JP6630216B2 - セラミックスグリーンシートの乾燥方法及びセンサ素子の製造方法 - Google Patents
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Description
セラミックスグリーンシートに対して、1μm〜4μmの波長領域にピーク波長を有する赤外線を照射して該セラミックスグリーンシートを乾燥させる乾燥工程、
を含むものである。
複数のセラミックスグリーンシートを用意する準備工程と、
前記準備工程の後、前記複数のセラミックスグリーンシートに対して、1μm以上4μm以下の波長領域にピーク波長を有する赤外線を照射して該複数のセラミックスグリーンシートを乾燥させる乾燥工程と、
前記乾燥工程後の複数のセラミックスグリーンシートにペーストからなる所定のパターンを形成して乾燥させるパターン形成工程と、
前記パターン形成工程後のセラミックスグリーンシートを積層して積層体とする積層工程と、
前記積層体から未焼成センサ素子を切り出す切り出し工程と、
前記未焼成センサ素子を焼成する焼成工程と、
を含むものである。
複数のセラミックスグリーンシートを用意する準備工程と、
準備工程の後、複数のセラミックスグリーンシートに対して、1μm〜4μmの波長領域にピーク波長を有する赤外線を照射して複数のセラミックスグリーンシートを乾燥させる乾燥工程と、
乾燥工程後の複数のセラミックスグリーンシートにペーストからなる所定のパターンを形成して乾燥させるパターン形成工程と、
パターン形成工程後のセラミックスグリーンシートを積層して積層体とする積層工程と、
積層体から未焼成センサ素子を切り出す切り出し工程と、
未焼成センサ素子を焼成する焼成工程と、
を含む。
まず、準備工程(ステップS10)について説明する。準備工程では、酸素イオン伝導性固体電解質であるセラミックス(本実施形態ではジルコニア)を主成分として含む複数の未焼成のセラミックスグリーンシート(以下、単にグリーンシートとも表記する)を用意する。グリーンシートは、焼成後にセンサ素子の固体電解質層となるものであり、1つのセンサ素子を構成する固体電解質層の数(例えば6枚)に応じて、各層に対応させたグリーンシートを用意する。準備工程では、予め作製されたグリーンシートを用意してもよいし、グリーンシートを作製することで用意してもよい。グリーンシートを作製する場合、例えば、セラミック粒子と、有機バインダーと、可塑剤と、有機溶剤とを混合してペーストとし、このペーストを用いてドクターブレード法などにより作製する。用意するグリーンシートは、厚みが100μm以上としてもよいし、厚みが300μm以下としてもよい。
乾燥工程では、準備工程の後、複数のグリーンシートに対して、1μm〜4μmの波長領域にピーク波長を有する赤外線を照射して複数のグリーンシートを乾燥させる(ステップS20)。この工程により、例えばグリーンシート中の可塑剤や溶剤の少なくとも一部を蒸発させる。この工程は、例えば後の工程であるパターン形成工程での乾燥時にグリーンシートが収縮しすぎてしまうことによる不具合(パターンの位置ずれなど)を抑制するために行われ、アニール処理とも言う。なお、1μm〜4μmの波長領域の赤外線(近赤外線)は、グリーンシート中の可塑剤や溶剤などの蒸発に適している。また、例えば赤外線の代わりに熱風で乾燥を行う場合、グリーンシートの表面からは可塑剤などが蒸発するが、グリーンシートの内側からは可塑剤などが蒸発しにくいことで乾燥後の強度が不十分になる場合がある。一方、熱風と比べて赤外線はグリーンシート70を透過して内側まで作用しやすいため、内側の可塑剤などをより適切に蒸発させて乾燥後のグリーンシートの強度を向上させることができる。乾燥工程では、赤外線の照射に加えてグリーンシート又はその周辺の処理空間への送風を併用してもよい。乾燥工程では、1.5μm〜2.0μmの波長領域にピーク波長を有する赤外線をグリーンシート70に照射してもよい。
パターン形成工程では、乾燥工程後の複数のグリーンシートにペーストからなる所定のパターンを形成して乾燥させる(ステップS30)。パターンとは、具体的には、センサ素子の各電極のパターンや、コネクタパッド,リード線,及びヒータなどを形成するためのパターンである。各々のパターンの形成は、それぞれの形成対象に要求される特性に応じて用意したパターン形成用ペーストを、形成対象を形成すべき固体電解質層に対応するグリーンシートに塗布することにより行われる。パターンの形成は、例えばスクリーン印刷により行ってもよい。印刷後の乾燥処理については、公知の乾燥技術を利用可能であり、例えば75〜90℃の温度で大気雰囲気にて行うのが一般的である。必要に応じて、1つのグリーンシートに対してパターンの形成と乾燥とを複数回繰り返してもよい。また、パターン形成工程では、後述する切り出し工程において積層体を切断するときに切断位置の基準とされるカットマークも印刷しておくことが好ましい。
積層工程では、パターン形成工程後のグリーンシートを積層して積層体とする(ステップS40)。積層工程では、まず、パターン形成工程後のグリーンシート同士を積層・接着するための接着用ペーストのパターン形成処理及び乾燥処理を行う。接着用ペーストのパターン形成には、パターン形成工程と同様に公知のスクリーン印刷技術を利用可能であり、その後の乾燥処理についても、公知の乾燥技術を利用可能である。続いて、接着用ペーストが印刷されたグリーンシートを所定の順序に積み重ねて所定の温度で所定の圧力を加えることで圧着させ、1つの積層体とする。具体的には、例えば、図示しない所定の積層治具に積層対象となるグリーンシートをシート孔などを用いて位置決めしつつ積み重ねて保持し、公知の油圧プレス機などの積層機によって積層治具ごと加熱・加圧することによって積層体を得る。加熱・加圧を行う圧力、温度、時間については、用いる積層機にも依存するものであるが、良好な積層が実現できるよう適宜の条件を設定すればよい。こうして得られた積層体は、未焼成センサ素子を包含したものである。なお、パターン形成工程において各グリーンシートに複数のセンサ素子に対応するパターンを形成しておくことで、複数の未焼成センサ素子を包含する積層体を得てもよい。
切り出し工程では、積層体から未焼成センサ素子を切り出す(ステップS50)。この工程では、例えば、グリーンシートのシート孔やカットマークなどを参考にして積層体を切断し、未焼成センサ素子を切り出す。積層体が複数の未焼成センサ素子を包含する場合には、積層体から複数の未焼成センサ素子を切り出す。
焼成工程では、切り出し工程で得られた1以上の未焼成センサ素子を焼成する(ステップS60)。焼成は、例えば、大気雰囲気下で予め定められた一定の水蒸気分圧となるように調整しながら、1350〜1400℃の焼成温度で行う。この焼成工程により、センサ素子が得られる。
上述した実施形態の乾燥炉10を用いて本発明の乾燥方法を行い、実施例1〜9とした。実施例1〜9では、グリーンシート70を乾燥する際の1本あたりの赤外線ヒーター40のヒーター出力[kW/本]、照射時間[sec]、及び処理空間14b内の送風の風量[Nm3/min]を表1に示すように種々変更した。なお、実施例1〜9の各々において、5本の赤外線ヒーター40の出力は互いに同じとした。乾燥炉10において、フィラメント41の発熱長は350mmとし、赤外線ヒーター40の前後のピッチは240mmとし、ヒーター高さは100mmとした。また、炉体14の処理空間14bの前後の長さは1200mmとした。送風機22が供給する風は、120℃の大気とした。赤外線ヒーター40の冷媒流路46には常温の大気を流通させ、赤外線ヒーター40の1本あたりの風量は1.0Nm3/minとした。また、冷媒流路46を通過したあとの冷媒は、送風機22が供給する風の加熱に利用した。実施例1〜9の照射時間の調整は、搬送装置50によるグリーンシート70の搬送速度を調整することで行った。実施例1〜9におけるフィラメント41からの赤外線のピーク波長は約1.7μmであった。
乾燥炉10の代わりに図3に示す乾燥炉110を用い、赤外線ヒーターを用いず熱風によりグリーンシート70を乾燥して、比較例1〜17とした。乾燥炉110は、複数のグリーンシート70をまとめて乾燥するバッチ炉として構成されている。乾燥炉110は、図3に示すように、内部に処理空間114aを有する炉体114と、処理空間114a内に熱風を供給するファン120と、処理空間114aからの雰囲気の出口となる排気口130と、グリーンシート70(図示省略)を支持する支持体150と、を備えている。支持体150は、上下5段の載置部を有するSUS製の棚151と、棚151の載置部上に載置される樹脂製のトレイ152と、を備えている。トレイ152は、図3では棚151の各段に2個ずつ図示しているが、実際には棚151の各段に6個ずつ配置した。また、トレイ152は、図示は省略するが、グリーンシート70を上面に載置する平板状のセッターを上下に5段有し、さらにその上段に蓋を有している。また、トレイ152は、セッター及び蓋の4隅を支持して上下のセッター間や蓋とセッターとの間を離間しつつ支持する図示しないスペーサを有している。1個のトレイ152は、5段のセッターの各々の上面に、グリーンシート70が一枚ずつ載置可能である(計5枚)。なお、1つのトレイ152内の上下に隣接するセッターの距離は5mmとした。また、上下に隣接するトレイ152間の距離は80mmとした。この複数のトレイ152のセッターの各々の上面に、グリーンシート70を載置した状態で乾燥を行った。グリーンシート70は、計140枚載置した。ファン120から供給される熱風は、130℃の大気とし、風量は0.6Nm3/minとした。乾燥時間は180minとした。この条件で、140枚のグリーンシート70の乾燥を行い、その中から互いに異なるトレイ152に載置されたグリーンシート70を抽出して比較例1〜17とした。比較例1〜17の各々について、実施例1〜9と同様に乾燥工程前後のグリーンシート70の状態を調べた。比較例1〜17のシート最大温度、重量減少率、及び弾性強度を、表2にまとめて示す。なお、各比較例のシート最大温度、重量減少率、及び弾性強度は、それぞれ同じトレイ152内の3枚のグリーンシート70の乾燥を行った場合の平均値として導出した。なお、比較例1〜17の乾燥対象のグリーンシート70は、実施例1〜9と同じ方法で作製したものを用いた。
Claims (8)
- セラミックスグリーンシートに対して、1μm以上4μm以下の波長領域にピーク波長を有する赤外線を照射して該セラミックスグリーンシートを乾燥させる乾燥工程、
を含み、
前記乾燥工程では、前記セラミックスグリーンシートの温度を200℃以下に保つようにする、
セラミックスグリーンシートの乾燥方法。 - 前記乾燥工程では、可塑剤を含有する前記セラミックスグリーンシートを乾燥させる、
請求項1に記載のセラミックスグリーンシートの乾燥方法。 - 前記可塑剤は、フタル酸ジオクチルである、
請求項2に記載のセラミックスグリーンシートの乾燥方法。 - 前記乾燥工程では、厚みが100μm以上300μm以下の前記セラミックスグリーンシートを乾燥させる、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のセラミックスグリーンシートの乾燥方法。 - 前記乾燥工程では、乾燥による前記セラミックスグリーンシートの重量減少率が0.2wt%以上0.9wt%以下となるようにする、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のセラミックスグリーンシートの乾燥方法。 - 前記乾燥工程では、前記セラミックスグリーンシートが存在する処理空間に0.05〜1.5Nm 3 /minの風量の送風を行う、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のセラミックスグリーンシートの乾燥方法。 - 複数のセラミックスグリーンシートを用意する準備工程と、
前記準備工程の後、前記複数のセラミックスグリーンシートに対して、1μm〜4μmの波長領域にピーク波長を有する赤外線を照射して該複数のセラミックスグリーンシートを乾燥させる乾燥工程と、
前記乾燥工程後の複数のセラミックスグリーンシートにペーストからなる所定のパターンを形成して乾燥させるパターン形成工程と、
前記パターン形成工程後のセラミックスグリーンシートを積層して積層体とする積層工程と、
前記積層体から未焼成センサ素子を切り出す切り出し工程と、
前記未焼成センサ素子を焼成する焼成工程と、
を含み、
前記乾燥工程では、前記セラミックスグリーンシートの温度を200℃以下に保つようにする、
センサ素子の製造方法。 - 前記乾燥工程では、前記セラミックスグリーンシートが存在する処理空間に0.05〜1.5Nm 3 /minの風量の送風を行う、
請求項7に記載のセンサ素子の製造方法。
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2016
- 2016-03-31 JP JP2016070890A patent/JP6630216B2/ja active Active
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