JP6636254B2 - 蓄電デバイス用チタン系構造体及びその製造方法、並びに該チタン系構造体を用いた電極活物質、電極活物質層、電極、及び蓄電デバイス - Google Patents

蓄電デバイス用チタン系構造体及びその製造方法、並びに該チタン系構造体を用いた電極活物質、電極活物質層、電極、及び蓄電デバイス Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池、キャパシタ等の蓄電デバイス用チタン系構造体及びその製造方法、並びに該チタン系構造体を用いた電極活物質、電極活物質層、電極、及び蓄電デバイスに関する。
リチウムイオン二次電池、キャパシタ等を始めとする蓄電デバイスの電極材料(負極材等)としては、炭素系材料が主に用いられている。
しかしながら、例えば、リチウムイオン二次電池の負極材として炭素材料を使用した場合には、リチウム金属を使用する場合程ではないものの、リチウム(Li)デンドライトが発生してしまう。また、熱暴走を引き起こし、異常発熱や発火を引き起こしていた。
これらの問題があるため、リチウムイオン二次電池の負極材に炭素材料を使用した場合には、高温(例えば60℃以上)で使用できない、低温特性に優れるプロピレンカーボネートを使用できない(低温特性が悪い)、高価なセパレータを使用する必要がある等の問題があった。また、耐熱性の高いイオン液体系電解液が分解してしまうため使用できない、急速充放電時に性能が低下する等の欠点もあった。
この炭素材料に代わり、酸化チタンを負極材として使用することも知られている。酸化チタンの場合は、理論放電容量は335mAh/gと高いが、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタンについては密に詰まった結晶構造を有するため、実際の放電容量は高々100mAh/g程度である。
そこで、近年、Liデンドライトが発生せず、熱暴走が起こらず、サイクル特性にも優れたチタン酸リチウム(LTO:例えばLiTi12)が負極材として用いられるようになった。また、炭素材料と比較して比重が高いので、体積あたりの容量を向上させることが期待される。しかしながら、LTO(LiTi12)は、そもそも理論放電容量が175mAh/gと低く、実際の放電容量も163〜168mAh/g程度と低いという欠点があった(特許文献1、非特許文献1)。また、ラムスデライト型LTOに関しても理論放電容量で235mAh/gであった(特許文献2)。
上記のような問題点は、リチウムイオン二次電池についてのみ説明したが、電気二重層キャパシタにおいても同様である。
特開2002−274849号 特開平10−247496号
E.Ferg et al, J.Electrochem.Soc., Vol.141, No.11, L147(1994)
本発明は、既存の炭素系材料より安全性が高く、チタン酸リチウム等の既存のチタン系材料より高容量であり、蓄電デバイスに使用できるチタン系構造体及びその簡易な製造方法を提供することを目的とする。また、このチタン系構造体をリチウムイオン二次電池に採用する場合は高放電容量及び優れたレート特性を示し、電気二重層キャパシタに採用する場合は高静電容量を示す材料とすることも目的とする。
上記目的を鑑み、鋭意検討した結果、特定濃度のアルカリ水溶液中に、Ti原子を有する物質を添加し、50〜450℃に加熱し、必要に応じてアルカリを水素に置換し、必要に応じて加熱することで、特定のチタン系構造体が得られ、このチタン系構造体を採用することにより、上記課題を解決することができることを見出した。その後さらに研究を重ね、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の構成を包含する。
項1.少なくとも周期表第1族原子、Ti原子及びO原子を含み、
前記周期表第1族原子のTi原子に対する比(周期表第1族原子/Ti原子)が0.01〜0.5(モル比)であり、
前記O原子のTi原子に対する比(O原子/Ti原子)が2.005〜2.25であり、
平均最小サイズが1〜100nmであり、且つ、
比表面積が10m/g以上である、蓄電デバイス用チタン系構造体。
項2.組成式:
AxTiOy
[式中、Aは周期表第1族原子;xは0.01〜0.5;yは2.005〜2.25である。]
で示される、項1に記載の蓄電デバイス用チタン系構造体。
項3.さらに、Nb原子、B原子、C原子、及びN原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、項1に記載の蓄電デバイス用チタン系構造体。
項4.組成式:
AxTiOyMz
[式中、Aは周期表第1族原子;MはNb原子、B原子、C原子、又はN原子;xは0.01〜0.5;yは2.005〜2.25;zは0.01〜0.20である。]
で示される、項3に記載の蓄電デバイス用チタン系構造体。
項5.前記周期表第1族原子は、H原子を80モル%以上、Na原子を10モル%以下含む、項1〜4のいずれかに記載の蓄電デバイス用チタン系構造体。
項6.前記周期表第1族原子は、H原子を50モル%以上、K原子を50モル%以下含む、項1〜4のいずれかに記載の蓄電デバイス用チタン系構造体。
項7.前記周期表第1族原子は、NaとKの総含有量が1重量%以下である、項1〜6のいずれかに記載の蓄電デバイス用チタン系構造体。
項8.平均最小サイズが1〜40nmであり、且つ、比表面積が50m/g以上である、項1〜7のいずれかに記載の蓄電デバイス用チタン系構造体。
項9.平均最小サイズが1nm以上5nm未満である、項1〜8のいずれかに記載の蓄電デバイス用チタン系構造体。
項10.前記蓄電デバイスが、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ又はリチウムイオンキャパシタである、項1〜9のいずれかに記載の蓄電デバイス用チタン系構造体。
項11.項1〜10のいずれかに記載の蓄電デバイス用チタン系構造体の製造方法であって、
(1)2〜20mol/Lのアルカリ水溶液中で、少なくともチタンを含む材料を、50〜450℃でアルカリ処理する工程
を備える、製造方法。
項12.前記アルカリが、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを含む、項11に記載の製造方法。
項13.前記アルカリが、少なくとも水酸化ナトリウムを30モル%以上含む、項11又は12に記載の製造方法。
項14.さらに、
(2)工程(1)で得られた酸化チタン構造体中に存在するナトリウム及び/又はカリウムを水素及び/又はリチウムに置換する工程
を備える、項11〜13のいずれかに記載の製造方法。
項15.さらに、
(3)工程(2)で得られたチタン系構造体を、150〜500℃で熱処理を行う工程
を備える、項14に記載の製造方法。
項16.項1〜10のいずれかに記載の蓄電デバイス用チタン系構造体、又は項11〜15のいずれかに記載の製造方法により得られた蓄電デバイス用チタン系構造体を含有する、蓄電デバイス用電極活物質。
項17.項16に記載の蓄電デバイス用電極活物質を含有する、蓄電デバイス用電極活物質層。
項18.さらに、導電材及びバインダを含有し、且つ、前記電極活物質層中の前記負極活物質の混合割合が30〜99重量%であり、前記導電材の混合割合が1〜50重量%である、項17に記載の蓄電デバイス用電極活物質層。
項19.電極集電体、及び、項17又は18に記載の蓄電デバイス用負極活物質層を備える、蓄電デバイス用電極。
項20.項19に記載の蓄電デバイス用電極を備える、蓄電デバイス。
項21.リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ又はリチウムイオンキャパシタである、項20に記載の蓄電デバイス。
本発明によれば、チタン酸リチウム等の既存のチタン系材料より高容量であり、蓄電デバイスに適用できるチタン系構造体及びその簡易な製造方法を提供することができる。このチタン系構造体は、リチウムイオン二次電池に採用する場合は高放電容量及び優れたレート特性を示し、電気二重層キャパシタに採用する場合は高静電容量を示す。また、このチタン系構造体は、デンドライトを発生させにくいとともに、電解液を分解させにくいため、既存の炭素系材料と比較して安全性が高い材料である。
実施例1で作製したチタン系構造体の電子顕微鏡(TEM)像である。 実施例8で作製したチタン系構造体の電子顕微鏡(TEM)像である。 実施例8で作製したチタン系構造体の電子顕微鏡(STEM)像である。
1.チタン系構造体
本発明の蓄電デバイス用チタン系構造体は、少なくとも周期表第1族原子、Ti原子及びO原子を含み、前記周期表第1族原子のTi原子に対する比(周期表第1族原子/Ti原子)が0.01〜0.5(モル比)であり、前記O原子のTi原子に対する比(O原子/Ti原子)が2.005〜2.25であり、平均最小サイズが1〜100nmであり、且つ、比表面積が10m/g以上の構造体である。
本発明において、「チタン系構造体」とは、典型的には、酸化チタンに代表されるチタン化合物からなる構造体を意味する。「酸化チタン」とは、最も一般的な酸化チタンである二酸化チタン(TiO)のみを指すものではなく、三酸化二チタン(Ti);一酸化チタン(TiO);Ti、Ti等に代表される二酸化チタンから酸素欠損した組成のもの等も含む。また、末端OH基に代表されるように一部酸化チタンの合成に起因するTi−O−Ti以外の基を含んでいてもよい。また、Li原子等の第1族原子を含んでいてもよい。
<形状>
本発明のチタン系構造体の形状は、棒状、ファイバー状、シート状(平面でないものを含む)、粒子状のいずれでもよく、これらの混合物でもよい。また、棒状、ファイバー状、シート状の場合は、直方体や円柱状のように、必ずしも直線状である必要はなく、曲がっていてもよい。また、完全な平面を有している必要はなく、曲面であってもよい。断面は、円状、楕円状、四角形状等、特に制限はない。また、本発明のチタン系構造体には、多少の凹凸を有していてもよい。ただし、筒状(チューブ状)やロール状のものは除く。容量(特に放電容量)の観点から、シート状のものが好ましい。
本発明のチタン系構造体の平均最小サイズは、1〜100nm、好ましくは1〜40nm、より好ましくは1nm以上5nm未満である。平均最小サイズが1nm未満では、チタン系構造体が凝集しやすいため単離が困難である、電解液の拡散に必要なポアサイズ(孔径)が得られにくい等の問題点がある。また、平均最小サイズが100nmをこえると、比表面積が小さくなり、レート特性等が悪化する。
なお、本発明において、チタン系構造体の「平均最小サイズ」とは、例えば、棒状又はファイバー状の場合には、平均直径と平均長さのうち最も小さいものを意味し、シート状の場合には、平均幅、平均厚み、平均長さのうち最も小さいものを意味する。つまり、チタン系構造体の「平均最小サイズ」とは、チタン系構造体の寸法のうち、最も小さいものを意味する。なお、本発明のチタン系構造体が棒状又はファイバー状の場合には、平均直径が平均最小サイズであることが好ましく、シート状の場合には、平均厚みが平均最小サイズであることが好ましい。
本発明において、チタン系構造体の平均最小サイズ以外の寸法は特に制限されない。
例えば、本発明のチタン系構造体が棒状又はファイバー状の場合には、塗膜の強度及びレート特性をより向上させるとともに、塗布した場合の膜性をより良好にする観点から、平均長さは0.5〜50μm(特に1〜20μm)が好ましい。また、高導電性、高強度等、高アスペクト比に起因する物性をより得やすくするとともに、塗布した場合の膜性をより良好にする観点から、平均アスペクト比は5〜5000(特に10〜1000)であることが好ましい。
また、本発明のチタン系構造体がシート状の場合には、チタン系構造体同士をより絡みにくくして凝集を抑制して単離をより容易にするとともに、比表面積をより大きくしてレート特性をより向上させる観点から、平均厚みは1〜50nm(特に2〜20nm)が好ましい。また、塗膜の強度及びレート特性をより向上させるとともに、塗布した場合の膜性をより良好にする観点から、平均幅(最も長い幅の平均)は0.05〜50μm(特に0.1〜20μm)が好ましい。さらに、高導電性、高強度等、高アスペクト比に起因する物性をより得やすくするとともに、塗布した場合の膜性をより良好にする観点から、厚みに対する平均幅の比は5〜5000(特に10〜1000)であることが好ましい。
チタン系構造体の形状(平均最小サイズ、平均直径、平均幅、平均長さ、及び平均アスペクト比)は、例えば、電子顕微鏡(SEM又はTEM)観察等により測定し、断面は例えば、FIB(Focused Ion Beam)により加工を行った後にTEMで観察するものとする。
本発明のチタン系構造体の比表面積は10m/g以上、好ましくは15m/g以上、より好ましくは50m/g以上である。比表面積が10m/g未満では、電解液との接触面積が小さく、電解液との素早い反応性が低下するとともに、レート特性が悪化する。一方、塗膜の収縮をより抑え、クラック等をより防止する観点から、比表面積は1000m/g以下が好ましく、500m/g以下がより好ましい。比表面積は、BET法等により測定するものとする。
<組成>
上述したように、本発明のチタン系構造体は、少なくとも周期表第1族原子、Ti原子及びO原子を含み、前記周期表第1族原子のTi原子に対する比(周期表第1族原子/Ti原子)が0.01〜0.5(モル比)であり、前記O原子のTi原子に対する比(O原子/Ti原子)が2.005〜2.25である。
つまり、本発明のチタン系ナノ構造体の主成分はアナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型等のTiOではないが、これらが混合されていてもよく、その含有量は、例えば10重量%以下程度である。また、本発明のチタン系構造体の具体的な結晶構造は、特に制限されるわけではなく、複数の結晶形を含んでいてもよい。チタン系構造体の結晶構造は、例えば、X線回折、電子線回折、ラマン分光分析等により測定するものとする。
本発明のチタン系構造体が有する周期表第1族原子としては、例えば、H原子、Li原子、Na原子、K原子等が挙げられる。なお、本発明のチタン系構造体中のNa及びKの含有量は、少なくしたほうがより充放電容量及びサイクル特性を向上させることができ、チタン系構造体総重量の20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。
なお、本発明のチタン系構造体が周期表第1族原子としてアルカリ金属を含む場合には、アルカリ金属の含有量は、水熱合成法を採用する場合の原料由来のアルカリ金属(例えば水酸化ナトリウム中のナトリウム、水酸化カリウム中のカリウム等)を意図するものであり、上記のとおり、少ないほうが、より充放電容量及びサイクル特性を向上させることができる。なお、耐熱性を必要とする場合は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属をある程度含有するほうが好ましいことがあるため、金属含有量は、目的等に応じて適宜設定すればよい。
このような観点から、本発明のチタン系構造体が含有する周期表第1族原子は、H原子を80モル%以上(80〜100モル%、特に90〜100モル%)含み、Na原子を10モル%以下(0〜10モル%、特に0〜5モル%)含むことが、より高い充放電容量を有するため好ましい。アルカリ元素の含有量は、イオンクロマトグラフ法、ICP発光分光分析法等により測定するものとする。
一方、別の好ましい態様として、本発明のチタン系構造体が、周期表第1族原子として、K原子を含む場合には、H原子を50モル%以上(50〜100モル%、特に70〜100モル%)含み、K原子を50モル%以下(0〜50モル%、特に0〜30モル%)含むことが、より高い充放電容量を有するため好ましい。アルカリ金属元素の含有量は、イオンクロマトグラフ法、ICP発光分光分析法等により測定するものとする。
なお、本発明のチタン系構造体中のLi原子の含有量は、少ないほどより高い充放電容量を有し、多いほどより高いサイクル特性を有することから、要求特性に応じて適宜設定すればよい。
本発明のチタン系構造体では、前記周期表第1族原子は、NaとKの総含有量が1重量%以下であることが好ましい。この場合、充放電容量をより高くすることができ、しかも、サイクル特性を向上させることができる。
本発明のチタン系構造体において、周期表第1族原子のTi原子に対する比(周期表第1族原子/Ti原子;モル比)は、0.01〜0.5、好ましくは0.1〜0.35である。周期表第1族原子のTi原子に対する比が0.01未満では、TiOに近い化学構造でありサイクル特性が悪化することがある。また、周期表第1族原子のTi原子に対する比が0.5をこえると、充放電容量及びサイクル特性が低下する。また、周期表第1族原子のTi原子に対する比が整数比の単一物質である必要はなく、異なる比率の構造体の混合物でもよい。アルカリ金属元素の含有量は、イオンクロマトグラフ法、ICP発光分光分析法等により測定し、Ti原子、O原子等の含有量は、蛍光X線(WDX)、X線回折(XRD)、TG−DTA等により測定するものとする。
本発明のチタン系構造体において、O原子のTi原子に対する比(O原子/Ti原子;モル比)は、2.005〜2.25、好ましくは2.05〜2.2である。O原子のTi原子に対する比が2.005未満では、サイクル特性が悪化することがある。また、O原子のTi原子に対する比が2.25をこえると、充放電容量及びサイクル特性が低下する。Ti原子、O原子等の含有量は、蛍光X線(WDX)、X線回折(XRD)、TG−DTA等により測定するものとする。
上記のような条件を満たす本発明のチタン系構造体としては、例えば、組成式:
AxTiOy
[式中、Aは周期表第1族原子;xは0.01〜0.5;yは2.005〜2.25である。]
で示される組成を有することが好ましい。
また、本発明のチタン系構造体には、Nb原子、B原子、C原子、N原子の少なくとも1種を含んでいてもよい。これらの元素を含んでいることにより、導電性を向上させる、電解液との反応を抑制する等の効果が得られる。特に、本発明のチタン系構造体がNb原子、C原子等を含んでいる場合には、サイクル特性をより向上させることができる。
なお、本発明のチタン系構造体にNb原子、B原子等を含ませる場合には、これらの元素を常法によりドープすることが好ましい。また、C原子、N原子については、本発明のチタン系構造体を製造する際に含まれていることがある。
上記のような条件を満たす本発明のチタン系構造体としては、例えば、組成式:
AxTiOyMz
[式中、Aは周期表第1族原子;MはNb原子、B原子、C原子、又はN原子;xは0.01〜0.5;yは2.005〜2.25;zは0.01〜0.20である。]
で示される組成を有することが好ましい。
このような性質を有する本発明のチタン系構造体は、チタン酸リチウム等の既存のチタン系材料より高容量であり、リチウムイオン二次電池に採用する場合は高放電容量及び優れたレート特性を示し、電気二重層キャパシタに採用する場合は高静電容量を示す。また、このような性質を有する本発明のチタン系構造体は、デンドライトを発生させにくいとともに、電解液を分解させにくいため、既存の炭素系材料と比較して安全性が高い材料である。このため、例えば、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等の蓄電デバイスに使用することができる。
2.チタン系構造体の製造方法
<工程(1)>
本発明のチタン系構造体の製造方法は、
(1)2〜20mol/Lのアルカリ水溶液中で、少なくともチタンを含む材料を、50〜450℃でアルカリ処理する工程
を備える。
工程(1)では、これに限定されるわけではないが、少なくともチタンを含む材料と、2〜20mol/Lのアルカリ水溶液を、50〜450℃に加熱して放置し、反応させることが好ましい。
具体的には、少なくともチタンを含む材料の分散液(例えば水分散液、水性ゾル等)(特に酸化チタン又は酸化チタン前駆体の水分散液又は水性ゾル)に、アルカリ金属水酸化物を、上記の濃度になるように投入し、50〜450℃に加熱して放置することが好ましい。また、具体的な方法はこれに限られることはなく、2〜20mol/Lアルカリ水溶液中に、少なくともチタンを含む材料(特に酸化チタン又は酸化チタン前駆体)、又はその分散液若しくは水性ゾル(特に酸化チタン又は酸化チタン前駆体の水分散液又は水性ゾル)を投入し、50〜450℃に加熱して放置してもよい。
また、反応温度もこれに限定されることはなく、高温であっても、反応時間を短くする(例えば1時間。400℃の超臨界水を用いた場合は数秒〜数十秒)ことで本発明のチタン系構造体を得ることも可能であるが、高温で長時間反応させた場合には、寸法が大きく比表面積が小さい物質が生成してしまう。
アルカリ水溶液は、アルカリ、特にアルカリ金属水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)を溶解させた水溶液が好ましい。なかでも、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを含むことが好ましい。
アルカリ水溶液としては、原料のチタンを含む材料(特に酸化チタン又は酸化チタン前駆体)の表面を溶解し、反応を促進する点から、アルカリ金属の水酸化物の水溶液が好ましい。なお、アルカリとして、2種類以上のアルカリを含む水溶液としてもよく、例えば、水酸化ナトリウムを主成分とし、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を併用することも可能である。特に、アルカリとしては、高アスペクト比の構造体を合成するためには、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムが好ましい。なお、水酸化ナトリウムを主成分として使用した場合にはシート状の構造体が生成する傾向にあり、水酸化カリウムを主成分として使用した場合には平均幅が小さいファイバー状の構造体が生成する傾向にある。
アルカリ水溶液の濃度は、2〜20mol/L、好ましくは3〜20mol/L程度、より好ましくは5〜15mol/L程度である。アルカリ水溶液の濃度が2mol/L未満では、原料のチタンを含む材料が溶解しにくく、反応が十分に進行しない、若しくは反応速度が極端に遅くなる。また、アルカリ水溶液の濃度が20mol/Lをこえると、反応液の粘度が高い、合成後に廃液が多く発生する等製造上の問題が生じる恐れがある。
アルカリ水溶液中が、水酸化ナトリウムを主成分とするアルカリ水溶液である場合、アルカリ成分として水酸化ナトリウムのみを含む水溶液であってもよいが、2種類以上のアルカリ成分(水酸化ナトリウム及び他のアルカリ成分)を含む水溶液であってもよい。ただし、よりアスペクト比の高いシート状のチタン系構造体を得る観点から、全アルカリ成分に対する水酸化ナトリウムの濃度は30〜100モル%が好ましく、50〜100モル%がより好ましく、60〜100モル%がさらに好ましい。
アルカリ水溶液中が、水酸化カリウムを主成分とするアルカリ水溶液である場合、アルカリ成分として水酸化カリウムのみを含む水溶液であってもよいが、2種類以上のアルカリ成分(水酸化カリウム及び他のアルカリ成分)を含む水溶液であってもよい。ただし、よりアスペクト比の高いファイバー状のチタン系構造体を得る観点から、全アルカリ成分に対する水酸化カリウムの濃度は30〜100モル%が好ましく、50〜100モル%がより好ましく、60〜100モル%がさらに好ましい。
使用するチタンを含む材料としては、特に制限はないが、酸化チタン又は酸化チタン前駆体が好ましい。具体的には、公知又は市販の酸化チタン微粒子をそのまま使用してもよいし、水酸化チタンを使用してもよい。また、水との接触によって水酸化チタンを生じるハロゲン化チタン、チタンアルコキシド等を用いてもよい。これらのチタンを含む材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
酸化チタンを使用する場合は、その形状は、特に制限はない。公知又は市販の酸化チタン微粒子をそのまま使用してもよいし、粒径が大きい場合は遊星ボールミル、ペイントシェーカー等を用いて乾式又は湿式で粉砕して用いてもよい。また、ゾル状のものを採用してもよい。
チタンを含む材料として酸化チタンを用いる場合は、アモルファス又はアナターゼ型酸化チタンを含むことが好ましい。
酸化チタンの平均粒子径は、表面がアルカリ水溶液に速やかに溶解し、より低温、より短時間で本発明のチタン系構造体を製造できる点から、50nm以下が好ましく、35nm以下がより好ましい。なお、該酸化チタンの平均粒子径の下限値は、特に制限はないが、通常1nm程度である。酸化チタンの平均粒子径は、電子顕微鏡(SEM又はTEM)観察等により測定するものとする。
アルカリ水溶液中に投入する、チタンを含む材料の量は、特に制限されないが、反応液の流動性と生産性とのバランスを取る観点から、0.01〜1mol/L程度が好ましく、0.05〜0.5mol/L程度がより好ましい。
また、チタンを含む材料の形態も特に制限されない。例えば、チタンを含む材料の水分散液であってもよいし、チタンを含む材料の水性ゾルであってもよい。また、チタンを含む材料をそのままアルカリ水溶液に投入してもよい。なお、生成物の分散性をより向上させる観点からは、チタンを含む材料の水性ゾルが好ましい。
工程(1)の処理温度は、50〜450℃、好ましくは60〜300℃、より好ましくは70〜160℃である。温度が高いほど反応時間は短くてよく、同じ反応時間で比較すると平均最小サイズが大きくなる傾向にある。逆に低い温度で反応する場合は、比表面積が大きく、平均最小サイズが小さいチタン系構造体が生成しやすい。
前記のアルカリ処理の時間は、特に制限はなく、0.5〜72時間程度が好ましい。チタンを含有する原料が小さいほど、またアルカリ水溶液の濃度が高いほど、反応時間を短くすることができる。
<工程(2)>
工程(2)では、工程(1)で得られたチタン系構造体中に存在するナトリウム(Na)及び/又はカリウム(K)を水素(H)及び/又はリチウム(Li)に置換する。
ナトリウム(Na)及び/又はカリウム(K)を水素(H)と置換する方法としては、工程(1)で得られたチタン系構造体を、pH4以下の酸性溶液と接触させることが好ましい。具体的には、工程(1)で得られたチタン系構造体を、酸性溶液中に浸漬させることが好ましい。具体的には、チタン系構造体を酸性溶液中に直接投入してもよいし、チタン系構造体の分散液と酸性溶液とを混合してもよい。酸性溶液中に均一に分散させる観点から、あらかじめチタン系構造体の分散液を作製し、これと酸性溶液とを混合することが好ましい。なお、浸漬の際には、分散を促進させるために、撹拌、超音波等による分散操作を行えば、時間を短縮することができる。
酸性溶液のpHは、5以下が好ましいが、効率よくアルカリ金属(特にカリウム等)を除去でき、アスペクト比の大きいチタン系構造体の形状を維持する点から、−1〜4.5が好ましく、1〜4がより好ましい。 酸性溶液としては、アルカリ金属イオンとプロトンを交換でき、後に容易に除去することができる分子量が小さく、揮発又は分解しやすいプロトン酸の水溶液が好ましい。具体的には、塩酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、硫酸、フッ化水素酸、ギ酸等の一般的な無機酸又は有機酸の水溶液が挙げられ、塩酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等がより好ましい。これらの酸は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
酸性溶液中に添加するチタン系構造体の量は、特に制限されないが、撹拌を十分に行い、かつ生産効率を高める点から、0.1〜20重量%程度が好ましく、1〜10重量%程度がより好ましい。
工程(1)において得られたチタン系構造体は、ナトリウム、カリウム等の金属が若干残存していることがあり、特に工程(1)においてアルカリ水溶液中に水酸化カリウムを含んでいる場合には、カリウムがチタン系構造体から脱離しにくいが、この工程により、余剰のアルカリ成分、及びチタン系構造体中に含まれるチタン以外の金属を取り除くことができる。
ただし、酸性溶液を用いるため、この工程の後、チタン系構造体を水洗して酸と遊離した金属塩を除去することが好ましい。
酸性溶液と接触させる時間は、大気圧条件下の場合は0.1〜168時間程度が好ましく、充分にアルカリ金属を除去する必要がある場合は1時間以上がより好ましい。
また、ナトリウム(Na)及び/又はカリウム(K)をリチウム(Li)と置換する方法としては、特に制限されないが、(1)チタン系構造体をリチウム塩水溶液と接触させる方法、(2)チタン系構造体をリチウム系溶融塩と接触させる方法、(3)チタン系構造体とリチウム塩とを乾燥状態で熱処理する方法等が挙げられる。方法(1)及び(2)においては、チタン系構造体はそのまま用いてもよいし、分散液として用いてもよい。これらのいずれの方法においても、ナトリウム(Na)及び/又はカリウム(K)を直接リチウム(Li)に置換することもできるし、一旦水素(H)に置換し、さらにリチウム(Li)に置換することもできる。
方法(1)においては、例えば、チタン系構造体をLiCl、LiOH、LiNO等の水溶液と混合(浸漬)すること等により、接触させることが好ましい。
方法(2)においては、例えば、LiOH、LiNO、LiCl等の2種以上の混合物を250〜1000℃で溶融させ、チタン系構造体と混合(浸漬)すること等により、接触させることが好ましい。
方法(3)においては、例えば、チタン系構造体をLiCO、LiOH等と混合し、400〜1000℃で熱処理を行うことが好ましい。
<工程(3)>
本発明のチタン系構造体の製造方法においては、上記の工程(2)の後、さらに、(3)工程(2)で得られたチタン系構造体を、150〜500℃で熱処理を行う工程
を備えることが好ましい。
熱処理温度は、チタン系構造体に残存するTi−OH基の脱水反応を行わせることができる点から180〜450℃が好ましく、200〜400℃がより好ましい。
熱処理は通常の気相又は真空中における焼成を行ってもよいが、液相中で行ってもよい。
なお、気相で熱処理する場合の雰囲気としては、特に制限はなく、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等が好ましい。また、真空等の減圧下としてもよい。
一方、液相中で行う場合は、低い処理温度で結晶性を上げることができるため、150〜400℃が好ましく、160〜350℃がより好ましく、180〜300℃がさらに好ましい。
このようにして得られるチタン系構造体は、上記の「1.酸化チタン構造体」にて説明したような特性を有するものである。
3.電極活物質層
本発明の電極活物質は、本発明のチタン系構造体を含有する。そして、本発明においては、電極活物質層は、本発明のチタン系構造体を含む電極活物質を含有する。
また、本発明において、電極活物質層には、他の負極活物質として、従来からリチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ等に用いられている負極活物質を併用してもよい。
併用可能な負極活物質としては、例えば、グラファイト、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)等の炭素質材料;Si,SiO等のケイ素系材料;Al、Si、Pb、Sn、Zn、Cd等とリチウムとの合金系化合物;酸化タングステン;酸化モリブデン;硫化鉄;硫化チタン;チタン酸リチウム;酸化鉄等を用いることができる。特に、Li4+xTi12(0≦x≦3)で表され、スピネル型構造を有するチタン酸リチウムが好ましい。これらの負極活物質は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
本発明の電極活物質層における、本発明のチタン系構造体と、他の電極活物質との比率は特に制限されないが、安全性と充放電容量を両立する点から、全活物質に対して本発明のチタン系構造体を50〜100重量%が好ましく、70〜100重量%がより好ましい。
電極活物質層には、上記の活物質以外にも、周知の導電材、バインダ等を含ませることもできる。導電材としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、グラフェン、有機物を熱処理して得られるアモルファスカーボン等が挙げられる。また、バインダとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素樹脂類の他、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルエーテルの他、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、カルボキシメチルセルロースアンモニウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等の変性セルロースやセルロースナノファイバー等も挙げられる。
電極活物質層中の、電極活物質、導電材及びバインダの混合比率は特に制限されないが、容量と導電性を両立する点から、電極活物質は30〜99重量%が好ましく、40〜95重量%がより好ましい。また、導電材は1〜50重量%が好ましく、2〜40重量%がより好ましい。さらに、バインダは1〜30重量%が好ましく、3〜20重量%がより好ましい。
なお、本発明のチタン系構造体は、上述のとおり、シート状、棒状、ファイバー状等の材料である。また、他の活物質、導電材、バインダ等は粒子状又は粉末状の材料である。したがって、これらを混合して電極活物質層ペーストとする場合には、水、又はアセトン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒を混合してペースト状とすることが好ましい。
また、本発明の電極活物質層の厚みは、十分な容量と電極の強度を確保する点から、5〜200μmが好ましく、10〜150μmがより好ましい。
上記のような本発明の電極活物質層は、上記のとおり形成した電極活物質層ペーストを成形後乾燥させることにより形成することができる。
4.電極
本発明の蓄電デバイス用電極は、上記の本発明の電極活物質層を備える。より具体的には、電極集電体上に、本発明の電極活物質層を備えることが好ましい。
電極集電体の材質としては、例えば、銅、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン等を用いることができる。さらに、これらの材質からなる電極集電体表面を、接着性、導電性、耐還元性の目的で、カーボン、ニッケル、チタン、銀等で処理してもよい。
電極集電体の好ましい厚みは任意に設定可能であるが、例えば1〜500μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。
電極集電体上に電極活物質層を形成する方法は特に制限されない。例えば、電極集電体上に電極活物質層ペーストを塗布及び乾燥させてもよいし、電極活物質層ペーストを成形後乾燥し、電極集電体と接着させてもよい。塗布、乾燥、接着の方法は周知のものを採用すればよい。なお、乾燥温度は、50〜300℃程度が好ましく、70〜200℃程度がより好ましい。
この本発明の蓄電デバイス用電極は、負極にも正極にも用いることができるが、負極に用いることが好ましい。
5.蓄電デバイス
本発明の蓄電デバイスは、本発明の蓄電デバイス用電極を備える。このような蓄電デバイスとしては、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等が挙げられる。
また、本発明の蓄電デバイスがリチウムイオン二次電池又は電気二重層キャパシタの場合、さらに、正極と負極とをセパレータを介して設置し、正極と負極との間に非水電解液を満たすことが好ましい。具体的には、正極と負極とを、非水電解液を含浸させたセパレータを介して設置することが好ましい。
正極としては、本発明の蓄電デバイス用電極を用いてもよいし、本発明の蓄電デバイス用電極を負極に用いる場合には周知の正極を用いてもよい。
正極として周知の正極を用いる場合、例えば、正極集電体の上に、正極活物質と、必要に応じて導電材、バインダ等を含む正極活物質層を備える正極を使用することができる。
正極集電体としては、上記説明した電極集電体と同じものを使用することができる。
正極活物質としては、特に制限されるものではなく、種々の酸化物、硫化物等が挙げられる。例えば、二酸化マンガン(MnO)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLiMn、LiMnO等)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLiNiO等)、リチウムコバルト複合酸化物(例えばLiCoO等)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLiNi1−yCo等)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(例えばLiNiCoMn1−x−y等)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(LiMn2−yNi等)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(例えばLiFePO、LiFe1−yMnPO、LiCoPO等)、硫酸鉄(Fe(SO)、バナジウム酸化物(例えばV等)等が挙げられる。また、ポリアニリン、ポリピロール等の導電性ポリマー材料、ジスルフィド系ポリマー材料、硫黄(S)、フッ化カーボン等も挙げられる。特に、LiMnNiCo(x+y+z=1;0≦x≦0.5;0≦y≦1;0≦z≦1)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物が好ましい。これらの正極活物質は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
導電材及びバインダとしては、上記説明したものを使用することができる。
負極としては、本発明の蓄電デバイス用電極を用いてもよいし、本発明の蓄電デバイス用電極を正極に用いる場合には周知の負極を用いてもよい。
負極として周知の負極を用いる場合、例えば、負極集電体の上に、負極活物質と、必要に応じて導電材、バインダ等を含む負極活物質層を備える負極を使用することができる。
負極集電体としては、上記説明した電極集電体と同じものを使用することができる。
負極活物質としては、例えば、グラファイト、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)等の炭素質材料;Si,SiO等のケイ素系材料;Al、Si、Pb、Sn、Zn、Cd等とリチウムとの合金系化合物;酸化タングステン;酸化モリブデン;硫化鉄;硫化チタン;チタン酸リチウム;酸化鉄等を用いることができる。特に、Li4+xTi12(0≦x≦3)で表され、スピネル型構造を有するチタン酸リチウムが好ましい。これらの負極活物質は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
導電材及びバインダとしては、上記説明したものを使用することができる。
非水電解液としては、有機溶媒と電解質塩とを含む有機電解液が好ましい。
非水電解液の有機溶媒としては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の低粘度の鎖状炭酸エステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の高誘電率の環状炭酸エステル;γ−ブチロラクトン;1,2−ジメトキシエタン;テトラヒドロフラン;2−メチルテトラヒドロフラン;1−3ジオキソラン;メチルアセテート;メチルプロピオネート;ジメチルホルムアミド;スルホラン;トリグライム;テトラグライム;これらの混合溶媒等を挙げることができる。また、耐熱性を求める場合は、イミダゾリウム塩など各種溶融塩(イオン液体)を用いてもよい。なお、これらのなかでは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等が好ましい。
また、電解質塩としては、特に制限はなく、例えば、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiI、LiAlCl、これらの混合物等が挙げられる。好ましくは、LiBF及び/又はLiPFのリチウム塩がよい。
セパレータとしては、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂からなる微多孔膜が用いられ、材料、重量平均分子量や空孔率の異なる複数の微多孔膜が積層してなるもの、これらの微多孔膜に各種の可塑剤、酸化防止剤、難燃剤等の添加剤を適量含有しているもの等であってもよい。また、本発明のチタン系構造体はデンドライトが発生し難いことから、通常の樹脂メッシュやセルロース膜等も用いることもできる。
また、蓄電デバイスの形状としては巻回型の長円形状、円形状等を用いることができる。その他の電池の構成要素として、端子、絶縁板、電池ケース等があるが、これらの部品についても従来用いられてきたものをそのまま用いることができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
実施例1(Ti−NS)
チタンテトライソプロポキシド28.4g(0.1mol:TiO換算で8.0g)に酢酸12.0gと水と65wt%硝酸1mlを加え、80℃で3時間加熱した後、総重量を200gに調整し、NaOH80gを投入した(NaOH濃度10mol/L)。この液をオイルバスに浸漬したポリメチルペンテン製容器の中で120℃で24h保持した。
得られた物質を2000gの水に加えて濾過した。さらに1000gの水に加えて分散した後、35wt%HCl水溶液を加えてpH1に調製し、24時間撹拌した。その後、ろ過と1000gの水への分散を繰り返し、最終的に8.6gの白色物質を得た。
この物質を真空中200℃で12時間、空気中300℃で5時間加熱することにより、8.2gの白色物質を得た。
TEMにより観察したところ、平均幅50nm以上、平均厚み5nm未満、平均長さ100nm以上のシート状の物質が観察された。また、BET比表面積を測定したところ、385m/gであった。なお、この実施例1で得られたチタン系構造体(空気中300℃熱処理前)のTEM像を図1に示す。
また、この実施例1で得られたチタン系構造体は、元素分析の結果、周期表第1族原子のTi原子に対する比(周期表第1族原子/Ti原子)が0.01〜0.5(モル比)の範囲内であり、O原子のTi原子に対する比(O原子/Ti原子)が2.005〜2.25の範囲内であった。
実施例2(Ti−NS)
チタン源として平均粒径7nmの酸化チタンナノ粒子8gを用い、このナノ粒子に水200g、NaOH80gを加えること以外は、実施例1と同様に実験を行った。
TEMにより観察したところ、平均幅50nm以上、平均厚み5nm未満、平均長さ100nm以上のシート状の物質が観察された。また、BET比表面積を測定したところ、310m/gであった。
また、この実施例2で得られたチタン系構造体は、元素分析の結果、周期表第1族原子のTi原子に対する比(周期表第1族原子/Ti原子)が0.01〜0.5(モル比)の範囲内であり、O原子のTi原子に対する比(O原子/Ti原子)が2.005〜2.25の範囲内であった。
実施例3(Ti−NW)
チタンテトライソプロポキシド28.4gに酢酸12.0gと水と65wt%硝酸1mlを加え、80℃で3時間加熱した後、総重量を200gに調整し、KOH124.7g(純度90%。2mol)を混合する以外は、実施例1と同様に実験を行った。
TEMにより観察したところ、平均幅7nm、平均長さ3μm以上(平均アスペクト比430以上)のファイバー状の物質が観察された。また、BET比表面積を測定したところ、306m/gであった。
また、この実施例3で得られたチタン系構造体は、元素分析の結果、周期表第1族原子のTi原子に対する比(周期表第1族原子/Ti原子)が0.01〜0.5(モル比)の範囲内であり、O原子のTi原子に対する比(O原子/Ti原子)が2.005〜2.25の範囲内であった。
実施例4(Ti−NW)
反応温度を120℃ではなく250℃とし、ハステロイ製マイクロリアクターの中で反応を行う以外は実施例3と同様に実験を行った。
SEMにより観察したところ、平均幅11nm、平均長さ5μm以上(平均アスペクト比450以上)のファイバー状の物質が観察された。また、BET比表面積を測定したところ、260m/gであった。
また、この実施例4で得られたチタン系構造体は、元素分析の結果、周期表第1族原子のTi原子に対する比(周期表第1族原子/Ti原子)が0.01〜0.5(モル比)の範囲内であり、O原子のTi原子に対する比(O原子/Ti原子)が2.005〜2.25の範囲内であった。
実施例5
反応温度を120℃ではなく200℃とし、チタン製マイクロリアクターの中で反応を行う以外は実施例2と同様に実験を行った。
TEMにより観察したところ、平均幅50nm、平均長さ5μm以上(平均アスペクト比100以上)の棒状の物質が観察された。また、BET比表面積を測定したところ、50m/gであった。
また、この実施例5で得られたチタン系構造体は、元素分析の結果、周期表第1族原子のTi原子に対する比(周期表第1族原子/Ti原子)が0.01〜0.5(モル比)の範囲内であり、O原子のTi原子に対する比(O原子/Ti原子)が2.005〜2.25の範囲内であった。
実施例6
水酸化ナトリウムを80gではなく24g(NaOH濃度3mol/L)に減らす以外は、実施例5と同様に実験を行った。
TEMにより観察したところ、平均幅20nm、平均長さ3μm以上(平均アスペクト比150以上)のファイバー状の物質が観察された。また、BET比表面積を測定したところ、196m/gであった。
また、この実施例6で得られたチタン系構造体は、元素分析の結果、周期表第1族原子のTi原子に対する比(周期表第1族原子/Ti原子)が0.01〜0.5(モル比)の範囲内であり、O原子のTi原子に対する比(O原子/Ti原子)が2.005〜2.25の範囲内であった。
実施例7
NaOHとともに、Tiに対して10mol%量のホウ酸を加えて反応を行うこと以外は、実施例5と同様に実験を行った。
TEMにより観察したところ、平均幅60nm、平均長さ5μm以上(平均アスペクト比83以上)のファイバー状の物質が観察された。また、BET比表面積を測定したところ、40m/gであった。
また、この実施例7で得られたチタン系構造体は、元素分析の結果、周期表第1族原子のTi原子に対する比(周期表第1族原子/Ti原子)が0.01〜0.5(モル比)の範囲内であり、O原子のTi原子に対する比(O原子/Ti原子)が2.005〜2.25の範囲内であった。
実施例8
チタン源として平均粒径7nmの酸化チタンナノ粒子8gを用い、このナノ粒子に水200g、NaOH80gを加え、この液をオイルバスに浸漬したポリメチルペンテン製容器の中で80℃で12h保持した。
得られた物質を実施例1と同様に処理を行い、8.1gの白色物質を得た。
なお、TEM、及びSTEM(走査透過型電子顕微鏡)により観察したところ、幅10〜50nm、正確には測定できなかったが厚みは約2nm、長さ100〜500nmのシート状の物質が観察された。この実施例8で得られたチタン系構造体(空気中300℃熱処理前。比表面積383m/g)のTEM像を図2に、STEM像を図3に示す。
また、この実施例8で得られたチタン系構造体は、元素分析の結果、周期表第1族原子のTi原子に対する比(周期表第1族原子/Ti原子)が0.01〜0.5(モル比)の範囲内であり、O原子のTi原子に対する比(O原子/Ti原子)が2.005〜2.25の範囲内であった。
実施例9
チタン源として平均粒径16nmの酸化チタンナノ粒子10gを用い、このナノ粒子に水200g、NaOH80gを加え、この液をオイルバスに浸漬したポリメチルペンテン製容器の中で110℃で15h保持した。
得られた反応液に2000gの水に加えて濾過した。さらに100gの酢酸と500gの水を加え分散した結果、pH2.3の分散液が得られ、この分散液を60時間撹拌した。その後、ろ過と1000gの水への分散を繰り返し、10.5gの白色物質を得た。
この物質を200℃真空で12時間、300℃で5時間処理し、10.1gの白色物質を得た。
この実施例9で得られたチタン系構造体は、元素分析の結果、周期表第1族原子のTi原子に対する比(周期表第1族原子/Ti原子)が0.01〜0.5(モル比)の範囲内であり、O原子のTi原子に対する比(O原子/Ti原子)が2.005〜2.25の範囲内であった。
また、この物質のNa含有量をWDX(蛍光X線)で測定した結果、約0.1wt%であった。
実施例10
チタン源としてチタンテトライソプロポキシド14.2gを用い、水200gを加えたところ白色沈殿が大量に生成した。さらにNaOH80gを加えたところ、スラリー状となった。同時に温度が95℃まで上昇し、イソプロパノールと水が揮発したため、全体の重量を288gに調製した。
この液をオイルバスに浸漬したポリメチルペンテン製容器の中で110℃で12h保持した。
TEMにより観察したところ、平均幅50nm以上、平均厚み5nm未満、平均長さ100nm以上のシート状の物質が観察された。また、BET比表面積を測定したところ、310m/gであった。
また、この実施例10で得られたチタン系構造体は、元素分析の結果、周期表第1族原子のTi原子に対する比(周期表第1族原子/Ti原子)が0.01〜0.5(モル比)の範囲内であり、O原子のTi原子に対する比(O原子/Ti原子)が2.005〜2.25の範囲内であった。
比較例1
市販のチタン酸ナトリウム(NaTi;三津和化学薬品(株)製)10gに300gの水を加え、35%HCl水溶液を加えて、pH1とした。この分散液を80℃で5時間、常温で3日間撹拌し、pH7になるまで水洗とろ過を繰り返し、チタン酸を得た。この材料を200℃で12時間真空乾燥した後、空気中300℃で5時間加熱し、10.1gの白色物質を得た。
BET比表面積を測定したところ、約12m/gであった。
また、得られた材料は球状であり、シート状、ファイバー状等の形状ではなかった。
比較例2
市販のチタン酸リチウムナノ粒子(LiTi12;シグマアルドリッチ製)を200℃で真空乾燥した後、空気中300℃で5時間加熱した。
BET比表面積を測定したところ、約16m/gであった。
また、得られた材料は球状であり、シート状、ファイバー状等の形状ではなかった。
実験例1
実施例1及び3〜10、並びに比較例1〜2で合成したチタン系構造体、アセチレンブラック、及びPTFEパウダーを所定の重量比で混合し、アセトンを加えて混練し、2軸ロールで成形し、真空中170℃で乾燥を行った。得られたシートをアルミ箔に接着し、電極を作製した。対極にLi金属、電解液1mol/LのLiPF(EC/PC=3/7)を用いて、0.2Cで充放電試験を行った。そして、3サイクル目の放電容量を測定した。条件及び結果を表1に示す。
結果として、既存材料から合成したチタン酸(比較例1)、既存材料であるチタン酸リチウム(比較例2)と比較して、本発明のチタン系構造体は、大きな放電容量を有することが分かった。
また、上記「実験例1−10」については、50サイクルまで充放電試験を継続した。その結果ところ、240mAh/gであり、優れたサイクル特性を有していることがわかった。
実験例2
実施例1、3及び4で合成したチタン系構造体、アセチレンブラック、及びPTFEパウダーを所定の重量比で混合し、アセトンを加えて混練し、2軸ロールで成形し、真空中170℃で乾燥を行った。得られたシートをアルミ箔に接着し、電極を作製した。対極にマンガン酸リチウム/アセチレンブラック/ポリフッ化ビニリデン(PVDF)=89.5/5/5.5(重量比)の配合物、電解液1mol/LのLiPF(EC/PC=3/7)を用いて、0.2C、2C、5C、10C、20C(ただし放電下限電圧は2.0V)で充放電試験を行った。そして、3サイクル目の放電容量を測定し、0.2Cの放電容量を100%とし、2C、5C、10C、20Cの放電容量との比較を行った。結果を表2に示す。
結果として、いずれの試料も、10Cまでは80%以上の放電容量を維持しており、優れたレート特性を有していた。また、20Cにおいては、容量の維持率に差が生じており、比表面積が大きいほどレート特性に優れていた。

Claims (20)

  1. 蓄電デバイス用チタン系構造体を含有する電極活物質であって、
    前記蓄電デバイス用チタン系構造体は、少なくとも周期表第1族原子、Ti原子及びO原子を含み、
    前記周期表第1族原子のTi原子に対する比(周期表第1族原子/Ti原子)が0.01〜0.5(モル比)であり、
    前記O原子のTi原子に対する比(O原子/Ti原子)が2.005〜2.25であり、前記蓄電デバイス用チタン系構造体は、平均最小サイズが1〜100nmであり、且つ、比表面積が10m/g以上である、電極活物質。
  2. 組成式:
    AxTiOy
    [式中、Aは周期表第1族原子;xは0.01〜0.5;yは2.005〜2.25である。]
    で示される、請求項1に記載の電極活物質。
  3. さらに、Nb原子、B原子、C原子、及びN原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の電極活物質。
  4. 組成式:
    AxTiOyMz
    [式中、Aは周期表第1族原子;MはNb原子、B原子、C原子、又はN原子;xは0.01〜0.5;yは2.005〜2.25;zは0.01〜0.20である。]
    で示される、請求項3に記載の電極活物質。
  5. 前記周期表第1族原子は、H原子を80モル%以上、Na原子を10モル%以下含む、請求項1〜4のいずれかに記載の電極活物質。
  6. 前記周期表第1族原子は、H原子を50モル%以上、K原子を50モル%以下含む、請求項1〜4のいずれかに記載の電極活物質。
  7. 前記周期表第1族原子は、NaとKの総含有量が1重量%以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の電極活物質。
  8. 平均最小サイズが1〜40nmであり、且つ、比表面積が50m/g以上である、請求項1〜7のいずれかに記載の電極活物質。
  9. 平均最小サイズが1nm以上5nm未満である、請求項1〜8のいずれかに記載の電極活物質。
  10. 前記蓄電デバイスが、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ又はリチウムイオンキャパシタである、請求項1〜9のいずれかに記載の電極活物質。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の蓄電デバイス用チタン系構造体を含有する電極活物質の製造方法であって、
    (1)2〜20mol/Lのアルカリ水溶液中で、少なくともチタンを含む材料を、50〜450℃でアルカリ処理する工程
    を備える、製造方法。
  12. 前記アルカリが、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを含む、請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記アルカリが、少なくとも水酸化ナトリウムを30モル%以上含む、請求項11又は12に記載の製造方法。
  14. さらに、
    (2)工程(1)で得られた酸化チタン構造体中に存在するナトリウム及び/又はカリウムを水素及び/又はリチウムに置換する工程
    を備える、請求項11〜13のいずれかに記載の製造方法。
  15. さらに、
    (3)工程(2)で得られたチタン系構造体を、150〜500℃で熱処理を行う工程を備える、請求項14に記載の製造方法。
  16. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用電極活物質を含有する、蓄電デバイス用電極活物質層。
  17. さらに、導電材及びバインダを含有し、且つ、前記電極活物質層中の前記電極活物質の混合割合が30〜99重量%であり、前記導電材の混合割合が1〜50重量%である、請求項16に記載の蓄電デバイス用電極活物質層。
  18. 電極集電体、及び、請求項16又は17に記載の蓄電デバイス用電極活物質層を備える、蓄電デバイス用電極。
  19. 請求項18に記載の蓄電デバイス用電極を備える、蓄電デバイス。
  20. リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ又はリチウムイオンキャパシタである、請求項19に記載の蓄電デバイス。
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