JP4975486B2 - 樹脂計量装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体チップ等が搭載された基板を樹脂にて封止する樹脂封止装置の技術分野に関する。
例えば、図4(a)に示されるように、金型のキャビティ7内にあらかじめ所定量の樹脂6を投入して半導体搭載基板4を上部金型1と枠状金型2との間にセットし、その後、図4(b)に示すように、上部金型1と枠状金型2によって基板4を挟み込み、図示せぬヒーターにより加熱した圧縮金型3を上昇させることによって樹脂6を加熱溶融させる樹脂封止装置Xが知られている(特許文献1参照)。
このような樹脂封止装置Xに対してより精度よく所定量の樹脂を供給するために、粒状又は粉状の樹脂を供給するための装置として、図5に示す樹脂供給装置Yが知られている(特許文献1参照)。この樹脂供給装置Yは、樹脂供給量制御手段10を電子天秤(計量器)12上に直接載置したものである。
樹脂供給量制御手段10は、樹脂の供給量を調整する機能と樹脂を直接キャビティC内に搬送・供給する機能の双方の機能を有する。この樹脂供給量制御手段10は、漏斗14、樹脂溜まり16、供給ノズル18、及び平形ノズル20を備える。
この樹脂供給装置Yでは、最終的に必要となる樹脂の量(最終目標値)よりも手前に、段階的に手前目標値を設定し、当該手前目標値を目指して供給された樹脂の未達量(最終目標値に対する未達量)が、最終的に最終目標値から見て誤差の範囲内に収まるように制御されている。
特開2005−335117号公報
上記説明した樹脂供給装置Yによれば、未達量が最終目標値の誤差範囲内に収まるまで計量と追加供給が繰り返されるため、最終的に必ず供給量が最終目標値の誤差範囲内に収まるように供給することが理論的に可能である。
しかしながら、単に手前目標値を設け、当該手前目標値を基準として樹脂の供給を行なった場合でも、樹脂供給量制御手段の出力が一定のままでは、勢い余って最終目標値を超えて樹脂が供給されてしまう可能性が高い。一方、図6に示すように、手前目標値を境に段階的に樹脂供給量制御手段の出力を落としたのでは、最終目標値に達するまでに時間が掛かることとなる。
本発明は、このような問題点を解決するべくなされたものであって、樹脂供給量制御手段による樹脂の供給を最終目標値を超えることが無い範囲でより迅速に行うことをその課題としている。
本発明は、樹脂の供給量を調整する機能及び前記樹脂を所定の場所に搬送・供給する機能の双方の機能を有する樹脂供給量制御手段と、前記樹脂供給量制御手段により供給される前記樹脂の樹脂量を計量可能な計量器と、前記計量器の計量結果に基づいて前記樹脂供給量制御手段の出力を変化させる演算装置とを備えた樹脂供給装置であって、前記樹脂供給量制御手段により供給される前記樹脂の最終目標値に対して段階的にn個(n=1以上の整数)の手前目標値を設定し、前記樹脂の供給量が前記手前目標値を超えた場合に、前記出力を連続的に低減させることにより、上記課題を解決するものである。
このような制御を行うことによって、最終目標値又は次段の手前目標値に対する未達量(不足分)に応じて、連続的に樹脂供給量制御手段の出力が低減する。その結果、出力を段階的に低減される場合に比べて樹脂が最終目標値まで供給されるまでの時間を短縮することが可能となっている。更に、最終目標値に達する直前には、樹脂供給量制御手段の出力略0に近い値にもできるため、樹脂が勢い余って最終目標値を超えて供給されてしまうことを防止している。
又、前記樹脂供給量制御手段の態様は種々考えられ、例えば、前記樹脂供給量制御手段が振動発生手段を備え、振動により前記樹脂の供給量を調整している場合や、前記樹脂供給量制御手段が、スクリュウコンベアを備え、該スクリュウコンベアの駆動により前記樹脂の供給量を調整している場合、更に、前記樹脂供給量制御手段が、ベルトコンベアを備え、該ベルトコンベアの駆動により前記樹脂の供給量を調整している態様のものが想定できる。
なおここでの出力とは、振動発生手段における振動強度、スクリュウコンベア、ベルトコンベアにおける回転速度のことを意味する場合の他、これら振動強度、回転速度が変化する結果としての樹脂の搬送能力自体のことをも意味するものである。
本発明を適用することにより、供給される樹脂量を安定させることが可能となる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例にかかる樹脂供給装置100の斜視図である。
この樹脂供給装置100は、樹脂供給量制御手段110を電子天秤(計量器)112上に直接載置したものである。
樹脂供給量制御手段110は、樹脂の供給量を調整する機能と樹脂を直接キャビティC内に搬送・供給する機能の双方の機能を有する。この樹脂供給量制御手段110は、漏斗114、樹脂溜まり116、供給ノズル118、及び平形ノズル120を備える。
漏斗114は、ほぼ錐形形状とされ、所定量の樹脂を保持可能である。樹脂溜まり116は、箱形状とされ、漏斗114の下部に配置されている。樹脂溜まり116は、漏斗114から落下してくる樹脂を受け止め、供給ノズル118側に送り出す機能を有する。供給ノズル118は、樹脂溜まり116の側面116Aに接続され、樹脂溜まり116側から送られてきた樹脂を、平形ノズル120にまで搬送する。供給ノズル118は、樹脂溜まり116側の樹脂を円滑に平形ノズル120にまで搬送できるように、その平形ノズル120側が樹脂溜まり116側より下方に約15度傾斜した状態で設置されている。平形ノズル120は、樹脂の落下を防止するための立壁120Aを備えた平板状のトレイであり、樹脂を広範囲に均等に拡散させた状態でキャビティC内に供給するためのものである。
樹脂供給量制御手段110は、支柱122を備える。支柱122は、漏斗114、樹脂溜まり116、供給ノズル118、及び平形ノズル120を支持している。支柱122には、振動子(振動発生手段)124が取り付けられている。振動子124は、樹脂溜まり116を介して漏斗114、供給ノズル118、及び平形ノズル120の全体に振動を発生させることが可能である。樹脂溜まり116の反供給ノズル側には、錘126が取り付けられている。錘126は、樹脂溜まり116等と共振して該樹脂溜まり116の後部を連打することにより、振動子124によって発生された振動を増幅可能である。
漏斗114の中央には、樹脂溜まり116の中心部に至る振動棒(振動体)128が振動子124の振動によって振動(或いは揺動)自在に取り付けられている。
支柱122には台座130及び防振材132を介して電子天秤112上に載置されている。電子天秤112は、供給されるべき樹脂の重量を樹脂供給量制御手段110の重量ごと計量可能である。
この樹脂供給量制御手段110には演算装置136が付設されている。演算装置136は、電子天秤112の計量結果を受け取り、所定の演算を行った結果に基づいて振動子124に所定の時間だけ振動させるための指令を発信する。振動子124の振動により、漏斗114、樹脂溜まり116、供給ノズル118、及び平形ノズル120の全体が振動し、それぞれの位置に存在する樹脂が振動された時間に応じた量だけ移動し、キャビティC内に落下・供給される搬送構成とされている。
なお、本実施形態では、キャビティCに対して直接樹脂を供給する構成とされているが、この構成に限定されるものではない。例えば、キャビティC以外の部分に一旦供給した後、供給した樹脂に何らかの加工(例えば仮形成等)を行なった上でキャビティCに供給するような場合であっても何ら差し支えないものである。
又、本実施形態では、電子天秤(計量器)112上に、樹脂供給量制御手段110を直接載置しているが、このような構成に限定されるものでもない。例えば、供給された側の重量の変化を検知してもよい。供給した樹脂の量が計量できる限りにおいて、種々の構成を採用することが可能である。
次に、図2をあわせて参照しつつ、当該樹脂供給装置100の作用を説明する。図2は、樹脂供給量制御手段110の出力を比例的に低減する場合を示したグラフである。縦軸が樹脂供給量制御手段110の出力であり、横軸が時間軸である。又、当該グラブにおける斑点部分の面積が、樹脂供給量制御手段110によって供給された樹脂の量を表している。なお斜線部の面積は、比較として、段階的に出力が低減された場合の樹脂の量を表している。
まず、漏斗114にキャビティCに供給すべき供給量の最終目標値Aeよりも若干多めの樹脂を投入し、電子天秤112が安定信号を発したときの電子天秤112上の重量を計量する。この重量は、漏斗114内に投入された樹脂のほか、樹脂供給量制御手段110を構成する一切の部材の重量及び防振材の重量の合計値に相当する。重量は初期値として演算装置136に記録される。
次に、演算装置136の指令により、振動子124に対して振動指令が発信される。これにより、漏斗114、樹脂溜まり116、供給ノズル118、及び平形ノズル120の全体が振動し、それぞれの位置に存在する樹脂が振動された時間に応じた量だけ移動する。この移動に伴い、平形ノズル120からキャビティC内に樹脂が所定量だけ供給される。
振動子124の振動によって漏斗114内の樹脂が順次平形ノズル120を介してキャビティC内に供給されると、供給された樹脂量に相当する分だけ電子天秤112の計量値(現在供給量)が減少してゆく。この減少状態を、演算装置136によって連続的にモニタし、初期値から現在値(現在供給量)を差し引くことによって供給量を算出する。
こうして求められた供給量が第1の手前目標値A1よりも大きくなったか否かが判断される。手前目標値Aとは、使用される樹脂の種類、樹脂供給量制御手段の種類等に応じて任意に設定する手前目標値のことである。ここでの手前目標値は1つとされているが、複数の手前目標値を設定してもよい(詳細は後述する)。
供給量が手前目標値Aよりも少ないと判断されている間は当初と同じ出力で振動子124が振動する。供給量が手前目標値A以上となったと判断された段階で振動子124の振動(出力)が低減されはじめる。
この低減の態様は、図2を見ても明らかなように、所定の変数に応じて比例的に低減している。ここでの所定の変数は、最終目標値Aeと手前目標値Aとの差の値に対する、最終目標値Aeと現在供給量との差の値である。即ち、現在供給量が手前目標値Aに至った後は、出力「0」に向って直線的に(比例的に)出力が低減するように制御される。この直線の傾きは、設定する手前目標値Aの値によって変化し得るものであり、図2で例示したように約45度の傾きを持つものではない。
その結果、斜線で示した段階的に出力を低減した場合に比べて、T1分だけ最終目標値Aeまでの供給時間の短縮を図ることができる。又、段階的に出力を低減した場合は樹脂が最終目標値Aeに達する瞬間に未だP1分だけの出力(樹脂供給量制御手段の出力)があるため、樹脂が勢い余って(最終目標値Aeを超えて)供給されてしまう可能性がある。しかしながら、本発明の実施形態の場合は、最終目標値Aeに向かって比例的に出力が低減し、最終目標値Aeに達する瞬間には出力も略「0」となるため、樹脂が勢い余って(最終目標値Aeを超えて)供給されてしまうことは無い。
次に、図3を参照しつつ、複数の手前目標値を設定した場合の実施形態について説明する。ここでは、最終目標値Aeに達するまでの段階に、3つの手前目標値(第1手前目標値A1、第2手前目標値A2、第3手前目標値A3)が設定されている。なお、2つの手前目標値を設定してもよく、更に4つ以上の手前目標値を設定してもよい。これらの場合においても基本的な考え方は共通である。また、1個目の手前目標値(第1手前目標値)A1が最終目標値Aeに対して最も離れて設定されている目標値であり、2個目、3個目…n個目となるにしたがって、最終目標値Aeに近似した値となる。
ここでは、樹脂供給量制御手段における現在供給量が1個目の手前目標値(第1手前目標値A1)を超えた場合の所定の変数が、2個目の手前目標値A2と1個目の手前目標値A1との差の値に対する、2個目の手前目標値A2と現在供給量との差の値であり、且つ、現在供給量が2個目の手前目標値(第2手前目標値A2)を超えた場合の所定の変数が、3個目の手前目標値A3と2個目の手前目標値A2との差の値に対する、3個目の手前目標値A3と現在供給量との差の値であり、且つ、現在供給量が3個目の手前目標値(第3手前目標値A3)を超えた場合の所定の変数が、最終目標値Aeと3個目の手前目標値A3との差の値に対する、最終目標値Aeと現在供給量との差の値である。即ち、現在供給量が第1手前目標値A1に至った後は、第2手前目標値A2の時点で発揮されるように予め設定した出力(図3では80%)に向って直線的に(比例的に)出力が低減するように制御され、現在供給量が第2手前目標値A2に至った後は、第3手前目標値A3の時点で発揮されるように予め設定した出力(図3では50%)に向って直線的に(比例的に)出力が低減するように制御され、更に、現在供給量が第3手前目標値A3に至った後は、出力「0」に向って直線的に(比例的に)出力が低減するように制御される。これらの直線の傾きは、設定するそれぞれの手前目標値の値及びそれら手前目標値において発揮されるべき出力の設定値によって変化し得るものである。最終目標値Aeまでの供給時間の短縮に重点をおく場合には、最終目標値Aeに近づくにつれて徐々にこの傾きが強くなるような設定をすれば好ましい。
なお、本発明でいう「比例的に」とは、あくまで樹脂供給量制御手段の出力の分解能に制約を受けるため、ミクロ的な視点で見れば階段状に出力が変化している場合を含む概念である。
又、樹脂供給量制御手段の態様は種々考えられ、上記説明した振動子の振動によるものの他、樹脂供給量制御手段がスクリュウコンベアを備え、該スクリュウコンベアの駆動により樹脂の供給量を調整している場合や、更に、樹脂供給量制御手段がベルトコンベアを備え、該ベルトコンベアの駆動により前記樹脂の供給量を調整している態様のものであってもよい。
キャビティ内に、半導体チップ等を搭載した被成形品及び樹脂を投入し圧縮成形する樹脂封止装置の樹脂供給装置として利用可能である。
本発明の実施形態の一例にかかる樹脂供給装置100の斜視図 本発明の実施形態の一例である樹脂供給量制御手段の出力を比例的に低減する場合を示したグラフ 本発明の実施形態の一例である樹脂供給量制御手段の出力を比例的に低減する場合であって、手前目標値が複数ある場合を示したグラフ 樹脂封止装置(圧縮成形型)Xの概略構成図 特許文献1に記載される樹脂供給装置Yの斜視図 樹脂供給量制御手段の出力を段階的に低減する場合を示したグラフ
符号の説明
100…樹脂供給装置
110…樹脂供給量制御手段
112…電子天秤(計量器)
114…漏斗
116…樹脂溜まり
118…供給ノズル
120…平形ノズル
122…支柱
124…振動子(振動発生手段)
128…振動棒(振動体)
130…台座
132…防振材
A…手前目標値
Ae…最終目標値
C…キャビティ

Claims (2)

  1. 脂の供給量を調整する機能及び前記樹脂を所定の場所に搬送・供給する機能の双方の機能を有する樹脂供給量制御手段と、前記樹脂供給量制御手段により供給される前記樹脂の樹脂量を計量可能な計量器と、前記計量器の計量結果に基づいて前記樹脂供給量制御手段の出力を変化させる演算装置とを備えた樹脂供給装置であって、
    前記樹脂供給量制御手段により供給される前記樹脂の最終目標値に対して段階的にn個(n=1以上の整数)の手前目標値を設定し、
    前記樹脂の供給量が前記手前目標値を超えた場合に、前記出力を連続的に低減させる
    ことを特徴とする樹脂供給装置。
  2. 請求項1において、
    前記演算装置は、前記樹脂の供給量が前記最終目標値に達するときに前記樹脂供給量制御手段の出力が略0となるように該出力を連続的に低減させ
    ことを特徴とする樹脂供給装置。
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