JP6637095B2 - セラミック薄膜の低温堆積方法 - Google Patents

セラミック薄膜の低温堆積方法 Download PDF

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[関連出願の相互参照]
本願は、2012年12月21日に出願された米国仮特許出願第61/745,523号に対して優先権が主張され、その内容は、参照により本願明細書に援用したものとする。
本発明は、一般に、薄膜の堆積、特に、原子層堆積(ALD)、ナノ層堆積(NLD)、及び化学気相成長(CVD)による炭化物、窒化物、及び炭窒化物のような混合相のセラミック薄膜の低温堆積方法に関する。
ケイ素、ゲルマニウム、及びホウ素の炭化物、窒化物、及び炭窒化物、並びにそれらの混合相の薄膜は、高温及び高出力な電子デバイス、過酷な環境において動作するセンサ、耐腐食及び耐摩耗コーティング、並びに発光ダイオード(LED)の製造等における、重要且つ広範囲に及ぶ用途を有する。これらの材料の薄膜の堆積について、一般的に行われている方法には、スパッタリング、物理気相成長(PVD)、化学気相成長(CVD)、及び原子層堆積(ALD)、並びにプラズマを含む種々の他の堆積方法を含む。これらの薄膜の堆積方法では、しかしながら、CVD及びALDは、膜の質、組成、均一性、接着性、及び広範囲の被覆に関して表す種々の利点のため、これらの方法の双方が広く行われている。
工業的に広く採用されているCVD処理は、流動(flux)に依存する処理である。動力学的に限られた状態においては、CVD処理は基板の温度にも敏感である。しかしながら、CVD処理は、数ミクロン/時〜100ミクロン/時の範囲に及ぶ高い堆積速度で稼動でき、工業的な製造にかなり有用である。他方、ALD処理は、薄膜の均一性と、基体が流動に依存せず、それゆえ基板の大きさ及び形状に依存しない点から、対応するCVD処理を超えるいくつかの大きな利点がある。加えて、ALD処理では、サブミクロンスケールの基板におけるコーティング、ある場合には、化学前駆体とのその基体の表面触媒的相互作用を示すより低い堆積処理温度も特徴である。しかしながら、ALDは、対応するCVD処理と比べてより低い膜堆積速度(一桁又はさらに低い場合もある)に悩まされる。
さらに、典型的なCVD処理では、2以上の反応性ガス(化学前駆体)は混合され、広い範囲の堆積を達成するのに有用である加熱した基板を通過させる。このような手順は、化学前駆体が混合の際に予め反応する傾向を示さない場合のみに適している。しかしながら、ある場合において、化学前駆体が互いに強い反応性を示すなら、そのガスは、基板表面に届くまでに分離させざるを得ず、しかし同時に基板上に均一に分散されなければならない。そのような要求は、デュアルインジェクターCVD反応器の整備及び運用をむしろ複雑にさせる。
ALD処理の場合では、化学前駆体は、順次、処理容器に送られ、化学前駆体はパージガスにより分散される。パージガスは、実際上では、膜堆積の化学反応に能動的に関与しない任意の気体である。流動に依存しないため、ALD処理では、均一な反応物質の分散は、典型的には必要ではない。従って、ALD処理を行うには、反応物質インジェクターの簡単な分離で十分である。これらの利点は、CVD処理の実施を複雑にし得るものである、ALD処理に対してかなり能動的な化学前駆体の選択を可能とする。実際に、互いに高い反応性を示す前駆体は、特に需要が高く、効率的なALD薄膜処理を行うにはかなり望ましい。
典型的なALDの方法では、2種以上の反応物質ガスは、処理室内に載置された加熱された基板上に順次、パルス流(pulsed)で送られる。反応物質ガスのパルス流(pulses)はパージガスのパルス流と分けて送られるか、又は2種の反応物質ガスのパルス流はパージガスの一定流量中に分散される。他方で、CVD処理において、処理室内に載置された加熱された基板は、キャリアガスとしての任意のパージガス流と共に反応物質流に、同時に供される。
一般的に行われているSiCのCVD処理では、この方法を主として踏襲している。例えば、Journal of Crystal Growth、vol.255,pp.136(2003)において、K.Fujihiraらは、シラン(SiH)及びプロパン(C)を採用して、1300℃で実施する、4H−SiC薄膜の高速CVD処理を示した。Sensors and Actuators A,vol.97−98,pp.410(2002)において説明されているように、Stoldtらは、1,3−ジシラブタン(SiH−CH−SiH−CH)を採用したSiC薄膜の、単一の前駆体、低温(800〜1000℃)CVD処理を開発した。他方で、Journal of Crystal Growth,vol.219,pp.245(2000)において発表されているように、Soneらは、1300℃で実施する、メチルトリクロロシラン(MTS:CH−SiCl)を採用した、単一の前駆体のCVD SiC処理について述べている。一般に、SiC薄膜の堆積反応が1000℃を超える温度で実施されることが、ここでは明らかである。BN、BC、及びSiのセラミック薄膜の堆積反応も同様の温度範囲で実施されることが周知である。
米国特許出願第2012/0122302号では、200℃で実施される、前駆体として1,3,5−トリシラシクロヘキサン(CSiHi)を用いるプラズマアシスト低温SiC堆積処理が説明されている。しかしながら、堆積の際、SiCの薄膜は、600℃でさらに高密度化する必要がある。米国特許出願第2012/0177841号では、組成SiCyH(0<z<16)を有する薄膜製造物においてH含有量を低減するために、600℃未満の温度でのプラズマ又は熱処理の何れかによる後の処理で、トリメチルアルミニウム[(CHAI]に低減される、ケイ素源として四塩化ケイ素SiClを採用する反復性の堆積処理が説明された。米国特許出願第2012/0214318(A1)号において、その発明者らは、100〜400℃の範囲の温度で、ジクロロテトラメチルジシラン[SiCl(CH]及びHガスを採用したプラズマアシストALD処理を説明した。組成SiCを有する膜製造物は得られたが、Si:C比については確認されていなかった。米国再発行特許第42,887号に記載されている処理において、発明者らは、約900℃の温度で、水素中にジクロロシラン(SiCl)及びアセチレン(C)を採用して、SiC薄膜を得た。
米国特許第7,901,508号明細書では、主に水素流中に、1600℃の基板温度で、ケイ素源としてのシラン(SiH)及び炭素源としてのプロパン(C)と組み合わせて、塩素源としてのハロゲン化炭化水素の使用が説明されている。ハロゲン化炭化水素を用いることは、より高い温度でのケイ素の核形成を抑制することによりSiC堆積速度を高めることが知られている、Si−H−C−Cl系におけるHCl(塩酸)ガスの添加より実施上の利点が得られることを意図したものである。ケイ素の核形成は、欠陥密度の点から、SiC膜の質にかなり有害であることが知られている。
BN薄膜の堆積の場合では、BClをNHガスと組み合わせて1000℃超で実施するのが、一般的に採用される処理である。1000℃の温度で環状に結合した化学前駆体s−トリアゾボラン(B)を採用して実施される、BN層堆積の幾分新規な処理が開発された。他方、超硬度材料と言われている窒化炭素(C)は、最近、メタン(CH)及び窒素源としてのNを用いて無線周波(RF)又はマイクロ波(MW)プラズマにより堆積されている。
高い処理温度が要求されるため、これらの薄膜に対する基板の選択は、商業上及び技術上の価値も考慮して、むしろセラミック、ケイ素、及び石英に制限される。さらに、より高い処理温度では、常に商業上の応用を制限する、いくつかの重大な実施上の不利益となる。最終生成物の点から、高い実施上の温度は、装置性能をかなり低下させる、高い膜への負荷、極めて高い欠陥密度となる。さらに、層の相互拡散、基板の反り、他の薄膜と統合することの困難性、及び不純物の含有は、高い処理温度の深刻な問題である。装置動作の点からは、高い消費電力の問題、処理室を構成する材料の選択及びその耐久性の制限、気体流の安定性、化学前駆体消費、並びにコスト及び複雑さに加えて排水処理がある。
それゆえ、B、N、C、Si、及びGe元素を含む群からなる元素を採用するセラミック薄膜の様々な組成物のための、低温度のCVD及びALD処理を発展させる必要がある。これら元素を有する薄膜は、これらに限定されないが、とりわけSiC、BN、BC、SiCXN、Si、SiGe(1−x)、SiGe(1−x)C、GeCを含む。
炭化物、窒化物、及び混合相のセラミック薄膜コーティングの低温堆積方法であって、その方法は、
基板の表面に薄膜を堆積するのに必要な温度に影響を及ぼす反応性前駆体の組合せを採用する堆積化学成分(deposition chemistries)を決定する工程、
処理室内に基板を載置する工程、
基板温度、処理室圧力、及び処理室温度を含む1以上の処理パラメータを調整する工程、
堆積サイクルを開始する工程、及び
薄膜コーティングが所定の厚さに達しているかどうかを判定し、所定の厚さに達するまで堆積サイクルを繰り返す工程を含み、
堆積が、原子層堆積(ALD)、ナノ層堆積(NLD)、又は化学気相成長(CVD)によるものであり、
反応性前駆体の組合せが、処理室内の堆積温度に関するギブズ自由エネルギー変化(ΔG)により決定される反応性前駆体それぞれの間の反応性に基づいて選択される。
その方法は、炭化ホウ素(B)、窒素(N)、窒化物、ケイ素(Si)の炭窒化物、炭素(C)、ゲルマニウム(Ge)、リン(P)、ヒ素(As)、酸素(O)、硫黄(S)、及びセレン(Se)の薄膜の堆積を含む。反応におけるギブズ自由エネルギーの負のより大きい値は、反応性前駆体の組合せの選択の基準となる。
図1Aは、CO及びCOのような他の分子が基板の表面と強固に結合せず、物理吸着しているのみである一方、周囲からの水分の化学吸着により形成された−OH基を表面に有する基板を図示する。図1Bは、TiClの化学吸着から表面のHとClの交換と、O−Ti結合とを図示する。図1Cは、ALD処理の間、TiOを形成するための、化学吸着された−TiClの水(HO)分子との反応を示す。 図2Aは、2種のパージガスのパルス流と分散された2種の反応性前駆体のパルス流を有する典型的なALDサイクルを示す。図2Bは、処理室内のパージガスの一定流量において間隔が空けられた2種の反応性前駆体のパルス流を有するALDサイクルの変形例を表す。図2Cは、典型的なCVD処理における、種々の処理の気体流パラメータの変形例を図示する。 所望の厚さの薄膜を形成するための典型的なALD処理順序の流れ図である。 典型的なCVD処理における堆積システムパラメータの変形例を図示する流れ図である。 図5Aは、本発明の1つの実施形態に係る、−OH基を吸着する表面を備える堆積のための基板を図示する。図5Bは、本発明の1つの実施形態に係る、−OH基表面で、気相中のCCl分子の化学吸着と、気相へのHCl分子の放出を伴う結合の形成を図示する。図5Cは、本発明の1つの実施形態に係る、予め化学吸着された−CCl種を有する表面におけるシラン(SiH)分子の反応、Si−C結合の形成及びHClの放出を伴う交換反応、並びにH原子で終端処理された表面を説明する。図5Dは、本発明の1つの実施形態に係る、Hで終端された、SiとCとの間で形成される結合を有する表面上において、CClの化学吸着で開始する次のALDサイクルの第一段階を図示する。 図6Aは、本発明の1つの実施形態に係る、Si及びCそれぞれの前駆体としてのSiH及びCClによるSiCの形成反応についての基板温度に対するギブズ自由エネルギーの変化(ΔG)のグラフである。図6Bは、本発明の1つの実施形態に係る、B及びNそれぞれの前駆体としてのB及びNFによるBN形成反応についての基板温度に対するギブズ自由エネルギーの変化(ΔG)のグラフである。
本発明の方法は、原子層堆積(ALD)、ナノ層堆積(NLD)、及び化学気相成長(CVD)による炭化物、窒化物及び炭窒化物のような混合相のセラミック薄膜の低温堆積を提供する。堆積化学成分には、従来の薄膜堆積方法より実質的に低温での、種々の基板上における、ホウ素(B)、炭化物、窒素(N)、窒化物、ケイ素(Si)の炭窒化物、炭素(C)、ゲルマニウム(Ge)、リン(P)、ヒ素(As)、酸素(O)、硫黄(S)、及びセレン(Se)の薄膜堆積のための近年の堆積処理より実質的に低温で、薄膜処理に影響を及ぼす前駆体の組合せが採用される。本発明の方法の実施形態における堆積温度は、好ましくは600℃未満であり、他方、従来の堆積処理ではそれより高い温度で実施されている。本発明のALDと、対応するNLD及びCVD処理又は方法の実施形態は、B、C、Si、Ge、N、P、As及びO、S、並びにSeの群からなる元素を含む種々の薄膜の堆積の低温堆積を提供する。
本発明の堆積方法の実施形態における反応性前駆体の組合せは、堆積温度に関するギブズ自由エネルギー変化(ΔG)によって決定される、互いに対する反応性に基づいて選択される。反応におけるギブズ自由エネルギーの負のより大きい値は、好ましい反応性前駆体の組合せの選択の基準となる。
ALD及びCVD処理のため、種々の成分である反応性前駆体は、通常、1つの形態、例えば、水素化物又はハロゲン化物の何れかに分類される。他方、C及びSiに結合された水素及びハロゲンを含む化合物は、別の分類を形成する。種々の材料の薄膜堆積処理は、反応における実質的なギブズ自由エネルギー(ΔG)が負の値であるような、堆積の激しい反応に影響を及ぼす第二の成分のハロゲン化物と反応する、1つの形態のガス、例えば、1つの成分からなる水素化物に基づいて具体化される。さらに、3又は4種の要素からなる薄膜の場合、1以上の成分の水素化物は、他の所望の成分のハロゲン化物と組み合わされる。本発明のALD処理によれば、B、C、N、Si、Ge、P、O、S、及びSeを含む群からなる成分の1以上の水素化物は、第一の反応性前駆体として選択され、F、Cl、Br、又はIの1以上のハロゲン化物は、第二の反応性前駆体として選択される。例えば、三フッ化窒素(NF)は、ホウ素前駆体としてのBと組み合わせて、窒素源として採用される。他方、炭化ケイ素のALD処理の場合、ケイ素源は、Si、SiH、SiHX、SiH、及びSiHX(式中、X=F、Cl、Br、及びI)から選択され、炭素源は、CX、CXH、CX、及びCXH(式中、X=F、Cl、Br、及びI)から選択される。
さらに、ALD、NLD、及びCVD処理の変形例において、一般式C(式中、n、a、bは整数であり、X及びZはハロゲンである)で表されるクロロ−フルオロ−炭素のような混合ハロゲン化炭素も、炭素源として等しく好適である。反応性前駆体の別のサブクラスは、一般式M(式中、M=C及びSi、X=F、Cl、Br、I、並びにn、a、bは整数である)で表される、C及びSiの混合ハロゲン化物を含む。好ましい実施形態では、様々な薄膜処理を発展させるために採用される反応性前駆体の種々の組合せを説明する。
しかしながら、ALD薄膜処理の発展に関して、第一の反応性前駆体はハロゲン化物又は水素化物の何れかであってよく、次いで、対応する第二の反応性前駆体は、水素化物又はハロゲン化物であることが知られている。炭化物、窒化物、ケイ化物、スルフィド、セレン化物、リン化物、ヒ化物、及びそれらの混合相のような種々の材料の、対応するCVD処理については、ALD処理において使用される通りの反応物質の組合せが、所望の薄膜構造を得るために採用される。
本発明の方法の実施形態を実施するために、2種の反応性の反応物質を個々に且つ均一に注入する、本工業界において広く知られている、様々なCVD反応器が用いられる。そのようなALD/CVD反応器及びその種々の構成の1つは、米国特許第6,812,157号に記載されており、その全体を参照により本願明細書に援用したものとする。
本発明の堆積処理を実施するために、所望の化学反応を実施するための処理の変数を変更及び制御可能な処理室が必要である。処理室では、特定の堆積処理の要求に従って、温度を調整でき、一定に保てるような加熱プラテンを供給する。所望の薄膜が堆積される基板は、予め設定された、所望の化学反応に影響を及ぼす温度に基板を加熱するために、加熱プラテンに熱的に接触して載置される。処理室は、適切な流体計測及び制御弁を通って前駆体ガス供給路と接続されるガス入口をさらに提供する。また、処理室は、堆積処理の間、処理室圧力を調整するために、下流絞り弁を通って真空ポンプにも接続される。処理室圧力は、入ってくる気体のパルス流に合わせて下流絞り弁を常に調整することにより一定に保つことができ、又は絞り弁の位置を固定して、気体のパルス流により動的に変化させることもできる。
本発明において記載される薄膜堆積処理は、実際、原子層堆積(ALD)と化学気相成長(CVD)とに主として分けられる。典型的なALD処理において、所望の膜厚を形成するために繰り返されるALDサイクルを含むため、前駆体は、連続してバックグラウンドで流れるパージガス、又は2種のパージガスのパルス流により分散される反応性前駆体の何れかと共に、処理室内に順次流入される。ALD処理の原理及びその実施は、米国特許第4,058,430号に記載されている通りである。化学気相成長(CVD)処理の場合において、パージガス(主に、希釈ガス又はバラストガスとして用いられる)を伴う、全ての反応性前駆体ガスは、同時に、加熱された基板上を一定速度で通過する。この場合、処理室圧力及び/又は基板温度は、必要に応じて調整されてもよい。
ナノ層堆積(NLD)と呼ばれる薄膜堆積の中間形態について、最近では、一方又は双方のパージガスのパルス流がその処理の連続した方式から省略されることが一般的に行われている。NLD処理において、反応性ガスは、通常パルス流か、あるいは連続して流される。結果として、反応性前駆体分子は、基体にある物質と化学結合を形成する。しかしながら、過剰の反応性前駆体分子は、基板表面の付近から払拭されず、結果として、単一層より大きい膜が、1対のガスのパルス流において形成される。NLD処理も本発明の範囲内にあり、即ち、膜の堆積化学成分(deposition chemistry)は、本願明細書に開示される反応性前駆体の適切な選択及び組合せに基づくということを理解されたい。
さらに、本願明細書に記載される処理(ALD、CVD、又はNLD)は、大気圧(760Torr)や、数ミリTorr(mT)程度の低さの処理室圧力でも効果的に実施できる。また、処理温度は、反応性前駆体の組合せ、基板の型等のような種々の要因に大きく依存するように、ALD又はCVD処理から他の処理で変わり得る。それゆえ、適用可能な処理温度状況は、室温から1,000℃まで及ぶかなりの広さであることに留意する必要がある。
ALD処理では、効果的な実施のために、互いに対して高い反応性を有する前駆体の選択が好ましい。しかしながら、基板表面を、適切な処理室設計により、望ましくない予備反応及び微粒子形成から防ぐことに至るまで、双方の前駆体流を効果的に分離し、均一に分配することに十分な配慮がなされるならば、同じ反応性前駆体の組合せが、反応性前駆体の同じ組み合わせで対応するCVD処理を進めるために、採用されることに留意する必要がある。基板表面と反応性前駆体との相互作用は、ALD処理において極めて重要である。それゆえ、その幾何学的、大きさ、及び周囲の反応性基の立体特異性の観点における反応性前駆体分子の性質は、良好な膜の被覆、高い膜の密度、及び全体の膜の質を備える効率的なALD処理を実現するためのかなり重要な尺度である。
典型的には、ALD処理は、気相中の基板上で、処理室内に送られた化学前駆体分子が、予め吸着された表面種(surface species)(周辺環境において)と反応するような高い表面感度(surface sensitive)である。これらの表面種は、典型的には水分(HO)、並びにCO、及びCO、及びNガスである。しかしながら、周辺環境に存在するこれらの4種のガス種のうち、HO分子が、表面原子(金属又は非金属)と反応する強い傾向を示し、従って、図1Aに示す通り、OH基で終端された表面が容易に存在することが注目される。従って、適切な気体プラズマ、高温、若しくは高真空、又はこれらの組合せにより表面を処置することによって、この表面性能、従って、その反応性を変化させることができる。
従って、流入する気体の前駆体分子、例えば、表面の−OH基に対して高い反応性を有するTiClは、表面でCl原子との置換による化学吸着をして、表面のO種と−TiClとの化学結合を形成する。化学吸着処理の間、HCl分子は、図1Bに示される通り放出される。次の工程において、気相中に流入するHO分子は、−TiCl基のCl基に化学吸着して、図1Cに示される通り、Ti−O結合が形成される。この段階において、表面は、気体前駆体の次のパルス流を受容する−OH基で終端する。気体のパルス流の順序は、上記の通り、TiCl及びHOのパルス流の双方が流れるパージガスのパルス流を説明していない。パージガスのパルス流の主な目的は、基板に物理吸着、又は緩く付着される過剰のTiCl及び/又はHO分子を払拭することである。前述の議論から、効率的なALD処理にとって、互いに強い反応性を示す化学前駆体を選択することが不可欠であることは十分に明らかである。ALD処理に基づく、流動に依存しない化学吸着は、処理室の設計及び処理室内の動作をかなり単純化するため、有利である。しかしながら、最初の反応性化学前駆体分子を受容し(留め)、ALDサイクルを開始して所望の製品を得るための基板表面の化学特性に、かなりの重点と重要性とが置かれている。
図1A〜1Cの処理順序は、図2Aに示されるように、4種の別個のパルス流(第一の反応性ガス、パージガス、第二の反応性ガス、及び最後のパージガス)による1つのALDサイクルを説明し、それが、薄膜を所望の厚さに形成するまで繰り返される。あるいは、パージガス流は、処理室内で一定に維持され、反応性ガスのパルス流は、ALDサイクルにおける図2Bに示される通りの時間において分散され、次いで、それが所望の膜厚に形成されるまで繰り返される。従って、ALD処理において基板上を反応性前駆体のパルス流が流れる間、表面種との結合の形成は、互いに強い反応性を示す化学前駆体を必要とする。しかしながら、化学気相成長(CVD)処理については、パージガス(主に、希釈ガス又はバラストガスとして用いられる)を伴う全ての前駆体ガスは、同時に、加熱された基板上に一定の速度で通過させる。その際、処理室圧力及び/又は基板温度は調整されてもよい。典型的なCVD処理における、時間による(一定の温度及び圧力で)反応性前駆体及び不活性ガス/パージガス流の順序の変動は、図2Cに示される通りである。
図3は、4種の別個のパルス流を用いる典型的なALD処理の順序(10)の論理上の流れ図を説明する。その処理は、処理室内に基板を載置する工程(12)と、基板温度、処理室圧力等を含む処理パラメータを調整する工程(14)とで始まる。その後、ALDサイクルは、処理室内に、第一の反応性前駆体ガスのパルス流を導入する工程(16)を開始し、次いで、パージガスのパルス流を導入する工程(18)、第二の反応性前駆体ガスのパルス流を導入する工程(20)、次いでパージガスのパルス流を導入する工程(22)を行う。次いで、基板上の堆積したコーティングが、所定の膜厚に達しているかどうかを判定する(24)。コーティングが所定の厚さに達していれば、処理は終了する(26)。しかしながら、基板上のコーティングが所定の厚さに達していなければ、順序(16)〜(22)におけるガスのパルス流のALDサイクルは、所定の膜厚に達するまで繰り返される。
図4は、典型的なCVD処理(30)の理論上の流れ図を説明する。その処理は、処理室内に基板を載置する工程(32)と、基板温度、処理室圧力等を含む処理パラメータを調整する工程(44)とで始まる。その後、CVDサイクルは、処理室内に不活性ガスを導入する工程(36)を開始した後、処理室内に、第一の反応性前駆体ガス流を導入する工程(38)、その後、第一の前駆体ガス流を維持しながら第二の前駆体ガス流を導入する工程(40)を開始する。次いで、基板上の堆積したコーティングが、所定の膜厚に達しているかどうかを判定する(42)。コーティングが所定の厚さに達していれば、処理は終了する(44)。しかしながら、基板上のコーティングの厚さが所定の厚さに達していなければ、順序(36)〜(40)におけるガスのパルス流のCVDサイクルは、所定の厚さに達するまで繰り返される。
本発明の堆積処理の実施形態において、B、C、Si、Ge、N、P、As、S、及びSeを含む成分のハロゲン化物は、ALD、NLD、及びCVD処理を採用することにより所望の薄膜を得るための、第一の反応性前駆体の群として選択される。ALD、NLD、及びCVD処理のための第二の反応性前駆体は、B、C、Si、Ge、N、P、As、O、S、及びSeを含む成分の水素化物から選択される。例えば、これらの成分の代表的な化合物は、これらに限定されないが、B、CH、SiH、Si、NH、N、PH、AsH、HO、HS、及びHSeを含む群から選択される。また、C及びSiを含む反応性前駆体の別のサブクラスは、一般式CX’X”(式中、X=F、Cl、Br、及びI、並びにn、a、bはそれぞれ整数である)で表されるような混合ハロゲン化物が含まれる。さらに、反応性前駆体の別のサブクラスは、一般式M(式中、M=C及びSi、X=F、Cl、Br、I、並びにn、a、bは整数である)で表されるC及びSiの混合ハロゲン化物の化合物を含む。好ましい実施形態は、様々な薄膜処理を達成するために採用される反応性前駆体の種々の組合せを説明する。
本発明の実施形態は、後述する実施例及び関連図面によりさらに説明される。
[実施例1]
(ALD、NLD、及びCVD処理による炭化ケイ素(SiC)膜の堆積)
背景技術で説明した通り、SiCは、様々な用途を有する重要な工業上のセラミックである。しかしながら、SiCについて一般的に行われている薄膜堆積処理は、1000℃を超過する温度で実施する。それゆえ、低温ALD、及びCVDのSiC薄膜処理も、かなり望ましい。図5Aを参照すると、基板の表面は、Cl原子に対して高い受容性及び反応性を有する−OH基で終端されている。次いで、図5Bにおいて、気相に放出される生成物としてHClの形成を伴う、基板表面で終端処理された−OHに対する、四塩化炭素(CCl)分子の化学吸着が完了される。CCl化学吸着段階の最後で、基板は、M−O−CCl(M:図5A、B、C、及びDにおいて四角で表される基板の表面原子)結合の形成により、Cl基で終端される。次いで、パージガスのパルス流(図示しない)は、基板の近くの過剰のCCl分子を払拭する処理のために導入される。その後、シラン(SiH)ガスのパルス流が、処理室内に導入される。図5Cに示される通り、シランガス分子は、化学吸着された−O−CCl基と、その処理条件下で盛んに反応し、HCl分子の脱離と共にSi−C結合を形成する。パージガスのパルス流は、過剰のSiH分子(図示しない)を除去するために採用される。表面はH原子で終端され、従って、図5Dに示される通り、次に流入するCClのパルス流を受容する。SiC堆積の全体の反応は以下の通りである。
CCl+SiH→SiC+4HCl 式(1)
図6Aは、式(1)に示される通りの反応のための温度に対するギブズ自由エネルギーの変化(ΔG)、及び従来のSiCのCVD処理との比較を説明する。処理温度(室温でも)に関して、図6AにおけるΔGの高い負の値は、式(1)に記載される通りの低温SiC堆積処理(ALD又はCVD)の実行可能性が、潜在的にかなり高いことを示している。
SiCのALD処理は、上記の通り、数mTから760Torr(1気圧)を超える範囲に及ぶ、広い範囲の処理室圧力値にわたって実施することができるように、処理室圧力によって制限されないことが理解される。さらに、SiCのALD処理は、例えば、室温から1000℃までの広い温度範囲にわたって実施することもできる。さらに、式(1)に記載される通りの堆積化学は、対応するCVD及びNLD処理に等しく適用できる。
[実施例2]
工業価値のある別の薄膜は窒化ホウ素(BN)である。BNの薄膜は、現在、700〜1000℃及びそれを超える範囲に及ぶ高温で、BCl及びアンモニア(NH)を採用して堆積がなされる。図6Bは、以下の化学反応のための温度に対するギブズ自由エネルギーの変化(ΔG)を示す。
+2NF→2BN+6HF 式(2)
従来のBN処理(ALD又はCVD)と比較して、式(2)における反応の温度に対するΔGのかなり高い値は、低温BN薄層堆積処理を開発するための高い値を示す。そのBN堆積処理は、数mTから760Torrに及ぶ範囲の圧力、及び20℃〜1000℃の温度範囲で実施できる。
参考例3]
(C薄膜の堆積)
薄膜材料としてCの堆積処理及び種々の適用は、まだ、完全に探求されていない。それは、超硬化材料の1つとして公知であることが予想される。ALD、NLD、又はCVD処理によるC膜の形成は、20℃〜1000℃の温度範囲、及び数mTから760Torrまでの範囲に及ぶ圧力において、炭素源としてハロゲン化炭素(例えばCF、CFCl、又はCCl)、及び窒素源としてNHにより実施される。全体の堆積の化学反応(C源としてCClを用いる)は以下の通りである。
3CF+4NH→C+12HF 式(3)
参考例4]
(Si膜の堆積)
窒化ケイ素は、優れた光学特性を備える、耐腐食及び耐磨耗材料とあって、重要な工業上のセラミックである。窒化ケイ素は、ボールベアリングコーティング、及び電気絶縁体、反射防止コーティング等において利用される。Siの薄膜の形成は、ケイ素源としてシラン(SiH)、及び窒素源としてNFを採用することにより、ALD、NLD、又はCVD処理において実施される。Si堆積の全体の化学反応は以下の通りである。
3SiH+4NF→Si+12HF 式(4)
参考例5]
(Si Ge (1-X) 膜の堆積)
Si Ge (1-X) の薄膜を、Siの水素化物源及びGeのハロゲン化物源を採用することによるALD、NLD、又はCVD方法によって堆積できる。第一の反応性ガスのパルス流は、a:bの固定比においてSiCl及びGeClの混合物を含み、Cl基で終端されたSi及びGe原子を含む第1の単層を形成する。第二の反応性ガスのパルス流は、a:bの比においてGeH及びSiHの混合物を含み、固定値xが得られる。Si Ge (1-X) 堆積処理の全体の反応は以下の通り記載される(式のバランスをとることなく)。
(SiCl+GeCl)+(SiH+GeH
→Si Ge (1-X) +HCl 式(5)
括弧内は、パルス流の群を表す。Si:Ge比を調節するための代わりの方法は、第二の反応性前駆体として過度に、シラン又はゲルマンガスの何れかを採用することによってである。ALD処理反応は以下の通りである。
(SiCl+GeCl)+(SiH)→Si Ge (1-X) +HCl 式(6)
式(6)に記載される処理は、ケイ素リッチ(Xがより大きい値)相に導く。他方、第二の反応性前駆体としてのGeHの採用は、式(7)に記載される通り、Geリッチ相に導く。
(SiCl+GeCl)+(GeH)→Si Ge (1-X) +HCl 式(7)
さらに、膜Si Ge (1-X) (Xの値)におけるSi:Geの比を基板温度及びパルス幅等の処理条件を変えることにより変えることができる。
参考例6]
ALD、NLD、又はCVD処理における、SiC のような種々の材料の3要素からなる堆積は、第一の反応性ガスのパルス流としてSiHを、第二の反応性ガスのパルス流におけるCCl(あるいはCFが等しく効果がある)及びNF混合物と組み合わせて採用することにより実施される。
(SiH)+(CCl+NF)→SiC +HCl 式(8)
[参考例7
4要素からなる薄膜は、第一のパルス流における水素化物の混合物、及び第二のパルス流におけるハロゲン化物の混合物を採用することにより、ALD、NLD、又はCVD処理において堆積することができる。例えば、SiC の薄膜は、式(9)に表される全体の化学反応で、シラン(SiH)及びジボラン(B)を含む第一の反応性前駆体ガス混合物、及び四塩化炭素(CCl)及び三フッ化窒素(NF)を含む第二の反応性前駆体ガス混合物を用いることにより堆積することができる。
(SiH+B)+(CCl+NF)→SiC +HCl+HF 式(9)
参考例8]
(炭素薄膜)
炭素を含む薄膜のALD、NLD、又はCVD処理は、種々の反応性前駆体の組合せを採用することにより実施される。主要な反応性前駆体の組合せは、式(10)に示される一般式(CH、X=F、Cl、Br、及びI)で表されるジ−クロロ−ハロゲンのパルス流である。
CH+CH→C+2HX 式(10)
あるいは、第一の反応性前駆体としてCX(式中、X=F、Cl、Br、及びI)、及び第二の反応性前駆体としてCHは、式(11)に示される全体の化学反応で、炭素薄膜を堆積するのに等しく好適である。
CX+CH→C+4HX 式(11)
参考例9]
(炭素の単一層を形成するためのヒドロ-シラン及びボランを用いるハロゲン化炭素の減少)
シラン(SiH)及びジシラン(Si)は、以下の反応によって、200〜400℃の温度範囲における、タングステンのような金属の堆積のために、ALD処理における還元剤として使用されることが知られている。
WF+SiH→W+SiF+2HF+H 式(12)
WF+Si→W+2SiHF+2H 式(13)
参照文献:
(a)J.W.Elam,C.E.Nelson,R.K.Grubbs and S.M.George:Thin Solid Films,volume 386,pp.41(2001)
(b)Journal of Vacuum Science & Technology(B),Volume 22,No.4,pp.181 1−1821 July 2004
従って、CClを低減させて、200〜800℃の温度範囲において、種々の形態、例えば、非晶質及び/又はグラフェンにおける炭素の薄膜を堆積する。その全体の反応は、以下の通りまとめることができる。
CCl+SiH→C+SiCl+2H 式(14)
CCl+SiH→C+SiHCl+2HCl 式(15)
CCl+Si→C+SiCl+3H 式(16)
炭素又はグラフェン膜の堆積反応全体も、ジシランの代わりに還元剤としてジボラン(B)を用いることにより促進できる。
前述の説明は、本発明の特定の実施形態を説明しているが、それらの実施に制限することを意味しない。特許請求の範囲に記載の請求項は、それらの全ての等価物を含み、本発明の範囲を定義することを意図する。

Claims (4)

  1. 基板の表面に、化物のセラミック薄膜を形成する低温堆積方法であって、
    前記低温堆積方法は、
    前記基板の表面に前記薄膜を堆積するのに必要な温度に影響を及ぼす2種類の反応性前駆体の組合せを採用する堆積化学成分を決定する工程、
    処理室内に前記基板を載置する工程、
    基板温度、処理室圧力、及び処理室温度を含む1以上の処理パラメータを調整する工程、
    前記基板温度が一定に保てるような加熱プラテンを供給する工程、
    堆積サイクルを開始する工程、及び
    前記薄膜が所定の厚さに達しているかどうかを判定し、前記所定の厚さに達するまで前記堆積サイクルを繰り返す工程
    を含み、
    前記薄膜が、原子層堆積(ALD)により堆積したものであり、
    前記2種類の反応性前駆体の組合せが、前記処理室内の堆積温度に関するギブズ自由エネルギー変化(ΔG)により決定される前記2種類の反応性前駆体それぞれの間の反応性に基づいて選択され、
    室温(20℃)における、前記2種類の反応性前駆体の組合せの前記ギブズ自由エネルギー変化ΔGが、負(ΔG<0)でかつその絶対値|ΔG|が400kJ/モル以上(|ΔG|≧400kJ/モル)であり、
    前記薄膜の堆積は、前記基板温度を600℃未満に調整した前記基板に到達するように、第1の反応性前駆体ガス、パージガス、第2の反応性前駆体ガスおよびパージガスの4種の別個のパルス流を1サイクルとして、前記堆積サイクルを繰り返して行い、
    前記薄膜が、窒化ホウ素(BN)膜であり、
    前記第1の反応性前駆体ガスが、三フッ化窒素(NF であり、
    前記第2の反応性前駆体ガスが、B であり、
    前記窒化ホウ素(BN)膜の堆積の全体の反応が、B +2NF →2BN+6HFである、前記セラミック薄膜を形成する低温堆積方法。
  2. 基板の表面に、炭化物セラミック薄膜を形成する低温堆積方法であって、
    前記低温堆積方法は、
    前記基板の表面に前記薄膜を堆積するのに必要な温度に影響を及ぼす2種類の反応性前駆体の組合せを採用する堆積化学成分を決定する工程、
    処理室内に前記基板を載置する工程、
    基板温度、処理室圧力、及び処理室温度を含む1以上の処理パラメータを調整する工程、
    前記基板温度が一定に保てるような加熱プラテンを供給する工程、
    堆積サイクルを開始する工程、及び
    前記薄膜が所定の厚さに達しているかどうかを判定し、前記所定の厚さに達するまで前記堆積サイクルを繰り返す工程
    を含み、
    前記薄膜が、原子層堆積(ALD)により堆積したものであり、
    前記2種類の反応性前駆体の組合せが、前記処理室内の堆積温度に関するギブズ自由エネルギー変化(ΔG)により決定される前記2種類の反応性前駆体それぞれの間の反応性に基づいて選択され、
    室温(20℃)における、前記2種類の反応性前駆体の組合せの前記ギブズ自由エネルギー変化ΔGが、負(ΔG<0)でかつその絶対値|ΔG|が400kJ/モル以上(|ΔG|≧400kJ/モル)であり、
    前記薄膜の堆積は、前記基板温度を600℃未満に調整した前記基板に到達するように、第1の反応性前駆体ガス、パージガス、第2の反応性前駆体ガスおよびパージガスの4種の別個のパルス流を1サイクルとして、前記堆積サイクルを繰り返して行い、
    前記薄膜が、炭化ケイ素(SiC)膜であり、
    前記第1の反応性前駆体ガスが、CCl であり、
    前記第2の反応性前駆体ガスが、SiH であり、
    前記炭化ケイ素(SiC)膜の堆積の全体の反応が、CCl +SiH →SiC+4HClである、前記セラミック薄膜を形成する低温堆積方法。
  3. 前記方法は、
    前記基板の表面を、−OH基で終端処理し、
    −OH基で終端された基板の表面に化学吸着させるために、四塩化炭素(CCl)分子を導入して、−O−CCl基を形成し、
    前記処理室内にパージガスを送り、前記基板の近くにある過剰のCCl分子を払拭し、
    前記処理室内にシラン(SiH)ガスを送り、前記化学吸着した−O−CCl基と反応してSi−C結合を形成し、そして、
    前記パージガスを送り、水素(H)終端を有する前記基板の表面に残る過剰のSiH分子を取り除く工程を含む、請求項に記載の方法。
  4. 前記処理室圧力が、大気圧(760Torr)から1ミリTorr(mT)までの範囲である、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
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