以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の撮像装置の第1の実施形態であるデジタル一眼レフカメラのシステム構成を示すブロック図である。図2は、測光センサの出力値を補正する際に用いる出力補正チャート図である。
本実施形態のデジタル一眼レフカメラ(以下、カメラという。)は、図1に示すように、カメラ本体1に交換式のレンズユニット210がマウント接点部21を介して着脱可能に装着されている。
まず、カメラ本体1について説明する。図1において、マイクロコンピュータ100(以下、MPU100という)は、カメラ全体の制御を司る。MPU100に内蔵されたEEPROM100aは、時刻計測回路109の計時情報やその他の情報を記憶する。MPU100には、ミラー駆動回路101、焦点検出回路102、シャッタ駆動回路103、映像信号処理回路104、スイッチセンス回路105、及びファインダ光学系4の測光回路24が接続されている。また、MPU100には、表示駆動回路107、バッテリチェック回路108、時刻計測回路109、電源供給回路110、及び圧電素子駆動回路111も接続され、これらの回路は、MPU100の制御により駆動する。
ミラーユニット500は、ハーフミラーで構成されたメインミラー501、及びサブミラー503を有し、撮影時に撮影光路から退避する位置(ミラーアップ位置)に移動し、ファインダ観察時に撮影光路内に進入する位置(ミラーダウン位置)に移動する。
メインミラー501は、ミラーユニット500のミラーダウン位置でレンズユニット210の撮影光学系を構成する撮影レンズ200を通過した被写体光束を反射してファインダ光学系4へ導くとともに、被写体光束の一部を透過させてサブミラー503に導く。サブミラー503は、メインミラー501を透過した被写体光束を反射して焦点検出ユニット31へ導く。また、ミラーユニット500のミラーアップ位置では、撮影レンズ200を通過した被写体光束は、撮像素子33に導かれる。
ファインダ光学系4に導かれた被写体光束は、ペンタプリズム22へ導かれる。ペンタプリズム22は、メインミラー501によって反射された撮影光束を正立正像に変換して反射する光学部材である。ユーザは、ペンタプリズム22を介して接眼レンズ18から被写体像を観察することができる。また、ペンタプリズム22は、被写体光束の一部を測光センサ23にも導く。
測光センサ23は、撮影光束の一部を観察面上の各エリアに対応して分割された受光素子で検出する。測光回路24は、測光センサ23の出力値に基づき、観察面上の各エリアの輝度信号に変換し、図2に示すように、各エリアに対応した出力補正チャートで補正してMPU100に出力する。出力補正チャートは、各エリアの輝度バラつきや低輝度時における光量不足を補正する補正値がマップとして設定されている。MPU100は、測光回路24から出力された輝度信号に基づき、露出値を算出する。なお、測光センサ23の出力値の補正の詳細については、後述する。
ミラー駆動回路101は、ミラーユニット500をミラーアップ位置(図3(c)参照)とミラーダウン位置(図3(a)参照)との間で回動させる不図示のモータやギア列等で構成される。
焦点検出ユニット31は、不図示の結像面近傍に配置されたフィールドレンズ、反射ミラー、2次結像レンズ、絞り、複数のCCDセンサ等から成るラインセンサ等から構成されている。焦点検出ユニット31から出力された信号は、焦点検出回路102へ供給され、被写体の像信号に換算された後、MPU100へ送信される。MPU100は、供給された被写体の像信号に基づいて、位相差検出法による焦点検出演算を行う。
そして、MPU100は、デフォーカス量及びデフォーカス方向を算出し、算出結果に基づき、レンズユニット210のレンズ制御回路201及びAF駆動回路202を介して撮影レンズ200のフォーカスレンズを合焦位置まで駆動する。
機械式のフォーカルプレーンシャッタ106は、ファインダ観察時には、撮像素子33に導かれる被写体光束を遮り、また、撮像時には、レリーズ信号に応じて、不図示の先羽根群と後羽根群が走行する時間差により所望の露光時間を得るように動作する。フォーカルプレーンシャッタ106は、MPU100の指令によりシャッタ駆動回路103によって制御される。
撮像素子ユニット114は、撮像素子33、積層型の圧電素子112及び光学ローパスフィルタ113等により構成される。撮像素子33には、CCDセンサ、CMOSセンサ又はCIDセンサ等が用いられる。クランプ/CDS(相関二重サンプリング)回路34は、A/D変換する前の基本的なアナログ処理を行うとともに、クランプレベルの変更も可能である。AGC(自動利得調整装置)35は、A/D変換する前の基本的なアナログ処理を行うとともに、AGC基本レベルの変更も可能である。A/D変換器36は、撮像素子33から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
赤外線カットフィルタ32は、略矩形状に形成され、撮像素子33に入射する被写体光束の不要な赤外光をカットする。赤外線カットフィルタ32は、異物の付着を防止するために、導電性物質で表面が覆われている。光学ローパスフィルタ113は、水晶からなる複屈折板及び位相板を複数枚貼り合わせて積層し、更に赤外線カットフィルタを貼り合わせて構成される。積層型の圧電素子112は、MPU100に指令を受けた圧電素子駆動回路111によって加振され、その振動が光学ローパスフィルタ113に伝達される。
映像信号処理回路104は、デジタル画像データに対してガンマ/ニー処理、フィルタ処理、モニタ表示用の情報合成処理など、ハードウエアによる画像処理全般を実行する。映像信号処理回路104から出力されたモニタ表示用のカラー画像データは、モニタ駆動回路115を介してモニタ19に表示される。
また、映像信号処理回路104は、MPU100の指示により、メモリコントローラ38を通じてバッファメモリ37に画像データを保存することも可能である。更に、映像信号処理回路104は、JPEGなどの画像データ圧縮処理を行う機能も有している。また、映像信号処理回路104は、連写撮影など連続して撮影が行われる場合は、一旦バッファメモリ37に画像データを格納し、メモリコントローラ38を通して未処理の画像データを順次読み出すことも可能である。これにより、映像信号処理回路104は、A/D変換器36から出力される画像データの速度に関わらず、画像処理や圧縮処理を順次行うことが可能となる。
メモリコントローラ38は、USB出力用コネクタ等の外部インタフェース40から出力される画像データをメモリ39に記憶することや、メモリ39に記憶されている画像データを外部インタフェース40に出力する機能を有する。なお、メモリ39は、カメラ本体1に対して着脱可能なフラッシュメモリ等が例示できる。
レリーズスイッチ(SW1)7aは、不図示のレリーズボタンの第1の操作(例えば半押し操作等)でオンして撮影準備開始の指示信号をスイッチセンス回路105を介してMPU100に送信する。レリーズスイッチ(SW2)7bは、レリーズボタンの第2の操作(例えばを全押し操作等)でオンして撮影開始の指示信号をスイッチセンス回路105を介してMPU100に送信する。レリーズボタンは、本発明の操作部材の一例に相当する。
また、スイッチセンス回路105には、メイン操作ダイアル8、サブ操作ダイアル20、撮影モード設定ダイアル14、フォーカスモード切り替えSW45、メインSW43、及びAFモード切り替えSW44が接続されている。フォーカスモード切り替えSW45は、フォーカスモードを選択するスイッチであり、AF(オートフォーカス)/MF(マニュアルフォーカス)のいずれかを選択可能である。AFモード切り替えSW44は、AFモードを選択するスイッチであり、ワンショットAF/AIサーボAF/AIフォーカスAFのいずれかを選択可能である。
表示駆動回路107は、MPU100の指示に従って、外部表示装置9やファインダ内表示装置41を駆動する。バッテリチェック回路108は、MPU100からの指示に従って、バッテリチェックを所定時間行い、そのチェック結果をMPU100へ送る。電源部42は、MPU100からの電源供給回路110を介した指示に従って、カメラの各要素に対して必要な電源を供給する。時刻計測回路109は、メインスイッチ43がオフされて次にオンされるまでの時間や日付を計測し、MPU100からの指令により、計測結果をMPU100へ送信する。
次に、レンズユニット210について説明する。レンズユニット210は、レンズ制御回路201を有し、レンズ制御回路201は、マウント接点部21を介してカメラ本体1のMPU100と通信を行う。マウント接点部21は、カメラ本体1にレンズユニット210が接続されると、MPU100へ信号を送信する機能も備えている。
これにより、レンズ制御回路201は、MPU100との間で通信を行い、AF駆動回路202及び絞り駆動回路203を介して撮影レンズ200及び絞り204を駆動する。なお、図1では、説明の便宜上、1枚の撮影レンズ200を図示しているが、実際には、撮影レンズ200は、多数枚のレンズ群により構成されている。
AF駆動回路202は、たとえばステッピングモータ等によって構成され、レンズ制御回路201の制御によって撮影レンズ200のフォーカスレンズの光軸方向の位置を変化させることにより、合焦動作を行う。絞り駆動回路203は、たとえばオートアイリス等によって構成され、レンズ制御回路201の制御によって絞り204の開口径を変化させることにより、光学的な絞り値を得るように構成されている。
図3(a)はミラーユニット500がミラーダウン位置にあるときのカメラの概略側断面図、図3(b)はミラーダウン位置のメインミラー501に対してサブミラー503が閉じて重なった位置(待機位置)にあるときのカメラの概略側断面図である。図3(c)は、ミラーユニット500がミラーアップ位置にあるときのカメラの概略側断面図である。
図3に示すように、ミラーユニット500のメインミラー501は、メインミラーホルダ502に保持され、サブミラー503は、サブミラーホルダ504に保持されている。また、メインミラーホルダ502は、ミラーボックス400に対して回動可能に支持され、サブミラーホルダ504は、メインミラーホルダ502に対して回動可能に支持されている。そして、ミラーユニット500は、不図示のミラー駆動ユニットにより駆動され、図3(a)に示すミラーダウン位置と図3(c)に示すミラーアップ位置との間を回動する。
図3(a)に示すミラーダウン位置では、ミラーユニット500は、撮影光路に進入し、撮影レンズ200を通過した被写体光束は、メインミラー501で反射するとともに、一部がメインミラー501を透過してサブミラー503で反射する。メインミラー501で反射した被写体光束は、ファインダ光学系4のペンタプリズム22に導かれ、サブミラー503で反射した被写体光束は、焦点検出ユニット31に導かれる。
したがって、図3(a)に示す状態では、撮影レンズ200を透過した被写体光束は、撮像素子33に導かれない。このとき、ファインダ光学系4の接眼レンズ18を介して撮影者が確認できる被写体像の光量は、焦点検出ユニット31へ導かれる光量だけ減じられたものとなる。
図3(a)に示すミラーダウン位置での測光センサ23への被写体光束は、受光面の各エリアで輝度バラつきが殆どないため、出力補正を一定的に行うための図2(a)に示す出力補正チャートを用いて測光センサ23の出力値を補正する。図2(a)における補正値は、あらかじめ設定されたα1である。
図3(b)に示す状態では、ミラーダウン位置のメインミラー501に対してサブミラー503が閉じて重なった位置(待機位置)に配置されている。このため、メインミラー501に到達した被写体光束は、焦点検出ユニット31に導かれることなくすべて反射されて、ファインダ光学系4のペンタプリズム22に導かれる。したがって、ペンタプリズム22に導かれた被写体光束を被写体像として接眼レンズ18を介して撮影者が確認できる。
図3(b)に示す待機位置では、焦点検出ユニット31に被写体光束が導かれない分、サブミラー503からペンタプリズム22へ被写体光束が導かれ、測光センサ23の中央部分への光量が増加する。そのため、測光センサ23への被写体光束は、受光面の中央部の輝度が大きくなることから、中央部の出力を小さくするための図2(b)に示す出力補正チャートを用いて測光センサ23の出力値を補正する。図2(b)における補正値は、例えばα1に対してα2〜α4と段階的に中央部の出力値が小さくなるように予め設定される。
図3(c)に示すミラーアップ位置では、ミラーユニット500は、撮影光路から退避し、撮影レンズ200を通過した被写体光束は、ファインダ光学系4及び焦点検出ユニット31に導かれることなく、撮像素子33に導かれて結像して光電変換される。
図4は、ミラーユニット500の分解斜視図である。図4に示すように、メインミラーホルダ502には、回動軸502a,502bが設けられており、回動軸502aがミラーボックス400に対して回動可能に支持される。また、メインミラーホルダ502には、開口部502cが形成されており、メインミラー501を透過した被写体光束は、開口部502cを通してサブミラー503へ達する。
サブミラーホルダ504には、穴部504aが形成されており、穴部504aは、メインミラーホルダ502の回動軸502bに対して回動可能に支持される。また、サブミラーホルダ504には、駆動軸504cが形成されており、駆動軸504cに不図示のミラー駆動ユニットから動力が伝達されることにより、サブミラーホルダ504が回動動作する。
ミラーユニット500のミラーダウン状態において、サブミラーホルダ504がメインミラーホルダ502に向けて回動することにより、サブミラーホルダ504がメインミラーホルダ502に当接してメインミラーホルダ502が押し上げられる。これにより、ミラーアップ動作が行われる。一方、ミラーユニット500のミラーアップ状態において、メインミラーホルダ502がサブミラーホルダ504に引き下げられることで、ミラーダウン動作が行われる。
ここで、メインミラー501は、本発明の第1のミラー、サブミラー503は、本発明の第2のミラー、メインミラーホルダ502は、本発明の第1のミラーホルダ、サブミラーホルダ504は、本発明の第2のミラーホルダの一例にそれぞれ相当する。また、メインミラーホルダ502のミラーダウン位置は、本発明の第1の位置、メインミラーホルダ502のミラーアップ位置は、本発明の第2の位置の一例にそれぞれ相当する。更に、サブミラーホルダ504のミラーダウン位置は、本発明の第3の位置、サブミラーホルダ504のミラーアップ位置は、本発明の第4の位置の一例にそれぞれ相当する。
次に、図5を参照して、ミラーユニット500の動作を説明する。図5(a)及び図5(f)はミラーユニット500がミラーダウン位置にあるときの図、図5(c)及び図5(d)はミラーユニット500がミラーアップ位置にあるときの図である。図5(b)及び図5(e)は、ミラーダウン位置のメインミラー501に対してサブミラー503が閉じて重なった位置(待機位置)にあるときの図である。
図5(a)に示すミラーユニット500のミラーダウン状態では、サブミラーホルダ504は、不図示のバネにより付勢された状態でミラーボックス400に取り付けられた位置決め軸508に当接している。また、メインミラーホルダ502は、不図示のバネにより付勢された状態でミラーボックス400に取り付けられた位置決め軸507に当接してミラーダウン状態を保っている。
この状態で、不図示のミラー駆動ユニットによりサブミラーホルダ504の駆動軸504cに図の矢印F方向に動力が伝達されると、サブミラーホルダ504は、回動軸502bを中心としてメインミラーホルダ502に向けて回動する。そして、サブミラーホルダ504は、メインミラーホルダ502に対して閉じて重なる位置、即ち、図5(b)に示す位置まで回動する。
図5(b)に示す位置では、サブミラーホルダ504は、メインミラーホルダ502に当接し、このときの付勢力は、メインミラーホルダ502が位置決め軸507から離れない力であればよい。この状態で、不図示のミラー駆動ユニットによりサブミラーホルダ504の駆動軸504cに矢印F方向に動力が伝達されると、サブミラーホルダ504が回動してメインミラーホルダ502が押し上げられる。そして、サブミラーホルダ504は、メインミラーホルダ502とともに図5(c)に示すミラーアップ位置まで回動する。
図5(c)に示すミラーアップ状態では、サブミラーホルダ504によってメインミラーホルダ502がミラーボックス400に取り付けられたストッパ部505に押し付けられ、ミラーユニット500は、撮影光路から退避する位置を保っている。図5(c)に示すミラーアップ状態で、図5(d)に示すように、不図示のミラー駆動ユニットによりサブミラーホルダ504の駆動軸504cに図示F方向に動力を伝達することによりサブミラーホルダ504のミラーダウン動作が開始される。
このとき、メインミラーホルダ502は、サブミラーホルダ504に連結された不図示のバネもしくはカムによりサブミラーホルダ504と同時に押し下げられる。そして、メインミラーホルダ502が位置決め軸507に当接し、サブミラーホルダ504がメインミラーホルダ502に対して閉じて重なった図5(e)に示す状態となる。
図5(e)に示す状態で不図示のミラー駆動ユニットによりサブミラーホルダ504の駆動軸504cに矢印F方向の動力を伝達することで、サブミラーホルダ504は、ダウン方向に回動して位置決め軸508に当接する。これにより、サブミラーホルダ504は、図5(f)に示すミラーユニット500のミラーダウン位置に戻る。なお、サブミラーホルダ504の駆動軸504cに動力を伝達するミラー駆動ユニットの構成については、図5に示すミラーユニット500の動作が実現できれば、特に限定されない。
次に、図6を参照して、撮影モード設定ダイアル14によってシャッタライムラグ短縮モードが選択された際のカメラ動作を説明する。図6に示す処理は、EEPROM100a等の記憶部に格納されたプログラムが不図示のRAMに展開されてMPU100等により実行される。
図6において、ステップS601では、MPU100は、撮影モード設定ダイアル14によってシャッタライムラグ短縮モードが選択されると、フォーカスモードがAFかMFかの判断をする。そして、MPU100は、フォーカスモードがAFの場合は、ステップS602に移行し、MFの場合は、本処理を終了する。ステップS602では、MPU100は、AFモードがワンショットAFか否かを判断し、ワンショットAFの場合は、ステップ603に進み、ワンショットAF以外の場合(AIフォーカスAF又はAIサーボAF)は、本処理を終了する。
ステップS603では、MPU100は、レリーズスイッチ(SW1)7aがオンすると、ステップS604に進み、レリーズスイッチ(SW1)7aが一定時間オンしない場合は、処理を終了する。ステップS604では、MPU100は、測光回路24を作動させて測光センサ23による測光を開始し、ステップS605に進む。
ステップS605では、MPU100は、焦点検出回路102を作動させて焦点検出ユニット31による焦点検出を開始し、ステップS606に進む。ステップS606では、MPU100は、焦点検出ユニット31により合焦と判定された場合は、ステップS607に進み、非合焦と判定された場合は、焦点検出を繰り返す。
ステップS607では、MPU100は、ミラー駆動回路101を作動させ、不図示のミラー駆動ユニットによりサブミラーホルダ504をミラーダウン位置にあるメインミラーホルダ502に当接するまでミラーアップ方向に回動させ、ステップS608に進む。ここでは、ミラーダウン位置のメインミラーホルダ502に対してサブミラーホルダ504が閉じて重なった位置(待機位置)に配置される(図5(b)参照)。また、サブミラーホルダ504が回動中は、測光センサ23への光量が変動するため、MPU100は、サブミラーホルダ504が回動する前の測光値を回動が終了するまで保持する。
ステップS608では、MPU100は、測光センサ23からの出力値を補正するために出力補正チャートの補正値を図2(a)から図2(b)に変更し、ステップS609に進む。ステップS609では、MPU100は、レリーズスイッチ(SW2)7bが予め定めた所定時間内にオンされたか否かを判定し、オンされた場合は、ステップS610に進み、オンされない場合は、ステップS611に進む。
ステップS610では、MPU100は、不図示のミラー駆動ユニットによりサブミラーホルダ504を待機位置からミラーアップ方向に回動させてミラーユニット500をミラーアップ位置(図5(c))に位置させ、ステップS612に進む。ステップS611では、MPU100は、レリーズスイッチ(SW1)7aがオフされているか否かを判定する。そして、MPU100は、レリーズスイッチ(SW1)7aがオフされていない場合は、ステップS609に戻ってサブミラーホルダ504を待機位置を維持したまま待機し、オフされている場合は、ステップS615に進む。
ステップS612では、MPU100は、撮像素子33への被写体画像の取り込み、及び映像信号処理回路104による公知の画像処理等の一連の撮影動作を行い、ステップS613に進む。ステップS613では、MPU100は、不図示のミラー駆動ユニットによりサブミラーホルダ504をメインミラーホルダ502とともにミラーダウン方向に回動させて、サブミラーホルダ504を待機位置(図5(e))に戻し、ステップS614に進む。
ステップS614では、MPU100は、レリーズスイッチ(SW1)7aがオフされているか否かを判定する。そして、MPU100は、レリーズスイッチ(SW1)7aがオフされず、オンの状態が維持されている場合は、ステップS609に戻ってレリーズスイッチ(SW2)7bのオン/オフ判定を待ち、オフされた場合は、ステップS615に進む。
ステップS615では、MPU100は、不図示のミラー駆動ユニットによりサブミラーホルダ504を待機位置からミラーダウン方向に回動させてミラーユニット500をミラーダウン位置(図5(f))に戻し、ステップS616に進む。ステップS616では、MPU100は、測光センサ23からの出力値を補正するために出力補正チャートを図2(b)から図2(a)に変更して、処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態では、焦点検出終了後にメインミラーホルダ502の位置まで予めサブミラーホルダ504を回動させて待機させた際に、測光センサ23の出力値を補正する。これにより、測光値へ影響を与えることなく、ミラーアップ動作時にサブミラーホルダ504がメインミラーホルダ502の位置まで移動する時間を短縮することができ、この結果、ミラー駆動時間を短縮してレリーズタイムラグを短縮することが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、図7を参照して、本発明の撮像装置の第2の実施形態であるカメラについて説明する。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、図及び符号を流用して説明する。
図7は、撮影モード設定ダイアル14によってシャッタライムラグ短縮モードが選択された際のカメラ動作を説明するフローチャート図である。図7に示す処理は、EEPROM100a等の記憶部に格納されたプログラムが不図示のRAMに展開されてMPU100等により実行される。なお、図7のステップS701〜S708、及びステップS711〜S718は、それぞれ図6のステップS601〜S608、及びステップS609〜S616の処理と同様であるため、図7のステップS709及びS710についてのみ説明する。
図7において、ステップS709では、MPU100は、ステップS708で出力補正チャートの補正値を図2(a)から図2(b)に変更した後、ステップS711でレリーズスイッチ(SW2)7bがオンされるまでの間に被写体が動いていないかを判定する。ここではミラーユニット500がミラーダウン位置(図5(a))に位置していないので、焦点検出ユニット31による被写体の動き判定はできない。そのため、測光センサ23による公知の被写体認識技術により被写体の動き判定を行う。そして、MPU100は、被写体の動き量が所定値以下の場合は、合焦に影響ないと判断し、ステップS711に進み、被写体の動き量が所定値を超える場合は、合焦に影響あると判断し、ステップS710に進む。
ステップS710では、MPU100は、ミラーユニット500がミラーダウン状態(図5(a))となるように不図示のミラー駆動ユニットによりサブミラーホルダ504をミラーダウン方向に回動させ、ステップS705に戻って再び焦点検出を行う。
以上説明したように、本実施形態では、被写体の移動の有無を判断し、被写体が動いた場合は、焦点検出後に予め待機位置に回動させていたサブミラーホルダ504をミラーダウン位置に戻して再び焦点検出を行う。これにより、被写体の動きによる合焦への影響を防止することができる。その他の構成、及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
(第3の実施形態)
次に、図8を参照して、本発明の撮像装置の第3の実施形態であるカメラについて説明する。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、図及び符号を流用して説明する。
図8は、撮影モード設定ダイアル14によってシャッタライムラグ短縮モードが選択された際のカメラ動作を説明するフローチャート図である。図8に示す処理は、EEPROM100a等の記憶部に格納されたプログラムが不図示のRAMに展開されてMPU100等により実行される。本実施形態では、ユーザにより選択設定されたカメラモードに応じたカメラ動作を説明する。
図8において、ステップS801では、MPU100は、撮影モード設定ダイアル14によってシャッタライムラグ短縮モードが選択されると、フォーカスモード切り替えSW45によって設定されたフォーカスモードがAFかMFかを判断する。そして、MPU100は、フォーカスモードがAFの場合は、ステップS802に進み、MFの場合、ステップS813に進む。
ステップS813では、MPU100は、ミラー駆動回路101を作動させ、不図示のミラー駆動ユニットによりサブミラーホルダ504をミラーダウン位置にあるメインミラーホルダ502に当接するまでミラーアップ方向に回動させ、ステップS814に進む。ここでは、ミラーダウン位置のメインミラーホルダ502に対してサブミラーホルダ504が閉じて重なった位置(待機位置)に配置される(図5(b)参照)。
ステップS802では、MPU100は、撮影モード設定ダイアル14等により設定されたカメラモードがMF優先モードか否かを判断する。そして、MPU100は、MF優先モードの場合は、ステップS813に進み、そうでない場合は、ステップS803に進む。
ここで、MF優先モードとして、例えばウォッチングモードやMF優先マクロ撮影モード等が考えられる。ウォッチングモードとは、デジタル一眼レフカメラを望遠鏡のように利用するモードである。サブミラーホルダ504を待機位置(図5(b)参照)に回動させた状態では、視認性の高いファインダ像が提供できるので、明るい望遠レンズと組み合わせる事でバードウォッチングやスポーツ観戦等に活用する事が考えられる。
MF優先マクロ撮影モードとは、いわゆるクローズアップ撮影を行う際のモードである。クローズアップ撮影を行う際は、必ずMF操作を行うという関係にはないが、AFでは上手く合焦できないケースが多い為、マニュアル操作により焦点調整を容易にする事が有効である。これらMF優先モードでは、MF操作が基本となる。なお、例えば、撮影者によりAF指示の操作が行われた際には、サブミラーホルダ504を待機位置からミラーダウン位置に戻し、焦点検出ユニット31の検出結果を基に合焦動作を行った後、再びサブミラーホルダ504を待機位置に回動させるようにしてもよい。
ステップS803では、MPU100は、マウント接点部21を介したレンズユニット210との通信結果がAF可能なレンズで、かつAF設定であったか否かを判断する。そして、MPU100は、レンズユニット210との通信結果がAF可能なレンズで、かつAF設定であった場合は、ステップS804に進み、そうでない場合は、ステップS813に進む。
AF可能なレンズで、かつAF設定でない場合には、カメラ本体1にMF専用レンズが取り付けられているかAF可能であるがMFに設定されたレンズが取り付けられているケースが考えられる。MF専用レンズとは、AFに対応していない旧型のレンズやあおり撮影を行う特殊なレンズ等である。
ステップS804では、MPU100は、測光センサ23の測光結果等を基にAF可能な輝度環境にあるか否かを判定する。そして、MPU100は、AF可能な環境である場合は、ステップS805に進み、AFの低輝度限界よりも暗い環境である場合は、AF不可能な環境と判断して、ステップS813に進む。
ステップS814では、測光センサ23からの出力値を補正するために出力補正チャートを図2(a)から図2(b)に変更して、ステップS815に進み、レリーズスイッチ(SW2)7bがオンされると、ステップS816に進む。ステップS816では、MPU100は、不図示のミラー駆動ユニットによりサブミラーホルダ504を待機位置からミラーアップ方向に回動させてミラーユニット500をミラーアップ位置(図5(c))に位置させ、ステップS817に進む。
ステップS817では、MPU100は、撮像素子33への被写体画像の取り込み、及び映像信号処理回路104による公知の画像処理等の一連の撮影動作を行い、ステップS818に進む。ステップS818では、MPU100は、不図示のミラー駆動ユニットによりサブミラーホルダ504をメインミラーホルダ502とともにミラーダウン方向に回動させて、サブミラーホルダ504を待機位置(図5(e))に戻し、処理を終了する。
一方、ステップS805では、MPU100は、焦点検出回路102を作動させて焦点検出ユニット31による焦点検出を開始し、合焦と判定された場合は、ステップS806に進み、非合焦と判定された場合は、ステップS811に進む。そして、MPU100は、ステップS806〜ステップS810まで前述したステップS813〜ステップS817と同様の処理を実行し、ステップS810の一連の撮影動作の終了後、ステップS811に進む。
ステップS811では、MPU100は、不図示のミラー駆動ユニットによりサブミラーホルダ504をミラーアップ位置からミラーダウン方向にメインミラーホルダ502とともに回動させてミラーダウン位置(図5(f))に戻し、ステップS812に進む。ステップS812では、MPU100は、測光センサ23からの出力値を補正するために出力補正チャートを図2(b)から図2(a)に変更して、処理を終了する。これは、通常、撮影操作が行われた場合は、合焦状態が解除され、次の撮影に向けてのAFが可能となるからである。
以上説明したように、本実施形態では、フォーカスモードがMFの場合でも第1のミラーホルダ502の位置まで予め第2のミラーホルダ504を回動させて待機させた際に、測光センサ23の出力値を補正することが可能となる。その他の構成、及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
なお、本発明の構成は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。