JP2001028239A - 焼成処理方法および焼成炉 - Google Patents

焼成処理方法および焼成炉

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JP2001028239A JP19970599A JP19970599A JP2001028239A JP 2001028239 A JP2001028239 A JP 2001028239A JP 19970599 A JP19970599 A JP 19970599A JP 19970599 A JP19970599 A JP 19970599A JP 2001028239 A JP2001028239 A JP 2001028239A
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PDP用の背面板、前面板の作製において、
PDPの大型化、高品質化、量産化に対応できる焼成処
理方法と、これを実施できる焼成処理装置を提供する。 【解決手段】 加熱部と冷却部とを備えた焼成炉内を、
その全体にわたり、処理基板をセッターと呼ばれる搭載
用部材に搭載して所定の方向に、順次、搬送しながら、
プラズマディスプレイパネル用の処理基板の加工用素材
を焼成する焼成処理方法であって、冷却部内において、
処理基板を、ほぼ停止させ、その一面もしくは両面に、
処理基板の中心から外側に向け、温度分布がほぼ順次高
くなるように、冷却用の風を吹きつけて、処理基板を冷
却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工用素材の焼成
処理を行う焼成処理装置に関し、特に、プラズマディス
プレイパネル用の基板の加工用素材の焼成処理装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラズマディスプレイパネル(以
下PDPとも記す)は、その奥行きの薄いこと、軽量で
あること、更に鮮明な表示と液晶パネルに比べ視野角が
広いことにより、種々の表示装置に利用されつつある。
一般に、プラズマディスプレイパネル(PDP)は、2
枚の対向するガラス基板にそれぞれ規則的に配列した一
対の電極を設け、その間にネオン、キセノン等を主体と
するガスを封入した構造となっている。そして、これら
の電極間に電圧を印加し、電極周辺の微小なセル内で放
電を発生させることにより、各セルを発光させて表示を
行うようにしている。特に情報表示をするためには、規
則的に並んだセルを選択的に放電発光させている。
【0003】ここで、PDPの構成を、図5に示すAC
型PDPの1例を挙げて説明しておく。図5はPDP構
成斜視図であるが、分かり易くするため前面板(ガラス
基板710)、背面板(ガラス基板720)とを実際よ
り離して示してある。図5に示すように、2枚のガラス
基板710、720が互いに平行に且つ対向して配設さ
れており、両者は背面板となるガラス基板720上に互
いに平行に設けられた障壁(セル障壁とも言う)730
により、一定の間隔に保持されている。前面板となるガ
ラス基板710の背面側には、放電維持電極である透明
電極740とバス電極である金属電極750とで構成さ
れる複合電極が互いに平行に形成され、これを覆って、
誘電体層760が形成されており、更にその上に保護層
(MgO層)770が形成されている。また、背面板と
なるガラス基板720の前面側には前記複合電極と直交
するように障壁730間に位置してアドレス電極780
が互いに平行に形成されており、更に障壁730の壁面
とセル底面を覆うように螢光面790が設けられてい
る。障壁730は放電空間を区画するためのもので、区
画された各放電空間をセルないし単位発光領域と言う。
このAC型PDPは面放電型であって、前面板上の複合
電極間に交流電圧を印加して放電させる構造である。こ
の場合、交流をかけているために電界の向きは周波数に
対応して変化する。そして、この放電により生じる紫外
線により螢光体790を発光させ、前面板を透過する光
を観察者が視認できるものである。なお、DC型PDP
にあっては、電極は誘電体層で被膜されていない構造を
有する点でAC型と相違するが、その放電効果は同じで
ある。また、図5に示すものは、ガラス基板720の一
面に下地層767を設けその上に誘電体層765を設け
た構造となっているが、下地層767、誘電体層765
は必ずしも必要としない。
【0004】そして、AC型のプラズマディスプレイ
(PDP)は、例えば、図4に示すようにして、作製さ
れていた。図4はAC型のPDP作製工程を示したもの
で、背面板、前面板をそれぞれ別個の工程で作製し、両
者を用いてPDPをアセンブリするものである。先ず、
背面板の作製工程を説明する。尚、S51〜S74は処
理ステップを表す。はじめに、ガラス基板を用意し(S
51)、ガラス基板上に電極配線用ペーストを一面に塗
布、乾燥し、これを製版処理を経て、所定形状に加工し
て、あるいは、ガラス基板に厚膜印刷法により電極配線
用ペーストを所定形状に印刷した後、これを焼成し、電
極配線を形成する。(S52) 次いで、形成された電極上にガラス基板面を覆うように
全面に誘電体層を形成する。(S53) 次いで、このガラス基板の誘電体層上に障壁(バリアリ
ブとも言う)を、印刷 法ないしサンドブラスト法により形成する。(S54) 印刷法の場合、ガラス基板に厚膜印刷法により障壁(バ
リアリブ)形成用ペーストを所定のパターンに印刷し、
これを乾燥する。障壁の層厚は厚く(例えば100〜2
00μmの厚さ)1回の厚膜印刷ではこの膜厚が得られ
ないため、障壁形成用ペーストの印刷および乾燥は複数
回行う。所定の膜厚が得られた後、ペーストの焼成がな
される。サンドブラスト法の場合は、障壁形成材料をガ
ラス基板上に塗布し、更にこの上に所定のレシストパタ
ーンを形成した後、研磨砂を吹きかけレジストパターン
に対応した形状に障壁形成材料を加工して、これを焼成
して障壁を形成する。更に、障壁が形成された基板に厚
膜印刷法により蛍光体用ペースト(例えば、酸化インジ
ウム含有の螢光体用ペースト)を所定パターンに印刷
し、次いでその乾燥及び焼成を行い(S55)、背面板
を形成する。(S56)
【0005】次に、前面板の作製工程を説明する。先
ず、ガラス基板を用意し(S61)、ガラス基板に例え
ばITO(Indium Tin Oxide)の蒸着
層をパターニングする。(S62) パターニングは通常のフォトリソ工程(リソグラフィー
技術)により行う。次いで、Cr−Cu−Cr(クロ
ム、銅、クロム)の3層を蒸着やスパッタリングにより
成膜し、同様にフォトリソ工程(リソグラフィー技術)
によりパターニングして、パターニングされたITO膜
とともに、放電用の電極配線を形成する。(S63) 次いで、ペースト状にした低融点ガラスのベタ印刷によ
り、透明誘電体層を形成して(S64)、前面板が得ら
れる。(S65)
【0006】次いで、このようにして得られた、背面
板、前面板を用い、以下のようにしてPDPを作製す
る。先ず、前面板及び背面板の位置合わせを行い、その
状態で両基板の縁部分にシール用鉛ガラスを塗布し、次
いでシールが行われる。(S71) 次に、両基板(背面板と前面板)及びシール部で囲われ
る空隙内が排気管を介して排気された後、この排気管を
介して上述の空隙に放電ガスが封入される。(S72) その後、排気管の焼きちぎり(チップオフ)を行い、ド
ライバIC取付けを行い(S73)、PDP(プラズマ
ディスプレイパネル)が得られる。(S74) 上記のように、PDPの作製に際し、これに使用する背
面板、前面板は、それぞれ、各種工程を経て、電極配線
部、障壁部、螢光体部、誘電体層部等が形成され、併せ
てPDPとなる。
【0007】このようなPDPの作製においては、最近
では、生産性、品質面等から、電極配線部の形成、障壁
の形成等をサンドブラスト処理により行うようになって
きた。このサンドブラスト処理は、電極配線部、障壁形
成用の低融点ガラスペーストからなる加工用素材を、そ
れぞれ、ガラス基板上に塗布し、更にこの上に所定のレ
シストパターンを形成した後、研磨砂を吹きかけレジス
トパターンに対応した形状に障壁形成材料を加工して、
これを焼成処理して、それぞれ、電極配線部、障壁を形
成するものである。しかし、ガラス基板上としては、ア
ニール処理された基板が用いられ、各処理を施すが、こ
のような焼成処理が、複数回行われるために、各処理に
おいても、ガラス基板自体の伸縮の管理が必要となる。
このため、ここで言う焼成処理とは、図3にその処理に
おける温度プロファイルを示すように、これら低融点ガ
ラスペーストからなる加工用素材をガラス基板上に形成
した後に、加工用素材を焼成するキープ温度Tkで、所
定時間保持した後、ガラス基板の歪点Tsまで徐冷し、
さらに常温まで冷却するのもので、これにより、各処理
におけるガラス基板自体の伸縮を制御している。図3
中、T0は常温を示している。尚、アニール工程とは、
簡単には、ガラス基板の永久歪を除去する処理である。
そして、ガラス基板の歪点とは、この温度からどんなに
急冷しても、その急冷のために新しく永久歪を生ぜしめ
る可能性が全くない温度である。歪点(温度)から常温
まで温度を急冷する際、この間でもガラス基板は縮む
が、急冷速度を一定としておけば、その縮む値を固定化
することができる。即ち、ピーク温度から歪点までの冷
却速度の値により、伸縮量を制御できる。また、焼成工
程のピーク温度は、通常、加工用素材を焼結するための
温度で、所定時間、このピーク温度で保持するため、こ
こでは、これをキープ温度とも言っている。また、通
常、電極配線形成用の導電性ペーストは、金属微粒子
(例えばAg)、低融点ガラスフリット、樹脂、溶剤か
らなり、誘電体層形成用のペーストは、低融点ガラスフ
リット、樹脂、溶剤からなり、必要に応じフィラー、顔
料等も加えたものである。また、障壁形成用のペースト
は、低融点ガラスフリット、フィラー(アルミナ、ジル
コニア等)、顔料、樹脂、溶剤からなる。これらのペー
ストは、焼成過程で流動して固着するための低融点ガラ
スフリットを主成分とし含むことから、一般に、低融点
ガラスないし低融点ガラスペーストと呼ばれる。
【0008】一方、PDPは、液晶表示装置とのコスト
比較の面から、益々その低コスト化が求められ、これに
伴い、PDP基板の効率的な作製、作製コストの低下が
求められている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような状況のも
と、近年のPDPの大型化、高品質化、量産化が求めら
れる中、PDP用の処理基板の焼成処理を効率的に、且
つ、品質的にも満足できるように行う焼成処理装置がま
すます求められるようになってきた。本発明は、これに
対応するもので、PDP用の背面板、前面板の作製にお
いて、PDPの大型化、高品質化、量産化に対応できる
焼成処理方法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の焼成処理方法
は、加熱部と冷却部とを備えた焼成炉内を、その全体に
わたり、処理基板をセッターと呼ばれる搭載用部材に搭
載して所定の方向に、順次、搬送しながら、プラズマデ
ィスプレイパネル用の処理基板の加工用素材を焼成する
焼成処理方法であって、冷却部内において、処理基板
を、ほぼ停止させ、その一面もしくは両面に、処理基板
の中心から外側に向け、温度分布がほぼ順次高くなるよ
うに、冷却用の風を吹きつけて、処理基板を冷却するこ
とを特徴とするものである。
【0011】本発明の焼成炉は、プラズマディスプレイ
パネル用の処理基板の加工用素材を焼成するための焼成
炉であって、加熱部と冷却部とを備え、焼成炉内を、そ
の全体にわたり、処理基板をセッターと呼ばれる搭載用
部材に搭載して所定の方向に、順次、搬送するもので、
冷却部内において、所定の位置に処理基板を、所定時間
ほぼ停止させる搬送部と、冷却部内の所定位置に停止さ
れた処理基板の一面もしくは両面に、処理基板の中心か
ら外側に向け、温度分布がほぼ順次高くなるように、冷
却用の風を吹きつける送風部を備えていることを特徴と
するものである。そして、上記における搬送部が、タク
ト搬送を行う搬送部であることを特徴とするものであ
る。そしてまた、上記において、冷却部内において、所
定の位置に処理基板を、ほぼ停止させるための位置検出
部として、焼成炉外に光学的な位置センサーを設けてい
ることを特徴とするものである。尚、ここでは、連続移
動による搬送と停止とを繰り返しながら、焼成炉内を所
定方向に搬送する搬送方法のことを、タクト搬送と言
う。
【0012】
【作用】本発明の焼成処理方法は、このような構成にす
ることにより、PDP用の背面板、前面板の作製におい
て、PDPの大型化、高品質化、量産化に対応できる焼
成処理方法の提供を可能としている。具体的には、加熱
部と冷却部とを備えた焼成炉内を、その全体にわたり、
処理基板をセッターと呼ばれる搭載用部材に搭載して所
定の方向に、順次、搬送しながら、プラズマディスプレ
イパネル用の処理基板の加工用素材を焼成する焼成処理
方法であって、冷却部内において、処理基板を、ほぼ停
止させ、その一面もしくは両面に、処理基板の中心から
外側に向け、温度分布がほぼ順次高くなるように、冷却
用の風を吹きつけて、処理基板を冷却することにより、
これを達成している。即ち、冷却部内において、処理基
板を、ほぼ停止させ、その一面もしくは両面に、処理基
板の中心から外側に向け、温度分布がほぼ順次高くなる
ように、冷却用の風を吹きつけて、処理基板を冷却する
ことにより、大サイズの処理基板に対し、基板内の温度
分布を少なくでき、割れの発生を防止できるとともに、
その処理性を上げることができる。詳しくは、これによ
り、プラズマディスプレイ用のガラス基板上への電極配
線形成のための製版、障壁形成のための製版等、低融点
ガラスペーストを塗布し、これを乾燥した後にフォトマ
スクを用いて製版を行う、パターニング方法において、
ガラス基板の伸縮に起因する、フォトマスクの作製上の
問題や、管理上の問題を無くすことを可能にするととも
に、焼成工程における基板の割れ発生を防止し、且つ、
焼成工程における処理時間の短縮を可能とするものであ
る。
【0013】本発明の焼成炉は、このような構成にする
ことにより、本発明の焼成処理方法を実施可能とするも
ので、具体的には、冷却部内において、所定の位置に処
理基板を、所定時間ほぼ停止させる搬送部と、冷却部内
の所定位置に停止された処理基板の一面もしくは両面
に、処理基板の中心から外側に向け、温度分布がほぼ順
次高くなるように、冷却用の風を吹きつける送風部を備
えていることにより、これを達成している。上記搬送部
としては、タクト搬送を行う搬送部が1例として挙げら
れるがこれに限定はされない。また、冷却部内におい
て、所定の位置に処理基板を、ほぼ停止させるための位
置検出部として、焼成炉外に光学的な位置センサーを設
けたものが挙げられる。通常は、1つのセッターに対し
処理基板1枚をこの上に搭載するが、所定の複数枚の基
板を1つの単位として、タクト搬送しても良く、これら
の搬送方法に対応した、送風部を設けことが必要であ
る。PDP用の処理基板の焼成においては、処理基板が
たわむほどの温度に上げて焼成する為、処理基板の搬送
方法としては、耐熱ガラス基板からなるセッター上に処
理基板を載せてローラー式コンベアにより搬送する方式
が一般的である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の例を挙げて
説明する。図1は、本発明の焼成処理装置の実施の形態
の1例の概略断面図で、図2は処理基板の割れの発生防
止を説明するための図で、図2(a)は処理基板の上面
図、図2(b)は処理基板の相対的な温度分布を示した
図で、図2(c)は処理基板の周辺における欠け部にか
かる応力を説明するための図である。図1、図2中、1
11は搬入部、112加熱部、113は加熱ゾーン、1
14は冷却部、115は冷却ゾーン、116は搬出部、
120はヒータ、125はマッフル、130は回転ロー
ル、141、142、143は仕切りシャッター、15
1〜154は排気部、161、162は送風機、170
は処理基板、175は欠け部、180はセッター、19
1は投光部、192は受光部、195は(検知用の)光
線である。尚、太点線矢印は処理基板の搬送方向を示
し、それ以外の矢印は排気の方向を示している。また、
加熱部112には、加熱ゾーン113のようなものが、
複数個設けられており、冷却部114には、冷却ゾーン
115のようなものが、複数個設けられいる。先ず、本
発明の焼成炉の実施の形態の1例を図1に基づいて説明
する。本例は、障壁形成のための低融点ガラスペースト
からなる加工用素材を設けたPDP用の背面板(処理基
板170)をセッター180に載せ、ほぼ水平にして、
処理基板170を順次、所定の方向(図1の太点線矢印
方向)にタクト搬送しながら加工用素材を焼成するため
の焼成炉である。尚、各加熱ゾーン113、各冷却ゾー
ン115は、それぞれ、処理基板170がタクト搬送さ
れる際に、所定時間ほぼ停止するタクトゾーンでもあ
る。
【0015】搬送部は、タクト搬送しながら、冷却部1
14内においても、所定の位置に処理基板170を、所
定時間ほぼ停止させ、停止された処理基板の両面に、そ
れぞれ、処理基板の中心から外側に向け、温度分布がほ
ぼ順次高くなるように、冷却用の風を吹きつける、送風
機161、612を備えている。搬送部は、詳しく図示
していないが、複数のローラー式コンベアを設けてお
り、これにより、セッターをタクト搬送する。搬送部
は、加熱部112と冷却部114からなる焼成炉内を、
その全体にわたり、処理基板170をセッター180と
呼ばれる搭載用部材に搭載して、所定の方向にタクト搬
送する。ここでは、セッター180として耐熱ガラス基
板を用い、セッター(180)1枚に対して処理基板
(170)1枚を搭載する。搬送するローラー式コンベ
アのローラーの材質や壁部の材質としては、焼成処理温
度に耐えることが必要で、ここでは、ステンレスローラ
ーを用い、セッターとの接触部はセラミックとしてい
る。尚、ここでは、複数のローラーをほぼ同じ回転速度
で回転させて処理基板を搬送させる機構をローラー式コ
ンベア、あるいは単にコンベアといっており、通常、1
つのローラー式コンベアは1つの駆動源により複数のロ
ーラーをほぼ同じ速度で回転させる。
【0016】図示していないが、加熱部112には、搬
送方向に沿い、加熱ヒータが複数配設されており、加熱
ヒータは、各加熱ゾーン113ごとに、分割して、それ
ぞれ別に温度制御できる。加熱ヒータとしては、遠赤外
線ヒータが防塵効果の点から好ましいが、これに限定は
されない。
【0017】冷却部114において処理基板170の位
置を確実に制御するため、投光部191、受光部192
からなる光位置センサが、焼成炉外(冷却部114の
外)に設けられている。所定位置を通るように、投光部
191から投光された光線195を受光部192にて検
知るもので、セッター180がこの位置にきて、光が遮
断されたとき、セッター180がこの位置であることを
検知する。セッター180の位置を検知することによ
り、これに搭載されている処理基板170の位置を知る
ことができる。尚、図示していないが、本例の焼成炉で
は、炉内全体にわたり、処理基板をタクト搬送するた
め、各停止位置を決める位置センサとして、上記と同じ
光位置センサを、それぞれの位置に設けている。また、
本例では、投光部191、受光部192を焼成炉外の
下、上に設けているが、焼成炉外の左右に設けても良
い。
【0018】尚、処理基板170の材質、サイズ、焼成
する加工用素材の種類等に合わせ、各コンベアのタクト
搬送速度、加熱条件、冷却条件等、種々の装置条件を設
定する。このため、これらの条件変更ができるように、
搬送機構、加熱ヒータ等を制御可能に設けておく。
【0019】ここで、図2、図3に基づいて、冷却部1
14の各冷却ゾーン115において、送風機161、1
62を設けて、冷却する理由を簡単に説明しておく。前
にも述べたように、焼成処理においては、徐冷処理(図
3の)後においては、急冷処理(図3()を行う
が、生産性の面からは、急冷処理を短時間で行うことが
要求される。また、場合によっては、歪点がキープ温度
(図3のTk)以上の場合には、徐冷を必要とせず、急
冷処理できるだけ早く行うことが、要求されている。
尚、従来の焼成炉の冷却部では、冷却水(ラジエーター
の水)を用い、冷却部の雰囲気の熱を奪い取り、冷却を
行っていたため、冷却効率の悪いものであった。この理
由としては、処理基板内の温度をほぼ一定にしながら、
これ以上に早く急に冷却することが難しく、たとえ早く
できても処理基板を急冷することにより、割れの発生が
あったためである。ところで、図2(a)に示す処理基
板170に対し、処理基板の中心から外側に向け、温度
分布がほぼ順次高くなるように、冷却用の風を吹き付
け、処理基板170の中心を通り辺に平行なA1−A2
位置において、図2(b)に示すような温度分布になっ
た場合、一般に、処理基板(ガラスである)の熱応力σ
は、式(1)のようになることが知られている。 σ = α × E × ΔT/(1−v) (1) 但し、αはガラスの熱膨張係数(1/°C)、Eはガラ
スのヤング率(kgf/mm2 )、ΔTは処理基板内の
温度分布(図2(b)に示すもので、単位は°C))、
vはガラスのポアソン比である。これより、図2(a)
に示すラインL1のような温度分布の場合には、基板の
中心には圧縮応力がかかり、周辺部分には引張応力がか
かる。また、ラインL2のような温度分布の場合には、
基板の中心部分には引張応力がかかり、周辺部分には圧
縮応力がかかる。周辺部分に引張応力がかかった場合
に、欠損部等から割れる確率が高くなる。処理基板の冷
却時においては、ΔTが所定の値より大きい場合、即
ち、処理基板に対する引張応力が所定値より大きい場
合、処理基板の周辺部に小さな欠け部(図2(c)の欠
け部175に相当)を起点として、割れが発生し易い。
ラインL2のようにΔTがマイナスの場合には、即ち、
図2(c)のような場合には、処理基板に圧縮応力が働
く。この場合、処理基板の周辺部に欠け部175が合っ
ても、欠け部175には圧縮応力が働くこととなり、こ
の部分から割れを発生することはない。本例の焼成炉
は、このような処理基板の割れのメカニズムをふまえた
上で作製されたもので、処理基板の中心から外側に向
け、温度分布がほぼ順次高くなるように、冷却用の風を
吹きつける、処理基板の冷却処理を行うためのものであ
る。図2(c)中Tpは処理基板の中心での温度、To
は周辺部での温度を示し、TpはToより高温度であ
る。
【0020】次に、本例の焼成炉の焼成処理動作の1例
を説明する。これを持って本発明の焼成処理方法の実施
の形態の1例とする。先ず、処理基板170はセッター
180に搭載された状態で、搬入部111側から加熱部
112へと、搬入される。加熱部112は、既に述べた
通り、それぞれ、所定の設定温度に設定された複数の加
熱ゾーン113に分けられており、処理基板170は、
各加熱ゾーン毎に所定時間停止するように、セッター1
80とともにはタクト搬送される。処理基板170は、
各加熱ゾーン113が、それぞれ、所定の設定温度に設
定された加熱部112内をタクト搬送されながら、図3
に示す昇温処理と、キープ温度保持処理、徐冷処
理とを、順次、施される。次いで、加熱部112を経
て、処理基板170は、セッター180とともに、冷却
部114へと送られる。冷却部114では、図3に示す
急冷処理を行う。冷却部114は、既に述べた通り、
複数の冷却ゾーン115に分けられており、それぞれの
冷却ゾーン115で、所定の位置に停止された状態の処
理基板170の上側、下側から、その中心に向け冷却用
の風を、それぞれ、送風機161、162により、吹き
付ける。このように冷却用の風を直接、あるいはセッタ
ー180を介して、処理基板170の上下から吹き付け
ることにより、冷却効率を上げることができ、且つ、処
理基板の中心から外側に向け、温度分布がほぼ順次高く
なるように、冷却用の風を吹きつけるため、冷却処理に
おける処理基板の割れ発生を防止できる。
【0021】
【実施例】実施例は、図1に示す装置で、1タクトゾー
ンを1500mm、タクトゾーン数を30個とし、焼成
炉120の長さ45mとしたものを用い、1ゾーンの処
理タクトを1分、焼成時間30分として、実際に焼成処
理を行ってみたものである。冷却部114は、冷却ゾー
ン115を18個有し、加熱部112から送られた徐冷
後の処理基板に対し、各冷却ゾーン115において、上
下から冷却用の風をその中心部に吹き付けて、100°
C以下まで下げた。送風機161、162による冷却用
の風は、常温の風を風速10m/secで、風量30m
3 /minで処理基板170の上下から中心部に吹き付
けた。搬入部111、加熱部112、冷却部114、搬
出部116までの搬送を全てタクト搬送とした。尚、処
理基板としては、800mm×1000mm、厚さ2.
8mmの高歪点ガラス(旭硝子製PD200)に低融点
ガラスからなる障壁用の加工素材を設けたPDP用の背
面板を用い、セッターとしてはサイズ1600mm×1
200mm×5.0mmのネオセラムN−0(日本電気
硝子株式会社製)を用いた。加熱条件、冷却条件等は、
所望の焼成プロファイルに近くなるように、設定して行
った。処理基板1枚を1単位としてタクト搬送した。冷
却部における急冷処理は、急冷時間18分であった。焼
成後の処理基板については、特に割れの発生発生は見ら
れず、且つ焼成プロファイルについてもほぼ所望のもの
が得られた。尚、比較として、同じ加熱処理条件(図3
の昇温処理〜の徐冷処理までの処理条件を同じ)
で、送風機161、162を用いない、従来の冷却水
(ラジエーターの水)を用い、冷却部の雰囲気の熱を奪
い取り、冷却を行う方法で急冷処理を行ったが、急冷時
間30分かかった。
【0022】尚、実施例においては、タクトゾーン間の
移動速度は9m/minで行った。各タクトゾーンの長
さは1.5mなので、隣接するタクトゾーン間を移動す
るのに必要な時間は10secとなる。各タクトゾーン
を基板が1分で通り抜けるように搬送する、1分タクト
で搬送したので、各ゾーン内で停止もしくは揺動してい
る時間は、各々50secとした。
【0023】
【発明の効果】本発明は、上記のように、PDP作製に
おける、加工用素材の焼成処理を効率的に、且つ、品質
的にも満足できるように行う焼成処理方法、およびこれ
を実施するための装置の提供を可能とした。結果、PD
Pの大型化、高品質化、益々の量産化に対応できるもの
とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼成処理装置の実施の形態の1例の概
略断面図
【図2】処理基板の割れの発生防止を説明するための図
【図3】処理基板の焼成プロファイルを示した図
【図4】PDPの製造工程を説明するための工程図
【図5】PDP基板を説明するための図
【符号の説明】
111 搬入部 112 加熱部 113 加熱ゾーン 114 冷却部 115 冷却ゾーン 116 搬出部 120 ヒータ 125 マッフル 130 回転ロール 141、142、143 仕切りシャッター 151〜154 排気部 161、162 送風機 170 処理基板 175 欠け部 180 セッター 191 投光部 192 受光部 195 (検知用の)光線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒澤 秀 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 5C012 AA09 BB01 BB07 5C040 FA01 GB03 GB14 JA21 JA22 MA25

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱部と冷却部とを備えた焼成炉内を、
    その全体にわたり、処理基板をセッターと呼ばれる搭載
    用部材に搭載して所定の方向に、順次、搬送しながら、
    プラズマディスプレイパネル用の処理基板の加工用素材
    を焼成する焼成処理方法であって、冷却部内において、
    処理基板を、ほぼ停止させ、その一面もしくは両面に、
    処理基板の中心から外側に向け、温度分布がほぼ順次高
    くなるように、冷却用の風を吹きつけて、処理基板を冷
    却することを特徴とする焼成処理方法。
  2. 【請求項2】 プラズマディスプレイパネル用の処理基
    板の加工用素材を焼成するための焼成炉であって、加熱
    部と冷却部とを備え、焼成炉内を、その全体にわたり、
    処理基板をセッターと呼ばれる搭載用部材に搭載して所
    定の方向に、順次、搬送するもので、冷却部内におい
    て、所定の位置に処理基板を、所定時間ほぼ停止させる
    搬送部と、冷却部内の所定位置に停止された処理基板の
    一面もしくは両面に、処理基板の中心から外側に向け、
    温度分布がほぼ順次高くなるように、冷却用の風を吹き
    つける送風部を備えていることを特徴とする焼成炉。
  3. 【請求項3】 請求項2における搬送部が、タクト搬送
    を行う搬送部であることを特徴とする焼成炉。
  4. 【請求項4】 請求項2ないし3において、冷却部内に
    おいて、所定の位置に処理基板を、ほぼ停止させるため
    の位置検出部として、焼成炉外に光学的な位置センサー
    を設けていることを特徴とする焼成炉。
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