図1は、本発明の第1実施形態に係る株式取引システム1(金融商品取引システムに相当。以下同様)の全体的な概要の構成を示す。株式取引システム1は、オンラインによる株式取引サービスを、投資家であるユーザ(U1、U2、U3等)に提供するものであり、ユーザ端末(T1、T2、T3等)は、株式売買に係るユーザ操作の受付が可能な取引画面を提示し、この取引画面での取引操作の内容(取引注文等)を証券会社の証券会社システム2へ送信する。本実施形態では、複数種類のユーザインタフェース画面(取引画面)を通じて、ユーザが株式取引の操作を行えるようにしており、取引画面の種類としては、単一の銘柄専用の取引画面(特定銘柄取引画面)、複数の株式銘柄により構成されるポートフォリオグラフを示して取引を可能とした取引画面(ポートフォリオ画面)、及び基本ポートフォリオを容易且つ素早く構築できるようにした本発明の特徴となる取引画面(基本ポートフォリオ作成画面)がある。
本実施形態の株式取引システム1は、上述した各種取引画面等をユーザ端末(T1、T2、T3等)で提示するためのアプリケーションプログラム(アプリ。一種のコンピュータプログラム)を証券会社がユーザに提供しており、このようなアプリケーションプログラムをネットワーク経由で、証券会社による証券会社システム2からユーザ端末にダウンロードできるようにしている(勿論、証券会社がアプリを記録したUSBメモリ等の記憶媒体をユーザに配布し、記憶媒体を通じてアプリをユーザ端末にインストールすることも可能)。また、証券会社システム2は、ユーザ端末(T1、T2、T3等)からの取引注文(売り又は買いの注文)を受け付けて、その注文に応じた売買処理を相対取引(市場を介さずに売買当事者間で売買方法、取引価格、取引量を決定して売買する取引)により行う。なお、証券会社システム2は、主にサーバ装置によりシステムが構築されている。
投資家であるユーザ(U1、U2、U3等)は、オンライン株式取引サービスを利用するため、事前に各種ユーザ情報(ユーザの氏名、電話番号、メールアドレス等)を証券会社に提出して、証券会社のオンライン株式取引サービスに登録しており、登録が完了すると、各ユーザに証券会社からユーザIDが付与される。また、オンライン株式取引サービスに登録の際、ユーザは、オンライン株式取引に係る口座を証券会社等に開設すると共に、その口座に現金を入れる手続を行ってから、取引を行うことになる。
ユーザが使用するユーザ端末T1、T2、T3等は通信端末装置に相当し、具体的には、通信機能を具備するパーソナルコンピュータ(据え置き型又は携帯型のパーソナルコンピュータ)、携帯型ユーザ端末(タブレット、スマートフォン、通信機能付きPDA、携帯電話等)などの通信機能を具備した一種のコンピュータ的な装置をユーザ端末として適用できる。
また、本実施形態の株式取引システム1は、情報収集システム3及び取引所システム4も備えている。情報収集システム3は、スクレイピングサーバ3a等を含み、このスクレイピングサーバ等の処理により、取引対象となる株式銘柄の法人等に関する投資家向け情報等を、ユーザ(U1、U2、U3等)からの要求に応じて提供できるようにしている。また、取引所システム4は、株式の市場取引を行うものであり、各銘柄の取引に係る各種情報(各銘柄の株式単価、単価の変動状況等)を証券会社システム2等へ提供している。以下、本発明について詳説していく。
図2は、ユーザ端末(T1、T2、T3等)の一例であるスマートフォン10(通信端末装置に相当)の主要な内部構成を示している。スマートフォン10は、プログラムに従って各種処理を行う一種のコンピュータ(通信手段及び記憶手段を具備したコンピュータ)に該当する。スマートフォン10は、全体的な制御及び各種処理を行うCPU10a(プロセッサ10a)に、内部接続線10kを介して、通信・通話モジュール10b(通信手段に相当)、RAM10c、ROM10d、入出力インタフェース10e、記憶部(記憶手段に相当)10g、センサ10i等の各種デバイス等を接続したものになっており、また、ユーザが操作可能な操作部10hも内部接続線10kに繋がっている。
スマートフォン10の通信・通話モジュール10bは、ネットワークを介した無線通信処理に加えて、CPU10aの制御に従って所定の電話番号へ電話をかける機能(発呼機能)及び電話を受ける機能(着呼機能)等を有する。RAM10cは、CPU10aの処理に伴う内容、ファイル等を一時的に記憶するものである。ROM10dは、CPU10aの基本的な処理内容を規定したプログラム等を記憶すると共に、スマートフォン10を識別する識別情報(UID)等も格納している。なお、このUIDは、上述した通信・通話モジュール10bで通信(送信)する際、送信内容に含まれるようになっている(例えば、送信パケットのヘッダ等にUIDを含めて送信が行われる)。
入出力インタフェース10eは、タッチパネル機能を具備した長方形のパネル画面を有するディスプレイ10fと接続されており、CPU10aの制御処理により生成された各種画面(図3〜14等に示す各画面参照)をディスプレイ10fに出力する処理を行い、それにより、出力した画面内容がディスプレイ10fに表示されることになる。また、入出力インタフェース10eは、ディスプレイ10fの表面をユーザがタッチすることで受け付けた操作内容をCPU10aへ送る処理も行う。
なお、ユーザがディスプレイ10fの表面をタッチすることで受け付ける操作内容は、表示している画面内容に応じて適宜、変化し、例えば、スマートフォン10の基本画面となるホーム画面11(図3参照)がディスプレイ10fに表示されていた場合で、ホーム画面11に含まれる各種アイコン11a、11b、11c等の配置箇所に応じた表面がユーザによりタッチされると、タッチされた箇所に位置するアイコン(例えば、アイコン11a)をユーザが選択したこと(アイコン11aのユーザ選択操作)を、ディスプレイ10fのタッチパネル機能を介して入出力インタフェース10eは受け付けて、入出力インタフェース10eはアイコン11aの選択操作をCPU10aへ伝達する。
操作部10hは、スマートフォン10の筐体に設けられたハードボタンであり、操作部10hが操作されると、操作部10hがユーザにより操作されたことがCPU10gに伝えられる。操作部10hの操作による意味合いは、スマートフォン10の処理状況により様々なものになり、例えば、アプリを起動している状況で、操作部10hが操作されると、アプリを終了する動作が行われるので、この場合、操作部10hの操作は、アプリの終了指示をユーザから受け付けることになる。本発明の場合、後述するように、オンライン株式取引サービス用の株式取引アプリP2(記憶部10gにダウンロードされてインストールされているもの)を用いるので、株式取引アプリP2を起動している状態で、操作部10hが操作されると、株式取引アプリP2の終了指示をスマートフォン10が受け付けたことになり、株式取引アプリP2のログオフ指示が、証券会社システム2へ送信されることになる。
センサ10iは、スマートフォン10の本体の向きを検知するものであり(ディスプレイ10fのパネル画面が縦向きか、又は横向きかを検知)、検知した向きをCPU10aへ伝達する。なお、センサ10iの具体的な仕様としては傾きセンサ(加速度センサ)が用いられる。
記憶部10gは、OSプログラムP1、株式取引アプリP2、及びその他の各種アプリ等のプログラムを記憶(インストール)すると共に、各種データも記憶する。OSプログラムP1は、オペレーティングシステムに相当する基本プログラムであり、ユーザ端末(スマートフォン10)が一種のコンピュータとして機能するためのCPU10aの処理を規定している。OSプログラムP1が規定する基本的な処理の一つとしては、ユーザ端末(スマートフォン10)が使用できる状態になったときに、最初にディスプレイ10fにホーム画面11(図3参照)を表示することが挙げられ、このホーム画面11においては、記憶部10gにインストールされている各種アプリに応じたアイコン11a、11b、11c等を配置することも、OSプログラムP1の規定する処理によるものとなっている。
記憶部10gに記憶される株式取引アプリP2は、証券会社システム2が提供するオンライン株式取引サービス用のアプリケーションプログラム(コンピュータプログラム)であり、株式銘柄取引用の各種画面(図4〜14等参照)をユーザ端末に表示させて、その画面におけるユーザ操作の内容(売買注文等)を証券会社システム2へ送信する処理等に応じた各種制御をCPU10aが行うことを規定したものになっており、このような規定内容により、CPU10aは取引画面等の各種画面の生成手段、表示手段等として機能するようになる。株式取引アプリP2は、処理を規定したプログラムコードに加えて、各種画面に応じた画面データも含む。なお、株式取引アプリP2は各種記憶媒体(USBメモリ、メモリカード等)を介して記憶部10gへインストールすることも可能である。
図3に示すように、株式取引アプリP2は記憶部10gにインストールされると、OSプログラムP1に基づくホーム画面11の中に、株式取引アプリP2を起動させるための株取引アイコン12が選択可能に配置される。なお、図3は、ホーム画面11がディスプレイ10fのパネル画面に表示された状態を示している。
図4は、ホーム画面11で株取引アイコン12をユーザが選択する操作を受け付けた場合に、ディスプレイ10fに表示されるログイン画面15を示している。株式取引アプリP2は、株取引アイコン12の選択の際に、ユーザが株式取引サービスへログイン中でないときに、このログイン画面15の表示処理をCPU10aが行うことを規定する。なお、一旦、ログインが完了すれば、ログオフ操作を行わない限り、ログイン状態が継続され、ログイン状態が継続しているときは、図3のホーム画面11で株取引アイコン12が選択されたときは、図4のログイン画面15が表示されることなく、後述する図5のトップページ画面17がディスプレイ10fに表示されることになる。
ログイン画面15は、ログイン画面用の画面データに基づき生成されるものであり、メールアドレス入力欄15a、パスワード入力欄15b、及び選択可能なログインボタン15cを配置している。このように配置された各部に応じたパーツのデータも、株式取引アプリP2はログイン画面用の画面データとして含んでいる。ログイン画面15を表示した状態で、上述したOSプログラムP1が規定する処理に応じた機能により、ディスプレイ10fにソフトキーボード16を表示し、このソフトキーボード16に含まれる各キーをユーザが操作することで、各入力欄15a、15bに所定の内容を入力していくことになる。なお、入力するメールアドレス及びパスワードは、株式取引サービスへのユーザ登録時に、ユーザごとに定められたものである。
そして、各入力欄15a、15bへ所定の内容が入力された状態で、ソフトキーボード16のエンターキーが選択されると、入力内容が確定し、この確定状態でログインボタン15cのユーザ選択操作をユーザ端末(スマートフォン10)が受け付けると、入力された内容(ログイン情報)が、証券会社システム2へ向けて送信されるように作り込みされており、このような作り込みの内容等を規定したデータ(スクリプト系言語等で記載されたデータ)も、ログイン画面用の画面データに含まれる(このような選択ボタンに関する内容は、他の画面データでも同様である)。
なお、ログイン操作に伴うログイン情報を送信して、証券会社システム2で登録ユーザの確認が取れると、ログイン処理が完了した旨の通知(ログイン完了通知)がログイン情報の送信元の通信端末装置(スマートフォン10、ユーザ端末)へ送信される。
図5は、株式取引アプリP2のトップページ画面17(アイコン画面に相当)を示しており、ログイン画面15でログイン処理が完了した旨の通知をユーザ端末(スマートフォン10)が受信したときに、ディスプレイ10fに表示されるものである。なお、トップページ画面17をログイン処理に伴って表示するときは、証券会社システム2から送信されるログイン完了に伴う通知には、ログイン時における所定の銘柄の株価に関する情報、及びログイン処理を行ったユーザの今までの取引履歴情報等の各種情報が付帯しており、通知と共に受信した各種情報はRAM10cに一時的に記憶されるようになっており、このRAM10cに一時的に記憶した各情報については、表示する各画面の中で利用することもある。
また、一旦、株式取引アプリP2の起動を停止しても、証券会社システム2へのログインが継続中であれば、再度、図3のホーム画面11の中の株取引アイコン12が選択されてトップページ画面17を表示するときは、各銘柄の株価に関する情報及びユーザの取引履歴情報等の各種情報要求を証券会社システム2へ送信するようになっており、それに伴い、最新の必要な情報を取得してRAM10cに一時的に記憶することになる。
トップページ画面17は、選択可能なアイコンを複数含んでおり、これら複数のアイコンは二種類に大別できる。一つ目の種類は、A、B、C社等の各社に応じた銘柄の取引処理を起動させるためのA社株式取引アイコン17a、B社株式取引アイコン17b、C社株式取引アイコン17c・・・等(他のアイコンに該当)である。これら各社アイコン17a、17b、17c・・・等に応じたA社、B社、C社等の複数の株式銘柄の中の株式銘柄は、基本ポートフォリオを構成するものが含まれており、また、A社、B社、C社等の複数の株式銘柄には、上場によるコード番号(上場識別情報)が、それぞれ付されているものとする。トップページ画面17の中の二つ目の種類は、本発明の特徴である基本ポートフォリオ構築用の基本ポートフォリオアイコン18(一のアイコンに相当)である。
また、トップページ画面17は、画面最下方にメニューバー19を配置している。メニューバー19は選択可能な複数のメニューボタン19a〜19d等を含む(メニューバー19の配置は他の画面でも基本的に共通)。第1のメニューボタン19aはポートフォリオボタンであり、ユーザが保有する株式に応じた保有量等を表すポートフォリオグラフを含むポートフォリオ画面(図9等参照)を表示するためのボタンである。
この第1のメニューボタン19aがユーザ操作により選択されると、ポートフォリオ画面の表示に必要なログイン中のユーザに関するポートフォリオ情報(各株式の保有量及び口座の金額等を示す情報)を要求するポートフォリオ情報要求を証券会社システム2へ送信する処理を行うことも株式取引アプリP2は規定している。そしてポートフォリオ情報を受信するとポートフォリオ画面をディスプレイ10fに表示することになる(図9参照)。なお、ユーザが証券会社システム2のサービスを通じた株式を所有していない場合、株式に関するポートフォリオが存在しないので、ポートフォリオ画面は表示されず、その替わりに、現在所有されている株式が存在しないメッセージが表示されることになる。
第2のメニューボタン19bは、お知らせボタンであり、証券会社側がユーザへ伝える事項を提示するお知らせ画面を表示するためのボタンである。この第2のメニューボタン19bがユーザ操作により選択されると、お知らせ画面の表示に必要なお知らせ情報を要求するお知らせ要求を証券会社システム2へ送信する処理を行うことも株式取引アプリP2は規定しており、お知らせ情報の取得に応じて、お知らせ画面をディスプレイ10fに表示することになる。
また、第3のメニューボタン19cは、履歴ボタンであり、ユーザの今までの取引履歴を示す履歴画面を表示するためのボタンである。この第3のメニューボタン19cがユーザ操作により選択されるとRAM10cに記憶されている取引履歴情報を読み出してディスプレイ10fに表示する処理を行うことも株式取引アプリP2は規定しており、取引履歴情報の取得に応じて、取引履歴画面をディスプレイ10fに表示することになる。
さらに、第4のメニューボタン19dは、各種設定等を行うためのメニュー画面を表示するためのボタンである。この第4のメニューボタン19dがユーザ操作により選択されると、各種メニュー項目を含むメニュー画面の表示処理を行うことを株式取引アプリP2は規定している。
また、トップページ画面17における一つ目の種類のアイコンである各社用の株式取引アイコン17a、17b、17c・・・等のいずれかがユーザにより選択される操作を受け付けると、CPU10aは、選択されたアイコンに係る株式銘柄(例えば、A社)の取引に係る特定銘柄取引画面をディスプレイ10fに表示する処理を行う(後述の図13参照)。なお、トップページ画面17に配置される各社用の株式取引アイコン17a、17b、17c・・・等の数は、株式取引業界における協会自主規制ルールにおける特定銘柄の推奨に該当しないように、少なくとも5銘柄以上のアイコンを配置することが好適である。
さらにトップページ画面17における二つ目の種類のアイコンである基本ポートフォリオアイコン18は、本発明の特徴である基本ポートフォリオを構築するための取引画面を表示するための選択可能なアイコンであり、ユーザから選択操作をユーザ端末であるスマートフォン10(CPU10a)が受け付けると、図6に示すような基本ポートフォリオ作成画面20をディスプレイ10fに表示する表示処理が行われることを株式取引アプリP2は規定する。
図6の基本ポートフォリオ作成画面20は、上場識別情報が付与された金融商品(株式)に係る複数の銘柄(株式銘柄)を含む取引画面に相当し(以下、同様)、これら複数の株式銘柄を、金額指定で同時的に買い注文を発注して、複数の株式銘柄によるポートフォリオを容易且つ迅速に作成可能としたものになっている。
本実施形態では、取引対象となる複数の株式銘柄として、A社、B社、C社、D社、E社をデフォルトで含んでおり、このような取引対象は、株式取引サービスを提供する証券会社側により選択されたものになっている。選択の基準としては、幅広い人の取引対象になり得る可能性を高めるために、著名な企業の銘柄を選ぶことが好適である。証券会社側が選択する企業数(株式銘柄数)は、5社に限定されるものではなく、適宜増減可能であるが、株式取引業界における協会自主規制ルールにおける特定銘柄の推奨に該当しないようにする観点からは、少なくとも4銘柄以上、好ましくは5銘柄以上を基本ポートフォリオ作成画面20に含ませるようにする。
また、このような取引対象となる企業としては、日本国の企業から選択することの他に、証券会社が提供する株式取引サービスの内容によっては、ある海外の国の著名企業を選択して、その海外の国用の株式取引サービスを提供することも可能である(例えば、米国市場上場の非常に著名な企業から株式銘柄を選択して、米国企業の株式取引サービスを提供すること等が考えられる)。
基本ポートフォリオ作成画面20は、画面上方に金額指定部20aを設けており、その金額指定部20aの中に金額設定欄20bを配置している。金額指定部20aの画面中の占有範囲は選択可能になっており、ユーザによって、金額指定部20aの選択操作をユーザ端末であるスマートフォン10(CPU10a)が受け付けると、金額設定欄20bが買付額の入力操作が受付可能となり、図4に示す場合と同様に、ディスプレイ10fの画面の下方に、OSプログラムP1の処理に応じた機能により、ソフトキーボード16を基本ポートフォリオ作成画面20にオーバレイで表示する。ユーザは、このソフトキーボード16に含まれる数字キーを操作することにより、金額設定欄20bの所望の金額(買付額)を指定(設定)することになる。なお、本実施形態では、金額の入力指定は、証券会社側の金額処理負担の低減を図るため、日本円の万円単位で行うようにしているが、これに限定されるものではなく、千円単位、百円単位、十円単位、又は一円単位の金額設定を可能にした仕様にすることも可能であり、更には十万円単位の仕様にすることも可能である。
上述したソフトキーボード16に含まれる数字キーにより、金額設定欄20bに所定の金額(買付額)が入力されると共に、ソフトキーボード16に含まれるエンターキーの選択操作が行われることで、ユーザ端末であるスマートフォン10のCPU10aは、金額設定欄20bに入力された買付額を受け付けて、オーバレイで表示していたソフトキーボード16を除去することになる。
また、基本ポートフォリオ作成画面20は、上述した金額指定部20aの下方に、A〜E社の各社銘柄株式欄21〜25を配置している。各社銘柄株式欄21〜25は同等な構成になっており、例えばA社株式欄21には、A社の名称、買付額の提示欄21a、及びA社の直近の株価を示す株価欄21bを配置した構成になっている。買付額の提示欄21aは、上述した金額指定部20aで買付額の受付が完了するまでは、空欄の状態となっており(図6参照)、買付額の受付が完了すると(金額設定欄20bに金額が入力されて、ソフトキーボード16のエンターキーが選択されると)、金額設定欄20aに入力された金額と同額の値が、提示欄21aに自動で提示される(図7参照)。
残りのB〜E社株式欄22〜25も上述したA社株式欄21と同様の構成であり、B〜E社のそれぞれの名称、買付額の提示欄22a〜25a、及びB〜E社の直近の株価を示す株価欄22b〜25bを配置する。これらB〜E社株式欄22〜25における買付額の提示欄22a〜25aも、上述したA社株式欄21の提示欄21aと同様に、金額設定欄20aに入力された金額と同額が、自動で提示される(図7参照)。また、各社銘柄株式欄21〜25の株価欄21b〜25bは、ログイン時又はトップページ画面17の表示時等に、ユーザ端末(スマートフォン10)が証券会社システム2から取得してRAM10cに一時的に記憶しているA〜E社の株価をCPU10aが読み出して、各株価欄21b〜25bに配置する処理を行う。このように各株価欄21b〜25bに配置される各社の直近の株価は、ユーザが各社銘柄の株式を購入するタイミングを見極めるのに役立てられる。
さらに、基本ポートフォリオ作成画面20は、E社株式欄25の下方に、同時購入ボタン20dを配置しており、この同時購入ボタン20dは、上述した買付額を受け付けた場合に、ユーザからの買付操作を受け付けるものであり、上述した金額指定部20aの金額設定欄20bで買付額が指定されて、ソフトキーボード16のエンターキーが選択されて、買付額が受け付けられた状態になると、ボタン選択が可能な状態になる。すなわち、買付額(例えば10万円)が受け付けられた状態で、同時購入ボタン20dのユーザによる選択操作を受け付けると、CPU10aは、A社〜E社の株式のそれぞれを、同額の買付額(10万円分)で買い付ける旨の買付指示に係る買付操作を受け付けることになる。
図8(a)は、買付確認画面26を示し、この買付確認画面26は、同時購入ボタン20dの選択操作を受け付けたことに伴って、ディスプレイ10fに、基本ポートフォリオ作成画面20にオーバレイで表示されるものになっている。買付確認画面26は、「各社の株式(A〜E社の株式)を、それぞれ¥100,000円で買う」ことを、ユーザに確認するためのテキスト26cと、選択可能なOKボタン26a及び戻るボタン26bを含んだ構成になっている。なお、上記のテキスト26cにおける金額は、金額設定欄20bで入力された額がCPU10aの処理により配置される。そして、OKボタン26aが、ユーザによる選択操作(買付操作と同意)を受け付けると、その操作を受け付けたことに伴って、CPU10aは、上述した買付指示の内容に応じた買付注文を、通信・通話モジュール10bから証券会社システム2へ送信する処理を行う。本発明は上述したユーザインタフェース(基本ポートフォリオ作成画面20等を通じたユーザインタフェース)をユーザに提示することで、ユーザが一度の買付操作で、複数の銘柄(株式銘柄)を同額で同時購入できることを実現している。
なお、買付確認画面26の戻るボタン26bが、ユーザによる選択操作を受け付けると、CPU10aは、買付確認画面26を削除して、基本ポートフォリオ作成画面20(図7に示すように金額設定欄20bに金額が入力された状態の基本ポートフォリオ作成画面20)を表示する処理を行うことになる。また、上述した基本ポートフォリオ作成画面20の同時購入ボタン20d、図8(a)の買付確認画面26のOKボタン26a、及びCPU10aは、複数の株式銘柄の買付指示に係る買付指示を受け付ける手段として機能する。
図8(b)は、買付完了画面27を示し、この買付完了画面27は、図8(a)の買付確認画面26におけるOKボタン26aの操作による買付注文が発注されて、証券会社システム2での買付処理が完了された場合に、ディスプレイ10fに、基本ポートフォリオ作成画面20にオーバレイで表示されるものとなっている。具体的には、証券会社システム2で買付注文に対する買付処理が完了すると、証券会社システム2からユーザ端末(スマートフォン10)に買付完了通知が送信されるので、その買付完了通知を通信・通話モジュール10bで受信したことをトリガーにして、CPU10aは、表示内容を、買付完了画面27に切り替える表示処理を行う。
このように買付完了画面27が表示されると、ユーザの買付注文に応じたポートフォリオが構築されたことになる。図7に示す買付額の例による買付注文の場合では、A社株式が10万円、B社株式も10万円、C社株式も10万円、D社株式も10万円、及びE社株式も10万円とした構成の基本ポートフォリオが一度の買付注文で構築される。一旦、基本ポートフォリオが構築されると、この構築された基本ポートフォリオをベースにして、投資家が様々な投資を行いやすくなり、投資を行う上での複数の株式銘柄が金銭価値で同額(均等)にした基本的な構成のポートフォリオ(基本ポートフォリオ)を素早く且つ容易にユーザは作成できる。
買付完了画面27は、買付注文の完了を通知するテキスト27cを含むと共に、選択可能な確認ボタン27a及びポートフォリオボタン27bを有する。確認ボタン27aの選択操作がユーザにより行われると、CPU10aは、図5に示す複数のアイコン17a等、18を配置したトップページ画面17をディスプレイ10fに表示する処理を行う。一方、ポートフォリオボタン27bの選択操作がユーザにより行われると、CPU10aは、ログイン中のユーザのポートフォリオに関する情報の要求(ポートフォリオ情報要求)を証券会社システム2へ通信・通話モジュール10bから証券会社システム2へ送信する処理を行う。そして、ポートフォリオ情報要求に送信に伴い、ポートフォリオ情報を受信すると、ポートフォリオ画面(図9参照)を作成してディスプレイ10fに表示する処理をCPU10aは行う。
図9は、ディスプレイ10fに表示されたポートフォリオ画面28の例を示す。このポートフォリオ画面28は、図7に示す基本ポートフォリオ作成画面20における同時購入ボタン20dの操作により構築されたポートフォリオの中身を示す。ポートフォリオ画面28は、画面上方部28aにポートフォリオグラフ30を有し、画面下方部28bにポートフォリオ明細情報29を有し、画面の最下方に他の各画面と同様に、メニューバー19を配置した構成になっている。ポートフォリオ画面28は、ポートフォリオグラフ30で、ユーザが保有する株式等に関するポートフォリオを図形的に示しており、さらには、このポートフォリオグラフを通じて、ユーザが保有する株式の売買操作を株式別に行えるユーザインタフェースを具備したものになっている。
なお、図9に示すようなポートフォリオ画面28は、上述した経緯で表示される以外に、ログインしたユーザが複数の株式銘柄によるポートフォリオを既に構築していれば各画面のメニューバー19に含まれる第1のメニューボタン19aを選択することでもディスプレイ10fに表示可能となる。この場合も、第1のメニューボタン19aが選択されることでユーザ端末(スマートフォン10)から証券会社システム2へポートフォリオ情報要求を送信され、それに伴い、証券会社システム2から送られてくるポートフォリオ情報(銘柄保有情報及び口座現金情報等を有する情報)を用いて、株式取引アプリP2の規定に基づきポートフォリオグラフ30及びポートフォリオ明細情報29を含む構成のポートフォリオ画面28がCPU10aにより生成されて、ディスプレイ10fに表示されることになる。
図9に示すポートフォリオ画面28の例では、上述した基本ポートフォリオ作成の買付注文により、ログイン中のユーザが、総株式資産額として50万円、A社の株式を10万円(A社株式の直近の評価金額。以下同様)、B社の株式を10万円、C社の株式を10万円、D社の株式を10万円、及びE社の株式を10万円、それぞれ有することを示すポートフォリオ情報を受信した場合に表示される内容になっている。このような内容のポートフォリオ情報を受信すると、各銘柄の株式の評価額の総資産額に対する割合(パーセント)をCPU10aが算出し、その算出した情報等に基づきポートフォリオグラフ30をCPU10aが生成する制御を行うことを株式取引アプリP2は規定する。
ポートフォリオ画面28のポートフォリオグラフ30は円グラフにより、ログイン中のユーザのポートフォリオを示し、扇形状のA社株図形部31、B社株図形部32、C社株図形部33、D社株図形部34、及びE社株図形部35を有する(A〜E社株図形部31〜35は銘柄図形部に相当)。A社株図形部31〜E社株図形部35は、各銘柄についての保有量(各銘柄の評価金額)に応じた円周方向における円周範囲の寸法(円弧寸法)を有することで、銘柄の各保有量を図形的に表したものになっている。
なお、図9等のポートフォリオ画面28では、A社〜E社株式に関するポートフォリオグラフ30を含んでいるが、ポートフォリオグラフ30に含まれる株式銘柄の種類は、ログイン中のユーザが保有する株式銘柄に依存し、ユーザが保有する銘柄の種類によって、ポートフォリオグラフ30に含まれる株式銘柄は適宜、変わることになる。そのため、例えば、ログイン中のユーザがA社、B社、C社及びD社の計4社の株式のみを有する場合、その場合のポートフォリオグラフはA社株図形部、B社株図形部、C社株図形部、及びD社図形部で構成されることになる。また、図10のポートフォリオグラフ30は、中央部分30aをドーナツ状に空けて、その空間に、オンライン株式取引サービスのユーザの総株式資産額(図9では50万円)を示す。
ポートフォリオグラフ30におけるA社株図形部31は、ユーザのA社保有株式評価額が総資産額50万円の内の10万円分となる5分の1を占めることから、円グラフの円周寸法の5分の1の範囲(円弧範囲)を確保した扇形状になっており、隣接するB社株図形部32の側にA社株境界線31aを有する。このA社株境界線31bは、円グラフの円周寸法を5分の1の範囲に区切る図形箇所に位置するので、A社株式の保有量(総株式資産額の20%)を特定する保有量インジケータとして機能する。
また、B社株図形部32〜E社株図形部35も、上述したA社株図形部31と同様に、B〜E社株式のユーザ保有量に応じた範囲(円弧範囲)を確保した扇形状になっており、時計回転方向側で円グラフの円周寸法を5分の1の範囲に区切る図形箇所に、B社株境界線32a〜E社株境界線35aを保有量インジケータとして配置する。
これら、各社株境界線31a〜35aは、各株式銘柄の個別の売買注文のために、ユーザ操作により時計回転方向又は反時計回転方向へ移動可能にしており、その移動操作によって、株式の売買注文を出せるようにしている。これら、各社株境界線31a〜35aの操作等の詳細については、図10〜12に基づき後述する。
そして、A社株図形部31〜E社株図形部35は、その内部領域31b〜35bに銘柄及び総株式資産額に対する銘柄保有量に基づく資産額のパーセンテージを示すテキスト(例えば、A社株図形部31では「A社 20%」)を配置して、各銘柄による具体的な金銭的価値における保有数値もポートフォリオグラフ30で確認できるようにしている。なお、各社株図形部31〜35の内部領域は後述するように、ユーザ操作により選択可能になっている。
また、ポートフォリオ画面28における画面下方部28bのポートフォリオ明細情報29は、受信したポートフォリオ情報の内容を示すテキストになっており、ログイン中のユーザが保有する各社銘柄の株式の保有量(直近に取得した評価額)等を提示する内容になっている。図9に示す例のポートフォリオ明細情報29は、「A社:10万円」、「B社:10万円」、「C社:10万円」、「D社:10万円」、「E社:10万円」というユーザ保有株式に関するポートフォリオの中身を示しており、画面上方部28aのポートフォリオグラフ30で図形的に示す内容をテキストで詳細に記した内容になっている。
本発明では、基本ポートフォリオの作成後に、このようなポートフォリオ画面28をユーザに提示することで、ユーザは自身の保有株式に関するポートフォリオを、画面上方部28aのポートフォリオグラフ30で概要を素早く把握できると共に、画面下方部28bのポートフォリオ明細情報29で詳細内容を正確に把握できるようにしている。
図10は、図9のポートフォリオ画面28におけるポートフォリオグラフ30のA社株図形部31の内部領域31b又はA社株境界線31a(保有量インジケータに相当)がユーザ操作により選択された状態を示している。内部領域31b又はA社株境界線31aが選択されると、A社株境界線31aがユーザによる移動操作が可能となり、スマートフォン10のCPU10aは、株式取引アプリP2の規定に従って、A社株境界線31aの移動可能な方向(時計回転方向又は反時計回転方向)を示す矢印を含む移動マーク31cを、A社株境界線31aに重ねて配置する。この移動マーク40の表示により、ユーザは、A社株境界線31aを移動させられること、及び移動可能な方向を視覚的に認識できる。
図11は、図10に示す移動可能な状態になったA社株図形部31のA社株境界線31aを時計回転方向に回転させるユーザ操作を行った状態(買付操作状態)のポートフォリオ画面28を示す(図中の黒矢印方向への回転)。A社株境界線31aを時計回転方向に回転させると、A社株図形部31の内部領域31bの図形範囲は拡大することになり、内部領域31bの拡大はA社株式の保有株式が増加することを意味する。このようにA社株境界線31aを時計回転方向に回転させる操作は、A社株式の保有株式を増加させる買付注文の指示操作に本実施形態では該当し、CPU10aは、A社株境界線31aを時計回転方向に回転移動させるユーザ操作を、A社株式の買付操作として受け付ける。
また、買付注文の買付量(取引量)は、A社株境界線31aの移動量(回転量)に対応しており、図11に示す場合では、A社株境界線31aの元の位置(図11中、破線で示す)から、ポートフォリオグラフ30の総円周範囲の10分の1だけA社株境界線31aを移動した状態を示す。図11の場合、総資産額が50万円であることから(図9参照)、CPU10aはA社株境界線31aの移動量(総円周範囲の10分の1)を検知することで、50万円の10分の1である5万円を取引量として特定し、その特定した5万円分の買付注文として、A社株境界線31aの移動操作を受け付ける。なお、このようなA社株境界線31aの移動により、A社株図形部31の図形範囲が拡大すると、その拡大した範囲に応じた分を吸収するように、残りのB〜E社株図形部32〜35は円周方向の範囲を均等に縮小する処理をCPU10aが行い、それにより、各境界線32a〜34aの位置が移動されて、B〜E社株図形部32〜35の占有範囲の調整が行われる。
上述したA社株境界線31aの具体的な移動操作としては、ディスプレイ10fにおけるA社株式境界線31aに応じた表示箇所をユーザの指先で触れたまま、移動方向(図11の場合は、黒矢印で示す方向)へ指先をスライドさせるというドラッグ操作により行うことになる(このようなドラッグ操作は、買付操作及び売却操作に当てはまる)。
また、上述したドラッグ操作が行われると、それに連動するようにCPU10aの制御で、ポートフォリオ画面28の画面下方部28bは、ポートフォリオ明細情報29の提示から(図9参照)、売買注文メニュー37の提示へ自動で切り替えられる(図11参照)。売買注文メニュー37は、取引金額表示欄37a、買付ボタン37b、売却ボタン37c、及びキャンセルボタン37dを含んでいる。
取引金額表示欄37aは、上述したユーザのドラッグ操作による移動量(回転量)に応じた取引金額が示される欄であり、CPU10aがドラッグ操作による移動量を検知すると共に、その検知した移動量に応じた金額を、ユーザの総株式資産額より割り出して(算出して)特定し、その特定した金額を取引金額表示欄37aに配置する。なお、本実施形態の取引は、上述したように万円単位で金額を設定して取引を行う仕様になっているので、ドラッグ操作による金額の算出による特定も万円単位で行っており、算出した移動量に応じた金額を四捨五入することで、CPU10aは万円単位で金額を特定している。取引金額表示欄23aには、ドラッグ操作に同期して取引金額が提示されるので、取引金額表示欄23aに示される金額を見ながら、ドラッグ操作の移動量を調節して、所望の取引額をユーザは指定できるようになる。
買付ボタン37bは、ユーザによるドラッグ操作が買付操作の場合に、ユーザの選択操作を受け付けられる状態となり(アクティブ状態)、ユーザによるドラッグ操作が売却操作の場合、ユーザの選択操作を受け付けられない状態になる(非アクティブ状態。図12参照)。買付ボタン37bのアクティブ状態と非アクティブ状態は、CPU10aがユーザのドラッグ操作が買付注文又は売却注文のいずれの操作指示であるかを検知することで、CPU10aにより切り替えられており、アクティブ状態で選択を受け付けると、その選択を受け付けたときに取引金額表示欄37aで示される取引額の買付注文の操作を受け付けたことになる。
買付ボタン37bの選択操作により、CPU10aは買付注文の指示を受け付けると、図11の買付操作状態のポートフォリオ画面28に、上述した図8(a)に示すような買付確認画面26と同様な構成の買付確認画面をオーバレイで表示することになる。なお、オーバレイで表示される買付確認画面には、例えば「A社の株式を、¥50,000円で買う」ことをユーザに確認するためのテキストと、選択可能なOKボタン及び戻るボタンを含んだ構成になっている。そして、このOKボタンが、ユーザによる選択操作を受け付けると、CPU10aは、A社の株式を5万円分、買い付ける旨の買付指示の内容に応じた買付注文を、通信・通話モジュール10bから証券会社システム2へ送信する処理を行うことになる。
そして、OKボタンの選択により、証券会社システム2から買付完了通知がユーザ端末(スマートフォン10)へ送信されると、その買付完了通知を通信・通話モジュール10bで受信したことをトリガーにして、CPU10aは、表示内容を、図8(b)に示すような買付完了画面27と同様な構成の買付完了画面に切り替える表示処理を行う。なお、買付確認画面で、戻るボタンが選択されると、買付確認画面が削除されて、元のポートフォリオ画面がディスプレイ10fに表示される状態へ戻ることになる。また、買付完了画面が表示された状態で、確認ボタンが操作されると、上述した図8(b)の場合と同様に、図5のトップページ画面17がディスプレイ10fに表示され、一方、ポートフォリオボタンが操作されると、買付完了後のポートフォリオを示すポートフォリオ画面(図9参照)が表示され、それにより、ユーザが買付完了後のポートフォリオの内訳を確認できるようになる。
図11、12に説明を戻し、画面下方部28bの売買注文メニュー37に含まれる売却ボタン37cは、ユーザによるA社株境界線31aのドラッグ操作が売却操作の場合に、ユーザの選択操作を受け付けられる状態となり(アクティブ状態。図12参照)、ユーザによるドラッグ操作が買付操作の場合、ユーザの選択操作を受け付けられない状態になる(非アクティブ状態。図11参照)。売却ボタン37cのアクティブ状態と非アクティブ状態は、上述した買付ボタン37bの場合と同様に、CPU10aがユーザのA社株境界線31aのドラッグ操作が買付注文又は売却注文のいずれの操作指示であるかを検知することで、CPU10aにより切り替えられており、アクティブ状態で選択を受け付けると、その選択を受け付けたときに取引金額表示欄37aで示される取引額の売却注文の指示をCPU10aが受け付けたことになる。
そして、売却ボタン37cの選択操作により、CPU10aは売却注文を受け付けると、図12の売却操作状態のポートフォリオ画面28に、売却確認画面をオーバレイで表示することになる。この売却確認画面も、上述した買付確認画面とは構成的に同様のものになっており、例えば、A社株境界線31aの売却方向の移動操作及び売却ボタン37cの選択操作により、ユーザが所有するA社株式の内、5万円分の売却操作を行った場合、「A社の株式を、¥50,000円で売る」ことをユーザに確認するためのテキストと、選択可能なOKボタン及び戻るボタンを含むものになっている。そのOKボタンが、ユーザによる選択操作を受け付けると、CPU10aは、A社の株式を5万円分、売る旨の売却指示の内容に応じた売却注文を、通信・通話モジュール10bから証券会社システム2へ送信する処理を行うことになる。
OKボタンの選択により、証券会社システム2から売却完了通知がユーザ端末(スマートフォン10)へ送信されると、その売却完了通知を通信・通話モジュール10bで受信したことをトリガーにして、CPU10aは、表示内容を、売却完了画面に切り替える処理を行う。この売却完了画面は、上述した買付完了画面とは構成的に同様なものになっており、「売却注文が完了した」旨のテキストと、選択可能な確認ボタン及びポートフォリオボタンを含んでいる。
売却完了画面の確認ボタンの選択操作が行われると、上述した図8(b)の場合と同様に、図5のトップページ画面17がディスプレイ10fに表示され、一方、ポートフォリオボタンが操作されると、売却完了後のポートフォリオを示すポートフォリオ画面(図9参照)が表示され、それにより、ユーザが売却完了後のポートフォリオの内訳を確認できる。
また、図11、12における売買注文メニュー37に含まれるキャンセルボタン37dは、ユーザのドラッグ操作の回転方向に関係することなく、選択操作が可能なアクティブ状態になっており、キャンセルボタン37dがユーザ操作により選択されると、図9の状態のポートフォリオ画面28にディスプレイ10fの表示を切り替える制御をCPU10aが行うことになる(この切り替えられたポートフォリオ画面28は、A社株境界線31aがドラッグ操作の移動前の位置にリセットされた状態になっている)。
図12では、図10に示す選択状態になったA社株図形部31のA社株境界線31aを反時計回転方向に回転させるユーザ操作を行った状態(売却操作状態)のポートフォリオ画面28を示している(図中の黒矢印方向への回転)。A社株境界線31aを反時計回転方向に回転させると、A社株図形部31の内部領域31bの図形範囲は減少することになり、内部領域31bの減少はA社株式の保有株式が減少することを意味するので、このようにA社株境界線31aを反時計回転方向に回転させる操作は、A社株式の保有株式を減少させる売却注文の指示操作に本実施形態では該当し、CPU10aは、A社株境界線31aを反時計回転方向に回転移動させるユーザ操作を、A社株式の売却操作として受け付ける。
また、売却注文の売却量(保有量)は、上述した買付注文の場合と同様に、A社株境界線31aの移動量(回転量)に対応し、図12に示す場合では、A社株境界線31aの元の位置から、ポートフォリオグラフ30の総円周範囲の10分の1だけ移動した状態を示し、この場合、CPU10aはA社株境界線31aの移動量を検知することで、総資産額の50万円の10分の1である5万円を特定し、その特定した5万円分の売却注文の操作として、A社株境界線31aの移動操作を受け付ける。なお、このようなA社株境界線31aの移動により、A社株図形部31の占有範囲は減少するので、その減少した分は、他のB社株図形部32〜E社株図形部35の各占有範囲を、それぞれ均等に増加するように振り分けられることになり、各境界線32a〜34aの位置を移動させて、各占有範囲が調整される。
上記のような売却操作によっても、ポートフォリオ画面28の画面下方部28bには、売買注文メニュー37が自動で提示されるが、図12は売却状態であることから、買付ボタン37bは非アクティブ状態になっており、一方、売却ボタン37cはアクティブ状態となって、ユーザの選択操作を受け付けられるようにしている。なお、上述した説明は、図9〜12の選択状態、買付状態、及び売却状態について、A社株図形部31のA社株境界線31aに対する移動操作の場合で行ったが、他のB社株図形部32〜E社株図形部35のB社株境界線32a〜E社株境界線35aに関する移動操作についても上記と同様である。
図13は、A社株式(一つの特定銘柄に相当)に応じた特定銘柄取引画面45を示し、この特定銘柄取引画面45は、図5のトップページ画面17における一つ目の種類のアイコンである各社取引アイコン17a、17b、17c・・・等の中から、A社株式取引アイコン17aの選択を受け付けたことに伴って、株式取引アプリP2の規定に基づくCPU10aの制御処理により、A社株式取引アイコン17aに応じたA社株式の取引に係る特定銘柄取引画面45として、ディスプレイ10fに表示されるものである。図13の特定銘柄取引画面45は、A社の株式取引専用の取引画面であり、トップページ画面17で、A社株式取引アイコン17a以外のB、C社等の株式取引アイコン17b、17c等が選択された場合に表示されるB、C社株式専用用の取引画面とも基本的な構成は同等であり、会社を示すテキストの部分(画面タイトル46i等)が異なるだけとなっている。なお、本実施形態の特定銘柄取引画面は、金額単位による株式取引用の仕様になっている。
特定銘柄取引画面45は、買付取引状態(図13参照)と、売却取引状態(図14参照)を切替可能にしており、表示の際は、最初に買付取引状態が表示されるようになっている。また、特定銘柄取引画面45に係る銘柄の株式をユーザが所有していないときは、売却取引状態に切り替わらないようになっている。特定銘柄取引画面45は、画面上側を第1共通部46にすると共に、画面中央下部付近を買付取引状態専用の買い取引部48にしており、画面下方を第2共通部47にしている。第1共通部46及び第2共通部47は、画面状態が買付取引状態又は売却取引状態に切り替わっても、共通して同様の構成になっている部分であり、一方、画面中央下部付近は、画面状態の切り替わりに応じて構成が切り替わる部分になっている。
特定銘柄取引画面45は、上述したように図13に示す買付取引状態と、図14に示す売却取引状態で切り替わるようになっており、画面状態が切り替わっても、第1共通部46及び第2共通部47は、切り替わらずに共通して同様の構成になっている部分であり、一方、画面中央下部付近は、画面状態の切り替わりに応じて構成が切り替わる部分になっている。なお、特定銘柄取引画面45も画面最下方に上述したメニューバー19を配置している。
第1共通部46は、画面左上隅に戻りボタン46gを配置すると共に画面右上隅に案内ボタン46hを配置している。戻りボタン46gは、図5のトップページ画面17へ戻るための選択可能なボタンであり、トップページ画面17で、他の銘柄の取引等に移る場合などに選択されることになる。案内ボタン46hは、取引に関連した情報を表示するための選択可能なボタンであり、選択されると、特定銘柄取引画面45から情報メニュー画面(図示せず)に切り替わり、この情報メニュー画面で表示を所望する項目を選択することになる。情報メニュー画面の項目としては、取引締結前交付書、リスクディスロージャー等があり、取引銘柄が外国の企業の場合であれば、外国証券内容等も項目に含ませることになる。また、情報メニュー画面の項目には、ユーザの今までの取引履歴も含ませてもよく、取引履歴の項目が選択されると、表示中の特定銘柄取引画面45の特定銘柄に関するユーザ履歴の要求を証券会社システム2へ送信し、その要求の送信に応じて受信した取引履歴を表示する。
また、戻りボタン46g及び案内ボタン46hの間には、「A社株式売買アプリ」というA社用の画面タイトル46iを配置している。なお、画面タイトル46iは、特定銘柄取引画面45がB社用のものであれば(図5のトップページ画面17でB社取引アイコン17bが選択された場合)、「B社株式売買アプリ」という表記になり、C社用のものであれば(トップページ画面17でC社取引アイコン17cが選択された場合)、「C社株式売買アプリ」という表記になる(他のD、E社等の場合も同様)。
また、特定銘柄取引画面45は、第1共通部46における画面タイトル46iの下方に、選択操作の受付可能な買い取引ボタン46a及び売り取引ボタン46bを配置している。これらボタン46a、46bは、いずれか一方が選択可能な状態(アクティブ状態)になっており、選択可能な方を操作することで、買付取引状態と売却取引状態を適宜切り替えられるようになっている。すなわち、買付取引状態では、売り取引ボタン46bだけが選択できる状態となり(アクティブ状態)、一方、売却取引状態では買い取引ボタン46aだけが選択できる状態となり、アクティブ状態のボタン46a又は46bの選択操作を行うことで、買付/売却取引状態を切り替える。
なお、買付取引状態の特定銘柄取引画面45でも、売り取引ボタン46bが選択できない状態になっていることもあり、ログイン完了の通知に伴って送られてきた情報(RAM10cに一時的に記憶されている情報)の中に、ログイン中のユーザがA社の株式を保有している情報が含まれるか否かをCPU10aが検知し、A社の株式を保有する旨の情報が検知できないときは、売り取引ボタン46bを選択できない状態にして、買付取引状態の特定銘柄取引画面45を表示することになる。この場合、ログイン中のユーザは、A社の株式については買い取引だけが行えることになる。なお、特定銘柄取引画面45は、ディスプレイ10fに表示された直後では、上述したように図13に示す買付取引状態になっている。
さらに、特定銘柄取引画面45は、第1共通部46における買い/売り取引ボタン46a、46bの下方に銘柄欄46cを配置している。銘柄欄46cは、図13の特定銘柄取引画面45がA社用のものであれば、A社の社名が配置され、B社用のものであれば、B社の社名が配置される(他のC、E社等の場合も同様)。銘柄欄46cの中には、選択可能な銘柄ボタン46d(会社情報ボタン)が配置されており、この銘柄ボタン46dがユーザの選択操作を受け付けると、図1に示す情報収集システム3へアクセスして、A社に関する情報の取得要求を送信するようになっている。そして、取得要求の送信に応じて、情報収集システム3のスクレイピングサーバ3aから、A社に関する情報(IR情報等)をユーザ端末(スマートフォン10)が受信すると、その受信した情報をディスプレイ10fに表示することも株式取引アプリP2は規定する。なお、このような受信情報は、別画面又はポップアップ的に特定銘柄取引画面45に重ねて表示すること、若しくは特定銘柄取引画面45と切り替えた画面で表示することが可能である。
そして、特定銘柄取引画面45は、銘柄欄46cの下方に金額設定欄46eを配置している。金額設定欄46eは、買い取引を行う際の金額を設定するものであり、本実施形態では日本円で4桁目以下を全て0にした金額単位(万円単位)で金額を設定する仕様になっており、金額設定欄46eに応じたディスプレイ10fの表面を触ることで、スロットマシン状に万円単位の金額表示が回転する仕様になっており(スマートフォン等で用いられる場合は「ピッカー」と称される仕様)、金額設定欄46eに設けられた金額枠46fに収まった金額表示が設定金額(指定金額)になる。したがって、ユーザは金額設定欄46eをスロットマシン状に回転させるようにディスプレイ10fの表面を触る操作(ディスプレイ表面を指で上向きになぞるような操作、又は下向きになぞるような操作)を行うことで簡単に金額設定(金額指定)を行うことができ、特に、金額も万円単位にしたので、回転させる量が少なくても幅広い範囲の金額を迅速に設定できるようにしている。
また、特定銘柄取引画面45は、上述した第1共通部46の下方の買い取引部48を配置しており、この買い取引部48は、買付ボタン48a及び金額確認欄48bを含んでいる。買付ボタン48aは、A社株式の買付注文のユーザ操作を受け付けるボタン(買い操作部に相当)であり、この買付ボタン48aでユーザ操作を受け付けると、A社の株式を金額設定欄46eで設定(指定)された金額分だけ買付注文(買い注文)の操作をCPU10aが受け付けたことになる。
金額確認欄48bは、上述した金額設定欄46eの金額枠46fに収まった額と同期した金額をCPU10aの制御処理により自動的に表示するようにしたものであり、この金額確認欄48bに示されるテキスト(例「5万円投資する!」)を確認することで、買い取引の金額をユーザが確実に把握できるようにしている。
さらに、特定銘柄取引画面45は、上述した買い取引部48の下方に第2共通部47を配置しており、この第2共通部47は、平均買い単価欄47a、現在株価欄47b、投資総額欄47c、及び現在評価額欄47dを含んでいる。
平均買い単価欄47aは、ログイン時点におけるA社株式に対する今までのユーザの平均買い単価の額を示しており、この額は、上述したログイン画面15でのログイン操作によるログイン完了に伴って証券会社システム2からスマートフォン10へ送信される情報に含まれる中から抽出されたものである。すなわち、RAM10cに一時的に記憶された各種情報の中から、A社株式取引アイコン17aの選択に応じて、A社株式の平均買い単価の額がCPU10aにより抽出されて平均買い単価欄47aの中に配置されるようになっている。
現在株価欄47bは、ログイン時点におけるA社株式の直近の株価(最新の株価)の額を示す欄であり、この額も、上述したA社株式の平均買い単価の額と同様に、RAM10cに記憶された各種情報の中から、CPU10aにより抽出されて現在株価欄47bの中に配置される。
投資総額欄47cは、ログイン中のユーザがログイン時点までに、A社株式の株式に対して投資した総額(今までA社の株式を購入するにあたり支払った総額)を示す欄であり、この額も、上述したA社株式の平均買い単価の額と同様に、RAM10cに記憶された各種情報の中から、CPU10aにより抽出されて投資総額欄47cの中に配置される。現在評価額欄47dは、ログイン中のユーザがログイン時点までに買ったA社株式の株式に対する評価額(今までに購入したA社の全株式に対し、ログイン時における株価に基づき算出される最新の評価額)を示す欄であり、この額も、上述したA社株式の平均買い単価の額と同様に、RAM10cに記憶された各種情報の中から、CPU10aにより抽出されて現在評価額欄47dの中に配置される。
このように第2共通部47では、各欄47a〜47dにおいて各種数値を提示するので、これらの提示内容を、買い注文を出すか否かを判断する指標にユーザが用いることができ、しかも、買い注文を行う操作画面と同一の画面内に情報の提示を行うことで、買い注文の適否を判断するにあたり画面の切替等が不要となり、迅速な買い注文を行うことに貢献できる。なお、上述した特定銘柄取引画面45は、図6の基本ポートフォリオ作成画面20でA社株式の購入が行われて、その後も、A社株式単独での取引が行われた後の状態を示すものであり、それにより、第2共通部47の各欄47a〜47dには、A社株式の取引に係る各情報が提示されているものとする。
図14は、売却取引状態の特定銘柄取引画面45を示しており、図13に示す買付取引状態で第1共通部46における売り取引ボタン46bがユーザの選択操作を受け付けることで、図13に示す画面状態から切り替わったものである。図14の売却取引状態の特定銘柄取引画面45は、第1共通部46及び第2共通部47は図13と基本的に同等であるが、買い取引ボタン46aが選択可能な状態になっている点が図13と異なる。
また、第1共通部46と第2共通部47の間に配置される売り取引部49は、売却取引専用の構成になっており、図14中、左から右方へ金額指定売りボタン49a(金額分売却操作部に相当)、全額売りボタン49b(全部売却操作部に相当)、及び利益売りボタン49c(利益売却操作部に相当)をユーザの選択操作を受け付け可能に配置している。また、金額指定売りボタン49aの下方には金額確認欄49dを配置している。
金額指定売りボタン49aは、上述した図13に示す買付ボタン48aの場合と同様に、第1共通部46の金額設定欄46eで設定(指定)された金額分の売却注文(図13では、A社株式の売り注文)の操作をCPU10aが受け付けるためのものである。金額確認欄49dは、上述した図13に示す金額確認欄48bと同様のものであり、第1共通部46の金額設定欄46eの設定金額と同期した金額表示をCPU10aの制御処理により自動的に表示する。それにより、ユーザは自己の設定した金額を確認した上で、希望金額の売り注文を確実に出せるようにしている。
全額売りボタン49bは、ログイン中のユーザが保有する特定銘柄の株式の全部の売り注文を出すためのものであり、全額売りボタン49bでユーザ操作を受け付けると、ログイン中のユーザの保有株式の全部(図14では、A社株式の全部)の売り注文の操作をCPU10aが受け付けることになる。この全額売りボタン49bにより、ユーザは、特定銘柄の株式をワンタッチで容易に売却することが可能になる。
利益売りボタン49cは、保有株式(表示中の特定銘柄取引画面45に応じた一つの特定銘柄)に係る利益分の売り注文を出すためのものであり、利益売りボタン49cでユーザ操作を受け付けると、その操作を受け付けた時点でのログイン中のユーザの保有株式(図14ではA社株式)に係る利益分の売り注文の操作をCPU10aが受け付けることになる。
また、図14に示す売却取引状態の特定銘柄取引画面45においても、上述した第2共通部47の各欄47a〜47dで各種数値を提示するので、これらの提示内容を、売り注文を出すか否か、又は売り注文を出すときでも上述した3パターンのいずれの売り注文を出すかを判断する指標に用いることができ、しかも、これらの指標を売り注文の操作画面と同一の画面内に提示するので、売り注文に係る各種判断を行うにあたり画面の切替等が不要となり、迅速な売り注文の指示を3パターンの中からワンタッチ操作で行える。
なお、図13、14の特定銘柄取引画面45で買付操作、売却操作を行うと、上述した基本ポートフォリオ作成画面20又はポートフォリオ画面28の場合と同様に、買付確認画面、売却確認画面が特定銘柄取引画面45のオーバレイでディスプレイ10fに表示される。
例えば、図13の特定銘柄取引画面45で買付ボタン48aが操作されると、CPU10aは買付注文の指示を受け付けて、上述した図8(a)に示すような買付確認画面26と同様な構成の買付確認画面をオーバレイで表示することになる。オーバレイで表示される買付確認画面には、図13に応じた場合では、「A社の株式を、¥50,000円で買う」ことをユーザに確認するためのテキストと、選択可能なOKボタン及び戻るボタンを含んだ構成になっている。この買付確認画面で戻るボタンが選択されると、買付確認画面が除去されて、再度、特定銘柄取引画面45が操作可能に表示される。
また、この買付確認画面で、OKボタンがユーザにより選択されることで、買付確認画面のテキストに応じた内容の買付注文が証券会社システム2へ送信され、買付処理が完了すると、証券会社システム2から買付完了通知がユーザ端末(スマートフォン10)へ送信される。その買付完了通知に基づき、CPU10aは、買付完了画面(図8(b)参照)を表示する処理を行う。なお、買付完了画面に含まれる確認ボタン及びポートフォリオボタンについては、上述した場合と同様である。
さらに、図14の特定銘柄取引画面45で金額指定売りボタン49a等が操作されると、CPU10aは売却注文の指示を受け付けて、売却確認画面をオーバレイで表示することになる。オーバレイで表示される売却確認画面には、売却注文に応じた内容をユーザに確認するためのテキストと、選択可能なOKボタン及び戻るボタンを含んだ構成になっている。テキストの具体例としては、金額指定売りボタン49aが操作されたときは、例えば「A社の株式を、¥50,000円分売る」ことを示す内容になり、全額売りボタン49bが操作されたときは、例えば「A社の株式を、全額(¥250,000円)売る」ことを示す内容になり、利益売りボタン49cが操作されたときは、例えば「A社の株式を、利益分(¥110,000円)売る」ことを示す内容になる。この売却確認画面で戻るボタンが選択されると、売却確認画面が除去されて、再度、特定銘柄取引画面45が操作可能に表示される。
また、この売却確認画面で、OKボタンがユーザにより選択されることで、売却確認画面のテキストに応じた内容の売却注文が証券会社システム2へ送信され、売却処理が完了すると、証券会社システム2から売却完了通知がユーザ端末(スマートフォン10)へ送信される。その売却完了通知に基づき、CPU10aは、売却完了画面を表示する処理を行う。この売却完了画面も、買付完了画面と同様に、確認ボタン及びポートフォリオボタンを含んでおり、これらのボタンについては、買付完了画面の場合と同様になっている。
スマートフォン10(通信端末装置)に関する説明は以上のとおりであるが、ユーザ端末T1、T2、T3等には上述したように、スマートフォン以外のパーソナルコンピュータ、タブレット、通信機能付きPDA、携帯電話等の適用が可能であり、これらのスマートフォン以外の機器の中で、タッチパネル機能を具備しない機器では、図2に示す構成に対して、ディスプレイ部は表示情報が出力される出力インタフェースに接続される点、及びユーザからの操作を受け付けるキー・ボタン・スイッチ・マウス等が入力インタフェースに接続される点などが異なるが、それ以外の点では、図2に示す構成と基本的に同等になる。それゆえ、本発明に適用可能なユーザ端末T1、T2、T3等の構成は、主要な部分において図2に示す内容に準じたものになっている。次に、本実施形態のオンライン株式サービスを提供する証券会社システム2を説明していく。
図15は、証券会社システム2に含まれるシステムサーバ80(サーバ装置に相当)を示している。このシステムサーバ80は、証券会社システム2の基幹部分を構成しており、オンライン株式取引サービスをユーザに提供する上で必要な処理を行う。なお、図15では、サーバコンピュータとしてシステムサーバ80を示しているが、例えば、システムサーバ80が行う各種処理について分散処理等を行うことで複数のサーバコンピュータ及びデータベースシステム等を組み合わせてシステムサーバ80を構成することも可能であり、このような複数機器による構成の場合も、本発明におけるサーバ装置に相当する。以下、システムサーバ80について説明する。
本実施形態におけるシステムサーバ80としては、一般的なサーバコンピュータを適用しており、全体的な制御及び各種処理を行うMPU80a(制御部80a)に、各種デバイス等を内部接続線80hで接続したものになっている。各種デバイス等には、通信モジュール80b、RAM80c、ROM80d、入力インタフェース80e、出力インタフェース80f、大容量記憶システム(HDDシステム)80g等がある。
通信モジュール80bは、ネットワークとの接続モジュールに相当する通信デバイス(通信手段)であり、所要の通信規格に応じたものである(例えばIEEEの通信規格に基づいたLANモジュール)。通信モジュール80bは、所要の通信機器(図示は省略。例えばルータ等が該当)を介してネットワーク(証券会社システム2の内部ネットワーク、及び外部のネットワーク等)と接続されており、ユーザ端末T1、T2、T3等及び外部の各種サーバ(スクレイピングサーバ3a、ウェブサーバ、データベースサーバ等)との通信を可能にしている。
RAM80cは、MPU80aの処理に伴う内容、ファイル等を一時的に記憶するものであり、ROM80dは、MPU80aの基本的な処理内容を規定したプログラム等を記憶するものである。入力インタフェース80eは、証券会社のシステム管理者等からの操作指示等を受け付けるキーボード80i、マウス等が接続されるものであり、システム管理者等から受け付けた操作指示等をMPU80aへ伝える。出力インタフェース80fは、ディスプレイ80j(表示出力装置)が接続されるものであり、MPU80aの処理に伴う内容をディスプレイ80jへ出力し、システム管理者等が現在の処理内容等を確認できるようにしている。
大容量記憶システム80g(記憶媒体手段に相当)は、プログラム及びデータベース(DB)等を記憶するものであり、本実施形態ではシステムプログラムP10、取引プログラムP11、銘柄DB81、ユーザDB82、及び口座DB83等を記憶している。
システムプログラムP10は、サーバ用のオペレーションシステムに応じた各種処理を規定したものであり、この規定内容に基づいた処理をMPU80aが実行することで、システムサーバ80はサーバとしての基本的な機能を果たす。取引プログラムP11の説明は後述し、先に、銘柄DB81等の説明を行う。
図16は、銘柄DB81の中身の一例を示している。銘柄DB81は、A、B、C社ごとに付与された銘柄IDに対応づけて、各日における終値、最高値、及び最低値を格納している。なお、直近の日で終値が定まっていない状態のときは、終値の替わりに、そのときにおける最新値が格納される(本日の欄参照)。銘柄DB81に格納される各値は、相対取引における値を示し、また、図1に示す取引所システム4から送信されてくる各種情報を参照した値にすることができ、銘柄DB81の中身は取引状況に応じて随時更新される。
図17は、ユーザDB82の中身の概要を示している。ユーザDB82は、証券会社システム2が提供するオンライン株式取引サービスに登録して取引用の口座を開設したユーザの各種情報を格納したデータベースであり、ユーザ登録にあわせて、ユーザを識別するユーザIDが証券会社システム2から登録ユーザに付与されており、ユーザDB82では、付与されたユーザIDに対応付けて各種情報を格納している。具体的にユーザDB82は、ユーザIDごとに、ユーザの氏名、住所、電話番号、メールアドレス、UID(ユーザ端末の識別情報)、職業、パスワード等を記憶している。なお、本実施形態では、登録されたメールアドレスをログイン時のログインIDとして用いており、また、パスワードはユーザ登録時にユーザから登録された英数字情報を用いている。なお、ユーザDB82は、新規ユーザの登録又は登録ユーザの脱退等に応じて、その中身がサービス運営側により適宜更新される。
図18は、上述した大容量記憶システム80gに記憶される口座データベース83の中身の概要を示している。口座データベース83は、登録ユーザの売買取引に係る履歴を格納した取引履歴データベースに相当し、ユーザIDごとに、ユーザの株式取引の履歴に関する口座情報(株式取引を行った日付情報、売買に伴う株数の情報、売買に用いた金額の情報等)を記憶するユーザ口座テーブル900、901、902等を有する構造になっており、それによりユーザ(ユーザID)ごとに口座情報を記憶できるようにしている。
図19は、ユーザIDが0001のユーザ口座テーブル900の中身の一例を示している。ユーザ口座テーブル900は、各銘柄及び口座に関する株式取引に伴うデータを格納したものであり、銘柄別(銘柄ID)の取引欄900a、900b、900c等ごとに、日付及び売買取引の内容(買い金額、購入株式数、売り金額、売却株式数、取引時株式単価等)及び保有状態(取引後の保有株数)を格納すると共に、口座における現金の出入り(銘柄の売買に伴う現金の出入り)の内容及び保有状態(現金の出入り後の口座に入っている金額)を現金欄901に格納する。
このようなユーザ口座テーブル900には、ユーザの売買注文に応じた売買処理の完了に伴って、その売買処理内容を示す情報がMPU80aの制御により随時、銘柄別の取引欄900a等及び現金欄901に格納されていく。なお、ログイン中のユーザのユーザ端末から取引履歴一覧の要求が証券会社システム2へ送信されてくると、MPU80aは、ログイン中のユーザのユーザIDに対応するユーザ口座テーブルを特定し、その特定したユーザ口座テーブルに基づき取引履歴一覧を生成して、要求元のユーザ端末へ送信する処理を行うことになる。
次に、証券会社システム2のシステムサーバ80における大容量記憶システム80gに記憶される取引プログラムP11が規定する処理内容について説明する。本実施形態の取引プログラムP11は、ユーザのログイン及び売買取引等に関してMPU80aが実行する制御処理等を規定したものになっている。先ず、ユーザのログインについて、ユーザ端末から送信されてきたログイン情報(ユーザのメールアドレス、パスワード、及びユーザ端末のUID等)を通信モジュール80bで受信すると、受信したログイン情報が図17のユーザDB82に格納されている情報の中に一致するものがあるか否かを判断する処理をMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。
受信したログイン情報がユーザDB82に格納されていないと判断した場合、ログイン情報不一致の旨をログイン情報の送信元のユーザ端末へ通信モジュール80bを用いて送信する制御をMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。一方、受信したログイン情報がユーザDB82に格納されていると判断した場合、ログイン情報一致の旨をログイン情報の送信元のユーザ端末へ通信モジュール80bを用いて送信する制御をMPU80aが行うと共に、そのログイン情報に応じたユーザIDをログイン中の状態に設定し、ログイン中であることを示すログイン状態情報をRAM80c等に記憶する処理をMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。このログイン状態情報は、ログオフ情報を受信するまで記憶されることなる。
ログイン状態となったユーザ端末から買付注文を受信した場合、システムサーバ80は買付処理を行うことになり、受信した買付注文に含まれる銘柄情報が示す銘柄の株価として、その買付注文を受信した時点における直近の値を図16の銘柄DB81より特定すると共に、受信した買付注文に含まれる金額情報が示す金額を、特定した直近の株価で割る演算を行うことで、購入株数(取引数)を算出することをMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。それから算出した購入株数に基づいた取引可能単位の株数の買付処理をMPU80aが相対取引で実行することを取引プログラムP11は規定する。なお、この際、算出した購入株数が取引可能単位の株数より少なければ、CPU80aは取引可能単位の株数で買付処理を実行することになる。買付処理が完了すると、MPU80aは買付完了通知を、買付注文を送信したユーザ端末へ通信モジュール80bを用いて送信する処理をMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。
上述した買付処理は、単一の特定銘柄に係る買付注文の内容に基づいたものであり、図6、7に示す基本ポートフォリオ作成画面20における同時購入ボタン20dの選択操作に伴う買付注文を受信した場合、システムサーバ80は買付注文に含まれる各株式銘柄の買付処理を、それぞれ同時的に同一金額で行うことになる。
具体的には、ユーザ端末(スマートフォン10)から送信されてくる買付注文は、複数の特定銘柄株式(例えば、A社〜E社の株式)のそれぞれを、指定した同金額(例えば10万円)で買い付ける旨の内容を含むので、この買付注文に含まれる特定銘柄ごとに、買付注文を受信した時点における直近の値を図16の銘柄DB81より特定すると共に、受信した買付注文に含まれる金額情報が示す金額(例えば10万円)を、特定した直近の株価で割る演算を行うことにより、購入株数(取引数)をMPU80aが算出する。それから算出した購入株数に基づいた取引可能単位の株数の買付処理をMPU80aが相対取引で実行し、このような処理(買付処理)を特定銘柄ごとに並行して順次実行することにより、複数の特定銘柄株式のそれぞれの同額買付を一連の処理として同時的にシステムサーバ80が行うことになり、このような複数銘柄の買付処理も取引プログラムP11は規定する。なお、複数銘柄の買付処理が完了したときは、上記の単一の特定銘柄の買付処理の場合と同様に、システムサーバ80(MPU80a)は買付完了通知を、買付注文を送信したユーザ端末へ送信することになる。
また、ログイン状態となったユーザ端末から、金額を設定した売却注文を受信した場合、その売却注文に含まれる銘柄情報が示す銘柄の株価として、その売却注文を受信した時点における直近の値を図16の銘柄DB81より特定すると共に、受信した売却注文に含まれる金額情報が示す金額を、特定した直近の株価で割る演算を行うことで、売却株数(取引数)を算出することをMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。それから算出した売却株数に基づいた取引可能単位の株数の売却処理を相対取引でMPU80aが実行することを取引プログラムP11は規定する。なお、売り取引においても、上述した買い取引の場合と同様に、算出した売却株数が取引可能単位の株数より少なければ、CPU80aは取引可能単位の株数で売る処理を実行することになる。そして、売却処理が完了すると、MPU80aは売却完了通知を、売却注文を送信したユーザ端末へ通信モジュール80bを用いて送信する処理をMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。
さらに、ログイン状態となったユーザ端末から、全部売り注文を受信した場合、図18に示す口座DB83から、ログイン状態のユーザに応じたユーザ口座テーブルを特定すると共に、その特定したユーザ口座テーブルの中から、受信した全部売り注文に含まれる銘柄情報が示す銘柄欄に格納される情報に基づき、そのユーザが保有する全株数(取引数)を特定する処理をMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する(例えば、図19に示すユーザ口座テーブル900の中から、取引対象となる銘柄の保有状態の欄から全株数を特定)。それから特定した全株数に基づいた取引可能単位の株数の売却処理をMPU80aが実行することを取引プログラムP11は規定する。この後は、上述した金額を設定した売り指示の場合と同様であり、売却完了通知を、全部売り注文を送信したユーザ端末へ送信することになる。
さらにまた、ログイン状態となったユーザ端末から、利益分の売り注文を受信した場合、その利益分の売り注文に含まれる銘柄情報が示す銘柄の株価として、その利益分の売り注文を受信した時点における直近の値(金融商品の単位価格)を図16の銘柄DB81より特定する処理をMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。また、図18に示す口座DB83から、ログイン状態のユーザに応じたユーザ口座テーブルを特定すると共に、その特定したユーザ口座テーブルの中から、受信した利益分の売り注文に含まれる銘柄情報が示す銘柄欄に格納される売買取引に係る履歴情報を抽出し、抽出した履歴情報及び特定した直近の単位価格(株価)に基づき、各売買取引における約定金額を算出して利益分の算出を行うことをMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。
これ以降の処理は、上述した金額を設定した売り注文の場合と同様になり、算出した利益分の金額を、特定した直近の株価で割る演算を行うことで、売却株数(取引数)を算出し、算出した売却株数に基づいた取引可能単位の株数の売却処理をMPU80aが相対取引として実行することなり、また、利益分の売り注文に対する取引完了に伴って、売却完了通知をユーザ端末へ送信することになる。
上述した利益分の算出処理の具体的な内容を説明するために、最初に通常の株数単位(株数指定)の売買取引における利益分の算出を説明する。株式における利益は、売却時の約定代金(売却時の株価×売却株数)に対して、その銘柄の買付時の約定代金(平均買付株価×売却株数)の差額が利益分になる。
具体例として、10月に株価が200円の株式を100株購入し(約定金額は20000円、この時点の平均買付株価は200円)、次に11月に同じ銘柄の株式を100株購入したが、この11月の時点の株価が250円に上がっていると、購入に必要な約定金額は25000円(250円×100株)となり、この11月の購入時点における平均買付株価は225円となる。そして、12月になって、上述した10月及び11月に購入した株式の中から100株だけを売却する場合、12月の売却時点の株価が270円へと更に上がっていると、売却の約定金額は27000円(270円×100株)になる。そのため、利益分の算出は、売却の約定金額の27000円に対して、直近の購入時点の平均買付株価の225円に100株を乗算した22500円との差額4500円(27000円−22500円)が利益分となる。なお、実際の取引では証券会社の手数料等の費用も発生するが、ここでは説明の簡易化のため手数料等の費用を考慮することは除外する。
このように株式取引は、株数を指定して行うことが一般的であるが、一般投資家等には、株数よりも金額を取引単位にした方が取引内容を認識しやすいという捉え方もある。そのため、投資家が株式取引において金額を指定し、その指定した金額に応じた株数を証券会社側で逆算して投資家に提示し、その提示された株数を投資家が承認して注文を出すという金額指定による取引サービスが行われている。例えば、投資家が、ある銘柄の株式を50000円分購入したいと考えた場合、証券会社側は50000円を、その時点における株価で除算を行って、購入可能な株数を算出することになる。
図14の利益売りボタン49cを操作することで利益分の売り注文を行うことは、上述した金額指定による取引サービスを応用したものになっており、投資家から利益分の売り注文が出されると、その時点における利益の金額分を算出し、その算出した利益分を、金額指定による取引サービスにおける金額指定分として取り扱うようにしたものである。そして、その利益分は、算出時における株価に、投資家が保有する全株数を乗じた金額(全株式を売却して得られるべき金額。売却の約定代金に相当)から、その全株数を購入に要した金額(買付にかかった投資元本。買付の約定代金に相当)を差し引くことで得られるようになる。
そのため、取引プログラムP11は、利益分の売り注文を受信すると、その注文を出したユーザのユーザ口座テーブルの中で、その注文に対する指定銘柄に係る売買情報に基づき、上述した利益分の算出をMPU80aが行うことを規定する。
なお、投資家が認識する利益と、税制上の利益は異なることを説明しておく。上述したように、利益分の算出は、売却の約定代金から買付の約定代金を差し引いた額を、投資家は利益として認識することが考えられる。例えば、上述した具体例で、10月に株価が200円の株式を100株購入し、11月に同じ銘柄の株式を100株購入し(11月の購入時の株価は250円)、12月に株価が270円になった場合、売却の約定代金(54000円=270円×200株)から、買付の約定代金(45000円=200円×100株+250円×100株)を差し引いた9000円が利益であると、投資家には認識される。
しかし、上述した売却の約定代金から買付の約定代金を差し引いた額(上記の例では9000円)は、利益の乗った一定の株数を売却する行為になるので、その額の全てが税務上の利益に該当しない。税務上は、逆算して発生した株数の売却が対象となり、上記の例では、9000円を12月の時点の株価(270円)で除算した株数(33.33株。小数点第3位以下省略)の売却であると税務上はみなされるので、その株数(33.33株)の値上がり分(その株数分を売却した値段と買付に要した金額の差)のみが、税務上の利益となる。上記の例では、12月の売却時の株価(270円)×売却株数(33.33株)から、10月及び11月の平均買付株価(225円)×売却株数(33.33株)を差し引いた1500円が税務上の利益になる。
また、上述した利益分の売却を、通常の株数指定で行うことも考えられるが、利益分の計算過程で、上述した金額指定による利益分の売却の計算内容を含むことになるので、結局、利益分の売却は、金額に基づき計算するか、又は株数に基づき計算するかの違いに依存することになる。そのため、金額指定の利益分売却は、株数指定による利益分売却を含む概念となる。
次に、ユーザ端末(例えば、スマートフォン10)に、上述した各種取引画面(図9等のポートフォリオ画面28等)を表示させる処理等について、取引プログラムP11が規定する内容について説明する。ログイン中のユーザのユーザ端末からポートフォリオ情報要求を受信すると、ログイン中のユーザのユーザIDを参照して、図18に示す口座DB83から、ログイン状態のユーザに応じたユーザ口座テーブルを特定すると共に、その特定したユーザ口座テーブルにおける保有状態の欄の直近の格納情報(各銘柄の保有状態の欄に格納される直近の株式数を抽出する処理をMPU80aが行うことを規定する。
抽出した格納情報の各銘柄について、ポートフォリオ情報要求を受信した時点における株価の直近の値を図16の銘柄DB81より特定すると共に、その特定した各銘柄の株価と、抽出した格納情報に含まれる各銘柄の株数とを乗じて、銘柄ごとの株式評価額を算出する処理をMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。そして、算出した銘柄ごとの株式評価額より、ログイン中のユーザの直近の総株式資産額を算出し、この算出した総株式資産額、及び銘柄ごとに算出した株式評価額等を含む情報を、ポートフォリオ情報として生成し、生成したポートフォリオ情報を、ポートフォリオ情報要求元のユーザ端末へ送信する処理をMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。上記のようなポートフォリオ情報において、銘柄ごとの株式評価額が、ユーザの保有する銘柄株式についての保有量に係る銘柄保有情報に該当する。
なお、上述した処理で生成されるポートフォリオ情報の中身の例として、図9に示すポートフォリオ画面28の表示に用いられるポートフォリオ情報は「総株式資産額50万円、A社株式10万円、B社株式10万円、C社株式10万円、D社株式10万円、E社株式10万円」という中身になっている。なお、このように各銘柄の評価額を金額ベースで表す他に、割合(パーセント)で示すポートフォリオ情報を生成してユーザ端末に送信するようにしてもよく、割合で示すポートフォリオ情報の例としては、「総株式資産額50万円、A社株式20%、B社株式20%、C社株式20%、D社株式20%、E社株式20%」という中身になり、この場合、総株式資産額に対する各社銘柄の割合から、各社株式の評価金額をユーザ端末側で算出して各種処理を行うようになる。
よって、図9に示すポートフォリオ画面28は、上述したように生成されたポートフォリオ情報に基づきユーザ端末で生成されており、このポートフォリオ画面28を生成する元になったポートフォリオ情報は「総株式資産額:50万円」、「A社株式評価額:10万円」、「B社株式評価額:10万円」、「C社株式評価額:10万円」、「D社株式評価額:10万円」、「E社株式評価額:10万円」という各情報を含んでいた場合のものとなる。
なお、ポートフォリオ画面28を用いた売買注文に対しては、ユーザ端末から金額指定の売買注文がシステムサーバ80へ送信されてくることになるので、上述した図13の買付ボタン48aが選択された場合、及び図14の金額指定売りボタン49aが選択された場合と同様の処理をシステムサーバ80は行うことになる。
次に、上述したユーザ端末(例えば、スマートフォン10)及び証券会社システム2(システムサーバ80)がそれぞれ行う各種処理によって、ログインから、各取引画面等をユーザ端末に表示すること、及び各取引画面での売買注文等に関して株式取引システム1で実行される処理内容(金融商品取引方法の内容)等を図20〜25の第1フローチャートから第6フローチャートに基づき説明していく。
図20の第1フローチャートは、ユーザがユーザ端末を用いてオンライン株式取引サービスを提供する証券会社システム2(システムサーバ80)へログインを行う場合の処理手順を示したものであり、ユーザ端末で図3のホーム画面11を表示してから基本ポートフォリオ作成画面20を表示するに至るまでの処理を表している。まず、ユーザ端末(CPU10a)は、図3に示すホーム画面11に配置される複数のアイコンの中から、株取引アイコン12の選択操作を受け付けたか否か判断する(S1)。選択操作を受け付けていない場合(S1:NO)、株取引アイコン12の選択待ちの状態となり、一方、選択操作を受け付けた場合(S1:YES)、図4に示すログイン画面15をユーザ端末は表示する(S2)。
このログイン画面15において、メールアドレスの入力操作、パスワードの入力操作、及びログインボタン15cの選択操作というログイン操作の有無を、ユーザ端末は判断する(S3)。ログイン操作が無い場合(S3:NO)、ログイン操作待ちの状態となり、また、ログイン操作が有った場合(S3:YES)、ログイン情報(入力されたメールアドレス及びパスワード、並びにユーザ端末を識別するUID等を含む情報)を証券会社システム2へユーザ端末は送信する(S4)。
証券会社システム2のシステムサーバ80(MPU80a)は、ログイン情報を受信したか否かを判断する段階になっており(S10)、ログイン情報を受信しない場合(S10:NO)、受信待ちの状態となる。また、ログイン情報を受信した場合(S10:YES)、受信したログイン情報に含まれるメールアドレス、パスワード等が、図17に示すユーザDB82に格納される情報の中で一致するものがあるか否かをシステムサーバ80は判断する(S11)。一致する情報が格納されていない場合(S11:NO)、システムサーバ80は不一致通知をアクセス元のユーザ端末へ送信し(S13)、その後は、最初のログイン情報の受信判断段階(S10)へ戻ることになり、また、一致する情報が格納されていた場合(S11:YES)、システムサーバ80は一致通知をアクセス元のユーザ端末へ送信する(S12)。なお、この際、システムサーバ80は、ログイン時における取り扱い銘柄に関する情報(最新の株価等)等もアクセス元のユーザ端末へ送信する。
ユーザ端末は、S4の段階のログイン情報の送信後、一致通知又は不一致通知のいずれを受信したかを判断しており(S5)、不一致通知を受信した場合(S5:不一致)、S2の段階へ戻ってログイン画面15を表示し、再度のログインの機会をユーザに提供する。また、一致通知を受信した場合(S5:一致)、ユーザ端末は図5のトップページ画面17を表示する(S6)。このトップページ画面17により、株式取引アプリP2の取引機能が完全に起動した状態になる。なお、本実施形態においては一旦、ログイン状態になると、ログオフ操作が行われるまで株式取引アプリP2に基づく画面を他のアプリの画面に切り替えてもログイン状態が継続されるように設定可能になっており、この設定がされている場合、ログイン状態が維持される間は図14の第1フローチャートに示すログインに関する処理を繰り返すことなく、株式の売買取引処理等を行えるようにしている。
表示したトップページ画面17において、基本ポートフォリオアイコン18の選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末(CPU10a)は判断しており(S7)、基本ポートフォリオアイコン18の選択操作を受け付けていない場合(S7:NO)、基本ポートフォリオアイコン18の選択操作待ちの状態となる。また、基本ポートフォリオアイコン18の選択操作を受け付けた場合(S7:YES)、ユーザ端末(CPU10a)は、図6に示す基本ポートフォリオ作成画面20を生成して表示する(S8)
図21の第2フローチャートは、基本ポートフォリオ作成画面20におけるユーザ操作に応じた処理を示しており、金額指定部20aにおいて、金額設定欄20aに指定金額が入力された状態でソフトキーボード16のエンターキーの選択操作を受け付けるという買付額の受付の有無をCPU10aが判断する(S20)。買付額の受付が無い場合(S20:NO)、金額設定操作待ちの状態となり、買付額を受け付けた場合(S20:YES)、基本ポートフォリオ作成画面を図7に示す状態にして(各社銘柄株式欄21〜25の提示欄21a〜25aに入力された金額を提示した状態)、同時購入ボタン20dの選択操作を受け付けたか否かをCPU10aが判断する(S21)。
同時購入ボタン20dの選択操作を受け付けていない場合(S21:NO)、同時購入ボタン20dの選択操作待ちの状態となり、同時購入ボタン20dの選択操作を受け付けた場合(S21:YES)、CPU10aは、図8(a)に示す買付確認画面26を表示する(S22)。この買付確認画面26で、OKボタン26aの選択操作を受け付けたか否かをCPU10aが判断する(S23)。OKボタン26aの選択操作を受け付けていない場合(S23:NO)、次に、戻るボタン26bの選択操作を受け付けたか否かをCPU10aが判断する(S24)。
戻るボタン26bの選択操作を受け付けた場合(S24:YES)、金額指定のやり直しを行えるように、第1フローチャートのS8の段階へ戻り、図6に示す状態の基本ポートフォリオ作成画面20を表示することになる。また、戻るボタン26bの選択操作を受け付けていない場合(S24:NO)、OKボタン26aの選択操作を受け付けたか否かの判断段階(S23)へ戻る。
そして、OKボタン26aの選択操作を受け付けた場合(S23:YES)、指定された金額(同額)で、複数の株式銘柄(図6、7の例ではA〜E社の株式)のそれぞれを同時に買い付ける旨の買付注文を証券会社システム2のシステムサーバ80へ送信する処理をCPU10aは行う(S25)。
一方、証券会社システム2のシステムサーバ80は、ログイン中のユーザ端末からの買付注文を受信したか否かを判断する段階になっており(S30)、買付注文を受信しない場合(S30:NO)、買付注文の受信待ちの状態になる。また、買付注文を受信した場合(S30:YES)、買付注文に含まれる内容(例えば、A社〜E社の株式を、それぞれ10万円の同額で同時に買い付ける旨の内容)に従った買付処理をシステムサーバ80は実行する(S31)。なお、買付処理の実行に伴って、その処理内容を、ログイン中のユーザの口座DB83の中のユーザ口座テーブルに格納することもMPU80aは行う。それから、システムサーバ80は、買付完了通知を、買付注文の送信元のユーザ端末へ送信する(S32)。
ユーザ端末は、システムサーバ80からの買付完了通知を受信したか否かを判断する段階になっており(S26)、買付完了通知を受信しない場合(S26:NO)、買付完了通知の受信待ちの状態となっており、買付完了通知を受信した場合(S26:YES)、図8(b)に示す買付完了画面27を表示する。この買付完了画面の表示により、ユーザは、基本ポートフォリオを構築できたことを確認できる。
次に、図22の第3フローチャートにおいて、この買付完了画面27で、確認ボタン27aの選択操作を受け付けたか否かをCPU10aが判断する(S40)。確認ボタン27aの選択操作を受け付けていない場合(S40:NO)、次に、ポートフォリオボタン27bの選択操作を受け付けたか否かをCPU10aが判断する(S41)。ポートフォリオボタン27bの選択操作を受け付けていない場合(S41:NO)、確認ボタン27aの選択操作を受け付けたか否かの判断段階(S40)へ戻り、確認ボタン27aの選択操作を受け付けた場合(S40:YES)、他の取引操作等も行えるようにするため、第1フローチャートのS6の段階へ戻り、ユーザ端末は図5のトップページ画面17を表示することになる。このようにトップページ画面17を表示することで、その後、ある特定銘柄の取引を行うことも、トップページ画面17の各社株式取引アイコン17a、17b等を選択することで、図13の特定銘柄取引画面45を表示して容易に行える。
また、ポートフォリオボタン27bの選択操作を受け付けた場合(S41:YES)、ユーザ端末はポートフォリオ情報要求を証券会社システム2のシステムサーバ80へ送信する(S42)。
証券会社システム2のシステムサーバ80(MPU80a)は、ログイン中のユーザのユーザ端末からのポートフォリオ情報要求を受信したか否かを判断しており(S45)、ポートフォリオ情報要求を受信しない場合(S45:NO)、ポートフォリオ情報要求の受信待ちの状態となる。また、ポートフォリオ情報要求を受信した場合(S45:YES)、ログイン中のユーザIDに対応するユーザ口座テーブルを図18の口座DB83から特定すると共に、その特定したユーザ口座テーブルにおける保有状態の欄の直近の格納情報を抽出して、ポートフォリオ受信要求を受信した時点における株価に基づき、ポートフォリオ情報(総資産額、各銘柄の評価額(銘柄保有情報)等を含む)を生成し(S46)、生成したポートフォリオ情報をユーザ端末へ送信する(S47)。
ユーザ端末は、ポートフォリオ情報を受信すると、その受信したポートフォリオ情報を用いて図9に示すポートフォリオ画面28を生成し(S43)、生成したポートフォリオ画面28をディスプレイ10fに表示する(S44)。このようなポートフォリオ画面28を表示することで、ユーザは構築した基本ポートフォリオの内訳を視覚的に確認することができると共に、基本ポートフォリオの構築に続いて、ある特定銘柄の売買取引を、以下の図23の第4フローチャートに示すように、ポートフォリオ画面28を通じて行えるようになる。
図23の第4フローチャートは、上述した処理で作成した基本ポートフォリオを示すポートフォリオ画面28で引き続き、単一の特定銘柄の取引を行う場合の処理内容を示したものであり、A社株式を取引対象にした例で処理内容を説明する。まず、ユーザ端末は、図9で示すポートフォリオ画面28で、A社株図形部31の内部領域31b又はA社株境界線31aがユーザ操作により選択されて、A社株境界線31aが操作対象になったか否かを判断する(S50)。
A社株境界線31aが操作対象になっていない場合(S50:NO)、選択待ちの状態となり、一方、A社株境界線31aが操作対象になった場合(S50:YES)、ユーザ端末は図10に示すように、A社株境界線31aの線幅を太くすると共に、移動マーク31cを表示する(S51)。そして次にユーザ端末は、A社株境界線31aの移動操作(ドラッグ操作)が行われたか否かを判断する(S52)。移動操作が行われていない場合(S52:NO)、移動操作待ちの状態になり、また、移動操作が有った場合(S52:YES)、その移動操作は、A社株境界線31aの移動方向から、売却注文又は買付注文のいずれの操作指示であるかをユーザ端末は判断する(S53)。
売却注文の操作であると判断した場合(S53:売却)、ユーザ端末は、A社株境界線31aの移動量を検知して、その検知結果を用いた算出処理により売却取引額(取引量)を特定し(S54)、特定した売却取引額を取引金額表示欄23aに含む売却操作状態のポートフォリオ画面28(図12参照)を表示する(S55)。なお、このように表示されるポートフォリオ画面28では、他のB〜E社株図形部32〜35の図形範囲は、A社株境界線31aの移動によって縮小されたA社株図形部31の図形範囲の分を、それぞれの図形範囲で均等に分割した分だけ拡大した状態になっている。この売却操作状態で、ユーザ端末は売却ボタン37cのユーザによる選択操作を受け付けたか否かを判断する(S56)。売却ボタン37cの選択操作が有った場合(S56:YES)、ユーザ端末は、売却内容を示す売却確認画面を表示する(S58)。売却確認画面を表示した後は、後述する図24の第5フローチャートで示す処理が続くことになる。
また、売却ボタン37cの選択操作が無かった場合(S56:NO)、次にユーザ端末は、キャンセルボタン37dのユーザによる選択操作を受け付けたか否かを判断する(S57)。キャンセルボタン37dのユーザによる選択操作を受け付けた場合(S57:YES)、ユーザ端末は、図22の第3フローチャートのS44の段階へ戻り、A社株境界線31aの操作前の状態である図9に示すポートフォリオ画面28を表示することになる(S44)。そしてキャンセルボタン37dの選択操作が無かった場合(S57:NO)、売却ボタン37cの選択操作の有無の判断段階(S56)へ戻ることになる。
一方、A社株境界線31aの移動操作は買付注文の操作指示であると、ユーザ端末が判断した場合(S53:買付)、A社株境界線31aの移動量を検知して、その検知結果を用いた算出処理により買付取引額(取引量)を特定し(S59)、その特定した買付取引額を取引金額表示欄23aに含む買付操作状態のポートフォリオ画面28(図11参照)を表示する(S60)。なお、買付操作状態で表示されるポートフォリオ画面28でも、上述した売却操作状態の表示のときとは反対に、他のB〜E社株図形部32〜35の図形範囲は、A社株境界線31aの移動によって拡大されたA社株図形部31の図形範囲の分を、それぞれの図形範囲で均等に分割した分だけ縮小した状態になっている。この買付操作状態で、ユーザ端末は買付ボタン37bのユーザによる選択操作を受け付けたか否かを判断する(S61)。買付ボタン37bの選択操作が有った場合(S61:YES)、ユーザ端末は、買付確認画面を表示する(S62)。買付確認画面を表示した後は、後述する図25の第6フローチャートで示す処理が続くことになる。
また、買付ボタン37bの選択操作が無かった場合(S61:NO)、次にユーザ端末は、キャンセルボタン37dのユーザによる選択操作を受け付けたか否かを判断する(S63)。キャンセルボタン37dのユーザによる選択操作を受け付けた場合(S63:YES)、ユーザ端末は、図22の第3フローチャートのS44の段階へ戻り、A社株境界線31aの操作前の状態である図9に示すポートフォリオ画面28を表示することになる(S44)。そしてキャンセルボタン37dの選択操作が無かった場合(S63:NO)、買付ボタン37bの選択操作の有無の判断段階(S61)へ戻ることになる。
図24の第5フローチャートは、上述した図23の第4フローチャートのS58の段階で表示した売却確認画面に基づく株式銘柄の売却処理に関する処理内容を示している。この売却確認画面において、ユーザ端末はOKボタンのユーザによる選択操作が有ったか否かを判断する(S70)。OKボタンの選択操作を受け付けていない場合(S70:NO)、次に、戻るボタンのユーザによる選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末は判断し(S71)、戻るボタンの選択操作を受け付けた場合(S71:YES)、ユーザ端末は、図22の第3フローチャートのS44の段階へ戻り、A社株境界線31aの操作前の状態である図9に示すポートフォリオ画面28を表示することになる(S44)。また、戻るボタンの選択操作が無かった場合(S71:NO)、OKボタンの選択操作の有無の判断段階(S70)へ戻ることになる。
OKボタンの選択操作を受け付けた場合(S70:YES)、ユーザ端末は、売却確認画面の確認テキスト部に記された内容(A社株境界線31aの操作で指定した内容。例えば、「A社株 5万円売却」)に応じた売却注文(銘柄を識別する情報(銘柄ID)及び売却金額を含む注文)を証券会社システム2(システムサーバ80)へ送信する(S72)。
証券会社システム2のシステムサーバ80(MPU80a)は、ログイン中のユーザ端末からの売却注文を受信したか否かを判断しており(S77)、売却注文を受信しない場合(S77:NO)、後述する図25の買付処理に関する第6フローチャートの処理段階(S97)へ進み、売却注文を受信した場合(S77:YES)、売却注文に含まれる銘柄の株価(受信した時点で直近の株価)を図16の銘柄DB81から特定すると共に、売却注文に含まれる売却金額に基づき売却できる株数を算出して、その算出した株数に係る取引可能な株数単位の売却処理を相対取引で実行する(S78)。なお、売却処理の実行に伴って、その処理内容を、ログイン中のユーザの口座DB83の中のユーザ口座テーブルに格納することもMPU80aは行う。それから、システムサーバ80(MPU80a)は、売却注文の送信元のユーザ端末へ売却完了通知を送信する(S79)。
ユーザ端末は、S72の段階における売却注文の送信後、証券会社システム2からの売却完了通知を受信したか否かを判断しており(S73)、売却完了通知を受信していない場合(S73:NO)、受信待ちとなり、売却完了通知を受信した場合(S73:YES)、売却完了画面を表示する(S74)。この売却完了画面により、ユーザは、自身が出した売却注文が完了したことを確認することになる。それから、この売却完了画面の確認ボタンの選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末は判断しており(S75)、選択操作を受け付けていない場合(S75:NO)、次にポートフォリオボタンの選択操作を受け付けたか否かを判断する(S76)。
ポートフォリオボタンの選択操作が有った場合(S76:YES)、図22の第3フローチャートのS42のポートフォリオ情報要求を送信する段階へ戻ることになり、この場合、第3フローチャートに示すS42の段階以降の各処理が再度実行されて、売却処理の完了した内容のポートフォリオ画面をユーザ端末は表示することになる。また、ポートフォリオボタンの選択操作が無い場合(S76:NO)、確認ボタンの選択操作の有無を判断する段階(S75)へ処理が戻ることになる。そして、確認ボタンの選択操作を受け付けた場合(S75:YES)、図20の第1フローチャートのS6のトップページ画面17(図5参照)を表示する段階へ戻ることになる。
図25の第6フローチャートは、上述した図23の第4フローチャートのS62の段階で表示した買付確認画面に基づく株式銘柄の買付処理に関する処理内容を示している。この買付確認画面において、ユーザ端末はOKボタンのユーザによる選択操作が有ったか否かを判断する(S90)。OKボタンの選択操作を受け付けていない場合(S90:NO)、次に、戻るボタンのユーザによる選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末は判断し(S91)、戻るボタンの選択操作を受け付けた場合(S91:YES)、ユーザ端末は、図22の第3フローチャートのS44の段階へ戻り、A社株境界線31aの操作前の状態である図9に示すポートフォリオ画面28を表示することになる。また、戻るボタンの選択操作が無かった場合(S91:NO)、OKボタンの選択操作の有無の判断段階(S90)へ戻ることになる。
OKボタンの選択操作を受け付けた場合(S90:YES)、ユーザ端末は、買付確認画面の確認テキスト部に記された内容(A社株境界線31aの操作で指定した内容。例えば、「A社株 5万円買付」)に応じた買付注文(銘柄を識別する情報(銘柄ID)及び買付金額を含む注文)を証券会社システム2(システムサーバ80)へ送信する(S92)。
証券会社システム2のシステムサーバ80(MPU80a)は、ログイン中のユーザ端末からの買付注文を受信したか否かを判断しており(S97)、買付注文を受信しない場合(S97:NO)、図24の売却処理に関する第5フローチャートの処理段階(S77)へ戻り、買付注文を受信した場合(S97:YES)、買付注文に含まれる銘柄の株価(受信した時点で直近の株価)を図16の銘柄DB81から特定すると共に、買付注文に含まれる買付金額に基づき買付できる株数を算出して、その算出した株数に係る取引可能な株数単位の買付処理を相対取引で実行する(S98)。なお、買付処理の実行に伴って、その処理内容を、ログイン中のユーザの口座DB83の中のユーザ口座テーブルに格納することもMPU80aは行う。それから、システムサーバ80(MPU80a)は、買付注文の送信元のユーザ端末へ買付完了通知を送信する(S99)。なお、システムサーバ80側の処理は、ログイン中のユーザがログオフ操作を証券会社システム2(システムサーバ80)へ送信してくるまで繰り返される(各フローチャートには示さず)。
ユーザ端末は、S92の段階における買付注文の送信後、証券会社システム2からの買付完了通知を受信したか否かを判断しており(S93)、買付完了通知を受信していない場合(S93:NO)、受信待ちとなり、買付完了通知を受信した場合(S93:YES)、買付完了画面を表示する(S94)。この買付完了画面により、ユーザは、自身が出した買付注文が完了したことを確認することになる。それから、この買付完了画面の確認ボタンの選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末は判断しており(S95)、選択操作を受け付けていない場合(S95:NO)、次にポートフォリオボタンの選択操作を受け付けたか否かを判断する(S96)。
ポートフォリオボタンの選択操作が有った場合(S96:YES)、図22の第3フローチャートのS42のポートフォリオ情報要求を送信する段階へ戻ることになり、この場合、第3フローチャートに示すS42の段階以降の各処理が再度実行されて、買付処理の完了した内容のポートフォリオ画面をユーザ端末は表示することになる。また、ポートフォリオボタンの選択操作が無い場合(S96:NO)、確認ボタンの選択操作の有無を判断する段階(S95)へ処理が戻ることになる。そして、確認ボタンの選択操作を受け付けた場合(S95:YES)、図20の第1フローチャートのS6のトップページ画面17(図5参照)を表示する段階へ戻ることになる。なお、ユーザ端末側の処理も、ログイン中のユーザがログオフ操作を行うまで繰り返される(各フローチャートには示さず)。
このように第1実施形態に係る発明は、まず、図6に示す基本ポートフォリオ作成画面20により、株式投資を行うに当たり複数銘柄により構成される基本的なポートフォリオ(基本ポートフォリオ)を素早く且つ容易に作成できるので、単一の銘柄に対する取引処理を繰り返してポートフォリオを作成するような冗長な操作負担からユーザを回避できる。また、作成される基本ポートフォリオは、各銘柄の金銭的価値が同額になっているので、その後の個別銘柄ごとの取引を行う場合も、同額ベースから行えるので、ユーザの希望する割合のポートフォリオに変化させやすくなっている。さらに、基本ポートフォリオは作成が完了すると、図9に示すポートフォリオ画面28で基本ポートフォリオの中身を視覚的に確認できるので、ポートフォリオの内訳をユーザは素早く把握できる。
そして、ポートフォリオ画面28からは、図10〜12に示したように、単一の特定銘柄について売却注文又は買付注文のいずれに対する操作も行えるので、作成した基本ポートフォリオからスムーズに、単一の特定銘柄の売買操作に移行することができ、しかも、この売買操作はポートフォリオグラフ30を用いて視覚的に確認しながら容易に行えるメリットもある。
また、ユーザ端末の表示を図5のトップページ画面17に切り替えれば、A、B、C社等の株式取引アイコン17a、17b、17c等を選択することにより、個別の銘柄について、図13、14の特定銘柄取引画面45に示すように売買取引を行うことができ、特に売却操作については、金額指定による売却、全額売却、又は利益分のみ売却の三通りの売却の仕方を選べるので、ユーザの所望する内容へと、ポートフォリオを容易に修正できる。さらに、図5のトップページ画面17では、再度、基本ポートフォリオアイコン18も選択できるので、構築した基本ポートフォリオを構成する各銘柄に対して、同額分を増加することを容易に行うことができ、ポートフォリオの増強を素早く行える。
なお、本発明の第1実施形態は、上述した内容に限定されるものではなく、種々の変形例が考えられる。例えば、図13、14に示す特定銘柄取引画面45へは、図5に示す複数のアイコン17a、17b等を配置したトップページ画面17(アイコン画面)から遷移する以外に、従来の売買取引対象の銘柄を示す一覧画面の中から一つの銘柄を選択することで、銘柄の一覧画面から特定銘柄取引画面45へ表示を遷移する仕様にすることも可能である。
また、上述した説明では、買付操作の際は、例えば、図8(a)に示す買付確認画面26を表示し、OKボタン26aの選択操作により、買付注文を送信するようにしていたが、この買付確認画面26の表示を省略して、図6の同時購入ボタン20d、図11の買うボタン37b、又は図13の買うボタン48aの選択操作をCPU10aが受け付けることに伴って、買付注文を送信する仕様にしてもよい。このことは売却操作の際も同様であり、売却確認画面の表示を省略して、売りボタン37c、売りボタン49a、全額売るボタン49b、又は利益だけ売るボタン49cの選択操作をCPU10aが受け付けることに伴って、売却注文を送信する仕様にしてもよい。
さらに、上述した説明では、買付完了の際は、例えば、図8(b)に示す買付完了画面27を表示するようにしていたが、この買付完了画面27の表示を省略すると共に、買付完了に伴って、買付処理により構築されたポートフォリオのグラフを含む図9に示すようなポートフォリオ画面28をユーザ端末で表示するようにしてもよい。この場合、システムサーバ80は、買付処理が完了すると(第6フローチャートのS98参照)、買付完了通知を送信するのではなく、買付処理の完了したユーザに対応するユーザ口座テーブルを図18の口座DB83から特定し、その特定したユーザ口座テーブルにおける保有状態の欄の直近の格納情報(買付処理の完了した情報)を抽出し、その抽出した時点における株価に基づき、ポートフォリオ情報(総資産額、各銘柄の評価額(銘柄保有情報)等を含む)を生成してユーザ端末へ送信することになる。
ユーザ端末は、ポートフォリオ情報を受信すると、受信したポートフォリオ情報に基づき、図9に示すようなポートフォリオ画面28を生成してディスプレイ10fに表示することになる。それにより、買付注文により作成された基本ポートフォリオが、ユーザ端末に自動で表示されるようになり、ユーザは買付注文の結果をポートフォリオ画面28で視覚的に確認でき、作成した基本ポートフォリオの内容を素早く把握できると共に、表示されたポートフォリオ画面28で、特定の株式銘柄(例えばA社株式)の売買取引も引き続いて行えるので、ユーザの所望する割合でのポートフォリオへの調整も一段と行いやすくなる。
一方、図6に示す基本ポートフォリオ作成画面20では、A社〜E社の各社銘柄株式欄21〜25の中の株価欄21b〜25bに、直近の株価を示したが、金額設定欄20bの所定の金額が入力されると、その入力された金額で購入できる株式数を、直近の株価からCPU10aが算出して、その算出した株式数も、各社名柄株式欄21〜25の中に配置して、ユーザに提示するようにしてもよい。このように購入可能な株式数を示すことで、買付に対する更なる判断情報をユーザに提供できるようになる。一方、基本ポートフォリオ作成画面20の仕様の簡易化を図るときは、直近の株価又は上述した購入可能な株式数の提示は省略してもよい。
図26(a)(b)は、基本ポートフォリオを構成する株式銘柄の増加を可能にした場合の変形例を示し、図26(a)は変形例の基本ポートフォリオ作成画面120の一部を示している。この変形例の基本ポートフォリオ作成画面120は、同時購入ボタン120dの上方に、選択可能な追加ボタン120eを配置したものとなっている。そして、この追加ボタン120eの選択操作を受け付けると、変形例の株式取引アプリP2の規定により、CPU10aは、図26(b)に示す追加銘柄メニュー画面50を、基本ポートフォリオ作成画面120のオーバレイでディスプレイ10fに表示する処理を行う。
図26(b)の追加銘柄メニュー画面50は、取引対象の追加候補となる株式銘柄を選択可能に表示したものであり、具体的には、F社株式欄51、G社株式欄52、H社株式欄53、I社株式欄54・・・等を追加候補として選択可能に配置すると共に、画面下方には選択可能なOKボタン50a及び戻るボタン50bを配置している。各社株式欄51、52、53・・・は、ログイン時等に取得してRAM10cに一時的に記憶している株価に関する情報に基づいた各社の株価を含んでおり、これらの株価を参考に、基本ポートフォリオに含ませるかをユーザが判断できるようにしている。なお、追加候補の株式銘柄の数が多く、一度にディスプレイ10fに表示できないときは、スクロール機能により、全ての株式銘柄をユーザが確認できるようになっている(この場合、ユーザはスクロール操作を行うことになる)。
各社株式欄51、52、53・・・等は、一以上の欄が選択可能になっており、いずれかの欄が選択された状態で(図26(b)では、G社株式欄52の中の丸が黒丸であることから、G社が選択された状態を示す。なお、白丸は無選択状態を示す。)、OKボタン50aの選択操作を受け付けると、CPU10aは、追加の株式銘柄の選択を受け付けたことになり、選択状態の株式欄51・・・等に応じた株式銘柄を、基本ポートフォリオの構成銘柄に追加することを特定し、追加銘柄メニュー画面50の表示を消去すると共に、新たに追加した株式銘柄(株式銘柄欄)を取引対象に含む基本ポートフォリオ作成画面を生成して表示する。
図27は、上述した追加銘柄メニュー画面50で銘柄が追加された変形例の基本ポートフォリオ作成画面120′の例を示し、この例では、G社の銘柄が追加されて、A社株式欄121′〜E社株式欄125′に加えて、G社株式欄126′が追加されたものになっている。この変形例の基本ポートフォリオ作成画面120′では、A社〜E、G社の株式により基本ポートフォリオを作成することが可能となる。よって、この銘柄追加を可能にした変形例では、ユーザの希望する銘柄も含めて基本ポートフォリオを作成できるようにしたことがメリットになる。なお、図26(b)の追加銘柄メニュー画面50で戻るボタン50bの選択操作が行われた場合、新たな銘柄の追加を行うことなく、図26(a)の基本ポートフォリオ作成画面120の表示に戻す処理をCPU10aは行うことになる。
また、図28は、別の変形例の基本ポートフォリオ作成画面220を示している。この基本ポートフォリオ作成画面220は、基本ポートフォリオを構成する株式銘柄を削除可能にしたものとなっており、図6に示す基本ポートフォリオ作成画面20と基本的な構成は同等であるが、A社株式欄221〜E社株式欄225のいずれか一つが選択可能になっていると共に、同時購入ボタン220dの上方に銘柄削除ボタン220fを選択操作可能に設けたことが特徴になっている。
A社株式欄221〜E社株式欄225のいずれか一つがユーザにより選択された状態で(図28では、B社株式欄222の中の丸が黒丸であることから、B社が選択された状態を示す。なお、白丸は無選択状態を示す。)、銘柄削除ボタン220fの選択操作を受け付けると、CPU10aは、選択された状態の株式欄に応じた株式銘柄の削除指示を受け付けたことになり、この場合、削除前の状態から、その削除指示の対象となった取引銘柄を削除した基本ポートフォリオ作成画面を生成してディスプレイ10fに表示する処理を行うことになる。
図29は、図28の基本ポートフォリオ作成画面220で、B社の削除操作が行われて、そのB社の削除処理が完了してディスプレイ10fに表示された基本ポートフォリオ作成画面220′を示す。この基本ポートフォリオ作成画面220′は、B社の削除処理が行われたことで、図28に示すB社株式欄222が削除されたものなっている。このように提示された複数の株式銘柄の中から、ユーザが所望する株式銘柄を削除可能にすることで、ユーザが希望する構成の基本ポートフォリオを作成することが可能となる。
この銘柄削除においては、株式取引業界における協会自主規制ルールにおける特定銘柄の推奨に該当しないようにする観点より、銘柄を削除した状態で、4以上の銘柄が残るようにする必要がある。そのため、CPU10aは、削除前の状態で5以上の銘柄が基本ポートフォリオ作成画面に含まれるか否かを検知し、5以上の銘柄が含まれないことを検知すれば、銘柄削除ボタン220fがアクティブにならない状態(選択操作を受け付けられない状態)にするか、又は、銘柄削除ボタン220fが選択されると、現在削除処理は行えない旨のテキストを表示する等して、削除指示を受け付けられないようにする。
一方、5以上の銘柄が含まれることを検知した場合は、上述したように銘柄削除ボタン220fの操作により所望の銘柄をいずれか一つ削除することが可能となる。このとき、6以上の銘柄が基本ポートフォリオ作成画面に含まれていれば、選択対象の銘柄をいずれか一つだけ選択して削除する処理を複数回、繰り返すことで、複数の銘柄を削除することが可能である。
さらには、6以上の銘柄が基本ポートフォリオ作成画面に含まれているときは、表示した基本ポートフォリオ作成画面で複数の銘柄を選択可能にして、一度の銘柄削除ボタン220fの選択操作で複数の銘柄を一度に削除可能にしてもよい。この場合、基本ポートフォリオ作成画面に含まれる銘柄数をCPU10aが検知し、検知した数が5であれば、各社株式欄221等の中から一つだけ選択可能にし、一つが選択されれば、それ以上の各社株式欄221等を選択できないようにし、検知した数が6であれば、各社株式欄221等の中から二つまでを選択可能にし、それ以上の各社株式欄221等を選択できないようにし、検知した数が7であれば、各社株式欄221等の中から三つまでを選択可能にする(以下、同様)。
さらにまた、このような図28、29に示す銘柄削除の変形例の内容は、上述した図26、27に示す銘柄追加の変形例の内容と組み合わせることも可能である。両者を組み合わせた場合は、基本ポートフォリオ作成画面に追加ボタン(図26(a)に示す追加ボタン120e参照)及び銘柄削除ボタン(図28の銘柄削除ボタン220f参照)を含むものとなり、このような各ボタンをユーザが適宜操作することで、所望の銘柄を4以上含む基本ポートフォリオを容易且つ素早く作成することが可能となる。
さらに図30(a)は別の変形例の基本ポートフォリオ作成画面320の一部を示し、この変形例の基本ポートフォリオ作成画面320は、同時購入ボタン320dの上方に、選択可能な銘柄変更ボタン320gを配置したものとなっており、この変形例は、全面的に株式銘柄を入れ替えるときなどに好適な例である。この銘柄変更ボタン320gの選択操作を受け付けると、変形例の株式取引アプリP2の規定により、CPU10aは、図30(b)に示す銘柄変更メニュー画面60を、基本ポートフォリオ作成画面320のオーバレイでディスプレイ10fに表示する処理を行う。
図30(b)の銘柄変更メニュー画面60は、基本ポートフォリオを構成する候補となる取引対象の株式銘柄を複数選択可能に配置した銘柄メニューであり、A社株式欄61、B社株式欄62、・・・AB社株式欄、BB社株式欄・・・等を配置すると共に、画面下方には選択可能なOKボタン60a及び戻るボタン60bを配置している。各社株式欄61等は、図26(b)の追加銘柄メニュー画面50の場合と同様、ログイン時等に取得してRAM10cに一時的に記憶している株価に関する情報に基づいた株価を含んでいる。なお、この銘柄変更メニュー画面60においても、スクロール機能により、基本ポートフォリオを構成する候補となる全ての株式をユーザが確認できるようになっているものとする(この場合、ユーザはスクロール操作を行うことになる)。
各社株式欄61、62等は、株式取引業界における協会自主規制ルールにおける特定銘柄の推奨に該当しないようにする観点より、4以上の欄が選択可能になっており、CPU10aは、選択された欄の数を検出しており、選択された欄の数が4未満の場合、OKボタン60aがアクティブにならない状態(選択操作を受け付けられない状態)にするか、又は、OKボタン60aが選択されると、4以上の欄を選択する必要がある旨のテキストを表示する等して、銘柄変更の指示を受け付けられないようにする。
また、選択された欄の数が4以上であることをCPU10aが検知した場合で、OKボタン60aの選択操作を受け付けると、基本ポートフォリオの構成銘柄を、選択した各欄に応じた複数の株式銘柄の選択(銘柄変更指示に相当)をCPU10aが受け付けたことになり、銘柄変更メニュー画面60の表示を消去すると共に、選択を受け付けた複数の取引銘柄を含む基本ポートフォリオ作成画面を生成して表示する。
図31は、上述した銘柄変更メニュー画面60で銘柄が追加された変形例の基本ポートフォリオ作成画面320′の例を示し、この例では、変更前は図6の場合と同様に、A、B、C、D、E社の銘柄が含まれていたのが、ユーザの銘柄変更操作によってC、G、H、Z、AB、BB社の銘柄を含む状態に変更されたことを示す。このように図30、31に示す変形例では、サービス側がデフォルトで提供する基本ポートフォリオの構成銘柄を、一度の銘柄変更操作により全面的に入れ替えることが可能となり、さらには銘柄数も4以上であれば、ユーザの所望する数に変更できるので、ユーザの希望する構成銘柄により、基本ポートフォリオを構築したい場合に好適となる。
なお、図30(b)の銘柄変更メニュー画面60で戻るボタン60bの選択操作が行われた場合、図30(a)の基本ポートフォリオ作成画面320の表示に戻す処理をCPU10aは行うことになる。また、この銘柄変更に係る変形例は、上述した図26、27に示す銘柄追加の変形例の内容、又は図28、29に示す銘柄削除の変形例の内容のいずれか若しくは両方と組み合わせることも可能であり、このように各変形例を組み合わせることで、全面的に入れ替えた銘柄について後から銘柄を追加すること、又は全面的に入れ替えた銘柄の一部を削除することも可能となり、その後の株価の変化等により、基本ポートフォリオの構成銘柄の調整をユーザが希望するときにも対応できるようになる。
図32は、変形例のポートフォリオ画面128を示している。この変形例のポートフォリオ画面128は、図9のポートフォリオ画面28に比べて、画面情報部128aのポートフォリオグラフ130の中に、扇形状のA社株図形部131〜E社株図形部135に加えて,現金図形部136を加えたことが特徴になっており、中央部分130aには、現金図形部136に応じた現金も含む総資産額(図32では、70万円)を示し、また、画面下方部128bにはオンライン株式取引に係るユーザの口座に入っている現金額も含むポートフォリオ明細情報129も含んでいる。現金図形部136は、ユーザの口座に入っている現金の額に応じた円周範囲を有する占有部分を有したものになっており、証券会社システム2から送信されてくる情報(各銘柄の金銭的価値等を示す銘柄保有情報及び口座の現金額等を示す口座現金情報等を有する情報)に基づき、CPU10aが、現金図形部136等を示すポートフォリオ画面128を生成することになる。
変形例のポートフォリオ画面128も、図9のポートフォリオ画面28と同等の操作により、ポートフォリオグラフ130に含まれるA社〜E社の株式の取引を行うことが可能であるが、一つの株式の売買取引のユーザ操作(例えば、A社株境界線131aを時計回転方向側へ移動する買付操作、又は反時計回転方向側へ移動する売却操作)が行われたとき、他の株式の図形部(上記の例の場合、B社株図形部132〜E社株図形部135)の範囲は変化することなく、現金図形部136の現金境界線136aが、取引額に応じて、移動することになる。
A社株式の買付のため、A社株境界線131aを時計回転方向側に移動して、5万円のA社株式の買付操作を行うと、現金図形部136の現金境界線136aが、現金図形部136の現金が5万円目減りしたことを示す位置まで、上記の買付操作に連動して時計回転方向に移動する制御をCPU10aが行うことになる。それにより、ユーザは、口座に入っている現金の中の5万円を用いて、A社の株式を買い付けることを視覚的に確認できるようになる。
また、A社株式の売却のため、A社株境界線131aを反時計回転方向側へ移動して、5万円のA社株式の売却操作を行うと、現金図形部136の現金境界線136aが、現金図形部136の現金が5万円増加したことを示す位置まで、上記の売却操作に連動して反時計回転方向に移動する制御をCPU10aが行うことになる。それにより、ユーザは、A社の株式を5万円分、売却することで、口座に5万円が新たに入ることを、視覚的に確認できるようになる。このように変形例のポートフォリオ画面128では、口座の現金の額も含めて、ユーザのポートフォリオの中身を確認できる点にメリットがある。なお、上述した例は、A社株式の売買で説明したが、他の株式(B〜E社)の株式の売買の場合でも同様である。また、上述した以外について、変形例のポートフォリオ画面128は、図9のポートフォリオ画面28は同様である。
さらに、上述した基本ポートフォリオ作成画面20、ポートフォリオ画面28、128、特定銘柄取引画面45等には、取引判断に用いることが可能な様々な情報を提供する欄を設けるようにしてもよく、このような情報の欄の例としては、平均為替欄、及び現在の為替欄等が想定できる。このような情報の欄は、銘柄が海外(例えば、米国)の株式であり、その海外との為替に関する情報を、平均為替欄、及び現在の為替欄に表示すれば、投資家(ユーザ)は自国の金銭単位との関係を考慮した上で、売買取引を行いやすくなり好適である。なお、海外の銘柄を取引対象にする場合は、ユーザ操作により指定される国の金額貨幣と、取引対象の国を貨幣とに関する為替処理等もシステムサーバ80等で適宜行った上で、取引株数等を算出することになる。このような表示対象となる為替に関する情報は、ユーザ端末(スマートフォン10等)が、情報収集システム3から直接取得するか、又は、証券会社システム2が為替に関する情報を取得してユーザ端末へ送信することになる。
また、上述した基本ポートフォリオ作成画面20、ポートフォリオ画面28、128、特定銘柄取引画面45等で用いられる金額単位は、万円単位の他に、金額の少なくとも一桁目から三桁目までを0にした千円単位(三桁目以下を0にした単位)にすること、一桁目から二桁目までを0にした百円単位(二桁目以下を0にした単位)にすること、又は一桁目を0にした十円単位にすることも可能である。
さらに、本発明で扱える株式としては、世界中の株式等が対象となり、また、その場合、各画面20、28、45、128等において買い/売りで設定する貨幣種類としては、日本円以外に、米国:ドル、カナダ:ドル、欧州:ユーロ、ブラジル:レアル、オーストラリア:ドル、中国:元、英国:ポンド、韓国:ウォン、ニュージーランド:ドル、シンガポール:ドル、南アフリカ:ランド、香港:ドル、タイ:バーツ、スイス:フラン、インド:ルピー、ロシア:ルーブル、フィリピン:ペソ、インドネシア:ルピア等を用いることも可能である。その場合、金額単位として、日本円の100円以上が貨幣単位となる海外貨幣(ドル、ユーロ等)に対しては金額の少なくとも一桁目を0にすることが、金額の扱い負荷を低減するために好適である。また、このように海外の貨幣単位を用いる場合、為替に関する処理をシステムサーバ80で行う。
そして、本発明は、上述したように金額単位でユーザの売買注文の操作を受け付ける以外に、株数単位で売買注文の操作指示を受け付けることも可能であり、この場合、各画面20、28、45、128等における金額設定欄等は、株数設定欄に切り替わることになる。さらに、本発明は、証券会社システム2が相対取引で取引処理を実行する以外に、委託取引で取引処理を実行することにも適用できる(取引所システム4に係る株式取引所で取引を執行する場合等を想定)。
また、証券会社システム2(システムサーバ80)がユーザ端末へ送信するポートフォリオ情報は、その中身として、必要な情報を含むことになり、具体的には「総資産額、各銘柄の評価金額、及び口座金額」等の情報、「総資産額、総資産額に対する各銘柄の金額割合(パーセント)、及び総資産額に対する口座金額割合(パーセント)」等の情報、「総資産額、各銘柄についてログイン中のユーザが保有する株式数(銘柄保有情報に相当)、各銘柄の直近の株価、口座金額」等の情報を、サービスの仕様に応じて適宜、送信する。ようにしてもよい。
さらに、株価の変動に伴うポートフォリオの変化も詳細にユーザへ提示する場合などには、一旦、ポートフォリオ情報を送信してからも、直近の銘柄の株価を証券会社システム2又は情報収集システム3等からユーザ端末へ送信し、ユーザ端末(CPU10a)は、先に受信していたポートフォリオ情報を記憶しておくと共に、受信した直近の銘柄の株価と、記憶しておいたポートフォリオ情報に含まれる各銘柄の株式数等を用いて、各銘柄の評価金額、又は総資産額に対する各銘柄の金額割合(パーセント)等を算出して最新のポートフォリオ画面を生成するようにしてもよい。
さらにまた、上述したように海外の企業の株式を取引対象にする場合、ユーザ端末へ送信するポートフォリオ情報の中身に含まれる総資産額、各銘柄の評価金額(又は総資産額に対する各銘柄の金額割合)等については、証券会社システム2(システムサーバ80)側で、海外の為替レートを用いて算出した額等にすることが想定できる。このときに用いる為替レートは、ユーザ端末からのポートフォリオ要求情報を証券会社システム2が受信した時点において、証券会社システム2が把握している直近の為替レートを用いることになる。また、為替レートが変動する時間帯等であれば、為替レートの変動に合わせて上記の各額等を証券会社システム2(システムサーバ80)で算出することで、為替レートの変動も、ポートフォリオで表現できるようにしてもよい。さらに、海外の為替レートを証券会社システム2又は情報収集システム3等からユーザ端末へ送信して、ユーザ端末で、受信した為替レートを用いて、総資産額、各銘柄の評価金額(又は総資産額に対する各銘柄の金額割合)等について算出し、算出した結果を用いてポートフォリオ画面を生成することも勿論可能である。
なお、上述した現金図形部(例えば、図32の現金図形部136等)は、口座に入っている現金を対象としたが、現金相当品(現金と同様の流動性を有する金融商品、例えば、MRF、MMF等)に応じた口座のときは、現金図形部について現金相当品の評価額を対象としてもよく、また、現金及び現金相当品の口座の両方をユーザが持っているときは、それらの両方を合わせた額を対象にしてもよい。また、第1実施形態における上述した説明は、上場識別情報が付された金融商品として株式の場合を例にして説明したが、ETF又はREIT等の他の金融商品の場合でも、上記と同様に本発明を実施することが勿論可能であり、この場合、上述した株式の各銘柄を、ETFの各銘柄、又はREITの各銘柄等に置き換えて、上述した内容を実施することになる。