JP6632798B2 - 防汚性ポリエステル布帛 - Google Patents

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Description

本発明は、吸水性と撥油性を兼備する防汚性ポリエステル布帛に関するものである。
ポリエステル布帛は、強度、染色堅牢度、加工性などに優れるため、衣料、産業資材を問わず幅広い分野に利用されている。しかしながら、ポリエステル繊維は親油性に富むため、油汚れなどを吸着し易く、一方で綿などのセルロース繊維と比べ親水性に劣るという特性を持つ。そのため、油汚れし易いうえにその汚れを除去し難いという欠点があり、防汚性を改善するための方法が種々提案されている。
ポリエステル布帛の防汚性を改善するべく、例えば以下の(1)(2)の方法が提案されている。
(1)ポリエステル布帛において、油汚れが付着し難くなるようにSG性(Solid Guard)加工する。
(2)ポリエステル布帛において、油汚れが付着した場合でも洗濯で容易に除去できるようにSR性(Solid Release)加工する。
上記(1)のSG性加工された布帛として、例えば、特許文献1には、フッ素を50重量%以上含有する撥水撥油剤を用いて合成繊維布帛を加工した後、その布帛表面を、主鎖の炭素にフッ素原子が結合し、フッ素含有率が20重量%を超え50重量%未満である高分子化合物により加工した撥水防汚性布帛が提案されている。
また、上記(2)のSR性加工された布帛として、特許文献2には、ポリエステル繊維布帛の表面に、ポリアルキレングリコールと、芳香族ジカルボン酸と、アルキレングリコールとを共重合してなるブロック共重合体、変性オルガノシリケート及びアミノプラスト樹脂を付着させてなる防汚性ポリエステル布帛が提案されている。
しかし、一般に、SG性加工された布帛はSR性に、SR性加工された布帛はSG性に各々欠ける傾向にあり、両性能を備える布帛の創出が望まれていた。
そこで、ポリエステル布帛において、油汚れが付着し難く、汚れが付着しても洗濯で容易に除去できるようにSGR性(Solid Guard Release)加工することが検討されている。一例として、特許文献3に、親水性基を有するフッ素系撥水撥油剤、フッ素含有率が高く非親水性のフッ素系撥水撥油剤及び架橋剤を含む防汚性被覆層を備えてなる防汚性合成繊維布帛が提案されている。
特開平3−234870号公報 特開平9−268472号公報 特開平10−317281号公報
このように、防汚性は、大きくSG性(汚れ付着防止性)、SR性(汚れ除去性)、SGR性(汚れ付着防止性及び汚れ除去性を兼備する性能)に大別され、SGR性は、SG性及びSR性を改良したものに位置づけられる。
しかし、SGR性を志向した特許文献3記載の布帛は、SG性は十分期待できる一方、SR性についてはある程度の効果は期待できるものの未だ十分でないのが実情である。これは、親水性基を有するフッ素系撥水撥油剤のみでSR性を発現させようとするからであり、同一分子中に存在する撥水性基により親水性基の働きが妨げられてしまうことが要因と考えられる。
本発明は、上記従来技術に鑑みなされたもので、撥油性及び吸水性に優れ、SGR性が顕著に高められた布帛を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記布帛において十分なSGR性が得られない理由について検討したところ、SR性については、布帛に十分な吸水性が付与されていないために、水流が布帛内部に行き渡たりづらく、これが原因で汚れを除去し難くなっているのであろうとの考えに至った。これを受け、フッ素系撥水撥油剤の構造を改質し、親水性基の含有量を増やすことを検討したが、撥水撥油性が低下し、かえってSG性が低下しまう結果となった。そこで、防汚性被覆層における親水性部分及び疎水性部分と、SG性及びSR性との関係について再度見直し、両性能(SGR性)をバランス良く向上させるための層構造について検討したところ、親水性部分を土台としてその中に疎水性部分を部分配置させると、意外にも両性能を高めうることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいてさらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、第一に、ポリエステル布帛の表面に薄膜A、Bをこの順で備えてなる布帛であって、薄膜Aが親水性ポリマーからなり、薄膜Bが親水基を有しかつ炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系化合物と架橋剤と吸水剤とからなり、JIS L1907:2004記載の滴下法に基づく吸水性が60秒以下で、AATCC TM118記載の滴下法に基づく撥油性が3級以上であることを特徴とする防汚性ポリエステル布帛を要旨とするものである。
本発明によれば、撥油性と吸水性が共に優れ、SGR性が顕著に高められた防汚性ポリエステル布帛が提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の布帛は、特定組成の薄膜A、Bを基材たるポリエステル布帛の表面に順次積層した布帛である。薄膜A、Bは布帛の少なくとも一方の面に順次積層されていれば足りる。
基材であるポリエステル布帛とは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維を50質量%以上、好ましくは80質量%以上含有する織物、編物、不織布などをいい、ポリエステル繊維のみで形成された布帛が最も好ましい。ポリエステル繊維と共に布帛を形成する他の繊維としては、任意の繊維が使用でき、例えば、ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド繊維、ポリアクリルニトリル繊維、ポリビニルアルコール繊維の他、ジアセテート、トリアセテートなどの半合成繊維、あるいは木綿やウールなどの天然繊維などがあげられる。本発明では、これらの繊維を単独で又は混繊、混紡、交織編して使用する。
前記布帛の織物組織及び編物組織としては、特に限定されないが、織物組織としては、平織、綾織、朱子織の三原組織、変化組織、たて二重織、よこ二重織などの片二重組織、たてビロード織などが例示される。よこ編組織としては、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編などが例示され、たて編組織としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフ編、ハーフベース編、サテン編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編などが例示される。また、布帛の構造は単層構造、多層構造のいずれでもよい。これらの織物や編物は常法により製造できる。
本発明の布帛は、その表面にまず薄膜Aが積層されている。薄膜Aは親水性ポリマーから構成される。親水性ポリマーとしては、任意のものが使用でき、例えば、親水性ポリエステル、ポリエーテルエステルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシドなどの他、これらの変性物も使用できる。市販品としては、高松油脂社製、商品名「SR6200」などがあり、これらも好適に使用できる。
薄膜Aは、通常、親水性ポリマーを含む樹脂溶液を調製し、これを布帛表面にコーティングするか含浸するかし、乾燥することにより形成できる。この場合、含浸、乾燥による方法が好適であり、布帛を構成する個々の繊維に薄膜Aを形成でき、SR性の洗濯耐久性向上が期待できるようになる。
さらに、必要に応じて各種添加剤、各種組成物を薄膜A中に併含させてもよい。
他方、親水性モノマーを布帛に付着させ、適宜手段でこれを重合することで親水性ポリマーを得、薄膜Aとしてもよい。この方法を採用すると、膜の厚み調整が容易となり、SR性及びその洗濯耐久性、さらには布帛の風合いなども好適化し易くなる。
親水性モノマーとしては、アルキレンオキサイドを含むアクリレート、アルキレンオキサイドを含むメタクリレート、アルキレンオキサイドを含むエポキシアクリレート、アルキレンオキサイドを含むエポキシメタクリレートなどがあげられる。中でも、ポリエステル布帛との反応性の観点から、2官能ビニル系モノマーが好ましく、特にアルキレンオキサイドを含むジアクリレートモノマー、アルキレンオキサイドを含むジメタクリレートモノマーが好ましい。
このような親水性モノマーとしては、具体的には、下記式(1)にて示されるポリエチレングリコールジアクリレート、あるいは下記式(2)にて示されるポリエチレングリコールジメタクリレートなどがあげられる。
Figure 0006632798
上記式(1)中、汚れの効果的な除去を可能にする観点、すなわちSR性を高めより防汚性に優れる布帛を得る観点から、nは1〜23の整数であることが好ましく、14〜23の整数であることがより好ましい。
Figure 0006632798
上記式(2)中、(1)式の場合と同様の観点から、nは1〜23の整数であることが好ましく、14〜23の整数であることがより好ましい。
親水性モノマーの重合方法としては、適宜の方法が採用できるが、一例として低温プラズマによる方法があげられる。本発明では、洗濯耐久性の観点から、この低温プラズマによる方法が推奨される。この点の詳細は明らかでないが、低温プラズマによる方法を採用すると、ポリエステル繊維表面において親水性モノマーがグラフト重合すると考えられ、後に薄膜Bを形成したとき、グラフトの枝分かれの間にフッ素系化合物が入り込み、親水性ポリマーとフッ素系化合物とが繊維に強く固着し、洗濯耐久性が向上するものと考えられる。
低温プラズマ処理する場合、これに先立ち、親水性モノマーを含有する水溶液を調製する。水溶液は、通常、上記親水性モノマーを公知の方法で水性媒体に溶解させることにより調製できる。そして、調製した水溶液をポリエステル布帛の表面に付与し、予備乾燥する。その後、低温プラズマ処理する。
基材たるポリエステル布帛の表面に水溶液を付与する方法としては、特に限定されるものではなく、例えばパディング法(含浸法)、スプレー法、キスロールコータ法、スリットコータ法などがあげられる。中でも個々の繊維表面に水溶液を効率的に付与できる点でパディング法が好適である。
予備乾燥の条件としては、媒体をほぼ蒸発させうる条件であればよく、具体的には80〜140℃で30〜240秒間の条件が好ましい。
また、低温プラズマとは、気体に電気エネルギーを与えることによって得られる放電状態であり、負電荷を持つ電子と正電荷を持つイオン、さらに電気的に中性なラジカルが含まれた減圧下でのグロー放電、大気圧グロー放電、コロナ放電などによる常温域での状態のことである。
低温プラズマ処理は、まず、減圧状態にある非重合性ガスに高周波エネルギーを与えることによってガス分子を励起させて、低温でのプラズマ状態を発生させる。そして、この低温プラズマ雰囲気内に、水溶液を付与したポリエステル布帛を一定時間静置し、低温プラズマによりモノマーを重合させる。
非重合性ガスとしては、酸素、窒素、水素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガスなどがあげられる。中でも、ポリエステル布帛表面で親水性モノマーを効率よく重合する観点から、酸素が好ましい。
高周波エネルギーの周波数としては、低温プラズマを発生しうるものであれば特に限定されるものでなく、例えば、1〜3000MHzの範囲で使用可能である。実使用に供する際には、電波法などの規制により、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、915MHz、2450MHzのいずれかを採用することが一般的である。
高周波エネルギーの電力(高周波電力)は、発生するプラズマの運動エネルギーを向上させる観点から、0.1〜15.0kWであることが好ましく、0.3〜10.0kWであることがより好ましい。
低温プラズマ処理時の真空度としては、安定した低温プラズマ状態を持続させる観点から、13〜2670Paであることが好ましく、40〜1330Paであることがより好ましい。
また、低温プラズマ処理に供される時間は、親水性ポリマーをポリエステル布帛表面に強固に付着させる観点から、0.5〜60分の範囲であることが好ましく、0.5〜10分であることがより好ましい。
さらに、親水性モノマーを重合するにあたり、必要に応じて重合開始剤を併用してもよい。ただし、布帛の変色、堅牢度の低下、風合いの硬化といった点で問題が起こる場合があるため、使用量を抑えるか又は種類を選別するなどしてこれらの点を避けることが好ましい。
低温プラズマ処理した後は、必要に応じて、ポリエステル布帛から未反応物の親水性モノマーを除去する目的でソーピングすることが好ましい。ソーピングすることで、残留未反応物に起因する布帛の変色、染色堅牢度の低下などを抑えることができる。
ソーピングする際の液温としては、未反応物の除去効率の観点から60〜100℃とすることが好ましい。また、ソーピング時間としては、同じく未反応物の除去効率の観点から1〜60分間であることが好ましい。さらに、ソーピングの際には、洗浄性を向上させ除去効率をより高めるために、界面活性剤を併用してもよい。
ソーピングした後は、必要に応じて布帛を乾燥するとよい。
さらに、本発明の布帛は、上記薄膜Aの上に薄膜Bが積層されている。薄膜Bは、親水基を有しかつ炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系化合物と、架橋剤と、吸水剤とから構成される。
本発明で使用するフッ素系化合物の基本構造は、親水性セグメントとフッ素化された疎水性セグメントとを共重合した構造をなす。フッ素系以外の化合物を用いた場合は、所望の撥油性が得られないため防汚性が低下し、所望の洗濯耐久性も得られない。
親水性セグメントとしては、アクリレート、メタアクリレート、酢酸ビニル、塩化ビニルなどのエチレン系不飽和物を変性したうえで、これらの変性物にエチレンオキサイド、水酸基、カルボキシル基、スルフォン酸基などの親水基を導入したものがあげられる。中でも、汚れ除去性(SR性)が向上し、防汚性に優れる布帛を得る観点から、硫化水素とポリエチレングリコールジメタクリレートとを反応させることにより得る親水性セグメントが好ましい。
一方、フッ素化された疎水性セグメントとしては、油汚れの付着を抑え、防汚性をより高める観点から、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を含むフルオロアルキルアクリレートが好ましい。このような親水基を有するフッ素系化合物としては、市販品が好ましく使用でき、具体的には、旭硝子社製、商品名「アサヒガードAG−E100」、大原パラヂウム社製、商品名「パラソルブSRF−6000」、日華化学社製、商品名「NKガードSR−2020」などがあげられる。
また、架橋剤としては、適宜のものが使用できる。例えば、イソシアネート基、トリアジン基、エポキシ基、シラノール基、メチロール基、オキサゾリン基などの架橋性官能基を含有する化合物などがあげられる。架橋剤を使用することで、薄膜Bの構成単位を強固に結びづけると共に薄膜A、Bを強固に結びつけることができ、結果として吸水性及び撥油性の洗濯耐久性が向上する。
さらに、吸水剤としても、適宜のものが使用できる。例えば、吸水性ポリアミド樹脂、吸水性ポリエステル樹脂、吸水性エポキシ変性シリコン樹脂などがあげられる。
この他、必要に応じて各種添加剤、各種組成物を薄膜B中に併含させてもよい。
薄膜Bは、薄膜Aの上に、親水基を有する炭素数1〜6のフッ素系化合物と架橋剤と吸水剤とを含有する水溶液を付与し、必要に応じて予備乾燥した後、130〜190℃で乾熱処理することにより形成できる。
当該水溶液を付与する方法としては、特に限定されるものではなく、例えばパディング法、スプレー法、キスロールコータ法、スリットコータ法などがあげられ、特にパディング法が好適である。
予備乾燥としては、80〜140℃で30〜240秒間の条件が好ましい。
水溶液を適宜手段で布帛に付与し、必要に応じて予備乾燥した後は、乾熱処理する。乾熱処理の温度としては、130〜190℃が好ましく、150〜170℃がより好ましい。130℃未満であると、十分な撥油性が得ら難く、結果として防汚性が低下する場合がある。この理由は定かでないが、フッ素系化合物における疎水性セグメントの配向が乱れ易くなることが原因と考えられる。一方、190℃を超えると、熱によって薄膜が劣化し易くなり、結果として汚れ除去性が低下し、ひいては防汚性に劣るものとなり易い。他方、乾熱処理の時間としては、防汚性を高める観点から、30〜300秒間が好ましい。乾熱処理は、ピンテンターを使用して行うとよい。
本発明の布帛は、このように基材たるポリエステル布帛の表面に薄膜A、Bをこの順に備えている。そして、薄膜Aは親水性ポリマーから構成され、薄膜Bは吸水剤を含有し、かつ同B中のフッ素系化合物は親水性セグメントを含有している。すると、薄膜A、Bは、全体としてあたかも親水性部分という「海」の中に疎水性部分という「島」が浮かんでいるような構造をなしているといえる。このように、親水性部分を土台としてその中に疎水性部分を部分配置させると、SGR性が大幅に向上する。SGR性が向上する理由は定かでないが、SR性については、フッ素系化合物は、本来、布帛に撥水性と撥油性とを付与できるものの、薄膜Aが親水性ポリマーから構成され、かつ薄膜Bに吸水剤が含有されしかもフッ素系化合物中に親水性セグメントも含まれていることから、フッ素系化合物中の疎水性セグメントは周囲を親水性部分で取り囲まれるようになる。そうすると、布帛に与えた撥水性は相殺されるばかりか、むしろ薄膜全体として吸水性は高められることになる。これにより、SR性が向上すると考えられる。なお、副次的な効果として、布帛が吸水性を有することにより、衣服としたとき汗を吸い易くなり、結果として快適な着用感が得られると共に用途展開も図り易くなる。一方、SG性は、フッ素系化合物による効果のうち、撥水性だけが相殺されて撥油性が残り、しかも、外気に接する外側の膜(薄膜B)にフッ素系化合物を配することで、外から侵入しようとする油汚れを効果的に防御できるようになるため、SG性が向上するものと考えられる。
本発明の布帛は、このようにSGR性に優れるものである。このうちSR性は、布帛が持つ吸水性に由来するところが大きいから、布帛は所定の吸水性を有する必要がある。そこで、本発明では、吸水性を推し量る指標としてJIS L1907:2004記載の滴下法を採用し、これに基づく吸水性が60秒以下である必要がある。
一方、SG性については、布帛が持つ撥油性に由来するところが大きいから、布帛は所定の撥油性を有する必要がある。その意味で、布帛は、AATCC TM118記載の滴下法に基づく撥油性が3級以上である必要がある。
本発明におけるSGR性は、特異な層構造に由来し、単に2層にする又は単に組成を好適化するだけでは奏されないものである。
以上、本発明の防汚性ポリエステル布帛は、撥油性及び吸水性に優れ、これらの洗濯耐久性にも優れるものであるが、さらにこれらの特性を高めたい場合は、薄膜A、Bの合計固着量をポリエステル布帛100質量部に対して0.5〜10質量%の範囲に調整するとよい。
薄膜A、Bの合計固着量をこの範囲に調整すると、撥油性及び吸水性をバランスよく向上でき、同時に薄膜が布帛から剥離し難くなる。その結果、一般的な油汚れに対し洗濯耐久性を考慮しながらその防汚性をより向上させることができる。具体的には、JIS L0217記載の103法に基づく洗濯を30回行った後の布帛について、JIS L1919:2006記載のC法に基づく防汚性(付いた汚れの落ちやすさ試験)を3級以上とすることができる。
また、本発明における優れた防汚性が薄膜A、Bの組成、位置関係などの相乗効果により奏される点に照らせば、薄膜A、Bの固着量比を規定することも防汚性を高めるうえで好ましい。特に、上記に加え、薄膜A、Bの固着量比を質量比で、好ましくはA:B=1:1〜5:1、さらに好ましくはA:B=1:1〜3:1の範囲に調整すると、洗濯耐久性を維持しつつ、機械油に対する防汚性や皮脂汚れに対する防汚性をより高めることができる。具体的に、機械油に対する防汚性として、JIS L0217記載の103法に基づく洗濯を30回行った後の布帛について日本化学繊維協会規格 JCFA TM−104 ダイヤペースト法に基づく汚れ除去性を3級以上とすることができる。そして、皮脂汚れに対する防汚性として、JIS L0217記載の103法に基づく洗濯を30回行った後の布帛についてボーケン品質評価機構規格BQE A032法に基づく汚れ除去性を3級以上とすることができる。
このように、薄膜A、Bの合計固着量や固着量比を調整することで、防汚性を改良することができる。
以上のような本発明の防汚性ポリエステル布帛は、油性汚れについての防汚性は無論のこと、吸水性に優れることから水分汚れに対しても優れた防汚性を示す。そして、布帛を洗濯しても、防汚性の低下が少ない(つまり、洗濯耐久性に優れた防汚性を有する)。さらに、吸汗性にも優れ着心地のよい衣服に仕立てることもできる。
本発明の布帛は、作業用ユニフォーム、スポーツウェア、白衣、食品ユニフォームなどの洗濯耐久性に優れた防汚性が求められる分野において、好適に使用できる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。布帛の特性は、以下の方法により測定、評価した。
(1)吸水性
JIS L1907:2004記載の滴下法に基づいて測定した。この結果を「初期」の吸水性とした。
(2)撥油性
AATCC TM118記載の滴下法に基づいて測定した。この結果を「初期」の撥油性とした。
(3)吸水性及び撥油性の洗濯耐久性
JIS L 0217記載の103法に基づく洗濯を30回(30洗後)行った布帛を用意し、この布帛について、上記方法に基づき吸水性及び撥油性を測定した。なお、洗濯にあたり、洗剤としてライオン社製「トップ クリアリキッド(商品名)」を使用した。
(4)付いた汚れの落ちやすさ試験(C法防汚性)
JIS L1919:2006記載のC法に基づいて測定した。布帛から10cm四方の試料を採取し、高さ10cmから親油性汚染物質−2を100μl滴下後、ろ紙で汚染物質を吸い取った。その後、JIS L0217記載の103法に基づいて洗濯を1回行い、乾燥した後、汚れの程度を汚染用グレースケールで判定した。この結果を「初期」のC法防汚性とした。さらに、同じ布帛から50cm四方の布帛を切り出し、JIS L0217記載の103法に基づいて30回洗濯した後、洗濯した布帛から10cm四方の試料を採取し、以降は上記と同様に行ってC法防汚性を測定した。この結果を「30洗後」のC法防汚性とした。なお、洗濯にあたり、洗剤としてライオン社製「トップ クリアリキッド(商品名)」を使用した。
(5)ダイヤペースト法に基づく汚れ除去性(104法防汚性)
日本化学繊維協会規格 JCFA TM−104法に基づいて測定した。まず、布帛から5cm四方の試料を採取した。次に、汚染源としてカーボンブラック(16.7質量部)、牛脂硬化油(20.8質量部)、流動パラフィン(62.5質量部)の割合で配合した液1gを100mlのモーターオイルに分散させたものを用意し、かかる汚染源を試料に0.1ml付着させた後、24時間放置した。その後、JIS L0217記載の103法に基づく洗濯を1回行い、乾燥させた後、汚れの程度を汚染用グレースケールにて判定した。この結果を「初期」の104法防汚性とした。
別途、JIS L0217記載の103法に基づく洗濯を30回(30洗後)行った布帛についても、上記と同様の手順で104法防汚性を測定した。なお、洗濯にあたり、洗剤としてライオン社製「トップ クリアリキッド(商品名)」を使用した。
(6)ボーケン規格A032法に基づく汚れ除去性(A032法防汚性)
ボーケン品質評価機構規格BQE A032法に基づいて測定した。まず、布帛から5cm四方の試料を採取した。次に、汚染源としてオレイン酸を50質量%含むエタノール溶液を試料に0.01ml滴下し、24時間放置した。その後、JIS L0217記載の103法に基づく洗濯を1回行い、乾燥させた後、絵表示の温度(160℃)で15秒間プレスし、汚染部と未汚染部との色差を変退色用グレースケールで判定した。この結果を「初期」のA032法防汚性とした。
別途、JIS L0217記載の103法に基づく洗濯を30回(30洗後)行った布帛についても、上記と同様の手順でA032法防汚性を測定した。なお、洗濯にあたり、洗剤としてライオン社製「トップ クリアリキッド(商品名)」を使用した。
(実施例1)
経糸としてポリエステルマルチフィラメント加工糸(167dtex48f)を用い、緯糸としてポリエステルマルチフィラメント加工糸(334dtex96f)を用いて、綾織物(経糸密度:128本/2.54cm、緯糸密度:58本/2.54cm、目付:200g/cm)を製織した。次いで、この綾織物を通常の方法で精練プレセットし、下記処方1に示す組成の水溶液に綾織物を含浸した後、マングルで絞り(絞り率:60質量%)、120℃で120秒間予備乾燥した。続いて、低温プラズマ加工機で、高周波電力7kwにてプラズマ処理を1分間行うことで、薄膜Aを形成した。その後、ソーピング、乾燥した後、下記処方2に示す組成の水溶液に綾織物を含浸し、マングルで絞り(絞り率:60質量%)、120℃で120秒間予備乾燥した。そして、ピンテンター(市金工業社製)を使用し、170℃で2分間乾熱処理して薄膜Bを形成した。このようにして、防汚性ポリエステル布帛を得た。
<処方1>
親水性モノマー(ポリエチレングリコール1000ジメタクリレート、固形分100質量%) 60g/L
親水性ポリマー(親水性ポリエステル、固形分40質量%) 60g/L
<処方2>
親水基を有する炭素数6のフッ素系化合物(固形分26質量%) 100g/L
架橋剤(イソシアネート化合物、固形分40質量%) 30g/L
吸水剤(吸水性ポリエステル樹脂、固形分20質量%) 30g/L
ノニオン系界面活性剤(固形分40質量%) 2g/L
(実施例2)
ポリエステルと綿とを混率50:50で混紡した33番手双糸の混紡糸を経緯糸に使用して、経糸密度64本/2.54cm、緯糸密度56本/2.54cmの平織物を得た。得られた織物を一般的な精練漂白、乾燥、セット工程を経て分散/反応染色法で連続染色し水色の織物を得た。以降は、基材としてこの混紡糸織物を使用して、実施例1と同様の手順で薄膜A、Bを形成し、防汚性ポリエステル布帛とした。
(実施例3)
薄膜Aの形成にあたり、<処方1>の水溶液に代えて親水性ポリマー(親水性ポリエステル、固形分40質量%)を120g/L含有する水溶液を使用し、かつ低温プラズマ処理を省略したこと以外は、実施例1と同様に行い、防汚性ポリエステル布帛とした。
(比較例1、2)
<処方2>中の吸水剤を省略したこと(比較例1)又は架橋剤を省略したこと(比較例2)以外は、実施例1と同様に行い、防汚性ポリエステル布帛とした。
(比較例3)
薄膜Bの形成を省略したこと以外は、実施例1と同様に行い、防汚性ポリエステル布帛とした。
以上で得られた防汚性ポリエステル布帛の特性を表1に示す。
Figure 0006632798
実施例にかかる布帛は、いずれも撥油性及び吸水性を有し、SGR性が顕著に優れたものであった。さらに、これらの洗濯耐久性にも優れていた。
特に、実施例1にかかる布帛では、親水性モノマーを低温プラズマ処理により重合することで薄膜Aを形成しているため、実施例3のように親水性ポリマーを単に付着させて同Aを形成したものと比べ、洗濯耐久性に優れていた。
一方、比較例1では、薄膜Bに吸水剤が含まれていないため、十分な吸水性が発現せず、結果、C法防汚性などSR性の指標となる数値が実施例1の場合と比べ低下した。また、比較例2では、薄膜Bに架橋剤が含まれていないため、総じて洗濯耐久性に劣る結果となった。そして、比較例3では、薄膜Bが形成されていないため、撥油性に乏しく、SG性の発現が期待できないものとなった。

Claims (4)

  1. ポリエステル布帛の表面に薄膜A、Bをこの順で備えてなる布帛であって、
    薄膜Aが、下記式(1)に示されるポリエチレングリコールジアクリレート又は下記式(2)に示されるポリエチレングリコールジメタクリレートを低温プラズマ処理して重合された親水性ポリマーからなり、
    Figure 0006632798
    [式(1)及び(2)において、nは23である。]
    薄膜Bが親水基を有しかつ炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系化合物と架橋剤と吸水剤とからなり、
    JIS L1907:2004記載の滴下法に基づく吸水性が60秒以下で、AATCC TM118記載の滴下法に基づく撥油性が3級以上であることを特徴とする防汚性ポリエステル布帛。
  2. 薄膜A、Bの合計固着量がポリエステル布帛100質量部に対して0.5〜10質量%であり、
    JIS L0217記載の103法に基づく洗濯を30回行った後の布帛についてJIS L1919:2006記載のC法に基づく防汚性(付いた汚れの落ちやすさ試験)が3級以上であることを特徴とする請求項1記載の防汚性ポリエステル布帛。
  3. さらに、薄膜A、Bの固着量比が質量比で、A:B=1:1〜5:1の範囲にあり、
    JIS L0217記載の103法に基づく洗濯を30回行った後の布帛について日本化学維協会規格 JCFA TM−104 ダイヤペースト法に基づく汚れ除去性が3級以上であり、
    かつJIS L0217記載の103法に基づく洗濯を30回行った後の布帛についてボーケン品質評価機構規格BQE A032法に基づく汚れ除去性が3級以上であることを特徴とする請求項2記載の防汚性ポリエステル布帛。
  4. 防汚性ポリエステル布帛を製造する方法であって、
    ポリエステル布帛の表面に下記式(1)に示されるポリエチレングリコールジアクリレート又は下記式(2)に示されるポリエチレングリコールジメタクリレートを低温プラズマ処理して重合された親水性ポリマーからなる薄膜Aを形成し、
    Figure 0006632798
    [式(1)及び(2)において、nは23である。]
    薄膜Aの表面に、親水基を有しかつ炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系化合物と架橋剤と吸水剤とからなる薄膜Bを形成することを特徴とする、防汚性ポリエステル布帛の製造方法。
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