JP2020131626A - 造形装置及び造形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より高い品質で造形物を適切に造形する。【解決手段】造形物50を造形する造形装置12であって、複数のノズルを有するヘッド部102と、主走査動作及び副走査動作ヘッド部102に行わせる走査駆動部106とを備え、副走査方向における位置を同じにする1個以上のノズルからなる群をノズル群と定義した場合、ヘッド部102は、副走査方向における位置が互いに異なる複数のノズル群を有し、造形物50を構成する領域に対して1回の主走査動作で主走査方向における単位長さあたりに一つのノズル群から吐出するインクの量を主走査時単位吐出量と定義した場合、主走査動作において、副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つのノズル群は、副走査方向における端の近傍以外の位置にあるノズル群よりも主走査時単位吐出量が少なくなるようにインクを吐出する。【選択図】図1

Description

本発明は、造形装置及び造形方法に関する。
従来、インクジェットヘッドを用いて造形物を造形する造形装置(3Dプリンタ)が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような造形装置においては、例えば、インクジェットヘッド等の吐出ヘッドにより形成するインクの層を複数層重ねることにより、積層造形法で造形物を造形する。
特開2015−071282号公報
積層造形法で造形物の造形を行う場合、例えば、複数のノズルを有する吐出ヘッドを用いて、造形の材料となるインクをそれぞれのノズルから吐出することが考えられる。また、この場合、造形物を構成する各層(インクの層)について、例えば、造形中の造形物に対して相対的に吐出ヘッドを移動させながら形成することが考えられる。
しかし、このようにしてインクの層を形成する場合、例えば、吐出ヘッドの端に対応する位置において、意図しない縞等の模様(例えば、スジ状の模様)が発生する場合がある。また、このような縞等が発生することで、造形物の品質が低下する場合がある。そのため、より高い品質で造形物を造形するためには、このような縞等の発生を防ぐことが望ましい。そこで、本発明は、上記の課題を解決できる造形装置及び造形方法を提供することを目的とする。
本願の発明者は、インクジェットヘッド等の吐出ヘッドを用いて造形物の造形を行う場合に関し、上記のような縞等が発生する理由を究明すべく、鋭意研究を行った。そして、一つのインクの形成時に各位置に形成されるインクのドットの高さに関し、吐出ヘッドの端に対応する位置の付近で、周囲と比べてドットの高さが高くなる場合があることを見出した。また、この場合において、更に、一部の位置でドットの高さが高くなることで、形成中のインクの層の最上面の高さから相対的に凹む凹み部分がその近辺に形成され、縞等の模様が発生することを見出した。
これに対し、本願の発明者は、吐出ヘッドにおける端近辺のノズルから吐出するインクの量を少なくすることで、吐出ヘッドの端に対応する位置近辺でドットの高さを適切な範囲に調整し得ることを見出した。また、これにより、意図しない縞等の模様の発生等を適切に防止し、より高い品質で造形物を適切に造形できることを見出した。また、本願の発明者は、更なる鋭意研究により、このような効果を得るために必要な特徴を見出し、本発明に至った。
上記の課題を解決するために、本発明は、立体的な造形物を造形する造形装置であって、前記造形物の材料を吐出するヘッド部と、造形中の前記造形物に対して相対的に移動する走査動作を前記ヘッド部に行わせる走査駆動部とを備え、前記走査駆動部は、前記走査動作として、少なくとも、予め設定された主走査方向へ造形中の前記造形物に対して相対的に移動しつつ前記材料を吐出する主走査動作と、前記主走査方向と直交する副走査方向へ前記造形中の造形物に対して相対的に移動する副走査動作とを前記ヘッド部に行わせ、前記ヘッド部は、前記主走査動作時に前記材料を吐出する複数のノズルを有し、前記副走査方向における位置を同じにする1個以上のノズルからなる群をノズル群と定義した場合、前記ヘッド部は、対応する前記副走査方向における位置が互いに異なる複数の前記ノズル群を有し、前記造形物を構成する領域に対して1回の前記主走査動作で前記主走査方向における単位長さあたりに一つの前記ノズル群から吐出する前記材料の量を主走査時単位吐出量と定義した場合、少なくとも一部の回の前記主走査動作において、前記副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つの前記ノズル群は、前記副走査方向における端の近傍以外の位置にある前記ノズル群よりも前記主走査時単位吐出量が少なくなるように前記材料を吐出することを特徴とする。
このように構成した場合、例えば、副走査方向における端の近傍にある少なくとも一つのノズル群の主走査時単位吐出量を少なくすることで、副走査方向におけるヘッド部の端に対応する位置に吐出される造形物の材料の合計量を適切に低減することができる。また、これにより、例えば、吐出された材料により形成されるドットの高さが吐出ヘッドの端に対応する位置近辺で過度に高くなること等を適切に防ぐことができる。また、この場合、ドットの高さが過度に高くなること等を防ぐことで、例えば、高くなった位置から大きく凹む凹み部分が発生すること等も防ぐことができる。そのため、このように構成すれば、例えば、意図しない縞等の模様の発生等を適切に防止することができる。また、これにより、例えば、より高い品質で造形物を適切に造形することができる。
ここで、この構成において、ヘッド部の端とは、例えば、ノズルが存在する範囲の端のことである。また、より具体的に、ヘッド部の端については、例えば、副走査方向における一番端のノズル群に含まれるノズルに対応する位置等と考えることができる。また、この構成において、ヘッド部は、例えば、造形物の材料をそれぞれが吐出する複数の吐出ヘッドを有する。このような吐出ヘッドとしては、例えば、造形物の材料となるインクをインクジェット方式で吐出するインクジェットヘッド等を好適に用いることができる。この場合、インクとしては、例えば、紫外線硬化型インク等を好適に用いることができる。また、この場合、複数の吐出ヘッドのそれぞれは、例えば、副走査方向における位置を互いに異ならせて並ぶ複数のノズルを有する。この場合、それぞれの吐出ヘッドにおいて、複数のノズルは、例えば、副走査方向における間隔を一定にして並ぶ。
また、ヘッド部において、複数の吐出ヘッドは、例えば、副走査方向における位置を揃えて、主走査方向へ並べて配設される。この場合、ノズル群については、例えば、複数の吐出ヘッドが有するノズルのうち、副走査方向における位置を同じにする1個以上のノズルからなる群等と考えることができる。このように構成すれば、例えば、副走査方向におけるヘッド部の各位置に対応する位置に吐出される造形物の材料の合計量とノズル群とを適切に対応付けることができる。
また、この構成において、ヘッド部に走査動作を行わせるとは、例えば、ヘッド部における吐出ヘッドに走査動作を行わせることである。また、走査駆動部は、主走査動作及び副走査動作に加え、例えば、積層方向走査をヘッド部に行わせる。この場合、積層方向走査とは、例えば、主走査方向及び副走査方向と直交する積層方向へ造形中の造形物に対して相対的に移動する動作のことである。このように構成すれば、例えば、積層造形法による造形物の造形を適切に行うことができる。積層造形法とは、例えば、造形物の材料の層を複数層重ねて形成することで造形物を造形する方法のことである。また、この場合、それぞれの層について、例えば、層の各位置に対して複数回の主走査動作を行うマルチパス方式で形成することが考えられる。このように構成すれば、例えば、高い精度で造形物の造形を適切に行うことができる。
また、積層造形法で造形物の造形を行う場合、一番上側になる層以外の層は、他の層により覆われることになる。そして、この場合、例えば、上にある程度の数の層が形成されると、下の層に凹み等が生じていても、造形物の品質への影響が無視できる場合もある。そのため、造形物の材料の層を複数層積層することで造形物を造形する場合には、上記のような主走査時単位吐出量の調整について、最上層付近の一部の層の形成時のみに行ってもよい。より具体的に、この場合、例えば、造形物の完成時に造形物を構成する層の中で積層方向における一番上側になる層の形成時に行う少なくとも一部の回の主走査動作において、副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つのノズル群は、副走査方向における端の近傍以外の位置にあるノズル群よりも主走査時単位吐出量が少なくなるように造形物の材料を吐出する。また、この場合、一番上側以外の少なくともいずれかの層の形成時に行う主走査動作では、例えば、上記の少なくとも一つのノズル群に対応する主走査時単位吐出量と、端の近傍以外の位置にあるノズル群に対応する主走査時単位吐出量とを同じにする。このように構成した場合も、高い品質で造形物を適切に造形することができる。
また、この構成において、走査時単位吐出量の調整については、例えば、1回の吐出動作で一つのノズルから吐出する造形物の材料の容量である吐出容量を変化させることで行うことが考えられる。この場合、吐出容量を変化させるとは、例えば、本来の吐出容量に対して吐出容量を変化させることである。また、本来の吐出容量とは、例えば、走査時単位吐出量の調整を行わないノズル群にそのノズルが含まれているとした場合に設定されるべき吐出容量のことである。また、より具体的に、この場合、例えば、副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つのノズル群は、吐出容量を副走査方向における端の近傍以外の位置にあるノズル群よりも少なくすることにより、副走査方向における端の近傍以外の位置にあるノズル群よりも主走査時単位吐出量を少なくする。このように構成すれば、例えば、走査時単位吐出量の調整を適切に行うことができる。
また、上記のような意図しない縞等の模様は、いわゆる小ピッチパス方式で層の形成を行う場合に特に発生しやすいと考えられる。この場合、小ピッチパス方式とは、例えば、所定のパス数分の主走査動作を行う間に行う副走査動作での移動量(送り量)を小さくしておき、パス数分の主走査動作を行う毎により大きな移動量での副走査動作を行う方法のことである。より具体的に、この場合、走査駆動部は、ヘッド部に、副走査動作として、例えば、副走査方向への移動量を相対的に小さくした副走査動作である小ピッチ走査と、副走査方向への移動量を相対的に大きくした副走査動作である大ピッチ走査とを行わせる。この場合、大ピッチ走査は、例えば、予め設定されたN回(Nは、2以上の整数)の主走査動作が行われる毎にヘッド部に行わせる副走査動作である。また、小ピッチ走査は、連続して行われるN回の主走査動作の少なくとも一部の合間にヘッド部に行わせる副走査動作である。これに対し、上記のような走査時単位吐出量の調整を行う場合、小ピッチパス方式で層の形成を行う場合にも、上記のような意図しない縞等の模様の発生等を適切に防止することができる。
尚、上記の数Nについては、一つの層における各位置に対して行う主走査動作の回数であるパス数等と考えることができる。また、小ピッチパス方式で層の形成を行う場合、小ピッチ走査での移動量については、例えば、ヘッド部におけるノズル列長をパス数Nで除した距離よりも小さくすることが考えられる。この場合、ノズル列長とは、例えば、副走査方向における位置を揃えた吐出ヘッドにおいてノズルが存在する範囲の副走査方向における幅等と考えることができる。また、小ピッチ走査での移動量については、副走査方向におけるノズルの間隔であるノズルピッチの10倍以下程度(好ましくは、5倍以下程度、更に好ましくは、2倍以下程度)にすることが好ましい。また、小ピッチ走査での移動量は、ノズルピッチ未満の距離であってもよい。また、大ピッチ走査での移動量については、ノズル列長に対応する距離にすることが考えられる。ノズル列長に対応する距離とは、例えば、ノズル列長に対し、小ピッチパスでのヘッド部の移動量の合計分に合わせた調整を行った距離のことである。
また、この構成において、走査時単位吐出量の調整を行うノズル群としては、副走査方向における一番端のノズル群を用いることが考えられる。この場合、副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある上記の少なくとも一つのノズル群について、一方の端の側における一番端のノズル群を含むと考えることができる。このように構成すれば、例えば、副走査方向におけるヘッド部の端に対応する位置に吐出される造形物の材料の合計量を適切に低減することができる。
また、走査時単位吐出量の調整については、副走査方向におけるヘッド部の両方の端近辺で行うことが考えられる。この場合、少なくとも一部の回の主走査動作において、副走査方向における一方の端と反対側の端の近傍にある少なくとも一つのノズル群も、副走査方向における端の近傍以外の位置にあるノズル群よりも主走査時単位吐出量が少なくなるように、造形物の材料を吐出する。このように構成すれば、例えば、副走査方向におけるヘッド部の端に対応する位置に吐出される造形物の材料の合計量をより適切に低減することができる。
また、走査時単位吐出量の調整については、副走査方向におけるヘッド部の片側の端近辺のみで行ってもよい。この場合、少なくとも一部の回の主走査動作において、副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つのノズル群は、副走査方向における一方の端と反対側の端の近傍にあるノズル群よりも主走査時単位吐出量が少なくなるように、造形物の材料を吐出する。このように構成した場合も、例えば、副走査方向におけるヘッド部の端に対応する位置に吐出される造形物の材料の合計量を適切に低減することができる。
また、この構成において、造形物の材料の層の形成時には、平坦化ローラ等の平坦化手段を用いて、層を平坦化することが好ましい。この場合、ヘッド部は、例えば、造形物の材料を吐出する吐出ヘッドと、造形物の材料の層を平坦化する平坦化手段とを有する。また、この場合、走査時単位吐出量の調整については、例えば、単に平坦化手段での平坦化を行っても残る模様等の発生を防止するために行うと考えることができる。より具体的に、例えば、少なくとも一部の回の主走査動作において、副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つのノズル群に対応する主走査時単位吐出量を副走査方向における端の近傍以外の位置にあるノズル群に対応する主走査時単位吐出量よりも少なくしなかった場合には、平坦化手段で平坦化を行った後の材料の層の表面において、副走査方向における少なくとも一方の端に対応する位置に凹みが形成されると考えることができる。また、この場合、少なくとも一部の回の主走査動作において、副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つのノズル群に対応する主走査時単位吐出量を副走査方向における端の近傍以外の位置にあるノズル群に対応する主走査時単位吐出量よりも少なくすることにより、このような凹みが形成されないように、材料の層を形成する。この場合、凹みが形成されないとは、例えば、求められる造形の精度に応じて実質的に凹みが形成されないことである。このように構成すれば、例えば、高い精度で造形物の造形をより適切に行うことができる。
また、本発明の構成として、上記と同様の特徴を有する造形方法等を用いることも考えられる。この場合も、例えば、上記と同様の効果を得ることができる。また、この場合、造形方法について、例えば、造形物の製造方法等と考えることもできる。また、本発明の構成として、例えば、上記の一部の特徴を含む造形装置や造形方法等を考えることもできる。
本発明によれば、例えば、より高い品質で造形物を適切に造形することができる。
本発明の一実施形態に係る造形システム10の一例を示す図である。図1(a)は、造形システム10の構成の一例を示す。図1(b)は、造形装置12の要部の構成の一例を示す。図1(c)は、ヘッド部102の構成の一例を示す。 インクジェットヘッド202s〜tの並び方の一例を示す図である。 マルチパス方式でインクの層を形成する動作について説明をする図である。図3(a)は、副走査動作での移動量を一定の距離にして行うマルチパス方式の動作の一例を示す。図3(b)は、小ピッチパス方式の動作の一例を示す。 小ピッチパス方式でインクの層を形成する動作について更に詳しく説明をする図である。図4(a)は、副走査方向における幅がノズル列長Lよりも大きなインクの層を小ピッチパス方式で形成する動作の一例を示す。図4(b)は、副走査方向における幅が更に大きなインクの層を小ピッチパス方式で形成する動作の一例を示す。 従来の方法でのインクの吐出の仕方について説明をする図である。図5(a)は、従来の方法でのインクの吐出を行った場合に形成されるインクのドットの一例を示す。図5(b)は、実際の造形時に形成されるインクのドットの並びの例を示す。図5(c)は、図5(b)に示したドットの並びの一部を拡大して示す。 本例におけるインクの吐出の仕方について説明をする図である。図6(a)は、本例の方法でヘッド部102を用いてインクの吐出を行った場合に形成されるインクのドットの一例を示す。図6(b)は、本例において実際の造形時に形成されるインクのドットの並びの例を示す。 主走査時単位吐出量の調整の仕方の変形例について説明をする図である。図7(a)〜(d)は、主走査時単位吐出量の調整の仕方の様々な変形例を示す。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る造形システム10の一例を示す。図1(a)は、造形システム10の構成の一例を示す。本例において、造形システム10は、立体的な造形物を造形する造形システムであり、造形装置12及び制御PC14を備える。
造形装置12は、造形物を造形する動作を実行する造形部の一例である。本例において、造形装置12は、フルカラーでの着色がされた造形物を造形可能なフルカラー造形装置であり、造形しようとする造形物を示すデータである造形物データを制御PC14から受け取り、造形物データに基づいて、造形物を造形する。また、これにより、造形装置12は、制御PC14の制御に応じて造形物を造形する。また、造形物の造形時において、造形装置12は、必要に応じて、造形物の周囲等に、サポート層を形成する。サポート層とは、例えば、造形中の造形物の少なくとも一部を支持する積層構造物のことである。サポート層は、造形物の造形時において必要に応じて形成され、造形の完了後に除去される。
制御PC14は、造形装置12において造形物を造形する動作の制御を行う造形制御部の一例である。本例において、制御PC14は、所定のプログラムを実行することで造形装置12の動作を制御するコンピュータ(ホストPC)であり、造形物データを造形装置12へ供給することにより、造形装置12による造形の動作を制御する。
尚、上記のように、本例において、造形システム10は、複数の装置である造形装置12及び制御PC14により構成されている。しかし、造形システム10の変形例において、造形システム10は、一台の装置により構成されてもよい。この場合、例えば、制御PC14の機能を含む一台の造形装置12により造形システム10を構成すること等が考えられる。また、造形システム10については、例えば、3台以上の装置により構成されてもよい。この場合、造形装置12又は制御PC14の一部の機能を他の装置で実行すること等が考えられる。
続いて、造形装置12の具体的な構成について、説明をする。図1(b)は、造形装置12の要部の構成の一例を示す。本例において、造形装置12は、立体的な造形物50を造形する造形装置であり、ヘッド部102、造形台104、走査駆動部106、及び制御部110を有する。
尚、以下に説明をする点を除き、造形装置12は、公知の造形装置と同一又は同様の構成を有してよい。より具体的に、以下に説明をする点を除き、造形装置12は、インクジェットヘッドを用いて造形物50の材料となる液滴を吐出することで造形を行う公知の造形装置と同一又は同様の特徴を有してよい。また、造形装置12は、図示した構成以外にも、例えば、造形物50の造形等に必要な各種構成を更に備えてよい。また、本例において、造形装置12は、積層造形法により立体的な造形物50を造形する造形装置(3Dプリンタ)である。この場合、積層造形法とは、例えば、複数の層を重ねて造形物50を造形する方法のことである。造形物50とは、例えば、立体的な三次元構造物のことである。
ヘッド部102は、造形物50の材料(造形物用材料)を吐出する部分である。また、本例において、造形物50の材料としては、インクを用いる。この場合、インクとは、例えば、機能性の液体のことである。また、本例において、インクについては、例えば、インクジェットヘッドから吐出する液体等と考えることもできる。また、より具体的に、ヘッド部102は、造形物50の材料として、複数のインクジェットヘッドから、所定の条件に応じて硬化するインクを吐出する。そして、着弾後のインクを硬化させることにより、造形物50を構成する各層を重ねて形成して、積層造形法で造形物を造形する。また、本例では、インクとして、紫外線の照射により液体状態から硬化する紫外線硬化型インク(UVインク)を用いる。また、本例において、ヘッド部102は、造形物50の材料として用いるインクに加え、サポート層52の材料であるサポート材として用いるインクを更に吐出する。また、これにより、ヘッド部102は、造形物50の周囲等に、必要に応じて、サポート層52を形成する。
造形台104は、造形中の造形物50を支持する台状部材であり、ヘッド部102におけるインクジェットヘッドと対向する位置に配設され、造形中の造形物50及びサポート層52を上面に載置する。また、本例において、造形台104は、少なくとも上面が積層方向(図中のZ方向)へ移動可能な構成を有しており、走査駆動部106に駆動されることにより、造形物50の造形の進行に合わせて、少なくとも上面を移動させる。この場合、積層方向とは、例えば、積層造形法において造形の材料が積層される方向のことである。また、本例において、積層方向は、造形装置12において予め設定される主走査方向(図中のY方向)及び副走査方向(図中のX方向)と直交する方向である。
走査駆動部106は、造形中の造形物50に対して相対的に移動する走査動作をヘッド部102に行わせる駆動部である。この場合、造形中の造形物50に対して相対的に移動するとは、例えば、造形台104に対して相対的に移動することである。また、ヘッド部102に走査動作を行わせるとは、例えば、ヘッド部102が有するインクジェットヘッドに走査動作を行わせることである。また、本例において、走査駆動部106は、走査動作として、主走査動作(Y走査)、副走査動作(X走査)、及び積層方向走査(Z走査)をヘッド部102に行わせる。
主走査動作とは、例えば、造形中の造形物50に対して相対的に主走査方向へ移動しつつインクを吐出する動作のことである。副走査動作とは、例えば、主走査方向と直交する副走査方向へ造形中の造形物50に対して相対的に移動する動作のことである。副走査動作については、例えば、予め設定された送り量だけ副走査方向へ造形台104に対して相対的に移動する動作等と考えることもできる。また、積層方向走査とは、例えば、造形中の造形物50に対して相対的に積層方向へヘッド部102を移動させる動作のことである。走査駆動部106は、造形の動作の進行に合わせてヘッド部102に積層方向走査を行わせることにより、積層方向において、造形中の造形物50に対するインクジェットヘッドの相対位置を調整する。このように構成すれば、例えば、積層造形法による造形物50の造形を適切に行うことができる。
制御部110は、例えば造形装置12のCPUを含む構成であり、造形装置12の各部を制御することにより、造形装置12において造形物50及びサポート層52を形成する動作を各部に実行させる。また、より具体的に、本例において、制御部110は、制御PC14から受け取る造形物データに基づき、スライスデータを生成する。この場合、スライスデータとは、例えば、造形物50及びサポート層52の断面を示すデータのことである。また、制御部110は、予め設定された間隔で設定される積層方向における複数の位置に対応する複数のスライスデータを生成する。そして、造形物50を構成するそれぞれのインクの層を形成する動作において、例えば、ヘッド部102における各インクジェットヘッドの動作をインクの層の位置に対応するスライスデータに従って制御することにより、造形物50及びサポート層52の形成に用いるインクを各インクジェットヘッドに吐出させる。
続いて、造形装置12におけるヘッド部102の構成について、更に詳しく説明をする。図1(c)は、ヘッド部102の構成の一例を示す。本例において、ヘッド部102は、複数のインクジェットヘッド、複数の紫外線光源204、及び平坦化ローラ206を有する。また、複数のインクジェットヘッドとして、図中に示すように、インクジェットヘッド202s、インクジェットヘッド202w、インクジェットヘッド202y、インクジェットヘッド202m、インクジェットヘッド202c、インクジェットヘッド202k、及びインクジェットヘッド202t(以下、インクジェットヘッド202s〜tという)を有する。これらの複数のインクジェットヘッドは、吐出ヘッドの一例であり、例えば、副走査方向における位置を揃えて、主走査方向へ並べて配設される。また、それぞれのインクジェットヘッドは、造形台104と対向する面に、所定のノズル列方向へ複数のノズルが並ぶノズル列を有する。また、本例において、ノズル列方向は、副走査方向と平行な方向である。
また、これらのインクジェットヘッドのうち、インクジェットヘッド202sは、サポート材として用いるインクを吐出するインクジェットヘッドである。サポート材としては、例えば、サポート層用の公知の材料を好適に用いることができる。また、ヘッド部102における複数のインクジェットヘッドのうち、インクジェットヘッド202s以外のインクジェットヘッドは、造形物50の材料となるインクを吐出する。造形物50の材料となるインクとは、例えば、造形物50の完成時に造形物の一部を構成するインクのことである。
また、これらのインクジェットヘッドのうち、インクジェットヘッド202wは、白色(W色)のインクを吐出するインクジェットヘッドである。白色のインクは、光反射性のインクの一例であり、例えば造形物50において光を反射する性質の領域(光反射領域)を形成する場合に用いられる。この光反射領域は、例えば、造形物50表面に対してフルカラー表現での着色を行う場合に、造形物50の外部から入射する光を反射する。また、本例においては、例えば、造形物50の内部を構成する領域である内部領域を白色のインクで形成することにより、内部領域を光反射領域として機能させる。内部領域については、例えば、光反射領域とは別の領域として形成してもよい。この場合、内部領域について、白色のインク以外のインクを用いて形成することが考えられる。
インクジェットヘッド202y、インクジェットヘッド202m、インクジェットヘッド202c、インクジェットヘッド202kは、着色された造形物50の造形時に用いられる着色用のインクジェットヘッドである。より具体的に、インクジェットヘッド202yは、イエロー色(Y色)のインクを吐出する。インクジェットヘッド202mは、マゼンタ色(M色)のインクを吐出する。インクジェットヘッド202cは、シアン色(C色)のインクを吐出する。また、インクジェットヘッド202kは、ブラック色(K色)のインクを吐出する。また、本例において、YMCKの各色は、減法混色法によるフルカラー表現に用いるプロセスカラーの一例である。また、インクジェットヘッド202tは、クリアインクを吐出するインクジェットヘッドである。クリアインクとは、例えば、可視光に対して無色で透明(T)なクリア色のインクのことである。
複数の紫外線光源204は、インクを硬化させるための光源(UV光源)であり、紫外線硬化型インクを硬化させる紫外線を発生する。また、本例において、複数の紫外線光源204のそれぞれは、間にインクジェットヘッドの並びを挟むように、ヘッド部102における主走査方向の一端側及び他端側のそれぞれに配設される。紫外線光源204としては、例えば、UVLED(紫外LED)等を好適に用いることができる。また、紫外線光源204として、メタルハライドランプや水銀ランプ等を用いることも考えられる。平坦化ローラ206は、造形物50の造形中に形成されるインクの層を平坦化するための平坦化手段である。平坦化ローラ206は、例えば主走査動作時において、インクの層の表面と接触して、硬化前のインクの一部を除去することにより、インクの層を平坦化する。
以上のような構成のヘッド部102を用いることにより、造形物50を構成するインクの層を適切に形成できる。また、複数のインクの層を重ねて形成することにより、造形物50を適切に造形できる。
ここで、ヘッド部102におけるインクジェットヘッド202s〜tの並び方等について、更に詳しく説明をする。図2は、インクジェットヘッド202s〜tの並び方の一例を示す。上記においても説明をしたように、本例のヘッド部102(図1参照)が有するインクジェットヘッド202s〜tのそれぞれは、副走査方向と平行なノズル列方向へ複数のノズル302が並ぶノズル列を有する。この場合、インクジェットヘッド202s〜tのそれぞれにおけるノズル列については、例えば、ノズル302の数及びノズル302の間隔(ノズルピッチ)を同一にすることが考えられる。より具体的に、インクジェットヘッド202s〜tのそれぞれとしては、同一機種のインクジェットヘッドを用いることが好ましい。また、本例において、インクジェットヘッド202s〜tのそれぞれのノズル列を構成するノズル302は、例えば図中に示すように、副走査方向における間隔を一定の距離dにして並んでいる。
また、上記においても説明をしたように、本例において、インクジェットヘッド202s〜tは、副走査方向における位置を揃えて、主走査方向へ並べて配設される。この場合、インクジェットヘッド202s〜tの副走査方向における位置を揃えるとは、例えば図中示すように、インクジェットヘッド202s〜tのそれぞれにおける対応するノズル302の副走査方向における位置を揃えることである。また、対応するノズル302とは、インクジェットヘッド202s〜tのそれぞれにおけるノズル列の中での相対位置が同じノズル302のことである。
また、より具体的に、この場合、インクジェットヘッド202s〜tのそれぞれにおける対応するノズル302は、図中に破線を重ねて示すように、副走査方向における位置を揃えて主走査方向へ並ぶことになる。そして、この場合、同じ破線の位置にある複数のノズル302について、副走査方向における位置を同じにするノズル302からなるノズル群と考えることができる。また、より一般化して考えた場合、ノズル群については、例えば、複数のインクジェットヘッドが有するノズル302のうち、副走査方向における位置を同じにする1個以上のノズル302からなる群等と考えることができる。このようなノズル群を考えることにより、例えば、副走査方向におけるヘッド部102の各位置に対応する位置に吐出されるインクの合計量とノズル群とを適切に対応付けることができる。
また、主走査動作時において、インクジェットヘッド202s〜tのそれぞれは、ノズル列におけるそれぞれのノズル302からインクを吐出する。この場合、同じノズル群に含まれる複数のノズル302については、1回の主走査動作中に同じ吐出位置へインクを吐出可能なノズル302と考えることができる。そのため、造形中の造形物の各位置に各回の主走査動作で吐出されるインクの量を考える場合には、同じノズル群に含まれるノズル302から吐出されるインクの量の合計を考慮することが重要である。
尚、図2においては、図示の便宜上、インクジェットヘッド202s〜tのそれぞれにおいてノズル列を構成するノズル302の数について、32個にしている。しかし、より高速に造形物の造形を行うことを考えた場合、ノズル列を構成するノズル302の数については、より多くの数(例えば、100個以上、好ましくは200以上)にすることが好ましい。また、図2においては、後に行う説明の都合上、副走査方向の各位置のノズル群を示す破線に対し、符号A1〜A3、B1〜B3、及びCを付して示している。また、これらの破線の位置のノズル群については、例えば、対応する副走査方向における位置が互いに異なる複数のノズル群の一例と考えることができる。また、この場合、符号A1〜A3を付した破線に対応するノズル群は、副走査方向における一方の端の近傍にあるノズル群の一例である。符号B1〜B3を付した破線に対応するノズル群は、副走査方向における一方の端と反対側の端である他方の端の近傍にあるノズル群の一例である。副走査方向における端の近傍にあるノズル群とは、例えば、端から5番目以内(好ましくは、3番目以内、更に好ましくは2番目以内)のノズル群のことである。また、符号Cを付したノズル群は、副走査方向における端の近傍以外の位置にあるノズル群の一例である。また、ヘッド部102における各インクジェットヘッドからインクを吐出する動作については、これらのノズル群と関連付けて、後に更に詳しく説明をする。
続いて、本例においてインクの層を形成する動作について、更に詳しく説明をする。本例において、造形装置12は、積層するそれぞれのインクの層について、マルチパス方式で形成する。この場合、マルチパス方式とは、例えば、インクの層の各位置に対して複数回の主走査動作を行う方式のことである。マルチパス方式でインクの層を形成することにより、例えば、高い精度で造形物の造形を適切に行うことができる。
図3は、マルチパス方式でインクの層を形成する動作について説明をする図である。図3(a)は、副走査動作での移動量を一定の距離にして行うマルチパス方式の動作の一例を示す。副走査動作での移動量を一定の距離にして行うマルチパス方式の動作とは、例えば、2次元の画像を印刷するインクジェットプリンタにおいて行うマルチパス方式と同様の動作のことである。インクジェットプリンタにおいて行うマルチパス方式と同様の動作とは、例えば、インクジェットプリンタにおいてマルチパス方式で画像を印刷する動作と同様にして一つのインクの層を形成する動作のことである。また、図3(a)に示すマルチパス方式の動作については、例えば、一般的なマルチパス方式の動作の例と考えることもできる。
また、より具体的に、図3においては、ヘッド部102におけるインクジェットヘッド202s〜t(図1参照)について、まとめて、一つのインクジェットヘッド202として図示している。また、図3(a)に示す動作では、1回の副走査動作において造形中の造形物50に対して相対的にインクジェットヘッド202を移動させる移動量である副走査送り量について、ノズル列長Lをパス数N(Nは、2以上の整数)で除した距離L/Nに設定している。この場合、ノズル列長Lとは、インクジェットヘッド202(インクジェットヘッド202s〜tのそれぞれ)におけるノズル列の副走査方向における幅のことである。また、ノズル列長Lについては、例えば、副走査方向における位置を揃えたインクジェットヘッドにおいてノズルが存在する範囲の副走査方向における幅等と考えることもできる。
また、パス数Nとは、一つのインクの層の形成時に層の各位置に対して行う主走査動作の回数のことである。また、副走査送り量を距離L/Nに設定するとは、副走査送り量を実質的に距離L/Nに設定することであってよい。副走査送り量を実質的に距離L/Nに設定するとは、例えば、マルチパスの動作の制御の都合上で生じる調整量分等のずれを許容して、距離L/Nと等しく設定することである。
また、図3(a)においては、パス数Nが4である場合に連続して行う6回の主走査動作について、インクジェットヘッド202の副走査方向における位置の例を示している。図中において、丸で囲んで示す数字1〜6は、この6回の主走査動作のうちのいずれの回に対応するかを示す数字である。また、図3(a)において、文字Fは、図中に示すマルチパス方式の動作での副走査送り量を示している。この場合、Fは、L/Nと等しい。また、パス数が4回の場合、F=L/4になる。また、図示した場合において、形成中のインクの層の副走査方向における幅は、ノズル列長Lの1/2より大きく、かつ、ノズル列長Lの3/4よりも小さくなっている。そして、この場合、図中に示すように、インクの層の各位置に対してパス数である4回分の主走査動作を行うためには、6回の主走査動作を行うことが必要になる。
また、造形物50を構成するインクの層の形成時には、インクジェットプリンタにおいて行うマルチパス方式とは異なる方法でインクの層を形成することも考えられる。また、このような方法として、例えば、小ピッチパス方式でインクの層を形成すること等が考えられる。
図3(b)は、小ピッチパス方式の動作の一例を示す。この場合、小ピッチパス方式とは、例えば、所定のパス数分の主走査動作を行う間に行う副走査動作での移動量(送り量)を小さくしておき、パス数分の主走査動作を行う毎により大きな移動量での副走査動作を行う方法のことである。また、図3(b)においては、パス数Nが4である場合に連続して行う4回の主走査動作について、インクジェットヘッド202の副走査方向における位置の例を示している。図中において、丸で囲んで示す数字1〜4は、この4回の主走査動作のうちのいずれの回に対応するかを示す数字である。また、図示した場合において、形成中のインクの層の副走査方向における幅は、図3(a)に示す場合と同じである。
ここで、一つのインクの層の形成時に同じ位置に対してパス数分のN回の主走査動作を行う間に行う副走査動作をパス間副走査動作と定義し、パス間副走査動作での副走査送り量(小ピッチ送り量)をFsとした場合、小ピッチパス方式については、例えば、パス間副走査動作での副走査送り量Fsを一般的なマルチパス方式での副走査送り量Fよりも小さくする動作等と考えることができる。この場合、副走査送り量Fsは、ノズル列長Lをパス数Nで除した距離よりも小さくなる。また、同じ位置に対してN回の主走査動作を行う間とは、例えば図中に示すように、一つのインクの層におけるいずれかの位置に対してN回の主走査動作を行う間のことである。パス間副走査動作については、例えば、一つのインクの層の形成時に当該層の少なくとも一部における同じ位置に対してパス数分(N回)の主走査動作を行う間に行う副走査動作等と考えることもできる。
また、小ピッチパス方式での副走査動作の実行時における走査駆動部16(図1参照)の動作については、例えば、パス間副走査動作での副走査送り量Fsを距離L/Nよりも小さくしてインクジェットヘッド202に副走査動作を行わせる動作等と考えることができる。また、小ピッチパス方式におけるパス間副走査動作での副走査送り量Fsについては、通常、距離L/Nの1/2であるL/(2N)よりも小さくすることが考えられる。また、小ピッチパス方式におけるパス間副走査動作での副走査送り量Fsについて、好ましくは、L/(5N)以下程度である。また、インクジェットヘッド202におけるノズルの数が十分に多い場合、小ピッチパス方式におけるパス間副走査動作での副走査送り量Fsについては、L/(10N)以下程度にすることが好ましい。また、ノズル列におけるノズルピッチ(副走査方向におけるノズルの間隔)との関係で考えた場合、パス間副走査動作での副走査送り量Fsについては、ノズルピッチの10倍以下程度にすることが好ましい。副走査送り量Fsは、より好ましくは、ノズルピッチの5倍以下程度、更に好ましくは、ノズルピッチの2倍以下程度である。また、パス間副走査動作での副走査送り量Fsは、ノズルピッチ未満の距離であってもよい。
また、図3(a)、(b)の比較等から理解できるように、小ピッチパス方式でインクの層を形成する場合、インクの層の副走査方向における幅に応じて、多くの場合、一般的なマルチパス方式の動作でインクの層を形成する場合よりも、必要な主走査動作の回数が少なくなる。例えば、図3(a)、(b)に示した場合、副走査方向における幅が同じインクの層を形成するために必要な主走査動作の回数について、一般的なマルチパス方式の動作での回数が6回であるのに対し、小ピッチパス方式の動作では、4回になっている。また、これにより、小ピッチパス方式では、一般的なマルチパス方式と比べ、より短時間でインクの層を形成することが可能になる。また、その結果、造形時間についても、小ピッチパス方式を用いることで、より短くすることができる。
また、小ピッチパス方式でインクの層を形成する場合において、形成しようとするインクの層の副走査方向における幅が大きい場合、例えば、パス数分のN回の主走査動作を行う毎に、パス間副走査動作での副走査送り量Fsよりも大きな副走査送り量Flでの副走査動作を行うことが考えられる。図4は、小ピッチパス方式でインクの層を形成する動作について更に詳しく説明をする図である。図4(a)は、副走査方向における幅がノズル列長Lよりも大きなインクの層を小ピッチパス方式で形成する動作の一例を示す。図中において、丸で囲んで示す数字1〜4は、最初に行うパス数分の主走査動作について、いずれの回に対応するかを示す数字である。また、丸で囲んで示す数字5〜8は、大きな副走査送り量Flでの副走査動作を行った後に行うパス数分の主走査動作である5〜8回目の主走査動作について、いずれの回に対応するかを示す数字である。
上記においても説明をしたように、副走査方向における幅が大きいインクの層を小ピッチパス方式で形成する場合、副走査送り量をFsとする副走査動作を挟んでパス数分の主走査動作を行う毎に、より大きな副走査送り量Flでの副走査方向を行う。また、これにより、次に行うパス数分の主走査動作でインクを吐出する範囲について、副走査送り量Flの分だけ、副走査方向における位置をずらす。このように構成すれば、副走査方向における幅が大きなインクの層を形成する場合にも、小ピッチパス方式での形成を適切に行うことができる。また、この場合も、インクの層の副走査方向における幅に応じて、多くの場合、一般的なマルチパス方式の動作でインクの層を形成する場合よりも、必要な主走査動作の回数が少なくなる。そのため、この場合も、小ピッチパス方式を用いることで、造形時間をより短くすることができる。
ここで、本例において、副走査送り量をFsとする副走査動作は、副走査方向への移動量を相対的に小さくした副走査動作である小ピッチ走査の一例である。この場合、副走査送り量Fsについては、例えば、小ピッチ走査での移動量等と考えることができる。また、副走査送り量をFlとする副走査動作は、副走査方向への移動量を相対的に大きくした副走査動作である大ピッチ走査の一例である。副走査送り量をFsとする副走査動作については、例えば、連続して行われるパス数分のN回(Nは、2以上の整数)の主走査動作の少なくとも一部の合間にヘッド部102(図1参照)に行わせる副走査動作等と考えることもできる。また、副走査送り量をFlとする副走査動作については、例えば、パス数分のN回の主走査動作が行われる毎にヘッド部102に行わせる副走査動作等と考えることもできる。
また、図からわかるように、副走査送り量Flについては、例えば、ノズル列長Lに対応する距離等と考えることができる。ノズル列長Lに対応する距離とは、例えば、ノズル列長Lに対し、パス間副走査動作でのヘッド部102の移動量の合計分に合わせた調整を行った距離のことである。また、より具体的に、副走査送り量Flは、ノズル列長Lに対し、連続して行うパス数分の主走査動作の合間に行うパス間副走査動作での副走査送り量Fsの合計である(N−1)Fsを減じた距離と等しい。すなわち、これらの値の間には、Fl=L−(N−1)Fsの関係が成り立っていると考えることができる。
また、副走査方向における幅がノズル列長Lよりも大きなインクの層を形成する場合において、走査駆動部16(図1参照)の動作については、例えば、インクの層における同じ位置に対してパス数であるN回分の主走査動作をインクジェットヘッド202に行わせる毎に副走査送り量をノズル列長Lに対応する距離に設定した副走査動作をインクジェットヘッド202に行わせる動作等と考えることができる。このように構成すれば、例えば、大きなサイズの造形物50を造形する場合にも、造形物50の造形を適切に行うことができる。
また、この場合、例えば図中に示すように、大きな副走査送り量Flでの副走査動作を行う前のパス数分の主走査動作でインクを吐出する範囲と、この副走査動作の後のパス数分の主走査動作でインクを吐出する範囲とは、一部が重なることになる。また、その結果、インクの層において、このような重なりの部分に相当するつなぎ領域152が形成されることになる。そして、この場合、つなぎ領域152は、形成中に大きな副走査送り量Flでの副走査動作が行われること等により、他の部分と異なる状態で形成されることが考えられる。また、その結果、インクの層において、つなぎ領域152の位置であるつなぎ位置が目立ち、造形の品質に影響が生じること等も考えられる。
また、より具体的に、例えば、複数のノズルが並ぶノズル列を有するインクジェットヘッドを用いる場合、ノズル列の端の近辺のノズル(例えば、一番端のノズル)において、吐出したインクの液滴(インク滴)に飛行曲がり等が生じやすくなる。また、この場合、飛行曲がり等の影響により、例えば、着弾位置のずれ等が生じやすくなる。そして、例えば従来の方法でインクの吐出を行った場合、着弾位置のずれ等が生じると、インクのドットの重なり方にずれ等が生じることで、インクジェットヘッドの端に対応する位置の付近で、周囲と比べてドットの高さが高くなる場合がある。また、この場合において、更に、一部の位置でドットの高さが高くなることで、形成中のインクの層の最上面の高さから相対的に凹む凹み部分(例えば、溝状の凹み部分)がその近辺に形成され、縞等の模様(例えば、スジ状の模様)が発生する場合がある。
更に、小ピッチパス方式でインクの層を形成する場合、小さな副走査送り量Fsを挟んで複数回の主走査動作を行うことで、インクジェットヘッドの端の位置があまり変わらない状態で複数回の主走査動作を行うことになる。また、上記においても説明をしたように、小さな副走査送り量Fsについては、ノズルピッチの数倍以下程度の短い距離にすることが考えられる。そして、この場合、例えば従来の方法でインクの吐出を行うと、上記のような凹み部分が特に形成されやすくなり、造形の品質への影響が大きくなる。また、小ピッチパス方式により、副走査方向における幅が更に大きなインクの層を形成する場合、例えば図4(b)に示すように、一定の周期で複数のつなぎ領域152が形成されることになる。また、その結果、それぞれのつなぎ領域152に生じる模様等が、更に目立ちやすくなる場合がある。
図4(b)は、副走査方向における幅が更に大きなインクの層を小ピッチパス方式で形成する動作の一例を示す。図4(b)においては、図示の便宜上、小さな副走査送り量Fsについて、図4(a)に示した場合よりも小さくした場合を図示している。また、図中に第1パス群、第2パス群、及び第3パス群と示すように、小さな副走査送り量Fsを挟んで行う複数回の主走査動作をまとめて図示している。この場合、図中に示すインクジェットヘッド202は、複数回の主走査動作を行う間の副走査方向におけるインクジェットヘッドの位置を示している。また、第1パス群とは、最初に行うパス数分(N回分)の主走査動作の集合である。第2パス群とは、大きな副走査送り量Flでの副走査動作を挟んで第1パス群に続いて行うパス数分の主走査動作の集合である。第3パス群とは、大きな副走査送り量Flでの副走査動作を挟んで第2パス群に続いて行うパス数分の主走査動作の集合である。また、副走査方向における幅が更に大きなインクの層を形成する場合、大きな副走査送り量Flでの副走査動作を挟んで、更に多くのパス群に対応する主走査動作を行うことが考えられる。
これに対し、本例においては、インクジェットヘッドからのインクの吐出の仕方を従来の方法と異ならせることで、上記のような凹み部分等について、形成されにくくしている。そこで、以下、ヘッド部102における各インクジェットヘッドからインクを吐出する動作について、更に詳しく説明をする。先ず、従来の方法を用いる場合に上記のような凹み部分が形成される理由について、更に詳しく説明をする。
図5は、従来の方法でのインクの吐出の仕方について説明をする図である。図5(a)は、上記において説明をした構成のヘッド部102(図1参照)を用いて従来の方法でのインクの吐出を行った場合に形成されるインクのドットの一例を示す図であり、1回の主走査動作で主走査方向におけるいずれかの位置に形成されるインクのドットの並びを模式的に示す。この場合、主走査方向におけるいずれかの位置に形成されるインクのドットの並びとは、例えば、その回の主走査動作においてヘッド部102におけるインクジェットヘッド202s〜tでインクを吐出可能な吐出位置のうち、主走査方向における位置を揃えて副走査方向へ並ぶ吐出位置に形成されるインクのドットの並びのことである。また、吐出位置とは、造形の解像度に応じて設定されるインクの吐出位置のことである。
また、図2等を用いて説明をしたように、本例のヘッド部102におけるインクジェットヘッド202s〜t(図2参照)が有するノズルは、1回の主走査動作中に同じ吐出位置へインクを吐出可能なノズルを含むノズル群に分けて考えることができる。そして、この場合、それぞれの吐出位置に対しては、一つのノズル群に含まれるいずれかのノズルからインクを吐出することになる。より具体的に、図中において、符号A1〜A3、B1〜B3、及びCを付して示すインクのドットは、図2において同じ符号を付して示されているノズル群に含まれるノズルからインクを吐出することで形成するドットである。
尚、図5(a)においては、図示の便宜上、それぞれの吐出位置に1個のインクのドットのみを図示している。しかし、実際の造形の動作では、一つの吐出位置に対し、1回の主走査動作で複数のインクのドットを形成してもよい。また、以降において説明をする動作においても、同様に考えることができる。
また、図5(a)においては、図示の便宜上、着弾位置のずれ等が生じていない状態でのインクのドットの並びを示している。より具体的に、従来の方法でノズルからインクを吐出する場合、通常、全てのノズルに同じ条件でインクを吐出させる。この場合、同じ条件でインクを吐出させるとは、例えば、本例の構成に関して以下において説明をするような、ノズルの位置によってインクの吐出容量(ボリューム)を変化させる調整等を行わないことである。そして、この場合、主走査方向の位置を同じにする複数の吐出位置には、例えば図中に示すように、高さが均一なインクのドットが一列に並ぶように形成される。しかし、実際の造形時には、様々な要因で着弾位置のずれ等が生じることが考えられる。また、その結果、ドットの高さに差が生じること等が考えられる。
図5(b)は、実際の造形時に形成されるインクのドットの並びの例を示す図であり、上記において説明をした第1パス群及び第2パス群のそれぞれに対応する領域の境界付近に形成されるインクのドットの並びの一例を示す。図5(c)は、図5(b)に示したドットの並びの一部を拡大して示す図であり、第1パス群及び第2パス群のそれぞれに対応する領域の境界付近に形成される複数のドットを拡大して示す。
また、図中において、第1パス群と対応付けられて示されているインクのドットの並びは、第1パス群に含まれるいずれかの回の主走査動作で形成されるインクのドットの並びである。第2パス群と対応付けられて示されているインクのドットの並びは、第2パス群に含まれるいずれかの回の主走査動作で形成されるインクのドットの並びである。また、図中の符号A1、A2、B1、及びB2は、図2において同じ符号を付して示されているノズル群に含まれるノズルからインクを吐出することで形成されるインクのドットを示している。
また、上記においても説明をしたように、複数のノズルが並ぶノズル列を有するインクジェットヘッドを用いる場合、通常、ノズル列の端の近辺のノズル(例えば、一番端のノズル)において、着弾位置のずれ等が生じやすくなる。また、図中に示すように、異なるパス群に対応する領域の境界付近(例えば、第1パス群及び第2パス群のそれぞれに対応する領域の境界付近)では、ある回の主走査動作においてヘッド部102の一方の端付近のノズル群に含まれるノズルで形成したインクのドット(例えば、符号A1、A2を付したドット)と近接する位置に、他の回の主走査動作においてヘッド部102の他方の端付近のノズル群に含まれるノズルで形成したインクのドット(例えば、符号B1、B2を付したドット)を形成することになる。そして、この場合、一方の端側で生じる着弾位置のずれ等の影響と、他方の端側で生じる着弾位置のずれ等の影響とが合わさることで、ドットの高さのずれ等が生じやすくなる。
より具体的に、例えば、第1パス群に含まれる主走査動作において、ヘッド部102の一番端のノズル群に含まれるノズルにより形成されるインクのドットである符号A1を付して示すドットについては、隣のドットである符号A2を付して示すドットに対する重なり方が着弾位置のずれで変化すること等により、他のドットよりも高くなった状態で形成されることが考えられる。また、第2パス群に含まれる主走査動作において、符号B1を付して示すインクのドットは、例えば、第1パス群に含まれる主走査動作において既に形成されているドットである符号Aを付して示すドットと近接する位置に形成される。そして、この場合、符号B1を付して示すドットは、例えば符号Aを付して示すドットに対する重なり方が着弾位置のずれで変化すること等により、他のドットよりも更に高くなった状態で形成されることが考えられる。また、実際の造形時には、上記以外にも、ヘッド部102の端に対応する位置付近では、着弾位置のずれに関連する様々な原因等により、ドットの高さのずれが生じやすくなる。この場合、ヘッド部102の端とは、例えば、ノズルが存在する範囲の端のことである。また、より具体的に、ヘッド部102の端については、例えば、副走査方向における一番端のノズル群に含まれるノズルに対応する位置等と考えることができる。また、この場合、小ピッチパス方式での小さな副走査送り量Fsが小さいと、高くなるドットが特に形成されやすくなると考えられる。
そして、このようにドットの高さのずれが生じた場合、周囲と比べて高い部分ができることで、例えば、通常のドット間の隙間と比べて顕著な溝が形成することが考えられる。そして、この場合、平坦化ローラ206(図1参照)による平坦化を行っても溝が残り、上記においても説明をしたように、インクの層の表面に凹み部分が形成されることになる。また、この場合、積層されるインクの層の最上層付近の層にこのような凹み部分が形成されると、その後に積層するインクの層数では溝が十分に埋まらずに、縞状の模様となって残る場合がある。また、より具体的に、本願の発明者が行った実験では、このような凹み部分として、例えば、深さが10〜20μm程度の溝が形成される場合があることを確認した。この場合、溝の深さとは、周囲と比べてわずかに高くなっている領域から凹む深さのことである。
これに対し、本例においては、例えば図6に示すように、ヘッド部の端(副走査方向における端)の近傍にあるノズル群に含まれるノズルからのインクの吐出容量(ボリューム)を少なくする。また、これにより、例えば、ヘッド部102の端に対応する位置においてインクのドットの高さが過度に高くなること等を防止する。
図6は、本例におけるインクの吐出の仕方について説明をする図である。図6(a)は、本例の方法でヘッド部102(図1参照)を用いてインクの吐出を行った場合に形成されるインクのドットの一例を示す図であり、1回の主走査動作で主走査方向におけるいずれかの位置に形成されるインクのドットの並びを模式的に示す。図中において、符号A1〜A3、B1〜B3、及びCを付して示すインクのドットは、図2において同じ符号を付して示されているノズル群に含まれるノズルからインクを吐出することで形成するドットである。
本例においては、副走査方向における両端の位置のノズル群に含まれるノズルから吐出するインクの吐出容量について、例えば図5を用いて説明をした場合等に相当する本来の吐出容量よりも少なくなるように変化させる。また、これにより、例えば図中に示すように、副走査方向における一番端のノズル群に対応するインクのドット(符号A1、B1を付して示すドット)について、他のドットよりも高さが低くなるように形成する。この場合、他のドットよりも高さが低くなるとは、例えば、吐出容量から想定される設計上の高さが低くなることである。
また、図5(b)等を用いて上記において説明をしたように、実際の造形時には、異なるパス群に対応する領域の境界付近において、インクのドットの高さが高くなること等が考えられる。これに対し、本例においては、副走査方向における端のノズル群のノズルから吐出するインクの吐出容量を少なくすることで、例えば図6(b)に示すように、実際の造形時にドットの高さが高くなった状態での端のドットの高さについて、他のドットの高さに近づける。図6(b)は、本例において実際の造形時に形成されるインクのドットの並びの例を示す図であり、第1パス群及び第2パス群のそれぞれに対応する領域の境界付近に形成されるインクのドットの並びの一例を示す。
また、この場合、端のドットについて、高さが高くなった状態とは、例えば、図5等を用いて上記において説明をした場合と同様にして、着弾位置にずれ等によりインクのドットの高さが高くなった状態のことである。端のドットの高さについて、他のドットの高さに近づけるとは、求められる造形の精度等に応じて、同等の高さにすることである。また、図から理解できるように、本例によれば、例えば、一部のドットが高くなることで深い溝等が形成されること等を適切に防ぐことができる。また、これにより、例えば、意図しない凹み部分が形成されて造形の品質を低下させること等を適切に防ぐことができる。
ここで、本例の動作については、例えば、1回の吐出動作で一つのノズルから吐出するインクの吐出容量を変化させることで、走査時単位吐出量の調整を行っていると考えることができる。この場合、主走査時単位吐出量とは、例えば、造形物を構成する領域に対して1回の主走査動作で主走査方向における単位長さあたりに一つのノズル群から吐出するインクの量のことである。また、この場合、ノズルから吐出する本来の吐出容量については、例えば、走査時単位吐出量の調整を行わないノズル群にそのノズルが含まれているとした場合に設定されるべき吐出容量等と考えることができる。
また、上記においても説明をしたように、一部のインクのドットの高さが高くなる現象は、近接した位置に形成される複数のインクのドットが重なることで生じていると考えられる。そのため、吐出容量を少なくするノズル群としては、必ずしも一番端のノズル群ではなく、ヘッド部102の端の近傍にある他のノズル群を用いることも考えられる。また、求められる造形の品質等に応じて、吐出容量の調整については、必ずしも全ての回の主走査動作で行うのではなく、一部の回の主走査動作のみで行うこと等も考えられる。
そして、これらの点を考慮して、上記において説明をした本例の動作について、より一般化して考えた場合、例えば、少なくとも一部の回の主走査動作において、副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つのノズル群について、副走査方向における端の近傍以外の位置にあるノズル群よりも主走査時単位吐出量が少なくなるようにインクを吐出させる動作等と考えることができる。この場合、少なくとも一部の回の主走査動作とは、例えば、一部のインクの層の形成時に行う主走査動作であってよい。また、この場合、少なくとも一部の回の主走査動作の例としては、例えば、一部のインクの層の形成時に行う全ての主走査動作を考えることができる。また、造形に求められる品質等に応じて、少なくとも一部の回の主走査動作は、一部のインクの層の形成時に行う一部の主走査動作であってもよい。
また、この場合、例えば、副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つのノズル群について、吐出容量を副走査方向における端の近傍以外の位置にあるノズル群よりも少なくすることにより、副走査方向における端の近傍以外の位置にあるノズル群よりも主走査時単位吐出量を少なくしていると考えることができる。また、走査時単位吐出量の調整を行うノズル群として、副走査方向における一番端のノズル群を用いる場合、副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つのノズル群について、例えば、少なくとも一方の端の側における一番端のノズル群を含むと考えることができる。
以上のような構成により、本例によれば、例えば、副走査方向における端の近傍にある少なくとも一つのノズル群の主走査時単位吐出量を少なくすることで、副走査方向におけるヘッド部102の端に対応する位置に吐出されるインクの合計量を適切に低減することができる。また、これにより、例えば、インクのドットの高さがヘッド部102の端に対応する位置近辺で過度に高くなること等を適切に防ぐことができる。また、この場合、ドットの高さが過度に高くなること等を防ぐことで、意図しない凹み部分が形成されて造形の品質を低下させること等を適切に防ぐことができる。
続いて、主走査時単位吐出量の調整の仕方の様々な変形例等について、更に詳しく説明をする。図7は、主走査時単位吐出量の調整の仕方の変形例について説明をする図である。図7(a)〜(d)は、主走査時単位吐出量の調整の仕方の様々な変形例を示す。
上記においては、図6等を用いて、主に、ヘッド部102における複数のノズル群のうち、副走査方向における一番端のノズル群に対してのみ吐出容量の調整を行う場合について、説明をした。しかし、吐出容量の調整については、副走査方向におけるそれぞれの端の近傍において、複数のノズル群に対して行ってもよい。より具体的に、この場合、例えば図7(a)に示すように、副走査方向におけるヘッド部102の両端のそれぞれの側において、一番端のノズル群と、端から2番目のノズル群に対し、吐出容量を少なくする調整を行うことが考えられる。このように構成した場合も、主走査時単位吐出量の調整を行うことで、例えば、意図しない凹み部分が形成されること等を適切に防止することができる。
また、上記においては、主に、副走査方向におけるヘッド部102の両方の端付近のノズル群に対し、吐出容量の調整を行う場合について、説明をした。この場合、少なくとも一部の回の主走査動作において、副走査方向における一方の端と反対側の端の近傍にある少なくとも一つのノズル群も、副走査方向における端の近傍以外の位置にあるノズル群よりも主走査時単位吐出量が少なくなるようにインクを吐出することになる。
しかし、吐出容量の調整については、例えば図7(b)、(c)に示すように、副走査方向におけるヘッド部102の片側の端のノズル群に対してのみ行ってもよい。これらのように構成した場合も、主走査時単位吐出量の調整を行うことで、例えば、意図しない凹み部分が形成されること等を適切に防止することができる。また、より具体的に、図7(b)に示す場合においては、副走査方向における一方側の端側において吐出容量を少なくすることで、符号A1を付して示すドットの高さを低くする。また、図7(c)に示す場合においては、副走査方向における他方側の端側において吐出容量を少なくすることで、符号B1を付して示すドットの高さを低くする。
また、図7(b)、(c)に示す動作については、例えば、副走査方向におけるヘッド部102の片側の端近辺のみで走査時単位吐出量の調整を行う例と考えることができる。また、このような動作について、より一般化して考えた場合、例えば、少なくとも一部の回の主走査動作において、副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つのノズル群について、副走査方向における一方の端と反対側の端の近傍にあるノズル群よりも主走査時単位吐出量が少なくなるようにインクを吐出させる動作等と考えることができる。このように構成した場合も、例えば、副走査方向におけるヘッド部102の端に対応する位置に吐出されるインクの合計量を適切に低減することができる。また、この場合、例えば、異なるパス群に対応する領域の境界付近へ後でインクを吐出する側の端の近傍にあるノズル群に対し、吐出量を少なくする調整を行うことが特に好ましい。
また、吐出容量の調整については、例えば図7(d)に示すように、副走査方向における一番端のノズル群以外のノズル群のみに対して行ってもよい。この場合、例えば、端から2番目のノズル群に対し、吐出容量を少なくする調整を行うことが考えられる。このように構成した場合も、主走査時単位吐出量の調整を行うことで、例えば、意図しない凹み部分が形成されること等を適切に防止することができる。
続いて、上記において説明をした各構成に関する補足説明や、更なる変形例の説明等を行う。また、以下においては、説明の便宜上、図1〜6等を用いて説明をした構成や、図7等を用いて説明をした変形例について、まとめて、本例という。
上記においても説明をしたように、本例においては、ノズル群に含まれるノズルからインクを吐出する吐出容量を調整することで、意図しない凹み部分が形成されること等を防止している。また、ノズル群としては、副走査方向における位置を同じにするノズルからなる群を用いている。また、この場合、インクジェットヘッド202s〜t(図1参照)におけるノズルの並び方等については、図1及び図2等に図示した構成に限らず、様々に変更が可能である。例えば、インクジェットヘッド202s〜tのそれぞれは、主走査方向における位置が異なる複数のノズル列を有してもよい。また、インクジェットヘッド202s〜tとして、例えば、複数のインクジェットヘッドからなる複合ヘッド(例えば、スタガヘッド)等を用いてもよい。これらの場合も、それぞれのノズルの副走査方向における位置に着目することで、ノズル群を適切に定義することができる。
また、上記の説明から理解できるように、造形物に凹む部分が生じることを防ぐためには、造形物を構成する位置へインクを吐出するノズルに対してのみ、吐出容量の調整を行えばよい。そのため、ノズル群としては、例えば、インクジェットヘッド202s以外のインクジェットヘッドのノズルのみからなる群を用いてもよい。
また、上記においても説明をしたように、本例においては、一部のノズル群に含まれるノズルからの吐出容量を少なくすることで、そのノズル群に対応する主走査時単位吐出量を少なくしている。この場合、主走査時単位吐出量については、例えば、所定のデータに応じてインクを吐出する場合の吐出量等と考えることができる。また、主走査時単位吐出量を少なくすることについては、例えば、同じデータに対して吐出するインクの量を少なくすること等と考えることができる。また、この場合、同じデータについては、例えば、ノズル群の位置を考慮した処理を行う前の時点で同じパターンでインクを吐出することを示すデータ等と考えることができる。
また、吐出容量を少なくするノズル群については、例えば、常に吐出容量が少なくなるように調整をしておくこと等が考えられる。この場合、例えば、装置自体の構成(ハードウェア構成)として吐出容量が少なくなる構成を用いることで、自動的に吐出容量の調整を行うことができる。また、より具体的に、この場合、例えば、吐出容量を少なくするノズル群のノズルへ供給する駆動信号の電圧(電圧の絶対値)を小さくすることや、ノズルの直径を小さくしておくこと等が考えられる。
また、吐出容量を少なくするノズル群については、ソフトウェアでの制御により吐出容量の調整を行ってもよい。この場合、例えば、一つのノズルから吐出可能なインクの吐出容量として、複数種類の容量を選択可能にしておき、容量を指定することで吐出容量の調整を行うこと等が考えられる。また、この場合、吐出容量の調整を行うノズル群以外のノズル群に含まれるノズルにおいても、複数種類の吐出容量を用いてインクの吐出を行うことが考えられる。この場合、吐出容量の調整を行うノズル群に対しては、本来の吐出容量よりも小さな容量への変更を行うことで、吐出容量の調整を行うこと等が考えられる。
また、上記においても説明をしたように、本例において、ヘッド部102は、平坦化ローラ206(図1参照)を有する。そして、インクの層の形成時には、平坦化ローラ206での平坦化を行いつつ、インクの層の形成を行う。そのため、上記において説明をした走査時単位吐出量の調整については、例えば、単に平坦化ローラ206での平坦化を行っても残る模様等の発生を防止するために行う調整等と考えることもできる。より具体的に、例えば、少なくとも一部の回の主走査動作において、副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つのノズル群に対応する主走査時単位吐出量を副走査方向における端の近傍以外の位置にあるノズル群に対応する主走査時単位吐出量よりも少なくしなかった場合には、平坦化ローラ206で平坦化を行った後のインクの層の表面において、副走査方向における少なくとも一方の端に対応する位置に意図しない凹みが形成されると考えることができる。また、この場合、少なくとも一部の回の主走査動作において、副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つのノズル群に対応する主走査時単位吐出量を副走査方向における端の近傍以外の位置にあるノズル群に対応する主走査時単位吐出量よりも少なくすることにより、このような凹みが形成されないように、インクの層を形成することができる。この場合、凹みが形成されないとは、例えば、求められる造形の精度に応じて実質的に凹みが形成されないことである。
また、本例のように、積層造形法で造形物の造形を行う場合、一番上側になるインクの層以外の層は、他のインクの層により覆われることになる。そして、この場合、上にある程度の数のインクの層が形成されると、覆われる層において凹み等が生じていても、造形物の品質への影響が無視できる場合もある。そのため、積層造形法で造形物を造形する場合には、上記のような主走査時単位吐出量の調整について、最上層付近の一部の層の形成時のみに行ってもよい。より具体的に、この場合、例えば、造形物の完成時に造形物を構成するインクの層の中で積層方向における一番上側になる層の形成時に行う少なくとも一部の回の主走査動作において、副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つのノズル群に、副走査方向における端の近傍以外の位置にあるノズル群よりも主走査時単位吐出量が少なくなるようにインクを吐出させる。また、この場合、一番上側以外の少なくともいずれかのインクの層の形成時に行う主走査動作では、例えば、上記の少なくとも一つのノズル群に対応する主走査時単位吐出量と、端の近傍以外の位置にあるノズル群に対応する主走査時単位吐出量とを同じにする。
このように構成すれば、例えば、主走査時単位吐出量の調整を行うインクの層を一部の層のみにすることで、主走査時単位吐出量を少なくすることの影響を最小限に抑えることができる。また、この場合、一番上の層を含む複数の層(例えば、2〜5層程度)に対し、主走査時単位吐出量の調整を行うことが好ましい。このように構成すれば、例えば、意図しない凹み部分が形成されることで造形の品質が低下すること等をより確実に防ぐことができる。また、主走査時単位吐出量の調整については、例えば、造形物を構成する全てのインクの層の形成時に行ってもよい。このように構成すれば、例えば、全ての層に対して同様の処理を行うことで、主走査時単位吐出量の調整をより簡易かつ適切に行うことができる。
また、上記においては、主に、小ピッチパス方式でインクの層を形成する場合の動作について、説明をした。しかし、ヘッド部102の端付近で生じる着弾位置のずれ等の影響は、小ピッチパス方式でインクの層を形成する場合に限らず、例えば図3(a)を用いて説明をしたような一般的なマルチパス方式の動作を用いる場合や、インクの層の各位置に対して1回の主走査動作のみを行う場合(1パスの動作の場合)等にも、生じ得る。そのため、上記において説明をした走査時単位吐出量の調整については、小ピッチパス方式でインクの層を形成場合以外にも、好適に用いることができる。
また、上記においては、主に、ノズルからのインクの吐出容量を少なくすることで走査時単位吐出量の調整を行う場合の動作について、説明をした。しかし、走査時単位吐出量の調整については、他の方法で行ってもよい。より具体的に、この場合、例えば、走査時単位吐出量の調整の対象となるノズル群のノズルに対し、マスク等を適用して、インクを吐出する吐出位置を間引く処理を行うこと等も考えられる。また、ノズルからのインクの吐出容量を少なくする場合においても、全ての吐出位置に対して吐出容量を少なくするのではなく、例えば、一部の吐出位置のみに対して、吐出容量を少なくすること等も考えられる。また、例えば、これらを組み合わせた方法で走査時単位吐出量の調整を行うこと等も考えられる。
また、上記においては、吐出容量の調整等について、主に、ノズル群との関係に着目して、説明をした。しかし、吐出容量の調整等については、一つのインクジェットヘッドが有するノズルとの関係で考えることもできる。この場合、例えば、一つのインクジェットヘッドが有する複数のノズルに関し、副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にあるノズルの吐出容量について、端の近傍以外の位置にあるノズルの吐出容量よりも少なくすることが考えられる。また、この場合、ノズルの吐出容量とは、例えば、そのノズルからインクを吐出する場合の吐出容量のことである。
また、上記においては、ノズル群とノズルとの関係について、主に、一つのノズル群が複数のノズルを含む場合について、説明をした。しかし、一つのノズル群に含まれるノズルの数は、1個であってもよい。また、ヘッド部102の具体的な構成等についても、上記において説明をした構成に限らず、様々に変形することもできる。例えば、ヘッド部102は、図1等に示したインクジェットヘッド202s〜t以外のインクジェットヘッドを更に有してもよい。また、複数のインクジェットヘッドの並べ方についても、様々に変形可能である。例えば、一部のインクジェットヘッドについて、他のインクジェットヘッドと副走査方向における位置をずらしてもよい。この場合、例えば、副走査方向における位置を揃えたインクジェットヘッドを含む部分を一つのヘッド部102と考え、造形装置12が複数のヘッド部102を備えていると考えることもできる。
本発明は、例えば造形装置に好適に利用できる。
10・・・造形システム、12・・・造形装置、14・・・制御PC、50・・・造形物、52・・・サポート層、102・・・ヘッド部、104・・・造形台、106・・・走査駆動部、110・・・制御部、152・・・つなぎ領域、202・・・インクジェットヘッド、204・・・紫外線光源、206・・・平坦化ローラ、302・・・ノズル

Claims (12)

  1. 立体的な造形物を造形する造形装置であって、
    前記造形物の材料を吐出するヘッド部と、
    造形中の前記造形物に対して相対的に移動する走査動作を前記ヘッド部に行わせる走査駆動部と
    を備え、
    前記走査駆動部は、前記走査動作として、少なくとも、予め設定された主走査方向へ造形中の前記造形物に対して相対的に移動しつつ前記材料を吐出する主走査動作と、前記主走査方向と直交する副走査方向へ前記造形中の造形物に対して相対的に移動する副走査動作とを前記ヘッド部に行わせ、
    前記ヘッド部は、前記主走査動作時に前記材料を吐出する複数のノズルを有し、
    前記副走査方向における位置を同じにする1個以上のノズルからなる群をノズル群と定義した場合、前記ヘッド部は、対応する前記副走査方向における位置が互いに異なる複数の前記ノズル群を有し、
    前記造形物を構成する領域に対して1回の前記主走査動作で前記主走査方向における単位長さあたりに一つの前記ノズル群から吐出する前記材料の量を主走査時単位吐出量と定義した場合、
    少なくとも一部の回の前記主走査動作において、前記副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つの前記ノズル群は、前記副走査方向における端の近傍以外の位置にある前記ノズル群よりも前記主走査時単位吐出量が少なくなるように前記材料を吐出することを特徴とする造形装置。
  2. 前記走査駆動部は、前記ヘッド部に、前記副走査動作として、前記副走査方向への移動量を相対的に小さくした前記副走査動作である小ピッチ走査と、前記副走査方向への移動量を相対的に大きくした前記副走査動作である大ピッチ走査とを行わせ、
    前記大ピッチ走査は、予め設定されたN回(Nは、2以上の整数)の前記主走査動作が行われる毎に前記ヘッド部に行わせる前記副走査動作であり、
    前記小ピッチ走査は、連続して行われる前記N回の前記主走査動作の少なくとも一部の合間に前記ヘッド部に行わせる前記副走査動作であることを特徴とする請求項1に記載の造形装置。
  3. 前記副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つの前記ノズル群は、1回の吐出動作で一つのノズルから吐出する前記材料の容量である吐出容量を前記副走査方向における端の近傍以外の位置にある前記ノズル群よりも少なくすることにより、前記副走査方向における端の近傍以外の位置にある前記ノズル群よりも前記主走査時単位吐出量を少なくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の造形装置。
  4. 前記ヘッド部は、前記材料をそれぞれが吐出する複数の吐出ヘッドを有し、
    前記複数の吐出ヘッドのそれぞれは、前記副走査方向における位置を互いに異ならせて並ぶ複数のノズルを有し、
    前記複数の吐出ヘッドは、前記副走査方向における位置を揃えて、前記主走査方向へ並べて配設され、
    前記ノズル群は、前記複数の吐出ヘッドが有するノズルのうち、前記副走査方向における位置を同じにする1個以上のノズルからなる群であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の造形装置。
  5. 前記副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つの前記ノズル群は、前記一方の端の側における一番端の前記ノズル群を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の造形装置。
  6. 前記少なくとも一部の回の前記主走査動作において、前記副走査方向における前記一方の端と反対側の端の近傍にある少なくとも一つの前記ノズル群も、前記副走査方向における端の近傍以外の位置にある前記ノズル群よりも前記主走査時単位吐出量が少なくなるように前記材料を吐出することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の造形装置。
  7. 前記少なくとも一部の回の前記主走査動作において、前記副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つの前記ノズル群は、前記副走査方向における前記一方の端と反対側の端の近傍にある前記ノズル群よりも前記主走査時単位吐出量が少なくなるように前記材料を吐出することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の造形装置。
  8. 前記ヘッド部は、
    前記材料を吐出する吐出ヘッドと、
    前記材料の層を平坦化する平坦化手段と
    を有し、
    前記少なくとも一部の回の前記主走査動作において、前記副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つの前記ノズル群に対応する前記主走査時単位吐出量を前記副走査方向における端の近傍以外の位置にある前記ノズル群に対応する前記主走査時単位吐出量よりも少なくすることにより、凹みが形成されないように、前記材料の層を形成し、
    前記凹みは、前記少なくとも一部の回の前記主走査動作において、前記副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つの前記ノズル群に対応する前記主走査時単位吐出量を前記副走査方向における端の近傍以外の位置にある前記ノズル群に対応する前記主走査時単位吐出量よりも少なくしなかった場合に、前記平坦化手段で平坦化を行った後の前記材料の層の表面において、前記副走査方向における少なくとも一方の端に対応する位置に形成される凹みであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の造形装置。
  9. 前記材料の層を複数層積層することで前記造形物を造形し、
    前記造形物の完成時に前記造形物を構成する前記層の中で積層方向における一番上側になる前記層の形成時に行う少なくとも一部の回の前記主走査動作において、前記副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つの前記ノズル群は、前記副走査方向における端の近傍以外の位置にある前記ノズル群よりも前記主走査時単位吐出量が少なくなるように前記材料を吐出し、
    かつ、前記一番上側以外の少なくともいずれかの前記層の形成時に行う前記主走査動作において、前記少なくとも一つの前記ノズル群に対応する前記主走査時単位吐出量と、前記端の近傍以外の位置にある前記ノズル群に対応する前記主走査時単位吐出量とを同じにすることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の造形装置。
  10. 立体的な造形物を造形する造形方法であって、
    前記造形物の材料を吐出するヘッド部に、
    造形中の前記造形物に対して相対的に移動する走査動作として、少なくとも、予め設定された主走査方向へ造形中の前記造形物に対して相対的に移動しつつ前記材料を吐出する主走査動作と、前記主走査方向と直交する副走査方向へ前記造形中の造形物に対して相対的に移動する副走査動作とを行わせ、
    前記ヘッド部は、前記主走査動作時に前記材料を吐出する複数のノズルを有し、
    前記副走査方向における位置を同じにする1個以上のノズルからなる群をノズル群と定義した場合、前記ヘッド部は、対応する前記副走査方向における位置が互いに異なる複数の前記ノズル群を有し、
    前記造形物を構成する領域に対して1回の前記主走査動作で前記主走査方向における単位長さあたりに一つの前記ノズル群から吐出する前記材料の量を主走査時単位吐出量と定義した場合、
    少なくとも一部の回の前記主走査動作において、前記副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つの前記ノズル群に、前記副走査方向における端の近傍以外の位置にある前記ノズル群よりも前記主走査時単位吐出量が少なくなるように前記材料を吐出させることを特徴とする造形方法。
  11. 立体的な造形物を造形する造形装置であって、
    前記造形物の材料を吐出するヘッド部と、
    造形中の前記造形物に対して相対的に移動する走査動作を前記ヘッド部に行わせる走査駆動部と
    を備え、
    前記走査駆動部は、前記走査動作として、少なくとも、予め設定された主走査方向へ造形中の前記造形物に対して相対的に移動しつつ前記材料を吐出する主走査動作と、前記主走査方向と直交する副走査方向へ前記造形中の造形物に対して相対的に移動する副走査動作とを前記ヘッド部に行わせ、
    前記ヘッド部は、前記主走査動作時に前記材料を吐出する複数のノズルを有し、
    前記副走査方向における位置を同じにする1個以上のノズルからなる群をノズル群と定義した場合、前記ヘッド部は、対応する前記副走査方向における位置が互いに異なる複数の前記ノズル群を有し、
    少なくとも一部の回の前記主走査動作において、1回の吐出動作で一つのノズルから吐出する前記材料の容量である吐出容量に関し、前記副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つの前記ノズル群のノズルが前記材料を吐出する前記吐出容量は、前記副走査方向における端の近傍以外の位置にある前記ノズル群の前記ノズルが前記材料を吐出する前記吐出容量よりも小さいことを特徴とする造形装置。
  12. 立体的な造形物を造形する造形方法であって、
    前記造形物の材料を吐出するヘッド部に、
    造形中の前記造形物に対して相対的に移動する走査動作として、少なくとも、予め設定された主走査方向へ造形中の前記造形物に対して相対的に移動しつつ前記材料を吐出する主走査動作と、前記主走査方向と直交する副走査方向へ前記造形中の造形物に対して相対的に移動する副走査動作とを行わせ、
    前記ヘッド部は、前記主走査動作時に前記材料を吐出する複数のノズルを有し、
    前記副走査方向における位置を同じにする1個以上のノズルからなる群をノズル群と定義した場合、前記ヘッド部は、対応する前記副走査方向における位置が互いに異なる複数の前記ノズル群を有し、
    少なくとも一部の回の前記主走査動作において、1回の吐出動作で一つのノズルから吐出する前記材料の容量である吐出容量に関し、前記副走査方向における少なくとも一方の端の近傍にある少なくとも一つの前記ノズル群のノズルが前記材料を吐出する前記吐出容量について、前記副走査方向における端の近傍以外の位置にある前記ノズル群の前記ノズルが前記材料を吐出する前記吐出容量よりも少なくすることを特徴とする造形方法。
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