JP6636598B2 - 二重運動連鎖を使用する修正システムを有する、太陰日及び月相を表示する計時器機構 - Google Patents

二重運動連鎖を使用する修正システムを有する、太陰日及び月相を表示する計時器機構 Download PDF

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Description

本発明は、時計学の分野に関する。本発明は、より詳細には、一般に天文複雑機構と呼ばれる機構に関し、この機構は、
−太陰日。太陰日の期間は、月による、所与の子午線の、連続的な2回の横断を隔てるものである(この横断は、機構を備える時計(clock又はwatch)では、2回の連続する正午の横断によって表すことができる);及び
−月相。即ち、太陽が照らす月の(可変)部分
の両方の表示を可能にする。
月の天体特徴は、長年の間公知であり、特に、James Ferguson著、「Astronomy explained upon Sir Isaac Newton’s principles」、第5版、1772年出版に記載されている。
(子午線の2回の横断を隔てる)太陰日の平均値は、24時間50分28.328秒である。
したがって、太陽日対太陰日の比は、
Figure 0006636598
である。
朔望月(2つの満月を隔てる期間)の平均値に関し、これは29日12時間44分2.8秒である。
E.Clouxは、Fergusonにより着想を得たと主張して、1949年、Technical College of the Vallee de Joux(スイス)において行った彼の時計学の講座で、(24時間の平均値を有する)太陽日に重ね置いた太陰日及び月相表示機構を描いている。
図1に示すE−Clouxが描いた機構は、以下の要素:
−月子午線車102(59の歯を有する)を備え、主軸X1周りに回転可能に組み付けた月軸受け101;
−月を表し、月軸受け101に対して、主軸X1に直交する径方向軸X2周りに回転可能に組み付けた球体であって、径方向軸X2は、月かな104(20の歯を有する)を支持する、球体103;
−主軸X1周りに回転可能に組み付け、理解されるように、太陽日の分及び/又は時の表示にも用いる駆動機構(図示せず)と噛み合わせなければならない第1の回転要素105(57の歯を有する);
−歯車が減速する状態で、第1の回転要素105を子午線車102に回転可能に結合する月車セット106(それぞれが57の歯を有する2つの一体の車を有する);
−第1の回転要素105と一体であり、月かな104と噛み合う中心車107(20の歯を有する)
を含んでいた。
この巧妙な機構により、子午線を横断する月を24時間50分31.58秒で表示し、朔望月を29.5日で表示することが可能である。
これらの値は、歯車比:
Figure 0006636598
の選択によって割り当てた平均太陰日及び平均朔望月の近似値であることがわかる。
しかし、E.Clouxの描いた機構には、表示修正部材がなく、表示修正部材は、上記した近似値に起因する偏差により必要となるか、又はただ単に、動力源が消耗した後の機構の停止によって必要となるものである(動力源は、通常は機械式時計のぜんまいであり、巻き戻さないと、完全に巻き出される)。
James Ferguson著、「Astronomy explained upon Sir Isaac Newton’s principles」、第5版、1772年出版
したがって、本発明の目的は、上記に提示した機構において、太陰日及び朔望月を単純かつ確実な形で修正することを可能にする解決策を提案することである。
上記の目的を達成するために、太陰日及び月相を表示する計時器機構を提案し、計時器機構は、
−主軸周りに回転可能に組み付け、駆動機構と噛み合う第1の回転要素、
−月子午線車を備え、主軸周りに回転可能に組み付けた月軸受け、
−月を表し、月軸受けに対して、主軸に直交する径方向軸周りに回転可能に組み付けた球体であって、径方向軸は、月かなを支持する、球体、
−歯車が減速する状態で、第1の回転要素を子午線車に回転可能に結合する月車セット、
−第1の回転要素上で主軸周りに組み付け、月かなと噛み合う中心車
−月車セットと噛み合い、境界面で、第1の回転要素上に摩擦組み付けした第2の回転要素であって、第1の回転要素及び第2の回転要素のそれぞれに加えられる様々な周方向の力から得られるトルクが境界面における最大接着力を決定する摩擦トルクよりも小さい間、主軸周りに第1の回転要素と一体に回転させ、第2の回転要素は、月車セット及び月軸受けと共に、第1の回転要素の下流で第1の運動連鎖を形成する、第2の回転要素、
−伝達車であって、伝達車は、中心車と一体に回転し、外側に歯部を備え、内側に少なくとも1つの押さえばねを備え、押さえばねは、第2の回転要素と一体に回転する星車の歯部と係合し、噛み合い、星車及び伝達車のそれぞれに加えられる様々な周方向の力から得られるトルクが押さえトルクよりも小さい間、前記第2の回転要素を中心車に回転可能に結合させ、押さえトルクを超えると、押さえばねは、押さえばねの係合が星車から解除されるまで星車上を摺動することによって径方向に変位し、少なくとも1つの押さえばね及び星車は、押さえトルクが前記摩擦トルクよりも低いように構成し、伝達車は、中心車及び月かなと共に、星車の下流で第2の運動連鎖を形成する、伝達車、
−第1の駆動要素を含む、太陰日表示を修正するシステムであって、第1の駆動要素は、少なくとも瞬間的に、第1の運動連鎖と噛合い関係を有することができ、前記摩擦トルクよりも大きい第1の修正トルクがユーザによって第1の修正列に加えられると、主軸周りに、前記第1の修正列を介して月軸受けを強制的に回転させ、第1の修正列は、第1の運動連鎖の少なくとも一部分によって部分的に形成される、システム、並びに
−第2の駆動要素を含む、月相を修正するシステムであって、第2の駆動要素は、少なくとも瞬間的に、第2の運動連鎖と噛合い関係を有することができ、前記押さえトルクよりも大きい第2の修正トルクがユーザによって第2の修正列に加えられると、前記径方向軸周りに、前記第2の修正列を介して球体を強制的に回転させ、第2の修正列は、第2の運動連鎖の少なくとも一部分によって部分的に形成され、第1の運動連鎖とは無関係である、システム
を含む。
2つの異なる運動連鎖の使用により作用するこの二重修正システムにより、太陰日表示及び月相表示を単純かつ確実な形で修正することが可能である。
主な実施形態によれば、太陰日表示修正システム及び月相修正システムは、太陰日表示を起動させ、且つ太陰日表示を起動させずに月相を起動させる共通修正デバイスを含む。この共通修正デバイスは、単独で第1の駆動要素及び第2の駆動要素を形成する摺動かなを含み、前記摺動かなは、2つの調節位置、即ち、
−摺動かなが月車セットと噛み合い、前記主軸周りに、第1の運動連鎖の前記少なくとも一部分を介して月軸受けを強制的に回転させる太陰日調節位置;
−摺動かなが伝達車と噛み合い、前記径方向軸周りに、第2の運動連鎖の前記少なくとも一部分を介して球体を強制的に回転させる月相調節位置
を取ることができる。
修正デバイスは、有利には、摺動かなと噛み合う搬送かな、摺動かなの回転軸と搬送かなの回転軸とを接合する少なくとも1つの小型接続棒を含む。
第1の回転要素は、例えば、主軸に直交して延在し、主軸に沿って延在するパイプと一体である歯付き車を含む。この場合、第2の回転要素は、補助車を含み、補助車は、主軸に直交して延在し、主軸は、第1の回転要素のパイプ上に摩擦嵌合するスリーブと一体である。
第2の回転要素と第1の回転要素との間の摩擦接続は、有利には、例えば、第2の回転要素の管の内径部が一時的に変形する形態を取る凹みによって達成し、第1の要素のパイプに作製した円錐スロット上の摩擦を保証するようにする。
好ましい実施形態によれば、月車セットは、2つの重ね置いた一体車、即ち、
−第2の回転要素の補助車と噛み合う下側車、及び
−月軸受けの子午線車と噛み合う上側車
を含む。
特定の実施形態によれば、
−第2の回転要素の補助車は、64の歯を有し、
−月車セットの下側車は、43の歯を有し、
−月車セットの上側車は、37の歯を有し、
−月軸受けの子午線車は、57の歯を有する。
中心車は、好ましくは、月かなと噛み合うりゅうず歯部を支持する。更に、中心車は、有利には、第1の回転要素のパイプ上に嵌合する。
月軸受けは、好ましくは、中心車上に組み付けられ、中心車は、例えば、月軸受け上に滑り軸受けを介挿して嵌合させる。
伝達車は、有利には、一対の直径方向に対向する押さえばねを含む。
最後に、星車は、典型的には、29又は30の歯を有し、好ましい変形形態では、59の歯を有する。
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照しながら、以下の一実施形態の説明に照らせば明らかになるであろう。
E.Clouxが提案した、太陰日及び月相を表示する公知の機構の断面図である。 本発明による、太陰日及び月相を表示する機構を備える時計を示す分解斜視図である。 図2の表示機構のより大きな縮尺の斜視図である。 断面IV−IVに沿った、図3の機構の部分断面図であり、挿入図は、より大きな縮尺の細部を示す。 図4の機構の平面図である(下にある構成要素を示すために、月軸受けは除いてある)。 図5の左上の挿入図VIで同時に取った、機構の細部のより大きな縮尺の図である。 太陰日修正を示す機構の上面図である。 月相修正を示す機構の図5と同様の図である。 図8の左上の挿入図IXで取った、機構の細部のより大きな縮尺の図である。
図2は計時器を表す。この計時器は、時計又は振子時計とすることができるが、図示の例では、時計1であり、より正確には、手首に装着することができる腕時計である。この時計1は、従来の様式で、ケース中板3を含むケース2、裏蓋及びガラス(図示せず)、及びケース中板のかん4に固定した手首装着用ブレスレット5を含む。
時計1は、ケース2の内部に収容した計時器ムーブメントを含み、計時器ムーブメントは、底板7、底板上に組み付ける少なくとも1つの計時器機構8を含み、少なくとも1つの計時器機構8は、太陰日及び月相の表示を保証するように設計されている。
理解されるように、機構8は、平均太陽日の分及び時の表示を保証するようにも設計されているが、そのような表示は任意選択であり、個別の機構によって設けることができる。
機構8は、「天文」複雑機構群に属する。機構8は、板7の全体面に直交する主軸A1の周囲に編成される。
月は、二重の動き:
−太陰日の表示をもたらす主軸A1周りの回転;
−月相の表示をもたらす特定の(径方向)軸A3周りの回転
をするように駆動される球体9の形態で天体として表示される。
図4に示す一実施形態によれば、主軸A1は、心軸10によって実現し、心軸10は、この例では、中心車セット11上に形成され、中心車セット11自体は、板7の上に組み付ける。この中心車セットは、ここでは、車12を備えるが、車12の機能は本発明の状況に関連するものではない。
図4からわかるように、表示機構8は、以下、日の裏機構と呼ぶ駆動機構13によって係合され、駆動機構13は、いくつかの重ね置いた一体に回転する車を含み、これらの車は共通軸A2を有し、共通軸A2は、主軸A1に対してずれ、主軸A1に対して平行である。図示の例では、日の裏機構13は、3つの重ね置いた車、即ち、
−典型的にはZ1=72の歯数を有する外周歯部を備える大型車14;
−典型的にはZ2=24の歯数を有する外周歯部を備える中間車15;
−典型的にはZ3=12の歯数を有する外周歯部を備える小型車16
を含む。
日の裏機構13は、エネルギー源及び伝達装置を含む駆動デバイス(図示せず)によって回転駆動される。天文複雑機構は、通常、機械式時計に関連付けられるため、エネルギー源は、てんぷ/ひげぜんまい緩急針に関連付けたぜんまいであることが好ましい。とはいえ、エネルギー源が水晶振動子に関連付けた電池である場合は本発明の範囲外であるということではない。
既に述べたように、機構8は、平均太陽日の分及び時を表示するように設計されている。
分を表示するために、機構8は、筒かな17を含み、筒かな17は、主軸A1周りに回転可能に組み付けられ、大型車14と噛み合う中心かな18、及び(回転可能な状態で)中心車セット11の心軸10上に嵌合する管19を備える。筒かな17は、図4に示すように分針20を支持し、分針20は、管19の上端部において管19に押し込まれている。中心かな18は、典型的にはZ4=16の歯数を有する外周歯部を備える。筒かな17は、1時間で主軸A1周りに1回転する。
時を表示するために、機構8は、時車セット21を含み、時車セット21は、主軸A1周りに回転可能に組み付けられ、中間車15と噛み合う時車22、及び(回転可能な状態で)筒かな17の管19上に嵌合する中空シャフト23を備える。時車セット21は、図4に示すように時針24を支持し、時針24は、シャフト23の上端部においてシャフト23上で駆動される。
時車22は、典型的にはZ5=64の歯数を有する外周歯部を備え、時車22と中心かな18との間の歯車減速比(即ち回転速度比)が
Figure 0006636598
であるようにする。
したがって、時車セット21は、12時間で主軸A1周りに1回転する。
太陰日及び月相を表示するために、機構8は、まず、第1の回転要素25を含み、第1の回転要素25は、主軸A1周りに回転可能に組み付けられ、日の裏機構13と噛み合う。
より詳細には、特に図4に示す例では、第1の回転要素25は、太陽車26(又は24時間車)と呼ぶ歯付き車を含み、太陽車26は、主軸A1及びパイプ27に直交して延在し、パイプ27は、太陽車と一体であり、主軸A1に沿って延在する。
図4に示す一実施形態によれば、パイプ27は、(回転可能な状態で)時車セット21の中空シャフト23上に嵌合する。
図示の例では、パイプ27は段が付けられ、太陽車26と一体である下側段28、及び段28の直径よりも小さい直径の上側段29を含む。下側段及び上側段は、肩部30によって隔てられている。
太陽車26は、日の裏機構13の小型車16と噛み合う。この太陽車は、典型的にはZ6=64の歯数を有する外周歯部を備え、第1の回転要素25と時車セット21との間の歯車減速比が、
Figure 0006636598
であるようにする。
したがって、第1の回転要素25は、24時間で主軸A1周りに1回転する。言い換えれば、第1の回転要素は、平均太陽日を測定するために使用することができる。第1の回転要素は、平均太陽日を表示するために用いることもできる。したがって、図示の実施形態(図3を参照)では、第1の回転要素は、パイプ27の上側段29の上端部で太陽針31(24時間針とも呼ぶ)を支持し、太陽針31は、太陽を表すために丸い形状及び/又は円形開口を有することができる。
機構8は、第2に、主軸A1周りに回転可能に組み付けた月軸受け32を含む。月軸受けは、子午線車33を備える。月軸受けは、月カバー34も備え、月カバー34は、子午線車と一体に回転するように子午線車に固定されている。一変形形態では、子午線車及び月カバーは、一体部品を形成する。
子午線車33は、典型的にはZ7=57の歯数を有する外周歯部を備える。
図4からわかるように、月軸受け32は、中空であり、月カバー34の内側に配置された内部空洞35を有する。
機構8は、第3に、球体9を含み、球体9は、月を表し、月軸受け32に対して、主軸A1に直交する径方向軸A3周りに回転可能に組付けられている。球体9は、有利には、対照的な色の2つの半球体、即ち、
−太陽が照らしていない月の側の部分を表す暗色半球体36(図では灰色);
−太陽が照らしている月の側の部分を表す明色半球体37(図では白色)
を有する。
半球体36、37は、塗装を施すことによって区別することができる。しかし、好ましい実施形態では、半球体は、異なる材料から作製し、球体9を形成するように組み立てた半球体形キャロット(calottes)である。したがって、暗色半球体36は、黒雲母マイカ、黒曜石又はあらゆる他の暗色鉱石から作製する一方で、明色半球体37は、金属(例えば銀又はグレー・ゴールド)又は明色鉱石(例えば月長石)から作製することができる。
更に、図示の例では、径方向軸A3は、球体9を貫通し、球体9と共に一体に回転するランナ38によって形成される。内側端部では、ランナは、月軸受け32に作製した穴40に嵌合するスリーブ39に組み付けられる。
図4からわかるように、径方向軸A3(即ちランナ38)は、内側端部で、ランナ38と一体に回転する月かな41を支持する。月かなは、月軸受け32の内側空洞35の内部に収容される。
月かな41は、典型的にはZ8=14の歯数を有する外周歯部を備える。
機構8は、第4に、主軸A1周りに回転可能に組み付けた第2の回転要素42を含む。図4に示す一実施形態によれば、第2の回転要素は、主軸A1に直交して延在する補助車43、及びスリーブ44を含み、スリーブ44は、補助車43と一体であり、主軸A1に沿って延在する。補助車43は、典型的にはZ9=64の歯数を有する外周歯部を備える。
第2の回転要素42は、符号45の境界面に第1の回転要素25上に摩擦組み付けする(この境界面は、第1の回転要素及び第2の回転要素が接触する表面である)。
より正確には、スリーブ44は、第1の回転要素のパイプ27上に摩擦嵌合する。より一層正確には、スリーブは、パイプの下側段28上に摩擦嵌合する。この摩擦嵌合は、第2の回転要素42を第1の回転要素25と(主軸A1周りに回転するように)一体にする一方で、第1の回転要素及び第2の回転要素のそれぞれに加えられる様々な周方向の力から得られる符号C1のトルクが、符号CFの摩擦トルクよりも小さいようにすることを意図し、摩擦トルクCFは、境界面45における最大接着力を決定する。
言い換えれば、
−C1<CFである間、第1の回転要素25及び第2の回転要素42は、一体に回転し、第1の回転要素25及び第2の回転要素42の境界面45で摺動せず、一体部品のように挙動する;
−C1≧CFになると直ぐに、境界面45における第1の回転要素25と第2の回転要素42との間の最大接着力に達し、第1の回転要素25及び第2の回転要素42は、個別に回転するようになり、このため、第2の回転要素は、第1の回転要素とは無関係に主軸A1周りに枢動し、境界面45で摺動することができる。
第2の回転要素と第1の回転要素との間の境界面45における摩擦接続は、実際には、くぼみ46によって達成することができ、くぼみ46は、例えば、図4の細部挿入図に示すように、第1の回転要素のパイプ27に作製した円錐溝の形態を取る。
第2の回転要素42は、星車47を備える。周辺に形成するこの星車47は、例えば、スリーブ44の外側を切り欠きしたものである。星車47は、一連の三角形歯48を含み、三角形歯48は、ここでは歯数が30であるが、歯数は29でもよく、又は更には59でもよい(歯数は、1朔望月の半日の平均値である)。
機構8は、第5に、中心車49を含み、中心車49は、第1の回転要素25上に組み付けられ、月かな41と連動する。この中心車は、有利には、月かな41と噛み合うりゅうず歯部50を支持する(即ち、りゅうず歯部50の歯は、主軸A1と平行に延在する)。この歯部は、例えば、サイクロイド歯車であり、月かなの歯数Z8に等しい歯数Z10を有する(即ち、ここではZ10=14である)。
図4に示す例では、中心車49は、第1の回転要素25のパイプ27上に嵌合する。より正確には、中心車は、肩部30上に嵌合する。中心車と第1の回転要素との間の境界面は、中心車が第1の回転要素とは無関係に回転できるように、摺動境界面である。
図4に示す好ましい実施形態によれば、月軸受け32は、中心車49上に組み付けられる。月軸受け32が中心車に対して回転可能であるように、滑り軸受け51を月軸受け32と中心車との間に挿入する。
機構8は、第6に、月車セット52を含み、月車セット52は、歯車が減速する状態で、第1の回転要素25を子午線車33(したがって、月軸受け32)に回転可能に結合し、第1の回転要素25によって月軸受けを回転することを可能にする。より正確には、月車セット52は、(C1<CFである間、第1の回転要素25と一体に回転する)第2の回転要素42を子午線車に回転可能に結合する。
月車セット52は、主軸A1に平行な軸A4からずれ、軸A4の周りに回転可能に組み付けられる。図4に示す一実施形態によれば、月車セットは、2つの重ね置いた一体車、即ち、
−第2の回転要素42の補助車43と噛み合う下側車53;
−月軸受け32の子午線車33と噛み合う上側車54;
を含む。
下側車53は、典型的にはZ11=43の歯数を有する外周歯部を備える。上側車54は、典型的にはZ12=37の歯数を有する外周歯部を備える。したがって、(月軸受け32対第1の回転要素25の回転速度比に等しい)太陽車26対子午線車33の歯車減速比、符号Rは、
Figure 0006636598
である。
この歯車減速比は、表示する平均太陰日の値、符号J:
Figure 0006636598
をもたらす。
この平均太陰日は、実際の平均太陰日に対する優れた近似値である。実際、表示する太陰日は、実際の太陰日に対して1太陽日当たり100分の5秒のロスしか示さない(即ち、8年ごとに1日のロス)。
太陰日の表示は、主軸A1周りの球体9の円形経路(即ち回転)によって保証する。天頂を横断する月は、12時を横断する球体9によって表される。
図3に点線で示す好ましい実施形態によれば、時計は、有利には、装着者から見え、地球の地平線を表す棒55を備える。
(装着者の視点から見て)棒55の上の球体9の約180°の経路は、天空に見える月の経路(月の昼)を表す一方で、棒の下の球体9の約180°の経路は、天空に見えない月の経路(月の夜)を表す。
月車セット52は、有利には、受け56上に組み付け、受け56自体は板7に固定する。月車セット52の回転軸A4は、例えば、受け56とらせん係合するねじによって実現する。
機構8は、第7に、中心車49と一体である、伝達車57を含み、以下で説明する条件において、伝達車57は、機構8の通常動作の間、中心車49が第2の回転要素42と一体に回転し、反対に、表示を修正する場合、中心車49が第2の回転要素42に対して回転可能になるように設計されている。
伝達車57は、歯部58を外側に備え、少なくとも1つの押さえばね59を内側に備える。
図8に示す一実施形態によれば、伝達車57は、一対の直径方向に対向する押さえばね59を備える。この数は限定するものではない。したがって、120°で配置した3つの押さえばねを設けることができる。
図6及び図9に示すように、1つの(又は各)押さえばね59は、(図示の例では湾曲している)条片ばね60を含み、条片ばね60は、伝達車57内に作製した中空61内に延在する。上方から見ると、条片ばね60は、反時計回り方向で固定端部62から自由端部63まで延在する(図6を参照)。押さえばね59は、条片ばねの自由端部に三角形頭部64も備え、三角形頭部64は、星車47の2つの隣接する歯48を隔てる空間と相補的なサイズ及び形状をもつ。
1つの(又は各)押さえばね59は、(押さえばねの頭部64を介して)星車47の歯部と係合し、噛み合う。押さえばね59は、(応力が一切ない)その均衡位置では、星車の半径よりも小さい距離で頭部64が主軸A1から分離している位置を占める。
通常動作では、1つの(又は各)押さえばね59は、押さえばねの頭部64によって星車47の2つの隣接する歯48の間に保持される。押さえばね59は、ばね自体の弾性戻り力によってこの位置で保持され、これにより、主軸A1の方向に頭部64を引っ張る状態にする。
通常動作の間、第1の回転要素25と一体である(したがって第1の回転要素25と回転駆動される)第2の回転要素42は、主軸A1周りに(上から見ると)時計回り方向に回転する。この結果、星車47は、1つの(又は各)押さえばね59の頭部64に応力を加え、これにより、押さえばね59が突き当たり、頭部64を、星車の2つの隣接する歯48の間に保持する状態にする。こうした条件において、(第1の回転要素を伴う)第2の回転要素及び(中心車49を伴う)伝達車57は、主軸A1周りに一体に回転し、時計回り方向に主軸A1周りに一緒に回転する(図6)。
中心車49は、例えば脚部65により、伝達車57と一体になり、脚部65は、中心車上に突出し、伝達車57内に作製した穴内で駆動される。一変形形態では、この取付けは、ねじを使用して達成することができる。
月相表示を修正する間、駆動トルクが伝達車57に加えられ、伝達車57を主軸A1周りに回転駆動させる(上から見ると反時計回り方向。図8及び図9を参照)が、この回転は、星車47によって第2の回転要素42に伝達されない。
第1の回転要素25上に摩擦組み付けした第2の回転要素42は、伝達車57の回転、及び第1の回転要素及び第2の回転要素のそれぞれに加えられる様々な周方向の力から得られたトルク、符号C2に抗う。
押さえばね(複数可)56の弾性が役目を果たすのはこの時点である。各押さえばね59は、以下のように設定、即ち、寸法決定されている。
−トルクC2が押さえトルクCSよりも低い間、星車47と噛み合う状態で係止したままであり;
−図9の点線で示すように、トルクC2が押さえトルクCSより大きくなると直ぐに、星車47の上を摺動する(より正確には、頭部64が歯48の上を摺動する)ことによって、押さえばね59の係合が解除されるまで、径方向に変位する。この径方向の変位は、条片ばね60の可撓性により可能であることに留意されたい。
押さえトルクCSは摩擦トルクCFよりも小さい、即ち、
CS<CF
である。
したがって、トルクC2単独の適用では、第1の回転要素25に対して第2の回転要素42を摺動させることが絶対にできない。したがって、第1の回転要素及び第2の回転要素は、月相を修正する間、依然として一体に回転する(したがって固定されている)。
通常動作の間、(りゅうず歯部50を伴う)中心車49は、第2の回転要素(したがって第1の回転要素)と、主軸A1周りに24時間で完全に1回転する速度で一体に回転する。
上記で提示した歯車減速比Rを考慮すると、(球体9を伴う)月軸受け32自体は、より緩やかに(24時間50分28.378秒で)完全に1回転する。また、月かな41及びりゅうず歯部50が同じ数の歯を含む(Z8=Z10)ことを考慮すると、球体9は、(機構8を径方向軸A3の方向の側から見ると、時計回り方向に)径方向軸A3周りに緩やかに駆動回転する。
球体9は、表示する朔望月値、即ち、
Figure 0006636598
に対応する日数Lで、球体の軸A3周りに完全に1回転する。
この朔望月値は、実際の朔望月に対する優れた近似値であり、前記実際の朔望月と比較して1月当たり約7分のロスを有する(即ち、17年ごとに1日のロス)。
一方の、表示する太陰日と実際の太陰日との間の差異、及びもう一方の、表示する月相と実際の月相との間の差異は、小さいと理解している。1回の太陰日の修正及び1回の朔望月の修正は、時計1が中断なく数年間動作したのちに、必要となる。
しかし、機械式時計のパワー・リザーブを枯渇させないほど念入りなユーザは、まれである。したがって、ユーザの失念のために時計1が停止した後、表示のリセットに必要な修正の方が、中断のない動作の間に機構8に蓄積されたロスを埋め合わせるのに必要な修正よりも頻繁である。
太陰日の表示を修正するために、機構8は、かな67を含む修正デバイス66を備え、かな67は、月車セット52と噛み合い、第1の修正列を介して月軸受け32を主軸A1周りに強制的に回転させることができ、第1の修正列は、伝達車を介さず、月車セット52及び子午線車33を含む。
月相の表示を修正するために、機構8は、かな67を含む修正デバイス66を備え、かな67は、伝達車57と噛み合い、第2の修正列を介して球体9を径方向軸A3周りに強制的に回転させることができ、第2の修正列は、伝達車、中心車49及び月かな41を含む。
機構8は、2つの異なる修正デバイスを有し、太陰日の表示及び月相の表示を個別に修正することができる。太陰日及び月相の表示を個別に起動するために、時計1は、2つの異なる巻上げ機構を備えることができ、2つの異なる巻上げ機構は、ユーザ(又は時計製造業者)が互いに無関係に動作させることができる。
しかし、図面、より詳細には図5、図7及び図8に示す好ましい実施形態では、機構8は、太陰日及び月相の表示を修正する単一デバイス66を含む。
この修正デバイス66は摺動かな67を含み、摺動かな67は、2つの調節位置、即ち、
−摺動かな67が月車セット52と噛み合い、第1の運動連鎖を介して主軸A1周りに月軸受け32を強制的に回転させる太陰日調節位置(図7);
−摺動かな67が伝達車57と噛み合い、第2の運動連鎖を介して径方向軸A3周りに球体9を強制的に回転させる月相調節位置(図8)
を取ることができる。
図7及び図8に示す例では、修正デバイス66は、摺動かな67と噛み合う搬送かな68、及び摺動かなの回転軸と搬送かなの回転軸とを接合する少なくとも1つの接続棒69を含む。実際には、修正デバイス66は、搬送かな及び摺動かなの両側に配置した一対の重ね置いた接続棒69を含む。
搬送かな68は、受け56上に、主軸A1に平行な軸A5周りに回転可能に組み付け、有利には、受け56とらせん係合するねじによって実現する。
修正デバイス66は、巻上げ機構70を含み、巻上げ機構70は、主軸A1に直交する巻上げ軸A6周りに且つ巻上げ軸A6に沿って摺動枢動構成で組み付けられた巻真71、及び巻真71と一体に回転するりゅうず72を備える。巻真は、ケース中板3を貫通し、ユーザはりゅうずにアクセス可能である。
図8に示す特定の実施形態によれば、修正デバイス66は、歯付き中間相車(以下、より単純に中間相車73と呼ぶ)を含み、歯付き中間相車は、伝達車57と噛み合い、歯付き中間相車を介して、月相調節位置において、摺動かな67が伝達車と噛み合う。中間相車は、受け56上に、軸A7周りに回転可能に組み付けられ、軸A7は、受け56とらせん係合するねじによって実現される。
修正デバイス66は、摺動部材74も含み、摺動部材74は、(例えばブレゲ歯部を有する)きち車75及びつづみ車76を備え、きち車75及びつづみ車76は、摺動枢動構成で、巻上げ軸A6周りに且つ巻上げ軸A6に沿って組み付けられ、例えば従来のプルアウト部品及びレバー機構(図示せず)によって、巻上げ機構70に、
−つづみ車76が搬送かな68に結合する修正位置(図7及び図8)と、
−つづみ車76が搬送かな68から分離する解放位置(及びきち車75が、図示しないきち車に結合する位置。時計1のぜんまいは、このきち車を介してりゅうず72の回転により巻き上げる)と
の間で結合される。
巻上げ機構70の回転を搬送かな68に伝達することは、有利には、中間列を介して達成し、中間列は、典型的には、つづみ車76と噛み合う第1の中間車77、及び第1の中間車と搬送かなとの間に挿入される第2の中間車78を含む。
最後に、特に図2及び図4に示す一実施形態では、機構8は、月軸受け32と一体である円板形状のカバー79を含む(例えば、カバー79は、子午線車33と月カバー34との間に挟まれている)。カバー79は、内部に球体9を収容する円形開口80を有する。月軸受け32と共に回転するこのカバーは、天空円蓋を象徴化することを意図するものである。この目的で、図示の例では、カバー79は、星座を表す(エッチング、描画又は浮彫の)シンボル81を支持する。
太陰日表示の修正は、球体9をその軸A3周りに回転させ、これにより、月相表示を変化させる。これこそが、太陰日表示の修正が月相表示の修正に先行しなければならない理由である。
任意の修正の前に、カム74を修正位置に置かねばならない。これは、(ユーザ又は時計製造業者にとっては従来の様式で)りゅうず72を引っ張り、つづみ車76を第1の中間車77の方に押し、つづみ車76及び第1の中間車77を噛合い状態にすることによって行う。
太陰日表示を修正するために、りゅうず72は、中間列77、78内のかなの数に応じて決定される既定の方向で回転させなければならない。図7に示す実施形態では、りゅうずは、巻上げ軸A6に沿って見て時計回り方向で回転させなければならない。
次に、りゅうず72の回転により、中間列77、78を介して、(上から見ると)時計回り方向に搬送かな68を駆動し、更に、時計回り方向に接続棒69を枢動させる役割を果たし、摺動かな67と月車セット52との噛み合わせを生じさせる(又は噛合いを維持する)。
次に、搬送かな68の時計回り回転により、連続的に、
−搬送かな68と噛み合う摺動かな67を反時計回り方向に;
−摺動かな67と噛み合う月車セット52を時計回り方向に;
−子午線車33が月車セットの上側車54と噛み合う月軸受け32を反時計回り方向に
回転駆動させる。この結果、球体9は、反時計回り方向で主軸A1周りに回転移動するように駆動される。全てのこうした動きは、図7に矢印で示す。
太陰日修正の間、得られたトルクC2であって、補助車43に加えられるトルクC2は、摩擦トルクCFを超え、このため、第1の回転要素25は、軸A1周りにおいて回転できない状態で固定されたままである(というのは、第1の回転要素25は日の裏機構13によって阻止されるので)一方で、くぼみ46は、補助車及びパイプ27の境界面45において、補助車に、パイプ27に対する摺動をもたらし、摺動可能にすることに留意されたい。
りゅうず72の回転は、主軸A1周りの球体9の径方向軸A3の角度位置が正しいと見なされると停止し、太陰日表示の修正を終了する。
次に、月相表示を修正しなければならない。そのために、りゅうず72は、太陰日表示の修正の間に辿った方向とは反対の方向に回転させなければならない。図8に示す実施形態では、りゅうず72は、巻上げ軸A6に沿って見て反時計回り方向で回転させなければならない。
りゅうず72の回転により、中間列77、78を介して、(上から見ると)反時計回り方向に搬送かな68を駆動し、更に、摺動かな67が中間相車73と噛み合うまで、反時計回り方向に接続棒69を傾ける。
りゅうず72の回転が続くにつれて、搬送かな68の反時計回りの回転は、連続的に、
−搬送かな68と噛み合う摺動かな67を反時計回り方向に;
−摺動かなと噛み合う中間相車73を時計回り方向に
回転駆動させる。
トルクC2が押さえトルクCSに達する(これは、ユーザ又は時計製造業者の指で完全に行うことができる)と直ぐに、伝達車57であって、歯部58が中間相車73と噛み合う伝達車57自体が、時計回り方向に回転駆動する。全てのこうした動きは、図8に矢印で示す。
しかし、押さえトルクCSは、第1の回転要素25上の第2の回転要素42の摩擦トルクCFよりも低い。このため、伝達車57の回転にもかかわらず、第2の回転要素は、固定されたままである。というのは、第2の回転要素は、日の裏機構13によって係止されている第1の回転要素と一体に回転するためである。
したがって、図9の点線で示すように、伝達車57が回転するにつれて1つ又は複数の押さえ59は、径方向に変位し、1つの歯から次の歯に飛び移る。
伝達車57と一体に回転する中心車49は、その歯部50と共に、軸A1周りに時計回り方向で回転駆動する。月軸受け32は固定されたままであるので、この中心車の回転により、中心車が噛み合う月かな41を介して、(軸A3に沿って見ると)球体9をその径方向軸A3周りに時計方向で回転させる。第1の変形形態では、例えば、更なる車セットを伝達車と摺動かなとの間の月相修正列に追加することによって、次いで球体は、通常動作の回転方向に対応する反時計回り方向に回転する。第2の変形形態では、太陰日の修正の間、球体9が、主軸A1周りに時計回り方向で回転移動するように駆動されると仮定すると、更なる車セットを修正デバイス66の運動連鎖に挿入することができる。代替として、第3の変形形態では、1つの車セットを修正デバイス66の運動連鎖から取り外す。最後に、月車セットと伝達車との相対位置を逆にすることによって月相修正を得ることも可能であり、この場合、月相修正は、りゅうずを時計回り方向に回転させて行う一方で、太陰日の修正は、りゅうずを反時計回り方向に回転させて行う。
星車47が29又は30の歯を有する場合、1つの歯から別の歯への押さえばね(複数可)59のそれぞれの飛び移りは、1日の修正に対応する。星車47が59の歯を有する場合、1つの歯から別の歯への押さえばね(複数可)59のそれぞれの飛び移りは、半日の修正に対応する。(1日又は半日のそれぞれの)この修正は、押さえばね(複数可)の飛び移りに付随するクリック音によって装着者又は時計製造業者に通知される。
太陰日表示及び月相表示に対する修正が終了すると、装着者は、りゅうず72を押し戻し、これにより、カム74を併進移動させ、つづみ車76を第1の中間車77から分離させる。
時計1の通常動作の間、(図5に示すように)摺動かな67が月車セット52又は中間相車73と噛み合ったままであるのは不都合ではない。というのは、巻上げ機構70は搬送かな68から分離されているためである。
上記で提示した修正デバイス66は、単純で効率的で正確で確実な形で、太陰日及び月相の修正を機構8で可能にすることがわかっている。装着者又は時計製造業者にとっては、回転方向のみで適用する修正を決定するものである。
1 時計
2 ケース
3 ケース中板
4 かん
5 手首装着用ブレスレット
7 底板
8 計時器機構
9 球体
10 心軸
11 中心車セット
12 車
13 駆動機構
14 大型車
15 中間車
16 小型車
17 筒かな
18 中心かな
19 管
20 分針
21 時車セット
22 時車
23 シャフト
24 時針
25 第1の回転要素
26 太陽車
27 パイプ
28 下側段
29 上側段
30 肩部
31 太陽針
32 月軸受け
33 月子午線車
34 月カバー
35 内部空洞
36 暗色半球体
37 明色半球体
38 ランナ
39 スリーブ
40 穴
41 月かな
42 第2の回転要素
43 補助車
44 スリーブ
45 境界面
46 くぼみ
47 星車
48 三角形歯
49 中心車
50 りゅうず歯部
51 滑り軸受け
52 月車セット
53 下側車
54 上側車
55 棒
56 受け
57 伝達車
58 歯部
59 押さえばね
60 条片ばね
61 中空
62 固定端部
63 自由端部
64 頭部
65 脚部
66 修正デバイス
67 摺動かな
68 搬送かな
69 接続棒
70 巻上げ機構
71 巻真
72 りゅうず
73 中間相車
74 摺動部材・カム
75 きち車
76 つづみ車
77 第1の中間車
78 第2の中間車
79 カバー
80 円形開口
81 シンボル
101 月軸受け
102 月子午線車
103 球体
104 月かな
105 第1の回転要素
106 月車
107 中心車
A1 主軸
A2 共通軸
A3 球体の軸
A4 回転軸
A5 軸
A6 巻上げ軸
A7 軸
C1 トルク
C2 トルク
CF 摩擦トルク
CS 押さえトルク
X1 主軸
X2 径方向軸

Claims (15)

  1. 太陰日及び月相を表示する計時器機構(8)であって、前記計時器機構(8)は、
    −主軸(A1)周りに回転可能に組み付け、駆動機構(13)と噛み合う第1の回転要素(25)、
    −子午線車(33)を備え、前記主軸(A1)周りに回転可能に組み付けた月軸受け(32)、
    −月を表し、前記月軸受けに対して、前記主軸に直交する径方向軸(A3)周りに回転可能に組み付けた球体(9)であって、前記径方向軸は、月かな(41)を支持する、球体(9)、
    −歯車が減する状態で、前記第1の回転要素を前記子午線車に回転可能に結合する月車セット(52)、
    −前記第1の回転要素上で前記主軸(A1)周りに回転可能に組み付け、前記月かなと噛み合う中心車(49)
    を含む、機構(8)において、前記機構は、
    −第2の回転要素(42)であって、前記第2の回転要素(42)は、前記月車セット(52)と噛み合い、境界面(45)で、前記第1の回転要素(25)上に摩擦組み付けし、前記第1の回転要素及び前記第2の回転要素のそれぞれに加えられる様々な周方向の力から得られるトルク(C1)が前記境界面(45)における最大接着力を決定する摩擦トルク(CF)よりも小さい間、前記主軸(A1)周りに前記第1の回転要素(25)と一体に回転させ、前記第2の回転要素は、前記月車セット及び前記月軸受けと共に、前記第1の回転要素の下流で第1の運動連鎖を形成する、第2の回転要素(42)、
    −伝達車(57)であって、前記伝達車(57)は、前記中心車(49)と一体に回転し、外側に歯部(58)を備え、内側に少なくとも1つの押さえばね(59)を備え、前記押さえばね(59)は、前記第2の回転要素と一体に回転する星車(47)の歯部と係合し、噛み合い、前記星車及び前記伝達車(57)のそれぞれに加えられる様々な周方向の力から得られるトルク(C2)が押さえトルクよりも小さい間、前記第2の回転要素を前記中心車に回転可能に結合させ、前記押さえトルクを超えると、前記押さえばね(59)は、前記押さえばね(59)の係合が前記星車(47)から解除されるまで前記星車(47)上を摺動することによって径方向に変位し、前記少なくとも1つの押さえばね及び前記星車は、前記押さえトルクが前記摩擦トルクよりも低いように構成し、前記伝達車は、前記中心車及び前記月かなと共に、前記星車の下流で第2の運動連鎖を形成する、伝達車(57)、
    −第1の駆動要素(67)を含む、太陰日表示を修正するシステムであって、前記第1の駆動要素(67)は、少なくとも瞬間的に、前記第1の運動連鎖と噛合い関係を有することができ、前記摩擦トルクよりも大きい第1の修正トルクがユーザによって第1の修正列に加えられると、前記主軸(A1)周りに、前記第1の修正列を介して前記月軸受け(32)を強制的に回転させ、前記第1の修正列は、前記第1の運動連鎖の少なくとも一部分によって部分的に形成される、システム、並びに
    −第2の駆動要素(67)を含む、月相を修正するシステムであって、前記第2の駆動要素(67)は、少なくとも瞬間的に、前記第2の運動連鎖と噛合い関係を有することができ、前記押さえトルクよりも大きい第2の修正トルクがユーザによって第2の修正列に加えられると、前記径方向軸(A3)周りに、前記第2の修正列を介して前記球体(9)を強制的に回転させ、前記第2の修正列は、前記第2の運動連鎖の少なくとも一部分によって部分的に形成され、前記第1の運動連鎖とは無関係である、システム
    を含むことを特徴とする、機構(8)。
  2. 前記太陰日表示修正システム及び前記月相修正システムは、太陰日表示を起動させ、且つ太陰日表示を起動させずに月相を起動させる共通修正デバイス(66)を含み、前記共通修正デバイスは、前記第1の駆動要素及び前記第2の駆動要素を単独で形成する摺動かな(67)を含み、前記摺動かなは、2つの調節位置、即ち、
    −前記摺動かなが前記月車セット(52)と噛み合い、前記主軸(A1)周りに、前記第1の運動連鎖の前記少なくとも一部分を介して前記月軸受け(32)を強制的に回転させる太陰日調節位置;
    −前記摺動かなが前記伝達車(57)と噛み合い、前記径方向軸(A3)周りに、前記第2の運動連鎖の前記少なくとも一部分を介して前記球体(9)を強制的に回転させる月相調節位置
    を取ることができることを特徴とする、請求項1に記載の機構(8)。
  3. 前記共通修正デバイス(66)は、前記摺動かな(67)と噛み合う搬送かな(68)、及び前記摺動かな(67)の回転軸と前記搬送かなの回転軸とを接合する少なくとも1つの接続棒(69)を含むことを特徴とする、請求項2に記載の機構(8)。
  4. 前記星車(47)及び前記第2の回転要素(42)は同軸で一体であること、並びに前記伝達車(57)及び前記中心車(49)は同軸で一体であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の機構(8)。
  5. 前記第1の駆動要素は、少なくとも太陰日表示の修正の間、前記月車セットと噛み合うことができること、及び前記第2の駆動要素は、少なくとも月相修正の間、前記伝達車と噛み合うことができることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の機構(8)。
  6. 前記第1の回転要素(25)は、歯付き車(26)を含み、前記歯付き車(26)は、前記主軸(A1)に直交して延在し、前記主軸(A1)は、前記主軸に沿って延在するパイプ(27)と一体であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の機構(8)。
  7. 前記第2の回転要素(42)は、補助車(43)を含み、前記補助車(43)は、前記主軸(A1)に直交して延在し、前記主軸(A1)は、前記第1の回転要素(25)の前記パイプ(27)上に摩擦嵌合するスリーブ(44)と一体であることを特徴とする、請求項6に記載の機構(8)。
  8. 前記月車セット(52)は、2つの重ね置いた一体車、即ち、
    −前記第2の回転要素(42)の前記補助車(43)と噛み合う下側車(53);
    −前記月軸受け(32)の前記子午線車(33)と噛み合う上側車(54)
    を含むことを特徴とする、請求項7に記載の機構(8)。
  9. −前記第2の回転要素の前記補助車は、64の歯を有し、
    −前記月車セットの前記下側車は、43の歯を有し、
    −前記月車セットの前記上側車は、37の歯を有し、
    −前記月軸受けの前記子午線車は、57の歯を有する
    ことを特徴とする、請求項8に記載の機構(8)。
  10. 前記中心車(49)は、前記月かな(41)と噛み合うりゅうず歯部(50)を支持することを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の機構(8)。
  11. 前記中心車(49)は、前記第1の回転要素(25)上で自由回転するように組み付けることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の機構(8)。
  12. 前記月軸受け(32)は、前記中心車(49)上で自由回転するように組み付けることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の機構(8)。
  13. 前記月軸受け(32)は、滑り軸受けを介挿して前記中心車(51)上に嵌合させることを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載の機構(8)。
  14. 前記伝達車(57)は、一対の直径方向に対向する押さえばね(59)を含むことを特徴とする、請求項1から13のいずれかに記載の機構(8)。
  15. 前記星車(47)は、29、30又は59の歯を有することを特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載の機構(8)。
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