JP6638536B2 - 車両用ウォッシャシステム - Google Patents

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本発明は、車両用ウォッシャシステムに関する。
車両用ウォッシャシステムでは、ノズルを有する洗浄装置とウォッシャタンクとの間に逆止弁を設けたものが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。これにより、ノズルの噴射孔からの液漏れを防止することができる。
特開2004−298778号公報
しかしながら、車両用ウォッシャシステムでは、ウォッシャタンクと洗浄装置とを接続するゴム製のホースにおけるガス透過性(ホースを通してガス(気体)が通過すること)によって、大気中の空気がホース内に侵入して、ホース内の液体(洗浄液)に気泡が発生するという問題があった。このため、ホース内の液体に気泡が発生すると、ホース内の空気(気体)の量が多くなり、空気(気体)が洗浄装置に流入される時間ができるため、洗浄装置から液体を噴射させるまでの時間が比較的長くなる虞がある。したがって、車両用ウォッシャシステムでは、洗浄装置から液体を速やかに噴射させることが望ましい。
本発明は、上記事実を考慮し、洗浄装置から液体を速やかに噴射させることができる車両用ウォッシャシステムを提供することを目的とする。
本開示の車両用ウォッシャシステムは、内部に液体が封入されたウォッシャタンクと、車両の洗浄対象物に前記液体を噴射する洗浄装置と、前記ウォッシャタンクと前記洗浄装置との間において前記ウォッシャタンク及び前記洗浄装置に接続され、前記ウォッシャタンクから流入された前記液体と、当該液体内に含まれる気体と、を分離させて、分離された液体を前記洗浄装置へ流出させる気液分離装置と、を備えている。
上記構成によれば、ウォッシャタンクと洗浄装置との間において気液分離装置が設けられており、気液分離装置は、ウォッシャタンク及び洗浄装置に接続されている。ここで、気液分離装置が、ウォッシャタンクから流入された液体と、液体内に含まれる気体と、を分離させて、気液分離装置によって分離された液体が洗浄装置へ流出される。このため、洗浄装置の手前において、液体と、液体内に含まれる気体と、を気液分離装置によって分離させた後に、当該液体を洗浄装置に供給することができる。これにより、洗浄装置に供給される液体内に気体が含まれることが抑制されるため、洗浄装置から液体を速やかに噴射させることができる。
また、本開示の車両用ウォッシャシステムは、前記気液分離装置は、前記ウォッシャタンクから流入された液体と、当該液体内に含まれる気体と、を分離させるタンクと、前記タンクの内部において分離された気体を前記タンクの外部へ排出させる排出機構と、を含んで構成されている。
上記構成によれば、気液分離装置の排出機構によって、タンクの内部において分離された気体がタンクの外部へ排出される。これにより、分離された気体を排出機構によって適宜排出させて、タンク内において、分離された洗浄液を充填させることができる。
また、本開示の車両用ウォッシャシステムは、前記排出機構は、前記タンクの上壁に形成され且つ前記タンクの外部と前記タンクの内部とを連通させる連通孔を開閉する弁と、前記弁による前記連通孔の開閉を切り替える切替機構と、を含んで構成されている。
上記構成によれば、タンクの上壁には、タンクの外部とタンクの内部とを連通させる連通孔が形成されており、切替機構によって、弁による連通孔の開閉が切替えられる。これにより、弁によって連通孔を閉じることで、タンク内の洗浄液の漏れを防止しつつ、弁によって連通孔を開くことで、タンク内の気体を気液分離装置の外部へ排出させることができる。
また、本開示の車両用ウォッシャシステムは、前記タンクの内部には、前記液体の液面の高さを検出する液面センサが設けられており、前記切替機構は、前記液面センサの検出信号に基づいて作動するソレノイドとして構成されている。
上記構成によれば、タンクの内部における液体の充填量を確保することができる。
また、本開示の車両用ウォッシャシステムは、前記タンクの上壁の下面には、前記上壁の中央部側へ向かうに従い上側へ傾斜されたスロープ面が形成されており、前記連通孔が前記上壁の中央部に形成されている。
上記構成によれば、タンク内において分離された気体を、スロープ面に沿って連通孔へ良好に導くことができる。これにより、タンク内において分離された気体に対する排出効果を高めることができる。
また、本開示の車両用ウォッシャシステムは、前記タンクの側壁には、前記ウォッシャタンクと接続され且つ前記タンクの外側へ突出された流入部が設けられ、且つ前記タンクの内部には、第1壁部が形成されており、前記流入部が、前記第1壁部に対して前記液面センサとは反対側に配置され、前記第1壁部が、前記流入部の突出方向において前記流入部と対向して配置されている。
上記構成によれば、流入部からタンク内に流入された液体によって液面センサが直接被水することを抑制できる。これにより、液面センサによって洗浄液の液面高さを良好に検出することができる。
また、本開示の車両用ウォッシャシステムは、前記タンクの内部には、平面視で前記タンクの内部を前記タンクの周方向に仕切る第2壁部が形成されており、前記第2壁部は前記第1壁部に対して前記流入部とは反対側に配置されている。
上記構成によれば、例えば、車両の走行時における振動等によって、タンク内における液体が乱れることを抑制できる。その結果、液面センサによって液体の液面の高さを一層良好に検知することができる。
また、本開示の車両用ウォッシャシステムは、前記気液分離装置は、車両に設けられた上下開閉式の蓋体に設けられており、前記液面センサが、前記タンクにおける車体内側の部分に配置されている。
上記構成によれば、例えば、車両の蓋体が車両上側へ開いた状態では、液面センサが車両下側に配置される。このため、このような状態においても、液面センサによってタンク内の液体を検出することができる。
図1は、本実施の形態に係る車両用ウォッシャシステムの全体構成を示す模式的な斜視図である。 図2は、車両の後部を示す側面図である。 図3は、図1に示される気液分離装置の非作動状態を拡大して示す縦断面図である。 図4は、図3に示される気液分離装置の作動状態を示す縦断面図である。 図5は、図3に示される気液分離装置の分解斜視図である。 図6(A)は、図5に示されるポンプ本体を示す上側から見た斜視図であり、図6(B)は、図6(A)に示されるポンプ本体に液面センサが取付けられた状態を示す上側から見た平面図である。 図7は、図5に示される弁体を下側から見た斜視図である。 図8は、図1に示される気液分離装置の作動を説明するためのフローチャートである。 図9(A)は、図2に示されるバックドアが開いたときの気液分離装置の状態を説明するための断面図であり、図9(B)は、図9(A)に示される気液分離装置の向きを変更したときの気液分離装置の状態を説明するための断面図である。 図10は、変形例1の気液分離装置の非作動状態を示す縦断面図である。 図11は、変形例1の気液分離装置の作動状態を示す縦断面図である。 図12は、変形例2の気液分離装置を示す縦断面図である。 図13は、変形例3の気液分離装置を示す縦断面図である。 図14は、変形例4の気液分離装置を示す上側から見た斜視図である。 図15は、図14に示される気液分離装置の分解斜視図である。 図16は、図14に示される気液分離装置のタンクに液面センサが取付けられた状態を示す上側から見た平面図である。 図17は、図14に示される気液分離装置を示す縦断面図(図14の17−17線断面図)である。 図18は、図14に示される気液分離装置を示す縦断面図(図14の18−18線断面図)である。 図19は、図2に示されるバックドアが開いたときの変形例4の気液分離装置の状態を説明するための断面図である。
以下、図面を用いて本実施の形態に係る車両用ウォッシャシステムSについて説明する。なお、以下の説明では、始めに、車両用ウォッシャシステムSの全体構成について説明し、次いで、本開示の車両用ウォッシャシステムSの要部である気液分離装置30について説明する。
(車両用ウォッシャシステムSの全体構成について)
図1には、車両用ウォッシャシステムSの全体構成が模式的な斜視図にて示されている。なお、図1に示される矢印UPは、車両用ウォッシャシステムSが搭載される車両Vの車両上側を示し、矢印FRは車両Vの車両前側を示し、矢印RHは車両Vの右側(車幅方向一方側)を示している。この図に示されるように、車両用ウォッシャシステムSは、ウォッシャタンク10と、「洗浄対象物」としての車載カメラ20と、「洗浄装置」としてのカメラ洗浄装置22と、車両用ウォッシャシステムSを制御する制御部26と、気液分離装置30と、を含んで構成されている。
ウォッシャタンク10は、車両Vの前部に配置されたエンジンルーム内に設けられており、ウォッシャタンク10内には、洗浄液(液体)が封入されている。また、ウォッシャタンク10には、ウォッシャタンク10内の洗浄液を気液分離装置30及びカメラ洗浄装置22に圧送するためのウォッシャポンプ12が設けられており、ウォッシャポンプ12には、第1ホース14の一端部が接続されている。さらに、ウォッシャポンプ12には、制御部26が電気的に接続されており、制御部26の制御によってウォッシャポンプ12が作動するようになっている。そして、車両Vの洗浄スイッチ(不図示)を入れることで(オンにすることで)、ウォッシャポンプ12が作動し、洗浄液が第1ホース14内を圧送されて、気液分離装置30へ供給されると共に、カメラ洗浄装置22から洗浄液が噴射される構成になっている。
気液分離装置30は、車両Vにおける「上下開閉式の蓋体」としてのバックドアBD(図2参照)に設けられている。図2に示されるように、バックドアBDでは、バックドアBDの上端部が、車幅方向を軸方向として車体に開閉可能に連結されている。これにより、バックドアBDが、上下開閉式のドアとして構成されており、閉じた状態から車両上側へ開く構成になっている。図1に示されるように、気液分離装置30には、第1ホース14の他端部が接続されると共に、第2ホース16の一端部が接続されている。そして、ウォッシャポンプ12から第1ホース14を介して圧送された洗浄液(液体)が、気液分離装置30に流入されて、気液分離装置30を介して後述するカメラ洗浄装置22に供給されるようになっている。
車載カメラ20は、車両VのバックドアBDの上部における車幅方向中央部に設けられている。この車載カメラ20は、車両Vの車両後側を撮影可能に構成されている。カメラ洗浄装置22は、車載カメラ20の車幅方向外側に隣接して配置されて、車載カメラ20に固定されている。そして、カメラ洗浄装置22には、第2ホース16の他端部が接続されており、気液分離装置30から第2ホース16を介して洗浄液がカメラ洗浄装置22に供給される構成になっている。これにより、車両用ウォッシャシステムSでは、気液分離装置30がカメラ洗浄装置22の手前で接続されており、第2ホース16の長さが第1ホース14の長さに比べて、大幅に短く設定されている。また、カメラ洗浄装置22は、車載カメラ20のレンズに洗浄液を噴射するノズルを有しており、カメラ洗浄装置22に供給された洗浄液を車載カメラ20のレンズへ向けて噴射させて、レンズを洗浄するようになっている。さらに、カメラ洗浄装置22は、逆止弁24を備えており、逆止弁24によってカメラ洗浄装置22からの液漏れを防止する構成になっている。
(気液分離装置30について)
図3〜図7を用いて、気液分離装置30について説明する。なお、図3〜図7において適宜示される矢印Aは気液分離装置30の上側を示し、矢印Bは気液分離装置30の下側を示している。そして、気液分離装置30の上下方向と車両Vの車両上下方向とが一致している。また、図3〜図7では、上下方向に直交する第1方向を矢印C及び矢印Dで示し、図5〜図7では、上下方向及び第1方向に直交する第2方向を矢印E及び矢印Fで示している。そして、本実施の形態では、上述したように、気液分離装置30が車両VのバックドアBDに設けられており、車両VのバックドアBDが閉じられた状態において、第1方向一方側(図3〜図7の矢印C方向側)が車両後側(換言すると車体外側)と一致し、第1方向他方側(図3〜図7の矢印D方向側)が車両前側(換言すると車体内側)と一致している。また、第2方向一方側(図5〜図7の矢印E方向側)が車両右側と一致し、第2方向他方側(図5〜図7の矢印F方向側)が車両左側と一致している。
図3及び図4に示されるように、気液分離装置30は、全体として上下方向に延在された略円柱状に形成されている。そして、気液分離装置30は、タンク32と、排出機構60と、タンク32内の洗浄液の液面を検出する液面センサ90と、を含んで構成されている。以下、具体的に説明する。
(タンク32について)
図3〜図5に示されるように、タンク32は、気液分離装置30の下側部分を構成している。このタンク32は、タンク本体34と、タンク32の上端部を構成する弁体50と、を含んで構成されている。タンク本体34は、上側へ開放された略有底円筒状に形成されている。タンク本体34の側壁における上端部には、「流入部」としての液体流入部36が一体に形成されており、液体流入部36は、略円筒状に形成されて、タンク本体34の側壁からタンク本体34の径方向外側(詳しくは、第1方向一方側)へ突出されている。そして、液体流入部36には、前述した第1ホース14の他端部が接続されている。これにより、第1ホース14内を圧送された洗浄液(液体)がタンク32(タンク本体34)内に流入(注水)される構成になっている。
タンク本体34の底壁には、中央部において、液体流出部38(広義には、「流出部」として把握される要素である)が一体に形成されており、液体流出部38は略円筒状に形成されて、タンク本体34の底壁から下側へ突出されている。そして、液体流出部38には、前述した第2ホース16の一端部が接続されている。これにより、タンク32内の洗浄液が第2ホース16内を圧送されてカメラ洗浄装置22へ供給される構成となっている。
図6(A)及び(B)に示されるように、タンク本体34の内部には、液体流出部38に対して径方向外側の位置(詳しくは、平面視で液体流出部38と液体流入部36との間の位置)において、第1壁部40が一体に形成されている。第1壁部40は、略第1方向を板厚方向としてタンク本体34の底壁から上側へ突出されると共に、平面視でタンク本体34の周方向に沿って湾曲されている。そして、タンク本体34の径方向(詳しくは、液体流入部36の突出方向)において、第1壁部40の上端部と液体流入部36とが対向して配置されている。これにより、液体流入部36からタンク本体34内に洗浄液が流入(注入)されるときには、洗浄液が第1壁部40に当たり、後述する液面センサ90が洗浄液によって直接被水しないように構成されている。
また、タンク本体34の内部には、第1壁部40、タンク本体34の側壁、及びタンク本体34の底壁を連結する第1連結リブ42Aが一体に形成されている。第1連結リブ42Aは、第2方向を板厚方向として配置されて、平面視でタンク本体34の径方向に沿って延在されると共に、液体流入部36に対して下側に配置されている。さらに、タンク本体34の内部には、液体流出部38と第1壁部40との間の位置において、第1壁部40とタンク本体34の底壁とを連結する第2連結リブ42Bが一体に形成されている。この第2連結リブ42Bは、第2方向を板厚方向として配置されて、平面視でタンク本体34の径方向に沿って延在されている。そして、第2連結リブ42Bの上側部分は、上側へ向かうに従い第1壁部40側へ傾斜されている。これにより、洗浄液が当たる第1壁部40を、第1連結リブ42A及び第2連結リブ42Bによって補強している。また、後述する第2壁部44A、44B、44Cと同様に、第1連結リブ42A及び第2連結リブ42Bがタンク本体34内の洗浄液の液面の揺動をも抑制する構成になっている。
さらに、タンク本体34の内部には、タンク本体34の側壁と底壁とを連結する複数(本実施の形態では3箇所)の第2壁部44A、44B、44Cが一体に設けられている。この第2壁部44A〜44Cは、平面視で、液体流出部38からタンク本体34の径方向に放射状に延在されると共に、タンク本体34の周方向に等間隔毎(90°毎)に配置されている。具体的には、平面視で、第2壁部44、44Cが第2方向に沿って延在されており、第2壁部44Bが第1方向に沿って延在されている。これにより、第2壁部44A〜44Cが、第1壁部40に対して液体流入部36とは反対側(第1方向他方側)に配置されて、タンク32の内部が、第2壁部44A〜44Cによってタンク32の周方向に仕切られている。また、第2壁部44、44Cの高さは、第1壁部40の高さと略同じに設定されており、第2壁部44Bは、液体流入部36よりも下側に配置されている。
さらに、図3〜図6に示されるように、タンク本体34の側壁の外周面には、液体流入部36とは反対側(第1方向他方側であり、車両内側)の位置において、後述する液面センサ90を取付るためのセンサ取付部46が一体に形成されている。このセンサ取付部46は、第2方向を長手方向とする略直方体状に形成されてタンク本体34から第1方向他方側へ突出されている。また、センサ取付部46の長手方向中央部には、第1方向に貫通された挿通孔46Aが形成されている。この挿通孔46Aは、第2方向を長手方向とする略矩形状に形成されており、挿通孔46Aの上下位置が、液体流入部36の上下位置と略一致する位置に設定されている。また、センサ取付部46の長手方向両端部には、第1方向他方側へ開放された凹部46B(図6(A)参照)が形成されている。
また、タンク本体34の側壁の上端部には、タンク本体34の径方向外側へ開放された溝部34Aが形成されており、溝部34Aはタンク本体34の周方向に沿って延在されると共に、タンク本体34の全周に亘って形成されている。この溝部34Aの内部には、リング状のシール部材48が収容されている。さらに、図5に示されるように、タンク本体34の側壁の上端部には、溝部34Aの下側の位置において、複数(本実施の形態では4箇所)のフランジ34Bが一体に形成されている。このフランジ34Bは、上下方向を板厚方向としてタンク本体34の径方向外側へ突出されると共に、タンク本体34の周方向に等間隔毎(90°毎)に配置されている。そして、フランジ34Bには、上下方向に貫通された固定孔34Cが貫通形成されている。
図3〜図5、及び図7に示されるように、弁体50は、上側へ開放された、比較的底の浅い有底円筒形状に形成されている。この弁体50の下部における外周部には、下側へ突出された筒状の嵌合リブ50A(図7参照)が一体に形成されている。そして、弁体50がタンク本体34と同軸上に配置された状態で、タンク本体34の上端部が嵌合リブ50A内に嵌入されている。具体的には、前述した溝部34A及びシール部材48が嵌合リブ50Aの径方向内側に配置されている(図3及び図4参照)。これにより、弁体50とタンク本体34との間がシール部材48によってシールされた状態でタンク本体34の上端部が弁体50によって閉塞されており、タンク32の上壁が弁体50の底壁によって構成されている。
図5に示されるように、弁体50の側壁には、タンク本体34のフランジ34Bに対応する位置において、フランジ50Bが一体に形成されており、フランジ50Bは、弁体50の径方向外側へ突出されると共に、弁体50の上下方向に亘って延在されている。そして、フランジ34Bには、上下方向に貫通された固定孔50Cが貫通形成されており、固定孔50Cはタンク本体34の固定孔34Cと同軸上に配置されている。
弁体50の底壁には、弁体50の内部を径方向に区画する一対の区画リブ52A、52Bが一体に形成されている。この区画リブ52A、52Bは、弁体50の底壁から上側へ突出された筒状に形成されると共に、弁体50の側壁と同心円状に配置されている。これにより、弁体50の径方向において、弁体50の内部が3箇所のエリアに区画されている。そして、区画リブ52Aによって区画された弁体50の径方向内側部分(区画リブ52Aより径方向内側部分)のエリアがインナ区画部54Aとされ、区画リブ52A、52Bによって区画された弁体50の径方向中間部分(区画リブ52Aより径方向外側部分かつ区画リブ52Bより径方向内側部分)のエリアがセンタ区画部54Bとされ、区画リブ52B及び弁体50の側壁によって区画された弁体50の径方向外側部分(区画リブ52Bより径方向外側部分かつ弁体50の側壁より径方向内側部分)のエリアがアウタ区画部54Cとされている。
また、図3、図4、及び図7に示されるように、弁体50の底壁における下面は、縦断面視で略台形状に抉られている。すなわち、弁体50の当該下面には、径方向中間部において、スロープ面50Dが形成されており、スロープ面50Dは、弁体50の径方向内側(換言すると弁体50の中央部側)へ向かうに従い上側へ傾斜されている。そして、弁体50の下面における中央部には、連通孔56が上下方向に貫通形成されている。これにより、タンク32(タンク本体34)の内部とインナ区画部54Aの内部とが、連通孔56によって連通されている。さらに、図3〜図5に示されるように、連通孔56の縁部には、上側(インナ区画部54A側)へ突出されたリブ58が形成されており、リブ58は連通孔56の周方向に沿って延在されると共に、連通孔56の全周に亘って形成されている。
図7にも示されるように、弁体50には、後述する排出機構60を構成する気体排出部62が一体に形成されている。この気体排出部62は、弁体50の径方向(詳しくは第1方向他方側)に延在された略円筒状に形成されて、前述した液体流入部36とは反対の位置に配置されている(図3及び図4参照)。具体的には、気体排出部62の先端側(図3及び図4の矢印D方向側)の部分が、弁体50の側壁から弁体50の径方向外側へ突出されている。一方、気体排出部62の基端側(図3及び図4の矢印C方向側)の部分は、弁体50の側壁から弁体50の径方向内側へ突出されており、気体排出部62の基端部が連通孔56の径方向外側で且つインナ区画部54Aの下側に配置されている。そして、気体排出部62の内部が、気体排出通路62Aとされており、気体排出通路62Aの他端部(弁体50の径方向内側)は、上側へ屈曲されてインナ区画部54Aに連通されている。これより、タンク32(タンク本体34)の内部と気液分離装置30の外部とが、連通孔56、インナ区画部54A、及び気体排出通路62Aによって連通されている。
(排出機構60について)
図3〜図5に示されるように、排出機構60は、前述した気体排出部62と、弁体50の上側に配置されたホルダ64と、連通孔56を開閉させる弁80と、ホルダ64に保持された「切替機構」としてのソレノイド82と、ソレノイド82を覆うカバー88と、を含んで構成されている。
ホルダ64は、上側へ開放された略有底円筒状に形成されている。このホルダ64の下部における外周部には、嵌合リブ64Aが一体に形成されており、嵌合リブ64Aはホルダ64から下側へ突出された筒状に形成されている。この嵌合リブ64Aの外周部には、径方向外側へ開放された溝部64Bが形成されており、溝部64Bは、嵌合リブ64Aの周方向に沿って延在されると共に、嵌合リブ64Aの全周に亘って形成されている。また、溝部64B内には、リング状のシール部材72が収容されている。そして、ホルダ64が弁体50と同軸上に配置された状態で、嵌合リブ64Aが、弁体50におけるアウタ区画部54C内に収容されると共に、弁体50の側壁内に嵌入されている。
図5に示されるように、ホルダ64の側壁には、タンク本体34のフランジ34Bに対応する位置において、フランジ64Cが一体に形成されており、フランジ64Cは、ホルダ64の径方向外側へ突出されると共に、ホルダ64の上下方向に亘って延在されている。そして、フランジ64Cには、上下方向に貫通された固定孔64Dが貫通形成されており、固定孔64Dはタンク本体34の固定孔34Cと同軸上に配置されている。
また、ホルダ64の内側には、後述するソレノイド82を固定するための固定部68が一体に形成されている。この固定部68は、ホルダ64の底壁から上側へ突出されると共に、平面視でホルダ64の中央側へ開放された略U字形状に形成されている。具体的には、固定部68は、ホルダ64の底壁の外周部に形成され且つ第2方向を板厚方向とする固定壁68Aと、固定壁68Aの幅方向(第1方向)両端部から第2方向他方側(図5の矢印F方向側)へ延出された一対の側壁68Bと、を含んで構成されている。そして、側壁68Bの上側部分では、固定壁68Aからの延出長さが下側へ向かうに従い長くなるように設定されている。
図3及び図4に示されるように、ホルダ64の底壁には、後述する弁80を押える押えリブ66が一体に形成されている。この押えリブ66は、ホルダ64の底壁から下側へ突出された筒状に形成されると共に、弁体50におけるセンタ区画部54Bに対して上側に配置されている。
また、ホルダ64の底壁の中央部には、円形状の配置孔64Eが上下方向に貫通形成されている。さらに、ホルダ64の側壁における上端部には、径方向外側へ開放された溝部64Fが形成されており、溝部64Fは、ホルダ64の周方向に沿って延在されると共に、ホルダ64の周方向全周に亘って形成されている。また、溝部64F内には、リング状のシール部材74が収容されている。
さらに、図5にも示されるように、ホルダ64における第2方向一方側には、取付片70が一体に形成されている。取付片70は、第1方向を長手方向とする略長尺板状に形成されると共に、第2方向を板厚方向として配置されて、フランジ64Cと一体に形成されている。そして、取付片70の長手方向両端部には、第2方向(取付片70の板厚方向)に貫通された取付孔70Aが形成されており、取付孔70Aに図示しないネジが挿入されて、ホルダ64(気液分離装置30)が車両VのバックドアBDに取付けられている。
図3及び図4に示されるように、弁80は、ゴム等の弾性体によって構成されている。弁80は、上下方向を板厚方向とする略円板状に形成されて、弁体50とホルダ64との間に配置されている。この弁80の外周部には、下側へ突出された弁取付部80Aが一体に形成されており、弁取付部80Aは弁80から下側へ突出された円筒状に形成されている。そして、弁取付部80Aが、前述した弁体50のセンタ区画部54B内に嵌入されると共に、ホルダ64の押えリブ66によって上側から押えられている。これにより、弁体50のインナ区画部54Aにおける上端部が弁80によって閉塞されている。
また、弁80の中央部には、上側へ若干突出された円形状の当接部80Bが一体に形成されており、当接部80Bには、後述するソレノイド82の押圧子84が当接される構成になっている。さらに、弁80の中央部には、下側へ若干突出された円形状の蓋部80Cが形成されている。この蓋部80Cの外径は、弁体50のリブ58の外径よりも大きく設定されている。そして、弁80の当接部80Bがソレノイド82の押圧子84によって下側へ押圧されることで、弁80が下側へ弾性変形して、蓋部80Cがリブ58の上端に当接されるようになっている。これにより、連通孔56が弁80(蓋部80C)によって閉じられる構成になっている。
図3〜図5に示されるように、ソレノイド82は、略直方体状のソレノイド本体82Aと、ソレノイド本体82Aから下側へ突出されたプランジャ82Bと、プランジャ82Bの先端部に設けられた押圧子84と、押圧子84を下側へ付勢するための押圧バネ86と、を含んで構成されている。
ソレノイド本体82Aは、ホルダ64の固定部68の内側に配置されて、固定部68に固定されている。具体的には、ソレノイド本体82Aが、一対のネジ87(図5参照)によって固定部68の固定壁68Aに固定されている。そして、ソレノイド本体82Aが固定部68に固定された状態では、プランジャ82Bがホルダ64と同軸上に配置されている。
押圧子84は、上側へ開放された有底円筒状に形成されている。そして、押圧子84の内部にプランジャ82Bの先端部(下端部)が収容されており、押圧子84が、押圧子84の径方向を軸方向とするピン85によってプランジャ82Bに固定されている。そして、この状態では、押圧子84の先端側の部分がホルダ64の配置孔64Eの内部に配置されている。つまり、押圧子84の外径は、配置孔64Eの内径より小さく設定されている。
図3及び図4に示されるように、押圧子84の上端部における内周部には、径方向外側へ切り欠かれた段差部84Aが形成されている。すなわち、押圧子84の上端部における板厚寸法が、押圧子84の上端部を除く部分の板厚寸法よりも小さく設定されている。これにより、段差部84Aとプランジャ82Bとの間には、隙間が形成されている。そして、段差部84Aの径方向内側に押圧バネ86が配置されている。押圧バネ86は、圧縮コイルスプリングとして構成され、軸方向を上下方向としてプランジャ82Bに支持されている。換言すると、押圧バネ86は、段差部84Aとプランジャ82Bとの間に該プランジャ82Bに支持されるように配置されている。また、押圧バネ86が圧縮変形した状態で、押圧バネ86の上端部がソレノイド本体82Aに当接されており、押圧バネ86の下端部が段差部84Aに当接されている。このため、ソレノイド82の非作動状態では、押圧バネ86の付勢力によってプランジャ82Bが下側へ付勢されて、押圧子84が弁80の当接部80Bに当接されると共に、弁80が押圧子84によって下側へ押圧されている。これにより、弁80が下側へ弾性変形して、弁80の蓋部80Cが弁体50のリブ58の上端に当接されることで、連通孔56が弁80(蓋部80C)によって閉じられる構成になっている(図3参照)。
また、ソレノイド82には、制御部26(図1参照)が電気的に接続されており、制御部26の制御によってソレノイド82が作動するように構成されている。具体的には、制御部26によってソレノイド82が作動すると、プランジャ82Bが押圧バネ86の付勢力に抗して上側へ移動する。これにより、弁80が下側へ弾性変形した状態から元の状態(初期状態)へ復帰して、連通孔56が開くように構成されている(図4参照)。
カバー88は、下側へ開放された有底円筒形状に形成されている。このカバー88は、ホルダ64と同軸上に配置されて、カバー88の開口端部(下側の端部)の内部に、ホルダ64の側壁の上端部が嵌入されている。具体的には、ホルダ64の溝部64F及びシール部材74の径方向外側にカバー88の開口端部が配置されている。これにより、カバー88とホルダ64との間がシール部材74によってシールされた状態で、ソレノイド82がカバー88によって覆われている。ここで、カバー88の外径は、ホルダ64の外径と略同径に設定されている。
図5に示されるように、カバー88の側壁における下端部には、タンク本体34のフランジ34Bに対応する位置において、フランジ88Aが一体に形成されており、フランジ88Aは、上下方向を板厚方向として、カバー88の径方向外側へ突出されている。また、フランジ88Aには、上下方向に貫通された固定孔88Bが貫通形成されており、固定孔88Bはタンク本体34の固定孔34Cと同軸上に配置されている。そして、カバー88の固定孔88B、ホルダ64の固定孔64D、弁体50の固定孔50C、及びタンク本体34の固定孔50Cのそれぞれの内部に、図示しないネジが上側から挿入されて、当該ネジの先端部にナット(図示省略)が螺合されている。これにより、カバー88、ホルダ64、弁体50、及びタンク本体34が、ネジ及びナットによって固定されている。
(液面センサ90について)
図3〜図5及び図6(B)に示されるように、液面センサ90は、センサ本体92と、一対の電極94A、94Bと、電極94A、94Bに接続されたリード線96A、96Bと、を含んで構成されている。センサ本体92は、樹脂製とされると共に、平面視で第1方向を長手方向とする略直方体ブロック状に形成されている。また、センサ本体92の長手方向一端部には、一対の電極保持部92Aが一体に形成されており、電極保持部92Aはセンサ本体92の幅方向(第2方向)に離間して配置されている。
センサ本体92の長手方向中間部には、幅方向(第2方向)外側へ張出されたセンサ側フランジ92Bが一体に形成されており、センサ側フランジ92Bの幅方向(第2方向)両端部には、第1方向に貫通された固定孔92Cが形成されている。そして、センサ本体92が、タンク本体34のセンサ取付部46の挿通孔46A内に挿入された状態で、固定孔92C内にネジ99が挿入されて、ネジ99がセンサ取付部46の凹部46B内に螺合されることで、センサ本体92がタンク本体34に固定されている。これにより、液面センサ90が、気液分離装置30の上下方向に延びる軸線L1(図6(B)を参照)に対して、第1方向他方側(車体内側)に配置されている。なお、センサ本体92がタンク本体34に固定された状態では、センサ側フランジ92Bとタンク本体34のセンサ取付部46との間には、スペーサ98が介在されており、電極保持部92Aがタンク本体34の内部に配置されている。
電極94A、94Bは、電極保持部92Aに一体に形成されており、電極94A、94Bの先端部が電極保持部92Aに対して突出している。すなわち、電極94A、94Bの先端部がタンク本体34の内部に配置されている。そして、一方の電極94Aがリード線96Aによって車両Vにグランド接地されており、リード線96Aの中間部には抵抗が直列に接続されている。また、他方の電極94Bは、リード線96Bによって車両Vの電源に接続されている。さらに、液面センサ90には、制御部26が電気的に接続されており、液面センサ90からの検出信号に基づいて、制御部26がタンク32内の洗浄液の液面が所定高さよりも高いか否かを判定するようになっている。
具体的には、制御部26は、一方のリード線96Aに接続された抵抗の両端の電圧を測定し、当該電圧が所定電圧(例えば5V)よりも大きいか否かによって、タンク32内の洗浄液の液面の高さを判定するようになっている。すなわち、タンク32内の洗浄液の液面が電極94A、94Bよりも高い場合には、一対の電極94A、94Bの間が洗浄液によって通電されて、リード線96Aの抵抗に電流が流れる。このため、抵抗の両端の電圧が所定電圧より大きいことを制御部26が検知する。これにより、タンク32内の洗浄液の液面が所定高さよりも高いと制御部26が判定するようになっている。一方、タンク32内の洗浄液の液面が電極94A、94Bよりも低い場合には、一対の電極94A、94Bの間が通電しないため、リード線96Aの抵抗に電流が流れない。このため、抵抗の両端の電圧が所定電圧以下であることを制御部26が検知する。これにより、タンク32内の洗浄液の液面が所定高さ以下であると制御部26が判定するようになっている。
次に、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
上記のように構成された車両用ウォッシャシステムSでは、ウォッシャタンク10(ウォッシャポンプ12)と気液分離装置30とが第1ホース14によって接続されている。また、ウォッシャタンク10は、気液分離装置30より車両下側(図1の矢印UPとは反対側)に配置されている。このため、ウォッシャポンプ12によって圧送された洗浄液が、第1ホース14を介して気液分離装置30のタンク32内に流入(注水)される。そして、大気中の空気が第1ホース14を透過(詳しくは、ウォッシャタンク10と気液分離装置30の高低差により第1ホース14内が負圧になることで、空気が第1ホース14を透過)して第1ホース14内の洗浄液に混入された場合には、気泡の生じた洗浄液がタンク32内に流入(注水)されるが、タンク32内において、洗浄液と空気(気体)とが分離される。具体的には、分離された洗浄液がタンク32内の下部に充填されて、分離された空気(気体)がタンク32内の上部へ充填される。
そして、制御部26の制御によってウォッシャポンプ12が作動することで、圧送された洗浄液が気液分離装置30を介して、カメラ洗浄装置22に供給される。これにより、リアカメラ洗浄装置20Rから洗浄液が噴射されて、リア用カメラ18Rが洗浄される。
次に、気液分離装置30の作動について説明する。まず、図3に示される状態が、気液分離装置30の非作動状態となる。この状態では、ソレノイド82が非作動状態にされており、押圧バネ86の付勢力によってプランジャ82Bが下側へ移動されている。このため、押圧子84によって弁80が下側へ押圧されて、弁80(蓋部80C)によって連通孔56が閉じられている。
そして、気液分離装置30の作動では、制御部26が、液面センサ90からの検出信号に基づいて、タンク32内の洗浄液の液面が所定高さよりも高いか否かを判定する判定処理を実行し、判定処理の結果に基づいて、気液分離装置30が制御部26によって制御される。具体的には、図8に示されるように、制御部26の判定処理では、ステップ1において、一方のリード線96Aに接続された抵抗の両端の電圧を測定し、当該電圧が所定電圧(5V)よりも大きいか否かを判定する。そして、ステップ1において、抵抗の両端の電圧が所定電圧よりも大きい場合には、ステップ2に移行する。一方、ステップ1において、抵抗の両端の電圧が所定電圧以下の場合には、ステップ4に移行する。
ステップ2では、ステップ1と同様に、制御部26が、一方のリード線96Aに接続された抵抗の両端の電圧を測定し、当該電圧が所定電圧(5V)よりも大きいか否かを判定する。そして、ステップ2において、抵抗の両端の電圧が所定電圧よりも大きい場合には、ステップ3に移行する。一方、ステップ2において、抵抗の両端の電圧が所定電圧以下の場合には、ステップ4に移行する。
ステップ3では、ステップ1及びステップ2と同様に、制御部26が、一方のリード線96Aに接続された抵抗の両端の電圧を測定し、当該電圧が所定電圧(5V)よりも大きいか否かを判定する。そして、ステップ3において、抵抗の両端の電圧が所定電圧よりも大きい場合には、タンク32内の洗浄液の液面が所定高さよりも高いと制御部26が判定する。換言すると、洗浄液がタンク32内に十分に充填されていると制御部26が判定する。これにより、制御部26によるソレノイド82及びウォッシャポンプ12に対する作動制御を行わずに、ソレノイド82及びウォッシャポンプ12の非作動状態が維持される。そして、洗浄スイッチを入れた場合は、この後ウォッシャポンプ12を作動させて洗浄液をカメラ洗浄装置22に供給し、車載カメラ20に噴射する。
一方、ステップ4では、ステップ1と同様に、制御部26が、一方のリード線96Aに接続された抵抗の両端の電圧を測定し、当該電圧が所定電圧(5V)よりも大きいか否かを判定する。そして、ステップ4において、抵抗の両端の電圧が所定電圧よりも大きい場合には、ステップ2に移行する。一方、ステップ4において、抵抗の両端の電圧が所定電圧以下の場合には、ステップ5に移行する。
ステップ5では、ステップ1と同様に、制御部26が、一方のリード線96Aに接続された抵抗の両端の電圧を測定し、当該電圧が所定電圧(5V)よりも大きいか否かを判定する。そして、ステップ5において、抵抗の両端の電圧が所定電圧よりも大きい場合には、ステップ2に移行する。一方、ステップ5において、抵抗の両端の電圧が所定電圧以下の場合には、タンク32内の洗浄液の液面が所定高さ以下であると制御部26が判定する。換言すると、洗浄液に含まれた空気(気体)によって、タンク32内の洗浄液の量が十分でないと制御部26が判定する。これにより、制御部26によってソレノイド82を作動させると共にウォッシャポンプ12を作動させる。
ソレノイド82が作動すると、プランジャ82Bが押圧バネ86の付勢力に抗して上側へ移動する。このため、弁80が、下側へ弾性変形した状態から初期状態へ復帰して、連通孔56が開かれる(図4参照)。換言すると、弁80(蓋部80C)がリブ58に当接した状態が解除される。これにより、タンク32内の空気(気体)が連通孔56、インナ区画部54A、及び気体排出通路62Aを介して気液分離装置30の外部へ排出される。また、このときには、ウォッシャポンプ12が作動するため、液体流入部36から洗浄液がタンク32内に流入(注水)される。これにより、タンク32内に流入(注水)された洗浄液が空気と分離されてタンク32内に充填される。
このように、本実施の形態における車両用ウォッシャシステムSでは、ウォッシャタンク10(ウォッシャポンプ12)と気液分離装置30とが第1ホース14によって接続されており、カメラ洗浄装置22と気液分離装置30とが第2ホース16によって接続されている。すなわち、ウォッシャタンク10(ウォッシャポンプ12)とカメラ洗浄装置22とが、気液分離装置30を介して接続されている。このため、カメラ洗浄装置22の手前において、洗浄液と空気(気体)とを気液分離装置30によって分離させた後に、分離させた洗浄液をカメラ洗浄装置22へ供給することができる。これにより、カメラ洗浄装置22へ供給される洗浄液において、気泡の発生及び空気(気体)の混入が抑制されるため、カメラ洗浄装置22から洗浄液(液体)を速やかに噴射させることができる。
また、気液分離装置30は排出機構60を有しており、排出機構60によって、タンク32の内部において分離された空気(気体)が外部へ排出される。これにより、分離された空気(気体)を排出機構60によって適宜排出させて、タンク32内において、分離された洗浄液を充填させることができる。
さらに、気液分離装置30では、タンク32の上壁を構成する弁体50の底壁に、気液分離装置30の外部とタンク32の内部とを連通させる連通孔56が形成されており、ソレノイド82が作動することで、弁80による連通孔56の開閉が切替えられる。これにより、弁80によって連通孔56を閉じることで、タンク32内の洗浄液の漏れを防止できると共に、弁80によって連通孔56を開くことで、タンク32内の空気(気体)を気液分離装置30の外部へ排出させることができる。
また、気液分離装置30では、タンク32の内部における洗浄液の液面の高さを検出する液面センサ90が設けられており、液面センサ90の検出信号に基づいてソレノイド82が作動して、弁80による連通孔56の閉塞状態を解除させる。このため、上述したように、タンク32内の洗浄液の液面が所定高さ以下の場合には、タンク32内の空気(気体)を連通孔56から排出させて、タンク32において洗浄液を充填させることができる。これにより、タンク32の内部における洗浄液の充填量を確保することができる。
さらに、気液分離装置30では、弁体50の底壁における下面にスロープ面50Dが形成されており、スロープ面50Dは、タンク32の径方向内側へ向かうに従い上側へ傾斜されている。そして、弁体50の底壁の中央部に、連通孔56が形成されている。これにより、タンク32の内部において分離された空気(気体)を、スロープ面50Dに沿って連通孔56へ良好に導くことができる。その結果、タンク32の空気(気体)に対する排出効果を高めることができる。
さらに、気液分離装置30では、タンク32の内部に、第1壁部40が形成されており、第1壁部40は、タンク32の径方向において、液体流入部36と対向して配置されている。また、液面センサ90が、第1壁部40に対して液体流入部36とは反対側に配置されている。このため、液体流入部36からタンク32内に洗浄液が流入(注水)されるときには、洗浄液が第1壁部40に当たるため、流入(注水)された洗浄液によって液面センサ90が直接被水することを抑制できる。これにより、液面センサ90によって洗浄液の液面高さを良好に検出することができる。
また、気液分離装置30では、タンク32の内部に、第2壁部44A〜44Cが形成されており、第2壁部44A〜44Cは、第1壁部40に対して液面センサ90側の位置において、タンク32の径方向に放射線状に延在されている。このため、例えば、車両Vの走行時における振動等によって、タンク32内における洗浄液が乱れる(揺動する)ことを抑制できる。その結果、液面センサ90によって洗浄液の液面の高さを一層良好に検出することができる。
また、気液分離装置30は、車両VのバックドアBDに設けられており、液面センサ90が気液分離装置30の軸線L1に対して車体内側に配置されている。これにより、例えば、車両VのバックドアBDが開いた状態でも、液面センサ90によってタンク32内の洗浄液を検出することができる。すなわち、図9(B)に示されるように、仮に液面センサ90を気液分離装置30の軸線L1(図9(B)では不図示)に対して車体外側に配置した場合には、車両VのバックドアBDが開かれると、洗浄液の上側に液面センサ90が配置される可能性がある(図9(B)では、洗浄液の液面を1点鎖線で図示している)。この場合には、液面センサ90の一対の電極94A、94Bが通電しないため、ソレノイド82が作動して、弁80による連通孔56の閉塞状態が解除される。これにより、タンク32内の洗浄液が連通孔56を介して気液分離装置30の外部に漏れる虞がある。これに対して、本実施の形態では、図9(A)に示されるように、液面センサ90が気液分離装置30の軸線L1(図9(A)では不図示)に対して車体内側に配置されている。このため、車両VのバックドアBDが開いた状態でも、液面センサ90を洗浄液の液面よりも下側に配置させることができる。これにより、液面センサ90の一対の電極94A、94Bの間が通電状態になるため、ソレノイド82の非作動状態を維持することができる。換言すると、弁80による連通孔56の閉塞状態を維持することができる。その結果、タンク32内の洗浄液が連通孔56を介して外部に漏れることを防止又は抑制できる。
(気液分離装置の変形例について)
次に、気液分離装置の変形例について説明する。
(変形例1)
図10及び図11を用いて、変形例1の気液分離装置100について説明する。変形例1の気液分離装置100では、以下に示す点を除いて本実施の形態と同様に構成されている。すなわち、本実施の形態の気液分離装置30では、排出機構60のソレノイド82が作動することで、プランジャ82Bが上側へ移動して(ソレノイド本体82A側へ引かれて)、弁80による連通孔56の閉塞状態を解除するようになっている。これに対して、変形例1の気液分離装置100では、ソレノイド82が作動することで、プランジャ82Bが下側へ移動して(ソレノイド本体82Aとは反対側へ押されて)、連通孔56の閉塞状態を解除するようになっている。以下、主として、気液分離装置100の排出機構60について説明する。
変形例1の気液分離装置100では、本実施の形態の気液分離装置30における押圧子84が省略されている。また、ホルダ64の中央部には、下側へ突出されたバネ収容部64Gが形成されており、バネ収容部64Gは上側へ開放された凹状を成している。そして、バネ収容部64G内に押圧バネ86が収容されている。さらに、弁体50のリブ58は、弁体50の底壁の下面から下側へ突出されている。
また、タンク本体34の内部には、後述する押圧軸104を支持する支持部102が設けられている。この支持部102は、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、タンク本体34と同軸上に配置されており、支持部102の下端部が、第2壁部44A、44B、44C及び第2連結リブ42Bに固定されている。さらに、支持部102の外周面における上端部には、支持部102の径方向内側へ切り欠かれた段差部102Aが形成されている。これにより、支持部102の上部の板厚寸法が、支持部102の下部の板厚寸法よりも小さく設定されている。
さらに、気液分離装置100は、押圧軸104を備えている。この押圧軸104は、上下方向を軸方向として支持部102内に挿入されて、支持部102によって上下方向に移動可能に支持されている。押圧軸104の長手方向中間部には、押圧軸104の径方向外側へ突出された鍔部104Aが一体に形成されている。さらに、押圧軸104の長手方向中間部には、鍔部104Aに対して上側に隣接する位置において、後述する第2押圧子84を取付ける取付部104Bが一体に形成されている。取付部104Bは、段付の略円柱状に形成されており、取付部104Bの下側部分の径寸法が取付部104Bの上側部分の径寸法に対して小さく設定されている。
また、押圧軸104の鍔部104Aと支持部102の段差部102Aとの間には、圧縮コイルスプリングとして構成された第2押圧バネ106が設けられており、第2押圧バネ106は圧縮変形した状態で支持部102によって支持されている。具体的には、第2押圧バネ106の上端が鍔部104Aに当接されており、第2押圧バネ106の下端が段差部102Aに当接されている。これにより、第2押圧バネ106の付勢力によって押圧軸104が上側へ付勢されている。また、この状態では、押圧軸104の上端部が、連通孔56の内部に配置されており、押圧軸104の上端が弁80の蓋部80Cに当接されて、弁80が初期状態にされている。
さらに、押圧軸104の取付部104Bには、第2弁108が取付られている。この第2弁108は、下側へ開放された略有底円筒状に形成されており、第2弁108の頂壁には、押圧軸104が挿通される孔部108Aが貫通形成されている。さらに、第2弁108の開口端部(下端部)における内周部には、径方向内側へ張出された爪部108Bが一体に形成されており、当該爪部108Bが取付部104Bの下側部分に係合されている。これにより、第2弁108が押圧軸104の取付部104Bを被覆するように押圧軸104に取付られている。
そして、図10に示されるように、ソレノイド82の非作動状態では、第2押圧バネ106の付勢力によって押圧軸104が上側へ付勢されることで、第2弁108が弁体50のリブ58の下端に当接されて、連通孔56が第2弁108によって閉じられている。一方、ソレノイド82が作動すると、第2押圧バネ106の付勢力に抗して、プランジャ82Bが下側へ移動される。このため、弁80を介して押圧軸104が押圧されて下側へ移動される。これにより、第2弁108がリブ58に対して下側へ移動されて、第2弁108による連通孔56の閉塞状態が解除される。さらに、このときには、弁80がプランジャ82Bによって下側へ弾性変形するが、弁80の蓋部80Cが弁体50の底壁に当接しないようにプランジャ82Bの移動量が設定されている。これにより、図11に示されるように、連通孔56が、タンク32内とインナ区画部54Aとの間を連通して、タンク32内の空気が連通孔56、インナ区画部54A、及び気体排出通路62Aを介して気液分離装置100の外部へ排出される。以上により、変形例1の気液分離装置100を用いた車両用ウォッシャシステムSにおいても、本実施の形態と同様の作用及び効果を奏する。
(変形例2)
図12を用いて、変形例2の気液分離装置200について説明する。変形例2の気液分離装置200では、タンク202と、排出機構220と、を備えており、本実施の形態の気液分離装置30における液面センサ90を備えていない。以下、具体的に説明する。
タンク202は、下側へ開放されたタンク本体204と、タンク202の下端部を構成するロアキャップ206と、を含んで構成されており、ロアキャップ206がタンク本体204の開口端部内に嵌入されて、タンク本体204の下端部が閉塞されている。ロアキャップ206には、「流入部」としての液体流入部208が一体に形成されており、液体流入部208は、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、ロアキャップ206から下側へ突出されている。また、液体流入部208の基端部は、ロアキャップ206から上側へ突出されて、タンク202の内部に配置されている。そして、液体流入部208の内部が、流入通路208Aとされており、流入通路208Aの上端部は、タンク32の径方向外側へ屈曲されてタンク202の内部に配置されている。これにより、ウォッシャタンク10からタンク202内へ流入(注水)される洗浄液によって、後述する浮子222が直接被水しない構成となっている。
また、ロアキャップ206には、液体流出部210(広義には、「流出部」として把握される要素である)が一体に形成されており、液体流出部210は、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、ロアキャップ206から下側へ突出されている。
一方、タンク本体204の上壁(すなわち、タンク202の上壁)における中央部には、気体排出部212が一体に形成されており、気体排出部212は、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、タンク202の上壁から上側へ突出されている。また、気体排出部212の内部が、連通孔212Aとされており、連通孔212Aによってタンク202の内部と気液分離装置200の外部とが連通されている。これにより、タンク202内において分離された空気(気体)が連通孔212Aによって気液分離装置200の外部へ排出される構成となっている。
タンク本体204の上壁における中央部には、下側へ突出された略円柱状のガイド部214が一体に形成されており、ガイド部214の下面が略円錐形状に抉られている。これにより、ガイド部214の下面には、スロープ面214Aが形成されており、スロープ面214Aは、ガイド部214の径方向内側へ向かうに従い上側へ傾斜されている。これより、変形例2においても、タンク202内において分離された空気(気体)が、スロープ面214Aに沿って連通孔212Aに導かれる構成となっている。
排出機構220は、タンク202内に収容された「切替機構」としての浮子222と、弁228と、を含んで構成されている。浮子222は、浮子本体224と、浮子キャップ226と、を含んで構成されている。浮子本体224は、上側へ開放された有底円筒状に形成されている。この浮子本体224の側壁には、径方向外側へ突出された複数(本実施の形態では3箇所)の浮子アーム224Aが一体に形成されており、浮子アーム224Aは浮子本体224の上下方向に亘って形成されている。また、複数の浮子アーム224Aは、浮子222の周方向に沿って等間隔毎(120°毎)に配置されており、平面視で浮子アーム224Aの外周面がタンク本体204の周方向に湾曲されている。さらに、浮子アーム224Aの外周面と、タンク本体204の側壁の内周面との間に僅かな隙間が形成されている。これにより、浮子222がタンク本体204と同軸上に配置されるようになっている。そして、タンク本体204内に洗浄液が注入されることで、浮子222が洗浄液内を浮いて上側へ移動されるように構成されている。
浮子キャップ226は、上下方向を軸方向とした略円柱状に形成されて、浮子222の上端部の内部に嵌入されている。浮子キャップ226の上面における中央部には、上側へ開放された溝部226Aが形成されており、溝部226Aは平面視で略円環状に形成されている。換言すると、溝部226Aの中央部には、突起部226Bが上方向に突出している。
弁228は、ゴム等の弾性体によって構成されている。弁228は、下側へ開放された略有底円筒状に形成されており、弁228の外径寸法は、連通孔212Aの内径寸法よりも大きく設定されている、そして、弁228の下端部が、浮子キャップ226の突起部226B内に嵌入されて、弁228が浮子キャップ226に取付けられている。詳説すると、弁228の内径は、突起部226Bの外径と略同径に設定され、弁228の外径は、溝部226Aの内径より小径に設定されることで、弁228が浮子キャップ226に取付けられている。これにより、弁228がタンク本体204と同軸上に配置されて、連通孔212Aに対して下側に配置されている。そして、弁228の上端面が、略半球状に形成されており、浮子222が上側へ移動されることで、弁228が連通孔212Aを閉塞するように構成されている。
そして、変形例2の気液分離装置200では、液体流入部208からタンク202内に洗浄液が流入(注入)されると、タンク202内の下部に洗浄液が充填される。そして、タンク202内において、洗浄液と、洗浄液に含まれた空気(気体)が分離されて、分離された空気(気体)が連通孔212Aから気液分離装置200の外部へ排出される。これにより、変形例2の気液分離装置200を用いた車両用ウォッシャシステムSにおいても、ウォッシャタンク10(ウォッシャポンプ12)からカメラ洗浄装置22へ供給される洗浄液を、カメラ洗浄装置22の手前において、気液分離装置30によって洗浄液と空気(気体)とに分離させることができる。したがって、カメラ洗浄装置22から洗浄液(液体)を速やかに噴射させることができる。
また、変形例2の気液分離装置200では、液体流入部208からタンク202内に洗浄液が流入(注入)されて、タンク202内に洗浄液が充填されると、浮子222が洗浄液内を浮いて上側へ移動する。そして、タンク202内に洗浄液が所定量に達すると、弁228によって連通孔212Aが閉塞される。これにより、変形例2の気液分離装置200でも、弁228によって連通孔212Aを閉じることで、タンク202内の液体が気液分離装置200の外側へ漏れることを抑制できる。また、タンク202の洗浄液が所定の量になったときには、タンク202の内部と外部との間の気密性を弁228によって確保することができる。
(変形例3)
図13を用いて、変形例3の気液分離装置300について説明する。変形例3の気液分離装置300では、変形例2の気液分離装置200と同様に、タンク302と、排出機構310と、を備えており、本実施の形態における気液分離装置30の液面センサ90を備えていない。以下、具体的に説明する。
タンク302は、本実施の形態の気液分離装置30におけるタンク本体34と同様に構成されたタンク本体304を備えている。すなわち、タンク本体304は、タンク本体304の側壁に設けられた「流入部」としての液体流入部306と、タンク本体304の底壁に設けられた液体流出部307と、を有している。そして、液体流入部306は、タンク本体304と別体に構成されて、タンク本体304に固定されている。なお、図13では、本実施の形態の気液分離装置30に対応する第1壁部40及び第2壁部44A〜44Cが省略されているが、変形例3においても、本実施の形態と同様に、タンク本体304に第1壁部40及び第2壁部44A〜44Cを設けてもよい。また、タンク本体304の側壁における上端部には、径方向外側へ突出されたフランジ304Aが一体に形成されており、フランジ304Aには、後述するキャップ308を固定するための固定孔304Bが上下方向に貫通されている。
また、タンク302は、タンク本体304の上端部を塞ぐキャップ308を有している。キャップ308は、上下方向を板厚方向とする略円板状に形成されたキャップ本体308Aと、キャップ本体308Aから下側へ突出された円筒状の嵌合リブ308Bと、を含んで構成されている。そして、嵌合リブ308Bがタンク本体304の上端部に嵌入されている。また、キャップ本体308Aには、タンク本体304の固定孔304Bに対応する位置において、挿通孔308Cが貫通形成されている。そして、挿通孔308C内にネジ314が挿通されて、ネジ314が固定孔304Bに螺合されることで、キャップ308がタンク本体304に固定されている。
さらに、キャップ本体308Aには、複数の連通孔308A1が形成されており、この連通孔308A1は、排出機構310を構成する、略シート状の呼吸膜312によって封止されている。この呼吸膜312は、空気の通過を許容すると共に、洗浄液(液体)の通過を抑制するように構成されている。つまり、呼吸膜312は通気性及び防水性を有する膜として構成されている。そして、呼吸膜312は、連通孔308A1を封止するように、キャップ本体308Aに一体的に固定されている。
そして、変形例3の気液分離装置300では、液体流入部306からタンク302内に洗浄液が流入(注入)されると、タンク302内の下部に洗浄液が充填される。そして、タンク302内において、洗浄液と、洗浄液に含まれた空気(気体)が分離されて、分離された空気(気体)が呼吸膜312から外部へ排出される。これにより、変形例3の気液分離装置300を用いた車両用ウォッシャシステムSにおいても、ウォッシャタンク10(ウォッシャポンプ12)からカメラ洗浄装置22へ供給される洗浄液を、カメラ洗浄装置22の手前において、気液分離装置300によって洗浄液と空気(気体)とに分離させることができる。したがって、カメラ洗浄装置22から洗浄液(液体)を速やかに噴射させることができる。
(変形例4)
図14〜図18を用いて、変形例4の気液分離装置400について説明する。変形例4の気液分離装置400では、タンク402及び排出機構420を含んで構成されると共に、本実施の形態と同様に、液面センサ90を有している。換言すると、変形例4の気液分離装置400では、本実施の形態の弁体50に対応するものを備えていない。なお、変形例4の気液分離装置400では、車両VのバックドアBDが閉じられた状態において、第2方向一方側(図14〜図18の矢印E方向側)が車両前側(換言すると車体内側)と一致し、第2方向他方側(図14〜図18の矢印F方向側)が車両後側(換言すると車体外側)と一致している。また、第1方向一方側(図14〜図18の矢印C方向側)が車両右側と一致し、第1方向他方側(図14〜図18の矢印E方向側)が車両左側と一致している。以下、具体的に説明する。
タンク402は、以下に示す点を除いて、本実施の形態のタンク本体34と同様に構成されている。すなわち、タンク402は、その内部において、筒状壁部404と、一対の第3壁部410と、を備えている。なお、図14〜図18では、本実施の形態のタンク本体34と同様に構成された部分には、同一の符号を付している。
図15〜図18に示されるように、筒状壁部404は、タンク402の底壁の略中央部に立設されると共に、液体流出部38の径方向外側において、液体流出部38の内部の流路の径方向外側において、液体流出部38の流路と同心円状を成すように略円筒形状に形成されている。また、筒状壁部404には、上下方向に延在された3箇所のスリット404A(図16参照)が形成されて、当該スリット404Aは、筒状壁部404の周方向に所定の間隔毎に配置されている。これにより、筒状壁部404が、スリット404Aによって周方向に分割されると共に、筒状壁部404の内部と外部とがスリット404Aによって連通されている。また、筒状壁部404の高さは、第1壁部40の高さと略同じに設定されている。さらに、筒状壁部404の上部における外周部は、縦断面視で段差状に切り欠かれている。すなわち、筒状壁部404の上部の板厚が、筒状壁部404の下部の板厚よりも薄く設定されている。
また、筒状壁部404の外周部には、第2方向一方側及び他方側へそれぞれ延出された一対のリブ406A、406Bが形成されている。一方のリブ406Aは、第2壁部44Aに対して第2方向他方側へ離間して配置されており、他方のリブ406Bは、第2壁部44Cに対して第2方向一方側へ離間して配置されている。これにより、リブ406A(406B)と第2壁部44A(44B)の間には、溝部408が形成されている。
一対の第3壁部410は、第2壁部44Bの第2方向一方側及び他方側の位置において、タンク402の側壁と底壁とを連結するように、板厚方向を第2方向として、タンク402の底壁から上側へ突出されている。この第3壁部410の高さは、第1壁部40の高さと略同じに設定されており、第3壁部410のおける第2方向の位置は、前述した溝部408の位置と同じ位置に設定されている。すなわち、第1方向において第3壁部410と溝部408とが重なるように配置されている。
また、上側から見た第3壁部410の先端部には、リブ410Aが一体に形成されている。このリブ410Aは、第3壁部410から第2方向一方側及び他方側へそれぞれ延出されている。このため、上側から見て、第3壁部410の先端部が、十字形状に形成されている。
さらに、タンク402の外周部には、第2方向一方側の部分において、気液分離装置400を車両V(バックドアBD)へ取付けるための車両用取付部412が一体に形成されている。この車両用取付部412は、上側から見て、第2方向一方側へ開放された略C字形状に形成されている。そして、車両用取付部412の内部に、液分離装置400をバックドアBDに取付けるためのプレート状の取付プレート414が嵌入されている。この取付プレート414には、略矩形状の係合孔414A(図15参照)が貫通形成されており、係合孔414Aが、タンク402の外周部に形成された係合突起416(図16及び図18参照)に係合されて、取付プレート414の上側への移動が制限されている。
そして、液面センサ90が、タンク402のセンサ取付部46にネジ99によって固定されている。
排出機構420は、タンク402の開口部を閉塞する蓋部422と、蓋部422に一体に形成された気体排出部424と、を含んで構成されている。蓋部422は、略円板状に形成された蓋本体部422Aと、蓋本体部422Aの外周部から下側へ延出された鍔部422Bと、を含んで構成されている。この鍔部422Bは、蓋本体部422Aの周方向全周に亘って形成されており、鍔部422Bの内側にタンク402の上端部が嵌入されている。そして、鍔部422Bが、タンク402の上端部に溶着等によって固着されている。
気体排出部424は、蓋部422の第2方向他方側の部分に一体に形成されている。この気体排出部424は、略円筒状に形成されて、蓋部422から上側へ突出されると共に、第2方向他方側(すなわち、車両後側)へ屈曲されている。また、気体排出部424の内部が気体排出通路424Aとされており、タンク402の内部と外部とが気体排出通路424Aによって連通されている。
そして、変形例4の気液分離装置400では、制御部26がウォッシャポンプ12を作動させて、タンク402内の洗浄液の液面の高さが所定高さより高い位置において略一定になるように構成されている。すなわち、変形例4では、本実施の形態と同様に、制御部26が、液面センサ90からの検出信号に基づいて、タンク402内の洗浄液の液面が所定高さよりも高いか否かを判定する。そして、タンク402内の洗浄液の液面が所定高さ以下である場合には、ウォッシャポンプ12を作動させる。そして、タンク402内の洗浄液が所定高さよりも高くなった時点で、ウォッシャポンプ12の作動を停止させて、タンク402内の洗浄液の液面の高さが略一定になるようなっている。
また、第4の変形例では、タンク402の液体流入部36からタンク402内に洗浄液が流入(注入)されると、タンク402の内部に洗浄液が充填される。そして、タンク402内において、洗浄液と、洗浄液に含まれた空気(気体)が分離されて、分離された空気(気体)が気体排出部424からタンク402の外部へ排出される。これにより、変形例4の気液分離装置400を用いた車両用ウォッシャシステムSにおいても、ウォッシャタンク10(ウォッシャポンプ12)からカメラ洗浄装置22へ供給される洗浄液を、カメラ洗浄装置22の手前において、気液分離装置400によって洗浄液と空気(気体)とに分離させることができる。したがって、カメラ洗浄装置22から洗浄液(液体)を速やかに噴射させることができる。
また、第4の変形例では、図18に示されるように、気体排出部424が、蓋部422の第2方向他方側の部分において、蓋部422から上側へ突出されると共に、第2方向他方側(すなわち、車両後側)へ屈曲されている。このため、図19に示されるように、バックドアBDを開いた状態では、気体排出部424の先端側の部分が車両上側へ向けて配置される。これにより、バックドアBDを閉じた状態(図18に示される状態)からバックドアBDを開いた状態(図19に示される状態)において、気体排出部424の先端部が、常にタンク402に対して車両上側に配置される。したがって、バックドアBDの開閉時において、タンク402内の洗浄液が気体排出部424からタンク402の外部へ漏れ出すことを防止又は抑制することができる。
さらに、第4の変形例のタンク402では、本実施の形態のタンク本体34と比べて、筒状壁部404及び一対の第3壁部410がタンク402の内部に追加された構造を成している。このため、例えば、車両Vの走行時における振動等によって、タンク402内における洗浄液の乱れ(揺動)をより一層抑制できる。その結果、液面センサ90によって洗浄液の液面の高さをより一層良好に検出することができる。
なお、本実施の形態の車両用ウォッシャシステムSでは、気液分離装置30によって分離された洗浄液をカメラ洗浄装置22に供給して、カメラ洗浄装置22によって洗浄液を車載カメラ20に噴射するようになっているが、気液分離装置30に第2ホース16を介して接続される装置はこれに限らない。例えば、車両Vの前部に配置された車載カメラを洗浄するためのカメラ洗浄装置を気液分離装置30に接続させてもよいし、車両Vのドアミラーを洗浄するためのミラー洗浄装置を気液分離装置30に接続させてもよい。また、例えば、車両Vのリアガラスを洗浄するためのリヤノズル装置を気液分離装置30に接続させてもよいし、車両Vのフロントガラスを洗浄するためのフロントノズル装置を気液分離装置30に接続させてもよい。この場合には、車載カメラ、ドアミラー、リアガラス、及びフロントガラスが、本願の「洗浄対象物」に対応し、カメラ洗浄装置、ミラー洗浄装置、リヤノズル装置、及びフロントノズル装置が、本願の「洗浄装置」に対応する。さらに、この場合には、気液分離装置30の搭載位置が、洗浄装置の搭載位置に応じて、適宜変更される。
また、本実施の形態及び変形例1の気液分離装置30、100では、弁体50の底壁における下面にスロープ面50Dが形成されているが、弁体50においてスロープ面50Dを省略してもよい。すなわち、弁体50の底壁における下面を上下方向に直交する面としてもよい。
また、本実施の形態及び変形例1、4の気液分離装置30、100、400では、3箇所の第2壁部44A〜44Cがタンク本体34の周方向に90度毎に配置されているが、第2壁部の個数及び配置位置は適宜変更可能である。
また、本実施の形態及び変形例1、4の気液分離装置30、100、400では、液面センサ90がタンク32における車体内側の端部のセンサ取付部46に固定されているが、液面センサ90を、タンク32における車体内側の端部からずらして配置させてもよい。すなわち、図6(B)に示されるように、液面センサ90が、気液分離装置30の軸線L1を通過し第2方向に沿った基準線L2に対して、車体内側(図6(B)の矢印D方向側)に配置されるように、センサ取付部46の位置を変更してもよい。この場合においても、バックドアBDが開かれた状態において、タンク本体34内の洗浄液を液面センサ90によって検出することができる。
また、本実施の形態及び変形例1の気液分離装置30、100では、液体流入部36、液体流出部38及び気体排出部62の突出方向を設定したが、これに限定されるわけではない。例えば、気体排出部62が第1方向一方側に突出されていてもよい。
また、本実施の形態では、「上下開閉式の蓋体」をバックドアBDとしたが、これに限定されることはない。例えば、トランクリッドであってもよい。
また、本実施の形態では、ウォッシャタンク10と気液分離装置30とを第1ホース14にて接続し、気液分離装置30とカメラ洗浄装置22とを第2ホース16にて接続したが、これに限定されることはない。例えば、第1ホース14を複数のホースとジョイントから構成されるものとしてもよい。また、同様に第2ホース16を複数のホースとジョイントから構成されるものとしてもよい。
10…ウォッシャタンク、20…車載カメラ(洗浄対象物)、22…カメラ洗浄装置(洗浄装置)、30…気液分離装置、32…タンク、36…液体流入部(流入部)、40…第1壁部、44A、44B、44C…第2壁部、50D…スロープ面、56…連通孔、60…排出機構、80…弁、82…ソレノイド(切替機構)、90…液面センサ、100…気液分離装置、108…弁、200…気液分離装置、202…タンク、208…液体流入部(流入部)、212A…連通孔、220…排出機構、228…弁、300…気液分離装置、302…タンク、306…液体流入部(流入部)、308A1…連通孔、310…排出機構、402…タンク、420…排出機構、BD…バックドア(上下開閉式の蓋体)、S…車両用ウォッシャシステム、V…車両

Claims (8)

  1. 内部に液体が封入されたウォッシャタンクと、
    車両の洗浄対象物に前記液体を噴射する洗浄装置と、
    前記ウォッシャタンクと前記洗浄装置との間において前記ウォッシャタンク及び前記洗浄装置に接続され、前記ウォッシャタンクから流入された前記液体と、当該液体内に含まれる気体と、を分離させて、分離された液体を前記洗浄装置へ流出させる気液分離装置と、
    を備えた車両用ウォッシャシステム。
  2. 前記気液分離装置は、
    前記ウォッシャタンクから流入された液体と、当該液体内に含まれる気体と、を分離させるタンクと、
    前記タンクの内部において分離された気体を前記タンクの外部へ排出させる排出機構と、
    を含んで構成されている請求項1に記載の車両用ウォッシャシステム。
  3. 前記排出機構は、
    前記タンクの上壁に形成され且つ前記タンクの外部と前記タンクの内部とを連通させる連通孔を開閉する弁と、
    前記弁による前記連通孔の開閉を切り替える切替機構と、
    を含んで構成されている請求項2に記載の車両用ウォッシャシステム。
  4. 前記タンクの内部には、前記液体の液面の高さを検出する液面センサが設けられており、
    前記切替機構は、前記液面センサの検出信号に基づいて作動するソレノイドとして構成されている請求項3に記載の車両用ウォッシャシステム。
  5. 前記タンクの上壁の下面には、前記上壁の中央部側へ向かうに従い上側へ傾斜されたスロープ面が形成されており、
    前記連通孔が前記上壁の中央部に形成されている請求項4に記載の車両用ウォッシャシステム。
  6. 前記タンクの側壁には、前記ウォッシャタンクと接続され且つ前記タンクの外側へ突出された流入部が設けられ、且つ前記タンクの内部には、第1壁部が形成されており、
    前記流入部が、前記第1壁部に対して前記液面センサとは反対側に配置され、
    前記第1壁部が、前記流入部の突出方向において前記流入部と対向して配置されている請求項4又は請求項5に記載の車両用ウォッシャシステム。
  7. 前記タンクの内部には、平面視で前記タンクの内部を前記タンクの周方向に仕切る第2壁部が形成されており、前記第2壁部は前記第1壁部に対して前記流入部とは反対側に配置されている請求項6に記載の車両用ウォッシャシステム。
  8. 前記気液分離装置は、車両に設けられた上下開閉式の蓋体に設けられており、
    前記液面センサが、前記タンクにおける車体内側の部分に配置されている請求項4〜請求項7の何れか1項に記載の車両用ウォッシャシステム。
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