像処理装置2は、ウェブブラウザを起動させ、図示を省略するブラウザ画面を生成して情報処理端末5aに送信する。
図3は、基本画面の一構成例として、コピー機能に関するコピー画面G1を示す図である。本実施形態において、基本画面とは基本機能に関する画面を指し、拡張画面とは拡張機能に関する画面を指す。図2の初期画面GAが表示部7aに表示されている状態で、ユーザーによりコピーボタンB1が押下操作されると、操作位置情報が画像処理装置2に送信される。そして、画像処理装置2はユーザーによってコピー機能が選択されたと判別し、コピー機能に対応するコピー画面G1を生成して情報処理端末5aに送信する。コピー画面G1は、コピー機能に関して設定を行うための画面であることを示す機能名表示D1と、コピーに関する各設定項目に対応する設定ボタン群B17と、ブラウザボタンB5と、電子メールボタンB6と、トナー残量を閲覧するためのトナーボタンB13と、コピージョブを実行させる実行ボタンB15と、各設定項目に関するユーザーの操作による設定内容をキャンセルするキャンセルボタンB16とを備える。情報処理端末5aの表示部7aにコピー画面G1に表示されている状態で、ユーザーが各設定項目のボタンを押下操作すると、操作位置情報が画像処理装置2に送信され、画像処理装置2は、受信した操作位置情報に応じて設定内容を更新すると共に、コピー画面G1を更新して情報処理端末5aに送信する。情報処理端末5aに表示されるコピー画面G1の実行ボタンB15が押下操作されると、操作位置情報が画像処理装置2に送信され、操作位置情報を受信すると、画像処理装置2はコピージョブを実行する。
ユーザーがコピー画面G1内のブラウザボタンB5を押下操作すると、画像処理装置2は、ウェブブラウザを起動させ、ブラウザ画面を生成する。そして、画像処理装置2は情報処理端末5aに表示されているコピー画面G1を消去させると共に、生成したブラウザ画面の画面情報を送信してこれを表示させる。また、ユーザーがコピー画面G1内の電子メールボタンB6を押下操作すると、画像処理装置2は、電子メールアプリケーションを起動させて例えば受信電子メール一覧表示画面などの画面を生成する。そして、情報処理端末5aに表示されているコピー画面G1を消去させると共に、生成した画面の画面情報を送信してこれを表示させる。
情報処理端末5aにコピー画面G1が表示されているときに、情報処理端末5bと画像処理装置2との接続状態が確立した場合、画像処理装置2は、情報処理端末5aの表示部7aに表示されているコピー画面G1と同じく、コピー画面G1を情報処理端末5bにも表示させる。しかし、情報処理端末5aと情報処理端末5bの両方からコピー機能に関する操作を受け付けることはできないため、画像処理装置2は情報処理端末5bからの操作を受け付けない。そこで、画像処理装置2は、情報処理端末5aに表示されているコピー画面G1と同じ態様の画面を情報処理端末5bにも表示させるが、情報処理端末5bからの操作を受け付けないようコピー画面G1に制約を付加し、制約コピー画面G10を生成する。図4は、制約コピー画面G10の一構成例を示す図である。制約コピー画面G10は、コピー画面G1と同じく、機能名表示D1と、設定ボタン群B17と、ブラウザボタンB5と、電子メールボタンB6と、トナーボタンB13と、実行ボタンB15と、キャンセルボタンB16とを有する。さらに、制約コピー画面G10は、情報処理端末5bからの操作を受け付けないことを示す制約表示D10を有する。制約コピー画面G10を情報処理端末5bに送信すると、情報処理端末5bからの操作を原則として受け付けない。そこで、画像処理装置2は機能名表示D1と、設定ボタン群B17と、実行ボタンB15と、キャンセルボタンB16とを含む領域をグレーアウトさせるなど、情報処理端末5bを使用するユーザーに対して、これらのボタンを操作しても受け付けられないことを報知する。
他方、ウェブブラウザや電子メールアプリケーションなどの拡張機能に関しては、基本機能と異なり複数のユーザーが同時に操作を行うことができ、画像処理装置2は各ユーザーの操作に応じて処理を行うことができる。そこで、制約コピー画面G10内のブラウザボタンB5と電子メールボタンB6はグレーアウトされることなく表示される。ユーザーによりブラウザボタンB5又は電子メールボタンB6が押下操作されると、画像処理装置2は、操作に応じてウェブブラウザ又は電子メールアプリケーションを起動させる。この場合、画像処理装置2は、情報処理端末5bに表示されている制約コピー画面G10を消去させると共に、ブラウザ画面や電子メールアプリケーション起動により生成された画面を情報処理端末5bに送信し、表示部7bに表示させる。これにより、情報処理端末5aにより基本機能が利用されている間であっても、情報処理端末5b又は5cを利用するユーザーは、ウェブブラウザや電子メールアプリケーションなどの拡張機能を利用可能であり、拡張機能の利便性を向上させる。
また、画像処理装置2に保有されているトナーの残量の確認など、画像処理装置2に保存されている情報を閲覧する場合、基本機能に関する設定に影響を及ぼさない。そこで、画像処理装置2は、情報処理端末5aにおいてコピー機能など基本機能に関する設定を行っている状態で、情報処理端末5b又は5cにおいてこれらの情報を閲覧するための操作を受け付ける。図4の制約コピー画面G10の例では、トナーの残量に関する情報を表示するトナーボタンB13はグレーアウトされない。例えば情報処理端末5bの表示部7bに制約コピー画面G10が表示されている場合、ユーザーはトナーボタンB13を押下操作可能であり、トナーボタンB13が押下操作されると、画像処理装置2はこれに応じてトナーの残量を確認し、図5に示すようなトナー情報閲覧画面G12を生成する。そして、画像処理装置2は、情報処理端末5bに表示されている制約コピー画面G10を消去させると共に、トナー情報閲覧画面G12を情報処理端末5bに送信し、この画面を表示させる。これにより、情報処理端末5aにより基本機能が利用されている間であっても、情報処理端末5b又は5cを利用するユーザーは、画像処理装置2に保有されている内部情報を閲覧可能となる。
次に、画像処理装置2の構成について説明する。図6は、画像処理装置2のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。画像処理装置2は、上述した通信インタフェース12、操作パネル8、プリンタ部20、スキャナ部21、FAX部22及びIWS25のほかに、さらに制御部14と記憶装置15とを備えている。
記憶装置15は、例えばハードディスクドライブ(HDD)などで構成される不揮発性の記憶手段である。この記憶装置15には、画像処理装置2において実行される制御プログラム80や、ウェブブラウザ機能の実行の際に画像処理装置2により起動されるブラウザプログラム82や、電子メールアプリケーション機能の実行の際に起動される電子メールプログラム84が記憶される。
制御部14は、図示を省略するCPUとメモリとを備えて構成される。制御部14は、CPUが記憶装置15に記憶されている制御プログラム80を読み出して実行することにより、操作情報取得部30、基本機能部32、拡張機能部34、ジョブ制御部36、画面提供部40、画面制約部44として機能する。画面提供部40は、さらに機能判別部42として機能する。
操作情報取得部30は、通信インタフェース12を介して情報処理端末5から受信する操作位置情報を取得する処理部である。操作情報取得部30が情報処理端末5から操作位置情報を含む操作情報を受信すると、機能判別部42を機能させる。機能判別部42は、複数の情報処理端末5のそれぞれから受信する操作情報に基づき、複数の情報処理端末5のそれぞれが利用する機能が基本機能と拡張機能のいずれであるかを判別する処理部である。機能判別部42は、情報処理端末5に表示されている画面内の操作位置を検知して、基本機能又は拡張機能のいずれの機能に関する操作が行われたのか判別する。そして、基本機能に関する操作が行われたと判別した場合、機能判別部42は基本機能部32を機能させ、拡張機能に関する操作が行われたと判別した場合、拡張機能部34を機能させる。例えば、図2に示した初期画面GAが情報処理端末5に表示されている場合に、ユーザーにより初期画面GA内のコピーボタンB1が押下操作された場合、機能判別部42は、基本機能部32を機能させる。他方、初期画面GA内のブラウザボタンB5が押下操作された場合、機能判別部42は拡張機能部34を機能させる。また、図3に示したように情報処理端末5にコピー画面G1が表示されている場合に、設定ボタン群B17のいずれかが押下操作された場合、コピー画面G1内の操作が行われた位置に応じて操作内容を判別し、操作内容に応じて基本機能部32を機能させる。
他方、図4に示すように制約コピー画面G10が情報処理端末5に表示されている場合、機能判別部42は、操作位置情報に基づいて制約コピー画面G10内のいずれの位置において操作が行われたのかを判別する。そして、操作が行われた位置が制約を付加された領域内にある場合、機能判別部42はこの操作を無効であると判別する。そして、基本機能部32及び拡張機能部34のいずれも機能させない。これに対して、制約コピー画面G10内のブラウザボタンB5又は電子メールボタンB6が表示されている位置において操作が検知された場合、機能判別部42は、操作の内容に応じて拡張機能部34を機能させる。また、制約コピー画面G10内のトナーボタンB13が表示されている位置において操作が検知された場合、機能判別部42は、基本機能部32を機能させ、トナー情報閲覧画面G12を表示させる。
基本機能部32は、プリント機能、スキャン機能、コピー機能及びFAX機能など基本機能に関する設定等を行う処理部である。基本機能部32は、さらに基本画面を生成する基本画面生成部50と、コピー機能の制御を行うコピー機能部52と、スキャン機能の制御を行うスキャン機能部54と、プリント機能の制御を行うプリント機能部56を備える。基本画面生成部50は、コピー機能部52や、スキャン機能部54や、プリント機能部56により基本機能に関する設定等が行われることに応じて基本画面を生成し、又は更新する処理部である。例えば、操作情報取得部30により取得された操作情報に応じてスキャン機能部54によりスキャンジョブの設定が行われると、基本画面生成部50が機能し、スキャン機能部54による設定に応じた基本画面を生成する。基本画面を生成すると、基本画面生成部50は画面提供部40を機能させて、生成された基本画面を情報処理端末5に提供させる。
拡張機能部34は、ウェブブラウザや電子メールアプリケーションなど拡張機能を実行する処理部である。拡張機能部34は、ウェブブラウザを実行するブラウザ60と、電子メールアプリケーションを実行する電子メール機能部64を備える。ブラウザ60は、操作情報取得部30により取得された操作情報に応じて、記憶装置15に記憶されるブラウザプログラム82を起動させ、通信インタフェース12を介して外部のサーバー装置などからウェブコンテンツを取得することができる。ブラウザ60はさらに拡張画面生成部62を備えており、この拡張画面生成部62は、ブラウザ60が取得したウェブコンテンツの表示画面を生成する処理部である。
電子メール機能部64は、操作情報取得部30により取得された操作情報に応じて、記憶装置15に記憶されている電子メールプログラムを起動させ、通信インタフェース12を介して外部のメールサーバーと通信を行い、電子メールの送信又は受信を行う処理部である。電子メール機能部64はさらに拡張画面生成部66を備える。拡張画面生成部66は、電子メールアプリケーションが実行されることに応じた表示画面を生成する。
ジョブ制御部36は、基本機能部32により生成されたジョブの実行を制御する処理部である。基本機能部32において、各機本機能に関する設定が行われ、ジョブが生成されるとジョブ制御部36が機能し、ユーザーによるジョブ実行指示が操作情報取得部30により取得されると、ジョブが実行され、ジョブ制御部36は、プリンタ部20,スキャナ部21,FAX部22などにジョブに応じた処理を行わせる。
画面提供部40は、基本機能部32により生成された基本画面、又は拡張機能部34により生成された拡張画面を、画像処理装置2と通信を行う情報処理端末5に対して提供する処理部である。画面提供部40は、複数の情報処理端末5a、5b、5cと通信を行う場合に、このうち一の情報処理端末が基本機能を利用しているとき、基本機能を利用している情報処理端末5に対して基本画面を提供する。例えば情報処理端末5aがコピー機能を利用している場合に、画面提供部40は、基本画面生成部50により生成されたコピー画面G1に対応するコピー画面情報を情報処理端末5aに送信する。そして、情報処理端末5aの表示部7aにコピー画面G1が表示される。また、情報処理端末5aにおいてコピー画面G1が表示されている状態でユーザーによる操作が行われると、操作情報取得部30により操作位置情報が取得される。そして、機能判別部42による判別結果によりコピー機能部52が機能してコピー設定を更新させる。コピー設定の更新に応じて基本画面生成部50はコピー画面G1を更新し、画面提供部40は更新されたコピー画面G1に対応するコピー画面情報を情報処理端末5aに送信して表示させる。
画面提供部40は、情報処理端末5aに基本画面を提供している場合に、画像処理装置2と通信を行っている他の情報処理端末である情報処理端末5b又は5cに、制約基本画面を提供する。例えば情報処理端末5aにコピー画面G1を提供している状態において情報処理端末5bが画像処理装置2と接続すると、画面提供部40は、情報処理端末5bに対して情報処理端末5aと同じ態様の画面を提供する。但し、情報処理端末5bにもコピー画面G1を提供すると、情報処理端末5a及び5bにより操作が可能となってしまうため、情報処理端末5bに対して提供する画面には制約を付加し、図4に示したような制約コピー画面G10を提供する。画面提供部40は、情報処理端末5bとの接続状態が確立されると、情報処理端末5aに提供している画面が基本画面である場合には、画面制約部44を機能させて基本画面に制約を付加させる。この場合、画面制約部44は、基本画面に操作制限を課した制約基本画面を生成する。画面制約部44により制約基本画面が生成されると、画面提供部40は情報処理端末5bに制約基本画面に対応する制約基本画面情報を送信する。
画面提供部40は、情報処理端末5bがウェブブラウザなど拡張機能を利用するときには、情報処理端末5bに対して拡張画面生成部62又は拡張画面生成部66により生成された拡張画面を提供する。例えば情報処理端末5aにコピー画面G1が表示されている場合に、上述したように情報処理端末5bには制約コピー画面G10が表示される。図4の例にて示したように、制約コピー画面G10内のブラウザボタンB5と電子メールボタンB6に対する操作は制約されておらず、有効に操作することが可能である。そして、ユーザーにより例えば電子メールボタンB6が操作されると、操作情報取得部30により電子メール機能に関する有効な操作であると判別され、電子メール機能部64が機能して拡張画面生成部66によって電子メール機能に関する画面が生成される。画面提供部40は、電子メールに関する画面情報を情報処理端末5bに送信し、制約コピー画面G10を非表示にして電子メールに関する画面を表示させる。
なお、画面提供部40は、情報処理端末5aに基本画面が提供されている場合の他に、情報処理端末5aに初期画面GAが提供されている場合にも、情報処理端末5bに対して操作制限が課された制限初期画面GBを提供してもよい。図7は、制限初期画面の一構成例を示す図である。制限初期画面GBは、初期画面GAと同様に基本機能表示領域R1と拡張機能表示領域R2とを備える。そして、初期画面GB内の基本機能表示領域R1を含む領域が例えばグレーアウトしており、操作が制限されている。他方、拡張機能表示領域R2はグレーアウトすることなく、操作が制限されていない。また、制限初期画面GBは、基本機能に関する操作が制限されることを示す制約表示D10を備える。画面提供部40は、情報処理端末5aにおいて初期画面GAが提供されている場合、情報処理端末5bに制限初期画面GBを提供することによって、情報処理端末5aを操作するユーザーが基本機能を選択できるようにし、情報処理端末5bを操作するユーザーが基本機能を選択できないように制御する。
画面提供部40が備える機能判別部42は、基本画面又は制約基本画面において操作情報が示すコンテンツに予め定義された動作命令を解析することにより、利用される機能が基本機能と拡張機能のいずれであるかを判別してもよい。基本画面には、配置されるボタン毎にコマンドが対応付けられており、機能判別部42は、情報処理端末5に表示される基本画面内の操作位置を検知すると、当該操作位置に対応付けられたコマンドを解析する。例えば、コピー画面G1(図3参照)における実行ボタンB15が表示されている位置は、ジョブ実行コマンドに対応付けられている。ユーザーにより実行ボタンB15が表示されている位置にて押下操作された場合、機能判別部42は、実行ボタンB15に対応付けられたコマンド解析により、ジョブ実行コマンドと対応付けられていることを認識する。そして機能判別部42は、ユーザーによる当該操作は、基本機能に関する操作であると判別するのである。
また、機能判別部42は、基本画面内における操作位置がウェブブラウザの起動コマンドに対応付けられている場合に、拡張機能に関する操作であると判別してもよい。例えば、所定のURL(Uniform Resource Locator)を指定してウェブブラウザを起動させるコマンドに対応付けられている場合、機能判別部42は、当該操作位置における操作は、拡張機能に関する操作であると判別する。そして、機能判別部42により、拡張機能に関する操作であると判別されると、拡張機能部34が機能し、操作に対応付けられたコマンドを実行すると共に、拡張画面生成部62によって拡張画面が生成される。基本画面及び制約基本画面のいずれにおいても、拡張機能に関するボタンは操作可能であることから、拡張機能に関する操作であると判別された場合、画面提供部40は、表示中の基本画面又は制約基本画面を非表示にすると共に、拡張画面生成部62により生成された拡張画面を情報処理端末5に送信する。
ウェブブラウザの起動コマンドのうち、IWS25からスキャン機能やプリント機能など基本機能に関する操作画面などのウェブコンテンツを取得するものである場合、コマンドが実行されると、ブラウザプログラムが起動されてブラウザ60が機能し、ブラウザ60がIWS25にアクセスして基本機能に関する操作画面などを取得し、取得された操作画面に対応する拡張画面が生成される。そうすると、このような拡張画面を情報処理端末5に送信して表示させた場合、基本機能に関する操作を行うことが可能となってしまい、他の情報処理端末5に基本画面が提供されている場合には、複数の情報処理端末5により基本機能に関する操作が行われることになる。そこで、機能判別部42は、コマンドが拡張機能を介して基本機能が利用されるとき、生成された拡張画面に制約を付与すると判定する。そして、画面制約部44は、ブラウザ60がIWSから取得した情報に基づき生成された拡張画面に操作制限を課した制約拡張画面を生成する。画面制約部44により制約拡張画面が生成されると、画面提供部40は、情報処理端末5に送信する。
図8は、拡張画面の一構成例を示す図である。図例では、ブラウザ60がIWS25から取得したプリント機能の操作画面の情報に基づいて、拡張画面生成部62により生成された拡張画面G20の場合を示す。拡張画面G20は、プリントジョブ生成において設定される各設定項目に関する設定ボタン群B22と、ブラウザ60がアクセスしたURLを表示するアクセス表示B20とを有する。例えば情報処理端末5aから受信した操作情報がウェブブラウザの起動コマンドに対応付けられている操作であり、コマンドに含まれるウェブブラウザのアクセス先がIWS25である場合に、機能判別部42は拡張機能であるウェブブラウザ機能を介して基本機能であるプリント機能を利用するコマンドであると判別する。そして、画面提供部40は、他の情報処理端末5b又は5cが基本機能を利用していない場合、情報処理端末5aに対して、拡張画面生成部62により生成された拡張画面G20に制約を付加することなく拡張画面情報を送信し、情報処理端末5aに拡張画面G20を表示させる。
これに対して、情報処理端末5b又は5cが基本機能を利用中である場合、画面提供部40は、画面制約部44を機能させる。画面制約部44は、拡張画面G20に制約を付加し、画面提供部40は画面制約部44により制約を付加された制約拡張画面情報を情報処理端末5aに送信する。これにより、基本機能に関する設定が同時に複数の情報処理端末5から行われるという事態を回避できる。図9は、制約拡張画面の一構成例を示す図である。制約拡張画面G22は、拡張画面G20と同じく、設定ボタン群B22とアクセス表示B20とを備える。そして、制約拡張画面G22では、設定ボタン群B22を含む領域がグレーアウトされており、プリントに関する設定を行うことができない旨を表示する制約表示D10を備える。これにより、情報処理端末5aを使用するユーザーに対して、プリント機能に関する設定を行うことができないことを報知する。
画面提供部40は、情報処理端末5aに基本画面を提供している場合、情報処理端末5aから所定時間が経過するまでに基本画面に対する操作情報を受信しないとき、情報処理端末5b又は5cが拡張機能を利用していないことを条件として、情報処理端末5b又は5cに基本画面を提供してもよい。画面提供部40は、情報処理端末5aに基本画面を提供すると、タイマをオンにセットして計時を開始する。そして、タイマが所定時間を計時すると、画像処理装置2と通信を行っている情報処理端末5b又は5cに基本画面を提供する。情報処理端末5bと5cのいずれに基本画面を提供するのかは、これらのうち、画像処理装置2が先に基本機能に関する操作情報を受信した情報処理端末としてよい。これにより、基本画面を提供されている情報処理端末5において、ユーザーによる操作が行われなかった場合に、他の情報処理端末5に基本画面を提供することができ、画像処理装置2の基本機能の効率的な利用を促進することが可能となる。
上記の例において情報処理端末5b又は5cに基本画面が提供される場合に、基本機能に対する操作情報を受信すると、画面提供部40は、画面制約部44を機能させ、制約基本画面を生成させて、この制約基本画面情報を情報処理端末5aに送信する。そうすると、情報処理端末5aで基本機能に関する操作を行うことができなくなり、基本機能に関する操作を行うことができるのは、情報処理端末5b又は5cのいずれかとなる。これにより、基本機能に関する操作を行うことが可能な端末を情報処理端末5aから情報処理端末5b又は5cに移行させることができる。
画面提供部40は、情報処理端末5aに、トナー情報閲覧画面G12(図5参照)のように画像処理装置2の内部に保有される内部情報を閲覧する閲覧画面を提供している場合、他の情報処理端末5b又は5cが拡張機能を利用していないことを条件として、情報処理端末5b又は5cに基本画面を提供してもよい。内部情報を閲覧する場合には、例えばトナーの残量情報のように基本機能にかかわる情報の閲覧であっても、複数の情報処理端末5による操作が可能となる。そこで、情報処理端末5aに内部情報を閲覧する閲覧画面が提供されている場合、画面提供部40は情報処理端末5b又は5cに基本画面を提供することにより、基本機能の効率的な利用を促進する。情報処理端末5b又は5cのいずれに基本画面を提供するかについて、画面提供部40は、これらのうち先に基本機能に関する操作情報を受信した方に基本画面を提供してもよい。
画面提供部40は、情報処理端末5aに基本画面が提供されている場合に、情報処理端末5aがログオフして画像処理装置2との接続状態が終了したとき、他の情報処理端末5b又は5cに基本画面を提供してもよい。情報処理端末5aがログオフした場合、画像処理装置2は情報処理端末5aに対して基本画面を提供することができなくなる。そこで、例えば画像処理装置2と通信を行っている情報処理端末5b又は5cのうち先に画像処理装置2が基本機能に関する操作情報を受信した方に、基本画面を提供することにより、基本機能の効率的な利用を促進する。
画面提供部40は、情報処理端末5aが拡張機能を利用するとき、他の情報処理端末5b又は5cが拡張機能を利用していないことを条件として、情報処理端末5b又は5cのいずれかに基本画面を提供してもよい。情報処理端末5aが拡張機能を利用する場合、他の情報処理端末5b又は5cに基本画面を提供し、基本機能を利用可能とすることにより、基本機能の効率的な利用を促進できるのである。
また、画面提供部40は、情報処理端末5aに基本画面が提供されており、情報処理端末5aの操作に基づいて生成されたジョブがジョブ制御部36により実行され、所定の段階まで進行したとき、他の情報処理端末5b又は5cに、拡張機能を利用していないことを条件として基本画面を提供してもよい。例えば、情報処理端末5aの操作に基づいてプリント機能部56によりプリントジョブが生成されてジョブ制御部36によって実行された場合、生成されたプリントジョブの実行が開始したときに画面提供部40は他の情報処理端末5b又は5cに基本画面を提供してよい。プリントジョブ実行が開始した後は、プリントに関する設定を情報処理端末5aの操作により行うということはない。そこで、他の情報処理端末5b又は5cに基本画面を提供し、基本機能の利用を可能としてよい。コピーの場合、情報処理端末5aの操作に基づきコピー機能部52により生成されたジョブがジョブ制御部36によって開始した後に、原稿の読取が終了した時点で他の情報処理端末5b又は5cに基本画面を提供してよい。
画面提供部40は、情報処理端末5aに対して基本画面を提供しているとき、操作パネル8の表示部9に制約基本画面を表示させる。画面提供部40は、情報処理端末5aに基本画面の提供を開始すると、画面制約部44を機能させる。画面制約部44は、基本画面に制約を付加して制約基本画面を生成する。画面提供部40は、生成された制約基本画面を操作パネル8の表示部9に表示させる。これにより、情報処理端末5aと画像処理装置2の操作パネルの両方から、基本機能に関する操作が行われるという事態を防止できる。
次に、本実施形態における画像処理装置2により行われる処理手順を説明する。図10乃至15は、画像処理装置2において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図10は、画像処理装置2により行われる主要な処理手順の一例を示すフローチャートである。画像処理装置2は、情報処理端末5からの接続要求を受信すると処理を開始し(ステップS1)、情報処理端末5との接続状態を確立させる(ステップS3)。そして、接続を確立させた情報処理端末5に対して提供する画面を生成する画面生成処理を行う(ステップS5)。画面生成処理(ステップS5)の具体的な処理手順については、後述する。次に、画面生成処理によって生成した画面情報を情報処理端末5に送信する(ステップS7)。そして、情報処理端末5から受信する操作情報に応じて情報処理端末5に提供する画面を更新させる画面更新処理(ステップS9)を行い、情報処理端末5から接続終了指示を受信するまで(ステップS11)画面更新処理(ステップS9)を繰り返す。そして、接続終了指示を受信すると(ステップS11でYES)、最後に情報処理端末5との接続状態を終了させて処理を終了する。
図11は、画面生成処理(図10のステップS5)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。画像処理装置2は、他の情報処理端末5が既に画像処理装置2と接続中であるか否かを判定し(ステップS21)、他の情報処理端末5が接続中である場合(ステップS21でYES)、接続中の情報処理端末5に表示中の画面情報を取得する(ステップS23)。そして、画像処理装置2は、タイマーがオンにセットされて時間を計測中であるか否かを判定する(ステップS25)。すなわち、タイマーによる計時中であれば、基本画面が他の情報処理端末5に提供されている。そして、タイマーによる時間計測中である場合(ステップS25でYES)、すなわち他の情報処理端末5に基本画面が提供されている場合、画像処理装置2は、ステップS23で取得した画面情報に制約を付加して(ステップS27)画面生成処理を終了する。これにより、基本機能を利用できる情報処理端末5を1つに限定できるのである。
他方、ステップS21において他の情報処理端末5ががぞ処理装置2に接続中ではない場合(ステップS21でNO)、画像処理装置2は初期画面GAを生成し(ステップS30)、タイマーをオンにセットして時間計測を開始して(ステップS32)画像生成処理を終了する。これとは異なり、初期画面GAを生成する場合、タイマーをオンにすることなく画面生成処理を終了させてもよい。これにより、初期画面GAは複数の情報処理端末5に制約なく提供可能となる。
図12は、画面更新処理(図10のステップS9)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。画像処理装置2は、情報処理端末5から操作情報を取得したか否かを判定する(ステップS41)。そして、操作情報を取得した場合(ステップS43でYES)、画像処理装置2は、情報処理端末5に表示される画面内の操作位置を検知する(ステップS43)。これにより、画像処理装置2は、情報処理端末5を使用するユーザーにより行われた操作の内容を認識するのである。次に、画像処理装置2は、情報処理端末5に制約画面、例えば制約基本画面又は制約拡張画面を表示させているか否かを判定する(ステップS45)。制約画面を表示させていると判定した場合(ステップS45でYES)、画像処理装置2は、制約が付加された状態での各機能に関する処理を行う制約制御処理(ステップS47)を実行する。制約制御処理(ステップS47)の具体的な処理手順については後述する。他方、制約画面を表示させていないと判定した場合(ステップS45でNO)、画像処理装置2は、制約が付加されていない状態での各機能に関する処理を行う通常制御処理(ステップS49)を実行する。通常制御処理(ステップS49)の具体的な処理手順については後述する。
ステップS41において操作情報を画像処理装置2が取得していない場合(ステップS41でNO)、タイマーにより時間を計測中であるか否かを判定する(ステップS51)。時間を計測中でない場合(ステップS51でNO)、画面更新処理を終了する。他方、時間を計測中である場合(ステップS51でYES)、タイマーにより所定時間が計測されたか否かを判定し(ステップS53)、所定時間が経過していると判定した場合(ステップS53でYES)、画像処理装置2はタイマーをオフにセットする(ステップS55)。そして、制約画面を表示中の情報処理端末5があるか否かを判定し(ステップS57)、制約画面を表示中である情報処理端末5があると判定した場合(ステップS57でYES)、制約画面を表示中の情報処理端末5の画面から制約を解除し、制約が解除された画面情報を情報処理端末5に送信する(ステップS61)。これにより、基本機能を利用する情報処理端末5にて基本画面等が表示されている場合に、操作が行われることなく所定時間が経過すると、当該情報処理端末5とは別の端末であって、制約が付加された制約画面が表示中の情報処理端末5に基本画面を提供することにより、基本機能の効率的な利用を促進するのである。他方、所定時間が経過していない場合には、引き続き当該情報処理端末5に基本画面を提供する。
図13は、制約制御処理(図12のステップS47)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。画像処理装置2は、情報処理端末5から受信した操作情報が基本機能にかかわる操作であるか否かを判定し(ステップS71)、基本機能にかかわる操作であると判定した場合(ステップS71でYES)、さらに内部情報の閲覧であるか否かを判定する(ステップS73)。内部情報の閲覧である場合(ステップS73でYES)、制約を付加された状態においても閲覧可能であることから、画像処理装置2は閲覧画面を生成し(ステップS75)、閲覧画面に対応する閲覧画面情報を情報処理端末5に送信し(ステップ77)制約制御処理を終了する。他方、ステップS73において内部情報の閲覧に関する操作でないと判定した場合(ステップS73でNO)、制約を付加された状態では基本機能に関する操作は受け付けられないことから、制約制御処理を終了する。
ステップS71において、基本機能にかかわる操作ではない、すなわち拡張機能に関する操作であると判定された場合(ステップS71でNO)、画像処理装置2は、拡張画面が表示中であるか否かを判定し(ステップS79)、拡張画面を表示中であれば(ステップS79でYES)操作に応じて拡張画面を更新させる(ステップS83)。拡張画面を表示中でなければ(ステップS79でNO)、拡張画面を生成する(ステップS81)。制約を付加された状態においても、拡張機能を利用可能にすることにより、拡張機能の利便性を高めることができる。
さらに、画像処理装置2は、操作に対応付けられているコマンドを解析する(ステップS85)。そして、コマンドに例えばIWS25における基本機能の操作に関する画面など所定のURLを含むか否かを判定し(ステップS87)、所定のURLを含むと判定した場合(ステップS87でYES)、画像処理装置は画面情報に制約を付加し(ステップS89)、制約拡張画面情報を情報処理端末5に送信して制約制御処理を終了する。これにより、拡張機能を介して基本機能を利用する場合に、複数の情報処理端末5により基本機能に関する操作が行われることを防止できる。他方、所定のURLを含まないと判定した場合(ステップS87でNO)、画像処理装置2は、制約を付加されていない拡張画面情報を情報処理端末5に送信し(ステップS93)、制約制御処理を終了する。
図14は、通常制御処理(図12のステップS49)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、検知された操作情報に基づいて、基本機能にかかわる操作であるか否かを判定する(ステップS101)。そして、基本機能にかかわる操作である場合(ステップS101でYES)、さらに画像処理装置2は、内部情報の閲覧であるか否かを判定する(ステップS103)。そして、内部情報の閲覧ではないと判定した場合(ステップS103でNO)、基本画面を表示中であるか否かを判定し(ステップS105)、基本画面を表示中である場合(ステップS105でYES)、タイマーをリセットすることにより新たに計時を開始させ(ステップS113)、操作に応じて基本画面を更新する(ステップS115)。他方、基本画面を表示中でない場合(ステップS105でNO)、タイマーをオンにセットして(ステップS107)基本画面を生成する(ステップS109)。そして、基本画面に対応する基本画面情報を情報処理端末5に送信して(ステップS111)通常制御処理を終了する。
ステップS103において、操作が内部情報の閲覧である場合(ステップS103でYES)、画像処理装置2は、閲覧画面を生成して(ステップS117)閲覧画面に対応する閲覧画面情報を情報処理端末5に対して送信する(ステップS119)。そして、他の情報処理端末5に制限を付加された画面が提供されている場合に制約を解除する制約解除処理を実行し(ステップS121)、通常制御処理を終了する。一の情報処理端末5により内部情報の閲覧を行う場合に、他の情報処理端末5に制約を解除された基本画面を提供し、基本機能の効率的な利用を促進するのである。
ステップS101において、検知した操作が基本機能に関する操作ではないと判定した場合(ステップS101でNO)、すなわち拡張機能に関する操作である場合には、画像処理装置2は拡張画面を表示中であるか否か判定し(ステップS123)、拡張画面を表示中であると判定した場合(ステップS123でYES)、拡張画面を更新させる(ステップS127)。他方、拡張画面を表示中ではないと判定した場合(ステップS123でNO)、画像処理装置2は拡張画面を生成する。そして、拡張画面に対応する拡張画面情報を情報処理端末5に送信する(ステップS129)。
最後に、画像処理装置2は、コマンドを解析して、例えばIWS25を介して基本機能の操作に関する画面情報など所定のURLにアクセスするものであるか否かを判定する(ステップS131)。所定のURLにアクセスするものでないと判定した場合(ステップS131でNO)、他の情報処理端末5に提供されている画面に制約が付加されている場合、これを解除する制約解除処理を実行する(ステップS121)。他方、所定のURLにアクセスするものである場合(ステップS131でYES)、拡張機能を介して基本機能に関する操作を行うといえる。そこで、タイマーをオンにセットし(ステップS133)、所定時間が経過した場合に、他の情報処理端末5に基本画面を提供できるようにするのである。
図15は、制約解除処理(図14のステップS121)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、画像処理装置2は、タイマーがオンにセットされて時間を計測中であるか否かを判定する(ステップS141)。時間を計測中である場合(ステップS141でYES)、タイマーをオフにセットする(ステップS143)。そして、制約基本画面又は制約拡張画面を表示中の情報処理端末5があるか否かを判定し(ステップS145)、これらのいずれかの画面を表示中の情報処理端末5がある場合(ステップS145でYES)、制約を解除する(ステップS147)。制約を解除した基本画面又は拡張画面を送信する(ステップS149)。
(変形例)
以上、本発明に関する実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば上記実施形態では、情報処理端末5において行われた操作の内容を画像処理装置2により判別する場合を示した。しかし、これに限られず、情報処理端末5により操作の内容を判別し、情報処理端末5から画像処理装置2に対して判別された操作内容に応じたコマンドを送信してもよい。