JP2974619B2 - 大型基板の乾燥方法および乾燥装置 - Google Patents

大型基板の乾燥方法および乾燥装置

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JP2974619B2
JP2974619B2 JP23558596A JP23558596A JP2974619B2 JP 2974619 B2 JP2974619 B2 JP 2974619B2 JP 23558596 A JP23558596 A JP 23558596A JP 23558596 A JP23558596 A JP 23558596A JP 2974619 B2 JP2974619 B2 JP 2974619B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一面に所定パター
ンで厚膜ペーストが塗布された大型基板を乾燥するため
の大型基板の乾燥方法および乾燥装置の改良に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】例えば、プラズマ・ディスプレイ・パネ
ル(PDP)用基板、蛍光表示管(VFD)の陽極基
板、プラズマ・アドレスド液晶表示装置(PALCパネ
ル)のプラズマスイッチング基板、フィールドエミッシ
ョン表示装置(FED)用基板等の表示デバイス用基
板、厚膜配線基板、或いはサーマルプリンタヘッドやイ
メージセンサ等の電子デバイス用基板等においては、ガ
ラスやセラミックス等から構成される基板上に、それら
の基板に所定の機能を付与するための金属や無機材料等
に必要に応じてガラスボンド成分が添加されて成る構成
要素が所定パターンで設けられる。例えば、PDP用基
板等の表示デバイス用基板においては、放電空間を形成
し或いは発光空間を区画するための隔壁や電極、蛍光体
層等が設けられ、厚膜配線基板や電子デバイス用基板等
においては、導体配線や絶縁膜、抵抗体等が設けられ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の各構成要素は、
一般に、厚膜ペーストを用いた所謂厚膜印刷法によって
基板上に印刷形成されて設けられる。この厚膜ペースト
には、一般に、上記の構成要素成分に加えて、印刷形成
後に所定の形状を保持するための例えばエチルセルロー
スやアクリル等の熱分解性のよい高分子化合物(樹脂成
分)と、印刷に適した所定の粘性を与えるための例えば
テルピネオールやカルビトールアセテート等の溶剤とが
含まれる。
【0004】ところで、厚膜印刷法においては、基板上
に厚膜ペーストを所定パターンで印刷した後、例えば数
百 (℃) 程度の所定温度で加熱処理することにより、そ
のガラスボンド成分の溶融や材料自体の軟化、溶融、或
いは焼結によって、所定の機能を有する構成要素が基板
上に固着される。このとき、上述のように厚膜ペースト
には所定の粘性を与えるための溶剤が含まれていること
から、上記の加熱処理に先立って、その溶剤を除去する
乾燥処理が行われる。これにより、加熱処理炉内で溶剤
蒸気濃度が高まることが防止される一方、印刷膜が強固
になることから、加熱処理前の基板の取扱いが容易にな
ると共に、印刷工程を繰り返して厚膜ペーストを積層
し、或いは別パターンで厚膜ペーストを印刷することが
可能となる。
【0005】一般に、厚膜ペーストの乾燥過程において
印刷膜は、温度上昇に伴う樹脂の粘性低下によって軟化
作用を与えられる一方、溶剤の蒸発によって硬化作用を
与えられる。これらの軟化および硬化作用による印刷膜
形状への影響の度合いは特に昇温速度によって変化し、
昇温速度が遅い程軟化する傾向にあると考えられる。そ
のため、乾燥過程において基板の面内で大きな温度差
(温度分布)が生じると、印刷膜の高さや幅が不均一と
なって、厚膜形成される構成要素の所望の機能を得るこ
とが基板が大型となる程困難になる。すなわち、乾燥処
理は、基板の面内の温度分布を可及的に均一に保ちつつ
実施されることが望まれるのである。
【0006】従来、上記の乾燥処理は、例えば、図1乃
至図3に示されるような乾燥機を用いて熱風循環或いは
棒状ヒータで加熱することによって行われていた。例え
ば、図1に示されるバッチ式乾燥機では、各バッチ毎
に、炉室内に基板10を入れて熱風を循環させることに
より所定温度まで昇温し、その温度で所定時間保持した
後、送風或いは自然放冷によって冷却して基板10を炉
室外に取り出すことによって乾燥処理が行われる。この
とき、基板の中央部では温度が上昇し難いことから、昇
温速度はその中央部の温度上昇速度に合わせた低速度と
なる。そのため、昇温に多大な時間を要することとなっ
て、バッチ毎に昇降温が必要であることと相俟って、基
板1枚当たりの処理時間が極めて長くなるという問題が
ある。
【0007】また、図2に示される連続乾燥機では、一
方向に沿って(図においては右方向)設けられた各領域
12,14,16が昇温、保持、降温の各過程を分担
し、基板10は、その一方向に沿って搬送される過程で
昇降温させられる。そのため、バッチ毎の昇降温は不要
である。しかしながら、このような連続乾燥機では、基
板10を搬送する過程で所定の温度曲線に従って昇降温
させるために、昇温領域12および降温領域16におい
て上記の一方向に沿って温度勾配が設けられる。そのた
め、その温度勾配によって基板10の搬送方向前後に温
度分布が生じることを抑制するためには、例えば昇降温
領域12,16を長く設けて昇降温速度を低下させる必
要があって、基板1枚当たりの処理時間が長くなる。
【0008】また、図3に示される半バッチ式連続乾燥
機では、上下方向に移動可能とされて下端位置において
炉室内を第1室18、第2室20、第3室22に区画す
るための仕切り24,24が一方向に沿って複数箇所に
設けられている。この乾燥機においては、第1室18、
第2室20、第3室22で順次停止するように間歇的に
基板10が移動させられ、各室18、20、22は、仕
切り24、24で相互に略独立させられた状態で熱風或
いは冷風が循環させられることにより、それぞれ予め定
められた所定温度とされる。このため、基板10に搬送
方向の温度分布は生じ難いが、各室18、20、22の
設定温度を相互に大きく異なるものとすると、基板10
は移動直後に昇温速度の速い温度曲線に従って昇温させ
られることから、基板10の中央部が周縁部に比較して
温度上昇し難いことに起因する温度分布が生じ得る。し
たがって、各室18,20,22相互の温度差を小さく
して急昇温を避けるためには、昇温領域を多く設ける必
要があることから、この場合にも1枚当たりの処理時間
が長くなるのである。
【0009】すなわち、図4に昇温時間と基板温度との
関係を模式的に示すように、上記従来の乾燥機では、昇
温時間を短くすると基板10の面内での最高温度と最低
温度との差ΔTが大きくなる傾向にあり、反対に温度差
ΔTを小さくしようとすると昇温時間が長くなる傾向に
あることから、何れも基板10の面内の温度分布を均一
にしようとすると乾燥時間が長くなるという欠点を有し
ていた。なお、上述のように基板10は中央部で温度上
昇し難いことから、図4において、最高温度は基板の周
縁部で得られ、最低温度は基板の中央部で得られること
となる。しかも、上記の欠点は例えば40インチ程度以上
の大表示面のPDP用基板を製造する場合のように、基
板10が大型化する程温度分布が生じ易くなって顕著と
なる。しかしながら、印刷膜が軟化させられない程、印
刷形状からの変形が小さくされて各構成要素を高精度で
形成し得ることとなり、しかも、基板の面内における温
度分布を小さくするために多大な乾燥時間が必要となる
ことは生産性の面から好ましいことではないため、昇温
時間は短い程好ましいのである。
【0010】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的とするところは、厚膜印刷に
よってパターン形成された大型基板を乾燥するに際し
て、面内の温度分布を均一にしつつ短時間で乾燥し得る
乾燥方法および乾燥装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための第1の手段】斯かる目的を達成
するため、第1発明の乾燥方法の要旨とするところは、
溶剤を含む厚膜ペーストが所定パターンで塗布された大
型基板を乾燥する方法であって、(a) 前記大型基板を一
方向に沿って設けられた複数の停止位置に間歇的に移動
させる移動工程と、(b) 前記複数の停止位置の各々にお
いて、前記大型基板を構成する複数の領域毎に各々の温
度上昇特性に応じて温度上昇し難い領域程高い放射照度
の遠赤外線をその大型基板に対向する遠赤外線放射体を
備えた遠赤外線ヒータから照射することにより前記大型
基板を均一に加熱する加熱工程と、(c)前記複数の停止
位置の各々において、前記加熱と同時に前記遠赤外線ヒ
ータの裏面側から該遠赤外線ヒータを通して前記大型基
板の中央に向かって空気を供給する送風工程とを、含む
ことにある。
【0012】
【発明の効果】このようにすれば、大型基板は一方向に
沿って間歇的に搬送される過程で複数の停止位置に順次
停止させられ、そこで遠赤外線を照射されて加熱される
と同時に遠赤外線ヒータを通してその中央部に向かって
空気を供給されることによって乾燥させられる。このと
き、その大型基板に照射される遠赤外線は、大型基板を
構成する複数の領域毎に各々の温度上昇特性に応じて温
度上昇し難い領域程高い放射照度とされて、大型基板が
均一に加熱される。遠赤外線を利用して加熱する場合に
は、大型基板の各領域毎に入射させられる遠赤外線でそ
の各領域がそれぞれ直接的に加熱されることから、その
各領域はその遠赤外線の入射量に応じた速度でそれぞれ
昇温させられる。そのため、温度上昇し難い領域程、放
射照度すなわち単位時間・単位面積当たりの放射エネル
ギの入射量(dΦe /dA[W/m2])すなわち入射エネル
ギ密度或いは入射エネルギ強度を大きくすることによっ
て、各領域の温度上昇速度が略均一となるように加熱で
きる。しかも、加熱の際同時に大型基板の中央に向かっ
て供給される空気はその中央から周縁部に向かって流れ
ることから、厚膜ペースト中の溶剤から乾燥時に発生す
る分解ガスがその大型基板上から積極的に除去されてそ
の近傍に滞留することが抑制されるため、溶剤の分解が
促進される。したがって、大型基板の面内における温度
分布を均一にしつつ速やかに昇温させて、短時間で大型
基板を乾燥することが可能となる。
【0013】
【第1発明の他の態様】ここで、好適には、前記の大型
基板の乾燥方法において、(c-2) 前記送風工程は、前記
供給した空気を前記大型基板の下方から外部に排出する
ものである。このようにすれば、大型基板を乾燥する際
の空気の流れが専ら上方から下方に向かうことから、大
型基板表面における溶剤の分解ガスの濃度が一層低く保
たれるため大型基板が一層均一に乾燥させられると共
に、その空気の流れによる塵埃の舞上がりが抑制されて
高いクリーン度の下で乾燥処理を施すことができる。
【0014】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための第2発明の乾燥装置の要旨とするところ
は、溶剤を含む厚膜ペーストが所定パターンで塗布され
た大型基板を乾燥するための大型基板の乾燥装置であっ
て、(a) 前記大型基板を予め定められた複数の停止位置
毎に停止させつつ一方向に沿って所定のサイクルで間歇
的に搬送するための搬送装置と、(b) 前記複数の停止位
置の各々において遠赤外線放射体が前記大型基板に対向
するように設けられ、該遠赤外線放射体から放射される
遠赤外線の放射発散度が予め定められた所定区画毎に制
御される複数の遠赤外線ヒータと、(c)その遠赤外線放
射体の所定区画毎に放射される遠赤外線の放射発散度
を、前記大型基板を構成する複数の領域毎に各々の温度
上昇特性に応じて温度上昇し難い領域程照射される遠赤
外線の放射照度が高くなるように該複数の遠赤外線ヒー
タ毎に制御するための制御装置と(d) 前記複数の停止
位置の各々において前記遠赤外線ヒータの裏面側に備え
られ、該遠赤外線ヒータを通してその大型基板の中央に
向かって空気を供給するための送風装置とを、含むこと
にある。
【0015】
【第2発明の効果】このようにすれば、搬送装置は大型
基板を一方向に沿って間歇的に搬送る過程で複数の停
止位置に順次停止させるが、複数の停止位置の各々には
その大型基板に対向する遠赤外線放射体を有する遠赤外
線ヒータが備えられているため、そこで遠赤外線ヒータ
から遠赤外線照射されることによってその大型基板が
乾燥させられる。このとき、その遠赤外線放射体は、遠
赤外線の放射発散度すなわち単位時間・単位面積当たり
の放射エネルギの発散量(dΦe /dA[W/m2])が予め
定められた所定区画毎に制御装置によって制御されるも
のであるため、大型基板に照射される遠赤外線の放射発
散度を、大型基板を構成する複数の領域毎に各々の温度
上昇特性に応じて温度上昇し難い領域程大きくできる。
遠赤外線の放射発散度は、遠赤外線放射体の表面温度の
4乗に比例することから、その温度を上記所定区画毎に
制御することにより、放射発散度をその所定区画毎に制
御できるのである。したがって、大型基板の各領域の温
度上昇速度を略均一にできる。しかも、上記停止位置の
各々には更に送風装置が備えられているため、加熱の際
同時に大型基板の中央に向かって空気を供給することに
より、その中央から周縁部に向かう空気の流れで厚膜ペ
ースト中の溶剤から乾燥時に発生する分解ガスがその大
型基板上から積極的に除去される。そのため、その分解
ガスがその近傍に滞留することが抑制されることから、
溶剤の分解が促進される。したがって、温度分布の発生
を抑制しつつ昇温速度を一層速くすることが可能となっ
て、乾燥処理時間を短くすることが可能となる。
【0016】
【第2発明の他の態様】ここで、好適には、前記の大型
基板の乾燥装置は、(e) 前記送風装置から供給された空
気を外部に排出するために前記大型基板の下側に設けら
れた排気口を更に含むものである。このようにすれば、
大型基板中央に向かって供給された空気がその大型基板
の下側に設けられた排気口に向かわせられるため、乾燥
装置内の空気の流れが専ら上方から下方に向かうことと
なる。そのため、大型基板表面における溶剤の分解ガス
の濃度を一層低く保つことが可能になると共に、乾燥装
置内における空気の流れによる塵埃の舞上がりが抑制さ
れて高いクリーン度を得ることができる。
【0017】
【0018】
【0019】また、好適には、前記遠赤外線放射体は、
少なくとも前記所定区画毎に独立させられた複数の矩形
放射体がマトリックス状に配列されたものである。この
ようにすれば、少なくとも別々に制御される所定区画毎
に遠赤外線放射体が独立させられるため、その所定区画
毎の放射発散度の制御が一層容易となって、大型基板の
温度分布を一層均一にすることができる。
【0020】また、好適には、前記搬送装置は、前記複
数の停止位置において前記大型基板をそれぞれ支持する
ために設けられた固定支持部材と、その大型基板をその
固定支持部材による支持位置よりも上方で支持するため
に設けられた可動支持部材と、その可動支持部材を少な
くとも上記複数の停止位置の各々において、その固定支
持部材に対して前記大型基板に垂直な上下方向に相対移
動させるための上下移動装置と、その可動支持部材を前
記一方向に沿った前後方向に移動させるための前後移動
装置とを、含むものである。このようにすれば、大型基
板が停止位置において固定支持部材によって支持されて
いる状態で可動支持部材が相対的に上昇させられると、
その大型基板は、その固定支持部材に代わってその可動
支持部材に支持され、その可動支持部材が大型基板を支
持した状態で前方に隣接する停止位置に移動させられて
相対的に下降させられると、その大型基板がその停止位
置において固定支持部材に支持され、その後、可動支持
部材は後方に移動させられ、これが繰り返されることに
よって、所謂ウォーキングビーム駆動方法で大型基板が
一方向に沿って設けられた複数の停止位置に順次移動さ
せられる。そのため、可動支持部材の駆動機構である上
下移動装置および前後移動装置を乾燥室外に設けること
が可能となるため、大型基板が位置させられる乾燥室内
に、その大型基板を移動させるための駆動部を設ける必
要がなくなって、その移動に伴う乾燥装置構成部相互お
よび大型基板との摺動がなくなる。したがって、ベルト
コンベアやローラによって大型基板を移動させる場合に
比較して、一層高いクリーン度を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、
各部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【0022】図5は、本発明の一実施例の乾燥装置30
の構成を示す断面図である。図において、乾燥装置30
は、加熱部32と、その加熱部32の下方に駆動機構が
位置させられた搬送部34とを備えている。この乾燥装
置30は、例えば、ガラスやセラミックス等から構成さ
れる例えば1000×600 (mm)程度の比較的大型の基板10
に所定の機能を付与するための金属や無機材料等に必要
に応じてガラスボンド成分が添加されて成る構成要素
(例えば表示デバイス用基板においては隔壁や電極、蛍
光体層等、或いは電子デバイス用基板においては導体配
線や絶縁膜、抵抗体等)を厚膜印刷によって所定パター
ンで形成するに際して、印刷された厚膜ペーストを乾燥
する目的で用いられるものである。基板10は、上記の
搬送部34によって図の左方から右方に搬送され、その
過程において、加熱部32によって所定温度に加熱され
て乾燥させられる。
【0023】上記の加熱部32は、基板10から例えば
200 (mm)程度の所定距離隔ててその基板10と平行とな
るように炉室36内に備えられて、その基板10に向か
って遠赤外線を放射する例えば3つの遠赤外線マトリッ
クスヒータ38a,38b,38c(以下、特に区別し
ないときは単にヒータ38という)と、そのヒータ38
を制御する制御装置40と、炉室36内に冷気或いは熱
気を供給するためにヒータ38a,38b,38cの上
側にそれぞれ備えられたダウンブローユニット48a,
48b,48c(以下、特に区別しないときは単にダウ
ンブローユニット48という)とから構成される。な
お、上記3つのヒータ38は、後述のように各停止位置
80の直上に設けられており、停止位置80a、80
b、80cがそれぞれ温度曲線の昇温、保持、降温の各
温度領域に対応して、例えば120 〜180(℃) の範囲の保
持温度が得られるように、それぞれ異なる温度に設定さ
れる。
【0024】上記のヒータ38は、例えば、図6に基板
10との上下位置関係を反対とし、且つそれらの相互間
隔dを拡大した状態で示されるように、多数(本実施例
においては54個)の面状ヒータ42がマトリックス状
に配列されたものである。個々の面状ヒータ42は、例
えば120 ×120 (mm)程度の大きさの矩形表面を有する遠
赤外線放射体44の背面側に後述の図10に示されるよ
うに発熱体136をそれぞれ備えている。ヒータ38に
は、例えば130 〜150 (mm)程度の中心間隔をもって図に
おける右上がり方向に沿って並ぶ6本の長手状支持部材
46が備えられており、上記の面状ヒータ42は、この
長手状支持部材46上にそれぞれ9個ずつ取り付けられ
ることによって全体がマトリックス状に配列されてい
る。
【0025】上記発熱体136は、それぞれ図5に示さ
れる制御装置40によって独立に駆動されるものであ
り、予め定められた面状ヒータ設定温度と、面状ヒータ
42の放熱面またはその近傍に設けられた熱電対等から
構成される多数の温度センサ47によって検出された面
状ヒータ42の表面温度すなわち遠赤外線放射体44の
表面温度とに基づいて、その発熱体136に通電する電
流値が変化させられることにより、それぞれの遠赤外線
放射体44から放射される遠赤外線のエネルギ量すなわ
ち放射発散度が調節される。すなわち、本実施例におい
ては、ヒータ38が遠赤外線ヒータに相当し、遠赤外線
放射体44をそれぞれ備えてマトリックス状に配列され
た相互に独立する複数の面状ヒータ42からそのヒータ
38が構成され、その面状ヒータ42が個々に制御され
ることにより、遠赤外線放射体44から放射される遠赤
外線の放射発散度が所定区画毎に制御されて、例えば20
0 (mm)程度の所定距離dだけ隔てて位置する基板10に
入射させられる遠赤外線の放射照度が基板10を構成す
る各領域140毎に制御されるようになっている。した
がって、本実施例においては、放射発散度を制御する区
画は面状ヒータ42毎に形成されており、基板10に入
射させられる遠赤外線の放射照度はその面状ヒータ42
の境界に対応して形成される図6に破線で示される領域
140毎に制御されることとなる。なお、複数の面状ヒ
ータ42によって構成されるヒータ38の面積は、乾燥
装置30内で乾燥される種々の大きさの基板10のうち
の最大のもの(例えば1000×600 [mm]程度)よりも例え
ば面状ヒータ42の1枚分程度の幅(すなわち各辺で12
0 [mm]程度)だけ大きな面積となるように設定されてお
り、その個数すなわちヒータ38の分割数は、後述のよ
うに所望の温度分布を得るために必要な制御区画数に応
じて定められている。
【0026】また、前記のダウンブローユニット48
は、図示しないエア供給源に接続されているダクト50
と、そのダクト50を介して供給されるエアを必要に応
じて加熱するための加熱ヒータ52と、そのエアから塵
埃を除去するためのフィルタ54とをそれぞれ備えてお
り、開口56を介して炉室36内に清浄な冷気或いは熱
気を供給するものである。このダウンブローユニット4
8は、図に示されるようにヒータ38の背面に向かって
空気を供給するように配置されているが、ヒータ38を
構成する複数の長手状支持部材46相互の間には10(mm)
程度の隙間が設けられていることから、その背面に供給
された空気は、その隙間を通ってヒータ38の下側に位
置する基板10の中央に吹きつけられることとなる。し
たがって、本実施例においては、ダウンブローユニット
48が送風装置に相当する。このとき、ダウンブローユ
ニット48によって基板10上に供給されるエア量は、
例えばそれぞれ 2(m3/分) 以下程度である。ダウンブロ
ーユニット48の開口面積は例えば1(m2) 程度であるこ
とから、空気は風速2(m/分) 以下程度で供給されること
となる。なお、炉室36内に供給された空気は、炉床7
0に設けられている排気口57およびそれに続く排気管
を介して外部に排出される。また、ヒータ38は、長手
状支持部材46の長手方向が基板10の搬送方向と垂直
となるように、すなわち図5において紙面と垂直となる
ように、図6に示される両端部58、60において炉体
62に支持されている。
【0027】また、前記の搬送部34は、炉室36内を
通って炉体62の前後すなわち基板10の搬送方向に延
びる互いに平行な3本の固定ビーム64と、それら固定
ビーム64に沿ってそれらの間に位置する互いに平行な
一対の可動ビーム66とを備えている。図7に図5にお
けるVII −VII 視断面を示されるように、炉体62に
は、基板10の搬送方向(すなわち図5における左右方
向)に延びる一対の長手状溝68、68が炉床70に形
成されている。3本の固定ビーム64a、64b、64
c(以下、特に区別しないときは単に固定ビーム64と
いう)は何れも炉床70から立設された棒状の支持部材
72上に固定されているが、両側に位置する2本(64
a,64c)はその長手状溝68、68の外側に、残る
1本(64b)はその長手状溝68、68によって炉体
62から分離されている部分の中央にそれぞれ位置させ
られている。また、2本の可動ビーム66a,66b
は、長手状溝68、68内において炉床70を貫通する
ように設けられている可動支持部材74上に固定されて
おり、可動ビーム66aが固定ビーム64aの近傍に、
可動ビーム66bが固定ビーム66cの近傍にそれぞれ
位置させられている。なお、図7においてはヒータ38
およびダウンブローユニット48等が省略して示されて
いる。
【0028】上記の固定ビーム64および可動ビーム6
6には、それぞれ複数本の固定ピン76および可動ピン
78が固着されている。図5に示されるように、乾燥装
置30の炉室36内には、3つのヒータ38の直下の位
置に基板10の搬送方向に連なる3つの停止位置80
a、80b、80c(以下、特に区別しないときには単
に停止位置80という)が設けられており、基板10
は、図の左方から右方に搬送される過程において、その
3つの停止位置80に順次停止させられるようになって
いる。その停止位置80のそれぞれにおいては、炉室3
6内で左端に位置する基板10について示されるよう
に、基板10は複数本の固定ピン76によって支持され
ている。なお、炉室36内においては固定ビーム64が
部分的に省略して示されているが、その省略部分に位置
する他の2枚の基板10、10も同様に固定ピン76に
よって支持されている。
【0029】また、前記の可動支持部材74は、基板1
0の搬送方向に延びる一対の可動フレーム82、82上
に固定されている。この可動フレーム82、82は、長
手方向の3か所に設けられた桟84によって相互に連結
されると共に、長手方向の2か所において、下端部にロ
ーラ86を備えた一対のフレーム支持部材88がそれぞ
れ外側に取り付けられている。このフレーム支持部材8
8のローラ86は、可動フレーム82の下方に位置する
一対のレール90、90に、その上下から挟み込むよう
に係合させられている。このため、フレーム支持部材8
8がレール90上を滑動させられることによって、可動
フレーム82が基板10の搬送方向の前後に移動させら
れるようになっている。
【0030】また、上記のレール90上には、前記の制
御装置40によって駆動制御される前後移動用モータ9
2が取り付けられており、同様にレール90上に固定さ
れた一対の軸受け94、94によって支持されているネ
ジ軸96が、そのモータ92に連結されてその軸心回り
に正転および逆転させられるようになっている。前記の
可動フレーム82には、下方に延びて先端部に雌ねじ穴
を有するナット98が取り付けられており、そのナット
98がネジ軸96に嵌め込まれている。このため、可動
フレーム82は、モータ92が回転させられてナット9
8がネジ軸96上をその軸心方向に移動させられること
によって、フレーム支持部材88がレール90上を滑動
させられつつ長手方向の前後何れかに移動させられる。
【0031】また、レール90、90の長手方向の両端
部および中央部の3位置には、そのレール90から下方
に延びる突片100がそれぞれ設けられると共に、その
長手方向と垂直かつ水平方向に延びるクランク軸102
a、102b、102c(以下、特に区別しないときは
単にクランク軸102という)がそれぞれフレーム10
3上に固定された一対の軸受け104によって支持され
て設けられている。なお、図7において省略されている
左方に位置する一方の軸受け104は、ネジ軸96およ
び固定ビーム64の軸心を通る平面に関して右方の軸受
け104と対称位置に設けられている。それぞれのクラ
ンク軸102には、レール90、90の間の位置におい
て、それぞれに設けられている突片100に向かって延
びる第1アーム106a、106b、106c(以下、
特に区別しないときは単に第1アーム106という)が
相対回動不能に固定されており、その第1アーム106
と突片100とは、クランク軸102に平行な軸心回り
の相対回動可能にそれぞれ係合されている。また、それ
ぞれのクランク軸102には、図7において右側に位置
するレール90の外側位置において上方に向かって延び
る第2アーム108a、108b、108c(以下、特
に区別しないときは単に第2アーム108という)が相
対回動不能に固定されている。3つの第2アーム108
は、その上端部がレール90と平行に延びるクランク連
結棒110にそれぞれ相対回動可能に取り付けられるこ
とによって相互に連結されている。
【0032】レール90の長手方向の中央に位置するク
ランク軸102bには、図7に示されるように第2アー
ム108bの更に外側位置に、その第2アーム108b
と同様な形状を為して上方に向かって延びる第3アーム
112が相対回動不能に取付けられている。図8に図7
におけるVIII−VIII視断面の要部を示すように、第3ア
ーム112の先端部はモータ92の近傍に固定されてい
る昇降用エアシリンダ114のロッド116先端部に取
り付けられている。これら第3アーム112とロッド1
16とは、クランク軸102に平行な回動軸回りの相対
回動可能である。なお、上記のシリンダ114は、フレ
ーム103上に固定されているシリンダ支持部材118
の先端部に、クランク軸102に平行な回動軸回りの相
対回動可能に取り付けられており、ロッド116の突き
出しおよび引き込みに伴って第3アーム112が回動さ
せられることに起因するそのロッド116先端の高さ変
化が吸収されるようになっている。
【0033】前記の図5および上記の図8は、上記のシ
リンダ114からロッド116が最も突き出した状態を
示している。図に示される状態からロッド116が引き
込まれると、その引き込みに伴って第3アーム112の
先端が図8における左方向に引っ張られることにより、
クランク軸102bが図8の左回りに回動させられる。
そのため、そのクランク軸102bに相対回動不能に取
り付けられている第2アーム108bが第3アーム11
2と同様にクランク軸102b回りの左回りに回動させ
られ、その先端が図5における左方向に移動させられ
る。ところが、第2アーム108a、108b、108
cの先端部は、何れもクランク連結棒110に相対回動
可能に取り付けられていることから、第2アーム108
bの回動に伴ってクランク連結棒110がその長手方向
すなわち図の左方向に移動させられることとなる。その
ため、その第2アーム108bに同期して他の第2アー
ム108a、108cもクランク軸102回りに回動さ
せられることとなる。なお、上記のロッド116の最大
突き出し量は例えば50(mm)程度とされていることから、
そのロッド116が最も引き込まれるまでにクランク連
結棒110は50(mm)程度移動することとなる。
【0034】このとき、クランク軸102には、それぞ
れ一対の第1アーム106が相対回動不能に取り付けら
れていることから、第2アーム108a、108b、1
08cが同期して回動させられるのに伴って、第1アー
ム106a、106b、106cも同方向(左方向)に
回動させられることとなる。そのため、図9に第1アー
ム106aについて拡大して示すように、3つの第1ア
ーム106の先端部が上昇させられることによって、突
片100を介してレール90が上昇させられることとな
る。なお、図は、実線がロッド116が引き込まれてレ
ール90が最も上昇させられた状態を、一点鎖線がロッ
ド116が突き出させられてレール90が最も下降させ
られた状態をそれぞれ示す。このため、ロッド116の
引き込みおよび突き出しに伴って、レール90上に設け
られているモータ92や可動フレーム82、その可動フ
レーム82上に設けられている可動ビーム66等が一体
的に上昇および下降させられる。
【0035】このとき、ロッド116の移動ストローク
すなわち第2アーム108aの先端の水平方向移動スト
ロークvは前述のように50(mm)程度であり、レール90
の上下動ストロークhは30(mm)程度となる。第2アーム
108と第1アーム106との長さの比は、これらの値
が得られるように定められているのである。そして、レ
ール90が最も上昇させられた状態、すなわち可動ビー
ム66が最も上昇させられた状態においては、炉室36
内に位置させられている基板10は、固定ビーム64の
固定ピン76に代えて可動ビーム66の可動ピン78に
よって支持されることとなる。すなわち、上記の上下動
ストロークhは、可動ビーム66が最も下降させられた
状態において可動ピン78の先端が固定ピン76の先端
よりも下側に位置し、可動ビーム66が最も上昇させら
れた状態において可動ピン78の先端が固定ピン76の
先端よりも上側に位置するように定められている。
【0036】図10は、前記制御装置40の構成を説明
する図である。前記のヒータ38に設けられている温度
センサ47によって検出された温度信号は、温度設定機
能および演算機能を備えた温度調節計124に入力され
る。この温度調節計124は、例えばマイクロコンピュ
ータによって構成されており、RAMの一時記憶機能を
利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従っ
て、設定された温度制御データ並びに入力された温度信
号を処理して、ヒータ駆動回路134へ面状ヒータ42
にそれぞれ備えられている発熱体136を駆動させるた
めの電圧信号を出力する。なお、図には温度センサ47
乃至発熱体136が一組だけ示されているが、図6に示
されるように、ヒータ38には多数の温度センサ47が
備えられていることから、例えば上記の温度センサ47
乃至発熱体136の回路が多数設けられる。また、制御
装置40には、加熱時間、搬送速度、およびダウンブロ
ーの空気量等を設定する設定スイッチ120が設けられ
ていると共に、タイマ126が内蔵されており、それら
の設定信号やカウント信号、更には光電センサ等から構
成される位置検出センサ142からの位置信号が入力イ
ンターフェース144を介して演算制御回路122に入
力される。この位置信号が入力されることにより、可動
フレーム82すなわち基板10の停止位置が制御され
る。なお、可動ビーム66上の基板10を検出するセン
サを設け、停止位置の検出と同時に基板10の有無を検
出してもよい。この演算制御回路122は、例えばマイ
クロコンピュータによって構成されており、RAMの一
時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログ
ラムに従って入力信号を処理し、出力インターフェース
128を介して、モータ駆動回路130へ前後移動用モ
ータ92を駆動させるための信号を供給し、また、シリ
ンダ駆動回路132へ昇降用エアシリンダ114を駆動
させるための信号を供給し、更に、ダウンブロー駆動回
路138へダウンブローユニット48を駆動させるため
の信号を供給する。
【0037】図11は、演算制御回路122の作動を説
明するフローチャートである。所定の厚膜印刷が施され
た基板10は、図5の左方から乾燥装置30に供給され
ると、演算制御回路122の作動に従って搬送部34に
よって右方に順次送られ、その過程で加熱部32によっ
て加熱乾燥される。図において、図示しない起動操作ス
イッチが操作されて起動信号が発生したことがステップ
S1において判定されると、続くステップS2において
全てのヒータ駆動回路134に駆動信号が供給されて発
熱体136が発熱させられることにより、面状ヒータ4
2の表面温度が温度調節計124によって個々に設定さ
れている目標温度に向かわせられると共に、ダウンブロ
ー駆動回路138に駆動信号が供給されてダウンブロー
ユニット48が作動させられる。
【0038】上記の目標温度は、例えば、基板10の乾
燥処理に先立って行われる図12に示される温度設定フ
ローチャートに従って設定される。すなわち、先ず、ス
テップSS1の温度設定工程において、温度調節計12
4によって面状ヒータ42の目標温度を個々に設定す
る。この目標温度は、当初は基板10の温度分布の発生
傾向や乾燥装置30の構造等を考慮して経験的知識等に
基づいて適当に設定される。一方、乾燥処理しようとす
る基板10と同様な材質および大きさのダミーパネル
(例えば、厚膜印刷が施されていない基板10)を用意
し、そのダミーパネルの表面に数カ所乃至数十箇所程度
に区分した領域毎に熱電対等の温度センサを設ける。次
いで、ステップSS2のダミー加熱工程において、この
ダミーパネルを、基板10の通常の乾燥処理手順に従っ
て、乾燥装置30内で間歇的に搬送しつつ加熱する。そ
して、ステップSS3の温度分布測定工程において、ダ
ミーパネルの加熱中に上記の温度センサによって各領域
の温度を連続的に測定することにより、そのダミーパネ
ルの温度分布を経時的に測定する。そして、ステップS
S4の温度分布判定工程において、測定された温度分布
すなわち各時間におけるダミーパネル内の最高温度と最
低温度との差の最大値△Tが予め定められた10 (℃) 程
度の所定値Ta 以下であるか否かが判断される。△T≧
a の場合には、この判断が否定されるので、ステップ
SS1以下を再び実施する。このとき、個々の面状ヒー
タ42の目標温度は、ステップSS3において測定され
たダミーパネルの温度分布に基づいて、温度上昇速度が
遅い領域に対応する面状ヒータ42の遠赤外線の放射発
散度が高く、反対に温度上昇速度が速い領域に対応する
面状ヒータ42の遠赤外線の放射発散度が低くなるよう
に、温度調節計124によって設定変更される。このよ
うにして、ステップSS1乃至SS4をステップSS4
の判断が肯定されるまで繰り返し実施することにより、
基板10の温度分布が略均一になるように個々の面状ヒ
ータ42の目標温度が設定されることとなる。すなわ
ち、温度調節計124は、面状ヒータ42の目標温度を
任意に設定した状態で予め測定された基板10(或いは
ダミーパネル)の温度分布に基づいて、略均一な温度分
布が得られるように個々の面状ヒータ42の目標温度す
なわち所定区画毎に発散させられる遠赤外線の放射発散
度を設定するものである。なお、基板10毎に図12の
温度設定フローチャートを実施して、基板10毎の個々
の面状ヒータ42の目標温度が一旦設定された後は、基
板10の乾燥処理に先立って例えば、ステップS1の前
に、温度調節計124によって面状ヒータ42の目標温
>度をその値に設定するだけでよい。その場合には、そ
のステップS1の前に挿入される目標温度設定ステップ
が温度設定工程に対応することとなる。
【0039】なお、上記の目標温度設定は、以下の理由
で為されるものである。一般に、図5に示されるような
構成の乾燥装置30で基板10を乾燥する場合には、前
記図6に基板10上に破線で区分して示される複数の領
域140において、搬送方向Aと垂直な基板10の幅方
向の両端部の領域140sで昇温し易く、中央部の領域
140cで昇温し難い。また、乾燥装置30では、3つ
のヒータ38のうち中央に位置するものが所定の温度で
保持された状態で基板10を加熱するキープゾーンに対
応するため、炉室36内は中央側程高温となり、入口お
よび出口においては外気等による冷却もあって低温とな
る。そのため、基板10の搬送方向Aに沿った方向にお
いて、停止位置80aでは前方の領域140fが昇温し
易く後方の領域140rが昇温し難い。また、停止位置
80bでは中央部の領域140cが昇温し易く前後の領
域140f,140rが昇温し難い。更に、停止位置8
0cでは後方の領域140rが昇温し易く前方の領域1
40fが昇温し難いこととなる。したがって、基板10
の表面温度を均一にするためには、これらの昇温特性を
考慮して、入射させる遠赤外線の放射照度を昇温し難い
領域程高くする必要がある。そのため、ヒータ38の個
々の面状ヒータ42の目標温度は、それぞれの放射照度
に対応する放射発散度が得られるように、例えば中央部
で高く搬送方向に対する幅方向両端部で低くなり、ま
た、炉室36の中央部側で低く入口および出口側で高く
なるように設定されることとなる。すなわち、ヒータ3
8の表面温度分布は、基板10の一面を構成する複数の
領域140毎に各々の温度上昇特性に応じて温度上昇し
難い領域140程高い放射照度の遠赤外線を照射するよ
うに設定される。
【0040】次いで、ステップS3においては、タイマ
126によるカウントが一旦クリアされてから開始さ
れ、続くステップS4のビーム上昇工程において、シリ
ンダ駆動回路132に引込信号が供給されることによ
り、シリンダ114にロッド116が引き込まれて、ク
ランク軸102の回転に伴って第1アーム106が図5
および図9における左回りに回動させられ、レール90
およびそれと一体化させられている可動ビーム66が上
昇させられる。このとき、可動フレーム82に取り付け
られているナット98は、モータ92に最も接近した位
置であるネジ軸96の基端側の位置検出センサ142の
上方に位置させられている。そのため、可動ビーム66
は、図5に示される位置よりも左側であって、炉室36
の手前で待機させられている基板10aの直下に位置さ
せられている。このようにしてロッド116が終端まで
引き込まれることにより可動ビーム66が例えば30(mm)
程度上昇させられると、ステップS5において上昇終了
と判断されてステップS6に進む。このとき、可動ピン
78の先端が固定ピン76の先端の上側に突き出させら
れることから、炉室36の手前の基板10aおよび炉室
36内の基板10b、10c、10dが固定ピン76か
ら浮き上がらされてその可動ピン78によって支持され
る。
【0041】そして、そのステップS6のビーム送り工
程において、モータ駆動回路130に正転信号が供給さ
れることにより、前後移動用モータ92が正転駆動され
ると、ネジ軸96の回転に伴って可動フレーム82が図
5の右方向に移動させられ、可動ピン78によって支持
されている4枚の基板10a、10b、10c、10d
がその右方向に移動させられる。ナット98がネジ軸9
6の先端部まで移動させられたことがその先端側の位置
検出センサ142によって検出されると、ステップS7
において送り端検出と判定されて、モータ92が停止さ
せられ、ステップS8に進む。このとき、可動ビーム6
6は図5に示される右端位置に位置させられている。ビ
ーム下降工程に対応するステップS8においては、シリ
ンダ114からロッド116が突き出させられることに
より、クランク軸102の回転に伴って第1アーム10
6が図5および図9の右回りに回動させられる。そのた
め、レール90が徐々に下降させられ、それに一体化さ
せられている可動ビーム66が下降させられる。これに
より、可動ピン78が下降させられて固定ピン76がそ
の可動ピン78よりも突き出させられることから、基板
10a、10b、10cは、炉室36内に設けられてい
る各停止位置80a、80b、80cにおいて固定ピン
76によって支持され、基板10dは、炉室36に続い
て設けられている停止位置80dにおいて固定ピン76
によって支持される。なお、停止位置80dで固定ピン
76によって支持された基板10は、直ちに右方に送ら
れることから、上記の基板10の移動時にはその停止位
置80dは開けられた状態となっているのである。本実
施例においては、ロッド116の引き込みが開始されて
からその突き出しが終了するまでのステップS4乃至S
9が移動工程に対応し、上記の説明から明らかなよう
に、前記の搬送部34が搬送装置に相当する。
【0042】そしてロッド116の突き出しが終了する
とレール90および可動ビーム66等の下降が完了して
いることから、ステップS9において下降終了と判定さ
れてステップS10に進む。ビーム戻り工程に対応する
ステップS10においては、モータ駆動回路130に逆
転信号が供給されることにより、モータ92が逆転させ
られてレール90が左方に移動させられる。このとき、
レール90は下端位置まで下降させられていることか
ら、可動ビーム66上の可動ピン78によって基板10
が支持されていないため、基板10は上記の移動後の各
停止位置80に停止した状態で保たれている。モータ9
2の駆動によってナット98が当初位置させられていた
基端位置すなわち戻り端位置まで移動させられると、そ
の基端側の位置検出センサ142によってナット98が
検出されてステップS11の判断が肯定されるので、そ
のモータ92が停止させられてステップS12に進む。
【0043】ステップS12においては、ステップS3
においてタイマ126によるカウントが開始されてから
所定時間経過したか否かが判断される。このステップS
12においてタイムアップと判定されるまでの間、基板
10は移動させられず、各停止位置80でヒータ38に
よって加熱されると同時にダウンブローユニット48か
ら基板10中央に向かって熱気或いは冷気を供給される
こととなる。このとき、各停止位置80はヒータ38の
直下に設けられており、ヒータ38の表面温度分布は基
板10の各位置すなわち各領域140における温度上昇
特性に対応して設定されている。そのため、基板10中
央に向かって供給される空気の中央から周縁部への流れ
による雰囲気の均一化効果と相俟って、図13(a) 、
(b) に示されるように、例えば室温から80 (℃) 程度ま
で2 分程度、或いは150(℃) 程度まで3 分程度で昇温さ
せる場合には、何れも基板10上の最高温度と最低温度
との差△Tが10 (℃) 程度以下と小さく、略均一な温度
分布が得られる。なお、両図は、何れも1000×600 ×3
(mm)程度の大きさのガラス板から構成された基板10を
ダミーパネルとして用いた場合の昇温曲線、すなわち前
記図12に示されるフローチャートにおいてステップS
S4の判断が肯定されて場合に得られた温度分布を示す
ものである。したがって、本実施例においては、ステッ
プS10乃至S12が加熱工程に対応し、その加熱工程
の実施中において同時に送風工程が実施されている。
【0044】上記のように加熱が開始されてから予め設
定された例えば1 〜10分程度の所定時間経過すると、ス
テップS12の判断が肯定されて一連のステップが終了
させられる。このとき、基板10は、各停止位置80
a、80b、80c毎にそれぞれ設定されている温度と
なっている。この後、ステップS1以下の各ステップ
が、ステップS12に設定されている所定時間毎に繰り
返し実行されることによって、基板10がそれぞれ次の
停止位置80に所定のサイクルで間歇的に搬送され、停
止位置80aにおいて昇温させられ、停止位置80bに
おいて所定温度に保持(キープ)され、或いは停止位置
80cにおいて降温させられ、更に、停止位置80dに
取り出される。これにより、乾燥装置30に送られてく
る基板10が間歇的に搬送される過程で順次乾燥処理さ
れて次工程に送られる。なお、上記の説明においては、
可動ビーム66が左端位置に復帰した後に加熱工程が開
始するとしたが、一旦起動操作が為された後はヒータ3
8が常に駆動されているため、ステップS7において所
定の停止位置80に移動させられると同時に実質的に加
熱工程が開始されることとなる。したがって、ステップ
S8乃至S11に必要な時間は一定であることから、ス
テップS7の後にステップS3のタイマ作動を開始して
実際に加熱が施されている時間(すなわち、昇温、保
持、降温の各時間)を測定してもよく、各停止位置80
で処理される時間すなわちタイマ作動からタイムアップ
までの時間がその保持時間等になるようにステップS1
2におけるタイムアップ判定時間が設定されてもよい。
【0045】ここで、本実施例によれば、比較的大型の
基板10を一方向に沿って設けられた複数の停止位置8
0a、80b、80cに間歇的に移動させるステップS
4乃至S9の移動工程と、それら複数の停止位置80
a、80b、80cの各々において、基板10を構成す
る複数の領域140毎に各々の温度上昇特性に応じた放
射照度の遠赤外線を照射することによりその基板10を
均一に加熱するステップS10乃至S12の加熱工程と
を、含む工程によって基板10が乾燥される。そのた
め、基板10は一方向に沿って間歇的に搬送される過程
で複数の停止位置80に順次停止させられて、そこで遠
赤外線を照射されることによって乾燥させられる。この
とき、その基板10に照射される遠赤外線は、基板10
を構成する複数の領域140毎に各々の温度上昇特性に
応じて温度上昇し難い領域140程大きい放射照度とさ
れて、基板10が均一に加熱される。遠赤外線を利用し
て加熱する場合には、基板10の各領域140毎に入射
させられる遠赤外線でその各領域140がそれぞれ直接
的に加熱されることから、その各領域140はその遠赤
外線の入射量に応じた速度でそれぞれ昇温させられるた
め、温度上昇し難い領域程放射照度すなわち単位時間・
単位面積当たりの放射エネルギ量の入射量を大きくする
ことによって、各領域140の温度上昇速度が略均一と
なるように加熱することが可能となるのである。したが
って、基板10の面内における温度分布を均一にしつつ
速やかに昇温させて、短時間で基板10を乾燥すること
が可能となる。
【0046】また、本実施例においては、前記複数の停
止位置80の各々において、前記基板10の中央に向か
って空気を供給する送風工程を更に含むものである。こ
のようにすれば、複数の停止位置80の各々において基
板10を加熱するに際して、その基板10の中央に向か
って空気が供給される。そのため、その基板10上に供
給された空気が中央から周縁部に向かって流れることと
なるが、この空気の流れによって基板10の面内におけ
る温度が一層均一化されることから、一層乾燥処理時間
を短くすることが可能となる。しかも、基板10上に印
刷された厚膜ペースト中の溶剤から乾燥時に発生する分
解ガスが、その空気によってその基板10上から積極的
に除去されてその近傍に滞留することが抑制されるた
め、溶剤の分解が促進されることとなって、基板10が
一層均一に乾燥させられる。
【0047】また、本実施例においては、基板10を予
め定められた複数の停止位置80毎に停止させつつ一方
向に沿って所定のサイクルで間歇的に搬送するための搬
送部34と、その複数の停止位置80の各々において遠
赤外線放射体44がその基板10に対向するように設け
られ、その遠赤外線放射体44から放射される遠赤外線
の放射発散度が面状ヒータ42毎(すなわち予め定めら
れた所定区画毎)に制御される複数のヒータ38と、そ
の面状ヒータ42毎に放射される遠赤外線の放射発散度
を、基板10を構成する複数の領域140毎に各々の温
度上昇特性に応じた放射照度の遠赤外線が照射されるよ
うにそれら複数のヒータ38毎に制御するための制御装
置40とを、含んで基板の乾燥装置30が構成される。
そのため、基板10は、搬送部34によって一方向に沿
って間歇的に搬送される過程で複数の停止位置80に順
次停止させられて、そこでヒータ38から遠赤外線を照
射されることによって乾燥させられる。このとき、その
ヒータ38は、遠赤外線放射体44が基板10に対向す
るように設けられているが、その遠赤外線放射体44
は、遠赤外線の放射発散度が面状ヒータ42毎に制御さ
れるものであるため、制御装置40によってその面状ヒ
ータ42毎に制御することにより、基板10に照射され
る遠赤外線の放射発散度を、基板10を構成する複数の
領域140毎に各々の温度上昇特性に応じて温度上昇し
難い領域140程大きくできる。遠赤外線の放射発散度
は、遠赤外線放射体44の表面温度の4乗に比例するこ
とから、その温度を上記面状ヒータ42毎に制御するこ
とにより、放射発散度をその面状ヒータ42毎に制御で
きるのである。したがって、図13に示されるように、
基板10の各領域140の温度上昇速度を略均一にでき
ることから、基板10の面内における温度分布を均一に
しつつ速やかに昇温させて、短時間で基板10を乾燥す
ることが可能となる。
【0048】また、本実施例においては、基板の乾燥装
置30には、基板10の上方に設けられてその基板10
中央に向かって空気を供給するダウンブローユニット4
8が更に備えられる。そのため、前記複数の停止位置8
0の各々において基板10を乾燥するに際して、ヒータ
38で加熱しつつダウンブローユニット48によって基
板10中央に向かって空気を供給することが可能となる
ことから、基板10の中央から周縁部に向かう空気の流
れによって基板10の面内における温度が一層均一化さ
れる。したがって、温度分布の発生を抑制しつつ昇温速
度を一層速くすることが可能となって、乾燥処理時間を
短くすることが可能となる。
【0049】また、本実施例においては、前記ダウンブ
ローユニット48は、前記遠赤外線放射体44の裏面側
すなわちヒータ38の裏面側に備えられる。このように
すれば、ヒータ38の裏面側から基板10に向かわせら
れる空気がそのヒータ38の裏面側を冷却しつつ炉室3
6内に流入させられる。そのため、そのヒータ38の裏
面側の温度上昇が抑制されて、その裏面側に設けられて
いる発熱体136の配線が好適に保護されることとな
る。
【0050】また、本実施例においては、前記基板10
の下方である炉床70に排気口57が設けられ、前記ダ
ウンブローユニット48から供給された空気はその排気
口57から排出される。このようにすれば、基板10中
央に向かって供給された空気がその基板10の下側に設
けられた排気口57に向かわせられるため、乾燥装置3
0内の空気の流れが専ら上方から下方に向かうこととな
る。そのため、基板10表面における溶剤の分解ガスの
濃度を一層低く保つことが可能になると共に、乾燥装置
30内における空気の流れによる塵埃の舞上がりが抑制
されて高いクリーン度を得ることができる。
【0051】また、本実施例においては、複数の面状ヒ
ータ42がマトリックス状に配列されることによってヒ
ータ38が構成されていることから、そのヒータ38に
は、制御区分毎に独立させられた矩形の遠赤外線放射体
44が備えられている。そのため、その所定区画毎の放
射束の制御が一層容易となって、温度分布を一層均一に
することができる。
【0052】また、本実施例においては、前記搬送部3
4は、前記複数の停止位置80において前記基板10を
それぞれ支持するために設けられた固定支持部材に相当
する固定ビーム64と、その基板10をその固定ビーム
64による支持位置よりも上方で支持するために設けら
れた可動支持部材に相当する可動ビーム66と、その可
動ビーム66を上記複数の停止位置80の各々におい
て、その固定ビーム64に対して前記基板10に垂直な
上下方向に移動させるための上下移動装置を構成するク
ランク軸102、アーム106、108、112、クラ
ンク連結棒110、および昇降用エアシリンダ114
と、その可動ビーム66を基板10の搬送方向すなわち
乾燥装置30の長手方向に沿った前後方向に移動させる
ための前後移動装置を構成する前後移動用モータ92、
ネジ軸96、およびナット98とを、含むものである。
このようにすれば、基板10が停止位置80において固
定ビーム64によって支持されている状態で可動ビーム
66が上昇させられると、その基板10は、その固定ビ
ーム64に代わってその可動ビーム66に支持され、そ
の可動ビーム66が基板10を支持した状態で前方に隣
接する停止位置80に移動させられて下降させられる
と、その基板10がその停止位置80において固定ビー
ム64に支持され、その後、可動ビーム66は後方に移
動させられ、これが繰り返されることによって、所謂ウ
ォーキングビーム駆動方法で基板10が一方向に沿って
設けられた複数の停止位置80に順次移動させられる。
そのため、可動ビーム66の駆動機構である上下移動装
置および前後移動装置を構成する各部材を炉室36外に
設けられているため、基板10が位置させられる炉室3
6内に、その基板10を移動させるための駆動部が何ら
設けられておらず、その移動に伴う乾燥装置30構成部
相互および基板10との摺動がなくなる。したがって、
ベルトコンベアやローラによって基板10を移動させる
場合に比較して、一層高いクリーン度を得ることができ
る。
【0053】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は、更に別の態様でも実施さ
れる。
【0054】例えば、実施例においては、炉室36内に
それぞれ3つの停止位置80およびヒータ38が設けら
れていたが、その個数は基板10を乾燥するための所望
の温度曲線に応じて適宜変更される。例えば、昇温、保
持、および降温の各ゾーンが必要に応じて複数とされて
もよく、また、所定温度で保持した後は自然放冷しても
差し支えない場合には、降温ゾーンに対応する停止位置
80cを設けなくともよい。
【0055】
【0056】また、実施例においては、基板10を複数
の停止位置80に順に送るために所謂ウォーキングビー
ム搬送方式の搬送部34が用いられていたが、基板10
の搬送方法は複数の停止位置80で順次停止させる間歇
送りが可能なものであれば、他の種々の方法によっても
よく、例えば、ベルトコンベア方式で間歇運転すること
によっても良い。
【0057】また、実施例においては、可動ビーム66
の上下動がエアシリンダ114およびクランク機構によ
って行われ、前後動がモータ92およびボールネジ機構
によって行われていたが、これらの駆動機構は適宜変更
される。例えば、クランク機構を用いず、複数のエアシ
リンダやモータによって可動ビーム66を直接的に上下
させてもよい。また、エアシリンダ等によって可動ビー
ム66を前後させてもよい。
【0058】また、実施例においては、ヒータ38を構
成する複数の面状ヒータ42が個々に制御されていた
が、基板10の温度分布を十分に均一にできるならば、
複数の面状ヒータ42から成る領域を含む複数の領域毎
にヒータ38を制御してもよい。
【0059】また、実施例においては、ヒータ38が多
数の面状ヒータ42がマトリックス状に配列されて構成
されることにより、その面状ヒータ42によって放射発
散度の制御区画が形成されていたが、例えば、ヒータ3
8に背面に複数の発熱体136を備える1つ或いは複数
の遠赤外線放射体を設け、その発熱体136毎に制御す
ることにより、1つの遠赤外線放射体中に複数の制御区
画を形成してもよい。
【0060】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の基板の乾燥方法の一例を示す図である。
【図2】従来の基板の乾燥方法の他の例を示す図であ
る。
【図3】従来の基板の乾燥方法の更に他の例を示す図で
ある。
【図4】図1乃至図3の従来の乾燥方法による場合の昇
温時間と基板温度分布との関係を示す図である。
【図5】本発明の一実施例の基板の乾燥装置を示す図で
あり、図7におけるV−V視断面図である。
【図6】図5の乾燥装置に用いられるヒータを基板との
位置関係を併せて示す図である。
【図7】図5におけるVII −VII 視断面図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII視断面の要部を示す図
である。
【図9】図5の一部を拡大してクランク機構を説明する
図である。
【図10】図5の乾燥装置の制御装置の構成を示す図で
ある。
【図11】図10の制御装置の制御作動を示すフローチ
ャートである。
【図12】遠赤外線ヒータの温度設定方法を説明するた
めのフローチャートである。
【図13】(a) 、(b) は、それぞれ図5の乾燥装置によ
る場合の昇温時間と基板温度分布との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
10:基板 30:乾燥装置 34:搬送部(搬送装置) 38:遠赤外線ヒータ 40:制御装置 44:遠赤外線放射体 48:ダウンブローユニット(送風装置) 80:停止位置 140:領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/38 501 G03F 7/38 501 H01L 21/304 361 H01L 21/304 361H (72)発明者 高羽 義明 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番 36号 株式会社ノリタケカンパニーリミ テド内 (56)参考文献 特開 昭63−104681(JP,A) 実開 平4−87772(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F26B 3/30 F26B 15/00 F26B 23/04 F26B 25/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤を含む厚膜ペーストが所定パターン
    塗布された大型基板を乾燥する方法であって、 前記大型基板を一方向に沿って設けられた複数の停止位
    置に間歇的に移動させる移動工程と、 前記複数の停止位置の各々において、前記大型基板を構
    成する複数の領域毎に各々の温度上昇特性に応じて温度
    上昇し難い領域程高い放射照度の遠赤外線を該大型基板
    に対向する遠赤外線放射体を備えた遠赤外線ヒータから
    照射することにより前記大型基板を均一に加熱する加熱
    工程と 前記複数の停止位置の各々において、前記加熱と同時に
    前記遠赤外線ヒータの裏面側から該遠赤外線ヒータを通
    して前記大型基板の中央に向かって空気を供給する送風
    工程と を、含むことを特徴とする大型基板の乾燥方法。
  2. 【請求項2】 前記送風工程は、前記供給した空気を前
    記大型基板の下方から外部に排出するものである請求項
    1の大型基板の乾燥方法。
  3. 【請求項3】 溶剤を含む厚膜ペーストが所定パターン
    塗布された大型基板を乾燥するための大型基板の乾燥
    装置であって、 前記大型基板を予め定められた複数の停止位置毎に停止
    させつつ一方向に沿って所定のサイクルで間歇的に搬送
    するための搬送装置と、 前記複数の停止位置の各々において遠赤外線放射体が前
    記大型基板に対向するように設けられ、該遠赤外線放射
    体から放射される遠赤外線の放射発散度が予め定められ
    た所定区画毎に制御される複数の遠赤外線ヒータと該遠
    赤外線放射体の所定区画毎に放射される遠赤外線の放射
    発散度を、前記大型基板を構成する複数の領域毎に各々
    の温度上昇特性に応じて温度上昇し難い領域程照射され
    る遠赤外線の放射照度が高くなるように該複数の遠赤外
    線ヒータ毎に制御するための制御装置と 前記複数の停止位置の各々において前記遠赤外線ヒータ
    の裏面側に備えられ、該遠赤外線ヒータを通して該大型
    基板の中央に向かって空気を供給するための送風装置と
    を、含むことを特徴とする大型基板の乾燥装置。
  4. 【請求項4】 前記送風装置から供給された空気を外部
    に排出するために前記大型基板の下側に設けられた排気
    を更に含むものである請求項の大型基板の乾燥装
    置。
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