JP6638854B1

JP6638854B1 - 渦輪発生装置

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Publication number: JP6638854B1
Application number: JP2019187429A
Authority: JP
Inventors: 智歩藤井; 知恵江村; 洋輔今井
Original assignee: Daikin Industries Ltd
Current assignee: Daikin Industries Ltd
Priority date: 2018-10-12
Filing date: 2019-10-11
Publication date: 2020-01-29
Anticipated expiration: 2039-10-11
Also published as: US20210220844A1; EP3842702B1; EP3842702A4; CN112714848B; CN112714848A; US11666928B2; JP2020063901A; WO2020075843A1; EP3842702A1

Abstract

【課題】ケーシング（11）の気体通路（13）の気体が放出口（14）から渦輪状となって放出されるように気体を押し出す押出機構（16）を備えた渦輪生成装置（10）において、到達距離が長くて安定した渦輪を生成する。【解決手段】押出体積をＶ（ｍ３），放出口（14）の直径をＤ（ｍ），直径がＤで体積がＶの円柱の長さをＬ（ｍ），吹出流速をＵ（m/s）とすると、０．０４５≦Ｄ≦０．１３５，０．１５≦Ｌ≦０．３５，及び３≦Ｕ≦５の関係を満たすように構成する。【選択図】図４

Description

本開示は、渦輪発生装置に関するものである。

特許文献１には、渦輪を生成し、渦輪に例えば香り成分を含ませて所定の領域に供給する装置が開示されている。特許文献１の装置は、渦輪と、渦輪の内側を通って進む直進流とが生成されるように構成されている。

特開２００８−０１８３９４号公報

特許文献１の構成では、渦輪内に直進流が生成されるので安定した渦輪が生成されにくく、渦輪が生成されても直進流と一緒に進むので、渦輪が消滅しやすくて到達距離が短く、渦輪に香り成分を含ませた場合は香り成分も分散してしまう。

本開示の目的は、渦輪生成装置において、到達距離が長くて安定した渦輪を生成することである。

本開示の第１の態様は、気体通路（13）及び放出口（14）が形成されるケーシング（11）と、上記気体通路（13）の気体が上記放出口（14）から渦輪状となって放出されるように上記気体通路（13）の気体を押し出す押出機構（16）とを備えた渦輪発生装置を前提とする。

この渦輪発生装置は、押出体積をＶ（ｍ３），放出口（14）の直径をＤ（ｍ），直径がＤで体積がＶの円柱の長さをＬ（ｍ），吹出流速をＵ（m/s）とすると、
０．０４５≦Ｄ≦０．１３５，
０．１５≦Ｌ≦０．３５，及び
３≦Ｕ≦５
の関係を満たすことを特徴とする。

第１の態様では、放出口（14）の直径Ｄを０．０４５≦Ｄ≦０．１３５に定め、直径がＤで体積がＶの円柱の長さ（円柱相当長さ）Ｌを０．１５≦Ｌ≦０．３５に定め、さらに吹出流速Ｕを３≦Ｕ≦５に定めているので、放出口（14）の外周縁部付近で発生する渦流が安定する一方、直進流が生じにくくなり、安定した渦輪が生成される。その結果、渦輪は、約１．５≦Ａ≦５ｍに至る到達距離Ａを安定して進む。放出される渦輪の流速が速いので、渦輪で人に刺激を与えられる。渦輪に香り成分を含ませると、香り成分を約５ｍ先にいる人へ届けることができる。

本開示の第２の態様は、第１の態様において、
上記ケーシング（11）が、渦輪状の気体が放出される対象空間（S）の天井（C）に設置され、
０．０４５≦Ｄ≦０．０７５
の関係を満たす
ことを特徴とする。

第２の態様では、天井（C）にケーシング（11）が装着された渦輪発生装置から、例えば１．５ｍ〜２．５ｍ程度下方にいる人に渦輪を供給できる。例えば、渦輪に香り成分を含ませて、就寝する人に香り成分を供給することができる。

本開示の第３の態様は、第１の態様において、
上記ケーシング（11）が、渦輪状の気体が放出される対象空間（S）の壁（W）に設置され、
０．０４５≦Ｄ≦０．０６０
の関係を満たす
ことを特徴とする。

第３の態様では、壁（W）にケーシング（11）が装着された渦輪発生装置から、壁（W）から例えば１．５ｍ〜２．０ｍ程度離れた人へ向かって、渦輪を供給することができる。

本開示の第４の態様は、第１から第３の態様の何れか１つにおいて、
上記押出機構（16）が、上記気体通路（13）の容積を変化させ、容積の縮小時に上記気体通路（13）の気体を押し出す複数の振動板（18）を備えている
ことを特徴とする。

第４の態様では、複数の振動板（18）を用いることにより、気体通路（13）の容積を縮小させることで得られる吹出流速を速くすることができる。よって、振動板（18）が１つである場合と比べて、到達距離Ａの長い安定した渦輪を生成しやすくなる。

図１は、実施形態に渦輪発生装置を設けた室内の概略の機器配置図である。図２は、図１の室内を別方向から見た斜視図である。図３は、気流発生ユニットの斜視図である。図４は、渦輪発生装置の縦断面図である。図５は、渦輪発生装置の横断面図である。図６は、押出体積がＶで吹出口直径がＤの円柱を示す斜視図である。

以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。

本実施形態に係る渦輪発生装置（10）は、香り成分を含ませた渦輪を、例えば就寝者（T）に供給する装置として構成されている。図１及び図２において、就寝者（T）は、例えば対象空間である部屋の室内空間（S）において、ベッドなどの寝具（B）上で就寝する。室内空間（S）には、渦輪発生装置（10）と照明装置（20）とが一体になった気流発生ユニット（30）と、空調装置（40）とが設けられている。気流発生ユニット（30）にはコントローラ（50）が接続されている。

空調装置（40）は、室内空間（S）の空調を行う。空調装置（40）は、例えば壁（W）に取り付けられる壁掛け式の室内ユニット（41）を有する。室内ユニット（41）は、図示を省略した室外ユニットと冷媒配管で連結される。空調装置（40）は、冷凍サイクルを行う冷媒によって、室内空気を冷却又は加熱する。これにより、室内空間（S）の空気の温度が調節される。空調装置（40）は、室内空気の温度に加えて、該室内空気の湿度を調節できるものであってもよい。

図１及び図３に示すように、気流発生ユニット（30）は、固定板（31）と、上記渦輪発生装置（10）と、上記照明装置（20）とを有し、これらがユニット化されている。固定板（31）は、水平な平板状に形成され、例えば天井（C）の裏面に設置される。照明装置（20）は、照明本体（21）と、該照明本体（21）の下部に着脱可能に取り付けられるカバー（22）とを備える。照明本体（21）は、ＬＥＤなどの光源と、光源の光を調節する調光回路が実装された回路基板とを含む（図示省略）。カバー（22）は、透光性を有する樹脂材料で構成され、室内空間（S）に露出している。

渦輪発生装置（10）は、図４に示すように、下側が開放される筒状のケーシング（11）と、該ケーシング（11）の下側の開放面を塞ぐ下蓋（12）とを備える。ケーシング（11）の内部には、空気通路（気体通路）（33）が形成される。下蓋（12）には、空気通路（13）と連通する放出口（14）が形成される。放出口（14）は、室内空間（S）に向かって開口している。放出口（14）は、就寝者（T）を指向するように下方を向いている。固定板（31）が天井（C）に設置されているので、渦輪発生装置（10）のケーシング（11）も、渦輪状の空気が放出される室内空間（S）を形成する部屋の天井（C）に設置されている。

渦輪発生装置（10）には成分供給装置（15）が設けられている。成分供給装置（15）は、渦輪（R）に付与する香りなどの所定の放出成分をケーシング（11）の内部の空気通路（13）に供給する。図示を省略しているが、成分供給装置（15）は、放出成分を発生させる成分発生部と、該成分発生部で発生させた放出成分を搬送する搬送装置とを含む。成分発生部には、例えば成分原料から放出成分を気化させる方式が採用されている。搬送装置は、例えば空気ポンプで構成される。成分供給装置（15）は、所定濃度に調節した放出成分を空気通路（13）に適宜供給する。

ケーシング（11）の内部には、複数の押出機構（16）が設けられる。押出機構（16）は、上記空気通路（13）の空気が上記放出口（14）から渦輪状となって放出されるように上記空気通路（13）の空気を押し出す機構である。この渦輪発生装置（10）には、図４に渦輪発生装置（10）の横断面を示すように、８つの押出機構（16）が設けられる。各押出機構（16）は、駆動部であるリニアアクチュエータ（17）と、該リニアアクチュエータ（17）によって駆動される振動板（18）とを有する。リニアアクチュエータ（17）は、振動板（18）を前後（振動板（18）の面直角方向）に変位させる。この実施形態では、複数の押出機構（16）がケーシング（11）の周壁に沿うように配置されている。複数の押出機構（16）は周方向に等間隔置きに配列される。このように、上記押出機構（16）は、上記空気通路（13）の容積を変化させ、容積の縮小時に上記空気通路（13）の気体を押し出す複数の振動板（18）を備えている。

図４に示すように、渦輪発生装置（10）は、押出機構（16）を制御するための駆動制御部（19）を備えている。駆動制御部（19）は、リニアアクチュエータ（17）に接続する回路基板を含んでいる。駆動制御部（19）は、例えばケーシング（11）の外部に配置されるが、これをケーシング（11）の内部に配置してもよい。駆動制御部（19）は、振動板（18）の振動の振幅、及び該振動の周期を調節するように構成される。

コントローラ（50）は、マイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイス（具体的には半導体メモリ）とを用いて構成されている。コントローラ（50）は、渦輪発生装置（10）と有線又は無線により接続され、渦輪発生装置（10）を制御する。コントローラ（50）は、照明装置（20）や空調装置（40）と接続し、これらの装置も制御するようにしてもよい。

コントローラ（50）は、気流発生ユニット（30）に設けられてもよいし、気流発生ユニット（30）と別体であってもよい。例えばコントローラ（50）は、空調制御も行う構成にする場合は空調装置（40）の制御ユニットやリモコンに設けられてもよいし、ローカルネットワークやインターネットに接続するサーバや、各種の通信端末（携帯端末、パソコンなど）に設けられてもよい。

本実施形態では、図４に示す押出体積（空気通路（13）の内部容積）をＶ（ｍ３），図５に示す放出口（14）の直径をＤ（ｍ），図６に示すように直径がＤで体積がＶの円柱を想定し、その長さ（円柱相当長さ）をＬ（ｍ），そして吹出流速をＵ（m/s）とすると、これらの値が、０．０４５≦Ｄ≦０．１３５，０．１５≦Ｌ≦０．３５，及び３≦Ｕ≦５の関係を満たすように設定されている。

渦輪発生装置（10）を含む気流発生ユニット（30）を天井（C）に設置する場合、放出口（14）の直径（Ｄ）は、０．０４５≦Ｄ≦０．０７５の関係を満たすとよい。天井設置の場合は、渦輪の到達距離Ａは、１．５ｍ≦Ａ≦２．５ｍ程度になる。この到達距離Ａに対しては、０．０４５≦Ｄ≦０．０７５が適切な範囲であるからである。なお、Ｕ，Ｌの範囲は上記と同じである。

−運転動作−
渦輪発生装置（10）の運転動作について説明する。

渦輪発生装置（10）が運転されると、各押出機構（16）の振動板（18）がリニアアクチュエータ（17）によって駆動される。各振動板（18）が前後に振動すると、空気通路（13）の容積が縮小するときに、香り成分を含んだ空気が放出口（14）に向かって押し出される。放出口（14）を通過する空気は、比較的大きな流速であるのに対し、その周囲の空気は静止している。このため、両者の空気の不連続面では、空気に剪断力が作用し、放出口（14）の外周縁部付近で渦流が発生する。

この渦流により、放出口（14）から下方に向かって進む気流（渦輪（R））が形成される。図１、図２、図４では、この渦輪（R）を模式的に図示している。放出口（14）から放出された渦輪（R）は、就寝者（T）に向かって下方へ流れ、渦輪（R）に香り成分が含まれているので、香り成分が就寝者（T）に届けられる。この香り成分により、就寝者に例えばリラックス効果を感じさせることができる。

−実施形態１の効果−
従来の渦輪発生装置では、渦輪の内部に直進流が生成されるので、安定した渦輪が生成されにくい。また、従来の渦輪発生装置では、渦輪が生成されても直進流と一緒に進むので、渦輪が消滅しやすくて到達距離が短くなり、渦輪に香り成分を含ませた場合は香り成分が分散して就寝者に届きにくい。

本実施形態の渦輪発生装置は、押出体積Ｖ（ｍ３），放出口（14）の直径Ｄ（ｍ），円柱相当長さＬ（ｍ），そして吹出流速Ｕ（m/s）が、それぞれ、０．０４５≦Ｄ≦０．１３５，０．１５≦Ｌ≦０．３５，及び３≦Ｕ≦５の関係を満たしている。

ここで、Ｄが０．０４５ｍ（４５mm）より小さいと、生成される渦輪の直径が小さくなりすぎて、渦輪の形態を保ったまま到達距離を長くするのが困難になる。Ｄが０．１３５ｍ（１３５mm）より大きいと、生成される渦輪の直径が大きくなりすぎて、渦輪が拡散しやすくなり、到達距離を長くするのが困難になる。

また、Ｌが０．１５ｍ（１５０mm）より小さい場合やＵが３m/sより小さい場合は、押出長さが短すぎたり吹出流速が遅すぎたりすることになり、放出口（14）の外周縁部付近での渦流の発生が不十分になり、安定した渦輪が生成されにくい。Ｌが０．３５ｍ（３５０mm）より大きい場合やＵが５m/sより大きい場合は、押出長さが長すぎたり吹出流速が速すぎたりすることになり、放出口（14）の外周縁部付近で発生する渦流が乱れて安定した渦輪が生成されにくい。

本実施形態では、放出口（14）の直径Ｄ、直径がＤで体積がＶの円柱の長さ（円柱相当長さ）Ｌ、さらに吹出流速Ｕを上記の範囲に定めているので、放出口（14）の外周縁部付近で発生する渦流が安定する一方、直進流が生じにくくなり、安定した渦輪が生成される。その結果、渦輪の到達距離Ａは、約１．５≦Ａ≦５ｍに至る。本実施形態の渦輪発生装置では、渦輪に香り成分を含ませるようにしているので、香り成分を渦輪発生装置（10）の下にいる就寝者に容易に届けられる。また、放出される渦輪の流速が速いので、渦輪で人に刺激を与えられる。

また、渦輪発生装置（10）を含む気流発生ユニット（30）を天井（C）に設置する場合、放出口（14）の直径（Ｄ）が、０．０４５≦Ｄ≦０．０７５の関係を満たす。このことにより、天井（C）から１．５ｍ〜２．５ｍ程度下方にいる人に渦輪を供給できる。

−実施形態１の変形例−
上記実施形態では、渦輪発生装置（10）を天井（C）に設置して、下向きに渦輪を放出するようにしている。しかしながら、渦輪発生装置（10）を設置場所は、上記実施形態の場所に限らない。例えば、図１に仮想線で示すように、部屋の壁（W）に渦輪発生装置（10）を設置して、側方へ向かって渦輪（R）を放出し、就寝者に香り成分を届けるようにしてもよい。また、渦輪発生装置（10）を設置する高さは適宜設定すればよい。

渦輪発生装置（10）は、室内ユニット（41）に組み込んでもよい。その場合、室内ユニット（41）には、調和空気の吹出口とは別に、渦輪の放出口を設けるとよい。

渦輪発生装置（10）を含む気流発生ユニット（30）は、壁（W）に設置する場合、放出口（14）の直径（Ｄ）は、０．０４５≦Ｄ≦０．０６０の関係を満たすことが好ましい。壁設置の場合は、渦輪の到達距離Ａは、１．５ｍ≦Ａ≦２．０ｍ程度になる。この到達距離Ａに対しては、０．０４５≦Ｄ≦０．０６０が適切な範囲であるからである。なお、Ｕ，Ｌの範囲は上記と同じである。このことにより、壁（W）から１．５ｍ〜２．０ｍ程度離れた人に渦輪を供給できる。

《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。

例えば、上記実施形態では、渦輪発生装置（10）に８つの押出機構（16）が設けられているが、押出機構（16）の数は単なる例示であり、１つであってもよい。

上記実施形態では、渦輪に香り成分を含ませて、就寝者に供給するようにしているが、渦輪に添加する成分は香り成分以外の任意の放出成分であってもよいし、放出成分を添加せずに渦輪のみを就寝者に供給するようにしてもよい。また、渦輪を供給する対象は、就寝者である必要はなく、例えば、会議室やその他の会場で壁（W）に渦輪供給装置（10）を設置して、室内空間の中央に向かって香りなどを含んだ渦輪を供給するようにしてもよい。

上記実施形態では、渦輪発生装置（10）の放出口（14）を円形にしている。しかしながら、放出口（14）の形状は円形に限らず、多角形やその他の形状でも上記直径Ｄの等価水力直径であればよい。

以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能である。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。

以上説明したように、本開示は、渦輪発生装置について有用である。

10 渦輪発生装置
11 ケーシング
13 空気通路（気体通路）
14 放出口
16 押出機構
18 振動板
C 天井
S 室内空間（対象空間）
W 壁

Claims

気体通路（13）及び放出口（14）が形成されるケーシング（11）と、
上記気体通路（13）の気体が上記放出口（14）から渦輪状となって放出されるように上記気体通路（13）の気体を押し出す押出機構（16）とを備えた渦輪発生装置であって、
押出体積をＶ（ｍ３），放出口（14）の直径をＤ（ｍ），直径がＤで体積がＶの円柱の長さをＬ（ｍ），吹出流速をＵ（m/s）とすると、
０．０４５≦Ｄ≦０．１３５，
０．１５≦Ｌ≦０．３５，及び
３≦Ｕ≦５
の関係を満たすことを特徴とする渦輪発生装置。
請求項１において、
上記ケーシング（11）が、渦輪状の気体が放出される対象空間（S）の天井（C）に設置され、
０．０４５≦Ｄ≦０．０７５
の関係を満たす
ことを特徴とする渦輪発生装置。
請求項１において、
上記ケーシング（11）が、渦輪状の気体が放出される対象空間（S）の壁（W）に設置され、
０．０４５≦Ｄ≦０．０６０
の関係を満たす
ことを特徴とする渦輪発生装置。
請求項１から３の何れか１つにおいて、
上記押出機構（16）が、上記気体通路（13）の容積を変化させ、容積の縮小時に上記気体通路（13）の気体を押し出す複数の振動板（18）を備えている
ことを特徴とする渦輪発生装置。