図1は、本発明の第1実施形態に係る金融商品取引システム1の全体的な概要の構成を示す。金融商品取引システム1は、オンラインによる株式取引サービスを、投資家であるユーザ(U1、U2、U3等)に提供するものであり、金融商品(本実施形態では株式)の売買に係るユーザ操作の受付が可能な取引画面をユーザ端末(T1、T2、T3等)に提示し、この取引画面での売買操作に伴う金融商品の売買指示を、証券会社の証券会社システム2へ送信するものである。特に本発明は、株式の売り指示を迅速に出せるように工夫したユーザインタフェース(取引画面)を、ユーザ端末(T1、T2、T3等)で提示することが特徴になっている。
本実施形態の金融商品取引システム1は、上述したユーザインタフェースを提供する証券会社による証券会社システム2が、ユーザ端末(T1、T2、T3等)からの売買指示を受け付けて、その指示に応じた売買処理を相対取引(市場を介さずに売買当事者間で売買方法、取引価格、取引量を決定して売買する取引)により行うものになっている。なお、証券会社システム2は、サーバ装置等でシステムが構成されている。
ユーザ(U1、U2、U3等)は、オンライン株式取引を利用するために、証券会社のオンライン株式取引のサービスに登録しており、それぞれユーザIDが付与されている。ユーザが使用するユーザ端末T1、T2、T3等は通信端末装置に相当し、具体的には、通信機能を具備するパーソナルコンピュータ(据え置き型又は携帯型のパーソナルコンピュータ)、携帯型ユーザ端末(タブレット、スマートフォン、通信機能付きPDA、携帯電話等)などの通信機能を具備した一種のコンピュータ的な装置をユーザ端末として適用できる。
また、本実施形態の金融商品取引システム1は、情報収集システム3及び取引所システム4も備えている。情報収集システム3は、スクレイピングサーバ3a等を含み、このスクレイピングサーバ等の処理により、取引対象となる株式の銘柄の法人等に関する投資家向け情報等を、ユーザ(U1、U2、U3等)からの要求に応じて提供できるようにしている。また、取引所システム4は、株式の市場取引を行うものであり、各銘柄の取引に係る各種情報(各銘柄の株式単価、単価の変動状況等)を証券会社システム2等へ提供している。以下、本発明について詳説していく。
図2は、ユーザ端末(T1、T2、T3等)の一例であるスマートフォン10(通信端末装置)の主要な内部構成を示している。スマートフォン10は、プログラムに従って各種処理を行う一種のコンピュータ(通信手段及び記憶手段を具備したコンピュータ)に該当するものである。スマートフォン10は、全体的な制御及び各種処理を行うCPU10a(プロセッサ10a)に、内部接続線10iを介して、通信・通話モジュール10b(通信手段に相当)、RAM10c、ROM10d、入出力インタフェース10e、記憶部(記憶手段に相当)10f等の各種デバイス等を接続したものになっており、また、ユーザが操作可能な操作部10hも内部接続線10iに繋がっている。
スマートフォン10の通信・通話モジュール10bは、ネットワークを介した無線通信処理に加えて、CPU10aの制御に従って所定の電話番号へ電話をかける機能(発呼機能)及び電話を受ける機能(着呼機能)等を有する。RAM10cは、CPU10aの処理に伴う内容、ファイル等を一時的に記憶するものである。ROM10dは、CPU10aの基本的な処理内容を規定したプログラム等を記憶すると共に、スマートフォン10を識別する識別情報(UID)等も格納している。なお、このUIDは、上述した通信・通話モジュール10bで通信(送信)する際、送信内容に含まれるようになっている(例えば、送信パケットのヘッダ等にUIDを含めて送信が行われる)。
入出力インタフェース10iは、タッチパネル機能を具備したディスプレイ10gを接続しており、CPU10aの制御処理により生成された各種画面(図3〜8等に示す画面参照)をディスプレイ10gに出力する処理を行い、それにより、出力した画面内容がディスプレイ10gに表示されることになる。また、入出力インタフェース10iは、ディスプレイ10gの表面をユーザがタッチすることで受け付けた操作内容をCPU10aへ送る処理も行う。
なお、ユーザがディスプレイ10gの表面をタッチすることで受け付ける操作内容は、表示している画面内容に応じて適宜、変化し、例えば、スマートフォン10の基本画面となるホーム画面11(図3参照)がディスプレイ10gに表示されていた場合で、ホーム画面11に含まれる各種アイコン11a、11b、11c等の配置箇所に応じた表面がユーザによりタッチされると、タッチされた箇所に位置するアイコン(例えば、アイコン11a)の選択操作が行われた旨を入出力インタフェース10gは受け付けて、アイコンの選択操作を受け付けた旨をCPU10aへ送ることになる。
操作部10hは、スマートフォン10の筐体に設けられたハードボタンであり、操作部10hが操作されると、操作された旨がCPU10gに伝えられる。操作部10hの操作による意味合いは、スマートフォン10の処理状況により様々なものになり、例えば、アプリを起動している状況で、操作部10hが操作されると、アプリを終了する動作が行われるので、この場合、操作部10hの操作は、アプリの終了指示をユーザから受け付けることになる。本発明の場合、後述するように、オンライン株式取引サービス用の株式取引アプリP2(記憶部10fにインストールされているもの)を用いるので、株式取引アプリP2を起動している状態で、操作部10hが操作されると、株式取引アプリP2の終了指示をスマートフォン10が受け付けたことになり、株式取引アプリP2のログオフ指示が、証券会社システム2へ送信されることになる。
記憶部10gは、OSプログラムP1、株式取引アプリP2、及びその他の各種アプリ等のプログラムを記憶(インストール)している。OSプログラムP1は、オペレーティングシステムに相当する基本プログラムであり、スマートフォン10が一種のコンピュータとして機能するためのCPU10aの処理を規定している。OSプログラムP1が規定する基本的な処理の一つとしては、スマートフォン10が使用できる状態になったときに、最初にディスプレイ10gにホーム画面11(図3参照)を表示することが挙げられ、このホーム画面11においては、記憶部10gにインストールされている各種アプリに応じたアイコン11a、11b、11c等を配置することも、OSプログラムP1の規定する処理によるものとなっている。
記憶部10gに記憶される株式取引アプリP2は、証券会社システム2が提供するオンラインの株式取引サービス用のアプリケーションプログラム(コンピュータプログラム)であり、株式銘柄取引用の各種画面(図5〜8等参照)をユーザ端末に表示させて、その画面におけるユーザ操作に伴い売買指示等を証券会社システム2へ送信する処理等に応じた各種制御をCPU10aが行うことを規定したものになっており、このような規定内容により、CPU10aは取引画面の生成手段等として機能するようになる。なお、株式取引アプリP2は、処理を規定したプログラムコードに加えて、各種画面に応じた画面データも含んでいる。
図3に示すように、株式取引アプリP2は記憶部10gにインストールされると、OSプログラムP1に基づくホーム画面11の中に、株式取引アプリP2を起動させるための株取引アイコン12が選択可能に配置される。
図4は、ホーム画面11で株取引アイコン12をユーザが選択する操作を受け付けた場合に、ディスプレイ10gに表示されるログイン画面15を示している。株式取引アプリP2は、株取引アイコン12の選択の際に、ユーザが株式取引サービスへログイン中でないときに、このログイン画面15の表示処理をCPU10aが行うことを規定する。
ログイン画面15は、ログイン画面用の画面データに基づき生成されるものであり、メールアドレス入力欄15a、パスワード入力欄15b、及び選択可能なログインボタン15cを配置している。このように配置された各部に応じたパーツのデータも、ログイン画面用の画面データは含んでいる。ログイン画面15を表示した状態で、上述したOSプログラムP1が規定する処理に応じた機能により、ディスプレイ10gにソフトキーボード16を表示し、このソフトキーボード16に含まれる各キーをユーザが操作することで、各入力欄15a、15bに所定の内容を入力していくことになる。なお、入力するメールアドレス及びパスワードは、株式取引サービスへのユーザ登録時に、ユーザごとに定められたものである。
そして、各入力欄15a、15bへ所定の内容が入力された状態で、ログインボタン15cのユーザ選択操作をスマートフォン10が受け付けると、入力された内容が、証券会社システム2へ向けて送信されるように作り込みされており、このような作り込みの内容等を規定したデータ(スクリプト系言語等で記載されたデータ)も、ログイン画面用の画面データに含まれる(このような選択ボタンに関する内容は、他の画面データでも同様である)。
図5は、株式取引アプリP2のトップページ画面20(アイコン画面に相当)を示しており、ログイン画面15でログイン処理が完了した旨の通知をスマートフォン10が受信したときに、ディスプレイ10gに表示されるものである。トップページ画面20は、A社〜F社に応じた銘柄の取引処理を起動させるためのA社〜F社株式取引アイコン21a〜21fを同一画面内に配置したものになっている。なお、証券会社システム2から送信されるログイン完了に伴う通知には、ログイン時における所定の銘柄の株価に関する情報、及びログイン処理を行ったユーザの今までの取引情報等の各種情報が付帯しており、通知と共に受信した各種情報はRAM10cに一時的に記憶されるようになっている。
本実施形態ではユーザが銘柄選択に煩わされないように、株式取引サービスを提供する証券会社側で予め取引対象として6社(A社〜F社)の銘柄を抽出しており、これら抽出された銘柄の中からユーザは、取引対象を選択することになる。このような取引対象としては、幅広い人の取引対象になり得る可能性を高めるために、著名な企業の銘柄を選ぶことが好適であり、また、このような取引対象は日本国の企業から選択すること、又は、ある海外の国の著名企業を選択して、その国用の取引サービスを提供する仕様にしてもよい(例えば、米国市場上場の非常に著名な企業から銘柄対象を選択すること等が考えられる)。なお、証券会社側が選択する企業数(銘柄数)は、6社に限定されるものではなく、6社から適宜増減可能であるが、株式取引業界における協会自主規制ルールにおける特定銘柄の推奨に該当しないように、少なくとも5銘柄以上のアイコンを配置することが好ましい。
図6は、A社(一つの特定銘柄に相当)に応じた特定銘柄取引画面25の買い取引状態を示しており、図5のトップページ画面20に含まれる複数の取引アイコン21a〜21fの中から、A社株式取引アイコン21aの選択を受け付けたことに伴って、株式取引アプリP2の規定に基づくCPU10aの制御処理により、ディスプレイ10gに表示されるものである。図6に示す特定銘柄取引画面25は、A社の株式取引専用の取引画面であり、A社株式取引アイコン21a以外のB社〜F社株式取引アイコン21b〜21fが選択された場合に表示されるB社〜F社株式専用用の取引画面とも基本的な構成は同等であり、会社を示すテキストの部分(画面タイトル26i等)が異なるだけとなっている。なお、本実施形態の特定銘柄取引画面は、金額単位による株式取引用の仕様になっている。
図6の特定銘柄取引画面25は、画面上側を第1共通部26にすると共に、画面中央下部付近を買い取引状態専用の買い取引部30にしており、画面下方を第2共通部27にしている。図6及び図7に示すように、特定銘柄取引画面25は図6に示す買い取引状態と、図7に示す売り取引用の売り取引状態とに切り替わるようになっており、第1共通部26及び第2共通部27は、画面状態が切り替わっても、切り替わらずに共通して同様の構成になっている部分であり、一方、画面中央下部付近は、画面状態の切り替わりに応じて構成が切り替わる部分になっている。
第1共通部26は、画面左上隅に戻りボタン26gを配置すると共に画面右上隅に案内ボタン26hを配置している。戻りボタン26gは、図5のトップページ画面20へ戻るための選択可能なボタンであり、他の銘柄の取引に移る場合などに選択されることになる。案内ボタン26hは、取引に関連した情報を表示するための選択可能なボタンであり、選択されると、特定銘柄取引画面25からメニュー画面(図示せず)に切り替わり、このメニュー画面で表示する項目を選択することになる。表示する項目としては、取引締結前交付書、リスクディスロージャー等があり、取引銘柄が外国の企業のものであれば、外国証券内容等も項目に含ませることになる。また、メニュー画面の項目には、ユーザの今までの取引履歴も含ませてもよく、取引履歴の項目が選択されると、表示中の特定銘柄取引画面25の特定銘柄に関するユーザ履歴の要求を証券会社システム2へ送信し、その要求の送信に応じて受信した取引履歴を表示できるようになっている。
また、戻りボタン26g及び案内ボタン26hの間には、「A社株アプリ」というA社用の画面タイトル26iを配置している。なお、画面タイトル26iは、特定銘柄取引画面25がB社用のものであれば(図5のトップページ画面20でB社取引アイコン21bが選択された場合)、「B社株アプリ」という表記になり、C社用のものであれば(トップページ画面20でC社取引アイコン21cが選択された場合)、「C社株アプリ」という表記になる(他のD〜F社も同様)。
また、特定銘柄取引画面25は、第1共通部26における画面タイトル26iの下方に、選択操作の受付可能な買い取引ボタン26a及び売り取引ボタン26bを配置している。これらボタン26a、26bは、いずれか一方が選択可能な状態(アクティブ状態)になっており、選択可能な方を操作することで、買い取引状態と売り取引状態を適宜切り替えられるようになっている。すなわち、買い取引状態では、売り取引ボタン26bだけが選択できる状態となり(アクティブ状態)、一方、売り取引状態では買い取引ボタン26aだけが選択できる状態となり、アクティブ状態のボタン26a又は26bの選択操作を行うことで、買い/売り取引状態を切り替える。
なお、買い取引状態の特定銘柄取引画面25でも、売り取引ボタン26bが選択できない状態になっていることもあり、ログイン完了の通知に伴って送られてきた情報(RAM10cに一時的に記憶されている情報)の中に、ログイン中のユーザがA社の株式を所有している情報が含まれるか否かをCPU10aが検知し、A社の株式を所有する旨の情報が検知できないときは、売り取引ボタン26bを選択できない状態にして、買い取引状態の特定銘柄取引画面25を表示することになる。この場合、ログイン中のユーザは、A社の株式については買い取引だけが行えることになる。なお、特定銘柄取引画面25は、ディスプレイ10gに表示された直後では図6に示す買い取引状態になっている。
さらに、特定銘柄取引画面25は、第1共通部26における買い/売り取引ボタン26a、26bの下方に銘柄欄26cを配置している。銘柄欄26cは、図6の特定銘柄取引画面25がA社用のものであれば、A社の社名が配置され、B社用のものであれば、B社の社名が配置される(他のC〜F社も同様)。銘柄欄26cの中には、選択可能な銘柄ボタン26d(会社情報ボタン)が配置されており、この銘柄ボタン26dがユーザの選択操作を受け付けると、図1に示す情報収集システム3へアクセスして、A社に関する情報の取得要求を送信するようになっている。そして、取得要求の送信に応じて、情報収集システム3のスクレイピングサーバ3aから、A社に関する情報(IR情報等)をスマートフォン10が受信すると、その受信した情報をディスプレイ10gに表示することも株式取引アプリP2は規定する。なお、このような受信情報は、別ウインドウ又はポップアップ的に特定銘柄取引画面25に重ねて表示すること、若しくは特定銘柄取引画面25と切り替えた画面で表示することが可能である。
そして、特定銘柄取引画面25は、銘柄欄26cの下方に金額設定欄26eを配置している。金額設定欄26eは、買い取引を行う際の金額を設定するものであり、本実施形態では日本円で4桁目以下を全て0にした金額単位(万円単位)で金額を設定する仕様になっており、金額設定欄26eに応じたディスプレイ10gの表面を触ることで、スロットマシン状に万円単位の金額表示が回転する仕様になっており(スマートフォン等で用いられる場合は「ピッカー」と称される仕様)、金額設定欄26eに設けられた金額枠26fに収まった金額表示が設定金額になる。したがって、ユーザは金額設定欄26eをスロットマシン状に回転させるようにディスプレイ10gの表面を触る操作(ディスプレイ表面を指で上向きになぞるような操作、又は下向きになぞるような操作)を行うことで簡単に金額設定(金額指定)を行うことができ、特に、金額も万円単位にしたので、回転させる量が少なくても幅広い範囲の金額を迅速に設定できるようにしている。
また、特定銘柄取引画面25は、上述した第1共通部26の下方の買い取引部30を配置しており、この買い取引部30は、買うボタン30a及び設定金額提示欄30bを含んでいる。買うボタン30aは、A社株式の買い指示(買い注文)のユーザ操作を受け付けるボタン(買い操作部に相当)であり、この買うボタン30aでユーザ操作を受け付けると、A社の株式を金額設定欄26eで設定された金額分だけ買う指示(買い注文)を証券会社システム2へ送信する処理をCPU10aが行うことになる。なお、送信される買い指示には、取引対象の一つの銘柄を表す銘柄情報(銘柄ID)及び設定された金額を表す金額情報が含まれる。
金額確認欄31bは、上述した金額設定欄26eの金額枠26fに収まった額と同期した金額をCPU10aの制御処理により自動的に表示するようにしたものであり、この金額確認欄31bに示されるテキスト(例「3万円で投資する!」)を確認することで、買い取引の金額をユーザが確実に把握できるようにしている。
さらに、特定銘柄取引画面25は、上述した買い取引部30の下方に第2共通部27を配置しており、この第2共通部27は、平均買い単価欄27a、現在株価欄27b、投資総額欄27c、及び現在評価額欄27dを含んでいる。
平均買い単価欄27aは、ログイン時点におけるA社株式に対する今までのユーザの平均買い単価の額を示しており、この額は、上述したログイン画面15でのログイン操作によるログイン完了に伴って証券会社システム2からスマートフォン10へ送信される情報に含まれる中から抽出されたものである。すなわち、RAM10cに一時的に記憶された各種情報の中から、A社株式取引アイコン21aの選択に応じて、A社株式の平均買い単価の額がCPU10aにより抽出されて平均買い単価欄27aの中に配置されるようになっている。
現在株価欄27bは、ログイン時点におけるA社株式の直近の株価(最新の株価)の額を示す欄であり、この額も、上述したA社株式の平均買い単価の額と同様に、RAM10cに記憶された各種情報の中から、CPU10aにより抽出されて現在株価欄27bの中に配置される。
投資総額欄27cは、ログイン中のユーザがログイン時点までに、A社株式の株式に対して投資した総額(今までA社の株式を購入するにあたり支払った総額)を示す欄であり、この額も、上述したA社株式の平均買い単価の額と同様に、RAM10cに記憶された各種情報の中から、CPU10aにより抽出されて投資総額欄27cの中に配置される。現在評価額欄27dは、ログイン中のユーザがログイン時点までに買ったA社株式の株式に対する評価額(今までに購入したA社の全株式に対し、ログイン時における株価に基づき算出される最新の評価額)を示す欄であり、この額も、上述したA社株式の平均買い単価の額と同様に、RAM10cに記憶された各種情報の中から、CPU10aにより抽出されて現在評価額欄27dの中に配置される。
このように第2共通部27では、各欄27a〜27dにおいて各種数値を提示するので、これらの提示内容を、買い注文を出すか否かを判断する指標にユーザが用いることができ、しかも、買い注文を行う操作画面と同一の画面内に情報の提示を行うことで、買い注文の適否を判断するにあたり画面の切替等が不要となり、迅速な買い注文を行うことに貢献できる。
図7は、売り取引状態の特定銘柄取引画面25を示しており、図6に示す買い取引状態で第1共通部26における売り取引ボタン26bがユーザの選択操作を受け付けることで、図6に示す画面状態から切り替わったものである。図7の売り取引状態の特定銘柄取引画面25は、第1共通部26及び第2共通部27は図6と基本的に同等であるが、買い取引ボタン26aが選択可能な状態になっている点が図6と異なる。
また、第1共通部26と第2共通部27の間に配置される売り取引部35は、売り取引専用の構成になっており、図7中、左から右方へ金額指定売りボタン35a(金額分売却操作部に相当)、全額売りボタン35b(全部売却操作部に相当)、及び利益売りボタン35c(利益売却操作部に相当)をユーザの選択操作を受け付け可能に配置している。また、金額指定売りボタン35aの下方には金額確認欄35dを配置している。
金額指定売りボタン35aは、上述した図6に示す買うボタン30aの場合と同様に、第1共通部26の金額設定欄26eで設定された金額分の売り指示(図7では、A社株式の売り指示)を証券会社システム2へ送信するためのものである。金額確認欄35dは、上述した図6に示す金額確認欄30bと同様のものであり、第1共通部26の金額設定欄31aの設定金額と同期した金額表示をCPU10aの制御処理により自動的に表示する。それにより、ユーザは自己の設定した金額を確認した上で、希望金額の売り指示を確実に出せるようにしている。なお、証券会社システム2へ送信する金額指定売り指示には、取引対象の一つの特定銘柄(例えば、A社)を表す銘柄情報(銘柄ID)及び設定された金額を表す金額情報等が含まれる。
全額売りボタン35bは、ログイン中のユーザが所有する特定銘柄の株式の全部の売り指示を出すためのものであり、全額売りボタン35bでユーザ操作を受け付けると、ログイン中のユーザの所有株式の全部(図7では、A社株式の全部)の売り指示を証券会社システム2へCPU10aが送信する処理を行うことになる。なお、この全部売り指示にも、取引対象の一つの特定銘柄を表す銘柄情報(銘柄ID)及び全額売る旨の指示情報等が含まれる。
利益売りボタン35cは、所有株式(表示中の特定銘柄取引画面25に応じた一つの特定銘柄)に係る利益分の売り指示を出すためのものであり、利益売りボタン35cでユーザ操作を受け付けると、ログイン中のユーザの所有株式(図7では、A社株式。一つの特定銘柄の金融商品に相当)に係る利益分の売り指示を証券会社システム2へCPU10aが送信する処理を行うことになる。なお、この利益分の売り指示には、取引対象の一つの特定銘柄を表す銘柄情報(銘柄ID)と利益分を売る旨の指示情報等が含まれる。
また、図7に示す売り取引状態の特定銘柄取引画面25においても、上述した第2共通部27の各欄27a〜27dで各種数値を提示するので、これらの提示内容を、売り指示を出すか否か、又は売り指示を出す場合でも上述した3パターンのいずれの売り指示を出すかを判断する指標に用いることができ、しかも、これらの指標を売り指示の操作画面と同一の画面内に提示するので、売り指示に係る各種判断を行うにあたり画面の切替等が不要となり、迅速な売り指示を3パターンの中からワンタッチ操作で行える。
図8(a)は買い完了画面36を示しており、図6の買い取引状態の特定銘柄取引画面25において買うボタン30aがユーザにより操作されて買い注文に対する処理が完了した場合にディスプレイ10gに表示されるものである。買い注文の処理が完了すると、後述するように証券会社システム2から買い完了通知が送信されてくるので、その買い完了通知の受信をトリガーにして買い完了画面36をディスプレイ10gに表示する処理をCPU10aが行うことを株式取引アプリP2は規定する。また、買い完了画面36は、買い注文に対する処理が完了した旨を示すテキスト36aと、確認ボタン36bを含んでおり、確認ボタン36bでユーザの選択操作を受け付けると、別銘柄の取引を行えるようにするため、図5に示すトップページ画面20の表示に切り替える制御をCPU10aが行うことも株式取引アプリP2は規定している。
図8(b)は売り完了画面37を示しており、図7の売り取引状態の特定銘柄取引画面25において、金額指定売りボタン35a、全額売りボタン35b、又は利益売りボタン35cのいずれかがユーザにより操作されて売り指示に対する売り処理が完了した場合にディスプレイ10gに表示されるものである。売り処理が完了すると、上述の買い処理の場合と同様に、売り完了通知が送信されてくるので、その売り完了通知の受信をトリガーにして売り完了画面37をディスプレイ10gに表示する処理をCPU10aが行うことを株式取引アプリP2は規定する。また、売り完了画面37も、売り注文の処理が完了した旨を示すテキスト37aと、確認ボタン37bを含んでおり、確認ボタン37bで選択操作を受け付けると、トップページ画面20の表示に切り替える制御をCPU10aが行うことも株式取引アプリP2は規定している。
よって、本実施形態の株式取引アプリP2は、上述した各種画面(図5〜8等)を表示する処理を規定することで、ユーザが迅速な買い/売り指示をワンタッチ操作で出せるようにしており、図5のトップページ画面で取引を希望する特定銘柄(アイコン)を選択すれば、後は図6、7に示す特定銘柄取引画面25で買い/売り指示を出せるようになり、買い/売り指示においてキーボード等による金額入力操作を不要にしたことでスピーディーに指示を出すことができ、また、売り指示については定型的な3パターンの内容を提示して、一般的なユーザの投資スタイルに対応できるようにしている。
スマートフォン10に関する説明は以上のとおりであるが、ユーザ端末T1、T2、T3等には上述したように、スマートフォン以外のパーソナルコンピュータ、タブレット、通信機能付きPDA、携帯電話等の適用が可能であり、これらのスマートフォン以外の機器の中で、タッチパネル機能を具備しない機器では、図2に示す構成に対して、ディスプレイ部は表示情報が出力される出力インタフェースに接続される点、及びユーザからの操作を受け付けるキー・ボタン・スイッチ等が入力インタフェースに接続される点などが異なるが、それ以外の点では、図2に示す構成と基本的に同等になる。それゆえ、本発明に適用可能なユーザ端末T1、T2、T3等の構成は、主要な部分において図2に示す内容に準じたものになっている。次に、本実施形態のオンライン株式サービスを提供する証券会社システム2を説明していく。
図9は、証券会社システム2に含まれるシステムサーバ80(サーバ装置に相当)を示している。このシステムサーバ80は、証券会社システム2の基幹部分を構成しており、オンライン株式サービスをユーザに提供する上で必要な処理を行う。なお、図9では、サーバコンピュータとしてシステムサーバ80を示しているが、例えば、システムサーバ80が行う各種処理について分散処理等を行うことで複数のサーバコンピュータ及びデータベースシステム等を組み合わせてシステムサーバ80を構成することも可能であり、このような複数機器による構成の場合も、本発明におけるサーバ装置に相当する。以下、システムサーバ80について説明する。
本実施形態におけるシステムサーバ80としては、一般的なサーバコンピュータを適用しており、全体的な制御及び各種処理を行うMPU80a(制御部80a)に、各種デバイス等を内部接続線80hで接続したものになっており、各種デバイス等には、通信モジュール80b、RAM80c、ROM80d、入力インタフェース80e、出力インタフェース80f、大容量記憶システム(HDDシステム)80g等がある。
通信モジュール80bは、ネットワークとの接続モジュールに相当する通信デバイス(通信手段)であり、所要の通信規格に応じたものである(例えばLANモジュール)。通信モジュール80bは、所要の通信機器(図示は省略。例えばルータ等が該当)を介してネットワーク(証券会社システム2の内部ネットワーク又は外部のネットワーク)と接続されており、ユーザ端末T1、T2、T3等及び外部の各種サーバ(スクレイピングサーバ3a、ウェブサーバ、データベースサーバ等)との通信を可能にしている。
RAM80cは、MPU80aの処理に伴う内容、ファイル等を一時的に記憶するものであり、ROM80dは、MPU80aの基本的な処理内容を規定したプログラム等を記憶するものである。入力インタフェース80eは、証券会社のシステム管理者等からの操作指示等を受け付けるキーボード80i、マウス等が接続されるものであり、システム管理者等から受け付けた操作指示等をMPU80aへ伝える。出力インタフェース80fは、ディスプレイ80j(表示出力装置)が接続されるものであり、MPU80aの処理に伴う内容をディスプレイ80jへ出力し、システム管理者等が現在の処理内容等を確認できるようにしている。
大容量記憶システム80g(記憶媒体手段に相当)は、プログラム及びデータベース(DB)等を記憶するものであり、本実施形態ではシステムプログラムP10、取引プログラム11、銘柄DB81、ユーザDB82、及び口座DB83等を記憶している。
システムプログラムP10は、サーバ用のオペレーションシステムに応じた各種処理を規定したものであり、この規定内容に基づいた処理をMPU80aが実行することで、システムサーバ80はサーバとしての基本的な機能を果たす。取引プログラムP11の説明は後述し、先に、銘柄DB81等の説明を行う。
図10は、銘柄DB81の中身の一例を示している。本実施形態では、証券会社システム2が相対取引で取り扱う銘柄は上述したようにA〜F社の6社に絞っているため、銘柄DB81は、A〜F社ごとに付与された銘柄IDに対応づけて、各日における終値、最高値、及び最低値を格納している。なお、直近の日で終値が定まっていないときは、終値の替わりに、そのときにおける最新値が格納される。銘柄DB81に格納される各値は、相対取引における値を示し、また、図1に示す取引所システム4から送信されてくる各種情報を参照した値にすることでき、銘柄DB81の中身は取引状況に応じて随時更新される。
図11は、ユーザDB82の中身の概要を示している。ユーザDB82は、証券会社システム2が提供するオンライン株式取引サービスに登録して取引用の口座を開設したユーザの各種情報を格納したデータベースであり、ユーザ登録にあわせて、ユーザを識別するユーザIDが証券会社システム2から登録ユーザに付与されており、ユーザDB82では、付与されたユーザIDに対応付けて各種情報を格納している。具体的にユーザDB82は、ユーザIDごとに、ユーザの氏名、住所、電話番号、メールアドレス、UID(ユーザ端末の識別情報)、職業、パスワード等を記憶している。なお、本実施形態では、登録されたメールアドレスをログイン時のログインIDとして用いており、また、パスワードはユーザ登録時にユーザから登録された英数字情報を用いている。なお、ユーザDB82は、新規ユーザの登録又は登録ユーザの脱退等に応じて、その中身がサービス運営側により適宜更新される。
図12は、上述した大容量記憶システム80gに記憶される口座データベース83の中身の概要を示している。口座データベース83は、登録ユーザの売買取引に係る履歴を格納した取引履歴データベースに相当し、ユーザIDごとに、ユーザの株式取引の履歴に関する口座情報(株取引を行った日付情報、売買に伴う株数の情報、売買に用いた金額の情報等)を記憶するユーザ口座テーブル900、901、902等を有する構造になっており、それによりユーザ(ユーザID)ごとに口座情報を記憶できるようにしている。
図13は、ユーザIDが0001のユーザ口座テーブル900の中身の一例を示している。ユーザ口座テーブル900は、各銘柄に関する株式取引に関するデータを格納したものであり、銘柄別(銘柄ID)の取引欄900a、900b、900c等ごとに、日付及び売買取引の内容(買い金額、購入株式数、売り金額、売却株式数、取引時株式単価等)を格納する。このようなユーザ口座テーブル900には、ユーザの売買指示に応じた売買処理に伴って、その売買処理内容を示す情報がMPU80aの制御により随時格納されていく。
次に、証券会社システム2のシステムサーバ80における大容量記憶システム80gに記憶される取引プログラムP11が規定する処理内容について説明する。本実施形態の取引プログラムP11は、ユーザのログイン及び売買取引等に関してMPU80aが実行する制御処理等を規定したものになっている。先ず、ユーザのログインについて、ユーザ端末から送信されてきたログイン情報(ユーザのメールアドレス、パスワード、及びユーザ端末のUID等)を通信モジュール80bで受信すると、受信したログイン情報が図11のユーザDB82に格納されている情報の中に一致するものがあるか否かを判断する処理をMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。
受信したログイン情報がユーザDB82に格納されていないと判断した場合、ログイン情報不一致の旨をログイン情報の送信元のユーザ端末へ通信モジュール80bを用いて送信する制御をMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。一方、受信したログイン情報がユーザDB82に格納されていると判断した場合、そのログイン情報に応じたユーザIDをログイン中の状態に設定し、ログイン中であることを示すログイン状態情報をRAM80c等に記憶する。このログイン状態情報は、ログオフ情報を受信するまで記憶されることなる。
ログイン状態となったユーザ端末から買い指示を受信した場合、その買い指示に含まれる銘柄情報が示す銘柄の株価として、その買い指示を受信した時点における直近の値を図10の銘柄DB81より特定すると共に、受信した買い指示に含まれる金額情報が示す金額を、特定した直近の株価で割る演算を行うことで、購入株数(取引数)を算出することをMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。それから算出した購入株数に基づいた取引可能単位の株数の買い処理をMPU80aが相対取引で実行することを取引プログラムP11は規定する。なお、この際、算出した購入株数が取引可能単位の株数より少なければ、CPU80aは取引可能単位の株数で買い処理を実行することになる。買い処理が完了すると、MPU80aは買い完了通知を、買い指示を送信したユーザ端末へ通信モジュール80bを用いて送信する処理をMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。
また、ログイン状態となったユーザ端末から、金額を設定した売り指示を受信した場合、その売り指示に含まれる銘柄情報が示す銘柄の株価として、その売り指示を受信した時点における直近の値を図10の銘柄DB81より特定すると共に、受信した売り指示に含まれる金額情報が示す金額を、特定した直近の株価で割る演算を行うことで、売却株数(取引数)を算出することをMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。それから算出した売却株数に基づいた取引可能単位の株数の売り処理を相対取引でMPU80aが実行することを取引プログラムP11は規定する。なお、売り取引においても、上述した買い取引の場合と同様に、算出した売却株数が取引可能単位の株数より少なければ、CPU80aは取引可能単位の株数で売る処理を実行することになる。そして、売り処理が完了すると、MPU80aは売り完了通知を、売り指示を送信したユーザ端末へ通信モジュール80bを用いて送信する処理をMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。
さらに、ログイン状態となったユーザ端末から、全部売り指示を受信した場合、図12に示す口座DB83から、ログイン状態のユーザに応じたユーザ口座テーブルを特定すると共に、その特定したユーザ口座テーブルの中から、受信した全部売り指示に含まれる銘柄情報が示す銘柄欄に格納される情報に基づき、そのユーザが所有する全株数(取引数)を特定する処理をMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。それから特定した全株数に基づいた取引可能単位の株数の売り処理をMPU80aが実行することを取引プログラムP11は規定する。この後は、上述した金額を設定した売り指示の場合と同様であり、売り完了通知を、売り指示を送信したユーザ端末へ送信することになる。
さらにまた、ログイン状態となったユーザ端末から、利益分の売り指示を受信した場合、その利益分の売り指示に含まれる銘柄情報が示す銘柄の株価として、その利益分の売り指示を受信した時点における直近の値(金融商品の単位価格)を図10の銘柄DB81より特定する処理をMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。また、図12に示す口座DB83から、ログイン状態のユーザに応じたユーザ口座テーブルを特定すると共に、その特定したユーザ口座テーブルの中から、受信した利益分の売り指示に含まれる銘柄情報が示す銘柄欄に格納される売買取引に係る履歴情報を抽出し、抽出した履歴情報及び特定した直近の単位価格(株価)に基づき、各売買取引における約定金額を算出して利益分の算出を行うことをMPU80aが行うことを取引プログラムP11は規定する。
これ以降の処理は、上述した金額を設定した売り指示の場合と同様になり、算出した利益分の金額を、特定した直近の株価で割る演算を行うことで、売却株数(取引数)を算出し、算出した売却株数に基づいた取引可能単位の株数の売り処理をMPU80aが相対取引として実行することなり、また、売り指示に対する取引完了に伴って、売り完了通知をユーザ端末へ送信することになる。
上述した利益分の算出処理の具体的な内容を説明するために、最初に通常の株数単位(株数指定)の売買取引における利益分の算出を説明する。株式における利益は、売却時の約定代金(売却時の株価×売却株数)に対して、その銘柄の買付時の約定代金(平均買付株価×売却株数)の差額が利益分になる。
具体例として、10月に株価が200円の株式を100株購入し(約定金額は20000円、この時点の平均買付株価は200円)、次に11月に同じ銘柄の株式を100株購入したが、この11月の時点の株価が250円に上がっていると、購入に必要な約定金額は25000円(250円×100株)となり、この11月の購入時点における平均買付株価は225円となる。そして、12月になって、上述した10月及び11月に購入した株式の中から100株だけを売却する場合、12月の売却時点の株価が270円へと更に上がっていると、売却の約定金額は27000円(270円×100株)になる。そのため、利益分の算出は、売却の約定金額の27000円に対して、直近の購入時点の平均買付株価の225円に100株を乗算した22500円と差額4500円(27000円−22500円)が利益分となる。なお、実際の取引では証券会社の手数料等の費用も発生するが、ここでは説明の簡易化のため手数料等の費用を考慮することは除外する。
このように株式取引は、株数を指定して行うことが一般的であるが、一般投資家等には、株数よりも金額を取引単位にした方が取引内容を認識しやすいという捉え方もある。そのため、投資家が株式取引において金額を指定し、その指定した金額に応じた株数を証券会社側で逆算して投資家に提示し、その提示された株数を投資家が承認して注文を出すという金額指定による取引サービスが行われている。例えば、投資家が、ある銘柄の株式を50000円分購入したいと考えた場合、証券会社側は50000円を、その時点における株価で除算を行って、購入可能な株数を算出することになる。
本発明の特徴である図7の利益売りボタン35cを操作することで利益分の売り取引を行うことは、上述した金額指定による取引サービスを応用したものになっており、投資家から利益分の売り指示が出されると、その時点における利益の金額分を算出し、その算出した利益分を、金額指定による取引サービスにおける金額指定分として取り扱うようにしたものである。そして、その利益分は、算出時における株価に、投資家が所有する全株数を乗じた金額(全株式を売却して得られるべき金額。売却の約定代金に相当)から、その全株数を購入に要した金額(買付にかかった投資元本。買付の約定代金に相当)を差し引くことで得られる。
そのため、取引プログラムP11は、利益分の売り指示を受信すると、その指示を出したユーザのユーザ口座テーブルの中で、その指示に対する指定銘柄に係る売買情報に基づき、上述した利益分の算出をMPU80aが行うことを規定する。
なお、投資家が認識する利益と、税制上の利益は異なることを説明しておく。上述したように、利益分の算出は、売却の約定代金から買付の約定代金を差し引いた額を、投資家は利益として認識することが考えられる。例えば、上述した具体例で、10月に株価が200円の株式を100株購入し、11月に同じ銘柄の株式を100株購入し(11月の購入時の株価は250円)、12月に株価が270円になった場合、売却の約定代金(54000円=270円×200株)から、買付の約定代金(45000円=200円×100株+250円×100株)を差し引いた9000円が利益であると、投資家には認識される。
しかし、上述した売却の約定代金から買付の約定代金を差し引いた額(上記の例では9000円)は、利益の乗った一定の株数を売却する行為になるので、その額の全てが税務上の利益に該当しない。税務上は、逆算して発生した株数の売却が対象となり、上記の例では、9000円を12月の時点の株価(270円)で除算した株数(33.33株。小数点第3位以下省略)の売却であると税務上はみなされるので、その株数(33.33株)の値上がり分(その株数分を売却した値段と買付に要した金額の差)のみが、税務上の利益となる。上記の例では、12月の売却時の株価(270円)×売却株数(33.33株)から、10月及び11月の平均買付株価(225円)×売却株数(33.33株)を差し引いた1500円が税務上の利益になる。
また、上述した利益分の売却を、通常の株数指定で行うことも考えられるが、利益分の計算過程で、上述した金額指定による利益分の売却の計算内容を含むことになるので、結局、利益分の売却は、金額に基づき計算するか、又は株数に基づき計算するかの違いに依存することになる。そのため、金額指定の利益分売却は、株数指定による利益分売却を含む概念となる。次に、上述したユーザ端末(例えば、スマートフォン10)及び証券会社システム2(システムサーバ80)がそれぞれ行う各種処理によって、金融商品取引システム1において実行される株式の売買取引の処理内容(金融商品取引方法の内容)を図14〜18の第1フローチャートから第5フローチャートに基づき説明していく。
図14の第1フローチャートは、ユーザがユーザ端末を用いてオンライン株式取引サービスを提供する証券会社システム2(システムサーバ80)へログインを行う場合の処理手順を示したものである。まず、ユーザ端末(CPU10a)は、図3に示すホーム画面11に配置される複数のアイコンの中から、株取引アイコン12の選択操作を受け付けたか否か判断する(S1)。選択操作を受け付けていない場合(S1:NO)、株取引アイコン12の選択待ちの状態となり、一方、選択操作を受け付けた場合(S1:YES)、図4に示すログイン画面15をユーザ端末は表示する(S2)。
このログイン画面15において、メールアドレスの入力操作、パスワードの入力操作、及びログインボタン15cの選択操作というログイン操作の有無を、ユーザ端末は判断する(S3)。ログイン操作が無い場合(S3:NO)、ログイン操作待ちの状態となり、また、ログイン操作が有った場合(S3:YES)、ログイン情報(入力されたメールアドレス及びパスワード、並びにユーザ端末を識別するUID等を含む情報)を証券会社システム2へユーザ端末は送信する(S4)。
証券会社システム2のシステムサーバ80(MPU80a)は、ログイン情報を受信したか否かを判断する段階になっており(S10)、ログイン情報を受信しない場合(S10:NO)、受信待ちの状態となる。また、ログイン情報を受信した場合(S11:YES)、受信したログイン情報に含まれるメールアドレス、パスワード等が、図11に示すユーザDB82に格納される情報の中で一致するものがあるか否かをシステムサーバ80は判断する(S11)。一致する情報が格納されていない場合(S11:NO)、システムサーバ80は不一致通知をアクセス元のユーザ端末へ送信し(S13)、その後は、最初のログイン情報の受信判断段階(S11)へ戻ることになり、また、一致する情報が格納されていた場合(S11:YES)、システムサーバ80は一致通知をアクセス元のユーザ端末へ送信する(S12)。
ユーザ端末は、S4の段階のログイン情報の送信後、一致通知又は不一致通知のいずれを受信したかを判断しており(S5)、不一致通知を受信した場合(S5:不一致)、S2の段階へ戻ってログイン画面15を表示し、再度のログインの機会をユーザに提供する。また、一致通知を受信した場合(S5:一致)、ユーザ端末は図5に示す株式取引アプリP2のトップページ画面20を表示する(S6)。このトップページ画面20により、株式取引アプリP2の取引機能が起動した状態になる。なお、本実施形態においては一旦、ログイン状態になると、ログオフ操作が行われるまで株式取引アプリP2に基づく画面を他のアプリの画面に切り替えてもログイン状態が継続されるようにしており、それにより、ログイン状態が維持される間は図14の第1フローチャートに示す処理を繰り返さずに済むようにしている。
図15の第2フローチャートは、ユーザ端末でトップページ画面20を表示してからの内容を示し、トップページ画面20に配置されたA社〜F社株式取引アイコン21a〜21f(銘柄アイコン)のいずれかの選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末は判断する(S20)。選択操作をユーザから受け付けていない場合(S20:NO)、選択待ちの状態となり、一方、選択操作を受け付けた場合(S20:YES)、選択されたアイコンの会社用の特定銘柄取引画面(図6)を買い取引状態で表示する(S21)。
そして、特定銘柄取引画面25の金額設定欄26eでユーザにより金額が設定されて、買いボタン30aの選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末は判断する(S22)。買いボタン30aの選択操作を受け付けた場合(S22:YES)、ユーザ端末は、銘柄を識別する情報(銘柄ID)及び金額設定欄26eで設定された金額を示す金額情報等を含む買い指示を証券会社システム2へ送信する(S23)。
また、証券会社システム2のシステムサーバ80(MPU80a)は、ログイン中のユーザ端末からの買い指示を受信したか否かを判断しており(S30)、買い指示を受信した場合(S30:YES)、買い指示に含まれる銘柄の株価(受信した時点で直近の株価)を銘柄DB81から特定すると共に、買い指示に含まれる金額に基づき購入できる株数を算出して、その算出した株数に係る取引可能な株数単位の買い処理を相対取引で実行する(S31)。なお、買い処理の実行に伴って、その処理内容を、口座DB83に格納することもMPU80aは行う。それから、システムサーバ80(MPU80a)は、買い指示の送信元のユーザ端末へ買い完了通知を送信する(S32)。
ユーザ端末は、S23の段階における買い指示の送信後、証券会社システム2からの買い完了通知を受信したか否かを判断しており(S24)、買い完了通知を受信していない場合(S24:NO)、受信待ちとなり、一方、買い完了通知を受信した場合(S24:YES)、図8(a)に示す買い完了画面36を表示する(S25)。この買い完了画面36により、ユーザは、自身が出した買い指示が完了したことを確認することになる。それから、この買い完了画面36の確認ボタン36bの選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末は判断しており(S26)、選択操作を受け付けていない場合(S26:NO)、選択操作待ちの状態となる。
また、確認ボタン36bの選択操作を受け付けた場合(S26:YES)、図14の第1フローチャートのS6の段階へ戻って、ユーザ端末は、ディスプレイ10gの表示を買い完了画面36から図5のトップページ画面20に切り替えて、他の銘柄の取引を継続して行えるようにしている。
また、ユーザ端末は、S22の段階で買いボタン30aの選択操作を受け付けていないと判断した場合(S22:NO)、図16の第3フローチャートへ処理を進めることになり、この場合、証券会社システム2のシステムサーバ80も買い指示を受信しないことになるので(S30:NO)、システムサーバ80側の処理も同様に図16の第3フローチャートへ進むことになる。
図16の第3フローチャートは、主に特定銘柄取引画面25での売り取引に関する内容を示すものであり、ユーザ端末は、買い取引状態の特定銘柄取引画面25で、売り取引ボタン26bの選択操作を受け付けたか否かを判断し(S40)、売り取引ボタン26bの選択操作を受け付けていない場合(S40:NO)、図15のS21の段階へ戻り、特定銘柄取引画面25を買い取引状態で表示することを続けることになる。また、売り取引ボタン26bの選択操作を受け付けた場合(S40:YES)、図7に示す売り取引状態の特定銘柄取引画面26を表示する(S41)。
そして、ユーザ端末は、特定銘柄取引画面25の画面中央付近の売り取引部35の中の利益売りボタン35cの選択操作を受け付けたか否かを判断する(S42)。利益売りボタン35cの選択操作を受け付けた場合(S42:YES)、ユーザ端末は利益分の売り指示(特定銘柄取引画面25に応じた銘柄の銘柄IDを含む)を証券会社システム2へ送信する(S43)。
証券会社システム2のシステムサーバ80は、ログイン中のユーザ端末からの利益分の売り指示を受信したか否かを判断しており(S50)、利益分の売り指示を受信したと判断した場合(S50:YES)、受信した利益分の売り指示に係る一つの特定銘柄(例えばA社)の株式に係る利益分の売り処理を行うことなる。具体的には、ログイン中のユーザ口座テーブルの中から、受信した利益分の売り指示に含まれる銘柄IDに応じた銘柄分の情報を抽出すると共に、その銘柄IDに応じた直近の株価を図10の銘柄DB81から抽出し、これら抽出した情報等に基づき、上述した計算の仕方で、売り指示に含まれる銘柄IDの銘柄の利益分を算出する(S51)。
それから、システムサーバ80は、売り指示に含まれる銘柄IDの銘柄について、算出した利益分に基づいた株式数に係る売り処理を相対取引で実行する(S52)。なお、売り処理の実行に伴って、その処理内容を、口座DB83に格納することになる。それから、システムサーバ80(MPU80a)は、売り指示の送信元のユーザ端末へ売り完了通知を送信する(S53)。なお、売り完了通知の送信の後は、システムサーバ80の処理は、図15の第2フローチャートの最初の段階(S30)へ戻ることになる。
ユーザ端末は、S43の段階における利益分の売り指示の送信後、証券会社システム2からの売り完了通知を受信したか否かを判断しており(S44)、売り完了通知を受信していない場合(S44:NO)、受信待ちとなり、一方、売り完了通知を受信した場合(S44:YES)、図8(b)に示す売り完了画面37を表示する(S45)。この売り完了画面37により、ユーザは、自身が出した利益分の売り指示が完了したことを確認することになる。それから、この売り完了画面37の確認ボタン37bの選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末は判断しており(S46)、選択操作を受け付けていない場合(S46:NO)、選択操作待ちの状態となる。
確認ボタン37bの選択操作を受け付けた場合(S46:YES)、図14の第1フローチャートのS6の段階へ戻り、ユーザ端末はトップページ画面20を表示し、他の銘柄の取引を継続して行えるようにしている。また、ユーザ端末は、S42の段階で利益売りボタン35cの選択操作を受け付けていないと判断した場合(S42:NO)、図17の第4フローチャートへ処理を進めることになり、この場合、証券会社システム2のシステムサーバ80も利益分の売り指示を受信しないことになるので(S50:NO)、システムサーバ80側の処理も同様に図17の第4フローチャートへ進むことになる。
図17の第4フローチャートは、売り取引の中の全部売りに関するものであり、特定銘柄取引画面25の画面中央付近の売り取引部35の中の全額売りボタン35bの選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末は判断する(S60)。全額売りボタン35bの選択操作を受け付けた場合(S60:YES)、ユーザ端末は全部売り指示(特定銘柄取引画面25に応じた銘柄の銘柄IDを含む)を証券会社システム2へ送信する(S61)。
証券会社システム2のシステムサーバ80は、ログイン中のユーザ端末からの全部売り指示を受信したか否かを判断しており(S70)、全部売り指示を受信したと判断した場合(S70:YES)、ログイン中のユーザ口座テーブルの中から、受信した全部売り指示に含まれる銘柄IDに応じた銘柄分の情報を抽出し、これら抽出した情報等に基づき全株数を算出する(S71)。その後は、図16の第3フローチャートのS52の段階以降と同等であり、算出した全株数の売り処理等の一連の処理を行うことになる。そして、ユーザ端末側の処理も、全部売り指示の送信後(S61の後)は、図16の第3フローチャートのS44の段階以降と同等になる。
また、ユーザ端末は、S60の段階で全額売りボタン35bの選択操作を受け付けていないと判断した場合(S60:NO)、図18の第5フローチャートへ処理を進めることになり、この場合、証券会社システム2のシステムサーバ80も全部売り指示を受信しないことになるので(S70:NO)、システムサーバ80側の処理も同様に図18の第5フローチャートへ進むことになる。
図18の第5フローチャートは、売り取引の中の金額指定売りに関するものであり、特定銘柄取引画面25の金額設定欄26eでユーザにより金額が設定されて、画面中央付近の売り取引部35の中の金額指定売りボタン35aの選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末は判断する(S65)。金額指定売りボタン35aの選択操作を受け付けた場合(S65:YES)、ユーザ端末は、銘柄を識別する情報(銘柄ID)及び金額設定欄26eで設定された金額を示す金額情報等を含む金額指定売り指示を証券会社システム2へ送信する(S66)。
証券会社システム2のシステムサーバ80は、ログイン中のユーザ端末からの金額指定売り指示を受信したか否かを判断しており(S75)、金額指定売り指示を受信したと判断した場合(S75:YES)、売り指示に含まれる銘柄の株価(受信した時点で直近の株価)を銘柄DB81から特定すると共に、売り指示に含まれる金額に基づき売却できる株数を算出して、その算出した株数に係る取引可能な株数単位の売り処理を相対取引で行う(S76)。それから、システムサーバ80(MPU80a)は、売り指示の送信元のユーザ端末へ売り完了通知を送信し(S77)、この後のシステムサーバ80の処理は、図15の第2フローチャートの最初の段階(S30)へ戻ることになる。
また、ユーザ端末側のS66の段階で金額指定売り指示を送信した後は、図16の第3フローチャートのS44の段階以降と同等になり、一方、S65の段階で、金額指定売りボタン35aの選択操作が行われなかった場合(S65:NO)、ユーザ端末は、図7の特定銘柄取引画面25の中の戻りボタン25gの選択操作を受け付けたか否かを判断し(S67)、戻りボタン25gの選択操作を受け付けていない場合(S67:NO)、買い取引ボタン26aの選択操作を受け付けたか否かを判断し(S68)、買い取引ボタン26bの選択操作を受け付けていない場合(S68:NO)、ユーザ端末の処理は図16の第3フローチャートのS41の段階(売り取引状態の特定銘柄取引画面25の表示段階)へ戻り、買い取引ボタン26bの選択操作を受け付けた場合(S68:YES)、ユーザ端末の処理は図15の第2フローチャートのS21の段階(買い取引状態の特定銘柄取引画面25の表示段階)へ戻ることになる。さらに、戻りボタン25gの選択操作を受け付けた場合(S67:YES)、ユーザ端末の処理は図14の第1フローチャートのS6の段階(トップページ画面20の表示段階)へ戻ることになる。なお、システムサーバ側のS75の段階で、金額指定売り指示を受信しない場合(S75:NO)、図15の第2フローチャートのS30の段階へシステムサーバ側の処理は戻ることになる。
このように第1実施形態に係る発明は、まず、表示する画面の内容の遷移として、図5のトップページ画面20で取引を希望する銘柄のアイコン(21a〜21f)を選択すれば、その選択した一つの特定銘柄専用の特定銘柄取引画面25(図6参照)に表示が切り替わるので、それ以降は銘柄のことを気にすることなく、投資家(ユーザ)は、買い/売りの取引内容に専念することができる。
また、図6の買い取引状態の特定銘柄取引画面25では、金額設定欄26eの設定可能額を万円単位にすると共に、万円単位で所定の金額を設定できるようにしたので(図6ではスロットマシン状に回転させて金額を設定するピッカーの構成)、細かい金額入力操作を不要にでき、投資家(ユーザ)が、買いに良好な株価のタイミングを逃すことなくスピーディーな買い指示を出せるようにしている。
さらに、図7の売り取引状態の特定銘柄取引画面25では、金額指定売りボタン35a、全額売りボタン35b、及び利益売りボタン35cという3パターンのワンタッチ操作で売り指示を出せるボタンを設けたので、ユーザの幅広い売り指示の態様に応えられる。特に、全額売りボタン35b又は利益売りボタン35cを操作して売り指示を出す場合は、金額の設定も不要なので、売りに良好な株価のタイミングを逃すことなくスピーディーな売り指示を出せる。また、金額指定売りボタン35aを操作する場合でも、細かい金額入力操作を不要にできるので、それ相当の迅速な売り指示を出すことができる。
なお、本発明の第1実施形態は、上述した内容に限定されるものではなく、種々の変形例が考えられる。例えば、図6、7に示す特定銘柄取引画面25へは、図5に示す複数のアイコン21a〜21fを配置したトップページ画面20(アイコン画面)から遷移する以外に、従来の売買取引対象の銘柄を示す一覧画面の中から一つの銘柄を選択することで、銘柄の一覧画面から特定銘柄取引画面25へ表示を遷移する仕様にすることも可能である。また、図6、7に示す特定銘柄取引画面25の仕様を簡易化する場合などには、第2共通部分27を特定銘柄取引画面25に配置することを省略してもよく、それにより、ユーザへ提示する情報を少なくして、ユーザ自身の判断に委ねる度合いを大きくすることも可能である。なお、売り取引状態の特定銘柄取引画面25の仕様を更に簡易化する場合は、金額指定売りボタン35aに基づく売り指示の機能を省略してもよく、この場合は、第1共通部分の金額設定欄26e、金額指定売りボタン35a等の配置を省略できる。さらに一段と仕様を簡略化する場合は、全部売りボタン35bの配置も省略することも可能であり、この場合、投資家(ユーザ)は利益分の売りのみに専念すれば良いため、非常に限定された範囲での判断に集中できるメリットがある。
一方、図19は、特定銘柄取引画面25の情報量を豊富にする変形例の特定銘柄取引画面250の画面内容を示し、この変形例では、第2共通部分270において、平均買い単価欄270a及び現在株価欄270bの右方に、ログイン中のユーザが今までに特定銘柄(図19に示す場合ではA社の株式)の買付を行った平均買い単価に対する現在の株価の変動度合いを示す変動パーセント欄280を設けると共に、投資総額欄270c及び現在評価額欄270dの右方に、画面表示の時点における利益/損益額を示す現状損益欄290を設けている。変動パーセント欄280に示される情報(+又は−のパーセント数字。+の場合は購入時より単価上昇を示し、−の場合は購入時より単価下落を示す)、及び現状損益欄290に示される情報(+又は−の金額に係る損益額。+の場合は利益発生し、−の場合は損失発生を示す)は、平均買い単価欄270a等の各欄に示される数値と同様に、ログイン完了に伴って証券会社システム2からスマートフォン10へ送信されて取得した情報に含まれる中から抽出されたものであり、RAM10cに一時的に記憶された各種情報の中から、A社株式取引アイコン21aの選択に応じて、A社株式に関連する情報が抽出されて各欄270a〜270d、280、290の中に配置されるようになっている。
この変形例のように、変動パーセント欄280及び現状損益欄290を設けると、特に、全額売りボタン35b及び利益売りボタン35cで売り指示を出す場合に好適となる。すなわち、全額売りボタン35bで売り指示を出す場合を想定すると、投資家(ユーザ)は、変動パーセント欄280で、今までの購入株価の平均と現在の株価との増減の概要を確認できると共に、現状損益欄290で現在の利益を把握できるので、これらの情報を、全額売りを行うか否かの判断指標に用いることができる。同様に、全額売りボタン35bで売り指示を出す場合を想定すると、投資家(ユーザ)は、現状損益欄290で現在の利益を把握できるので、この情報に基づき利益分の売りを行うか否かの判断できる。
なお、上述した変動パーセント欄280及び現状損益欄290の中の情報を表示するために、証券会社システム2のシステムサーバ80は、各欄280、290に配置される情報を生成して送信する処理を行う必要があり、ログインの完了したユーザのユーザIDに対応するユーザ口座テーブルを特定すると共に、銘柄DB81に格納された情報に基づき、ログイン中のユーザについての銘柄ごとの変動パーセントを算出すると共に、銘柄ごとの現状損益を算出し、その算出した結果も含めた情報をユーザ端末(例えば、スマートフォン10)へ送信することになる。
また、第2共通部分27、270に、さらに新たな欄を追加して内容を一層豊富にすることも考えられ、新たに追加する欄としては、平均為替欄、及び現在の為替欄等が想定でき、このような欄は、銘柄が海外(例えば、米国)の株式であり、その海外との為替に関する情報を、平均為替欄、及び現在の為替欄に表示すれば、投資家(ユーザ)は自国の金銭単位との関係を考慮した上で、売買取引を行いやすくなり好適である。なお、海外の銘柄を取引対象にする場合は、上述利益分等の算出において、画面で設定する国の金額貨幣と、取引対象の国を貨幣とに関する為替処理等もシステムサーバ80等で適宜行った上で、取引株数等を算出することになる。このような為替に関する情報は、ユーザ端末(スマートフォン10等)が、情報収集システム3から直接取得するか、又は、証券会社システム2が為替に関する情報を取得してユーザ端末へ送信することになる。
さらに、上述した第2共通部分27の省略と、第2共通部分27の表示を組み合わせたような変形例としては、第2共通部分27の表示/非表示を切り替えられるようにすることも可能であり、この場合は、特定銘柄取引画面25の中に、第2共通部分27の表示と非表示の切替指示を受け付けるための選択部(ボタン)を設けて、このボタンの選択状況に応じて、第2共通部分27の表示/非表示を切り替えることになる。
さらにまた、上述した説明では、買うボタン30aが選択されると買い指示を証券会社システム2へ送信すると共に、各売りボタン35a〜35cが選択されると売り指示を証券会社へ送信するようにしていたが、買い内容又は売り内容を確認するための情報を提示すると共に、その提示に対してユーザが確認の操作を行った場合に、買い又は売り指示を送信するようにしてもよい。
図20(a)は、売り内容を確認するための情報を提示する変形例の具体的な確認画面の例を示し、利益売りボタン35cが選択された場合に表示される利益分売り確認画面47を示している。この利益分売り確認画面47は、利益売りボタン35cの選択に伴い、特定銘柄取引画面25から切り替えられて表示されるものであり、利益分の売りを確認するテキスト部分47a、選択可能な確認ボタン47b(売却確定操作部に相当)、及びキャンセルボタン47cを配置したものになっている。
このような利益分売り確認画面47を表示する場合では、確認ボタン47bの選択操作をユーザ端末が受け付けることで、利益分の売りの確認指示(確定指示)を証券会社システム2へ送信することになり、ユーザの意志を確認した上で、売り指示を送信できるようにした点にメリットがある。また、利益分売り確認画面47のキャンセルボタン47cの選択操作を受け付けると、ユーザ端末は、直近まで表示していた売り取引状態の特定銘柄取引画面に表示を戻して、3パターンの各売りボタン35a〜35cのいずれかを再度、選択できる状態をユーザに提示できる。なお、図20(a)の利益分売り確認画面47は、利益売りボタン35bが選択された場合の例であるが、金額指定売りボタン35a及び全額売りボタン35bが選択された場合も、それらに応じた売り確認画面(テキスト部分が金額指定又は全額売りの内容になっており、図20(a)と同様の確認ボタン及びキャンセルボタンが配置された画面構成になっているもの)をそれぞれ表示することになる。
さらに、このような売り確認画面47に応じた画面表示は、買い取引時にも表示することも勿論可能であり、例えば、図6に示す買い取引状態の特定銘柄取引画面25で買いボタン30aが選択されると、売り確認画面47に準じた買い確認画面を表示する。このような買い/売り確認画面を表示するには、ユーザ端末(例えばスマートフォン10)にインストールされる株式取引アプリP2に、買い/売り確認画面に関する処理を規定して、CPU10aに各種処理を行わせることになる。
また、図20(b)に示す利益分売り確認画面48は、上述した図20(a)の利益分売り確認画面47の変形例を示し、この利益分売り確認画面48は、図7の売り取引状態の特定銘柄取引画面25で利益売りボタン35bの選択操作が行われた時点における株価に基づき算出された利益分の額を提示したことが特徴になっている。すなわち、変形例の利益分売り確認画面48は、利益分の売りを確認するテキスト部分48aの中に、直近に株価に基づき算出された利益分を示す金額表示欄48dが配置されている。なお、変形例の利益分売り確認画面48の確認ボタン48b及びキャンセルボタン48cは、図20(a)に示す利益分売り確認画面47の確認ボタン47b及びキャンセルボタン47cと同等のものである。
図20(b)の利益分売り確認画面48が表示されることで、投資家(ユーザ)は、金額表示欄48dで示される利益分の額を確認して、最終的な売り取引を行うか否かを判断できる点に、変形例の利益分売り確認画面48はメリットを有する。このような変形例の利益分売り確認画面48をユーザ端末で表示するには、ユーザ端末側の株式取引アプリP2及びシステムサーバ80側の取引プログラムP11で、利益分売り確認画面48に関する処理を新たに規定する必要があり、そのような規定に従ってユーザ端末(例えば、スマートフォン10のCPU10a)及びシステムサーバ80のMPU80aが新たな表示に関する処理を行うことになる。
図21の第6フローチャートは、図20(b)の利益分売り確認画面48を表示するためのユーザ端末及びシステムサーバ80の処理手順(金融商品取引方法)の内容を示すものであり、図16の第3フローチャートにおいてユーザ端末側のS43の段階の後、及びシステムサーバ80側のS51の段階の後に追加される処理内容を示している。すなわち図16の第3フローチャートにおいて、図7の売り取引状態の特定銘柄取引画面25で利益分売りボタン35cが選択されて(S42:YES)、利益分の売り指示がシステムサーバ80へ送信され(S43)、一方、システムサーバ80では、利益分の売り指示の受信に伴って(S50:YES)、利益分の算出(S51)を行った後に追加される処理内容を図21の第6フローチャートは示している。
この図21の第6フローチャートにおいて、システムサーバ80は、算出した利益分を示す利益分情報を、利益分売り指示の送信元のユーザ端末へ送信する(S80)。ユーザ端末は、利益分情報を受信したか否かを判断しており(S90)、利益分情報を受信していない場合(S90:NO)、利益分情報の受信待ちの状態となり、利益分情報を受信した場合(S90:YES)、利益分売り確認画面48を表示する(S91)。この表示する利益分売り確認画面48は、図20(b)に示すように、受信した利益分情報に応じた利益を金額表示欄48dに示すと共に、利益分の売りの確定指示に応じたユーザ操作の受付が可能な確認ボタン48b(売却確定操作部に相当)を含むものになっている。そして、ユーザ端末は、利益分売り確認画面48で確認ボタン48b又はキャンセルボタン48cのいずれの選択操作が行われたか否かを判断する(S92)。
確認ボタン48bの選択操作が行われた場合(S92:確認ボタン)、ユーザ端末は、利益分の売り指示に対する確認指示(確定指示)をシステムサーバ80へ送信する(S93)。なお、ユーザ端末のS93の段階の後は、図16の第3フローチャートのS44の段階へ進むことになる。システムサーバ80は、確認指示を受信したか否かを判断する段階になっており(S81)、確認指示を受信した場合(S81:YES)、図16の第3フローチャートのS52の段階へ進んで売り処理を実行することになる(S52)。なお、システムサーバ80のS52の段階の後の処理は、図16の第3フローチャートに従うことになる。
一方、S92の段階で、キャンセルボタン48cの選択操作が行われた場合(S92:キャンセルボタン)、ユーザ端末は、売り取下指示をシステムサーバ80へ送信する(S94)。なお、ユーザ端末のS94の段階の後は、図16の第3フローチャートのS41の段階へ進んで、利益分売り確認画面48から図7の売り取引状態の特定銘柄取引画面25へ表示を切り替えることになる。
システムサーバ80は、S81の売りの確定指示を受信したか否かを判断する段階で、売りの確認指示を受信しない場合(S81:NO)、次に、売り取下指示を受信したか否かを判断しており(S82)、売り取下指示を受信しない場合(S82:NO)、再度、S81の段階へ戻る。また、売り取下指示を受信した場合(S82:YES)、図16の第3フローチャートのS50の段階へ戻り、その後は、図16の第3フローチャートに従うことになる。
なお、図19の変形例の特定銘柄取引画面250を適用した場合では、現状損益欄290で、利益分を示すことになるので、上述した図21の第6フローチャートに示す処理を行わなくても、ユーザ端末側は利益分の情報を取得しているので、図20(b)の利益分売り確認画面48の金額表示欄48dに、既に取得している利益分の情報に応じた額を示すことが可能であるが、ログインから時間が経過している場合は、ログイン時から株価が変動していることもあるので、上述した図21の第6フローチャートに示す処理を行って、直近の株価に基づく利益分の情報を取得する方が好適である。
また、図20(b)の利益分売り確認画面48及び図21の第6フローチャートの内容は、図7の売り取引状態の特定銘柄取引画面25で全部売りボタン35bが選択されて、全額を示す金額表示欄を含む全部売り確認画面を表示するようにした際にも適用できる。この場合、図17に示す第4フローチャートにおけるユーザ端末側のS61の段階の後に、図21の第6フローチャートにおけるユーザ端末側のS90以降の処理が追加されると共に、図17に示す第4フローチャートにおけるシステムサーバ80側のS71の段階の後に、図21の第6フローチャートにおけるシステムサーバ80側のS80以降の処理が追加されることになる。このように全部売り確認画面においても、全額に応じた金額を提示することで、投資家(ユーザ)に全額売りを行うか否かを判断する最後の機会を与えることができる点で好適となる。
なお、図20(b)の利益分売り確認画面48のように取引対象の金額を示すことは、金額指定売りボタン35aの選択に伴って表示される売り確認画面にも適用可能であり、この場合、取引対象となる金額は、ユーザ端末側で設定される額であるから、システムサーバ80との通信を行うことなく、設定された額を、そのまま売り確認画面の金額表示欄に示すことになる。同様に、買いボタン30aが選択された場合に表示される買い確認画面にも、設定された買い金額を表示して、投資家(ユーザ)が最終的に売り/買いの取引の額を確認できる機会を設けても良い。
図22は、図20等に示した各確認画面の更なる変形例を示し、上述した場合では、特定銘柄取引画面25から画面を切り替えて、図20(a)(b)に示す確認画面47、48を表示するようにしていたが、図22の変形例は、特定銘柄取引画面25に重なるようにウインドウ49(ウインドウの替わりにダイアログと称される場合もある)を表示して、そのウインドウ49内に、上述した各確認画面47、48等と同等の内容を配置したことが特徴になっている。このように確認画面47、48と同等の内容をウインドウ49として表示することで、ウインドウ49を重ねていない箇所では、特定銘柄取引画面25を確認できる点で好適となる。
また、図23(a)に示す確認画面38は、図8(b)の売り完了画面37の替わりに表示されるものであり、図7の売り取引状態の特定銘柄取引画面25で利益売りボタン35cが選択された時点で、利益分が生じていない場合にユーザ端末で表示されるようにした変形例になっている。
すなわち、投資家(ユーザ)が利益分の売りを行うとしたときに、利益分が生じていないこともあり得るので、図16の第3フローチャートのS51の段階で、システムサーバ80が利益分の算出を行って、利益分がマイナスとなった場合は、S52の段階の売り処理の実行を行うことなく、S53の段階で、売り完了通知の替わりに、利益分マイナス通知を送信することになる。一方、ユーザ端末側は、利益分マイナス通知を受信すると、図23(a)に示す確認画面38を表示する。
確認画面38は、利益が発生していないために利益分の売り注文が行えない旨を示したテキスト部38aと、選択可能な確認ボタン38bを含んだものとなっており、確認ボタン38bの選択操作が行われると、図7の売り取引状態の特定銘柄取引画面25を表示することになる。このような確認画面38を表示するためには、ユーザ端末側の株式取引アプリP2及びシステムサーバ80側の取引プログラムP11で、確認画面38に関する処理を新たに規定する必要があり、そのような規定に従ってユーザ端末(例えば、スマートフォン10のCPU10a)及びシステムサーバ80のMPU80aが確認画面38の表示に関する処理を行うことになる。
なお、利益分が生じていない場合は、図23(b)に示す確認画面38を表示させる以外に、図7の売り取引状態の特定銘柄取引画面25において、利益売りボタン35cを選択できない状態(非アクティブの状態)にすることも考えられる。このように利益売りボタン35cを選択できないようにするには、例えば、図19の特定銘柄取引画面250を適用した場合では、現状損益欄290で、予め利益分を示すことになるので、このときに利益分がマイナスになっていれば、利益売りボタン35cを選択できない状態にした売り取引状態の特定銘柄取引画面25を表示する。また、この際、利益売りボタン35cに応じた画面箇所がユーザにより触られると、利益が生じていないため選択できませんという旨のメッセージを表示すると、ユーザにボタンが選択できない理由を伝えることができ好適となる。
また、図23(b)に示す確認画面39も、図8(b)の売り完了画面37の替わりに表示されるものであり、図7の売り取引状態の特定銘柄取引画面25で金額指定売りボタン35aが選択された時点で、投資家の所有株価以上に金額が設定された売り指示が出された場合にユーザ端末で表示されるようにした変形例になっている。
すなわち、投資家(ユーザ)が金額設定欄25eで、投資家が所有する銘柄の評価額以上の金額が設定されることもあり得るので、図18の第5フローチャートのS76の段階で、投資家が所有する株式に対する全株数に対する評価額と、売り指示に含まれる金額との比較を行い、売り指示に含まれる金額は、全株数に対する評価額を上回る場合は、売り処理を実行することなく、S77の段階で、売り完了通知の替わりに、売り不可通知を送信することになる。一方、ユーザ端末側は、売り不可通知を受信すると、図23(b)に示す確認画面39を表示する。
確認画面39は、設定された金額が、ユーザの全所有株数に対する評価額を上回るので売り処理が行えない旨を示したテキスト部39aと、選択可能な確認ボタン39bを含んだものとなっており、確認ボタン39bの選択操作が行われると、図7の売り取引状態の特定銘柄取引画面25を表示することになる。このような確認画面39を表示するためには、ユーザ端末側の株式取引アプリP2及びシステムサーバ80側の取引プログラムP11で、確認画面39に関する処理を新たに規定する必要があり、そのような規定に従ってユーザ端末(例えば、スマートフォン10のCPU10a)及びシステムサーバ80のMPU80aが確認画面39の表示に関する処理を行うことになる。
なお、図23(b)の確認画面39を表示する替わりに、ユーザの全所有株数に対する金額を上回る額を金額設定欄25eで設定できない仕様にすることも考えられる。この場合、システムサーバ80は、ログインが完了したユーザについては、そのユーザのユーザ口座テーブルから、各銘柄で設定できる金額の上限額を予め算出し、その算出した上限額をユーザ端末へ通知する。ユーザ端末側は、通知された上限額をRAM10c等に記憶しておき、図7の売り取引状態の特定銘柄取引画面25を表示する際に、その特定銘柄に関する上限額を読み出して、金額設定欄25eが、その上限額を超える額を設定できないようにする。具体的には、スロットマシン状に回転する範囲を、上限額を超える額へは回転しないようにして金額の設定範囲を制限することが考えられる。
また、図6、7の特定銘柄取引画面25の金額設定欄25eで設定できる金額単位は、万円単位の他に、金額の少なくとも一桁目から三桁目までを0にした千円単位(三桁目以下を0にした単位)にすること、一桁目から二桁目までを0にした百円単位(二桁目以下を0にした単位)にすること、又は一桁目を0にした十円単位にすることも可能である。さらに、本発明で扱える金融商品としては、世界中の株式等が対象となり、また、その場合、銘柄取引画面25において買い/売りで設定する貨幣種類としては、日本円以外に、米国:ドル、カナダ:ドル、欧州:ユーロ、ブラジル:レアル、オーストラリア:ドル、中国:元、英国:ポンド、韓国:ウォン、ニュージーランド:ドル、シンガポール:ドル、南アフリカ:ランド、香港:ドル、タイ:バーツ、スイス:フラン、インド:ルピー、ロシア:ルーブル、フィリピン:ペソ、インドネシア:ルピア等を用いることも可能である。その場合、設定できる金額単位として、日本円の100円以上が貨幣単位となる海外貨幣(ドル、ユーロ等)に対しては金額の少なくとも一桁目を0にすることが、金額の設定入力負荷を低減するために好適である。また、このように海外の貨幣単位を用いる場合、上述したように適宜為替に関する処理をシステムサーバ80で行う。
そして、本発明は、上述したように金額単位でユーザの売買指示を受け付ける以外に、株数単位で売買指示を受け付けることも可能であり、この場合、図6、7の特定銘柄取引画面25の金額設定欄26eは、株数設定欄に切り替わることになる。さらに、本発明は、証券会社システム2が相対取引で取引処理を実行する以外に、委託取引で取引処理を実行することにも適用できる(取引所システム4に係る金融商品取引所で取引を執行する場合等を想定)。さらにまた、本発明の取引対象は、上述した株式以外の金融商品にも適用でき、具体的には、債券、不動産証券、投資信託等の有価証券、又は、先物取引、CFD(Contract for Difference)、新株予約権等の派生商品(金融デリバティブ)が想定でき、これらに対する特定銘柄に相当するものに上述した内容を適用できる。
本発明の第2実施形態に係る金融商品取引システムは、上述した第1実施形態に係る各種画面をウェブサイトベースで、ユーザ端末に表示するようにしたものである。なお、第2実施形態でも、ハード的な構成は第1実施形態と同様であるため、符号については第1実施形態と同じものを用いて、第2実施形態の内容を以下に説明していく。
第2実施形態では、証券会社システム2が、ネットワークNW上に、株式取引ウェブサイトを構築しており、証券会社システム2に含まれるシステムサーバ80がウェブサーバ的な役割を果たし、ユーザ端末からのアクセスに応じて第1実施形態で説明した各種画面をウェブサイト経由でユーザ端末に表示し、買い/売りの取引を行えるようにしている。
図24(a)は、ユーザ端末の一例としてスマートフォン10(図2参照)が記憶部10fに記憶するプログラム等の内容を示したものであり、第2実施形態特有のものとして、新たに、ブラウザプログラムP3を記憶している。このブラウザプログラムP3は、第2実施形態用の株式取引プログラムP2′と連携した処理を行うことなり、例えば、図3のホーム画面11における株取引アイコン12が選択されると、証券会社システム2が構築するウェブサイトへアクセスし、アクセス以降は、証券会社システム2から送信されてくるウェブページデータに基づくウェブページ画面を、ブラウザプログラムP3が規定する処理に基づきCPU10aが生成して、生成した各ウェブページ画面をディスプレイ10gに表示することになる。また、ウェブページ画面に含まれる各ボタンの選択操作を受け付けた場合、そのボタンの選択された旨の操作通知を証券会社システム2へ送信することも、ブラウザプログラムP3の規定に基づきCPU10aが制御することになる。
図24(b)は、証券会社システム2のシステムサーバ80の大容量記憶システム80gに記憶するプログラム等の内容を示したものであり、第2実施形態特有のものとして、新たにウェブサーバプログラムP12を記憶すると共に、ネットワーク上に構築するウェブサイトを構成する複数のウェブページに応じたウェブページデータを格納したウェブサイトDB85も記憶している。ウェブサーバプログラムP11は、ユーザ端末からのアクセス状況に応じて、ウェブサイトDB85から所要のウェブページの画面データを読み出してアクセス元のユーザ端末へ送信するものであり、アクセス元のユーザ端末から送信されてくる操作通知に応じた画面データを送信することになる。
また、第2実施形態の取引プログラムボタンP11′は、ウェブサーバプログラムP11の処理と連携して処理を行うものとなっており、実行する処理内容(利益分の算出、算出内容に基づく買い/売り処理等)は第1実施形態と同様である。
図25の第7フローチャートはログイン処理に関する金融商品取引方法の内容を示したものであり、第1実施形態における図14の第1フローチャートに対応している。まず、ユーザ端末は、図3のホーム画面上の株取引アイコン12のユーザ選択操作に基づき、証券会社システム2へアクセスを行う(S100)。証券会社システム2のシステムサーバ80は、ユーザがログインを行っていない最初の段階では、ユーザ端末からのアクセスの有無を判断する状態となり(S110)、アクセスが無い場合(S110:NO)、アクセス待ちの状態となる。一方、アクセスが有った場合(S110)、図4に示すログイン画面15に準じた内容のログイン用の画面データを、ウェブサイトDB85から読み出してアクセス元のユーザ端末へ送信する(S111)。
ユーザ端末は、ログイン用の画面データを受信すると、図4に準じた内容のログイン画面15(ウェブページ画面)を表示し(S101)、メールアドレス及びパスワードの入力等のログインに必要なログイン操作を受け付けたか否かを判断する(S102)。ログイン操作を受け付けない場合(S102:NO)、ログイン操作待ちの状態となり、ログイン操作を受け付けた場合(S102:YES)、ユーザ端末は、ログイン情報(入力された内容及びUID等)を証券会社システム2へ送信する(S103)。
証券会社システム2のシステムサーバ80は、ログイン用の画面データの送信後、ログイン情報を受信したか否かを判断する段階になっており(S112)、ログイン情報を受信していない場合(S112:NO)、ログイン情報の受信待ちの状態となり、ログイン情報を受信した場合(S112:YES)、受信したログイン情報が、図11のユーザDB82に格納された情報に一致するか否かを判断する(S113)。ログイン情報が一致しない場合(S113:NO)、S111の段階へ戻り、ログイン用の画面データを再度、ユーザ端末へ送信することになる。この場合、ユーザ端末もS101の段階へ戻り、ログイン画面を表示して、ログインの機会を再度、ユーザに提示する。
一方、ログイン情報が一致した場合(S113:YES)、システムサーバ80は、図5のトップページ画面20に準じた内容のトップページ用の画面データをウェブサイトDB85から読み出し(S114)、アクセス元のユーザ端末へ送信する(S115)。トップページ用の画面データを受信したユーザ端末は、受信した画面データに基づき、図5に準じた内容のトップページ画面20(ウェブページ画面)を生成してディスプレイ10gに表示する(S104)。
図26の第8フローチャートは株式の買い処理に関する金融商品取引方法の内容を示したものであり、第1実施形態における図15の第2フローチャートに対応している。まず、ユーザ端末は、トップページ画面20に配置された各社の株式取引アイコン21a〜21fのいずれかの選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末は判断する(S120)。選択操作をユーザから受け付けていない場合(S120:NO)、選択待ちの状態となり、一方、選択操作を受け付けた場合(S120:YES)、選択されたアイコンの会社を通知する選択内容通知をシステムサーバ80へ送信する(S121)。
システムサーバ80は、選択内容通知を受信したか否かを判断しており(S130)、選択内容通知を受信しない場合(S130:NO)、受信待ちの状態となり、選択内容通知を受信した場合(S130:YES)、受信した選択内容通知で通知される会社に応じた特定銘柄取引画面(図6の買い取引状態の特定銘柄取引画面25に応じたもの)の画面データをウェブサイトDB85から読み出して、アクセス元のユーザ端末へ送信する(S131)。
ユーザ端末は、上記画面データを受信して、図6に準じた買い取引状態の特定銘柄取引画面25(ウェブページ画面)を表示する(S122)。そして、特定銘柄取引画面25の金額設定欄26eでユーザにより金額が設定されて買いボタン30aの選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末は判断する(S123)。買いボタン30aの選択操作を受け付けた場合(S123:YES)、ユーザ端末は、銘柄を識別する情報(銘柄ID)及び金額設定欄26eで設定された金額を示す金額情報等を含む買い指示を証券会社システム2へ送信する(S124)。
また、システムサーバ80(MPU80a)は、ユーザ端末からの買い指示を受信したか否かを判断しており(S132)、買い指示を受信した場合(S132:YES)、買い指示に含まれる銘柄の株価(受信した時点で直近の株価)を銘柄DB81から特定すると共に、買い指示に含まれる金額に基づき購入できる株数を算出して、その算出した株数に係る取引可能な株数単位の買い処理を相対取引で実行する(S133)。なお、買い処理の実行に伴って、その処理内容を、口座DB83に格納することになる。それから、システムサーバ80は、買い指示の送信元のユーザ端末へ買い完了通知を示す画面データを送信する(S134)。
ユーザ端末は、証券会社システム2から買い完了通知に応じた画面データの受信に基づき、図8(a)に準じた買い完了画面36(ウェブページ画面)を生成して表示する(S125)。そして、買い完了画面36の確認ボタン36aの選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末は判断しており(S126)、選択操作を受け付けていない場合(S126:NO)、選択操作待ちの状態となり、選択操作を受け付けた場合(S126:YES)、確認ボタン選択通知をシステムサーバへ送信する(S127)。
システムサーバ80は、確認ボタン選択通知を受信したか否かを判断しており(S135)、受信しない場合(S135:NO)、受信待ちの状態となり、受信した場合(S135:YES)、図25の第7フローチャートのS114の段階へ戻り、トップページ画面に応じた画面データの読み出し及び送信を行い(S115)、それにより、ユーザ端末側も第7フローチャートのS104の段階へ戻り、再度、トップページ画面20(ウェブページ画面)を表示することになる。
図27の第9フローチャートは、上述した図26の第8フローチャートのS123の段階で買うボタンの選択操作を受け付けない場合(S123:NO)に始まる処理内容であり、株式の売り処理に関する金融商品取引方法の内容を示したものであり、第1実施形態における図16の第3フローチャートに対応している。まず、ユーザ端末は、買い取引状態の特定銘柄取引画面25で、売り取引ボタン26bの選択操作を受け付けたか否かを判断し(S140)、売り取引ボタン26bの選択操作を受け付けていない場合(S140:NO)、図26の第8フローチャートにおけるS122の段階へ戻り、特定銘柄取引画面25を買い取引状態で表示することを続けることになる。また、売り取引ボタン26bの選択操作を受け付けた場合(S140:YES)、売り取引状態の特定銘柄取引画面26を表示する(S141)。
そして、ユーザ端末は、特定銘柄取引画面25の画面中央付近の売り取引部35の中の利益売りボタン35cの選択操作を受け付けたか否かを判断する(S142)。利益売りボタン35cの選択操作を受け付けた場合(S142:YES)、ユーザ端末は利益分の売り指示を証券会社システム2へ送信する(S143)。証券会社システム2のシステムサーバ80は、利益分の売り指示を受信したか否かを判断しており(S150)、利益分の売り指示を受信したと判断した場合(S150:YES)、図16の第3フローチャートのS51の段階と同様に利益分を算出し(S151)、そして、第3フローチャートのS52の段階と同様に売り処理を相対取引で実行する(S152)。なお、売り処理の実行に伴って、その処理内容を、口座DB83に格納することになる。
それから、システムサーバ80は、売り完了通知に応じた画面データをウェブサイトDB85から読み出してユーザ端末へ送信する(S153)。ユーザ端末は、画面データの受信に伴って、図8(b)に準じた内容の売り完了画面37(ウェブページ画面)を表示する(S144)。そして、売り完了画面37の確認ボタン37aの選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末は判断しており(S145)、選択操作を受け付けていない場合(S145:NO)、選択操作待ちの状態となり、選択操作を受け付けた場合(S145:YES)、確認ボタン選択通知をシステムサーバへ送信する(S146)。
システムサーバ80は、確認ボタン選択通知を受信したか否かを判断しており(S154)、受信しない場合(S154:NO)、受信待ちの状態となり、受信した場合(S154)、図25の第7フローチャートのS114の段階へ戻り、トップページ画面に応じた画面データの読み出し及び送信を行い(S115)、それにより、ユーザ端末側も第7フローチャートのS104の段階へ戻り、再度、トップページ画面20(ウェブページ画面)を表示することになる。
図28の第10フローチャートは、上述した図27の第9フローチャートのS142の段階で、利益売りボタン35cの選択操作を受け付けない場合(S142:NO)に始まる処理内容であり、第1実施形態における図17の第4フローチャートに対応している。なお、図28の第10フローチャートにおけるシステムサーバ80側は、図27の第9フローチャートのS150の段階で、利益分の売り指示を受信していない場合(S150:NO)に第10フローチャートの処理を始めることになる。
第10フローチャートにおいて、まず、ユーザ端末は、特定銘柄取引画面25の画面中央付近の売り取引部35の中の全額売りボタン35bの選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末は判断する(S160)。全額売りボタン35bの選択操作を受け付けた場合(S160:YES)、ユーザ端末は全部売り指示(特定銘柄取引画面25に応じた銘柄の銘柄IDを含む)を証券会社システム2へ送信する(S161)。
証券会社システム2のシステムサーバ80は、全部売り指示を受信したか否かを判断しており(S170)、全部売り指示を受信したと判断した場合(S170:YES)、図17の第4フローチャートにおけるS71の段階の場合と同様に全株数を算出する(S171)。その後は、図27の第9フローチャートのS152の段階以降と同等であり、算出した全株数の売り処理等の一連の処理を行うことになる。そして、ユーザ端末側の処理も、全部売り指示の送信後(S161の後)は、図27の第9フローチャートのS144の段階以降と同等になる。
図29の第11フローチャートは、上述した図28の第10フローチャートのS160の段階で、全額売りボタン35bの選択操作を受け付けない場合(S160:NO)に始まる処理内容であり、第1実施形態における図18の第5フローチャートに対応している。なお、図29の第11フローチャートにおけるシステムサーバ80側は、図28の第10フローチャートのS170の段階で、全部の売り指示を受信していない場合(S170:NO)に第11フローチャートの処理を始めることになる。
ユーザ端末は、特定銘柄取引画面25の金額設定欄26eでユーザにより金額が設定されて、画面中央付近の売り取引部35の中の金額指定売りボタン35aの選択操作を受け付けたか否かをユーザ端末は判断する(S180)。金額指定売りボタン35aの選択操作を受け付けた場合(S180:YES)、ユーザ端末は、金額指定売り指示を証券会社システム2へ送信する(S181)。システムサーバ80は、金額指定売り指示を受信したか否かを判断しており(S190)、金額指定売り指示を受信したと判断した場合(S190:YES)、図18の第5フローチャートのS76の段階と同様に売り処理を行い(S191)、そして、この後は、図27の第9フローチャートのS153の段階以降と同等になり、ユーザ端末側も第9フローチャートのS144の段階以降と同等になる。
一方、S180の段階で、金額指定売りボタン35aの選択操作が行われなかった場合(S180:NO)、ユーザ端末は、図7の特定銘柄取引画面25の中の戻りボタン25gの選択操作を受け付けたか否かを判断し(S182)、戻りボタン25gの選択操作を受け付けていない場合(S182:NO)、買い取引ボタン26aの選択操作を受け付けたか否かを判断し(S183)、買い取引ボタン26bの選択操作を受け付けていない場合(S183:NO)、ユーザ端末の処理は図27の第9フローチャートのS141の段階(売り取引状態の特定銘柄取引画面25の表示段階)へ戻り、買い取引ボタン26bの選択操作を受け付けた場合(S183:YES)、ユーザ端末の処理は図26の第8フローチャートのS122の段階(買い取引状態の特定銘柄取引画面25の表示段階)へ戻ることになる。さらに、戻りボタン25gの選択操作を受け付けた場合(S182:YES)、ユーザ端末の処理は図25の第7フローチャートのS104の段階(トップページ画面20の表示段階)へ戻ることになる。なお、システムサーバ側のS190の段階で、金額指定売り指示を受信しない場合(S190:NO)、図26の第8フローチャートのS132の段階へシステムサーバ側の処理は戻ることになる。
このように第2実施形態に係る発明は、第1実施形態に係る内容をウェブサイトベースで行うようにしたものになっており、それにより柔軟なシステム構成で、本発明の金融商品取引の処理内容を行うことができる。なお、第2実施形態においても、第1実施形態で説明した各種変形例の内容を、第2実施形態に即した内容で適用することができる。