以下、添付図面に基づき、実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、水回り設備及び厨房装置に関し、特に清掃可能な被清掃部を備えた水回り設備及び厨房装置に関する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。図1に示された本実施形態の水回り設備は、台所に設置される厨房装置1である。厨房装置1は、例えば対面式又は壁付けのキッチンカウンターとして利用される。
厨房装置1は、台所の床に設置される作業台2と、作業台2に設けられた照明装置4とを備えている。本実施形態では、照明装置4が紫外線を照射する紫外線照射部53を有している(図5参照)。
図1に示されるように、作業台2は、キャビネット20と、キャビネット20上に設けられたカウンター21(ワークトップ)とを有している。
キャビネット20及びカウンター21は、上方から見て略同大同形である。キャビネット20は、上方がカウンター21によって覆われている。本実施形態のキャビネット20及びカウンター21は、上方から見て一方向に延びた長方形状に形成されている。
カウンター21は合成樹脂製であり、詳しくは人工大理石である。カウンター21の上面は、作業台2の上面を構成している。カウンター21の上面は、その全体に亘って平坦な面である。
以下では、厨房装置1が設置された状態を基準とし、カウンター21の長手方向を左右方向と定義し、カウンター21の短手方向を前後方向と定義して説明する。また、以下では、厨房装置1において厨房装置1を利用する利用者が位置する側を前方、前記利用者から厨房装置1を見て左側を左方と定義して説明する。
本実施形態のカウンター21は、第1領域31、第2領域32、及び第3領域33を有している。第1領域31、第3領域33、及び第2領域32は、この順序で左右方向に並んでいる。具体的には、第1領域31、第3領域33、及び第2領域32は、この順序で左側から順に並んでいる。
本実施形態の作業台2は、加熱調理器22、水栓23、及びシンク24を有している。加熱調理器22、水栓23、及びシンク24は、カウンター21に設けられている。
カウンター21の第1領域31には、上下方向に貫通した長方形形状の開口部25が形成されている。カウンター21の開口部25には、加熱調理器22が設置されている。
本実施形態の加熱調理器22は、電磁調理器である。加熱調理器22の上面は、カウンター21の上面と略面一であり、上方に露出している。加熱調理器22は、複数の加熱部26を有している。各加熱部26は、加熱調理器22上に配置された調理器具を誘導加熱する。加熱調理器22は電磁調理器に限られず、例えばガスこんろであってもよい。この場合、加熱調理器22は、加熱部としてこんろバーナーを有する。
カウンター21の第2領域32には、水栓23と、水栓23から出た水を受けるシンク24が設けられている。水栓23は、第2領域32の後端部に設置されている。水栓23は、シンク24の後方に位置している。
本実施形態のシンク24は、合成樹脂製であり、詳しくは人工大理石である。シンク24は、カウンター21と一体に形成されている。シンク24は、カウンター21と一体に形成されず、カウンター21と別体であってもよい。
本実施形態のシンク24は、カウンター21と同じ組成物から形成されている。シンク24は、カウンター21と異なる組成物から形成されてもよい。
カウンター21の第3領域33は、第1領域31及び第2領域32の間に位置しており、第1領域31及び第2領域32に隣接している。第3領域33の上面は、第1領域31の上面及び第2領域32の上面と連続した面である。第1領域31の上面、第2領域32の上面、及び第3領域33の上面は、面一である。
厨房装置1の利用者は第3領域33に食器、調理器具、食材等を置いて、厨房装置1を利用できる。
カウンター21の上面及びシンク24の内面は、清掃可能な面である。すなわち、本実施形態の厨房装置1は、清掃可能な表面を有する被清掃部として、カウンター21及びシンク24を有している。カウンター21の上面(表面)及びシンク24の内面(表面)は、例えば台布巾、たわし、スポンジ等の清掃具を用いて清掃される。
本実施形態の作業台2は、カウンター21から上方に突出した立上部27をさらに有している。立上部27は、カウンター21の周縁部において前縁部を除く部分に亘っている。立上部27は、カウンター21上で調理作業をしたときに、水や油、食材等が周囲に飛散することを抑制する。
立上部27は、カウンター21の後縁部から上方に突出したバックガード28を有している。バックガード28は、カウンター21の後縁部の全長に亘っている。バックガード28は、カウンター21から上方に突出した壁部29と、壁部29上に取り付けられた天板30とで構成されている。利用者は、天板30の上面に食器、調理器具、食材等を置くことができる。
図2に示されるように、天板30の前端部は、壁部29よりも前方に突出した張出部34となっている。バックガード28の上端部には、壁部29の上端部と張出部34とで構成された隅部35が形成されている。
照明装置4は、バックガード28の上端部に設けられている。照明装置4は、図1に示されるように、バックガード28において、カウンター21の第2領域32に対応する部分から第3領域33に対応する部分に亘っている。
照明装置4は、バックガード28においてカウンター21の第1領域31に対応する部分には設けられておらず、加熱調理器22から離れている。このため、加熱調理器22によって発生した熱は、照明装置4に伝わり難い。
バックガード28において照明装置4が設けられる箇所は制限されない。また、照明装置4は、作業台2のバックガード28以外の箇所に設けられてもよいし、天井や壁等の作業台2とは別の箇所に設けられてもよい。
図2に示されるように、本実施形態の照明装置4は、ケーシング40と照明部41とを有している。ケーシング40は、バックガード28の隅部35に取り付けられている。
ケーシング40は、バックガード28の隅部35に沿って左右方向に延びている。ケーシング40には、照明部41が収納されている。
照明部41は、可視光線である照明光を、カウンター21の上面、シンク24の内面、及び加熱調理器22の上面に照射する。
本実施形態の照明部41は、複数の導光部材42(図3参照)と、複数の光源43(図3及び図4参照)とを有している。
複数の導光部材42は、図3に示されるように、左右方向に並んでいる。各導光部材42は、アクリル樹脂等の透光性(光透過性)を有する合成樹脂材料から形成されている。導光部材42の材料は制限されず、例えばポリカーボネート樹脂や、ガラス等であってもよい。
各導光部材42は、左右方向に延びた形状であり、棒状である。各導光部材42は、左右1対の入光面44(図4参照)及び出光面45(図2参照)を有している。
1対の入光面44(図4参照)は、導光部材42の左右方向の両端面で構成されている。すなわち、各入光面44は、導光部材42の左右方向の端面で構成されている。
図2に示されるように、出光面45は、導光部材42の前面で構成されている。本実施形態の出光面45は、前斜め下方を向いている。出光面45は、導光部材42の長手方向の全長に亘っており、左右方向に延びている。
導光部材42の後面(出光面45と反対側の面)には、拡散反射部46が設けられている。拡散反射部46は、例えば、導光部材42の後面に設けられた印刷、凹凸加工、コーティング、あるいはめっき等で構成される。
図3に示されるように、光源43は、各導光部材42の左右両側のそれぞれに設けられている。
本実施形態の照明装置4は、図4に示されるように、ケーシング40に収納された複数の基板47をさらに有している。これら複数の基板47のそれぞれは、光源43が実装される電子回路基板である。
本実施形態の各光源43は、可視光線を出射する発光ダイオードである。複数の光源43は、複数の基板47にそれぞれ実装されている。
各光源43は、対応する入光面44に対向しており、対応する入光面44に向けて可視光線である照明光を照射する。ここで、可視光線とは、波長が400nmを超えかつ830nm以下の電磁波を意味する。各光源43は可視光線のみを発してもよいし、可視光線と不可視光線(可視光線以外の電磁波)の両者を発してもよい。
本実施形態の各光源43は、昼白色(例えば相関色温度5000K)の照明光を出射する。各光源43から出射する照明光の色は、電球色、温白色、白色、あるいは昼光色であってもよい。各光源43は発光ダイオードに制限されず、電球形蛍光灯や白熱電球等であってもよい。
各光源43から出射された照明光は、対応する入光面44から導光部材42に入射する。この照明光は、導光部材42の内部を、入射した入光面44とは反対側の入光面44に向かって進行する。この進行の過程で、照明光は、図2に示される拡散反射部46に当たって、出光面45側に拡散反射する。この照明光は、出光面45から前斜め下方に出射する。
本実施形態では、図3に示される各導光部材42の左右両側の光源43から照明光を出射することで、各導光部材42の出光面45から照明光が出射する。この照明光は、出光面45の全体から出射する。
光源43は、導光部材42の左右両側のうちの一方にのみ設けられてもよい。また、照明部41は導光部材42を1つだけ有してもよい。また、照明部41は、導光部材42を有さず、1又は複数の光源43で構成されてもよい。
図2に示されるように、ケーシング40の前面部は、上縦片部48、下縦片部49、及び傾斜片部50で構成されている。
上縦片部48は、鉛直な板状に形成されている。上縦片部48は、ケーシング40の前面部の上部を構成し、かつケーシング40の前端部を構成している。ケーシング40は、上縦片部48が、前後方向において天板30の前端と同じ位置、あるいは天板30の前端よりも後方に位置するように、バックガード28に取り付けられている。
下縦片部49は、鉛直な板状に形成されている。下縦片部49は、ケーシング40の前面部の下部を構成しており、上縦片部48よりも後方に位置している。
上縦片部48の下端部と下縦片部49の上端部は、傾斜片部50を介して繋がっている。傾斜片部50は、上端に近い部分ほど前方に位置するように傾斜している。
傾斜片部50(ケーシング40の前面部の一部)には、複数の導光部材42の出光面45から出射された照明光が透過可能な透光部51が設けられている。
透光部51は、傾斜片部50に設けられた複数の透光部材52(図5参照)で構成されている。複数の透光部材52は、傾斜片部50において各導光部材42の出光面45に対向する位置に透光部材52が位置するように配されている。
各透光部材52は透光性を有する材料から形成されている。各透光部材52は、図5に示されるように、左右方向に延びた形状であり、対応する導光部材42の左右方向の略全長に亘っている。
図2には、導光部材42の出光面45が示されている。各導光部材42の出光面45から出射された照明光は、対応する透光部材52を通して、カウンター21の上面に照射される。このとき、複数の導光部材42のうちの一部の導光部材42の出光面45から出射された照明光は、図1に示されるシンク24の内面にも照射される。また、複数の導光部材42のうちの一部の導光部材42の出光面45から出射された照明光は、加熱調理器22の上面にも照射される。これにより、作業台の上面全体、すなわち、カウンター21の上面全体、シンク24の内面全体、及び加熱調理器22の上面全体が、照明部41によって照明される。
本実施形態の透光部51は、図5に示されるように、複数の透光部材52で構成されているが、一の透光部材で構成されてもよい。
照明装置4は、図6に示されるように、紫外線照射部53をさらに有している。紫外線照射部53は、紫外線を図1に示されるカウンター21の上面及びシンク24の内面に照射する。
紫外線照射部53は、複数の紫外線源541〜543(図1及び図5参照)で構成されている。これら複数の紫外線源541〜543は、ケーシング40に内蔵されており、前方から見て、各導光部材42の左右両側のそれぞれに位置するように配されている。
図6に示されるように、本実施形態の照明装置4は、ケーシング40に収納された複数の基板55をさらに有している。これら複数の基板55のそれぞれは、紫外線源541〜543が実装される電子回路基板である。
本実施形態の各紫外線源541〜543は、紫外線を出射する紫外線発光ダイオードである。複数の紫外線源541〜543は、複数の基板55にそれぞれ実装されている。ここで、紫外線とは、波長が10nm以上かつ400nm以下の電磁波を意味する。
各紫外線源541〜543は、カウンター21が存在する前斜め下方に向けて紫外線を出射する。ここで、ピーク波長とは、最も多く発せられる電磁波の波長である。各紫外線源541〜543は、紫外線のみを出射してもよいし、紫外線と可視光線との両者を出射してもよい。また、各紫外線源541〜543は、水銀ランプ等の紫外線ランプであってもよい。
図5に示されるように、ケーシング40の傾斜片部50には、複数の紫外線源541〜543から出射された紫外線が透過する紫外線透過部56が設けられている。本実施形態の紫外線透過部56は、傾斜片部50に設けられた複数の透過部材57で構成されている。複数の透過部材57は、傾斜片部50において各紫外線源541〜543に対向する位置に透過部材57が位置するように配されている。
各透過部材57は紫外線が透過可能な材料から形成されている。各紫外線源541〜543から出射された紫外線は、対応する透過部材57を通して、ケーシング40の前斜め下方に向けて出射する。
本実施形態の照明装置4は、複数の紫外線源541〜543として、第1紫外線源541、第2紫外線源542、及び第3紫外線源543を有している。第1紫外線源541、第3紫外線源543、及び第2紫外線源542は、この順序で左右方向に並んでいる。具体的には、第1紫外線源541、第3紫外線源543、及び第2紫外線源542は、この順序で左側から順に並んでいる。
図1に示されるように、第1紫外線源541は、バックガード28においてカウンター21の第3領域33に対応する箇所に設けられている。第2紫外線源542及び第3紫外線源543は、バックガード28においてカウンター21の第2領域32に対応する箇所に設けられている。
各紫外線源541〜543は、紫外線を加熱調理器22が位置する左側に傾けて出射する。第1紫外線源541は、カウンター21の第1領域31の上面に紫外線を照射する。第2紫外線源542は、カウンター21の第2領域32の上面及びシンク24の内面に紫外線を照射する。第3紫外線源543は、カウンター21の第3領域33の上面及びシンク24の内面に紫外線を照射する。
各紫外線源541〜543は、左右方向において、加熱調理器22から離れた位置に設けられている。このため、加熱調理器22によって発生した熱は、第1〜第3紫外線源541〜543に伝わり難くなっている。
本実施形態の紫外線照射部53は、複数の紫外線源541〜543で構成されているが、一の紫外線源で構成されてもよい。また、紫外線照射部53は、紫外線源から出射した紫外線を反射又は屈折させる部材を介して、カウンター21やシンク24に紫外線を照射してもよい。
カウンター21及びシンク24のそれぞれは、図7Aに示される合成樹脂製の蛍光体36で構成されている。カウンター21の上面及びシンク24の内面は、蛍光体36の表面によって構成されている。
蛍光体36は、蛍光材料を含有しており、紫外線照射部53から照射された紫外線に対して蛍光反応を示す。ここで、蛍光反応とは、紫外線を受けることにより可視光線を発する反応である。また、この蛍光反応には、燐光を発する反応も含まれる。
蛍光体36は、透光性を有するアクリル樹脂を主成分とし、かつ蛍光材料として蛍光増白剤(品名NIKKA FLUOR SB conc. 株式会社日本化学工業所製)を含有した樹脂組成物から形成されている。
蛍光増白剤は、蛍光体36の表面(カウンター21の上面、又はシンク24の内面)の全部が蛍光を発することができるように、蛍光体36の全体において略均一に分散している。紫外線照射部53からカウンター21及びシンク24に紫外線が照射されたとき、この紫外線に対して蛍光体36が蛍光反応を示し、蛍光体36の表面(カウンター21の上面及びシンク24の内面)から可視光線(蛍光)が発せられる。
本実施形態のカウンター21及びシンク24は、その全体に亘って紫外線照射部53から照射された紫外線に対して蛍光反応を示すが、その一部のみが紫外線照射部53から照射された紫外線に対して蛍光反応を示してもよい。例えば、カウンター21の第1領域31のみ、第2領域32のみ、又は第3領域33のみ、あるいはシンク24のみが、紫外線照射部53から照射された紫外線に対して蛍光反応を示してもよい。また、例えば、シンク24の一部のみ、カウンター21の加熱調理器22の周囲の一部のみ、あるいはカウンター21のシンク24の周囲の一部のみが、紫外線照射部53から照射された紫外線に対して蛍光反応を示してもよい。
図8に示されるように、蛍光体36の表面(カウンター21の上面又はシンク24の内面)に汚れ70が付着した状態で、紫外線照射部53から蛍光体36の表面に向けて紫外線が照射された場合を想定する。図8において、実線の矢印は紫外線照射部53から出射された紫外線を示している。また、図8において破線の矢印は蛍光体36から発せられた蛍光を示している。
蛍光体36において汚れ70等が付着していない部分には、紫外線照射部53から出射した紫外線が当たりやすい。これに対して、蛍光体36において汚れ70等が付着した部分には、紫外線照射部53から出射した紫外線が当たり難い。このため、蛍光体36は、図8に示されるように、汚れ70等が付着していない部分が発光しやすく、汚れ70が付着した部分が発光し難い。したがって、利用者は、例えば暗い中で、カウンター21の上面及びシンク24の上面において汚れ70が付着した部分を見つけやすい。特にカウンター21やシンク24が表面に模様等を有する場合には、汚れ70等を見つけやすく有効である。
蛍光体36の樹脂組成物の主成分は、アクリル樹脂に制限されず、ビニルエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等であってもよい。また、蛍光体36の樹脂組成物に含まれる蛍光材料は、紫外線照射部53から照射された紫外線に対して蛍光反応を示す材料であればよく、その他の有機蛍光色素や無機蛍光色素であってもよい。
カウンター21及びシンク24のそれぞれは、図7Bに示されるように、蛍光体36に加えて、蛍光体36の表面に積層された透光性を有する透光層58を有してもよい。透光層58は、例えば透光性を有する合成樹脂や、ガラス等から構成される。透光層58の表面(蛍光体36とは反対側の面)は、カウンター21の上面及びシンク24の内面を構成する。
図7Bに示される例では、紫外線照射部53から出射された紫外線は、透光層58を通して蛍光体36に照射される。また、蛍光体36から発せられた蛍光は、透光層58を通してカウンター21の上方及びシンク24の内方に出る。
利用者の目線よりも低い位置に紫外線照射部53が設置されているのであれば、図6に示される紫外線照射部53が出射する電磁波のピーク波長は、230nm以上かつ430nm以下であることが好ましい。利用者の目線よりも高い位置に紫外線照射部53が設置しているのであれば、人体への影響をより考慮し、電磁波のピーク波長は可視光領域付近である370nm以上かつ390nm以下であることが望ましい。
具体的に本実施形態では、各紫外線源541〜543として、日亜化学工業株式会社製、品名NCSU275−T385(ピーク波長385nm)の紫外線発光ダイオードが用いられる。なお、紫外線照射部53が出射する電磁波のピーク波長は、230nm以下であってもよいし、430nm以上であってもよい。ただし、紫外線照射部53が出射する電磁波のピーク波長は、照明部41が出射する電磁波のピーク波長よりも短い。
厨房装置1は、図9に示されるように、操作部10と制御部11とをさらに備えている。操作部10は、照明モードと紫外線モードとを含む複数のモードの中から1つのモードを選択するために用いられる。制御部11は、厨房装置1の利用者による操作部10の操作に応じて照明部41及び紫外線照射部53を制御する。
本実施形態の複数のモードは、照明モードと紫外線モードとの2つのモードで構成されており、厨房装置1は、照明モード及び紫外線モードのうちのいずれかに切り替えて運転される。厨房装置1は、照明モードと紫外線モードとを含む3以上のモードを切り替えて運転されてもよい。
操作部10は、例えば図5に示されるように照明装置4のケーシング40に設けられる。制御部11は、例えば複数の基板47(図4参照)及び複数の基板55(図6参照)で構成される。
図9に示されるように、本実施形態の操作部10は、電源スイッチ12、照明ボタン13、及び紫外線ボタン14を有している。電源スイッチ12は、照明装置4の電源のON/OFFを切り替えるためのスイッチである。照明ボタン13は、照明モードに切り替えるために用いられる。紫外線ボタン14は、紫外線モードに切り替えるために用いられる。
電源スイッチ12がONにされると、照明装置4の電源はONになる。照明装置4の電源がONの状態にあるときは、電源スイッチ12がOFFにされることで、照明装置4の電源はOFFになる。
以下、図10に基づいて、照明装置4の電源がONにされた後の制御部11による制御について説明する。照明装置4の電源がONになると、制御部11は、運転モードを照明モードとし、照明装置4の各光源43から照明光を出射させる(ステップS1)。これにより、照明部41からカウンター21の上面全体及びシンク24の内面全体に向けて照明光が照射される。
照明モードにおいては、照明部41から、カウンター21の上面の全部、シンク24の内面の全部、及び加熱調理器22の上面の全部に照明光を照射する。この照明モードにおいては、制御部11は、紫外線照射部53からの紫外線の出射を停止した状態で、照明部41から照明光を出射する。このため、紫外線による人体への影響が抑えられる。また、紫外線によるカウンター21及びシンク24の劣化が抑制される。
ステップS1の後、制御部11は紫外線ボタン14が操作されたか否かを判定する(ステップS2)。紫外線ボタン14が操作されていなければ、制御部11は引き続き紫外線ボタン14が操作されたか否かを判定する。
ステップS2において紫外線ボタン14が操作されたとする。この場合、制御部11は、運転モードを照明モードから紫外線モードに切り替え、照明装置4の各紫外線源541〜543から紫外線を出射させると共に、照明装置4の各光源43からの照明光の出射を停止させる(ステップS3)。すなわち、制御部11は、紫外線モードが選択されたときに照明部41からの照明光の出射を停止させた状態で紫外線照射部53から紫外線を出射させる。
紫外線モードにおいては、図1に示されるように紫外線照射部53から、カウンター21の上面の全部及びシンク24の内面の全部に向けて紫外線が照射される。このように照射された紫外線は、カウンター21の上面及びシンク24の内面において、汚れ70等が付着した箇所以外の部分に当たる。このため、カウンター21及びシンク24は、汚れ70等が付着した箇所以外の部分が発光する。したがって、カウンター21やシンク24において汚れ70等が付着した部分が目立ちやすくなり、利用者は、カウンター21の上面やシンク24の内面を容易に清掃することが可能になる。
また、紫外線モードにおいては、照明部41からは照明光が出射されないので、利用者は、前記紫外線照射によるカウンター21及びシンク24の発光を見やすくなる。このため、カウンター21の上面やシンク24の内面において汚れ70等が付着した部分が一層目立ちやすくなる。
制御部11は、図10に示されるステップS3においてタイマーを作動させて、紫外線照射部53から紫外線の出射を開始した時点から経過した時間tを計り始める。
ステップS3の後、制御部11は照明ボタン13が操作されたか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4において照明ボタン13が操作されていなければ、制御部11は、時間tが予め設定された所定時間T以上であるか否かを判定する(ステップS5)。すなわち、制御部11は、紫外線照射部53から紫外線の出射を開始した時点から所定時間Tが経過しているか否かを判定する。本実施形態の所定時間Tは5分であるが、5分未満であってもよいし、5分を超えてもよい。
ステップS5において時間tが所定時間T以上でなければ、制御部11による制御はステップS4に戻る。
ステップS5において所定時間Tが経過していたとする。この場合、制御部11は、各紫外線源541〜543からの出射を停止させると共に、タイマーをリセットし(ステップS6)、ステップS1に戻って各光源43から照明光を出射させる。すなわち、紫外線照射部53による紫外線の出射は、紫外線照射を開始した時点から所定時間T経過後に、制御部11によって自動的に停止される。このため、紫外線照射部53から出射された紫外線が、カウンター21及びシンク24に長時間当たることが抑制され、合成樹脂製のカウンター21及びシンク24が紫外線によって劣化し難くなる。
ステップS4において照明ボタン13が操作されたとする。この場合にも、制御部11は、各紫外線源541〜543からの出射を停止させると共に、タイマーをリセットし(ステップS6)、ステップS1に戻って各光源43から照明光を出射させる。
(第2実施形態)
次に第2実施形態について説明する。以下の第2実施形態の説明では、第1実施形態と共通の構成については同一の符号を付し、共通する点については説明を省略する。
図11に示された本実施形態の水回り設備は、トイレに設置される便器装置8である。以下では、便器装置8がトイレに設置された状態を基準とし、便器装置8に着座した利用者の前方を前方と定義して説明する。
便器装置8は、便器80と、便器80に設けられた紫外線照射部53(図12A及び図12B)とを備えている。図11に示されるように、便器80は、便器本体81、便座82、及び便蓋83を有している。
便器本体81は合成樹脂製である。便器本体81は、上方に開口したボウル部84を有している。ボウル部84は、便器本体81の前部に位置している。便座82及び便蓋83は、便器本体81の後部に回動可能に取り付けられている。
便器本体81のボウル部84の内面は、利用者によって清掃可能な面である。すなわち、本実施形態の便器装置8は、清掃可能な表面を有する被清掃部として、ボウル部84を有している。ボウル部84の内面(表面)は、例えばブラシ等の清掃具を用いて清掃される。
便器本体81には、図12A及び図12Bに示されるように、紫外線照射部53が設けられている。紫外線照射部53は、ボウル部84の内面に向かって紫外線を照射する。
図12Bに示されるように、本実施形態の便器装置8は、基板55を有している。基板55は、紫外線照射部53が実装される電子回路基板である。
基板55は、便器本体81の後部の内部に収納されている。本実施形態の紫外線照射部53は、第1実施形態の紫外線源541〜543と同様の紫外線を発する紫外線発光ダイオードで構成されている。本実施形態の紫外線照射部53は、1つの紫外線発光ダイオード(紫外線源)で構成されているが、複数の紫外線発光ダイオードで構成されてもよい。
紫外線照射部53は、基板55に実装されて、便器本体81の後部に内蔵されている。紫外線照射部53は、ボウル部84の後方に位置している。
便器本体81には、紫外線照射部53から出射された紫外線が透過する紫外線透過部56が設けられている。本実施形態の紫外線透過部56は、ボウル部84の後端部に設けられている。
紫外線透過部56は紫外線が透過可能な材料から形成されている。紫外線照射部53から出射された紫外線は、紫外線透過部56を通してボウル部84の内面に照射される。
ボウル部84は、第1実施形態の蛍光体36と同様の蛍光体で構成されており、紫外線照射部53から出射された紫外線に対して蛍光反応を示す。
紫外線照射部53は、便器装置8が備える操作部85(図11参照)が操作されることにより、ボウル部84の内面に向けて紫外線を照射する。このように照射された紫外線は、ボウル部84の内面において、汚れ70等が付着した箇所以外の部分に当たる。これにより、ボウル部84は、汚れ70等が付着した箇所以外の部分が発光する。このため、ボウル部84の内面において汚れ70等が付着した部分が目立ちやすくなり、利用者は、ボウル部84の内面を容易に清掃することが可能になる。
紫外線照射部53の設置個所は、ボウル部84の後方に制限されない。紫外線照射部53は、例えば便器本体81においてボウル部84の前方や側方に設けられてもよい。また、紫外線照射部53は、便座82や便蓋83に設けられてもよい。また、紫外線照射部53は、トイレの壁や天井等、便器本体81とは別の箇所に設けられてもよい。
また、紫外線照射部53が紫外線を照射する箇所はボウル部84に制限されず、便器本体81のその他の清掃可能な部分や、便座82や便蓋83であってもよい。勿論、この場合も、紫外線が照射される部分は、第1実施形態の蛍光体36と同様の蛍光体で構成される。
第1実施形態及び第2実施形態の水回り設備は、発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜設計変更可能である。
以上説明した第1実施形態及び第2実施形態の水回り設備は、以下の第1の構成を有している。清掃可能な表面を有する被清掃部(カウンター21及びシンク24、又はボウル部84)と、被清掃部の表面に紫外線を照射する紫外線照射部53とを備える。被清掃部は、紫外線照射部53から照射された紫外線に対して蛍光反応を示す。
第1の構成を有する水回り設備において、紫外線照射部53から被清掃部の表面に紫外線が照射されたとする。この場合、被清掃部において汚れ70等が付着していない箇所は発光しやすく、被清掃部において汚れ70等が付着している箇所は発光し難い。このため、利用者は、被清掃部において汚れ70が付着した部分を見つけやすくなり、被清掃部を容易に清掃することができる。
また、第1実施形態の水回り設備は、第1の構成に加えて、以下の付加的な第2の構成を有している。被清掃部の表面に可視光線である照明光を照射する照明部41を備える。
第2の構成を有する水回り設備は、照明部41から出射された照明光により、被清掃部の表面を照明できる。
また、第1実施形態の水回り設備は、第2の構成に加えて、以下の付加的な第3の構成を有している。水回り設備は、操作部10と制御部11とを備える。操作部10は、照明モードと紫外線モードとを含む複数のモードの中から1つのモードを選択するために用いられる。制御部11は、操作部10が操作されることで選択されたモードに応じて照明部41及び紫外線照射部53を制御する。制御部11は、照明モードが選択されたときに前記照明部41から照明光を出射させる。制御部11は、紫外線モードが選択されたときに照明部41からの照明光の出射を停止させた状態で紫外線照射部53から紫外線を出射させる。
第3の構成を有する水回り設備は、紫外線モードが選択されたとき、照明部41からの照明光の出射を停止した状態で、紫外線照射部53から被清掃部の表面に紫外線を照射する。このため、紫外線照射部53による紫外線照射と同時に照明部41から照明光を出射する場合と比較して、紫外線照射による被清掃部の発光が見えやすくなる。このため、利用者は、被清掃部において汚れ70等が付着した部分を一層見つけやすくなる。
また、第1実施形態の水回り設備は、第2の構成に加えて、以下の付加的な第4の構成を有している。水回り設備は、操作部10と制御部11とを備える。操作部10は、照明モードと紫外線モードとを含む複数のモードの中から1つのモードを選択するために用いられる。制御部11は、操作部10が操作されることで選択されたモードに応じて照明部41及び紫外線照射部53を制御する。制御部11は、照明モードが選択されたときに紫外線照射部53からの紫外線の出射を停止させた状態で照明部41から照明光を出射させる。制御部11は、紫外線モードが選択されたときに紫外線照射部53から紫外線を出射させる。
第4の構成を有する水回り設備は、照明モードが選択されたとき、紫外線照射部53からの紫外線の出射を停止した状態で照明部41から照明光を出射する。このため、照明部41からの照明光の出射と同時に紫外線照射部53から紫外線を出射する場合と比較して、紫外線照射による人体への影響が抑えられる。
また、第1実施形態の水回り設備は、第3の構成及び第4の構成に加えて、以下の付加的な第5の構成を有している。制御部11は、紫外線モードが選択されて紫外線照射部53からの紫外線の出射を開始した時点から所定時間経過後に、紫外線照射部53からの紫外線の出射を停止させる。
第5の構成を有する水回り設備は、紫外線モードが選択されて紫外線照射部53からの紫外線の出射を開始した時点から所定時間T経過後に、紫外線照射部53からの紫外線の出射を停止する。このため、所定時間T経過後にも紫外線照射部53から紫外線を出射する場合と比較して、紫外線照射による人体への影響が抑えられる。
また、第1実施形態の水回り設備は、第4の構成又は第5の構成に加えて、以下の付加的な第6の構成を有している。被清掃部は、蛍光体36を有する。蛍光体36は、合成樹脂製である。蛍光体36は、紫外線照射部53から照射された紫外線に対して蛍光反応を示す蛍光材料を含有する。
第6の構成を有する水回り設備は、被清掃部が、合成樹脂製の蛍光体36を有している。この水回り設備にあっては、第4の構成又は第5の構成により、紫外線照射部53からの紫外線の出射が抑制される。このため、合成樹脂製の蛍光体36が紫外線によって劣化することが抑制される。
また、第1実施形態の水回り設備は、第1〜第6のいずれかの構成に加えて、以下の付加的な第7の構成を有している。紫外線照射部53から照射される紫外線のピーク波長が、370nm以上かつ390nm以下である。
第7の構成を有する水回り設備は、紫外線照射部53から照射される紫外線のピーク波長が、可視光領域付近である370nm以上かつ390nm以下である。可視光領域付近の紫外線は人体に影響を与え難く被清掃部が蛍光反応を示しやすい。
第2〜第7の構成は、第2実施形態の便器装置8にも適用可能である。
また、第1〜7の構成は、台所、浴室、洗面所、便所などの水を扱う場所において設置されるその他の設備にも適用可能である。
第1〜7の構成を適用可能な水回り設備としては、例えば洗面所に設置される洗面台ユニットが挙げられる。洗面台ユニットは、例えば洗面台とミラーキャビネットとを備える。この場合、紫外線照射部は、例えばミラーキャビネットに設けられる。また、この場合、例えば洗面台のボウルが、紫外線照射部から照射された紫外線に対して蛍光反応を示す被清掃部となる。
また、第1〜7の構成を適用可能な水回り設備としては、浴室として利用されるユニットバスが挙げられる。ユニットバスは、例えば紫外線照射部が浴室の天井や壁等に設けられる。この場合、例えば浴室の床、壁、又は浴槽等が、紫外線照射部から照射された紫外線に対して蛍光反応を示す被清掃部となる。
また、第1実施形態の厨房装置1は、以下の第8の構成を有している。厨房装置1は、カウンター21と、紫外線照射部53とを備える。紫外線照射部53は、カウンター21の上面に紫外線を照射する。カウンター21は、紫外線照射部53から照射された紫外線に対して蛍光反応を示す。
第8の構成を有する厨房装置1は、紫外線照射部53からカウンター21の上面に紫外線が照射されたとき、カウンター21において汚れ70等が付着していない箇所が発光しやすく、カウンター21において汚れ70等が付着している箇所が発光し難い。このため、利用者は、カウンター21において汚れ70が付着した部分を見つけやすくなり、カウンター21を容易に清掃することができる。
また、第1実施形態の厨房装置1は、第8の構成に加えて、以下の付加的な第9の構成を有している。厨房装置1は、カウンター21に設けられた加熱調理器22を備える。カウンター21において少なくとも加熱調理器22の周囲の一部は、紫外線照射部53から照射された紫外線に対して蛍光反応を示す部分である。
第9の構成を有する厨房装置1にあっては、利用者は、カウンター21における加熱調理器22の周囲の一部において、油汚れ等の汚れ70が付着した部分を見つけやすくなる。
また、第1実施形態の厨房装置1は、第9の構成に加えて、以下の付加的な第10の構成を有している。カウンター21は一方向に延びている。紫外線照射部53は、カウンター21の長手方向において、加熱調理器22から離れた位置に設けられる。
第10の構成を有する厨房装置1は、紫外線照射部53が、カウンター21の長手方向において、加熱調理器22から離れた位置に設けられる。このため、加熱調理器22によって発生した熱が、照明装置4に伝わり難くなり、紫外線照射部53に不具合が生じ難い。