<粉体送給装置の構成>
以下、図面を参照しながら本実施形態の粉体送給装置100について説明する。図1に示すように、本実施形態の粉体送給装置100は、粉体80を貯留するメインホッパ11と、図中に矢印で示すようにメインホッパ11から中間ホッパ21に粉体80を移送する粉体移送器12と、図中に矢印で示すように中間ホッパ21に貯留された粉体80を計量容器である計量ホッパ16に送り出す粉体供給器20と、計量ホッパ16が受け入れた粉体80の重量を計測する重量計であるロードセル34と、計量ホッパ16から粉体80を受け入れて充填容器60に導入する充填ノズル41と、充填容器60を移送するコンベア50とを含んでいる。なお、図1において、粉体移送器12及び粉体供給器20の延びる方向をX方向、上下方向をZ方向、水平面でX方向と直交する方向をY方向とする。粉体移送器12は、フレーム10に固定された電磁式バイブレータ14と、電磁式バイブレータ14の上に粉体搬送方向に向かって下向きの傾斜をつけて取り付けられ、溝型断面で粉体移送路を形成する移送トラフ13とから構成されている。電磁式バイブレータ14は、移送トラフ13を上下方向(Z方向)、前後方向(X方向)、左右方向(Y方向)に加振可能である。移送トラフ13は、電磁式バイブレータ14による上下方向(Z方向)、前後方向(X方向)、左右方向(Y方向)の加振によって各方向(XYZ方向)に振動し、その中に位置している粉体80を前方(X方向)に送り出して中間ホッパ21に落下させる。図2に示すように、中間ホッパ21は、粉体移送器12から落下した粉体80を後で説明する大トラフ24、小トラフ25の各粉体供給路に分配するように、下部がY字型に分岐している。
図2に示すように、粉体供給器20は、フレーム10に固定された電磁式バイブレータ22,23と、電磁式バイブレータ22の上に粉体搬送方向に向かって下向きの傾斜をつけて取り付けられて幅の広い溝型断面の粉体供給路を形成する大トラフ24と、電磁式バイブレータ23の上に粉体搬送方向に向かって下向きの傾斜をつけて取り付けられて幅の狭い溝型断面の粉体供給路を形成する小トラフ25とから構成されている。電磁式バイブレータ22,23は、電磁式バイブレータ14と同様、大トラフ24、小トラフ25をそれぞれ上下方向(Z方向)、前後方向(X方向)、左右方向(Y方向)に加振可能である。各トラフ24,25は、各電磁式バイブレータ22,23の加振によって各方向(XYZ方向)に振動し、その中に位置している粉体80を前方(X方向)に送り出して計量ホッパ16に落下させる。大トラフ24は小トラフ25よりも粉体供給路の幅が広いので、電磁式バイブレータ22、23を同一の振動数で振動させた場合には、単位時間により多くの粉体80を計量ホッパ16に送り出すことができる。また、各トラフ24,25が単位時間に計量ホッパ16に送り出す粉体80の重量は、各電磁式バイブレータ22、23の振動数に略比例するので、各電磁式バイブレータ22、23の振動数を変更することによって単位時間に計量ホッパ16に送りだす粉体80の重量である粉体供給速度を変更することができる。
図1に示すように、計量ホッパ16は、フレーム10に取り付けられたアーム15に回転自在に取り付けられている。アーム15には、計量ホッパ16に溜まった粉体80の重量を計測するロードセル34が取り付けられている。また、計量ホッパ16は、アクチュエータ18によって、各トラフ24,25から落下する粉体80を受け入れるように開口17が上方向に向く計量位置と、開口17を下側の充填ノズル41の方向に向けて溜まった粉体80を充填ノズル41に落下させる充填位置との間で回転移動可能となるよう構成されている。
各電磁式バイブレータ14、22、23及び、アクチュエータ18は制御部70に接続され、制御部70の指令によって動作する。また、ロードセル34は制御部70に接続され、検出信号は、制御部70に入力されるよう構成されている。制御部70は、内部にCPUと、制御プログラムや制御データを格納するメモリと、を備えるコンピュータである。
<粉体送給装置によって標準的な流動性の粉体を送給する場合の動作>
図3から図5を参照しながら本実施形態の粉体送給装置100によって標準的な流動性の粉体80を送給する場合の動作について説明する。制御部70は、粉体移送器12の電磁式バイブレータ14によって移送トラフ13を振動させ、メインホッパ11に貯留されている粉体80を中間ホッパ21に移送し、中間ホッパ21の中に所定量の粉体80を溜めておく。また、初期状態では、計量ホッパ16は、図1に示すように、開口17が上方向で各トラフ24,25から落下してくる粉体80を受け入れる計量位置となっている。
制御部70は、図3のステップS101に示すように、大供給目標値TW1,中供給目標値TW2、小供給目標値TW3、最終目標値TW4の各目標値の設定を確認する。最初、大供給目標値TW1、中供給目標値TW2、小供給目標値TW3は、標準的な流動性の粉体80を送給する場合の標準的な値である各初期設定値となっている。ここで、大供給目標値TW1は、電磁式バイブレータ22の動作を停止して大トラフ24から計量ホッパ16への粉体80の送給を停止する際の計量ホッパ16内の粉体80の重量TWの目標値である。中供給目標値TW2は、電磁式バイブレータ23の振動数を低減して小トラフ25から計量ホッパ16に送給する単位時間当たりの粉体80の重量TWを微量に変更する際の計量ホッパ16内の粉体80の重量TWの目標値である。小供給目標値TW3は、電磁式バイブレータ23の動作を停止する際の計量ホッパ16内の粉体80の重量TWの目標値である。最終目標値TW4は、電磁式バイブレータ23を停止させた後の計量ホッパ16内の粉体80の重量目標値であり、最終的に計量ホッパ16から充填容器60に移送される粉体80の重量TWの目標値である。本実施形態では、大供給目標値TW1は、最終目標値TW4の50〜90%程度、中供給目標値TW2は最終目標値TW4の95%程度、小供給目標値TW3は最終目標値TW4の98%程度であるとして説明するが、これに限定されるものではない。
制御部70は、図3のステップS102に示すように、図5の時刻0に図2に示す電磁式バイブレータ22,23を始動し、大トラフ24及び小トラフ25から粉体80を計量ホッパ16の中に送りだす。大トラフ24及び小トラフ25から送り出された粉体80は、計量ホッパ16の中に落下し、計量ホッパ16の中に溜まっていく。この際の単位時間当たりに計量ホッパ16に落下する粉体80の重量TWは、大供給速度(粉体80の重量TW/単位時間)である。計量ホッパ16の中には、大供給速度で粉体80が送給され、計量ホッパ16に送給される粉体80の重量TWは、図5のゼロ点から実線91上の点aに向かって増加していく。計量ホッパ16に送給される粉体80の重量TWは、ロードセル34によって計測され、制御部70に入力される。そして、制御部70は、図3のステップS103に示すように、計量ホッパ16に送給された粉体80の重量TWが大供給目標値TW1に達するまで電磁式バイブレータ22,23を動作させ、大トラフ24及び小トラフ25からの粉体80の送り出しを継続する。
図5の時刻t1に計量ホッパ16内の粉体80の重量TWが大供給目標値TW1に達したら、制御部70は、図3のステップS104に進み、図2に示す電磁式バイブレータ22の動作を停止し、大トラフ24からの粉体80の送り出しを停止する。電磁式バイブレータ23の動作は継続するので、図5の時刻t1以降は、小トラフ25から送り出される粉体80のみが計量ホッパ16の中に溜まっていく。この際の単位時間当たりに計量ホッパ16に落下する粉体80の重量TWは中供給速度(粉体80の重量TW/単位時間)である。中供給速度は大供給速度よりも低い速度である。計量ホッパ16の中には、中供給速度で粉体80が送給され、計量ホッパ16に送給される粉体80の重量TWは、図5の実線91上の点aから実線91上の点bに向かって増加していく。制御部70は、図3のステップS105に示すように、計量ホッパ16に送給された粉体80の重量TWが中供給目標値TW2に達するまで電磁式バイブレータ23を動作させて小トラフ25からの粉体80の送り出しを継続する。
図5の時刻t2に計量ホッパ16内の粉体80の重量TWが中供給目標値TW2に達したら、制御部70は、図3のステップS106に進み、図2に示す電磁式バイブレータ23の振動数を低減し、小トラフ25からの単位時間当たりの粉体80の送り出し量を微量である小供給速度(粉体80の重量TW/単位時間)とする。小供給速度は中供給速度よりも低い速度である。計量ホッパ16の中には、小供給速度で粉体80が送給される、計量ホッパ16中の粉体80の重量TWは、図5の実線91上の点bから実線91上の点cに向かって増加していく。制御部70は、図3のステップS107に示すように、計量ホッパ16に送給された粉体80の重量TWが小供給目標値TW3に達するまで電磁式バイブレータ23を低振動数で動作させて小トラフ25から小供給速度で粉体80の送り出しを継続する。
図5の時刻t3に計量ホッパ16内の粉体80の重量TWが小供給目標値TW3に達したら、制御部70は、図3のステップS108に進み、図2に示す電磁式バイブレータ23の動作を停止する。従って、大トラフ24と小トラフ25とを含む粉体供給器20は、図5の時刻0に始動し、図5の時刻t3に停止するので、図5の時刻0と時刻t3との間の期間は、粉体供給器動作期間ΔTRとなる。
図5の時刻t3に電磁式バイブレータ23の動作が停止しても、短時間の間、小トラフ25から粉体80が計量ホッパ16の中に落下してくる。このため、図5に示す時刻t3の後も図5に示す破線91´の様に計量ホッパ16の中の粉体80の重量TWが増加する。そして、図5に示す破線91´上の点c´で小トラフ25からの粉体80の落下が止まると、計量ホッパ16の中の粉体80の重量TWは、最終的に計量ホッパ16から充填容器60に移送される粉体80の重量TWの目標値である最終目標値TW4近傍となっている。
制御部70は、粉体供給器20の動作を停止した後、図3に示すステップS109に進み、計量ホッパ16が受け入れた粉体80の重量TWが第1下限目標重量TWsLと第1上限目標重量TWsHで規定される所定の目標重量範囲に入っているかどうか、つまり、TWsL≦TW≦TWsHとなっているかどうかを確認する。所定の目標重量範囲は充填する粉体80によって自由に決めることができるが、例えば、最終目標値TW4の±1〜2%の範囲であってもよい。図5の実線91、破線91´に沿って粉体80の送給を行った場合には、粉体80の重量TWが所定の目標重量範囲に入っているので、制御部70は、図3のステップS110に示すように、アクチュエータ18を動作させて計量ホッパ16の開口17が下向きになるように回転させ、粉体80を充填ノズル41の中に落下させ、計量ホッパ16に溜まった粉体80を充填容器60に移送する。制御部70は、充填容器60に粉体80を移送したら、コンベア50によって充填容器60を次の工程に送る。この場合、図3のステップS112,S113はスキップする。
制御部70は、図3のステップS110で粉体80を充填容器60に移送したら、図3のステップS111に進み、ロードセル34で計測した計量ホッパ16が受け入れた粉体80の重量TWと、電磁式バイブレータ23を停止させた後の計量ホッパ16内の粉体80の重量目標値であり、最終的に計量ホッパ16から充填容器60に移送される粉体80の重量TWの目標値である最終目標値TW4との間に差があれば、その差分だけ小供給目標値TW3を増減して小供給目標値TW3を調整する。その後、制御部70は、図4のステップS114に進み、粉体供給器動作期間ΔTRが下限目標期間ΔTRsLと上限目標期間ΔTRsHで規定される所定の目標期間の間に入っているか、つまり、ΔTRsL≦ΔTR≦ΔTRsHとなっているかどうかを確認する。図5に示すように、粉体80の流動性が標準的な場合、時刻0から時刻t3までの粉体供給器動作期間ΔTRは、下限目標期間ΔTRsLと上限目標期間ΔTRsHの間に入っているので、制御部70は、図4のステップS114でYESと判断し、図4のステップS115からS118に示す大供給目標値TW1の調整を行わずに粉体80の充填動作を終了する。この後、制御部70は、図3のステップS101に戻って次の充填容器60への粉体80の充填動作を開始する。従って、次の充填容器60への粉体80の充填動作における図3に示すステップS102〜S108においては、前回の充填動作の際に用いられた各設定値と同様の設定値が用いられる。
<粉体送給装置によって標準よりも流動性が高い粉体を送給する場合の動作>
次に、本実施形態の粉体送給装置100によって標準よりも流動性が高い粉体80を送給する場合の動作について説明する。先に、説明した標準的な流動性の粉体80を送給する際と同様の動作についての詳しい説明は省略する。
制御部70は、図3のステップS101に示すように各設定値を確認したら、図3のステップS102に示すように、図5の時刻0に図2に示す電磁式バイブレータ22,23を始動し、大トラフ24及び小トラフ25から粉体80を計量ホッパ16の中に送りだす。大トラフ24及び小トラフ25から送り出された粉体80は、計量ホッパ16の中に落下して計量ホッパ16の中に溜まっていく。粉体80の流動性が標準よりも高い場合、電磁式バイブレータ22,23の振動数が同一でも大トラフ24、小トラフ25から単位時間に計量ホッパ16に送りだされる粉体80の重量は先に説明した大供給速度(粉体80の重量TW/単位時間)よりも大きくなる。このため、計量ホッパ16の中には、先に説明した粉体80の流動性が標準的な場合よりも早い速度で粉体80が送給されるので、計量ホッパ16中の粉体80の重量TWは、図5のゼロ点から実線91よりも傾きが急な一点鎖線92上の点dに向かって増加していく。制御部70は、計量ホッパ16に送給された粉体80の重量TWが図5の点dに示すように大供給目標値TW1に達するまで電磁式バイブレータ22,23を動作させ、大トラフ24及び小トラフ25からの粉体80の送り出しを継続する(図3のステップS103)。
図5の時刻t4に計量ホッパ16内の粉体80の重量TWが大供給目標値TW1に達したら、制御部70は、図3のステップS104に進み、図2に示す電磁式バイブレータ22の動作を停止し、大トラフ24からの粉体80の送り出しを停止し、小トラフ25からの粉体80の送り出しのみを継続する。これにより粉体80の供給速度は低くなるが、粉体80の流動性が標準よりも高いので、小トラフ25のみで粉体80を送り出す場合の供給速度も先に説明した粉体80の流動性が標準的な場合の中供給速度よりも高くなり、計量ホッパ16内の粉体80の重量TWは、図5の一点鎖線92上の点dから点eに向かって先に説明した場合よりも早く増加していく。制御部70は、計量ホッパ16に送給された粉体80の重量TWが図5の点eに示すように中供給目標値TW2に達するまで電磁式バイブレータ23を動作させて小トラフ25からの粉体80の送り出しを継続する(図3のステップS105)。
図5の点eで計量ホッパ16内の粉体80の重量TWが中供給目標値TW2に達したら、制御部70は、図3のステップS106に進み、図2に示す電磁式バイブレータ23の振動数を低減し、小トラフ25からの単位時間当たりの粉体80の送り出し量を微量とする。先に述べたと同様、粉体80の流動性が標準よりも高いので、電磁式バイブレータ23の振動数を低減した場合に小トラフ25の粉体80の供給速度は先に説明した微量よりも高くなり、計量ホッパ16内の粉体80の重量TWは、図5の一点鎖線92上の点eから点fに向かって先に説明した場合よりも早く増加していく。制御部70は、計量ホッパ16に送給された粉体80の重量TWが図5の点fに示すように小供給目標値TW3に達するまで電磁式バイブレータ23の振動数を低減して小トラフ25からの粉体80の送り出しを継続する(図3のステップS107)。
図5の点fで計量ホッパ16内の粉体80の重量TWが小供給目標値TW3に達したら、制御部70は、図3のステップS108に進み、図2に示す電磁式バイブレータ23の動作を停止する。このように、粉体80の流動性が標準よりも高い場合、粉体供給器動作期間ΔTR1は、図5のゼロ点から点fまでの間となる。
図5の点fで電磁式バイブレータ23の動作が停止しても、短時間の間、小トラフ25から粉体80が計量ホッパ16の中に落下してくる。このため、図5に示す点fの後も図5に示す破線92´の様に計量ホッパ16の中の粉体80の重量TWが増加する。そして、図5に示す破線92´上の点f´で小トラフ25からの粉体80の落下が止まると、計量ホッパ16の中の粉体80の重量TWは、最終的に計量ホッパ16から充填容器60に移送される粉体80の重量TWの目標値である最終目標値TW4近傍となっている。
制御部70は、粉体供給器20の動作を停止した後、図3に示すステップS109に進み、計量ホッパ16が受け入れた粉体80の重量TWが、TWsL≦TW≦TWsHとなっているかどうかを確認し、粉体80の重量TWが所定の目標重量範囲に入っていたら、制御部70は、図3のステップS110に示すように、アクチュエータ18を動作させて計量ホッパ16の開口17が下向きになるように回転させ、粉体80を充填ノズル41の中に落下させ、計量ホッパ16に溜まった粉体80を充填容器60に移送する。また、粉体80の重量TWが所定の目標重量範囲に入っていない場合には、図3のステップS112に進みNG信号をディスプレイ等に表示すると共に、例えば、コンベア50によって充填容器60と形状の異なる廃棄容器を充填ノズル41の下に移動させた状態で、計量ホッパ16のアクチュエータ18によって計量ホッパ16を回転させて計量ホッパ16に溜まった粉体80を廃棄容器に移送する等によって粉体80を廃棄する。そして、制御部70は、図3のステップS113に進み、ロードセル34で計測した計量ホッパ16が受け入れた粉体80の重量TWが第2下限目標重量TWsLLと第2上限目標重量TWsHHで規定される小供給目標値TW3の調整可能範囲にいるかどうか、つまり、TWsLL≦TW≦TWsHHとなっているかどうかを確認する。小供給目標値TW3の調整可能範囲は、小供給目標値TW3を調整することによってロードセル34によって計測した計量ホッパ16が受け入れた粉体80の重量TWを、電磁式バイブレータ23を停止させた後の計量ホッパ16内の粉体80の重量目標値であり、最終的に計量ホッパ16から充填容器60に移送される粉体80の重量TWの目標値である最終目標値TW4に近づけることができる重量の範囲であり、たとえば、最終目標値TW4の±2〜3%の範囲である。これ以上、ロードセル34によって計測した計量ホッパ16が受け入れた粉体80の重量TWと最終目標値TW4との差異が大きい場合には、調整過剰となって逆にロードセル34によって計測した計量ホッパ16が受け入れた粉体80の重量TWと最終目標値TW4との差異が大きくなってしまう場合があるからである。TWsLL≦TW≦TWsHHの場合、制御部70は、図3のステップS113でYESと判断し、図3のステップS111に進み、ロードセル34によって計測した計量ホッパ16が受け入れた粉体80の重量TWと最終目標値TW4との差分だけ小供給目標値TW3増減し、図4のステップS114に進む。また、制御部70は、図3のステップS113でNOと判断した場合には、図3のステップS111をスキップして図4のステップS114に進む。
制御部70は、図4のステップS114に進み、粉体供給器動作期間ΔTRが下限目標期間ΔTRsLと上限目標期間ΔTRsHで規定される所定の目標期間の間に入っているか、つまり、ΔTRsL≦ΔTR≦ΔTRsHとなっているかどうかを確認する。図5に示すように、粉体80の流動性が標準よりも高い場合の粉体供給器動作期間ΔTR1は、下限目標期間ΔTRsLよりも短くなっているので、制御部70は、図4のステップS114でNOと判断して図4のステップS115に進み、図4のステップS115でもNOと判断して図4のステップS117に進んで、粉体供給器動作期間ΔTR1は、下限目標期間ΔTRsLよりも短いことを確認した後、図4のステップS118に進んで大供給目標値TW1を低減し、図5に示すTW11とする。
大供給目標値TW1の低減の方法は、さまざまな方法があるが、例えば、図5に示す標準的な流動性の粉体80を送給した場合の標準的な粉体供給器動作期間ΔTRとの比率、(ΔTR1/ΔTR)を大供給目標値TW1の初期設定値に掛けたものとしてもよいし、例えば、実験によって図6に示すような粉体供給器動作期間ΔTRと大供給目標値TW1を変化させるマップを準備しておき、このマップに基づいて大供給目標値TW1を低減するようにしてもよい。また、大供給目標値TW1の低減量を予め決めておき、図3、図4に示すフローチャートのステップS101からS118のループを複数回繰り返すことによって段階的に標準的な粉体供給器動作期間ΔTRに近づけるようにしてもよい。
制御部70は、図4のステップS118で大供給目標値TW1を図5に示すTW11に低減したら、粉体80の充填動作を終了する。この後、制御部70は、図3のステップS101に戻って次の充填容器60への粉体80の充填動作を開始する。
図3のステップS101に戻ったら、制御部70は各設定値の確認を行う。先に述べたように、前回の充填動作で図3、図4のフローチャートに従った動作をした結果、大供給目標値TW1は初期設定値から低減されて図5に示すTW11に変更されているので、変更後の大供給目標値TW11で粉体送給装置100が動作するように設定値がセットされているかどうかを確認する。
制御部70は、先に説明したと同様、図3のステップS102に示すように、図5の時刻0に図2に示す電磁式バイブレータ22,23を始動し、大トラフ24及び小トラフ25から粉体80を計量ホッパ16の中に送り出す。計量ホッパ16中の粉体80の重量TWは、図5のゼロ点から一点鎖線92上の点gに向かって増加していく。大供給目標値TW1は、初期設定値からTW11に変更されているので、制御部70は、図3のステップS103に示すように、計量ホッパ16に送給された粉体80の重量TWが図5の点gに示すように変更後の大供給目標値TW11に達するまで電磁式バイブレータ22,23を動作させ、大トラフ24及び小トラフ25からの粉体80の送り出しを継続する。
図5の時刻t5に計量ホッパ16内の粉体80の重量TWが変更後の大供給目標値TW11に達したら、制御部70は、図3のステップS104に進み、大トラフ24からの粉体80の送り出しを停止し、小トラフ25からの粉体80の送り出しのみを継続する。これにより、計量ホッパ16内の粉体80の重量TWは、図5の一点鎖線92上の点gから一点鎖線93上の点hに向かって増加していく。制御部70は、計量ホッパ16に送給された粉体80の重量TWが図5の点hに示すように中供給目標値TW2に達するまで電磁式バイブレータ23を動作させて小トラフ25からの粉体80の送り出しを継続する(図3のステップS105)。
図5の点hで計量ホッパ16内の粉体80の重量TWが中供給目標値TW2に達したら、制御部70は、図3のステップS106に進み、電磁式バイブレータ23の振動数を低減し、小トラフ25からの単位時間当たりの粉体80の送り出し量を微量とする。これにより、計量ホッパ16内の粉体80の重量TWは、図5の一点鎖線93上の点hから点iに向かって増加していく。制御部70は、図3のステップS107に示すように、計量ホッパ16に送給された粉体80の重量TWが図5の点iに示すように小供給目標値TW3に達したら、図3のステップS108に進み、図2に示す電磁式バイブレータ23の動作を停止する。これにより、粉体供給器20の動作が停止する。
図5の点iで電磁式バイブレータ23の動作が停止しても、短時間の間、小トラフ25から粉体80が計量ホッパ16の中に落下してくる。このため、図5に示す点iの後も図5に示す破線93´の様に計量ホッパ16の中の粉体80の重量TWが増加する。そして、図5に示す破線93´上の点i´で小トラフ25からの粉体80の落下が止まると、計量ホッパ16の中の粉体80の重量TWは、最終的に計量ホッパ16から充填容器60に移送される粉体80の重量TWの目標値である最終目標値TW4の近傍となっている。
このように、大供給目標値TW1を初期設定のTW1から低減したTW11に変更すると、大トラフ24と小トラフ25とで計量ホッパ16に粉体80を送給する期間が図5のゼロ点から一点鎖線92上の点dまでの期間から図5のゼロ点から一点鎖線92上の点gまでの期間に短くなり、小トラフ25のみで計量ホッパ16に粉体80を送給する期間が図5の一点鎖線92上の点dから点eの間から図5の一点鎖線93の点gから点hまでの期間に長くなるので、粉体送給器動作期間は図5に示すΔTR1からΔTR2まで長くなる。
制御部70は、粉体供給器20の動作を停止した後、図3に示すステップS109に進み、ロードセル34で計測した計量ホッパ16が受け入れた粉体80の重量TWが、TWsL≦TW≦TWsHとなっているかどうかを確認し、粉体80の重量TWが所定の目標重量範囲に入っていたら、制御部70は、図3のステップS110に示すように計量ホッパ16に溜まった粉体80を充填容器60に移送する。そして、制御部70は図3のステップS111に進み、ロードセル34で計測した計量ホッパ16内に溜まった粉体80の重量TWと電磁式バイブレータ23を停止させた後の計量ホッパ16内の粉体80の重量目標値であり、最終的に計量ホッパ16から充填容器60に移送される粉体80の重量TWの目標値である最終目標値TW4との間に差がある場合には、その差分だけ小供給目標値TW3を増減調整した後、図3のステップS114に進む。
制御部70は、図4のステップS114で大供給目標値TW1をTW11に変更した際の粉体供給器動作期間ΔTR2が下限目標期間ΔTRsLと上限目標期間ΔTRsHで規定される所定の目標期間の間に入っているか、つまり、ΔTRsL≦ΔTR2≦ΔTRsHとなっているかどうかを確認する。図5に示すように、大供給目標値TW1を変更した場合には、粉体80の流動性が標準よりも高い場合でも粉体供給器動作期間ΔTR2は、ΔTRsL≦ΔTR2≦ΔTRsHとなっているので、制御部70は、図4のステップS114でYESと判断して粉体80の充填動作を終了する。この後、制御部70は、図3のステップS101に戻って次の充填容器60への粉体80の充填動作を開始する。
制御部70は、次の粉体80の充填容器60への充填動作では、変更後の大供給目標値TW11を用いて粉体80の送給を行うので、粉体80の流動性が標準よりも高くなった場合でも、粉体送給器動作時間を下限目標期間ΔTRsLと上限目標期間ΔTRsHで規定される所定の目標期間の間に制御することができる。また、本実施形態の粉体送給装置100は、ロードセル34で計測した計量ホッパ16内に溜まった粉体80の重量TWと電磁式バイブレータ23を停止させた後の計量ホッパ16内の粉体80の重量目標値であり、最終的に計量ホッパ16から充填容器60に移送される粉体80の重量TWの目標値である最終目標値TW4との間に差がある場合には、その差分だけ小供給目標値TW3を増減調整するので、粉体供給中に粉体80の流動性が標準よりも高くなった場合でも粉体供給量の精度を安定させることができる。
<粉体送給装置によって標準よりも流動性が低い粉体を送給する場合の動作>
次に、本実施形態の粉体送給装置100によって標準よりも流動性が低い粉体80を送給する場合の動作について説明する。先に、説明した標準的な流動性の粉体80或いは標準よりも流動性の高い粉体80を送給する際と同様の動作についての詳しい説明は省略する。この際の動作は、基本的には先に説明した粉体80の流動性が標準よりも高い場合の動作と逆の動作となる。以下、簡単に説明する。
粉体80の流動性が標準よりも低い場合、単位時間当たりに計量ホッパ16に送給される粉体80の重量が少なくなるので、計量ホッパ16内の粉体80の重量TWは、標準的な流動性の粉体80の場合の実線91よりも傾斜の緩い図5の二点鎖線94に沿って増加していく。そして、図5に示す時間t6に二点鎖線94上の点jで大トラフ24の粉体80の送り出しを停止し、小トラフ25からのみ粉体80を計量ホッパ16に送給すると計量ホッパ16内の粉体80の重量TWは二点鎖線94に沿って中供給目標値TW2となる点kまで上昇し、その後、電磁式バイブレータ23の振動数を低減し、小トラフ25から単位時間当たり微量の粉体80を計量ホッパ16に供給すると計量ホッパ16内の粉体80の重量TWは、二点鎖線94上の点kから点lまで上昇し、点lで計量ホッパ16内の粉体80の重量TWが小供給目標値TW3となると電磁式バイブレータ23を停止し、粉体供給器20の動作が停止する。
図5の点lで電磁式バイブレータ23の動作が停止しても、短時間の間、小トラフ25から粉体80が計量ホッパ16の中に落下してくる。このため、図5に示す点lの後も図5に示す破線94´の様に計量ホッパ16の中の粉体80の重量TWが増加する。そして、図5に示す破線94´上の点l´で小トラフ25からの粉体80の落下が止まると、計量ホッパ16の中の粉体80の重量TWは、最終的に計量ホッパ16から充填容器60に移送される粉体80の重量TWの目標値である最終目標値TW4の近傍となっている。
図5に示す様に、粉体80の流動性が標準よりも低い場合には、粉体供給器20の動作期間は、図5のゼロ点から二点鎖線94上の点lまでのΔTR3となる。図5に示すように、粉体供給器動作期間ΔTR3は、上限目標期間ΔTRsHよりも長いので、制御部70は、図4のステップS114でNOと判断し、図4のステップS115に進み、図4のステップS115でYESと判断して図4のステップS116に進んで、例えば、図6に示すマップを参照して大供給目標値TW1を増加させて、図5に示すTW12とする。
制御部70は、図4のステップS116で大供給目標値TW1をTW12に増加したら、粉体80の充填動作を終了する。この後、制御部70は、図3のステップS101に戻って次の充填容器60への粉体80の充填動作を開始する。
図3のステップS101に戻ったら、制御部70は各設定値の確認を行う。先に述べたように、前回の充填動作で図3、図4のフローチャートに従った動作をした結果、大供給目標値TW1は初期設定値から増加されて図5に示すTW12に変更されているので、変更後の大供給目標値TW12で粉体送給装置100が動作するように設定値がセットされているかどうかを確認する。
制御部70は、先に説明したと同様、図3のステップS102に示すように、図5の時刻0に図2に示す電磁式バイブレータ22,23を始動し、大トラフ24及び小トラフ25から粉体80を計量ホッパ16の中に送り出す。計量ホッパ16中の粉体80の重量TWは、図5のゼロ点から二点鎖線95上の点mに向かって増加していく。大供給目標値TW1は、初期設定値からTW12に変更されているので、制御部70は、計量ホッパ16に送給された粉体80の重量TWが図5の点mに示すように変更後の大供給目標値TW12に達するまで電磁式バイブレータ22,23を動作させ、大トラフ24及び小トラフ25からの粉体80の送り出しを継続する(図3のステップS103)。
図5の時刻t7に計量ホッパ16内の粉体80の重量TWが変更後の大供給目標値TW12に達したら、制御部70は、図3のステップS104に進み、大トラフ24からの粉体80の送り出しを停止し、小トラフ25からの粉体80の送り出しのみを継続する。これにより、計量ホッパ16内の粉体80の重量TWは、図5の二点鎖線95上の点mから二点鎖線95上の点nに向かって増加していく。制御部70は、計量ホッパ16に送給された粉体80の重量TWが図5の点nに示すように中供給目標値TW2に達するまで電磁式バイブレータ23を動作させて小トラフ25からの粉体80の送り出しを継続する(図3のステップS105)。
図5の点nで計量ホッパ16内の粉体80の重量TWが中供給目標値TW2に達したら、制御部70は、図3のステップS106に進み、電磁式バイブレータ23の振動数を低減し、小トラフ25からの単位時間当たりの粉体80の送り出し量を微量とする。これにより、計量ホッパ16内の粉体80の重量TWは、図5の二点鎖線95上の点nから点oに向かって増加していく。制御部70は、計量ホッパ16に送給された粉体80の重量TWが図5の点oに示すように小供給目標値TW3に達したら、図3のステップS108に進み、図2に示す電磁式バイブレータ23の動作を停止する(図3のステップS107)。これにより、粉体供給器20の動作が停止する。
図5の点oで電磁式バイブレータ23の動作が停止しても、短時間の間、小トラフ25から粉体80が計量ホッパ16の中に落下してくる。このため、図5に示す点oの後も図5に示す破線95´の様に計量ホッパ16の中の粉体80の重量TWが増加する。そして、図5に示す破線95´上の点o´で小トラフ25からの粉体80の落下が止まると、計量ホッパ16の中の粉体80の重量TWは、最終的に計量ホッパ16から充填容器60に移送される粉体80の重量TWの目標値である最終目標値TW4の近傍となっている。
このように、大供給目標値TW1を初期設定のTW1から増加したTW12に変更すると、大トラフ24と小トラフ25とで計量ホッパ16に粉体80を送給する期間が図5のゼロ点から二点鎖線94上の点jまでの期間から図5のゼロ点から二点鎖線95上の点mまでの期間に長くなり、小トラフ25のみで計量ホッパ16に粉体80を送給する期間が図5の二点鎖線94上の点jから点kの間から図5の二点鎖線95の点mから点nまでの期間に短くなるので、粉体送給器動作期間は図5に示すΔTR3からΔTR4に短くなる。
図5に示すように、大供給目標値TW1を増加させてTW12に変更した場合には、粉体80の流動性が標準よりも低い場合でも粉体供給器動作期間ΔTR4は、ΔTRsL≦ΔTR4≦ΔTRsHとなっているので、制御部70は、図4のステップS114でYESと判断して粉体80の充填動作を終了する。この後、制御部70は、図3のステップS101に戻って次の充填容器60への粉体80の充填動作を開始する。なお、制御部70は、図3のステップS111に示すように、ロードセル34で計測した計量ホッパ16内に溜まった粉体80の重量TWと最終的に計量ホッパ16から充填容器60に移送される粉体80の重量TWの目標値である最終目標値TW4との間に差がある場合には、その差分だけ小供給目標値TW3を増減調整する。
次の粉体80の充填容器60への充填動作では、変更後の大供給目標値TW12を用いて粉体80の送給を行うので、粉体80の流動性が標準よりも低くなった場合でも、粉体送給器動作期間を下限目標期間ΔTRsLと上限目標期間ΔTRsHで規定される所定の目標期間の間に制御することができる。また、本実施形態の粉体送給装置100は、ロードセル34で計測した計量ホッパ16内に溜まった粉体80の重量TWと最終的に計量ホッパ16から充填容器60に移送される粉体80の重量TWの目標値である最終目標値TW4との間に差がある場合には、その差分だけ小供給目標値TW3を増減調整するので、粉体供給中に粉体80の流動性が標準よりも低くなった場合でも粉体供給量の精度を安定させることができる。
以上説明したように、本実施形態の粉体送給装置100は、粉体供給器20の始動から停止までの期間が所定の目標期間となるように大供給目標値TW1を調整し、粉体供給器20の停止後にロードセル34で計測した粉体重量TWと、粉体供給器20停止後の計量ホッパ16内の粉体80の重量目標値である最終目標値TW4との差分だけ小供給目標値TW3を調整することにより、粉体80の流動性が変化した場合でも粉体供給期間を安定させることができる。また、本実施形態の粉体送給装置100は、粉体供給中に粉体80の流動性が変化した場合でも粉体供給量の精度を安定させることができる。さらに、大供給目標値TW1と小供給目標値TW3の間に中供給目標値TW2を設定することにより、粉体80の流動性や大トラフ24、小トラフ25の粉面高さ等の影響により粉体供給量が安定しにくい粉体送給装置100であっても、粉体供給量の精度や粉体供給期間をさらに安定させることができる。
以上説明した実施形態では、電磁式バイブレータ14,22,23は、移送トラフ13、大トラフ24、小トラフ25を上下方向(Z方向)、前後方向(X方向)、左右方向(Y方向)に加振可能で、移送トラフ13、大トラフ24、小トラフ25は、電磁式バイブレータ14,22,23による上下方向(Z方向)、前後方向(X方向)、左右方向(Y方向)の加振によって各方向(XYZ方向)に振動することとして説明したが、各電磁式バイブレータ14,22,23はこれに限らず、例えば、上下方向(Z方向)の加振をするものであってもよいし、上下方向(Z方向)、前後方向(X方向)の加振をするものであってもよい。この場合、各トラフ13,24,25は、それぞれ上下方向、或いは上下方向と前後方向に振動して粉体80を前方(X方向)に送り出する。
次に、図7,図8を参照しながら、粉体送給装置100の他の動作について説明する。先に図3、図4を参照して説明した動作と同様の動作には同様の符号を付して説明は省略する。
本動作では、図3のステップS109と同様、図7のステップS109において、ロードセル34で計測した計量ホッパ16が受け入れた粉体80の重量TWが、TWsL≦TW≦TWsHとなっていない場合(図7のステップS109でNOと判断した場合)、すぐに粉体80を廃棄せず、図7のステップS113に進み、ロードセル34で計測した計量ホッパ16が受け入れた粉体80の重量TWがTWsLL≦TW≦TWsHHとなっているかどうかを確認し、粉体80の重量TWがTWsLL≦TW≦TWsHHとなっていない場合、つまり、図7のステップS113でNOと判断した場合には、図8のステップS112に進んでNG信号をディスプレイ等に表示すると共に計量ホッパ16に溜まった粉体80を廃棄容器に移送する等によって粉体80を廃棄する。また、制御部70は、図7のステップS113でYESと判断した場合には、図7のステップS119に進んで計量ホッパ16に溜まった粉体80を充填容器60に移送する。そして、制御部70は、図7のステップS111に進み、ロードセル34で計測した計量ホッパ16内に溜まった粉体80の重量TWと最終的に計量ホッパ16から充填容器60に移送される粉体80の重量TWの目標値である最終目標値TW4との間に差がある場合には、その差分だけ小供給目標値TW3を増減調整した後、図8のステップS114に進む。
一方、本動作では、図7のステップS109でYESと判断した場合には、小供給目標値TW3の調整をせずにステップ図8のステップS114に進む。
本動作では、最終的に計量ホッパ16から充填容器60に移送される粉体80の重量TWの範囲が図3、図4の動作の場合の、TWsL≦TW≦TWsH、から、TWsLL≦TW≦TWsHHに広がるので、図3、図4の動作に比べて粉体供給量の精度は低くなるものの、廃棄する粉体80の量を低減しつつ粉体80の流動性が変化した場合でも粉体供給期間を安定させることができる。
次に、図9,10を参照しながら、粉体送給装置100のもう一つの他の動作について説明する。先に図7、図8を参照して説明した動作と同様の動作には同様の符号を付して説明は省略する。図7,8を参照して説明した動作では、小供給目標値TW3の調整可能範囲を粉体80を充填容器60に移送しうる最大重量範囲であるTWsLL≦TW≦TWsHHと同じ範囲としたが、本実施形態では、第1下限目標重量TWsLと第2下限目標重量TWsLLとの間に第3下限目標重量TWsL1を、第1上限目標重量TWsHと第2上限目標重量TWsHHとの間に第3上限目標重量TWsH1を設定し、TWsL1≦TW≦TWsH1の場合には重量TWと最終目標値TW4との差分だけ小供給目標値TW3を増減し、重量TWがTWsL1≦TW≦TWsH1の範囲外の場合には、小供給目標値TW3の調整動作を行わないようにするものである。
本動作では、図7のステップS109と同様、図9のステップS109でTWsL≦TW≦TWsHとなっているかどうかを確認し、TWsL≦TW≦TWsHとなっていない場合、つまり、図9のステップS109でNOと判断した場合には、図9のステップS120に進んで、TWsL1≦TW≦TWsH1かどうかを判断する。そして、図9のステップS120でYESと判断した場合には、図9のステップS121で粉体80を充填容器60に移送した後、図9のステップS111に進んで、重量TWと最終目標値TW4との差分だけ小供給目標値TW3を増減し、図10のステップS114に進む。
一方、ステップS120でNOと判断した場合、つまり、重量TWがTWsL1≦TW≦TWsH1の範囲外の場合には、図9のステップS113に進み、TWsLL≦TW≦TWsHHとなっているかどうかを確認し、TWsLL≦TW≦TWsHHの場合、図9のステップS113でYESと判断し、図9のステップS119で粉体80を充填容器60に移送した後、図10のステップS114に進む。この場合、小供給目標値TW3の増減は行わない。また、図9のステップS113でNOと判断した場合には、図10のステップS112に進み、NG信号をディスプレイ等に表示し、計量ホッパ16に溜まった粉体80を廃棄する。
本動作は、例えば、粉体80の流動性のバラツキ等により一時的に重量TWがTWsL1≦TW≦TWsH1の範囲外となってしまうような場合に、小供給目標値TW3を増減しないので、小供給目標値TW3が調整過剰となってしまうことを抑制し、図7,8を参照して説明した動作よりも精度よく粉体供給量および粉体供給期間を安定させることができる。
なお、以上説明した実施形態では、バイブレータは電磁式のバイブレータとして説明したが、本発明は、機械式等電磁式以外の駆動方式にバイブレータを用いた粉体送給装置にも適用することができる。
次に、図11,12を参照しながら本実施形態の粉体送給装置100のさらにもう一つの他の動作について説明する。図1から図6を参照して説明した実施形態と同様のステップには同様の符号を付して説明は省略する。
図11に示すように、本動作は、図3に示すステップS104からステップS106に代えて、図11に示すステップS151を実行するものである。つまり、図11のステップS102で大トラフ24、小トラフ25によって粉体80の供給を開始した後、ロードセル34によって計測した計量ホッパ16が受け入れた粉体80の重量TWが大供給目標値TW1に達したら、大トラフ24を停止すると共に、小トラフ25からの単位時間当たりの粉体80の送り出し量を微量である小供給速度とし、ロードセル34によって計測した計量ホッパ16が受け入れた粉体80の重量TWが小供給目標値TW3になるまで小供給速度で粉体80を送り出し、粉体80の重量TWが小供給目標値TW3になったら粉体供給器20を停止するものである。図11のステップS109から図12のステップS118までの動作は、図3,4のステップS109からS118までの動作と同様である。
本動作では、大供給目標値TW1と小供給目標値TW3の間に中供給目標値TW2を設定していないが、粉体供給器20の始動から停止までの期間が所定の目標期間となるように大供給目標値TW1を調整し、粉体供給器20の停止後にロードセル34で計測した粉体重量TWと、粉体供給器20の停止後の計量ホッパ16内の粉体80の重量目標値である最終目標値TW4との差分だけ小供給目標値TW3を調整するとことにより、粉体80の流動性が変化した場合でも粉体供給期間を安定させることができる。また、本実施形態の粉体送給装置100は、粉体供給中に粉体80の流動性が変化した場合でも粉体供給量の精度を安定させることができる。