JP6634510B2 - 蓄熱材組成物及びその利用 - Google Patents

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Description

本発明は、物品の温度管理を行うための蓄熱材組成物及びその利用(例えば、当該蓄熱材組成物を備えた蓄熱材、及び当該蓄熱材を備えた輸送容器)に関する。
病院等の医療機関で取り扱われる医薬品及び検体、並びにスーパーマーケット等で取り扱われる食品等のなかには、その品質を保持するため、輸送時に所定の温度範囲内に保冷又は保温される必要があるものがある。
従来、この種の医薬品、検体又は食品等の物品を保冷又は保温する方法として、断熱性を有する輸送容器内に、予め融解又は凝固させた蓄熱材を配置し、この蓄熱材の潜熱を利用して、輸送容器内に収容した物品を保冷又は保温する方法が知られている。保冷又は保温の対象となる物品を、所定の温度範囲内に長時間維持するためには、所定の温度範囲内に融解温度又は凝固温度を有し、且つ、大きな潜熱量を持つ蓄熱材を用いることが好ましいとされている。
これまで一般的に使用されてきた、潜熱量が大きく、安価で安全な蓄熱材としては、水を主成分とする蓄熱材が挙げられる。水の融解温度は0℃付近であるため、0℃以下の温度で物品の管理が必要な場合には、水に凝固点降下剤を添加して融解温度を0℃以下に調整し、当該水と凝固点降下剤との混合物を蓄熱材組成物として使用する。しかしながら、管理温度が0℃を超える場合は、所望の管理温度で物品を管理するために、水を主成分とする蓄熱材組成物を使用することは困難であった。管理温度が0℃を超える物品の具体例としては、血液や血漿等、検体、及び医薬品が挙げられる。検体の配送における管理温度は、一般的に4〜6℃が好ましいとされ、医薬品の配送における管理温度は、一般的に2〜8℃が好ましいとされる。
このように0℃を超える温度下での管理を必要とする物品は多く、当該物品を保管又は輸送するために使用される蓄熱材組成物について、多くの検討がなされている。例えば、潜熱量の大きい無機水和塩の1つである硫酸ナトリウム10水和物を主成分とする組成物について多くの検討例がある。具体的には、特許文献1〜6には、硫酸ナトリウム10水和物を必須成分として含み、更に任意でアンモニウム塩、ハロゲン化塩及び/又はその他無機塩等を含む融解温度調整剤からなる蓄熱材組成物の例示がある。
特開平10−330741号公報(1998年12月15日公開) 特開平7−316535号公報(1995年12月5日公開) 特開平7−188648号公報(1995年7月25日公開) 特開平7−048564号公報(1995年2月21日公開) 特開平10−036823号公報(1998年2月10日公開) 特開平6−080958号公報(1994年3月22日公開)
上述した硫酸ナトリウム10水和物を主成分とする蓄熱材組成物は、アンモニウム塩(例えば、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム)の融解/凝固温度調整効果を利用しているものが殆どで、アンモニウム塩は必須成分である。
しかしながら、アンモニウム塩は、労働安全衛生法において通知対象物質に指定されていること、及び、酸化剤と反応して爆発し、火災を引き起こす可能性があること、等により、取扱いには注意を要する物質である。また、アンモニウム塩は、温度、湿度、又はPH等の影響を受けて分解し易く、不快なアンモニア臭を発するため、開放系での使用は困難である。また、アンモニア臭が周辺環境に漏れ出した場合、周辺環境に及ぼす影響は大きいと考えられる。
このように従来の蓄熱材組成物は依然として改善の余地が存在し、十全な性能を有するものではなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、新規な蓄熱材組成物、並びに、当該蓄熱材組成物を備えた蓄熱材及び輸送容器を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、硫酸ナトリウム10水和物に特定のハロゲン化金属塩を組み合わせることにより、優れた性能の蓄熱材組成物となること、特にアンモニウム塩を実質的に含まない構成とした場合においても、0〜10℃での温度管理を可能とし、且つ、潜熱量が大きく長時間の温度保持を可能とする蓄熱材組成物となること、という新規知見を見出し、本発明を完成するに至った。
<1>本発明の一実施形態に係る蓄熱材組成物は、硫酸ナトリウム10水和物、臭化ナトリウム及び塩化ナトリウムを含み、0〜10℃の融解温度及び凝固温度を有するものであることを特徴としている。
本発明の一実施形態によれば、0〜10℃の温度領域での管理を必要とする物品につき、安全且つ安定な保管又は輸送等が可能となるという効果を奏する。
固体状の蓄熱材組成物が融解して液化する過程での、蓄熱材組成物の経時的な温度変化の概略を示すグラフである。 液体状の蓄熱材組成物が凝固して固化する過程での、蓄熱材組成物の経時的な温度変化の概略を示すグラフである。 (a)本発明の一実施形態に係る蓄熱材の一例を、概略的に示す斜視図である。(b)本発明の実施形態に係る輸送容器の一例を、概略的に示す分解斜視図である。 (a)図3に示す輸送容器の内部を概略的に示す斜視図、及び、(b)図4(a)のA−A線断面を模式的に表す断面図である。 本発明の一実施形態に係る図3に示す輸送容器1を35℃の環境下に放置した際、輸送容器1内部に設置した蓄熱材10に充填された、固体状の蓄熱材組成物が融解して液化する過程での、輸送容器1内の経時的な温度変化の概略を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る図3に示す輸送容器1を−10℃の環境下に放置した際、輸送容器1内部に設置した蓄熱材10に充填された、液体状の蓄熱材組成物が凝固して固化する過程での、輸送容器1内の経時的な温度変化の概略を示すグラフである。
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。また、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された学術文献及び特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上B以下」を意図する。
〔1.蓄熱材組成物〕
本発明の一実施形態に係る蓄熱材組成物(以下、本蓄熱材組成物とも称する)は、(1)蓄熱材組成物が凝固状態(固体)から溶融状態(液体)に相転移する際に熱エネルギーを吸収すること、及び、(2)蓄熱材組成物が溶融状態(液体)から凝固状態(固体)に相転移する際に熱エネルギーを放出すること、を用いた潜熱型の蓄熱材として利用できるものである。
例えば、本蓄熱材組成物は、凝固状態から溶融状態に相転移する際に熱エネルギーを吸収することによって、高温環境下(例えば、夏)においても、物品の温度を環境温度以下の所望の温度に保持することができる。更に、本蓄熱材組成物は、溶融状態から凝固状態に相転移する際に熱エネルギーを放出することによって、低温環境下(例えば、冬)においても、物品の温度を環境温度以上の所望の温度に維持することができる。つまり、本蓄熱材組成物によれば、高温環境下及び低温環境下の何れであっても、物品の温度を所望の温度(具体的には、0〜10℃)に維持することができる。
以下では、まず、本蓄熱材組成物に含まれる成分について説明し、次いで、本蓄熱材組成物の物性(例えば、融解温度、凝固温度、及び潜熱量など)について説明する。
〔1−1.蓄熱材組成物に含有される成分〕
本蓄熱材組成物は、硫酸ナトリウム10水和物、臭化ナトリウム及び塩化ナトリウムを含むものであればよく、その他の構成は特に限定されるものではない。例えば、本蓄熱材組成物は、硫酸ナトリウム10水和物、臭化ナトリウム及び塩化ナトリウムからなるものであってもよい。なお、本蓄熱材組成物において、硫酸ナトリウム10水和物は、潜熱蓄熱剤として機能し、臭化ナトリウム及び塩化ナトリウムは、蓄熱材組成物の融解温度及び凝固温度を調節する融解/凝固温度調整剤として機能する。
本蓄熱材組成物に含まれる臭化ナトリウム及び塩化ナトリウムの量は、特に限定されないが、硫酸ナトリウム10水和物1.0モルに対して、臭化ナトリウム及び塩化ナトリウムの合計含有量が、0.5モル以上2.0モル以下であることが好ましく、0.7モル以上2.0モル以下であることがより好ましく、0.9モル以上1.5モル以下であることが更に好ましく、1.0モル以上1.3モル以下であることが更に好ましく、1.1モル以上1.2モル以下であることが最も好ましい。上記構成であれば、蓄熱材組成物を物品の保管又は輸送に用いる際に、当該物品を適切な温度に高精度で維持できる。例えば、硫酸ナトリウム10水和物1.0モルに対して、臭化ナトリウム及び塩化ナトリウムの合計含有量が、1.0モル以上1.3モル以下である場合、融解温度と凝固温度との双方において高精度で0〜10℃の温度範囲を維持できるため、好ましい。
本蓄熱材組成物に含まれる臭化ナトリウム及び塩化ナトリウムの量比は、特に限定されないが、塩化ナトリウム1.0モルに対して、臭化ナトリウムが、0モルよりも多いことを前提として、7.0モル以下、6.0モル以下、5.0モル以下、4.0モル以下、3.0モル以下、2.5モル以下の順で好ましく、2.0モル以下であることが特に好ましい。上記構成であれば、より高い潜熱量を有する蓄熱材組成物を実現することができる。
本蓄熱材組成物は、硫酸ナトリウム10水和物を主成分として含んでいることから、安価、且つ、安全に蓄熱材組成物を作製することができる。
本蓄熱材組成物は、硫酸ナトリウム10水和物以外の潜熱蓄熱剤を含んでいてもよい。当該潜熱蓄熱剤としては、例えば、チオ硫酸ナトリウム5水和物、塩化カルシウム6水和物、酢酸ナトリウム3水和物、リン酸水素2ナトリウム12水和物、炭酸ナトリウム10水和物、亜硫酸ナトリウム7水和物、硫酸マグネシウム7水和物、及び硫酸カルシウム2水和物を挙げることができる。
本蓄熱材組成物に含まれる硫酸ナトリウム10水和物以外の潜熱蓄熱剤の量は、特に限定されないが、硫酸ナトリウム10水和物1.0モルに対して、1.0モル以下であることが好ましく、0.1モル以下であることがより好ましく、0.01モル以下であることが最も好ましい。硫酸ナトリウム10水和物の含有比率が高いほど、より安全であり、より安価であり、且つ高い潜熱量を有する蓄熱材組成物を実現することができる。
本蓄熱材組成物は、融解/凝固温度調整剤として、臭化ナトリウム及び塩化ナトリウムを含んでいる。当該構成であれば、安価に蓄熱材組成物を作製することができるのみならず、安全、且つ、環境負荷が小さい蓄熱材組成物を実現することができる。
本蓄熱材組成物は、臭化ナトリウム及び塩化ナトリウム以外の融解/凝固温度調整剤を含んでいてもよい。当該融解/凝固温度調整剤としては、例えば、アンモニウム塩、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム以外のハロゲン化金属塩、非ハロゲン化金属塩、尿素、及びアルコール類を挙げることができる。
上記アンモニウム塩としては、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、カルバミン酸炭酸水素アンモニウム、ギ酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、及び酢酸アンモニウムを挙げることができる。
ただし、アンモニウム塩は、取扱いに注意を要する物質であり、且つ、不快なアンモニア臭を発生させて環境に大きな影響を及ぼす懸念がある。このようなアンモニウム塩の弊害を生じることの無い蓄熱材組成物を実現するという観点から、本蓄熱材組成物に含まれるアンモニウム塩の量(換言すれば含有量)は、蓄熱材組成物の1重量%以下であることが好ましく、0.5重量%以下であることがより好ましく、0.1重量%以下であることが更に好ましく、0.01重量%以下であることが更に好ましく、0重量%であることが特に好ましい。
上記臭化ナトリウム、塩化ナトリウム以外のハロゲン化金属塩としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、塩化カルシウム、及び臭化カルシウムを挙げることができる。
上記非ハロゲン化金属塩としては、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、ギ酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウム、酢酸カリウム、リン酸カリウム、水素化ホウ素カリウム、ギ酸カリウム、シュウ酸カリウム、炭酸カリウム、グルタミン酸カリウム、水酸化カリウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、炭酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、グルタミン酸マグネシウム、及び水酸化マグネシウムを挙げることができる。
上記アルコール類としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコール、グリセロール等の低級アルコール、並びに、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノリルアルコール等の高級アルコールを挙げることができる。
物品の温度を所望の温度により精度良く調節するという観点から、本発明の一実施形態の蓄熱材組成物に含まれる臭化ナトリウム、塩化ナトリウム以外のハロゲン化金属塩の量は、硫酸ナトリウム10水和物1.0モルに対して0.5モル以下であることが好ましく、0.3モル以下であることがより好ましく、0.2モル以下であることが更に好ましく、0.1モル以下であることが最も好ましい。
本蓄熱材組成物は、臭化ナトリウム及び塩化ナトリウム以外の融解/凝固温度調整剤として、塩化カリウムを含むことが好ましい。本蓄熱材組成物が塩化カリウムを含む場合には、融解時と凝固時との双方において、長時間、2〜8℃の温度範囲を維持できるという利点を有する。
本蓄熱材組成物は、本蓄熱材組成物が含む硫酸ナトリウム10水和物1.0モルに対して、上記塩化カリウムの含有量が0.2モル未満のものであることが好ましい。上記塩化カリウムの含有量は、0.17モル以下であることがより好ましく、0.15モル以下であることがさらに好ましい。上記塩化カリウムの含有量の下限値は、特に限定されないが、0.01モル以上であることが好ましく、0.1モルより多いことがより好ましい。本蓄熱材組成物が塩化カリウムを上記範囲で含む場合には、融解時と凝固時との双方において、より長時間、2〜8℃の温度範囲を維持できるという利点を有する。
後述するように、本蓄熱材組成物は、例えば、容器等に充填された状態で使用されるが、輸送又は運搬時に蓄熱材組成物が充填された容器等が破損した場合には、容器等から蓄熱材組成物が漏れ出し、温度管理対象である物品を汚染したり、容器等からの蓄熱材組成物の流出による環境への悪影響、が懸念される。
そこで、本蓄熱材組成物は、輸送時に蓄熱材組成物が充填された容器等が破損した場合でも、容器等からの蓄熱材組成物の流出を最小限に防ぐ為、固体状、又はゲル状を呈するものであることが好ましい。なお、本蓄熱材組成物をゲル状のものにする、ゲル化剤としては、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、ゲル状シリカ、2−エチルヘキサン酸アルミニウムと、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸又はリノレン酸などの高級脂肪酸との混合物;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシメチルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロース;カルボキシメチルセルロース;カルボキシメチルセルロースナトリウム;ポリビニルピロリドン;カルボキシビニルポリマー;等が挙げられ、この中でもゲルの安定性、環境適合性が高いという観点から、カルボキシメチルセルロースナトリウムが好ましい。
本蓄熱材組成物は、上記成分の他に、結晶核剤(例えば、四ホウ酸ナトリウム10水和物、ケイ酸塩、又は氷晶石)、相分離防止剤(例えば、オレイン酸、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、メタリン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、又はイソステアリン酸カリウム)、香料、着色剤、抗菌剤、高分子ポリマー、その他の有機化合物、又は、その他の無機化合物等を、必要に応じて含有することができる。
〔1−2.蓄熱材組成物の融解温度及び凝固温度〕
本蓄熱材組成物は、0〜10℃の融解温度及び凝固温度を有するものであればよい。
本明細書において蓄熱材組成物の融解温度とは、固体状の蓄熱材組成物が融解して液化する際に、当該蓄熱材組成物が呈する温度のことを意図する。例えば、図1に、固体状の蓄熱材組成物に単位時間当たり一定量の熱量を供給し続けた際の、蓄熱材組成物の経時的な温度変化の概略を模式的に示す。図1では、時間0〜Aにて、供給熱量は固体状蓄熱材の顕熱として利用され、固体状の蓄熱材組成物の温度が上昇する。時間Aにて、固体状の蓄熱材組成物は融解を開始し、このときの蓄熱材組成物の温度をT(融解開始温度)とする。時間A〜Aにて、融解潜熱の影響により、蓄熱材組成物の温度上昇は、供給熱量を固体状蓄熱材の顕熱として利用する際の温度上昇よりも穏やかな温度上昇を呈し、固体状の蓄熱材組成物は、徐々に温度を上げながら融解を続ける。時間Aにて、蓄熱材組成物は融解を終了し、この時の液体状の蓄熱材組成物の温度をT(融解終了温度)とする。A以降の時間では、供給熱量は液体状蓄熱材の顕熱として利用され、蓄熱材組成物の温度は急激な上昇を呈する。本明細書において蓄熱材組成物の融解温度とは、AからAまでの任意の時間における蓄熱材組成物の温度を意図し、具体的には、T以上T以下の温度となる。
本明細書において蓄熱材組成物の凝固温度とは、液体状の蓄熱材組成物が凝固して固化する際に、当該蓄熱材組成物が呈する温度のことを意図する。例えば、図2に、液体状の蓄熱材組成物から単位時間当たり一定量の熱量を吸収し続けた際の、蓄熱材組成物の経時的な温度変化の概略を模式的に示す。図2では、時間0〜Aにて、吸収熱量は液体状蓄熱材の顕熱として利用され液体状の蓄熱材組成物の温度が低下する。時間Aにて、液体状の蓄熱材組成物は過冷却状態となり、この時の蓄熱材組成物の温度をTとする。後述するTと当該Tとの差(=T−T)を、過冷却温度と規定する。時間A〜Aにて、蓄熱材組成物は少し温度を上げ、時間Aにて、液体状の蓄熱材組成物は凝固を開始する。時間Aにおける蓄熱材組成物の温度をT(凝固開始温度)とする。時間A〜Aにて、凝固潜熱の影響により、蓄熱材組成物の温度下降は、吸収熱量を液体状蓄熱材の顕熱として利用する際の温度下降よりも穏やかな温度下降を呈し、液体状の蓄熱材組成物は、徐々に温度を下げながら凝固を続ける。時間Aにて、蓄熱材組成物は凝固を終了し、このときの固体状の蓄熱材組成物の温度をT(凝固終了温度)とする。A以降の時間では、吸収熱量は固体状蓄熱材の顕熱として利用され、蓄熱材組成物の温度は急激な下降を呈する。本明細書において蓄熱材組成物の凝固温度とは、AからAまでの任意の時間における蓄熱材組成物の温度を意図し、具体的には、T以上T以下の温度となる。
本蓄熱材組成物の融解温度及び凝固温度は、市販の温度コントロールユニットを備えた恒温槽中に測定試料を入れ、恒温槽温度を一定の割合で上昇又は下降させ、その際の試料温度を、熱電対を用いてモニターすることにより測定することができる。
上述した融解温度及び凝固温度は、上述した温度範囲の中の、更に特定の温度範囲であり得る。例えば、上記融解温度は、1〜10℃、2〜10℃、2〜8℃、3〜10℃、4〜10℃、5〜10℃、6〜10℃、7〜10℃、8〜10℃、又は9〜10℃であってもよい。一方、上記凝固温度は、1〜10℃、1〜9℃、1〜8℃、2〜8℃、1〜7℃、1〜6℃、1〜5℃、1〜4℃、1〜3℃、又は1〜2℃であってもよい。これらの中でも、上記融解温度及び凝固温度は、検体又は医薬品を輸送する観点から、1〜8℃であることが好ましく、2〜8℃であることがより好ましい。
本蓄熱材組成物の融解開始時における温度Tと、融解終了時における温度Tとは、特に限定されないが、蓄熱材組成物を物品の保管又は輸送に用いる際に、当該物品を適切な温度により精度高く保つという観点から、関係式(1)を満たすことが好ましい(なお、温度T及び温度Tについては、図1を参照のこと)。以下、関係式(2)、関係式(3)、関係式(4)、関係式(5)、関係式(6)の順で満たすことがより好ましい;−3.0≦T−T≦0 ・・・・(1)
−2.5≦T−T≦0 ・・・・(2)
−2.0≦T−T≦0 ・・・・(3)
−1.5≦T−T≦0 ・・・・(4)
−1.0≦T−T≦0 ・・・・(5)
−0.5≦T−T≦0 ・・・・(6)。
本蓄熱材組成物の凝固開始時における温度Tと、凝固終了時における温度Tとは、特に限定されないが、蓄熱材組成物を物品の保管又は輸送に用いる際に、当該物品を適切な温度により精度高く保つという観点から、関係式(7)を満たすことが好ましい(なお、温度T及び温度Tについては、図2を参照のこと)。以下、関係式(8)、関係式(9)、関係式(10)、関係式(11)、関係式(12)の順で満たすことがより好ましい;
0≦T−T≦8 ・・・・(7)
0≦T−T≦6 ・・・・(8)
0≦T−T≦4 ・・・・(9)
0≦T−T≦3 ・・・・(10)
0≦T−T≦2 ・・・・(11)
0≦T−T≦1 ・・・・(12)。
本蓄熱材組成物の凝固開始時における温度Tと、過冷却時における温度Tとは、特に限定されないが、蓄熱材組成物を物品の保管又は輸送に用いる際に、当該物品を適切な温度により精度高く保つという観点(例えば、物品が凍結することを防止するという観点)から、関係式(13)を満たすことが好ましい(なお、温度T及び温度Tについては、図2を参照のこと)。以下、関係式(14)、関係式(15)、関係式(16)、関係式(17)の順で満たすことがより好ましい;
0≦T−T≦5 ・・・・(13)
0≦T−T≦4 ・・・・(14)
0≦T−T≦3 ・・・・(15)
0≦T−T≦2 ・・・・(16)
0≦T−T≦1 ・・・・(17)。
本蓄熱材組成物の過冷却時における温度Tと、凝固終了時における温度Tとは、蓄熱材組成物を物品の保管又は輸送に用いる際に、当該物品を適切な温度により精度高く保つという観点(例えば、物品が凍結することを防止するという観点)から、関係式(18)を満たすものであってもよい(温度T及び温度Tについては、図2を参照のこと)。以下、関係式(18)、関係式(19)の順で満たすことがより好ましい;
≦T ・・・・(18)
0≦T≦T ・・(19)。
〔1−3.蓄熱材組成物の潜熱量〕
蓄熱材組成物が凝固状態から溶融状態に相転移する際(融解過程)には、蓄熱材組成物は熱エネルギーを吸収するので、潜熱量はプラスの値となり、蓄熱材組成物が溶融状態から凝固状態に相転移する際(凝固過程)には、蓄熱材組成物は熱エネルギーを放出するので、潜熱量はマイナスの値となる。このとき、蓄熱材組成物の融解過程の潜熱量の絶対値と、蓄熱材組成物の凝固過程の潜熱量の絶対値とは、理論的に同じ値となる。本明細書で記載する潜熱量は、融解過程の潜熱量の絶対値と凝固過程の潜熱量の絶対値との平均値を示している。
本蓄熱材組成物の潜熱量は、市販の測定装置(例えば、セイコーインスツルメント社製の示差走査熱量計(具体的には、SII EXSTAR6000 DSC))を用いて測定することができる。なお、具体的な測定方法は、測定装置に添付されているプロトコールに従えばよい。
本発明の一実施形態の蓄熱材組成物は、高い潜熱量を有するものであることが好ましい。例えば、本蓄熱材組成物の潜熱量(具体的には、融解過程及び凝固過程における潜熱量の絶対値の平均値)は、特に限定されないが、150J/g以上であることが好ましく、155J/g以上であることがより好ましく、160J/g以上であることが更に好ましく、165J/g以上であることが最も好ましい。
上記構成であれば、蓄熱材組成物を物品の保管又は輸送に用いる際に、より長時間にわたって、物品を適切な温度に保つことができる。つまり、上記構成であれば、図1におけるA〜Aの時間の長さ、及び、図2におけるA〜Aの時間の長さを、より長くすることができる。換言すれば、本発明の一実施形態の蓄熱材組成物は、物品の長距離輸送を可能にする。
〔2.蓄熱材〕
本発明の一実施形態に係る蓄熱材(以下、本蓄熱材とも称する)は、上述した蓄熱材組成物を備えるものであればよく、その他の構成、材料等については限定されるものではない。
例えば、本蓄熱材は、上述した本発明の一実施形態に係る蓄熱材組成物が容器又は袋等に充填されたものであり得る。
上記容器又は袋は、樹脂(例えば、合成樹脂)を成形加工されたものであることが好ましい。上記樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ナイロン、及びポリエステルなどが挙げられる。これらの素材は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。取扱い、コストの点より、ポリエチレンからなる容器又は袋を用いることが好ましい。
上記容器及び袋の形状としては、特に限定されないが、容器又は袋を介して蓄熱材組成物と物品との間で効率良く熱交換を行うという観点から、厚みが薄く、且つ表面積を大きく確保できる形状(例えば、表面にひだ等の凹凸を有する形状)が好ましい。
これらの容器又は袋に対して、蓄熱材組成物を充填することによって、蓄熱材を形成することができる。なお、上記容器又は袋のさらに具体的な例は、特開2015−78307号公報に開示の容器又は袋を用いることができる。当該文献は、本明細書中において参考文献として援用される。
〔3.輸送容器〕
本発明の一実施形態に係る輸送容器は、上述した本発明の一実施形態に係る蓄熱材を備えたものであればよく、その他の具体的な構成、材料等については特に限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係る輸送容器の一例を図3に示す。図3の(a)は、本発明の一実施形態に係る蓄熱材10を、概略的に示す斜視図であり、図3の(b)は、本発明の実施形態に係る輸送容器1を、概略的に示す分解斜視図である。
図3の(a)及び(b)に示すように、本実施形態の蓄熱材10は、蓄熱材の蓋11を介して本発明の一実施形態に係る蓄熱材組成物20が充填されており、該蓄熱材10は、輸送容器40内に収納又は配置して使用することができる。
輸送容器40は、例えば箱体41とその箱体の開口部410に嵌合する蓋42を用いることで、断熱性を有するよう構成される。
輸送容器40の素材としては、断熱性を有するものであれば特に限定されないが、軽量及び安価であり、且つ結露を防止することができるという観点からは、発泡プラスチックが、好適に用いられる。輸送容器40の素材としてはまた、断熱性が非常に高く、温度保持時間が長く、且つ結露を防止することができるという観点からは、真空断熱材が、好適に用いられる。発泡プラスチックとしては、具体的には、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、AS樹脂又はABS樹脂などを発泡させたものが用いられる。また、真空断熱材としては、例えば、芯材にシリカ粉、グラスウール、又はガラス繊維等を用いたものが用いられる。さらに輸送容器40は、発泡プラスチックと真空断熱材との組合せにより構成されていてもよい。その場合には、(i)発泡プラスチックからなる箱体41及び蓋42の外面もしくは内面を真空断熱材で覆う、又は、(ii)発泡プラスチックからなる箱体41及び蓋42を構成する壁の内部に真空断熱材を埋設させる、等の手段により、断熱性能の高い輸送容器40が得られる。
図4の(a)は、輸送容器1の内部を概略的に示す斜視図であり、図4の(b)は、図4の(a)のA−A線断面を模式的に表す断面図である。
図3の(b)に示すように、輸送容器40は、箱体41と蓋42とを備え、本発明の一実施形態に係る輸送容器1は、輸送容器40と蓄熱材10とスペーサー6とを備えている。図3及び図4に示すように、本発明の一実施形態に係る輸送容器1は、蓄熱材10を該輸送容器1内に収納又は配置する際に、(1)箱体内の空間を覆う蓋42の表面、箱体の側面部412、及び箱体の底面部411と、該蓄熱材10との間の空間を埋めるために、且つ、(2)図4の(b)に示すように、温度管理対象物品を収容する空間5を確保するために、スペーサー6を備えることもできる。
スペーサー6の素材としては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、AS樹脂又はABS樹脂並びにこれらの樹脂を発泡させた発泡プラスチックが用いられる。
本発明の一実施形態では、輸送容器40の内部に一対のスペーサー6を対向させて配置させている。本発明の一実施形態に係る輸送容器1は、スペーサー6を備えることにより、蓄熱材10の配置位置が定まるため、パッキングを容易に行うことを可能とする。
本発明の一実施形態に係る輸送容器であれば、外気温度に左右されず、温度管理の必要な物品を、長時間にわたって、0〜10℃の範囲内に維持して保管又は輸送できる。本実施形態の輸送容器は、例えば、温度管理の必要な医薬品、医療機器、検体、臓器、化学物質、若しくは食品等の各種物品の、保管又は輸送に好適に使用できる。
なお、上記断熱容器のさらに具体的な構成としては、特開2015−78307号公報に開示されている構成を用いることができる。当該文献は、本明細書中において参考文献として援用される。
本発明の一実施形態は、以下のような構成であってもよい。
<1>本発明の蓄熱材組成物は、硫酸ナトリウム10水和物、臭化ナトリウム及び塩化ナトリウムを含み、0〜10℃の融解温度及び凝固温度を有するものであることを特徴としている。
<2>本発明の蓄熱材組成物は、上記硫酸ナトリウム10水和物1.0モルに対して、上記臭化ナトリウムと上記塩化ナトリウムとの合計含有量が0.5モル以上2.0モル以下のものであることが好ましい。
<3>本発明の蓄熱材組成物は、塩化カリウムを含むことが好ましい。
<4>上記蓄熱材組成物は、上記硫酸ナトリウム10水和物1.0モルに対して、上記塩化カリウムの含有量が0.2モル未満のものであることが好ましい。
<5>本発明の蓄熱材組成物は、当該蓄熱材組成物の融解開始時における温度Tと、当該蓄熱材組成物の融解終了時における温度Tとが、以下の関係式を満たすものであることが好ましい:
−3.0≦T−T≦0 ・・・・(関係式)。
<6>本発明の蓄熱材組成物は、当該蓄熱材組成物の凝固開始時における温度Tと、当該蓄熱材組成物の凝固終了時における温度Tとが、以下の関係式を満たすものであることが好ましい:
0≦T−T≦8 ・・・・(関係式)。
<7>本発明の蓄熱材組成物は、アンモニウム塩の含有量が1重量%以下であることが好ましい。
<8>本発明の蓄熱材組成物は、潜熱量が150J/g以上のものであることが好ましい。
<9>本発明の蓄熱材は、上記蓄熱材組成物を備えたものであることを特徴としている。
<10>本発明の輸送容器は、上記蓄熱材を備えたものであることを特徴としている。
上記の各項目で記載した内容は、他の項目においても適宜援用できることを付言する。以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
<蓄熱材組成物の作製>
硫酸ナトリウム10水和物(和光純薬製)100重量部に対して、過冷却防止剤として四ホウ酸ナトリウム十水和物(和光純薬製)5重量部、相分離防止剤としてオレイン酸(ホープ製薬製Nsp)1重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム(ダイセルファインケム製CMC2260)3重量部を加え、乳鉢ですり潰しながら混合した。
当該混合物に対して表1〜表4に示す量の融解/凝固温度調整剤を加え、更に乳鉢上ですり潰しながら混合して、蓄熱材組成物を作製した。
<蓄熱材組成物の融解温度及び凝固温度の測定>
温度コントロールユニットを有する恒温槽中に測定試料を入れ、熱電対で当該測定試料の温度をモニターすることにより、蓄熱材組成物の融解温度及び凝固温度を測定した。
具体的には、試験官内に蓄熱材組成物を入れ、当該蓄熱材組成物の中央部に熱電対を挿入した。続いて、当該試験管を恒温槽内に入れ、蓄熱材組成物の温度をモニターしながら、恒温槽内の温度を1℃/minの速度で昇温及び降温させた。より具体的に、恒温槽内の温度を、−50℃から50℃へ昇温させた後に50℃から−50℃へ降温させる変温サイクルを繰り返し、その時の蓄熱材組成物の温度変化をグラフ化した。
昇温時のグラフ中で温度変化が鈍くなる部分を見出し、当該部分から、融解開始温度及び融解終了温度を求めた。なお、グラフの概略については、図1を参照のこと。
一方、降温時のグラフ中で温度変化が鈍くなる部分を見出し、当該部分から、凝固開始温度及び凝固終了温度を求めた。なお、降温時のグラフから、蓄熱材組成物は、過冷却状態になった後で、温度変化が鈍くなっていることが明らかになった。なお、グラフの概略については、図2を参照のこと。
融解温度及び凝固点温度の評価は、以下の基準にしたがった:
×:融解温度又は凝固点温度が0〜10℃を満たさない、
○:融解温度及び凝固点温度が0〜10℃を満たす、
◎:(i)融解温度及び凝固点温度が0〜10℃を満たし、更に、(ii)融解開始温度と融解終了温度との差、及び、凝固開始温度と凝固終了温度との差が3℃以内であり、更に、(iii)過冷却温度が3℃以内である。
<蓄熱材組成物の潜熱量の測定>
蓄熱材組成物の温度を、2℃/minの速度にて50℃から−25℃へ降温させた後、同じ速度にて−25℃から50℃へ昇温させた。このとき、示差走査熱量計(セイコーインスツルメント社製:SII EXSTAR6000 DSC)を用いて、蓄熱材組成物の融解/凝固挙動を解析した。
得られたチャートの融解ピークの面積から、蓄熱材組成物の潜熱量を算出した。
<蓄熱材組成物の臭気の測定>
蓄熱材組成物の臭気は、新コスモス電機株式会社製のアンモニアガス検知器XP−3160を用いて測定した。乳鉢上のサンプルから100mm離して検知管を配置し、5分間検出を行い、100ppm以上のアンモニアガスが観測された場合は、「臭気有り」と判定し、観測値が100ppm未満の場合は、「臭気無し」と判定した。
<試験結果>
各々の試験結果を表に示す。
Figure 0006634510
(表1)
実施例1〜19の試験結果を表1に示す。実施例1〜19において作製されるすべての蓄熱材組成物は、融解/凝固温度調整剤として臭化ナトリウム及び塩化ナトリウムを含んでいる。
実施例1〜19では、「潜熱量」、「臭気」及び「融解温度及び凝固温度」の全ての評価が優れていた。
Figure 0006634510
(表2)
比較例1〜6の試験結果を表2に示す。比較例1〜6は、先行技術文献の特許文献2に係る試験であり、比較例1〜6の蓄熱材組成物は、融解/凝固温度調整剤としてアンモニウム塩を含んでいる。
比較例1〜6では、「潜熱量」、「臭気」及び「融解温度及び凝固温度」の全ての評価が悪かった。
なお、アンモニウム塩の含有量と臭気との関連についてさらなる検討を重ねた結果、臭気の検出限界におけるアンモニウム塩の含有量は、蓄熱材組成物の1wt%以下であることが判明した。
Figure 0006634510
(表3)
比較例7〜16の試験結果を表3に示す。比較例7〜16は、融解/凝固温度調整剤として臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム又は臭化カリウムを、それぞれ単独で用いるか、もしくは臭化ナトリウム及び塩化カリウムの組み合わせとして用いている。
比較例7〜16では、「融解温度及び凝固温度」の評価が悪かった。
Figure 0006634510
(表4)
実施例20〜28の試験結果を表2に示す。実施例20〜28において作製されるすべての蓄熱材組成物は、融解/凝固温度調整剤として臭化ナトリウム及び塩化ナトリウムに加えてさらに塩化カリウムを含んでいる。
実施例20〜28では、「潜熱量」、「臭気」及び「融解温度及び凝固温度」の全ての評価が優れていた。
<輸送容器の性能試験>
蓄熱材組成物を充填した蓄熱材を用いて、輸送容器を作製した。輸送容器の作製について、図3及び図4を参照して説明する。輸送容器40の箱体としては、発泡ポリスチレンで形成された断熱容器(玉井化成株式会社製品、AC−525、外寸:巾620mm×奥行420mm×高さ470mm、内寸:巾500mm×奥行300mm×高さ350mm、断熱厚60mm、内容積約52.5L)を用いた。また、蓄熱材10に充填される蓄熱材組成物20としては、表1に示す実施例3、及び表4に示す実施例22の蓄熱材組成物を用いた。
まず、14個の蓄熱材10を−2℃の恒温槽中に24時間静置させ、凝固状態とした。次に、この輸送容器40の箱体41の内部に、温度管理対象物品を収容する空間5の周囲を囲むように、蓄熱材10を箱体の底面部411に沿って4つ、箱体の側面部412のうち、対向する面の各々に沿って2つずつ、開口部410に沿って6つ、の計14個を、スペーサー6を用いて配置(換言すれば、パッキング)した(図4の(a)及び(b)を参照)。図3及び図4は、輸送容器1の一例を示しており、当該輸送容器1は、12個の蓄熱材を備えている。一方、本実施例では、14個の蓄熱材を備える輸送容器1を作製した。輸送容器1が備える蓄熱材の数は、限定されず、任意の数であり得る。
作製した輸送容器40の箱体41の中心部に温度データロガー(株式会社ティアンドディ製 製品名:RTR−51)を取り付けた後、蓋42を閉めて輸送容器1とした。得られた輸送容器1を35℃に設定した恒温槽に入れ、5分間隔で容器内中心部の温度推移を、温度データロガーを用いて測定した。測定結果を、図5に示す。
また、パッキング前の蓄熱材10を12℃の恒温槽中に24時間静置させ、融解状態とした以外は、上述と同様にして、輸送容器1を作製した。この輸送容器を−10℃に設定したビルトインチャンバー内に入れ、5分間隔で容器内中心部の温度推移を、温度データロガーを用いて測定した。測定結果を、図6に示す。
図5は、上述した輸送容器1を35℃の環境下に放置した際、輸送容器1の内部に設置した蓄熱材10に充填された、固体状の蓄熱材組成物20(実施例3又は実施例22に係る蓄熱材組成物)が融解して液化する過程での、輸送容器内の経時的な温度変化を示している。図5において、2〜8℃の温度範囲を保持した時間は、実施例3の蓄熱材組成物を充填して得られた蓄熱材を使用した輸送容器が32時間、実施例22の蓄熱材組成物を充填して得られた蓄熱材を使用した輸送容器が55時間であった。一方、図6は、上述した輸送容器1を−10℃の環境下に放置した際、輸送容器1の内部に設置した蓄熱材10に充填された、液体状の蓄熱材組成物20(実施例3又は実施例22に係る蓄熱材組成物)が融解して液化する過程での、輸送容器内の経時的な温度変化を示している。図6において、2〜8℃の温度範囲を保持した時間は、実施例3の蓄熱材組成物を充填して得られた蓄熱材を使用した輸送容器が111時間、実施例22の蓄熱材組成物を充填して得られた蓄熱材を使用した輸送容器が151時間であった。図5及び図6で示されているように、塩化カリウムを含む実施例22の蓄熱材組成物を充填して得られた蓄熱材を使用した輸送容器は、塩化カリウムを含まない実施例3の蓄熱材組成物を充填して得られた蓄熱材を使用した輸送容器に比べて、融解時及び凝固時のどちらの場合も、より長時間、2〜8℃温度範囲を維持している。
本発明の蓄熱材組成物、当該蓄熱材組成物を備えた蓄熱材及び輸送容器は、管理温度が0℃を超える温度管理対象物品、例えば医薬品や検体等並びに食品等を、特定の環境下において、それぞれの対象物品の管理温度内で保管又は輸送することを可能とする。

Claims (9)

  1. 硫酸ナトリウム10水和物、臭化ナトリウム及び塩化ナトリウムを含み、0〜10℃の融解温度及び凝固温度を有し、
    上記蓄熱材組成物は、上記硫酸ナトリウム10水和物1.0モルに対して、上記臭化ナトリウムと上記塩化ナトリウムとの合計含有量が0.5モル以上2.0モル以下のものであることを特徴とする蓄熱材組成物。
  2. 上記蓄熱材組成物は、塩化カリウムを含むことを特徴とする請求項1に記載の蓄熱材組成物。
  3. 上記蓄熱材組成物は、上記硫酸ナトリウム10水和物1.0モルに対して、上記塩化カリウムの含有量が0.2モル未満のものであることを特徴とする請求項に記載の蓄熱材組成物。
  4. 上記蓄熱材組成物の融解開始時における温度Tと、上記蓄熱材組成物の融解終了時における温度Tとが、以下の関係式を満たすことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の蓄熱材組成物:
    −3.0≦T−T≦0 ・・・・(関係式)。
  5. 上記蓄熱材組成物の凝固開始時における温度Tと、上記蓄熱材組成物の凝固終了時における温度Tとが、以下の関係式を満たすことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の蓄熱材組成物:
    0≦T−T≦8 ・・・・(関係式)。
  6. 上記蓄熱材組成物は、アンモニウム塩の含有量が1重量%以下であることを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の蓄熱材組成物。
  7. 上記蓄熱材組成物は、潜熱量が150J/g以上のものであることを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の蓄熱材組成物。
  8. 請求項1〜の何れか1項に記載の蓄熱材組成物を備えることを特徴とする蓄熱材。
  9. 請求項に記載の蓄熱材を備えることを特徴とする輸送容器。
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