JP6633266B2 - ナノダイヤモンド含有複合体とその製造方法 - Google Patents

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本発明は、少なくとも1種類の充填剤とナノダイヤモンド材料を含む組成物を製造する方法、及びナノダイヤモンド材料と少なくとも1種類の充填剤を含む組成物に関する。本発明はさらに、ナノダイヤモンド含有熱複合体を製造する方法、及びナノダイヤモンド材料、少なくとも1種類の充填剤及び少なくとも1種類のポリマーを含むナノダイヤモンド含有熱複合体に関する。
ナノダイヤモンド(ND)は超ナノ結晶ダイヤモンドまたは超分散ダイヤモンド(UDD)とも呼ばれており、爆轟(デトネーション)合成によって数百kgを製造することのできる特別なナノ材料である。これらナノダイヤモンドは、爆轟ナノダイヤモンドと呼ばれる。
合成ナノダイヤモンドは公知のいくつかの方法(例えば化学蒸着法や高圧法)で製造することができる。
爆轟ナノダイヤモンドは、ソビエト連邦の研究者により、爆発性の強い混合物を非酸化媒体中で酸素欠乏状態にして爆発的に分解させることによって1963年に初めて合成された。典型的な爆発性混合物はトリニトロトルエン(TNT)とヘキソーゲン(RDX)の混合物であり、TNT/RDXの好ましい重量比は40/60である。
爆轟合成の結果として、ダイヤモンドを含む煤(爆轟混合物とも呼ばれる)が得られる。この混合物は、平均粒子サイズの典型値が約2〜8nmのナノダイヤモンド粒子と、爆轟室の材料と使用した爆発物に由来する金属類と金属酸化物粒子で汚染されたさまざまな種類の非ダイヤモンド炭素を含んでいる。爆轟混合物に含まれるナノダイヤモンドの含有量の典型値は30〜75重量%である。
爆轟によって得られたナノダイヤモンド含有混合物は、直径の典型値が1mmを超える複数の同じ硬い塊を含んでいる。そのような塊は壊すのが難しい。それに加え、その混合物の粒子サイズ分布は非常に広く、一般に数十ミクロンにわたる。
ダイヤモンドの炭素はsp3炭素を含んでおり、ダイヤモンドでない炭素は主としてsp2炭素種(例えばカーボン・オニオン、炭素フラーレン・シェル、アモルファス炭素、グラファイト炭素や、これらの任意の組み合わせ)を含んでいる。
爆轟混合物を精製するには多数の方法がある。精製段階は、ナノダイヤモンドの製造において最も複雑で最も費用がかかる段階であると考えられている。
最終的なダイヤモンド含有生成物を分離するため、その材料中に存在する不純物を溶かしたり気化させたりするための化学的操作が組み合わせて利用される。不純物は一般に2種類である。すなわち非炭素(金属酸化物、塩など)と、ダイヤモンドとは異なる形態の炭素(グラファイト、カーボン・ブラック、アモルファス炭素)である。
化学的精製技術は、ダイヤモンドの形態の炭素とダイヤモンドでない形態の炭素が酸化剤に対して異なる安定性を有することに基づく。液相の酸化剤は、気体系または固体系よりも有利である。なぜなら液相の酸化剤は反応領域において反応物の濃度をより大きくでき、したがって反応速度をより大きくできるからである。
近年、爆轟ナノダイヤモンドは、めっき(電界めっきと無電解めっきの両方)、研磨、ポリマー製のさまざまな機械複合体と熱複合体、CVDの種、油や潤滑剤の添加物での既存のいくつかの用途のほか、蛍光イメージング、ドラッグ・デリバリー、量子エンジニアリングといった可能な新たな用途があるため、ますます注目されるようになっている。爆轟ナノダイヤモンドの利用可能性は、例えば粉砕や篩によるミクロン・サイズのダイヤモンドに由来するナノダイヤモンドとは異なり、爆轟ナノダイヤモンドの外面がさまざまな表面官能基で覆われていることに基づく。
最近、熱を管理するためポリマーでナノダイヤモンドを用いることが研究されている。
例えば電子デバイスや電子回路で発生する熱を散逸させることで、信頼性を向上させ、早すぎる故障を防止する必要がある。熱の散逸技術として、ヒート・シンク、空気冷却ファンや、他の形態の冷却として例えば液冷が可能である。ヒート・シンクは、用途に応じて金属やセラミック材料で製造できるが、ときにはポリマー材料で製造することもできる。後者は、一般に、熱インターフェイス材料であるシリコーンやエポキシドのような熱グリースを一般に構成し、回路をデバイス構造そのものの中に接着させるのに用いられる。例えばそのようなデバイスを収容するとき、デバイス全体の熱管理に熱可塑性熱複合体も用いられる。ポリカーボネートとシリコーンもLEDの封止材として用いられる。これは、より効率的な熱管理がますます問題になっている分野でもある。一般に、熱可塑性材料は、いわゆる二次的ポリマーをベースとしたヒート・シンクと、熱インターフェイス材料(TIM)(一次的ポリマーをベースとしたヒート・シンクとも呼ばれる)におけるシリコーンなどの熱硬化性材料で用いられる。
ポリマー材料の使用増加は、デバイスの重量とコストの削減という単純な事実に基づいている。さらに、熱伝導性プラスチックは一般に、例えばアルミニウムよりも小さな熱膨張係数(CTE)を有するため、膨張の違いに起因する応力を減らすことができる。なぜならプラスチックのCTEは、そのプラスチックに接触するケイ素またはセラミックのCTEにより近いからである。熱化合物とケイ素/セラミックの表面の間の接触状態が変化すると、素子の機能と寿命に悪い影響が生じるであろう。ポリマー複合体も成形機能と部品一体化に関して設計の自由度があるため、コストのかかる事後加工処理をなくすことができる。しかしポリマー材料の使用は、その元々の熱伝導特性によって制限される。なぜなら熱伝導率の典型値は約0.2W/m・Kにしかならないからである。
例えばエレクトロニクス用チップの微細化が、集積回路の開発における重要なテーマになっている。エレクトロニクス素子のサイズはより小さくなり、その動作速度はより速くなっているため、そのエレクトロニクス素子から発生する熱をいかにして散逸させて動作中のエレクトロニクス素子の動作性能と安定性を維持するかが研究上の1つのポイントになっている。
ポリマーの熱伝導特性を改善する方法がいくつか提案されている。電気的絶縁も同時に行なう熱の解決法を用意する場合には、現在の解決法は、さまざまなセラミック粒子(例えばアルミナ、六方晶系窒化ホウ素、立方晶系窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化物(例えば炭化ホウ素)など)の使用に基づいている。断熱と電気的絶縁が同時になされる解決法では、さまざまな形態のグラファイト炭素とアモルファス炭素(例えばグラファイト、グラフェン、炭素繊維、熱分解性炭素、カーボン・ナノチューブ、ミクロン・ダイヤモンド、ミクロン・サイズのダイヤモンドを粉砕し篩にかけることによって得られるナノダイヤモンド)が熱充填剤として用いられる。金属粒子(さまざまなサイズの銀粒子)を用いても高効率の熱管理法が容易に得られる。
添加する充填材料をポリマー・マトリックスに均一に分布させることができず、生成するマトリックス中で大きな塊を形成する場合には、添加剤を使用すると、やはり最初の元々のポリマー材料におけるように機械特性と熱特性が劣ったものになる可能性がある。この問題はますます深刻になっているため、既存のポリマー複合体に含まれるさまざまな充填剤の全含有量がますます増えている。さらに、さまざまな無機粒子または金属粒子の含有量が多くなるにつれ、化合物のコストが上昇し、使用する処理具の摩耗が激しくなり、生成される化合物の重量が多くなる。
ポリマー系ヒート・シンクの熱伝導率は、使用する材料の熱伝導率だけでなく、親ポリマーと添加する熱粒子表面の境界の熱伝導率にも依存するため、熱粒子表面と親ポリマー材料の間の湿潤効果またはカップリング効果が、受け入れられた化合物の熱伝導率に大きな影響を与える。特に現在のセラミック充填剤と金属充填剤は著しく不活性な表面特性を示すため、親ポリマーへの湿潤化またはカップリングに対する効果が損なわれ、受け入れられた化合物の熱伝導率に悪影響があることが一般に知られている。
一般に、熱伝導率は、材料の面内方向と面貫通方向の両方で測定される。面内方向熱伝導率は、通常は、面貫通方向熱伝導率よりも大きい。一般に、面内方向熱伝導率を改善するには非等方性充填剤(例えば六方晶系窒化ホウ素、グラファイト)が用いられ、面内方向方向と面貫通方向方向の両方の熱伝導率を改善するには等方性球形充填剤(例えばアルミナ粒子)が用いられる。使用する充填剤は、用途での必要性に応じて選択される。
面内方向熱伝導率と面貫通方向熱伝導率は、レーザー・フラッシュ法によって求めることができる。熱伝導率を測定する別の方法はホット・ディスク法であり、この方法では平均熱伝導率の値だけが求まる。
熱複合体の電気的特性は、誘電性または導電性の充填添加物を選択することによって調節が可能である。一般に、熱複合体の全体にフォノンを浸透させるには、添加剤の全含有量は非常に多く、20%から出発するが、80%を超えもする。最も進んだ熱複合体のいくつかは、上記の充填剤を何種類か含むことができる。
現在の熱伝導率には上限が存在する。また、充填剤の含有量はすでに極めて多いためにさらに改善することは難しい。充填剤の含有量が多すぎるとポリマー複合体の他の重要な特性(例えば機械特性や重量)が損なわれる。充填剤の装填量がある値を超えると、使用するポリマーはその湿潤化能力を失い、化合物が壊れて粉末または断片化された破片になる。
したがって充填材料の一部をナノダイヤモンドで置き換えてポリマー複合体の熱伝導率を改善する試みがなされてきた。
アメリカ合衆国特許出願公開2010/0022423 A1には、ポリマー材料(ポリマー製グリース)で熱伝導率を向上させるためにナノダイヤモンドを用いることが開示されている。ナノダイヤモンド熱グリースは、ナノダイヤモンド粉末と、熱粉末と、基質を含んでいる。ナノダイヤモンド粉末は体積率が5%〜30%、熱粉末は40%〜90%、基質は5%〜30%である。
アメリカ合衆国特許出願公開2010/0022423 A1に開示されているポリマー製グリースは、ナノダイヤモンドと熱粉末(充填剤)の含有量が多く、基質の含有量が少ない。基質の含有量と比べて充填剤とナノダイヤモンドの含有量が多いため、充填剤の含有量が多いことの欠点が相変わらず存在している。
アメリカ合衆国特許出願公開2010/0022423 A1にはさらに、ナノダイヤモンド熱グリースを製造する方法が開示されている。最初に基質を加熱し、次いでナノダイヤモンド粉末をそのあらかじめ加熱した基質に組み込む。分散剤を用いてナノダイヤモンド粉末を基質に分散させる。基質とナノダイヤモンドの混合物に熱粉末を組み込み、この混合物を混合してナノダイヤモンド熱グリースを形成する。
アメリカ合衆国特許出願公開2013/0206273 A1には、ポリマー・マトリックス・ナノ複合体と、そのナノ複合体を製造する方法が開示されている。ナノ粒子(例えばナノダイヤモンド)を溶液または分散液にし、ポリマー樹脂マトリックスに噴射または被覆するか、機械で分散させる。ナノ粒子は充填剤粒子(例えば雲母やカーボン・ブラック)と混合してもよい。充填剤とポリマー樹脂の混合と分散は、押し出し、剪断混合、3ロール粉砕などの方法で実現することができる。
アメリカ合衆国特許出願公開2010/0022423 A1と2013/0206273 A1の方法だと、ナノダイヤモンド粒子と充填剤をポリマー・マトリックスに均一に分布させることが難しい。分布が不均一だと、熱伝導率や機械特性が劣ったものになる。
H. Ebadi-Dehaghani、M. Nazempour、「ナノ粒子充填ポリマーの熱伝導率」、Smart Nanoparticles Technologies、2012年、519〜540ページには、ナノ粒子を充填したポリマーの熱伝導率が議論されている。ナノサイズの充填材料(例えばグラファイト、窒化ホウ素、カーボン・ナノチューブ)を充填したポリマーの熱伝導率が改善されることが、この刊行物に開示されている。しかしこの刊行物には、ポリマーの熱伝導率を改善するための充填材料としてのナノダイヤモンドは言及されていない。
上記のことに基づき、熱伝導率は改善されるが他の重要な特性は損なわれないことが好ましいナノダイヤモンド含有熱複合体が必要とされている。熱複合体の全重量を小さくし、複合体の製造に用いる処理具の摩耗を減らす必要のあることが認められている。さらに、特に自動車その他の輸送手段に適用される解決法では、製造される複合体の機械特性を改善することが同時に必要とされている。さらに、自動車その他の輸送手段は電気を供給されるため、その中にあるポリマー熱化合物の重要性がますます大きくなっている。自動車の分野では、特にE-ドライブに関係する解決法と使用するバッテリーの解決法を見いだす必要性が生じている。
好ましい場合には、ナノダイヤモンド含有熱複合体は、複合体の全製造コストを低下させつつ、同じか改善された熱特性にする必要がある。したがってナノダイヤモンドの添加が著しく少ないナノダイヤモンド含有熱複合体を利用できねばならない。
さらに、熱伝導率が改善されたナノダイヤモンド含有熱複合体の製造方法を改善することが必要とされている。ナノダイヤモンド含有熱複合体は、容易かつ安価に製造でき、さまざまな熱用途に容易に適用できる必要もある。
本発明は、少なくとも1種類の充填剤とナノダイヤモンド材料を含む組成物を製造する請求項1の方法に関する。
本発明はさらに、熱複合体を含むナノダイヤモンドを製造するための請求項17の方法に関する。
本発明はさらに、ナノダイヤモンドと少なくとも1種類の充填剤を含む請求項33の組成物に関する。
それに加え、本発明は、ナノダイヤモンド材料と少なくとも1種類の充填剤と少なくとも1種類のポリマーを含む請求項47のナノダイヤモンド含有熱複合体に関する。
今や驚くべきことに、ナノダイヤモンドを含む分散液または懸濁液を充填剤と接触させ、生成した懸濁液から液体媒体を除去し、得られた組成物をポリマーと混合することにより、熱特性(例えば面内方向熱伝導率と面貫通方向熱伝導率)が改善されたナノダイヤモンド含有熱複合体が得られることが見いだされた。
改善された熱特性は、本発明の方法の複数ステップにより、ナノダイヤモンドを含む分散液または溶液を充填材料と接触させた後、液体媒体を除去することで、ナノダイヤモンド材料が充填材料の表面に接着していて充填材料と親ポリマーの間のカップリング剤として機能する組成物になることに起因する。このようなカップリング効果は、充填材料と親ポリマーの両方に適合したナノダイヤモンドの表面の官能化によって利用可能になる。
今や驚くべきことに、正と負の両方に帯電したナノダイヤモンド材料粒子(例えばアミノ官能化ナノダイヤモンド粒子またはカルボン酸官能化ナノダイヤモンド粒子)は、負のゼータ電位を持つ六方晶系窒化ホウ素などの充填剤粒子の表面に塊を形成することが見いだされた。この現象は、驚くべきことに、程度はより少ないものの、水素を末端に有する極性がより小さいナノダイヤモンド粒子を用いても見られた。
今や驚くべきことに、グラファイトとアモルファス炭素のマトリックスに埋め込まれたナノダイヤモンドを含むナノダイヤモンド含有混合材料を用いてもグラファイトなどの充填剤粒子の表面に塊が形成され、充填材料と親ポリマーの間にカップリング効果が生じることが見いだされた。この効果は、用いるナノダイヤモンド材料(表面官能化ナノダイヤモンドと、グラファイトとアモルファスの表面官能化マトリックスの両方を含む)の表面の官能化を選択することによって細かい調節が可能である。
本発明のナノダイヤモンド含有熱複合体は、熱エネルギーをより効率的に伝える。なぜならナノダイヤモンド材料と充填剤粒子は、既知の解決法と比べてよりよく相互作用するとともに、ポリマー・マトリックス中により均一に分布しているからである。ナノダイヤモンド材料の選択、添加するその濃度、他の充填剤と親ポリマーの選択に応じ、添加されるナノダイヤモンド材料の一部も識別可能な材料として親ポリマーに分布させることができる。そのため面内方向熱伝導率と面貫通方向熱伝導率の両方を、したがって平均熱伝導率を、さらに細かく調節することが可能になる。
充填剤の全装填量が20重量%のPA-66熱複合体であり、ここではナノダイヤモンド材料が乾燥粉末として六方晶系窒化ホウ素とともにボール・ミル粉砕された。化合物中のナノダイヤモンドの含有量は1.5重量%であり、六方晶系窒化ホウ素の含有量は18.5重量%である。
充填剤の全装填量が20重量%の本発明のPA-66熱複合体であり、ここではナノダイヤモンド材料を分散液の形態で六方晶系窒化ホウ素の表面に導入した後、その分散液を乾燥させてナノダイヤモンドを六方晶系窒化ホウ素粒子の表面に直接接着させた。化合物中のナノダイヤモンドの含有量は1.5重量%であり、六方晶系窒化ホウ素の含有量は18.5重量%である。
本発明の第1の側面では、少なくとも1種類の充填剤とナノダイヤモンド材料を含む組成物を製造する方法が提供される。
より詳細には、少なくとも1種類の充填剤とナノダイヤモンド材料を含む組成物を製造する方法として、(i)ナノダイヤモンド材料含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤と接触させて懸濁液を生成させるステップと;(ii)液体媒体をステップ(i)の懸濁液から除去して少なくとも1種類の充填剤とナノダイヤモンド材料を含む組成物を生成させるステップを含む方法が提供される。
ステップ(i)では、ナノダイヤモンド材料含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤と接触させて、少なくとも1種類の充填剤とナノダイヤモンド材料と液体媒体を含む懸濁液を生成させる。
「接触させる」という表現は、この明細書では、ナノダイヤモンド材料含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤と接触させる公知の任意の方法を意味する。そのような方法の例は、例えば磁気撹拌機を用いてナノダイヤモンド材料含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤と混合するというものである。別の例は、ナノダイヤモンド材料含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤の表面に散布するというものである。
好ましい一実施態様では、ナノダイヤモンド材料含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤と機械で混合する。この混合は、スピード・ミキサーを用いて実行することが好ましい。
ナノダイヤモンド材料含有液体媒体は、1種類の充填剤、または2種類以上の充填剤の混合物と接触させることができる。
充填剤の主要粒子の平均サイズは、10nm〜2000μmであることが好ましく、50nm〜500μmであることがより好ましく、500nm〜200μmであることがさらに好ましい。
充填剤のサイズは、一般に、用途とコストに応じて選択される。
充填剤の形態は、非等方性でも等方性でもよく、その混合でもよい。
充填剤の形態は規則的でも不規則でもよい。
充填剤の表面は、そのままでもよいし、さまざまな化学種または処理を利用して活性化してもよい。
充填剤は、熱伝導性および/または導電性、またはその混合が可能である。
充填剤の選択は、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、炭素化合物、ケイ素化合物、ホウ素化合物(例えば窒化ホウ素)、セラミック材料、天然繊維、これらの組み合わせからなるグループの中から行なうことが好ましい。
炭素化合物の選択は、爆轟ダイヤモンド以外のダイヤモンド材料、グラファイト、カーボン・ブラック、炭素繊維、グラフェン、酸化したグラフェン、煤、カーボン・ナノチューブ、熱分解性炭素、炭化ケイ素、炭化アルミニウム、窒化炭素、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう。
ホウ素化合物の選択は、六方晶系形窒化ホウ素、立方晶系窒化ホウ素、炭化ホウ素、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう。ホウ素化合物は六方晶系形窒化ホウ素であることが好ましい。
一実施態様では、充填剤は、窒化ホウ素とアルミニウム酸化物の混合物である。
別の一実施態様では、充填剤は、アルミニウム酸化物とグラファイトの混合物である。さらに別の一実施態様では、充填剤は、窒化ホウ素とグラファイトである。
ステップ(i)のナノダイヤモンド材料含有液体媒体は、分散液の形態にすることができる。すなわちナノダイヤモンド材料粒子は、液体媒体中で実質的に単独の形態になっている。
ステップ(i)のナノダイヤモンド材料含有液体媒体は、懸濁液の形態にすることができる。すなわちナノダイヤモンド材料粒子は、液体媒体中で一部が塊の形態になるか、実質的に塊の形態になっている。
ステップ(i)のナノダイヤモンド材料含有液体媒体は分散液の形態が好ましい。
ナノダイヤモンド材料含有液体媒体は、ナノダイヤモンド材料の含有量を調節できる。
ナノダイヤモンド材料は、爆轟ナノダイヤモンド材料である。すなわちナノダイヤモンドは、爆轟法によって製造される。言い換えるならば、ナノダイヤモンドは、爆轟合成から生じる。ナノダイヤモンドは爆轟合成によって生じるため、ナノダイヤモンド材料粒子の表面は、いくつかの表面官能基(例えばアミノ官能基、カルボン酸官能基、水素官能基)を含むことができる。
前駆ナノダイヤモンド材料として、ナノダイヤモンドの含有量が好ましくは少なくとも87重量%、より好ましくは少なくとも97重量%の実質的に純粋なナノダイヤモンド材料が可能である。ナノダイヤモンド材料は、ナノダイヤモンドの製造に由来するグラファイトとアモルファス炭素を含んでいる可能性がある。ナノダイヤモンド材料は、残留金属不純物も、金属、金属塩、金属酸化物、金属窒化物、金属ハロゲン化物としていくらか含んでいる可能性がある。
本発明の一実施態様では、ナノダイヤモンド材料は、爆轟煤(例えばグラファイトとアモルファス炭素)を含んでいる可能性があり、酸化可能な炭素の含有量は、少なくとも5重量%であることが好ましく、少なくとも10重量%であることがより好ましい。
ナノダイヤモンド材料のゼータ電位の値は、水に分散させたときに±35mVを超えることが好ましい。
ナノダイヤモンド材料がナノダイヤモンド混合物からなるとき、ナノダイヤモンド混合物材料のゼータ電位を信頼性よく求めることは、現在利用できる器具では難しい。
一実施態様では、ナノダイヤモンド材料粒子の表面を官能化して充填材料の表面への接着を増大させる。そのように官能化されたナノダイヤモンド材料粒子の一例は、アミノ官能化ナノダイヤモンド材料である。そのような官能化ナノダイヤモンドの別の一例は、カルボン酸官能化ナノダイヤモンド材料粒子であり、そのようなナノダイヤモンドのさらに別の一例は、水素を末端に有するナノダイヤモンド材料粒子である。そのような官能化ナノダイヤモンド材料粒子のさらに別の例として、ヒドロキシル、チオール、ハロゲン、ケトン、エステル、エーテル、シリル、エポキシ、シアノ、アルデヒドで官能化したナノダイヤモンド材料粒子が挙げられる。表面の官能基は、ナノダイヤモンド材料の表面に直接共有結合することが好ましいが、鎖構造の位置に存在することもできる。この鎖構造は、ナノダイヤモンド材料粒子の表面に共有結合する。ナノダイヤモンド材料粒子は、主に1種類の活性な表面官能基で官能化することが好ましいが、2種類以上の表面官能基を含んでいてもよい。
充填材料の表面への接着は、1種類または数種類の表面官能化ナノダイヤモンド材料粒子を用いて調節することができる。
さらに、親ポリマー材料への接着は、1種類または数種類の表面官能化ナノダイヤモンド材料粒子を用いて調節することができる。
単独の形態のナノダイヤモンド材料粒子は、主要粒子の平均サイズが、1nm〜10nm、好ましくは2nm〜8nm、より好ましくは3nm〜7nm、最も好ましくは4nm〜6nmである。塊の形態になった粒子のサイズは、5nm〜10000nm、好ましくは60nm〜800nmである。
液体媒体として、適切な任意の液体媒体が可能である。一実施態様では、液体媒体の選択は、極性プロトン性溶媒、極性非プロトン性溶媒、双極性非プロトン性溶媒、有機溶媒、これら溶媒の混合物からなるグループの中からなされる。
極性プロトン性溶媒は、水、アルコール、直線状脂肪族ジオール、分岐したジオール、カルボン酸である。
極性非プロトン性溶媒は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、炭酸プロピレン、ラクタムである。
双極性非プロトン性溶媒は、ケトン、エステル、N,N-メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドである。
有機溶媒は、トルエン、または別の芳香族溶媒である。
好ましい一実施態様では、液体媒体の選択は、水、メタノール、エタノール、イソ-プロパノール、直線状脂肪族ジオール、分岐したジオール、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N-エチル-2-ピロリドン(NEP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、これら溶媒の任意の混合物からなるグループの中からなされる。
最も好ましい液体媒体は水である。
一実施態様では、ナノダイヤモンド材料と少なくとも1種類の充填剤と液体媒体を含む懸濁液は、ステップ(ii)の前にあらかじめ処理される。組成物を超音波処理して懸濁液の粒子サイズの分布を小さくすることが好ましい。
ナノダイヤモンド材料を含む懸濁液の別の一実施態様では、組成物を機械で粉砕して懸濁液の粒子サイズの分布を小さくする。
ナノダイヤモンド材料を含む懸濁液のさらに別の一実施態様では、組成物をBASD粉砕して懸濁液の粒子サイズの分布を小さくする。
ステップ(ii)では、液体媒体をステップ(i)の懸濁液から除去し、少なくとも1種類の充填剤とナノダイヤモンド材料を含む組成物を生成させる。
液体媒体の除去は、適切な任意の方法で実行できる。そのような方法の例は、高温での乾燥および/または真空中の乾燥である。
好ましい一実施態様では、液体媒体を除去した後の組成物は実質的に乾燥している。
組成物の一実施態様では、ナノダイヤモンド材料は、少なくとも1種類の充填剤の表面に実質的に接着しているが、液体媒体の含有量はそれでも10重量%を超える。
本発明の方法を用いると、ナノダイヤモンド材料が少なくとも1種類の充填剤の表面に実質的に接着する。
本発明の方法によって製造された組成物の活性表面積は、乾燥ナノダイヤモンド材料と充填材料を混合するだけで製造した組成物の活性表面積よりも小さい。すなわち本発明の方法によって製造された組成物の活性表面積は、少なくとも1種類の充填剤の表面に実質的に接着したナノダイヤモンド材料がない組成物の活性表面積よりも小さい(少なくとも5%小さいことが好ましい)。
ナノダイヤモンド材料と充填材料が同じ量の組成物の間で活性表面積を比較する。唯一の違いは、組成物の製造方法である。すなわち本発明の方法で製造した組成物と、乾燥ナノダイヤモンド材料と充填材料を混合するだけで製造した組成物である。
活性表面積は、例えばBET法によって測定することができる。
組成物のゼータ電位は、充填材料のゼータ電位とは異なる。ゼータ電位は、組成物に含まれるナノダイヤモンド材料の方向に駆動される。したがって組成物のゼータ電位は、主として、組成物に含まれる充填剤粒子の表面のナノダイヤモンド材料粒子のゼータ電位特性によって決まる。
組成物の表面電荷は、充填材料の表面電荷とは異なる。表面電荷は、組成物に含まれるナノダイヤモンド材料の方向に駆動される。したがって組成物の表面電荷は、主として、組成物に含まれる充填剤粒子の表面のナノダイヤモンド材料粒子の表面電荷特性によって決まる。
組成物に含まれる粒子の表面特性は、親ポリマーに対する組成物の静電相互作用に影響を与え、フォノンを移動しやすくするため、形成される熱化合物マトリックス全体の熱伝導率が改善される。
接着したナノダイヤモンド材料粒子の塊のサイズは500nm未満であり、300nm未満が好ましく、100nm未満がより好ましく、50nm未満が最も好ましい。
一実施態様では、ナノダイヤモンド材料粒子の塊のサイズは500nmを超えてもよい。
本発明の別の一実施態様では、ナノダイヤモンド材料粒子の塊のサイズは500nmを超えており、ナノダイヤモンド材料は、ナノダイヤモンド粒子を含むナノダイヤモンド混合材料である。
少なくとも1種類の充填剤とナノダイヤモンド材料を含む組成物では、充填剤の表面のナノダイヤモンド材料は、別の材料に対するカップリング効果を発生させることができる。その別の材料は、ポリマー、金属、セラミック材料、これらの混合物からなるグループの中から選択される。
一実施態様では、少なくとも1種類の充填剤とナノダイヤモンド材料を含む生成された組成物は、その組成物をさらに機械処理することにより、形成した組成物の塊を粉砕する。
機械処理は、ビーズ・ミル粉砕であることが好ましい。ビーズ・ミル粉砕は一般に使用されている用語であり、当業者に知られている。
ビーズ・ミルは機械式粉砕装置の一種であり、さまざまな材料の粉砕(または混合)に使用される円筒形の装置である。ミルには、粉砕する材料と粉砕媒体が装填される。さまざまな材料が粉砕媒体として使用される。例えば、セラミック製ボール、火打石、ステンレス鋼製ボールなどが挙げられる。内部カスケード効果によって材料が小さくされて細かい粉末になる。ビーズ・ミルは、連続的に、または周期的に作動させることができる。
ビーズ・ミル装置は、通過法または循環法で作動させることができる。通過法では、材料をミルの一端に供給し、他端から取り出す。循環法では、粉砕する材料を、必要な粒子サイズになるまでシステム内で循環させる。粉砕媒体が小さくなるにつれて、最終生成物の粒子サイズも小さくなる。それと同時に、粉砕媒体粒子は、粉砕する材料の最大断片よりも大きくなければならない。
ビーズ・ミルの粉砕室には、ミル内に存在する空気との間で発生する可能性がある酸化反応または爆発反応を防止するため、粉砕する材料と反応しない不活性な遮蔽ガス(例えば窒素)も装填することができる。
ビーズ・ミルのためのビーズは、粉砕される粒子が適切な直径となるように選択する。ビーズ・ミル粉砕は、適切な粒子サイズになるまで実施する。
ビーズ・ミル粉砕は、乾燥条件で実施してもよいし、湿潤条件で実施してもよい。湿潤条件では、組成物を液体媒体に懸濁させ、形成された懸濁液をビーズ・ミル粉砕する。懸濁液のビーズ・ミル粉砕を超音波処理で支援することができる。すなわち懸濁液のビーズ・ミル粉砕と超音波処理を同時に行なう。ビーズ・ミル粉砕と超音波処理の組み合わせは、ビーズ支援音波分解法(BASD法)としても知られる。超音波処理は、粉砕中を通じて継続すること、または任意の段階で停止し、必要に応じて再開することができる。ビーズ・ミル粉砕の後に液体媒体を公知の方法で除去し、ビーズ・ミル粉砕された組成物を生成させる。
本発明の第2の側面では、ナノダイヤモンド含有熱複合体を製造する方法が提供される。
より詳細には、ナノダイヤモンド含有熱複合体を製造する方法として、(i)ナノダイヤモンド材料含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤と接触させて懸濁液を生成させるステップと;(ii)液体媒体をステップ(i)の懸濁液から除去して少なくとも1種類の充填剤とナノダイヤモンド材料を含む組成物を生成させるステップと;(iii)ステップ(ii)の組成物と少なくとも1種類のポリマーを混合してナノダイヤモンド材料含有熱複合体を生成させるステップを含む方法が提供される。
ステップ(i)では、ナノダイヤモンド材料含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤と接触させて、少なくとも1種類の充填剤とナノダイヤモンド材料と液体媒体を含む懸濁液を生成させる。
「接触させる」という表現は、この明細書では、ナノダイヤモンド材料含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤と接触させる適切な任意の方法を意味する。そのような方法の例は、例えば磁気撹拌機を用いてナノダイヤモンド材料含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤と混合するというものである。別の例は、ナノダイヤモンド材料含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤の表面に散布するというものである。
好ましい一実施態様では、ナノダイヤモンド材料含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤と機械で混合する。この混合は、スピード・ミキサーを用いて実行することが好ましい。
ナノダイヤモンド材料含有液体媒体は、1種類の充填剤、または2種類以上の充填剤の混合物と接触させることができる。
充填剤の主要粒子の平均サイズは、10nm〜2000μmであることが好ましく、50nm〜500μmであることがより好ましく、500nm〜200μmであることがさらに好ましい。
充填剤は、熱伝導性および/または電気伝導性、またはその混合が可能である。
充填剤の選択は、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、炭素化合物、ケイ素化合物、ホウ素化合物(例えば窒化ホウ素)、セラミック材料、天然繊維、これらの組み合わせからなるグループの中から行なうことが好ましい。
炭素化合物の選択は、爆轟ダイヤモンド以外のダイヤモンド材料、グラファイト、カーボン・ブラック、炭素繊維、グラフェン、酸化したグラフェン、煤、カーボン・ナノチューブ、熱分解性炭素、炭化ケイ素、炭化アルミニウム、窒化炭素、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう。
ホウ素化合物の選択は、六方晶系形窒化ホウ素、立方晶系窒化ホウ素、炭化ホウ素、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう。ホウ素化合物は六方晶系形窒化ホウ素であることが好ましい。
一実施態様では、充填剤は、窒化ホウ素とアルミニウム酸化物の混合物である。
別の一実施態様では、充填剤は、窒化ホウ素とアルミニウム酸化物とグラファイトの混合物である。
ステップ(i)のナノダイヤモンド材料含有液体媒体は、分散液の形態にすることができる。すなわちナノダイヤモンド材料粒子は、液体媒体中で実質的に単独の形態になっている。
ステップ(i)のナノダイヤモンド材料含有液体媒体は、懸濁液の形態にすることができる。すなわちナノダイヤモンド材料粒子は、液体媒体中で一部が塊の形態になるか、実質的に塊の形態になっている。
ステップ(i)のナノダイヤモンド材料含有液体媒体は分散液の形態であることが好ましい。
ナノダイヤモンド材料含有液体媒体は、ナノダイヤモンド材料の含有量を調節することができる。
ナノダイヤモンド材料は、爆轟ナノダイヤモンド材料である。すなわちナノダイヤモンドは、爆轟法によって製造される。言い換えるならば、ナノダイヤモンドは、爆轟合成から生じる。ナノダイヤモンドは爆轟合成によって生じるため、ナノダイヤモンド材料粒子の表面は、いくつかの表面官能基(例えばアミノ官能基、カルボン酸官能基、水素官能基)を含むことができる。
前駆ナノダイヤモンド材料として、ナノダイヤモンドの含有量が好ましくは少なくとも87重量%、より好ましくは少なくとも97重量%である実質的に純粋なナノダイヤモンド材料が可能である。ナノダイヤモンド材料は、ナノダイヤモンドの製造に由来するグラファイトとアモルファス炭素を含んでいる可能性がある。ナノダイヤモンド材料は、残留金属不純物も、金属、金属塩、金属酸化物、金属窒化物、金属ハロゲン化物としていくらか含んでいる可能性がある。
本発明の一実施態様では、ナノダイヤモンド材料は、爆轟煤(例えばグラファイトとアモルファス炭素)を含んでいる可能性があり、酸化可能な炭素の含有量は、好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%である。
ナノダイヤモンド材料のゼータ電位の値は、水に分散させたときに±35mVを超えることが好ましい。
ナノダイヤモンド材料がナノダイヤモンド混合物からなるとき、ナノダイヤモンド混合物材料のゼータ電位を信頼性よく求めることは、現在利用できる器具では難しい。
一実施態様では、ナノダイヤモンド材料粒子の表面を官能化して充填材料の表面への接着を増大させる。そのように官能化されたナノダイヤモンド材料粒子の一例は、アミノ官能化ナノダイヤモンド材料である。そのような官能化ナノダイヤモンドの別の一例は、カルボン酸官能化ナノダイヤモンド材料粒子であり、そのようなナノダイヤモンドのさらに別の一例は、水素を末端に有するナノダイヤモンド材料粒子である。そのような官能化ナノダイヤモンド材料粒子のさらに別の例として、ヒドロキシル、チオール、ハロゲン、ケトン、エステル、エーテル、シリル、エポキシ、シアノ、アルデヒドで官能化したナノダイヤモンド材料粒子が挙げられる。表面の官能基は、ナノダイヤモンド材料の表面に直接共有結合することが好ましいが、鎖構造の位置に存在することもできる。この鎖構造は、ナノダイヤモンド材料粒子の表面に共有結合する。ナノダイヤモンド材料粒子は、1種類の活性な表面官能基で主に官能化することが好ましいが、2種類以上の表面官能基を含んでいてもよい。
充填材料の表面への接着は、1種類または数種類の表面官能化ナノダイヤモンド材料粒子を用いて調節することができる。
さらに、親ポリマー材料への接着は、1種類または数種類の表面官能化ナノダイヤモンド材料粒子を用いて調節することができる。
単独の形態のナノダイヤモンド材料粒子は、主要粒子の平均サイズが、1nm〜10nm、好ましくは2nm〜8nm、より好ましくは3nm〜7nm、最も好ましくは4nm〜6nmである。塊の形態になった粒子のサイズは、5nm〜10000nm、好ましくは60nm〜800nmである。
液体媒体として、適切な任意の液体媒体が可能である。一実施態様では、液体媒体の選択は、極性プロトン性溶媒、極性非プロトン性溶媒、双極性非プロトン性溶媒、有機溶媒、これら溶媒の混合物からなるグループの中からなされる。
極性プロトン性溶媒は、水、アルコール、直線状脂肪族ジオール、分岐したジオール、カルボン酸である。
極性非プロトン性溶媒は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、炭酸プロピレン、ラクタムである。
双極性非プロトン性溶媒は、ケトン、エステル、N,N-メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドである。
有機溶媒は、トルエン、または別の芳香族溶媒である。
好ましい一実施態様では、液体媒体の選択は、水、メタノール、エタノール、イソ-プロパノール、直線状脂肪族ジオール、分岐したジオール、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N-エチル-2-ピロリドン(NEP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、これら溶媒の任意の混合物からなるグループの中からなされる。
最も好ましい液体媒体は水である。
一実施態様では、ナノダイヤモンド材料と少なくとも1種類の充填剤と液体媒体を含む懸濁液は、ステップ(ii)の前にあらかじめ処理される。組成物を超音波処理して懸濁液の粒子サイズの分布を小さくすることが好ましい。
ナノダイヤモンド材料を含む懸濁液の別の一実施態様では、組成物を機械で粉砕して懸濁液の粒子サイズの分布を小さくする。
ナノダイヤモンド材料を含む懸濁液のさらに別の一実施態様では、組成物をBASD粉砕して懸濁液の粒子サイズの分布を小さくする。
ステップ(ii)では、液体媒体をステップ(i)の懸濁液から除去し、少なくとも1種類の充填剤とナノダイヤモンド材料を含む組成物を生成させる。
液体媒体の除去は、適切な任意の方法で実行することができる。そのような方法の例は、高温での乾燥および/または真空中の乾燥である。
好ましい一実施態様では、液体媒体を除去した後の組成物は実質的に乾燥している。
組成物の一実施態様では、ナノダイヤモンド材料は、少なくとも1種類の充填剤の表面に実質的に接着しているが、液体媒体の含有量はそれでも10重量%を超える。
ナノダイヤモンド材料は、少なくとも1種類の充填剤の表面に実質的に接着している。
ステップ(ii)の組成物の活性表面積は、乾燥ナノダイヤモンド材料と充填材料を混合するだけで製造した組成物の活性表面性よりも小さい。すなわちステップ(ii)の組成物の活性表面積は、少なくとも1種類の充填剤の表面に実質的に接着したナノダイヤモンド材料がない組成物の活性表面積よりも小さい(少なくとも5%小さいことが好ましい)。
ナノダイヤモンド材料と充填材料が同じ量の組成物の間で活性表面積を比較する。唯一の違いは、組成物の製造方法である。すなわち本発明の方法で製造した組成物と、乾燥ナノダイヤモンド材料と充填材料を混合するだけで製造した組成物である。
活性表面積は、例えばBET法によって測定することができる。
組成物のゼータ電位は、充填材料のゼータ電位とは異なる。ゼータ電位は、組成物に含まれるナノダイヤモンド材料の方向に駆動される。したがって組成物のゼータ電位は、主として、組成物に含まれる充填剤粒子の表面のナノダイヤモンド材料粒子のゼータ電位特性によって決まる。
組成物の表面電荷は、充填材料の表面電荷とは異なる。表面電荷は、組成物に含まれるナノダイヤモンド材料の方向に駆動される。したがって組成物の表面電荷は、主として、組成物に含まれる充填剤粒子の表面のナノダイヤモンド材料粒子の表面電荷特性によって決まる。
組成物に含まれる粒子の表面特性は、親ポリマーに対する組成物の静電相互作用に影響を与え、フォノンを移動しやすくするため、形成される熱化合物マトリックス全体の熱伝導率が改善される。
接着したナノダイヤモンド材料粒子の塊のサイズは500nm未満であり、300nm未満が好ましく、100nm未満がより好ましく、50nm未満が最も好ましい。
一実施態様では、ナノダイヤモンド材料粒子の塊のサイズは500nmを超えてもよい。
本発明の別の一実施態様では、ナノダイヤモンド材料粒子の塊のサイズは500nmを超えており、ナノダイヤモンド材料は、ナノダイヤモンド粒子を含むナノダイヤモンド混合材料である。
少なくとも1種類の充填剤とナノダイヤモンド材料を含むステップ(ii)の組成物では、充填剤の表面のナノダイヤモンド材料は、別の材料(例えばポリマー)に対するカップリング効果を発生させることができる。
一実施態様では、組成物をさらに機械処理することにより、形成した組成物の塊を粉砕する。機械処理は、ビーズ・ミル粉砕であることが好ましい。
ステップ(iii)では、ステップ(ii)の組成物と少なくとも1種類の充填剤を混合してナノダイヤモンド含有熱複合体を生成させる。
ポリマーの選択は、エポキシ、シリコーン、熱可塑性ポリマー、アクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、フルオロポリマー、シロキサン、ポリイミド、これらの混合物からなるグループの中から行なう。
好ましい一実施態様では、ポリマーは、熱可塑性ポリマー、または熱可塑性ポリマーの混合物である。熱可塑性ポリマーの例は、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリル樹脂、セルロイド、酢酸セルロース、環式オレフィンコポリマー、エチレン-酢酸ビニル、エチレンビニルアルコール、フルオロプラスチック(例えばポリテトラフルオロエチレン)、イオノマー、液晶ポリマー、ポリオキシメチレン、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアミド-イミド、ポリイミド、ポリアリールエーテルケトン、ポリブタジエン、ポリブチレン、ポリテレフタル酸ブチレン、ポリカプロラクトン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテレフタル酸エチレン、ポリテレフタル酸シクロヘキシレンジメチレン、ポリカーボネート、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリケトン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、塩素化ポリエチレン、ポリ酢酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリメチルペンテン、ポリフェニレン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフタルアミド、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリテレフタル酸トリメチレン、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、スチレン-アクリロニトリルである。
好ましい熱可塑性ポリマーは、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリテレフタル酸トリメチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフタルアミド、ポリエーテルエーテルケトンのいずれか、またはこれらの混合物である。
別の好ましい一実施態様では、ポリマーはシリコーンである。シリコーンは、純粋なポリマー・スラリーの形態で、または溶媒に分散された形態で入手することができる。
さらに別の好ましい一実施態様では、ポリマーはエポキシである。エポキシは、純粋なポリマー・スラリーの形態で、または溶媒に分散された形態で入手することができる。
混合は、ステップ(ii)の組成物を少なくとも1種類のポリマーと接触させる任意の方法で実施することができる。そのような方法の例は、機械による混合、機械による高温での混合、押し出しである。
一実施態様では、ステップ(ii)の組成物と少なくとも1種類のポリマーを押し出し機の中で高温にて混合する。
さらに別の一実施態様では、ステップ(ii)の組成物と少なくとも1種類のポリマーを高温で混合して成形し、ナノダイヤモンド含有熱複合体を生成させる。成形は、公知の任意の方法で実施することができる。例えば射出成形、圧縮成形、回転成形などがある。成形は射出成形であることが好ましい。好ましい一実施態様では、混合と成形は単一の装置(例えば射出成形装置)の中で実施される。
一実施態様では、ポリマーの形態は、そのモノマーから形成される。ナノダイヤモンド含有熱複合体は、モノマー混合物に含まれるモノマーと、ナノダイヤモンド含有組成物を硬化させることによって形成される。
一実施態様では、ポリマーの形態は、溶媒に分散されたモノマーから形成される。ナノダイヤモンド含有熱複合体は、モノマー混合物に含まれるモノマーと、溶媒と、ナノダイヤモンド含有組成物を硬化させることによって形成される。
ナノダイヤモンド含有組成物は、粉末として、または分散液/懸濁液の形態で、液相ポリマーに、またはモノマーに、またはこれらの混合物に添加することができる。
場合によっては追加の諸成分をステップ(iii)で添加することができる。そのような成分の例は、界面活性剤(例えばチタン酸塩)である。
ナノダイヤモンド含有熱複合体は、さまざまな形態(例えば製品、ペレット、粉末)を取ることができる。
生成したナノダイヤモンド含有熱複合体は、ナノダイヤモンド材料と、少なくとも1種類の充填剤と、少なくとも1種類のポリマーを含んでおり、ナノダイヤモンド材料は、少なくとも1種類の充填剤の表面に実質的に接着している。
この複合体の平均熱伝導率は、ナノダイヤモンド材料が少なくとも1種類の充填剤の表面に実質的に接着していないナノダイヤモンド含有複合体の平均熱伝導率よりも少なくとも5%大きい。
この複合体の熱伝導率は、ナノダイヤモンド材料が少なくとも1種類の充填剤の表面に実質的に接着していないナノダイヤモンド含有複合体の平均熱伝導率よりも少なくとも20%大きいことが好ましく、50%大きいことがさらに好ましく、70%大きいことがより好ましい。
ナノダイヤモンド材料と充填材料とポリマーが同じ量の組成物を含む複合体の間で熱伝導率を比較する。唯一の違いは、組成物の製造方法である。すなわち本発明の方法で製造した組成物と、乾燥ナノダイヤモンド材料と充填材料を混合した後にポリマー材料を混合するだけで製造した組成物である。
本発明の第3の側面では、ナノダイヤモンド材料と少なくとも1種類の充填剤を含む組成物が提供される。
より詳細には、0.01〜80重量%のナノダイヤモンド材料と、1〜99.99重量%の少なくとも1種類の充填剤を含んでいて、ナノダイヤモンド材料がその少なくとも1種類の充填剤の表面に実質的に接着している組成物が提供される。
組成物は、ナノダイヤモンド材料を0.01〜40重量%含むことが好ましく、0.01〜20重量%含むことがより好ましく、0.01〜5重量%含むことが最も好ましい。
組成物は、少なくとも1種類の充填剤を10〜90重量%含むことが好ましく、20〜99.99重量%含むことがより好ましく、15〜85重量%含むことがさらに好ましく、15〜70重量%含むことがさらに好ましく、20〜50重量%含むことが最も好ましい。
一実施態様では、組成物は、0.01〜5重量%のナノダイヤモンド材料と、95〜99.99重量%の少なくとも1種類の充填剤を含んでいる。
組成物の活性表面積は、ナノダイヤモンド材料が少なくとも1種類の充填剤の表面に実質的に接着していない組成物の活性表面積よりも小さい(少なくとも5%小さいことが好ましい)。
ナノダイヤモンド材料と充填材料が同じ量の組成物の間で活性表面積を比較する。すなわち唯一の違いは、本発明の組成物では、ナノダイヤモンド材料が充填材料の表面に実質的に接着しているのに対し、比較する組成物では接着がないことである。
活性表面積は、例えばBET法によって測定することができる。
組成物のゼータ電位は、充填材料のゼータ電位とは異なる。ゼータ電位は、組成物に含まれるナノダイヤモンド材料の方向に駆動される。したがって組成物のゼータ電位は、主として、組成物に含まれる充填剤粒子の表面のナノダイヤモンド材料粒子のゼータ電位特性によって決まる。
組成物の表面電荷は、充填材料の表面電荷とは異なる。表面電荷は、組成物に含まれるナノダイヤモンド材料の方向に駆動される。したがって組成物の表面電荷は、主として、組成物に含まれる充填剤粒子の表面のナノダイヤモンド材料粒子の表面電荷特性によって決まる。
組成物に含まれる粒子の表面特性は、親ポリマーに対する組成物の静電相互作用に影響を与え、フォノンを移動しやすくするため、形成される熱化合物マトリックス全体の熱伝導率が改善される。
充填剤の選択は、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、炭素化合物、ケイ素化合物、ホウ素化合物(例えば窒化ホウ素)、セラミック材料、天然繊維、これらの組み合わせからなるグループの中から行なうことが好ましい。
炭素化合物の選択は、爆轟ダイヤモンド以外のダイヤモンド材料、グラファイト、カーボン・ブラック、炭素繊維、グラフェン、酸化したグラフェン、煤、カーボン・ナノチューブ、熱分解性炭素、窒化炭素、炭化ケイ素、炭化アルミニウム、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう。
ホウ素化合物の選択は、六方晶系形窒化ホウ素、立方晶系窒化ホウ素、炭化ホウ素、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう。ホウ素化合物は六方晶系形窒化ホウ素であることが好ましい。
一実施態様では、充填剤は、窒化ホウ素とアルミニウム酸化物の混合物である。
別の一実施態様では、充填剤は、窒化ホウ素とアルミニウム酸化物とグラファイトの混合物である。
充填剤の主要粒子の平均サイズは、10nm〜2000μm、より好ましくは50nm〜500μm、さらに好ましくは500nm〜200μmである。
ナノダイヤモンド材料は、爆轟ナノダイヤモンド材料である。すなわちナノダイヤモンドは、爆轟法によって製造される。言い換えるならば、ナノダイヤモンドは、爆轟合成から生じる。ナノダイヤモンドは爆轟合成によって生じるため、ナノダイヤモンド材料粒子の表面は、いくつかの表面官能基(例えばアミノ官能基、カルボン酸官能基、水素官能基)を含むことができる。
前駆ナノダイヤモンド材料として、ナノダイヤモンドの含有量が好ましくは少なくとも87重量%、より好ましくは少なくとも97重量%である実質的に純粋なナノダイヤモンド材料が可能である。ナノダイヤモンド材料は、ナノダイヤモンドの製造に由来するグラファイトとアモルファス炭素を含んでいる可能性がある。ナノダイヤモンド材料は、残留金属不純物も、金属、金属塩、金属酸化物の形態でいくらか含んでいる可能性がある。
本発明の一実施態様では、ナノダイヤモンド粒子は、爆轟煤(例えばグラファイトとアモルファス炭素)を含んでいる可能性があり、酸化可能な炭素の含有量は、好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%である。
ナノダイヤモンド材料のゼータ電位の値は、水に分散させたときに±35mVを超えることが好ましい。
ナノダイヤモンド材料がナノダイヤモンド混合物からなるとき、ナノダイヤモンド混合物材料のゼータ電位を信頼性よく求めることは、現在利用できる器具では難しい。
単独の形態のナノダイヤモンド材料粒子は、主要粒子の平均サイズが、1nm〜10nm、好ましくは2nm〜8nm、より好ましくは3nm〜7nm、最も好ましくは4nm〜6nmである。塊の形態になった粒子のサイズは、5nm〜1000nm、好ましくは60nm〜800nmである。
一実施態様では、ナノダイヤモンド材料粒子の表面を一官能化して充填材料の表面への接着を増大させる。そのような一官能化ナノダイヤモンド材料粒子の一例は、アミノ官能化ナノダイヤモンド材料である。
接着したナノダイヤモンド材料粒子の塊のサイズは、500nm未満、好ましくは300nm未満、より好ましくは100nm未満、最も好ましくは50nm未満である。
充填剤の表面のナノダイヤモンド材料は、別の材料に対するカップリング効果を発生させることができる。その別の材料は、ポリマー、金属、セラミック材料、これらの混合物からなるグループの中から選択される。
一実施態様では、ナノダイヤモンド材料と少なくとも1種類の充填剤を含む本発明の組成物は、上に開示した方法で得ることができる。
本発明の第4の側面では、ナノダイヤモンド粒子と少なくとも1種類の充填剤と少なくとも1種類のポリマーを含むナノダイヤモンド含有熱複合体が提供される。
より詳細には、0.01〜80重量%のナノダイヤモンド材料と、1〜90重量%の少なくとも1種類の充填剤と、5〜95重量%の少なくとも1種類のポリマーを含んでいて、ナノダイヤモンド材料がその少なくとも1種類の充填剤の表面に実質的に接着しているナノダイヤモンド含有熱複合体が提供される。
好ましいのは、複合体がナノダイヤモンド材料を0.01〜40重量%含むこと、好ましくは0.01〜20重量%含むこと、より好ましくは0.01〜5重量%含むことである。
好ましいのは、複合体が少なくとも1種類の充填剤を10〜70重量%含むこと、好ましくは10〜50重量%含むこと、より好ましくは15〜45重量%含むことである。
好ましいのは、複合体が少なくとも1種類のポリマーを20〜90重量%含むこと、好ましくは50〜85重量%含むことである。
複合体の平均熱伝導率は、少なくとも1種類の充填剤の表面にナノダイヤモンド材料が実質的に接着していない複合体の平均熱伝導率よりも少なくとも5%大きい。
好ましいのは、複合体の平均熱伝導率が、少なくとも1種類の充填剤の表面にナノダイヤモンド材料が実質的に接着していない複合体の平均熱伝導率よりも少なくとも20%大きいこと、好ましくは50%大きいこと、より好ましくは70%大きいことである。
ナノダイヤモンド材料と充填材料とポリマーが同じ量の組成物を含む複合体の間で平均熱伝導率を比較する。唯一の違いは、組成物の製造方法である。すなわち本発明の複合体ではナノダイヤモンド材料が少なくとも1種類の充填材料の表面に実質的に接着しているのに対し、比較する組成物では接着していないことである。
ポリマーの選択は、エポキシ、シリコーン、熱可塑性ポリマー、アクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、フルオロポリマー、シロキサン、ポリイミド、これらの混合物からなるグループの中から行なう。
好ましい一実施態様では、ポリマーは、熱可塑性ポリマー、または熱可塑性ポリマーの混合物である。熱可塑性ポリマーの例は、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリル樹脂、セルロイド、酢酸セルロース、環式オレフィンコポリマー、エチレン-酢酸ビニル、エチレンビニルアルコール、フルオロプラスチック(例えばポリテトラフルオロエチレン)、イオノマー、液晶ポリマー、ポリオキシメチレン、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアミド-イミド、ポリイミド、ポリアリールエーテルケトン、ポリブタジエン、ポリブチレン、ポリテレフタル酸ブチレン、ポリカプロラクトン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテレフタル酸エチレン、ポリテレフタル酸シクロヘキシレンジメチレン、ポリカーボネート、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリケトン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、塩素化ポリエチレン、ポリ酢酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリメチルペンテン、ポリフェニレン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフタルアミド、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリテレフタル酸トリメチレン、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、スチレン-アクリロニトリルである。
好ましい熱可塑性ポリマーは、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリテレフタル酸トリメチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフタルアミド、ポリエーテルエーテルケトンのいずれか、またはこれらの混合物である。
別の好ましい一実施態様では、ポリマーはシリコーンである。シリコーンは、純粋なポリマー・スラリーの形態で、または溶媒に分散された形態で入手することができる。
さらに別の好ましい一実施態様では、ポリマーはエポキシである。エポキシは、純粋なポリマー・スラリーの形態で、または溶媒に分散された形態で入手することができる。
一実施態様では、ポリマーの形態は、モノマーから形成される。ナノダイヤモンド含有熱複合体は、モノマー混合物に含まれるモノマーと、ナノダイヤモンド含有組成物を硬化させることによって形成される。
一実施態様では、ポリマーの形態は、溶媒に分散されたモノマーから形成される。ナノダイヤモンド含有熱複合体は、モノマー混合物に含まれるモノマーと、溶媒と、ナノダイヤモンド含有組成物を硬化させることによって形成される。
ナノダイヤモンド含有組成物は、粉末として、または分散液/懸濁液の形態で、液相ポリマーに、またはモノマーに、またはこれらの混合物に添加することができる。
充填剤の選択は、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、炭素化合物、ケイ素化合物、ホウ素化合物(例えば窒化ホウ素)、セラミック材料、天然繊維、これらの組み合わせからなるグループの中から行なうことが好ましい。
炭素化合物の選択は、爆轟ダイヤモンド以外のダイヤモンド材料、グラファイト、カーボン・ブラック、炭素繊維、グラフェン、酸化したグラフェン、煤、カーボン・ナノチューブ、熱分解性炭素、窒化炭素、炭化ケイ素、炭化アルミニウム、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう。
ホウ素化合物の選択は、六方晶系形窒化ホウ素、立方晶系窒化ホウ素、炭化ホウ素、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう。ホウ素化合物は六方晶系形窒化ホウ素であることが好ましい。
一実施態様では、充填剤は、窒化ホウ素とアルミニウム酸化物とグラファイトの混合物である。
充填剤の主要粒子の平均サイズは、10nm〜100μm、より好ましくは50nm〜50μm、さらに好ましくは500nm〜20μmである。
ナノダイヤモンド材料は、爆轟ナノダイヤモンド材料である。すなわちナノダイヤモンドは、爆轟法によって製造される。言い換えるならば、ナノダイヤモンドは、爆轟合成から生じる。ナノダイヤモンドは爆轟合成によって生じるため、ナノダイヤモンド材料粒子の表面は、いくつかの表面官能基(例えばアミノ官能基、カルボン酸官能基、水素官能基)を含むことができる。
前駆ナノダイヤモンド材料として、ナノダイヤモンドの含有量が好ましくは少なくとも87重量%、より好ましくは少なくとも97重量%である実質的に純粋なナノダイヤモンド材料が可能である。ナノダイヤモンド材料は、ナノダイヤモンドの製造に由来するグラファイトとアモルファス炭素を含んでいる可能性がある。ナノダイヤモンド材料は、残留金属不純物も、金属、金属塩、金属酸化物、金属窒化物、金属ハロゲン化物としていくらか含んでいる可能性がある。
本発明の一実施態様では、ナノダイヤモンド材料は、爆轟煤(例えばグラファイトとアモルファス炭素)を含んでいる可能性があり、酸化可能な炭素の含有量は、好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%である。
ナノダイヤモンド材料のゼータ電位の値は、水に分散させたときに±35mVを超えることが好ましい。
ナノダイヤモンド材料がナノダイヤモンド混合物からなるとき、ナノダイヤモンド混合物材料のゼータ電位を信頼性よく求めることは、現在利用できる器具では難しい。
単独の形態のナノダイヤモンド材料粒子は、主要粒子の平均サイズが、1nm〜10nm、好ましくは2nm〜8nm、より好ましくは3nm〜7nm、最も好ましくは4nm〜6nmである。塊の形態になった粒子のサイズは、5nm〜1000nm、好ましくは60nm〜800nmである。
一実施態様では、ナノダイヤモンド材料粒子の表面を官能化して充填材料の表面への接着を増大させる。そのように官能化されたナノダイヤモンド材料粒子の一例は、アミノ官能化ナノダイヤモンド材料である。そのような官能化ナノダイヤモンドの別の一例は、カルボン酸官能化ナノダイヤモンド材料粒子であり、そのようなナノダイヤモンドのさらに別の一例は、水素を末端に有するナノダイヤモンド材料粒子である。そのような官能化ナノダイヤモンド材料粒子のさらに別の例として、ヒドロキシル、チオール、ハロゲン、ケトン、エステル、エーテル、シリル、エポキシ、シアノ、アルデヒドで官能化したナノダイヤモンド材料粒子が挙げられる。表面の官能基は、ナノダイヤモンド材料の表面に直接共有結合することが好ましいが、鎖構造の位置に存在することもできる。この鎖構造は、ナノダイヤモンド材料粒子の表面に共有結合する。ナノダイヤモンド材料粒子は、1種類の活性な表面官能基で主に官能化することが好ましいが、2種類以上の表面官能基を含んでいてもよい。
充填材料の表面への接着は、1種類または数種類の表面官能化ナノダイヤモンド材料粒子を用いて調節することができる。
さらに、親ポリマー材料への接着は、1種類または数種類の表面官能化ナノダイヤモンド材料粒子を用いて調節することができる。
接着したナノダイヤモンド材料粒子の塊のサイズは500nm未満であり、300nm未満が好ましく、100nm未満がより好ましく、50nm未満が最も好ましい。
一実施態様では、ナノダイヤモンド材料粒子の塊のサイズは500nmを超えてもよい。
本発明の別の一実施態様では、ナノダイヤモンド材料粒子の塊のサイズは500nmを超えており、ナノダイヤモンド材料は、ナノダイヤモンド粒子を含むナノダイヤモンド混合材料である。
充填剤の表面のナノダイヤモンド材料は、少なくとも1種類のポリマーに対するカップリング効果を発生させることができる。
ナノダイヤモンド含有熱複合体は、さまざまな形態(例えば製品、ペレット、粉末)にすることができる。
本発明の一実施態様では、ナノダイヤモンド含有熱複合体は、溶媒の形態で入手することができ、そのナノダイヤモンド含有熱複合体は、適切な溶媒の中に分散または懸濁されている。ナノダイヤモンド熱複合体を含むそのような溶媒形態を硬化させることで、フィルム、コーティング、粒子、製品、ペレット、粉末の形態になった固体または実質的に固体のナノダイヤモンド含有熱複合体を形成することができる。
本発明の別の一実施態様では、ナノダイヤモンド含有組成物をシリコーンに添加してナノダイヤモンド含有熱複合体を形成する。そのシリコーン含有熱複合体は、熱によって、および/または光照射(例えばUV光)によって、および/または触媒の使用によって硬化させることができる。特に好ましい1つの触媒は白金である。
本発明の別の一実施態様では、ナノダイヤモンド含有組成物をエポキシドに添加してナノダイヤモンド含有熱複合体を形成する。そのエポキシド含有熱複合体は、熱によって、および/または照射によって、および/または硬化剤の使用によって硬化させることができる。特に好ましい1つの硬化剤はアミン硬化剤である。
一実施態様では、ナノダイヤモンド含有熱複合体は、そのナノダイヤモンド含有熱複合体と同じ充填剤を使用していてその装填量が同じ重量%である熱複合体よりも大きなヤング率を示す。
一実施態様では、ナノダイヤモンド含有熱複合体は、そのナノダイヤモンド含有熱複合体と同じ充填剤を使用していてその装填量が同じ重量%である熱複合体よりも大きな引っ掻き抵抗を示す。
一実施態様では、ナノダイヤモンド含有熱複合体は、そのナノダイヤモンド含有熱複合体と同じ充填剤を使用していてその装填量が同じ重量%である熱複合体よりも小さな摩擦係数を示す。
一実施態様では、ナノダイヤモンド材料と少なくとも1種類の充填剤と少なくとも1種類のポリマーを含む本発明のナノダイヤモンド含有熱複合体は、上に開示した方法によって得ることができる。
以下に、実施例によって本発明をより詳細に説明する。実施例の目的は、請求項の範囲を制限することではない。
実施例1(本発明による)
この実施例では、熱伝導性かつ電気絶縁性のPA-66組成物の調製を示す。
材料
ポリアミド-66(PA-66):
試験で用いたPA-66は、PA-66グレードZytel 135F(粉末PA-66)であった。これは市販されている。
窒化ホウ素:
この実施例で用いた窒化ホウ素は、ESK Ceramics GmbHから入手できる15ミクロンの六方晶系窒化ホウ素粉末Boronid(登録商標)TCP015-100であった。
ゼータが正のアミノ官能化ナノダイヤモンド水中分散液:
ゼータが正のアミノ官能化ナノダイヤモンド分散液は、Carbodeon社が開発したアミノ官能化ナノダイヤモンド分散液であり、ナノダイヤモンドの含有量が5重量%である。ナノダイヤモンドの結晶サイズは4〜6nmである。固相中のナノダイヤモンドの含有量は97重量%以上である。アミノ官能化ナノダイヤモンド分散液のナノダイヤモンド粒子は爆轟ナノダイヤモンドであり、滴定によって測定したその塩基値は最小で10.0、その酸値は3.0未満である。この水性分散液のpHは、5重量%の含有量で測定したときに最小で8.0である。このアミノ官能化ナノダイヤモンド分散液のゼータ電位は、pH調節剤なしの分散液で測定したときに少なくとも+35mVである。このグレードのD90粒子サイズ分布は30nm未満である。用いる水性アミノ官能化ナノダイヤモンド・グレードの含有量は5重量%であった。
水中のVox D
(Carbodeon社の)「Vox D」という名称の製品は、表面に主にカルボン酸官能化ナノダイヤモンドを有する球形ナノダイヤモンド粒子を水と多彩な他の溶媒に分散させたものを含んでいる。ナノダイヤモンドの結晶サイズは4〜6nmである。固相中のナノダイヤモンドの含有量は97重量%以上である。「Vox D」は市販されている。「Vox D」のナノダイヤモンド粒子は爆轟ナノダイヤモンドである。この市販されている分散液のゼータ電位の典型値は少なくとも-50mVであり、D90粒子サイズ分布は30nm未満、好ましくは15nm未満である。用いる水性Vox Dグレード・ナノダイヤモンドの含有量は5重量%であった。
水中の水素D
(Carbodeon社の)「水素D」という名称の製品は、表面に主に水素官能化ナノダイヤモンドを有する球形ナノダイヤモンド粒子を水と多彩な他の溶媒に分散させたものを含んでいる。ナノダイヤモンドの結晶サイズは4〜6nmである。固相中のナノダイヤモンドの含有量は97重量%以上である。「Vox D」は市販されている。「Vox D」のナノダイヤモンド粒子は爆轟ナノダイヤモンドである。この市販されている分散液のゼータ電位の典型値は、pH調節剤なしの水性分散液で測定したときに少なくとも+40mVであり、D90粒子サイズ分布は30nm未満、好ましくは15nm未満である。「水素D」のナノダイヤモンド粒子は爆轟ナノダイヤモンドである。用いる水性分散液の含有量は3.5重量%であった。
ナノダイヤモンド分散液と窒化ホウ素充填剤からの組成物の調製:
アミノ-2:
24.722gの窒化ホウ素と5.5mlのゼータが正のアミノ官能化ナノダイヤモンド分散液(0.0275gの固体を含む0.5重量%の水性分散液)を互いに混合し、スピード・ミキサー装置(Speed Mixer DAC 150.1 FV)を用いて1分間処理した。ゼータが正のこのアミノ官能化ナノダイヤモンド分散液は、窒化ホウ素マトリックス全体に均一に広がっていた。得られた混合物を炉(80℃)の中で一晩乾燥させ、その乾燥した材料をRetzch 100 PM100ボール・ミル粉砕ツール(30分間、200rpm;炭化タングステン製ボール(10mm)、炭化タングステン製容器)を用いてボール・ミル粉砕することで、ナノダイヤモンド混合材料がグラファイト粒子の表面によく接着した組成物を得た。このようにして調製した組成物の一部を用い、0.05重量%のゼータが正のアミノ官能化ナノダイヤモンドと44.95重量%の六方晶系窒化ホウ素材料を含むPA-66化合物を調製した(サンプル4)。
24.695gの窒化ホウ素と11.0mlのゼータが正のアミノ官能化ナノダイヤモンド分散液(0.055gの固体を含む0.5重量%の水性分散液)を互いに混合し、スピード・ミキサー装置(Speed Mixer DAC 150.1 FV)を用いて1分間処理した。ゼータが正のこのアミノ官能化ナノダイヤモンド分散液は、窒化ホウ素マトリックス全体に均一に広がっていた。得られた混合物を炉(80℃)の中で一晩乾燥させ、その乾燥した材料をRetzch 100 PM100ボール・ミル粉砕ツール(30分間、200rpm;炭化タングステン製ボール(10mm)、炭化タングステン製容器)を用いてボール・ミル粉砕することで、ナノダイヤモンド混合材料がグラファイト粒子の表面によく接着した組成物を得た。このようにして調製した組成物の一部を用い、0.1重量%のゼータが正のアミノ官能化ナノダイヤモンドと44.9重量%の六方晶系窒化ホウ素材料を含むPA-66化合物を調製した(サンプル5)。
48.95gの窒化ホウ素と55.0mlのゼータが正のアミノ官能化ナノダイヤモンド分散液(0.55gの固体を含む1.0重量%の水性分散液)を互いに混合し、スピード・ミキサー装置(Speed Mixer DAC 150.1 FV)を用いて1分間処理した。ゼータが正のこのアミノ官能化ナノダイヤモンド分散液は、窒化ホウ素マトリックス全体に均一に広がっていた。得られた混合物を炉(80℃)の中で一晩乾燥させ、その乾燥した材料をRetzch 100 PM100ボール・ミル粉砕ツール(30分間、200rpm;炭化タングステン製ボール(10mm)、炭化タングステン製容器)を用いてボール・ミル粉砕することで、ナノダイヤモンド混合材料がグラファイト粒子の表面によく接着した組成物を得た。このようにして調製した組成物の一部を用い、0.5重量%のゼータが正のアミノ官能化ナノダイヤモンドと44.5重量%の六方晶系窒化ホウ素材料を含むPA-66化合物を調製した(サンプル6)。
64.35gの窒化ホウ素と33.0mlのゼータが正のアミノ官能化ナノダイヤモンド分散液(1.65gの固体を含む5.0重量%の水性分散液)を互いに混合し、スピード・ミキサー装置(Speed Mixer DAC 150.1 FV)を用いて1分間処理した。ゼータが正のこのアミノ官能化ナノダイヤモンド分散液は、窒化ホウ素マトリックス全体に均一に広がっていた。得られた混合物を炉(80℃)の中で一晩乾燥させ、その乾燥した材料をRetzch 100 PM100ボール・ミル粉砕ツール(30分間、200rpm;炭化タングステン製ボール(10mm)、炭化タングステン製容器)を用いてボール・ミル粉砕することで、ナノダイヤモンド混合材料がグラファイト粒子の表面によく接着した組成物を得た。このようにして調製した組成物の一部を用い、0.5重量%のゼータが正のアミノ官能化ナノダイヤモンドと19.5重量%の六方晶系窒化ホウ素材料を含むPA-66化合物を調製した(サンプル7)。
Vox-2:
24.722gの窒化ホウ素と5.5mlのVox-Dナノダイヤモンド分散液(0.0275gの固体を含む0.5重量%の水性分散液)を互いに混合し、スピード・ミキサー装置(Speed Mixer DAC 150.1 FV)を用いて1分間処理した。ゼータが負のこのカルボン酸官能化ナノダイヤモンド分散液は、窒化ホウ素マトリックス全体に均一に広がっていた。得られた混合物を炉(80℃)の中で一晩乾燥させ、その乾燥した材料をRetzch 100 PM100ボール・ミル粉砕ツール(30分間、200rpm;炭化タングステン製ボール(10mm)、炭化タングステン製容器)を用いてボール・ミル粉砕することで、ナノダイヤモンド混合材料がグラファイト粒子の表面によく接着した組成物を得た。このようにして調製した組成物の一部を用い、0.05重量%のゼータが負のカルボン酸官能化ナノダイヤモンドと44.95重量%の六方晶系窒化ホウ素材料を含むPA-66化合物を調製した(サンプル8)。
24.695gの窒化ホウ素と11.0mlのゼータが負のカルボン酸官能化ナノダイヤモンド分散液Vox-D(0.055gの固体を含む0.5重量%の水性分散液)を互いに混合し、スピード・ミキサー装置(Speed Mixer DAC 150.1 FV)を用いて1分間処理した。ゼータが負のこのカルボン酸官能化ナノダイヤモンド分散液は、窒化ホウ素マトリックス全体に均一に広がっていた。得られた混合物を炉(80℃)の中で一晩乾燥させ、その乾燥した材料をRetzch 100 PM100ボール・ミル粉砕ツール(30分間、200rpm;炭化タングステン製ボール(10mm)、炭化タングステン製容器)を用いてボール・ミル粉砕することで、ナノダイヤモンド混合材料がグラファイト粒子の表面によく接着した組成物を得た。このようにして調製した組成物の一部を用い、0.1重量%のゼータが負のカルボン酸官能化ナノダイヤモンドと44.9重量%の六方晶系窒化ホウ素材料を含むPA-66化合物を調製した(サンプル9)。
47.85gの窒化ホウ素と33.0mlのゼータが負のカルボン酸官能化ナノダイヤモンド分散液Vox D(1.65gの固体を含む5.0重量%の水性分散液)を互いに混合し、スピード・ミキサー装置(Speed Mixer DAC 150.1 FV)を用いて1分間処理した。ゼータが負のこのカルボン酸官能化ナノダイヤモンド分散液は、窒化ホウ素マトリックス全体に均一に広がっていた。得られた混合物を炉(80℃)の中で一晩乾燥させ、その乾燥した材料をRetzch 100 PM100ボール・ミル粉砕ツール(30分間、200rpm;炭化タングステン製ボール(10mm)、炭化タングステン製容器)を用いてボール・ミル粉砕することで、ナノダイヤモンド混合材料がグラファイト粒子の表面によく接着した組成物を得た。このようにして調製した組成物の一部を用い、1.5重量%のゼータが負のカルボン酸官能化ナノダイヤモンドと43.5重量%の六方晶系窒化ホウ素材料を含むPA-66化合物を調製した(サンプル10)。
61.05gの窒化ホウ素と99.0mlのゼータが負のカルボン酸官能化ナノダイヤモンド分散液Vox D(4.95gの固体を含む5.0重量%の水性分散液)を互いに混合し、スピード・ミキサー装置(Speed Mixer DAC 150.1 FV)を用いて1分間処理した。ゼータが負のこのカルボン酸官能化ナノダイヤモンド分散液は、窒化ホウ素マトリックス全体に均一に広がっていた。得られた混合物を炉(80℃)の中で一晩乾燥させ、その乾燥した材料をRetzch 100 PM100ボール・ミル粉砕ツール(30分間、200rpm;炭化タングステン製ボール(10mm)、炭化タングステン製容器)を用いてボール・ミル粉砕することで、ナノダイヤモンド混合材料がグラファイト粒子の表面によく接着した組成物を得た。このようにして調製した組成物の一部を用い、1.5重量%のゼータが負のカルボン酸官能化ナノダイヤモンドと18.5重量%の六方晶系窒化ホウ素材料を含むPA-66化合物を調製した(サンプル11)。
水素-2:
21.89gの窒化ホウ素と22.0mlのゼータが正の水素官能化ナノダイヤモンド分散液水素D(0.11gの固体を含む0.5重量%の水性分散液)を互いに混合し、スピード・ミキサー装置(Speed Mixer DAC 150.1 FV)を用いて1分間処理した。ゼータが正のこの水素官能化ナノダイヤモンド分散液水素Dは、窒化ホウ素マトリックス全体に均一に広がっていた。得られた混合物を炉(80℃)の中で一晩乾燥させ、その乾燥した材料をRetzch 100 PM100ボール・ミル粉砕ツール(30分間、200rpm;炭化タングステン製ボール(10mm)、炭化タングステン製容器)を用いてボール・ミル粉砕することで、ナノダイヤモンド混合材料がグラファイト粒子の表面によく接着した組成物を得た。このようにして調製した組成物の一部を用い、0.1重量%のゼータが正の水素官能化ナノダイヤモンドと19.9重量%の六方晶系窒化ホウ素材料を含むPA-66化合物を調製した(サンプル12)。
24.695gの窒化ホウ素と11.0mlのゼータが正の水素官能化ナノダイヤモンド分散液水素D(0.055gの固体を含む0.5重量%の水性分散液)を互いに混合し、スピード・ミキサー装置(Speed Mixer DAC 150.1 FV)を用いて1分間処理した。ゼータが正のこの水素官能化ナノダイヤモンド分散液水素Dは、窒化ホウ素マトリックス全体に均一に広がっていた。得られた混合物を炉(80℃)の中で一晩乾燥させ、その乾燥した材料をRetzch 100 PM100ボール・ミル粉砕ツール(30分間、200rpm;炭化タングステン製ボール(10mm)、炭化タングステン製容器)を用いてボール・ミル粉砕することで、ナノダイヤモンド混合材料がグラファイト粒子の表面によく接着した組成物を得た。このようにして調製した組成物の一部を用い、0.1重量%のゼータが正の水素官能化ナノダイヤモンドと49.9重量%の六方晶系窒化ホウ素材料を含むPA-66化合物を調製した(サンプル13)。
処理
どの材料も乾燥させた後に混合した(PA-66:乾燥空気乾燥機の中で2時間/120℃)。
混合は、Xplore15マイクロコンパウンダを用いて実施し、Thermo-Haake Minijetを用いて試験片を射出成形した。Minijetのための特殊な鋳型(25×25×3mm)を使用した。各シリーズについて同様の3つの複合体を製造した後、熱伝導率と密度を分析した。
サンプル1:PA-66熱可塑性ポリマーをコンパウンダの中に配置した。混合と成形の温度は290℃であった。混合におけるスクリューの回転速度は100rpmであり、混合の時間は少なくとも5分間であった。鋳型の温度は70℃であった。Minijetを用いると、800バールでの装填時間は5秒間であり、500バールでの冷却時間は15秒間であった。サンプルの全重量はそれぞれ11グラムであった。サンプル1は、充填剤を含まない基準サンプルである。
サンプル2〜3:窒化ホウ素粉末とPA-66熱可塑性ポリマーをコンパウンダの中に配置した。混合と成形の温度は290℃であった。混合におけるスクリューの回転速度は100rpmであり、混合の時間は少なくとも5分間であった。鋳型の温度は70℃であった。Minijetを用いると、800バールでの装填時間は5秒間であり、500バールでの冷却時間は15秒間であった。サンプルの全重量はそれぞれ11グラムであり、充填剤の全装填量は、20重量%(サンプル2)または45重量%(サンプル3)であった。サンプル2と3は、窒化ホウ素充填剤だけを含む代表的な基準サンプルである。
サンプル4〜14:PA-66熱可塑性ポリマーと、窒化ホウ素粒子の表面で乾燥させたナノダイヤモンドを含む組成物をコンパウンダの中に配置した。混合と成形の温度は290℃であった。混合におけるスクリューの回転速度は100rpmであり、混合の時間は少なくとも5分間であった。鋳型の温度は70℃であった。Minijetを用いると、800バールでの装填時間は5秒間であり、500バールでの冷却時間は15秒間であった。サンプルの全重量はそれぞれ11グラムであり、充填剤の全装填量は、20重量%または45重量%であった。調製したサンプルの充填剤の全装填量が20重量%であるとき、窒化ホウ素充填剤の装填量を18.5〜19.95重量%の間で変化させ、ナノダイヤモンドの含有量を0.05〜1.5重量%の間で変化させた。調製したサンプルの充填剤の全装填量が45重量%であるとき、窒化ホウ素充填剤の装填量を44.5〜44.95重量%の間で変化させ、ナノダイヤモンドの含有量を0.05〜0.5重量%の間で変化させた。
分析
製造したPA-66熱化合物サンプルの熱伝導率(λ)を、ESK Ceramics GmbHにおいてレーザー・フラッシュ法(ISO 18755;LFA 447、Netzsch GmbH)で求め、基準材料としてはPyroseram を用いた(5回の測定と平均)。測定値は、熱拡散率aである。この値は、空間の3方向、すなわちx方向、y方向、z方向で測定する(面貫通方向=zサンプル、成形方向に平行な面内方向=yサンプル、成形方向に垂直な面内方向=xサンプル)。測定は室温(25℃)で実施した。サンプルの密度(ρ)はアルキメデス法によって測定した。zサンプルに関する測定結果を用いて比熱CPを計算した。密度ρ、CP、aを用い、λ=a×CP×ρに従って熱伝導率を計算した。
結果
結果を表1にまとめてある。密度測定の誤差は±0.002g/cm3であり、熱拡散率測定の誤差は±5%であり、計算したCPの誤差は15%以下である。各サンプルの比熱の値は、x方向、y方向、z方向で同じであったため、各サンプルについて1つの値だけを示してある。
ナノダイヤモンド充填剤を窒化ホウ素充填剤とともにボール・ミル粉砕によって粉砕した後、得られた充填剤混合物を熱可塑性ポリマーそのものに組み込むと、複数の充填剤を熱可塑性マトリックスに別々に添加する方法と比べて熱伝導率が改善されることが以前に示されている。45.0重量%の窒化ホウ素充填剤を含む基準サンプル(サンプル3)と比較すると、44.95重量%の窒化ホウ素充填剤と0.05重量%のアミノ-2を含む組成物は、面内方向熱伝導率が21.9%改善され、平均熱伝導率が14.0%改善される(サンプル4)。したがって熱伝導率の顕著な改善が、ナノダイヤモンド材料の含有量が非常に少ない化合物ですでに得られる。
45.0重量%の窒化ホウ素充填剤を含む基準サンプル(サンプル3)と比較すると、44.9重量%の窒化ホウ素充填剤と0.1重量%のアミノ-2を含む組成物の使用により、面内方向熱伝導率が42.3%、平均熱伝導率が31.1%改善される(サンプル5)。この結果は、別の同様のサンプルを調製することによって再現されており、面内方向熱伝導率が39.8%、平均熱伝導率が34.1%改善された(X:4.58;Y:5.26;Z:1.96)。窒化ホウ素充填剤をアミノ官能化ナノダイヤモンドMolto Nuevo(この実施例で用いるアミノ官能化ナノダイヤモンド材料と比べてアミノ官能基の割合が少ない)と機械で乾燥粉末として混合して同様の化合物を調製し、得られた組成物を混合する場合には、対応する改善は、面内方向熱伝導率が25.0%、平均熱伝導率が24.9%である。
さらに、45.0重量%の窒化ホウ素充填剤を含む基準サンプル(サンプル3)と比較すると、44.5重量%の窒化ホウ素充填剤と0.5重量%のアミノ-2を含む組成物(サンプル6)の使用により、面内方向熱伝導率が16.8%、平均熱伝導率が17.4%増大する。同じ含有量の窒化ホウ素とゼータが正のアミノ官能化ナノダイヤモンド粉末(ゼータが正のアミノ官能化ナノダイヤモンド分散液を製造するための前駆材料)を乾燥粉末として互いに粉砕した後に混合する場合には、面内方向熱伝導率が12.8%、平均熱伝導率が11.9%改善される。
さらに、19.5重量%の窒化ホウ素材料と0.5重量%のアミノ官能化ナノダイヤモンド(アミノ-2)を含む組成物では、PA-66マトリックス中に窒化ホウ素を20重量%含む基準サンプルと比べて面内方向熱伝導率が10.6%、平均熱伝導率が11.8%改善される(サンプル7)。
45.0重量%の窒化ホウ素充填剤を含む基準サンプル(サンプル3)と比較すると、44.95重量%の窒化ホウ素充填剤と0.05重量%のカルボキシル化ナノダイヤモンド粒子(Vox-2)を含む組成物の使用により、面内方向熱伝導率が36.3%、平均熱伝導率が29.4%改善される(サンプル8)。したがって熱伝導率の顕著な改善が、ナノダイヤモンド材料の含有量が非常に少ない化合物ですでに得られる。
44.9重量%の窒化ホウ素充填剤と0.1重量%のカルボキシル化ナノダイヤモンド粒子を含むVox-2の組成物を用いて複合体を製造するとき、PA-66化合物に45.0重量%の窒化ホウ素充填剤を含む基準サンプル(サンプル3)と比較すると、面内方向熱伝導率が26.7%、平均熱伝導率が19.1%改善される(サンプル9)。
45.0重量%の窒化ホウ素充填剤を含む基準サンプル(サンプル3)と比較すると、43.5重量%の窒化ホウ素材料と1.5重量%のカルボキシル化ナノダイヤモンド粒子を含むVox-2組成物(サンプル10)を用いることによって面内方向熱伝導率が19.9%、平均熱伝導率が17.7%改善される。窒化ホウ素をカルボキシル化ナノダイヤモンド粉末(Vox D分散液のための前駆材料)と機械で乾燥粉末として混合して同様の化合物を調製し、得られた組成物を混合する場合には、熱伝導率の改善を検出することはできない。充填剤を順番に混合すること、すなわち最初にカルボキシル化ナノダイヤモンド粉末(Vox P)を混合し、次いで窒化ホウ素充填剤を混合することによってサンプルを調製する場合には、面内方向熱伝導率の改善は得られず、平均熱伝導率のわずかな改善(1.1%)だけを測定することができた。
20重量%の窒化ホウ素充填剤を含む基準サンプル(サンプル2)と比較すると、18.5重量%の窒化ホウ素と1.5重量%のカルボキシル化ナノダイヤモンド粒子を含むVox-2組成物(サンプル11)を用いることによって面内方向熱伝導率が132%、平均熱伝導率が105%改善される。窒化ホウ素をカルボキシル化ナノダイヤモンド粉末(Vox D分散液のための前駆材料)と機械で乾燥粉末として混合することによって同様の化合物を調製し、得られた組成物を混合する場合には、対応する改善は、面内方向熱伝導率が19.4%、平均熱伝導率が20.4%である。充填剤を順番に混合すること、すなわち最初にカルボキシル化ナノダイヤモンド粉末(Vox P)を混合し、次いで窒化ホウ素充填剤を混合することによってサンプルを調製する場合には、面内方向熱伝導率が6.8%改善されることと、平均熱伝導率も同様に改善されること(6.8%)を測定できた。
20重量%の窒化ホウ素充填剤を含む基準サンプル(サンプル2)と比較すると、19.9重量%の窒化ホウ素と0.1重量%の水素官能化ナノダイヤモンド粒子を含む水素-2組成物(サンプル12)を用いることによって面内方向熱伝導率が10.6%、平均熱伝導率が11.8%改善される。窒化ホウ素を水素官能化ナノダイヤモンド粉末(水素D分散液のための前駆材料)と機械で乾燥粉末として混合することによって同様の化合物を調製し、得られた組成物を混合する場合には、熱伝導率の改善を検出することはできない。
45.0重量%の窒化ホウ素充填剤を含む基準サンプル(サンプル3)と比較すると、44.9重量%の窒化ホウ素と0.1重量%の水素官能化ナノダイヤモンド粒子を含む水素-2組成物(サンプル13)を用いることによって面内方向熱伝導率が15.9%、平均熱伝導率が9.6%改善される。窒化ホウ素を水素官能化ナノダイヤモンド粉末(水素D分散液のための前駆材料)と機械で乾燥粉末として混合することによって同様の化合物を調製し、得られた組成物を混合する場合には、面内方向熱伝導率の対応する改善は28.4%であり、平均熱伝導率の改善は18.8%である。この結果は、水素を末端に有するナノダイヤモンド材料粒子が、アミノ官能化ナノダイヤモンド粒子およびカルボン酸官能化ナノダイヤモンド粒子ほど窒化ホウ素粒子の表面と静電相互作用しなかった可能性のあることを示している。
さらに改善された熱伝導率は、充填材料と親ポリマー材料の間にナノダイヤモンド材料粒子の表面が発生させるカップリング効果に基づく。充填材料粒子の表面に接着した熱伝導率が大きいナノダイヤモンド材料粒子(熱組成物を形成している)を用いることによって得られる充填材料粒子とポリマーの改善された湿潤状態は、疑いなく、フォノンの移動を改善し、したがって熱伝導率を改善する。こうした改善は、組成物の含有率が非常に低い状態ですでに得られる。
図1は、充填剤の全装填量が20重量%のPA-66熱複合体であり、ここではナノダイヤモンド材料が乾燥粉末として六方晶系窒化ホウ素とともにボール・ミル粉砕された。化合物中のナノダイヤモンドの含有量は1.5重量%であり、六方晶系窒化ホウ素の含有量は18.5重量%である。
図2は、充填剤の全装填量が20重量%の本発明のPA-66熱複合体であり、ここではナノダイヤモンド材料を分散液の形態で六方晶系窒化ホウ素の表面に導入した後、その分散液を乾燥させてナノダイヤモンドを六方晶系窒化ホウ素粒子の表面に直接接着させた。化合物中のナノダイヤモンドの含有量は1.5重量%であり、六方晶系窒化ホウ素の含有量は18.5重量%である。
実施例2(本発明による)
この実施例では、熱伝導性かつ電気絶縁性のPA-66組成物の調製を示す。
材料
ポリアミド-66(PA-66):
試験で用いたPA-66は、PA-66グレードZytel 135F(粉末PA-66)であった。これは市販されている。
グラファイト:
この実施例で用いたグラファイトはTIMCAL TIMREX(登録商標)KS5-75TT Primary Synthetic Graphiteであり、以下の粒子サイズを有する:D10:9.1μm;D50:38.8μm;D90:70μm。
ブレンドNH2-Pと名づけたアミノ官能化ナノダイヤモンド混合物粉末:
ゼータが正のアミノ官能化ナノダイヤモンド粉末は、Carbodeon社が開発したナノダイヤモンド粉末材料であり、市販されているナノダイヤモンド混合物を700℃の純粋なアンモニア・ガスに6時間にわたって曝露することによって調製された。アミノ官能化ナノダイヤモンド混合物の懸濁液のナノダイヤモンド粒子は爆轟ナノダイヤモンドであり、生成されたアミノ官能化混合材料の滴定によって測定した塩基値は24.6、酸値は1.7であった。
ブレンドNH2-Sと名づけたアミノ官能化ナノダイヤモンド混合物水中懸濁液:
ゼータが正のアミノ官能化ナノダイヤモンド粉末は、Carbodeon社が開発したナノダイヤモンド粉末材料であり、市販されているナノダイヤモンド混合物を700℃の純粋なアンモニア・ガスに6時間にわたって曝露した後、得られた粉末を1時間にわたる超音波処理(超音波装置:(Hielscher社の)Hielscher UP400S)の助けを借りて水に懸濁させることによって調製した。アミノ官能化ナノダイヤモンド混合物の懸濁液のナノダイヤモンド粒子は爆轟ナノダイヤモンドであり、生成されたアミノ官能化混合材料の滴定によって測定した塩基値は24.6、酸値は1.7であった。この混合物のナノダイヤモンドの含有量は50〜70重量%の間で変化するが、ナノダイヤモンド粒子の含有量は懸濁液の安定性に大きな影響を与えない。生成されたゼータが正のアミノ官能化ナノダイヤモンド混合物水性懸濁液は、少なくとも6ヶ月の間実質的に安定な懸濁液であり、用いるアミノ官能化混合物懸濁液の混合物の含有量は1.5重量%であった。
ブレンドH-Pと名づけた水素官能化ナノダイヤモンド混合物粉末:
ゼータが正の水素官能化ナノダイヤモンド粉末は、Carbodeon社が開発したナノダイヤモンド粉末材料であり、市販されているナノダイヤモンド混合物を600℃の(アルゴン中の)4%水素ガス流に6時間にわたって曝露することによって調製された。アミノ官能化ナノダイヤモンド分散液のナノダイヤモンド粒子は爆轟ナノダイヤモンドであり、生成された水素官能化混合材料の滴定によって測定した塩基値は19.1、酸値は3.0であった。
ブレンドH-Sと名づけた水素官能化ナノダイヤモンド混合物水中懸濁液:
ゼータが正の水素官能化ナノダイヤモンド粉末は、Carbodeon社が開発したナノダイヤモンド粉末材料であり、市販されているナノダイヤモンド混合物を600℃の(アルゴン中の)4%水素ガス流に6時間にわたって曝露した後、得られた粉末を1時間にわたる超音波処理(超音波装置:(Hielscher社の)Hielscher UP400S)の助けを借りて水に懸濁させることによって調製した。アミノ官能化ナノダイヤモンド分散液のナノダイヤモンド粒子は爆轟ナノダイヤモンドであり、生成された水素官能化混合材料の滴定によって測定した塩基値は19.1、酸値は3.0であった。この混合物のナノダイヤモンドの含有量は50〜70重量%の間で変化するが、ナノダイヤモンド粒子の含有量は、懸濁液の安定性に大きな影響を与えない。生成されたゼータが正のアミノ官能化ナノダイヤモンド混合物懸濁液は、少なくとも6ヶ月の間実質的に安定な懸濁液であり、用いるアミノ官能化混合物の懸濁液の混合物の含有量は1.5重量%であった。
ナノダイヤモンド混合物粉末とグラファイト充填剤からの組成物の調製:
ブレンドN-1
21.78gのグラファイトと0.22gのブレンドNH2-P粉末を、Retzch 100 PM100ボール・ミル粉砕ツール(30分間、200rpm;炭化タングステン製ボール(10mm)、炭化タングステン製容器)を用いてボール・ミル粉砕によって互いに混合した。
ブレンドH-1:
21.78gのグラファイトと0.22gのブレンドH-P粉末を、Retzch 100 PM100ボール・ミル粉砕ツール(30分間、200rpm;炭化タングステン製ボール(10mm)、炭化タングステン製容器)を用いてボール・ミル粉砕によって互いに混合した。
ナノダイヤモンド混合物懸濁液とグラファイト充填剤からの組成物の調製:
ブレンドN-2:
21.78gのグラファイトと14.67mlのブレンドNH2-S懸濁液(0.22gの固体を含む1.5重量%水性懸濁液)を互いに混合し、スピード・ミキサー装置(Speed Mixer DAC 150.1 FV)を用いて1分間処理した。ブレンドNH2-S懸濁液は、グラファイト・マトリックス全体に均一に広がっていた。得られた混合物を炉(80℃)の中で一晩乾燥させ、その乾燥した材料をRetzch 100 PM100ボール・ミル粉砕ツール(30分間、200rpm;炭化タングステン製ボール(10mm)、炭化タングステン製容器)を用いてボール・ミル粉砕することで、ナノダイヤモンド混合材料がグラファイト粒子の表面によく接着した組成物を得た。
ブレンドH-2:
21.78gのグラファイトと14.67mlのブレンドH-S懸濁液(0.22gの固体を含む1.5重量%水性懸濁液)を互いに混合し、スピード・ミキサー装置(Speed Mixer DAC 150.1 FV)を用いて1分間処理した。ブレンドNH2-S懸濁液は、グラファイト・マトリックス全体に均一に広がっていた。得られた混合物を炉(80℃)の中で一晩乾燥させ、その乾燥した材料をRetzch 100 PM100ボール・ミル粉砕ツール(30分間、200rpm;炭化タングステン製ボール(10mm)、炭化タングステン製容器)を用いてボール・ミル粉砕することで、ナノダイヤモンド混合材料がグラファイト粒子の表面によく接着した組成物を得た。
処理
どの材料も乾燥させた後に混合した(PA-66:乾燥空気乾燥機の中で2時間/120℃)。
混合は、Xplore15マイクロコンパウンダを用いて実施し、Thermo-Haake Minijetを用いて試験片を射出成形した。Minijetのための特殊な鋳型(25×25×3mm)を使用した。各シリーズについて同様の3つの複合体を製造した後、熱伝導率と密度を分析した。
サンプル40:50重量%のグラファイト材料を含む基準サンプルを調製するため、グラファイト粉末とPA-66熱可塑性ポリマーをコンパウンダの中に配置した。混合と成形の温度は290℃であった。混合におけるスクリューの回転速度は100rpmであり、混合の時間は少なくとも5分間であった。鋳型の温度は70℃であった。Minijetを用いると、800バールでの装填時間は5秒間であり、500バールでの冷却時間は15秒間であった。
サンプル41〜44:組成物であるブレンドN-1、ブレンドN-2、ブレンドH-1、ブレンドH-2、PA-66熱可塑性ポリマーをサンプル40に関して示したようにして混合した。混合と成形の温度は290℃であった。混合におけるスクリューの回転速度は100rpmであり、混合の時間は少なくとも5分間であった。鋳型の温度は70℃であった。Minijetを用いると、800バールでの装填時間は5秒間であり、500バールでの冷却時間は15秒間であった。サンプルの全重量はそれぞれ11グラムであり、充填剤の全装填量は、50重量%であった。グラファイト充填剤の装填量はサンプルの全重量の49.5重量%であり、ブレンド組成物の装填量はサンプルの全重量の0.5重量%であった。
結果
結果を表2にまとめてある。密度測定の誤差は±0.002g/cm3であり、熱拡散率測定の誤差は±5%であり、計算したCPの誤差は15%以下である。各サンプルの比熱の値は、x方向、y方向、z方向で同じであったため、各サンプルについて1つの値だけを示してある。
結果から、ナノダイヤモンド含有組成物のわずかな添加によってすでに面内方向(xとy)熱伝導率と面貫通方向熱伝導率の両方を顕著に改善できることがわかる。また、ナノダイヤモンド材料を化合物に導入する方法が、生成物の最終的な熱伝導特性に大きな影響を与える。
ナノダイヤモンド充填剤を窒化ホウ素充填剤とともにボール・ミル粉砕によって粉砕した後、得られた充填剤混合物を熱可塑性ポリマーそのものに組み込むと、充填剤を熱可塑性マトリックスに別々に添加する方法と比べて熱伝導率が改善されることが以前に示されている。50.0重量%のグラファイト充填剤を含む基準サンプル(サンプル40)と比較すると、49.5重量%のグラファイト充填剤と0.5重量%のブレンドN-1組成物を含む複合体は、面内方向熱伝導率が15.1%改善され、平均熱伝導率が13.9%改善される(サンプル41)。この結果は、グラファイト充填剤を同様のレベルのブレンドH-1組成物で置き換えることによって得られる結果と非常によく一致しており、その場合には、50重量%のグラファイトを含む基準サンプルと比較したときの面内方向熱伝導率の改善は14.9%、平均熱伝導率の改善は15.3%であった(サンプル43)。
49.5重量%のグラファイト充填剤と0.5重量%のブレンドN-2組成物を含んでいてグラファイト粒子へのナノダイヤモンド・ブレンド材料の接着が改善された同様の複合体(サンプル42)は、50重量%のグラファイトを含む基準サンプルと比較すると、面内方向熱伝導率が34.3%改善し、平均熱伝導率が32.7%改善していた。熱伝導率の改善は、グラファイト充填剤と乾燥状態の同じブレンドN充填剤を混合したもの(サンプル41)と比べて100%を超える。さらに、49.5重量%のグラファイト充填剤と0.5重量%びブレンドH-2組成物を含んでいてグラファイト粒子へのナノダイヤモンド・ブレンド材料の接着が改善された同様の複合体(サンプル44)は、50重量%のグラファイトを含む基準サンプルと比較すると、面内方向熱伝導率が30.7%改善し、平均熱伝導率が25.4%改善していた。ここでも、グラファイト充填剤と乾燥状態の同じブレンドN充填剤を混合したもの(サンプル43)と比べて熱伝導率のほぼ100%の改善が得られた。これは、ナノダイヤモンド材料が他の充填材料の表面に分布することの重要さをはっきりと示している。
熱伝導率のさらなる改善は、少なくとも一部が、充填材料と親ポリマー材料の間にナノダイヤモンド材料が生じさせるカップリング効果に基づいている。充填材料粒子の表面に接着した熱伝導のよいナノダイヤモンド材料粒子(熱組成物を形成している)を用いることによって得られる充填材料粒子とポリマーの改善された湿潤状態は、疑いなく、フォノンの移動を改善し、したがって熱伝導率を改善する。組成物の含有量が非常に少ない状態ですでに改善が得られる。本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[61]に記載する。
[1]
少なくとも1種類の充填剤とナノダイヤモンド材料を含む組成物を製造する方法であって、
(i)ナノダイヤモンド材料含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤と接触させて懸濁液を生成させるステップと;
(ii)前記液体媒体をステップ(i)の懸濁液から除去して少なくとも1種類の充填剤とナノダイヤモンド材料を含む組成物を生成させるステップを含む方法。
[2]
ステップ(i)のナノダイヤモンド材料含有液体媒体が分散液の形態である、項目1に記載の方法。
[3]
ステップ(i)のナノダイヤモンド材料含有液体媒体が懸濁液の形態である、項目1に記載の方法。
[4]
前記液体媒体の選択を、極性プロトン性溶媒、極性非プロトン性溶媒、双極性非プロトン性溶媒、有機溶媒、これら溶媒の混合物からなるグループの中から行なう、項目1〜3のいずれかに記載の方法。
[5]
前記極性プロトン性溶媒が、水、アルコール、直線状脂肪族ジオール、分岐したジオール、カルボン酸のいずれかであり、前記極性非プロトン性溶媒が、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、炭酸プロピレン、ラクタムのいずれかであり、前記双極性非プロトン性溶媒が、ケトン、エステル、N,N-メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのいずれかであり、前記有機溶媒が、トルエンまたは他の芳香族溶媒である、項目4に記載の方法。
[6]
前記液体媒体の選択を、水、メタノール、エタノール、イソ-プロパノール、直線状脂肪族ジオール、分岐したジオール、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N-エチル-2-ピロリドン(NEP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、これら溶媒の任意の混合物からなるグループの中から行なう、項目4または5に記載の方法。
[7]
前記充填剤の選択を、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、炭素化合物、ケイ素化合物、ホウ素化合物(例えば窒化ホウ素)、セラミック材料、天然繊維、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう、項目1〜6のいずれかに記載の方法。
[8]
前記炭素化合物の選択を、爆轟ダイヤモンド以外のダイヤモンド材料、グラファイト、カーボン・ブラック、炭素繊維、グラフェン、酸化したグラフェン、煤、カーボン・ナノチューブ、熱分解性炭素、炭化ケイ素、炭化アルミニウム、窒化炭素、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう、項目7に記載の方法。
[9]
前記ホウ素化合物の選択を、六方晶系窒化ホウ素、立方晶系窒化ホウ素、炭化ホウ素、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう、項目7に記載の方法。
[10]
ステップ(i)において、前記ナノダイヤモンド材料含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤と機械で混合し、好ましくはその混合をスピード・ミキサーを用いて実行する、項目1〜9のいずれかに記載の方法。
[11]
前記組成物を機械処理して壊すことによって組成物の塊を形成し、その機械処理が好ましくはビーズ・ミル粉砕である、項目1〜10のいずれかに記載の方法。
[12]
前記ナノダイヤモンド材料が、前記少なくとも1種類の充填剤の表面に実質的に接着する、項目1〜11のいずれかに記載の方法。
[13]
前記ナノダイヤモンド材料のゼータ電位の値が、水に分散させたときに±35mVを超える、項目1〜12のいずれかに記載の方法。
[14]
接着した前記ナノダイヤモンド材料粒子の塊のサイズが、500nm未満、好ましくは300nm未満、より好ましくは100nm未満、最も好ましくは50nm未満である、項目12または13に記載の方法。
[15]
前記充填剤の表面上の前記ナノダイヤモンド材料が、別の材料に対するカップリング効果を発生させることができる、項目1〜14のいずれかに記載の方法。
[16]
前記別の材料の選択を、ポリマー、金属、セラミック材料、これらの混合物からなるグループの中から行なう、項目15に記載の方法。
[17]
ナノダイヤモンド材料含有熱複合体を製造する方法であって、
(i)ナノダイヤモンド材料含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤と接触させて懸濁液を生成させるステップと;
(ii)前記液体媒体をステップ(i)の懸濁液から除去して少なくとも1種類の充填剤とナノダイヤモンド材料を含む組成物を生成させるステップと;
(iii)ステップ(ii)の組成物と少なくとも1種類のポリマーを混合してナノダイヤモンド材料含有熱複合体を生成させるステップを含む方法。
[18]
ステップ(i)のナノダイヤモンド材料含有液体媒体が分散液の形態である、項目17に記載の方法。
[19]
ステップ(i)のナノダイヤモンド材料含有液体媒体が懸濁液の形態である、項目17に記載の方法。
[20]
前記液体媒体の選択を、極性プロトン性溶媒、極性非プロトン性溶媒、双極性非プロトン性溶媒、有機溶媒、これら溶媒の混合物からなるグループの中から行なう、項目17〜19のいずれかに記載の方法。
[21]
前記極性プロトン性溶媒が、水、アルコール、直線状脂肪族ジオール、分岐したジオール、カルボン酸のいずれかであり、前記極性非プロトン性溶媒が、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、炭酸プロピレン、ラクタムのいずれかであり、前記双極性非プロトン性溶媒が、ケトン、エステル、N,N-メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのいずれかであり、前記有機溶媒が、トルエンまたは他の芳香族溶媒である、項目20に記載の方法。
[22]
前記液体媒体の選択を、水、メタノール、エタノール、イソ-プロパノール、直線状脂肪族ジオール、分岐したジオール、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N-エチル-2-ピロリドン(NEP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、これら溶媒の任意の混合物からなるグループの中から行なう、項目20または21に記載の方法。
[23]
前記充填剤の選択を、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、炭素化合物、ケイ素化合物、ホウ素化合物(例えば窒化ホウ素)、セラミック材料、天然繊維、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう、項目17〜22のいずれかに記載の方法。
[24]
前記炭素化合物の選択を、爆轟ダイヤモンド以外のダイヤモンド材料、グラファイト、カーボン・ブラック、炭素繊維、グラフェン、酸化したグラフェン、煤、カーボン・ナノチューブ、熱分解性炭素、炭化ケイ素、炭化アルミニウム、窒化炭素、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう、項目23に記載の方法。
[25]
前記ホウ素化合物の選択を、六方晶系窒化ホウ素、立方晶系窒化ホウ素、炭化ホウ素、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう、項目23に記載の方法。
[26]
ステップ(i)において、前記ナノダイヤモンド材料含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤と機械で混合し、好ましくはその混合をスピード・ミキサーを用いて実行する、項目17〜25のいずれかに記載の方法。
[27]
ステップ(iii)の前にステップ(ii)の組成物を機械処理して壊すことによって充填剤の塊を形成し、その機械処理が好ましくはビーズ・ミル粉砕である、項目18〜26のいずれかに記載の方法。
[28]
前記ナノダイヤモンド材料が、前記少なくとも1種類の充填剤の表面に実質的に接着する、項目17〜27のいずれかに記載の方法。
[29]
前記ナノダイヤモンド材料のゼータ電位の値が、水に分散させたときに±35mVを超える、項目17〜28のいずれかに記載の方法。
[30]
接着した前記ナノダイヤモンド材料粒子の塊のサイズが、500nm未満、好ましくは300nm未満、より好ましくは100nm未満、最も好ましくは50nm未満である、項目28または29に記載の方法。
[31]
前記充填剤の表面上の前記ナノダイヤモンド材料が、別の材料に対するカップリング効果を発生させることができる、項目17〜30のいずれかに記載の方法。
[32]
前記少なくとも1種類のポリマー材料の選択を、エポキシ、シリコーン、熱可塑性ポリマー、アクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、フルオロポリマー、シロキサン、ポリイミド、これらの混合物からなるグループの中から行なう、項目17〜31のいずれかに記載の方法。
[33]
0.01〜80重量%のナノダイヤモンド材料と、1〜99.99重量%の少なくとも1種類の充填剤を含んでいて、前記ナノダイヤモンド材料が前記少なくとも1種類の充填剤の表面に実質的に接着している組成物。
[34]
組成物の活性表面積が、少なくとも1種類の充填剤の表面にナノダイヤモンド材料が実質的に接着していない組成物の活性表面積よりも小さい、項目33に記載の組成物。
[35]
組成物の活性表面積が、少なくとも1種類の充填剤の表面にナノダイヤモンド材料が実質的に接着していない組成物の活性表面積よりも少なくとも5%小さい、項目34に記載の組成物。
[36]
0.01〜40重量%、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.01〜5重量%のナノダイヤモンド材料を含む、項目33〜35のいずれかに記載の組成物。
[37]
10〜90重量%、好ましくは15〜85重量%、より好ましくは15〜70重量%、最も好ましくは20〜50重量%の少なくとも1種類の充填剤を含む、項目33〜36のいずれかに記載の組成物。
[38]
前記充填剤の選択を、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、炭素化合物、ケイ素化合物、ホウ素化合物(例えば窒化ホウ素)、セラミック材料、天然繊維、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう、項目33〜37のいずれかに記載の組成物。
[39]
前記炭素化合物の選択を、爆轟ダイヤモンド以外のダイヤモンド材料、グラファイト、カーボン・ブラック、炭素繊維、グラフェン、酸化したグラフェン、煤、カーボン・ナノチューブ、熱分解性炭素、炭化ケイ素、炭化アルミニウム、窒化炭素、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう、項目38に記載の組成物。
[40]
前記ホウ素化合物の選択を、六方晶系窒化ホウ素、立方晶系窒化ホウ素、炭化ホウ素、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう、項目38に記載の組成物。
[41]
前記ナノダイヤモンド材料粒子の一次粒子の平均サイズが、1nm〜10nm、好ましくは2nm〜8nm、より好ましくは3nm〜7nm、最も好ましくは4nm〜6nmである、項目33〜40のいずれかに記載の組成物。
[42]
前記少なくとも1種類の充填剤の一次粒子の平均サイズが、10nm〜2000μm、好ましくは50nm〜500μm、より好ましくは500nm〜200μmである、項目33〜41のいずれかに記載の組成物。
[43]
接着したナノダイヤモンド材料粒子の塊のサイズが、500nm未満、好ましくは300nm未満、より好ましくは100nm未満、最も好ましくは50nm未満である、項目33〜42のいずれかに記載の組成物。
[44]
前記充填剤の表面面上の前記ナノダイヤモンド材料が、別の材料に対するカップリング効果を発生させることができる、項目33〜43のいずれかに記載の組成物。
[45]
前記別の材料の選択を、ポリマー、金属、セラミック材料、これらの混合物からなるグループの中から行なう、項目44に記載の組成物。
[46]
前記ナノダイヤモンド材料のゼータ電位の値が、水に分散させたときに±35mVを超える、項目33〜45のいずれかに記載の組成物。
[47]
0.01〜80重量%のナノダイヤモンド材料と、1〜90重量%の少なくとも1種類の充填剤と、5〜95重量%の少なくとも1種類のポリマーを含んでいて、前記ナノダイヤモンド材料が前記少なくとも1種類の充填剤の表面に実質的に接着しているナノダイヤモンド含有複合体。
[48]
平均熱伝導率が、少なくとも1種類の充填剤の表面にナノダイヤモンド材料が実質的に接着していない複合体の平均熱伝導率よりも少なくとも5%大きい、項目47に記載のナノダイヤモンド含有複合体。
[49]
平均熱伝導率が、少なくとも1種類の充填剤の表面にナノダイヤモンド材料が実質的に接着していない複合体の平均熱伝導率よりも少なくとも20%、好ましくは50%、より好ましくは70%大きい、項目47に記載のナノダイヤモンド含有複合体。
[50]
前記ナノダイヤモンド材料を0.01〜40重量%、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.01〜5重量%含む、項目47〜49のいずれかに記載のナノダイヤモンド含有複合体。
[51]
前記少なくとも1種類の充填剤を10〜70重量%、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは15〜45重量%含む、項目47〜50のいずれかに記載のナノダイヤモンド含有複合体。
[52]
前記少なくとも1種類のポリマーを20〜90重量%、好ましくは50〜85重量%含む、項目47〜51のいずれかに記載のナノダイヤモンド含有複合体。
[53]
前記少なくとも1種類のポリマー材料の選択を、エポキシ、シリコーン、熱可塑性ポリマー、アクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、フルオロポリマー、シロキサン、ポリイミド、これらの混合物からなるグループの中から行なう、項目47〜52のいずれかに記載のナノダイヤモンド含有複合体。
[54]
前記充填剤の選択を、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、炭素化合物、ケイ素化合物、ホウ素化合物(例えば窒化ホウ素)、セラミック材料、天然繊維、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう、項目47〜53のいずれかに記載のナノダイヤモンド含有複合体。
[55]
前記炭素化合物の選択を、爆轟ダイヤモンド以外のダイヤモンド材料、グラファイト、カーボン・ブラック、炭素繊維、グラフェン、酸化したグラフェン、煤、カーボン・ナノチューブ、熱分解性炭素、炭化ケイ素、炭化アルミニウム、窒化炭素、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう、項目54に記載のナノダイヤモンド含有複合体。
[56]
前記ホウ素化合物の選択を、六方晶系窒化ホウ素、立方晶系窒化ホウ素、炭化ホウ素、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう、項目54に記載のナノダイヤモンド含有複合体。
[57]
前記ナノダイヤモンド材料粒子の一次粒子の平均サイズが、1nm〜10nm、好ましくは2nm〜8nm、より好ましくは3nm〜7nm、最も好ましくは4nm〜6nmである、項目47〜56のいずれかに記載のナノダイヤモンド含有複合体。
[58]
前記少なくとも1種類の充填剤の一次粒子の平均サイズが、10nm〜2000μm、好ましくは50nm〜500μm、より好ましくは500nm〜200μmである、項目47〜57のいずれかに記載のナノダイヤモンド含有複合体。
[59]
接着したナノダイヤモンド材料粒子の塊のサイズが、500nm未満、好ましくは300nm未満、より好ましくは100nm未満、最も好ましくは50nm未満である、項目47〜58のいずれかに記載のナノダイヤモンド含有複合体。
[60]
前記充填剤の表面面上の前記ナノダイヤモンド材料が、別の材料に対するカップリング効果を発生させることができる、項目47〜59のいずれかに記載のナノダイヤモンド含有複合体。
[61]
前記ナノダイヤモンド材料のゼータ電位の値が、水に分散させたときに±35mVを超える、項目47〜60のいずれかに記載のナノダイヤモンド含有複合体。

Claims (29)

  1. 少なくとも1種類の充填剤と爆轟ナノダイヤモンド材料粒子を含む組成物を製造する方法であって、
    (i)爆轟ナノダイヤモンド材料粒子含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤と接触させて懸濁液を生成させるステップと;
    (ii)前記液体媒体をステップ(i)の懸濁液から除去して少なくとも1種類の充填剤と爆轟ナノダイヤモンド材料粒子を含む組成物を生成させるステップを含み、
    前記爆轟ナノダイヤモンド材料粒子のゼータ電位の値が、水に分散させたときに±35mVを超え、
    前記組成物を機械処理することによって、形成した組成物の塊を粉砕する、方法。
  2. ステップ(i)の爆轟ナノダイヤモンド材料粒子含有液体媒体が分散液の形態である、請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(i)の爆轟ナノダイヤモンド材料粒子含有液体媒体が懸濁液の形態である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記液体媒体の選択を、極性プロトン性溶媒、極性非プロトン性溶媒、双極性非プロトン性溶媒、有機溶媒、これら溶媒の混合物からなるグループの中から行なう、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記極性プロトン性溶媒が、水、アルコール、直線状脂肪族ジオール、分岐したジオール、カルボン酸のいずれかであり、前記極性非プロトン性溶媒が、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、炭酸プロピレン、ラクタムのいずれかであり、前記双極性非プロトン性溶媒が、ケトン、エステル、N,N-メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのいずれかであり、前記有機溶媒が、トルエンまたは他の芳香族溶媒である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記液体媒体の選択を、水、メタノール、エタノール、イソ-プロパノール、直線状脂肪族ジオール、分岐したジオール、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N-エチル-2-ピロリドン(NEP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、これら溶媒の任意の混合物からなるグループの中から行なう、請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記充填剤の選択を、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、炭素化合物、ケイ素化合物、ホウ素化合物、セラミック材料、天然繊維、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記炭素化合物の選択を、爆轟ダイヤモンド以外のダイヤモンド材料、グラファイト、カーボン・ブラック、炭素繊維、グラフェン、酸化したグラフェン、煤、カーボン・ナノチューブ、熱分解性炭素、炭化ケイ素、炭化アルミニウム、窒化炭素、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ホウ素化合物の選択を、六方晶系窒化ホウ素、立方晶系窒化ホウ素、炭化ホウ素、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう、請求項7に記載の方法。
  10. ステップ(i)において、前記爆轟ナノダイヤモンド材料粒子含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤と機械で混合する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記爆轟ナノダイヤモンド材料粒子が、前記少なくとも1種類の充填剤の表面に接着する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 接着した前記爆轟ナノダイヤモンド材料粒子の塊のサイズが、500nm未満である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記充填剤の表面上の前記爆轟ナノダイヤモンド材料粒子が、別の材料に対するカップリング効果を発生させることができる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記別の材料の選択を、ポリマー、金属、セラミック材料、これらの混合物からなるグループの中から行なう、請求項13に記載の方法。
  15. 爆轟ナノダイヤモンド材料粒子含有複合体を製造する方法であって、
    (i)爆轟ナノダイヤモンド材料粒子含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤と接触させて懸濁液を生成させるステップと;
    (ii)前記液体媒体をステップ(i)の懸濁液から除去して少なくとも1種類の充填剤と爆轟ナノダイヤモンド材料粒子を含む組成物を生成させるステップと;
    (iii)ステップ(ii)の組成物と少なくとも1種類のポリマーを混合して爆轟ナノダイヤモンド材料粒子含有複合体を生成させるステップを含み、
    前記爆轟ナノダイヤモンド材料粒子のゼータ電位の値が、水に分散させたときに±35mVを超える方法。
  16. ステップ(i)の爆轟ナノダイヤモンド材料粒子含有液体媒体が分散液の形態である、請求項15に記載の方法。
  17. ステップ(i)の爆轟ナノダイヤモンド材料粒子含有液体媒体が懸濁液の形態である、請求項15に記載の方法。
  18. 前記液体媒体の選択を、極性プロトン性溶媒、極性非プロトン性溶媒、双極性非プロトン性溶媒、有機溶媒、これら溶媒の混合物からなるグループの中から行なう、請求項16〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記極性プロトン性溶媒が、水、アルコール、直線状脂肪族ジオール、分岐したジオール、カルボン酸のいずれかであり、前記極性非プロトン性溶媒が、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、炭酸プロピレン、ラクタムのいずれかであり、前記双極性非プロトン性溶媒が、ケトン、エステル、N,N-メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのいずれかであり、前記有機溶媒が、トルエンまたは他の芳香族溶媒である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記液体媒体の選択を、水、メタノール、エタノール、イソ-プロパノール、直線状脂肪族ジオール、分岐したジオール、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N-エチル-2-ピロリドン(NEP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、これら溶媒の任意の混合物からなるグループの中から行なう、請求項18または19に記載の方法。
  21. 前記充填剤の選択を、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、炭素化合物、ケイ素化合物、ホウ素化合物、セラミック材料、天然繊維、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう、請求項1520のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記炭素化合物の選択を、爆轟ダイヤモンド以外のダイヤモンド材料、グラファイト、カーボン・ブラック、炭素繊維、グラフェン、酸化したグラフェン、煤、カーボン・ナノチューブ、熱分解性炭素、炭化ケイ素、炭化アルミニウム、窒化炭素、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう、請求項21に記載の方法。
  23. 前記ホウ素化合物の選択を、六方晶系窒化ホウ素、立方晶系窒化ホウ素、炭化ホウ素、これらの組み合わせからなるグループの中から行なう、請求項21に記載の方法。
  24. ステップ(i)において、前記爆轟ナノダイヤモンド材料粒子含有液体媒体を少なくとも1種類の充填剤と機械で混合する、請求項1523のいずれか1項に記載の方法。
  25. ステップ(iii)の前にステップ(ii)の組成物を機械処理することによって、形成した組成物の塊を粉砕する、請求項1624のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記爆轟ナノダイヤモンド材料粒子が、前記少なくとも1種類の充填剤の表面に接着する、請求項1525のいずれか1項に記載の方法。
  27. 接着した前記爆轟ナノダイヤモンド材料粒子の塊のサイズが、500nm未満である、請求項26に記載の方法。
  28. 前記充填剤の表面上の前記爆轟ナノダイヤモンド材料粒子が、少なくとも1種類のポリマーに対するカップリング効果を発生させることができる、請求項1527のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記少なくとも1種類のポリマー材料の選択を、エポキシ、シリコーン、熱可塑性ポリマー、アクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、フルオロポリマー、シロキサン、ポリイミド、これらの混合物からなるグループの中から行なう、請求項1528のいずれか1項に記載の方法。
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