JP6644095B2 - 冷媒分流器及び空気調和機 - Google Patents

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アルミニウム製またはアルミニウム合金製の本体を備える冷媒分流器及び、当該冷媒分流器を備える空気調和機。
従来の冷媒分流器の中には、例えば特許文献1(国際公開第2016/002280号)に記載されているように、アルミニウム製の冷媒分流器がある。特許文献1に記載されているアルミニウム製の冷媒分流器においては、アルミニウムからなる箇所の耐食性が冷媒分流器の耐用年数に影響を与える。例えば、冷媒分流器の第1冷媒管及び第2冷媒管にアルミニウムまたはアルミニウム合金が用いられているときには、アルミニウムまたはアルミニウム合金の腐食によって冷媒分流器から冷媒が漏れるような損傷を生じる場合がある。
そこで、本体の耐食性を向上させる方法として、本体に犠牲陽極部材を溶射によって付着させることが行われている。しかしながら、犠牲陽極層を溶射した場合には、溶射のムラなどによって耐食性にムラが生じる。
本開示の課題は、冷媒分流器においてアルミニウム製またはアルミニウム合金製の本体の耐食性をムラなく向上させることである。
第1観点の冷媒分流器は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の管状の第1心材及び第1心材の外周面に第1心材に対する第1犠牲陽極層を有する第1冷媒管と、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の管状の複数の第2心材及び複数の第2心材の外周面に複数の第2心材に対する第2犠牲陽極層を有する複数の第2冷媒管と、第1冷媒管及び複数の第2冷媒管が接続される接続部を含むアルミニウム製またはアルミニウム合金製の本体と、を備え、接続部は、第1心材の第1先端部分の内周面にろう付けされている環状の第1面と、複数の第2心材の少なくとも1つの第2先端部分の内周面にろう付けされている環状の第2面と、第1先端部分の外周面と対向する第3面と、第2先端部分の外周面と対向する第4面とを有する。
このような構成の冷媒分流器では、第1心材及び第2心材の外周面の第1犠牲陽極層及び第2犠牲陽極層によって第1冷媒管及び複数の第2冷媒管が保護されている間は、第1先端部分の第1心材と第1面の接合部分及び第2先端部分の第2心材と第2面の接合部分の腐食が抑制され、冷媒分流器の耐食性をムラなく向上させることができる。
第2観点の冷媒分流器は、第1観点の冷媒分流器であって、本体が、第1面である第1内周壁面及び第3面である第1外周壁面を持つ第1環状溝と、第2面である第2内周壁面及び第4面である第2外周壁面を持つ少なくとも1つの第2環状溝とを有する、ものである。このような構成の冷媒分流器では、第1環状溝に第1冷媒管を差し込むとともに第2環状溝に第2冷媒管を差し込んでろう付けするだけで本体と第1冷媒管の接続及び本体と第2冷媒管の接続とそれらの接合部分の耐食性の対策とを行えるので、冷媒分流器の組み立てが簡単になる。
第3観点の冷媒分流器は、第2観点の冷媒分流器であって、第1先端部分が、第1環状溝の第1内周壁面に合わせて第1先端部分の内周面を広げる第1フレア部を含み、第2先端部分が、第2内周壁面に合わせて第2先端部分の内周面を広げる第2フレア部を含む、ものである。このような構成の冷媒分流器では、第1フレア部によって第1先端部分が広げられるとともに第2フレア部によって第2先端部分が広げられることで、例えば第1環状溝の内側に第1冷媒管の内径と同じ程度の径を持つ第1穴、及び第2環状溝の内側に第2冷媒管の内径と同じ程度の径を持つ第2穴を容易に形成できるので、冷媒の流入をスムーズに行わせる構造を形成し易くなる。
第4観点の冷媒分流器は、第1観点から第3観点のいずれかの冷媒分流器であって、本体は、第1冷媒管に連通し、第3面が形成されている第1穴を持つとともに、複数の第2冷媒管のうちの少なくとも1つに連通し、第4面が形成されている第2穴を持ち、接続部は、第1穴に気密に接合され、第1面である外周面を持つ第1短筒部材を有するとともに、第2穴に気密に接合され、第2面である外周面を持つ少なくとも1つの第2短筒部材を有する、ものである。このような構成の冷媒分流器では、第1短筒部材に第1冷媒管を差し込むとともに第2短筒部材に第2冷媒管を差し込んでろう付けすると、本体と第1冷媒管の接続及び本体と第2冷媒管の接続並びにそれらの接続部の耐食性の対策とを行えるので、冷媒分流器の組み立てが簡単になる。
第5観点の空気調和機は、第1観点から第4観点のいずれかの冷媒分流器を備えるものである。
このような構成の空気調和機では、冷媒分流器の第1心材及び第2心材の外周面の第1犠牲陽極層及び第2犠牲陽極層によって第1冷媒管及び複数の第2冷媒管が保護されている間は、第1先端部分の第1心材と第1面の接合部分及び第2先端部分の第2心材と第2面の接合部分の腐食が抑制され、冷媒分流器の耐食性をムラなく向上させることができる。
本開示の冷媒分流器が適用されている熱交換器の一例を示す斜視図。 第1実施形態に係る冷媒分流器の構成を示す断面図。 図2に示されている冷媒分流器の分解斜視図。 図2に示されている冷媒分流器の本体の断面図。 第1冷媒管の断面図。 第2冷媒管の断面図。 第2実施形態に係る冷媒分流器の構成を示す断面図。 図7に示されている冷媒分流器の分解斜視図。 図7に示されている冷媒分流器の本体の断面図。
<第1実施形態>
(1)全体構成
図1に示されているように、冷媒分流器10は、例えば空気調和機が備える熱源側の熱交換器1に適用される。空気調和機は、図示省略されているが、例えば、熱源側の熱交換器1以外にも蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うために熱源側の熱交換器1と対をなす利用側の熱交換器、熱源側の熱交換器1と利用側の熱交換器に流れる冷媒を循環させる圧縮機、冷媒の流れを切り換える四方弁及び熱交換器1に流れる気流を発生する送風ファンなどを備える。空気調和機は、例えば冷房運転と暖房運転とを切り換えて行えるように構成されており、熱交換器1の中を流れる冷媒の向きは、冷房運転時と暖房運転時で反対になる。なお、ここでは、冷媒が、蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて、実質的に気体状態の冷媒からなるガス冷媒、実質的に液体状態の冷媒からなる液冷媒、及び気体の状態と液体の状態の冷媒が入り混じっている気液二相状態の冷媒に変化する場合を例に挙げて説明する。また、以下の冷媒分流器10の説明においては、主に熱交換器1が蒸発器として用いられる場合を例として説明する。このような場合には、後述する第1冷媒管20が冷媒流入管となり、第2冷媒管30が冷媒流出管となる。
熱交換器1の熱交換部3は、アルミニウム合金製の伝熱管である複数の扁平管と、アルミニウム合金製の複数の伝熱フィンとを含んでいる。熱交換部3において、複数の扁平管は、風上側と風下側の2列に配置されるとともに、各列の中で複数段に配置されている。伝熱フィンも風上側と風下側の2列に配置されている。各列の複数の伝熱フィンは、扁平管の長手方向に沿って間隔を空けて並べられており、各伝熱フィンには複数段の扁平管が接合されている。
風上側の複数の扁平管の一端と風下側の複数の扁平管の一端とが連結ヘッダ4によって連結されている。この連結ヘッダ4で、風上側の扁平管と風下側の扁平管を流れる冷媒が折り返される。風下側の複数の扁平管の他端は、アルミニウム合金製の第1ヘッダ集合管5に接続されており、風上側の複数の扁平管の他端は、アルミニウム合金製の第2ヘッダ集合管6に接続されている。第1ヘッダ集合管5は、アルミニウム合金製のガス集合管7に接続されている。第1ヘッダ集合管5及びガス集合管7には、専らガス冷媒が流れる。
冷媒分流器10は、第2ヘッダ集合管6から延びるアルミニウム合金製の複数の枝管である第2冷媒管30に接続されている。第2冷媒管30から第2ヘッダ集合管6に冷媒が流出するのは、例えば、空気調和機の暖房運転時に、熱交換器1が蒸発器として機能しているときである。以下では、冷媒分流器10については、熱交換器1が蒸発器として機能して、液冷媒が冷媒分流器10で分流される場合について説明する。しかし、この冷媒分流器10は、熱交換器1が凝縮器として機能する冷房運転時には、複数の第2冷媒管30から冷媒が流入する合流器としても機能する。例えば熱交換器1が凝縮器として用いられるなどして、冷媒分流器10が合流器として機能する場合には、第1冷媒管20が冷媒流出管となり、第2冷媒管30が冷媒流入管となる。その場合には、後述する本体40は、複数の第2冷媒管30から流入する冷媒を第1冷媒管20に合流させる。
冷媒分流器10は、図2及び図3に示されているように、第1冷媒管20と、複数の第2冷媒管30と、本体40とを備えている。図2には、組み立てられた冷媒分流器10の断面が示されている。図3には、冷媒分流器10の組み立て前の状態が示されている。
第1冷媒管20には、冷媒分流器10に流入する冷媒が流れる。流入する冷媒の流れが、図2において矢印Ar1で示されている。複数の第2冷媒管30には、冷媒分流器10から流出する冷媒が流れる。流出する冷媒の流れが、図2において矢印Ar2で示されている。
本体40は、第1冷媒管20が接続される接続部41と、複数の第2冷媒管30が接続される複数の接続部42とを有している。本体40は、第1冷媒管20から複数の第2冷媒管30に冷媒を分流する。この冷媒分流器10に10本の第2冷媒管30が接続されており、流入した冷媒が10等分されて10本の第2冷媒管30を通って流出する。ここでは、第1冷媒管20が1本だけ接続されている場合について説明しているが、第1冷媒管20は複数本であってもよい。また、第2冷媒管30の本数は、10本に限られるものではなく、第1冷媒管20の本数よりも多ければよい。また、複数の第2冷媒管30において均等に分流されるように設計することは必須ではなく、それぞれに流れる冷媒の流量が異なるように設計されてもよい。
本体40は、アルミニウム合金からなる。本体40に用いられるアルミニウム合金としては、例えば、マンガン(Mn)が添加されたアルミニウム合金(Al‐Mn系アルミニウム合金)がある。Al‐Mn系アルミニウム合金としては、日本工業規格(例えばJISH4040)で規定されている合金番号3000番台のアルミニウム合金がある。
第1冷媒管20は、アルミニウム合金製の管状の第1心材21及び第1心材21の外周面に形成されている第1犠牲陽極層22を有する。第1犠牲陽極層22は、第1心材21に対するものであり、第1犠牲陽極層22は、第1心材21よりも電気化学的に卑な層である。換言すると、第1心材21は、第1犠牲陽極層22よりも電気化学的に貴な金属で構成されている。さらに別の言い方をするならば、第1心材21は、電気化学的な電位が第1犠牲陽極層22よりも高い金属で構成されている、ということである。複数の第2冷媒管30は、アルミニウム合金製の管状の第2心材31及び第2心材31の外周面に形成されている第2犠牲陽極層32を有する。第2犠牲陽極層32は、第2心材31に対するものであり、第2犠牲陽極層32は、第2心材31よりも電気化学的に卑な層である。換言すると、第2心材31は、第2犠牲陽極層32よりも電気化学的に貴な金属で構成されている。
接続部41は、第1心材21の第1先端部分21aの内周面21aaにろう付けされている円筒状の第1面41a(図4参照)を有している。同様に、接続部42は、第2心材31の第2先端部分31aの内周面31aaにろう付けされている円筒状の第2面42a(図4参照)を有している。また、接続部41は、第1先端部分21aの外周面21abに対向する第3面41b(図4参照)を有している。同様に、接続部42は、第2先端部分31aの外周面31abに対向する第4面42b(図4参照)を有している。
例えば、冷媒分流器10に結露水または雨水などが付着した場合、電気化学的に卑な第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32が、アルミニウム合金製の第1心材21及び第2心材31よりもイオン化傾向が大きいので、第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32から第1心材21及び第2心材31に電子が供給される。このようにして、第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32によって第1心材21及び第2心材31の腐食が抑制される。そして、第1冷媒管20及び第2冷媒管30の外周面の第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32によって第1冷媒管20及び複数の第2冷媒管30が保護されている間は、第1先端部分21aの内周面21aaと第1面41aの接合部分及び第2先端部分31aの内周面31aaと第2面42aの接合部分の腐食が抑制される。そして、たとえ接続部41,42の中の第1犠牲陽極層22または第2犠牲陽極層32が腐食しても、第1先端部分21aの内周面21aaと環状の第1面41aの接合部分及び第2先端部分31aの内周面31aaと環状の第2面42aの接合部分で気密が保たれるので、冷媒が冷媒分流器10の外部に漏洩することが防がれる。
(2)詳細構成
(2−1)本体40
本体40は、図4に示されているように、第1部材43と、第2部材44とを含んでいる。腐食防止の観点からは、第1部材43と第2部材44とが同じ材質であることが好ましい。ここで、第1部材43及び第2部材44は、同じアルミニウム合金であるAl‐Mn系アルミニウム合金からなる。第1部材43は、円柱状の部材に第1穴45が形成された構成を有し、第2部材44は、有天円筒状の部材の天面に複数の第2穴47が形成された構成を有している。この第2部材44は、凹部46を持っており、この凹部46に第1部材43が嵌め込まれている。
本体40の第1部材43と第2部材44には、犠牲陽極層が形成されていない。言い換えると、第1部材43及び第2部材44は、単一のAl‐Mn系アルミニウム合金からなる部材である。
凹部46は、凹部46の浅部に形成されている大径の円形開口部46bと、円形開口部46bに続いて凹部46の深部に形成されている小径の円形開口部46aとからなっている。円形開口部46a,46bの中心軸は、第2部材44の中心軸と一致する。大径の円形開口部46bは、その直径が第1部材43の外径と同じかまたは僅かに大きく、第1部材43が嵌合される箇所になっている。従って、第2部材44に第1部材43が嵌合された状態で、小径の円形開口部46aは、冷媒を分流する空間SPとなる。第1部材43の外面が第2部材44の凹部46と接触する箇所が、例えばリング状に加工されたろう材であるリングろう材または第1部材43の外周面にクラッドされたろう材によって炉中ろう付けされる。リングろう材及びクラッドされるろう材は、例えばアルミニウム合金からなる。この炉中ろう付けによって、第1部材43と第2部材44とが気密に接合される。
第1部材43には、第1部材43の中心軸に一致する中心軸を持つ円柱状の第1穴45が形成されている。第1冷媒管20を通って冷媒分流器10に流入する冷媒は、第1冷媒管20から第1穴45を通って、分流が行われる空間SPである円形開口部46aに流れ込む。第1穴45は、接続部41に囲まれた領域内に形成されている。接続部41は、第1穴45の中心軸に一致する中心軸を持つ円環状の環状溝で構成されている。接続部41を構成する環状溝を第1環状溝と呼ぶ。第1環状溝の深さは、例えば6mm以上である。この第1環状溝に円筒状の第1冷媒管20が嵌入される。第1冷媒管20は、例えば第1環状溝の中に配置されたリングろう材によって炉中ろう付けされる。このリングろう材は例えばアルミニウム合金からなる。接続部41の第1面41aは、第1環状溝の内側に形成されている内周壁面である。この第1環状溝の内周壁面を第1内周壁面と呼ぶ。この第1内周壁面に第1冷媒管20の第1心材21がろう付けされている。接続部41の第3面41bは、第1環状溝の外側に形成されている外周壁面である。この第1環状溝の外周壁面を第1外周壁面と呼ぶ。この第1外周壁面に第1冷媒管20の第1犠牲陽極層22がろう付けされている。
第2部材44には、第2部材44の中心軸に中心を持つ円周上に等間隔に配置された10個の第2穴47が形成されている。各第2冷媒管30を通って冷媒分流器10から流出する冷媒は、分流が行われる空間SPである円形開口部46aから、各第2穴47及び各第2冷媒管30を通って流れ出す。各第2穴47は、円管状の第2部材44の中心軸に沿って延びている。各第2穴47は、各接続部42に囲まれた領域内に形成されている。各接続部42は、各第2穴47の中心軸に一致する中心軸を持つ円環状の環状溝で構成されている。接続部42を構成する環状溝を第2環状溝と呼ぶ。第2環状溝の深さは、例えば6mm以上である。各第2環状溝に円管状の第2冷媒管30が嵌入される。各第2冷媒管30は、例えば各第2環状溝の中に配置されたリングろう材によって炉中ろう付けされる。このリングろう材は例えばアルミニウム合金からなる。各接続部42の第2面42aは、各第2環状溝の内側に形成されている内周壁面である。これら第2環状溝の内周壁面を第2内周壁面と呼ぶ。これら第2内周壁面に、複数の第2冷媒管30の第2心材31がろう付けされている。接続部42の第4面42bは、第2環状溝の外側に形成されている外周壁面である。これら第2環状溝の外周壁面を第2外周壁面と呼ぶ。これら第2外周壁面に、複数の第2冷媒管30の第2犠牲陽極層32がろう付けされている。
本体40の第2部材44の円形開口部46aの周囲の円筒壁46cの最も薄い部分の厚みt1は、冷媒分流器10の耐用年数にとって重要な要素の1つである。円筒壁46cの最も薄い部分の厚みt1は、例えば、SWAAT(Sea Water Acidified Test,ASTM G85-A3)を行った場合に、後に説明する第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32のうちの接続部41,42の中の部分が腐食されて無くなった時点でも、孔食が円筒壁46cの最も薄い部分を貫通しない厚みに設定される。厚みt1は、例えばSWAATの4900時間経過時点で円筒壁46cに生じる孔食の深さよりも大きくなるように設定されている。そのために、厚みt1は、3mm以上であることが好ましい。
(2−2)第1冷媒管20
第1冷媒管20は、アルミニウム合金製の円管状の第1心材21と、第1心材21の外周面の全面に形成されている第1犠牲陽極層22とを有している。防食の観点から、第1心材21の材質は、本体40と同じ材質で構成されることが好ましい。ここでは、第1心材21がAl‐Mn系アルミニウム合金で形成されている。第1犠牲陽極層22に用いられるアルミニウム合金としては、例えば亜鉛(Zn)とマグネシウム(Mg)が添加されたアルミニウム合金(Al‐Zn‐Mg系アルミニウム合金)がある。Al‐Zn‐Mg系アルミニウム合金としては、例えばJISH4080で規定されている合金番号7000番台のアルミニウム合金がある。第1心材21の材質であるAl‐Mn系アルミニウム合金と、第1犠牲陽極層22の材質であるAl‐Zn‐Mg系アルミニウム合金とを比較すると、Al‐Mn系アルミニウム合金よりもAl‐Zn‐Mg系アルミニウム合金の方が卑な金属になるように設定されている。
第1犠牲陽極層22は、第1冷媒管20の外周面の全面に形成されているクラッド層である。第1犠牲陽極層22が外周の全面にクラッドされた第1冷媒管20は、例えば、圧延接合により安価に得ることができる。このような圧延接合は、例えば熱間押出加工により行われる。第1冷媒管20の円管状の第1心材21の内径D1及び外径D2は、接続部41の第1面41a(第1内周壁面)の直径D3よりも小さい。そのために、第1冷媒管20は、接続部41に嵌入される第1先端部分21aが拡管されている。この接続部41の拡管された部分が第1フレア部23である。第1フレア部23の内径D5は、第1面41aの直径D3と同じかまたは僅かに大きく、第1フレア部23の外径D6は第3面41bの直径D4と同じかまたは僅かに小さい。このように拡管された第1冷媒管20の第1先端部分21aが本体40の接続部41の第1環状溝に嵌入される。そして、第1冷媒管20が挿入される前に第1環状溝の中に予め入れられていたリングろう材によって炉中ろう付けが行われ、第1冷媒管20が本体40に接合される。従って、第1冷媒管20の第1心材21が接続部41の第1面41aにろう付けされ、第1犠牲陽極層22が接続部41の第3面41bに接合される。
第1犠牲陽極層22が第1心材21及び本体40よりも先に腐食されるので、耐用年数の期間内でも、第1先端部分21aの第1犠牲陽極層22が腐食されてできる孔食が接続部41の第1環状溝の底まで達する場合がある。このような場合でも、第1心材21の内周面と接続部41の第1面41aが環状に接合されており、冷媒分流器10の気密性が保たれる構成になっている。
(2−3)第2冷媒管30
第2冷媒管30は、アルミニウム合金製の円管状の第2心材31と、第2心材31の外周面の全面に形成されている第2犠牲陽極層32とを有している。防食の観点から、第2心材31の材質は、本体40と同じ材質で構成されることが好ましい。ここでは、第2心材31がAl‐Mn系アルミニウム合金で形成されている。第2犠牲陽極層32に用いられるアルミニウム合金としては、例えばAl‐Zn‐Mg系アルミニウム合金がある。第2犠牲陽極層32の材質には、例えば第1犠牲陽極層22と同じ材質が用いられる。第2心材31の材質であるAl‐Mn系アルミニウム合金と、第2犠牲陽極層32の材質であるAl‐Zn‐Mg系アルミニウム合金とを比較すると、Al‐Mn系アルミニウム合金よりもAl‐Zn‐Mg系アルミニウム合金の方が卑な金属になるように設定されている。
各第2犠牲陽極層32は、各第2冷媒管30の外周面の全面に形成されているクラッド層である。第2犠牲陽極層32が外周の全面にクラッドされた第2冷媒管30は、例えば、圧延接合により安価に得ることができる。このような圧延接合は、例えば熱間押出加工により行われる。第2冷媒管30の円管状の第2心材31の内径D11及び外径D12は、接続部42の第2面42a(第2内周壁面)の直径D13よりも小さい。そのために、第2冷媒管30は、接続部42に嵌入される第2先端部分31aが拡管されている。この接続部42の拡管された部分が第2フレア部33である。第2フレア部33の内径D15は、第2面42aの直径D13と同じかまたは僅かに大きく、第2フレア部33の外径D16は第4面42bの直径D14と同じかまたは僅かに小さい。このように拡管された第2冷媒管30の第2先端部分31aが本体40の接続部42の第2環状溝に嵌入される。そして、第2冷媒管30が挿入される前に第2環状溝の中に予め入れられていたリングろう材によって炉中ろう付けが行われ、第2冷媒管30が本体40に接合される。従って、第2冷媒管30の第2心材31が接続部42の第2面42aにろう付けされ、第2犠牲陽極層32が接続部42の第4面42bに接合される。
第2犠牲陽極層32が第2心材31及び本体40よりも先に腐食されるので、耐用年数の期間内でも、第2先端部分31aの第2犠牲陽極層32が腐食されてできる孔食が接続部42の第2環状溝の底まで達する場合がある。このような場合でも、第2心材31の内周面と接続部42の第2面42aが環状に接合されており、冷媒分流器10の気密性が保たれる構成になっている。
(3)特徴
(3−1)
接続部41,42の第1環状溝及び第2環状溝の中にまで第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32が入り込んでいる。第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32による第1心材21、第2心材31及び本体40の腐食の抑制が行われている間に、第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32が先に侵食されて、接続部41,42に孔食が発生することがある。しかしながら、第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32の犠牲によって他の部材の腐食が抑制されている間は、第1冷媒管20の第1先端部分21aの第1心材21と接続部41の第1面41aの接合部分及び、第2冷媒管30の第2心材31の第2先端部分31aと接続部42の第2面42aの接合部分の腐食が抑制され、冷媒分流器10の耐食性をムラなく向上させることができる。
(3−2)
接続部41,42の孔食を防止するために例えば第1冷媒管20及び第2冷媒管30の第1先端部分21a及び第2先端部分31aの第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32を削り落とすような作業を省くことができる。つまり、第1犠牲陽極層22が第1先端部分21aに形成されたままの第1冷媒管20を接続部41の第1環状溝に差し込んでろう付けされている。また、第2犠牲陽極層32が第2先端部分31aに形成されたままの第2冷媒管30を接続部42の第2環状溝に差し込んでろう付けされている。このように簡単に本体40と第1冷媒管20の接続及び本体40と第2冷媒管30の接続とそれらの耐食性の対策とを行えるので、冷媒分流器10の組み立てが簡単になって冷媒分流器10の製造コストを抑制することができる。
(3−3)
第1フレア部23によって第1冷媒管20の第1先端部分21aが広げられるとともに第2フレア部33によって第2冷媒管30の第2先端部分31aが広げられることで、例えば接続部41の第1環状溝の内側に第1冷媒管20の内径D1と同じ程度の径D7を持つ第1穴45を形成でき、接続部42の第2環状溝の内側に第2冷媒管30の内径D11と同じ程度の径D17を持つ第2穴47を容易に形成できる。その結果、冷媒分流器10において冷媒の流入をスムーズに行わせる構造を形成し易くなる。
<第2実施形態>
(4)全体構成
図7及び図8に示されている第2実施形態に係る冷媒分流器10Aも、第1実施形態の冷媒分流器10と同様に、例えば空気調和機が備える熱源側の熱交換器1に適用される。冷媒分流器10Aも、第2ヘッダ集合管6から延びるアルミニウム合金製の複数の枝管である第2冷媒管30に接続される。第2冷媒管30から第2ヘッダ集合管6に冷媒が流出するのは、例えば、空気調和機の暖房運転時に、熱交換器1が蒸発器として機能しているときである。以下では、冷媒分流器10Aについては、熱交換器1が蒸発器として機能して、液冷媒が冷媒分流器10Aで分流される場合について説明する。ただし、第2実施形態の冷媒分流器10Aも、第1実施形態の冷媒分流器10と同様に、熱交換器1が凝縮器として機能する冷房運転時には、複数の第2冷媒管30から冷媒が流入する合流器としても機能する。
冷媒分流器10Aは、図7及び図8に示されているように、第1冷媒管20と、複数の第2冷媒管30と、本体40Aとを備えている。図7には、組み立てられた冷媒分流器10Aの断面が示されている。図8には、冷媒分流器10Aの組み立て前の状態が示されている。第1冷媒管20には、冷媒分流器10Aに流入する冷媒が流れ、複数の第2冷媒管30には、冷媒分流器10Aから流出する冷媒が流れる。第2実施形態の第1冷媒管20と第2冷媒管30には第1実施形態の第1冷媒管20と第2冷媒管30と同じものを用いることができるので、第2実施形態においては第1冷媒管20と第2冷媒管30についての詳細な説明を省略する。
本体40Aは、第1冷媒管20が接続される接続部51と、複数の第2冷媒管30が接続される複数の接続部52とを有している。第1冷媒管20を通って冷媒分流器10Aに流入する冷媒は、第1冷媒管20から第1穴45を通って、分流が行われる空間SPである円形開口部46aに流れ込む。第1穴45は、接続部51に囲まれた領域内に形成されている。各第2冷媒管30を通って冷媒分流器10Aから流出する冷媒は、分流が行われる空間SPである円形開口部46aから、各第2穴47及び各第2冷媒管30を通って流れ出す。各第2穴47は、各接続部42Aに囲まれた領域内に形成されている。第2実施形態の本体40Aが、第1実施形態の本体40と異なるのは、接続部51,52の構成である。
接続部51は、第1心材21の第1先端部分21aの内周面21aaにろう付けされている円筒状の第1面51a(図9参照)を有している。同様に、接続部52は、第2心材31の第2先端部分31aの内周面31aaにろう付けされている円筒状の第2面52a(図9参照)を有している。また、接続部51は、第1先端部分21aの外周面21abに対向する第3面51b(図9参照)を有している。同様に、接続部52は、第2先端部分31aの外周面31abに対向する第4面52b(図9参照)を有している。
例えば、冷媒分流器10Aに結露水または雨水などが付着した場合、電気化学的に卑な第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32が、アルミニウム合金製の第1心材21及び第2心材31よりもイオン化傾向が大きいので、第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32から第1心材21及び第2心材31に電子が供給される。このようにして、第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32によって第1心材21及び第2心材31の腐食が抑制される。そして、第1冷媒管20及び第2冷媒管30の外周面の第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32によって第1冷媒管20及び複数の第2冷媒管30が保護されている間は、第1先端部分21aの内周面21aaと第1面51aの接合部分及び第2先端部分31aの内周面31aaと第2面52aの接合部分の腐食が抑制される。そして、たとえ接続部51,52の中の第1犠牲陽極層22または第2犠牲陽極層32が腐食しても、第1先端部分21aの内周面21aaと環状の第1面51aの接合部分及び第2先端部分31aの内周面31aaと環状の第2面52aの接合部分で気密が保たれるので、冷媒が冷媒分流器10の外部に漏洩することが防がれる。
以下においては、接続部51,52の構成について詳細に説明し、他の構成についての説明は省略する。第2実施形態でも第1実施形態と同様に、第1冷媒管20が複数本であってもよく、また第2冷媒管30の本数が第1冷媒管20の本数よりも多ければ10本に限られるものではなく、また複数の第2冷媒管30のそれぞれに流れる冷媒の流量が異なるように設計されてもよい。
(5)接続部51,52の詳細構成
接続部51は、第1穴45の中心軸に一致する中心軸を持つアルミニウム合金製の円筒部材61を有する。円筒部材61が接続部51の第1円筒部材である。各接続部52は、各第2穴47の中心軸に一致する中心軸を持つアルミニウム合金製の円筒部材62を有する。円筒部材62が接続部42Aの第2円筒部材である。
接続部51,52の円筒部材61,62は、第1部材43A及び第2部材44Aと同じ材質で構成されることが好ましい。円筒部材61,62並びに第1部材43A及び第2部材44Aに用いられるアルミニウム合金としては、例えば、第1実施形態で説明したAl‐Mn系アルミニウム合金がある。円筒部材61,62並びに第1部材43A及び第2部材44Aに用いられるアルミニウム合金は、第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32よりも電気化学的に貴な金属である。
本体40Aの第1部材43Aと第2部材44A及び円筒部材61,62には、犠牲陽極層が形成されていない。言い換えると、第1部材43A及び第2部材44Aは、単一のAl‐Mn系アルミニウム合金からなる部材である。第1部材43Aは、直径D4の凹部48aと凹部48aの中に形成されている直径D3の凹部48bとを持っている。円筒部材61は、凹部48bの中に嵌め込まれる。第2部材44Aは、直径D14の凹部49aと凹部49aの中に形成されている直径D13の凹部49bとを持っている。円筒部材62は、凹部49bの中に嵌め込まれる。そのため、凹部48bの径は、直径D3と同じかまたはそれよりも僅かに大きく、凹部49bの径は、直径D13と同じかまたはそれよりも僅かに大きい。円筒部材61の内径は第1穴45の径D7と実質的に同じであり、円筒部材62の内径は第1穴45の径D17と実質的に同じである。
円筒部材61,62は、第1部材43A及び第2部材44Aにろう付けされている。円筒部材61,62が第1部材43A及び第2部材44Aに接する部分は、例えばアルミニウム合金によって気密に接合されている。従って、円筒部材61,62と第1部材43A及び第2部材44Aとの境界を通って、第1穴45及び第2穴47から冷媒分流器10Aの外に冷媒が漏れ出すことはない。
接続部51は、第1穴45の中心軸に一致する中心軸を持つ円環状の環状溝で構成されている。この接続部51を構成する環状溝が第1環状溝である。第1環状溝の深さは、例えば6mm以上である。第1環状溝は、第1部材43Aの凹部48aと円筒部材61の外周面との間に形成される溝であり、凹部48aの円筒状の内周面が接続部51の第3面51bであり、円筒部材61の円筒状の外周面が接続部51の第1面51aである。つまり、凹部48aの内周面が第1環状溝の第1外周壁面であり、円筒部材61の外周面が第1環状溝の第1内周壁面である。この第1環状溝に円筒状の第1冷媒管20が嵌入される。
接続部52は、第2穴47の中心軸に一致する中心軸を持つ円環状の環状溝で構成されている。この接続部52を構成する環状溝が第2環状溝である。第2環状溝の深さは、例えば6mm以上である。第2環状溝は、第2部材44Aの凹部49aと円筒部材62の外周面との間に形成される溝であり、凹部49aの円筒状の内周面が接続部52の第4面52bであり、円筒部材62の円筒状の外周面が接続部52の第2面52aである。つまり、凹部49aの内周面が第2環状溝の第2外周壁面であり、円筒部材62の外周面が第2環状溝の第2内周壁面である。この第2環状溝に円筒状の第2冷媒管30が嵌入される。
(6)特徴
(6−1)
接続部51,52の第1環状溝及び第2環状溝の中にまで第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32が入り込んでいる。第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32による第1心材21、第2心材31及び本体40の腐食の抑制が行われている間に、第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32が先に侵食されて、接続部51,52に孔食が発生することがある。しかしながら、第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32の犠牲によって他の部材の腐食が抑制されている間は、第1冷媒管20の第1心材21の第1先端部分21aと接続部51の第1面51aの接合部分及び円筒部材61と第1部材43Aの接合部分、並びに第2冷媒管30の第2心材31の第2先端部分31aと接続部52の第2面52aの接合部分及び円筒部材62と第2部材44Aの接合部分の腐食が抑制され、冷媒分流器10の耐食性をムラなく向上させることができる。
(6−2)
接続部51,52の孔食を防止するために例えば第1冷媒管20及び第2冷媒管30の第1先端部分21a及び第2先端部分31aの第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32を削り落とすような作業が省かれる。つまり、第1犠牲陽極層22が第1先端部分21aに形成されたままの第1冷媒管20を接続部41の第1環状溝に差し込んでろう付けされている。また、第2犠牲陽極層32が第2先端部分31aに形成されたままの第2冷媒管30を接続部42の第2環状溝に差し込んでろう付けされている。このように簡単に本体40Aと第1冷媒管20の接続及び本体40Aと第2冷媒管30の接続とそれらの耐食性の対策とを行えるので、冷媒分流器10Aの組み立てが簡単になって冷媒分流器10Aの製造コストを抑制することができる。
(6−3)
第1フレア部23によって第1冷媒管20の第1先端部分21aが広げられるとともに第2フレア部33によって第2冷媒管30の第2先端部分31aが広げられることで、接続部41,51の第1環状溝の内側に第1冷媒管20の内径D1と同じ程度の径D7を持つ第1穴45を形成でき、接続部42,52の第2環状溝の内側に第2冷媒管30の内径D11と同じ程度の径D17を持つ第2穴47を容易に形成できる。その結果、冷媒分流器10において冷媒の流入をスムーズに行わせる構造を形成し易くなる。
(6−4)
第1部材43Aに接合される第1短筒部材である円筒部材61に第1冷媒管20を差し込んでろう付けすると、本体40Aと第1冷媒管20の接続とそれらの耐食性の対策とを行えるので、冷媒分流器10Aの組み立てが簡単になって冷媒分流器10Aのコストを抑制することができる。同様に、第2部材44Aに接合される第2短筒部材である円筒部材62に第2冷媒管30を差し込んでろう付けすると、本体40Aと第2冷媒管30の接続とそれらの耐食性の対策とを行えるので、冷媒分流器10Aの組み立てが簡単になって冷媒分流器10Aのコストを抑制することができる。
(7)変形例
(7−1)変形例1A,2A
上記第1実施形態及び第2実施形態では、第1心材21及び第2心材31並びに本体40,40Aがアルミニウム合金である場合について説明したが、第1心材21及び第2心材31並びに本体40,40Aはアルミニウムで形成されてもよい。アルミニウム製の第1心材21及び第2心材31並びに本体40,40Aに対する第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32は、アルミニウムよりも卑な金属からなる。アルミニウムとしては、例えば、JISH4040で規定されている合金番号1000番台のアルミニウムがある。このようなアルミニウム製の本体に対しても、Al‐Zn‐Mg系アルミニウム合金からなる層を第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32として用いることができる。同様に、熱交換部3、連結ヘッダ4、第1ヘッダ集合管5、第2ヘッダ集合管6は、アルミニウムからなるものであってもよい。
(7−2)変形例1B,2B
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32が同じ材質で形成されている場合について説明した。しかし、これらが互いに異なる材質で形成されてもよく、例えば、アルミニウム合金で第1犠牲陽極層22及び第2犠牲陽極層32が形成される場合に、合金に含まれるアルミニウム以外の金属の種類及び/または金属の配合比率を互いに異ならせることで、第1犠牲陽極層22と第2犠牲陽極層32の材質を互いに異なるものとしてもよい。第1冷媒管20の第1犠牲陽極層22は、第1心材21よりも電気化学的に卑な金属で形成されればよく、第2冷媒管30の第2犠牲陽極層32は、第2心材31よりも電気化学的に卑な金属で形成されればよい。
(7−3)変形例1C,2C
上記第1実施形態及び第2実施形態では、本体40,40A、第1冷媒管20の第1心材21及び第2冷媒管30の第2心材31が互いに同じ材質で構成されている場合について説明した。しかし、本体40,40A、第1冷媒管20の第1心材21及び第2冷媒管30の第2心材31は、異なる材質で構成されていてもよい。例えば、アルミニウム合金で本体40,40A、第1心材21及び第2心材31が形成される場合に、合金に含まれるアルミニウム以外の金属の種類及び/または金属の配合比率をそれぞれに異ならせることで、本体40,40A、第1心材21及び第2心材31の材質を互いに異ならせてもよい。
(7−4)変形例1D,2D
上記第1実施形態及び第2実施形態では、接続部41,42,51,52を構成する第1環状溝及び第2環状溝が、円筒状である場合について説明した。これら第1環状溝及び第2環状溝は、本体40,40Aの軸方向に見て環状であればよく、軸方向に見た形状が例えば楕円形または方形など円形以外の形状であってもよい。
また、第1冷媒管20及び第2冷媒管30並びに第1心材21及び第2心材31が円管である場合について説明したが、第1冷媒管20及び第2冷媒管30並びに第1心材21及び第2心材31は円管以外の管状であってもよく、例えば冷媒の流れ方向に垂直なそれらの断面の形状が楕円形であってもよい。
(7−5)変形例1E,2E
上記第1実施形態及び第2実施形態では、第1冷媒管20及び第2冷媒管30を拡管する場合について説明したが、第1冷媒管20及び第2冷媒管30を拡管せずに用いてもよい。例えば、内径D1が第1面41a,51aの直径D3と同じかまたは僅かに大きく、外径D2が第3面41b,51bの直径D4と同じかまたは僅かに小さい第1冷媒管20を用いてもよく、内径D11が第2面42a,52aの直径D13と同じかまたは僅かに大きく、外径D12が第4面42b,52bの直径D14と同じかまたは僅かに小さい第2冷媒管30を用いてもよい。
(7−6)変形例2F
上記第2実施形態では、第1短筒部材である円筒部材61及び第2短筒部材である円筒部材62が本体40A、第1冷媒管20の第1心材21及び第2冷媒管30の第2心材31と同じ材質で構成されている場合について説明した。しかし、円筒部材61,62は、本体40A、第1心材21及び第2心材31と異なる材質で構成されていてもよい。例えば、アルミニウム合金で円筒部材61,62、本体40A、第1心材21及び第2心材31が形成される場合に、合金に含まれるアルミニウム以外の金属の種類及び/または金属の配合比率をそれぞれに異ならせることで、円筒部材61,62、本体40A、第1心材21及び第2心材31の材質を互いに異ならせてもよい。
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
10,10A 冷媒分流器
20 第1冷媒管
21 第1心材
22 第1犠牲陽極層
23 第1フレア部
30 第2冷媒管
31 第2心材
32 第2犠牲陽極層
33 第2フレア部
40,40A 本体
41,42,51,52 接続部
41a,51a 第1面
42a,52a 第2面
41b、51b 第3面
42b,52b 第4面
61 円筒部材 (第1短筒部材の例)
62 円筒部材 (第2短筒部材の例)
国際公開第2016/002280号

Claims (4)

  1. アルミニウム製またはアルミニウム合金製の管状の第1心材(21)及び前記第1心材の外周面に前記第1心材に対する第1犠牲陽極層(22)を有する第1冷媒管(20)と、
    アルミニウム製またはアルミニウム合金製の管状の複数の第2心材(31)及び前記複数の第2心材の外周面に前記複数の第2心材に対する第2犠牲陽極層(32)を有する複数の第2冷媒管(30)と、
    前記第1冷媒管及び前記複数の第2冷媒管が接続される接続部(41,42,51,52)を含むアルミニウム製またはアルミニウム合金製の本体(40,40A)と、
    を備え、
    前記接続部は、前記第1心材の第1先端部分の内周面にろう付けされている環状の第1面(41a,51a)と、前記複数の第2心材の少なくとも1つの第2先端部分の内周面にろう付けされている環状の第2面(42a,52a)と、前記第1先端部分の外周面と対向する第3面(41b,51b)と、前記第2先端部分の外周面と対向する第4面(42b、52b)とを有し、
    前記本体は、前記第1冷媒管に連通し、前記第3面が形成されている第1穴(45)を持つとともに、前記複数の第2冷媒管のうちの少なくとも1つに連通し、前記第4面が形成されている第2穴(47)を持ち、
    前記接続部(51,52)は、前記第1穴に気密に接合され、前記第1面である外周面を持つ第1短筒部材(61)を有するとともに、前記第2穴に気密に接合され、前記第2面である外周面を持つ少なくとも1つの第2短筒部材(62)を有する、冷媒分流器(10,10A)。
  2. 前記本体は、前記第1面である第1内周壁面及び前記第3面である第1外周壁面を持つ第1環状溝と、前記第2面である第2内周壁面及び前記第4面である第2外周壁面を持つ少なくとも1つの第2環状溝とを有する、
    請求項1に記載の冷媒分流器。
  3. 前記第1先端部分は、前記第1環状溝の前記第1内周壁面に合わせて前記第1先端部分の内周面を広げる第1フレア部(23)を含み、
    前記第2先端部分は、前記第2内周壁面に合わせて前記第2先端部分の内周面を広げる第2フレア部(33)を含む、
    請求項2に記載の冷媒分流器。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の冷媒分流器を備える空気調和機。
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