(実施例1)
本発明を具体的に説明する前に、まず概要を述べる。本発明の実施例1は、情報提供装置と、情報提供装置に接続可能な複数の端末装置と、情報提供装置に接続可能な管理クライアントを含む情報提供システムに関する。複数の端末装置のそれぞれを所持したユーザがともに行動することによってグループが形成される。グループにおいて意志決定を行う際、例えば、食事のために入店する飲食店を決定する際、グループにおける影響力が大きいユーザの嗜好が反映される場合がある。そのため、本実施例に係る情報提供装置は、複数の端末装置の位置情報を使用してグループを形成するとともに、グループ内の各ユーザの影響力を推定し、ユーザの影響力をリーダーポイントとして導出する。
さらに、情報提供装置は、店舗、商品等に対応させてリーダーポイントを集計した情報、つまり店舗、商品等に対するリーダーポイント(アイテムポイント)を生成する。その際、情報提供装置は、所定のルールの基づき、リーダーポイントを複数のカテゴリ(リーダーポイントカテゴリ)に分類し、店舗、商品等ごとにリーダーポイントカテゴリの度数分布を示す表示データを生成する。これにより、飲食店等の店舗に来店した複数のユーザ(顧客)を、ユーザの行動履歴に基づいて所定のタイプに分類し、タイプごとのユーザ数等を算出することによって、顧客分析情報が作成される。店舗運営者、あるいはショッピングモール、商店街などの店舗集合体の運営者に対して、その顧客分析情報が提供される。
次に、本実施例で提供される情報について説明する。情報提供装置は、グループに対してアイテムに関する情報を提供する。「アイテム」とは、ユーザによって利用される対象物全般を指す用語であり、例えば、店舗、商品、サービス、Webページ、デジタルコンテンツなどである。本実施例において、アイテムは、飲食店等の店舗である。以上が概要の説明である。
図1は、本発明の実施例1に係る情報提供システム100の構成を示す。情報提供システム100は、情報提供装置10、ネットワーク12、基地局装置14、端末装置16と総称される第1端末装置16a、第2端末装置16b、第3端末装置16c、第N端末装置16n、管理用クライアント18を含む。
端末装置16は、無線通信システムに対応し、後述の基地局装置14に接続する。無線通信システムの一例は、携帯電話システム、無線LAN(Local Area Network)システム、業務用無線システム等であるが、これらに限定されない。端末装置16は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC(Personal Computer)、無線機等であり、ユーザが容易に持ち運び可能に構成される。端末装置16は、GPS(Global Positioning System)、無線LAN等による位置情報(緯度、経度など)の取得機能を有する。また、端末装置16は、GPSデータ取得機能の他に、加速度センサーやジャイロセンサーを備えていてもよく、それらを用いて、より高精度な位置情報を算出するようにしてもよい。
基地局装置14は、一端側において、端末装置16と同一の無線通信システムに対応し、端末装置16を接続可能である。また、基地局装置14は、他端側において、ネットワーク12を接続する。ネットワーク12は、基地局装置14に接続される。ネットワーク12は、任意のものでよく、例えば、有線ネットワークでもよく、無線ネットワークでもよく、それらの組合せであってもよい。
情報提供装置10は、ネットワーク12に接続される。このような構成によって、端末装置16は、基地局装置14、ネットワーク12を介して情報提供装置10と通信可能である。そのため、端末装置16は、基地局装置14、ネットワーク12を介して情報提供装置10に、取得した位置情報を送信する。情報提供装置10は、受信した位置情報をもとに、情報を生成し、ネットワーク12、基地局装置14を介して後述の管理用クライアント18に情報を送信する。情報提供装置10における処理は後述する。
管理用クライアント18は、店舗等の運営者が使用する装置である。管理用クライアント18は、キーボード、マウス等の入力部、ディスプレイ等の表示部を備えており、一般的なPCを使用可能である。また、管理用クライアント18は複数存在してもよい。管理用クライアント18は、ネットワーク12を介して情報提供装置10に接続される。なお、情報提供装置10と管理用クライアント18とを接続するためのネットワーク12は、情報提供装置10と端末装置16とを接続するためのネットワーク12と同じであってもよく、異なっていてもよい。
図2は、情報提供装置10の構成を示す。情報提供装置10は、送受信部20、位置情報管理部22、グループ情報処理部24、集計処理部26、店舗情報格納部28を含み、グループ情報処理部24は、グループ形成部40、ポイント算出部42を含み、集計処理部26は、ポイント履歴テーブル44を含む。情報提供装置10は、CPU、RAM、ROM、HDD、ネットワークインタフェース等を備える、一般的なコンピュータを用い、そこで実行するコンピュータプログラムとして実装することが可能である。また、情報提供装置10の各部を複数のコンピュータに機能分担させた分散処理システムを構築してもよい。また、情報提供装置10と管理用クライアント18を1つの装置(1台のコンピュータ)で実装することも可能である。
位置情報管理部22は、各端末装置16から定期的に送信される位置情報と、端末IDと、日時情報とを関連付けた位置情報テーブルを格納する。図3はその一例であり、位置情報管理部22に記憶されたデータベースのデータ構造を示す。位置情報は少なくとも緯度、経度の情報を含むが、それ以外に高度、移動方向、加速度などの情報を端末装置16から受信し、格納してもよい。本実施例では、携帯電話/スマートフォンのように、1人のユーザが1台の端末装置16を占有して使用する形態を想定しており、端末IDとユーザIDは実質的に等しいものとする。本実施例では、端末IDごとに、その端末の位置情報と、後述するリーダーポイントを管理するが、ユーザを識別するユーザIDを用いてもよい。ユーザIDを用いて、1台の端末装置16を複数のユーザで使用する形態に対応することも、もちろん可能である。また、端末またはユーザである利用主体を一意に識別する識別子という意味で、利用主体識別子という用語を用いる場合がある。
グループ形成部40は、位置情報管理部22に格納された時系列の位置情報、つまり複数の利用主体の位置情報の時系列データを用いて、一緒に行動(移動)していると推定される端末装置16を特定し、グループ化する。ポイント算出部42は、時系列の位置情報を用いて、グループ内のメンバーの意思決定における影響力を推定する。本実施例においては、意思決定として飲食店等の店舗の選定を例にするが、商品選択など、それ以外の意思決定を扱ってもよい。各メンバーの影響力を表す指標として、リーダーポイント(影響力値)と称する数値をグループ情報処理部で算出する。リーダーポイントの算出方法については、後ほど詳しく説明する。
図4は、店舗情報格納部28に記憶されたデータベースのデータ構造を示す。本実施例では、店舗として飲食店を例に説明するが、もちろん、これに限定する訳ではない。店舗情報格納部は、店舗を識別する店舗IDと、店舗の出す食事のジャンルと、店舗の位置情報(緯度、経度)と、後述するリーダーポイントに関するカテゴリ(「Rp大」、「Rp中」、「Rp小」)とを少なくとも関連付けた店舗情報テーブルが格納されている。その他に、店舗の来客数や、店舗で扱う商品の価格帯に関する情報、1回の支払いの平均価格に関する情報、1人あたりの平均支払い価格に関する情報などを格納してもよい。また、1つの店が複数の料理ジャンルに対応していてもよい。例えば、ある店が「中華」と「和食」の両方に対応していてもよい。
集計処理部26は、グループ情報処理部24と、店舗情報格納部28の情報をもとに各店舗のリーダーポイントタイプ別の来客数を集計し、店舗やショッピングモールなどの運営団体に提供する。集計処理部26については、後ほど詳しく説明する。制御部30は、情報提供装置10全体を制御する処理部であり、リアルタイムクロック等の計時機能を備えている。送受信部20は、ネットワークを介して、管理用クライアント18および端末装置16との間のデータの送受信を行う。例えば、送受信部20は、基地局装置14、ネットワーク12を介して各端末装置16からの位置情報、端末ID、日時情報を定期的に受信する。また、送受信部20は、送受信部20を介して管理用クライアント18にリーダーポイント等の情報を送信する。
次に、図5のフローチャートを用いて、グループ情報処理部24の動作を説明する。図5は、情報提供装置10によるリーダーポイントの確定手順を示すフローチャートである。ステップS100において、グループ形成部40は、位置情報管理部22に格納された複数の主体に係る位置情報の時系列データに基づいて、複数の主体を含んだグループを形成する。グループは、一緒に行動(移動)していると推定される主体をまとめることに相当する。つまり、グループ形成部40は、どの端末装置16がグループに属するかを判定し、グループを形成する。具体的に説明すると、グループ形成部40は、位置情報管理部22に格納されたデータを使用して、所定時間以上、所定の距離以内に複数の端末装置16が存在するか否かを判定し、存在する場合に、それらの端末装置16を1つのグループと判定する。所定時間は、例えば、1〜10分間に設定される。また、所定の距離は、例えば、1〜50mに設定される。
ここで、位置情報管理部22に記録された日時が、端末ID毎に多少異なる場合は、端末ID同士の日時の差に応じて、緯度、経度を補正することが望ましい。例えば、端末IDが「A」である第1端末装置16aの日時が「2015/03/20 10:11:25」であり、端末IDが「B」である第2端末装置16bに対応する同じ日時の位置情報が存在しない場合、第2端末装置16bの位置情報の中から、「2015/03/20 10:11:25」に隣接する日時の2つの位置情報が抽出される。その2つの位置情報が、例えば、「2015/03/20 10:11:00」と「2015/03/20 10:11:26」である場合、2つの位置情報を補間して、第2端末装置16bの「2015/03/20 10:11:25」の緯度、経度が算出される。この例では、「2015/03/20 10:11:00」における位置と、「2015/03/20 10:11:26」における位置を25:1に内分する位置が算出される。なお、位置情報の補間は、このような線形補間に限らず、3個以上の位置情報を用いた非線形の補間処理を行ってもよい。
ここでは、グループ形成部40におけるグループ判定を行う一手法について、図6を使用して説明する。図6は、グループ形成部40に記憶されたデータベースのデータ構造を示す。これは、ある時間帯(例えば、2015/1/1 10:00〜10:03)において、所定範囲のエリア内に存在する第1端末装置16aから第8端末装置16hと、それぞれの端末間の平均距離(m)を示す。なお、第1端末装置16aの端末IDが「A」と示され、第2端末装置16bの端末IDが「B」と示され、第3端末装置16cの端末IDが「C」と示され、第4端末装置16dの端末IDが「D」と示される。同様に、第8端末装置16hの端末IDが「H」と示される。平均距離は、所定の長さの期間(例えば3分間)において、所定の時間間隔(例えば、1秒毎)に、あるエリア内に存在する任意の2台の端末装置16の距離を算出し、それらの平均を算出した値である。
グループ形成部40は、このデータに対して、端末間の平均距離が10m(第1のしきい値)以下である場合にグループと判定するルールを適用する。その結果、第1端末装置16aから第5端末装置16eが第1グループになり、第6端末装置16fと第7端末装置16gが第2グループになり、第8端末装置16hが第3グループになる。なお、グループ形成部40は、1つのグループを形成する端末台数の最小値を設定し、その台数に満たない場合に、グループを形成しなくてもよい。例えば、最低3台以上の端末装置16という条件を適用すると、図6に示すデータ例では、第1グループのみが形成される。また、グループ形成部40は、1つのグループを形成する端末台数の最大値を設定してもよい。また、グループ形成部40は、所定期間における端末間の距離の平均値の代わりに、距離の最大値を算出し、これを用いてグループを形成してもよい。また、グループ形成部40は、端末間の距離の変動の大きさを示す分散や標準偏差を算出し、これを用いてグループを形成してもよい。
例えば、グループ形成部40は、所定期間における端末間の距離の平均値が第1のしきい値以下であり、かつ端末間の距離の標準偏差が第3のしきい値以下である場合に、グループと判定してもよい。標準偏差を用いることにより、グループ行動していない端末装置16をグループとして誤認識する確率が低減される。また、グループ形成部40は、1つのグループを形成する候補の端末台数がある程度多い場合、グループ候補の端末間の距離が第1のしきい値を超えていても、第1のしきい値を超える距離の個数が所定数以下であり、かつ距離の最大値が第2のしきい値以下であれば、1つのグループとする等の処理を実行してもよい。
例えば、グループ判定処理において、あるグループの候補となる端末装置16が所定数(例えば7台)以上の場合に次のような処理を行う。ここでは、あるグループの候補となる端末装置16が10台あり、その中のある1台の端末装置16(以下、「判定対象端末」という)と、その他の9台の端末装置16との距離の最大値が18m、2番目に大きい距離が10mであり、その他の9台の端末装置16同士の距離の最大値は9mであるとする。この場合、グループ判定の第1のしきい値(例えば10m)を超えた距離の個数は1つであり、この個数が所定数(例えば2個)以下であり、かつ距離の最大値(18m)が第2のしきい値(例えば20m)以下であるので、グループ形成部40は、判定対象端末もグループに属すると判定する。なお、グループ判定処理は、上述の方法に限定される訳ではなく、例えば、グループ形成部40は、端末間の距離に公知のクラスター分析の各種手法を適用し、形成されたクラスターをグループに対応させる等の処理を用いて行ってもよい。
グループ形成部40は、1つのグループを形成する毎に新たなグループIDを生成し、図7に示すデータベースとして、グループ情報処理部24内の記憶部に記憶する。図7は、グループ情報処理部24に記憶されたデータベースのデータ構造を示す。データベースは、グループIDと、端末ID(ユーザID)と、リーダーポイント(Rp)とを関連付けており、グループ情報テーブルとも呼ばれる。リーダーポイントとは、グループ内のユーザの行動に基づいて、グループ内のユーザの影響力を推定した数値である。この数値が大きいほど、そのユーザ(端末装置16)の影響力が大きいことを示す。なお、図7には示していないが、さらにグループが形成された日時(グループ開始日時)をデータベースに記録してもよい。またさらに、グループが解消された日時(グループ終了日時)をデータベースに記録してもよい。例えば、グループIDと、端末ID(ユーザID)と、リーダーポイント(Rp)と、グループ開始日時と、グループ終了日時とを関連付けて、グループ情報テーブルとして格納してもよい。
図7は、グループID「G1」のグループと、グループID「G2」のグループが形成された状態を示す。本図に示す例は、「G1」が形成されて解消された後、「G2」が形成されている状態を示す。グループID「G1」のグループは、第1端末装置16a、第2端末装置16b、第3端末装置16cで構成されている。各々のリーダーポイントは、「20」、「50」、「30」となっている。リーダーポイント算出方法については後述する。グループID「G2」のグループは、第1端末装置16a、第3端末装置16c、第6端末装置16f、第7端末装置16gで構成されており、グループが形成された初期状態である。このように、グループが形成された初期状態では、各ユーザのリーダーポイントは「0」となっている。なお、グループ情報テーブルに格納されたリーダーポイントは、1回のグループ行動が終了するまでの間、随時更新される。さらに、1回のグループ行動が終了した後は、更新されずに同じ値の状態で保存される。更新継続状態のリーダーポイントを表すために「テンポラリポイント」という用語を用いることもある。
ポイント算出部42は、位置情報管理部22に記憶した位置情報の時系列データを使用して、グループ内のユーザの意思決定における影響力を推定する。具体的には、ステップS110において、ポイント算出部42は、各ユーザの影響力を表す指標として、影響力値(リーダーポイント)を算出する。つまり、ポイント算出部42は、各端末IDの位置情報の時系列データを解析し、グループに含まれた複数の主体のそれぞれに対して、グループ内の主体の影響力が高いとされる所定の行動パターンに合致する度合いを示す特徴行動量を算出する。さらに、ポイント算出部42は、特徴行動量に基づいて、各主体に対して、リーダーポイント(テンポラリポイント)を算出または更新する。以下では、図8のフローチャートを用いて、この処理を詳細に説明する。
ポイント算出部42は、主体の位置によって定まる順位が高いほど、値が高くなるようなリーダーポイントを算出する。具体的には、ステップS200において、ポイント算出部42は、グループの移動方向を基準にして、グループの先頭から所定の順位(順番)に主体が位置することを第1の所定行動パターンとして規定し、主体が所定の順位に位置する回数を特徴行動量として算出する。典型的には、ポイント算出部42は、ユーザの先行頻度をカウントする。先行頻度とは、グループの移動方向を基準にして、ユーザがグループの最も先頭に位置した回数である。
ステップS200における処理の概要を図9を用いて説明する。本図に示す例では、第1端末装置16a、第2端末装置16b、第3端末装置16cが矢印の方向に移動している。ポイント算出部42は、位置情報管理部22に格納された端末IDと緯度経度の情報から、例えば、最新から過去所定数分(例えば、100回分)の緯度経度情報を比較することによって、グループ内で進行方向に対して先頭に位置するユーザを特定する。また、ポイント算出部42は、先行位置にいる回数(先行頻度)を端末ID毎にカウントする。さらに、ポイント算出部42は、先行頻度を用いて、ユーザの影響力を示す影響力値(リーダーポイント)を算出する。
例えば、100回測定された位置情報のうち、第3端末装置16c、第1端末装置16a、第2端末装置16bのそれぞれが先頭にいた回数が60回、30回、10回であるとする。その場合、第3端末装置16c、第1端末装置16a、第2端末装置16bのそれぞれのリーダーポイントが「60」、「30」、「10」とされる。あるいは、各端末装置16の位置情報が所定時間毎(例えば5秒毎)に更新される場合、その更新タイミング毎に、グループの先頭に位置する端末装置16を特定し、そのリーダーポイントを所定値(例えば「1」)ずつ増やす等の処理を行ってもよい。
このように、特徴行動量をそのままリーダーポイントとしてもよいし、特徴行動量に所定の係数を乗算した値などをリーダーポイントとしてもよい。このような処理は、人間がグループで移動する際に、グループの先頭を歩くユーザの影響力が最も大きい傾向にあるという知見に基づいている。特に、グループがある目的に合う適当な店舗を探しながら移動しているような場合は、そのような傾向がより顕著に表れると考えられる。リーダーポイントは、店舗や商品などのアイテムを探索・選択する際のグループユーザの影響力を示す指標といえる。ポイント算出部42は、算出したリーダーポイント(先行頻度に係るリーダーポイント)をグループ情報テーブルのリーダーポイントに加算し、グループ情報テーブルを更新する。
なお、ポイント算出部42は、ユーザが最も先頭に位置した場合に限定せずに、先頭から2番目、先頭から3番目等、所定の順位に位置した回数をカウントしてもよい。また、ポイント算出部42は、先頭からの位置の順位が高いほど、大きな値となるように特徴行動量を算出してもよい。すなわち、ポイント算出部42は、先頭からの位置の順位が高いほど、リーダーポイントを大きな値としてもよい。これは、先頭からの順位(順番)に応じて、値を変えたリーダーポイントを加算することに相当する。例えば、先頭から2番目に位置した場合は、最も先頭に位置した場合の50%、先頭から3番目に位置した場合は、最も先頭に位置した場合の20%などのリーダーポイントが加算される。
また、ポイント算出部42は、グループに含まれた主体の数に応じて、リーダーポイント算出に用いる、先頭からの位置順位を決定してもよい。例えば、グループの人数が少ない場合(第1の所定数未満の場合)には、先頭から1番目の位置のみを考慮し、グループの人数が中程度である場合(第1の所定数以上、かつ第2の所定数未満の場合)には、先頭から2番目までの位置を考慮する。また、グループの人数が多い場合(第2の所定数以上の場合)には、先頭から3番目までの位置が考慮される。
ポイント算出部42は、先行頻度ではなく、グループの先頭に位置して移動した距離を特徴行動量とし、その特徴行動量を用いてリーダーポイントを算出してもよい。例えば、所定時間内に、第1端末装置16aが先頭に位置した状態で500m移動し、第2端末装置16bが先頭に位置した状態で300m移動し、第3端末装置16cが先頭に位置した状態で100m移動したとする。その状況下において、メートル単位の移動距離を特徴行動量とすると、各々の特徴行動量は「500」、「300」、「100」となる。ポイント算出部42は、特徴行動量に「0.1」を乗じた値をリーダーポイントとし、各々のリーダーポイントを「50」、「30」、「10」と算出してもよい。すなわち、ポイント算出部42は、先頭に位置して移動した距離が長いほど、大きな値となるようにリーダーポイントを算出してもよい。
ポイント算出部42は、各端末装置16がグループの先頭に位置する時間の長さを特徴行動量とし、その特徴行動量を用いて、リーダーポイントを算出してもよい。例えば、10分間(所定時間)に、第1端末装置16aが先頭に位置していた時間が2分間であり、第2端末装置16bが先頭に位置していた時間が7分間であり、第3端末装置16cが先頭に位置していた時間が1分間であるとする。その状況下において、分単位の時間を特徴量とすると、各々の特徴行動量は「2」、「7」、「1」となる。ポイント算出部42は、特徴行動量に「10」を乗じた値をリーダーポイントとし、各々のリーダーポイントを「20」、「70」、「10」と算出してもよい。すなわち、ポイント算出部42は、先頭に位置していた時間が長いほど、大きな値となるようにリーダーポイントを算出してもよい。さらに、ポイント算出部42は、グループの先頭に位置する回数、時間、距離に関する特徴行動量を任意に組み合せてリーダーポイントを算出してもよい。
次にステップS210において、ポイント算出部42は、1つのグループが複数に分割してから合流した場合に、合流後に移動する方向に分割時から主体が移動しているパターンを第2の所定行動パターンとして規定し、分割後の合流回数を特徴行動量として算出する。その際、ポイント算出部42は、小グループ(ユーザ1人も含む)が、合流したか、合流されたかは、合流後のグループの移動方向を基準に判定する。つまり、ポイント算出部42は、分割時から合流後と同じ方向に移動していた小グループを合流された側と判定し、合流された小グループのユーザのリーダーポイントを加算する。
ここでは、グループ化された複数の端末装置16が別行動をとった後、再度グループが合流した場合に、合流されたグループで先行していた端末IDは、グループへの影響力を持っていると考えられるので、ポイント算出部42は、これにリーダーポイントを加算する。図10(a)−(b)は、ポイント算出部42における別の処理の概要を示す。図10(a)では、第1端末装置16aおよび第2端末装置16bと、第3端末装置16cが別々の方向に移動する。図10(b)では、図10(a)に続いて、第1端末装置16aおよび第2端末装置16bが、第3端末装置16cに合流して、3つの端末装置16が同じ方向に移動する。ポイント算出部42は、このような行動パターンを検出した場合、合流1回につき、合流された端末装置16(この例では第3端末装置16c)のリーダーポイントに所定値(例えば、「30」)を加算する。
つまり、ポイント算出部42は、合流行動に係るリーダーポイントをグループ情報テーブルのリーダーポイントに加算することによって、グループ情報テーブルを更新する。なお、合流された側の小グループが複数のユーザで構成されていた場合、ポイント算出部42は、その全員を対象にしてリーダーポイントを加算してもよいし、先頭から所定の順位(例えば、1番目と2番目)に位置したユーザに限定して加算してもよい。また、ポイント算出部42は、合流された側の小グループにおける先頭からの順位に応じて、加算するリーダーポイントを変えてもよい。例えば、ポイント算出部42は、先頭のユーザに「30」、先頭から2番目のユーザに「20」、先頭から3番目のユーザに「10」などのリーダーポイントを加算する。
ポイント算出部42は、グループが複数に分割したときの小グループに含まれる主体の数に基づいて、リーダーポイントを算出してもよい。つまり、ポイント算出部42は、別行動をとったユーザの人数(合流したユーザの人数)に応じて、合流行動に係るリーダーポイントの値を算出してもよい。具体的には、ポイント算出部42は、別行動をとった人数が多いほど(合流した小グループの人数が多いほど)、大きな値となるように、合流行動に係るリーダーポイントの値を算出する。例えば、ポイント算出部42は、2人が別行動をとった後に合流した場合は「20」、3人が別行動をとった後に合流した場合は「30」、4人が別行動をとった後に合流した場合は「40」などのリーダーポイントを加算する。
ポイント算出部42は、合流された側の人数に応じて、合流行動に係るリーダーポイントの値を算出してもよい。具体的には、ポイント算出部42は、合流された側の人数が多いほど、小さな値となるリーダーポイントを算出し、合流された側のユーザそれぞれに加算する。例えば、ポイント算出部42は、合流された側の人数が1人である場合は「50」、2人である場合は、その2人にそれぞれ「30」、3人である場合は、その3人それぞれ「10」などのリーダーポイントを加算する。また、合流された側のユーザが複数いる場合は、ポイント算出部42は、その中の先頭に位置するユーザに合流行動に係るリーダーポイントを加算してもよい。つまり、ポイント算出部42は、合流された側の人数が多いほど、小さな値となるリーダーポイントを算出し、先頭に位置するユーザに合流行動に係るリーダーポイントを加算してもよい。例えば、ポイント算出部42は、合流された側の人数が1人である場合は「50」、2人である場合は、そのうちの先頭に位置する人に「40」、3人である場合は、そのうちの先頭に位置する人に「30」などのリーダーポイントを加算してもよい。
次にステップS220において、ポイント算出部42は、主体が停止した場合に、当該停止に追従して他の主体も停止するパターンを第3の所定行動パターンとして規定し、移動停止の回数を特徴行動量として算出する。停止に追従した停止とは、ある端末装置16(例えば、第1端末装置16a)が移動を停止した直後に、他の端末装置16(グループ内の第1端末装置16a以外の端末装置16)が移動を停止した状況である。この状況は、先に移動停止したユーザが、気になる店舗等を発見し、そこで足を止め、入店を検討している状況である可能性が高い。このため、ポイント算出部42は、最初に移動を停止した端末装置16のリーダーポイントに、他の端末装置16の移動停止1回につき、所定値(「例えば、「20」)を加算する。
すなわち、停止行動に係るリーダーポイントをグループ情報テーブルのリーダーポイントに加算し、グループ情報テーブルを更新する。ただし、ある端末装置16が移動を停止したが、他の端末装置16が移動を停止せずに、そのまま移動を続けた場合は、最初に移動停止したユーザの影響力はそれ程高くないと判定できるので、リーダーポイント加算は行わない。
ポイント算出部42は、当該停止に追従して停止した他の主体の数に基づいて、リーダーポイントを算出してもよい。具体的には、ポイント算出部42は、後から停止した人数が多いほど、大きな値となるリーダーポイントを算出する。例えば、ポイント算出部42は、2人が停止した場合に「20」、3人が停止した場合に「30」、4人が停止した場合には「40」などのリーダーポイントを加算する。また、ポイント算出部42は、後から停止したユーザと、停止せずに移動を継続したユーザが混在している場合は、後から停止したユーザの割合に応じて、停止行動に係るリーダーポイントを算出してもよい。例えば、ポイント算出部42は、停止したユーザがNs人、移動継続したユーザがNc人である場合、Ns÷(Ns+Nc)として、停止した人数の割合を算出する。さらに、ポイント算出部42は、この割合が80%以上である場合に「40」、60%以上〜80%未満の場合に「30」、40%以上〜60%未満の場合に「20」、40%未満の場合に「0」などのリーダーポイントを加算する。このようにポイント算出部42は、停止した人数の割合が多いほど、大きな値となるリーダーポイントを算出してもよい。
ポイント算出部42は、各端末装置16の位置情報の時系列データが、第1の所定の行動パターンから第3の所定の行動パターンの少なくともいずれか1つに合致するか否かを判定する際に、確定的に判定する他に、確率的に判定してもよい。その場合、ポイント算出部42は、位置情報の時系列データを入力とし、各々の端末装置16の所定の行動パターンに対応する確率値を出力する確率モデルを使用する。
例えば、ステップS200の第1の所定の行動パターンに対する処理において、ポイント算出部42は、グループの先頭から2台の端末装置16が、ほぼ横並びである場合、所定の期間(例えば、1分間)に第1端末装置16aが1位である確率を「0.75」などと算出する。その際、ポイント算出部42は、第2端末装置16bが1位である確率を「0.25」などと算出する。ほぼ横並びである場合とは、例えば、どちらが1位か明確でない場合、短時間の間にグループの1位と2位とが頻繁に入れ替わり状態が安定しない場合等である。
また、例えば、ステップS220の第3の所定の行動パターンに対する処理において、ポイント算出部42は、第1端末装置16aが移動を停止し、他の端末装置16が移動速度を大幅に落としたものの停止せずにゆっくり前進した場合、第3の所定の行動パターンに合致する確率を「0.2」などと算出する。ポイント算出部42は、そのように算出した確率値をそのまま特徴行動量としてもよいし、確率値に所定の係数(例えば、100倍)を乗算した値を特徴行動量としてもよい。
これまで説明したように、特徴行動量は、ある主体の位置情報の時系列データが、グループ内での主体の影響力が高いと判定される所定の行動パターンに合致する度合い(回数、時間、距離、確率)を示す指標といえる。さらに、リーダーポイントは、主体毎の特徴行動量の所定期間(例えば、グループ形成時点からグループ解消時点まで)における総和であるため、特徴行動量が多い(大きい)ほど、リーダーポイントは高く(大きく)なる性質を持っている。以上がリーダーポイント更新処理の説明である。
図5のフローチャートの説明に戻る。ステップS120において、ポイント算出部42は、リーダーポイントを確定させる。この処理は、1回のグループ行動が完結するごとに行われる。すなわち、この処理が実行された後のリーダーポイントは、1回のグループ行動におけるメンバーの影響力を示す指標といえる。典型的には、グループがある店舗に入店することにより、グループ行動が完結する。ポイント算出部42は、図4に示す店舗情報格納部28での店舗情報テーブルを参照し、店舗の緯度、経度に該当する位置に、グループに属する端末装置16が一定時間以上留まった場合に、グループが店舗に入店したと判定する。そして、グループの入店をトリガーにして、この処理を行う。また、グループが飲食店に入店した場合などには、メンバーが着座したこと(一定時間以上、メンバーの位置情報が変更されないこと)をトリガーにして、この処理を行ってもよい。また、グループ行動が解消され、各メンバーが単独行動に移ったときに、この処理を行ってもよい。
リーダーポイント確定の第1の方法は、その時点までに蓄積されたリーダーポイントをそのまま用いる方法である。すなわち、図7に示すグループ情報処理部24のグループ情報テーブルにおいて、該当するグループIDの行をそれ以降更新しないようにする。この方法は、グループにおける各メンバーの影響力を絶対値として数値化しているといえる。行動履歴をより詳細に数値化することができる。
リーダーポイント確定の第2の方法は、1回のグループ行動における各メンバーのリーダーポイントの総和が一定値になるように正規化する方法である。具体的には、グループ情報テーブルから、該当するグループIDのリーダーポイントを読み出し、それらの総和が「1.0」あるいは「100」になるように、各メンバーのリーダーポイントを正規化する。例えば、グループG1が、A、B、Cの3つの端末装置16で構成されており、それぞれのリーダーポイントが「20」、「50」、「30」である場合、合計が「1.0」になるように、「0.2」、「0.5」、「0.3」といったように、正規化する。あるいは、1つのグループ内で、最も大きなリーダーポイントを持つメンバーのリーダーポイントが所定値(「1.0」など)になるように正規化してもよい。このような正規化(相対化)されたリーダーポイントは、1回のグループ行動における、各メンバーの相対的な影響力を示しており、直感的に分かり易い。
以下の説明においては、特に断らない限り、リーダーポイントは、第2の方法を用いて確定されているものとする。ただし、若干の処理を都度実行することにより、第1の方法も同様に用いることができる。グループ情報処理部24は、確定したリーダーポイントを、集計処理部26内のポイント履歴テーブル44に格納する。ポイント履歴テーブル44は、図11に示すように、グループIDと、端末IDと、算出日時(入店日時)と、リーダーポイントと、店舗IDとを関連付けたポイント履歴データを格納するテーブル(ポイント履歴テーブル44)である。
なお、ステップS120において、さらにリーダーポイントの追加処理を行ってもよい。具体的には、グループが入店した店舗の位置から所定の距離以内おけるグループの行動履歴を対象にして、ステップS200〜S220と同様な処理を行い、さらにリーダーポイントを加算した後に、正規化処理を行ってもよい。ステップS200〜S220の処理により、入店した店の近く(近傍)における行動履歴も、既にリーダーポイントに反映されているが、ステップS200〜S220の処理は、店からの距離に関わらず、一定の条件でリーダーポイントを加算している。しかし、入店した店の近く(近傍)における行動履歴は、店からの距離が遠いエリアの行動履歴に比べて、店の選定に係るグループ内メンバーの影響力が、より顕著に表れる可能性が高い。そのため、店の近傍エリアにおける行動履歴を、より強くリーダーポイントに反映させることで、リーダーポイントの精度を高めることができる。
そこで、例えば、グループが入店した店の100m以内において、第1端末装置16aが「8」回、第2端末装置16bが「2」回先頭に位置している場合には、ステップS200相当の処理を実行し、第1端末装置16aに「8」、第2端末装置16bに「2」だけリーダーポイントを加算する。この近傍エリアにおけるリーダーポイント追加処理は、ステップS200と同じ条件を再度実行してもよいし、異なる条件を設定してもよい。例えば、ステップS200において、先行頻度1回につき、「1」ポイントとしている場合、近傍エリアにおいて、同じ条件で加算をしてもよいし、先行頻度1回につき、「2」ポイント、あるいは「0.5」ポイントといったように、条件を変えてもよい。ステップS210、ステップS220についても、同様に、店の近傍エリアにおいて、リーダーポイント追加処理を行ってもよい。
次に、図12のフローチャートを用いて、集計処理部26の動作を説明する。図12は、情報提供装置10によるリーダーポイントの集計手順を示すフローチャートである。制御部30は所定のタイミングで集計処理部26に動作指示を与える。所定のタイミングとしては、例えば、1日1回、1時間に1回等の時間間隔で、バッチ処理的に集計処理部26を動作させる。あるいは、店舗運営者やショッピングモールの運営者が管理用クライアント18から所定の操作をしたときを所定のタイミングとし、それをトリガーにして、制御部30が集計処理部26を動作させてもよい。
まず、ステップS300において、集計処理部26は、集計対象となるリーダーポイントを特定する。第1の特定方法は、運営者が管理用クライアント18を使って指定した集計期間を用いる方法である。この方法は、運営者の所定の操作をトリガーとして、集計処理を実行する場合に適している。運営者は、集計開始日時と集計開始日時を指定し、その情報を管理用クライアント18から情報提供装置10に送信する。
第2の特定方法は、処理を実行する現在日時を集計終了日時とし、現在日時から所定期間さかのぼった期間を集計開始日時とする方法である。この方法は、所定の日時にバッチ処理として集計処理を実行する場合に適している。例えば、集計開始日時が「2015年1月1日 午前0時0分0秒」、集計終了日時が「2015年1月31日 午前8時59分59秒」である場合、集計処理部26は、図11に示すポイント履歴テーブル44を走査し、算出日時が集計開始日時以降であり、かつ集計終了日時以前であるデータを選択し、それを集計対象データとする。
次に、ステップS310において、集計処理部26は、集計対象データを店舗IDごとに集計する。具体的には、所定のルール(変換規則)を用いて、リーダーポイントの大きさに応じてカテゴリを決定し、カテゴリごとの人数をカウントする。例えば、各々の集計対象データのリーダーポイント(Rp)の値が「0.6以上」の場合に、「Rp大」というカテゴリに対応させ、「0.4以上、0.6未満」の場合に「Rp中」というカテゴリに対応させ、「0.4未満」の場合に「Rp小」というカテゴリに対応させる。あるいは、リーダーポイントが、ステップS120における第1の方法で算出された場合(正規化されていない場合)は、例えば、Rpの値が「120以上」の場合に「Rp大」というカテゴリに対応させる。さらに、「50以上、120未満」の場合に「Rp中」というカテゴリに対応させ、「50未満」の場合に「Rp小」というカテゴリに対応させる。そして、店舗IDごとに、3つのカテゴリそれぞれに対応する端末IDの数(ユーザ数と同等)をカウントする。以下では、このカテゴリを「リーダーポイントカテゴリ」または「Rpカテゴリ」と称する。
つまり、集計処理部26は、ポイント算出部42において算出したリーダーポイントを集計することによって、各アイテムに対するリーダーポイントを算出する。これをアイテムポイントとも称する。その際、リーダーポイントの大きさに応じたカテゴリが規定され、集計処理部26は、各アイテムに対するリーダーポイントをカテゴリごとに集計することによって、各アイテムに対するリーダーポイントのカテゴリ別の分布をアイテムポイントとして算出する。
なお、本実施例では、Rpカテゴリを3種類とするが、もちろん、これ以外のカテゴリ数を用いてもよい。例えば、図11に示す一例において、店舗IDが「S1」に対応するグループIDは、「G1」と「G7」の2つであり、「G1」に対応するリーダーポイントは、「0.2」、「0.5」、「0.3」であり、「G7」に対応するリーダーポイントは、「0.9」、「0.1」である。この5つのリーダーポイントを上記の基準でカテゴリに対応させると、「Rp大=1件」、「Rp中=1件」、「Rp小=3件」となる。この3つの情報の組み合せがアイテムポイントとなるが、この中の一部の情報(例えば、「Rp大=1件」)のみをアイテムポイントとして用いてもよい。
また、グループの人数に応じて、Rpカテゴリの分類基準(分類条件)を変更してもよい。1つのグループ内で、グループポイントの総和が「1」になるように正規化されている場合、グループの人数が多くなるほど、1人あたりのリーダーポイントの平均値(期待値)は小さくなる。このため、グループの人数が少ない場合には、Rp大とする条件を厳しく(Rp大に該当するしきい値を大きく)し、グループの人数が多い場合には、Rp大とする条件を緩く(Rp大に該当するしきい値を小さく)する。例えば、図13に示す基準を用いることができる。図13は、集計処理部26に記憶されたデータベースのデータ構造を示す。本図の例は、グループ人数が「2人」の場合に、リーダーポイント(Rp)が「0.8以上」であれば「Rp大」に対応させ、「0.4以上0.8未満」であれば「Rp中」に対応させ、「0.4未満」であれば「Rp小」に対応させることを示している。
また、ステップS310においてさらに、あるアイテムに係るリーダーポイントの代表値、ばらつき度合いを示す値などの統計値をアイテムポイントとして算出してもよい。代表値としては、平均値、中央値、最頻値のいずれかを用いることができる。リーダーポイントのばらつき度合いを示す値としては、標準偏差、分散、(最大値−最小値)、四分位範囲(第3四分位数−第1四分位数)などを用いることができる。具体的には、集計処理部26は、図11に示すポイント履歴テーブル44の少なくとも一部である集計対象データを対象にして、店舗IDごとに、リーダーポイントの代表値(例えば平均値)、およびリーダーポイントのばらつき度合いを示す値(例えば標準偏差)を算出すればよい。例えば、図11に示す一例において、店舗IDが「S3」に対応する5個のデータの平均値は、「(0.1+0.3+0.5+0.05+0.05)÷5=0.2」となる。また、標準偏差は、おおよそ「0.18」となる。
次に、ステップS320において、集計処理部26は、ステップS310で集計されたデータを店舗情報格納部28に格納する。図4に示す店舗情報テーブルの「Rp大」、「Rp中」、「Rp小」の列に、ステップS310で算出されたデータを格納する。本図に示す例では、1日あたりの来客数と、そのRpカテゴリごとの人数分布を格納している。なお、本図には示していないが、ステップS310において、あるアイテムに係るリーダーポイントの代表値及びばらつき度合いを示す値を算出した場合には、それらも格納する。また、店舗で提供する商品の価格帯に関する情報を格納してもよい。
次に、ステップS330において、集計処理部26は、店舗情報格納部28に格納したデータを用いて、管理用クライアント18に表示させるための表示用データを作成する。例えば、管理用クライアント18がWebブラウザを用いて表示を行う場合には、HTMLやスクリプト言語を用いて、表やグラフ等を表示するための表示用データを作成する。
次に、ステップS340において、制御部30は、ステップS330で作成された表示用データを、送受信部20を介して、管理用クライアント18に送信する。例えば、HTTP等のプロトコルを用いて、管理用クライアント18に搭載されたWebブラウザからのリクエストを受け付け、そのレスポンスとして、表示用データを送信すればよい。また、SMTP等のプロトコルを用いて、メール送信してもよい。このように、送受信部20は、集計処理部26において算出したリーダーポイントを出力する。
管理用クライアント18は、前述のごとく、情報提供装置10と通信可能に構成される。管理用クライアント18における受信部(図示せず)は、情報提供装置10から、リーダーポイントが示された表示用データを受信する。また、管理用クライアント18における制御部(図示せず)は、受信したデータを表示部に表示させる制御を行う。そのため、管理用クライアント18は、情報提供装置10から表示用データを受信すると、それに基づき、リーダーポイントに係る情報を表示部に表示する。
図14は、管理用クライアント18に表示される情報を示し、これは、管理用クライアント18におけるアイテムポイント情報の表示の一例である。本図は、所定期間に店舗S11〜S14の来店した顧客を分析した結果であり、Rpカテゴリ別の人数と、来店者の合計人数を表形式で示したものである。本図に示す例では、店舗S11と店舗S12はともに、来店者の合計が18人であるが、店舗S11は、「Rp大」の人数が最も多く、「Rp小」の人数が最も少ない。一方、店舗S12は、それとは対照的に、「Rp大」の人数が最も少なく、「Rp小」の人数が最も多い。「Rp大」の人は、店舗の選定する際に積極的に行動することが多いといえる。
また、店舗選定において、他の顧客への影響力が相対的に高いといえる。また、店舗に関する知識が多く、あらかじめ目的に店舗を決めて行動することが多いといえる。このようなタイプの人は、今後、友人・知人等をその店舗に連れて来たり、友人・知人等にその店を紹介したりする可能性が高い。すなわち、「Rp大」の来店者が多い店舗は、今後の新規顧客が増える可能性が高い。本図に示す例では、店舗S11と店舗S12の来店者数が同じであっても、店舗S11の方が、今後より来店者が増え、有望と予想できる。店舗運営者や、ショッピングモールの運営者は、このような店舗別のリーダーポイントの分布情報を容易に閲覧することができるため、店舗の改装、増床、仕入れ計画、ショッピングモールにおける店舗レイアウト変更などの判断を、より的確に精度よく行うことができる。
図15は、管理用クライアント18に表示される別の情報を示し、これは、図14に示したデータをグラフとして表示したものである。図14に比べて、さらに直感的に店舗ごとの性質の違いを把握することができる。例えば、店舗S14は、現状では来店者の絶対数が少ないが、「Rp大」の割合が多いため、今後は来店者数が増える可能性が高いと予想できる。
図16は、情報提供システム100での処理対象となるショッピングモールにおける店舗の配置図であり、それぞれの店舗の配置箇所に、ある特定の期間のRpカテゴリ別の来店者数が記載されている。本図の例では、Rp大の来店者数が100人以上である店舗は、S1、S4、S5に偏っていることが分かる。このような情報を提供することにより、ショッピングモールの運営者は、「店舗S2、S3、S6、S8において、Rp大の来店者数が相対的に少ない理由の1つは、店舗の配置である可能性がある」と判断できる。さらに運営者は、「S3とS5の店舗を入れ替えることにより、来店客の移動経路が変わることでS3や近辺の店舗の来客の増加が期待できる」等の判断をすることができる。
図17は、管理用クライアント18に表示されるさらに別の情報を示し、店舗ごとに、Rpカテゴリ別の来店者割合を示したグラフである。S1、S5、S10の3店舗が、相対的に「Rp大」の来店者割合が多く、今後、新規の来店者が増える可能性が高いと判断できる。また、この3店舗は、店舗選定の際に積極的に行動する人に好まれるという共通の性質を持っているため、3店舗で連携したキャンペーン等も有効と判断できる。例えば、店舗S1が混雑しているときに、店舗S5またはS10を来店者に紹介して誘導する、あるいは、3店舗相互で使えるクーポン券を発行するなどの施策が考えられる。なお、リーダーポイントに基づいて、クーポン券や優待サービスを提供する顧客(ユーザ)を選定してもよい。例えば、店舗S1に来店した顧客の中で、リーダーポイントが特定の条件を満たす顧客を対象にしてクーポン券を提供してもよい。例えば、「Rp大」の顧客やリーダーポイントが「0.6」以上の顧客などを対象にしてクーポン券を提供してもよい。リーダーポイントの高い顧客は、その顧客の友人・知人等にその店を紹介する可能性が高いため、より多くの新規顧客が増える効果が期待でき、効率的なプロモーション活動が可能になる。
図18(a)−(b)は、管理用クライアント18に表示されるさらに別の情報を示し、これらは、リーダーポイントの分布情報を表示する別の一例である。ここで、図18(a)はグラフ表示を示し、図18(b)はテーブル表示を示す。このような表示を行うためには、図4に示す店舗情報テーブルにおいて、ジャンルごとに、Rpカテゴリ別に人数を集計すればよい。図18(a)−(b)は、店舗別ではなく、ショッピングモール等の特定のエリアにある店舗を対象に、料理のジャンル別に、リーダーポイントの分布を示している。本図では、「和食」、「フレンチ」、「エスニック」の3つのジャンルにおいて、「Rp大」の割合が高い。このため、この3つのジャンルは、相対的に、今後の新規顧客が増える可能性が高いと予想される。ショッピングモールの運営者は、この3つのジャンルの店舗を増やす等、今後の事業計画作成に、このような情報を活用することができる。また、この3つのジャンルの店舗で、相互に顧客を誘導する等のキャンペーンも有効と考えられる。
図19(a)−(b)は、管理用クライアント18に表示されるさらに別の情報を示し、これらは、複数の店舗を集計し、店舗で扱う商品の価格帯別に、リーダーポイントの分布情報を表示する一例である。ここで、図19(a)はグラフ表示を示し、図19(b)はテーブル表示を示す。この価格帯は、例えば、飲食店のメニューの中心的な価格帯を示す。本図において、「2500円〜10000円」の価格帯の商品を扱う店舗は、他の価格帯の商品を扱う店舗に比べて、「Rp大」の割合が高い。従って、ショッピングモールの運営者は、今後、「2500円〜10000円」の価格帯の商品を扱う店舗を増やすことがショッピングモールの売上増につながる可能性がある、といった判断ができる。
なお、グループが入店した後、店内における端末装置16の位置情報を収集し、管理用クライアント18に提供してもよい。例えば、店内における端末装置16の位置情報を図3に示す位置情報テーブルに継続して記録する。そして、ポイント履歴テーブル44からグループが入店した店舗に該当するデータを抽出し、端末IDをキーとして、位置情報テーブルと結合させることにより、端末装置16の位置情報と、端末装置16のリーダーポイントを関連付けることができる。なお、この場合は、集計処理部26における集計処理を省略し、今回の入店に関連するリーダーポイント(1回のグループ行動におけるリーダーポイント)のみを関連付けてもよい。あるいは、集計処理部26において過去1週間や過去1カ月における端末装置16のリーダーポイント代表値(平均値、中央値、最頻値など)を算出して関連付けてもよい。
集計処理部26は、店内地図の上に各端末装置16のリーダーポイントを表示する表示用データを作成する。そして、制御部30が、送受信部20を介して、表示用データを管理用クライアント18に送信する。グループが入店した店舗の店員は、このような情報を閲覧することにより、現在店内にいる顧客の誰がどの程度のリーダーポイントを持っているかを把握することができる。そして、リーダーポイントの高い人にメニューやワインリストを優先的に渡す等、顧客サービスの向上と効率化を図ることができる。
本実施例においては、位置情報管理部22に格納された端末装置16の緯度、経度情報を用いて、リーダーポイントを算出する方法を説明したが、別の方法を用いることもできる。例えば、ショッピングモールや商店街に設置された監視カメラの画像・映像を解析し、画像認識の手法を用いて、ステップS100、S110に相当する処理を行ってもよい。この場合、ユーザは端末装置16を持ち歩く必要がない。また、緯度、経度情報は必ずしも必要なく、グループ内メンバーの相対的な位置関係や、相対的な移動情報を取得できればよい。また、ショッピングモールや商店街の通路に設置された監視カメラと、店舗入り口に設置された監視カメラとを連携させて、顔認識技術を用いることにより、入店時のどの人のリーダーポイントが高いか、どの人のリーダーポイントが低いかを店員が知ることができる。そのような情報を知ることにより、リーダーポイントの高い人にメニューやワインリストを優先的に渡す等、顧客サービスの向上と効率化を図ることができる。
また、店内におけるグループ行動履歴を取得し、商品選択に係る影響力を推定してもよい。例えば、あるメンバーが購入した商品の棚に最初に到着したメンバーを特定し、そのメンバーのリーダーポイントを加算する等の処理を行って、商品選択に係るリーダーポイント(影響力値)を算出してもよい。すなわち、本実施の形態に係る発明によれば、選択対象物が店舗の場合に限らず、商品など含む、アイテムの選択(選定)に係るリーダーポイント(影響力値)を算出することができる。
また、商品選択に係るリーダーポイントを算出した後、商品別にリーダーポイントカテゴリごとの購入者数を集計してもよい。例えば、図15に示した店舗別の表示を、商品別に変えて表示すればよい。そのような情報を提供することにより、店舗運営者は、「Rp大の割合の多い商品は、今後需要が伸びる可能性が高い」等の予想をすることができる。
また、上述の説明では、集計処理部26が、ポイント算出部42において算出したリーダーポイントを集計することによって、各アイテムに対するリーダーポイントを算出したが、別の方法を用いてもよい。例えば、図11に示すポイント履歴テーブル44から、特定のアイテムに関連するリーダーポイントを抽出し、そのアイテム(そのアイテムに係る情報)に対応させて、抽出したリーダーポイントの一覧を管理用クライアント18に提供し、表示させてもよい。例えば、図11に示す一例において、店舗IDが「S1」に対応するリーダーポイントは、「0.2」、「0.5」、「0.3」、「0.9」、「0.1」の5個であるが、この5個のリーダーポイントの一覧リストを店舗「S1」に関連付けて表示するようにしてもよい。この場合は、集計処理部26を省略することができる。なお、アイテムに係る情報としては、店舗ID、店舗名、店舗の住所、店舗の電話番号などを用いることができる。アイテムに関連するリーダーポイントの数が少ない場合などには、リーダーポイントを集約した情報よりも、集約しない生のデータの提供した方が、店舗運営者にとって有益な場合があるため、そのような場合には、このようにポイント履歴テーブル44に格納された個々のリーダーポイントの情報を提供するとよい。
本実施例によれば、位置情報の時系列データに基づいて、グループを形成するので、行動をともにする複数の主体をグループ化できる。また、グループ化が自動的になされるので、ユーザに対する利便性を向上できる。また、位置情報の時系列データに基づいて、グループ内の主体の影響力が高いとされる所定の行動パターンに合致する度合いを示す特徴行動量を算出してからリーダーポイントを算出するので、グループ内のユーザの影響力を考慮したリーダーポイントを導出できる。
顧客および店舗の運営者等に負担をかけることなく、アイテム(店舗または商品)の選択に係るグループ内メンバーの影響力を推定したリーダーポイントをアイテムごとに集計した情報(アイテムポイント)を店舗運営者等に提供できる。これにより、店舗運営者等に対して、従来にない新しい切り口で、個々のアイテムの持つ性質を鮮明に伝えることができる。例えば、「リーダーポイントの高い顧客に利用されたアイテムは、今後さらに需要の増加が見込める」等の需要予測に役立つ情報を提供できる。また、「リーダーポイントの高い顧客は、他者への影響力が強いと推定されるため、リーダーポイントの高い顧客をターゲットに宣伝、優待等のプロモーションを行うのが効率的である」等の販売促進戦略に役立つ情報を提供できる。また、「リーダーポイントの分布パターンの類似する店舗同士は、顧客層が類似すると判定できるため、そのような店舗間で相互に顧客を誘導したり、複数の店舗を連携させたキャンペーンを実施したりすると、地域全体の売上増に効果的である」等の複数の店舗連携に役立つ情報を提供できる。また、「入店した顧客グループの中で、リーダーポイントの高い顧客は誰か」等の顧客サービスの向上と効率化に役立つ情報を提供できる。
また、位置情報の時系列データにおける主体の移動パターンが、所定の行動パターンに合致する回数、合致する時間、合致する移動距離、合致する確率、のうちの少なくとも1つを特徴行動量として算出するので、行動パターンの合致度にあった特徴行動量を導出できる。また、特徴行動量が多いほど、高い値となるようにリーダーポイントを算出するので、行動パターンの合致度に応じたリーダーポイントを導出できる。また、所定の行動パターンは、グループの移動方向を基準にして、グループの先頭から所定順位の位置に主体が位置するパターンであるので、グループ中のユーザが存在する位置に応じたユーザの影響力を高い精度で推定できる。また、所定順位が高いほど、高くなるようなリーダーポイントを算出するので、グループの先頭部分に存在するユーザの影響力が大きいと推定できる。
また、所定の行動パターンは、グループが複数に分割してから合流した場合に、合流後に移動する方向に分割時から主体が移動しているパターンであるので、ユーザの影響力を高い精度で推定できる。また、グループが複数に分割したときの小グループに含まれる主体の数に基づいて、リーダーポイントを算出するので、影響力の大きさを高い精度で推定できる。また、所定の行動パターンは、主体が停止した場合に、当該停止に追従して他の主体も停止するパターンであるので、主体が停止する際の影響力を推定できる。また、停止に追従して停止した他の主体の数に基づいて、リーダーポイントを算出するので、影響力の大きさを高い精度で推定できる。また、グループに含まれた主体の数に応じて、リーダーポイントを算出するので、影響力の大きさを高い精度で推定できる。
(実施例2)
次に、実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様に、情報提供システムに関する。実施例2に係る情報提供装置10も、複数の端末装置16の位置情報を使用してグループを形成するとともに、グループ内の各ユーザの影響力を推定するが、各ユーザの影響力を推定する際に、ユーザの属性情報も使用する。実施例2に係る情報提供システム100は、図1と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。
図20は、本発明の実施例2に係る情報提供装置10の構成を示す。情報提供装置10は、図2と同様に構成されるが、グループ情報処理部24は、ユーザ情報格納部32に記憶されたデータベースを参照可能に構成される。ポイント算出部42は、位置情報だけでなく、主体に対応したユーザの属性情報(年齢、性別など)を使用してグループ内の影響力を推定することによって、リーダーポイントを算出する。ユーザ情報格納部32は、ユーザ属性情報を格納する。
図21は、ユーザ情報格納部32に記憶されたデータベースのデータ構造を示す。端末ID(またはユーザID)と、生年月日、性別、勤務先、役職、年収、今月の小遣い、などのユーザ属性項目が関連付けられながら格納されている。これは、一例であり、これ以外のユーザ属性項目のデータが格納されてもよいし、一部の属性項目のみが格納されてもよい。図20に戻る。
実施例1におけるポイント算出部42は、位置情報に基づくリーダーポイントを算出したが、実施例2におけるポイント算出部42は、それに加えて、ユーザ属性情報に基づくリーダーポイントを算出する。さらに、ポイント算出部42は、2つのリーダーポイントを用いて、総合的なリーダーポイントを算出する。以下では、端末装置16iの位置情報に基づくリーダーポイントをPg[i]、ユーザ属性情報に基づくリーダーポイントをPh[i]、総合的なリーダーポイントをP[i]とする。ポイント算出部42は、ユーザ属性情報に基づくリーダーポイントPh[i]を以下に示す方法で算出する。
第1の方法は、ユーザ属性項目毎に設定されたルールに基づき算出する方法である。例えば、一般的には、年齢が高いユーザの影響力が高いので、生年月日に基づいて、Ph[i]を算出することができる。具体的には、ポイント算出部42は、グループ内ユーザの生年月日に基づき、年齢が高いほど大きな値のリーダーポイントを付与する。例えば、ポイント算出部42は、年齢が1番高いユーザに「10」、年齢が2番目に高いユーザに「7」、年齢が3番目に高いユーザに「5」のリーダーポイントを付与する。また、ポイント算出部42は、付与するリーダーポイントの最大値を1として、0より大きく、1以下の値のリーダーポイントを年齢に応じて付与するようにしてもよい。また、ポイント算出部42は、年齢の順位が1つ異なる人と、年齢差が所定値以下である場合は、年齢差を無視して同じリーダーポイントを付与する等のルールを入れてもよい。
また、ポイント算出部42は、役職が高いほど、大きなリーダーポイントを付与する等のルールを用いてもよい。例えば、社長に「10」、部長に「5」、課長に「2」等のリーダーポイントを付与する。また、ポイント算出部42は、年収や今月の小遣いの金額に応じてリーダーポイントを算出してもよい。例えば、年収が高い人ほど影響力が高い傾向があるため、年収に所定係数(0.1%等)を乗じた値をPh[i]とすることができる。また、ポイント算出部42は、年収が1番多い人に「10」、2番目の人に「8」等のリーダーポイントを付与してもよく、年収の順序に応じて、所定のリーダーポイントを付与してもよい。今月の小遣いについても同様であるが、今月の小遣いの方が、飲食店等で各人が使える金額を正確に表す場合もあるため、年収を使うよりも正確に影響力を推定できる場合がある。また、ポイント算出部42は、性別に基づいてリーダーポイントを算出してもよい。
第2の方法は、複数のユーザ属性項目を用いて、ユーザ属性項目毎に算出されるリーダーポイントを加算する方法である。つまり、ポイント算出部42は、ユーザの属性情報に含まれた複数の項目に基づいてリーダーポイントを算出する。まず、ポイント算出部42は、生年月日に関して、第1の方法で述べた「年齢が高いほどリーダーポイントが高くなる」ルールを用いて、生年月日に関するリーダーポイントPh[1][i]を算出する。次に、ポイント算出部42は、役職に関して、第1の方法で述べた「役職が高いほどリーダーポイントが高くなる」ルールを用いて、役職に関するリーダーポイントPh[2][i]を算出する。このようにして、ポイント算出部42は、L個のユーザ属性項目に対して、Ph[l][i](l=1〜L、i=1〜N)を算出し、次のように、ユーザ属性情報に基づくリーダーポイントPh[i]を算出する。ここで、w[l](l=1〜L)は、ユーザ属性項目毎に定まる所定の重み係数であり、w[l]>0である。
第3の方法は、複数のユーザ項目の組合せを用いて設定されたルールに基づき算出する方法である。例えば、ポイント算出部42は、生年月日が所定の範囲にあり、かつ所定の性別のユーザのリーダーポイントを相対的に高く算出する。例えば、特定の年齢層の女性は、飲食店への要求レベルが高い傾向にあるため、生年月日が所定の範囲であり、性別が女性のユーザに対して、所定のリーダーポイントを付与して、そのようなユーザの嗜好がグループの意思決定に反映され易くする。この第3の方法を単独で用いてもよいし、他の方法と組み合せてもよい。例えば、ポイント算出部42は、まず式(1)にしたがって、リーダーポイントを算出し、次に生年月日が所定の範囲にあり、かつ所定の性別のユーザに対して、「10」のリーダーポイントを加算する等の処理を行ってもよい。
第4の方法は、ユーザの所属する組織を考慮したルールを用いる方法である。その際、ポイント算出部42は、ユーザ情報格納部32に記憶された情報を参照する。図22は、ユーザ情報格納部32に記憶された別のデータベースのデータ構造を示す。これは、会社間の取引関係を示す。ここは、X社がY社に仕事を発注し、さらにY社がZ社に仕事を発注している状況を示している。一般的には、発注先の会社の人が、発注元の会社の人の嗜好に合わせて、レストラン等の店を選ぶことが多いため、そのような傾向をリーダーポイントに反映させる。図21、図22に示す例では、勤務先=Xのユーザのリーダーポイントが最も高く、次に勤務先=Yのユーザのリーダーポイントが高く、勤務先=Zのユーザのリーダーポイントが最も低くなる。また、勤務先が同じユーザが複数存在する場合、それらのリーダーポイントを同じ値にしてもよいし、生年月日、性別、役職などの属性項目を用いて、差をつけてもよい。
第5の方法は、生年月日と処理を行う月日(現在日時)との関係を用いる方法である。例えば、リーダーポイントを算出する年月日が2015年5月3日であり、生年月日が1979年5月3日のユーザがグループに存在する場合、その人のお誕生会等が行われる可能性があるため、ポイント算出部42は、その人のリーダーポイントを通常よりも高く算出する。すなわち、ポイント算出部42は、処理を行う日が誕生日または誕生日の近傍に該当するユーザのリーダーポイントを相対的に高く算出する。このようにポイント算出部42は、処理を実行する日付とユーザの属性情報との関係に応じてリーダーポイントを算出する。
第6の方法は、性別と処理を行う月日(現在日時)との関係を用いる方法である。例えば、リーダーポイントを算出する現在日時が2015年3月14日のホワイトデーである場合、男性が女性の嗜好に合わせて飲食店を選ぶ可能性が高いので、ポイント算出部42は、女性のリーダーポイントを通常よりも高く算出する。なお、ポイント算出部42は、上述した第1〜第6の方法は、いずれか1つを単独で用いてもよいし、複数の方法を組み合せて使ってもよい。
次に、ポイント算出部42は、総合的なリーダーポイントP[i]を次のように算出する。
ここで、実施例1で説明した端末iの位置情報に基づくリーダーポイントをPg[i]、ユーザ属性情報に基づくリーダーポイントをPh[i]と示す。また、α1、α2は、α1>0、α2>0を満たす所定の係数である。つまり、ポイント算出部42は、位置情報に基づくリーダーポイントとユーザ属性情報に基づくリーダーポイントとの重み付き加算を実行する。なお、α1=1、α2=1として、位置情報に基づくリーダーポイントとユーザ属性情報に基づくリーダーポイントとの和(加算値)を総合的なリーダーポイントとしてもよい。
また、ポイント算出部42は、総合的なリーダーポイントP[i]を次のように算出してもよい。
ここで、γ1、γ2は、γ1>0、γ2>0を満たす所定数である。すなわち、Pg[i]を基数とし、γ1を指数とする累乗値と、Ph[i]を基数とし、γ2を指数とする累乗値との積(乗算値)をP[i]とする。Pg[i]をPh[i]に強く反映させたい場合は、γ1を大きな値にし、Ph[i]をPh[i]に強く反映させたい場合は、γ2を大きな値にするとよい。なお、γ1=1、γ2=1として、位置情報に基づくリーダーポイントとユーザ属性情報に基づくリーダーポイントとの積(乗算値)を総合的なリーダーポイントとしてもよい。ポイント算出部42が、式(2)または式(3)に基づいて、総合的なリーダーポイントをP[i]を算出した後、実施例1と同様な処理が実行されればよい。
実施例1と同様に、情報提供装置10が表示用データを作成し、管理用クライアント18に送信する。管理用クライアント18は、以下に説明するようなグラフや表を表示することができる。図23は、本発明の実施例2に係る管理用クライアント18に表示される情報を示し、これは、ある店舗の来店者を性別・年代別に分類し、さらにリーダーポイントカテゴリ別に人数を集計した結果を表形式で表示する一例である。集計処理部26が、図21に示すユーザ属性テーブルと、図11に示すポイント履歴テーブル44とを、端末IDをキーにして結合し、項目別に集計することで、この表を表示するデータが得られる。
図24は、本発明の実施例2に係る管理用クライアント18に表示される別の情報を示し、これは、図23のデータをグラフで表示した例である。グラフ表示することで、より直感的に店舗の特性を把握し易くなる。このグラフから、リーダーポイントの高い購入者の割合が高い層が10代女性と30代男性であることが分かる。リーダーポイントの高い顧客はより新規客を呼び込んでくる可能性が高いことから、10代女性および30代男性をターゲットとしたプロモーションの効果が高いと考えられる。一方、リーダーポイントの低い人は、他者の意見や提案を受容し、それに従う傾向が相対的に強いと考えられる。特に、著名人の発言に比較的影響を受け易いと予想される。本図に示す例では、30代女性ではリーダーポイントが低い購入者の割合が高い。このため、30代女性に人気のある著名人を広告に起用したり、この店舗の情報を発信したりしてもらうことが、この店舗の売上を増やす上で効果的な施策と判断できる。
図25は、本発明の実施例2に係る管理用クライアント18に表示されるさらに別の情報を示し、これは、関東エリアに立地する、全国的に有名なある店舗の来店者を居住地域別に分類し、さらにリーダーポイントカテゴリ別に人数を集計し、表形式で表示した一例である。このようなデータも、集計処理部26が、ユーザ属性テーブルと、ポイント履歴テーブル44とを、端末IDをキーにして結合し、項目別に集計することで得られる。
図26は、本発明の実施例2に係る管理用クライアント18に表示されるさらに別の情報を示し、これは、図25と同じデータをグラフで表示した例である。ショッピングモールなどの施設は、近隣の住民のみならず遠方からの来店者の呼び込みも重要であるが、全国に広告を展開するためにはコストが高くなってしまう。そこで、近隣の地域と比べて遠方からの来店者は相対的に人数が少ないが、例えば、四国からの来場者はリーダーポイントが高い人の割合が多いことから、四国をターゲットにしたプロモーションを行うことが、遠方からの来場者を増やす上で、最も効率がよいと判断できる。
本実施例によれば、主体に対応したユーザの属性情報に応じてもリーダーポイントを算出するので、グループ内のユーザの影響力の推定精度を向上できる。また、ユーザの属性情報に含まれた複数の項目に基づいてリーダーポイントを算出するので、推定精度を向上できる。また、処理を実行する日付とユーザの属性情報との関係に応じてリーダーポイントを算出するので、処理を実行する日付を考慮しながら影響力を推定できる。また、端末装置の位置情報の他に、端末装置を使用するユーザの属性情報を用いて、より高い精度でリーダーポイントを算出できるため、店舗運営者やショッピングモールの運営団体により効果的な情報を提供できる。また、ユーザの属性情報を用いることにより、店舗選定や商品選定に係るグループ内メンバーの影響力をリーダーポイントとして精度よく数値化できる。また、ユーザの属性情報と、リーダーポイントとを自由自在に組み合わせた集計が可能になるため、従来にない視点で来店者や購入者の傾向を分析することができる。このため、プロモーションの行い方やターゲット選定の精度を高めることができる。
(実施例3)
次に、実施例3を説明する。実施例3は、これまでと同様に、情報提供システムに関する。実施例3に係る情報提供装置10も、実施例2と同様に、複数の端末装置16の位置情報を使用してグループを形成するとともに、グループ内の各ユーザの影響力を推定する。実施例3は、グループが家族である場合を想定する。実施例3に係る情報提供システム100、情報提供装置10は、図1、図20と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。
まず、ステップS100においてグループを形成する際に、ユーザ属性情報を用いることにより、グループ形成の精度を向上させる。また、グループ形成部40は、主体に対応したユーザの属性情報に応じて、グループを形成するための条件を変更する。ユーザの属性情報は、ユーザ情報格納部32に記憶されている。
図27は、本発明の実施例3に係るユーザ情報格納部32に記憶された別のデータベースのデータ構造を示す。図示のごとく、家族単位で端末IDが登録されている。図20に戻る。グループ形成部40は、家族単位で端末IDが登録されている場合、これらの端末装置16を1つのグループと判定する条件を、通常に比べて緩和する。例えば、所定時間以上、所定の距離以内に存在する端末装置16を1つのグループとして判定する場合、グループ形成部40は、端末間の距離のしきい値を通常よりも長くしたり、所定時間を短くしたりする。家族は共通の目的地に向かって、一緒に行動する可能性が高いという仮定に基づく処理である。例えば、目的地に向かう過程において、一時的に子供が先に離れて行ってしまっても、グループ行動である判定を維持して、適切な情報提供をすることができる。
次にステップS110において、ポイント算出部42は、図27に示したデータベースに登録された生年月日と続柄を用いて、所定年齢以下(例えば、小学生以下)の子供の位置情報に基づくリーダーポイントを親よりも低くする処理を行う。例えば、ポイント算出部42は、グループの先頭に子供が位置する回数が多くても、位置情報に基づくリーダーポイントにあまり反映しない処理を行う。具体的には、ポイント算出部42は、所定年齢以下の子供の端末装置16に対して、先頭位置が観測された回数に0.1を乗じたり、リーダーポイント算出に使う先頭位置の回数に上限を設けたりする等の制御処理を行う。小さい子供は衝動的、突発的に行動することが多いが、このような制御処理を行うことにより、位置情報に基づくリーダーポイントを精度よく算出できる。
また、ポイント算出部42は、一般的に、家庭内における母親の影響力が最も強いため、母親のリーダーポイントを最も大きくする処理を行ってもよい。また、ポイント算出部42は、処理を行う月日(現在日時)と家庭内の続柄との関連性を用いて算出してもよい。例えば、リーダーポイントを算出する現在日時が2015年6月21日であり、父の日に相当する場合、ポイント算出部42は、父親のリーダーポイントを通常よりも高く算出してもよい。
また、ユーザ属性情報にグループにおけるメンバーの種別(役割)に関する情報を格納し、ポイント算出部42は、その情報を用いてリーダーポイントを算出してもよい。例えば、団体旅行におけるツアーガイドは、グループの先頭に位置する頻度が高いため、ユーザ属性情報に「ガイド」、「顧客」等のメンバー種別を格納し、「ガイド」のリーダーポイントを低減する、あるいはリーダーポイント算出対象から除外する等の処理を行ってもよい。
本実施例によれば、主体に対応したユーザの属性情報に応じて、グループを形成するための条件を変更するので、家族等の事情に適したグループを形成できる。また、家族構成に応じてリーダーポイントを算出するので、家族内での影響力を高い精度で推定できる。
(実施例4)
次に、実施例4を説明する。実施例4は、これまでと同様に、情報提供システムに関する。実施例1において、各アイテムに対するリーダーポイントのカテゴリ別の分布(頻度)、各アイテムに対するリーダーポイントの代表値や、ばらつき度合いを示す値などの統計値が算出されている。一方、実施例4では、各端末装置16(または各ユーザ)ごとのリーダーポイントの統計値を算出し、それに基づいて、各アイテムに対するアイテムポイントを算出する。実施例4に係る情報提供システム100、情報提供装置10は、図1、図20と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。
図20の集計処理部26は、所定のタイミングで、ポイント履歴テーブル44を走査し、端末IDごとに以下の指標、つまりリーダーポイントを集約した指標(統計値)を算出する。所定のタイミングとしては、1日1回、1時間に1回等の所定の時間間隔でもよいし、ポイント履歴テーブル44に新規データが登録されたタイミングでもよい。また、ポイント履歴テーブル44に格納された全データを対象に処理を行ってもよいし、所定期間(直近の1カ月分など)に該当するデータのみを対象にしてもよい。
(1)リーダーポイントの代表値
集計処理部26は、端末装置16ごとのリーダーポイントの代表値を算出する。代表値としては、平均値、中央値、最頻値のいずれかを用いることができるが、以下の説明では、平均値を用いるものとする。例えば、ポイント履歴テーブル44に、ある端末装置16(第X端末装置16x)のリーダーポイントが3つ記録されており、それぞれ「0.6」、「0.4」、「0.2」である場合、平均値は、「(0.6+0.4+0.2)÷3=0.4」となる。あるいは、グループの人数に応じてリーダーポイントを補正した後に平均値を算出してもよい。1つのグループ内で、リーダーポイントの総和が「1」になるように正規化されている場合、グループの人数が多くなるほど、1人あたりのリーダーポイントの平均値(期待値)は小さくなる。また、正規化されていない場合であっても、グループの人数が多くなると、各メンバーがグループの先頭に位置する頻度が少なくなるため、1人あたりのリーダーポイントは小さくなる傾向がある。
このため、グループ人数が多い場合には、リーダーポイントの値を増やす等の補正処理を行う。例えば、あるグループの人数が5人以上〜8人未満である場合に、リーダーポイントを「1.25倍」し、8人以上〜12人未満の場合に、リーダーポイントを「1.5倍」し、12人以上である場合に、リーダーポイントを「2.0倍」する。上述の第X端末装置16xのリーダーポイントが算出されたときのグループ人数がそれぞれ「3人」、「6人」、「12人」であったとすると、「(0.6+0.4×1.25+0.2×2.0)÷3=0.5」が、平均値(補正付き平均値)となる。
(2)リーダーポイントのばらつき度合いを示す値
集計処理部26は、第X端末装置16xのリーダーポイントのばらつき度合いを示す値を算出する。例えば、標準偏差、分散、(最大値−最小値)、四分位範囲(第3四分位数−第1四分位数)などを用いることができるが、以下の説明では標準偏差を用いるものとする。
(3)リーダーポイントカテゴリ別の度数(頻度)
ステップS310と同様に、集計処理部26は、所定のルールを用いて、リーダーポイントをリーダーポイントカテゴリに対応させ、端末装置16(ユーザ)ごとにカテゴリ別のデータ数(度数、頻度)を算出する。なお、ステップS310で述べたように、グループの人数に応じて、分類基準を変更してもよい。
(4)リーダーポイントカテゴリ別の相対度数
集計処理部26は、(3)で算出されたリーダーポイントカテゴリ別の度数を相対化する。具体的には、端末装置16(ユーザ)ごとに、度数の合計が「1」になるような相対度数を算出する。例えば、第X端末装置16xのカテゴリ別の度数が、「Rp大=8」、「Rp中=12」、「Rp小=5」である場合、それぞれの相対度数は、「Rp大=8÷(8+12+5)=0.32」、「Rp中=12÷(8+12+5)=0.48」、「Rp小=5÷(8+12+5)=0.2」となる。
なお、集計処理部26は、上述した(1)〜(4)の指標を、端末装置16と店舗ジャンルとの組み合せごとに算出してもよい。店舗IDをキーにして店舗情報テーブルとポイント履歴テーブル44とを結合させることにより、そのような算出が可能になる。例えば、ある端末装置16(第X端末装置16x)について、「(第X端末装置16x、和食)のRp代表値=0.2」、「(第X端末装置16x、洋食)のRp代表値=0.5」、「(第X端末装置16x、中華)のRp代表値=0.3」、といった指標を算出してもよい。(2)のリーダーポイントのばらつき度合いを示す指標についても同様である。
また、集計処理部26は、(4)のカテゴリ別の相対度数として、端末装置16と店舗ジャンルとの組み合せごとに、度数の総和が「1」になるような相対度数を算出すればよい。例えば、「(第X端末装置16x、和食)のRp大の相対度数=0.1」、「(第X端末装置16x、和食)のRp中の相対度数=0.4」、「(第X端末装置16x、和食)のRp小の相対度数=0.5」、「(第X端末装置16x、洋食)のRp大の相対度数=0.4」、「(第X端末装置16x、洋食)のRp中の相対度数=0.4」、「(第X端末装置16x、洋食)のRp小の相対度数=0.2」、などと算出すればよい。
集計処理部26は、上述した方法で各指標を算出し、その結果を集計処理部26内部のユーザ別ポイント集計テーブル46に格納する。図28は、本発明の実施例4に係るユーザ別ポイント集計テーブル46のデータ構造を示す。図示のごとく、端末ID(ユーザID)と、上述した(1)〜(4)のそれぞれの指標とを関連付けて格納している。図29は、本発明の実施例4に係る別のユーザ別ポイント集計テーブル46のデータ構造を示す。本図は、端末装置16と店舗ジャンルとの組み合せごとに、それぞれの指標を算出し、格納した一例である。
さらに集計処理部26は、各店舗のPOSデータなどに基づき、図30に示すような購入履歴テーブル48を作成し、格納する。図30は、本発明の実施例4に係る購入履歴テーブル48のデータ構造を示す。本図に示すように、店舗IDと、端末ID(ユーザID)と、商品IDと、数量と、購入日時とを関連付けて格納している。端末ID(ユーザID)は、店舗のレジにおいて、近距離無線通信を使って端末装置16から取得してもよいし、あらかじめ顧客のポイントカードと連携させておき、取得してもよい。店舗運営者は、購入履歴テーブル48により、誰が、いつ、どこで、何を、どれだけ購入したかを把握することができる。
このように集計処理部26は、ポイント算出部42において算出した端末IDごとのリーダーポイントの統計値、例えば平均値等を集計することによって、各アイテムに対するアイテムポイントを算出する。さらに、集計処理部26は、ユーザ別ポイント集計テーブル46と、購入履歴テーブル48とに基づいて、管理用クライアント18に表示させるための表示用データを作成する。そして、制御部30が、送受信部20を介して、表示用データを管理用クライアント18に送信する。
管理用クライアント18は、情報提供装置10から表示用データを受信すると、それに基づき、リーダーポイントに係る情報を表示部に表示する。図31は、本発明の実施例4に係る管理用クライアント18に表示される情報を示し、これは、リーダーポイント情報の表示の一例である。店舗別のリーダーポイントの平均値(Rp平均値)と、リーダーポイントの標準偏差(Rp標準偏差)を示す表である。このデータは、端末IDをキーにして、ユーザ別ポイント集計テーブル46と、購入履歴テーブル48とを結合することにより作成することができる。例えば、図30に示す購入履歴テーブル48の一例において、店舗「S3」を端末ID「A」、「B」の2台が利用しており、図28に示す一例のように、端末ID「A」、「B」のRp平均値がそれぞれ「0.2」、「0.5」である場合、それらの平均値「(0.2+0.5)÷2=0.35」を、店舗「S3」のアイテムポイントとして算出できる。すなわち、端末装置16ごとのリーダーポイントの平均値に基づいて、各アイテムに対するアイテムポイントを算出することができる。なお、1つの端末装置16が1つの店舗を複数回利用している場合に、その利用回数を考慮して平均値を算出してもよいし、考慮しなくてもよい。例えば、利用回数の多い端末装置16ほど大きな重み係数となるように加重平均を算出してもよい。あるいは、利用回数に関わらず、全ての端末装置16の重み係数を「1」として平均値を算出してもよい。また、購入した商品数量を考慮して平均値を算出してもよい。次に、このように算出した平均値を用いて、店舗ごとにリーダーポイントの標準偏差を算出する。例えば、上述の一例において、店舗「S3」の標準偏差を算出すると、「SQRT(((0.2−0.35)^2+(0.5−0.35)^2)÷2)=0.15」となる。なおここで、「SQRT」は平方根を、「^2」は2乗を表す。また、簡易的に処理を行う場合には、端末装置16ごとの標準偏差の平均値を算出し、それをリーダーポイントの標準偏差の近似値と見なす処理を行ってもよい。
店舗S21は、店舗S22に比べて、来店した顧客(商品購入した顧客)のリーダーポイントの平均値が高いことが分かる。また、店舗S23と店舗S24を比べると、Rp平均値は同じであるが、S23の方が、Rp標準偏差が小さいことが分かる。このデータから、S24の顧客は、S23の顧客に比べて、リーダーポイントのばらつきが少ないことが分かる。すなわち、S24の顧客は、S23の顧客に比べて、リーダーポイントがその時々であまり変わらず、安定しているといえる。図32は、本発明の実施例4に係る管理用クライアント18に表示される別の情報を示し、これは、図31に示したデータをグラフ形式で表示した例である。このようなグラフ表示により、店舗運営者は、店舗同士の特性の違いをより直感的に把握できる。
図33は、本発明の実施例4に係る管理用クライアント18に表示されるさらに別の情報を示し、これは、商品別のリーダーポイントカテゴリの分布を表形式で表示した一例である。図34は、本発明の実施例4に係る管理用クライアント18に表示されるさらに別の情報を示し、これは、図33と同じデータをグラフで表示した一例である。このデータは、端末IDをキーにして、ユーザ別ポイント集計テーブル46と、購入履歴テーブル48とを結合し、商品ID別に、ユーザ別ポイント集計テーブル46のカテゴリ別度数またはカテゴリ別相対度数を集計して得られる。具体的には、「Rp大」、「Rp中」、「Rp小」のカテゴリ別に度数(または相対度数)を合計し、さらに、商品ごとの度数の総和が「1」になるように相対化する。すなわち、ユーザ別ポイント集計テーブル46に記録されている、端末ID(ユーザID)と所定のカテゴリとの組み合せごとにリーダーポイントを集計した値を、さらにアイテムごとに集計することにより、アイテムポイントを算出できる。
例えば、商品I2を購入した顧客がC、D、Eの3人であり、それぞれのカテゴリ別度数が「CのRp大=10」、「DのRp大=20」、EのRp大=5」、「CのRp中=20」、「DのRp中=10」、「EのRp中=20」、「CのRp小=5」、「DのRp小=0」、「EのRp小=10」であるものとする。この場合、「Rp大の合計=10+20+5=35」、「Rp中の合計=20+10+20=50」、「Rp小の合計=5+0+10=15」となる。そして、それぞれを相対化すると、「Rp大の相対値=35÷100=0.35」、「Rp中の相対値=50÷100=0.5」、「Rp小の相対値=15÷100=0.15」となる。他の商品についても同様な処理を行えばよい。なお、購入履歴テーブル48を集計する際に、店舗ごとに集計してもよいし、複数の店舗にまたがって集計してもよい。すなわち、商品IDと店舗IDとの組み合せごとに集計してもよいし、店舗IDに関係なく商品IDごとに集計してもよい。あるいは別の方法として、端末装置16の台数(またはユーザの人数)を計数して、カテゴリ別度数としてもよい。具体的には、端末装置16ごとに、度数が最も多いカテゴリを1つ特定し、そのカテゴリの度数を「1」、それ以外の度数の「0」として、アイテムごとにカテゴリ別の度数を集計すればよい。例えば、上述の数値例において、顧客Cは「Rp中」の度数が最も多いため、「CのRp中=1」、それ以外のカテゴリは「0」となる。顧客Dについては、「DのRp大=1」、それ以外のカテゴリは「0」となる。顧客Eについては、「EのRp中=1」、それ以外のカテゴリは「0」となる。その結果、商品I2のリーダーポイントのカテゴリ別度数は、「Rp大=1」、「Rp中=2」、「Rp小=0」となる。
店舗運営者は、図33を閲覧することにより、「商品I1はRp大の割合が多いため、今後需要が増えそうだ」、「商品I2と商品I4は分布の傾向が似ているため、同じような顧客層が購入している可能性がある。この2つの商品の棚を近くに配置したら売上が増加する可能性がある」等の判断をすることができる。
図35は、本発明の実施例4に係る管理用クライアント18に表示されるさらに別の情報を示し、これは、店舗別に、店舗ジャンルと、店舗ジャンル別のRp平均値を表形式で表示した一例である。店舗S21は店舗ジャンルが「和食」であり、和食のRp平均値が、洋食や中華に比べて高い。このため、S21の来店者は、和食店を選ぶ際に強い影響力を発揮するタイプが多いといえる。S21の運営者は、「他の料理ジャンルをメニューに取り入れずに、本物志向で和食を追及することが、店の繁盛につながる」等の判断をすることができる。店舗S22も店舗ジャンルが「和食」であるが、和食のRp平均値よりも、洋食のRp平均値が高くなっている。このため、S22の来店者は、洋食店を選ぶ際に強い影響力を発揮するタイプが多いといえる。このような表示を行うことにより、S22の運営者は、「近隣の洋食店と共同のキャンペーンを実施すると、顧客が増える可能性がある」等の戦略を立案することができる。また、店舗S24は、店舗ジャンルが「中華」であるが、和食のRp平均値がかなり高い。このため、S24の運営者は、「メニューに和食の要素を取り入れると、売上が増える可能性が高い」等の予測をすることができる。
なお、本実施例は、実店舗に限らず、インターネットショップ(ネット店舗)等にも容易に適用することができる。すなわち、ユーザ別ポイント集計テーブル46は、実店舗を対象にしたユーザ行動に基づいて作成されるが、購入履歴テーブル48は、実店舗に限らず、ネット店舗のものであってもよい。また、実店舗とネット店舗が混在していてもよい。このように、実店舗に係るユーザ行動に基づき算出されたリーダーポイントを用いて、ネット店舗の特性やネット店舗で扱う商品の特性を示す情報(アイテムポイント)を作成することができるため、幅広いシステムに適用することができる。
本実施例によれば、顧客がグループで来店した場合だけでなく、単独で来店した場合も含めて、顧客の特性を提供情報に反映することができる。また、店舗別だけでなく商品別に、顧客の特性を提示することが容易にできるため、商品の仕入れ計画等に応用することができる。
(実施例5)
次に、実施例5を説明する。実施例5は、これまでと同様に、情報提供システムに関する。これまでは、1回のグループ行動におけるユーザの特徴的な行動に基づいて、リーダーポイントを算出している。一方、実施例5では、過去のグループ行動において算出されたリーダーポイントを、現在のグループ行動におけるリーダーポイントに反映させる。具体的には、グループ内のあるユーザ(1のユーザ)のリーダーポイントに、それ以外の他のユーザの過去のリーダーポイントを反映させる。実施例5に係る情報提供システム100、情報提供装置10は、図1、図2あるいは図20と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。
本実施例において、情報提供装置10は、ステップS110を実行した後、ステップS120を実行する前に、ステップS115(図示せず)を実行する。図36は、本発明の実施例5に係るグループ情報処理部24に記憶されたデータベースのデータ構造を示す。以下の説明において、処理対象のグループ(現在のグループ)のグループIDは、「G21」であり、グループ情報テーブルにおいて、「G21」には、「C」、「D」、「E」の3つの端末装置16が対応しているものとする。この3つの端末装置16は、第3端末装置16c、第4端末装置16d、第5端末装置16eに相当する。さらに、ある時点のリーダーポイント(テンポラリポイント)は、「C=80」、「D=100」、「E=60」であるものとする。
また、ポイント履歴テーブル44には、図37に示すデータが格納されているものとする。図37は、本発明の実施例5に係るポイント履歴テーブル44のデータ構造を示す。前述のごとく、ポイント履歴テーブル44は、各端末IDに対する過去のリーダーポイントが示されたテーブルであり、例えば、算出日時とリーダーポイントが対応づけられて示されたテーブルである。
図38は、本発明の実施例5に係る情報提供装置10によるリーダーポイントの補正手順を示すフローチャートであり、ステップS115の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS400において、ポイント算出部42は、対象処理グループの端末装置16をリーダーポイント(テンポラリポイント)の大きい順に順位付けする。前述の例では、「D=1位」、「C=2位」、「E=3位」である。
次に、ステップS410において、ポイント算出部42は、所定順位の端末装置16について、過去のリーダーポイントを取得する。ここで、所定順位とは、2位から2位以下のある順位(X位)までの各順位である。具体的に説明すると、ポイント算出部42は、まず2位の端末装置16について、集計処理部26に格納したポイント履歴テーブル44を参照して、過去のリーダーポイントを取得する。前述の例では、第3端末装置16cの過去のリーダーポイントが取得される。図37の例において、ポイント算出部42は、「(G11,C)=0.4」、「(G12,C)=0.6」、「(G13,C)=0.8」の3つのデータを取得する。X=2位として、所定順位を2位のみにしてもよい。X=3位として、所定順位を「2位および3位」とした場合、ポイント算出部42は、第5端末装置16eの過去のリーダーポイントをさらに取得する。
図37の例では、「(G11,E)=0.05」、「(G12,E)=0.15」の2つである。なお、ポイント算出部42は、1位の端末装置16が含まれないグループIDに限定して、過去のリーダーポイントを取得してもよい。例えば、ポイント算出部42は、2位の端末装置16について、過去のリーダーポイントを取得する際に、第4端末装置16dが含まれるグループIDを除外して取得する。前述の例では、G11に第4端末装置16dが含まれるので、ポイント算出部42は、G11を除外し、「(G12,C)=0.6」、「(G13,C)=0.8」の2つのデータを取得するようにしてもよい。ポイント算出部42は、3位の端末装置16についても、同様に、1位の端末装置16が含まれない過去のリーダーポイントを取得する。このように、1位の端末装置16が含まれないデータに限定して過去のリーダーポイントを取得することにより、後述するリーダーポイントの補正精度が向上する場合がある。
次に、ステップS420において、ポイント算出部42は、取得したリーダーポイントを用いて、端末装置16毎に、過去のリーダーポイントの代表値を算出する。代表値としては、平均値、中央値、最頻値のいずれかを用いることができるが、以下の説明では、平均値を用いるものとする。前述の例では、第3端末装置16cの平均値は、「(0.4+0.6+0.8)÷3=0.6」となる。第5端末装置16eの平均値は、「(0.05+0.15)÷2=0.1」となる。
次に、ステップS430において、ポイント算出部42は、算出した代表値が、所定条件を満たすかを判定し、その判定結果に応じて、1位のリーダーポイントを補正する。具体的に説明すると、ポイント算出部42は、代表値が所定値θ1以上であることを所定条件とし、その条件を満たす場合に、1位のリーダーポイントを増加させる。例えば、「θ1=0.3」とした場合、前述の例では、第3端末装置16cがこの条件を満たすため、1位のリーダーポイント「D=100」を1.5倍して「D=150」としたり、「30」を加算して「D=130」としたりする。つまり、ポイント算出部42は、1位のリーダーポイントに所定係数を乗算したり、所定数を加算したりして、リーダーポイントを補正する。2位以下の端末装置16(ユーザ)において、過去のリーダーポイントが高い端末装置16(ユーザ)が存在する場合、それらに比べてさらにリーダーポイントの高い1位の端末装置16(ユーザ)の影響力は、非常に強いと推定できる。つまり、過去にリーダーポイントが高かった人よりもさらにリーダーポイントが高い人は、非常に影響力が強い人と推定できる。このため、ポイント算出部42は、通常よりもリーダーポイントを高くする処理を行う。
また、ポイント算出部42は、代表値が所定値θ2未満であることを所定条件とし、その条件を満たす場合に、1位のリーダーポイントを低減する処理を行ってもよい。例えば、「θ2=0.2」とした場合、前述の例では、第5端末装置16eがこの条件を満たすため、1位のリーダーポイント「D=100」を0.8倍して「D=80」としたり、「10」を減算して「D=90」としたりする。2位以下の端末装置16(ユーザ)において、過去のリーダーポイントが低い端末装置16(ユーザ)が存在する場合、現在のグループで1位の端末装置16(ユーザ)の影響力は、他のユーザの影響力が弱いために、実体よりも強く出ていると推定される。そのため、ポイント算出部42は、通常よりもリーダーポイントを低くする処理を行う。
また、ポイント算出部42は、代表値が所定値θ1以上である端末装置16の数に応じて、リーダーポイントを増加または低減する程度を変えてもよい。例えば、ポイント算出部42は、代表値がθ1以上である端末装置16の数が1つである場合に「1.5倍」し、2つである場合に「2倍」し、3つ以上である場合に「3倍」する等の処理を行ってもよい。また、ポイント算出部42は、2位の端末装置16の代表値がθ1以上である場合に「2倍」とし、3位の端末装置16の代表値がθ1以上である場合に「1.5倍」とし、2位と3位の端末装置16が両方ともθ1以上である場合に「2×1.5=3倍」してもよい。つまり、ポイント算出部42は、代表値が所定条件を満たす端末装置16の順位に応じて、リーダーポイントの補正の程度を変えてもよい。
なお、前述の説明では、1位の端末装置16のリーダーポイントを補正したが、グループに含まれる端末装置16の数が多い場合などには、同様の考え方で2位以下の端末装置16のリーダーポイントを補正してもよい。例えば、3位の端末装置16の過去のリーダーポイントを用いて、2位の端末装置16のリーダーポイントを増加または低減してもよい。つまり、ポイント算出部42は、グループに含まれた一の主体に対して、グループに含まれた他の主体に対応する過去に算出されたリーダーポイントに基づいて、リーダーポイントを算出する。
本実施例によれば、グループに含まれた一の主体に対して、グループに含まれた他の主体に対応する過去に算出されたリーダーポイントに基づいて、リーダーポイントを算出するので、算出精度を向上できる。また、ポイント履歴テーブルに蓄積された過去のリーダーポイントを用いて、処理対象のグループのリーダーポイントを補正するので、ユーザの影響力をさらに精度よくリーダーポイントに反映することができる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施例1乃至5は、次に示す項目によって規定されてもよい。
[項目1]
ユーザまたは端末装置である主体の位置情報を取得し、複数の主体に係る位置情報の時系列データに基づいて、複数の主体を含んだグループを形成するグループ形成部と、
前記位置情報の時系列データに基づいて、前記グループ形成部において形成したグループに含まれた複数の主体のそれぞれに対して、グループ内の主体の影響力が高いとされる所定の行動パターンに合致する度合いを示す特徴行動量を算出し、前記特徴行動量に基づいて、各主体に対して、ポイントを算出するポイント算出部と、
前記ポイント算出部において算出したポイントを集計することによって、各アイテムに対するアイテムポイントを算出する集計処理部と、
前記集計処理部において算出したアイテムポイントを出力する出力部と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
[項目2]
ユーザまたは端末装置である主体の位置情報を取得し、複数の主体に係る位置情報の時系列データに基づいて、複数の主体を含んだグループを形成するグループ形成部と、
前記位置情報の時系列データに基づいて、前記グループ形成部において形成したグループに含まれた複数の主体のそれぞれに対して、グループ内の主体の影響力が高いとされる所定の行動パターンに合致する度合いを示す特徴行動量を算出し、前記特徴行動量に基づいて、各主体に対して、ポイントを算出するポイント算出部と、
前記ポイント算出部において算出したポイントをアイテムに係る情報に対応付けて出力する出力部と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
[項目3]
前記集計処理部は、ポイントの大きさに応じた所定のカテゴリを用い、各アイテムに対するポイントをカテゴリごとに集計することによって、各アイテムに対するアイテムポイントを算出することを特徴とする項目1に記載の情報提供装置。
[項目4]
前記集計処理部は、前記ポイント算出部において算出したポイントの統計値を用いて、各アイテムに対するアイテムポイントを算出することを特徴とする項目1に記載の情報提供装置。
[項目5]
前記集計処理部は、前記ポイント算出部において算出したポイントを主体ごとに集約した統計値、または前記ポイント算出部において算出したポイントを主体と所定のカテゴリとの組み合せごとに集計した値を用いて、各アイテムに対するアイテムポイントを算出することを特徴とする項目1に記載の情報提供装置。
[項目6]
前記ポイント算出部は、前記位置情報の時系列データにおける主体の移動パターンが、前記所定の行動パターンに合致する回数、合致する時間、合致する移動距離、合致する確率、のうちの少なくとも1つを前記特徴行動量として算出し、前記特徴行動量が多いほど、高い値となるように前記ポイントを算出することを特徴とする項目1から5のいずれかに記載の情報提供装置。
[項目7]
前記ポイント算出部における前記所定の行動パターンは、グループの移動方向を基準にして、グループの先頭から所定順位の位置に主体が位置するパターンであることを特徴とする項目1から6のいずれかに記載の情報提供装置。
[項目8]
前記ポイント算出部は、前記所定順位が高いほど、高くなるようなポイントを算出することを特徴とする項目7に記載の情報提供装置。
[項目9]
前記ポイント算出部における前記所定の行動パターンは、グループが複数に分割してから合流した場合に、合流後に移動する方向に分割時から主体が移動しているパターンであることを特徴とする項目1から8のいずれかに記載の情報提供装置。
[項目10]
前記ポイント算出部は、グループが複数に分割したときの小グループに含まれる主体の数に基づいて、ポイントを算出することを特徴とする項目9に記載の情報提供装置。
[項目11]
前記ポイント算出部における前記所定の行動パターンは、主体が停止した場合に、当該停止に追従して他の主体も停止するパターンであることを特徴とする項目1から10のいずれかに記載の情報提供装置。
[項目12]
前記ポイント算出部は、当該停止に追従して停止した他の主体の数に基づいて、ポイントを算出することを特徴とする項目11に記載の情報提供装置。
[項目13]
前記ポイント算出部は、主体に対応したユーザの属性情報に応じてもポイントを算出することを特徴とする項目1から12のいずれかに記載の情報提供装置。
[項目14]
前記ポイント算出部は、アイテムの位置と主体の位置との距離に応じて、ポイントを算出することを特徴とする項目1から13のいずれかに記載の情報提供装置。
[項目15]
前記グループ形成部は、主体に対応したユーザの属性情報に応じて、グループを形成するための条件を変更することを特徴とする項目1から14のいずれかに記載の情報提供装置。
[項目16]
項目1に記載の情報提供装置と通信可能な管理用クライアントであって、
前記情報提供装置から、前記アイテムポイントを受信する受信部と、
前記受信したデータを表示部に表示させる制御を行う制御部と、
を備えることを特徴とする管理用クライアント。
[項目17]
項目2に記載の情報提供装置と通信可能な管理用クライアントであって、
前記情報提供装置から、前記ポイントとアイテムに係る情報とを受信する受信部と、
前記受信したデータを表示部に表示させる制御を行う制御部と、
を備えることを特徴とする管理用クライアント。
[項目18]
ユーザまたは端末装置である主体の位置情報を取得し、複数の主体に係る位置情報の時系列データに基づいて、複数の主体を含んだグループを形成するステップと、
前記位置情報の時系列データに基づいて、形成したグループに含まれた複数の主体のそれぞれに対して、グループ内の主体の影響力が高いとされる所定の行動パターンに合致する度合いを示す特徴行動量を算出し、前記特徴行動量に基づいて、各主体に対して、ポイントを算出するステップと、
算出したポイントを集計することによって、各アイテムに対するアイテムポイントを算出するステップと、
算出したアイテムポイントを出力するステップと、
を備えることを特徴とする情報提供方法。
[項目19]
ユーザまたは端末装置である主体の位置情報を取得し、複数の主体に係る位置情報の時系列データに基づいて、複数の主体を含んだグループを形成するステップと、
前記位置情報の時系列データに基づいて、形成したグループに含まれた複数の主体のそれぞれに対して、グループ内の主体の影響力が高いとされる所定の行動パターンに合致する度合いを示す特徴行動量を算出し、前記特徴行動量に基づいて、各主体に対して、ポイントを算出するステップと、
算出したポイントをアイテムに係る情報に対応付けて出力するステップと、
を備えることを特徴とする情報提供方法。
[項目20]
ユーザまたは端末装置である主体の位置情報を取得し、複数の主体に係る位置情報の時系列データに基づいて、複数の主体を含んだグループを形成するステップと、
前記位置情報の時系列データに基づいて、形成したグループに含まれた複数の主体のそれぞれに対して、グループ内の主体の影響力が高いとされる所定の行動パターンに合致する度合いを示す特徴行動量を算出し、前記特徴行動量に基づいて、各主体に対して、ポイントを算出するステップと、
算出したポイントを集計することによって、各アイテムに対するアイテムポイントを算出するステップと、
算出したアイテムポイントを出力するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
[項目21]
ユーザまたは端末装置である主体の位置情報を取得し、複数の主体に係る位置情報の時系列データに基づいて、複数の主体を含んだグループを形成するステップと、
前記位置情報の時系列データに基づいて、形成したグループに含まれた複数の主体のそれぞれに対して、グループ内の主体の影響力が高いとされる所定の行動パターンに合致する度合いを示す特徴行動量を算出し、前記特徴行動量に基づいて、各主体に対して、ポイントを算出するステップと、
算出したポイントをアイテムに係る情報に対応付けて出力するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。