JP6631201B2 - 点火装置並びにこれに用いられる超親水膜の製造方法 - Google Patents

点火装置並びにこれに用いられる超親水膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の燃焼室内に導入した混合気の点火を行う点火装置に関するものであり、特に、点火プラグ表面に形成した超親水膜によって、デポジットの堆積を防止して、安定した着火を実現するためのものである。
近年、コジェネ発電用の気体燃料エンジンや、希薄混合気燃焼エンジン等の難着火性の内燃機関の点火装置であって、半導体レーザを励起光源として用い、半導体レーザから発振された励起光をQスイッチ式のレーザ共振器に照射して、エネルギ密度の高いパルスレーザを発振し、さらに、集光手段を用いて、燃焼室内に導入された混合気中にパルスレーザを集光してエネルギ密度をさらに高めて点火を行うレーザ点火装置について、種々検討されている。
このようなレーザ点火装置においては、燃焼室内の高温、高圧から光学素子を保護すべく、燃焼室との境界に耐熱性の光学窓を有する点火プラグが設けられている。そして、光学窓を介して導入したパルスレーザを内燃機関の燃焼室に集光して、燃焼室内に導入した混合気の点火を行うようになっている。
一方、内燃機関においては、ピストンの摩擦低減等のため、エンジンオイルが用いられており、燃焼室内に霧状となったオイルミストが浮遊することになる。
このため、光学窓の燃焼室側表面にオイルミストが付着し、その灰分や煤等が堆積してデポジットを形成するとパルスレーザの透過性が低下し、着火安定性が損なわれることになり、光学窓の燃焼室側表面へのオイルミストの付着防止を図る必要がある。
また、一般的な火花点火装置においても、例えば、低温始動時等に、液体燃料の不完全燃焼に起因して煤等が発生すると、点火プラグの絶縁碍子の表面に付着して、デポジットを形成する。このようなデポジットは、導電性を有するカーボンを主体とするため、電極間の絶縁性が低下して、着火安定性が損なわれるおそれがあった。
このような問題に対し、特許文献1には、燃焼室窓の燃焼室側の端部に副室を配設し、その内室へレーザビームを通過させる絞りを設けたレーザ誘導式外部点火装置が開示されている。
また、特許文献2には、絶縁碍子の外面に、シリコーン樹脂を含むコーティングが施された点火プラグが開示されている。
特開2013−527376号公報 特表2013−545258号公報
ところが、特許文献1にあるような、絞りによって光学窓への気流を制限するだけでは、光学窓表面への直接的なオイルミストの付着を防止できたとしても、絞りの内周面への付着は避けられない。
このため、長期に亘って使用した場合に、絞りの内周壁に付着オイルミストが燃焼室内の高温に晒され、金属酸化物等の不燃成分を含むデポジットを形成することになる。
特に、開口径が最も細くなった絞りの先端付近にデポジットが形成されると、レーザビームの回折を招いたり、透光率の低下を招いたりして、安定した着火を維持できなくなる虞がある。
さらに、特許文献1のような絞りによって、光学窓へのオイルミストの付着を完全に防ぐことは困難であるのに対し、光学窓の燃焼室側に絞りが存在することによって、必然的に絞りの内側の流速が抑制されることになる。
このため、オイルミストが絞りをすり抜けて光学窓の表面に到達した場合には、一旦付着したオイルミストが燃焼室内の気流によって剥離されることはなく、一度オイルミストの堆積が起こると、重畳的にオイルミストが堆積し、却って絞りの存在が仇となる虞もある。
また、特許文献2のようなコーティングによっても、絶縁碍子へのカーボンを含むデポジットの付着を完全に防ぐことは困難であった。
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、簡易な構成で点火プラグの表面に付着したオイルミストやカーボンの分解と剥離とを促進し、デポジットの形成を防止し、安定した着火を実現できるレーザ点火装置を提供する。
本発明の点火装置(1、6)は、内燃機関(5)の燃焼室(51)壁に取り付けられる点火プラグ(4、60)を備え、前記燃焼室内に導入した混合気の着火を行う点火装置であって、
前記点火プラグを構成し、前記燃焼室に面して配置されるプラグ構成部材(10、7)の、前記燃焼室に面する表面に、超親水性粒子(110)と熱励起触媒粒子(111)とを含有する超親水膜(11)が設けられており、かつ、該超親水膜を設けない場合の前記プラグ構成部材と水との接触角をθW1とし、前記超親水膜を設けた場合の前記プラグ構成部材と水との接触角をθW2としたとき、θW2<θW1の関係にある。
前記点火装置は、前記点火プラグ(4)が、内燃機関(5)の燃焼室(51)との境界に設けた光学窓(10)を介して燃焼室内の焦点(FP)にエネルギ密度の高いパルスレーザ(LSRPLS)を集光して燃焼室内に導入した混合気の着火を行うレーザ点火装置(1)であり、前記プラグ構成部材である前記光学窓の燃焼室側表面に、前記超親水膜を設ける。
あるいは、前記点火装置は、前記点火プラグ(60)が、前記内燃機関の前記燃焼室内に突出位置する中心電極(61)及び接地電極(62)と、前記中心電極の外周を保持する絶縁碍子(7)とを備え、両電極間のギャップ(G)に火花放電を生じさせて、前記燃焼室内に導入した混合気の着火を行う火花点火装置(6)であり、前記プラグ構成部材である絶縁碍子(7)の、前記燃焼室に面する表面に、前記超親水膜を設ける。
なお、括弧内の符号は、参考のために付したものであり、本発明はこれら符号により限定されるものではない。
本発明によれば、燃焼排気中に含まれる水分が前記超親水膜の表面に濡れ広がるため、前記燃焼室内に浮遊するオイルミストやカーボンが、前記光学窓や前記絶縁碍子等のプラグ構成部材に付着しても、剥離され易くなる。
また、燃焼時の熱エネルギによって前記超親水膜に含まれる熱励起触媒粒子の触媒作用が励起され、前記光学窓の表面に付着したオイルミストやカーボンを酸化分解することができ、前記燃焼窓を長期に亘って清浄に維持することができる。
さらに、前記超親水膜の撥油性によって、前記光学窓の表面にオイルミストやカーボンが付着しても、剥離し易くなる。
本発明の実施形態1におけるレーザ点火装置の要部を示す縦断面図。 本発明の要部である超親水膜の機能を示す模式図。 本発明の要部である超親水膜の親水性を示す模式図。 本発明の要部である超親水膜の撥油性を示す模式図。 親水性に対するチタニア配合比率の効果を示す特性図。 撥油性に対するチタニア配合比率の効果を示す特性図。 本発明の実施形態2における火花点火装置の要部を示す縦断面図。 親水性に対するチタニア配合比率の効果を示す特性図。 撥油性に対するチタニア配合比率の効果を示す特性図。 チタニア配合比率を変更した超親水膜の触媒性能と温度の関係を示す特性図。 超親水膜の触媒性能に対するチタニア配合比率の効果を示す特性図。 超親水膜の有無による火花点火プラグのくすぶり試験結果を比較したものであり、サイクル数と失火率の関係を示す特性図。 火花点火プラグのくすぶり試験における、超親水膜を構成する薄膜の表面状態を、薄膜を有しない状態と比較して示す写真図面。 失火発生までのサイクル数に対するチタニア配合比率の効果を示す特性図。 失火発生までのサイクル数に対する膜厚の効果を示す特性図。 本発明の実施形態3における火花点火装置の要部を示す縦断面図。 本発明の実施形態4における火花点火装置の要部を示す縦断面図。 本発明の実施形態5における火花点火装置の要部を示す縦断面図。 本発明の実施形態6における火花点火装置の要部を示す縦断面図。 本発明の実施形態7における火花点火装置の要部を示す縦断面図。 本発明の実施形態8における火花点火装置の要部を示す縦断面図。
(実施形態1)
図1を参照して、本発明の実施形態1における点火装置について説明する。点火装置は、ここでは、レーザ点火装置1であり、内燃機関5の燃焼室51壁に取り付けられる点火プラグとしてのレーザ点火プラグ4を備える。
レーザ点火装置1の適用される内燃機関5は、図略のシリンダとシリンダの上面を覆うエンジンヘッド50と、シリンダ内を昇降可能に保持されたピストン52とによって区画した燃焼室51内に混合気を導入して、燃焼室51内で燃焼膨張させることでピストン52を押し下げ動力を発生させるものである。
なお、本発明において、内燃機関5の燃焼室内に導入される混合気を形成する燃料は、プロパン等の気体燃料と、ガソリン、軽油等の液体燃料とのいずれを用いてもよい。
レーザ点火装置1は、内燃機関5の燃焼室51との境界に設けた光学窓10を介して燃焼室51内の所定位置に設けた焦点FPにエネルギ密度の高いパルスレーザLSRPLSを集光して燃焼室51内に導入した混合気の着火を行うレーザ点火装置である。
レーザ点火装置1は、励起光源13と、レーザ点火プラグ4とによって構成されている。レーザ点火プラグ4を構成するプラグ構成部材には、燃焼室51に面する表面に、超親水膜11が設けられる。図2Aに示すように、超親水膜11は、超親水性粒子110と熱励起触媒粒子111とを含有する。
レーザ点火プラグ4は、燃焼室51壁としてのエンジンヘッド50に固定された筒状のハウジング3と、ハウジング3内に収容保持された光学素子12と、ハウジング3の先端側で燃焼室51との境界に設けられた光学窓10とによって構成されている。
レーザ点火装置1は、プラグ構成部材としての光学窓10の燃焼室51側表面に、超親水膜11を設けており、かつ、超親水膜11を設けない場合の光学窓10と水との接触角をθW1とし、超親水膜11を設けた場合の光学窓10と水との接触角をθW2としたとき、θW2<θW1の関係にある。
好適には、超親水膜11は、所定の配合比率で混合した所定の粒径以下の超親水性粒子110と所定の粒径以下の熱励起触媒粒子111とからなり、光学窓10と水との接触角θW1を2/3以下に減少させる超親水膜11を設ける。すなわち、超親水膜11を設けない場合と超親水膜11を設けた場合の水との接触角の比である相対水接触角θW2/θW1が、2/3以下である。
さらに、超親水膜11は、超親水膜11を設けない場合の光学窓10と油との接触角をθO1とし、超親水膜11を設けた場合の光学窓10と油との接触角をθO2としたとき、θO2>θO1の関係にある。
好適には、超親水膜11は、光学窓10と油との接触角θO1を1.5倍以上に増加させる撥油性を具備する。すなわち、超親水膜11を設けない場合と超親水膜11を設けた場合の油との接触角の比である相対油接触角θO2/θO1が、1.5以上である。
超親水膜11は、超親水性粒子110と熱励起触媒粒子の合計量に対する、熱励起触媒粒子111の配合比率が、47wt%以下、好適には20wt%以下である。また、超親水膜11は、超親水性粒子110と熱励起触媒粒子111と、バインダ成分や硬化材等の膜構成物質とからなり、該膜構成物質は、超親水性粒子110と熱励起触媒粒子111との密着性を向上させるバインダ成分として、リン酸塩及び金属酸化物から選択した1種以上を含む。
具体例として、超親水膜11は、超親水性粒子110が、シリカ(SiO)を含み、熱励起触媒粒子111が、遷移金属酸化物及び酸化錫(SnO)から選択した1種以上を含む。遷移金属酸化物は、TiO、ZrO、Cr、Y、ZnO、CeO、Ta、CuO、CuO及びWOから選択した1種以上を含む。
一例として、超親水膜11は、4から6wt%のリン酸アルミニウム(AlPO)と、90から95wt%のシリカ(SiO)と、1.0から1.5wt%のアルミナ(Al)と、0.3から0.7wt%の酸化亜鉛(ZnO)とからなる主剤と、2.0wt%の酸化ナトリウム(NaO)と82.2wt%の酸化カリウム(KO)と15.8wt%のシリコーン(nSiO)とからなる硬化剤と、を重量比で1対1の割合で混合して形成されている。
また、上記配合比で超親水膜11に混合された熱励起触媒粒子111は、好適には、チタニア(TiO)、セリア(CeO)、酸化錫(SnO)から選択したいずれか1種以上を含む。
本発明者等の鋭意試験により、超親水膜11に混合された熱励起触媒粒子111として、チタニアを選択した場合、超親水膜11中のシリカに対して3.0wt%から13.0wt%の配合比率で混合したときに、特に効果を発揮できることが判明した。
具体的には、超親水膜11は、粒径450nm以下の超親水性粒子110を87wt%〜97wt%含み、粒径450nm以下の熱励起触媒粒子111を3wt%〜13wt%含んでいるのがよい。
本発明者は、超親水性粒子110と熱励起触媒粒子111との配合比率を変化させて超親水膜11を形成して、水及び油との接触角の変化を観察した。
膜なしの場合の水の接触角をθW1とし、膜ありの場合の水の接触角をθW2としたとき、相対水接触角θW2/θW1が2/3以下となる範囲を親水性向上効果ありと判断した。
同様に、膜なしの場合の油との接触角をθO1とし、膜ありの場合の油の接触角をθO2としたとき、相対油接触角θO2/θO1が1.5倍以上となる範囲を撥油性向上効果ありと判断した。
本発明者の鋭意試験の結果、両者を満たす範囲として、粒径450nm以下の超親水性粒子110を主成分とする超親水膜中に粒径450nm以下の熱励起触媒粒子111を、3wt%〜13wt%を含むのが望ましいとの知見を得た。
超親水膜11は、超新水膜11を設けたときの水との接触角θW2を、膜を形成していない光学窓10と水との接触角θW1の2/3以下に低減することができる。
これによって、燃焼排気中に存在する水分が凝縮水となって光学窓10の表面に付着したときに濡れ広がって、光学窓10の表面に付着したオイルミストを浮き上がらせることができる。
また、熱励起触媒粒子111は、燃焼室51内に存在するオイルミストが光学窓10の表面に付着しても、燃焼時に発生する熱によって励起された触媒作用を発揮し、オイルミストの主成分である炭化水素を完全に酸化分解させることができる。
さらに、オイルミスト中に不燃の金属が存在し、金属酸化物を生成する場合でも、超親水膜11が高い親水性を有するため、表面に濡れ広がった水によって、金属酸化物を浮かび上がらせ、剥離し易くなるので、光学窓10への堆積が抑制される。
液体燃料が用いられ、不完全燃焼によって燃焼排気中に煤等が含まれる場合でも、同様の効果が得られ、付着した煤等が浮き上がり、剥離し易くなる。また、煤の主成分であるカーボンを、燃料熱励起触媒粒子111の触媒作用により、完全に酸化分解させることができる。
励起光源13は、公知のGaAlAs、InGaAs等の結晶材料からなる半導体レーザダイオード等からなり、所定の波長を有する励起光LSRPMPを発振する。
励起光源13として、複数の半導体レーザダイオードを組み合わせて用いることもできる。
光学素子12は、公知のコリメートレンズ123、レーザ共振器122、拡張レンズ121、集光レンズ120によって構成され、光学窓10によって、燃焼室内の高温高圧から保護されている。
励起光源13から発振された励起光LSRPMPは、コリメートレンズ123によって平行光にコリメートされ、レーザ共振器122に照射される。
コリメートレンズ123には、光学ガラス、耐熱ガラス、石英ガラス、サファイアガラス等の公知の光学材料が用いられている。
必要に応じて、コリメートレンズ123の表面には、公知の反射防止膜が施されている。
なお、コリメートレンズ123は、複数のレンズを組み合わせたものでも、一体に形成されたものでも良い。
レーザ共振器122は、公知の受動Qスイッチ式のレーザ共振器を用いることができる。
レーザ共振器122は、レーザ媒質と、その入射側に設けた反射防止膜と、全反射鏡と、出射側に設けた可飽和吸収体と、部分反射膜からなる出光鏡とによって構成されている。
レーザ媒質には、YAG単結晶にNdをドーピングしたNd:YAG等の公知のレーザ媒質を用いることができる。
全反射鏡は、波長の短い励起レーザLPMPは透過し、波長の長いパルスレーザLPLSは全反射するように形成されている。
過飽和吸収体は、YAG単結晶にCr4+をドーピングしたCr:YAG等が用いられている。
レーザ共振器122は、共振器内に導入された励起レーザLPMPによって、レーザ媒質内のNdが励起され、例えば、1064nmの光を放射し、レーザ媒質内に蓄積する。
レーザ媒質内のエネルギレベルが一定レベルに達すると先端側に設けた出力鏡から、エネルギ密度の高いパルスレーザLSRPLSを発振する。
レーザ共振器122から発振されたパルスレーザLSRPLSは一旦、拡張レンズ121によって拡張された後、集光レンズ120によって再度集光させることによって、集光点FPにおけるエネルギ密度を高め、集光点FPの周辺に存在する混合気をプラズマ化し、火炎核を発生させる。
なお、拡張レンズ121、集光レンズ120には、光学ガラス、耐熱ガラス、石英ガラス、サファイアガラス等の公知の光学材料が用いられている。
ハウジング3は、鉄、ニッケル、鉄ニッケル合金、ステンレス等の耐熱性金属材料が用いられ、筒状に形成され、内側に光学素子12が収容固定され、先端に光学窓10が配設されている。
集光レンズ120は、筒状に形成された集光レンズホルダ23に収容保持されている。集光レンズホルダ23は、レーザ点火プラグ4をエンジンヘッド50に螺結するためのネジ部33が設けられたハウジング3の筒状部32の先端側に区画した素子収容部310内に配設されている。
集光レンズホルダ23には、ネジ部33に発生する締め付け応力が作用しないため、集光レンズ120の光軸に歪が生じることがない。
光学窓10には、サファイア、石英ガラス等の透明な耐熱性ガラス材料が用いられている。
光学窓10は、基端側に配設された集光レンズ120に対向する入光面と先端側の燃焼室51に対向する出光面とが平行に形成され、外周側面には先端に向かって先細りとなるテーパ面が設けられている。
光学窓10は、基短側が段付筒状に形成された光学窓ホルダ22に収容され、封止部材21によって固着されている。
さらに、光学窓10の先端側に設けたテーパ面を覆うように、円環状に形成された緩衝部材20が配設されている。
緩衝部材20には、ハウジング3に用いられる材料よりも、熱膨張率の大きい金属材料が用いられている。
光学窓10は、緩衝部材20を介して、ハウジング3の先端に設けた包加締め部30によって、軸方向に押圧され、弾性的に保持されている。
筒状に形成された集光レンズホルダ23の基端側の平面が、段差部311に当接し、集光レンズホルダ23の先端側の平面が筒状に形成された光学窓ホルダ22の基端側の平面に当接し、光学窓ホルダ22の先端側の平面が緩衝部材20の基端側平面に当接している。
一軸上に配設された集光レンズホルダ23、光学窓ホルダ22、緩衝部材20は、段差部311と、包加締め部30とによって挟持され、ハウジング3の先端に設けた熱加締め部31を形成することにより発生した軸力が作用して、弾性的に保持されている。
(製造方法)
超親水膜11の製造方法の概要について説明する。
超親水膜11は、表1に示すような、リン酸アルミニウム(AlPO)、シリカ(SiO)、サファイア(Al)、酸化亜鉛(ZnO)からなる主剤と、表2に示すような、酸化ナトリウム(NaO)、酸化カリウム(KO)、シリコーン(nSiO)からなる硬化剤とを重量比で1対1の割合で混合して形成することができる。
主剤は、表1に示すように、主成分として、粒径450nm以下のシリカを90から95wt%の割合で含んでいる。
硬化剤は、表2に示すように、主成分として、酸化カリウムを80から85wt%の割合で含んでいる。
超親水膜11を構成するリン酸アルミニウム、シリカ、サファイア、酸化亜鉛等の超親水性粒子110他の粒子には、粒径450nm以下のコロイド粒子が用いられている。
さらに、超親水膜11には、触媒作用を発揮させるため、超親水性粒子110に対し、所定の割合で熱励起触媒粒子111が混合されている。
熱励起触媒前駆材料として、チタニア(TiO)、セリア(CeO)、酸化錫(SnO)の内、少なくとも1種類を含む粒径450nm以下のコロイド粒子を用いることができる。
重量比で87wt%〜97wt%の超親水性粒子110に対し、熱励起触媒前駆材料を、熱励起触媒粒子111として3wt%〜13wt%の割合で混合し、水に分散させてスラリーとする。
そのスラリーを、光学窓10を構成するガラス材料の表面に滴下し、所定の回転数(例えば、2000〜2500rpm)で2分間高速回転させ、薄膜化する。
次いで、自然乾燥した後、所定の温度(例えば、350〜500℃)で焼成することにより本発明の要部であり、所定の割合で熱励起触媒粒子111を含む超親水膜10を形成することができる。
図2Aに示すように、上記製造方法によって、光学窓10の表面に形成された超親水膜11は、屈折率n11(例えば、1.30〜1.76)で、所定の波長(例えば、Nd:YAGレーザの基本波長λ=1064nm)のパルスレーザを透過可能な薄膜(例えば、光学膜厚n11d=λ/4nm=266nm、膜厚d=151〜240nm)によって構成されている。
ここで、空気の屈折率n0は、1.0003、光学窓10の屈折率n10は、サファイアを使用すると1.73〜1.83である。この構成の光学窓10に、上記所定の波長のパルスレーザを照射して、その透過率を最大(例えば、99.6%)にするための薄膜は、上記光学膜厚n11d=266nm以下の膜厚であればよいが、加工時のバラツキおよび耐久性を考慮すると、膜厚dは、151〜240nmが望ましい。
この超親水膜11に、炭化水素(4HnCm)が接触すると、熱励起触媒粒子111の作用により酸素と反応し水と二酸化炭素に分解される。水の一部は、超親水膜11に吸収され撥油性を発揮する。その結果、超親水膜11に付着する炭化水素の量を低減することができるので、パルスレーザの透過率低減防止に有効である。
なお、表3に示すように、主剤として用いる各材料の混合比にはある程度の幅が許容される。
また、熱励起触媒粒子111として、表4に示す材料を用いることができる。これら材料を検討した結果、特に、チタニア、セリア、酸化錫について、耐酸性、耐アルカリ性が良好で、安定して超親水性と熱励起触媒効果を発揮する薄膜を形成できることが確認された。なお、表4中の酸化クロム(Cr)の透過波長の評価は、例示したNd:YAGレーザの基本波長に対する可否によるもので、基本波長の異なるパルスレーザを使用する場合には、必ずしもこの限りではない。
また、図2Bに示すように、超親水膜11を形成することにより、光学窓10と水との接触角θW1を2/3以下の接触角θW2に減少させることができ、親水性の向上を図ることができる。
これによって、燃焼室51内に存在する水が光学窓10の表面に付着したときに、濡れ拡がり、オイルミストが付着し難くなる。
さらに、図2Cに示すように、超親水膜11を形成することにより、光学窓10と油との接触角θO1を1.5倍以上の接触角θO2に増加させることができ、撥油性の向上を図ることができ、光学窓10の表面に付着したオイルミストが剥離し易くなる。
図3A、図3Bを参照して、熱励起触媒であるチタニアの配合比率を変化させたときの超親水膜11の親水性に対する影響と撥油性に対する影響について説明する。
なお、チタニアの配合比は、超親水膜のシリカ換算重量に対する重量%で表したものである。
図3Aに示すように、光学窓10の表面に超親水膜11を設けていない場合の水との接触角をθW1とし、光学窓10の表面に超親水膜11を設けた場合の水との接触角をθW2としたとき、チタニアを超親水膜11中のシリカとの合計量に対して、重量比で34%以下の範囲で混合した場合には、θW2は、θW1の2/3以下に低減され、チタニアの配合比率が高くなるにしたがって、親水性が低下し、チタニアの配合比が47wt%を超えると、超親水膜11を設けていない場合よりも大きな接触角となってしまうことが判明した。
さらに、光学窓10の表面に超親水膜11を設けていない場合の油(エンジンオイル)との接触角をθO1とし、光学窓10の表面に超親水膜11を設けた場合の油との接触角をθO2としたとき、チタニアを超親水膜11中のシリカとの合計量に対して、重量比で3%以上13%以下の範囲で混合した場合には、θO2は、θO1の1.5以上に増加され、撥油性が高くなることが判明した。
チタニアの配合比率が高くなるにしたがって、撥油性が低下し、チタニアの配合比が20wt%を超えてさらに大きくなると、40wt%以上では、ほぼ一定となることが判明した。
これらの試験結果から、熱励起触媒粒子111としてのチタニアの配合比は、超親水性粒子110に対して、3wt%以上、20wt%以下、好適には13wt%以下とするのが望ましいことが判明した。
水との接触角を小さくしつつ、油との接触角を大きくすることで、光学窓10の燃焼室側表面に付着したオイルミストが剥がれ易くなる。
上記実施形態においては、光学窓10が直接内燃機関5の燃焼室51に対向するように配置した例を示したが、光学窓10と燃焼室51との間に、燃焼室に連通する噴孔を有する副燃焼室を区画し、副燃焼室内に混合気の一部を導入し、副燃焼室内でパルスレーザLSRPLSを集光させて副燃焼室内の混合気の着火を行い、副燃焼室から燃焼室内に燃焼火炎を噴射させて内燃機関の点火を行うように構成しても良い。
さらに、上記実施形態においては、光学窓10の燃焼室側表面に直接的に超親水膜11を形成した例を示したが、光学窓10の表面と超親水膜11との間に、反射防止膜を形成し、パルスレーザLSRPLSの透過率を高くするようにしても良い。
(実施形態2)
図4を参照して、本発明の実施形態2における点火装置について説明する。点火装置は、ここでは、火花点火装置6であり、内燃機関5の燃焼室51壁に取り付けられる点火プラグとしての火花点火プラグ60を備える。
火花点火装置6の適用される内燃機関5の構成は、上記実施形態1と同様であり、同一構成の部位には同一の符号を付して説明を省略する。以下、相違点を中心に説明する。
火花点火装置6は、火花点火プラグ60と、点火用電圧を供給する給電部8によって構成されている。そして、燃焼室51内に突出位置する火花点火プラグ60の電極間に、所定のギャップGを形成し、このギャップGに高電圧を導いて火花放電を生じさせることにより、燃焼室51内に導入した混合気の着火を行う。
火花点火プラグ60を構成するプラグ構成部材には、実施形態1と同様に、燃焼室51に面する表面を覆って、超親水性粒子110と熱励起触媒粒子111とを含有する超親水膜11が設けられる(例えば、図2A参照)。
火花点火プラグ60は、燃焼室51壁としてのエンジンヘッド50に固定された筒状のハウジング63と、中心電極61の外周を保持する筒状の絶縁碍子7と、ハウジング63に固定された接地電極62とを有する。絶縁碍子7は、軸方向X(すなわち、図の上下方向)に延びる軸孔71内に、棒状の中心電極61を同軸的に収容し、基端側を気密シールした状態で、ハウジング63の筒内に収容保持される。接地電極62の先端側は、径方向内方にL字状に屈曲して、中心電極61の先端と対向し、火花放電用のギャップGを形成している。接地電極62の基端側は、ハウジング63の先端面に溶接固定される。
火花点火プラグ60のハウジング63は、外周側に取付用のねじ部を有し、内周側に設けた段差部64上に、絶縁碍子7の拡径した中間部72を支持している。ハウジング63の基端側は、絶縁碍子7の外周に加締め固定され、気密シールされる。絶縁碍子7の基端側には、図示しないシール材及び端子電極が収容され、端子電極を介して給電部8から中心電極61に給電される。段差部64より先端側において、絶縁碍子7は、先端側へ向けて徐々に外径が小さくなる先細テーパ形状で、外側に位置するハウジング63との間に、隙間73を有している。
絶縁碍子7は、例えば、アルミナ、シリカ等の絶縁性セラミック材料からなり、ハウジング63は、例えば、鋼材等からなる。中心電極61は、例えば、ニッケル合金等からなり、絶縁碍子7から突出する先端部には、例えば、イリジウム等を含む合金チップが溶接される。接地電極62は、例えば、ニッケル合金等からなる。
本形態の火花点火装置6は、火花点火プラグ60を構成するプラグ構成部材を絶縁碍子7として、その燃焼室51内に位置する表面に、超親水膜11を設けている。具体的には、図4中にコーティング範囲を太点線で示すように、段差部64より先端側の絶縁碍子7の外表面のほぼ全面に、超親水膜11が設けられる。
超親水膜11は、実施形態1と同様に構成されており、超親水膜11を設けない場合の絶縁碍子7と水との接触角をθW1とし、超親水膜11を設けた場合の絶縁碍子7と水との接触角をθW2としたとき、θW2<θW1の関係にある。好適には、超親水膜11を設けない場合と超親水膜11を設けた場合の水との接触角の比である相対水接触角θW2/θW1が、2/3以下である(例えば、図2B参照)。
さらに、超親水膜11は、超親水膜11を設けない場合の絶縁碍子7と油との接触角をθO1とし、超親水膜11を設けた場合の絶縁碍子7と油との接触角をθO2としたとき、θO2>θO1の関係にある。好適には、超親水膜11は、絶縁碍子7と油との接触角θO1を1.5倍以上に増加させる撥油性を具備する。すなわち、超親水膜11を設けない場合と超親水膜11を設けた場合の油との接触角の比である相対油接触角θO2/θO1が、1.5以上である(例えば、図2C参照)。
また、超親水膜11は、超親水性粒子110との合計量に対する熱励起触媒粒子111の配合比率が、47wt%以下、好適には20wt%以下である。また、超親水膜11は、超親水性粒子110と熱励起触媒粒子111と、バインダ成分や硬化材等の膜構成物質とからなる。該膜構成物質は、超親水性粒子110と熱励起触媒粒子111との密着性を向上させるバインダ成分として、リン酸塩及び金属酸化物から選択した1種以上を含む。
具体例として、超親水膜11は、超親水性粒子110が、シリカ(SiO)を含み、熱励起触媒粒子111が、遷移金属酸化物及び酸化錫(SnO)から選択した1種以上を含む。遷移金属酸化物は、TiO、ZrO、Cr、Y、ZnO、CeO、Ta、CuO、CuO及びWOから選択した1種以上を含む。
好適には、超親水膜11に混合された熱励起触媒粒子111は、チタニア(TiO)、セリア(CeO)、酸化錫(SnO)から選択したいずれか1種以上を含む。
超親水膜11は、主に超親水性粒子110が、絶縁碍子7の表面に、親水性及び撥油性と静電気防止作用を与え、オイル分やカーボンの付着量を減少させると共に、付着したオイルミストやカーボンを剥がれ易くする。さらに、熱励起触媒粒子111が、触媒作用を有して、付着したオイルミストに含まれる炭化水素やカーボンを燃焼させる。
親水性及び撥油性は、超親水性粒子110と熱励起触媒粒子111の配合比率によっても変化し、超親水膜11の形成による効果を発揮させるには、熱励起触媒粒子111の配合比率が47wt%以下、好適には20wt%以下であるとよい。
一例として、超親水膜11は、4から6wt%のリン酸アルミニウム(AlPO)と、90から95wt%のシリカ(SiO)と、1.0から1.5wt%のアルミナ(Al)と、0.3から0.7wt%の酸化亜鉛(ZnO)とからなる主剤と、2.0wt%の酸化ナトリウム(NaO)と82.2wt%の酸化カリウム(KO)と15.8wt%のシリコーン(nSiO)とからなる硬化剤と、を重量比で1対1の割合で混合して形成されている。
この主剤と硬化剤の混合物に対して、さらに、熱励起触媒粒子111を混合して、超親水膜11が形成される。超親水膜11中の超親水性粒子110と熱励起触媒粒子111の配合比率や配合方法、超親水膜11の製造方法等は、実施形態1と同様とすることができる。
本発明者等の鋭意試験により、上述した親水性及び撥油性に加えて、さらに、カーボン燃焼に対しては、超親水膜11のシリカ換算重量に対して、4wt%から40wt%の混合比率で混合したときに、効果を発揮できることが判明した。
好適には、超親水膜11のシリカ換算重量に対して、7.5wt%から15wt%の混合比率で混合したときに、着火性を向上させる高い効果を発揮できる。
(試験例)
図4に示す構成の火花点火装置6について、以下のようにして、絶縁碍子7の外表面に超親水膜11を設けた火花点火プラグ60を作製した。超親水膜11は、絶縁碍子7の中間部72より先端側のテーパ状の外表面から環状の先端面へ向けて連続的に形成されており、超親水膜11の基端部における絶縁碍子7の外径は、φ6.4mm、先端部における外径は、φ4.2mmとした。また、超親水膜11の軸方向長は、13.2mm、超親水膜11に対向するハウジング63の内径は、φ7.3mm、ハウジング63のねじ部の呼び径はM12とした。
まず、超親水膜11を形成するためのコーティング溶液を調製した。調製用の原料としては、超親水性粒子110としてのシリカを含む溶液Aと、熱励起触媒粒子111としてチタニアを含む溶液Bを用いた。
このうち、溶液Aは、主成分であるシリカにバインダ等を配合したもので、上記表3に示した組成の主剤及び上記表2に示した組成の硬化剤を含むシリカゾル(すなわち、(株)五合製、ゼロ・クリア(登録商標))を用いた。また、溶液Bには、チタニア微粒子を水に分散させたチタニアゾル(すなわち、TiOの重量平均径78mm、TiO濃度17wt%、pH=7;テイカ(株)製、商品名TKD−801)を用いた。
溶液Aと溶液Bを、シリカとチタニアの合計量に対する、チタニアの重量比率が、0、4、7.5、10、12.5、15、20、40、60、100(単位:wt%)になるように、各溶液A、B中のシリカ及びチタニアの重量比率に基づいて配合し、混合してコーティング溶液を調製した。
得られた各種配合比率のコーティング溶液を、絶縁碍子7に塗布して焼き付け、図4中に示す所定のコーティング範囲に超親水膜11を形成した。焼付方法は、以下のようにした。まず、絶縁碍子7の軸孔71内に、中心電極61等を挿入して固定した。次いで、超親水膜11を形成する絶縁碍子7の外表面に、プラズマを照射した。これにより、コーティングを施す際に密着性を低下させる原因となる、油脂および埃等の物質を除去した。
さらに、エアスプレーガンを用いて、絶縁碍子7の外表面に、コーティング液を吹き付けた後、30分自然乾燥した。500℃の空気雰囲気中において、2時間保持し、除冷して、図4中に示すコーティング範囲に、所定の厚さ(例えば、10μm)の超親水膜11を形成した。
中心電極61を保持する絶縁碍子7の外側に、接地電極62を溶接したハウジング63を装着し、ハウジング63の基端縁部を加締め固定して、火花点火プラグ60とした。この火花点火プラグ60を、燃焼室51壁に設けた取付穴に、図示しないガスケットを介してねじ固定し、燃焼室51との間を気密シールした。火花点火プラグ60の中心電極61を、給電部8に接続して火花点火装置6とした。
図5は、シリカに対するチタニアの配合比率(すなわち、0〜100wt%)と水との接触角の関係を示しており、超親水膜11の表面にシリンジで一滴、蒸留水を滴下したときの接触角を計測した結果である。実施形態1の図3Aと同様に、超親水膜11を設けていない場合の水との接触角をθW1とし、超親水膜11を設けた場合の水との接触角をθW2として、親水性を、相対水接触角θW2/θW1の値で評価した。
図5に示されるように、シリカに対するチタニアの配合比率が47wt%以下であるとき、超親水膜11を設けていない場合よりも親水性が高くなる(すなわち、θW2<θW1)。この範囲では、燃焼で発生した水が、絶縁碍子7表面の超親水膜11に吸着されやすくなり、この水分によって、撥油性が高められる。
さらに、配合比率が低くなると、相対水接触角θW2/θW1も小さくなり、配合比率が20wt%前後ないしそれ以下の範囲で、相対水接触角θW2/θW1が最も小さくなる。
図6は、シリカに対するチタニアの配合比率(すなわち、0〜100wt%)と油との接触角の関係を示しており、超親水膜11の表面にシリンジで一滴、エンジンオイルを滴下したときの接触角を計測した結果である。実施形態1の図3Bと同様に、超親水膜11を設けていない場合の油との接触角をθO1とし、超親水膜11を設けた場合の油との接触角をθO2として、撥油性を、相対油接触角θO2/θO1の値で評価した。
図6に示されるように、超親水膜11を設けることにより、設けていない場合よりも撥油性が高くなる(すなわち、θO2>θO1)。シリカに対するチタニアの配合比率が20wt%以下の範囲では、撥油性がより高くなる。この特性により、燃焼室51内に浮遊する物質、例えば、エンジンオイル、ガソリン、カーボン等の付着量を低減できる。
図7は、シリカに対するチタニアの配合比率(すなわち、4wt%〜40wt%)を変更して、チタニアの触媒特性を調べた結果であり、プラグ使用条件におけるカーボンデポジットの残留割合を示している。具体的には、チタニアの配合比率を上記範囲で変更した複数の超親水膜11を用意して、それぞれを乳鉢にて粉砕した後、プラグ表面から採取したカーボンを混合した。得られた複数の試料を加熱し、ステップ的に温度を変えて熱重量測定し、デポジットの残留割合を算出した。比較サンプルとして、カーボン単体のものについて同様の測定を行った結果を図中に示す。
図7に示されるように、チタニアを4wt%〜40wt%の範囲で混合することにより、複数の試料のいずれも、温度上昇と共にデポジットが急減している。特に、350℃以上の温度では、カーボン単体の場合の残留割合(例えば、60%程度)に比較して、残留割合が10%を下回っており、400℃以上の温度では、残留割合がさらに減少している。このように、超親水膜11のチタニアの触媒作用により、カーボンの酸化燃焼に高い効果があることがわかる。
図8は、350℃におけるカーボンデポジットの残留割合を、シリカに対するチタニアの配合比率を変更して(すなわち、4wt%〜40wt%)、測定した結果である。図8に示されるように、チタニアの配合比率を4wt%〜40wt%の範囲で変更しても、チタニアの触媒作用は、大きく変わっていないことがわかる。
このように、熱励起触媒粒子111であるチタニアが、超親水膜11に触媒特性を付与して、絶縁碍子7に付着したカーボンが燃焼する。これにより、絶縁碍子7の表面に導電性の高いカーボンが付着して生じる奥飛びが防止できるので、くすぶり難い火花点火プラグ60となる。
図9は、図4に示す構成の火花点火プラグ60を設けた火花点火装置6を用いて、以下のくすぶり試験を行った結果である。超親水膜11は、シリカに対するチタニアの配合比率を10wt%とし、膜厚が10μmとなるように形成した。
・くすぶり試験:JIS規格(すなわち、JIS D 1606)で規定するくすぶりパターン
・エンジン諸元:ボア径φ80.5、ストローク78.5mm、直列4気筒ガソリンエンジン、DOHC 16バルブ、ポート噴射システム
図9は、絶縁碍子7の表面に超親水膜11を設けた火花点火プラグ60の失火率を、超親水膜11を設けない場合と比較して示しており、超親水膜11を設けない場合は、3サイクル目から失火し7回で始動できなくなる。これに対して、超親水膜11を設けた火花点火プラグ60では、20サイクルを超えても始動ができ、失火しない。
このとき、図10に示されるように、これら超親水膜11の有無により、火花点火プラグ60の先端のカーボン付着状態が大きく異なっている。すなわち、図中の右図に示すように、絶縁碍子7の表面に超親水膜11を設けた火花点火プラグ60では、中心電極61近傍のカーボンの付着が少なくなり、超親水膜11を設けた表面が露出している。これに対して、超親水膜11を設けていない左図の絶縁碍子7の表面には、カーボンの堆積が見られる。つまり、カーボンにより形成される導電パスが原因で失火に至っていたのに対し、超親水膜11を設けた場合には、導電パスが分断されることで、着火性が大幅に改善する。
図11は、チタニアの配合比率を0〜50wt%の範囲で変更したときに、失火が開始するまでのテストサイクル数を測定した結果であり、チタニアの配合比率の増加と共に、失火発生までのサイクル数も増加している。チタニアの配合比率が10wt%前後で、失火発生までのサイクル数が最大となり、これを超えると、失火発生までのサイクル数が再び減少して、30wt%を超えると、超親水膜11を設けない場合と大きな差がなくなる。したがって、火花点火プラグ60の着火性を向上させるには、好適には、チタニアの配合比率を7.5wt%〜15wt%の範囲(すなわち、失火発生までのサイクル数が10回以上)とするのがよい。
図12は、チタニアの配合比率10wt%の条件で、膜厚を0〜50μmの範囲で変更したときに、失火が開始するまでのテストサイクル数を測定した結果であり、膜厚の増加と共に、失火発生までのサイクル数も増加している。膜厚が10μm前後で、失火発生までのサイクル数が最大となり、これを超えると、失火発生までのサイクル数が再び減少して、40μm前後では、超親水膜11を設けない場合との差がなくなる。したがって、好適には、膜厚を3μm〜30μmの範囲とするのがよく、超親水膜11を設けない場合より、火花点火プラグ60の着火性を向上させることができる。
(実施形態3)
図13に本発明の実施形態3として示すように、実施形態2における火花点火プラグ60において、絶縁碍子7に形成する超親水膜11のコーティング範囲を変更することもできる。本形態では、図示するように、絶縁碍子7の先端側の範囲C1と、基端側の範囲C3と、これらの間の範囲C2の3箇所に、それぞれ間隔をおいて超親水膜11を設けている。各範囲C1〜C3の軸方向長やこれらの間隔は、適宜選択することができる。超親水膜11の形成方法や、その他の火花点火装置6の構成は、同様であり、説明を省略する。
超親水膜11は、絶縁碍子7の外表面の全体に設ける必要はなく、このように、絶縁碍子7の先端側と基端側とに分割して超親水膜11を設けることで、超親水膜11の材料の使用量を低減できる。好適には、超親水膜11を外表面の一部に設ける場合には、少なくとも先端部に超親水膜11が形成されているとよい。
低温始動時のように燃焼室温度が低い条件では、先端部の温度が上昇し易く、範囲C1に含まれるチタニア等の熱励起触媒粒子111の触媒活性温度に早く達するので、先端部に付着したカーボンが燃焼し易くなる。基端側は、先端部に比べて温度が低いので、範囲C2、範囲C3を超親水膜11が塗布されていても燃えずに残る。低温時に燃焼しなかった範囲C2、範囲C3に付着したカーボンは、エンジン負荷が上がるに連れてプラグ温度が上昇し、チタニアの触媒活性温度に達した時点で燃焼する。
(実施形態4)
図14に本発明の実施形態4として示すように、実施形態2における火花点火プラグ60において、絶縁碍子7の外表面を、凹凸を有する形状とすることもできる。ここでは、例えば、取付金具63の内表面に対向する絶縁碍子7の外側面のほぼ全面を、凹凸面74としており、絶縁碍子7の先端面を含む外表面にコーティングを施して、超親水膜11を形成する。
このように、超親水膜11と接する表面を凹凸面74とすることで、超親水膜11に含まれるチタニア等の熱励起触媒粒子111と、カーボンとの接触面積が増えるので、カーボンの酸化燃焼が促進される。さらに、付着したカーボンの層に亀裂を発生させ、絶縁抵抗の低下を防止する効果を奏する。また、アンカー効果により、超親水膜11密着性を向上できる。凹凸面74の形成範囲や凹凸形状は適宜設定することができる。
(実施形態5)
上記実施形態では、火花点火プラグ60において、絶縁碍子7先端面より外側に超親水膜11を形成した例を示したが、超親水膜11のコーティング範囲を、絶縁碍子7の先端面を含む内外表面とすることもできる。この場合には、中心電極61と絶縁碍子7の間に堆積したカーボンをも焼き切る効果が得られる。
また、超親水膜11の形成方法は、上述したように、超親水膜11をコーティング溶液の塗布によって形成する方法に限らず、種々の方法を採用することもできる。
例えば、絶縁碍子7を構成する絶縁性セラミック材料が、シリカを含む場合には、このシリカに対して、チタニア等の熱励起触媒粒子111を、上記配合比率(例えば、10wt%)となるように配合することもできる。
このとき、図15に本発明の実施形態5として示すように、実施形態2における火花点火プラグ60において、少なくとも絶縁碍子7の先端側の表面部75に、チタニア等の熱励起触媒粒子111を配合した絶縁性セラミック材料を用いることで、超親水膜として作用させることが可能になる。
このようにすると、予め絶縁性セラミック材料を所定の配合として、通常の工程で焼成すればよいので、超親水膜11を形成する工程が省略できる。また、絶縁碍子7の内側に形成されることで、中心電極61と絶縁碍子7の間に堆積したカーボンを酸化燃焼させる効果が容易に得られる。
(実施形態6)
図16に本発明の実施形態6として示すように、実施形態2における火花点火プラグ60の基本構造を変更することもできる。超親水膜11の構成や形成方法、形成範囲、その他の火花点火装置6の構成は、上記実施形態と同様であり、説明を省略する。
本形態では、図示するように、中心電極61の側方に2つの接地電極62を対向配置して、その先端部を中心電極61の先端側面部に対向させた、2極型の電極構造としている。また、ハウジング63の先端側内周縁部を、内方に突出させて、補助接地電極65を設けている。
このような2極型の火花点火プラグ60は、絶縁碍子7に付着したカーボンを、補助接地電極65への飛び火で焼き切る機能を有している。この場合、さらに絶縁碍子7の表面に、上述した超親水膜11を形成することで、絶縁碍子7表面を流れる電流によってTiOの触媒作用が促進され、カーボンを焼き切る効果が増大する。
(実施形態7)
火花点火プラグ60の構成としては、2極に限らず多極型の火花点火プラグ6を採用することができる。例えば、図17に本発明の実施形態7として示すように、補助接地電極62を取付金具63の先端面の3箇所に配置して、その先端部を中心電極61の先端側面部に対向させた、3極型の電極構造として、絶縁碍子7の表面に超親水膜11を形成することで、同様の効果が得られる。
(実施形態8)
また、図18に本発明の実施形態8として示すように、2極型の電極構造の火花点火プラグ60において、対向する接地電極62の先端部を、絶縁碍子7の先端面に近接させた、沿面型の電極構造とすることもできる。このような火花点火プラグ60においても、絶縁碍子7の表面に超親水膜11を形成することで、同様の効果が得られる。
以上のように、超親水膜11の親水性及び撥油性、さらに触媒作用によって、絶縁碍子7の表面のデポジットを低減させ、火花点火プラグ60の着火性、耐久性を向上させることができる。
火花点火装置6は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を超えない範囲で、種々の変更が可能である。また、火花点火プラグ60の構成部材、例えば、端子金具1の形状や材質、導電性シール層61、62や抵抗体7となる材料や、絶縁碍子3、取付金具2の形状等は、適宜変更することができる。
上記実施形態では、火花点火装置6を、自動車エンジン用として使用する例について説明したが、自動車に限らず、コージェネレーション、ガス圧送用ポンプ等に使用する内燃機関用のスパークプラグPであってもよい。
1 レーザ点火装置(点火装置)
10 光学窓(プラグ構成部材)
11 超親水膜
110 超親水性粒子
111 熱励起触媒粒子
12 レーザ素子
120 集光レンズ
121 ビーム拡張器
122 レーザ共振器
123 コリメートレンズ
124 励起光源
2 光学素子保持部材
20 緩衝部材
21 封止部材
22 保護ガラスホルダ
23 集光レンズホルダ
3 ハウジング
30 包み加締め部
31 熱加締め部
32 筒状部
33 ネジ部
4 レーザ点火プラグ(点火プラグ)
5 内燃機関
50 エンジンヘッド(燃焼室壁)
51 燃焼室
52 ピストン
FP 焦点
LSRPMP 励起レーザ
LSRPLS パルスレーザ

Claims (17)

  1. 内燃機関(5)の燃焼室(51)壁に取り付けられる点火プラグ(4、60)を備え、前記燃焼室内に導入した混合気の着火を行う点火装置であって、
    前記点火プラグを構成し、前記燃焼室に面して配置されるプラグ構成部材(10、7)の、前記燃焼室に面する表面に、超親水性粒子(110)と熱励起触媒粒子(111)とを含有する超親水膜(11)が設けられており、かつ、該超親水膜を設けない場合の前記プラグ構成部材と水との接触角をθW1とし、前記超親水膜を設けた場合の前記プラグ構成部材と水との接触角をθW2としたとき、θW2<θW1の関係にある、点火装置(1、6)。
  2. 前記超親水膜を設けない場合の前記プラグ構成部材と油との接触角をθO1とし、前記超親水膜を設けた場合の前記プラグ構成部材と油との接触角をθO2としたとき、θO2>θO1の関係にある、請求項1に記載の点火装置。
  3. 前記超親水膜は、前記超親水性粒子と前記熱励起触媒粒子の合計量に対する、前記熱励起触媒粒子の配合比率が47wt%以下である、請求項1又は2に記載の点火装置。
  4. 前記超親水膜は、前記超親水性粒子と前記熱励起触媒粒子の合計量に対する、前記熱励起触媒粒子の配合比率が20wt%以下である、請求項1又は2に記載の点火装置。
  5. 前記超親水膜は、膜構成物質としてバインダ成分を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の点火装置。
  6. 前記バインダ成分は、リン酸塩及び金属酸化物から選択した1種以上である、請求項5に記載の点火装置。
  7. 前記超親水膜は、前記超親水性粒子が、シリカ(SiO)を含み、前記熱励起触媒粒子が、遷移金属酸化物及び酸化錫(SnO)から選択した1種以上を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の点火装置。
  8. 前記遷移金属酸化物が、TiO、ZrO、Cr、Y、ZnO、CeO、Ta、CuO、CuO及びWOから選択した1種以上を含む、請求項7に記載の点火装置。
  9. 前記点火装置は、前記点火プラグ(4)が、前記内燃機関の前記燃焼室との境界に設けた、前記プラグ構成部材である光学窓(10)を介して、前記燃焼室内の焦点(FP)にエネルギ密度の高いパルスレーザ(LSRPLS)を集光して前記燃焼室内に導入した混合気の着火を行うレーザ点火装置(1)であり、
    前記光学窓の前記燃焼室側表面に、前記超親水膜を設けた、請求項1〜8のいずれか1項に記載の点火装置。
  10. 前記超親水膜を設けない場合と前記超親水膜を設けた場合の水との接触角の比である相対水接触角θW2/θW1が、2/3以下である、請求項9に記載の点火装置。
  11. 前記超親水膜を設けない場合と前記超親水膜を設けた場合の油との接触角の比である相対油接触角θO2/θO1が、1.5以上である、請求項9又は10に記載の点火装置。
  12. 前記超親水膜は、前記超親水性粒子であるシリカと前記熱励起触媒粒子であるチタニアの合計量に対する、チタニアの配合比率が3wt%〜13wt%の範囲にある、請求項9〜11のいずれか1項に記載の点火装置。
  13. 前記点火装置は、前記点火プラグ(60)が、前記内燃機関の前記燃焼室内に突出位置する中心電極(61)及び接地電極(62)と、前記中心電極の外周を保持する絶縁碍子(7)とを備え、両電極間のギャップ(G)に火花放電を生じさせて、前記燃焼室内に導入した混合気の着火を行う火花点火装置(6)であり、
    前記プラグ構成部材である絶縁碍子(7)の、前記燃焼室に面する表面に、前記超親水膜を設けた、請求項1〜8のいずれか1項に記載の点火装置。
  14. 前記超親水膜は、前記超親水性粒子であるシリカと前記熱励起触媒粒子であるチタニアの合計量に対する、チタニアの配合比率が20wt%以下である、請求項13に記載の点火装置。
  15. 前記超親水膜は、前記超親水性粒子であるシリカと前記熱励起触媒粒子であるチタニアの合計量に対する、チタニアの配合比率が、7.5wt%〜15wt%の範囲にある、請求項13又は14に記載の点火装置。
  16. 前記超親水膜の膜厚は、3μm〜30μmの範囲にある、請求項13〜15のいずれか1項に記載の点火装置。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の点火装置に用いられる前記超親水膜の製造方法であって、
    主成分として、粒径450nm以下のシリカを90から95wt%の割合で含む主剤と、
    主成分として、酸化カリウムを80から85wt%の割合で含む硬化剤と、
    を重量比で1対1の割合で混合し、
    さらに、その混合物に含まれるシリカとの合計量に対して、47wt%以下の配合比率で、
    粒径450nm以下のチタニアを混合して、水に分散させてスラリーとなし、
    前記プラグ構成部材の表面に滴下した後、所定の回転数で回転させ薄膜化し、
    乾燥した後、所定温度で焼成する、点火装置に用いられる超親水膜の製造方法。
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