JP6631627B2 - 液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドユニット、画像形成装置及び液滴吐出ヘッドの実装方法 - Google Patents
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Description
画像形成装置の保持部に着脱自在とされ、前記保持部に設けられた位置基準部に当接させることによって、位置調整を行う液滴吐出ヘッドであって、
記録媒体の記録面に対向するノズル形成面上に、前記記録媒体と当該液滴吐出ヘッドとの相対的な移動方向に直交する第1方向と、前記第1方向に交差する第2方向とに、2次元状に配置された複数のノズルと、
前記位置基準部に当接させたときに、前記複数のノズルにおける基準ノズルの中心から、前記液滴吐出ヘッドを前記ノズル形成面に対して垂直な方向を軸として回転する回転方向へ位置調整するための第1回転軸に下ろした垂線と、前記第1方向とが所定の条件となるように配置された位置固定部と、
を備え、
前記第2方向は、前記相対的な移動方向が前記第1方向に傾斜した方向であり、
前記第1方向に隣接するドットを形成する二つのノズルが、前記第2方向に隣接しないように分散させて配置すると共に、前記2次元状に配置された複数のノズルの前記第1方向に直交する第3方向における一端部と他端部とに分離されないように配置したことを特徴とする。
前記基準ノズルは、前記ノズル形成面の前記位置固定部側の端部に位置するノズルであることを特徴とする。
前記基準ノズルは、前記ノズル形成面の前記第1方向に直交する第3方向の端部に位置するノズルであることを特徴とする。
請求項1〜3のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドを着脱自在に保持する前記保持部と、を備えることを特徴とする液滴吐出ヘッドユニットである。
前記位置固定部は、V溝部を有し、
前記保持部は、前記V溝部に当接する前記位置基準部を有することを特徴とする。
第2回転軸を有する軸部材を有するハウジングと、
前記ハウジングと当接して当該ハウジングの回転を調整する回転調整部と、
前記ハウジングに設けられ、前記液滴吐出ヘッドに当接して前記液滴吐出ヘッドの前記保持部に対する保持位置を調整する位置調整部と、
を備え、
下記式(1)を満たすことを特徴とする。
画像形成装置の保持部に着脱自在とされ、前記保持部に設けられた位置基準部に当接させることによって、位置調整を行う液滴吐出ヘッドであって、
記録媒体の記録面に対向するノズル形成面上に、前記記録媒体と当該液滴吐出ヘッドとの相対的な移動方向に直交する第1方向と、前記第1方向に交差する第2方向とに、2次元状に配置された複数のノズルと、
前記位置基準部に当接させたときに、前記複数のノズルにおける基準ノズルの中心から、前記液滴吐出ヘッドを前記ノズル形成面に対して垂直な方向を軸として回転する回転方向へ位置調整するための第1回転軸に下ろした垂線と、前記第1方向とが所定の条件となるように配置された位置固定部と、
を有する液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドを着脱自在に保持する前記保持部と、
第2回転軸を有する軸部材を有するハウジングと、
前記ハウジングと当接して当該ハウジングの回転を調整する回転調整部と、
前記ハウジングに設けられ、前記液滴吐出ヘッドに当接して前記液滴吐出ヘッドの前記保持部に対する保持位置を調整する位置調整部と、
を備え、
下記式(1)を満たすことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の液滴吐出ヘッドユニットにおいて、
前記基準ノズルは、前記ノズル形成面の前記位置固定部側の端部に位置するノズルであることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の液滴吐出ヘッドユニットにおいて、
前記基準ノズルは、前記ノズル形成面の前記第1方向に直交する第3方向の端部に位置するノズルであることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項7〜9のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドユニットにおいて、
前記第2方向は、前記相対的な移動方向が前記第1方向に傾斜した方向であり、
前記第1方向に隣接するドットを形成する二つのノズルが、前記第2方向に隣接しないように分散させて配置すると共に、前記2次元状に配置された複数のノズルの前記第1方向に直交する第3方向における一端部と他端部とに分離されないように配置したことを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項7に記載の液滴吐出ヘッドユニットにおいて、
前記位置固定部は、V溝部を有し、
前記保持部は、前記V溝部に当接する前記位置基準部を有することを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項6〜11のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドユニットにおいて、
前記位置調整部の先端部、又は、前記位置調整部が当接する前記液滴吐出ヘッドの当接部、のどちらか一方が球面状であることを特徴とする。
請求項1〜3のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドを前記保持部に実装する、液滴吐出ヘッドの実装方法であって、
前記ノズル形成面に対して垂直な軸に対する回転方向への位置調整を、前記位置固定部と前記位置基準部とを当接させながら、前記位置基準部を軸にして回動させることによって行うことを特徴とする。
なお、以下の説明では、ラインヘッドを用いた記録媒体の搬送のみで描画を行う1パス描画方式での実施形態を例にして説明するが、適宜の描画方式に適用可能であり、例えば、スキャン方式やドラム方式を用いた描画方式を採用しても良い。
また、以下の説明では、記録媒体Kの搬送方向(副走査方向Y)を前後方向、記録媒体Kの搬送面において当該搬送方向に直交する印字幅方向(主走査方向X)を左右方向、前後方向及び左右方向に垂直な方向を上下方向として説明する。
画像形成装置100は、プラテン101、搬送ローラー102、及びラインヘッド200,201,202,203等を備える(図1)。
プラテン101は、上面に記録媒体Kを支持しており、搬送ローラー102が駆動されると、記録媒体Kを搬送方向(前後方向)に搬送する。
ラインヘッド200,201,202,203は、記録媒体Kの搬送方向(前後方向)の上流側から下流側にかけて、搬送方向に直交する幅方向(左右方向)に並列して設けられている。そして、ラインヘッド200,201,202,203の内部には、後述する液滴吐出ヘッドユニット1が少なくとも一つ設けられており、例えば、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),黒(K)のインクを記録媒体Kに向けて吐出する。
液滴吐出ヘッドユニット1は、液滴吐出ヘッド2、液滴吐出ヘッド2を着脱自在に保持する保持部3、液滴吐出ヘッド2を回動可能に保持部3に固定するための位置基準部としての位置基準ピン4、及び液滴吐出ヘッド2の位置調整を行う調整部5等を備える(図2〜4等参照)。
液滴吐出ヘッド2は、底面に液滴を吐出する複数のノズルnが配列されたノズル形成面としての液滴吐出部21と、複数のノズルnのそれぞれにインクを供給するインク室22と、インク室22にインクを供給するインク供給部221と、インク室22のインクを排出するインク排出部222等によって構成されている。
液滴吐出部21は、各ノズルnに対応する圧力室(図示省略)を内部に有しており、インク室22からインクが当該圧力室に供給され、当該圧力室の上部に設けられた圧電素子(図示省略)が変位することで圧力室のインクが加圧されると、ノズルnからインクの液滴が吐出するように構成されている。
なお、図4は、説明の便宜のため、図2に図示された液滴吐出ヘッドユニット1のうち、右方向前側の部分を拡大して図示している。
なお、位置基準ピン4の形態は、位置固定部23が安定して当接できるようになっていれば、適宜選択可能である。例えば、図4に示したように、前後左右方向の断面において、第1回転軸41から外周までの距離が一定の真円となる形態としてもよく、第1回転軸41から円周までの距離が一定でない板カムの形態(図示省略)としても良い。板カムの形態とする場合は、板カムの回転軸が第1回転軸となる。
次に、図5〜図8に基づいて、液滴吐出部21に形成されるノズルnの配置例について、好ましい形態を説明する。
また、上記四つのノズル形成エリアN1〜N4は、いずれも、主走査方向Xに沿って長尺な平行四辺形であり、向きとサイズも同一である。そして、これらのノズル形成エリアN1〜N4は副走査方向Yに沿って所定の順番で配列されている。かかる順番については後述する。
なお、図6において、○に数字を記載したものが、液滴吐出部21を下側から見た場合の各ノズルnの配置を示している。そして、○の中の数字は、当該ノズルnが主走査方向Xに沿って並ぶドットDの中で主走査方向Xの上流端部(図6における左端部)から何番目のドットDを吐出するかを示している。
また、図6及び後述する図7及び図8では、理解を容易にするために、第2方向D2の副走査方向Yに対する傾斜角度を大きくして図示している。
各ノズル形成エリアN1〜N4内で、第2方向D2に沿って隣接するノズルn,nのノズルピッチは、主走査方向Xについてnpx、副走査方向Yについてnpyとなっている。
上記主走査方向Xのノズルピッチnpxは、ドットの並び順が四つ飛びであることから主走査方向Xのドットピッチdpxの4倍となっている。
また、副走査方向Yのノズルピッチnpyは任意であるが、記録媒体Kの搬送速度と各ノズルnのインク吐出タイミングの同期化との関係から副走査方向Yのドットピッチdpyの整数倍とすることが望ましい。
なお、第2方向D2は、副走査方向Yに対する傾斜角度をθとすると、θ=tan−1(npx/npy)となる。
また、上記方法によってドットDの並び順に対応するノズルnの割り振りを行うことにより、各ノズル形成エリアN1〜N4の主走査方向Xにおける端部位置は、ノズル形成エリアN1から順番に主走査方向Xの下流側にドットピッチdpxずつオフセットした配置となる。
例えば、32番目のドットのノズルnと33番目のノズルnや、64番目のドットのノズルnと65番目のノズルnがこれに当たる。
このように、主走査方向Xにドットが隣接する二つのノズルn,nが副走査方向Yに離れて配置されると、液滴吐出ヘッド2をラインヘッド200,201,202,203に取り付ける際の取り付け誤差等により液滴吐出ヘッド2に傾きを生じた場合に、各ドットD,Dの主走査方向Xのズレ量が大きくなり、画質低下の原因となる。
図7は、各ノズル形成エリアN1〜N4の副走査方向Yの並び順を入れ替えたノズルnの配置を示す液滴吐出部21の平面図である。図7において、各ノズル形成エリアN1〜N4の内側に記載した数字は、ノズルnの配置と当該ノズルnが主走査方向Xの上流側から何番目のドットDを吐出するかを示している。
この順番とした場合、全ノズル形成エリアN1〜N4を含む領域の中で副走査方向Yの最も下流側の端部には32k+31番目のドットに対応するノズルnが並び、副走査方向Yの最も上流側の端部には32k+1番目のドットに対応するノズルnが並ぶ(但し、k=0,1,2,3,…)。
従って、複数のノズル形成エリアN1〜N4を含む領域全体における副走査方向の一端部のノズルnと他端部のノズルnは、いずれも形成するドットDが主走査方向Xに隣接しない配置となる。
即ち、副走査方向Yの最も下流側のノズル形成エリアと最も上流側のノズル形成エリアとがN1−N2、N2−N3、N3−N4又はN4−N1のいずれにもならないようにすれば良い。
そして、これらノズル形成エリアを副走査方向Yについて上流側からN1,N2,NA4,NA3の順番で配置することにより、図7の例と同様に、ドットD,Dが隣接するノズルn,nが隣接する配置となることを回避すると共に、ドットD,Dが隣接するノズルn,nがノズル形成エリアN1,N2,NA4,NA3全体における副走査方向Yの下流側端部と上流側端部とに離れた配置となることを回避することができる。
位置固定部23は、V溝部24を有しており、位置基準ピン4に対して、V溝部24を突き当てることができるように構成されている。また、位置固定部23は、保持部3に設けられた弾性部材31によって、位置基準ピン4に突き当てる方向に押し付けられて第1当接部T1によって固定されており、液滴吐出ヘッド2が位置基準ピン4の軸周りに沿って回動可能となるように固定されている(図4参照)。
また、位置固定部23は、位置固定部23を位置基準ピン4に当接させたときに、基準ノズルSnの中心から第1回転軸41に下ろした垂線と、主走査方向X(第1方向D1)とが所定の条件となるように配置されている(図5参照)。所定の条件については後述し、まず最も好ましい形態である、基準ノズルSnの中心から第1回転軸41に下ろした垂線と、主走査方向X(第1方向D1)とが完全に平行となる例を用いて、基準ノズルSnについて説明する。
具体的には、本発明のノズル配置を示した図7において、1〜4番目のノズルnであることが好ましく、1番目のノズルであることがさらに好ましい。
なお、図5においては、1番目のノズルを基準ノズルSnとして、基準ノズルSnの中心から第1回転軸41に下ろした垂線と、第1方向D1とが平行となるように、位置固定部23が備えられている例を示している。
具体的には、図9に示すように、液滴吐出ヘッド2を、第1回転軸41を回転軸として角度dθ回転させたとき、本発明の基準ノズルSn1は主走査方向Xに対して、dx1のずれが生じる。これに対し、位置基準ピン4から主走査方向X(第1方向D1)に平行でない箇所に比較例としての基準ノズルSn2が配置された場合には、基準ノズルSn2は主走査方向Xに対して、dx2のずれが生じる。
ここで、基準ノズルSn1の中心から第1回転軸41に下ろした垂線は、主走査方向Xと平行であるため、液滴吐出ヘッド2を回転方向に移動させると、主走査方向Xと垂直な副走査方向Y方向への移動となり、主走査方向Xへはほとんどずれない。そのため、液滴吐出ヘッド2を、第1回転軸41を回転軸として角度dθ回転させたとき、本発明の基準ノズルSn1と比較例の基準ノズルSn2の主走査方向Xへのずれは、dx1<dx2となる。
本発明において、所定の条件とは、基準ノズルSnを後述する条件式C1及びC2を満たすように配置して、基準ノズルSnの中心から第1回転軸41に下ろした垂線が、主走査方向Xと平行又は概平行となる場合をいう。
ところで、本発明の回転調整では、第1回転軸41を回転軸としてdθが±1°の範囲内で回転調整を行うことになる。また、主走査方向Xへ位置のずれが、主走査方向Xについての隣接するドットDの間隔であるドットピッチdpx(図6等参照)の1/2以下であれば、目視等で認識できる白筋などの画像不良とはならない。
したがって、|dθ|≦1°のとき、dx3<(dpx/2)を満たす位置に基準ノズルSn3が配置されていればよい。また、dx3は、dx3=|rcos(θ)−rcos(θ+dθ)|と表すことができるので、以下の条件式C1及びC2を満たす位置に基準ノズルSn3が配置されていれば、基準ノズルSn3の中心から第1回転軸41に下ろした垂線は、主走査方向Xと概平行であっても、本発明の効果が得られる。
|rcos(θ)−rcos(θ+1°)|<0.5dpx ・・・C1
|rcos(θ)−rcos(θ−1°)|<0.5dpx ・・・C2
以上のように、本発明の位置固定部23は、位置固定部23を位置基準ピン4に当接させたときに、基準ノズルSnの中心から第1回転軸41に下ろした垂線と、主走査方向X(第1方向D1)とが所定の条件となるような位置に配置されていればよい。
なお、ドットピッチdpxは、例えば、1200npi(nozzle per inch)の高解像度のインクジェットヘッドを用いる場合は約21.2μm、600npiのインクジェットヘッドを用いる場合は約42.3μm、300npiのインクジェットヘッドを用いる場合は約84.7μmとなる。
液滴吐出ヘッド2の位置調整を行う調整部5は、位置決め部25に当接する位置調整部51と、軸部材52により回転可能に保持部3に設けられたハウジング53と、ハウジング53の回転を調整する回転調整部としての調整ネジ54と、保持部3に固定されており、ハウジング53及び調整ネジ54を回転可能に保持する調整ネジ保持部55等を備える(図11等参照)。
また、軸部材52の中心から位置調整部51と位置決め部25の当接部までの距離は、軸部材52の中心からハウジング53と調整ネジ54との当接部までの距離よりも短いため、調整ネジ54の移動距離に比べて位置調整部51の移動距離は小さくなり、高い縮小率が得られる構成となっている。
調整部5における位置調整部51と調整ネジ54の位置関係について、位置調整部51、軸部材52、ハウジング53、及び調整ネジ54の模式図及び以下に示す関係式を用いて説明する(図12参照)。
なお、図12では、説明の便宜のため、軸部材52の中心を原点Oとした場合に、調整ネジ54とハウジング53の当接部をA1、位置調整部51の先端部の球面中心を基準部位B1として、前後方向及び上下方向における関係式を説明する。ここで、基準部位B1とは、位置調整部51における位置移動の基準となる部位である。
また、図12において、前方向をX方向とする。
なお、本実施形態のように、液滴吐出ヘッド2の一方を位置固定部23によって位置基準ピン4に回動可能に固定し、他方を位置調整部51で移動させる場合、液滴吐出ヘッド2は位置基準ピン4の軸周りに沿って回転方向に移動する。しかし、x1の変化量(dx1/dθ)及びx2の変化量(dx2/dθ)はそれぞれ微小であり、前後方向への移動量に対して左右方向への移動量が極めて小さいため、液滴吐出ヘッド2の移動量は位置調整部51の前後方向の移動量に近似することができる。
なお、基準部位B1は位置調整部51における位置移動の基準となる部位であれば、適宜任意に決めることができ、例えば、位置調整部51の重心を基準部位B1としても良い。ところで、本実施形態のように位置調整部51の先端部が球面状である場合には、位置調整部51と位置決め部25との当接部の位置は球面表面を位置移動するため、当該当接部を基準部位B1とすることはできない。一方で、位置調整部51に針形状又は直方体形状を選択する場合には、位置調整部51と位置決め部25の当接部は移動しないため、当該当接部を基準部位B1とすることが可能である。
調整部5における位置調整機構において、調整ネジ54を前方向にdx位置移動させた場合における位置調整部51の前方向への移動量dsについて、位置調整部51、軸部材52、ハウジング53、及び調整ネジ54の模式図及び以下に示す関係式を用いて説明する(図13参照)。
なお、図13は図12と同様の構成であるが、説明の便宜のため、適宜記号等を変更した図を用いて説明する。具体的には、軸部材52の中心を原点Oとした場合に、調整ネジ54とハウジング53の当接部をA1、調整ネジ54を前方向にdx移動させた後におけるA1の移動後の位置をA2、調整ネジ54を前方向にdx移動させた際のハウジング53の回転角度をγ、位置調整部51の先端の球面中心を基準部位B1、ハウジング53が角度γ回転した際に基準部位B1の移動後の位置をB2として、前後方向及び上下方向における関係式を説明する。
そして、当該関係式の傾きより、ネジ動作量(度)と、位置調整変位量(μm)とは、略比例関係にあることが分かる。なお、図14(a)において、ネジ動作量(度)と位置調整変位量(μm)の関係を直線近似した値を破線で表している。
具体的には、l1を大きくする、又はr2を小さくことにより、ds/dxを小さくすることができ、縮小率を高めることができる。また、r1を大きくする、又はl2を小さくすることによって、ネジ動作量と位置調整変位量の関係式の直線性を高めることができる。
以上のように、本発明の液滴吐出ヘッド2は、基準ノズルSnの中心から第1回転軸41に下ろした垂線と、主走査方向X(印字幅方向)とが、所定の条件となるように配置された位置固定部23を備えるため、回転方向に位置調整を行ったとき、基準ノズルSnの主走査方向Xへのずれが抑えられ、着弾位置精度を向上させることができる。また、本発明の液滴吐出ヘッド2は、基準ノズルSnと位置固定部23との位置関係を調整することのみによって、本発明の効果を得ることができるため、簡易な構成で位置調整を容易に行うことができる。
本発明の今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した詳細な説明に限定されるものではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
複数のノズルnは、第1方向(主走査方向)と第2方向とに2次元状に配置され、主走査方向について隣接するドットを形成する二つのノズルn,nが副走査方向に隣接しないように分散させて配置すると共に、2次元状に配置された全ノズルが配置された領域内において、隣接するドットを形成する二つのノズルn,nが第3方向(副走査方向)における一端部と他端部とに分離されないように配置されていればよい。これらの条件を満たす範囲内で、例えば、上記実施形態において、第1方向(主走査方向)に延在する複数のノズル列を入れ替えて主走査方向について隣接するドットを形成する二つのノズルn,nを同一のエリア内に配置させてもよいし、全体を1つのノズル形成エリアとしてもよい。
また、各ノズル形成エリアN1〜N4の内側に形成するノズルnの数は、8×32個とする場合を例示したが、その個体数に限定するものではない。ノズルnの個体数は、液滴吐出ヘッド2に要求されるドット密度に応じて増減させても良い。
また、調整部5の配置箇所についても、当然適宜変更可能である。
また、位置基準ピン4が保持部3に固定されているとしたが、位置固定部23が固定できる構成であれば適宜変更可能であり、例えば、位置基準ピン4を保持部3に対して前後左右に位置移動できるような構成としても良い。
また、液滴吐出ヘッド2を保持部3へ固定する方法として、更に固定ネジ等を設けて保持部3に固定可能な構成としても良い。
2 液滴吐出ヘッド
21 液滴吐出部(ノズル形成面)
23 位置固定部
24 V溝部
3 保持部
4 位置基準ピン(位置基準部)
41 第1回転軸
51 位置調整部
52 軸部材
521 第2回転軸
53 ハウジング
54 調整ネジ(回転調整部)
100 画像形成装置
K 記録媒体
n ノズル
Sn 基準ノズル
D1 第1方向
D2 第2方向
X 主走査方向
Y 副走査方向(第3方向)
D ドット
B1 基準部位
Claims (14)
- 画像形成装置の保持部に着脱自在とされ、前記保持部に設けられた位置基準部に当接させることによって、位置調整を行う液滴吐出ヘッドであって、
記録媒体の記録面に対向するノズル形成面上に、前記記録媒体と当該液滴吐出ヘッドとの相対的な移動方向に直交する第1方向と、前記第1方向に交差する第2方向とに、2次元状に配置された複数のノズルと、
前記位置基準部に当接させたときに、前記複数のノズルにおける基準ノズルの中心から、前記液滴吐出ヘッドを前記ノズル形成面に対して垂直な方向を軸として回転する回転方向へ位置調整するための第1回転軸に下ろした垂線と、前記第1方向とが所定の条件となるように配置された位置固定部と、
を備え、
前記第2方向は、前記相対的な移動方向が前記第1方向に傾斜した方向であり、
前記第1方向に隣接するドットを形成する二つのノズルが、前記第2方向に隣接しないように分散させて配置すると共に、前記2次元状に配置された複数のノズルの前記第1方向に直交する第3方向における一端部と他端部とに分離されないように配置したことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 前記基準ノズルは、前記ノズル形成面の前記位置固定部側の端部に位置するノズルであることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記基準ノズルは、前記ノズル形成面の前記第1方向に直交する第3方向の端部に位置するノズルであることを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出ヘッド。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドを着脱自在に保持する前記保持部と、を備えることを特徴とする液滴吐出ヘッドユニット。 - 前記位置固定部は、V溝部を有し、
前記保持部は、前記V溝部に当接する前記位置基準部を有することを特徴とする請求項4に記載の液滴吐出ヘッドユニット。 - 第2回転軸を有する軸部材を有するハウジングと、
前記ハウジングと当接して当該ハウジングの回転を調整する回転調整部と、
前記ハウジングに設けられ、前記液滴吐出ヘッドに当接して前記液滴吐出ヘッドの前記保持部に対する保持位置を調整する位置調整部と、
を備え、
下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項4又は5に記載の液滴吐出ヘッドユニット。
- 画像形成装置の保持部に着脱自在とされ、前記保持部に設けられた位置基準部に当接させることによって、位置調整を行う液滴吐出ヘッドであって、
記録媒体の記録面に対向するノズル形成面上に、前記記録媒体と当該液滴吐出ヘッドとの相対的な移動方向に直交する第1方向と、前記第1方向に交差する第2方向とに、2次元状に配置された複数のノズルと、
前記位置基準部に当接させたときに、前記複数のノズルにおける基準ノズルの中心から、前記液滴吐出ヘッドを前記ノズル形成面に対して垂直な方向を軸として回転する回転方向へ位置調整するための第1回転軸に下ろした垂線と、前記第1方向とが所定の条件となるように配置された位置固定部と、
を有する液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドを着脱自在に保持する前記保持部と、
第2回転軸を有する軸部材を有するハウジングと、
前記ハウジングと当接して当該ハウジングの回転を調整する回転調整部と、
前記ハウジングに設けられ、前記液滴吐出ヘッドに当接して前記液滴吐出ヘッドの前記保持部に対する保持位置を調整する位置調整部と、
を備え、
下記式(1)を満たすことを特徴とする液滴吐出ヘッドユニット。
- 前記基準ノズルは、前記ノズル形成面の前記位置固定部側の端部に位置するノズルであることを特徴とする請求項7に記載の液滴吐出ヘッドユニット。
- 前記基準ノズルは、前記ノズル形成面の前記第1方向に直交する第3方向の端部に位置するノズルであることを特徴とする請求項8に記載の液滴吐出ヘッドユニット。
- 前記第2方向は、前記相対的な移動方向が前記第1方向に傾斜した方向であり、
前記第1方向に隣接するドットを形成する二つのノズルが、前記第2方向に隣接しないように分散させて配置すると共に、前記2次元状に配置された複数のノズルの前記第1方向に直交する第3方向における一端部と他端部とに分離されないように配置したことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドユニット。 - 前記位置固定部は、V溝部を有し、
前記保持部は、前記V溝部に当接する前記位置基準部を有することを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドユニット。 - 前記位置調整部の先端部、又は、前記位置調整部が当接する前記液滴吐出ヘッドの当接部、のどちらか一方が球面状であることを特徴とする請求項6〜11のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドユニット。
- 請求項4〜12のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドユニットを備えることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドを前記保持部に実装する、液滴吐出ヘッドの実装方法であって、
前記ノズル形成面に対して垂直な軸に対する回転方向への位置調整を、前記位置固定部と前記位置基準部とを当接させながら、前記位置基準部を軸にして回動させることによって行うことを特徴とする液滴吐出ヘッドの実装方法。
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