JP6631903B2 - 電流センサ、およびそれを備えた分電盤 - Google Patents

電流センサ、およびそれを備えた分電盤 Download PDF

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Description

本発明は、電流センサ、およびそれを備えた分電盤に関する。
従来、主幹ブレーカと、分岐ブレーカと、端子台とを、キャビネット(筐体)に収納した分電盤が提案されている(たとえば特許文献1参照)。
特許文献1に記載された分電盤では、端子台は、1次端子と、2次端子と、1次端子と2次端子とを電気的に接続する導電ブロックと、導電ブロックに流れる電流を測定するカレントトランスとから構成される。この端子台は、1次端子または2次端子に対して、電流測定の対象となる主幹ブレーカまたは分岐ブレーカが接続されることにより、導電ブロックに流れる電流(主幹電流または分岐電流)をカレントトランスで測定する。
特開2011−36034号公報
特許文献1に記載された構成では、電流センサとしての端子台で電流を測定するために、電流センサ(端子台)の取り付けに際し、電流測定対象となる主幹ブレーカや分岐ブレーカを、電流センサ(端子台)に対して電気的に接続する作業が必要である。
本発明は上記事由に鑑みてなされており、取付作業が簡単な電流センサ、およびそれを備えた分電盤を提供することを目的とする。
本発明の電流センサは、分電盤のキャビネットに取り付けられるボディと、前記ボディに保持され、前記分電盤に設けられた平板状の導電部材を囲む閉磁路を形成するコアと、前記コアに巻き付けられ、前記導電部材を流れる電流に応じた電気信号を出力する検出コイルとを備え、前記ボディは、第1ボディと、第2ボディとを有し、前記コアは、前記第1ボディに保持される第1コアと、前記第2ボディに保持される第2コアとを有し、所定の対向方向である前記導電部材の短手方向において前記第1コアの端部と前記第2コアの端部とを互いに突き合わせることにより、前記第1コアと前記第2コアとの間に前記導電部材が貫通する空間を形成し、前記ボディが前記キャビネットに取り付けられた状態において、前記第1コアと前記第2コアとの少なくとも一方に対して、弾性変形により、前記第1コアと前記第2コアとが互いに押し付けられる向きの力を作用させる押付部をさらに備える。
本発明の分電盤は、前記電流センサと、前記ボディが取り付けられる取付構造を有する前記キャビネットとを備える。
本発明の電流センサは、取付作業が簡単である、という利点がある。
本発明の分電盤は、電流センサの取付作業が簡単である、という利点がある。
図1Aは実施形態1の電流センサの要部を示し、第2ボディが取り付けられていない状態の断面図、図1Bは実施形態1の電流センサの要部を示し、第2ボディが取り付けられた状態の断面図である。 実施形態1の分電盤の正面図である。 実施形態1の電力計測システムの構成を示すブロック図である。 実施形態1の電流センサを示し、キャビネットに取り付けた状態の下面図である。 実施形態1の取付ベースの断面図である。 図6Aは実施形態1の複極用の電流センサの要部を示し、第2ボディが取り付けられていない状態の断面図、図6Bは実施形態1の複極用の電流センサの要部を示し、第2ボディが取り付けられた状態の断面図である。 実施形態1の第1変形例の電流センサの要部を示し、第2ボディが取り付けられた状態の断面図である。 図8Aは実施形態2の電流センサの要部を示し、第2ボディが取り付けられていない状態の断面図、図8Bは実施形態2の電流センサの要部を示し、第2ボディが取り付けられた状態の断面図である。 実施形態2の第1変形例の電流センサの要部を示し、第2ボディが取り付けられていない状態の断面図である。 実施形態2の第2変形例の電流センサの要部を示し、第2ボディが取り付けられていない状態の断面図である。 図11Aは実施形態3の電流センサを示し、第2ボディが第1ボディから分離した状態の下面図、図11Bは実施形態3の電流センサを示し、第2ボディが第1ボディに結合した状態の下面図である。
(実施形態1)
(1.1)全体概要
本実施形態に係る電流センサ30は、図1Aおよび図1Bに示すように、ボディ40と、コア50と、検出コイル60とを備えている。ボディ40は、分電盤1(図2参照)のキャビネット70(図2参照)に取り付けられる。コア50は、ボディ40に保持され、分電盤1に設けられた平板状の導電部材84を囲む閉磁路を形成する。検出コイル60は、コア50に巻き付けられ、導電部材84を流れる電流に応じた電気信号を出力する。
ボディ40は、第1ボディ41と、第2ボディ42とを有している。コア50は、第1ボディ41に保持される第1コア51と、第2ボディ42に保持される第2コア52とを有している。コア50は、所定の対向方向において第1コア51の端部511と第2コア52の端部521とを互いに突き合わせることにより、第1コア51と第2コア52との間に導電部材84が貫通する空間500を形成する。
この電流センサ30は、押付部90をさらに備えている。押付部90は、ボディ40がキャビネット70に取り付けられた状態において、第1コア51と第2コア52との少なくとも一方に対して、弾性変形により、第1コア51と第2コア52とが互いに押し付けられる向きの力を作用させる。
なお、ここでいう「ボディ40がキャビネット70に取り付けられた状態」とは、第1ボディ41および第2ボディ42の両方がキャビネット70に取り付けられた状態を意味する。図1Aはキャビネット70に第2ボディ42が取り付けられていない状態を示し、図1Bは第2ボディ42が取り付けられた状態を示すので、図1Bに示す状態が「ボディ40がキャビネット70に取り付けられた状態」となる。また、ここでいう「突き合わせる」とは、互いにくっつきそうになるほど近づけることを意味しており、互いに接触している状態だけでなく接触していない状態も含む。ただし、たとえば端部511と端部521とが突き合わされるという場合には、互いに露出した端部511と端部521とが対向している状態を意味し、端部511と端部521との間にボディ40などの異物が介在しない状態を意味する。
要するに、本実施形態の電流センサ30は、コア50が第1コア51と第2コア52とに分割されており、第1コア51と第2コア52との間に導電部材84が貫通する空間500を形成する。そのため、第1コア51と第2コア52との間に導電部材84を挟むようにボディ40がキャビネット70に取り付けられることにより、検出コイル60の出力(電気信号)を用いて、導電部材84を流れる電流が測定可能になる。したがって、この電流センサ30では、導電部材84に流れる電流を測定するために、電流測定対象となる導電部材84を電流センサ30に対し電気的に接続する作業が必要ない。よって、本実施形態の電流センサ30は、取付作業が簡単である、という利点がある。
(1.2)詳細説明
以下、本実施形態に係る電流センサ30、およびそれを備えた分電盤1について詳しく説明する。ただし、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、下記実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態では、電流センサ30は、需要家施設において消費電力と消費電力量との少なくとも一方を計測するための電力計測システムに用いられる。ここでいう「需要家施設」は、電力の需要家の施設を意味しており、電力会社等の電気事業者から電力の供給を受ける施設だけでなく、太陽光発電設備等の自家発電設備から電力の供給を受ける施設も含む。本実施形態では、店舗や事務所などの非住宅施設を需要家施設の一例として説明する。ただし、この例に限らず、需要家施設は集合住宅や戸建住宅、集合住宅の各住戸などであってもよい。
(1.2.1)分電盤
ここではまず、本実施形態の電流センサ30を備えた分電盤1の基本構成について、図2を参照して説明する。本実施形態では、交流100〔V〕/200〔V〕を取り出し可能な単相三線式配線の分電盤1を例に説明する。
分電盤1は、キャビネット70を備え、主幹ブレーカ10と、複数個(図2の例では18個)の分岐ブレーカ(回路遮断器)20と、少なくとも1個(図2の例では3個)の電流センサ30とを、キャビネット70内に備えている。以下では、分電盤1が設置された状態における上下、左右(図1A、図1B、および図2等に矢印で示した上下、左右、前後)を上下、左右、前後として説明するが、これらの方向に分電盤1および電流センサ30の取付方向を限定する趣旨ではない。なお、図1A、図1B、および図2等において、上下、左右、前後を付した矢印は、方向を示すための矢印であって実体は伴わない。
キャビネット70は、前面に開口71を有する箱状に形成されている。キャビネット70は、正面視が上下方向に長い矩形状に形成されている。キャビネット70の底板72には、左右方向に対向する一対のレール部材73が設置されている。一対のレール部材73には、第1取付板74および第2取付板75が固定されている。第1取付板74および第2取付板75の各々は、一対のレール部材73間に架け渡されるように設置されている。第1取付板74は第2取付板75の上方に配置されている。第2取付板75の前面には、合成樹脂製の取付ベース76が固定されている。
主幹ブレーカ10は、キャビネット70の一部である第1取付板74の前面に取り付けられることで、キャビネット70に取り付けられる。複数個の分岐ブレーカ20は、キャビネット70の一部である取付ベース76に取り付けられることで、キャビネット70に取り付けられる。なお、キャビネット70は、開口71を塞ぐ扉を有していてもよい。
主幹ブレーカ10の一次側端子11は、3線式の電力線(幹線)81を介して、交流電源200(図3参照)に電気的に接続されている。主幹ブレーカ10の二次側端子12には、L1相、L2相、N相の3本の母線導体82(図3参照)が電気的に接続されている。これら3本の母線導体82は、L1相、L2相、N相の電力線81と一対一に電気的に接続される。3本の母線導体82の各々は、主幹ブレーカ10に直接接続される連結部材(ジョイントバー)83と、連結部材83を介して主幹ブレーカ10に接続される導電部材(導電バー)84(図4参照)とで構成されている。
3本の導電部材84の各々は、たとえば銅などの導電性材料にて長尺の平板状(帯状)に形成されている。3本の導電部材84は、各々の長手方向を上下方向と一致させ、かつ各々の厚み方向を前後方向に一致させる向きで、取付ベース76に保持されている。3本の導電部材84は、取付ベース76の前方において、前後方向(各々の厚み方向)に適当な間隔を空けて並ぶように、取付ベース76の左右方向の中央部に取り付けられている。本実施形態では、3本の導電部材84は、前方からL1相、N相、L2相の順に並んでいる。ここで、取付ベース76の前方には、取付ベース76の上下方向の両端間に亘って3本の導電部材84が位置するように、3本の導電部材84の各々は、取付ベース76の上下方向の寸法よりも長く形成されている。
3本の連結部材83の各々は、たとえば銅などの導電性材料にて形成されている。3本の連結部材83は、それぞれ3本の導電部材84と主幹ブレーカ10の一次側端子11との間を電気的に接続する。
複数個の分岐ブレーカ20は、導電部材84に接続されることにより、母線導体82を介して主幹ブレーカ10の二次側端子12に電気的に接続される。各分岐ブレーカ20は、取付ベース76の前面のうち、導電部材84の短手方向(左右方向)の両側(左側と右側)に設けられた取付スペースに取り付けられる。取付ベース76には、分岐ブレーカ20を保持するための取付構造760(図4参照)が複数個(本実施形態では24個)設けられている。図2に例示する分電盤1では、複数個の取付構造760は、導電部材84の短手方向の両側において、それぞれ上下方向に複数個(本実施形態では12個)ずつ並ぶように配置されている。これにより、分岐ブレーカ20は、導電部材84の短手方向の両側に分かれて、それぞれ複数個(本実施形態では12個)ずつ取付可能である。
各分岐ブレーカ20は、電源端子と負荷端子とを有しており、電源端子が導電部材84に電気的に接続され、負荷端子には分岐回路が接続される。各分岐ブレーカ20は、協約形寸法に形成されている。ここで、協約形寸法とは「JIS C 8201−2−1」に準拠した電灯分電盤用協約形回路遮断器の寸法、および形状をいう。各分岐ブレーカ20は、3本の導電部材84が差し込まれるスリットを導電部材84との対向面に有している。スリットは3本の導電部材84に対応するように3個設けられている。各分岐ブレーカ20の電源端子は、これら3個のスリットのうち2個のスリット内に露出するように設けられている。これにより、各分岐ブレーカ20は、取付ベース76に取り付けられた状態で、スリットに導電部材84が差し込まれ、電源端子が導電部材84と電気的に接続される。
なお、N相およびL1相に接続される100〔V〕用の分岐ブレーカ20には、N相の導電部材84およびL1相の導電部材に対応するスリットの各々に電源端子が設けられている。また、N相およびL2相に接続される100〔V〕用の分岐ブレーカ20には、N相の導電部材84およびL12相の導電部材84に対応するスリットの各々に電源端子が設けられている。L1相およびL2相に接続される200〔V〕用の分岐ブレーカ20には、L1相の導電部材84およびL2相の導電部材84に対応するスリットの各々に電源端子が設けられている。
ところで、本実施形態においては、電流センサ30は、複数個の分岐ブレーカ20と同様に、合成樹脂製の取付ベース76に取り付けられる。そのため、取付ベース76が第2取付板75の前面に取り付けられることで、電流センサ30がキャビネット70内に収納される。
ここで、電流センサ30の第1ボディ41と第2ボディ42との各々は、キャビネットにおける回路遮断器用(分岐ブレーカ20用)の取付構造760に対応した取付部400(図4参照)を有している。第1ボディ41と第2ボディ42との各々は、取付部400によりキャビネット70に取り付けられる。取付構造760の詳細については、「(1.2.3)単極用電流センサ」の欄で説明する。
(1.2.2)電力計測システム
次に、電流センサ30を用いた電力計測システムの構成について、図2および図3を参照して説明する。
本実施形態の電力計測システムは、少なくとも1個の電流センサ30と、計測装置100とを備えている。本実施形態では、電力計測システムは複数個の電流センサ31〜33を備えている。なお、本実施形態において、電流センサ31〜33の各々をとくに区別しない場合には、電流センサ31〜33の各々を「電流センサ30」という。
計測装置100には、電流センサ31〜33の各々が電気的に接続されている。これにより、計測装置100では、電流センサ30の出力に基づいて、導電部材84に流れる電流を計測可能である。計測装置100は、本実施形態ではキャビネット70の外部に設置されているが、この例に限らず、キャビネット70の内部に設置されていてもよい。
計測装置100は、たとえばマイコン(マイクロコンピュータ)を主構成とし、マイコンのメモリに記録されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)で実行することにより、種々の機能を実現する。プログラムは、予めマイコンのメモリに記録されていてもよいし、メモリカードのような記録媒体に記録されて提供されたり、電気通信回線を通して提供されたりしてもよい。
本実施形態では、計測装置100は、消費電力と消費電力量との少なくとも一方を計測値として演算する。計測装置100は、電力線81の線間電圧を監視しており、線間電圧および電流センサ30の出力を用いて演算することにより、計測値を求める。計測装置100は、求めた計測値を表示装置に出力し、計測値を表示装置に表示させる。
ところで、本実施形態においては、18個の分岐ブレーカ20は、複数のブレーカ群G1〜G3に分かれている。具体的には、図2に示すように、18個の分岐ブレーカ20は、導電部材84の長手方向(上下方向)において6個単位でブレーカ群G1〜G3に分類されている。ブレーカ群G1〜G3のうちブレーカ群G1が主幹ブレーカ10に最も近く、ブレーカ群G3が主幹ブレーカ10から最も遠くなるように、ブレーカ群G1〜G3は導電部材84の上流側(主幹ブレーカ10側)から順に並んでいる。
ここにおいて、電流センサ31はブレーカ群G1の上方に設置され、電流センサ32はブレーカ群G1とブレーカ群G2との間に設置され、電流センサ33はブレーカ群G2とブレーカ群G3との間に設置されている。これにより、電流センサ31では、ブレーカ群G1〜G3に流れる電流が測定可能となる。一方、電流センサ32では、ブレーカ群G2,G3に流れる電流が測定可能となり、電流センサ33では、ブレーカ群G3に流れる電流が測定可能となる。
そのため、計測装置100においては、たとえば電流センサ31の出力を用いて求めた計測値から、電流センサ32の出力を用いて求めた計測値を減算することにより、ブレーカ群G1についての計測値を求めることができる。このように、3個の電流センサ31〜33の出力を用いることで、ブレーカ群G1,G2,G3の各々について、計測値を求めることが可能である。
(1.2.3)単極用電流センサ
図3に例示したような電力計測システムにおいては、2本の母線導体82の各々を流れる電流を1個の電流センサ30で測定できるように、コア50および検出コイル60を2個ずつ有した複極(2極)用の電流センサ30が用いられる。ただし、複極用の電流センサ30であっても、基本的な構成は、コア50および検出コイル60を1個ずつ有した単極用の電流センサ30と同様であるから、以下ではまず、単極用の電流センサ30について説明する。
電流センサ30は、図4に示すように第1ボディ41および第2ボディ42からなるボディ40を備え、ボディ40内に、コア50(図1B参照)、検出コイル60(図1B参照)、および押付部90(図1B参照)を備えている。
第1ボディ41および第2ボディ42の各々は、合成樹脂製であって、分岐ブレーカ20の器体とほぼ同じ形状、および寸法に形成されている。すなわち、本実施形態では、第1ボディ41および第2ボディ42の各々は、「JIS C 8201−2−1」に準拠した電灯分電盤用協約形回路遮断器の寸法、および形状に形成されている。
本実施形態では、第1ボディ41は導電部材84の左側の取付スペースに取り付けられ、第2ボディ42は導電部材84の右側の取付スペースに取り付けられる。すなわち、第1ボディ41および第2ボディ42は、導電部材84を短手方向の両側から挟むように設置される。ここにおいて、第1ボディ41と第2ボディ42とで基本的な構成は共通である。そのため、以下では主に第1ボディ41について説明するが、とくに断りがない限り、第2ボディ42についても第1ボディ41と同様の構成が採用されている。
第1ボディ41は、前後方向の寸法よりも左右方向の寸法が大きく、かつ前後方向の寸法よりも上下方向の寸法が小さい箱状の器体403を有している。また、第1ボディ41は、器体403のうち左右方向において導電部材84と対向する面(右側面)から突出した角筒状の筒状部404を有している。前後方向に対向する一対の筒状部404を一組とすると、第1ボディ41には、少なくとも1組(図4の例では1組)の筒状部404が形成される。一対の筒状部404は、1本の導電部材(図4の例ではL1相の導電部材)84を挟んで前後方向に対向するように形成されている。言い換えれば、一対の筒状部404の間には1本の導電部材84が差し込まれる。
ここで、左右方向に直交し導電部材84の短手方向の中心を通る仮想平面を基準面S1とした場合、筒状部404の先端面は基準面S1と一致する。第2ボディ42においても、同様の筒状部404が形成されている。そのため、第1ボディ41および第2ボディ42の両方がキャビネット70に取り付けられた状態では、図4に示すように、第1ボディ41の筒状部404の先端面と第2ボディ42の筒状部404の先端面とが、基準面S1内で接触することになる。
また、器体403には、キャビネット70における回路遮断器用(分岐ブレーカ20用)の取付構造760に対応した取付部400が設けられている。取付構造760は、図5に示すように、取付ベース76の前面から突出する引掛爪761および引掛ばね762を有している。引掛爪761と引掛ばね762とは、引掛爪761が導電部材84側となるように、左右方向に並んで配置されている。引掛爪761は、取付ベース76の前面から前方に突出し、かつ先端部(前端部)が引掛ばね762に向かって延長された形状に形成されている。引掛ばね762は、取付ベース76の前面から前方に突出し、かつ中央部が引掛爪761側に凸となるV字状に屈曲した形状に形成されている。このように構成される取付構造760が、導電部材84の短手方向の両側において、それぞれ上下方向に複数個ずつ並ぶように配置されている。
本実施形態では、取付構造760に対応する取付部400として、第1凹部401および第2凹部402が形成されている。第1凹部401は、器体403において引掛爪761に対応する位置に形成されている。第2凹部402は、器体403において引掛ばね762に対応する位置に形成されている。
第1ボディ41を取付ベース76に取り付ける際には、作業者は、器体403の第1凹部401に引掛爪761を引っ掛けた状態で、器体403における導電部材84とは反対側の端部(左端部)を後方(取付ベース76側)に押す。これにより、第1凹部401に引掛爪761が差し込まれ、かつ第2凹部402に引掛ばね762が差し込まれることで、第1ボディ41は取付ベース76に取り付けられる。言い換えれば、第1ボディ41は取付部400によりキャビネット70に取り付けられる。一方、第1ボディ41を取付ベース76から取り外す際には、作業者は、引掛ばね762を引掛爪761とは反対側に撓ませながら、器体403における導電部材84とは反対側の端部(左端部)を前方に引くことになる。なお、上述した取付部400の構造は、分岐ブレーカ20の取付部と同様である。
また、第1ボディ41と第2ボディ42とのうちの第1ボディ41からは、ケーブル64が引き出されている。ケーブル64は、第1ボディ41内において検出コイル60(図1A参照)と電気的に接続されている。ケーブル64の先端には、計測装置100と接続されるためのコネクタ65が電気的に接続されている。
次に、上述したような構成のボディ40に収納されるコア50、検出コイル60、および押付部90の構成について、図1Aおよび図1Bを参照して説明する。なお、図1A、図1B、および後述の図6A〜図10は、図4の「X1」に相当する部位を表す一部を破断した拡大図である。
コア50は、たとえば珪素鋼板などの磁性材料にて構成されている。コア50は、ボディ40に保持され、1本の導電部材(図1Bの例ではL1相の導電部材)84を囲む閉磁路を形成する。具体的には、コア50は、上下方向に直交する断面形状が左右方向に長い矩形枠状となるように形成されている。言い換えれば、コア50は前後方向の寸法よりも左右方向の寸法が大きい扁平な形状に形成されている。
コア50は、左右方向において第1コア51と第2コア52とに分割されている。第1コア51は、前後方向に延長された中央片512と、中央片512の前後方向の両端部からそれぞれ右方に向けて突出する一対の脚片513とを有している。一対の脚片513の先端部(右端部)は、それぞれ第1コア51の端部511に相当する。同様に、第2コア52は、前後方向に延長された中央片522と、中央片522の前後方向の両端部からそれぞれ左方に向けて突出する一対の脚片523とを有している。一対の脚片523の先端部(右端部)は、それぞれ第2コア52の端部521に相当する。そのため、所定の対向方向(左右方向)において第1コア51の端部511と第2コア52の端部521とを互いに突き合わせることにより、第1コア51と第2コア52との間には導電部材84が貫通する空間500が形成される。
第1コア51は、第1ボディ41に収納されることにより、第1ボディ41に保持される。ここで、中央片512は第1ボディ41の器体403に収納され、一対の脚片513は第1ボディ41の一対の筒状部404にそれぞれ収納される。これにより、第1コア51の端部511は筒状部404の開口から第1ボディ41の外部に露出する。同様に、第2コア52は、第2ボディ42に収納されることにより、第2ボディ42に保持される。ここで、中央片522は第2ボディ42の器体403に収納され、一対の脚片523は第2ボディ42の一対の筒状部404にそれぞれ収納される。これにより、第2コア52の端部521は筒状部404の開口から第2ボディ42の外部に露出する。
ここにおいて、第2コア52の脚片523は、第1コア51の脚片513よりも左右方向の寸法が大きく設定されている。そのため、図1Aの状態においては、第1コア51の脚片513の先端面(右端面)と筒状部404の先端面(右端面)とが面一になるのに対し、第2コア52の端部521は筒状部404の先端面(左端面)から突出することになる。
押付部90は、第2ボディ42内に設けられている。押付部90は、弾性(ばね性)を有しており、ボディ40がキャビネット70に取り付けられた状態において、第2コア52を第1コア51に押し付ける向きの力を、第2コア52に対して作用させる。本実施形態では一例として、押付部90は第2ボディ42と一体に形成された合成樹脂製の板ばね状の部材である。この押付部90は、第2コア52の中央片522の右方に配置されており、第2コア52に対して左向きの力を作用させる。
上記構成により、第2ボディ42がキャビネット70に取り付けられていない状態では、図1Aに示すように、第2コア52の端部521は第2ボディ42の筒状部404の先端面(左端面)から突出する。一方、ボディ40がキャビネット70に取り付けられると、図1Bに示すように、第2コア52の端部521が第1コア51の端部511に押されて第2ボディ42の筒状部404内に引っ込むことになる。つまり、第2コア52は第1コア51に押されるようにして、第2ボディ42に対して相対的に右方に移動する。そのため、押付部90は第2コア52の中央片522からの反力を受けて弾性変形することにより、第2コア52に対して左向きの力を作用させることになる。したがって、ボディ40がキャビネット70に取り付けられた状態では、第2ボディ42から露出した第2コア52の端部521は、第1ボディ41から露出した第1コア51の端部511に対して押し付けられることになる。これにより、第1コア51の端部511と第2コア52の端部521とが接触し、第1コア51と第2コア52との間にエアギャップが生じにくくなる。
また、コア50の少なくとも一部には、検出コイル60が巻き付けられている。これにより、電流センサ30は、コア50に囲まれた導電部材84を流れる電流に応じた電気信号を検出コイル60から出力するCT(Current Transformer)センサとして機能する。本実施形態では一例として、検出コイル60は第1コア51の中央片512に巻き付けられている。
(1.2.4)複極用電流センサ
複極用の電流センサ30は、図6Aおよび図6Bに示すように、1つのボディ40に対して、コア50と検出コイル60と押付部90との組み合わせが複数組設けられている。図6Aおよび図6Bに示す電流センサ30は、L1相およびL2相の2本の導電部材84の電流を測定できるように、コア50と検出コイル60と押付部90とが2個ずつ設けられた2極用の電流センサ30である。図6Aおよび図6Bでは、コア50、検出コイル60、および押付部90等の構成要素について、L1相の導電部材84に対応する構成要素には符号の末尾に「A」を付し、L2相の導電部材84に対応する構成要素には符号の末尾に「B」を付している。
複極用の電流センサ30のボディ40の形状は、複数個のコア50に対応するように筒状部404が複数組設けられる点を除き、単極用の電流センサ30のボディ40と共通である。なお、複極用の電流センサ30は、L1相およびL2相の2本の導電部材84に限らず、たとえばL1相およびN相の2本の導電部材84や、L2相およびN相の2本の導電部材84に対応する構成であってもよい。また、複極用の電流センサは、3本の導電部材84に対応する構成であってもよい。
(1.3)効果
以上説明した本実施形態の電流センサ30によれば、第1コア51と第2コア52との間に導電部材84を挟むようにボディ40がキャビネット70に取り付けられることにより、検出コイル60の出力を用いて、導電部材84を流れる電流が測定可能である。したがって、この電流センサ30では、導電部材84に流れる電流を測定するために、電流測定対象となる導電部材84を電流センサ30に対し電気的に接続する作業が必要ない。よって、本実施形態の電流センサ30は、取付作業が簡単である、という利点がある。
また、この電流センサ30によれば、コア50を保持するボディ40がキャビネット70に取り付けられるので、導電部材84に対するコア50の相対的な位置がばらつくことによる電流の測定精度の低下を抑えることができる。さらに、押付部90により第1コア51と第2コア52とが互いに押し付けられるので、第1コア51と第2コア52との間に生じるエアギャップによる電流の測定精度の低下も抑えることができる。すなわち、第1コア51と第2コア52との間にエアギャップが生じると、コア50によって形成される閉磁路の磁気抵抗がエアギャップの大きさに応じて変化する。閉磁路の磁気抵抗がばらつくと、導電部材84を流れる電流の大きさが同じでも検出コイル60の出力(電気信号)がばらつき、電流の測定精度の低下につながる。本実施形態の電流センサ30では、第1コア51と第2コア52とが互いに押し付けられることでエアギャップを生じにくくしているので、このような磁気抵抗のばらつきが生じにくく、結果的に、電流の測定精度の低下を抑えることができる。
とくに、本実施形態のように扁平な形状のコア50においては、第1コア51の両端部511間の距離、および第2コア52の両端部521間の距離が短いため、第1コア51と第2コア52との間のエアギャップが漏れ磁束に繋がりやすい。すなわち、扁平な形状のコア50では、コア50の長手方向において閉磁路を分断するようなエアギャップは、電流の測定精度への影響が大きい。そのため、扁平な形状のコア50を備えた電流センサ30において、本実施形態のように第1コア51と第2コア52との間にエアギャップを生じにくくした構成は、とくに有用である。
また、上述した複極用の電流センサ30のように、1つのボディ40に対して、コア50と検出コイル60と押付部90との組み合わせが複数組設けられていることが好ましい。この構成によれば、たとえば図3に示すような電力計測システムにおいて、複数本の母線導体82の各々を流れる電流を1個の電流センサ30で同時に測定することができる。
また、本実施形態のように、第1ボディ41と第2ボディ42との各々は、キャビネット70における回路遮断器用の取付構造760に対応した取付部400を有し、取付部400によりキャビネット70に取り付けられることが好ましい。この構成によれば、分岐ブレーカ20などの回路遮断器と同じように電流センサ30をキャビネット70に取り付けることができ、電流センサ30を取り付けるための新規の取付構造を設ける必要がない。
また、本実施形態のように、分電盤1は、電流センサ30と、ボディ40が取り付けられる取付構造760を有するキャビネット70とを備えることが好ましい。この構成によれば、電流センサ30の取付作業が簡単である、という利点がある。
(1.4)変形例
(1.4.1)第1変形例
実施形態1の第1変形例に係る電流センサ30においては、図7に示すように、検出コイル60は、第1コア51に巻き付けられた第1コイル61と、第2コア52に巻き付けられた第2コイル62とを有している。第1コイル61と第2コイル62とは電気的に接続されている。
すなわち、本変形例では、検出コイル60は、第1コイル61および第2コイル62に分割され、第1コア51と第2コア52とに分かれて設けられている。一例として、第1コイル61は、第1コア51の各脚片513に巻き付けられ、第2コイル62は、第2コア52の各脚片523に巻き付けられている。第1コイル61と第2コイル62との間の電気的な接続は、たとえば第1ボディ41および第2ボディ42の各々から引き出されるコネクタ等によって実現される。または、第1ボディ41および第2ボディ42をキャビネット70に取り付けるだけで、たとえば第1ボディ41および第2ボディ42に埋め込まれたコネクタ等によって、第1コイル61と第2コイル62とが電気的に接続されるように構成されていてもよい。
本変形例によれば、第1コア51と第2コア52との両方に検出コイル60が巻き付けられていることで、コア50の局所的な磁気飽和や漏れ磁束が生じにくくなる。つまり、検出対象の導電部材84に電流が流れると、コア50の形成する閉磁路に磁束が発生する。このとき、検出コイル60に流れる誘導電流により、検出コイル60の周囲には閉磁路の磁束を打ち消す向きの磁束が生じるため、検出コイル60の周囲では磁気飽和が生じにくくなる。したがって、本変形例のように第1コア51と第2コア52との両方に検出コイル60が設けられることで、コア50の局所的な磁気飽和が抑制される。
(1.4.2)その他の変形例
以下、実施形態1の第1変形例以外の変形例を列挙する。
コア50の材料は、珪素鋼板に限らず、たとえばパーマロイやフェライト、アモルファス、ナノ結晶合金などであってもよい。
また、検出コイル60は、コア50に巻き付けられた状態でコア50と共にボディ40に組み込まれてもよいし、ボディ40に埋め込まれていてもよい。検出コイル60は、コア50に装着されるコイルボビンに巻き付けられていてもよい。なお、図1Aおよび図1B等においては、検出コイル60の一部をボディ40に埋め込まれているように図示しているが、これらの図は概念図に過ぎず検出コイル60がボディ40に埋め込まれた構成に限定する趣旨ではない。
また、単極用の電流センサ30は、実施形態1で例示したようなL1相の導電部材84に対応する構成に限らず、たとえばL2相またはN相の導電部材84に対応するように、コア50、検出コイル60、および押付部90が設けられていてもよい。
また、押付部90は、ボディ40がキャビネット70に取り付けられた状態において、第1コア51と第2コア52との少なくとも一方に対して、弾性変形により、第1コア51と第2コア52とが互いに押し付けられる向きの力を作用させる部材であればよい。そのため、押付部90は第2ボディ42と一体に形成される構成に限らず、たとえばコイルばねなどであってもよい。また、押付部90は、第1コア51に力を作用させるように第1ボディ41に設けられていてもよく、第1コア51および第2コア52の両方に力を作用させるように第1ボディ41および第2ボディ42との両方に設けられていてもよい。
また、第1ボディ41および第2ボディ42は、それぞれ第1コア51および第2コア52を保持する構成であればよく、第1コア51および第2コア52の各々の一部がボディ40から突出していてもよい。たとえば、第1ボディ41および第2ボディ42に筒状部404がなく、第1コア51の脚片513および第2コア52の脚片523がボディ40から突出していてもよい。
また、電流センサ30は、単相三線式配線の分電盤1に限らず、たとえば三相三線式配線の分電盤1に適用されてもよい。この場合、電流センサ30は、R相、S相、およびT相のいずれか1相の導電部材84を流れる電流を測定するように構成される。
(実施形態2)
(2.1)構成
本実施形態の電流センサ30は、図8Aおよび図8Bに示すように、第2コア52の端部521が第2ボディ42から突出しており、第1ボディ41には、第1コア51の端部511および第2コア52の端部521を囲むガイド部405が形成されている。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態では、実施形態1の構成に比較して、第1ボディ41の各筒状部404が所定の延長寸法だけ延長され、この延長寸法の分だけ第2ボディ42の各筒状部404が短縮されている。これにより、第2コア52の各脚片523は、実施形態1の構成に比較して、延長寸法の分だけ第2ボディ42から露出することになる。ここで、第1ボディ41の各筒状部404がガイド部405に相当する。つまり、第1ボディ41には一対のガイド部405が形成されている。
さらに、図8Aの例では、一対のガイド部405の各々には、第2ボディ42に向けて開口した差込口406が形成されている。差込口406の内側面には、差込口406の開口を広げるテーパ状の導入部407が形成されている。これにより、第1コア51の端部511はガイド部405を通して、差込口406の開口から第1ボディ41の外部に露出する。
本実施形態の電流センサ30においては、ボディ40がキャビネット70に取り付けられると、第2コア52の脚片523は、差込口406を通してガイド部405に差し込まれる。このとき、第2コア52の端部521が第1コア51の端部511に突き当たる位置まで、第2コア52の脚片523は、ガイド部405に沿って第1ボディ41内に挿入される。そして、ボディ40がキャビネット70に取り付けられた状態においては、図8Bに示すように、第1コア51の端部511および第2コア52の端部521はガイド部405に囲まれた空間に収まることになる。
(2.2)効果
以上説明した本実施形態の構成によれば、第1コア51の端部511および第2コア52の端部521がガイド部405に囲まれているため、対向方向(左右方向)に直交する平面内での端部511と端部521との相対的な位置ずれを小さく抑えることができる。端部511と端部521との相対的な位置ずれが小さくなれば、コア50によって形成される閉磁路の磁気抵抗のばらつきが生じにくく、結果的に、電流の測定精度の低下をより抑えることができる。
また、本実施形態のように、一対のガイド部405の各々には、第2ボディ42に向けて開口した差込口406が形成されており、差込口406の内側面には、差込口406の開口を広げるテーパ状の導入部407が形成されていることが好ましい。この構成によれば、導入部407がない場合に比べて、差込口406から第2コア52を挿しこみやすくなり、電流センサ30の取付作業がより簡単になる。なお、導入部407は電流センサ30に必須の構成ではなく、導入部407は適宜省略可能である。
(2.3)変形例
(2.3.1)第1変形例
実施形態2の第1変形例に係る電流センサ30は、図9に示すように、ガイド部405には、磁性材料からなり、第1コア51および第2コア52の両方と磁気的に結合される磁気結合部408が設けられている。さらに、本変形例では導入部407が省略されている。以下、実施形態2と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
図9の例では、磁気結合部408は、少なくともボディ40がキャビネット70に取り付けられた状態で、第1コア51の端部511および第2コア52の端部521と重なる位置に設けられている。図9の例では、左右方向における磁気結合部408の中心位置が、第1コア51の先端面(右端面)に略一致している。本変形例では、磁気結合部408は、端部511および端部521の前後方向の両側において、ガイド部405に埋め込むように配置された一対の磁性板からなる。ここで、磁気結合部408は、コア50と同様に、珪素鋼板やパーマロイなどの磁性材料で形成されている。
本変形例によれば、第1コア51と第2コア52とは磁気結合部408を介して互いに磁気結合される。したがって、第1コア51と第2コア52との間のエアギャップや位置ずれに伴う磁気抵抗のばらつきを抑制でき、結果的に、電流の測定精度の低下をより抑えることができる。なお、磁気結合部408は、上記の構成に限らず、端部511および端部521を囲む筒状に形成されていてもよい。また、ガイド部405の全体が磁性材料にて形成され、磁気結合部408として機能してもよい。
(2.3.2)第2変形例
実施形態2の第2変形例に係る電流センサ30においては、図10に示すように、検出コイル60の少なくとも一部は、ガイド部405に配置されている。さらに、本変形例では導入部407が省略されている。以下、実施形態2と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
図10の例では、一対のガイド部405の各々に検出コイル60が配置されている。図10の例では、左右方向における検出コイル60の中心位置が、第1コア51の先端面(右端面)に略一致している。
本変形例によれば、第1コア51と第2コア52との両方に検出コイル60が巻き付けられることで、コア50の局所的な磁気飽和や漏れ磁束が生じにくくなる。つまり、検出対象の導電部材84に電流が流れると、コア50の形成する閉磁路に磁束が発生する。このとき、検出コイル60に流れる誘導電流により、検出コイル60の周囲には閉磁路の磁束を打ち消す向きの磁束が生じるため、検出コイル60の周囲では磁気飽和が生じにくくなる。したがって、本変形例のように第1コア51と第2コア52との両方に検出コイル60が設けられることで、コア50の局所的な磁気飽和が抑制される。なお、検出コイル60が巻き付けられたコイルボビンが、ガイド部405として機能してもよい。この場合、検出コイル60はガイド部405の外周に巻き付けられることになる。
実施形態2で説明した構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて適用可能である。
(実施形態3)
(3.1)構成
本実施形態の電流センサ30においては、図11Aおよび図11Bに示すように、第1ボディ41は、キャビネット70における回路遮断器用の取付構造760(図4参照)に対応した取付部400を有し、取付部400によりキャビネット70に取り付けられる。一方、第2ボディ42は、第1ボディ41に結合されることにより第1ボディ41と共にキャビネット70に取り付けられる。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態では、1つのボディ40に対して、コア50と検出コイル60と押付部90との組み合わせが複数組設けられた複極用の電流センサ30を例示している。そのため、図11Aおよび図11Bでは、コア50および検出コイル60等の構成要素について、L1相の導電部材84に対応する構成要素には符号の末尾に「A」を付し、L2相の導電部材84に対応する構成要素には符号の末尾に「B」を付している。ただし、本実施形態の構成は単極用の電流センサ30にも適用可能である。
本実施形態の電流センサ30は、第1ボディ41および第2ボディ42のうち第1ボディ41のみが、分岐ブレーカ20の器体とほぼ同じ形状、および寸法に形成されている。第2ボディ42は、第1ボディ41に結合されることによって、第1ボディ41と一体化する。つまり、第2ボディ42は、第1ボディ41がキャビネット70に取り付けられることにより、第1ボディ41を介してキャビネット70に取り付けられることになる。そのため、本実施形態では「ボディ40がキャビネット70に取り付けられた状態」とは、第1ボディ41に第2ボディ42が結合され、かつ第1ボディ41がキャビネット70に取り付けられた状態である。
図11Aおよび図11Bの例では、第1ボディ41の筒状部404が省略されている。第2ボディ42は、直方体状に形成されている。第2ボディ42における第1ボディ41との対向面には、導電部材84が差し込まれる溝部409が形成されている。第2コア52は溝部409の周囲に配置されている。さらに、第1ボディ41の右端部における前後方向の両端面には突起411が形成され、第2ボディ42の前後方向の両端面には左方に突出する結合片412が形成されている。結合片412には突起411が挿入される孔が形成されている。
上記構成により、図11Bに示すように、結合片412の孔に突起411が挿入された状態で、第2ボディ42が第1ボディ41に結合可能である。この状態で、第2ボディ42内に設けられている押付部90は、第2コア52を第1コア51に押し付ける向きの力を、第2コア52に対して作用させる。
(3.2)効果
以上説明した本実施形態の構成によれば、第1ボディ41に対して第2ボディ42が直接的に結合されるため、第1ボディ41と第2ボディ42との相対的な位置ずれが生じにくくなる。すなわち、実施形態1のように第1ボディ41と第2ボディ42とがキャビネット70に対して個別に取り付けられる構成に比べて、本実施形態では第1ボディ41と第2ボディ42との相対的な位置ずれが生じにくい。
(3.3)変形例
実施形態3の変形例として、第1ボディ41ではなく第2ボディ42が、キャビネット70における回路遮断器用の取付構造760(図4参照)に対応した取付部400を有し、取付部400によりキャビネット70に取り付けられる構成であってもよい。本変形例では、第1ボディ41は、第2ボディ42に結合されることにより第2ボディ42と共にキャビネット70に取り付けられる。本変形例においても、実施形態3と同様に、第1ボディ41と第2ボディ42との相対的な位置ずれが生じにくい、という効果がある。
実施形態3で説明した構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した構成(変形例を含む)および実施形態2で説明した構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて適用可能である。
1 分電盤
20 分岐ブレーカ(回路遮断器)
30 電流センサ
40 ボディ
41 第1ボディ
42 第2ボディ
50 コア
51 第1コア
52 第2コア
60 検出コイル
61 第1コイル
62 第2コイル
70 キャビネット
84 導電部材
90 押付部
400 取付部
405 ガイド部
406 差込口
407 導入部
408 磁気結合部
500 空間
511 第1コアの端部
521 第2コアの端部
760 取付構造

Claims (11)

  1. 分電盤のキャビネットに取り付けられるボディと、
    前記ボディに保持され、前記分電盤に設けられた平板状の導電部材を囲む閉磁路を形成するコアと、
    前記コアに巻き付けられ、前記導電部材を流れる電流に応じた電気信号を出力する検出コイルとを備え、
    前記ボディは、第1ボディと、第2ボディとを有し、
    前記コアは、前記第1ボディに保持される第1コアと、前記第2ボディに保持される第2コアとを有し、所定の対向方向である前記導電部材の短手方向において前記第1コアの端部と前記第2コアの端部とを互いに突き合わせることにより、前記第1コアと前記第2コアとの間に前記導電部材が貫通する空間を形成し、
    前記ボディが前記キャビネットに取り付けられた状態において、前記第1コアと前記第2コアとの少なくとも一方に対して、弾性変形により、前記第1コアと前記第2コアとが互いに押し付けられる向きの力を作用させる押付部をさらに備える
    ことを特徴とする電流センサ。
  2. 前記第2コアの端部は前記第2ボディから突出しており、
    前記第1ボディには、前記第1コアの端部および前記第2コアの端部を囲むガイド部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記ガイド部には、前記第2ボディに向けて開口した差込口が形成されており、
    前記差込口の内側面には、前記差込口の開口を広げるテーパ状の導入部が形成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の電流センサ。
  4. 前記ガイド部には、磁性材料からなり、前記第1コアおよび前記第2コアの両方と磁気的に結合される磁気結合部が設けられている
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の電流センサ。
  5. 前記検出コイルの少なくとも一部は、前記ガイド部に配置されている
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の電流センサ。
  6. 前記検出コイルは、前記第1コアに巻き付けられた第1コイルと、前記第2コアに巻き付けられた第2コイルとを有し、
    前記第1コイルと前記第2コイルとは電気的に接続されている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電流センサ。
  7. 1つの前記ボディに対して、前記コアと前記検出コイルと前記押付部との組み合わせが複数組設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電流センサ。
  8. 前記第1ボディと前記第2ボディとの各々は、前記キャビネットにおける回路遮断器用の取付構造に対応した取付部を有し、前記取付部により前記キャビネットに取り付けられる
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電流センサ。
  9. 前記第1ボディは、前記キャビネットにおける回路遮断器用の取付構造に対応した取付部を有し、前記取付部により前記キャビネットに取り付けられ、
    前記第2ボディは、前記第1ボディに結合されることにより前記第1ボディと共に前記キャビネットに取り付けられる
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電流センサ。
  10. 前記第2ボディは、前記キャビネットにおける回路遮断器用の取付構造に対応した取付部を有し、前記取付部により前記キャビネットに取り付けられ、
    前記第1ボディは、前記第2ボディに結合されることにより前記第2ボディと共に前記キャビネットに取り付けられる
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電流センサ。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の電流センサと、前記ボディが取り付けられる取付構造を有する前記キャビネットとを備える
    ことを特徴とする分電盤。
JP2015135521A 2015-07-06 2015-07-06 電流センサ、およびそれを備えた分電盤 Active JP6631903B2 (ja)

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